説明

棚用落下防止装置

【課題】物品の落下防止に効果的かつ物品の出し入れに邪魔にならない簡素な構造の棚用落下防止装置を提供する。
【解決手段】 一対の側板2,2の内面に設けられた一対の係止部材47,47には、係止口4と係止端部43がある案内溝49と、長孔42がある。押さえバー48の支持棒部50は長孔に係止され、押さえ棒部17は案内溝に挿入・抜脱自在である。押さえ棒部17の両端を係止端部43に係止させると、バーは棚板の開口部の押さえ位置に配置されて物品の落下を防止する。バーを持ち上げて手前に引けば、押さえ棒部17が係止口40から外れてバーは手前下方の開放位置に設定され、物品の出し入れが容易になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震等の振動によって棚から物品が落下するのを防止するために棚に装備される棚用落下防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
書籍、食器、その他の物品を収納している棚から地震時等に物品が落下するのを防止するために、種々の構造の落下防止装置が提案されている。
例えば、下記特許文献1には、陳列棚の前面に振動時に作動する陳列物落下防止板を取り付けて、地震等振動による陳列物の落下、破損、発火、怪我等を防止する落下防止装置の発明が開示されている。この落下防止装置によれば、棚の前面、上部に滑車付きの陳列物落下防止板を配置し、棚の前面両サイドにレール軌道を設け、振動センサが振動を検知するとストッパーである電磁棒機構が作動して陳列物落下防止板が瞬時にレール軌道に添ってスライドし、陳列物落下を防止することができるものとされている。
【0003】
また、下記特許文献2には、棚板上に載置された収納物の落下を好適に防止する棚の収納物の落下防止装置の発明が開示されている。この収納物落下防止装置によれば、落下防止部材を棒状とし、地震等の振動を検知した場合に、この落下防止部材を棚板と略重複する待機位置から、棚板上に載置した収納物の落下を阻止する係止位置まで、ラックの開口面に沿って上下方向にスライドさせることにより、開口からの収納物の落下を防止することができるものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−56763号
【特許文献2】特開2000−210148号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した各特許文献の落下防止装置によれば、落下防止用の部材を保持機構によって待機位置で保持しておき、センサ等によって振動を検知した場合に、保持機構を解除することによって落下防止用の部材を落下させ、棚から収納物が落下するのを防止するというものであるため、構造が複雑で高価であり、またセンサや各種機構を利用していることから故障の可能性を含めて作動の信頼性に疑問があり、さらに振動を検知してから落下防止部材が落下防止位置に設定されることから急な振動の場合には間に合わない可能性があるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明においては、センサや作動用の駆動機構等を用いない簡素な構造であり、かつ振動の発生を検知してから落下防止部材を要所に設定するのではなく、棚上の物品の落下を防止する位置に設定されていながら、物品の出し入れに邪魔にならない構造の棚用落下防止装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載された棚用落下防止装置は、
所定間隔をおいて配置された一対の側板と、前記一対の側板の間に取り付けられて物品が載置される棚板とを備え、前面の開口部から前記物品を出し入れすることができる棚に取り付けられ、前記物品が前記開口から落下するのを防止するための棚用落下防止装置において、
上方の係止口と下方の係止端部を連続させる案内溝を備え、前記案内溝が前記一対の側板において同一の高さに対をなして配置されるように、前記開口の近傍において前記一対の側板にそれぞれ取り付けられた一対の係止部材と、
前記一対の係止部材の前記各係止口から挿入及び抜脱が可能であるとともに前記案内溝の前記各係止口以外の部分からは抜脱が不能である一対の端部と、前記一対の係止部材の前記各係止端部に前記各端部が係止された状態において前記棚板の上方に横方向に沿って配置されることにより前記棚板上にある前記物品の落下を防止する押さえ棒部とを有する押さえバーと、
を備えたことを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載された棚用落下防止装置は、例えば図1〜5に記載したような1本の揺動自在の押さえバーを有するタイプであって、
所定間隔をおいて配置された一対の側板と、前記一対の側板の間に取り付けられて物品が載置される棚板とを備え、前面の開口部から前記物品を出し入れすることができる棚に取り付けられ、前記物品が前記開口から落下するのを防止するための棚用落下防止装置において、
前板と内板を備えた本体と、前記本体の前記前板に開口された係止口を有するとともに前記係止口よりも小幅となるように前記係止口に連続して前記内板に形成された横溝部及び前記係止口よりも小幅となるように前記横溝部に連続して前記内板に形成されて下端が係止端部とされた縦溝部からなる案内溝とを備え、前記案内溝が前記一対の側板において同一の高さに対をなして配置されるように、前記開口の近傍において前記一対の側板にそれぞれ取り付けられた一対の係止部材と、
前記一対の係止部材に対しては前記各案内溝の前記各係止口からのみ挿入及び抜脱が可能であるとともに前記各案内溝の前記各係止口以外の部分からは抜脱が不能である一対の端部と、前記一対の端部から前記側板と平行な面内に沿ってそれぞれ延設された互いに平行な一対の腕部と、前記側板と直交する方向に延設されて前記一対の腕部を連結する押さえ棒部とを有し、前記一対の係止部材の前記各係止端部に前記各端部が係止された状態において揺動自在とされた押さえバーとを備え、
前記押さえ棒部は、外力を受けずに自重で垂下している場合には、前記棚板に載置された前記物品の落下を防止するように前記開口部の近傍の第1位置に配置され、前記開口部の外側に向けた力を受けた場合には、前記第1位置から揺動し、前記第1位置よりも前記開口部について外側かつ上方である第2位置に移動できるように構成されたことを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載された棚用落下防止装置は、例えば図8〜16に記載されたような開閉自在の2本のバーを有するタイプであって、
所定間隔をおいて配置された一対の側板と、前記一対の側板の間に取り付けられて物品が載置される棚板とを備え、前面の開口部から前記物品を出し入れすることができる棚に取り付けられ、前記物品が前記開口から落下するのを防止するための棚用落下防止装置において、
前板と内板を備えた本体と、前記本体の前記前板に開口した係止口を有するとともに、前記係止口に連続し、前記内板に上下方向に沿って形成されて下端が係止端部とされた案内溝と、前記案内溝とは独立して前記案内溝の下方の前記内板に上下方向に沿って形成された長孔とを備え、前記案内溝及び前記長孔が前記一対の側板においてそれぞれ同一の高さに対をなして配置されるように、前記開口の近傍において前記一対の側板にそれぞれ取り付けられた一対の係止部材と、
前記一対の係止部材の前記一対の長孔に対して両端部において移動自在に係止する支持棒部と、前記支持棒部と直交する連結棒部により前記支持棒部に平行に連結され、その両端部において、前記一対の係止部材の前記各案内溝に前記各係止口から挿入及び抜脱が可能な押さえ棒部とを有する押さえバーとを備え、
前記押さえ棒部は、両端が前記案内溝の係止端部に係止している場合には、前記棚板に載置された前記物品の落下を防止するように前記開口部の近傍の押さえ位置に配置され、前記案内溝から外された場合には、前記押さえ位置から揺動し、前記押さえ位置よりも前記開口部について外側かつ下方である開放位置に移動できるように構成されたことを特徴としている。
【0010】
請求項4に記載された棚用落下防止装置は、例えば図6に記載した1本の揺動自在の押さえバーを有するタイプであって、
所定間隔をおいて配置された一対の側板と、前記一対の側板の間に取り付けられて物品が載置される棚板とを備え、前面の開口部から前記物品を出し入れすることができる棚に取り付けられ、前記物品が前記開口から落下するのを防止するための棚用落下防止装置において、
前板と下板を備えた本体と、前記本体の上部に開口された係止口を有するとともに、前記係止口に連通して前記前板の背面側に設けられ、前記前板の内側方に開口し、下端である前記下板の上面が係止端部とされた案内溝とを備え、前記案内溝が前記一対の側板において同一の高さに対をなして配置されるように、前記開口の近傍において前記一対の側板にそれぞれ取り付けられた一対の係止部材と、
前記一対の係止部材に対しては前記各案内溝の前記各係止口から挿入及び抜脱が可能である一対の端部と、前記一対の端部から前記側板と平行な面内に沿ってそれぞれ延設された互いに平行な一対の腕部と、前記側板と直交する方向に延設されて前記一対の腕部を連結する押さえ棒部とを有し、前記一対の係止部材の前記各係止端部に前記各端部が係止された状態において揺動自在とされた押さえバーとを備え、
前記押さえ棒部は、外力を受けずに自重で垂下している場合には、前記棚板に載置された前記物品の落下を防止するように前記開口部の近傍の第1位置に配置され、前記開口部の外側に向けた力を受けた場合には、前記第1位置から揺動し、前記第1位置よりも前記開口部について外側かつ上方である第2位置に移動できるように構成されたことを特徴としている。
【0011】
請求項5に記載された棚用落下防止装置は、例えば図2に記載された1本の固定式の押さえバーや、図7に記載された例えば2本の固定式の押さえバーを有するタイプであって、
所定間隔をおいて配置された一対の側板と、前記一対の側板の間に取り付けられて物品が載置される棚板とを備え、前面の開口部から前記物品を出し入れすることができる棚に取り付けられ、前記物品が前記開口から落下するのを防止するための棚用落下防止装置において、
前板と内板を備えた本体と、前記本体の前記前板に開口された係止口を有するとともに前記係止口よりも小幅となるように前記係止口に連続して前記内板に形成された横溝部及び前記係止口よりも小幅となるように前記横溝部に連続して前記内板に形成されて下端が係止端部とされた縦溝部からなり、前記一対の側板において同一の高さに対をなして配置されるように構成された少なくとも一対の案内溝を備え、前記開口の近傍において前記一対の側板にそれぞれ取り付けられた一対の係止部材と、
前記一対の係止部材に対しては前記各案内溝の前記各係止口からのみ挿入及び抜脱が可能であるとともに前記各案内溝の前記各係止口以外の部分からは抜脱が不能である少なくとも一対の端部と、前記側板と直交する方向に延設されて前記少なくとも一対の端部をそれぞれ連結する少なくとも1本の押さえ棒部とを有し、前記一対の係止部材の前記各係止端部に前記各端部が係止された状態において前記棚板の上方に前記押さえ棒部が横方向に沿って配置されることにより前記棚板上にある前記物品の落下を防止する押さえバーとを備えたことを特徴としている。
【0012】
請求項6に記載された棚用落下防止装置は、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の棚用落下防止装置において、
前記一対の係止部材が、複数対の前記案内溝が長手方向について所定間隔で形成された一対の長体状の部材であり、前記棚の前記開口部において前記一対の側板に上下方向に沿って取り付けられたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載された棚用落下防止装置によれば、押さえバーの両端部を一対の係止部材の各係止口から挿入すれば、押さえバーは抜け落ちることなく案内溝に沿って落下し、両端部が各係止端部に係止された状態で安定する。この状態で、押さえ棒部は棚板の上方の落下防止位置で横方向に設定されて開口を遮断するので、地震等の振動を受けた棚上の物品を棚上に保持して落下するのを防止することができる。このように押さえバーは係止部材からは容易に外れることがなく、物品の落下防止に有効であるが、棚上の物品を出し入れ等する場合には、押さえ棒部を案内溝に沿って持ち上げ、少なくとも一方の端部を一方の係止部材の係止口から外せば、他方の端部を他方の係止部材の案内溝に係止させたままの状態で、押さえ棒部を棚の開口から外れた位置に離すことができ、又は押さえバーを他方の端部で他方の係止部材に係止した状態で吊り下げておくことができる。物品の出し入れ等が済んだら、外した一方の端部を再び係止部材の係止口に挿入するだけで、押さえ棒部を棚板上方の落下防止位置に簡単に設定できる。
【0014】
請求項2に記載された棚用落下防止装置は、例えば図1〜5に記載したような1本の揺動自在の押さえバーを有するタイプであるため、押さえバーの両端部を一対の係止部材の各係止口から挿入すれば、押さえバーは抜け落ちることなく案内溝に沿って落下し、両端部が各係止端部に係止されて自重で垂下した状態で安定する。この状態で、押さえ棒部は、開口部の近傍である棚板の上方の第1位置に横方向に設定されて開口を遮断するので、地震等の振動を受けた棚上の物品を棚上に保持してが落下するのを防止することができる。また、振動によって物品が棚から外に飛び出そうとする力が大きい場合には、押さえバーは、物品から開口部の外側に向けた力を受けて、第1位置よりも開口部について外側かつ上方である第2位置に揺動しながら、開口から飛び出そうとする物品を保持するので、物品が棚から飛び出ようとする勢いを減衰させて落下を防止することができる。このように押さえバーは係止部材からは容易に外れることがなく、物品の落下防止に有効であるが、棚上の物品を出し入れ等する場合には、押さえ棒部を第1位置から第2位置に揺動させれば、開口の手前が開いて棚上の物品の出し入れが容易になる。また、押さえ棒部を案内溝に沿って持ち上げ、少なくとも一方の端部を一方の係止部材の係止口から外せば、他方の端部を他方の係止部材の案内溝に係止させたままの状態で、押さえ棒部を棚の開口から外れた位置に離すことができ、又は押さえバーを他方の端部で他方の係止部材に係止した状態で吊り下げておくことができる。物品の出し入れ等が済んだら、外した一方の端部を再び係止部材の係止口に挿入するだけで、押さえ棒部を棚板上方の落下防止位置に簡単に設定できる。
【0015】
請求項3に記載された棚用落下防止装置は、図8〜16に記載されたような開閉自在の2本のバーを有するタイプであるため、押さえ棒部の両端が案内溝の係止端部に係止している場合には、押さえ棒部は開口部の近傍の押さえ位置に配置され、棚板に載置された物品の落下を防止することができる。また、棚上の物品を出し入れ等する場合には、押さえ棒部を案内溝に沿って持ち上げ、支持棒部を中心として手前に回転させるように倒すと、押さえ棒部の両端は係止口から外れ、押さえ位置よりも開口部について外側かつ下方である開放位置に押さえ棒部を移動させることができるので、支障なく棚上の物品を出し入れ等することができる。押さえ棒部を再び押さえ位置に設定するには、押さえ棒部を持ち上げて支持棒部を中心に上方に回転させ、支持棒部ごと持ち上げて押さえ棒部の両端を係止部材の係止口から挿入すれば、押さえバーは自重で案内溝に沿って落下し、押さえ棒部の両端が各係止端部に係止された状態で安定する。このように、押さえバーの閉止と開放を片手の簡単な動作で行なうことができる。
【0016】
請求項4に記載された棚用落下防止装置は、例えば図6に記載した1本の揺動自在の押さえバーを有するタイプであるため、押さえバーの両端部を一対の係止部材の各係止口から挿入すれば、押さえバーは抜け落ちることなく案内溝に沿って落下し、両端部が各係止端部に係止されて自重で垂下した状態で安定する。この状態で、押さえ棒部は、開口部の近傍である棚板の上方の第1位置に横方向に設定されて開口を遮断するので、地震等の振動を受けた棚上の物品を棚上に保持してが落下するのを防止することができる。また、振動によって物品が棚から外に飛び出そうとする力が大きい場合には、押さえバーは、物品から開口部の外側に向けた力を受けて、第1位置よりも開口部について外側かつ上方である第2位置に揺動しながら、開口から飛び出そうとする物品を保持するので、物品が棚から飛び出ようとする勢いを減衰させて落下を防止することができる。このように押さえバーは係止部材からは容易に外れることがなく、物品の落下防止に有効であるが、棚上の物品を出し入れ等する場合には、押さえ棒部を第1位置から第2位置に揺動させれば、開口の手前が開いて棚上の物品の出し入れが容易になる。また、押さえ棒部を案内溝に沿って持ち上げ、少なくとも一方の端部を一方の係止部材の係止口から外せば、他方の端部を他方の係止部材の案内溝に係止させたままの状態で、押さえ棒部を棚の開口から外れた位置に離すことができ、又は押さえバーを他方の端部で他方の係止部材に係止した状態で吊り下げておくことができる。物品の出し入れ等が済んだら、外した一方の端部を再び係止部材の係止口に挿入するだけで、押さえ棒部を棚板上方の落下防止位置に簡単に設定できる。
【0017】
請求項5に記載された棚用落下防止装置は、例えば図2に記載された1本の固定式の押さえバーや、図7に記載された例えば2本の固定式の押さえバーを有するタイプであるため、押さえバーの両端部を一対の係止部材の各係止口から挿入すれば、押さえバーは抜け落ちることなく案内溝に沿って落下し、両端部が各係止端部に係止された状態で安定する。この状態で、押さえ棒部は棚板の上方の落下防止位置で横方向に設定されて開口を遮断するので、地震等の振動を受けた棚上の物品を棚上に保持して落下するのを防止することができる。このように押さえバーは係止部材からは容易に外れることがなく、物品の落下防止に有効であるが、棚上の物品を出し入れ等する場合には、1本の固定式の押さえバーの場合であれば、押さえ棒部を案内溝に沿って持ち上げ、少なくとも一方の端部を一方の係止部材の係止口から外せば、他方の端部を他方の係止部材の案内溝に係止させたままの状態で、押さえ棒部を棚の開口から外れた位置に離すことができ、又は押さえバーを他方の端部で他方の係止部材に係止した状態で吊り下げておくことができる。また、2本の固定式の押さえバーの場合であれば、上側の押さえバーの両端部を係止部材から外し、下側の押さえバーの両端部を係止部材に係止させたままとしておけば、上側の押さえバーを手前下方に倒して棚の開口を開放することができる。物品の出し入れ等が済んだら、外した一方の端部を再び係止部材の係止口に挿入するだけで、押さえ棒部を棚板上方の落下防止位置に簡単に設定できる。
【0018】
請求項6に記載された棚用落下防止装置によれば、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の棚用落下防止装置における効果において、一対の係止部材には複数対の案内溝が長手方向について所定間隔で形成されているので、押さえバーを係止する案内溝の対を適宜jに選択することにより、棚に対する押さえバーの位置を任意に調整することができるので、棚に載置する物品の形状やサイズに対応して最も適切な落下防止位置に押さえバーを設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態の全体斜視図である。
【図2】第1実施形態の取り付け状態を示す斜視図である。
【図3】第1実施形態の断面図である。
【図4】第1実施形態の変形例の一部を示す斜視図である。
【図5】第1実施形態の取り外し状態を示す斜視図である。
【図6】第2実施形態の取り付け状態を示す斜視図である。
【図7】第3実施形態の取り付け状態を示す斜視図である。
【図8】第4実施形態の全体斜視図と部分拡大斜視図である。
【図9】第4実施形態の第1構造例を示す正面図である。
【図10】第4実施形態の第1構造例を示す断面図である。
【図11】第4実施形態の第1構造例における閉止状態を示す斜視図である。
【図12】第4実施形態の第1構造例における開放状態を示す斜視図である。
【図13】第4実施形態の第2構造例を示す正面図である。
【図14】第4実施形態の第2構造例を示す断面図である。
【図15】第4実施形態の第2構造例における閉止状態を示す斜視図である。
【図16】第4実施形態の第2構造例における開放状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本実施形態の棚用落下防止装置は、棚板に載置された物品が前面の開口から落下するのを防止する装置である。本実施形態においては、例えば図1に示すように、この装置の取り付け対象となる棚としては、所定間隔をおいて配置された一対の側板と、側板の上下に設けられた天板及び台輪(底板)と、側板の間に配置された棚板とを有する箱型の棚を例として挙げている。しかしながら、本実施形態の棚用落下防止装置は、このような箱型の移動可能な棚だけでなく、壁面に取り付けられた側板の間に棚板が設けられた作り付けタイプの棚に対しても、適用することができる。
【0021】
1.第1実施形態(図1〜図5、1本揺動タイプ及び1本固定タイプ)
図1に示す本例の棚1は、所定間隔をおいて配置された一対の側板2,2と、一対の側板2,2の上端を連結する天板3と、一対の側板2,2の下端を連結する台輪4(底板4)と、一対の側板2,2の間に上下に適当間隔をおいて平行に配置された複数枚の棚板5とを有する箱型の棚である。なお、棚板5の位置は変更可能であり、載置する物品6の高さ等に合せて棚板5の位置を変え、上下の棚板5の間隔を変更することができるものとしてもよい。
【0022】
図2及び図3に示すように、本実施形態の棚用落下防止装置は、棚1の一対の側板2,2に取り付けられる一対の係止部材7,7と、この一対の係止部材7,7の間に掛け渡して取り付けられる押さえバー8によって構成される。
【0023】
図2及び図3に示すように、係止部材7は、上下に長く連続する横断面正方形状の角形中空管体を本体としており、後述するように複数の案内溝9が本体の長手方向(上下方向)について所定間隔で形成されており、棚の開口部において各側板の前端面に上下方向に沿って取り付けられている。
【0024】
角形中空管体である本体の4面のうち、前板7aと内板7bには案内溝9が形成されている。案内溝9は、本体の前板7aに開口された係止口10と、係止口10よりも小幅となるように係止口10に連続して前記内板7bに略横方向に沿って形成された横溝部11と、横溝部11と同幅で横溝部11に連続して内板7bに形成された縦溝部12とを有する。縦溝部12は、横溝部11に対して鋭角をもって下方に延設されており、その下端が係止端部13とされて押さえバー8が係止されるようになっている。なお、一対の係止部材7,7は、一対の案内溝9,9が一対の側板2,2において同一の高さに配置されるようになっている。
【0025】
図2及び図3に示すように、一対の係止部材7,7に対して押さえバー8が着脱可能に取り付けられている。本例では、特に図2の下方に示す揺動タイプの第1の押さえバー8と、同上方に示す非揺動タイプの第2の押さえバー18がある。
揺動タイプの第1の押さえバー8は、案内溝9の係止口10からのみ挿入及び抜脱が可能であるとともに、案内溝9に沿って移動可能であるが、案内溝9の係止口10以外の部分からは抜脱が不能であるように抜け止め部材14(例えばナット)が設けられた一対の端部15,15を有している。一対の端部15,15からは、側板2と平行な面内に沿って互いに平行な一対の腕部16,16がそれぞれ延設されている。そして、一対の腕部16,16は、側板2と直交する方向に延設された押さえ棒部17によって連結されており、全体としてクランク状の外観を呈している。
【0026】
この押さえバー8の両端を一対の係止部材7,7の各係止口10,10から挿入すれば、押さえ棒部17は、図2に示すように外力を受けずに自重で垂下している場合には、棚板5に載置された物品6の落下を防止するように開口部の近傍の第1位置に配置される。また、図3に示すように、地震等で物品6が外に向けて移動し、この物品6によって押さえバー8が開口部の外側に押された場合には、押さえバー8は実線で示す第1位置から揺動し、第1位置よりも開口部について外側かつ上方である破線で示す第2位置に移動し、ここで物品6の移動(図3中に白抜きの矢印「移動」で示す)を止める。このように地震等の振動によって物品6が棚1から外に飛び出そうとする力が大きい場合には、押さえバー8は、物品6から開口部の外側に向けた力を受けて、第1位置から第2位置に揺動しながら、開口から飛び出そうとする物品6を保持するので、物品6が棚から飛び出ようとする勢いを効果的に減衰させて落下を確実に防止することができる。
【0027】
また、押さえバー8の位置は、図3に示すように、棚板5上に載置する物品6の高さの略中央付近に設定しても良いが、当該物品6が頻繁に出し入れするものである場合には、図1に示す棚の最上部2段の棚板5における押さえバー8のように、垂下した押さえバー8の押さえ棒部17が棚板5のやや上に位置するようにしてもよい。このようにすれば、押さえバー8は棚の前面の開口をほとんど遮らないので、日常的な物品6の出し入れに支障はない一方、振動を受けて物品6が開口の外に出ようとすれば、物品6の下部が押さえ棒部17に引っ掛かってこれを持ち上げる方向に揺動させるので、押さえ棒部17は物品6に確実に係止して落下が防止される。
【0028】
また、案内溝9の縦溝部12は、係止口10が開口した横溝部11に対して鋭角で連通しているので、外向きの力を受けた場合に押さえバー8が縦溝部12を上昇して係止口10がある横溝部11に移動することは起こりにくく、押さえバー8の端部15が横溝部11の前端にある係止口10から外れて物品6の押さえ機能を失ってしまうおそれは少ない。
【0029】
棚板5上の物品6の出し入れをする場合には、押さえバー8を第2位置に引き上げて開口の手前に空間を作り、押さえバー8をよけるようにして物品6を移動させればよい。又は、図5に示すように、押さえバー8の片側の端部15を一方の係止部材の係止口10から外し、他方の端部15で他方の係止部材7の係止端部13に係止した状態で、外した一方の端部15を吊り下げた状態にしておけば、開口の前面側が開かれて物品6の出し入れがしやすい。作業が終了したら、吊り下がっている一方の端部15を摘んで一方の係止部材7の係止口10から挿入すれば、端部15は縦溝部12から係止端部13に落ち込んむので、物品6を押さえる第1位置に押さえバー8を簡単かつ速やかに再セットすることができる。
【0030】
図2の上方に示す非揺動タイプの第2の押さえバー18は、一対の端部15,15がそのまま真直な押さえ棒部17によって連絡されている1本の棒材であって、一対の係止部材7,7の各係止口10から挿入すれば、押さえ棒部17は棚板5に載置された物品6の落下を防止するように開口部の近傍の位置に配置される。
【0031】
棚板5上の物品6の出し入れをする場合には、図5に示すように、押さえバー18の片側の端部15を一方の係止部材7の係止口10から外し、他方の端部15で他方の係止部材7の係止端部13に係止した状態で、外した一方の端部15を吊り下げた状態にしておけば、開口の前面側が開かれて物品6の出し入れがしやすい。作業が終了したら、吊り下がっている一方の端部15を摘んで一方の係止部材7の係止口10から挿入すれば、端部15は縦溝部12から係止端部13に落ち込んむので、物品6を押さえる第1位置に押さえバー18を簡単かつ速やかに再セットすることができる。
【0032】
また本例によれば、図1乃至図3に示すように、係止部材7は上下に長く連続しており、案内溝9は所定間隔で多数形成されているので、各棚板5に対して押さえバー8,18をどの位置に配置するかについては大きな自由度があり、棚板5の上に載置する物品6の形状や高さに合せて棚板5上の押さえバー8,18の位置を任意に定めることができる。
【0033】
2.第2実施形態(図6、1本揺動タイプ)
図6に示すように、本実施形態の棚用落下防止装置は、棚の一対の側板2,2に取り付けられる一対の係止部材27,27と、この一対の係止部材27,27の間に掛け渡して取り付けられる押さえバー28によって構成される。
【0034】
図6に示すように、係止部材27は、1本の押さえバー28ごとに一対が棚1の側板2,2に取り付けられる。係止部材27は、前板27aと下板27bと側板27cによって3方を囲った構造の本体を有している。本体の上部には係止口30が開口している。また、前板27aの背面側には、この係止口10に連通する案内溝29が前板27aの内側方に開口して設けられている。この案内溝29の下端である下板27bの上面は、押さえバー28が係止する係止端部23とされている。なお、一対の係止部材27,27は、一対の案内溝29,29が一対の側板2,2において同一の高さに配置されるようになっている。
【0035】
図6に示すように、この押さえバー28は、第1実施形態の第1の押さえバー8と同様、揺動タイプであり、第1実施形態の第1の押さえバー8の端部15から抜け止め部材14を除いたものと同一の構成とされている。すなわち、この押さえバー28は、案内溝29の係止口30から挿入及び抜脱が可能であるとともに、案内溝29に沿って移動可能である一対の端部15,15を有している。一対の端部15,15からは、側板2と平行な面内に沿って互いに平行な一対の腕部16,16がそれぞれ延設されている。そして、一対の腕部16,16は、側板と直交する方向に延設された押さえ棒部17によって連結されており、全体としてクランク状の外観を呈している。
【0036】
図6に示すように、押さえバー28をセットする場合には、押さえバー28の両端部15,15を一対の係止部材27,27の各係止口30,30に挿入し、落とし込む。押さえ棒部17は、外力を受けずに自重で垂下している状態では、棚板5に載置された物品6の落下を防止するように開口部の近傍の第1位置に配置される。地震その他の振動等により棚上の物品6が開口部の外側に移動し、この物品6から押さえバー28が外向きの力を受けた場合には、図6に想像線で示すように押さえバー28は第1位置から揺動し、第1位置よりも開口部について外側かつ上方である第2位置に移動するので、第1実施形態の揺動タイプの第1の押さえバー8と同様の効果を得ることができる。なお、物品6を出し入れする場合には、押さえバー28を係止部材から取り外せば、開口の前面を開放することができる。
【0037】
3.第3実施形態(図1、図7、2本固定タイプ)
図1及び図7に示すように、本実施形態の棚用落下防止装置は、棚の一対の側板2,2に取り付けられる一対の係止部材7,7と、この一対の係止部材7,7の間に掛け渡して取り付けられる押さえバー38によって構成される。
【0038】
図1及び図7に示すように、係止部材7は第1実施形態の係止部材7と同一の形状・構造である。押さえバー38は、側板2に垂直で互いに平行に配置された2本の押さえ棒部17,17を、押さえ棒部17に直交する複数本(図示の例では3本)の連結棒部32で連結してな全体として梯子状の部材である。各押さえ棒部17の両端部35,35は、係止部材7に対して各案内溝9の係止口10から挿入及び抜脱が可能であるとともに、案内溝9に沿って移動することが可能とされている。
【0039】
この押さえバー38の2本の押さえ棒部17,17の2対の端部35,35を、一対の係止部材7,7の2対の各係止口10,10から挿入すれば、2本の押さえ棒部17,17は棚板5に載置された物品6の落下を防止するように開口部の近傍の位置に配置される。案内溝9の縦溝部12は、横溝部11に対して鋭角で連続しているので、物品6が地震等で振動して押さえバー38を外に向けて押した場合であっても、押さえバー38が上向きの力を受けて横溝部11に入り、さらに係止口10から外れてしまう恐れは少ない。
【0040】
棚板5上の物品6の出し入れをする場合には、図7に示すように、2本の押さえ棒部17,17の2対の端部35,35を一対の係止部材7,7の2対の係止口10,10から外せばよい。作業が終了したら、2本の押さえ棒部17,17の2対の端部35,35を一対の係止部材7,7の2対の係止口10,10から挿入すれば、端部35は縦溝部12から係止端部13に落ち込んむので、物品6を押さえる位置に押さえバー38を簡単かつ速やかに再セットすることができる。
【0041】
4.第4実施形態(図8〜16、2本開閉タイプ)
図8に示すように、第4実施形態の棚用落下防止装置は、係止部材47を棚1の側板2の内面側に取り付ける内付けタイプ(図8上方に記載)と、係止部材47’を棚1の側板2の前面側に取り付ける正面付けタイプ(図8下方に記載)との2タイプがある。まずは、図8〜図12を参照して内付けタイプについて説明する。
【0042】
図8〜図12に示すように、本実施形態の内付けタイプの棚用落下防止装置は、棚1の一対の側板2,2の対向する内面に取り付けられる一対の係止部材47,47と、この一対の係止部材47,47の間に掛け渡して開閉自在に取り付けられる押さえバー48によって構成される。
【0043】
図8〜図12に示すように、係止部材47は、横断面正方形状の角形中空管体を本体としており、その長手方向である上下方向の長さは、棚1段分の高さの例えば3分の1程度である。角形中空管体である本体の4面のうち、前板47aには係止口40が開口して形成されている。また内板47bの上方には係止口40に連続して上下方向に沿って案内溝49が形成されており、その下端は後述する押さえバー48の係止端部43とされている。この案内溝49とは独立して、本体の内板47bの下方には、上下方向に沿って長孔42が形成されている。長孔42と案内溝49は同一鉛直線上に配置され、その長さは概ね同一である。そして、一対の係止部材47,47は、案内溝49及び長孔42が一対の側板2,2においてそれぞれ同一の高さに対をなして配置されるように、開口の近傍において、一対の側板2,2の内面にそれぞれ取り付けられている。また、係止部材47の下端部は、棚板5の上面と一致して取り付けられている。
【0044】
図9〜図12に示すように、押さえバー48は、側板2に垂直に配置される下側の支持棒50と、所定間隔をおいて支持棒部50に対して平行に配置される上側の押さえ棒部17と、支持棒部50と押さえ棒部17に直交して配置され、支持棒部50と押さえ棒部17を連結する連結棒部32とにより構成された全体として梯子状の部材である。支持棒部50の両端部51,51は、一対の係止部材47,47の各長孔42,42に滑動可能に係合しており、また押さえ棒部17の両端部45,45は、前記一対の係止部材47,47の各案内溝49,49に各係止口40,40から挿入及び抜脱が可能であるとともに、案内溝49,49に沿って移動することが可能とされている。
【0045】
図9〜図12に示すように、押さえ棒部17は、その両端45が案内溝49の係止端部43に係止している場合には、棚板5に載置された物品6の落下を防止するように開口部の近傍の押さえ位置に配置される。物品6の出し入れ等を行なうため、この押さえバー48を開放して棚1の開口を開放したい場合には、図10中に斜線の円で示す上記押さえ位置から、白円で示す位置まで支持棒部50及び押さえ棒部17を持ち上げ、続けて図10及び図11の軌跡線及び図12の想像線に示すように、押さえ棒部17を手前に引いて支持棒部50を中心に回転させ、押さえ棒部17を係止口40から前方に抜き出す。押さえ棒部17は支持棒部50を中心に回転して手前下方に倒れ、図12に示すように棚1の開口の前方であって、当該棚板5の下方の位置に設定される。
【0046】
物品6の出し入れが終了したら、図12に示すように棚板5の手前下方にある押さえ棒部17を持ち上げながら上方に回動させ、両端部45,45を係止口40,40から挿入し、案内溝49の位置で手を離せば押さえバー48は自重で落下し、押さえ棒部17が係止端部43に係止し、支持棒部50が長孔42の最低部に位置する開口の閉止位置に設定される。
【0047】
このように、本実施形態によれば、押さえ棒部17の両端45,45を案内溝49,49の係止端部43,43に係止させれば、押さえ棒部17は開口部の近傍の押さえ位置に配置され、棚板5に載置された物品6の落下を確実に防止することができる。また、押さえバー48を開放したい場合には、押さえ棒部17を持ち上げ、手前に引いて係止口40から引き出し、自重で手前に回転・落下させるという指1本でできる簡単な動作で押さえバー48を開放することができる。さらに、開放した押さえバー48を再び閉止する場合には、開放位置にある押さえバー48を持ち上げて押さえ棒部17の両端45,45を係止口40から挿入し、案内溝49内に落とし込むだけの簡単な動作で押さえバー48を閉止位置に設定できる。また、内付けタイプの棚用落下防止装置の場合は、棚1の開口よりも内方に装置の全体が収まり、装置の押さえバー48が棚1の開口よりも前方に突出しないため、商品の陳列上の見栄えに優れている。
【0048】
図8、図13〜図16に示すように、本実施形態の正面付けタイプの棚用落下防止装置は、棚の一対の側板2,2の前面に取り付けられる一対の係止部材47’,47’と、この一対の係止部材47’,47’の間に掛け渡して開閉自在に取り付けられる押さえバー48によって構成される。正面付けタイプの棚用落下防止装置の構成は、内付けタイプの場合と実質的にほぼ同一であるので、図において対応する部分には内付けタイプの場合と同一の符号を付してその説明を援用するものとする。正面付けタイプの棚用落下防止装置の場合は、棚板5の全面積を物品6の載置のために使用することができる。
【0049】
以上説明した各実施形態の棚用落下防止装置は、図1に示すように、棚1として製造する段階から係止部材7を埋込構造で一体に作り付けておくこともできるが、図4に示すように、すでに供用されている棚1に対して側板2に後から係止部材7を取り付けて落下防止機能を付与することもできる。
【0050】
また、実施形態では複数種類の棚用落下防止装置を項分けして説明したが、各項で別々に説明されている装置同士を、載置する物品の特性、例えば重量、出し入れが頻繁か否か等に合せて適宜に組み合わせて一つの棚において使用すれば、棚における物品展示の利便性がより高まり、使用勝手が一層向上する。
【0051】
以上説明したように、本実施形態の棚用落下防止装置によれば、センサや作動用の駆動機構等を用いないので構造が簡素で作動ミスもなく、棚上の物品の落下を防止する位置に設定されていながら簡単な操作で開閉できるため物品の出し入れに邪魔にならず、落下防止の高い効果を有しながら使い勝手に優れているという効果を有する。
【符号の説明】
【0052】
1…棚
2…側板
5…棚板
6…物品
7,27,47,47’…係止部材
7a,27a,47a…係止部材の前板
7b,47b…係止部材の内板
27c…係止部材の側板
8,18,28,38,48…押さえバー
9,29,49…案内溝
10,30,40…係止口
11…横溝部
12…縦溝部
13, 23,43…係止端部
15, 35,45…押さえバーの端部
16…腕部
17…押さえ棒部
32…連結棒部
42…長孔
50…支持棒部
51…支持棒部の端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定間隔をおいて配置された一対の側板と、前記一対の側板の間に取り付けられて物品が載置される棚板とを備え、前面の開口部から前記物品を出し入れすることができる棚に取り付けられ、前記物品が前記開口から落下するのを防止するための棚用落下防止装置において、
上方の係止口と下方の係止端部を連続させる案内溝を備え、前記案内溝が前記一対の側板において同一の高さに対をなして配置されるように、前記開口の近傍において前記一対の側板にそれぞれ取り付けられた一対の係止部材と、
前記一対の係止部材の前記各係止口から挿入及び抜脱が可能であるとともに前記案内溝の前記各係止口以外の部分からは抜脱が不能である一対の端部と、前記一対の係止部材の前記各係止端部に前記各端部が係止された状態において前記棚板の上方に横方向に沿って配置されることにより前記棚板上にある前記物品の落下を防止する押さえ棒部とを有する押さえバーと、
を備えたことを特徴とする棚用落下防止装置。
【請求項2】
所定間隔をおいて配置された一対の側板と、前記一対の側板の間に取り付けられて物品が載置される棚板とを備え、前面の開口部から前記物品を出し入れすることができる棚に取り付けられ、前記物品が前記開口から落下するのを防止するための棚用落下防止装置において、
前板と内板を備えた本体と、前記本体の前記前板に開口された係止口を有するとともに前記係止口よりも小幅となるように前記係止口に連続して前記内板に形成された横溝部及び前記係止口よりも小幅となるように前記横溝部に連続して前記内板に形成されて下端が係止端部とされた縦溝部からなる案内溝とを備え、前記案内溝が前記一対の側板において同一の高さに対をなして配置されるように、前記開口の近傍において前記一対の側板にそれぞれ取り付けられた一対の係止部材と、
前記一対の係止部材に対しては前記各案内溝の前記各係止口からのみ挿入及び抜脱が可能であるとともに前記各案内溝の前記各係止口以外の部分からは抜脱が不能である一対の端部と、前記一対の端部から前記側板と平行な面内に沿ってそれぞれ延設された互いに平行な一対の腕部と、前記側板と直交する方向に延設されて前記一対の腕部を連結する押さえ棒部とを有し、前記一対の係止部材の前記各係止端部に前記各端部が係止された状態において揺動自在とされた押さえバーとを備え、
前記押さえ棒部は、外力を受けずに自重で垂下している場合には、前記棚板に載置された前記物品の落下を防止するように前記開口部の近傍の第1位置に配置され、前記開口部の外側に向けた力を受けた場合には、前記第1位置から揺動し、前記第1位置よりも前記開口部について外側かつ上方である第2位置に移動できるように構成されたことを特徴とする棚用落下防止装置。
【請求項3】
所定間隔をおいて配置された一対の側板と、前記一対の側板の間に取り付けられて物品が載置される棚板とを備え、前面の開口部から前記物品を出し入れすることができる棚に取り付けられ、前記物品が前記開口から落下するのを防止するための棚用落下防止装置において、
前板と内板を備えた本体と、前記本体の前記前板に開口した係止口を有するとともに、前記係止口に連続し、前記内板に上下方向に沿って形成されて下端が係止端部とされた案内溝と、前記案内溝とは独立して前記案内溝の下方の前記内板に上下方向に沿って形成された長孔とを備え、前記案内溝及び前記長孔が前記一対の側板においてそれぞれ同一の高さに対をなして配置されるように、前記開口の近傍において前記一対の側板にそれぞれ取り付けられた一対の係止部材と、
前記一対の係止部材の前記一対の長孔に対して両端部において移動自在に係止する支持棒部と、前記支持棒部と直交する連結棒部により前記支持棒部に平行に連結され、その両端部において、前記一対の係止部材の前記各案内溝に前記各係止口から挿入及び抜脱が可能な押さえ棒部とを有する押さえバーとを備え、
前記押さえ棒部は、両端が前記案内溝の係止端部に係止している場合には、前記棚板に載置された前記物品の落下を防止するように前記開口部の近傍の押さえ位置に配置され、前記案内溝から外された場合には、前記押さえ位置から揺動し、前記押さえ位置よりも前記開口部について外側かつ下方である開放位置に移動できるように構成されたことを特徴とする棚用落下防止装置。
【請求項4】
所定間隔をおいて配置された一対の側板と、前記一対の側板の間に取り付けられて物品が載置される棚板とを備え、前面の開口部から前記物品を出し入れすることができる棚に取り付けられ、前記物品が前記開口から落下するのを防止するための棚用落下防止装置において、
前板と下板を備えた本体と、前記本体の上部に開口された係止口を有するとともに、前記係止口に連通して前記前板の背面側に設けられ、前記前板の内側方に開口し、下端である前記下板の上面が係止端部とされた案内溝とを備え、前記案内溝が前記一対の側板において同一の高さに対をなして配置されるように、前記開口の近傍において前記一対の側板にそれぞれ取り付けられた一対の係止部材と、
前記一対の係止部材に対しては前記各案内溝の前記各係止口から挿入及び抜脱が可能である一対の端部と、前記一対の端部から前記側板と平行な面内に沿ってそれぞれ延設された互いに平行な一対の腕部と、前記側板と直交する方向に延設されて前記一対の腕部を連結する押さえ棒部とを有し、前記一対の係止部材の前記各係止端部に前記各端部が係止された状態において揺動自在とされた押さえバーとを備え、
前記押さえ棒部は、外力を受けずに自重で垂下している場合には、前記棚板に載置された前記物品の落下を防止するように前記開口部の近傍の第1位置に配置され、前記開口部の外側に向けた力を受けた場合には、前記第1位置から揺動し、前記第1位置よりも前記開口部について外側かつ上方である第2位置に移動できるように構成されたことを特徴とする棚用落下防止装置。
【請求項5】
所定間隔をおいて配置された一対の側板と、前記一対の側板の間に取り付けられて物品が載置される棚板とを備え、前面の開口部から前記物品を出し入れすることができる棚に取り付けられ、前記物品が前記開口から落下するのを防止するための棚用落下防止装置において、
前板と内板を備えた本体と、前記本体の前記前板に開口された係止口を有するとともに前記係止口よりも小幅となるように前記係止口に連続して前記内板に形成された横溝部及び前記係止口よりも小幅となるように前記横溝部に連続して前記内板に形成されて下端が係止端部とされた縦溝部からなり、前記一対の側板において同一の高さに対をなして配置されるように構成された少なくとも一対の案内溝を備え、前記開口の近傍において前記一対の側板にそれぞれ取り付けられた一対の係止部材と、
前記一対の係止部材に対しては前記各案内溝の前記各係止口からのみ挿入及び抜脱が可能であるとともに前記各案内溝の前記各係止口以外の部分からは抜脱が不能である少なくとも一対の端部と、前記側板と直交する方向に延設されて前記少なくとも一対の端部をそれぞれ連結する少なくとも1本の押さえ棒部とを有し、前記一対の係止部材の前記各係止端部に前記各端部が係止された状態において前記棚板の上方に前記押さえ棒部が横方向に沿って配置されることにより前記棚板上にある前記物品の落下を防止する押さえバーとを備えたことを特徴とする棚用落下防止装置。
【請求項6】
前記一対の係止部材は、複数対の前記案内溝が長手方向について所定間隔で形成された一対の長体状の部材であり、前記棚の前記開口部において前記一対の側板に上下方向に沿って取り付けられたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の棚用落下防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−187850(P2010−187850A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−34153(P2009−34153)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(509046712)有限会社フォルス (1)