説明

【課題】棚板のみを配置してその上に陳列される商品を明るく照射する。光源を目立たない位置に配置してスッキリと綺麗なデザインにする。
【解決手段】棚は、棚板1と、棚板1を水平姿勢に支持する支持部とを有する。棚板1は、光を透過できるプラスチック板3と、このプラスチック板3に内蔵してなるLED基板4とを備えている。プラスチック板3の内部には、LED基板4を配置する挿入隙間5を間口方向に伸びて設けている。LED基板4は、複数のLED6を一方の面に所定の間隔で固定している。棚は、LED基板4をプラスチック板3の挿入隙間5に挿入して、LED基板4のLED6から照射される光を、プラスチック板3の上面に向かって傾斜する方向に照射して、棚板1に載せられる商品の前面を下から斜め方向に照射している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショーケース等の棚に陳列された商品を照らすことができる棚に関し、とくに棚板の内部に光源を配置している棚に関する。
【背景技術】
【0002】
ショーケース等の棚に陳列された商品をLEDの光源で照らすことができる棚は開発されている。(特許文献1及び2参照)
特許文献1の棚は、複数のLEDを所定の間隔で配置しているLED基板を、固定具を介して棚板の下面や棚板の間に配置して、LED基板の下段の棚板に陳列する商品を上から照らす構造としている。
特許文献2は、外形形状を角形とするライン型LED灯を光源とし、このライン型LED灯をランプホルダーを介して商品陳列棚の下面側に架設したショーケースを記載している。このショーケースは、ランプホルダーを棚板の下面に連結し、ランプホルダーにライン型LED灯の取付角度を所望の角度に調整できるように連結している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−170970号公報
【特許文献2】特開2010−158337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上の棚やショーケースは、棚板の上方にLEDの光源を配置して、光源で棚板に陳列する商品を上から照らすので、棚板のみを設けて、この棚板に陳列する商品を明るく照らすことができない欠点がある。すなわち、光源と棚板とからなる一対のパーツを、互いに相対位置を考慮しながら配置する必要があり、棚板のみを配置して、その上に陳列する商品を明るく照射できない。また、棚板やその間に配置する光源が目立つ位置にあるので、スッキリと綺麗なデザインを実現できない欠点もある。さらにまた、光源と棚板との距離が長くなるので、商品を明るく照射するために高輝度のLEDを使用する必要があり、部品コストが高くなると共に、消費電力も大きくなる欠点があった。
【0005】
本発明は、以上の欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、棚板と光源を、相対位置を考慮しながら配置する必要がなく、棚板のみを配置してその上に陳列される商品を明るく照射できる棚を提供することにある。
また、本発明の他の大切な目的は、光源を目立たない位置に配置してスッキリと綺麗なデザインにできる棚を提供することにある。
さらにまた、本発明の他の大切な目的は、光源のLEDと陳列される商品とを接近して、安価なLEDで商品を明るく照射でき、光源の消費電力を少なくしてエネルギー消費を少なくして省エネルギーにできる棚を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0006】
本発明の棚は、棚板1と、棚板1を水平姿勢に支持する支持部2とを有する。棚板1は、光を透過できるプラスチック板3と、このプラスチック板3に内蔵してなるLED基板4とを備えている。プラスチック板3の内部には、LED基板4を配置する挿入隙間5を間口方向に伸びて設けている。LED基板4は、複数のLED6を一方の面に所定の間隔で固定している。棚は、LED基板4をプラスチック板3の挿入隙間5に挿入して、LED基板4のLED6から照射される光を、プラスチック板3の上面に向かって傾斜する方向に照射して、棚板1に載せられる商品の前面を下から斜め方向に照射している。
ただし、本明細書において、「棚板の間口方向」とは、棚の奥行きである前後方向と直交する左右方向であって、棚板の正面における長さ方向を意味するものとする。
【0007】
以上の棚は、従来のように棚板と光源とを、相対位置を考慮しながら配置する必要がなく、棚板のみを配置してその上に陳列される商品を明るく照らすことができる。また、以上の棚は、光源を棚板の内部に目立たないように配置してスッキリと綺麗なデザインにできる特徴も実現する。さらにまた、以上の棚は、商品を載せる棚に光源を内蔵して、この光源から上に載せる商品を照らすので、LEDと陳列される商品とを接近させて明るく照射できる。また、商品と光源とを接近できるので、出力の小さい安価なLEDで商品を明るく照射でき、しかも、光源の消費電力を少なくして省エネルギーに商品を明るく照らすことができる特徴も実現する。
【0008】
本発明の棚は、LED基板4を、プラスチック板3の後縁側から前縁側に向かって上り勾配に傾斜する姿勢で挿入隙間5に配置することができる。
以上の棚は、簡単な構造で、LED基板を所定の姿勢でプラスチック板の内部に配置して、棚板に載せられる商品の前面を下から斜め方向に照射できる。
【0009】
本発明の棚は、棚板1のプラスチック板3を、光を透過できる上面プレート11に下面プレート12を連結してなる中空プラスチック板10とすることができる。
以上の棚は、棚板を軽くして、陳列している商品を明るく照射できる特徴がある。それは、棚板に内蔵するLEDが、棚板全体のプラスチックを透過することなく、棚板全体よりも薄い上面プレートを透過して商品を照射できるからである。
【0010】
本発明の棚は、棚板1を、上面プレート11と下面プレート12とを透光性のプラスチックからなるハニカムコア13で連結してなる中空プラスチック板10とし、あるいは、上面プレート11と下面プレート12とを所定の間隔に設けてなる透光性のプラスチックからなる垂直リブ15で連結してなる中空プラスチック板10とすることができる。
以上の棚は、ハニカムコアや垂直リブで上面プレートと下面プレートとを連結する構造として、棚板を軽くて強靱な構造としながら、ハニカムコアや垂直リブでLED基板を定位置に配置できる特徴がある。さらに、ハニカムコアや垂直リブで構成される中空プラスチック板の棚板は、LED基板から照射される光をハニカムコアや垂直リブに透過させて中空プラスチック板の奥側まで光を供給できるので、棚板全体を明るくできる特徴がある。
【0011】
本発明の棚は、挿入隙間5を、プラスチック板3の内部に、プラスチック板3の後縁側から前縁側に向かって上り勾配に傾斜する姿勢で設けたスリット8とすることができる。
以上の棚は、スリットである挿入隙間にLED基板を挿入して、簡単かつ容易に、LED基板を所定の姿勢でプラスチック板の内部に配置できる。
【0012】
本発明の棚は、棚板1に、プラスチック板3の前縁に沿ってスリット8を設けることができる。
以上の棚は、光源を棚板の前縁に配置して陳列される商品を照らすので、商品を棚板の前部に配置しても、光源で前から明るく照らすことができる。
【0013】
本発明の棚は、挿入隙間5に配置されるLED基板4の棚板上面1Aに対する傾斜角(α)を、10度ないし70度とすることができる。
以上の棚は、棚板に内蔵するLED基板でもって、上に陳列する商品の前面を最適な角度から明るく照射できる。
【0014】
本発明の棚は、LED基板4のLED6から照射される光を反射させる反射板9を挿入隙間5に配置して、LED6から照射される光を反射板9で反射してプラスチック板3の上面に向かって傾斜する方向に照射することができる。
以上の棚は、LEDから照射される光を棚板に内蔵される反射板で反射して、プラスチック板の上面に向かって照射するので、LEDから直接照射される光だけでなく、反射光によっても照射できるので、商品をより明るく照射できる。
【0015】
本発明の棚は、プラスチック板3の内部に、複数の挿入隙間5を前後に離して設けて、各々の挿入隙間5にLED基板4を挿入することができる。
以上の棚は、中間にもLED基板を配置するので、棚板の奥側に陳列される商品にも下側から光を照射して明るく照射できる。したがって、棚板の全面をより有効に活用しながら商品を陳列できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例にかかる棚の斜視図である。
【図2】本発明の他の実施例にかかる棚の斜視図である。
【図3】棚板の一例を示す拡大断面図である。
【図4】図3に示す棚板の分解斜視図である。
【図5】棚板の他の一例を示す拡大断面図である。
【図6】図5に示す棚板の分解斜視図である。
【図7】棚板の他の一例を示す拡大断面図である。
【図8】棚板の他の一例を示す拡大断面図である。
【図9】棚板の他の一例を示す拡大断面図である。
【図10】棚板の他の一例を示す拡大断面図である。
【図11】図10に示す棚板の分解斜視図である。
【図12】棚板の他の一例を示す一部拡大断面図である。
【図13】棚板の他の一例を示す一部拡大断面図である。
【図14】棚板の他の一例を示す拡大断面図である。
【図15】棚板の他の一例を示す拡大断面図である。
【図16】棚板の他の一例を示す拡大断面図である。
【図17】棚板の他の一例を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための棚を例示するものであって、本発明は棚を以下のものに特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段」の欄に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0018】
図1に示す棚は、複数段の棚板1と、各々の棚板1を水平姿勢に支持する支持部2とを備える。図1の支持部2は、棚板1と同じ幅である一対の垂直プレート21からなり、この垂直プレート21に棚板1の両端面を連結して、棚板1を水平姿勢に支持している。ただし、支持部2は、図2に示すように、棚板1の背面に配置される1枚の垂直プレート22と、この垂直プレート22に水平に固定している複数の支持アーム23で構成することもできる。この支持部2は、支持アーム23に棚板1を載せて水平姿勢に支持する。
【0019】
棚板1は、図3ないし図11に示すように、光を透過できるプラスチック板3と、このプラスチック板3に内蔵しているLED基板4とを備える。プラスチック板3は、LED基板4を挿入して定位置に配置するために、棚板1の間口方向に伸びる挿入隙間5を内部に設けている。挿入隙間5は、LED6を一方の面に固定しているLED基板4が挿入される。図に示す挿入隙間5は、挿入されるLED基板4をプラスチック板3の後縁側から前縁側に向かって上り勾配に傾斜する姿勢で配置している。この姿勢で挿入隙間5に配置されるLED基板4は、上面に固定されたLED6から光を照射して、棚板1に陳列される商品の前面を下から斜め方向に照らす。
【0020】
図3ないし図9に示す棚板1は、LED基板4が挿入される挿入隙間5を、プラスチック板3の内部に設けたスリット8としている。スリット8である挿入隙間5は、プラスチック板3の後縁側から前縁側に向かって上り勾配に傾斜する姿勢で設けている。スリット8は、LED6を上側の面に固定しているLED基板4を挿入して定位置に配置するので、LED基板4を挿入できる内形としている。この挿入隙間5は、プラスチック板3に設けられるスリット8の角度で、内蔵するLED基板4の棚板上面1Aに対する傾斜角(α)が特定される。
【0021】
図3と図4に示す棚板1は、光を透過できる上面プレート11に下面プレート12を連結してなる中空プラスチック板10である。この棚板1は、上面プレート11と下面プレート12とを、透光性のプラスチックからなるハニカムコア13で連結している。この棚板1は、上面プレート11とハニカムコア13とを透光性のプラスチックとし、下面プレート12を透光性のないプラスチックとして、内蔵するLED6の光を上方に透過できる。ただ、好ましくは、このプラスチック板は、上面プレートと下面プレートとハニカムコアの全てを透光性のプラスチックで製作する。
【0022】
図3と図4に示す中空プラスチック板10の棚板1は、前面の上縁から傾斜するようにハニカムコア13を丸鋸で切削して、棚板1の間口方向に延びる細長いスリット8を設けている。中空プラスチック板10は、前面に装飾プレート14を固定して、切削されたスリット8の開口部16を閉塞している。この中空プラスチック板10は、棚板1の間口方向に延びるスリット8の長さ方向の端部、すなわち棚板1の左右の端部を開口して、LED基板4をスリット8の長手方向に挿入して定位置に配置できる。ただ、装飾プレート14を固定する前に、スリット8にLED基板4を挿入し、その後に棚板1の端部に装飾プレート14を固定してLED基板4を棚板1に内蔵することもできる。
【0023】
さらに、中空プラスチック板10の棚板1は、図5と図6に示すように、前面側の上面に、棚板1の間口方向に延びる挿入隙間5を設けることもできる。図5と図6に示す棚板1は、ハニカムコア13の上面を丸鋸等の工具を使用して間口方向に切削して、中空プラスチック板10の前縁側から後縁側に向かって下り勾配に傾斜するスリット8を設けて挿入隙間5としている。さらに、棚板1は、ハニカムコア13の上面に上面プレート11を積層してスリット8の開口部16を閉塞している。この棚板1は、ハニカムコア13の上面に設けたスリット8を上面プレート11で閉塞して、この開口部16を外部から見えなくしながら、開口部16を上面プレート11で補強している。とくに、図に示す棚板1は、挿入隙間5に配置されるLED基板4に固定されるLED6を、LED基板4の下端部の上面に固定することで、LED基板4の横幅(W)を短くしながら、LED6を中空プラスチック板10の中央部に配置できるようにしている。これにより、ハニカムコア13に開口されるスリット8の深さを浅くして、中空プラスチック板全体の強度を低下させることなく、ハニカムコア13の上面に挿入隙間5を開口している。この棚板1は、ハニカムコア13の上面を上面プレート11で閉塞後に、挿入隙間5の端部からLED基板4を挿入して挿入隙間5の内部に配置し、あるいは、ハニカムコア13の上面を上面プレート11で閉塞する前に、挿入隙間5にLED基板4を挿入することができる。
【0024】
さらに、図7の棚板1は、前面側の下面に、棚板1の間口方向に延びる挿入隙間5を設けている。この棚板1は、ハニカムコア13の下面を丸鋸等の工具を使用して間口方向に切削して、中空プラスチック板10の後縁側から前縁側に向かって上り勾配に傾斜するスリット8を設けて挿入隙間5としている。さらに、棚板1は、ハニカムコア13の下面に下面プレート11を積層してスリット8の開口部16を閉塞し、この開口部16を外部から見えなくすると共に、開口部16を下面プレート11で補強している。図に示す棚板1は、挿入隙間5に配置されるLED基板4に固定されるLED6を、LED基板4の上端部の上面に固定することで、LED基板4の横幅(W)を短くしながら、LED6を中空プラスチック板10の中央部に配置している。これにより、ハニカムコア13に開口されるスリット8の深さを浅くして、全体の強度を低下させることなく、ハニカムコア13の下面に挿入隙間5を開口している。この棚板1も、ハニカムコア13の下面を下面プレート12で閉塞後に、挿入隙間5の端部からLED基板4を挿入して挿入隙間5の内部に配置し、あるいは、ハニカムコア13の下面を下面プレート12で閉塞する前に、挿入隙間5にLED基板4を挿入することができる。
【0025】
さらに、前面側の上面にスリット8を設ける棚板1は、図8に示すように、ハニカムコア13の上面に上面プレート11を積層して固定した後、上面プレート11とハニカムコア13の両方を丸鋸等で間口方向に切削して、挿入隙間5を設けることもできる。この棚板1も、中空プラスチック板10の前縁側から後縁側に向かって下り勾配に傾斜するスリット8を設けて挿入隙間5としている。さらに、図の棚板1は、上面プレート11に開口された開口部16を閉塞部材17で閉塞している。この閉塞部材17は、棚板1の上面に開口されたスリット状の開口部16に沿う細長い形状で、嵌着構造で開口部16に連結している。図に示す閉塞部材17は、開口部16に嵌入される挿入部17Aの両側に、棚板の上面に沿う鍔部17Bを設けており、この鍔部17Bを開口部16の周辺部に密着させている。この形状の閉塞部材17は、棚板1の上面に表出する部分を、上面プレート11の上面に沿う平面形状として外観を良くしながら、外れないように装着できる。以上の閉塞部材17は、好ましくはエラストマーや軟質のプラスチック等で製造される。この閉塞部材17は、棚板1の上面に陳列される商品の滑り止めに併用することができる。ただ、閉塞部材は、硬質のプラスチックや金属製のロッド材とすることもでき、あるいは、接着テープとして開口部に付着して閉塞することもできる。
【0026】
ハニカムコア13で構成される中空プラスチック板10は、LED基板4から照射される光をハニカムコア13の内部で屈折や反射を繰り返す状態としながら進行させて、中空プラスチック板10の奥側まで光を供給できる特徴がある。この棚板1は、中空プラスチック板10自体を明るく発光させる状態として、光源であるLED6から離れた部分まで明るくできる。このように、LED基板4から遠く離れたところまで明るくできる棚板1は、奥側に陳列される商品にも光を照射できるので、棚板1の全面を有効に活用しながら商品を陳列できる特徴がある。
【0027】
図9の棚板1は、全体をプラスチック板3で成形している。この棚板1は、プラスチック板3を丸鋸で切削してスリット8を設けて、このスリット8をLED基板4を挿入する挿入隙間5としている。図に示す棚板1は、スリット8を棚板1の前面に開口しており、棚板1の前面に固定している装飾プレート14でスリット8の開口部16を閉塞している。ただ、全体をプラスチック板で成形する棚板は、図示しないが、上面または下面を切削してスリットを設けて、LED基板を挿入する挿入隙間とすることもできる。この棚板も、プラスチック板の上面または下面に設けられるスリットの開口部を、前述の閉塞部材で閉塞することができる。
【0028】
図10と図11の棚板1は、透光性の上面プレート11と下面プレート12とを、所定の間隔に設けている透光性のプラスチックの垂直リブ15で連結している中空プラスチック板10である。この構造の中空プラスチック板10は、連続的に押出成形して多量生産できる。この棚板1は、隣接する垂直リブ15と上面プレート11と下面プレート12とで断面形状を四角形とする空隙ができる。中空プラスチック板10は、前縁側にできる四角形の空隙を挿入隙間5として、LED基板4を中空プラスチック板10の定位置に、好ましい姿勢で配置できるようにしている。図に示す中空プラスチック板10は、挿入隙間5である四角形の空隙に、対角線状にLED基板4を挿入して、LED基板4をプラスチック板3の後縁側から前縁側に向かって上り勾配に傾斜する姿勢で配置している。この中空プラスチック板10は、図11の矢印で示すように、棚板1の左右の端部に開口される開口部から挿入隙間5にLED基板4を挿入して定位置に配置できる。この構造の棚板1は、挿入隙間5を形成している互いに隣接する垂直リブ15の間隔(D)と、挿入されるLED基板4の横幅(W)とで、挿入隙間5に配置されるLED基板4の棚板上面1Aに対する傾斜角(α)が特定される。ただし、この中空プラスチック板10は、図10の鎖線で示すように、垂直リブ15を裁断するようにスリット8を設けて、このスリット8にLED基板4を挿入して定位置に配置することもできる。垂直リブにスリットを設ける構造は、LED基板を自由な角度で棚板1に固定できる。また、横幅の広いLED基板を、狭い間隔の垂直リブに連結することもできる。図10と図11に示す中空プラスチック板10も、LED基板4から照射される光を垂直リブ15に透過させて奥側まで進行させて、光源であるLED6から離れた部分まで明るくできる。
【0029】
以上の図に示す棚板1は、挿入隙間5を棚板1の前端縁に沿って設けている。この棚板1は、前端に沿って配置されるLED基板4のLED6から照射される光を、棚板1に載せられる商品の前面に下から照射して、商品を明るく照らすことができる。とくに、挿入隙間5に挿入されるLED基板4を傾斜姿勢で配置するので、光源であるLED6から斜め上方に向かって光を照射して、棚板1の前端から離れた位置まで明るく照らすことができる。
【0030】
さらに、棚板1は、図12と図13に示すように、前端部だけでなく、前後の中間部分においても挿入隙間5を設けてLED基板4を配置することができる。図12と図13に示す棚板1は、中空プラスチック10からなる棚板1の前端部と中央部の2箇所に挿入隙間5を設けて、これらの挿入隙間5にLED基板4を配置している。ただ、棚板は、中間部分の2箇所以上に挿入隙間を設けて、すなわち全体で3箇所以上の挿入隙間を設けて、それぞれの挿入隙間にLED基板を配置することもできる。以上の棚板1は、複数列のLED基板4を、棚板1の奥行き方向である前後に離して配列して、棚板1の上面に陳列される商品をさらに明るく照射できる。
【0031】
図12に示す棚板1は、ハニカムコア13の中間部において、間口方向に延びる挿入隙間5を開口して設けている。図に示す挿入隙間5はスリット状で、ハニカムコア13の下面を丸鋸等を使って切削して設けている。スリット8である挿入隙間5は、所定の傾斜角(α)となるように開口している。中間部分の下面に開口される挿入隙間5は、開口部16を下面プレート12で閉塞して、この部分を外部から見えなくすると共に、この開口部16を下面プレート12で補強している。この棚板1は、ハニカムコア13の下面を下面プレート12で閉塞後に、挿入隙間5の端部からLED基板4を挿入して挿入隙間5の内部に配置することができる。ただ、LED基板は、ハニカムコアの下面を下面プレートで閉塞する前に、挿入隙間に挿入することもできる。このように、ハニカムコア13の下面に挿入隙間5を開口する構造は、この開口部16を目立たなくできる。ただ、棚板は、図示しないが、ハニカムコアの中間部の上面にスリットを設けて挿入隙間とすることもできる。この棚板は、前述の図5と図6に示す構造と同様に、ハニカムコアの上面を丸鋸等を使って切削してスリットを設けて挿入隙間とし、このスリットの開口部を上面プレートで閉塞することも、前述の図8に示す構造と同様に、上面プレートとハニカムコアの両方を丸鋸等で切削してスリットを設けて挿入隙間とし、このスリットの開口部を閉塞部材で閉塞することもできる。
【0032】
図13に示す棚板1は、中間部において隣接する垂直リブ15の間に形成される隙間を挿入隙間5として、この隙間にLED基板4を挿入している。この棚板1は、中空プラスチック板10を切削することなく、中間部においても、左右の端部に開口される開口部から挿入隙間5にLED基板4を挿入して定位置に配置できる。中間部に設けた挿入隙間5に配置されるLED基板4は、その横幅(W)を調整し、あるいは、LED基板4を所定の姿勢に保持する固定部材(図示せず)を介して、所定の傾斜角(α)となるように挿入隙間5に配置される。
【0033】
以上のように、中間にもLED基板4を配置する棚板1は、棚板1の奥側に陳列される商品についても下側から光を照射して、明るく照射できる特徴がある。とくに、ハニカムコア13や垂直リブ15で構成される中空プラスチック板10の棚板1は、LED基板4から照射される光を中空プラスチック板10の内部で進行させて、棚板1の奥側まで確実に光を供給して棚板全体を明るくできる特徴がある。したがって、棚板1の全面をより有効に活用しながら商品を陳列できる。
【0034】
LED基板4は、プリント基板7の片面に複数のLED6を所定の間隔で固定している。LED基板4は、LED6を固定している面を上面として、棚板1に挿入されて、棚板1に陳列される商品を下から照射する。プリント基板7は、表面に固定される各々のLED6に通電する配線(図示せず)を表面に設けており、この配線にLED6をハンダ付けして固定している。LED6は、配線を介して直列又は並列に接続されて点灯される。プリント基板7は、図示しないが、各々のLED6に流れる電流を一定の電流値に制御するための抵抗器や定電流回路を実装している。LED6は、光を広い範囲にできるかぎり均一に照射するチップタイプのものが適している。また、チップタイプのLED6は、プリント基板7から突出する高さを低くできるので、LED基板4を薄くして、狭いスリット8に挿入できる。
【0035】
LED基板4は、棚板1に設けた挿入隙間5に挿入されて所定の姿勢に保持される。挿入隙間5に挿入されるLED基板4の棚板上面1Aに対する傾斜角(α)は、たとえば、10度ないし70度、好ましくは20度ないし60度、さらに好ましくは30度ないし50度とする。棚板1は、傾斜角(α)を小さくしてLED6の光の照射方向を垂直方向にし、傾斜角(α)を大きくしてLED6の光の照射方向を水平方向にできる。傾斜角(α)が小さすぎてLED6の光が垂直方向に近くなると、棚板1に陳列している商品の前面を均一に照射できなくなり、反対に傾斜角(α)が大きすぎてLED6の光が水平方向に近くなると、陳列している商品の上部を明るく照射するのが難しくなる。したがって、LED基板4の傾斜角(α)は、直列している商品の前面をより均一に照射できるように、前述の範囲に設定される。
【0036】
さらに、図14ないし図17に示す棚板1は、全体をプラスチック板3で成形すると共に、プラスチック板3の先端縁に沿って間口方向に延びる柱状の縦孔を設けて、LED基板4を挿入する挿入隙間5としている。これらの棚板1は、回転式のルーターをプラスチック板3の先端縁に沿って移動させて、プラスチック板3の内部に柱状の挿入隙間5を設けている。このように、柱状に開口される挿入隙間5は、プラスチック板3の内部に形成される空間を立体的に広くできるので、挿入隙間5に配置されるLED基板4の形状や姿勢に対する制約を少なくできる。とくに、回転式のルーターで挿入隙間5を穿孔する方法は、使用するルーターの形状によって、形成される断面形状を種々に変更できるので、挿入隙間5の断面形状に自由度が生まれて、内部に配置されるLED基板4の配置や姿勢を種々に変更できる特徴もある。
【0037】
図14に示す棚板1は、プラスチック板3の内部に、横断面形状を円形とする円柱状の縦孔を穿孔して挿入隙間5としている。この棚板1は、円柱状の挿入隙間5の内径(H)をLED基板4の横幅(W)とほぼ等しくしており、LED基板4の棚板上面1Aに対する傾斜角(α)を種々に変更できるようにしている。この棚板1は、LED基板4の両側縁を挿入隙間5の内面に接着して所定の角度で固定し、あるいは、挿入隙間5の内面に設けた位置決め構造(図示せず)を介してLED基板4を所定の姿勢で配置できる。この棚板1は、陳列される商品に応じて、LED基板4の向きを調整して、LED6の照射角度を種々に変更できる。
【0038】
また、図15と図16に示す棚板1は、プラスチック板3の内部に、横断面形状を略正方形とする四角柱状の縦孔を穿孔して挿入隙間5としている。この棚板1は、正方形の一辺(S)をLED基板4の横幅(W)とほぼ等しくして、LED基板4を四角柱状の挿入隙間5の内面に沿って配置できるようにしている。さらに、これらの図に示す棚板1は、LED基板4に加えて、LED6から照射される光を反射する反射板9も挿入隙間5に配置している。
【0039】
図15の棚板1は、四角柱状の挿入隙間5の内面であって、プラスチック板3の後縁側から前縁側に向かって上り勾配に傾斜する面に、LED6の照射方向がプラスチック板3の後縁側となるようにLED基板4を配置している。さらに、図15に示す棚板1は、断面形状がコ字状となるように内側に折曲してなる反射板9を挿入隙間5に配置している。図の反射板9は、3つの反射面9Aを備えており、各反射面9Aを四角柱の3つの内面に沿って配置している。3つの反射面9Aは、中間の反射面9Aをプリント基板7の表面に沿って配置すると共に、両側の反射面9Aをプリント基板7と隣り合う内面に沿って配置している。この棚板1は、LED6から照射される直接光を、プラスチック板3の上面に向かって傾斜する方向に照射すると共に、両側の反射面9Aで反射される反射光をプラスチック板3の上面に照射して、棚板1に載せられる商品の前面を下から明るく照射する。
【0040】
さらに、図16の棚板1は、四角柱状の挿入隙間5の内面であって、プラスチック板3の後縁側から前縁側に向かって下り勾配に傾斜する面に、LED6の照射方向がプラスチック板3の後縁側となるように、すなわち、LED6の照射方向が斜め下向きとなるようにLED基板4を配置している。この棚板1は、LED6から照射される光を反射板9で反射して棚板1の上面に照射する。図16に示す棚板1は、挿入隙間5に配置する反射板9を凹面状としている。反射面9Bを凹面状とする反射板9は、金属板を湾曲加工して製造できる。この反射板9は、LED6から照射される光を、凹面状の反射面9Bで反射して、プラスチック板3の上面に向かって傾斜する方向に照射する。とくに、凹面状の反射面9Bで反射される反射光は、集光して照射されて、棚板1に載せられる商品の前面を下から明るく照射する。
【0041】
さらに、図17の棚板1は、プラスチック板3の内部に、横断面形状を二等辺三角形とする三角柱状の縦孔を穿孔して挿入隙間5としている。この棚板1は、二等辺三角形の垂直面である底辺(T)をLED基板4の横幅(W)とほぼ等しくして、LED基板4を垂直姿勢で底辺側の内面に沿って配置している。さらに、図に示す棚板1は、LED6から照射される光を反射する反射板9も挿入隙間5に配置している。図の反射板9は、中間で折曲してなる2つの反射面9Aを備えており、一方の反射面9Aをプリント基板7の表面に沿って配置すると共に、他方の反射面9Aをプリント基板7と隣り合う内面であって、プラスチック板3の後縁側から前縁側に向かって下り勾配に傾斜する面に沿って配置している。この棚板1は、LED6から照射される直接光を、プラスチック板3の上面に向かって傾斜する方向に照射すると共に、傾斜面に配置された反射面9Aで反射される反射光をプラスチック板3の上面に照射して、棚板1に載せられる商品の前面を下から明るく照射する。
【0042】
以上のように、挿入隙間5に反射板9を備える棚板1は、LED6から照射される直接光に加えて、反射板9で反射された間接光を照射して、棚板1に載せられる商品をより明るく照射できる。さらに、反射板を備える棚板は、反射板の形状や挿入隙間の形状、さらには、LEDから照射される入射光に対する反射面の傾斜角や反射率等を種々に変更して、LED基板のLEDから照射される光を意図する方向に効果的に照射することができる。
【0043】
以上のように、本発明の棚は、棚板1に陳列される商品の前面に下から光を照射するので、設置面に向かって幅が狭くなる形状の商品、例えば、逆テーパー形状や樽形状の商品を載せる状態においても、下側を明るく照らすことができる特徴がある。さらに、図2に示す棚においては、最上段に商品を陳列する状態では、商品の下側から明るく照らすだけでなく、商品の上側には板を設ける必要がないので、開放感のある棚を実現できる特徴がある。さらにまた、図1に示す棚において、天板20に代わって棚板を配置することもできる。この棚も、最上段に位置する棚板の上側には板等を配置しないので、開放感のある棚を実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の棚は、棚板の内部に配置しているLEDから光を照射して棚板に陳列された商品を照らすので、棚板のみを配置して、スッキリと綺麗なデザインとしながら商品を明るく照射できる。
【符号の説明】
【0045】
1…棚板 1A…棚板上面
2…支持部
3…プラスチック板
4…LED基板
5…挿入隙間
6…LED
7…プリント基板
8…スリット
9…反射板 9A…反射面
9B…反射面
10…中空プラスチック板
11…上面プレート
12…下面プレート
13…ハニカムコア
14…装飾プレート
15…垂直リブ
16…開口部
17…閉塞部材 17A…挿入部
17B…鍔部
20…天板
21…垂直プレート
22…垂直プレート
23…支持アーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
棚板(1)と、棚板(1)を水平姿勢に支持する支持部(2)とを有する棚であって、
前記棚板(1)が、光を透過できるプラスチック板(3)と、このプラスチック板(3)に内蔵してなるLED基板(4)とを備え、
前記プラスチック板(3)の内部には、前記LED基板(4)を配置する挿入隙間(5)を間口方向に伸びて設けており、
前記LED基板(4)は、複数のLED(6)を一方の面に所定の間隔で固定しており、
前記LED基板(4)が前記プラスチック板(3)の挿入隙間(5)に挿入されて、LED基板(4)のLED(6)から照射される光がプラスチック板(3)の上面に向かって傾斜する方向に照射されて、棚板(1)に載せられる商品の前面を下から斜め方向に照射するようにしてなる棚。
【請求項2】
前記LED基板(4)を、プラスチック板(3)の後縁側から前縁側に向かって上り勾配に傾斜する姿勢で前記挿入隙間(5)に配置してなる請求項1に記載される棚。
【請求項3】
前記棚板(1)のプラスチック板(3)が、光を透過できる上面プレート(11)に下面プレート(12)を連結してなる中空プラスチック板(10)である請求項1または2に記載される棚。
【請求項4】
前記棚板(1)が、上面プレート(11)と下面プレート(12)とを、透光性のプラスチックからなるハニカムコア(13)で連結してなる中空プラスチック板(10)と、上面プレート(11)と下面プレート(12)とを、所定の間隔に設けてなる透光性のプラスチックからなる垂直リブ(15)で連結してなる中空プラスチック板(10)のいずれかである請求項3に記載される棚。
【請求項5】
前記挿入隙間(5)が、前記プラスチック板(3)の内部に、プラスチック板(3)の後縁側から前縁側に向かって上り勾配に傾斜する姿勢で設けたスリット(8)である請求項1ないし4のいずれかに記載される棚。
【請求項6】
前記棚板(1)が、プラスチック板(3)の前縁に沿ってスリット(8)を設けてなる請求項5に記載される棚。
【請求項7】
前記挿入隙間(5)に配置されるLED基板(4)の棚板上面(1A)に対する傾斜角(α)が10度ないし70度である請求項1ないし6のいずれかに記載される棚。
【請求項8】
前記LED基板(4)のLED(6)から照射される光を反射させる反射板(9)を前記挿入隙間(5)に配置しており、前記LED(6)から照射される光を前記反射板(9)で反射してプラスチック板(3)の上面に向かって傾斜する方向に照射する請求項1ないし7のいずれかに記載される棚。
【請求項9】
前記プラスチック板(3)の内部に、複数の挿入隙間(5)を前後に離して設けており、各々の挿入隙間(5)に前記LED基板(4)を挿入してなる請求項1ないし8のいずれかに記載される棚。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−135545(P2012−135545A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291344(P2010−291344)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000010054)岐阜プラスチック工業株式会社 (108)
【出願人】(511001806)有限会社中林木工 (1)
【Fターム(参考)】