説明

椅子式マッサージ機

【課題】ひざ下よりも下方の部位の的確な摩り施療を行い、施療による不快感や違和感の発生を抑制することが可能な椅子式マッサージ機を提供する。
【解決手段】着座した施療者のひざ下部位を収容し得る収容部を有する第一下肢保持部1と、着座した施療者のひざ下より下方の部位を収容し得る収容部を有する第二下肢保持部2と、前記第一下肢保持部1及び前記第二下肢保持部2の各収容部内にそれぞれ設けられ、各収容部内の施療者の下肢を施療し得る第一、第二施療子とを含む足載せ部とを備える。第一施療子を突出又は膨張させることにより第一下肢保持部1に施療者のひざ下部位を固定的に保持させ、第二施療子を突出又は膨張させたまま、第二下肢保持部2を施療者の脚の長手方向にスライド移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着座した被施療者にマッサージを行う椅子式マッサージ機であって、特に被施療者の下肢部をマッサージする椅子式マッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被施療者の下肢部をマッサージする施療子を含む足載せ部を備える椅子式マッサージ機が知られている(たとえば、特許文献1参照)。上記特許文献1には、椅子及びマッサージ椅子の座部前部に座部下方から略水平位置に出没し得るよう設けた足載台を、前方へ突出させた状態で任意或いは自動的に前後へ移動調節或いは連続前後移動できるようにした足載台進退機構が開示される。かかる椅子式マッサージ機においては、リラックスできる余裕のある伸脚姿勢で着座して連続的に足載台を摺動する事で摩り施療が行なえるものであり、しかも連続的に足載台を摺動させながら空気袋を膨縮させる事で連続膨縮施療をも施す事ができる、とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−320654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1による椅子式マッサージ機は、摩り施療や連続膨縮施療の際に、足載台を摺動させながら空気袋を膨縮させることで、被施療者の下肢自体がひざ下ごともっていかれて、被施療者の下肢の位置や角度が元の着座状態からずれてしまう場合がある。このような場合は、ひざ下よりも下方の部位の的確な摩り施療を行うことが困難であり、誤った位置で施療することで不快感或いは違和感が生じるものであった。
【0005】
そこで、この発明は、ひざ下よりも下方の部位の的確な摩り施療を行い、施療による不快感や違和感の発生を抑制することが可能な椅子式マッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、以下(1)〜(5)の手段を講じている。
【0007】
(1)本発明の椅子式マッサージ機は、
座部と、
前記座部の前方に設けられ、前記座部に着座した被施療者のひざ下部位を収容し得る収容部を有する第一下肢保持部と、前記第一下肢保持部に隣接するように設けられ、前記座部に着座した被施療者のひざ下より下方の部位を収容し得る収容部を有する第二下肢保持部と、前記第一下肢保持部及び前記第二下肢保持部の各収容部内にそれぞれ設けられ、前記各収容部内の被施療者の下肢を施療し得る施療子とを含む足載せ部とを備え、
前記施療子は、突出又は膨張可能に前記第一下肢保持部に設けられ、突出又は膨張によって、前記第一下肢保持部内に収容した被施療者のひざ下部位を保持し得る第一施療子と、前記第二下肢保持部に突出又は膨張可能に設けられ、突出又は膨張によって、前記第二下肢保持部内に収容した被施療者のひざ下より下方の部位に対応するように配置される第二施療子とを具備してなり、
前記第一施療子を突出又は膨張させることにより前記第一下肢保持部に被施療者のひざ下部位を固定的に保持させた状態で、前記第二施療子を突出又は膨張させた状態のまま、前記第二下肢保持部を被施療者の脚の長手方向にスライド移動させるように構成される。
【0008】
このように構成すれば、被施療者の下肢のうち少なくともひざ下部位を保持してその下に連なるひざ下よりも下方の部位が大きく位置ずれしないようにすることができる。ここで、ひざ下よりも下方の部位は、筋肉が少なく骨や腱の刺激によって痛みや違和感を覚え易い部位も含まれるところ、前記ひざ下部位を保持し、かつ、第二施療子を突出又は膨張させた状態のまま、ひざ下部位よりも下部の摩り施療を行うことによって、ひざ下よりも下方の部位の的確な摩り施療を行い、施療による不快感や違和感の発生を抑制することが可能となる。
【0009】
(2)前記椅子式マッサージ機において、前記足載せ部は、前記第二下肢保持部の前記第一下肢保持部とは反対側に隣接するように設けられ、前記座部に着座した被施療者の足を収容し得る収容部を有する第三下肢保持部をさらに含み、
前記施療子は、前記第三下肢保持部に突出又は膨張可能に設けられ、突出又は膨張によって、前記第三下肢保持部内に収容した被施療者の足を保持し得る第三施療子をさらに具備してなり、
前記第一施療子及び前記第三施療子を突出又は膨張させることにより前記第一下肢保持部及び第三下肢保持部に被施療者のひざ下部位及び足を固定的に保持させた状態で、前記第二施療子を突出又は膨張させた状態のまま、前記第二下肢保持部を被施療者の脚の長手方向にスライド移動させるように構成されることが好ましい。
【0010】
このように構成すれば、被施療者の下肢のうち、ひざ下部位及び足からなる上下の保持部位をそれぞれ保持して、ひざ下よりも下方の部位の角度変化や位置ずれをより抑制し、この状態のままスライド施療を行うことで、前記上下の保持部位間の摩り施療をより的確に行い、施療による不快感や違和感の発生をより確実に抑制することが可能となる。
【0011】
(3)前記いずれか記載の椅子式マッサージ機において、前記第二施療子は、被施療者の下肢への接触部が、前記第一施療子の下肢への接触部よりも柔らかい構成材からなることが好ましい。
【0012】
このように構成すれば、比較的硬い構成材からなる接触部でひざ下を保持しながら、その下方の部位を、比較的柔らかい構成材からなる第二施療子の接触部によって施療することで、比較的筋肉の少ない部位が含まれるひざ下より下方の部位に対して比較的柔らかい感触による施療を行うことができる。その結果、ひざ下より下方の部位を比較的柔らかい感触で摩り施療を行うことができるので、施療による不快感や違和感の発生をさらに抑制することが可能となる。
【0013】
なお、第三施療子をさらに含む構成においては、前記第二施療子の接触部が、前記第一施療子及び前記第三施療子のいずれの接触部よりも柔らかい構成材からなるようにしてもよい。この場合には、ひざ下を上下に離間した保持位置でより確実に保持しながら、各保持位置の中間部位で比較的柔らかい感触によるより的確な施療を行うことができる。
【0014】
(4)前記いずれか記載の椅子式マッサージ機において、前記第二施療子は、織布材を袋主材とし、袋内への空気の圧入によって立体形状となる空気袋からなり、
前記立体形状となる空気袋のうち被施療者の下肢への接触部は、前記第二下肢保持部内に収容した被施療者の下肢の表面形状に沿って変形した状態で被施療者の下肢と当接することが好ましい。
【0015】
このように構成すれば、織布材による空気袋が立体形状となり、また、そのうちの接触部が被施療者の下肢表面に沿って凹状に変形接触することで、被施療者のひざ下より下方の部位を包み込んだ状態で押圧施療することができる。
【0016】
(5)前記(2)に記載の椅子式マッサージ機において、脚の長手方向に延びる方向における前記第三下肢保持部の位置を検知するセンサと、前記センサにより検知された前記第三下肢保持部の位置情報に基づいて前記第二下肢保持部のスライド移動の下端位置を制御する制御部とをさらに備えることが好ましい。
【0017】
このように構成すれば、第三下肢保持部の上下位置を認識することで、第一下肢保持部と第三下肢保持部の間における第二下肢保持部が移動する範囲を制御することができ、第二下肢保持部のスライド移動を効率的に行うことができる。例えば、第三下肢保持部の移動量の検知から第二下肢保持部のスライド移動量までを制御プログラムとして組み込むことで、第二施療子によるスライド移動を伴う施療内容のプログラムを自動調整することができる。
【発明の効果】
【0018】
上記手段を講じることで、本発明の椅子式マッサージ機によって、被施療者の下肢のうち少なくともひざ下部位を上部保持してその下に連なるひざ下よりも下方の部位が大きく位置ずれすることを防止しながら、保持部位下のスライド施療を行うことができる。これにより、ひざ下よりも下方の部位の施療において、的確な摩り施療が可能となり、施療による不快感や違和感の発生を抑制することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第一実施形態の椅子式マッサージ機の斜視外観図。
【図2】図1に示す第一実施形態の椅子式マッサージ機の側面図。
【図3】第一実施形態の椅子式マッサージ機の足載せ部の支持機構を示す側面視断面説明図。
【図4】第一実施形態の椅子式マッサージ機の足載せ部のみの斜視外観図。
【図5】第一実施形態の椅子式マッサージ機の足載せ部のみの正面図。
【図6】第一実施形態の椅子式マッサージ機の足載せ部の支持材の構成を示す正面分解説明図。
【図7】第一実施形態の椅子式マッサージ機の足載せ部の支持材の組み構成を示す正面説明図。
【図8】図7の側面図。
【図9】第一実施形態の椅子式マッサージ機の足載せ部を収容した状態を示す側面図。
【図10】第一実施形態の椅子式マッサージ機の第一の使用状態例を示す側面説明図。
【図11】第一実施形態の椅子式マッサージ機の第二の使用状態例を示す側面説明図。
【図12】第一実施形態の椅子式マッサージ機の第三の使用状態例を示す側面説明図。
【図13】第一実施形態の椅子式マッサージ機による摩り施療中の状態を示す正面説明図。
【図14】本発明の第二実施形態の椅子式マッサージ機の足載せを収容した状態を示す側面図。
【図15】本発明の椅子式マッサージ機における他の膨縮袋構成の他の実施形態を示す正面説明図。
【図16】第一実施形態の椅子式マッサージ機の第二側部施療子の(a)収縮及び(b)膨出状態を示す斜視部品説明図。
【図17】第一実施形態の椅子式マッサージ機における制御部による膨縮制御に必要な構成を示す概念説明図。
【図18】第一実施形態の椅子式マッサージ機の第一動作プログラムを示すフロー図。
【図19】第一実施形態の椅子式マッサージ機の第二動作プログラムを示すフロー図。
【図20】第一実施形態の椅子式マッサージ機の第三動作プログラムを示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態につき、実施例として示す各図と共に説明する。図1〜図13及び図16〜20は本発明の第一実施形態の椅子式マッサージ機を示し、このうち図10〜図13は使用状態例を、図17は本発明の膨縮制御のための構成を、図18〜図20はこの膨縮制御による動作プログラム(施療子の膨縮動作ないし下肢保持部の移動動作の制御フロー)例を、それぞれ示す。また図14は本発明の第二実施形態の椅子式マッサージ機を示し、図15は本発明の椅子式マッサージ機における他の膨縮袋構成の実施形態を示す。
【0021】
(第一実施形態)
図1〜図13及び図16〜図20に示す本発明の第一実施形態の椅子式マッサージ機は、座部Bと、前記座部Bの前方に回動可能に設けられた第一下肢保持部1と、前記第一下肢保持部1に隣接するように設けられた第二下肢保持部2と、前記第二下肢保持部2の前記第一下肢保持部1とは反対側に隣接するように設けられた第三下肢保持部3と、前記第一下肢保持部1、前記第二下肢保持部2及び前記第三下肢保持部3にそれぞれ設けられ、被施療者の下肢をマッサージする施療子4とを含む足載せ部Oとを備える。また、前記足載せ部Oにおいては、第一下肢保持部1を支持し、前記座部Bの前方に回動可能に設けられた第一支持部材61と、前記第二下肢保持部2を支持し、前記第一支持部材61に対して被施療者の脚の長手方向にスライド移動可能な第二支持部材62と、前記第三下肢保持部3を支持し、前記第一支持部材61に対して被施療者の脚の長手方向にスライド移動可能な第三支持部材63とをさらに備える。以下、各構成につき詳述する。
【0022】
(座部Bの構成)
第一実施形態の座部Bは、下部に収容空間が形成されると共に上面への施療子を内蔵した座B1と、座B1の両側部にて肘収容溝を有して前後延出形成されると共に溝内に施療子を内蔵した肘掛B2と、座B1の背部から角度調節可能に設けられると共に前面への施療子を内蔵した背B3と、を具備して構成される(図1,2)。座B1の下部には、足載せ部Oを回動調節可能に支持する回動機構が収容される(図3)。また、座B1の下部或いは背B3の内部には、駆動制御を行う制御部CP(図17参照)が内蔵されている。また、第一実施形態の椅子式マッサージ機は、この制御部CPから有線又は無線電送可能な操作部R(図17参照)を有している。被施療者(ユーザ)は、操作部Rを操作することにより、後述する各駆動源を制御し、足載せ部Oの各構成である下肢保持部の位置や、それぞれの下肢保持部の施療子4の施療の有無或いは強弱或いは施療パターンを調節又は設定することができる。
【0023】
(足載せ部O)
ここで、第一実施形態では、上述したように、足載せ部Oは、座部Bの前方に回動可能に設けられた第一下肢保持部1と、前記第一下肢保持部1に隣接するように設けられた第二下肢保持部2と、前記第二下肢保持部2の前記第一下肢保持部1とは反対側に隣接するように設けられた第三下肢保持部3と、前記第一下肢保持部1、前記第二下肢保持部2及び前記第三下肢保持部3にそれぞれ設けられ、被施療者の下肢をマッサージする施療子4とを含む。足載せ部Oの第二下肢保持部2及び第三下肢保持部3は、それぞれ互いに独立して、前記第一下肢保持部1に対し被施療者の脚の長手方向にスライド移動可能に構成されている。
【0024】
ここで、前記座部Bの内部には、図3に示すように、前記第一下肢保持部1を被施療者の脚の長手方向へ実質的にスライド移動させることなく座部Bに対して回動をさせるための第一駆動源55を備える。また、第二支持部材62上には、図6に示すように、前記第一駆動源55とは独立して、前記第二下肢保持部2を被施療者の脚の長手方向へスライド移動させるための第二駆動源71が設けられている。また、第三支持部材63内には、前記第一駆動源55及び第二駆動源71とは独立して、第三下肢保持部3を被施療者の脚の長手方向へスライド移動させるための弾性支持部材65が設けられている。上記第二駆動源71及び弾性支持部材65によって、足載せ部Oの第二下肢保持部2及び第三下肢保持部3は、それぞれ互いに独立して、前記第一下肢保持部1に対し足載せ部Oに配置された被施療者の脚の長手方向にスライド移動可能に構成されるものとなっている。
【0025】
(第一下肢保持部1)
第一下肢保持部1は、図4に示すように、前記座部Bに着座した被施療者の左右のふくらはぎ部分をそれぞれ配置可能な一対の第一凹部1Dを含み、第一支持部材61(図6参照)に固定されることで、背面側から支持される。そして、この第一支持部材61と座部Bの前方に設けられた座フレームBFとの固定ピン61Pを介した固定構造(図2及び図6参照)によって、第一下肢保持部1が、座部Bの前方に回動可能に設けられると共に、座部Bに対して任意の角度に回動調節可能に支持される。
【0026】
ここで、第一支持部材61は、回動調節可能であると共に被施療者の脚の長手方向への移動距離調節機能を有さないものとしている。つまり、第一下肢保持部1が、座部Bに対して回動角度のみの調節が可能な第一支持部材61によって座部Bに回動可能に支持され、この回動支持構造による回動角度の調節時に、脚の長手方向位置の実質的な移動調節を伴うことがない。すなわち、第一支持部材61に固定されている第一下肢保持部1は、被施療者の脚の長手方向へ実質的にスライド移動することなく回動するように構成されている。
【0027】
また、第一下肢保持部1は、図4及び図5に示すように、被施療者の下肢のうちひざ下の背面に対向する部分を含むベース部10と、ベース部10の左右両側辺部分から前方へ突出成形された一対の側壁11とを具備する。各側壁11は、それぞれ、上辺が側壁11の突出端側に向かって緩やかに下方傾斜すると共に下辺が上辺よりも前方向に僅かに長く(より突出するように)形成されている。さらに、各側壁11のそれぞれの側辺は、側壁11の突出端側へ向かって左右方向の厚みが次第に薄く形成されている。また、側壁11の外側面の上部及び下側面には、それぞれ、内リブ13及び14が側壁11の突出方向に伸びて窪み形成される。これら内リブ13及び14は、施療子4(41S)が膨張した時の側壁11の歪み変形を抑えるものである。
【0028】
また、ベース部10の左右幅方向の略中央位置には、縦長長方形断面の略四角柱からなる中央突壁12が前方に突出するようにベース部10と一体成形されている(図4)。そして、左右の各側壁11と中央突壁12とにそれぞれ挟まれて前方(ベース部10の板前面側)に開放され、被施療者の両脚それぞれのひざの下部からふくらはぎの間の部分を配置可能な一対の第一凹部1Dが第一下肢保持部1に形成される。また、それぞれの第一凹部1Dの各側面及び底面には施療子4(41S、41B)が配される。
【0029】
(第二下肢保持部2)
第二下肢保持部2は、第一下肢保持部1に隣接すると共に第一下肢保持部1から足載せ部Oに配置された被施療者の脚の足先方向へ分離可能に設けられる。具体的には、第二下肢保持部2は、図4及び図5に示すように、前方を板状面とした正面視略横長矩形を有するベース部20(図5参照)と、ベース部20の左右両側部分から前方へ突出成形された一対の側壁21とを具備する。また、ベース部20の左右幅方向の略中央位置には、横長長方形断面の略四角柱からなる中央突壁22が前方に突出するようにベース部20と一体成形されている(図4参照)。そして、左右の各側壁21と中央突壁22とにそれぞれ挟まれて前方(ベース部20の板前面側)に開放され、被施療者の両脚それぞれのふくらはぎから足首までの間の範囲の一部分を配置可能な一対の第二凹部2Dが第二下肢保持部2に形成される。そして、この第二凹部2Dの各側面には施療子4(42S)が配される。
【0030】
ベース部20は、被施療者の下肢の背面に対向するように配置されており、背部が第二支持部材62(図6参照)にビス固定されて支持される。また、各側壁21は、ベース部20の側辺から前方へ突出成形された略台形柱状体からなり、後端付近の下辺から下方へ箱状の下方突出部が一体的に突出成形される。また、側壁21の略台形柱状部分及び下方突出部の各外側面には、内リブ23及び24が前後方向に伸びて窪み形成される。これら内リブ23及び24は、後述する施療子4(42S)が膨張した時の側壁21の歪み変形を抑えるものである。また、図5に示すように、ベース部20の上部には、背部のフレーム(第一支持部材61及び第二支持部材62(図6参照))の側面ないし前面を覆うカバー2Cがベース部20と一体的に上方突出形成される。カバー2Cの幅方向中央部は、突壁12,22の形状と共に前方に枠状に突出形成してなる。また、カバー2Cは、第二下肢保持部2が第一下肢保持部1側にスライド移動した場合に、第一下肢保持部1の裏面側に隠れるように構成されている。
【0031】
(第三下肢保持部3)
第三下肢保持部3は、第二下肢保持部2の前記第一下肢保持部1とは反対側に隣接すると共に第二下肢保持部2から被施療者の足先方向へ分離可能に設けられる。具体的には、第三下肢保持部3は、第二下肢保持部2側を板状面とした正面視略横長矩形からなるベース部30と、ベース部30の左右両側部分から上方(第二下肢保持部2に向かう方向)へ突出成形された左右一対の側壁とを具備する。また、ベース部30の左右幅方向の略中央位置には、ベース部30の左右幅方向の略中央位置から上方(第二下肢保持部2側方向)に突出するように略台形柱状の中央突壁32がベース部30と一体成形されている(図4)。左右の各側壁と中央突壁32とにそれぞれ挟まれて上方(第二下肢保持部2に向かう方向)に開放され、被施療者の両足それぞれの足裏を当接させて足部分全体を配置可能な一対の第三凹部3Dが形成される。そして、この第三凹部3Dの各側面及び底面には、施療子4(43S、43B)が配される。
【0032】
具体的には、ベース部30は、被施療者が足載せ部Oに脚及び足を配置した際の足裏面に対向するように設けられ、前記第一下肢保持部1、第二下肢保持部2の各ベース部10及び20のうち広い表面が延びる方向とは略直交方向に広い表面が延びるように配置される。側壁は、ベース部30の左右側部から、第二下肢保持部2側に向かってベース部30と一体的に突出形成される。各側壁の後端(第三下肢保持部3に配置される足のかかとに対応する位置側)付近の上隅部は、側面視略L字状に切り欠き成形されている。この切り欠き成形部分の形状は、第二下肢保持部2の下方突出部に対応しており、第三下肢保持部3と第二下肢保持部2とが最接近した状態では、各側壁21同士が上下接触すると共に、切り欠き成形部と下方突出部とが組みあって一体的な下肢下半部の保持構造を構成する(図9)。また、足裏を当接させる板状のベース部30の裏面には、弾性材からなる接地脚3Fが左右一対に固定され、ベース部30の後端側には、接地転動し得るローラー3Rが左右一対に設けられる。
【0033】
また、第三下肢保持部3は、被施療者の足裏を当接させて足を収容する左右一対の第三凹部(足収容部)3Dを有し、第三支持部材63によって第一支持部材61からスライド移動可能に支持される。さらに、第一実施形態による椅子式マッサージ機は、第二下肢保持部2と第三下肢保持部3との間に、第三下肢保持部3を弾性支持する弾性支持部材65を備える。
【0034】
また、第三下肢保持部3は、前記第一下肢保持部1及び前記第二下肢保持部2の移動又は回動動作とは独立した弾性支持機構によって、被施療者の脚の長手方向へスライド移動するように構成されている。前記足載せ部Oに被施療者の下肢をセットし、足収容部3Dに被施療者の足を収容することにより、被施療者の足により足収容部3Dが押圧される。これにより、前記第三下肢保持部3がスライド移動し、この第三下肢保持部3のスライド移動に伴って前記弾性支持部材65が伸長し、この弾性支持機構は、被施療者の下肢の長さに合わせた脚の長手方向位置で第三下肢保持部3を弾性支持するものとしている。このように、弾性支持部材65によって第三下肢保持部3は弾性支持されており、被施療者の足を第三下肢保持部3内へセットすることにより、第三下肢保持部3の弾性支持位置が弾性反力によって可変し、このとき足収容部3D内に収容した被施療者の足裏に、弾性反力による第三下肢保持部3からの面圧がかかることとなる。これにより、セットした足裏と第三下肢保持部3とが離れることなく適度な弾性反力を持って当接したまま、被施療者の下肢を確実に収容保持することとなる。
(奥行き方向及び上下方向の長さの関係)
また、第一実施形態では、図9に示すように、第一下肢保持部1の奥行き方向(前後方向)の最大長さ1Lが、第二下肢保持部2の奥行き方向(前後方向)の最大長さ2L、第三下肢保持部3の奥行き方向(前後方向)の最大長さ3Lのいずれよりも小さい。また、第二下肢保持部2の奥行き方向(前後方向)の最大長さ2Lが、第三下肢保持部3の奥行き方向(前後方向)の最大長さ3Lよりも小さいものとしている。第一下肢保持部1の奥行き方向の最大長さ1Lを最も短く構成し、その内部に一対形成した第一凹部1Dの各側面に第一側部施療子41Sを配置することにより、ひざ下の筋肉ないし健の施療部分を大きく外れることなく、確実に施療することができる。また、第二下肢保持部2の奥行き方向の最大長さ2Lを第一下肢保持部1の奥行き方向の最大長さ2Lよりも長く構成し、その内部に一対形成した第二凹部2Dの各側面に第二側部施療子42Sを配置することにより、第二側部施療子42Sがふくらはぎから足首までの側部のいずれかの部分(第二下肢保持部2の可動範囲内に対応する下肢の部分)を前後方向に広く覆うように配されることとなる。また、第一実施形態では、第一下肢保持部1の上下方向(載置される脚の長手方向)の長さは、第二下肢保持部2の上下方向の長さよりも大きい。また、第一下肢保持部1の上下方向(載置される脚の長手方向)の長さは、第三下肢保持部3の上下方向の長さよりも大きい。つまり、第一下肢保持部1は、被施療者のひざ下部分からふくらはぎを十分に保持する事が可能な上下方向(載置される脚の長手方向)の長さを有している。これにより、被施療者のふくらはぎを第一下肢保持部1に設けられている施療子4(第一側部施療子41Sないし第一底部施療子41B)により十分に施療することができる。
【0035】
(フレーム構成)
第一実施形態のフレーム構成は、上述したように、第一下肢保持部1を支持する第一支持部材61が、角度可変可能、かつ離間・近接方向への実質的な移動ができないように、固定ピン61Pによって回転可能に座部Bの前方に軸支されてなる(図8参照)。また、第二下肢保持部2を支持する第二支持部材62が、第一支持部材61及び第三支持部材63の動作とは独立した、被施療者の脚の長手方向へのスライド移動可能な構造をもって第一支持部材61の上側に支持される。また、第三下肢保持部3を支持する第三支持部材63が、第一支持部材61及び第二支持部材62の動作とは独立した、被施療者の脚の長手方向へのスライド移動可能な構造をもって、第二支持部材62の上側に支持される。
【0036】
第一実施形態による第二支持部材62の第一支持部材61に対するスライド移動は、図7に示すように、第二支持部材62に固定した第二駆動源71によって駆動制御され、第三支持部材63の第二支持部材62に対するスライド移動は、第三支持部材63内に収容されて第二支持部材62と繋がれたコイルばね状の弾性支持部材65により、差し込んだ被施療者の足の位置に応じて自由に弾性制御される。これにより、上述したように、弾性支持部材65によって第三支持部材63に固定されている第三下肢保持部3は弾性支持されている。
【0037】
(他のスライド移動制御例)
上記のように第一実施形態では、第二支持部材62をそれ自体に設けた第二駆動源71によって任意の駆動位置に調整されるものとし、第三支持部材63をそれ自体に設けた弾性支持部材65によって任意の弾性支持位置に弾性支持される形態を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、他のスライド移動制御例として、第二支持部材62をそれ自体に設けた弾性支持部材によって任意の弾性支持位置に弾性支持されるものとし、第三支持部材63をそれ自体に設けた駆動源によって任意の駆動位置に調整されるものとしてもよい。また、弾性支持部材、駆動源それぞれの設置位置は各支持部材それ自体でなくてもよく、例えば、第二支持部材62を支持する弾性支持部材又は駆動源(第二駆動源71)を第一支持部材61或いは座部B内に備えてもよく、第三支持部材63を支持する弾性支持部材又は駆動源を第一支持部材61、第二支持部材62或いは座部B内に備えてもよい。
【0038】
(第二駆動源71)
第二駆動源71は、第二支持部材62を第一支持部材61に対して被施療者の脚の長手方向にスライド移動させるように構成する。ここで、第二駆動源71によるスライド移動は、他の支持部材である第一支持部材61ないし第三支持部材63の回動ないし移動動作とは独立して行われる。より具体的には、第二駆動源71は、前記第一下肢保持部1の回動動作のための第一駆動源55及び前記第三下肢保持部3の移動動作のため弾性支持部材65と相関することのない独立した第二駆動源71をもって、前記第二下肢保持部2を、第一下肢保持部1と前記第三下肢保持部3との間の移動可能範囲内で、被施療者の脚の長手方向(第一下肢保持部1と離れたり近づいたりする方向)にスライド移動させる。
【0039】
(施療子4)
施療子4は、図4及び図5に示すように、第一下肢保持部1、前記第二下肢保持部2及び前記第三下肢保持部3にそれぞれ設けられ、被施療者の下肢をマッサージする。施療子4は、前記一対の第一凹部1Dの各々の両側部にそれぞれ設けられ、被施療者のふくらはぎの各側部を施療する一対の第一側部施療子41Sと、前記一対の第一凹部1Dの各々の両底部に設けられ、被施療者のふくらはぎの裏部を施療する第一底部施療子41Bとを含む。これにより、第一下肢保持部1、第二下肢保持部2及び第三下肢保持部3によって下肢を三分割位置で確実に保持しながら、第二下肢保持部2及び第三下肢保持部3による支持及び施療とは独立して、被施療者のひざ下近傍、ふくらはぎの側部及び裏部を確実に施療することができる。
【0040】
また、前記一対の第一側部施療子41Sは、それぞれ、空気が流入又は排出されることにより膨縮可能な第一側部膨縮袋410Sである。また、前記第一底部施療子41Bは、空気が流入又は排出されることにより膨縮可能な第一底部膨縮袋410Bである。具体的には、一対の第一側部施療子41S及び第一底部施療子41Bは、それぞれ、空気膨縮袋たるエアバッグで構成されており、エアーの給排気機構(図示せず)によって、それぞれ互いに独立して膨張収縮可能としている。すなわち、これら第一側部膨縮袋410Sと第一底部膨縮袋410Bとは、互いに独立して膨縮可能である。また、前記第一底部施療子41Bは、前記第一凹部1Dを構成する底面に対応する位置で上下方向に並設された複数(2つ)の第一底部膨縮袋410Bである。そして、これら並設された複数の第一底部膨縮袋410Bは、それぞれ、互いに独立して膨張収縮可能である。つまり、第一側部膨縮袋410S及び上下一対の第一底部膨縮袋410Bは、それぞれ、互いに独立して膨張収縮可能である。また、第一底部膨縮袋410Bは、それぞれ、左右一対形成された第一凹部1Dのそれぞれの底部に取り付けるための取り付け端部が側方へ張り出し形成されており、この取り付け端部が第一下肢保持部1の幅方向の内側(中央突壁12)寄りの位置にて、差し込みピン4Pによって回動可能に固定される。
【0041】
また、施療子4は、前記一対の第二凹部2Dの各々の両側部にそれぞれ設けられ、被施療者の足首からふくらはぎの間の各側部を施療する一対の第二側部施療子42Sを含む。また、一対の第二側部施療子42Sは、空気が流入又は排出されることにより膨張収縮可能な第二側部膨縮袋420Sである。
【0042】
また、施療子4は、前記一対の第三凹部3Dの各々の両側部にそれぞれ設けられ、被施療者の足の甲近傍を施療する一対の第三側部施療子43Sと、前記一対の第三凹部3Dの各々の両底部に設けられ、被施療者の足裏部を施療する第三底部施療子44を含む。一対の第三側部施療子43Sは、空気が流入又は排出されることにより膨張収縮可能な第三側部膨縮袋430Sである。また、第三底部施療子44は、球冠状の突起体によって構成している(図4、図5参照)。また、前記第三底部施療子44は、前記第三凹部3Dを構成する底面下に設けられた第三底部膨縮袋430Bが膨張収縮することにより、膨張収縮するストローク分上下方向に移動する。そして、これら並設された第三側部膨縮袋430Sと第三底部膨縮袋430Bとは、それぞれ、互いに独立して膨張収縮可能とすることができる。
【0043】
(各施療子の構成)
ここで、第一側部施療子41Sたる第一側部膨縮袋410S並びに第三側部施療子43Sたる第三側部膨縮袋430Sにおける、被施療者の下肢への各接触面は、第二側部施療子42Sたる第二側部膨縮袋420Sよりも硬い接触面を有する板状の合成樹脂材で構成され、第二側部施療子42Sの接触部よりも硬い感触の施療を行うものとしている。なお、第一側部施療子41Sは、本発明の「第一施療子」の一例であり、第二側部施療子42Sは、本発明の「第二施療子」の一例である。また、第三側部施療子43Sは、本発明の「第三施療子」の一例である。第一実施形態では、第一側部膨縮袋410S、第一底部膨縮袋410B、並びに第三側部膨縮袋410Sの各膨縮袋の全体を、同一の合成樹脂材のブロー成形によって構成してなる。具体的には、図3、図4に示すように、第一側部膨縮袋410S、第一底部膨縮袋410B、第三側部膨縮袋430S、第三底部膨縮袋430Bのそれぞれを、合成樹脂材を主材とした、一対の対向面を有する扁平板状のブロー成形体からなるものとしている。このブロー成形体は、左右の対向面の周縁同士が密着した状態で一体成形され、各対向面には、伸縮用の多重環状の連続折れ部4Wが形成される。連続折れ部4Wは断面視にて連続折り形状に波状成形された伸縮成形部であり、開放時に所定の連続折り角度を保つと共に、袋内への空気の圧入によって連続折り角度が大きくなるように変形し得る。これにより、膨張伸縮袋の膨張時には、左右の対向面同士が離間すると共に連続折れ部4Wが段状に伸長した膨厚形状となる。このブロー成形体は、織布構成材による溶着成形体と比べて、空気の流出入の迅速性に優れており、接触面の感触が比較的硬く、施療対称の両側から挟みこんだときの保持性に優れている。
【0044】
上記第一側部施療子41S及び第三側部施療子43Sに対し、第二側部施療子42Sを構成する第二側部膨縮袋420Sは、他の残りの施療子(第一側部施療子41S,第三側部施療子43S)よりも柔らかい織布構成材の接触部を有して構成され、この接触部は、少なくとも前記第一側部施療子41Sの前記合成樹脂材よりも柔らかい織布構成材からなるものとしている。第一実施形態では、第二側部膨縮袋420Sのみを、第一側部施療子41S及び第三側部施療子43Sのブロー成形材よりも柔らかい一対の織布構成材同士の溶着によって成形しており、各第二側部膨縮袋420Sは、収縮時には重畳布による略板状体をなす(図16(a))と共に、膨張時には立体形状化して略円柱体をなす(図5、図13、及び図16(b))。この立体形状化は、主に織布構成材のせん断変形(歪み変形)によるものであり、両側面の織布構成材の形状や構成材の緩み/張りの強さ、或いはその周縁の溶着形状によって、第一実施形態のような略円柱体のほか、略多角柱体、略直方体、或いは略部分錐体といった所定の立体形状に膨張変形し得る。
【0045】
第一実施形態では、各第二側部膨縮袋420Sは、天然または合成の織布材からなる横長矩形形状の一側面布と、同一素材かつ略同形状の他側面布とを袋構成材とし、各側面布の周縁同士が溶着されることで、内部に圧入空間が形成されると共に縁部42Rが形成された、横長の密閉空気袋である(図16)。各横長空気袋(各第二側部膨縮袋420S)は、空気が圧入されることで、前記縁部42Rを中心として左右の側面布がそれぞれ凸曲面状に側方膨出して、縦長扁平断面を有する略円柱形状の立体形状となる。このとき袋体全体が第一側部施療子41S及び第三側部施療子43Sのブロー成形材よりも大きく変形することで、被施療者の下肢を挿入しない開放状態(図13)における、圧入空間の上下方向距離すなわち袋内部高42Hは、少なくとも変形前の8割以下となる(図16(b))。また、第一実施形態では、図16に示すように、内部に圧入空間を有する左右の第二側部膨縮袋420Sが、圧入空間を有さない中央の連結部42Cを介して連結されることで、一つの第二側部施療子42Sを一体構成する。この第二側部施療子42Sにおいて、連結部42Cは、一側面布と他側面布とが略全面溶着によって重畳一体化された矩形の平板状部からなり、その幅方向中央部分に取り付けられた固定ピン4Pによって、第二下肢保持部2の第二凹部2D内に固定される。一体構成された第二側部施療子42Sは、図16(a)に示すように、収縮状態S3では左右に折れ曲がって三方枠状に構成されることで、重畳布状の収縮袋からなり、空気が圧入された膨出状態S4では、図16(b)に示すように、連結部42Cを挟んで前方に伸びる両側部の横長袋体(各第二側部膨縮袋420S)が、それぞれ横長円柱状に立体的に膨らむ。そして、立体形状に膨張した空気袋のうち、被施療者の下肢への接触部は、図13に示すように、前記第二下肢保持部2内に収容した被施療者の下肢の表面形状に沿って変形した状態となって、被施療者の下肢と当接する。これにより、被施療者の足の側部を前後にわたって広範囲に包み込むことができる。
【0046】
そして、本実施形態の第一側部施療子41S、第二側部施療子42S及び第三側部施療子43Sは、その構成材ないし成型方法の相違による接触部の硬さの調節によって、前記したような比較的硬い合成樹脂板状の構成材からなる上下(第一下肢保持部1内及び第三下肢保持部3内)の接触部でひざ下を保持しながら、ふくらはぎから足首までの範囲を比較的やわらかい織布材からなる接触部で包み込むように施療するものとなっている。なお、第一側部膨縮袋410S、第一底部膨縮袋410B、並びに第三側部膨縮袋410Sの各膨縮袋は、必ずしも合成樹脂材のブロー成形である必要はなく、天然または合成の織布材からなる布の周縁同士が溶着された膨縮袋などの他の構成からなる膨縮袋であってもよい。
【0047】
第一実施形態では、被施療者の下肢への接触部が、前記第一側部施療子41S及び前記第三側部施療子43Sのいずれの接触部よりも柔らかい構成材からなるものとしているが、少なくとも、第一側部施療子41Sの接触部よりも柔らかい構成材からなるものとすることで、ひざ下を保持しながら、比較的柔らかい構成材からなる接触部によって、比較的筋肉の少ない部位を含むひざ下より下方の部位に対して、比較的柔らかい感触による施療を行うことができる。
【0048】
(第一下肢保持部1の支持構成)
第一下肢保持部1は、図2に示すように、座B1の前方にて、座B1の前方に設けられた支持軸たる固定ピン61P周りに回動可能に支持される。この固定ピン61Pは、座部Bの前方へ突出した座フレームBFを略水平に貫通してなり、第一下肢保持部1を支持する左右一対の第一支持部61の各上端付近を、座フレームBFの固定軸周りに軸支する(図2)。この軸支によって、被施療者の脚の長手方向への実質的なスライド移動を伴うことなく第一下肢保持部1を回動させることが可能である。なお、被施療者の脚の長手方向への実質的なスライド移動を伴うものでなければ、第一下肢保持部161の回動の際に多少の回動軸のズレを伴うものであってもよい。例えば、両端付近に2軸連結されたアームを介した移動軸構造によって第一支持部材61を連結支持したものであったり、多少のアソビを有する摺動軸受を介して軸位置の多少のずれを伴う構造によって第一支持部材61を連結支持したものであったりしてもよい。
【0049】
また、図3に示すように、座部Bは座B1の下部に収容空間を有しており、第一支持部材61の回動角度は、この収容空間内に設けられた伸縮アームによって駆動制御される。具体的には、座B1の収容空間には、第一駆動源55であるモータの駆動によって前方へ伸縮する伸縮アームが左右一対に設けられ、伸縮アームの先端が座B1より前方へ突出入可能となっている。
【0050】
(伸縮アーム)
具体的には、伸縮アームは、収容空間内にて前方へ向かって上方傾斜するように配置された第一アーム51と、第一アーム51の伸長方向に沿って前後にスライド移動可能な第二アーム52と、第二アーム52の先端部に一端が軸支されると共にこの軸支位置よりも上方の支持軸53Aにて他端が軸支された第三アーム53と、第三アーム53の先端部に自由回転可能に設けられ、第一下肢保持部1(第一支持部材61)の背面に設けられたローラー受け部61A上を転動するローラー54Rとから構成される。
【0051】
第一アーム51は、第二アーム52を枠持するためのスライド枠を有して伸長する棒状の固定配置材であり、第一アーム51の先部近傍には、第二アーム52を伸縮駆動させる第一駆動源55たるモータ、及び、第二アーム52の伸縮を検知するセンサ5Sが固定される。
【0052】
第二アーム52は、第一アーム51のスライド枠によって、アームの伸縮方向へスライド移動可能に枠持される。また、第二アーム52には、移動量検知用の多数の小孔52Hが伸長方向に沿って側面に連続形成されたセンシング枠52Aが第二アーム52の上辺に沿って固定されている。このセンシング枠52Aは、第二アーム52のアーム伸縮方向へのスライド移動に伴って第二アーム52と共に移動する。このとき、センサ5Sの検知器が、移動するセンシング枠52Aの小孔52Hを跨いで相対移動する形となり、かかる相対移動によって小孔52Hの通過を検出する。この小孔52Hのセンサ5Sへの通過に基づいて移動量を認識し、足載せ部O(厳密には第一支持部61)の回動を制御することが可能となる(図3参照)。
【0053】
(フレーム構造のより詳細な構造)
(第一フレーム構造)
第一実施形態では、図6及び図7に示すように、第一下肢保持部1を支持する第一フレーム構造が、板金により形成された第一支持部材61と、第一支持部材61の中央位置及び下端位置にて左右方向に延びる中空棒状(図8参照)の中央連結フレーム6F、及び中空棒状(図8参照)の下部連結フレーム60Fとによって構成される。第一支持部材61は、左右方向の中央部分の第一プレート部60Aと、第一プレート部60Aの左右の両端側に曲げ加工により段差形成された側部60Bとにより構成されている。この第一支持部材61の側部60Bを接続する中央連結フレーム6F、下部連結フレーム60F及び第一プレート部60Aによって、第一フレーム構造の捩じれ変形を抑制している。また、側部60Bは、第一プレート部60Aよりも前方(上述した側壁11の先端側)に向かって突出した位置に位置するように段差形成されている。これにより、第一プレート部60Aと第一下肢保持部1の裏面側との間に空間を設けることができるので、第一プレート部60Aと第一下肢保持部1の裏面側との間の空間に部材などを配置することが可能となる。
【0054】
第一フレーム構造において、図6に示すように、第一プレート部60上の左右近傍位置には、それぞれ、第二支持部材62及び第三支持部材63を保持摺動するための複数の転動ローラー73が自由転動可能に枠保持される。転動ローラー73は、第一プレート部60の上方において並行に支持された2軸それぞれの内側と外側に2輪ずつ、計4輪が枠保持される。このうち内側の2輪の転動ローラー73と第一プレート部60との間に第二支持部材62を挟み込むように設けて、この第二支持部材62を、被施療者の脚の長手方向へスライド可能に支持する。また、外側の転動ローラーの2輪の転動ローラー73と第一プレート部60との間に第三支持部材63を挟み込むように設けて、この第三支持部材63を、被施療者の脚の長手方向へスライド可能に支持する(図6、図8参照)。
【0055】
また、中央連結フレーム6Fの裏面側には、プレート状のローラー受け部61Aが固設される。このローラー受け部61Aは、背面側に、前記伸縮アームのローラー54Rが転動するための平坦面を有しており、伸縮アームが伸縮したとき、伸縮アーム先端のローラー54R(図3参照)がこの平坦面上を転動するものとなっている。
【0056】
第一支持部材61は、各側部60Bの上部が、座B1の左右下部に一対設けられた断面コ字状の座フレームBF内に嵌み込まれ、座フレームBF及び第一支持部材61の各側部60Bを共挿通する固定ピン61Pによって座フレームBFに対して回動可能に支持される。また、第一支持部材61の各側部60Bには、それぞれ、複数の固定孔61Hが設けられ、これら固定孔61Hにて、第一下肢保持部1が、第一支持部材61にネジ止め固定される。
【0057】
(第二フレーム構造)
また、第一実施形態では、図6に示すように、第二下肢保持部2を支持する第二フレーム構造は、並行配置された左右一対の中空丸棒状の第二支持部材62と、第二支持部材62の基端位置及び先端位置にて左右の第二支持部材62間を亘る細板状の上下一対の連結フレーム7Fとによって四方枠状に組み枠構成される。平面視上下の連結フレーム7F間であって幅方向略中央位置には、第二支持部材62間距離よりも小幅の板状の第二プレート70が設けられている。この第二プレート70上には、第二支持部材62を第一支持部材61に対して駆動させる第二駆動源71及び駆動構造の一部が固定される(図6、図7)。各第二支持部材62及び下の連結フレーム7Fには、複数の固定孔62Hが設けられ、これら固定孔62Hにて、第二下肢保持部2が、左右の第二支持部材62を跨ぐ態様で第二支持部材62の表面側にネジ止め固定される。
【0058】
(駆動構造)
第二フレーム構造の第二プレート70上には、第二駆動源71たるモータと、この第二駆動源71によって第二フレーム構造(第二支持部材62)自体を第一フレーム構造(第一支持部材61)に対して被施療者の脚の長手方向にスライド駆動させる駆動構造とが設けられる。第二駆動源71たるモータは、第二プレート70の法線方向を向くウォーム軸71Wを駆動回転させるものであり、駆動構造の一部であって、前記ウォーム軸71Wと直角噛合したウォーム歯車7Nを回転させる。
【0059】
駆動構造は、第二フレーム構造(第二支持部材62)のスライド移動方向に伸長して軸回転可能に設けられた駆動ネジ7Sと、第一フレーム構造の連結フレーム6F内に内ネジを有して貫通形成された駆動孔66とからなり、前記駆動孔66内を前記駆動ネジ7Sが螺合して構成される。駆動ネジ7Sは、第二プレート70のプレート面と並行し、その伸長軸周りには雄ネジが形成されると共に、その先部には、周方向へ張り出す円盤歯車状のウォーム歯車7Nが同軸形成される。ウォーム歯車7Nは、駆動ネジ7Sの先部にて駆動ネジ7Sと共に同軸回転する。このウォーム歯車7Nは、第二駆動源71の先に設けられたウォーム軸71Wと噛合しており、第二駆動源71から伝達された駆動回転力は、ウォーム軸71Wからウォーム歯車7Nへ伝達され、駆動ネジ7Sの回転力に変換される。これにより、駆動孔66が駆動ネジ7Sに対して相対的に移動され、駆動ネジ7Sが取り付けられている第二フレーム構造(第二支持部材62)が駆動孔66が設けられている第一フレーム構造(第一支持部材61)に対してスライド移動することが可能となる。
【0060】
(第二検知器74)
また、第一フレーム構造の下部連結フレーム60F上には、第二フレーム構造(第二支持部材62)の第一フレーム構造(第一支持部材61)に対する相対位置を検知する第二検知器74が固定される。第一フレーム構造(第一支持部材61)に支持された第二フレーム構造(第二支持部材62)が被施療者の脚の長手方向へスライド移動したとき、第二プレート70に設けられ、多数の小孔72Hが連続形成されたセンシング枠72が第二検知器74上をスライド移動することで、第二検知器74はその上を跨ぐ小孔72Hの通過を検出する。小孔72Hの通過に基づいて、第二フレーム構造(第二支持部材62)との相対移動量を認識し、これによって第一フレーム構造(第一支持部材61)に対する第二フレーム構造(第二支持部材62)の伸長量を制御することが可能となる(図5、図7)。
【0061】
(第三フレーム構造)
また、第一実施形態による第三下肢保持部3を支持する第三フレーム構造は、図8に示すように、側面視略L字状に屈曲成形され、略L字状の上端が上方を向き且つ屈曲先部が前方を向くように並行配置された左右一対の棒状の第三支持部材63(図8)と、第三支持部材63の前記前方を向いた先端位置にて左右の第三支持部材63間を亘る細板状の連結フレーム64とによって三方枠状に組み枠構成される(図6)。これら第三支持部材63と連結フレーム64とは、一体的に形成されている。また、連結フレーム64には、複数の固定孔64Hが設けられ、これら固定孔64Hにて、第三下肢保持部3が、左右の第三支持部材63を跨ぐ態様で連結フレーム64の上面側にネジ止め固定される。また、略L字状の左右それぞれの第三支持部材63において、屈曲部よりも上部から上端の直線状の伸長部内には、コイルばねからなる弾性支持部材65がその伸長方向に沿って収容される。弾性支持部材65の下端は、フック状に成形され、第三支持部材63の屈曲部付近を挿通する固定ピン63Pによって固定される。一方、弾性支持部材65の上端もまたフック状に成形され、第二支持部材62の上端を繋ぐ連結フレーム7Fの左右両端近傍に設けた固定孔70H内に掛止固定される(図6、図7、図8)。これにより、第三フレーム構造は左右それぞれに収容した弾性支持部材65によって、第二フレーム構造に弾性支持される。
【0062】
また、第三フレーム構造の第三支持部材63のうち、直線状の伸長部内には、脚の長手方向に延びる方向における前記第三下肢保持部3の位置を検知するセンサ75(第三検知器)を備え、当該センサ75(第三検知器)により、前記第三下肢保持部3の、第一下肢保持部1に対する相対位置情報を検知するものとしている。このセンサ75(第三検知器)としては例えば、第二支持部材62の連結フレーム7Fとの距離を測定する光学センサ、或いは、弾性支持部材65の最短状態からの相対伸長量を測定する赤外線センサ等が使用される。
【0063】
この第三下肢保持部3の位置を検知するためのセンサとして、第一実施形態では、発光素子を有する発光機75Aと、この発光素子からの信号を受光する受光素子を有する受光機75Bとからなる分離型のセンサ75(第三検知器)を備える。このうち発光機75Aは、第二フレーム構造の上側の連結フレーム7Fの両端に左右一対が固定され、受光機75Bは、左右棒状の第三支持部材63の上端近傍の内部に、左右一対がそれぞれ、弾性支持部材65と共に収容固定される(図6〜図9)。左右の発光機75Aと受光機75Bとは、発光素子と受光素子とがそれぞれ対向するように、幅方向略同位置に配置されており、発光機75Aからの信号を対向する受光機75Bで受光することで、第二フレーム構造の上側の連結フレーム7Fと第三フレーム構造の棒状の第三支持部材63との距離を検知する。
【0064】
また、第一実施形態では、膨縮制御のための構成として、センサ75(第三検知器)を備えると共に、第二下肢保持部2のスライド移動の下端位置を制御する制御部CPを、さらに備えてなる(図17)。この制御部CPは、センサ75(第三検知器)による検知情報(本実施形態では第二下肢保持部2と第三下肢保持部3間の距離L22(図11),L22´(図12))と、第二検知器74による検知情報(本実施形態では第一下肢保持部1と第二下肢保持部2間の距離L21(図11),L21´(図12))と、に基づいて、第一下肢保持部1と第三下肢保持部3間の距離L1(図12)を演算し、得られた演算値を記憶部MM(図17)に記憶する。この演算値は、第二下肢保持部2の上端位置からの限界スライド量として、第二下肢保持部2のスライド移動の制御に用いられる。具体的には、第二下肢保持部2の第三下肢保持部3側への移動の際に、制御部CPによって前記演算値が記憶部MMから呼び出され、第二下肢保持部2のスライド移動量が呼び出した演算値を超えることのないように制御される。
【0065】
なお、他の形態例として、センサ75(第三検知器)は、第一下肢保持部1及び第三下肢保持部3との間の距離を直接的に検知するものであってもよい。この場合には、センサ75(第三検知器)による検知情報の値が第一下肢保持部1と第三下肢保持部3間の距離(L1)の相当値になっており、当該値をそのまま記憶部MMに記憶し、この値が、第二下肢保持部2の上端位置からの限界スライド量として、前述と同様に、第二下肢保持部2のスライド移動の制御に用いられることとなる。
【0066】
(使用方法例)
上述した第一実施形態の椅子式マッサージ機は、例えば、図10に示す第一の使用状態、例えば図11に示す第二の使用状態、図12に示す第三の使用状態のいずれかに示す使用方法によって使用することができる。特に、第一実施形態では、第一下肢保持部1によってひざ下近傍からふくらはぎ上半部に到る比較的広い範囲の部分を、ふくらはぎ上半部用に配置された第一膨縮袋(410S,410B)によって他の膨縮袋とは独立して集中施療することが可能である。また、第一実施形態では、第三下肢保持部3内の足の甲用に配置された第三側部膨縮袋430Sによって、足の甲の両側を覆うようにして押圧保持又は指圧刺激しながら足裏に当接した足裏施療子44を第三底部膨縮袋430Bの膨縮によって断続又は連続刺激し、他の下肢保持部の膨縮袋とは独立して集中施療することが可能である。
【0067】
しかして、第一実施形態では、第一、第二、第三のいずれの使用状態においても、第二下肢保持部2内の脚のふくらはぎ下半部ないしくるぶし用に配置された第二側部膨縮袋420Sによって、脚の両側を覆うようにして押圧保持又は指圧刺激しながら移動施療し、他の下肢保持部(第一下肢保持部1及び第三下肢保持部3)の膨縮袋と併せて(同時に又は時間をずらして順次)独立して集中施療することが可能である(図13)。また、いずれの使用状態においても、少なくとも第一側部施療子41Sたる第一側部膨張収縮袋410Sを、左右側部から被施療者のひざ下部位を挟み込んで固定的に保持する状態となるまで突出又は膨張させることにより、被施療者の下肢のうちひざ下部位を固定的に保持したひざ下保持状態とすることができる。
【0068】
或いは、前記第一側部施療子41Sたる第一側部膨縮袋410Sと共に、第三側部施療子43Sたる第三側部膨縮袋430Sを、左右側部から被施療者のひざ下部位と共に足部を固定的に保持する状態となるまで突出又は膨張させることにより、被施療者の下肢のうちひざ下部位と足部とを上下間距離を空けて固定的に保持した下肢保持状態とすることができる(図13)。
【0069】
そして、前記ひざ下部位を固定的に保持したひざ下保持状態、或いは、ひざ下部位と足部とを上下間距離を空けて固定的に保持した下肢保持状態のいずれかの状態のまま、第二側部施療子42Sを連続的に又は断続的に突出又は膨張させて、図13に示すようにひざ下乃至くるぶしの範囲を加圧施療しながら、第二下肢保持部2を被施療者の脚の長手方向にスライド移動させることで、摩り施療を行うようにしている。また、前記ひざ下部位を固定的に保持したひざ下保持状態、或いは、ひざ下部位と足部とを上下間距離を空けて固定的に保持した下肢保持状態のいずれかの状態のまま、第二下肢保持部2を所定の位置に移動させ、移動後又は移動中において、第二側部施療子42Sを連続的に又は断続的に突出又は膨張させて、ひざ下乃至くるぶしの範囲を加圧施療するようにしている。なお、上記摩り施療または加圧施療において、第二側部施療子42Sが施療する範囲は、ひざ下乃至くるぶしの範囲に限定されるものではなく、ひざ下乃至くるぶしの上側又はくるぶしの下側の範囲であってもよい。
【0070】
(第一の使用状態)
図10に示す第一の使用状態は、先ず、第一下肢保持部1と第二下肢保持部2を最上端の収納位置に配置したまま、第一凹部1D、第二凹部2D、第三凹部3Dへ下肢を収容し、ひざ裏を第一下肢保持部1の上端に合わせることで、弾性支持部材65に支持された第三支持部材63のスライド移動によって、第三下肢保持部3のみを脚の長手方向先方(足先方向)へスライド移動させ、被施療者の下肢を、任意の回動角度(約45度)かつその回動角度における脚の長さに合わせた適切な長さへの調節を終えた状態でセットする(図10a)。このとき、第一下肢保持部1下端と第三下肢保持部3上端の脚の長手方向距離はその状態の被施療者の下肢に適切な第一下肢長L1にセットされる。このセット動作(図10a)では第一下肢保持部1及び第二下肢保持部2が静止状態S1のままであり、第三下肢保持部3のみが長手方向足先方向(第一下肢保持部1とは反対側方向)へスライド移動する移動状態S2となる。
【0071】
次に、このセットした状態のまま、第二駆動源71によって第二下肢保持部2のみを脚の長手方向に沿ってスライド移動させ、これと共に、各下肢保持部に設けられた施療子4によって下肢の各位置への施療を行う(図10b)。このとき、第一下肢保持部1下端と第三下肢保持部3上端の脚の長手方向距離はその状態の被施療者の脚の長さに適切な第一下肢長L1にセットされたままであり、第二下肢保持部2は、この第一下肢長L1の範囲内でのみスライド移動する。ここで、第二下肢保持部2の第二凹部2D内の各面に対応するように設けられた第二側部施療子42Sたる左右の第二側部膨縮袋420Sは、図示しない空気供給機構によって袋内に空気が充填された膨張状態となり、この膨張状態のままスライド移動する。このスライド移動によって、被施療者のふくらはぎ及び足首の側面を押圧刺激しながら擦動する、いわゆる擦り施療を行ったり、或いは被施療者のふくらはぎの側面を強く押圧固定しながら押動させ或いは引動させる、いわゆる伸縮施療を行ったりすることができる。
【0072】
(第二の使用状態)
図11に示す第二の使用状態は、先ず、第一下肢保持部1のみを最上端の収納位置に配置したまま、第一凹部1D、第二凹部2D、第三凹部3Dへ下肢を収容し、ふくらはぎを第一下肢保持部1の上端に合わせることで、第一支持部材61に対してスライド可能に支持された第二支持部材62のスライド移動によって、第二下肢保持部2及び第三下肢保持部3を、互いの距離を最短にした収納状態のまま脚の長手方向先方(足先方向)の途中位置までスライド移動させ、被施療者の下肢のうち略下半部を、任意の回動角度(たとえば、約45度)かつその回動角度における脚の長さよりも短い長さとして調節を終えた状態でセットする(図11a)。このとき、第一下肢保持部1下端と第二下肢保持部2上端の下肢上半部の長手方向距離はその状態の被施療者のひざが、第一下肢保持部1よりも上方へ浮いた第二上半下肢長L21にセットされる。このセット動作(図11a)では、第一下肢保持部1が静止状態のまま、第二下肢保持部2及び第三下肢保持部3が共に同移動量だけスライド移動する移動状態S2となる。
【0073】
次に、このセットした状態のまま、弾性支持部材65によって、第三下肢保持部3のみを脚の長手方向に沿ってスライド移動させ、これと共に、各下肢保持部に設けられた施療子4によって下肢の各位置への施療を行う(図11b)。このとき、第一下肢保持部1下端と第二下肢保持部2上端と間の脚の長手方向距離は、その状態の被施療者の下肢に適切な第二上半下肢長L21にセットされたままであり、第三下肢保持部3は、この第二上半下肢長L21よりも先の第二下半下肢領域L22でのみ足載せ部Oに配置された脚の長手方向にスライド移動する。ここで、第一下肢保持部1の第一凹部1D内の各面に設けられた第一側部施療子41Sたる左右の第一側部膨縮袋410S、及び第一底部施療子41Bたる第一底部膨縮袋410B、並びに/或いは、第二下肢保持部2の第二凹部2D内の各面に設けられた第二側部施療子42Sたる左右の第二側部膨縮袋420Sは、それぞれ、図示しない流体供給機構によって袋内に空気が充填された膨張状態となり、かつ、第三下肢保持部3の両側部に設けられた第三側部施療子43Sたる第三側部膨縮袋430Sが膨張状態となったまま、第三下肢保持部3のみが脚の長手方向に沿ってスライド移動する。このスライド移動によって、被施療者のふくらはぎの側面を押圧刺激しながら足先を押動させ或いは引動させることで、いわゆる脚全体の伸長方向に対する伸縮施療やふくらはぎへの擦動による擦り施療を行ったりすることができる。
【0074】
(第三の使用状態)
図12に示す第三の使用状態は、先ず、第一下肢保持部1のみを最上端の収納位置に配置したまま、第一凹部1D、第二凹部2D、第三凹部3Dへ下肢を収容し、ひざ裏を第一下肢保持部1の上端に合わせることで、第一支持部材61に対してスライド可能に支持された第二支持部材62のスライド移動によって、第二下肢保持部2及び第三下肢保持部3を、互いの距離を最短にした収納状態のまま脚の長手方向先方(足先方向)へスライド移動させ、被施療者の下肢を、任意の回動角度(たとえば、約45度)かつその回動角度における下肢の長さにあった長さとして調節を終えた状態でセットする(図12a)。このとき、第一下肢保持部1下端と第三下肢保持部3上端の脚の長手方向距離はその状態の被施療者の下肢に適切な第一下肢長L1にセットされ、かつ、第一下肢保持部1下端と第二下肢保持部2上端の下肢上半部の長手方向距離はその状態の被施療者の下肢が収容された第二上半下肢長L21’にセットされる。このセット動作(図12a)では第一下肢保持部1が静止状態のまま、第二下肢保持部2及び第三下肢保持部3が共に同移動量だけ長手方向足先方向(第一下肢保持部1とは反対側方向)へスライド移動する移動状態S2となる。
【0075】
次に、このセットした状態のまま、第二駆動源71によって、第二下肢保持部2のみを脚の長手方向に沿ってスライド移動させ、これと共に、各下肢保持部に設けられた施療子4によって下肢の各位置への施療を行う(図12b)。このとき、第一下肢保持部1下端と第三下肢保持部3上端の脚の長手方向距離はその状態の被施療者の脚の長さに適切な第一下肢長L1にセットされたままであり、第二下肢保持部2はこの第一下肢長L1の範囲内でのみスライド移動する。ここで、第二下肢保持部2の第二凹部2D内の各面に設けられた第二側部施療子42Sたる左右の第二側部膨縮袋420Sは、図示しない流体供給機構によって袋内に空気が充填された膨張状態となり、この膨張状態のままスライド移動する。このスライド移動によって、被施療者のふくらはぎ及び足首の側面を押圧刺激しながら擦動する、いわゆる擦り施療を行ったり、或いは被施療者のふくらはぎの側面を強く押圧固定しながら押動させ或いは引動させる、いわゆる伸縮施療を行ったりすることができる。この施療動作(図12b)では、第一下肢保持部1及び第三下肢保持部3が静止状態S1のまま、第二下肢保持部2のみがスライド移動する移動状態S2となる。このとき、第三支持部材63を支持する弾性支持部材65の弾性反力によって、第二下肢保持部2の施療位置に応じた足裏への第三下肢保持部3の当接力が調整される。なお、別の施療動作として、第二下肢保持部2のみがスライド移動したとき、第三支持部材63を支持する弾性支持部材65の弾性反力によって、第三下肢保持部3の位置が僅かに足載せ部Oに配置された脚の長手方向に向かってスライド移動してもよい。
【0076】
上記のように、第一実施形態では、第二下肢保持部2は、第二駆動源71を駆動させることにより、被施療者の所望する位置に移動することが可能なように構成されている。また、第三下肢保持部3は、弾性支持部材65を伸縮させることにより、被施療者の所望する位置に移動することが可能なように構成されている。たとえば、被施療者の脚の長さが大きく、第一下肢保持部1ではふくらはぎの下部が十分に保持することができない場合には、第二下肢保持部2を第一下肢保持部1側にスライド移動させることにより、ふくらはぎの下部も第二下肢保持部2の施療子4により十分にマッサージすることが可能である。また、ふくらはぎの下部をマッサージするよりも、足首近傍を十分にマッサージしたい場合には、第二下肢保持部2を第三下肢保持部3側にスライド移動させることにより、 足首近傍も第二下肢保持部2の施療子4により十分にマッサージすることが可能である。
【0077】
(制御方法例)
上述した第一実施形態の椅子式マッサージ機は、例えば、図17に示す各第一側部施療子41S,第二側部施療子42S及び第三側部施療子43Sの膨縮機構によって構成され、前記第一、第二、第三のいずれかの使用状態において、例えば図18に示す第一の動作プログラム、図19に示す第二の動作プログラム、或いは図20に示す第三の動作プログラムのいずれかの手順で使用することができる。
【0078】
図17は、第一側部施療子41S、第二側部施療子42S及び第三側部施療子43Sが5つの電磁弁V1〜V5に独立して或いは組み合せたエアー配管によって分配された膨縮機構の構成図を示す。制御部CPは、操作部R(リモコン)の操作を起点として、第二駆動源71のモータMを所定方向及び所定量だけ回転又は停止させ、また、各第一側部施療子41S、第二側部施療子42S及び第三側部施療子43へエアーを圧入するコンプレッサー部Cを作動又は停止させ、また、各電磁弁V1〜V5を給排気させることで、各施療子の膨張収縮を制御する。また、制御部CPは、必要に応じて記憶部MMからの記憶データ(第一実施形態では第三下肢保持部3の位置情報)を抽出して、モータM(第二駆動源71)の回転量制御を行う。
【0079】
ここで、第一実施形態の各電磁弁V1〜V5は、図示しないエアー配管を介してコンプレッサー部Cに連通接続された流入口(図示せず)と、第一側部施療子41S、第二側部施療子42S及び第三側部施療子43Sの各膨縮袋に連通接続された流出口(図示せず)と、いずれにも連通されない開放状態の開放口とを有する三方弁からなる。これら各電磁弁V1〜V5は、内部の三方弁動作によって、開放弁の閉弁による保持状態、開放弁の開弁による排気状態、及び、保持状態/開放状態のいずれかにおいて流入口側を開弁した圧入状態、の各種状態に移行する。また、電磁弁V1〜V5は、上位側の第一底部膨縮袋410B制御用の第一電磁弁(V1)、左右の第一側部膨縮袋410S及び左右の第二側部膨縮袋420S制御用の第二電磁弁(V2)、下位側の第一底部膨縮袋410B制御用の第三電磁弁(V3)、第三底部膨縮袋430B制御用の第四電磁弁(V4)、並びに、左右の第三側部膨縮袋430S制御用の第五電磁弁(V5)からなり、五つのエアー配管系統それぞれに介設される。なお、エアー配管の系統は、制御内容によって本数及び組み換え調節が可能であり、例えば、第二側部膨縮袋420Sの系統のみを、第一側部施療子41Sや第三側部施療子43Sとは独立した第二エアー配管で構成し、この第二エアー配管に、第二側部膨張収縮袋420Sの制御専用の独立電磁弁を介設することができる。
【0080】
なお、第二駆動源71のモータMは、一方向(例えば第二下肢保持部2を第三下肢保持部3側へ移動させる遠方への離間方向)への駆動命令と、他方向(例えば第二下肢保持部2を第一下肢保持部1側へ移動させる近接方向)への駆動命令とに分けて制御命令を出す。
【0081】
図18は第一の動作プログラムの各手順を示すフロー図であり、予め、第三下肢保持部3の移動動作を終えて各下肢保持部へ下肢が収容された状態(例えば図10(a)或いは図11(a)の動作完了後の状態)にあることを前提とし、この状態において、本発明の「摩り施療」を行う場合の基本手順例を示す。
【0082】
第一の動作プログラムは、先ず、操作部Rから「摩り施療」の開始動作命令を受けたかどうかをON/OFF確認し、開始動作命令を受けていない場合は、動作命令ONが認識できるまで確認手順を繰り返す(s1)。「摩り施療」の開始動作命令がONであれば、第二下肢保持部2が第一下肢保持部1と当接するまでモータM(第二駆動源71)を駆動させ、第二下肢保持部2が第一下肢保持部1と当接する初期位置にセットする(s2)。また、この「摩り施療」の開始動作命令がONであることを認識した時点から、制御部CPは後述のs8手順のためのタイマーを起動させ、経過時間を測定しておく。
【0083】
このモータ駆動による初期位置へのセットが完了次第、第一下肢保持部1、第二下肢保持部2及び第三下肢保持部3の各膨縮袋(エアーバッグ)内の内部空気を排出し、すべての膨縮袋が完全に排気された初期状態にセットする(s3)。なお、膨縮袋の代わりに突出子や振動子からなる施療子を用いた構成においては、本手順により、これら施療子が完全に非突出状態となる位置にセットすることとなる。
【0084】
これらの初期位置ないし初期状態へのセットが完了すれば、次に、排気状態(非突出状態)の膨縮袋内(施療子)にエアーを圧入させるか突出移動させて、第一側部膨縮袋410S,第二側部膨縮袋420S及び第三側部膨縮袋430Sを共に膨張状態とし(s4)、電磁弁V2及び電磁弁V5を保持状態とすることで、この膨張状態を保持する(s5)。
【0085】
膨張状態の保持が完了次第、次いで第二側部膨縮袋420Sを膨張状態に維持したまま、モータMたる第二駆動源71を一方向(s6)又は他方向(s7)にそれぞれ所定量ずつ回転させ、当該モータMの制御する第二下肢保持部2を、第三下肢保持部3側への離間方向、或いは第一下肢保持部1側への近接方向へ移動させる(s6,s7)。なお、ここで、回転による第二下肢保持部2の移動量は、操作部Rで手動セットした操作値に従うか、或いは予め記憶部MMに記憶された設定値のいずれかに従うものとする。s7の手順が終わる度に、前記「摩り施療」ONの認識によって起動したタイマーによって、開始動作命令のON認識時点から予め設定された所定時間が経過したかどうかをチェックし(s8)、所定時間未経過の場合は再びs6手順に移行して、所定時間が経過するまでs6〜s7の手順を繰り返す。これにより、第二側部施療子42S(第二側部膨縮袋420S)を膨張させたまま第二下肢保持部2を移動させる摩り施療が繰り返し行われることとなる。所定時間が経過した場合は、第一下肢保持部1、第二下肢保持部2及び第三下肢保持部3の施療子(第一側部施療子41S、第二側部施療子42S及び第三側部施療子43S)の膨縮袋(エアーバッグ)のエアーを排出し(s9)、プログラムが終了する。
【0086】
図19は第二の動作プログラムの手順を示すフロー図であり、予め、第三下肢保持部3の移動動作を終えて各下肢保持部へ下肢が収容された状態(例えば図10(a)或いは図11(a)の動作完了後の状態)にあることを前提とし、この状態において、第二側部施療子42Sのパルス動作(短時間での連続膨縮(パルス)動作)を伴った「パルス摩り施療」を行う場合の基本手順例を示す。
【0087】
第二の動作プログラムは、先ず、操作部Rから「パルス摩り施療」の開始動作命令を受けたかどうかをON/OFF確認し、開始動作命令を受けていない場合は、動作命令ONが認識できるまで確認手順を繰り返す(s1)。「パルス摩り施療」の開始動作命令がONであれば、第二下肢保持部2が第一下肢保持部1と当接するまでモータM(第二駆動源71)を駆動させ、第二下肢保持部2が第一下肢保持部1と当接する初期位置にセットする(s2)。また、この「パルス摩り施療」の開始動作命令がONであることを認識した時点から、制御部CPは後述のs28手順のためのタイマーを起動させ、経過時間を測定しておく。
【0088】
このモータ駆動による初期位置へのセットが完了次第、第一下肢保持部1、第二下肢保持部2ないし第三下肢保持部3の各膨縮袋(エアーバッグ)内の内部空気を排出し、すべての膨縮袋が完全に排気された初期状態にセットする(s3)。なお、膨縮袋の代わりに突出子や振動子からなる施療子を用いた構成においては、本手順により、これら施療子が完全に非突出状態となる位置にセットすることとなる。
【0089】
これらの初期位置ないし初期状態へのセットが完了すれば、次に、排気状態(非突出状態)の膨縮袋内(施療子)にエアーを圧入させるか突出移動させて、第一側部膨縮袋410S,第二側部膨縮袋420S及び第三側部膨縮袋430Sを共に膨張状態とし(s4)、電磁弁V2及び電磁弁V5を保持状態とすることで、この膨張状態を保持する(s5)。
【0090】
この膨張状態の保持動作が完了したとき、モータMたる第二駆動源71を一方向に所定量回転させたのちに停止し、当該モータの制御する第二下肢保持部2を一方向へ小範囲分だけ移動させる(s2A)。次いで、第二下肢保持部2の膨縮袋(第二側部膨縮袋420S)をパルス信号によって小刻みに膨縮させる(s2B)。次いで初回のs2A手順の開始時から、s2B手順までのA動作及びB動作の繰り返し回数(N1)をカウントし、所定回数(N1)を繰り返したかどうかをB手順の終了後ごとにチェックし(s26)、A動作及びB動作が繰り返し回数(N1)を繰り返していない場合は所定回数(N1)を経るまでs2A〜s2B手順を繰り返す。これによって、第二下肢保持部2の小刻みな一方向移動と、各移動後の位置での第二側部膨縮袋420Sによる短時間連続膨縮(パルス)動作とを交互に繰り返す。なお、短時間連続膨縮(パルス)動作とは、流入口からのコンプレッサー部Cから圧入された空気を保持した後、所定時間の吸気と排出とを繰り返して、膨縮袋が膨張した状態をある程度維持した状態で、膨縮袋を小刻みに膨縮させることで行う。なお、上記所定時間の給気及び排出は、それぞれ、1秒以内の給気及び排出である。
【0091】
s2A〜s2B手順を所定回数(N1)だけ繰り返した場合は、次にモータMを他方向に所定量回転させ、当該モータの制御する第二下肢保持部2を反対方向へ移動させたのちに停止し、第二下肢保持部2を、前記一方向と逆の他方向へ移動させる(s2C)。次いで第二下肢保持部2の膨縮袋(第二側部膨縮袋420S)を、パルス信号によって小刻みに膨縮させる(s2D)。次いで、直前のs2C手順の開始時からs2D手順までの繰り返し回数(N2)をカウントし、C動作及びD動作が繰り返し回数(N2)を繰り返したかどうかをs2D手順の終了後ごとにチェックし、所定回数(N2)を繰り返していない場合には、所定回数(N2)を経るまでs2C〜s2D手順を繰り返す。これによって、第二下肢保持部2の小刻みな一方向移動と、各移動後の位置での第二側部膨縮袋420Sによる短時間連続膨縮(パルス)動作とを交互に繰り返す。
【0092】
このCD手順を所定回数(N2)だけ繰り返し、s27の手順が終わる度に、前記「摩り施療」ONの認識によって起動したタイマーによって、開始動作命令のON認識時点から予め設定された所定時間が経過したかどうかをチェックし(s28)、所定時間未経過の場合は再びs2A手順に移行して、所定時間が経過するまでs2A〜s2B及びs2C〜s2Dの手順を繰り返す。これにより、第二側部施療子42Sを膨張させたまま第二下肢保持部2を小刻みに移動させ、各移動位置でパルス膨縮を行うパルス摩り施療が、第三下肢保持部3側へ離間する一方向移動、第一下肢保持部1側へ近接する他方向移動の移動動作の繰り返しによって行われることとなる。所定時間が経過した場合は第一下肢保持部1、第二下肢保持部2及び第三下肢保持部3の施療子(第一側部施療子41S、第二側部施療子42S及び第三側部施療子43S)の膨縮袋(エアーバッグ)のエアーを排出し(s9)、プログラムが終了する。
【0093】
図20は第三の動作プログラムの手順を示すフロー図であり、予め、第三下肢保持部3の移動動作を終えて各下肢保持部へ下肢が収容された状態(例えば図10(a)或いは図11(a)の動作完了後の状態)にあることを前提とし、この状態において、センサ75(第三検知器)の検知情報を利用して、第二下肢保持部2の移動を制御しながら本発明の「摩り施療」を行う場合の手順例を示す。
【0094】
第三の動作プログラムは、先ず、操作部Rから「摩り施療」の開始動作命令を受けたかどうかをON/OFF確認し、開始動作命令を受けていない場合は、動作命令ONが認識できるまで確認手順を繰り返す(s1)。「摩り施療」の開始動作命令がONであれば、第二下肢保持部2が第一下肢保持部1と当接するまでモータM(第二駆動源71)を駆動させ、第二下肢保持部2が第一下肢保持部1と当接する初期位置にセットする(s2)。また、この「摩り施療」の開始動作命令がONであることを認識した時点から、制御部CPは後述のs8手順のためのタイマーを起動させ、経過時間を測定しておく。
【0095】
このモータ駆動による初期位置へのセットが完了次第、第三下肢保持部3の第二下肢保持部2との相対距離をセンサ75(第三検知器)によって取得し(s33)、センサ部による取得情報を現在位置として演算、記憶する(s34)。次いで、第一下肢保持部1、第二下肢保持部2及び第三下肢保持部3の各膨縮袋(エアーバッグ)内の内部空気を排出し、すべての膨縮袋が完全に排気された初期状態にセットする(s35)。なお、膨縮袋の代わりに突出子や振動子からなる施療子を用いた構成においては、本手順により、これら施療子が完全に非突出状態となる位置にセットすることとなる。
【0096】
これらの初期位置ないし初期状態へのセットが完了すれば、次に、排気状態(非突出状態)の膨縮袋内(施療子)にエアーを圧入させるか突出移動させて、第一側部膨縮袋410S,第二側部膨縮袋420S及び第三側部膨縮袋430Sを共に膨張状態とし(s36)、電磁弁V2及び電磁弁V5を保持状態とすることで、この膨張状態を保持する(s37)。
【0097】
この膨張状態の保持動作が完了したとき、第二側部膨縮袋420Sを膨張状態に維持したまま、第二下肢保持部2が前記記憶された第三下肢保持部3の位置に対応する位置までスライド移動するように、モータMを一方向に所定量回転させ、第二下肢保持部2を第三下肢保持部3の位置に対応する位置まで移動させる(s38)。
【0098】
この第二下肢保持部2の一方向(第三下肢保持部3側)への移動手順(s38)の際には、記憶部MMから第三下肢保持部3と第一下肢保持部1との間の距離L1の記憶データを呼び出し、第二下肢保持部2のスライド移動量が、第三下肢保持部3と第一下肢保持部1との間の距離(L1)を超えることのないように制御する。
【0099】
次いで、第二側部膨縮袋420Sを膨張状態に維持したまま、第二下肢保持部2が第一下肢保持部1と当接する位置までスライド移動するように、モータを他方向に所定量回転させ、第二下肢保持部2を第一下肢保持部1と当接する位置まで移動させる(s39)。このs38,s39の手順を繰り返し、s39の手順が終了するたびに、前記「摩り施療」ONの認識によって起動したタイマーによって、開始動作命令のON認識時点から予め設定された所定時間が経過したかどうかをチェックし(s8)、所定時間未経過の場合は再びs38手順に移行して、所定時間が経過するまでs38〜s39の手順を繰り返す。これにより、第二側部施療子42S(第二側部膨縮袋420S)を膨張させたまま第二下肢保持部2を繰り返し移動させる摩り施療が、第三下肢保持部3の位置に対応した第二下肢保持部2の移動量制御と共に行われることとなる。所定時間が経過した場合には、第一下肢保持部1、第二下肢保持部2及び第三下肢保持部3の施療子(第一側部施療子41S、第二側部施療子42S及び第三側部施療子43S)の膨縮袋(エアーバッグ)のエアーを排出し(s9)、プログラムが終了する。
【0100】
(第一実施形態の作用効果)
以下、上述の第一実施形態の構成における作用効果を説明する。
【0101】
第一実施形態の椅子式マッサージ機においては、座部Bと、前記座部Bの前方に回動可能に設けられ、座部Bに着座した被施療者の下肢のひざ下部位を収容し得る第一下肢保持部1と、前記第一下肢保持部1に隣接するように設けられ、座部Bに着座した被施療者の下肢のうち、ひざ下より下方の部位を収容し得る第二下肢保持部2と、前記第二下肢保持部2の前記第一下肢保持部1とは反対側に隣接するように設けられ、座部Bに着座した被施療者の下肢のうち、くるぶしより下方の部位を収容し得る第三下肢保持部3と、第一下肢保持部1、第二下肢保持部2及び前記第三下肢保持部3の、被施療者の下肢を収容する各収容部内にそれぞれ設けられ、各収容部内の被施療者の下肢を施療し得る施療子4とを含む足載せ部Oとを備えるものとしている。ここで前記施療子4は、突出又は膨張可能に第一下肢保持部1に設けられ、突出又は膨張によって、第一下肢保持部1内に収容した被施療者のひざ下部位を保持し得る第一側部施療子41Sと、第二下肢保持部2に突出又は膨張可能に設けられ、突出又は膨張によって、第二下肢保持部2内に収容した被施療者のひざ下より下方の部位に対応するように配置される第二側部施療子42Sとを具備してなる。そして、前記第一側部施療子41Sを突出又は膨張させることにより第一下肢保持部1に被施療者のひざ下部位を固定的に保持させた状態で、第二側部施療子42Sを突出又は膨張させた状態のまま、第二下肢保持部2を被施療者の脚の長手方向にスライド移動させるように構成されている。このように構成すれば、被施療者の下肢のうち少なくともひざ下部位を保持してその下に連なるひざ下よりも下方の部位が大きく位置ずれしないようにすることができる。ここで、ひざ下よりも下方の部位は、筋肉が少なく骨や腱の刺激によって痛みや違和感を覚え易い部位も含まれるところ、前記ひざ下部位を保持し、かつ、第二側部施療子42Sを突出又は膨張させた状態のまま、ひざ下部位よりも下部の摩り施療を行うことによって、ひざ下よりも下方の部位の的確な摩り施療を行い、施療による不快感や違和感の発生を抑制することが可能となる。
【0102】
また、第一実施形態では、上記のように、前記第一側部施療子41S及び前記第三側部施療子43Sを突出又は膨張させることにより前記第一下肢保持部1及び第三下肢保持部3に被施療者のひざ下部位及び足を固定的に保持させた状態で、前記第二側部施療子42Sを突出又は膨張させた状態のまま、前記第二下肢保持部2を被施療者の脚の長手方向にスライド移動させることとしている。このように構成すれば、被施療者の下肢のうち、ひざ下部位及び足からなる上下の保持部位をそれぞれ保持して、ひざ下よりも下方の部位の角度変化や位置ずれをより抑制し、この状態のままスライド施療を行うことで、前記上下の保持部位間の摩り施療をより的確に行い、施療による不快感や違和感の発生をより確実に抑制することが可能となる。
【0103】
また、第一実施形態では、上記のように、前記第二側部施療子42Sは、被施療者の下肢への接触部が、前記第一側部施療子41Sの下肢への接触部よりも柔らかい構成材からなるものとしている。このように構成すれば、比較的硬い構成材からなる接触部でひざ下を保持しながら、その下方の部位を、比較的柔らかい構成材からなる第二側部施療子42Sの接触部によって施療することで、比較的筋肉の少ない部位が含まれるひざ下より下方の部位に対して比較的柔らかい感触による施療を行うことができる。その結果、ひざ下より下方の部位を比較的柔らかい感触で摩り施療を行うことができるので、施療による不快感や違和感の発生をさらに抑制することが可能となる。
【0104】
また、第一実施形態では、上記のように、前記第二側部施療子42Sは、織布材を袋主材とし、袋内への空気の圧入によって立体形状となる空気袋からなり、前記立体形状となる空気袋のうち被施療者の下肢への接触部は、前記第二下肢保持部2内に収容した被施療者の下肢の表面形状に沿って変形した状態で被施療者の下肢と当接する物としている。これにより、織布材による空気袋が立体形状となり、また、そのうちの接触部が被施療者の下肢表面に沿って凹状に変形接触することで、被施療者のひざ下より下方の部位を包み込んだ状態で押圧施療することができる。
【0105】
また、第一実施形態では、上記のように、脚の長手方向に延びる方向における前記第三下肢保持部3の位置を検知するセンサ75(第三検知器)と、前記センサ75により検知された前記第三下肢保持部3の位置情報に基づいて前記第二下肢保持部2のスライド移動の下端位置を制御する制御部CPとをさらに備えたものとしている。これにより、第三下肢保持部3の上下位置の検知情報に基づき、第一下肢保持部1と第三下肢保持部3の間における第二下肢保持部2が移動する範囲を認識することができ、第二下肢保持部2のスライド移動を効率的に行うことができる。具体的には、第三下肢保持部3の移動量の検知から第二下肢保持部2のスライド移動量までを制御プログラムとして組み込むことで、第二側部施療子42Sによるスライド移動を伴う施療内容のプログラムを自動調整することができる。
【0106】
(第一実施形態における最小限構成)
また、第一実施形態では、上記のように、椅子式マッサージ機は、座部Bと、前記座部Bの前方に回動可能に設けられた第一下肢保持部1と、前記第一下肢保持部1に隣接するように設けられた第二下肢保持部2と、前記第二下肢保持部2の前記第一下肢保持部1とは反対側に隣接するように設けられた第三下肢保持部3と、前記第一下肢保持部1、前記第二下肢保持部2及び前記第三下肢保持部3にそれぞれ設けられ、被施療者の下肢をマッサージする施療子4とを含む足載せ部Oと、前記第一下肢保持部1と前記第三下肢保持部3との間の移動可能範囲内で、前記第一下肢保持部1の移動又は回動動作、及び、前記第三下肢保持部3の移動又は回動動作のそれぞれとは独立して、前記第二下肢保持部2を被施療者の脚の長手方向にスライド移動させるための第二駆動源71とを備えるものとしているが、このうち第三下肢保持部3及びその内部の第三側部施療子43Sは必ずしも必須の構成では無い。
【0107】
すなわち第一実施形態の構成のうちの最小限の構成として、少なくとも座部Bと、前記座部Bの前方に回動可能に設けられた第一下肢保持部1と、前記第一下肢保持部1に隣接するように設けられた第二下肢保持部2と、前記第一下肢保持部1、前記第二下肢保持部2にそれぞれ設けられ、被施療者の下肢をマッサージする施療子4とを含む足載せ部Oと、前記第一下肢保持部1よりも先側の移動可能範囲内で、前記第一下肢保持部1の移動又は回動動作は独立して、前記第二下肢保持部2を被施療者の脚の長手方向にスライド移動させるための第二駆動源71とを備えた、他の実施形態としてもよい。この他の実施形態においては、第一側部施療子41Sを突出又は膨張させることにより前記第一下肢保持部1に被施療者のひざ下部位を固定的に保持させたひざ下保持状態とし、かかるひざ下保持状態において、前記第二側部施療子42Sを突出又は膨張させながら、前記第二下肢保持部2を被施療者の脚の長手方向にスライド移動させる。第二側部施療子42Sによってスライド移動しながら加圧する擦り施療を行った場合でも、ひざ下保持状態によってひざ下が第一下肢保持部1内に保持されているため、施療による不快感や違和感の発生を抑制することが可能となり、ひざ下より下方の部位内での的確な施療を効率的に行うことが可能となる。
【0108】
(第二実施形態)
図13に示す第二実施形態の椅子式マッサージ機は、前記第一実施形態の椅子式マッサージ機とは、第二下肢保持部2の奥行き方向の長さの点で異なっており、他の基本構成、構造、動作及び効果は第一実施形態と同様である。以下、第一実施形態との相違点を中心に説明する。
【0109】
第二実施形態では、図13に示すように、第二下肢保持部2の奥行き方向(前後方向)の最大長さ2Lが、第一下肢保持部1の奥行き方向(前後方向)の最大長さ1L、第三下肢保持部3の奥行き方向(前後方向)の最大長さ3Lのいずれよりも小さいものとしている。また、第一下肢保持部1の奥行き方向(前後方向)の最大長さ1Lが、第三下肢保持部3の奥行き方向(前後方向)の最大長さ3Lよりも小さいものとしている。第二下肢保持部2の奥行き方向の最大長さ2Lを短く構成し、その内部に一対形成した第二凹部2Dの各側面に第二側部施療子42Sを配置することで、くるぶし、ふくらはぎ下の足首神経といった小範囲の施療部分を大きく外れることなく、ピンポイントで集中的に施療することができる。また、第二側部施療子42が足首の側部よりも後方の範囲内にのみ配されることとなり、他の箇所と比較して細い足首の形状に対応した適度な施療を可能としている。
【0110】
(他の実施形態例(変形例))
本発明は、上述した第一実施形態及び第二実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更又は変形が可能である。第一実施形態及び第二実施形態では、第一下肢保持部1の第一凹部1Dの側面に対応する位置に左右一対の第一側部膨縮袋410Sを配置し、底面に対応する位置に第一底部膨縮袋410Bを上下に分割して並設した例(図14(a))について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、例えば、図14(b)に示すように、第一凹部1Dの側面に対応する位置に左右一対の第一側部膨縮袋410Sを上下に分割して並設してもよいし、底面に対応する位置に第一底部膨縮袋410Bを1つのみ設けてもよい。つまり、ふくらはぎの各側面を上部と下部とに分けて施療可能としている。また、図14cに示すように、第一凹部1D内の底面に対応する位置に配置した第一底部膨縮袋410Bを左右に分割して並設するようにしてもよい。つまり、ふくらはぎ裏面をさらに左右部分に分けて施療可能としている。
【0111】
また、第一実施形態及び第二実施形態では、第二下肢保持部2の第二凹部2Dの側面に対応する位置のみに左右一対の第二側部膨縮袋420Sを配置し、底面に対応する位置には膨縮袋を配置しない例(図14(a))について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、例えば、図14(d)に示すように、第二凹部2Dの底面に対応する位置に第二底部施療子42B(第二底部膨縮袋420B)を設けても良い。これにより、被施療者のふくらはぎ下部から足首の裏面側の筋肉と腱とを接続する箇所及び腱を第二底部膨縮袋420Bにより押圧し、筋肉と腱とを接続する箇所及び腱をストレッチする施療を行うことができる。
【0112】
また、第一及び第二実施形態では、施療子4を、第一側部施療子41S、第一底部施療子41B、第二側部施療子42S、第三側部施療子43Sをそれぞれ空気膨縮袋たるエアバッグで構成し、エアーの給排気機構によってそれぞれ独立して膨張収縮可能としているが、本発明はこれに限られない。これら第一側部施療子41S、第一底部施療子41B、第二側部施療子42S、第三側部施療子43Sのうち、少なくともいずれかを突起体からなる施療子又は揉み玉で構成してもよい。また、第三底部施療子として足裏施療子44を下部に備えたエアバッグの膨張縮で移動する突起体によって構成しているが、これを機械駆動式の揉み玉又は突起体とし、或いは空気膨縮袋たるエアバッグで構成してエアーの直接の給排気機構によって足裏へ直接接触しながら膨張収縮するものとしてもよい。
【0113】
また、第一及び第二実施形態では、第一駆動源55、第二駆動源71は、それぞれ、座の下部にてフレーム支持された第一駆動源55(図3)、第二支持部材62のフレーム部70内に支持された第二駆動源71(図6、図7)からなるものとしているが、この他に、エアーの給排気構造によって第二下肢保持部2をスライド移動するために駆動したり第一下肢保持部1を回動させたりするものでもよい。また、駆動源として、ステッピングモータ、サーボモータを備えたものとし、移動量判別用のセンサ5Sやセンサ識別孔52hを省略することも可能である。
【0114】
上記のほか、例えば実施例間の各要素の組み合わせ、一部要素の付加、削除、公知部品への置換、部品形状又は部品材質の適宜変更や一部要素のみの抽出、一体又は別体の構成変更といった変更又は変形、或いは各制御プログラムにおける一部手順の省略、フロー手順の入れ替え、第一乃至第三制御プログラムの手順同士の順次組み合わせ及び相互組み込み、或いは一部手順の繰り返し等が可能である。
【符号の説明】
【0115】
1 第一下肢保持部
2 第二下肢保持部
3 第三下肢保持部
3D 第三凹部(足収容部)
4 施療子
410S 第一側部膨縮袋(第一施療子)
41S 第一側部施療子(第一施療子)
420S 第二側部膨縮袋(第二施療子)
42S 第二側部施療子(第二施療子)
430S 第三側部膨縮袋(第三施療子)
43S 第三側部施療子(第三施療子)
71 第二駆動源(駆動源)
75 センサ
B 座部
O 足載せ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座部と、
前記座部の前方に設けられ、前記座部に着座した被施療者のひざ下部位を収容し得る収容部を有する第一下肢保持部と、前記第一下肢保持部に隣接するように設けられ、前記座部に着座した被施療者のひざ下より下方の部位を収容し得る収容部を有する第二下肢保持部と、前記第一下肢保持部及び前記第二下肢保持部の各収容部内にそれぞれ設けられ、前記各収容部内の被施療者の下肢を施療し得る施療子とを含む足載せ部とを備え、
前記施療子は、突出又は膨張可能に前記第一下肢保持部に設けられ、突出又は膨張によって、前記第一下肢保持部内に収容した被施療者のひざ下部位を保持し得る第一施療子と、前記第二下肢保持部に突出又は膨張可能に設けられ、突出又は膨張によって、前記第二下肢保持部内に収容した被施療者のひざ下より下方の部位に対応するように配置される第二施療子とを具備してなり、
前記第一施療子を突出又は膨張させることにより前記第一下肢保持部に被施療者のひざ下部位を固定的に保持させた状態で、前記第二施療子を突出又は膨張させた状態のまま、前記第二下肢保持部を被施療者の脚の長手方向にスライド移動させるように構成された、椅子式マッサージ機。
【請求項2】
前記足載せ部は、前記第二下肢保持部の前記第一下肢保持部とは反対側に隣接するように設けられ、前記座部に着座した被施療者の足を収容し得る収容部を有する第三下肢保持部をさらに含み、

前記施療子は、前記第三下肢保持部に突出又は膨張可能に設けられ、突出又は膨張によって、前記第三下肢保持部内に収容した被施療者の足を保持し得る第三施療子をさらに具備してなり、
前記第一施療子及び前記第三施療子を突出又は膨張させることにより前記第一下肢保持部及び第三下肢保持部に被施療者のひざ下部位及び足を固定的に保持させた状態で、前記第二施療子を突出又は膨張させた状態のまま、前記第二下肢保持部を被施療者の脚の長手方向にスライド移動させるように構成された、請求項1に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項3】
前記第二施療子は、被施療者の下肢への接触部が、前記第一施療子の下肢への接触部よりも柔らかい構成材からなる、請求項1又は2に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項4】
前記第二施療子は、織布材を袋主材とし、袋内への空気の圧入によって立体形状となる空気袋からなり、
前記立体形状となる空気袋のうち被施療者の下肢への接触部は、前記第二下肢保持部内に収容した被施療者の下肢の表面形状に沿って変形した状態で被施療者の下肢と当接する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項5】
脚の長手方向に延びる方向における前記第三下肢保持部の位置を検知するセンサと、前記センサにより検知された前記第三下肢保持部の位置情報に基づいて前記第二下肢保持部のスライド移動の下端位置を制御する制御機構とをさらに備えた、請求項2に記載の椅子式マッサージ機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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