説明

棚卸提案装置及び棚卸提案プログラムおよび記録媒体

【課題】文書を保管する複数の書架を対象として、棚卸するべき棚卸時期を合理的根拠から提案すると共に、棚卸するべき書架を特定する棚卸提案装置を提供とする。
【解決手段】管理サーバ5は、それぞれの書架に配置されて書架の利用を検出して検出信号を書架利用情報として出力する複数のセンサ6のそれぞれから書架利用情報を取得する。また、ゲート装置から書架が設置された区域への人の出入りを示すゲート通過情報を取得する。また、文書の貸出や返却を管理する文書管理端末3から文書の利用状況を示す文書利用情報を取得する。管理サーバ5は、棚卸時期の判定ルールと棚卸するべき書架を特定する書架特定ルールとを保有しており、取得した情報である「ゲート通過回数、書架利用情報、文書利用情報」と、保有するルールである「棚卸時期判定ルール及び書架特定ルール」とから、棚卸時期と棚卸するべき書架とを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、棚卸時期と棚卸するべき書架とを自動で特定する棚卸提案装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図14は、文書管理を行う従来の文書管理システムの構成例を示す。1は文書などを保管する書架、2は保管されている文書、3は文書管理を行う文書管理端末、4は管理区域と管理区域外を区切るゲート装置、5は文書管理端末3とゲート装置4に繋がる管理サーバ5である。
【0003】
図15を参照して、従来の文書管理システムの動作を説明する。図15は、保管対象を文書とした場合の棚卸作業のフローチャートを示している。
【0004】
S11において、棚卸担当者が棚卸時期が到来したかどうか判断し、到来したと判断した場合に棚卸を開始する。S12において、書架1に文書2が存在することを確認する。確認は、管理サーバ5に存在するデータベースと照らし合わせて行う。続いて、文書2が書架1に存在しない場合、それが異常であるかどうかを判断しなければならない(S13)。文書管理端末3で正規の処理が行われた後にゲート装置4から外に持ち出されている場合は整合性が取れていると判断できるが(S13でYES)、貸出中でない筈の文書2が確認できない場合(S13でNO)、不正持ち出し・紛失などの異常であると判断することができ、棚卸担当者は異常に対して対処を行う必要がある(S15)。
【0005】
また、これらの経過データはログとして採取しており、不正持出が行われた場合に、追跡可能性をもたせている。
【0006】
従来の文書管理システムは、ゲート通過時に必ずしも文書を認識できるとは限らず、セキュリティ上の脆弱性を抱えている。それを補うために、棚卸を実施することにより確実性をもたせているか、或いは他のセキュリティシステムと組み合わせることで対応している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−97510号公報、段落0083
【特許文献2】特開2001−101285号公報、請求項3
【特許文献3】特開2005−350205号公報、請求項7
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前者の棚卸を実施する場合は、棚卸を実施するタイミング(時期)を任意の基準で判断することが現状である。盗難・紛失を即時に検知するためには棚卸頻度をあげることが望ましいが業務上の負担となる。かといって頻度を下げるとセキュリティ低下をまねくことになる。また、棚卸する時期についての合理的な根拠に乏しい状態で棚卸を実施しているため、棚卸の必要がないにも関わらず棚卸したり、棚卸をするべきであるにも関わらず実施時期を遅らせてしまうなど、効率的な棚卸作業ができていないという課題がある。
【0009】
また、後者の他のセキュリティシステムと組み合わせることについては、高価なシステムを用いたり、複雑な機能連携を要求されたりすることで、高価な不正持出監視装置(ゲート装置)を使う利点が失われる(必要性がなくなる)などのデメリットを抱えている。
【0010】
棚卸箇所については、理想的には全ての文書の確認を行う必要があるが、すべての文書の確認は重い負担であり、棚卸箇所特定の必要性がある。
【0011】
この発明は、棚卸するべき棚卸時期を合理的根拠から提案すると共に、棚卸するべき箇所を特定する棚卸提案装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明の棚卸提案装置は、
保管対象となる複数の保管対象物を保管する保管庫の複数からなる保管庫群のそれぞれの保管庫ごとに対応して配置されて前記保管庫の利用を検出して検出信号を出力する複数の保管庫センサのそれぞれから前記検出信号を取得する取得部と、
棚卸をするべき前記保管庫を前記取得部により取得される前記検出信号に基づいて特定するルールが定義された第1特定ルールを記憶するルール記憶部と、
前記取得部によって取得された前記検出信号と前記ルール記憶部に記憶された前記第1特定ルールとに基づいて前記保管庫群に属する前記保管庫の中から棚卸するべき前記保管庫を棚卸推奨保管庫として検索し、検索の結果ヒットした場合には、ヒットした前記棚卸推奨保管庫を記憶装置に出力する保管庫特定部と
を備えたことを特徴とする。
【0013】
前記取得部は、
前記保管対象物と前記保管対象物が保管される前記保管庫との対応関係と、前記保管対象物の貸出と返却とのいずれかの事実とを少なくとも含む情報を保管対象物管理情報として管理する管理装置から前記保管対象物管理情報を取得し、
前記ルール記憶部は、さらに、
前記取得部によって取得された前記保管対象物管理情報に基づいて棚卸をするべき前記保管庫を特定するルールが定義された第2特定ルールを記憶し、
前記保管庫特定部は、
前記棚卸推奨保管庫がヒットしなかったときは、前記取得部により取得された前記保管対象物管理情報と前記第2特定ルールとに基づいて前記保管庫群に含まれる前記保管庫の中から前記棚卸推奨保管庫を検索し、検索の結果ヒットした場合には、前記棚卸推奨保管庫を記憶装置に出力することを特徴とする。
【0014】
前記ルール記憶部は、さらに、
前記保管庫群が棚卸するべき棚卸時期に達したかどうかを前記取得部により取得される前記検出信号に基づき判定するルールが定義された棚卸時期判定ルールを記憶し、
前記棚卸提案装置は、さらに、
前記取得部によって取得された前記検出信号と前記ルール記憶部に記憶された前記棚卸時期判定ルールとに基づいて、前記保管庫群が棚卸時期に到達したかどうかを判定する棚卸時期判定部を備え、
前記保管庫特定部は、
前記棚卸時期判定部によって前記保管庫群が棚卸時期に到達したと判定された場合にのみ、前記棚卸推奨保管庫の検索処理を開始することを特徴とする。
【0015】
前記ルール記憶部に記憶される前記棚卸時期判定ルールは、
前記保管庫群が棚卸するべき棚卸時期に達したかどうかを前記取得部により取得される前記検出信号及び前記保管対象物管理情報とに基づき判定するルールが定義されており、
前記棚卸時期判定部は、
前記取得部によって取得された前記検出信号及び前記保管対象物管理情報と、前記ルール記憶部に記憶された前記棚卸時期判定ルールとに基づいて、前記保管庫群が棚卸時期に到達したかどうかを判定することを特徴とする。
【0016】
前記取得部は、
前記保管庫群が設置された区域への入退場を管理するゲート装置から、前記区域への人の入場を示す入場情報と前記区域からの人の退場を示す退場情報とを含むゲート通過情報を取得し、
前記ルール記憶部に記憶される前記棚卸時期判定ルールは、
前記取得部により取得される前記検出信号と、前記保管対象物管理情報と、前記ゲート通過情報とに基づき棚卸時期を判定するルールが定義されており、
前記棚卸時期判定部は、
前記取得部によって取得された前記検出信号と、前記保管対象物管理情報と、前記ゲート通過情報と、前記ルール記憶部に記憶された前記棚卸時期判定ルールとに基づいて、前記保管庫群が棚卸時期に到達したかどうかを判定することを特徴とする。
【0017】
前記棚卸提案装置は、さらに、
時刻を計測する時刻計測部を備え、
前記取得部は、
前記検出信号を取得するたびに前記検出信号に対応する前記保管庫に対して前記検出信号の取得回数を加算すると共に、前記時刻計測部の計測する時刻に応じて、前回までの取得回数に加算するべき加算値に重み付けを行うことを特徴とする。
【0018】
前記複数の保管庫センサは、
被写体映像の中で移動する物体を検知するモーションディテクト機能を有する監視カメラを含むことを特徴とする。
【0019】
この発明の棚卸提案プログラムは、
コンピュータを、
保管対象となる複数の保管対象物を保管する保管庫の複数からなる保管庫群のそれぞれの保管庫に対応して設置されて前記保管庫の利用を検出して検出信号を出力する複数の保管庫センサのそれぞれから前記検出信号を取得する取得部、
棚卸をするべき前記保管庫を前記取得部により取得される前記検出信号に基づいて特定するルールが定義された第1特定ルールを記憶するルール記憶部、
前記取得部によって取得された前記検出信号と前記ルール記憶部に記憶された前記第1特定ルールとに基づいて前記保管庫群に属する前記保管庫の中から棚卸するべき前記保管庫を棚卸推奨保管庫として検索し、検索の結果ヒットした場合には、ヒットした前記棚卸推奨保管庫を記憶装置に出力する保管庫特定部、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
この発明により、棚卸の時期及び棚卸するべき箇所を特定する棚卸提案装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施の形態1における文書管理システム1000の構成図。
【図2】実施の形態1における管理サーバ5の入出力イメージを示す図。
【図3】実施の形態1における管理サーバ5の構成図。
【図4】実施の形態1における文書管理システムの動作を示すフローチャート。
【図5】実施の形態1における棚卸時期判定のための情報収集を示す図。
【図6】実施の形態1における書架の利用情報収集を示すフローチャート。
【図7】実施の形態1における棚卸箇所提案のフローチャート。
【図8】実施の形態1における棚卸箇所の提案処理を説明する図。
【図9】実施の形態1における重みづけを説明する図。
【図10】実施の形態1における監視カメラとの連携を示す図。
【図11】実施の形態1における入退管理システムとの連携を示す図。
【図12】実施の形態2における管理サーバ5の外観の一例。
【図13】実施の形態2における管理サーバ5のハードウェア構成の一例。
【図14】従来技術を示す図。
【図15】従来技術を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
実施の形態1.
図1〜図11を参照して実施の形態1を説明する。実施の形態1は、複数の書架(保管庫)からなる書架群(保管庫群)の棚卸するべき時期を知らせると共に、その書架群のうち、棚卸をするべき書架を特定して通知する文書管理システム1000を説明する。
【0023】
文書管理システム1000では、管理サーバ5が書架に配置されたセンサ6から利用状況を示す検出信号を取得し、また、管理区域内の出入状況の情報をゲート装置から取得し、また、書架に保管される保管対象物の貸出及び返却状況等の利用頻度などを文書管理端末3から取得することにより、書架の棚卸のタイミング(棚卸するべき時期)を提案すると共に、実行箇所(棚卸するべき書架)を特定する。これによって、効率的な棚卸作業が可能になる。これにより、従来の欠点であった棚卸頻度の明確化が可能であり、セキュリティの向上と、労力の削減などの効率化を実現することができる。
【0024】
図1は、実施の形態1における文書管理システム1000の構成図である。文書管理システム1000は、文書管理端末3、ゲート装置4(棚卸提案装置)、管理サーバ5を備えている。外観的な構成は図14に示した従来の文書管理システムとほぼ同じであるが、文書管理システム1000では、それぞれの書架に対応させて、書架の利用を検知するセンサ6を配置した点が異なる。また、文書管理システム1000の管理サーバ5は従来の管理サーバと機能が異なる。
【0025】
(書架群)
図1に示すように、それぞれの書架1(保管庫)は、保管対象となる複数の文書1(保管対象物)〜文書nを保管する。書架1は複数あり、書架群(保管庫群)を構成する。なお、この実施の形態では保管対象物として文書を例に説明しているが文書に限るものではない。保管対象物は保管対象となるものであれば何でもよい。例えば、電子情報の記録された記録媒体でもよいし、貴金属や商品などでも構わない。
【0026】
(センサ6)
センサ6(保管庫センサ)は、書架の変化(扉の開閉、文書の取り出し)を検知し、管理サーバ5にその利用情報(検出信号)を送る。すなわち、それぞれのセンサ6は、書架ごとに対応して配置されてその書架の利用を検出して検出信号(以下、書架利用情報ともいう)を管理サーバ5に出力する。サーバは書架ごとに、利用回数をカウントする。
【0027】
(管理サーバ5の機能の概要)
図2は、管理サーバ5の機能の概要を説明する図である。管理サーバ5は、入力として、後述する各種(3種類)の利用情報を入力する。
【0028】
(利用情報)
図2に示す「利用情報」とは、図5で後述の「利用情報」のことである。
図2に示すように、入力する利用情報としては、
(1)人のゲートの通過状況を示すゲート通過情報をゲート装置4から取得し、
(2)書架の利用状況を示す書架利用情報(センサ6の検出信号)をセンサ6から取得し、
(3)文書の貸出、返却を含む文書の文書利用情報(保管対象物管理情報)を文書管理端末3から取得する。
【0029】
そして管理サーバ5は、これらの利用情報から、書架群を対象として棚卸時期を決定する。また、棚卸するべき書架を棚卸推奨書架として特定する。
【0030】
(管理サーバ5の構成)
図3は管理サーバ5の構成図である。管理サーバ5は、取得部51、棚卸時期判定部52、書架特定部53(保管庫特定部)、時刻計測部54、表示部55、ルール記憶部56、棚卸推奨書架記憶部57(記憶装置)を備えている。
【0031】
(1)取得部51は、それぞれのセンサ6から書架利用情報を取得し、ゲート装置4からゲート通過情報を取得し、及び文書管理端末3から文書利用情報を取得する。
(2)棚卸時期判定部52は、取得部51によって取得された書架利用情報、文書利用情報、ゲート通過情報と、ルール記憶部56に記憶されている棚卸時期判定ルールとから、書架群が棚卸時期に到達したかどうかを判定する。
(3)書架特定部53は、取得部51によって取得された書架利用情報、文書利用情報、ゲート通過情報と、ルール記憶部56に記憶されている書架特定ルール(保管庫特定ルール)とから、書架群のうち棚卸するべき棚卸推奨書架を検索して特定する。
(4)時刻計測部54は、時刻を計測する機能を有する。
(5)表示部55は、情報を表示する。
(6)ルール記憶部56は、棚卸時期判定ルール及び書架特定ルールを記憶する。
これらのルールについては後に詳しく説明する。
(7)棚卸推奨書架記憶部57は、書架特定部53によって特定された書架を記憶する。
【0032】
次に、動作を説明する。
【0033】
(棚卸作業の全体のフロー)
図4は、文書管理システム1000を用いた場合の文書棚卸作業の全体を示すフローチャートである。実施の形態1の文書管理システム1000の特徴は、図4のS1010〜S1040の範囲である。すなわち文書管理システム1000の特徴は、管理サーバ5が棚卸時期と棚卸するべき書架とを自動で提案する点にある。図4のS1050以降は図15で説明したS16以降と同じであるので説明を省略する。S1010〜S1040を簡単に説明する。
【0034】
S1010において、文書管理システム1000では、管理サーバ5が書架群が設置されている管理区域内の「利用情報」である「書架利用情報、文書利用情報、ゲート通過情報」を収集している。
S1020において、この利用情報を元に、管理サーバ5は棚卸を行うべき棚卸時期を判定(決定)する。
S1030において、管理サーバ5は、棚卸するべき箇所を判定する。すなわち、管理サーバ5は棚卸するべき書架1を特定する。文書管理システム1000の特徴は、管理サーバ5が棚卸時期と棚卸箇所を提案する点にある。
【0035】
(図5:利用情報の収集フロー)
図5は、それぞれの利用情報と棚卸時期の決定との関係を説明する図である。
(1)はゲート装置4によるゲート通過情報の場合を示し、
(2)はセンサ6による書架利用情報の場合を示し、
(3)は文書管理端末3による文書利用情報の場合を示している。
管理サーバ5は、(1)〜(3)のそれそれぞれに予め設定されている閾値を、(1)〜(3)のいずれかの情報が一定以上に達したと判断した場合に、棚卸時期と判定する。具体的には次の様である。
【0036】
(棚卸時期判定ルール)
(a)図3に示したルール記憶部56に記憶されている棚卸時期判定ルールには、取得部51により取得される書架利用利用情報と、文書利用情報と、ゲート通過情報とに基づき棚卸時期を判定するルールが定義されている。すなわち、センサ6から通知される書架利用情報からカウントされる書架ごとのカウント数の閾値、また書架全体についてのカウント数の閾値が設定されている。
(b)また、文書利用情報については、各文書ごとに文書の処理回数(例えば、貸出の回数、あるいは返却の回数など)の閾値が設定されている。
(c)また、ゲート通過情報に対しては、ゲート通過回数の閾値が設定されている。
【0037】
(ゲート通過情報)
まず図5(1)を説明する。
S101、S102において、ゲート装置4は、人の通過を検知すると、管理サーバ5に通知する。管理サーバ5の取得部51は、ゲート装置4から通知があるたびに通知回数を加算しており、棚卸時期判定部52は、通知回数が一定以上、すなわち予め設定された閾値以上となった場合(S103のYES)に、棚卸時期が到来したと判定する(S104)。
【0038】
(書架利用情報)
図5(2)を説明する。
S201、S202において、各センサ6は、書架が利用されたことを検知すると、管理サーバ5に通知する。管理サーバ5の取得部51は、センサ6から通知があるたびに通知回数を加算しており、棚卸時期判定部52は、すべてのセンサ6から通知されたトータルでの通知回数が一定以上、すなわち予め設定された閾値以上となった場合(S202のYES)に、棚卸時期が到来したと判定する(S203)。
【0039】
(文章利用情報)
図5(3)を説明する。
S301において、文書管理端末3は各処理を実施する。「各処理」とは、文書の貸出処理、文書の返却処理、文書の廃棄処理、文書の登録処理などである。文書管理端末3は、文書利用情報として、文書とその文書が保管される書架との対応関係と、文書の貸出、返却、廃棄、登録などのいずれかの事実とを含む情報を管理している。
S302において、文書管理端末3は、文書利用情報を管理サーバ5に通知する。管理サーバ5の取得部51は、文書管理端末3から通知があるたびに、その通知に係る文書の処理回数を加算しており、棚卸時期判定部52は、処理回数が一定以上、すなわち予め設定された閾値以上となった場合(S303のYES)に、棚卸時期が到来したと判定する(S304)。
【0040】
(書架利用情報の収集フロー)
図6は、書架利用情報の収集を示すフローチャートである。書架利用情報は、図6に示すように、書架1の変化(扉の開閉、ファイルの取出し、動体検知など)をセンサ6が検知し(S2011)、管理サーバ5に通知することで収集される(S2012)。管理サーバ5の取得部51は、各書架からの検出信号を収集し、検知された書架1を棚卸推奨状態のステータスにする。この情報は、例えば棚卸推奨書架記憶部57に記憶する。
【0041】
(棚卸推奨書架の特定フロー)
図7は、管理サーバ5による棚卸箇所判定のフローチャートである。図8は、棚卸推奨書架の特定過程を具体例で説明するための図である。図8では、書架が4つ(書架A〜書架D)存在する場合を想定しており、また、
書架Aは文書a1,a2,a3を保管し、
書架Bは文書b1,b2,b3を保管し、
書架Cは文書c1,c2を保管し、
書架Dは文書d1,d2,d3を保管しているとする。
【0042】
利用回数が一定以上の書架、或いは前回棚卸から一定期間が経過している書架(猶予期間は棚卸実施者に応じて差をつけるものとする。)、収納されている文書に対する貸出などの処理が一定数以上行われている書架を、棚卸すべき棚卸推奨書架と判断する。棚卸推奨書架がヒットした場合、棚卸担当者に棚卸箇所(書架、あるいは特定の書架とその書架の特定の文書)を提案する。以下に図7、図8を参照して、説明する。
【0043】
S401において、管理サーバ5の棚卸時期判定部52は、棚卸時期が到来したかどうかを判定する。判定の内容は、図5で説明したとおりである。棚卸時期判定部52は、図5において、S104,S203,S304のいずれかに該当したと判断した場合に、書架群の棚卸時期が到来したと判断(S401のYES)する。
【0044】
なお、棚卸時期を図5(1)〜(3)の3つのいずれかで判断するのは一例である。図5(1)〜(3)のうちのいずいれか2つを棚卸判定ルールに設定しておき、2つのうちのいずれかに該当したときに、書架群の棚卸時期が到来したと判断してもよい。あるいは、書架全体の利用回数(図5(2))のみを棚卸判定ルールに設定しておき、棚卸時期を判定しても構わない。あるいは棚卸判定時期を管理サーバ5に判定させることなく、棚卸推奨書架を特定する処理であるS402以降の処理に進んでも構わない。実際の操作イメージとしては、管理サーバ5の表示部55に「棚卸推奨書架の特定処理の開始」ボタンを表示しておき、このボタンが押し下げされた場合には、棚卸時期判定部52による時期の判定なしに、書架特定部53がS402以降の棚卸推奨書架の特定を実行する。すなわち、書架特定部53はボタンが押し下げられると棚卸時期が到来と判断する。
【0045】
(S402:書架利用回数)
S402において、書架特定部53は棚卸時期判定部52によって棚卸時期が到来した判定されたと判断し、棚卸推奨書架の特定処理を開始する。まず、書架特定部53は、書架A〜Dの中で、書架利用回数が一定以上(閾値以上)の書架が存在するかどうかを判定する。書架利用回数は、前述のように書架ごとに取得部51がカウントしている。また、閾値を含む判定基準は、ルール記憶部56の書架特定ルールに定義されている。すなわち書架特定ルールには、上の処理を規定した、「棚卸をするべき書架(保管庫)を取得部51により取得される書架利用情報に基づいて特定するべきルール(第1特定ルール)」が定義されている。
【0046】
この例では図8に示すように、書架利用回数の判定条件(閾値)が「20回以上」となっているとする。図8では、書架B(利用回数80回)のみが該当する。書架特定部53は、書架Bを棚卸推奨書架として特定し、この情報を棚卸推奨書架記憶部57に格納する(S406)。処理はS403に進む。
【0047】
(S403:経過期間)
S403において、書架特定部53は、書架ごとの前回の棚卸実施時期からの経過期間を算出し、判定条件と比較する。判定条件として「1か月以内」という閾値を含むルールがルール記憶部56の書架特定ルールに定義されている。書架特定部53は、このルールに基づき、書架A、C、Dの中から、「2か月前」である書架Cを棚卸推奨書架として特定し、この情報を棚卸推奨書架記憶部57に格納する(S406)。なお、書架特定部53は、棚卸の実施時期、すなわち、棚卸推奨書架を特定した時期を、書架ごとに記憶し保有している。今回も書架特定部53は、棚卸推奨書架として特定した時期を書架ごとに記憶する。
【0048】
(S404:文書の処理回数)
S404において、書架特定部53は、書架ごとに、その書架に含まれる文書の処理回数を確認する。そして、処理回数が判定条件(閾値以上)を満たす文書を特定し、その文書を含む書架を棚卸推奨書架として特定し、特定した棚卸推奨書架を、特定した文書とともに棚卸推奨書架記憶部57に格納する。この場合、判定条件は「10回以上」であるので、書架特定部53は、書架A,Dのうち、書架Aを棚卸推奨書架として特定し、書架Aおよび文書a3(利用回数19回)の情報を棚卸推奨書架記憶部57に格納する(S406)。なお文書利用回数は、書架ごと、かつ、文書ごとに、取得部51がカウントしている。また、閾値を含む判定基準は、ルール記憶部56の書架特定ルールに定義されている。すなわち書架特定ルールには、以上のような、「取得部51によって取得された文書利用情報に基づいて棚卸をするべき書架を特定するべきルール(第2特定ルール)」が定義されている。
【0049】
(S405:棚卸非提案)
図8の書架Dについては、S402〜S403のいずれにも該当しないため、書架特定部53によって特定されない。すなわち検索の結果ヒットしない。よって、書架Dに対する棚卸は不要となり、棚卸の負担が軽減される。
【0050】
(S406:棚卸提案)
S406では、S402〜S403でヒットした棚卸推奨書架の情報、及びS404でヒットした文書の情報が記憶される。表示部55は、棚卸推奨書架記憶部57に記憶された情報を表示画面に表示する。
【0051】
(時間帯による加算値への重みづけ)
図9は、情報取得時の時間帯によって、それまでのカウント値に加算するべき加算値に重みづけする方式を説明する図である。図3の時刻計測部54は、時刻を計測しており、取得部51は時刻計測部54の計測する時刻を参照できる。上記のように取得部51は、書架利用情報、文書利用情報、ゲート通過情報を取得してカウントするが、また、図9に示すように、時間帯に応じて利用情報に重み付けを行うようにする。これにより、時間帯による脅威に対応することができる。
【0052】
例えば書架Aの利用回数を考える。前回までの累積のカウント数は1000回とする。
図9において、取得部51は、
(1)その日の9時〜19時の間に30回カウントした場合、カウント数はそのまま30回(加算値)として1000回に加算する。
(2)6時〜9時及び19時〜22時の間に20回カウントした場合、重み付けによりカウント数を1.2倍する。すなわち、24回(加算値)を1000回に加える。
(3)24時〜6時及び22時〜24時の間に10回カウントした場合、重み付けによりカウント数を1.5倍する。すなわち、15回(加算値)を1000回に加える。
【0053】
あるいは、書架毎に棚卸条件の値を設定することにより、書架毎に棚卸頻度を操作することができる。これは、文書が関連する文書同士が集合しやすい、すなわち重要度が似たような文書が同じ書架に収まりやすい性質を利用することで、より効果的な管理を可能とするものである。
【0054】
このように、棚卸推奨機能は、利用情報収集、棚卸タイミング提案、棚卸推奨箇所の提案の三段階を踏んでいる。
【0055】
このようにして、書架毎に棚卸提案の条件を定め、不要な棚卸労力を削減し、効率的な管理を実現している。また、書架自体をセンサすることにより、貸出処理(文書管理端末3経由)を行わない閲覧行為を確認できることや、文書を誤って他の書架に返却した場合にも、棚卸推奨状態のステータスになっている書架の中に含まれるはずなので、捜索が容易になるという利点がる。なお、この棚卸推奨状態ステータスは棚卸を実施すると解除される。
【0056】
以下に、実施例を示す。非接触通信認証技術(RFID(Radio Frequency IDentification))を用いた文書管理システムで、棚卸推奨機能を利用した場合、図1〜図9での説明をそのまま当てはめることができる。RFIDを用いて文書管理端末3が文書を管理するシステムである。たとえば図書館におけるRFIDを利用した図書の貸出・返却管理システムである。「棚卸推奨機能」とは管理サーバ5の棚卸時期判定部52及び書架特定部53の機能である。非接触通信認証技術を用いた文書管理システムにおいて、ゲート装置を利用する利点は、そもそも通過時にすばやく文書の有無、持出可否を判断し、厳密なセキュリティで発生する労力を低減させるためである。「棚卸推奨機能」を持たない場合、従来技術の課題である棚卸のタイミングが任意になることによるセキュリティの不確実性や、セキュリティ維持のための頻度のジレンマの課題が発生するが、「棚卸推奨機能」により解決可能である。すなわち、ゲート利用によるセキュリティ脆弱性を効率的に補うことができる。
【0057】
また、上記の「棚卸推奨機能」は、以下の図10、図11の実施例への適用も可能である。
【0058】
図10は、監視カメラと「棚卸推奨機能」とを連携した文書管理システム1010の構成図である。センサ6が書架1の変化を検知した場合、監視カメラ7は書架1の様子を撮影する。また、一部の監視カメラの機能に存在するモーションディテクト機能を用いることで、センサの役割を兼用することができる。写体映像の中で移動する物体を検知するモーションディテクト機能を用いた場合、監視カメラのコストのみで実現することができる。監視カメラとの連携によるメリットは、異常が発生した場合に画像で確認することが可能になり、セキュリティとトレーサビリティの向上が期待できる。棚卸提案により、異常の早期発見と原因の早期特定が可能となる連携である。一方で、複数の書架を撮影するために複数の監視カメラを用意する必要があり、大規模な管理をする場合、それに見合う撮影画像の管理が必要になるため、棚卸結果に応じて、保存画像を取捨選択することで、管理者の負担と記録媒体の負担を低減させることができる。棚卸推奨機能を利用した場合、保存情報の負担が一定値域に達した場合に棚卸を提案することで、データ管理の要素を考慮しながら運用を行うことが可能になる。
【0059】
図11は、ユーザ認証システムとの連携である。ユーザ認証が利用されるのは、入退出管理装置7と書架1の扉の開錠時であり、ユーザ認証と連携することで、よりセキュアな管理が可能となるほか、ユーザ認証によって得られたユーザの権限情報を棚卸提案の判定基準にすることで、より厳密な棚卸提案が可能になる。
【0060】
実施の形態2.
図12、図13を参照して実施の形態2を説明する。
【0061】
実施の形態2は、管理サーバ5をコンピュータで実現する具体的な実施形態を示す。
【0062】
図12は、管理サーバ5の外観の一例を示す図である。図12において、管理サーバ5は、システムユニット830、CRT(Cathode・Ray・Tube)やLCD(液晶)の表示画面を有する表示装置813、キーボード814(Key・Board:K/B)、マウス815、FDD817(Flexible・Disk・ Drive)、コンパクトディスク装置818(CDD:Compact Disk Drive)、プリンタ装置819などのハードウェア資源を備え、これらはケーブルや信号線で接続されている。
【0063】
システムユニット830は、ネットワーク(LAN)を介して、文書管理端末3、ゲート装置4、入退管理装置10と接続している。
【0064】
図13は、管理サーバ5のハードウェア資源の一例を示す図である。図13において、管理サーバ5は、プログラムを実行するCPU810(Central Processing Unit)を備えている。CPU810は、バス825を介してROM(Read Only Memory)811、RAM(Random Access Memory)812、表示装置813、キーボード814、マウス815、通信ボード816、FDD817、CDD818、プリンタ装置819、磁気ディスク装置820と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置820の代わりに、光ディスク装置、フラッシュメモリなどの記憶装置でもよい。
【0065】
RAM812は、揮発性メモリの一例である。ROM811、FDD817、CDD818、磁気ディスク装置820等の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置あるいは記憶部、格納部、バッファの一例である。通信ボード816、キーボード814、FDD817などは、入力部、入力装置の一例である。また、通信ボード816、表示装置813、プリンタ装置819などは、出力部、出力装置の一例である。
【0066】
通信ボード816は、ネットワーク(LAN等)に接続されている。通信ボード816は、LANに限らず、インターネット、ISDN等のWAN(ワイドエリアネットワーク)などに接続されていても構わない。通信ボード816は、ネットワークを介して文書管理端末3、ゲート装置4、入退管理装置10と通信可能である。
【0067】
磁気ディスク装置820には、オペレーティングシステム821(OS)、ウィンドウシステム822、プログラム群823、ファイル群824が記憶されている。プログラム群823のプログラムは、CPU810、オペレーティングシステム821、ウィンドウシステム822により実行される。
【0068】
上記プログラム群823には、以上の実施の形態の説明において「〜部」として説明した機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU810により読み出され実行される。
【0069】
ファイル群824には、以上の実施の形態の説明において、「棚卸時期判定ルール」、「書架判定ルール」、「特定された書架」、「特定された文書」として説明したデータや、「〜の判定結果」、「〜の算出結果」、「〜の抽出結果」、「〜の生成結果」、「〜の処理結果」として説明した情報や、データや信号値や変数値やパラメータなどが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。「〜ファイル」や「〜データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU810によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示などのCPUの動作に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示のCPUの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
【0070】
また、以上に述べた実施の形態の説明において、データや信号値は、RAM812のメモリ、FDD817のフレキシブルディスク、CDD818のコンパクトディスク、磁気ディスク装置820の磁気ディスク、その他光ディスク、ミニディスク、DVD(Digital・Versatile・Disk)等の記録媒体に記録される。また、データや信号は、バス825や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0071】
また、以上の実施の形態の説明において、「〜部」として説明したものは、「〜手段」、「〜回路」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」として説明したものは、ROM811に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU810により読み出され、CPU810により実行される。すなわち、プログラムは、以上に述べた「〜部」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、以上に述べた「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0072】
以上の実施の形態で説明した管理サーバ5の動作を、コンピュータに実行させるプログラムとして把握することも可能である。あるいは、プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として把握することも可能である。さらに、管理サーバ5が行う棚卸提案方法として把握することも可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 書架、2 文書、3 文書管理端末、4 ゲート装置、5 管理サーバ、6 センサ、10 入退管理装置、51 取得部、52 棚卸時期判定部、53 書架特定部、54 時刻計測部、55 表示部、56 ルール記憶部、57 棚卸推奨書架記憶部、1000,1010,1020 文書管理システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管対象となる複数の保管対象物を保管する保管庫の複数からなる保管庫群のそれぞれの保管庫ごとに対応して配置されて前記保管庫の利用を検出して検出信号を出力する複数の保管庫センサのそれぞれから前記検出信号を取得する取得部と、
棚卸をするべき前記保管庫を前記取得部により取得される前記検出信号に基づいて特定するルールが定義された第1特定ルールを記憶するルール記憶部と、
前記取得部によって取得された前記検出信号と前記ルール記憶部に記憶された前記第1特定ルールとに基づいて前記保管庫群に属する前記保管庫の中から棚卸するべき前記保管庫を棚卸推奨保管庫として検索し、検索の結果ヒットした場合には、ヒットした前記棚卸推奨保管庫を記憶装置に出力する保管庫特定部と
を備えたことを特徴とする棚卸提案装置。
【請求項2】
前記取得部は、
前記保管対象物と前記保管対象物が保管される前記保管庫との対応関係と、前記保管対象物の貸出と返却とのいずれかの事実とを少なくとも含む情報を保管対象物管理情報として管理する管理装置から前記保管対象物管理情報を取得し、
前記ルール記憶部は、さらに、
前記取得部によって取得された前記保管対象物管理情報に基づいて棚卸をするべき前記保管庫を特定するルールが定義された第2特定ルールを記憶し、
前記保管庫特定部は、
前記棚卸推奨保管庫がヒットしなかったときは、前記取得部により取得された前記保管対象物管理情報と前記第2特定ルールとに基づいて前記保管庫群に含まれる前記保管庫の中から前記棚卸推奨保管庫を検索し、検索の結果ヒットした場合には、前記棚卸推奨保管庫を記憶装置に出力することを特徴とする請求項1記載の棚卸提案装置。
【請求項3】
前記ルール記憶部は、さらに、
前記保管庫群が棚卸するべき棚卸時期に達したかどうかを前記取得部により取得される前記検出信号に基づき判定するルールが定義された棚卸時期判定ルールを記憶し、
前記棚卸提案装置は、さらに、
前記取得部によって取得された前記検出信号と前記ルール記憶部に記憶された前記棚卸時期判定ルールとに基づいて、前記保管庫群が棚卸時期に到達したかどうかを判定する棚卸時期判定部を備え、
前記保管庫特定部は、
前記棚卸時期判定部によって前記保管庫群が棚卸時期に到達したと判定された場合にのみ、前記棚卸推奨保管庫の検索処理を開始することを特徴とする請求項2記載の棚卸提案装置。
【請求項4】
前記ルール記憶部に記憶される前記棚卸時期判定ルールは、
前記保管庫群が棚卸するべき棚卸時期に達したかどうかを前記取得部により取得される前記検出信号及び前記保管対象物管理情報とに基づき判定するルールが定義されており、
前記棚卸時期判定部は、
前記取得部によって取得された前記検出信号及び前記保管対象物管理情報と、前記ルール記憶部に記憶された前記棚卸時期判定ルールとに基づいて、前記保管庫群が棚卸時期に到達したかどうかを判定することを特徴とする請求項3記載の棚卸提案装置。
【請求項5】
前記取得部は、
前記保管庫群が設置された区域への入退場を管理するゲート装置から、前記区域への人の入場を示す入場情報と前記区域からの人の退場を示す退場情報とを含むゲート通過情報を取得し、
前記ルール記憶部に記憶される前記棚卸時期判定ルールは、
前記取得部により取得される前記検出信号と、前記保管対象物管理情報と、前記ゲート通過情報とに基づき棚卸時期を判定するルールが定義されており、
前記棚卸時期判定部は、
前記取得部によって取得された前記検出信号と、前記保管対象物管理情報と、前記ゲート通過情報と、前記ルール記憶部に記憶された前記棚卸時期判定ルールとに基づいて、前記保管庫群が棚卸時期に到達したかどうかを判定することを特徴とする請求項4記載の棚卸提案装置。
【請求項6】
前記棚卸提案装置は、さらに、
時刻を計測する時刻計測部を備え、
前記取得部は、
前記検出信号を取得するたびに前記検出信号に対応する前記保管庫に対して前記検出信号の取得回数を加算すると共に、前記時刻計測部の計測する時刻に応じて、前回までの取得回数に加算するべき加算値に重み付けを行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の棚卸提案装置。
【請求項7】
前記複数の保管庫センサは、
被写体映像の中で移動する物体を検知するモーションディテクト機能を有する監視カメラを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の棚卸提案装置。
【請求項8】
コンピュータを、
保管対象となる複数の保管対象物を保管する保管庫の複数からなる保管庫群のそれぞれの保管庫に対応して設置されて前記保管庫の利用を検出して検出信号を出力する複数の保管庫センサのそれぞれから前記検出信号を取得する取得部、
棚卸をするべき前記保管庫を前記取得部により取得される前記検出信号に基づいて特定するルールが定義された第1特定ルールを記憶するルール記憶部、
前記取得部によって取得された前記検出信号と前記ルール記憶部に記憶された前記第1特定ルールとに基づいて前記保管庫群に属する前記保管庫の中から棚卸するべき前記保管庫を棚卸推奨保管庫として検索し、検索の結果ヒットした場合には、ヒットした前記棚卸推奨保管庫を記憶装置に出力する保管庫特定部、
として機能させる棚卸提案プログラム。
【請求項9】
請求項8記載の保管庫特定プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−222098(P2010−222098A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−71309(P2009−71309)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(501158538)三菱電機インフォメーションテクノロジー株式会社 (28)
【Fターム(参考)】