説明

椅子型マッサージ機

【課題】アームレストの厚さを小さくすることによって「小型化」の要請に応えることができる椅子型マッサージ機を提供する。
【解決手段】椅子型マッサージ機10は、被施療者が着座する座部12と、座部12に着座した被施療者の上半身を後方から支持する背凭れ部14と、座部12に着座した被施療者の腕部を支持するアームレスト20と、アームレスト20の側面に設けられ、座部12に着座した被施療者の前腕部Aを施療する前腕施療部22とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座部に着座した被施療者の身体を施療する椅子型マッサージ機に関し、特に、被施療者の前腕部を施療することができる、椅子型マッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
座部に着座した被施療者の身体を施療する椅子型マッサージ機としては、従来から様々な種類のものが提案されており、その中でも、被施療者の前腕部を施療できるものが特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1の椅子型マッサージ機は、簡単に言えば、「肘掛部(すなわちアームレスト)の内側後方に被施療者の前腕部を挿入するための前腕挿入開口部を開設するとともに、前腕挿入開口部から延設して肘掛部の内部に施療者の前腕部を挿入保持する空洞部を設け、当該空洞部の内部壁面各所に施療者の前腕部を施療する前腕部施療機構を設けたもの」である。
【0004】
この椅子型マッサージ機では、前腕挿入開口部が肘掛部の内側後方に開設されているので、被施療者は、前腕部を前腕挿入開口部から空洞部内へ無理なく挿入することができ、不所望な圧迫や摺擦を受けることなく、その前腕部を前腕部施療機構に対してスムーズに位置決めすることができる。
【0005】
また、被施療者が座部から起立する際には、被施療者は、肘掛部の上部あるいは前端部を手で掴み、そこに体重を掛けながら起立することになるが、前腕部施療機構は肘掛部の空洞部内に設けられており、肘掛部の上部あるいは前端部には存在していないので、前腕部施療機構が起立動作の妨げになるのを防止できる。
【特許文献1】特開2008−43448号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の椅子型マッサージ機によれば、上述のように、前腕部を前腕部施療機構に対してスムーズに位置決めすることができ、また、前腕部施療機構が起立動作の妨げになるのを防止できる。しかし、肘掛部の内部に空洞部を設けるとともに、当該空洞部の内部壁面各所に前腕部施療機構を設けていたので、肘掛部の厚さが大きくなり、椅子型マッサージ機の幅が大きくなって「小型化」の要請に応えることができなかった。
【0007】
また、前腕部施療機構の配設位置や前腕挿入開口部の開口方向を調整することができなかったので、被施療者の「体格」や「着座姿勢」によっては、前腕部が不所望に圧迫されたり、摺擦されたりするおそれがあり、「快適性」を十分に高めることができなかった。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、アームレストの厚さを小さくして「小型化」の要請に応えることができる椅子型マッサージ機を提供することを目的とする。また、前腕施療部の配設位置や開口方向を適宜調整できるようにして「快適性」を高めることができる椅子型マッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の椅子型マッサージ機は、被施療者が着座する座部と、前記座部に着座した被施療者の上半身を後方から支持する背凭れ部と、前記座部に着座した被施療者の腕部を支持するアームレストと、前記アームレストの側面に設けられ、前記座部に着座した被施療者の前腕部を施療する前腕施療部とを備える。
【0010】
この構成では、前腕施療部をアームレストの側面(外側面または内側面のいずれか一方)に設けるようにしているので、アームレストの内部に前腕施療部を配設するためたの空洞部を設ける必要がなく、アームレストを薄く形成することができる。
【0011】
なお、本発明の説明で用いる「上下」、「前後」および「左右」の方向は、座部に着座した被施療者から見たときの方向と一致するものとする。また、「前腕部」とは、「肘から手首までの部分」および「手」のいずれか一方または双方を意味するものとする。
【0012】
前記前腕施療部は、前後方向へ移動可能に構成されていてもよい。
【0013】
この構成では、前腕施療部を前後方向へ移動させることによって、被施療者の「体格」や「着座姿勢」に応じた最適な位置に前腕施療部を位置決めすることができる。たとえば、体格の小さい(腕部の短い)被施療者が前腕部の施療を受ける際には、前腕施療部を後方へ移動させることによって楽な姿勢をとることができ、また、体格の大きい(腕部の長い)被施療者が前腕部の施療を受ける際には、前腕施療部を前方へ移動させることによって楽な姿勢をとることができる。
【0014】
前記前腕施療部は、前記アームレストの厚さ方向へ延びる回転軸を中心として回転可能に構成されていてもよい。
【0015】
この構成では、前腕施療部を回転させることによって、被施療者の「体格」や「着座姿勢」に応じた最適な方向へ前腕施療部の挿入口を向けることができる。
【0016】
前記アームレストは、少なくとも前後方向へ延びるガイド孔を有し、前記前腕施療部は、前記ガイド孔に挿通された回転軸を有していてもよい。
【0017】
この構成では、アームレストのガイド孔が、前腕施療部の回転軸を前後方向へ移動させるときの「ガイド」となり、かつ、当該回転軸を回転させるときの「軸受」となる。
【0018】
前記前腕施療部は、前記アームレストに取り付けられたベース部と、前記ベース部に対して一定範囲内で近接離間可能に取り付けられたカバー部と、前記カバー部を前記ベース部に近接させる方向に付勢する付勢部と、前記ベース部または前記カバー部の少なくとも一方に配設され、前記ベース部と前記カバー部との間に配置された被施療者の前腕部を施療するエアセルと、前記エアセルに対して空気を給排気する給排気路とを有していてもよい。
【0019】
この構成において、ベース部とカバー部との間に被施療者の前腕部を挿入すると、カバー部は、前腕部に押され、付勢部の付勢に抗して、前腕部の厚さまたは太さに応じた距離だけベース部から離間する方向へ移動される。その後、エアセルに給気すると、ベース部またはカバー部の少なくとも一方と前腕部との間でエアセルが膨張し、エアセルの押圧力が前腕部に与えられる。このとき、カバー部の離間距離は一定範囲内に制限されており、カバー部のさらなる離間によってエアセルの押圧力が逃がされることはないので、エアセルの押圧力を前腕部に効率よく与えることができる。施療後、エアセルから排気してベース部とカバー部との間から前腕部を引き抜くと、付勢部の付勢によってカバー部がベース部に近接する方向へ移動され、前腕施療部の厚さが縮小される。
【0020】
前記カバー部の前部が前記ベース部の前部に回動可能に取り付けられており、前記カバー部が前記ベース部に対して回動されることによって、前記カバー部が前記ベース部に対して近接または離間される構成であってもよい。
【0021】
この構成では、カバー部をベース部に対して回動軸を介して取り付けることができるので、取付構造を簡素化でき、前腕施療部を安価に製造することができる。
【0022】
前記ベース部と前記カバー部との間には、被施療者の前腕部を収容する収容部が構成されており、前記収容部は、後方へ向けて開口された後部挿入口と、上方へ向けて開口された上部挿入口とを有しており、前記後部挿入口と前記上部挿入口とは互いに連通されている構成であってもよい。
【0023】
この構成では、後部挿入口と上部挿入口とが互いに連通されているので、前腕施療部の「後方」、「上方」または「後ろ斜め上方」から前腕部を収容部へ挿入することができ、また、収容部に収容された前腕部をこれらのいずれかの方向へ引き抜くことができる。したがって、被施療者の動きの自由度を高めることができ、「快適性」を高めることができる。
【0024】
前記前腕施療部は、前記アームレストに取り付けられたベース部と、前記ベース部に取り付けられ、被施療者の前腕部が挿入されたときに伸長し、被施療者の前腕部が引き抜かれたときに収縮する筒状部と、前記筒状部の内側に配設され、前記筒状部に挿入された被施療者の前腕部を施療するエアセルと、前記エアセルに対して空気を給排気する給排気路とを有していてもよい。
【0025】
この構成において、筒状部の内部に被施療者の前腕部を挿入すると、筒状部は、その復元力に抗して、前腕部の厚さまたは太さに応じた長さだけ伸長する。その後、エアセルに給気すると、筒状部の内面と前腕部との間でエアセルが膨張し、エアセルの押圧力が前腕部に与えられる。施療後、エアセルから排気して前腕部を引き抜くと、筒状部はその復元力によって収縮し、前腕施療部の厚さが縮小される。
【0026】
前記筒状部は、伸長長さを制限する非伸縮部を有していてもよい。
【0027】
この構成では、非伸縮部によって筒状部の伸長長さを制限することができるので、施療時には、エアセルの膨張によって筒状部がさらに伸長するのを防止でき、エアセルの押圧力が逃がされるのを防止できる。
【0028】
前記給排気路の一部は、前記ガイド孔を貫通するように前記回転軸の内部に配設されていてもよい。
【0029】
この構成では、給排気路の一部が回転軸の内部に配設されているので、回転軸をガイド孔に挿通させると同時に、給排気路の一部をガイド孔に貫通させることができる。したがって、アームレストの内部に配設された取付基板にガイド孔を形成した場合でも、給排気路を、取付基板の一方主面側と他方主面側とに跨って簡単に配設することができる。
【0030】
前記アームレストは前記座部の側方に設けられた側壁部を有しており、前記側壁部の側面には凹部が形成されており、前記凹部に前記前腕施療部が配設されていてもよい。
【0031】
この構成では、凹部に前腕施療部が配設されているので、前腕施療部の少なくとも一部を凹部内に収容することができ、椅子型マッサージ機の幅を小さくすることができる。
【0032】
前記凹部の後部には、後方へ向けて開口された開口部が形成されていてもよい。
【0033】
この構成では、座部に着座した被施療者は、開口部から凹部内へ前腕部を簡単に挿し込むことができ、その前腕部を凹部内に配設された前腕施療部に無理なく挿入することができる。
【0034】
前記側壁部の後部上面は、後端部へ向かうに従って低くなる後傾面で構成されており、前記開口部は前記後傾面側へ向けて開口されていてもよい。
【0035】
この構成では、側壁部の後部上面が後端部へ向かうに従って低くなる後傾面で構成されているので、開口部から凹部内へ前腕部を挿し込む際に側壁部が妨げになるのを防止できる。
【発明の効果】
【0036】
本発明は、以上に説明したように構成され、前腕施療部をアームレストの側面(外側面または内側面のいずれか一方)に設けるようにしているので、アームレストの内部に前腕施療部を配設するための空洞部を設ける必要はなく、アームレストを薄く形成することができる。したがって、椅子型マッサージ機の幅を小さくすることができ、「小型化」の要請に応えることができる。
【0037】
また、前腕施療部を「前後方向へ移動可能」あるいは「アームレストの厚さ方向へ延びる回転軸を中心として回転可能」に構成した場合には、被施療者の「体格」や「着座姿勢」等に応じて前腕施療部の配設位置や開口方向を適宜調整することができるので、「快適性」をより高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0039】
(第1実施形態)
[椅子型マッサージ機の全体構成]
図1は、本発明の第1実施形態に係る椅子型マッサージ機10の全体構成を示す斜視図であり、図2は、椅子型マッサージ機10の全体構成を示す正面図であり、図3は、椅子型マッサージ機10の全体構成を示す右側面図である。そして、図4は、椅子型マッサージ機10の全体構成を示すブロック図である。
【0040】
椅子型マッサージ機10は、図1〜図3に示すように、被施療者が着座する座部12、被施療者の上半身を支持する背凭れ部14、被施療者の上腕部および肩部を施療する左右一対の上腕施療部16、被施療者の脚を支持するフットレスト18、被施療者の腕部を支持するアームレスト20および被施療者の前腕部を施療する前腕施療部22等を備えている。
【0041】
[座部の構成]
座部12は、図3に示すように、床面上に設置される基台24と、基台24の上部に設けられた座フレーム26と、座フレーム26の上部に設けられた座面部28とを有している。
【0042】
基台24は、椅子型マッサージ機10の全体荷重を受けるものであり、基台24の後部における左右方向両側端部には、2本の棒状の転倒防止部材24aが後方へ突出して形成されており、転倒防止部材24aの後端部には、移動用のキャスター24bが取り付けられている。
【0043】
座フレーム26は、椅子型マッサージ機10の骨格となって座面部28等を支持するものであり、座フレーム26の内部には、施療動作を制御する制御回路30、ポンプおよび電磁弁等を有し、施療動作の動力源となる給排気装置32、背凭れ部14を傾動させる直動式アクチュエータ34およびフットレスト18を傾動させる直動式アクチュエータ36等が組み込まれている。
【0044】
制御回路30は、各種の演算を実行する中央演算処理装置(CPU)と各種のデータおよびプログラムを記憶する記憶装置(ROM、RAM)とを有している。そして、制御回路30には、図4に示すように、施療動作を指示する操作器38が接続されており、また、駆動回路32a、34aおよび36aを介して給排気装置32、直動式アクチュエータ34および直動式アクチュエータ36が接続されている。なお、制御回路30には、他にも様々な機器が接続されているが、それらについては後述する。
【0045】
座面部28は、被施療者の臀部および大腿部を安定的に支持するものであり、ウレタンフォーム、スポンジまたは発泡スチロール等の内装材を、起毛トリコット、合成皮革または天然皮革等の外装カバーで覆うことによって構成されている。座面部28の上面すなわち座面28aは、後部に比べて前部が高くなるように傾斜して形成されており、座面部28の内部には、図2に示すように、被施療者の臀部が当たる位置(すなわち後部の左右部分)と大腿部が当たる位置(すなわち前部の左右部分)とに対応させて合計4つのエアセル40が内蔵されている。そして、これらのエアセル40が、図4に示すように、エアチューブ40tを介して給排気装置32に接続されている。したがって、制御回路30で実行されるプログラムに従ってエアセル40を駆動させることができ、被施療者の臀部および大腿部をエアセル40で施療することができる。
【0046】
そして、座部12の後方には、背凭れ部14が設けられており、座部12の前方には、フットレスト18が設けられており、座部12の左右側方には、アームレスト20が設けられている。
【0047】
なお、本実施形態では、制御回路30および給排気装置(ポンプおよび電磁弁等を含む。)32を座フレーム26の内部に配置しているが、これらの全部または一部を後述するアームレスト20(図1、図2)の内部に配置してもよい。
【0048】
[背凭れ部の構成]
背凭れ部14は、図3に示すように、強度を確保するための骨格となる背フレーム42と、背フレーム42を覆うとともに、被施療者の背部を支持する背凭れ本体44とを有しており、背フレーム42の下部が、傾動軸46を介して座フレーム26の後部に傾動可能に取り付けられている。そして、傾動軸46よりも下方に位置する背フレーム42の下端部には、直動式アクチュエータ34の一端が取り付けられており、この直動式アクチュエータ34の他端が座フレーム26の前部に取り付けられている。したがって、直動式アクチュエータ34が収縮または伸長されることによって、背フレーム42が後方または前方へ傾動される。
【0049】
また、背凭れ本体44は、図2に示すように、正面視形状が略縦長の長方形となるように形成されており、背凭れ本体44の内部には、被施療者の背部を施療する背施療部48と、背施療部48を上下方向へ移動させる直動式アクチュエータ50とが組み込まれている。背施療部48は、被施療者の背部に対して「揉みマッサージ」、「叩きマッサージ」および「指圧マッサージ」等を施すものであり、モータ52と、モータ52によって駆動される駆動機構48aと、駆動機構48aによって三次元的に動作される左右一対の施療子48bとを有している。モータ52および直動式アクチュエータ50は、図4に示すように、駆動回路52aおよび50aを介して制御回路30に接続されている。したがって、背施療部48と直動式アクチュエータ50とを連動させた複雑な施療動作を実現できる。たとえば、施療子48bを前方へ突出させた状態で直動式アクチュエータ50による昇降動作を行うことによって、被施療者の背部に対してローリングマッサージを施すこともできる。
【0050】
なお、このような背施療部48の構成および動作については、既に公知の技術が開示されており、本実施形態に係る椅子型マッサージ機10においても、これらの公知技術を採用することができる。
【0051】
さらに、背凭れ本体44の内部には、図2に示すように、被施療者の腰部が当たる位置(すなわち下部の左右部分)と上腕部の背面側が当たる位置(すなわち中間部の左右部分)とに対応させて合計4つのエアセル54が内蔵されており、図4に示すように、これらのエアセル54がエアチューブ54tを介して給排気装置32に接続されている。したがって、制御回路30で実行されるプログラムに従ってエアセル54を駆動させることができ、被施療者の腰部および肩甲骨付近をエアセル54で施療することができる。
【0052】
[上腕施療部の構成]
上腕施療部16は、図1および図2に示すように、背凭れ部14の左右方向両側端部から前方へ突出して形成された突出部56を有しており、突出部56の内側面は、被施療者の上腕部および肩部に対向する平坦面に形成されている。そして、突出部56の内側面には、エアセル58が配設されており、図4に示すように、このエアセル58がエアチューブ58tを介して給排気装置32に接続されている。したがって、制御回路30で実行されるプログラムに従ってエアセル58を駆動させることができ、被施療者の上腕部および肩部をエアセル58で施療することができる。
【0053】
[フットレストの構成]
フットレスト18は、図1および図2に示すように、被施療者の左右の下腿(すなわち膝から足首までの部位)を後方から支持する正面視略四角形の背面部60と、背面部60の下部から前方へ突出して形成された底面部62と、背面部60の左右両端部から前方へ突出して形成された外側面部64と、背面部60の左右方向中央部から前方へ突出して形成された仕切部66とを有しており、仕切部66によって仕切られた右側の部分が右足収容部68となっており、左側の部分が左足収容部70となっている。
【0054】
また、背面部60、外側面部64および仕切部66は、上下方向に分割されており、上側の分割片(以下、「上側フットレスト」という。)18aと下側の分割片(以下、「下側フットレスト」という。)18bとが伸縮機構72(図2)を介して連結されている。伸縮機構72は、上側フットレスト18aと下側フットレスト18bとを近接または離間させることによって、これらの相対的な位置関係を調整するものであり、具体的には、「モータ、ラックおよびピニオンを用いた機構」または「モータおよびパンタグラフを用いた機構」等のような公知技術が採用されている。そして、図4に示すように、この伸縮機構72が駆動回路72aを介して制御回路30に接続されている。
【0055】
また、図3に示すように、背面部60の上端部が、傾動軸74を介して座フレーム26の前部に傾動可能に取り付けられており、背面部60の後面における傾動軸74よりも下方に位置する部分には、直動式アクチュエータ36の一端が取り付けられており、この直動式アクチュエータ36の他端が座フレーム26の後部に取り付けられている。したがって、直動式アクチュエータ36が伸長または収縮されることによって、フットレスト18が前方または後方へ傾動される。
【0056】
さらに、フットレスト18においては、図1および図2に示すように、右足収容部68および左足収容部70のそれぞれを構成する背面部60の前面、底面部62の上面、外側面部64の内側面および仕切部66の両側面に、合計8つのエアセル76が配設されており、図4に示すように、これらのエアセル76がエアチューブ76tを介して給排気装置32に接続されている。したがって、制御回路30で実行されるプログラムに従ってエアセル76を駆動させることができ、被施療者の脹脛(ふくらはぎ)、足裏および足首をエアセル76で施療することができる。
【0057】
[アームレストの構成]
アームレスト20は、図1および図2に示すように、座部12の左右側方において、座部12の後端位置よりも後方から座部12の前端位置付近まで延設された側壁部78を有しており、側壁部78の上面は、前後方向中央部から後端部へ向かうに従って低くなる後傾面80aと、前後方向中央部から前端部へ向かうに従って低くなる前傾面80bとによって構成されている。また、側壁部78の前面は、上端部から下端部に向かうに従って後退する傾斜面80cで構成されており、側壁部78の後面は、下端部から上端部に向かうに従って後退する傾斜面80dで構成されている。そして、側壁部78における外側面の略中央部には、側面視略四角形の凹部82が形成されている。
【0058】
凹部82の上部内壁および下部内壁は、前傾面80bに対して略平行に形成されており、凹部82の前部内壁は、傾斜面80cに対して略平行に形成されている。また、凹部82の後部には、後部内壁は存在せず、後方(すなわち後傾面80a側)へ向けて開口された開口部82aが形成されている。つまり、凹部82の底面は、開口部82aを通して段差を生じることなくそのまま後傾面80aの側端縁に連なっている。したがって、座部12に着座した被施療者は、開口部82aから凹部82内へ前腕部A(図13)を簡単に挿し込むことができ、その前腕部Aを凹部82に配設された前腕施療部22内に無理なく挿入することができる。また、側壁部78の後部上面は、後端部へ向かうに従って低くなる後傾面80aで構成されているので、開口部82aから凹部82内へ前腕部Aを挿し込む際に側壁部78が妨げになることはない。
【0059】
さらに、側壁部78の内部には、図3に示すように、前腕施療部22を取り付けるための取付基板84が配設されている。なお、取付基板84の具体的構成については、以下の前腕施療部22の説明において詳述する。
【0060】
[前腕施療部の構成]
図5は、第1実施形態における前腕施療部22の構成を示す斜視図であり、図6は、前腕施療部22の構成を示す正面図であり、図7は、前腕施療部22の構成を示す背面図である。また、図8は、前腕施療部22の構成を示す平面図であり、図9は、前腕施療部22の構成を示す一部断面右側面図である。なお、「椅子型マッサージ機10の全体構成を示す正面図(図2)」が椅子型マッサージ機10を前方から見たときに把握できる構成を示しているのに対し、「前腕施療部22の構成を示す正面図(図6)」は椅子型マッサージ機10を側方から見たときに把握できる構成を示しており、両者は見る方向を異にしている点に留意されたい。
【0061】
前腕施療部22は、図5〜図9に示すように、アームレスト20の取付基板84(図3)に取付部材86(図10、図11)を用いて取り付けられたベース部88と、ベース部88に対して一定範囲内で近接離間可能に取り付けられたカバー部90と、カバー部90をベース部88に近接させる方向に付勢する「付勢部」としてのコイルバネ92(図9)と、ベース部88に配設された1つのエアセル94と、カバー部90に配設された2つのエアセル96とを備えている。
【0062】
取付基板84は、図10および図12に示すように、アームレスト20(図3)の形状に応じた形状に形成された板状部材であり、取付基板84の中央部には、少なくとも前後方向へ延びるガイド孔98が形成されている。このガイド孔98は、前腕施療部22の回転軸106が「前後方向へ移動可能」かつ「回転可能」に挿通される長孔であり、ガイド孔98の幅は、回転軸106(軸部112)の直径よりもやや大きく設計されており、ガイド孔98の前後方向長さは、前腕施療部22に要求される位置調整幅に応じて設計されている。
【0063】
なお、本実施形態では、ガイド孔98が水平線Q(図12)に対して平行に形成されているが、ガイド孔98は、少なくとも前後方向へ延びる長孔、つまり、少なくとも水平成分を有する長孔であればよく、水平線Qに対して所定角度で傾斜して形成されていてもよい。たとえば、ガイド孔98は、凹部82の上部内壁および下部内壁に対して略平行に形成されていてもよく、この場合には、上部内壁および下部内壁に前腕施療部22が干渉するのを防止することができる。
【0064】
ベース部88およびカバー部90は、図5に示すように、互いに一体となって被施療者の前腕部A(図13)を収容する収容部100を構成するものであり、収容部100の全体形状は、側面視略四角形の筒状に設計されている。そして、収容部100における挿入口B側の開口端面100aは、図6に示すように、前方へ向かってわずかに凸となるように湾曲し、かつ、上端部から下端部へ向かうに従って後方へ延びるように傾斜して形成されている。また、収容部100の幅(すなわち上下方向長さ)は、図6に示すように、前端部から後端部へ向かうに従って広くなるように設計されている。そして、収容部100の挿入口Bが、図3に示すように、後方(すなわちアームレスト20の後傾面80a側)に向けられている。
【0065】
したがって、挿入口Bの開口面積を広く確保でき、被施療者は挿入口Bに前腕部A(図13)を容易に挿入することができる。また、挿入口Bが上方へ向くように前腕施療部22を回転させた際に前腕施療部22が凹部82の上部内壁に干渉するのを防止することができる。なお、挿入口Bの開口面積を広く確保するためには、収容部100の開口端面100aが湾曲した傾斜面に形成されていることが望ましいが、「挿入口Bを確保する。」といった開口端面100aの基本機能に鑑みれば、開口端面100aは必ずしも湾曲して形成されている必要はなく、また、必ずしも傾斜面に形成されている必要もない。
【0066】
ベース部88は、図7に示すように、収容部100の内側部分(すなわちアームレスト20側の部分)を構成するベース部本体102と、ベース部本体102の内側に配設された基板104と、基板104の背面中央部に取り付けられた回転軸106とを有している。
【0067】
ベース部本体102は、図5に示すように、アームレスト20(図1)の外側面(すなわち凹部82の底面)に対向する板状部102aを有しており、板状部102aの周縁部内面には、カバー部90と当接する立上り部102bが全周に亘って一定高さで形成されている。また、板状部102aの4つの角部またはその近傍には、図7に示すように、後述する連結ボルト108を回す工具(ドライバ等)を挿通するための貫通孔102cが形成されており、板状部102aの中央部には、回転軸106を配置するための貫通孔102dが形成されている。そして、板状部102aの内面における貫通孔102cに対応する箇所には、図9に示すように、立上り部102bの立上方向と同じ方向へ突出して4つの円筒状のバネ収容部102eが形成されており、バネ収容部102eの先端部には、環状のバネ係止部102fが形成されており、バネ収容部102eの基端部は、貫通孔102cを通して外部に開口されている。
【0068】
そして、図9に示すように、バネ収容部102eの内部に「付勢部」としてのコイルバネ92が収容されており、コイルバネ92の一端がバネ係止部102fに係止されている。また、コイルバネ92の内側には、連結ボルト108が配設されており、連結ボルト108の頭部108aがコイルバネ92の他端に係止されている。さらに、連結ボルト108の雄ネジ部108bがバネ収容部102eの先端から先方へ突出されており、この雄ネジ部108bが、後述するカバー部90に形成された雌ネジ部90dに螺合されている。
【0069】
したがって、ベース部88とカバー部90との間に前腕部Aを挿入すると、図13に示すように、連結ボルト108の頭部108aとバネ係止部102fとの間でコイルバネ92が圧縮され、コイルバネ92の最大圧縮長さに応じた距離(最大離間距離)Lを限度として、カバー部90がベース部88から離間する方向へ移動される。
【0070】
なお、本実施形態では、圧縮により付勢力を発生させるコイルバネ(すなわち圧縮コイルバネ)92を「付勢部」として用いているが、これに代えて、引張により付勢力を発生させる「引張コイルバネ」、圧縮または引張により付勢力を発生させる「板バネ」、圧縮または引張により付勢力を発生させる「ゴム」等を「付勢部」として用いてもよい。
【0071】
また、本実施形態では、ベース部88に形成されたバネ収容部102e内にコイルバネ92および連結ボルト108を配置し、連結ボルト108の雄ネジ部108bをカバー部90に形成された雌ネジ部90dに螺合しているが、これとは逆に、カバー部90に形成されたバネ収容部内にコイルバネ92および連結ボルト108を配置し、連結ボルト108の雄ネジ部108bをベース部88に形成された雌ネジ部に螺合してもよい。
【0072】
基板104(図7、図9)は、ベース部本体102を補強するとともに、エアセル94および回転軸106を支持する板状部材であり、基板104がネジ等の固定部材を用いてベース部本体102の内側に取り付けられている。
【0073】
回転軸106は、図7、図9および図11に示すように、ベース部本体102の内側において基板104に取り付けられた基部110と、基部110の中央部に設けられた筒状の軸部112と、基部110および軸部112の内部に配設された2本の配管114とを有している。
【0074】
基部110は、図7に示すように、円盤の両側部を互いに平行な切断線に沿って切断した形状(すなわち小判状)に形成されており、基部110の側壁を成す平坦部分110aには、図9に示すように、内部空間と連通する2つの貫通孔110bが形成されており、貫通孔110bのそれぞれには、チューブ接続部116が設けられている。
【0075】
軸部112は、図11に示すように、ガイド孔98の幅よりもやや小さい外径を有する円筒状の軸部本体118を有しており、軸部本体118の先端部は、2つの貫通孔120aを有する円盤状の閉塞部120によって閉塞されており、貫通孔120aのそれぞれには、チューブ接続部122が設けられている。また、軸部本体118の周壁の互いに対向する2つの部分には、略U字状の孔124(図8)に囲まれた弾性変形部118aが形成されており、弾性変形部118aの先端部外面には、後述する取付部材86の係止孔126a(図10)に係止される係止突起118bが突設されている。さらに、軸部本体118の外面には、後述する取付部材86の条溝126b(図10)に嵌合される突条118cが軸方向へ延びて形成されている。
【0076】
そして、図11に示すように、基部110および軸部112の内部に2本の配管114が略L字状に曲げて配設されており、各配管114の一端がチューブ接続部116に接続されており、かつ、他端がチューブ接続部122に接続されている。
【0077】
カバー部90は、図5および図6に示すように、収容部100の外側部分を構成するものであり、ベース部88側に向けて開口された側面視略U字状のカバー部本体90aを有している。カバー部本体90aは、図5に示すように、ベース部本体102の板状部102aと対向する平板状の表面構成部91aと、表面構成部91aの上端縁からベース部88側へ延びて形成された上面構成部91bと、表面構成部91aの下端縁からベース部88側へ延びて形成された下面構成部91cとを有しており、カバー部本体90aの後端部内面には、図8および図10に示すように、挿入口Bの内周縁を構成する立上り部90bが形成されており、カバー部本体90aの前端部内面には、図5に示すように、開口Cの内周縁を構成する立上り部90cが形成されている。そして、カバー部本体90aの内面におけるバネ収容部102eと対向する部分には、図6および図9に示すように、連結ボルト108の雄ネジ部108bが螺合される雌ネジ部90dが形成されている。
【0078】
エアセル94は、図13に示すように、被施療者の前腕部Aを手のひら側から施療する空気袋であり、エアセル96は、被施療者の前腕部Aを手の甲側から施療する空気袋であり、エアセル96の大きさは、図5に示すように、エアセル94の大きさの半分程度に設計されている。そして、図8および図9に示すように、エアセル94がベース部88の基板104に取り付けられており、2つのエアセル96がカバー部90のカバー部本体90aに前後方向へ並べて取り付けられている。また、図7に示すように、エアセル94の給排気口94aがエアチューブ94tを介して2つのチューブ接続部116の一方に接続されており、エアセル96のそれぞれの給排気口96aがエアチューブ96tおよび分岐継手96jを介して2つのチューブ接続部116の他方に接続されている。
【0079】
つまり、本実施形態では、エアセル94に対して空気を給排気する給排気路P1がエアチューブ94tと配管114とによって構成されており、エアセル96に対して空気を給排気する給排気路P2がエアチューブ96tと分岐継手96jと配管114とによって構成されており、給排気路P1,P2の一部(すなわち配管114)が、ガイド孔98を貫通するように回転軸106の内部に配設されている。
【0080】
なお、エアセル94および96の種類、大きさ、形状および数は、前腕部Aを施療する施療動作の態様に応じて適宜変更されてもよい。
【0081】
[前腕施療部の取付構造]
図10は、前腕施療部22の取付構造を示す斜視図であり、図11は、前腕施療部22の取付構造を示す断面図であり、図12は、前腕施療部22の移動態様を示す正面図である。
【0082】
以上のように構成された前腕施療部22が、図10および図11に示すように、取付部材86を用いてアームレスト20の取付基板84に取り付けられ、かつ、図1および図3に示すように、側壁部78の外側面に形成された凹部82内に配設されている。そして、図4に示すように、2つのチューブ接続部122のそれぞれと給排気装置32とがエアチューブ94tおよび96tを介してが接続されている。
【0083】
取付部材86(図10、図11)は、回転軸106における軸部112の外周に嵌め合わされる筒状の嵌合部126と、嵌合部126の軸方向一方端部外周面に形成され、ベース部88とは反対側で取付基板84に対向する鍔部128とを有しており、嵌合部126の周壁の互いに対向する2つの部分には、回転軸106の係止突起118bが係止される係止孔126aが形成されている。また、嵌合部126の内面には、回転軸106の突条118cに嵌合される条溝126bが軸方向へ延びて形成されている。したがって、取付基板84のガイド孔98に回転軸106を配置し、その後、条溝126bを突条118cに嵌め合わせながら、嵌合部126を軸部112に嵌め合わせると、係止突起118bが係止孔126aに係止されて回転軸106と取付部材86とが一体化される。これにより、回転軸106がガイド孔98から離脱するのが防止される。
【0084】
この取付構造では、回転軸106を支持するガイド孔98が前後方向へ延びて配設されるとともに、前腕施療部22の回転軸106がアームレスト20の厚さ方向へ延びて配設されているので、前腕施療部22は、「前後方向へ移動可能」であり、かつ、「鉛直面内において回転可能」である。したがって、図12中の二点鎖線で示すように、被施療者の「体格」や「着座姿勢」に応じて前腕施療部22の配設位置や開口方向(すなわち挿入口Bの向き)を適宜調整することができる。
【0085】
なお、本実施形態では、前腕施療部22をアームレスト20の外側面に配設しているが、前腕施療部22をアームレスト20の内側面に配設してもよい。つまり、側壁部78の内側面に凹部(図示省略)を形成し、この凹部内に前腕施療部22を配設してもよい。
【0086】
また、取付基板84を省略するとともに、アームレスト20の側壁部78(図1、図3)にガイド孔98(図10、図11)を直接形成し、このガイド孔98に取付部材86(図10、図11)を用いて前腕施療部22を取り付けるようにしてもよい。
【0087】
[前腕施療部の動作(使用方法)]
図13は、前腕施療部22の使用状態を示す一部断面右側面図である。
【0088】
座部12(図1)に着座した被施療者が前腕部Aの施療を受ける際には、被施療者は、操作器38(図4)を操作して前腕施療部22による施療動作を含むプログラムを選択し、運転開始スイッチをONにする。また、被施療者は、図13に示すように、前腕部Aを挿入口Bから前腕施療部22の内部に挿入し、エアセル94,96に対して位置決めする。前腕施療部22の内部に前腕部Aを挿入すると、カバー部90は、前腕部Aに押され、コイルバネ92の付勢に抗して、前腕部Aの厚さまたは太さに応じた距離だけベース部88から離間する方向へ移動される。
【0089】
施療動作が始まると、プログラムに応じた所定のタイミングでエアセル94,96が膨張または収縮され、前腕部Aに対して適度な刺激が与えられる。このとき、カバー部90とベース部88とは連結ボルト108で連結されており、カバー部90のさらなる離間によってエアセル94,96の押圧力が逃がされることはないので、エアセル94,96の膨張による押圧力を前腕部Aに効率よく与えることができる。つまり、カバー部90および連結ボルト108が押圧力の減衰を防止する機能(以下、「押圧力減衰防止機能」という。)を発揮する。
【0090】
前腕部Aを前腕施療部22の内部に挿入した状態において、被施療者が着座姿勢を変えようとすると、前腕部Aが前後方向へ移動したり、前腕部Aの傾斜角度が変わったりするが、前腕施療部22は、「前後方向へ移動可能」かつ「鉛直面内において回転可能」に構成されているので、前腕部Aの動きにスムーズに追従することができる。したがって、前腕施療部22の内部で前腕部Aが不所望に圧迫されたり、摺擦されたりすることはなく、被施療者に不快感を与えるのを防止できる。
【0091】
施療動作が終了すると、被施療者は、前腕施療部22から前腕部Aを引き抜く。すると、カバー部90は、コイルバネ92の付勢によってベース部88へ近接する方向へ移動され、前腕施療部22の厚さが縮小される。本実施形態では、アームレスト20の外側面に凹部82が形成されているので、前腕施療部22を使用しないときには、図2に示すように、前腕施療部22の大部分を凹部82(図3)内に収容することができ、椅子型マッサージ機10の幅Wを小さくすることができる。
【0092】
(第2実施形態)
図14は、本発明の第2実施形態に係る椅子型マッサージ機における前腕施療部132の構成(使用状態)を示す一部断面右側面図である。
【0093】
第2実施形態に係る椅子型マッサージ機は、第1実施形態に係る椅子型マッサージ機10の前腕施療部22を別の前腕施療部132に変更したものであり、他の構成は椅子型マッサージ機10と同様である。したがって、以下には、前腕施療部132の構成について説明し、他の構成の説明は省略する。
【0094】
[前腕施療部の構成]
前腕施療部132は、図14に示すように、アームレスト20の取付基板84(図3)に取付部材86(図10)を用いて取り付けられるベース部134と、ベース部134に対して一定範囲内で近接離間可能に取り付けられたカバー部136と、ベース部134とカバー部136との間に配設され、一定範囲内で伸縮する筒状部138と、ベース部134の内面における筒状部138の内側に配設されたエアセル140と、カバー部136の内面における筒状部138の内側に配設されたエアセル142とを備えており、これらの構成要素のうち、ベース部134、カバー部136およびエアセル140,142は、第1実施形態における前腕施療部22のベース部88、カバー部90およびエアセル94,96とほぼ同様に構成されている。
【0095】
ただし、前腕施療部132では、前腕施療部22の「コイルバネ92(図9)」に代えて「筒状部138」を「付勢部」として用いているため、前腕施療部132のベース部134に「バネ収容部」は設けられていない。つまり、前腕施療部132では、バネ収容部102e(図9)に代えてボルト収容部134aが設けられており、ボルト収容部134aの内部に「押圧力減衰防止機能」を奏する連結ボルト144が収容されている。そして、この連結ボルト144の頭部144aがボルト収容部134aの先端部に形成された環状のボルト係止部134bに係止され得るように構成されており、連結ボルト144の雄ネジ部144bがカバー部136に形成された雌ネジ部136aに螺合されている。
【0096】
筒状部138は、一定の伸縮性を有する布またはシート等によって形成された筒状部材であり、筒状部138の一部がベース部134に取り付けられており、筒状部138の他の一部がカバー部136に取り付けられている。そして、筒状部138の内側に2つのエアセル140,142が互いに対向して配設されている。
【0097】
[前腕施療部の動作(使用方法)]
前腕施療部132を用いて前腕部Aを施療する際には、筒状部138の内部における2つのエアセル140,142間に前腕部Aを挿入する。すると、筒状部138は、その復元力に抗して、前腕部Aの厚さまたは太さに応じた長さだけ伸長され、また、カバー部136は、筒状部138の伸長長さに応じた距離だけベース部134から離間する方向へ移動される。その後、エアセル140,142に給気すると、筒状部138の内面と前腕部Aとの間でエアセル140,142が膨張され、エアセル140,142の押圧力が前腕部Aに与えられる。このとき、ベース部134とカバー部136との離間距離は、連結ボルト144によって制限されているので、カバー部136のさらなる離間によってエアセル140,142の押圧力が逃がされることはなく、エアセル140,142の押圧力を前腕部Aに効率よく与えることができる。つまり、前腕施療部132においては、カバー部136および連結ボルト144が押圧力の減衰を防止する「押圧力減衰防止機能」を発揮する。施療後、エアセル140,142から排気して筒状部138から前腕部Aを引き抜くと、筒状部138はその復元力によって収縮し、カバー部136は、当該復元力(付勢力)に付勢されてベース部134に近接する方向へ移動される。
【0098】
なお、第2実施形態の前腕施療部132(図14)では、ベース部134とカバー部136とを連結ボルト144を用いて連結しているが、「ベース部とカバー部とを連結する連結構造」としては、図15に示すような連結構造が用いられてもよい。図15に示す連結構造は、ベース部135にカバー部137側へ突出して形成された嵌合突部135aと、カバー部137にベース部135側へ開口して形成された嵌合穴部137aとを有しており、嵌合突部135aの先端部外側面には、係止突起135bが形成されており、嵌合穴部137aの側壁には、長孔137bが嵌合突部135aの長手方向と同じ方向へ延びて形成されている。そして、嵌合突部135aが嵌合穴部137aに摺動自在に挿入されており、かつ、係止突起135bが長孔137bに挿入されている。したがって、カバー部137は、ベース部135に対して近接または離間する方向へ移動可能であり、カバー部137がベース部135から所定距離だけ離間すると、図15に示すように、係止突起135bが長孔137bの端部内縁に係止され、それ以上の離間が禁止される。
【0099】
(第3実施形態)
図16は、本発明の第3実施形態に係る椅子型マッサージ機における前腕施療部146の構成(使用状態)を示す一部断面右側面図である。
【0100】
第3実施形態に係る椅子型マッサージ機は、第1実施形態に係る椅子型マッサージ機10の前腕施療部22を別の前腕施療部146に変更したものであり、他の構成は椅子型マッサージ機10と同様である。したがって、以下には、前腕施療部146の構成について説明し、他の構成の説明は省略する。
【0101】
[前腕施療部の構成]
前腕施療部146は、図16に示すように、アームレスト20の取付基板84(図3)に取付部材86(図10)を用いて取り付けられるベース部148と、ベース部148に対して取り付けられ、一定範囲内で伸縮する筒状部150と、ベース部148の内面における筒状部150の内側に配設されたエアセル152と、筒状部150の内側におけるエアセル152と対向する位置に配設されたエアセル154とを備えており、これらの構成要素のうち、ベース部148およびエアセル152,154は、第2実施形態(図14)におけるベース部134およびエアセル140,142とほぼ同様に構成されている。
【0102】
つまり、前腕施療部146は、第2実施形態の前腕施療部132からカバー部136および連結ボルト144を除去するとともに、筒状部138に代えて「押圧力減衰防止機能」を奏する筒状部150を用いたものである。
【0103】
筒状部150は、一定の伸縮性を有する布またはシート等によって筒状に形成された伸縮部150aと、伸縮部150aの外側に配設され、非伸縮性を有する布またはシート等によって筒状に形成された非伸縮部150bとを有しており、伸縮部150aの内側に2つのエアセル152,154が互いに対向して配設されている。非伸縮部150bの口径は、2つのエアセル152,154間に前腕部Aを挿入したときの伸縮部150aの口径とほぼ同じか、それよりもやや大きく設計されており、収縮状態における伸縮部150aの口径は、非伸縮部150bの口径よりも十分に小さく設計されている。そして、筒状部150の一部がベース部148に取り付けられている。
【0104】
[前腕施療部の動作(使用方法)]
前腕施療部146を用いて前腕部Aを施療する際には、筒状部150の内部における2つのエアセル152,154間に前腕部Aを挿入する。すると、筒状部150の伸縮部150aは、その復元力に抗して、前腕部Aの厚さまたは太さに応じた長さだけ伸長され、また、一方のエアセル154は、伸縮部150aの伸長長さに応じた距離だけ他方のエアセル152から離間する方向へ移動される。その後、エアセル152,154に給気すると、筒状部150を構成する伸縮部150aの内面と前腕部Aとの間でエアセル152,154が膨張され、エアセル152,154の押圧力が前腕部Aに与えられる。このとき、筒状部150の伸長長さは、非伸縮部150bによって制限されているので、エアセル152,154間の離間距離が拡大してエアセル152,154の押圧力が逃がされることはなく、エアセル152,154の押圧力を前腕部Aに効率よく与えることができる。つまり、前腕施療部146においては、非伸縮部150bが押圧力の減衰を防止する「押圧力減衰防止機能」を発揮する。施療後、エアセル152,154から排気して筒状部150から前腕部Aを引き抜くと、筒状部150は伸縮部150aの復元力によって収縮し、エアセル152,154間の離間距離が縮小され、前腕施療部146の厚さが縮小される。
【0105】
(第4実施形態)
図17は、本発明の第4実施形態に係る椅子型マッサージ機における前腕施療部22の取付構造を示す斜視図である。
【0106】
第4実施形態に係る椅子型マッサージ機は、第1実施形態に係る椅子型マッサージ機10に対して、前腕施療部22の取付構造を変更したものであり、他の構成は椅子型マッサージ機10と同様である。したがって、以下には、前腕施療部22の取付構造について説明し、他の構成の説明は省略する。
【0107】
[前腕施療部の取付構造]
第4実施形態に係る椅子型マッサージ機は、図17に示すように、取付基板84または側壁部78(図1、図3)にガイド孔98を形成するとともに、取付基板84または側壁部78の内側面にガイド孔98の内周縁に沿う凹部156を形成し、取付部材158を用いて、前腕施療部22を取付基板84または側壁部78に取り付けるようにしたものである。
【0108】
取付部材158(図17)は、ガイド孔98に挿通され、かつ、回転軸106における軸部112の外周に嵌め合わされる筒状の嵌合部160と、嵌合部160の軸方向一方端部外周面に形成され、かつ、凹部156の内部に配置される鍔部162とを有している。そして、嵌合部160の上下外側面には、ガイド孔98の長辺98aに平行な平坦面160aが形成されており、鍔部162の上下外側面には、嵌合部160の平坦面160aに平行な平坦面162aが形成されており、平坦面160aに対して平行な方向における嵌合部160の長さ(すなわち外径)は、ガイド孔98の上下方向長さ(すなわち幅)よりも大きく設計されている。
【0109】
また、嵌合部160の内周面には、回転軸106の係止突起118bが係止される係止溝160bが周方向へ延びて形成されており、さらに、嵌合部160の内周面には、回転軸106の突条118cが周方向へ移動可能に配置される凹部160cが形成されている。凹部160cの周方向長さは、前腕施療部22の可動角度に基づいて設計されており、前腕施療部22の可動角度が大きくなるほど、凹部160cの周方向長さは長く設計される。
【0110】
第4実施形態において、前腕施療部22を前後方向へ移動させる際には、嵌合部160の下側の平坦面160aをガイド孔98における下側の長辺98aに当接させて摺動させることができるので、前腕施療部22を所望の位置までスムーズに移動させることができる。また、前腕施療部22を回動させる際には、前腕施療部22の可動角度が凹部160cの周方向長さによって制限されているので、前腕施療部22が不所望な位置まで回動するのを防止することができる。
【0111】
なお、前腕施療部132(図14、図15)および146(図16)の回転軸106も前腕施療部22(図17)の回転軸106と同様に構成されているため、第4実施形態においては、前腕施療部22に代えて、前腕施療部132または前腕施療部146を用いるようにしてもよい。
【0112】
(第5実施形態)
図18(A)は、本発明の第5実施形態に係る椅子型マッサージ機における前腕施療部170の構成(未使用状態)を示す後方斜め上方斜視図であり、図18(B)は、前腕施療部170の構成(未使用状態)を示す前方斜め上方斜視図であり、図19は、前腕施療部170の使用状態を示す後方斜め上方斜視図である。
【0113】
第5実施形態に係る椅子型マッサージ機は、第1実施形態に係る椅子型マッサージ機10の前腕施療部22を別の前腕施療部170に変更したものであり、他の構成は椅子型マッサージ機10と同様である。したがって、以下には、前腕施療部170の構成について説明し、他の構成の説明は省略する。
【0114】
[前腕施療部の構成]
前腕施療部170は、図18(A),(B)に示すように、アームレスト20の取付基板84(図3)に取付部材86(図10)または取付部材158(図17)を用いて取り付けられるベース部172と、ベース部172に対して一定範囲内で近接離間可能に取り付けられたカバー部174と、ベース部172の内面に取り付けられたエアセル176と、カバー部174の内面に取り付けられたエアセル178とを備えている。
【0115】
ベース部172は、被施療者の前腕部A(図19)を収容する収容部180の内側部分(すなわちアームレスト20側の部分)を構成するベース部本体182と、ベース部本体182の内側に配設された基板184と、基板184の背面中央部に配設された回転軸(図示省略)とを有している。基板184および回転軸(図示省略)は、第1実施形態における基板104および回転軸106と同様に構成されているため、これらについての説明は省略する。
【0116】
ベース部本体182は、図18(A),(B)に示すように、アームレスト20(図1)の外側面(すなわち凹部82の底面)に対向する略台形状の板状部186を有しており、板状部186の下端部には、収容部180の底面を構成する底板部188が板状部186に対して垂直に形成されており、板状部186の前部における上端部には、収容部180の天井面を構成する天井部190が板状部186に対して垂直に形成されている。また、板状部186の下端部における底板部188よりもやや上方に位置する部分には、前腕部Aを受ける腕載台192(図19)が板状部186に対して垂直に形成されている。そして、底板部188および天井部190には、軸受孔194aおよび194bが互いに対向して形成されるとともに、軸受孔194aおよび194bと同軸の円弧状のストッパ孔196aおよび196bが形成されており、軸受孔194aおよび194bには、棒状の回動軸198が回動自在に挿通されている。
【0117】
ここで、ストッパ孔196aおよび196bは、後述する突部212aおよび212bと共に、ベース部172とカバー部174との離間距離を制限する「離間距離制限機構」を構成するものであり、「離間距離を制限する力」を大きくするためには、ストッパ孔196aおよび196bを回動軸198から遠く離れた位置に形成することが望ましい。そこで、第5実施形態では、ストッパ孔196aを底板部188の後部または中央部に形成することによって、ストッパ孔196aと回動軸198との間隔を長くしている。
【0118】
さらに、板状部186の周縁部における底板部188および天井部190が形成されていない領域には、立上り部200が一定高さで形成されており、底板部188の後端部には、立上り部202が形成されている。
【0119】
そして、板状部186の内面に基板184が取り付けられており、基板184の背面中央部に回転軸(図示省略)が取り付けられており、基板184の表面(すなわちベース部172の内面)にエアセル176が取り付けられている。
【0120】
カバー部174は、図18(A),(B)に示すように、収容部180の外側部分を構成するものであり、ベース部172の板状部186と対向する略台形状の板状部204を有しており、板状部204の下端部には、底板部188の下方に配置され、かつ、収容部180の底面を構成する底板部206(図19)が板状部204に対して垂直に形成されている。また、板状部204の前部における上端部には、天井部190の上方に配置される軸受板部208が板状部204に対して垂直に形成されている。そして、底板部206(図19)の上面および軸受板部208の下面には、軸固定穴210aおよび210bが形成されるとともに、円弧状のストッパ孔196aおよび196bに挿入される突部212aおよび212bが形成されており、軸固定穴210aおよび210bに回動軸198の下端部および上端部が挿し込まれて固定されている。さらに、板状部204の周縁部における底板部206および軸受板部208が形成されていない領域には、立上り部214が一定高さで形成されており、底板部206(図19)の後端部には、立上り部202の後方に配置される立上り部216が形成されている。
【0121】
そして、ベース部172における腕載台192(図19)の下方には、「付勢部」としてのコイルばね218が伸長状態で配置されており、このコイルばね218の一端が、ベース部172に形成された係止部(図示省略)に係止されており、かつ、他端が、カバー部174に形成された係止部(図示省略)に係止されている。これにより、コイルばね218からカバー部174には、ベース部172に対して近接させる方向の力が付与されている。さらに、板状部204の内面(すなわちカバー部174の内面)には、エアセル178が取り付けられている。
【0122】
前腕施療部170においては、カバー部174とベース部172との間に構成された収容部180が、後方へ向けて開口された後部挿入口B1と、上方へ向けて開口された上部挿入口B2とを有しており、後部挿入口B1と上部挿入口B2とは互いに連通されている。したがって、前腕施療部170の「後方」、「上方」または「後ろ斜め上方」から前腕部Aを収容部180へ挿入することが可能であり、また、収容部180に収容された前腕部Aをこれらのいずれかの方向へ引き抜くことが可能である。
【0123】
[前腕施療部の動作(使用方法)]
前腕施療部170を用いて前腕部Aを施療する際には、ベース部172とカバー部174とによって構成された収容部180の内部に前腕部Aを挿入する。すると、カバー部174は、図19に示すように、コイルばね218の復元力に抗して、前腕部Aの厚さまたは太さに応じた角度だけ回動軸198を中心として回動され、カバー部174における回動軸198よりも後方の部分がベース部172に対して離間する方向へ移動される。その後、エアセル176,178に給気すると、ベース部172およびカバー部174のそれぞれの内面と前腕部Aとの間でエアセル176,178が膨張され、エアセル176,178の押圧力が前腕部Aに与えられる。このとき、ベース部172とカバー部174との離間距離は、突部212a,212bが円弧状のストッパ孔196a,196bの周方向端縁に係止されることによって制限されるので、カバー部174のさらなる離間によってエアセル176,178の押圧力が逃がされることはなく、エアセル176,178の押圧力を前腕部Aに効率よく与えることができる。つまり、前腕施療部170においては、カバー部174、ストッパ孔196a,196bおよび突部212a,212bが押圧力の減衰を防止する「押圧力減衰防止機能」を発揮する。施療後、エアセル176,178から排気して収容部180から前腕部Aを引き抜くと、カバー部174は、コイルばね218の復元力(付勢力)に付勢されてベース部172に近接する方向へ移動される。
【0124】
なお、第5実施形態では、「付勢部」としてコイルばね218を用いているが、これに代えて、ゴムまたは板ばね等が用いられてもよい。また、ベース部172に対するカバー部174の取付構造は、回動可能なものである限り、特に限定されるものではなく、周知技術から適宜選択して用いられてもよい。
【0125】
さらに、第5実施形態では、ベース部172とカバー部174との離間距離を制限する「離間距離制限機構」として「突部212a,212bが円弧状のストッパ孔196a,196bの周方向端縁に係止される構成」を採用しているが、「離間距離制限機構」の構成は、これに限定されるものではなく、たとえば、以下に説明する第6実施形態のように、「カバー部174に形成された突部がベース部172に形成された突部に係止される構成」であってもよい。
【0126】
(第6実施形態)
図20は、本発明の第6実施形態に係る椅子型マッサージ機における前腕施療部220の要部(使用状態)を示す後方斜め上方斜視図である。前腕施療部220は、第5実施形態の前腕施療部170(図18、図19)における「離間距離制限機構」を変更したものであり、他の構成は、前腕施療部170と同様である。そのため、図20においては、前腕施療部170との対応関係を明確にすべく、前腕施療部170の構成要素と対応する箇所に、当該構成要素と同じ番号を付している。
【0127】
前腕施療部220においては、図20に示すように、ベース部172を構成する天井部190がカバー部174を構成する軸受板部208の上方に配置されており、カバー部174の前部が、軸受板部208および天井部190を貫通して配設された回動軸198を介して、ベース部172の前部に回動可能に取り付けられている。また、天井部190の後端縁における板状部186から離間した領域には、突部222が後方へ突出して形成されており、軸受板部208の後端縁における板状部204から離間した領域には、突部222に係止される突部224が上方へ突出して形成されている。
【0128】
カバー部174がベース部172に近接した状態(図示省略)では、突部222と突部224とは所定の間隔を隔てて配置されており、突部222に対する突部224の係止状態は解除されている。その解除状態からカバー部174が回動されて、カバー部174がベース部172から最大に離間すると、図20に示すように、突部224が突部222に係止され、それ以上の回動が禁止される。つまり、第6実施形態では、突部222と突部224とによって、ベース部172とカバー部174との離間距離を制限する「離間距離制限機構」が構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】第1実施形態に係る椅子型マッサージ機の全体構成を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る椅子型マッサージ機の全体構成を示す正面図である。
【図3】第1実施形態に係る椅子型マッサージ機の全体構成を示す右側面図である。
【図4】第1実施形態に係る椅子型マッサージ機の全体構成を示すブロック図である。
【図5】第1実施形態における前腕施療部の構成を示す斜視図である。
【図6】第1実施形態における前腕施療部の構成を示す正面図である。
【図7】第1実施形態における前腕施療部の構成を示す背面図である。
【図8】第1実施形態における前腕施療部の構成を示す平面図である。
【図9】第1実施形態における前腕施療部の構成を示す一部断面右側面図である。
【図10】第1実施形態における前腕施療部の取付構造を示す斜視図である。
【図11】第1実施形態における前腕施療部の取付構造を示す断面図である。
【図12】第1実施形態における前腕施療部の移動態様を示す正面図である。
【図13】第1実施形態における前腕施療部の使用状態を示す一部断面右側面図である。
【図14】第2実施形態における前腕施療部の構成(使用状態)を示す一部断面右側面図である。
【図15】第2実施形態におけるベース部とカバー部との連結構造の変形例を示す一部断面右側面図である。
【図16】第3実施形態における前腕施療部の構成(使用状態)を示す右側面図である。
【図17】第4実施形態における前腕施療部の取付構造を示す斜視図である。
【図18】第5実施形態における前腕施療部の未使用状態を示す斜視図であり、(A)は後方斜め上方斜視図であり、(B)は前方斜め上方斜視図である。
【図19】第5実施形態における前腕施療部の使用状態を示す後方斜め上方斜視図である。
【図20】第6実施形態における前腕施療部の要部(使用状態)を示す後方斜め上方斜視図である。
【符号の説明】
【0130】
10… 椅子型マッサージ機
12… 座部
14… 背凭れ部
16… 上腕施療部
18… フットレスト
20… アームレスト
22… 前腕施療部
30… 制御回路
32… 給排気装置
78… 側壁部
82… 凹部
84… 取付基板
86… 取付部材
88… ベース部
90… カバー部
92… コイルバネ(付勢部)
94,96… エアセル
98… ガイド孔
100… 収容部
102e… バネ収容部
104… 基板
106… 回転軸
108… 連結ボルト
112… 軸部
114… 配管
116,122… チューブ接続部
132… 前腕施療部
138… 筒状部(付勢部)
146… 前腕施療部
150… 筒状部
150a… 伸縮部(付勢部)
150b… 非伸縮部
158… 取付部材
170… 前腕施療部
198… 回動軸
220… 前腕施療部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者が着座する座部と、
前記座部に着座した被施療者の上半身を後方から支持する背凭れ部と、
前記座部に着座した被施療者の腕部を支持するアームレストと、
前記アームレストの側面に設けられ、前記座部に着座した被施療者の前腕部を施療する前腕施療部とを備える、椅子型マッサージ機。
【請求項2】
前記前腕施療部は、前後方向へ移動可能に構成されている、請求項1に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項3】
前記前腕施療部は、前記アームレストの厚さ方向へ延びる回転軸を中心として回転可能に構成されている、請求項1または2に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項4】
前記アームレストは、少なくとも前後方向へ延びるガイド孔を有しており、前記前腕施療部は、前記ガイド孔に挿通された回転軸を有している、請求項1ないし3のいずれかに記載の椅子型マッサージ機。
【請求項5】
前記前腕施療部は、前記アームレストに取り付けられたベース部と、前記ベース部に対して一定範囲内で近接離間可能に取り付けられたカバー部と、前記カバー部を前記ベース部に近接させる方向に付勢する付勢部と、前記ベース部または前記カバー部の少なくとも一方に配設され、前記ベース部と前記カバー部との間に配置された被施療者の前腕部を施療するエアセルと、前記エアセルに対して空気を給排気する給排気路とを有している、請求項1ないし4のいずれかに記載の椅子型マッサージ機。
【請求項6】
前記カバー部の前部が前記ベース部の前部に回動可能に取り付けられており、前記カバー部が前記ベース部に対して回動されることによって、前記カバー部が前記ベース部に対して近接または離間される、請求項5に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項7】
前記ベース部と前記カバー部との間には、被施療者の前腕部を収容する収容部が構成されており、
前記収容部は、後方へ向けて開口された後部挿入口と、上方へ向けて開口された上部挿入口とを有しており、
前記後部挿入口と前記上部挿入口とは互いに連通されている、請求項5または6に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項8】
前記前腕施療部は、前記アームレストに取り付けられたベース部と、前記ベース部に取り付けられ、被施療者の前腕部が挿入されたときに伸長し、被施療者の前腕部が引き抜かれたときに収縮する筒状部と、前記筒状部の内側に配設され、前記筒状部に挿入された被施療者の前腕部を施療するエアセルと、前記エアセルに対して空気を給排気する給排気路とを有している、請求項1ないし4のいずれかに記載の椅子型マッサージ機。
【請求項9】
前記筒状部は、伸長長さを制限する非伸縮部を有している、請求項8に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項10】
請求項5または8に記載した前記給排気路の一部は、前記ガイド孔を貫通するように前記回転軸の内部に配設されている、請求項5ないし9のいずれかに記載の椅子型マッサージ機。
【請求項11】
前記アームレストは前記座部の側方に設けられた側壁部を有しており、前記側壁部の側面には凹部が形成されており、前記凹部に前記前腕施療部が配設されている、請求項1ないし10のいずれかに記載の椅子型マッサージ機。
【請求項12】
前記凹部の後部には、後方へ向けて開口された開口部が形成されている、請求項11に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項13】
前記側壁部の後部上面は、後端部へ向かうに従って低くなる後傾面で構成されており、前記開口部は前記後傾面側へ向けて開口されている、請求項12に記載の椅子型マッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−46449(P2010−46449A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−232998(P2008−232998)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(000112406)ファミリー株式会社 (175)
【Fターム(参考)】