説明

椅子等の油圧制御装置

【課題】 従来にあっては、コストの安い直流モータを使用した流量可変ポンプを使用した場合において、速度制御が必要な場合には流量制御弁としてコストの高い比例制御弁を使用しなければならないため製品が高くなり、かつ装置として複雑になるといった問題があった。
【解決手段】 医療器具、手術台、理美容機器等の昇降装置であって、ポンプ2と、前記昇降装置の昇降・下降を行う少なくとも1つの単動シリンダ3と、前記ポンプよりの油を前記単動シリンダに対して供給し前記昇降装置を上昇させる第1の電磁弁5と、前記単動シリンダに滞留している油を油タンクに戻して前記昇降装置を下降させる第2の電磁弁6と、該第2の電磁弁を介して排出される油の油量を制限する絞り弁10と、前記単動シリンダよりの油を油タンクへ戻す油圧回路中に前記ポンプよりの油を供給し、該油の供給量を調整すると共に前記絞り弁の絞により油量を制限することで昇降装置の下降速度を制御する制御部13とより構成した椅子等の油圧制御装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器、手術台、理美容機器等の下降(背凭れの伏倒も含む)を行う昇降装置であって、油の流量を可変するポンプからの油量を制御して戻り油回路中に流し、下降時の速度制御を可能とした油圧制御回路を提供せんとするにある。
【背景技術】
【0002】
従来における単動シリンダの油圧制御回路としては、図8に示す油圧制御回路であった。以下、図8の油圧回路について説明するに、1は油タンク、2はポンプ、3は理美容椅子等における座部の昇降を行うための昇降シリンダ、4は背凭れの伏倒を行うための背凭れシリンダ、5〜8は2ポート電磁弁(以下、単に電磁弁という)である。なお、9はリリーフバルブ、10は絞り弁、11は逆止弁である。
【0003】
次に、前記油圧制御回路の動作について説明するに、座部を上昇させるには、電磁弁5を開放しポンプ2を駆動して油タンク1より加圧油を供給すると、該加圧油は電磁弁5、逆止弁11を介して昇降シリンダ3の下部側に注入されロッドが吐出方向に移動して座部を上昇させる。
【0004】
一方、上昇した座部を下降させるには、ポンプ2の駆動は停止状態となし電磁弁6を開放すると、昇降シリンダ3の下部に滞留している油が電磁弁6、絞り弁10を介して油タンク1内に戻されるのでロッドはシリンダ内に収容されて座部は下降を開始する。
【0005】
また、背凭れシリンダ4による伏倒方向の動作と起立方向の動作は電磁弁7,8の制御とポンプ2の動作を前記したと同様な制御を行うことで前記した座部の昇降動作と同じ動作を行うので説明は省略する。
【0006】
ところで、前記した従来例にあっては、座部の上昇や背凭れの起立時にはポンプの流量を変化させることで、上昇時の速度を変化させたり、上昇開始時と停止時の速度を制御してショックを無くすことが可能であるが、下降時にはポンプは動作させずに電磁弁の開度のみで座部の重量(着座している人の体重を含む)で下降させるために下降時の速度を変化させたり、下降時のショックを無くすことはできないといった問題があった。
【0007】
そこで、この下降時のショックを防止するものとして特開2008−142455号公報に記載された発明がある。この発明は、油圧ポンプ駆動用モータを油圧駆動の開始時には低速から徐々に加速し、駆動終了時には徐々に減速する手段を設けて、駆動開始時と駆動終了時における速度の急激な変動による衝撃を緩和するというものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−142455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、前記した特許文献の発明にあっては、流量可変ポンプを用いて椅子の下降速度制御を行うには、単動シリンダを複動シリンダに変更しつつ電磁弁の数を増やす必要があり、下降動作もポンプからの吐出油でシリンダを駆動する必要があった。このことから、比例電磁弁等の流量制御弁を使用することが一般的で製品の価格が高くなるといった問題があった。
【0010】
本発明は前記した問題点を解決せんとするもので、その目的とするところは、下降動作時にポンプからの吐出油を、単動シリンダからの戻り回路に流すと共に戻り回路中の絞り弁が戻り回路に流れる油の量を制限する。ポンプを制御して戻り回路に流れる油の量を調整することで、下降時の速度を変化させたり、下降開始時と停止時のショックを無くすことができ、また、コストの高い複動シリンダや比例制御弁を使用することなく行えるので製品としてのコスト低減を図ることができる椅子等の油圧制御装置を提供せんとするにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は前記した目的を達成せんとするもので、請求項1の手段は、医療器具、手術台、理美容機器等の昇降装置であって、ポンプと、前記昇降装置の昇降・下降を行う少なくとも1つの単動シリンダと、前記ポンプよりの油を前記単動シリンダに対して供給し前記昇降装置を上昇させる第1の電磁弁と、前記単動シリンダに滞留している油を油タンクに戻して前記昇降装置を下降させる第2の電磁弁と、該第2の電磁弁を介して排出される油の油量を制限する絞り弁と、前記単動シリンダよりの油を油タンクへ戻す油圧回路中に前記ポンプよりの油を供給し、該油の供給量を調整すると共に前記絞り弁の絞により油量を制限することで昇降装置の下降速度を制御する制御部とより構成したことを特徴とする。
【0012】
請求項2の手段は、前記した請求項1において、少なくとも前記第1の電磁弁と前記第2の電磁弁の直列回路に対して第3の電磁弁を並列接続し、昇降装置を下降させる時には前記第2の電磁弁と前記第3の電磁弁とを開放して第2の電磁弁の油排出側にポンプよりの油を前記第3の電磁弁を介して供給し、ポンプより排出される油量を前記制御部で制御した量の油と前記単動シリンダよりの油と混合することで昇降装置の下降速度を制御することを特徴とする。
【0013】
請求項3の手段は、前記した請求項1において、前記ポンプの出力側と前記第2の電磁弁の油吸入側との間に第1の逆止弁を介して接続すると共に、該第1の逆止弁と前記第2の電磁弁との接続点と前記単動シリンダとの接続点との間に第2の逆止弁を接続し、昇降装置を下降させる時には前記第2の電磁弁を開放すると共にポンプを動作させ排出される油を前記制御部で制御し、前記第2の電磁弁の油吸入側と前記第2の逆止弁との接続点に供給して混合することで昇降装置の下降速度を制御することを特徴とする。
【0014】
請求項4の手段は、前記した請求項1において、前記第1の電磁弁および第2の電磁弁を開放すると共に、ポンプを動作させ排出される油量を前記制御部で制御した油と前記単動シリンダより排出される油と混合することで前記昇降装置の下降速度を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は前記したように、第1の電磁弁と第2の電磁弁の少なくとも1つの直列接続に対して第3の電磁弁を並列接続しポンプより制御された油を流すことで、少なくとも1つ以上の単動シリンダを有する昇降装置を下降させる時に自由な低速度の下降に設定でき、かつ、スロースタート、スローストップ動作を行わせることができる。
【0016】
また、ポンプの出力側と第2の電磁弁の油吸入側との間に第1の逆止弁を介して接続すると共に、該第1の逆止弁と第2の電磁弁との接続点と単動シリンダとの接続点との間に第2の逆止弁を接続することで、少なくとも1つの以上の単動シリンダを有する昇降装置を下降させる時に自由な低速度での下降に設定することができると共にスロースタート、スローストップといった速度制御が行える。
【0017】
さらに、従来の油圧回路において昇降装置を下降させる時にポンプより油を供給すると共に第1の電磁弁を開放し、かつ、ポンプよりの油量を制御することで単動シリンダの下降速度を制御することができるので、既に設置されている昇降装置を多少の改良を行うことで自由な低速度での下降に設定することができるといった速度制御が行える等の効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る椅子等の油圧制御装置の第1の実施例を示す油圧回路である。
【図2】図1のタイミングチャート図である。
【図3】第2の実施例を示す油圧回路である。
【図4】図3のタイミングチャート図である。
【図5】第3の実施例を示す油圧回路である。
【図6】図5のタイミングチャート図である。
【図7】下降速度を一定にするための回路図である。
【図8】従来の単動シリンダを用いた昇降装置の油圧回路である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の椅子等の油圧制御装置の第1の実施例を図1、図2と共に説明する。なお、前記した従来例と同一符号は同一部材を示し説明は省略する。
図1において、12はポンプ2を駆動するためのモータである駆動源、13は該駆動源12の回転制御や電磁弁の開閉制御を行うための制御部である。また、14はリリーフバルブ9と並列接続した電磁弁である。
【0020】
なお、この実施例にあっては、油タンク1と電磁弁14の排油側との間に絞り弁10が接続され、また、電磁弁6,8の排油側には逆止弁11が接続されている。
【0021】
次に、図1の油圧回路による座部の下降動作を図2のタイミングチャート図と共に説明する。
先ず、通常動作について説明するに、上昇した座部を下降させるためにフットペダルの下降スイッチや肘掛けの側面に設けられている下降スイッチを操作してON状態とすると、制御部13によって電磁弁6を開放させる。この電磁弁6の開放によって昇降シリンダ3内に滞留している油が電磁弁6、逆止弁11、絞り弁10を介して油タンク1内に戻される。
【0022】
次に、下降動作を1/2の速度で座部を下降させる場合には、下降スイッチを操作すると制御部13によって第3の電磁弁14と駆動源12と電磁弁6が通電される。そして、シリンダ3の下降速度が前記した通常動作の1/2となるように制御部13は予め設定された量の油をポンプ2より吐出するように駆動源12を制御する。
【0023】
前記ポンプ2より吐出された油が第3の電磁弁14を介して油タンク1への戻り回路に流れる。従って、第3の電磁弁14よりの油と電磁弁6よりの油が合体されて絞り弁10に流れるので、座部は通常動作における下降速度の1/2の速度で下降することとなる。
【0024】
次に、座部のスロースタートとスローストップ制御である下降開始時と下降停止時の下降速度を緩やかに行わせる場合について説明する。
下降スイッチを操作すると、制御部13によって第3の電磁弁14、電磁弁6、駆動源12が通電され、ポンプ2よりの吐出量を図4のスロースタートで示すように、初めは吐出流量を多く流し電磁弁6の排油側の圧力を高く保ち、その後はポンプ2の吐出流量を徐々に下げるように制御する。
【0025】
従って、座部は徐々に下降速度が早くなるように制御される。従って、座部は徐々に下降速度が速くなる。すなわち、スロースタート動作が行われる。
【0026】
また、下降スイッチを停止させた時に、駆動源12の回転速度(吐出流量)を徐々に上昇させ、電磁弁14,6をポンプ2の吐出を止めるタイミングで弁を閉じるように制御することから、第3の電磁弁14の排出側の圧力が高くなって電磁弁6を介しての昇降シリンダ3よりの排油は徐々に少なくなる。従って、座部の下降速度は徐々に遅くなり緩やかに停止する、すなわち、スローストップ動作が行われる。
【0027】
なお、前記した第1の実施例で説明した動作説明は、昇降シリンダ3のみの動作について説明したが、背凭れ起伏用シリンダ4のみの動作についても昇降シリンダ3の時と同じ動作が行われることからシリンダ4のみの動作については説明を省略する。
【0028】
また、第1の実施例における座部の上昇および背凭れの起立動作については、第1の実施例で説明したと同様な動作、すなわち、電磁弁5,7を個別あるいは同時に開放することで行える。
【0029】
次に、第2の実施例を図3、図4と共に説明する。この実施例は第1の実施例と同様に座部昇降用のシリンダ3と背凭れ起伏用のシリンダ4の下降動作を速度制御する油圧回路であり、かつ、第1の実施例のような第3の電磁弁14を追加しないで行うようにしたものである。
【0030】
なお、図3において11aはポンプ2の油供給ラインと電磁弁6とシリンダ3の排油側との接続点、あるいはポンプ2の油供給ラインと電磁弁8とシリンダ4の排油側との接続点に接続された第1の逆止弁であり、また、11bは電磁弁6の給油側と電磁弁5に接続された逆止弁11との間に接続され、あるいは電磁弁8の給油側と電磁弁7に接続された逆止弁11との間に接続された第2の逆止弁にして、ポンプ2からの油が第1の逆止弁11aを介してシリンダ3に供給されるのを防止するための逆止弁である。
【0031】
次に、図3の油圧回路による座部の下降動作を図4のタイミングチャート図と共に説明する。
先ず、通常動作について説明するに、下降スイッチを操作すると制御部13によって電磁弁6を開放させる。この電磁弁6の開放によって昇降シリンダ3内に滞留している油が第2の逆止弁11b、電磁弁6、絞り弁10を介して油タンク1内に戻されるので、前記絞り弁10の絞り量に応じた速度で下降することとなる。
【0032】
次に、下降動作を1/2の速度で座部を下降させる場合には、下降スイッチを操作すると制御部13によって電磁弁6と駆動源12とが通電される。そして、シリンダ3の下降速度を前記した通常動作の1/2となるように制御部13は予め設定された量の油をポンプ2より吐出するように駆動源12を制御する。
【0033】
前記ポンプ2より吐出された油が電磁弁6と逆止弁11bとの接続点に流れる。従って、ポンプ2よりの油とシリンダ3からの油が合体されて絞り弁10に流れるので、座部は通常動作における下降速度の1/2の速度で下降することとなる。
【0034】
次に、座部のスロースタートとスローストップ制御である下降開始時と下降停止時の下降速度を緩やかに行わせる場合について説明する。
下降スイッチを操作すると制御部13によって電磁弁6と駆動源12が通電され、ポンプ2よりの吐出流量が図4のスロースタートで示すように、初めは吐出流量を多く流し電磁弁6の排油側の圧力を高く保ち、その後はポンプ2の吐出流量を徐々に下げるように制御する。
【0035】
従って、座部は徐々に下降速度が速くなるように制御される。すなわち、スロースタート動作が行われる。
【0036】
そして、座部がある一定の速さ状態で下降動作している状態において、下降スイッチを停止させると、制御部13は駆動源12の回転速度(吐出流量)を徐々に上昇させポンプ2よりの吐出流量が徐々に多くなるように制御することから、電磁弁6の圧力が徐々に高くなり昇降シリンダ3よりの排油は徐々に少なくなり、電磁弁6をポンプ2の吐出を止めるタイミングで弁を閉じる。従って、座部の下降速度は徐々に遅くなり緩やかに停止する、すなわち、スローストップ動作が行われる。
【0037】
なお、前記した第2の実施例で説明した動作説明は、昇降シリンダ3のみの動作について説明したが、背凭れ起伏用シリンダ4のみの動作についても昇降シリンダ3の時と同じ動作が行われることからシリンダ4のみの動作については説明を省略する。
【0038】
次に、第3の実施例を図5、図6と共に説明する。この実施例は前記した従来例における油圧回路を利用して簡易的に座部の昇降や背凭れの起伏速度や下降開始時と停止時のショックを軽減するようにしたものである。
【0039】
以下、図5の動作を図6のタイミングチャート図の通常動作(下降速度の制御を行わない従来例と同じ)と共に説明する。下降スイッチを操作しON状態とすると、制御部13によって電磁弁6が開放され昇降シリンダ3に滞留している油が電磁弁6、絞り弁10を介して油タンク1に戻される。そして、座部の下降速度は絞り弁10の開度によって決定される(従来例と同じ動作)。
【0040】
次に、下降動作を1/2の速度で座部を下降させる場合には、下降スイッチを操作すると制御部13によって電磁弁5,6と駆動源12とが通電される。そして、シリンダ3の下降速度を前記した通常動作の1/2となるように制御部13は予め設定された量の油をポンプ2より吐出するように駆動源12を制御する。
【0041】
前記ポンプ2より吐出された油が電磁弁5、絞り弁11を介して電磁弁6とシリンダ3の排油側に流れる。従って、ポンプ2よりの油とシリンダ3からの油が合体されて絞り弁10に流れるので、座部は通常動作における下降速度の1/2の速度で下降することとなる。
【0042】
次に、座部のスロースタートとスローストップ制御である下降開始時と下降停止時の下降速度を緩やかに行わせる場合について説明するに、下降スイッチが操作されると、制御部13は電磁弁5,6に通電を開始すると共に駆動源12を通電し、ポンプ2よりの吐出量が図6のスロースタート、スローストップのように制御する。このような制御を行うことで、昇降シリンダ3は、下降速度(流量)で示されるように下降開始時と下降停止時には緩やかな動作となってショックを軽減する。
【0043】
なお、背凭れの下降動作は前記した座部の下降動作と同じ動作であるので、背凭れの下降動作については説明を省略する。
【0044】
なお、前記した何れの実施例においても、理美容椅子や医療椅子等に着座する被施術者の体重差や室温による油の粘度差によって下降速度にバラツキが発生する。そこで、椅子等の昇降速度が体重差等によって変化することを検出し、この変化に応じて駆動源12の回転速度を制御することで体重差に関係なく予め設定した速度で昇降するようにした。
【0045】
以下、この実施例を図7と共に説明する。
21は理美容椅子における座部の上下動をリンク機構を介してポテンショメータによって抵抗値の変化量として検出する、例えば、特開2010−179003号公報に開示されている装置である。なお、検出センサとしては、光センサや位置センサ等の種々のものがある。
【0046】
22は前記ポテンショメータや光センサよりの電気信号を電圧値に変換し、この電圧値が単位時間(例えば、1秒)毎にどの程度変化するかを演算する演算回路、13は前記した制御部にして、予め設定されている単位時間毎の電圧変化と比較し、予め設定した電圧値との差異に対応した出力を送出する回路を含んでいる。そして、予め設定した速度に対応する電圧値が高い(速度が速い)場合には駆動源12を速く回転させ、予め設定した速度に対応する電圧値が低い(速度が遅い)場合には駆動源12を遅く回転させてポンプ2よりの油の吐出量を制御する。
【0047】
このように、ポンプ2よりの吐出量を制御することで、シリンダ3,4よりの油排出量(下降時)が一定となることで、被施術者の体重や油の粘度に関係なく予め設定したスロースタート、スローストップ制御が行えることとなる。もちろん、シリンダ3,4への油供給量(上昇時)にも予め設定した速度での制御も行えることとなる。
【符号の説明】
【0048】
1 油タンク
2 ポンプ
3 昇降シリンダ
4 背凭れシリンダ
5,7 第1の電磁弁
6,8 第2の電磁弁
9 リリーフバルブ
10 絞り弁
11 逆止弁
11′ 第2の逆止弁
12 駆動源
13 制御部
14 第3の電磁弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療器具、手術台、理美容機器等の昇降装置であって、
ポンプと、
前記昇降装置の昇降・下降を行う少なくとも1つの単動シリンダと、
前記ポンプよりの油を前記単動シリンダに対して供給し前記昇降装置を上昇させる第1の電磁弁と、
前記単動シリンダに滞留している油を油タンクに戻して前記昇降装置を下降させる第2の電磁弁と、
該第2の電磁弁を介して排出される油の油量を制限する絞り弁と、
前記単動シリンダよりの油を油タンクへ戻す油圧回路中に前記ポンプよりの油を供給し、該油の供給量を調整すると共に前記絞り弁の絞により油量を制限することで昇降装置の下降速度を制御する制御部と、
より構成したことを特徴とする椅子等の油圧制御装置。
【請求項2】
少なくとも前記第1の電磁弁と前記第2の電磁弁の直列回路に対して第3の電磁弁を並列接続し、昇降装置を下降させる時には前記第2の電磁弁と前記第3の電磁弁とを開放して第2の電磁弁の油排出側にポンプよりの油を前記第3の電磁弁を介して供給し、ポンプより排出される油量を前記制御部で制御した量の油と前記単動シリンダよりの油と混合することで昇降装置の下降速度を制御することを特徴とする請求項1記載の椅子等の油圧制御装置。
【請求項3】
前記ポンプの出力側と前記第2の電磁弁の油吸入側との間に第1の逆止弁を介して接続すると共に、該第1の逆止弁と前記第2の電磁弁との接続点と前記単動シリンダとの接続点との間に第2の逆止弁を接続し、昇降装置を下降させる時には前記第2の電磁弁を開放すると共にポンプを動作させ排出される油を前記制御部で制御し、前記第2の電磁弁の油吸入側と前記第2の逆止弁との接続点に供給して混合することで昇降装置の下降速度を制御することを特徴とする請求項1記載の椅子等の油圧制御装置。
【請求項4】
前記第1の電磁弁および第2の電磁弁を開放すると共に、ポンプを動作させ排出される油量を前記制御部で制御した油と前記単動シリンダより排出される油と混合することで前記昇降装置の下降速度を制御することを特徴とする請求項1記載の椅子等の油圧制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−115439(P2012−115439A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267407(P2010−267407)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000108672)タカラベルモント株式会社 (113)
【Fターム(参考)】