説明

棚卸システム

【課題】商品の在庫数量の信頼性を向上させることができる棚卸システムを提供することである。
【解決手段】収納棚20には、種類の異なる商品A、B、Cごとに対応つけられた2次元バーコードが付与されており、その2次元バーコードを携帯端末装置10に読み込ませると、携帯端末装置10は、読み込ませた2次元バーコードに対応つけられた商品の棚卸数量を入力可能な棚卸数量入力画面を受信するための依頼情報を管理装置に送信し、管理装置13は、この携帯端末装置10から受信した依頼情報に基づいて棚卸数量入力画面を携帯端末装置10に送信し、携帯端末装置10は、この管理装置13から受信した棚卸数量入力画面から棚卸数量の入力を受け付けると、その受け付けた棚卸数量を管理装置13に送信し、管理装置13は、この携帯端末装置10から受信した棚卸数量を種類の異なる商品ごとに対応づけて記憶部に記憶させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棚卸システムに関し、詳しくは、収納棚に保管された商品の棚卸を行う棚卸システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、商品の在庫数を把握する方法として、定期的に、棚卸担当者が収納棚に保管された商品の在庫数を数えること(所謂、棚卸作業)が知られている。この方法では、まず、棚卸担当者によって在庫数を把握したい商品の名称(商品の名称ではなく、商品の識別番号等でもよい)が伝票に記入される。もちろん、予め、伝票に在庫数を把握したい商品の名称を記入しておいても良い。その後、同担当者によって該当する商品の在庫数量が数えられ伝票に記入される。最後に、同担当者によって記入された伝票に基づいて該当する商品の在庫数量がコンピュータに入力され、入力された在庫数量がコンピュータ内の在庫台帳に記憶される(更新される)。
【0003】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開2002−284309号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した在庫数の把握方法では、棚卸担当者によって記入された伝票に基づいて該当する商品の在庫数量がコンピュータに入力されるため、その入力作業に誤りが生じると、誤った在庫数量がコンピュータ内の在庫台帳に記憶されることになっていた。そのため、信頼性の欠ける在庫台帳となることがあった。
【0005】
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、その目的は、商品の在庫数量の信頼性を向上させることができる棚卸システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するためのものであって、以下のように構成されている。
請求項1に記載の発明は、2次元バーコードを読み込み可能な携帯端末装置と、その携帯端末装置と通信回線網を介して接続された管理装置とによって収納棚に保管された商品の棚卸を行う棚卸システムであって、収納棚には、種類の異なる商品ごとに対応つけられた2次元バーコードが付与されており、2次元バーコードを携帯端末装置に読み込ませると、携帯端末装置は、読み込ませた2次元バーコードに対応つけられた商品の棚卸数量を入力可能な棚卸数量入力画面を受信するための依頼情報を管理装置に送信し、管理装置は、この携帯端末装置から受信した依頼情報に基づいて棚卸数量入力画面を携帯端末装置に送信し、携帯端末装置は、この管理装置から受信した棚卸数量入力画面から棚卸数量の入力を受け付けると、その受け付けた棚卸数量を管理装置に送信し、
管理装置は、この携帯端末装置から受信した棚卸数量を種類の異なる商品ごとに対応づけて記憶部に記憶させる構成である。
この構成によれば、棚卸担当者が注意して行わなければいけない作業が1度で済むため、棚卸担当者の人為的なミスが低減することとなり、信頼性のある在庫台帳を作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図1を用いて説明する。図1は、本発明の棚卸システムを示す全体構成図である。
【0008】
10は、携帯端末装置であり、例えば、汎用の携帯電話もしくはPHS(Personai handyphones System)である。この携帯端末装置10は、通常の通話機能、メール機能、およびインターネットへのアクセス機能を備えている。また、この携帯端末装置10は、通常のカメラ機能を備えており、このカメラ機能によって2次元バーコードを読み込み可能となっている。
【0009】
11は、中継局である。この中継局11と携帯端末装置10は、無線状態で通信可能である。12は、通信回線網であり、例えば、電話回線網である。13は管理装置である。この管理装置13は、例えば、汎用のパーソナルコンピュータであり、本発明に係る棚卸システムに関するソフトウェアーが記憶されており、このソフトウェアーによって携帯端末装置10からのアクセスに応じて所望する動作が実行されている。なお、これら中継局11と管理装置13とは、通信回線網12とそれぞれ有線状態で接続されている。
【0010】
20は、例えば、図示しない倉庫内に配置された収納棚である。この収納棚20は、上段21、中段22、下段23の3段構成となっており、これら各段21、22、23には、収納される商品に対応付けられたプレートと、同じく収納される商品に対応付けられた2次元バーコードが貼り付けられている。
【0011】
この2次元バーコードは、株式会社デンソーが開発したマトリックス方式の2次元コードであり、例えば、URLを符号化したQR(Quick Response)コードである。なお、図1に示す例では、上段21には、商品Aが3ケ収納され、中段22には、商品Bが1ケ収納され、下段23には、商品Cが2ケ収納されている例である。
【0012】
続いて、上述した収納棚20に収納されている各商品A、B、Cの棚卸作業の手順を説明する。なお、棚卸作業の順番として、商品A、B、Cの順に棚卸する場合を説明する。棚卸担当者は、収納棚20の前に行くと、携帯端末装置10の入力キーを操作して、携帯端末装置10のカメラ機能を動作させる。
【0013】
棚卸担当者は、動作させたカメラ機能を利用して、商品Aの2次元バーコードを携帯端末装置10に読み込ませる。すると、携帯端末装置10は、管理装置13と通信可能となり、商品Aの棚卸数量を入力可能な棚卸数量入力画面を受信するための依頼情報を管理装置13に送信する。
【0014】
管理装置13は、この携帯端末装置10から受信した依頼情報に基づいて、商品Aに関する棚卸数量入力画面を携帯端末装置10に送信する。棚卸担当者は、携帯端末装置10の入力キーを操作して、商品Aの在庫数を入力する。この場合、棚卸担当者は、棚卸数量として「3」を入力する。すると、携帯端末装置10は、入力された棚卸数量を管理装置13に送信する。
【0015】
管理装置13は、この携帯端末装置10から受信した棚卸数量(この場合、「3」)を商品Aに対応づけて記憶部(例えば、自身のHDD)に記憶させる。以下、商品Aと同様にして、棚卸担当者は、商品Bについて、商品Cについて棚卸を行う。これにより、管理装置13の記憶部には、各商品A、B、Cの在庫数「3」、「1」、「2」が記憶される。
【0016】
上述したように棚卸作業が行われると、棚卸担当者は、携帯端末装置10によって各商品A、B、Cの在庫数量の入力作業を誤ることなく行えば、誤った在庫数量がコンピュータ内の在庫台帳に記憶されることがない。そのため、この入力作業に対してのみ、棚卸担当者は注意して作業すればよい。
【0017】
これに対して、従来技術であれば、既に説明したように、棚卸担当者は、伝票への各商品A、B、Cの在庫数量の記入作業と、この記入された伝票に基づいた各商品A、B、Cの在庫数量のコンピュータへの入力作業を誤ることなく行わなければならなかった。そのため、これら記入作業と入力作業の2度の作業に対して、棚卸担当者は注意して作業しなければならなかった。
【0018】
このように、本発明によれば、棚卸担当者が注意して行わなければいけない作業が1度で済むため、棚卸担当者の人為的なミスが低減することとなり、信頼性のある在庫台帳を作成することができる。
【0019】
また、在庫数量の入力手段である携帯端末装置10は、既に説明したように、汎用の携帯電話もしくはPHSを利用できるため、棚卸担当者が所持している携帯電話を流用して本発明を実施できる。したがって、本発明を実施するために、新たに入力手段を準備する必要がなく低コストで実施できる。もちろん、棚卸担当者が携帯電話を所持していない場合、携帯電話もしくはPHSを準備する必要がある。ただ、出願時点において、人口に対する携帯電話もしくはPHSの所持率はかなり高いものである。
【0020】
上述した内容は、あくまでも本発明の一実施の形態に関するものであって、本発明が上記内容に限定されることを意味するものではない。
実施例では、中継局11と管理装置13とは、通信回線網12とそれぞれ有線状態で接続されている場合を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、中継局11と管理装置13とは、通信回線網12とそれぞれ無線状態で接続されていても構わない。
また、実施例では、通信回線網12が電話回線網である例を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、社内LAN等の回線網であっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の棚卸システムを示す全体構成図である。
【符号の説明】
【0022】
10 携帯端末装置
12 通信回線網
13 管理装置
20 収納棚
A、B、C 商品



【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元バーコードを読み込み可能な携帯端末装置と、その携帯端末装置と通信回線網を介して接続された管理装置とによって収納棚に保管された商品の棚卸を行う棚卸システムであって、
収納棚には、種類の異なる商品ごとに対応つけられた2次元バーコードが付与されており、
その2次元バーコードを携帯端末装置に読み込ませると、
携帯端末装置は、読み込ませた2次元バーコードに対応つけられた商品の棚卸数量を入力可能な棚卸数量入力画面を受信するための依頼情報を管理装置に送信し、
管理装置は、この携帯端末装置から受信した依頼情報に基づいて棚卸数量入力画面を携帯端末装置に送信し、
携帯端末装置は、この管理装置から受信した棚卸数量入力画面から棚卸数量の入力を受け付けると、その受け付けた棚卸数量を管理装置に送信し、
管理装置は、この携帯端末装置から受信した棚卸数量を種類の異なる商品ごとに対応づけて記憶部に記憶させる棚卸システム。









【図1】
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【公開番号】特開2008−247497(P2008−247497A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−87910(P2007−87910)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(591153651)浅井興産株式会社 (4)
【Fターム(参考)】