椅子式マッサージ機
【課題】リクライニング式背もたれ、アームレストを有する椅子式マッサージ機において、アームレストと座部との間の空間Sに物が入に込んだ状態で、背もたれを倒しても、該物やアームレストを破損することを防止する。
【解決手段】アームレスト6の一端側の取付け部7は、軟係止手段8を介して背もたれ4に取り付けられ、軟係止手段8は、アームレスト6に一定以上の上向きの力が作用すると、軟係止が外れてアームレスト6の軟係止側はフリーとなる。
【解決手段】アームレスト6の一端側の取付け部7は、軟係止手段8を介して背もたれ4に取り付けられ、軟係止手段8は、アームレスト6に一定以上の上向きの力が作用すると、軟係止が外れてアームレスト6の軟係止側はフリーとなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リクライニング式背もたれとアームレストを具えた、椅子式マッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マッサージユニット、座部、リクライニングする背もたれ、アームレストを有し、アームレストと座部との間は空間(以下、「アームレスト下方空間S」)となっており、背もたれが倒れる動きに連動して、アームレストの高さが低くなるマッサージ機が提案されている(特許文献1)。
図12のマッサージ機は、その一例を示しており、アームレスト(6)の前部はリンク(61)を介して座部(3)に枢支連結され、アームレスト(6)の後部は取付け部(7)を介して背もたれ(4)に枢支連結されている。
図13に示す様に、背もたれ(4)を倒すほどに、アームレスト下方空間Sの上下高さは小さくなる。このことで背もたれ(4)を倒しても肘をアームレスト上に置くことが可能になる。
【0003】
【特許文献1】特開2001−190352
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した椅子式マッサージ機は、アームレスト下方空間Sに物(図示せず)を挟んだまま、背もたれ(4)を倒すと、物或いはアームレスト(6)側を破壊してしまう。
本発明は、アームレストに一定以上の上向きの力が作用したときに、アームレストの支持が外れる様にすることにより、上記問題を解決した、椅子式マッサージ機を明らかにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1は、マッサージユニット、座部、リクライニングする背もたれ、アームレストを有し、アームレストと座部との間は空間Sとなっており、背もたれが倒れる動きに連動して、アームレストの高さが低くなるマッサージ機において、アームレスト(6)の一端側の取付け部(7)は、軟係止手段(8)を介して背もたれ(4)又は座部(3)に取り付けられ、軟係止手段(8)はアームレスト(6)に上向きの力が作用すると軟係止が外れてアームレスト(6)の軟係止側は上方向へフリーとなる。
【0006】
請求項2は、マッサージユニット、座部、リクライニングする背もたれ、アームレストを有し、アームレストと座部との間は空間Sとなっており、背もたれが倒れる動きに連動して、アームレストの高さが低くなるマッサージ機において、アームレスト(6)の一端側の取付け部(7)には背もたれ(4)又は座部(3)に枢支連結されたリンク(72)が用いられ、該リンク(72)が軟係止手段(8)を介して背もたれ(4)又は座部(3)に取り付けられ、アームレスト(6)に上向きの力が作用すると、アームレスト(6)の一端側がリンク(72)によって背もたれ(4)又は座部(3)に連結されたまま軟係止手段(8)による軟係止が外れて前記取付け部(7)のリンク(72)が起き上り、前記アームレスト下方空間Sが上方向に拡がる。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の椅子式マッサージ機は、アームレスト下方空間Sに物を挟んだまま、背もたれ(4)を倒すことがあっても、アームレスト(6)の該物を押付ける反力が上向きに作用して、軟係止手段(8)の軟係止が自動的に外れて、アームレスト(6)の軟係止側は上方向にフリーとなる。
従って、挟んだ物、アーム或いはアーム取付け部を破損することを防止できる。
【0008】
請求項2の椅子式マッサージ機は、アームレスト下方空間Sに物を挟んだまま、背もたれ(4)を倒すことがあっても、アームレスト(6)の該物を押付ける反力が上向きに作用し、軟係止手段(8)の軟係止が自動的に外れて取付け部(7)のリンク(72)が起き上がる。これによってアームレスト下方空間Sが上方向に拡がるから、挟んだ物やアームやその取付け部を破損することを防止できる。
又、アームレスト(6)はリンク(72)によって背もたれ(4)又は座部(3)に連結されたままなので、アームレストを不用意に破損することもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
第1実施例(図1乃至図6)
ベース(1)上に傾動装置(2)、傾動装置(2)の上に座部(3)、座部(3)の後端にリクライニング式の背もたれ(4)、及び座部(3)と背もたれ(4)に跨って左右対称的にアームレスト(6)(図では1つのアームレストしか見えない)が配備されている。
実施例では、座部(3)の前端に脚受け部(5)が設けられている。
【0010】
背もたれ(4)には肩、背中、腰等をマッサージするマッサージユニット(41)が内蔵され、脚受け部(5)には足をマッサージするマッサージユニット(51)が内蔵されている。
前者のマッサージユニット(41)としては左右一対の施療子でもって叩きや揉みを施す周知のものを例示でき、施療子は背もたれ(4)に沿って昇降する。
後者のマッサージユニット(51)は膨張、収縮するエアバッグ等からなる周知のものを例示できる。
図において、座部(3)はベースフレームのみ示し、クッション材等を省略しているが、必要に応じて座部(3)にも臀部をマッサージするマッサージユニットを配備することも可能である。
【0011】
傾動装置(2)は、背もたれ(4)の傾動、座部(3)の前側の回転昇降、脚受け部(5)下端の回転前後動を行なう。
図1に示す如く、背もたれ(4)が起立した状態から、傾動装置(2)により支点(40)を中心に背もたれ(4)が後傾すると、図2の後傾中間位置までは、座部(3)は支点(40)を中心に前部が上昇する様に回転し、図3に示す如く、背もたれ(4)が最大に後傾した状態で、座部(3)は図1の初期位置の姿勢に戻っている。この動作は、座部(3)と背もたれ(4)が連動して行われる。
脚受け部(5)の支点(50)を中心とする回動は、背もたれ(4)の倒れ角度に無関係に行なうことができる。
【0012】
アームレスト(6)は前後に長いバー状に形成され、該アームレスト(6)の前端と座部(3)との間が、枢軸(62)(63)によって枢支連結した前リンク(61)によって繋がっている。
アームレスト(6)の後端側は、取付け部(7)と軟係止手段(8)を介して、背もたれ(4)の側面に軟係止されている。軟係止手段(8)は背もたれ(4)の高さ中央より少し低い位置に設けられている。
【0013】
取付け部(7)は、アームレスト(6)に枢支ピン(70)によって前後に回動可能に支持された短い軸体(71)である。軸体(71)の自由端部は磁石に対して良吸着性である。
【0014】
軟係止手段(8)は、軸体(71)を吸着するマグネット(81)であって、該マグネット(81)は、背もたれ(4)の側面に突設した軟係止用ブラケット(82)に支持されている。
【0015】
図1に示す如く、背もたれ(4)の起立時(初期状態)のとき、アームレスト(6)の先端の前リンク(61)も起立状態となり、アームレスト(6)はベース(1)、即ち床面と略平行となる。
図2に示す如く、背もたれ(4)が最大後傾の1/2程度傾いた状態では、座部(3)の前部が上昇する関係で、アームレスト(6)は前側が上昇するが、アームレスト下方空間Sは、図1からは大きくは変化しない。
図3に示す如く、背もたれ(4)が最大後傾した状態では、アームレスト(6)の先端の前リンク(61)は、アームレスト(6)に対して180°近くなる様に後方へ大きく倒れて、アームレスト下方空間Sの上下高さは、背もたれ(4)の起立時に較べて、大幅に小さくなる。
【0016】
然して、図1、図2に示す如く。アームレスト下方空間Sが広い状態で、該空間Sに物が入った場合、背もたれ(4)を倒すスイッチをONにしてしまうと、背もたれ(4)の後傾動作に伴ってアームレスト(6)が下降して物を上から押しつける。その反力がアームレスト(6)に上向きに働いて、アームレスト(6)後部の取付け部(7)である軸体(71)が、マグネット(81)から外れる(図4参照)。
これによって、物が破壊されたり、アームレスト(6)或いはアームレストの取付け部(7)が破損することは防止される。
【0017】
上記第1実施例では、アームレスト(6)の取付け部(7)に対する軟係止が外れると、アームレスト(6)の取付け部(7)側はフリーとなって、上下方向に自由に動く(図5、図6参照)。このため、子供がアームレスト(6)を遊びに使うことも考えられ、この場合かえってアームレスト(6)を破損してしまうこともある。
又、アームレスト(6)の取付け部(7)である軸体(71)を、再びマグネット(81)に吸着させるには、該軸体(71)を持って、マグネット(81)の位置へ正しく移動させねばならず面倒である。
下記の第2実施例の椅子式マッサージ機は、この問題を解決できるものである。
【0018】
第2実施例(図7乃至図11)
第1実施例とはアームレスト(6)の保持方法が違うだけであるので、第1実施例と同じ部分については、第1実施で使用した符号を付すことにより説明に代える。
【0019】
図7、図8に示す如く、第2実施例のアームレスト(6)の後部取付け部(7)は、アームレスト(6)の後部と、背もたれ(4)側に突設した支持ブラケット(73)との間を枢軸(74)(75)によって枢支連結したリンク(72)である。
【0020】
軟係止手段(8)は、リンク(72)の背もたれ(4)側背面を吸着するマグネット(81)であり、該マグネット(81)は、背もたれ(4)の側面に突設された軟係止用ブラケット(82)に固定されている。
【0021】
図7に示す如く、背もたれ(4)の起立時のとき、アームレスト(6)の先端の前リンク(61)も起立状態となり、アームレスト(6)はベース(1)、即ち床面と略平行となる。
図9に示す如く、背もたれ(4)が最大後傾の1/2程度傾いた状態では、座部(3)の前部が上昇する関係で、アームレスト(6)は前側が上昇するが、アームレスト下方空間Sは、図7からは大きくは変化しない。
図10に示す如く、背もたれ(4)が最大後傾した状態では、アームレスト(6)の先端の前リンク(61)は、アームレスト(6)に対して180°近くなる様に後方へ大きく倒れて、アームレスト下方空間Sの上下高さは、図7に示す背もたれ(4)の起立時に較べて、大幅に小さくなる。
【0022】
然して、図7、図9に示す如く、アームレスト下方空間Sが広い状態で、該空間Sに物が入った場合、背もたれ(4)を倒すスイッチをONにしてしまうと、背もたれ(4)の後傾きに伴ってアームレスト(6)が下降して物を上から押しつける。その反力がアームレスト(6)に上向きに働いて、アームレスト(6)後部の取付け部(7)であるリンク(72)が、マグネット(81)から外れる(図11参照)。
これによって、物が破壊されたり、アームレスト(6)或いはアームレストの取付け部(7)が破損することは防止される。
【0023】
アームレスト(6)の取付け部(7)のリンク(72)の軟係止が外れても、アームレスト(6)の前部は前リンク(61)によって座部(3)に繋がっており、アームレスト(6)の後部は取付け部(7)のリンク(72)によって背もたれ(4)に繋がってしるから、前記した実施例1の場合とは違って、アームレスト(6)の動きに制限があるから、子供がアームレスト(6)で遊ぶことはなく、アームレストを保護できる。
【0024】
アームレスト(6)の取付け部(7)のリンク(72)に対する軟係止が外れた状態で、アームレスト(6)に後方への力を加えると、自動的に且つ確実にリンク(72をマグネット(81)に吸着させて軟係止できる。これは、前リンク(61)と取付け部(7)のリンク(72)の回動によってアームレスト(6)が定まった軌跡で前後動するからである。
【0025】
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【0026】
例えば、実施例の軟係止手段(8)はマグネット(81)を用いたが、これに限定されることはなく、凸部と凹部の機械的嵌合、機械的噛合等で、アームレスト(6)に上向きに一定の引き離し力が加わると嵌合、噛合が外れる様な軟係止手段でも実施可能である。
【0027】
又、実施例では、アームレスト(6)の後部側を軟係止手段(8)によって軟係止しているが、アームレスト(6)の前側、実施例では前リンク(61)を、アームレスト(6)又は座部(3)に軟係止しても、アームレスト下方空間Sに挟まった物を破損から守る効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】背もたれが起立状態のマッサージ機の側面図である。
【図2】背もたれが略中間位置に倒れた状態のマッサージ機の側面図である。
【図3】背もたれが最大倒れた状態のマッサージ機の側面図である。
【図4】アームレストの軟係止が外れた状態のマッサージ機の側面図である。
【図5】アームレストの自由端が持ち上がった状態のマッサージ機の側面図である。
【図6】アームレストの自由端が下がっ状態のマッサージ機の側面図である。
【図7】第2実施例において、背もたれが起立状態のマッサージ機の側面図である。
【図8】第2実施例のアームレストの軟係止部の斜視図である。
【図9】第2実施例において、背もたれが略中間位置に倒れた状態のマッサージ機の側面図である。
【図10】第2実施例において、背もたれが略中間位置に倒れた状態のマッサージ機の側面図である。
【図11】第2実施例において、アームレストの軟係止が外れた状態のマッサージ機の側面図である。
【図12】従来例において、背もたれが起立した状態のマッサージ機の画面図である。
【図13】従来例において、背もたれが最大倒れた状態のマッサージ機の側面図である。
【符号の説明】
【0029】
2 傾動装置
3 座部
4 背もたれ
6 アームレスト
61 前リンク
7 取付け部
71 軸体
72 リンク
8 軟係止手段
81 マグネット
【技術分野】
【0001】
本発明は、リクライニング式背もたれとアームレストを具えた、椅子式マッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マッサージユニット、座部、リクライニングする背もたれ、アームレストを有し、アームレストと座部との間は空間(以下、「アームレスト下方空間S」)となっており、背もたれが倒れる動きに連動して、アームレストの高さが低くなるマッサージ機が提案されている(特許文献1)。
図12のマッサージ機は、その一例を示しており、アームレスト(6)の前部はリンク(61)を介して座部(3)に枢支連結され、アームレスト(6)の後部は取付け部(7)を介して背もたれ(4)に枢支連結されている。
図13に示す様に、背もたれ(4)を倒すほどに、アームレスト下方空間Sの上下高さは小さくなる。このことで背もたれ(4)を倒しても肘をアームレスト上に置くことが可能になる。
【0003】
【特許文献1】特開2001−190352
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した椅子式マッサージ機は、アームレスト下方空間Sに物(図示せず)を挟んだまま、背もたれ(4)を倒すと、物或いはアームレスト(6)側を破壊してしまう。
本発明は、アームレストに一定以上の上向きの力が作用したときに、アームレストの支持が外れる様にすることにより、上記問題を解決した、椅子式マッサージ機を明らかにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1は、マッサージユニット、座部、リクライニングする背もたれ、アームレストを有し、アームレストと座部との間は空間Sとなっており、背もたれが倒れる動きに連動して、アームレストの高さが低くなるマッサージ機において、アームレスト(6)の一端側の取付け部(7)は、軟係止手段(8)を介して背もたれ(4)又は座部(3)に取り付けられ、軟係止手段(8)はアームレスト(6)に上向きの力が作用すると軟係止が外れてアームレスト(6)の軟係止側は上方向へフリーとなる。
【0006】
請求項2は、マッサージユニット、座部、リクライニングする背もたれ、アームレストを有し、アームレストと座部との間は空間Sとなっており、背もたれが倒れる動きに連動して、アームレストの高さが低くなるマッサージ機において、アームレスト(6)の一端側の取付け部(7)には背もたれ(4)又は座部(3)に枢支連結されたリンク(72)が用いられ、該リンク(72)が軟係止手段(8)を介して背もたれ(4)又は座部(3)に取り付けられ、アームレスト(6)に上向きの力が作用すると、アームレスト(6)の一端側がリンク(72)によって背もたれ(4)又は座部(3)に連結されたまま軟係止手段(8)による軟係止が外れて前記取付け部(7)のリンク(72)が起き上り、前記アームレスト下方空間Sが上方向に拡がる。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の椅子式マッサージ機は、アームレスト下方空間Sに物を挟んだまま、背もたれ(4)を倒すことがあっても、アームレスト(6)の該物を押付ける反力が上向きに作用して、軟係止手段(8)の軟係止が自動的に外れて、アームレスト(6)の軟係止側は上方向にフリーとなる。
従って、挟んだ物、アーム或いはアーム取付け部を破損することを防止できる。
【0008】
請求項2の椅子式マッサージ機は、アームレスト下方空間Sに物を挟んだまま、背もたれ(4)を倒すことがあっても、アームレスト(6)の該物を押付ける反力が上向きに作用し、軟係止手段(8)の軟係止が自動的に外れて取付け部(7)のリンク(72)が起き上がる。これによってアームレスト下方空間Sが上方向に拡がるから、挟んだ物やアームやその取付け部を破損することを防止できる。
又、アームレスト(6)はリンク(72)によって背もたれ(4)又は座部(3)に連結されたままなので、アームレストを不用意に破損することもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
第1実施例(図1乃至図6)
ベース(1)上に傾動装置(2)、傾動装置(2)の上に座部(3)、座部(3)の後端にリクライニング式の背もたれ(4)、及び座部(3)と背もたれ(4)に跨って左右対称的にアームレスト(6)(図では1つのアームレストしか見えない)が配備されている。
実施例では、座部(3)の前端に脚受け部(5)が設けられている。
【0010】
背もたれ(4)には肩、背中、腰等をマッサージするマッサージユニット(41)が内蔵され、脚受け部(5)には足をマッサージするマッサージユニット(51)が内蔵されている。
前者のマッサージユニット(41)としては左右一対の施療子でもって叩きや揉みを施す周知のものを例示でき、施療子は背もたれ(4)に沿って昇降する。
後者のマッサージユニット(51)は膨張、収縮するエアバッグ等からなる周知のものを例示できる。
図において、座部(3)はベースフレームのみ示し、クッション材等を省略しているが、必要に応じて座部(3)にも臀部をマッサージするマッサージユニットを配備することも可能である。
【0011】
傾動装置(2)は、背もたれ(4)の傾動、座部(3)の前側の回転昇降、脚受け部(5)下端の回転前後動を行なう。
図1に示す如く、背もたれ(4)が起立した状態から、傾動装置(2)により支点(40)を中心に背もたれ(4)が後傾すると、図2の後傾中間位置までは、座部(3)は支点(40)を中心に前部が上昇する様に回転し、図3に示す如く、背もたれ(4)が最大に後傾した状態で、座部(3)は図1の初期位置の姿勢に戻っている。この動作は、座部(3)と背もたれ(4)が連動して行われる。
脚受け部(5)の支点(50)を中心とする回動は、背もたれ(4)の倒れ角度に無関係に行なうことができる。
【0012】
アームレスト(6)は前後に長いバー状に形成され、該アームレスト(6)の前端と座部(3)との間が、枢軸(62)(63)によって枢支連結した前リンク(61)によって繋がっている。
アームレスト(6)の後端側は、取付け部(7)と軟係止手段(8)を介して、背もたれ(4)の側面に軟係止されている。軟係止手段(8)は背もたれ(4)の高さ中央より少し低い位置に設けられている。
【0013】
取付け部(7)は、アームレスト(6)に枢支ピン(70)によって前後に回動可能に支持された短い軸体(71)である。軸体(71)の自由端部は磁石に対して良吸着性である。
【0014】
軟係止手段(8)は、軸体(71)を吸着するマグネット(81)であって、該マグネット(81)は、背もたれ(4)の側面に突設した軟係止用ブラケット(82)に支持されている。
【0015】
図1に示す如く、背もたれ(4)の起立時(初期状態)のとき、アームレスト(6)の先端の前リンク(61)も起立状態となり、アームレスト(6)はベース(1)、即ち床面と略平行となる。
図2に示す如く、背もたれ(4)が最大後傾の1/2程度傾いた状態では、座部(3)の前部が上昇する関係で、アームレスト(6)は前側が上昇するが、アームレスト下方空間Sは、図1からは大きくは変化しない。
図3に示す如く、背もたれ(4)が最大後傾した状態では、アームレスト(6)の先端の前リンク(61)は、アームレスト(6)に対して180°近くなる様に後方へ大きく倒れて、アームレスト下方空間Sの上下高さは、背もたれ(4)の起立時に較べて、大幅に小さくなる。
【0016】
然して、図1、図2に示す如く。アームレスト下方空間Sが広い状態で、該空間Sに物が入った場合、背もたれ(4)を倒すスイッチをONにしてしまうと、背もたれ(4)の後傾動作に伴ってアームレスト(6)が下降して物を上から押しつける。その反力がアームレスト(6)に上向きに働いて、アームレスト(6)後部の取付け部(7)である軸体(71)が、マグネット(81)から外れる(図4参照)。
これによって、物が破壊されたり、アームレスト(6)或いはアームレストの取付け部(7)が破損することは防止される。
【0017】
上記第1実施例では、アームレスト(6)の取付け部(7)に対する軟係止が外れると、アームレスト(6)の取付け部(7)側はフリーとなって、上下方向に自由に動く(図5、図6参照)。このため、子供がアームレスト(6)を遊びに使うことも考えられ、この場合かえってアームレスト(6)を破損してしまうこともある。
又、アームレスト(6)の取付け部(7)である軸体(71)を、再びマグネット(81)に吸着させるには、該軸体(71)を持って、マグネット(81)の位置へ正しく移動させねばならず面倒である。
下記の第2実施例の椅子式マッサージ機は、この問題を解決できるものである。
【0018】
第2実施例(図7乃至図11)
第1実施例とはアームレスト(6)の保持方法が違うだけであるので、第1実施例と同じ部分については、第1実施で使用した符号を付すことにより説明に代える。
【0019】
図7、図8に示す如く、第2実施例のアームレスト(6)の後部取付け部(7)は、アームレスト(6)の後部と、背もたれ(4)側に突設した支持ブラケット(73)との間を枢軸(74)(75)によって枢支連結したリンク(72)である。
【0020】
軟係止手段(8)は、リンク(72)の背もたれ(4)側背面を吸着するマグネット(81)であり、該マグネット(81)は、背もたれ(4)の側面に突設された軟係止用ブラケット(82)に固定されている。
【0021】
図7に示す如く、背もたれ(4)の起立時のとき、アームレスト(6)の先端の前リンク(61)も起立状態となり、アームレスト(6)はベース(1)、即ち床面と略平行となる。
図9に示す如く、背もたれ(4)が最大後傾の1/2程度傾いた状態では、座部(3)の前部が上昇する関係で、アームレスト(6)は前側が上昇するが、アームレスト下方空間Sは、図7からは大きくは変化しない。
図10に示す如く、背もたれ(4)が最大後傾した状態では、アームレスト(6)の先端の前リンク(61)は、アームレスト(6)に対して180°近くなる様に後方へ大きく倒れて、アームレスト下方空間Sの上下高さは、図7に示す背もたれ(4)の起立時に較べて、大幅に小さくなる。
【0022】
然して、図7、図9に示す如く、アームレスト下方空間Sが広い状態で、該空間Sに物が入った場合、背もたれ(4)を倒すスイッチをONにしてしまうと、背もたれ(4)の後傾きに伴ってアームレスト(6)が下降して物を上から押しつける。その反力がアームレスト(6)に上向きに働いて、アームレスト(6)後部の取付け部(7)であるリンク(72)が、マグネット(81)から外れる(図11参照)。
これによって、物が破壊されたり、アームレスト(6)或いはアームレストの取付け部(7)が破損することは防止される。
【0023】
アームレスト(6)の取付け部(7)のリンク(72)の軟係止が外れても、アームレスト(6)の前部は前リンク(61)によって座部(3)に繋がっており、アームレスト(6)の後部は取付け部(7)のリンク(72)によって背もたれ(4)に繋がってしるから、前記した実施例1の場合とは違って、アームレスト(6)の動きに制限があるから、子供がアームレスト(6)で遊ぶことはなく、アームレストを保護できる。
【0024】
アームレスト(6)の取付け部(7)のリンク(72)に対する軟係止が外れた状態で、アームレスト(6)に後方への力を加えると、自動的に且つ確実にリンク(72をマグネット(81)に吸着させて軟係止できる。これは、前リンク(61)と取付け部(7)のリンク(72)の回動によってアームレスト(6)が定まった軌跡で前後動するからである。
【0025】
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【0026】
例えば、実施例の軟係止手段(8)はマグネット(81)を用いたが、これに限定されることはなく、凸部と凹部の機械的嵌合、機械的噛合等で、アームレスト(6)に上向きに一定の引き離し力が加わると嵌合、噛合が外れる様な軟係止手段でも実施可能である。
【0027】
又、実施例では、アームレスト(6)の後部側を軟係止手段(8)によって軟係止しているが、アームレスト(6)の前側、実施例では前リンク(61)を、アームレスト(6)又は座部(3)に軟係止しても、アームレスト下方空間Sに挟まった物を破損から守る効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】背もたれが起立状態のマッサージ機の側面図である。
【図2】背もたれが略中間位置に倒れた状態のマッサージ機の側面図である。
【図3】背もたれが最大倒れた状態のマッサージ機の側面図である。
【図4】アームレストの軟係止が外れた状態のマッサージ機の側面図である。
【図5】アームレストの自由端が持ち上がった状態のマッサージ機の側面図である。
【図6】アームレストの自由端が下がっ状態のマッサージ機の側面図である。
【図7】第2実施例において、背もたれが起立状態のマッサージ機の側面図である。
【図8】第2実施例のアームレストの軟係止部の斜視図である。
【図9】第2実施例において、背もたれが略中間位置に倒れた状態のマッサージ機の側面図である。
【図10】第2実施例において、背もたれが略中間位置に倒れた状態のマッサージ機の側面図である。
【図11】第2実施例において、アームレストの軟係止が外れた状態のマッサージ機の側面図である。
【図12】従来例において、背もたれが起立した状態のマッサージ機の画面図である。
【図13】従来例において、背もたれが最大倒れた状態のマッサージ機の側面図である。
【符号の説明】
【0029】
2 傾動装置
3 座部
4 背もたれ
6 アームレスト
61 前リンク
7 取付け部
71 軸体
72 リンク
8 軟係止手段
81 マグネット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッサージユニット、座部、リクライニングする背もたれ、アームレストを有し、アームレストと座部との間は空間Sとなっており、背もたれが倒れる動きに連動して、アームレストの高さが低くなるマッサージ機において、アームレスト(6)の一端側の取付け部(7)は、軟係止手段(8)を介して背もたれ(4)又は座部(3)に取り付けられ、軟係止手段(8)はアームレスト(6)に上向きの力が作用すると軟係止が外れてアームレスト(6)の軟係止側は上方向へフリーとなることを特徴とする、椅子式マッサージ機。
【請求項2】
マッサージユニット、座部、リクライニングする背もたれ、アームレストを有し、アームレストと座部との間は空間Sとなっており、背もたれが倒れる動きに連動して、アームレストの高さが低くなるマッサージ機において、アームレスト(6)の一端側の取付け部(7)には背もたれ(4)又は座部(3)に枢支連結されたリンク(72)が用いられ、該リンク(72)が軟係止手段(8)を介して背もたれ(4)又は座部(3)に取り付けられ、アームレスト(6)に上向きの力が作用すると、アームレスト(6)の一端側がリンク(72)によって背もたれ(4)又は座部(3)に連結されたまま軟係止手段(8)による軟係止が外れて前記取付け部(7)のリンク(72)が起き上り、前記アームレスト下方空間Sが上方向に拡がることを特徴とする、椅子式マッサージ機。
【請求項3】
アームレスト(6)の前部は前リンク(61)を介して座部(3)に枢支連結されており、アームレスト(6)の後部が取付け部(7)を介して背もたれ(4)に枢支連結されている、請求項1又は2に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項4】
アームレスト(6)の取付け部(7)のリンク(72)に対する軟係止が外れた状態で、アームレスト(6)に後向きの加えると、前リンク(61)と取付け部(7)のリンク(72)の回動によってアームレスト(6)が定まった軌跡で移動し、該リンク(72)の軟係止が自動的に成される、請求項2に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項1】
マッサージユニット、座部、リクライニングする背もたれ、アームレストを有し、アームレストと座部との間は空間Sとなっており、背もたれが倒れる動きに連動して、アームレストの高さが低くなるマッサージ機において、アームレスト(6)の一端側の取付け部(7)は、軟係止手段(8)を介して背もたれ(4)又は座部(3)に取り付けられ、軟係止手段(8)はアームレスト(6)に上向きの力が作用すると軟係止が外れてアームレスト(6)の軟係止側は上方向へフリーとなることを特徴とする、椅子式マッサージ機。
【請求項2】
マッサージユニット、座部、リクライニングする背もたれ、アームレストを有し、アームレストと座部との間は空間Sとなっており、背もたれが倒れる動きに連動して、アームレストの高さが低くなるマッサージ機において、アームレスト(6)の一端側の取付け部(7)には背もたれ(4)又は座部(3)に枢支連結されたリンク(72)が用いられ、該リンク(72)が軟係止手段(8)を介して背もたれ(4)又は座部(3)に取り付けられ、アームレスト(6)に上向きの力が作用すると、アームレスト(6)の一端側がリンク(72)によって背もたれ(4)又は座部(3)に連結されたまま軟係止手段(8)による軟係止が外れて前記取付け部(7)のリンク(72)が起き上り、前記アームレスト下方空間Sが上方向に拡がることを特徴とする、椅子式マッサージ機。
【請求項3】
アームレスト(6)の前部は前リンク(61)を介して座部(3)に枢支連結されており、アームレスト(6)の後部が取付け部(7)を介して背もたれ(4)に枢支連結されている、請求項1又は2に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項4】
アームレスト(6)の取付け部(7)のリンク(72)に対する軟係止が外れた状態で、アームレスト(6)に後向きの加えると、前リンク(61)と取付け部(7)のリンク(72)の回動によってアームレスト(6)が定まった軌跡で移動し、該リンク(72)の軟係止が自動的に成される、請求項2に記載の椅子式マッサージ機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−28463(P2009−28463A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−198260(P2007−198260)
【出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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