椅子
【課題】フットレストを使用しない収納状態においては、大幅に設置スペースを小さくすることができる椅子を提供する。
【解決手段】床面Fに置かれ使用者の脚部を収容するフットレスト2と、前記フットレスト2に連結され、少なくとも使用者の臀部を支持する身体受け部3とを備えた椅子1である。前記身体受け部3は、使用者の身体を置くための載置面14を有し、該載置面14が前記フットレスト2の上部に位置する収納状態から該載置面14が上向きに露出する展開状態へ状態変更可能となるように、前記フットレスト2に回動可能に連結されている。
【解決手段】床面Fに置かれ使用者の脚部を収容するフットレスト2と、前記フットレスト2に連結され、少なくとも使用者の臀部を支持する身体受け部3とを備えた椅子1である。前記身体受け部3は、使用者の身体を置くための載置面14を有し、該載置面14が前記フットレスト2の上部に位置する収納状態から該載置面14が上向きに露出する展開状態へ状態変更可能となるように、前記フットレスト2に回動可能に連結されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床面に置かれ使用者の脚部を収容するフットレストと、少なくとも使用者の臀部を支持する身体受け部を有する椅子に関し、特にフットレストに対する身体受け部の状態変更が可能な椅子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、床面に置かれるベース部(座部と背凭れ部)と、表側に着座面、裏側に身体を置くための載置面を有する可動上部(フットレスト)とを備えた椅子であって、着座面を上向きにした椅子状態から載置面を上向きに露出させる展開状態へ状態変更可能となるように、可動上部がベース部に連結された椅子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−211144号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の椅子は、外形寸法の大きいベース部(座部と背凭れ部)側を床面に設置し、外形寸法の小さい可動上部(フットレスト)側をベース部に対して状態変更可能に連結している。従って、可動上部が着座面を上向きにしてベース部上に配置された椅子状態にしても、床面に設置されるベース部の外形寸法が大きいため、大幅に設置スペースを小さくすることができない。
【0005】
そこで本発明は、このような問題を解消するためになされたものであり、フットレストを使用しない収納状態においては、大幅に設置スペースを小さくすることができる椅子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、床面に置かれ使用者の脚部を収容するフットレストと、前記フットレストに連結され、少なくとも使用者の臀部を支持する身体受け部とを備えた椅子であって、前記身体受け部は、使用者の身体を置くための載置面を有し、該載置面が前記フットレストの上部に位置する収納状態から該載置面が上向きに露出する展開状態へ状態変更可能となるように、前記フットレストに回動可能に連結されていることを特徴とする。
このような構成とすることにより、身体受け部の載置面がフットレストの上部に位置する収納状態にすると、椅子全体の床面方向における外形寸法を小さくできる。しかも、外形寸法が小さいフットレスト側を床面に設置するため、身体受け部側を床面に設置するよりも設置スペースを小さくでき、居住スペースを有効活用することができる。
【0007】
また、前記身体受け部は、前記載置面の裏側に使用者が着座する着座面を有し、前記収納状態では該着座面が上向きに露出するよう構成されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、収納状態としても身体受け部の着座面が上向きに露出するため、フットレストのない小型の椅子としても使用できる。
【0008】
また、前記身体受け部は、展開状態において該身体受け部を床面から所定の高さで支持する支持部を有していることが好ましい。
このような構成とすることにより、展開状態において載置面に着座した使用者の臀部が床面から所定の高さに位置するため、使用者は楽な姿勢でフットレストに脚部を収容することができる。
【0009】
また、前記支持部は、該支持部の一端が前記身体受け部に連結され、収納状態において該支持部の他端が前記一端よりも上部に位置するように構成されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、収納状態において支持部を着座面に着座した使用者の背凭れ部として使用することができる。
【0010】
また、前記支持部は、展開状態において該支持部の一端が前記身体受け部の後部に連結され、収納状態において該支持部の他端が前記着座面の上部又は側部に位置することができるように回動可能に構成されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、収納状態において支持部の他端を着座面の上部に位置させた場合は、支持部を着座面に着座した使用者の背凭れ部として使用することができる。また、収納状態において支持部の他端を着座面の側部に位置させた場合は、スツールとして使用することができるとともに高さ方向における外形寸法を小さくすることができる。
【0011】
また、前記支持部は、該支持部の前記身体受け部に対する回動を展開状態でロックする位置決め部を有していることが好ましい。
このような構成とすることにより、展開状態において前記身体受け部を床面から所定の高さで安定して支持することができる。
【0012】
また、前記載置面は、使用者の臀部及び背中を支持し、展開状態において前方へ向かうにつれて下方に傾斜した下方傾斜面を有し、前記フットレストの上部は、収納状態において前記載置面が当接する前方へ向かうにつれて下方に傾斜した下方傾斜面を有していることが好ましい。
このような構成とすることにより、収納状態において互いに当接する身体受け部の載置面とフットレストの上部とが相補的な形状であるため、収納状態としてもかさばることがない。
【0013】
また、前記フットレストと前記身体受け部とを収納状態で固定するロック機構を備えていることが好ましい。
このような構成とすることにより、収納状態における本発明の椅子を持ち運ぶ際に、展開状態となってしまうことを防止できる。
【0014】
また、収納状態における前記フットレストの前部、又は前記身体受け部の下部に床面を転動するための車輪を有していることが好ましい。
このような構成とすることにより、本発明の椅子を容易に移動させることができる。特に、収納状態において支持部の他端を着座面の上部に位置させた場合や、収納状態において支持部の他端を支持部の一端よりも上部に位置させた場合は、支持部を引き手として本発明の椅子を移動させることができる。
【0015】
また、前記フットレストと前記身体受け部のうち少なくともいずれかはマッサージ部を有していることが好ましい。
このような構成とすることにより、使用者は椅子のみならず、マッサージ機としても使用することができる。
【0016】
また、前記身体受け部は、エアの給排気により膨張収縮して使用者にマッサージを施すエアセルよりなるマッサージ部を有し、前記フットレストは、当該フットレスト内部にエア配管を介して前記マッサージ部に対してエアを給排気するエア給排気装置を有し、展開状態における前記フットレストの上部後方には、上方及び後方に開放端を有し該フットレスト内部に通じる第一溝が設けられ、展開状態における前記身体受け部の前部には、上方及び前方に開放端を有し該身体受け部内部に通じる第二溝が設けられ、前記第一溝と第二溝は、左右方向において互いに対応する位置に設けられていることが好ましい。
このような構成とすることにより、本発明の椅子を収納状態から展開状態又は展開状態から収納状態へと状態変化させても、身体受け部に設けられたマッサージ部とフットレストに設けられたエア給排気装置とを接続するエア配管が無理に曲げられたり引っ張られたりして破損してしまうことを防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、フットレストを使用しない収納状態においては、大幅に設置スペースを小さくすることができる椅子を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
[全体構成]
以下、本発明の第一実施形態に係る椅子について、図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は本発明の第一実施形態に係る展開状態における椅子の全体構成を示す前方斜視図であり、図2は本発明の第一実施形態に係る展開状態における椅子の全体構成を示す後方斜視図であり、図3は本発明の第一実施形態に係る第一収納状態における椅子の全体構成を示す前方斜視図であり、図4は本発明の第一実施形態に係る第一収納状態における椅子の全体構成を示す後方斜視図であり、図5は本発明の第一実施形態に係る第二収納状態における椅子の全体構成を示す前方斜視図であり、図6は本発明の第一実施形態に係る第二収納状態における椅子の全体構成を示す後方斜視図である。なお、図1〜図6のうち図1以外は、後述する身体受け部のマッサージ部及びエア配管を省略して図示している。
【0019】
図1及び図2に示すように、本発明の第一実施形態に係る椅子1は、使用者の脚部(膝下から足までの少なくとも一部)を収容することができるフットレスト2と、少なくとも使用者の臀部を支持することができる身体受け部3と、展開状態においてフットレスト2を設置する床面Fから所定の高さで身体受け部3を支持する支持部4とを備えている。また、身体受け部3はフットレスト2に対して前後方向に回動可能に連結され、支持部4は身体受け部3に対して前後方向に回動可能に連結して構成されている。
【0020】
そして、この椅子1は図1及び図2に示す展開状態から展開状態における身体受け部3の後部を前方へ回動させて椅子1を折り畳んだ図3及び図4に示す第一収納状態に状態変化させることが可能であり、第一収納状態から第一収納状態における支持部4の上部を後方へ回動させて椅子1を更に折り畳んだ図5及び図6に示す第二収納状態に状態変化させることが可能である。
【0021】
なお、本明細書における方向の概念は、展開状態においては、身体受け部3に着座した使用者が正面を向いて、その前方が「前」であり、後方が「後」であり、左手側が「左」であり、右手側が「右」であり、頭側が「上」であり、腰側が「下」であり、第一収納状態及び第二収納状態においては、展開状態におけるフットレストの方向を基準として各収納状態における椅子全体の方向を規定する。その他の場合は適宜説明するものとする。
【0022】
[フットレストの構成]
以下、図1,図2,及び図7に基づいてフットレスト2の構成について具体的に説明する。
図7は本発明の第一実施形態に係る椅子のフットレストの後方分解斜視図である。
フットレスト2は、使用者の左右の脚部(脚の膝下;足も含む)の後面を支持する後壁部5と、後壁部5の側方において後壁部5よりも若干後方位置から前方へ立設され、左右の脚部(脚の膝下;足も含む)の外側面を支持する外壁部6と、左右の外壁部6の間において後壁部5の前面位置から前方へ立設され、左右の脚部(脚の膝下;足も含む)の内側面を支持する中間壁部7と、後壁部5の下部において後壁部5よりも若干後方位置から前方へ立設され、左右の脚部の底面(足裏)を支持する底壁部8と、後壁部5の上部かつ左右の側壁部6,6の間において後方へ立設された上壁部9とを備えている。
【0023】
これら後壁部5、側壁部6,6、中間壁部7、及び底壁部8によって、上方及び前方が開放された一対の溝2a,2aが構成され、この溝2a内に使用者の左右の脚部を収容することができるようになっている。また、後壁部5、左右の側壁部6,6の後部、底壁部8の後部、及び上壁部9とによって、後方が開放された収納空間2bが構成され、この収納空間2bに後述するエア給排気装置100を収納できるようになっている。図7に示すように、フットレスト2は、収納空間2bを後方から覆う第一カバー部10aを有しており、収納空間2bが外部から露出しないよう構成されている。また、フットレスト2は、左右一対の側壁部6,6及び中間壁部7を前方及び上方から覆う第二カバー部10bを有しており、後述する操作部11をこの第二カバー部10bに取り付けることができるよう構成されている。この第一カバー部10aと第二カバー部10bによりフットレスト2のカバー部10が構成されている。また、底壁部8は下面が略平坦面に形成された板状部材であり、フットレスト2を床面Fに置くことができるようになっている。
【0024】
図1に示すように、フットレスト2には、一対の溝2a,2a内において使用者の脚部に対してマッサージするマッサージ部(脚用マッサージ部M1)Mが設けられている。この脚用マッサージ部M1はエアの給排気により膨張収縮して使用者の脚部に押圧マッサージを行うエアセルで構成されており、脚用マッサージ部M1へのエアの給排気は、フットレスト2内部(すなわち収納空間2b内)に設けられたエアポンプ100a及びバルブ100b等を有するエア給排気装置100によって行われる(図7参照)。この脚用マッサージ部M1は左右の後壁部5,5の前面、左右の側壁部6,6に内側面、中間壁部7の両側面、及び左右の底壁部8,8の上面にそれぞれ設けられている。
【0025】
中間壁部7の上部かつ後方には、第二カバー部10bを介して使用者が操作するための操作部11が設けられ、この操作部11はフットレスト2に設けられたマッサージ部M、及び後述する身体受け部3に設けられたマッサージ部Mの動作を制御するマイコン等よりなる制御部(図示せず)に接続されており、この制御部も収納空間2b内部に設けられている。
フットレスト(側壁部6)2の左右の外側面には、内側に向かって凹状に窪んだ把持部12が設けられている。従って、使用者が把持部12に指を掛けて椅子1を持ち上げて、椅子1を容易に移動させることができる。
【0026】
フットレスト2の上部、すなわち側壁部6,6及び中間壁部7の上部は、後方(後壁部5付近)から前方へ向かうにつれて下方へ傾斜し、かつ曲面である下方傾斜面とされている。詳細は後述するが、展開状態における身体受け部3の後部をフットレスト2に対して前方へ回動させた第一又は第二収納状態においては、この下方傾斜面に形成されたフットレスト2の上部に身体受け部3の載置面14が当接するよう構成されている(図3〜図6も参照)。
【0027】
図7に示すように、この椅子1はフットレスト2の上壁部9の左右方向における中央付近(すなわちフットレスト2の上部後方、かつ、左右方向中央付近)に、後述する身体受け部3に設けられたマッサージ部(臀部用マッサージ部M2、背中用マッサージ部M3)Mに接続されたエア配管101をフットレスト2内部へ挿通するための第一溝13が設けられている。この第一溝13は後方に向いた面を有する溝底部13aと、この溝底部13aの左右両側から後方に向かって立設された溝側部13b,13bとを有しており、この溝底部13aと溝側部13b,13bとによって上方が開放端となる第一溝上開放部13c及び後方が開放端となる第一溝後開放部13dが構成され、第一溝13はフットレスト2内部に連通している。
第一カバー部10aの上部かつ左右方向における中央付近には、上壁部9に設けられた第一溝13に対応する位置に第一溝カバー10a1が設けられており、第一溝カバー10a1によって第一溝上開放部13c及び第一溝後開放部13dの開放端を阻害しないよう第一溝13が後方から覆われている。すなわち、フットレスト2の上部後方には、上方向及び後方向に開放端を有する第一溝13が設けられているのである。
また、第一カバー部10aの上部かつ左右両端部には、前後方向に開放する第一カバー開放部10a2,10a2が設けられており、後述する上壁部9の左右両端部に設けられた身体受け部3とフットレスト2を連結する回動機構18に干渉することを防止している。
【0028】
[身体受け部の構成]
以下、図1〜図6及び図8に基づいて身体受け部3の構成について具体的に説明する。
図8は本発明の第一実施形態に係る椅子の身体受け部の前方斜視図である。なお、図8においては、身体受け部に設けられたマッサージ部M及びエア配管を省略して図示している。
図1に示すように、身体受け部3は、合成樹脂等よりなる硬質の身体受け部本体300と、ウレタンフォーム、スポンジ、又は発泡スチロール製の内装材とこの内装材を伸縮性のある外装材(カバー)によって覆われて構成される正面視で略矩形のクッション部301とによって構成されている。また、図8に示すように、身体受け部3は、展開状態において上向きに露出して使用者の臀部を支持する座部分3aと、前向きに露出して使用者の背中を支持する背凭れ部分3bとで構成されており、この座部分3aと背凭れ部分3bは連続して一体に形成されている。
【0029】
図1及び図3に示すように、身体受け部3は、展開状態において使用者の身体を置くためのクッション部301により構成される載置面14と、この載置面14の裏側に位置し、かつ第一又は第二収納状態において使用者が着座するための着座面15と、載置面14から立設された周壁部16とから構成されている。この着座面15と周壁部16は身体受け部本体300により構成されている。なお、第一又は第二収納状態において使用者が着座することができる着座面15は、身体受け部3の座部分3aに設けられている。
図1,図3及び図8に示すように、この周壁部16は前壁部16a、後壁部16b、左右の側壁部16c,16cとから構成されている。この左右の側壁部16c,16cには後述する身体受け部3を支持する支持部4が回動可能に連結されている。
この側壁部16cについてより詳細に説明すると、側壁部16cは、第二収納状態における支持部4を側壁部16c内に収容する収容溝17を有しており、この収容溝17は、第一又は第二収納状態において上方及び内側に窪んだ形状となっている。すなわち、この収容溝17は展開状態において下方に向く面を有する溝底面17aと、この溝底面17aの左右方向内側から立設され左右方向外側に向く面を有する溝側面17bとで構成されている。そして、支持部4はこの溝側面17bに前後方向に回動可能に枢支されている。
【0030】
図4及び図6に示すように、身体受け部3はフットレスト2に対して回動機構18によって回動可能に連結されており、この回動機構18は、具体的には展開状態において身体受け部3の前端である前壁部16aとフットレスト2の後端上部である上壁部9とを回動可能に連結し、左右方向に延びる回動軸18aを有するヒンジで構成されている。
【0031】
図1及び図2に示すように、展開状態において使用者の身体を置くための載置面14が上向きに露出するよう構成されている。身体受け部3が有する載置面14は、展開状態において後方から前方へ向かうにつれて下方に傾斜し、かつ曲面である下方傾斜面とされている。身体受け部3の後部を、回動機構18を介して回動軸18a回りに前方へ回動させて図3〜図6に示す第一又は第二収納状態とすると、載置面14がフットレスト2の側壁6,6及び中間壁7の上部に当接するよう構成されている。フットレスト2の上部は前述した通り、後方(後壁部5付近)から前方へ向かうにつれて下方へ傾斜し、かつ曲面である下方傾斜面とされており、第一又は第二収納状態において載置面14とフットレスト2の上部(すなわち、載置面14との当接面)は互いに相補的な形状であるため、第一又は第二収納状態としてもかさばらないようになっている。
【0032】
図1に示すように、身体受け部3の載置面14はクッション部301により構成され、展開状態におけるクッション部301の後面(載置面14と反対側面)に設けられた面ファスナー等からなる係合部材20と、展開状態における身体受け部本体300の前面に設けられた面ファスナー等からなる被係合部材(図示せず)とを係合離脱することによって、クッション部301は身体受け部本体300に対して着脱可能とされている。そして、身体受け部本体300に設けられたクッション部301の内部である内装材には、使用者の臀部及び背中に対してマッサージするマッサージ部Mが設けられている。すなわち、このマッサージ部Mは身体受け部3の内部に設けられている。このマッサージ部Mはエアの給排気により膨張収縮して使用者の臀部及び背中に押圧マッサージを行うエアセルで構成されており、このマッサージ部Mへのエアの給排気は、フットレスト2及び身体受け部3の内部に配設されたエア配管101を介して連結された収納空間2b内部のエア給排気装置100によって行われる。また、このマッサージ部Mは座部分3aに対応する箇所に1つ設けられた臀部用マッサージ部M2と、背凭れ部分3bに対応する箇所に左右一対設けられた背中用マッサージ部M3,M3で構成されている。なお、この身体受け部3のクッション部301は身体受け部本体300に対して固着されていてもよいし、身体受け部3に設けられたマッサージ部Mは、臀部用マッサージ部M2と背中用マッサージ部M3のうちの少なくともいずれかを有していればよい。
【0033】
図8に示すように、この椅子1は、身体受け部3の前壁部16aの左右方向における中央付近(すなわち身体受け部3の前部、かつ、左右方向中央付近)に、身体受け部3に設けられたマッサージ部(身体受け部本体300に装着されたクッション部301に設けられた臀部用マッサージ部M2、背中用マッサージ部M3,M3)Mに接続されたエア配管101を身体受け部3外部へと導くための第二溝21が設けられている。この第二溝21は、展開状態において上方に向く面を有する溝底部21aと、この溝底部21aの左右から立設され左右方向内側に向く面を有する溝側部21b,21bとを有しており、この溝底部21aと溝側部21bとによって上方が開放端となる第二溝上開放部21c及び前方が開放端となる第二溝前開放部21dが構成され、第二溝21は身体受け部3内部に連通している。また、図1,図2,図4,及び図6に示すように、第二溝21は左右方向において第一溝13と対応する位置に設けられている。
【0034】
従って、展開状態において身体受け部3に設けられたマッサージ部Mに接続されたエア配管101を、身体受け部3内部から第二溝21及び第一溝13を介してフットレスト(収納空間2b)2内部へと導きエア給排気装置100に接続することができる。具体的には、クッション部301内部に設けられたマッサージ部Mに接続されたエア配管101が、第二溝上開放部21c又は第二溝前開放部21dから第一溝上開放部13c又は第一溝後開放部13dを通過して、収納空間2b内部へと挿通されてエア給排気装置100に接続される。
【0035】
以下、図9に基づいて本発明の第一実施形態に係る椅子の身体受け部の回動に伴う第二溝の移動について説明する。
図9は、本発明の第一実施形態に係る椅子の身体受け部の回動に伴う第二溝の移動について説明するための模式図であり、図9(a)は図1のA−A線断面の模式図であり、図9(b)は図9(a)の状態から身体受け部を前方へ略90度回動させた状態の模式図であり、図9(c)は図6のB−B線断面の模式図である。
【0036】
図9(a)に示すように、展開状態において、第一溝13と第二溝21は、第一溝後開放部13dと第二溝前開放部21dとによって連通しており、第一溝13の溝底部13aと溝側部13b,13bと第二溝21の溝底部21aと溝側部21b,21bとによって囲まれ、かつ上方が開口した内部空間S1が形成されている。従って、身体受け部3の内部から前記内部空間S1を介してフットレスト2内部へとエア配管101を挿通可能となっている。この内部空間S1は、図9(a)において斜線によって示している。
図9(b)に示すように、図9(a)に示す展開状態から身体受け部3を前方へ回動軸18a回りに略90度回動させた状態において、第一溝13と第二溝21は、第一溝後開放部13dと第二溝前開放部21dとによって椅子1の外部を介して連通しており、かつ第一溝上開放部13cと第二溝上開放部21cとによって椅子1の外部空間を介して連通している。
図9(c)に示すように、図9(a)に示す展開状態から身体受け部3を前方へ回動軸18a回りに略180度回動させた第一又は第二収納状態において、第一溝13と第二溝21は、第一溝上開放部13cと第二溝上開放部21cとによって連通しており、第一溝13の溝底部13aと溝側部13b,13bと第二溝21の溝底部21aと溝側部21b,21bとによって囲まれ、かつ後方が開口した内部空間S2が形成されている。従って、身体受け部3の内部から前記内部空間S2を介してフットレスト2内部へとエア配管101を挿通可能となっている。この内部空間S2は、図9(c)において斜線によって示している。
【0037】
上述したように、展開状態から収納状態へと状態変化させても内部空間S1又はS2を介して第一溝13と第二溝21との連通状態が維持されるため、身体受け部3に設けられたマッサージ部Mに接続されたエア配管101が、身体受け部3の回動動作によって無理に曲げられたり引っ張られたりして破損してしまうことを防止することができる。
なお、本発明の第一実施形態では、第一溝13をフットレスト2の上壁部9の左右方向における中央付近に配置し、第二溝21を身体受け部3の前壁部16aの左右方向における中央付近に配置した構成であるが、第一溝13と第二溝21の左右方向における位置が対応していればよく、第一溝13及び第二溝21のそれぞれがフットレスト2及び身体受け部3の左右方向におけるいずれかの位置(例えば端部)であってもよいし、左右両側(例えば左右両端部)の位置にあってもよい。
【0038】
[支持部の構成]
以下、図8に基づいて支持部4の構成について具体的に説明する。
展開状態における身体受け部3の左右の側壁部16c,16cの後部には、展開状態においてフットレスト2を設置する床面Fから所定の高さで身体受け部3を支持する支持部4が設けられている。
この支持部4は、正面視で上方が開口した略凹状のパイプフレームで構成され、側壁部16cの後部に一端(上側)4aが身体受け部3の側壁部16cが有する回動軸16dによって枢支され、他端(下側)4bが前後方向に回動可能である。支持部4の構成をより具体的に説明すると、支持部4は収容溝(溝側部17b)17の後部に上端が枢支されて下方に延設された左右一対の側部材22,22と、この左右の側部材22,22の下端から内側に曲げられて左右方向に延設され床面Fに接地する下部材23とによって構成されている。また、側部材22には、後述する支持部4の位置決めを行う位置決め部26を保護するカバー部材24が設けられており、下部材23には、床面Fに対する支持部4の滑りを防止する摩擦係数の高い材質(例えば弾性ゴム等)からなる滑り防止部材25が設けられている。
従って、展開状態においてフットレスト2によって身体受け部3の前部が支持され、支持部4によって身体受け部3の後部が支持されることで、身体受け部3が全体として床面Fから所定の高さで支持される。
【0039】
前述した通り、この支持部4は身体受け部3の側壁部16cが有する溝側面17bに、前後方向に回動可能に連結されている。従って、第一収納状態とされている椅子1の支持部4の他端4bを後方に回動させることによって、この椅子1を、支持部4の側部材22を溝底面17aに当接させ、下部材23を身体受け部3の前壁部16aの後方へ位置させる第二収納状態へと状態変更することができる。
【0040】
[位置決め部の構成]
以下、図10及び図11に基づいて支持部4が有する位置決め部26の構成について説明する。
図10は支持部の詳細を示す前方分解斜視図であり、支持部の位置決めを行う位置決め部の構成を説明するための図面である。図11は支持部の詳細を示す前方から見た正面図であり、支持部の位置決めを行う位置決め部の構成を説明するための図面である。なお、以下の位置決め部の説明における方向の概念は、展開状態における方向の概念を基準とする。
【0041】
図10及び図11に示すように、支持部4の位置決めを行う位置決め部26は、支持部4の一端4a付近に設けられている。この位置決め部26は、各部材の詳細は後述するが、身体受け部3の側壁部16c後部に設けられたガイドシャフト27と、支持部4の一端4a付近に設けられたガイド孔28、係止部29、係止部29を変位させる操作部30、係止部29の変位方向を規制する規制部31とによって構成されている。なお、本発明の第一実施形態に係る椅子1では、位置決め部26を支持部4の左側(左側の側部材22)のみに設けているが、左右の側部材22,22に設けてもよい。
【0042】
ガイドシャフト27は、側壁部16cの溝側面17bに設けられ、左右方向外側(左側方)に突出した棒状に構成されている。ガイド孔28は、支持部4の一端4aに設けられ、支持部4の回動軸16dを中心とする円弧状に構成されている。従って、支持部4は、ガイドシャフト27とガイド孔28とによって位置規制されながら回動されるため、ガイド孔28の孔範囲内で安定して前後方向に回動することができる。
係止部29は、支持部4の一端4aに設けられ、支持部4の回動をロックする上下方向に長寸で所定の厚みをもつ係止片32と、係止片32を左右方向に揺動可能に支持する前後方向に延びる揺動軸33と、この揺動軸33を支持部4の側部材22に揺動可能に支持する軸受部34と、支持部4の回動をロックする方向に係止片32を常時付勢するトーションバネ等からなる付勢部35とにより構成されている。この係止片32は、上側が左右方向に揺動する揺動端部32aと、下側が揺動軸33に枢支された揺動基部32bとにより構成されており、この揺動端部32aは前側が左右方向に厚肉であり後側が左右方向に薄肉となっており、揺動端部32aの内側面は後方に向かうにつれて左右方向外側(左)向きに傾斜している。また、揺動端部32aが左右方向内側(右側方)に揺動するよう付勢部35により常時付勢されている。
操作部30は、係止片32の下端(すなわち、揺動基部32bの下端)付近に設けられ、付勢部35の付勢力に抗して左右方向内側(右側方)へ押動することで係止片32を変位(揺動基部32aを左右方向外側へ揺動)させるよう構成されている。
規制部31は、展開状態において、支持部4におけるガイド孔28の上方、かつ係止片(揺動端部32a)32の後方から当接する位置に設けられ、左右方向外側(左側方)に突出した棒状に構成されている。そして、この規制部31は、係止片32への後方からの当接により、係止片32の後方への変位を規制すると共に、展開状態において揺動基部32bへ過度の負荷がかからないよう係止片32を支持している。
【0043】
次に、位置決め部26による位置決めと位置決め解除の切替え動作について説明する。
図10に示すように、展開状態においては、ガイドシャフト27の後方から係止片32の揺動端部32aが当接し、ガイドシャフト27の前方からガイド孔28の孔前端部が当接しており、かつ付勢部35により揺動端部32aは左右方向内側へ付勢されているため、支持部4は前後方向への回動が規制され、展開状態おいて位置決めされている。
展開状態から第一収納状態を介して第二収納状態へと状態変更させる場合には、まず身体受け部3の後部(後壁部16b側)を前方へ回動させて第一収納状態とした後に、操作部30を付勢部35の付勢力に抗して左右方向内側へ押動することにより、揺動端部32aを左右方向外側へ揺動させて係止片32のガイドシャフト27への当接を解除すると、支持部4は前後方向への回動が許容され、第一収納状態にある支持部4の位置決めが解除される。
逆に、第二収納状態から第一収納状態を介して展開状態へと状態変更させる場合には、第二収納状態において支持部4の他端4bを第一収納状態における位置まで前方へ回動させる動作のみで、支持部4は第一収納状態で位置決めされる。その後、第一収納状態において身体受け部3の前部(後壁部16b側)を後方へ回動させることにより、支持部4は展開状態で位置決めされる(すなわち、展開状態においては、ガイドシャフト27の前方からガイド孔28の孔前端部が当接し、ガイドシャフト27の後方から係止片32の前部が当接することによって支持部4の回動がロックされる)。
なお、図10に示すように、展開状態において、係止片32の揺動端部32aはその内側面が後方に向かうにつれて左右方向外側(左)向きに傾斜しているため、係止片32の揺動端部32aの後部がガイドシャフト27へ前方から当接する際(第二収納状態にある支持部4の回動位置を第一収納状態又は展開状態へと変更する際)には、ガイドシャフト27に対する係止片32の後方への移動によって、揺動基部32aがガイドシャフト27により左右方向外側へ押し出されていく。従って、位置決め部26による位置決めを解除することなく、第二収納状態における支持部4の他端4bを前方へ回動させて、第一収納状態を介して展開状態へと状態変更することができる。
【0044】
[身体受け部の折畳み機構]
図12は、本発明の第一実施形態に係る椅子の状態変化を説明する側面図であり、図12(a)は展開状態における椅子の側面図であり、図12(b)は第一収納状態における椅子の側面図であり、図12(c)は第二収納状態における椅子の側面図である。
【0045】
図12(a)に示すように展開状態では、身体受け部3がフットレスト2及び支持部4によって床面Fから所定の高さで支持されており、身体受け部3の載置面14が上向きに露出している。従って、使用者が身体受け部3の載置面14に着座し、フットレスト2の左右の溝2a,2aに脚を収容して、前述したマッサージ部Mによって背中、臀部、及び脚部等にマッサージを施すことができる椅子型マッサージ機として椅子1を使用することができる。なお、展開状態の椅子1に着座する使用者は前方を向くことになる。
【0046】
そして、図12(a)の二点鎖線で示すように、使用者が下向きに露出している身体受け部3の着座面15を上方かつ前方へ押上げる等の作業によって、身体受け部3の後部(後壁部16b側)を、身体受け部3の前部(前壁部16a)に設けられた回動機構18を介して左右方向の回動軸18a回りに前方へ回動させる。この動作を載置面14がフットレスト2の上部(側壁部6及び中間壁部7の上部)に当接するまで行うことにより、椅子1が図12(b)に示す第一収納状態へと変化する。
【0047】
図12(b)に示すように第一収納状態では、身体受け部3がフットレスト2の上部に載置され、身体受け部3の着座面15が上向きに露出している。また、支持部4の他端4bが一端4aに対して上に位置するように、支持部4が身体受け部3の側壁部16cから上方に向かって立ち上がっている。従って、使用者が着座面15に着座し、支持部4に凭れかかることができる背凭れ部付きの椅子として椅子1を使用することができる。なお、第一収納状態の椅子1に着座する使用者は後方を向くことになる。
【0048】
そして図12(b)の二点鎖線で示すように、使用者が支持部4の下部材23を掴んで後方かつ下方へ引き下げる等の作業によって、支持部4の他端4bを回動軸16d回りに後方へ回動させる。この作業を支持部4が収容溝17の溝底面17aに当接するまで行うことにより、椅子1が図12(c)に示す第二収納状態へと変化する。
【0049】
図12(c)に示すように第二収納状態では、第一収納状態と同様に、身体受け部3がフットレスト2の上部に載置され、身体受け部3の着座面15が上向きに露出しているが、第一収納状態と異なり、支持部4の他端4bが一端4aに対して後方に位置し、かつ支持部4が身体受け部3の側壁部16cの側部に位置する(つまり、側部材22が溝側面17bの側部に位置する)ように、支持部4が後方に向かって倒れ込んでいる。従って、使用者が着座面15に着座する背凭れ部のないスツールとして椅子1を使用することができる。なお、第一収納状態の椅子1に着座する使用者はいずれの方向へも向くことができる。
【0050】
[本発明の他の実施形態に係る椅子の構成]
次に図13及び図14に基づいて、本発明の他の実施形態に係る椅子の構成について説明する。
図13は本発明の第二実施形態に係る第一収納状態における椅子の全体構成を示す側面図であり、図14は本発明の第三実施形態に係る第一収納状態における椅子の全体構成を示す側面図である。
【0051】
図13に示すように、第二実施形態に係る椅子1は、フットレスト2の前部、かつ下方に床面Fを転動する左右一対の車輪200,200を備えており、より具体的に説明すると、この車輪200はフットレスト2が有する底壁部8の前部に備えられている。なお、この左右一対の車輪200は、底壁部8に代えて、フットレスト2が有する左右の側壁部6の前部かつ下方に備えていてもよい。
更に、第二実施形態の椅子1は、フットレスト2と身体受け部3を第一又は第二収納状態で固定するロック機構201を備えている。より具体的に説明すると、このロック機構201は、フットレスト2が有する側壁部6の前部かつ下方に設けられ、前方へ突出したかぎ状の左右一対の係合部材(図示せず)と、身体受け部3の両側方、かつ上方に設けられ前記係合部材に係合される孔である左右一対の被係合部材(図示せず)とによって構成されている。このロック機構201は、第一又は第二収納状態とすべく、フットレスト2の側壁部6の前部と身体受け部3における背凭れ部分3bの載置面14を当接させることにより前記係合部材が前記被係合部材に係合し、フットレスト2と身体受け部3が第一又は第二収納状態でロックされ、側壁部6に備えられたロック解除操作部202を操作する(押す)ことにより前記係合部材が前記被係合部材から離脱し、展開状態へと状態変更することが可能となる。
この第二実施形態に係る椅子1によれば、第一収納状態において支持部4を引き手として利用し、椅子1を前方へ傾斜させて車輪200を床面Fに設地させることにより、椅子1を容易に移動させることができる。
【0052】
図14に示すように、第三実施形態に係る椅子1は、身体受け部3の上部、かつ側方に床面Fを転動する左右一対の車輪200,200を備えており、より具体的に説明すると、この車輪200は身体受け部3が有する背凭れ部分3bの上部、かつ側方に備えられており、車輪200の転動面が展開状態において背凭れ部分3bの後端よりも若干後方へ突出している(図14では、車輪200は背凭れ部分3bよりも左方向へ突出している)。
更に、第三実施形態の椅子1は、フットレスト2と身体受け部3を第一又は第二収納状態で固定する第二実施形態と同様の構成のロック機構201、及びロック解除操作部202とを備えている。
この第三実施形態に係る椅子1によれば、第二実施形態と同様に、第一収納状態において支持部4を引き手として利用し、椅子1を前方へ傾斜させて車輪200を床面Fに設地させることにより、椅子1を容易に移動させることができる。
なお、第二及び第三実施形態に係る椅子1の車輪200、ロック機構201、ロック解除操作部202を除くその他の構成は第一実施形態に係る椅子1の構成と同様であるため説明を省略する。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、フットレストを使用しない収納状態においては、大幅に設置スペースを小さくすることができる椅子に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第一実施形態に係る展開状態における椅子の全体構成を示す前方斜視図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る展開状態における椅子の全体構成を示す後方斜視図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係る第一収納状態における椅子の全体構成を示す前方斜視図である。
【図4】本発明の第一実施形態に係る第一収納状態における椅子の全体構成を示す後方斜視図である。
【図5】本発明の第一実施形態に係る第二収納状態における椅子の全体構成を示す前方斜視図である。
【図6】本発明の第一実施形態に係る第二収納状態における椅子の全体構成を示す後方斜視図である。
【図7】本発明の第一実施形態に係る椅子のフットレストの後方分解斜視図である。
【図8】本発明の第一実施形態に係る椅子の身体受け部の前方斜視図である。
【図9】本発明の第一実施形態に係る椅子の身体受け部の回動に伴う第二溝の移動について説明するための模式図であり、図9(a)は図1のA−A線断面の模式図であり、図9(b)は図9(a)の状態から身体受け部を前方へ略90度回動させた状態の模式図であり、図9(c)は図6のB−B線断面の模式図である。
【図10】支持部の詳細を示す前方分解斜視図であり、支持部の位置決めを行う位置決め部の構成を説明するための図面である。
【図11】支持部の詳細を示す前方から見た正面図であり、支持部の位置決めを行う位置決め部の構成を説明するための図面である。
【図12】本発明の第一実施形態に係る椅子の状態変化を説明する側面図であり、(a)は展開状態における椅子の側面図であり、(b)は第一収納状態における椅子の側面図であり、(c)は第二収納状態における椅子の側面図である。
【図13】本発明の第二実施形態に係る第一収納状態における椅子の全体構成を示す側面図である。
【図14】本発明の第三実施形態に係る第一収納状態における椅子の全体構成を示す側面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 椅子
2 フットレスト
3 身体受け部
4 支持部
13 第一溝
14 載置面
15 着座面
17 収容溝
21 第二溝
26 位置決め部
101 エア配管
200 車輪
201 ロック機構
F 床面
M マッサージ部
S1,S2 内部空間
【技術分野】
【0001】
本発明は、床面に置かれ使用者の脚部を収容するフットレストと、少なくとも使用者の臀部を支持する身体受け部を有する椅子に関し、特にフットレストに対する身体受け部の状態変更が可能な椅子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、床面に置かれるベース部(座部と背凭れ部)と、表側に着座面、裏側に身体を置くための載置面を有する可動上部(フットレスト)とを備えた椅子であって、着座面を上向きにした椅子状態から載置面を上向きに露出させる展開状態へ状態変更可能となるように、可動上部がベース部に連結された椅子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−211144号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の椅子は、外形寸法の大きいベース部(座部と背凭れ部)側を床面に設置し、外形寸法の小さい可動上部(フットレスト)側をベース部に対して状態変更可能に連結している。従って、可動上部が着座面を上向きにしてベース部上に配置された椅子状態にしても、床面に設置されるベース部の外形寸法が大きいため、大幅に設置スペースを小さくすることができない。
【0005】
そこで本発明は、このような問題を解消するためになされたものであり、フットレストを使用しない収納状態においては、大幅に設置スペースを小さくすることができる椅子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、床面に置かれ使用者の脚部を収容するフットレストと、前記フットレストに連結され、少なくとも使用者の臀部を支持する身体受け部とを備えた椅子であって、前記身体受け部は、使用者の身体を置くための載置面を有し、該載置面が前記フットレストの上部に位置する収納状態から該載置面が上向きに露出する展開状態へ状態変更可能となるように、前記フットレストに回動可能に連結されていることを特徴とする。
このような構成とすることにより、身体受け部の載置面がフットレストの上部に位置する収納状態にすると、椅子全体の床面方向における外形寸法を小さくできる。しかも、外形寸法が小さいフットレスト側を床面に設置するため、身体受け部側を床面に設置するよりも設置スペースを小さくでき、居住スペースを有効活用することができる。
【0007】
また、前記身体受け部は、前記載置面の裏側に使用者が着座する着座面を有し、前記収納状態では該着座面が上向きに露出するよう構成されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、収納状態としても身体受け部の着座面が上向きに露出するため、フットレストのない小型の椅子としても使用できる。
【0008】
また、前記身体受け部は、展開状態において該身体受け部を床面から所定の高さで支持する支持部を有していることが好ましい。
このような構成とすることにより、展開状態において載置面に着座した使用者の臀部が床面から所定の高さに位置するため、使用者は楽な姿勢でフットレストに脚部を収容することができる。
【0009】
また、前記支持部は、該支持部の一端が前記身体受け部に連結され、収納状態において該支持部の他端が前記一端よりも上部に位置するように構成されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、収納状態において支持部を着座面に着座した使用者の背凭れ部として使用することができる。
【0010】
また、前記支持部は、展開状態において該支持部の一端が前記身体受け部の後部に連結され、収納状態において該支持部の他端が前記着座面の上部又は側部に位置することができるように回動可能に構成されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、収納状態において支持部の他端を着座面の上部に位置させた場合は、支持部を着座面に着座した使用者の背凭れ部として使用することができる。また、収納状態において支持部の他端を着座面の側部に位置させた場合は、スツールとして使用することができるとともに高さ方向における外形寸法を小さくすることができる。
【0011】
また、前記支持部は、該支持部の前記身体受け部に対する回動を展開状態でロックする位置決め部を有していることが好ましい。
このような構成とすることにより、展開状態において前記身体受け部を床面から所定の高さで安定して支持することができる。
【0012】
また、前記載置面は、使用者の臀部及び背中を支持し、展開状態において前方へ向かうにつれて下方に傾斜した下方傾斜面を有し、前記フットレストの上部は、収納状態において前記載置面が当接する前方へ向かうにつれて下方に傾斜した下方傾斜面を有していることが好ましい。
このような構成とすることにより、収納状態において互いに当接する身体受け部の載置面とフットレストの上部とが相補的な形状であるため、収納状態としてもかさばることがない。
【0013】
また、前記フットレストと前記身体受け部とを収納状態で固定するロック機構を備えていることが好ましい。
このような構成とすることにより、収納状態における本発明の椅子を持ち運ぶ際に、展開状態となってしまうことを防止できる。
【0014】
また、収納状態における前記フットレストの前部、又は前記身体受け部の下部に床面を転動するための車輪を有していることが好ましい。
このような構成とすることにより、本発明の椅子を容易に移動させることができる。特に、収納状態において支持部の他端を着座面の上部に位置させた場合や、収納状態において支持部の他端を支持部の一端よりも上部に位置させた場合は、支持部を引き手として本発明の椅子を移動させることができる。
【0015】
また、前記フットレストと前記身体受け部のうち少なくともいずれかはマッサージ部を有していることが好ましい。
このような構成とすることにより、使用者は椅子のみならず、マッサージ機としても使用することができる。
【0016】
また、前記身体受け部は、エアの給排気により膨張収縮して使用者にマッサージを施すエアセルよりなるマッサージ部を有し、前記フットレストは、当該フットレスト内部にエア配管を介して前記マッサージ部に対してエアを給排気するエア給排気装置を有し、展開状態における前記フットレストの上部後方には、上方及び後方に開放端を有し該フットレスト内部に通じる第一溝が設けられ、展開状態における前記身体受け部の前部には、上方及び前方に開放端を有し該身体受け部内部に通じる第二溝が設けられ、前記第一溝と第二溝は、左右方向において互いに対応する位置に設けられていることが好ましい。
このような構成とすることにより、本発明の椅子を収納状態から展開状態又は展開状態から収納状態へと状態変化させても、身体受け部に設けられたマッサージ部とフットレストに設けられたエア給排気装置とを接続するエア配管が無理に曲げられたり引っ張られたりして破損してしまうことを防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、フットレストを使用しない収納状態においては、大幅に設置スペースを小さくすることができる椅子を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
[全体構成]
以下、本発明の第一実施形態に係る椅子について、図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は本発明の第一実施形態に係る展開状態における椅子の全体構成を示す前方斜視図であり、図2は本発明の第一実施形態に係る展開状態における椅子の全体構成を示す後方斜視図であり、図3は本発明の第一実施形態に係る第一収納状態における椅子の全体構成を示す前方斜視図であり、図4は本発明の第一実施形態に係る第一収納状態における椅子の全体構成を示す後方斜視図であり、図5は本発明の第一実施形態に係る第二収納状態における椅子の全体構成を示す前方斜視図であり、図6は本発明の第一実施形態に係る第二収納状態における椅子の全体構成を示す後方斜視図である。なお、図1〜図6のうち図1以外は、後述する身体受け部のマッサージ部及びエア配管を省略して図示している。
【0019】
図1及び図2に示すように、本発明の第一実施形態に係る椅子1は、使用者の脚部(膝下から足までの少なくとも一部)を収容することができるフットレスト2と、少なくとも使用者の臀部を支持することができる身体受け部3と、展開状態においてフットレスト2を設置する床面Fから所定の高さで身体受け部3を支持する支持部4とを備えている。また、身体受け部3はフットレスト2に対して前後方向に回動可能に連結され、支持部4は身体受け部3に対して前後方向に回動可能に連結して構成されている。
【0020】
そして、この椅子1は図1及び図2に示す展開状態から展開状態における身体受け部3の後部を前方へ回動させて椅子1を折り畳んだ図3及び図4に示す第一収納状態に状態変化させることが可能であり、第一収納状態から第一収納状態における支持部4の上部を後方へ回動させて椅子1を更に折り畳んだ図5及び図6に示す第二収納状態に状態変化させることが可能である。
【0021】
なお、本明細書における方向の概念は、展開状態においては、身体受け部3に着座した使用者が正面を向いて、その前方が「前」であり、後方が「後」であり、左手側が「左」であり、右手側が「右」であり、頭側が「上」であり、腰側が「下」であり、第一収納状態及び第二収納状態においては、展開状態におけるフットレストの方向を基準として各収納状態における椅子全体の方向を規定する。その他の場合は適宜説明するものとする。
【0022】
[フットレストの構成]
以下、図1,図2,及び図7に基づいてフットレスト2の構成について具体的に説明する。
図7は本発明の第一実施形態に係る椅子のフットレストの後方分解斜視図である。
フットレスト2は、使用者の左右の脚部(脚の膝下;足も含む)の後面を支持する後壁部5と、後壁部5の側方において後壁部5よりも若干後方位置から前方へ立設され、左右の脚部(脚の膝下;足も含む)の外側面を支持する外壁部6と、左右の外壁部6の間において後壁部5の前面位置から前方へ立設され、左右の脚部(脚の膝下;足も含む)の内側面を支持する中間壁部7と、後壁部5の下部において後壁部5よりも若干後方位置から前方へ立設され、左右の脚部の底面(足裏)を支持する底壁部8と、後壁部5の上部かつ左右の側壁部6,6の間において後方へ立設された上壁部9とを備えている。
【0023】
これら後壁部5、側壁部6,6、中間壁部7、及び底壁部8によって、上方及び前方が開放された一対の溝2a,2aが構成され、この溝2a内に使用者の左右の脚部を収容することができるようになっている。また、後壁部5、左右の側壁部6,6の後部、底壁部8の後部、及び上壁部9とによって、後方が開放された収納空間2bが構成され、この収納空間2bに後述するエア給排気装置100を収納できるようになっている。図7に示すように、フットレスト2は、収納空間2bを後方から覆う第一カバー部10aを有しており、収納空間2bが外部から露出しないよう構成されている。また、フットレスト2は、左右一対の側壁部6,6及び中間壁部7を前方及び上方から覆う第二カバー部10bを有しており、後述する操作部11をこの第二カバー部10bに取り付けることができるよう構成されている。この第一カバー部10aと第二カバー部10bによりフットレスト2のカバー部10が構成されている。また、底壁部8は下面が略平坦面に形成された板状部材であり、フットレスト2を床面Fに置くことができるようになっている。
【0024】
図1に示すように、フットレスト2には、一対の溝2a,2a内において使用者の脚部に対してマッサージするマッサージ部(脚用マッサージ部M1)Mが設けられている。この脚用マッサージ部M1はエアの給排気により膨張収縮して使用者の脚部に押圧マッサージを行うエアセルで構成されており、脚用マッサージ部M1へのエアの給排気は、フットレスト2内部(すなわち収納空間2b内)に設けられたエアポンプ100a及びバルブ100b等を有するエア給排気装置100によって行われる(図7参照)。この脚用マッサージ部M1は左右の後壁部5,5の前面、左右の側壁部6,6に内側面、中間壁部7の両側面、及び左右の底壁部8,8の上面にそれぞれ設けられている。
【0025】
中間壁部7の上部かつ後方には、第二カバー部10bを介して使用者が操作するための操作部11が設けられ、この操作部11はフットレスト2に設けられたマッサージ部M、及び後述する身体受け部3に設けられたマッサージ部Mの動作を制御するマイコン等よりなる制御部(図示せず)に接続されており、この制御部も収納空間2b内部に設けられている。
フットレスト(側壁部6)2の左右の外側面には、内側に向かって凹状に窪んだ把持部12が設けられている。従って、使用者が把持部12に指を掛けて椅子1を持ち上げて、椅子1を容易に移動させることができる。
【0026】
フットレスト2の上部、すなわち側壁部6,6及び中間壁部7の上部は、後方(後壁部5付近)から前方へ向かうにつれて下方へ傾斜し、かつ曲面である下方傾斜面とされている。詳細は後述するが、展開状態における身体受け部3の後部をフットレスト2に対して前方へ回動させた第一又は第二収納状態においては、この下方傾斜面に形成されたフットレスト2の上部に身体受け部3の載置面14が当接するよう構成されている(図3〜図6も参照)。
【0027】
図7に示すように、この椅子1はフットレスト2の上壁部9の左右方向における中央付近(すなわちフットレスト2の上部後方、かつ、左右方向中央付近)に、後述する身体受け部3に設けられたマッサージ部(臀部用マッサージ部M2、背中用マッサージ部M3)Mに接続されたエア配管101をフットレスト2内部へ挿通するための第一溝13が設けられている。この第一溝13は後方に向いた面を有する溝底部13aと、この溝底部13aの左右両側から後方に向かって立設された溝側部13b,13bとを有しており、この溝底部13aと溝側部13b,13bとによって上方が開放端となる第一溝上開放部13c及び後方が開放端となる第一溝後開放部13dが構成され、第一溝13はフットレスト2内部に連通している。
第一カバー部10aの上部かつ左右方向における中央付近には、上壁部9に設けられた第一溝13に対応する位置に第一溝カバー10a1が設けられており、第一溝カバー10a1によって第一溝上開放部13c及び第一溝後開放部13dの開放端を阻害しないよう第一溝13が後方から覆われている。すなわち、フットレスト2の上部後方には、上方向及び後方向に開放端を有する第一溝13が設けられているのである。
また、第一カバー部10aの上部かつ左右両端部には、前後方向に開放する第一カバー開放部10a2,10a2が設けられており、後述する上壁部9の左右両端部に設けられた身体受け部3とフットレスト2を連結する回動機構18に干渉することを防止している。
【0028】
[身体受け部の構成]
以下、図1〜図6及び図8に基づいて身体受け部3の構成について具体的に説明する。
図8は本発明の第一実施形態に係る椅子の身体受け部の前方斜視図である。なお、図8においては、身体受け部に設けられたマッサージ部M及びエア配管を省略して図示している。
図1に示すように、身体受け部3は、合成樹脂等よりなる硬質の身体受け部本体300と、ウレタンフォーム、スポンジ、又は発泡スチロール製の内装材とこの内装材を伸縮性のある外装材(カバー)によって覆われて構成される正面視で略矩形のクッション部301とによって構成されている。また、図8に示すように、身体受け部3は、展開状態において上向きに露出して使用者の臀部を支持する座部分3aと、前向きに露出して使用者の背中を支持する背凭れ部分3bとで構成されており、この座部分3aと背凭れ部分3bは連続して一体に形成されている。
【0029】
図1及び図3に示すように、身体受け部3は、展開状態において使用者の身体を置くためのクッション部301により構成される載置面14と、この載置面14の裏側に位置し、かつ第一又は第二収納状態において使用者が着座するための着座面15と、載置面14から立設された周壁部16とから構成されている。この着座面15と周壁部16は身体受け部本体300により構成されている。なお、第一又は第二収納状態において使用者が着座することができる着座面15は、身体受け部3の座部分3aに設けられている。
図1,図3及び図8に示すように、この周壁部16は前壁部16a、後壁部16b、左右の側壁部16c,16cとから構成されている。この左右の側壁部16c,16cには後述する身体受け部3を支持する支持部4が回動可能に連結されている。
この側壁部16cについてより詳細に説明すると、側壁部16cは、第二収納状態における支持部4を側壁部16c内に収容する収容溝17を有しており、この収容溝17は、第一又は第二収納状態において上方及び内側に窪んだ形状となっている。すなわち、この収容溝17は展開状態において下方に向く面を有する溝底面17aと、この溝底面17aの左右方向内側から立設され左右方向外側に向く面を有する溝側面17bとで構成されている。そして、支持部4はこの溝側面17bに前後方向に回動可能に枢支されている。
【0030】
図4及び図6に示すように、身体受け部3はフットレスト2に対して回動機構18によって回動可能に連結されており、この回動機構18は、具体的には展開状態において身体受け部3の前端である前壁部16aとフットレスト2の後端上部である上壁部9とを回動可能に連結し、左右方向に延びる回動軸18aを有するヒンジで構成されている。
【0031】
図1及び図2に示すように、展開状態において使用者の身体を置くための載置面14が上向きに露出するよう構成されている。身体受け部3が有する載置面14は、展開状態において後方から前方へ向かうにつれて下方に傾斜し、かつ曲面である下方傾斜面とされている。身体受け部3の後部を、回動機構18を介して回動軸18a回りに前方へ回動させて図3〜図6に示す第一又は第二収納状態とすると、載置面14がフットレスト2の側壁6,6及び中間壁7の上部に当接するよう構成されている。フットレスト2の上部は前述した通り、後方(後壁部5付近)から前方へ向かうにつれて下方へ傾斜し、かつ曲面である下方傾斜面とされており、第一又は第二収納状態において載置面14とフットレスト2の上部(すなわち、載置面14との当接面)は互いに相補的な形状であるため、第一又は第二収納状態としてもかさばらないようになっている。
【0032】
図1に示すように、身体受け部3の載置面14はクッション部301により構成され、展開状態におけるクッション部301の後面(載置面14と反対側面)に設けられた面ファスナー等からなる係合部材20と、展開状態における身体受け部本体300の前面に設けられた面ファスナー等からなる被係合部材(図示せず)とを係合離脱することによって、クッション部301は身体受け部本体300に対して着脱可能とされている。そして、身体受け部本体300に設けられたクッション部301の内部である内装材には、使用者の臀部及び背中に対してマッサージするマッサージ部Mが設けられている。すなわち、このマッサージ部Mは身体受け部3の内部に設けられている。このマッサージ部Mはエアの給排気により膨張収縮して使用者の臀部及び背中に押圧マッサージを行うエアセルで構成されており、このマッサージ部Mへのエアの給排気は、フットレスト2及び身体受け部3の内部に配設されたエア配管101を介して連結された収納空間2b内部のエア給排気装置100によって行われる。また、このマッサージ部Mは座部分3aに対応する箇所に1つ設けられた臀部用マッサージ部M2と、背凭れ部分3bに対応する箇所に左右一対設けられた背中用マッサージ部M3,M3で構成されている。なお、この身体受け部3のクッション部301は身体受け部本体300に対して固着されていてもよいし、身体受け部3に設けられたマッサージ部Mは、臀部用マッサージ部M2と背中用マッサージ部M3のうちの少なくともいずれかを有していればよい。
【0033】
図8に示すように、この椅子1は、身体受け部3の前壁部16aの左右方向における中央付近(すなわち身体受け部3の前部、かつ、左右方向中央付近)に、身体受け部3に設けられたマッサージ部(身体受け部本体300に装着されたクッション部301に設けられた臀部用マッサージ部M2、背中用マッサージ部M3,M3)Mに接続されたエア配管101を身体受け部3外部へと導くための第二溝21が設けられている。この第二溝21は、展開状態において上方に向く面を有する溝底部21aと、この溝底部21aの左右から立設され左右方向内側に向く面を有する溝側部21b,21bとを有しており、この溝底部21aと溝側部21bとによって上方が開放端となる第二溝上開放部21c及び前方が開放端となる第二溝前開放部21dが構成され、第二溝21は身体受け部3内部に連通している。また、図1,図2,図4,及び図6に示すように、第二溝21は左右方向において第一溝13と対応する位置に設けられている。
【0034】
従って、展開状態において身体受け部3に設けられたマッサージ部Mに接続されたエア配管101を、身体受け部3内部から第二溝21及び第一溝13を介してフットレスト(収納空間2b)2内部へと導きエア給排気装置100に接続することができる。具体的には、クッション部301内部に設けられたマッサージ部Mに接続されたエア配管101が、第二溝上開放部21c又は第二溝前開放部21dから第一溝上開放部13c又は第一溝後開放部13dを通過して、収納空間2b内部へと挿通されてエア給排気装置100に接続される。
【0035】
以下、図9に基づいて本発明の第一実施形態に係る椅子の身体受け部の回動に伴う第二溝の移動について説明する。
図9は、本発明の第一実施形態に係る椅子の身体受け部の回動に伴う第二溝の移動について説明するための模式図であり、図9(a)は図1のA−A線断面の模式図であり、図9(b)は図9(a)の状態から身体受け部を前方へ略90度回動させた状態の模式図であり、図9(c)は図6のB−B線断面の模式図である。
【0036】
図9(a)に示すように、展開状態において、第一溝13と第二溝21は、第一溝後開放部13dと第二溝前開放部21dとによって連通しており、第一溝13の溝底部13aと溝側部13b,13bと第二溝21の溝底部21aと溝側部21b,21bとによって囲まれ、かつ上方が開口した内部空間S1が形成されている。従って、身体受け部3の内部から前記内部空間S1を介してフットレスト2内部へとエア配管101を挿通可能となっている。この内部空間S1は、図9(a)において斜線によって示している。
図9(b)に示すように、図9(a)に示す展開状態から身体受け部3を前方へ回動軸18a回りに略90度回動させた状態において、第一溝13と第二溝21は、第一溝後開放部13dと第二溝前開放部21dとによって椅子1の外部を介して連通しており、かつ第一溝上開放部13cと第二溝上開放部21cとによって椅子1の外部空間を介して連通している。
図9(c)に示すように、図9(a)に示す展開状態から身体受け部3を前方へ回動軸18a回りに略180度回動させた第一又は第二収納状態において、第一溝13と第二溝21は、第一溝上開放部13cと第二溝上開放部21cとによって連通しており、第一溝13の溝底部13aと溝側部13b,13bと第二溝21の溝底部21aと溝側部21b,21bとによって囲まれ、かつ後方が開口した内部空間S2が形成されている。従って、身体受け部3の内部から前記内部空間S2を介してフットレスト2内部へとエア配管101を挿通可能となっている。この内部空間S2は、図9(c)において斜線によって示している。
【0037】
上述したように、展開状態から収納状態へと状態変化させても内部空間S1又はS2を介して第一溝13と第二溝21との連通状態が維持されるため、身体受け部3に設けられたマッサージ部Mに接続されたエア配管101が、身体受け部3の回動動作によって無理に曲げられたり引っ張られたりして破損してしまうことを防止することができる。
なお、本発明の第一実施形態では、第一溝13をフットレスト2の上壁部9の左右方向における中央付近に配置し、第二溝21を身体受け部3の前壁部16aの左右方向における中央付近に配置した構成であるが、第一溝13と第二溝21の左右方向における位置が対応していればよく、第一溝13及び第二溝21のそれぞれがフットレスト2及び身体受け部3の左右方向におけるいずれかの位置(例えば端部)であってもよいし、左右両側(例えば左右両端部)の位置にあってもよい。
【0038】
[支持部の構成]
以下、図8に基づいて支持部4の構成について具体的に説明する。
展開状態における身体受け部3の左右の側壁部16c,16cの後部には、展開状態においてフットレスト2を設置する床面Fから所定の高さで身体受け部3を支持する支持部4が設けられている。
この支持部4は、正面視で上方が開口した略凹状のパイプフレームで構成され、側壁部16cの後部に一端(上側)4aが身体受け部3の側壁部16cが有する回動軸16dによって枢支され、他端(下側)4bが前後方向に回動可能である。支持部4の構成をより具体的に説明すると、支持部4は収容溝(溝側部17b)17の後部に上端が枢支されて下方に延設された左右一対の側部材22,22と、この左右の側部材22,22の下端から内側に曲げられて左右方向に延設され床面Fに接地する下部材23とによって構成されている。また、側部材22には、後述する支持部4の位置決めを行う位置決め部26を保護するカバー部材24が設けられており、下部材23には、床面Fに対する支持部4の滑りを防止する摩擦係数の高い材質(例えば弾性ゴム等)からなる滑り防止部材25が設けられている。
従って、展開状態においてフットレスト2によって身体受け部3の前部が支持され、支持部4によって身体受け部3の後部が支持されることで、身体受け部3が全体として床面Fから所定の高さで支持される。
【0039】
前述した通り、この支持部4は身体受け部3の側壁部16cが有する溝側面17bに、前後方向に回動可能に連結されている。従って、第一収納状態とされている椅子1の支持部4の他端4bを後方に回動させることによって、この椅子1を、支持部4の側部材22を溝底面17aに当接させ、下部材23を身体受け部3の前壁部16aの後方へ位置させる第二収納状態へと状態変更することができる。
【0040】
[位置決め部の構成]
以下、図10及び図11に基づいて支持部4が有する位置決め部26の構成について説明する。
図10は支持部の詳細を示す前方分解斜視図であり、支持部の位置決めを行う位置決め部の構成を説明するための図面である。図11は支持部の詳細を示す前方から見た正面図であり、支持部の位置決めを行う位置決め部の構成を説明するための図面である。なお、以下の位置決め部の説明における方向の概念は、展開状態における方向の概念を基準とする。
【0041】
図10及び図11に示すように、支持部4の位置決めを行う位置決め部26は、支持部4の一端4a付近に設けられている。この位置決め部26は、各部材の詳細は後述するが、身体受け部3の側壁部16c後部に設けられたガイドシャフト27と、支持部4の一端4a付近に設けられたガイド孔28、係止部29、係止部29を変位させる操作部30、係止部29の変位方向を規制する規制部31とによって構成されている。なお、本発明の第一実施形態に係る椅子1では、位置決め部26を支持部4の左側(左側の側部材22)のみに設けているが、左右の側部材22,22に設けてもよい。
【0042】
ガイドシャフト27は、側壁部16cの溝側面17bに設けられ、左右方向外側(左側方)に突出した棒状に構成されている。ガイド孔28は、支持部4の一端4aに設けられ、支持部4の回動軸16dを中心とする円弧状に構成されている。従って、支持部4は、ガイドシャフト27とガイド孔28とによって位置規制されながら回動されるため、ガイド孔28の孔範囲内で安定して前後方向に回動することができる。
係止部29は、支持部4の一端4aに設けられ、支持部4の回動をロックする上下方向に長寸で所定の厚みをもつ係止片32と、係止片32を左右方向に揺動可能に支持する前後方向に延びる揺動軸33と、この揺動軸33を支持部4の側部材22に揺動可能に支持する軸受部34と、支持部4の回動をロックする方向に係止片32を常時付勢するトーションバネ等からなる付勢部35とにより構成されている。この係止片32は、上側が左右方向に揺動する揺動端部32aと、下側が揺動軸33に枢支された揺動基部32bとにより構成されており、この揺動端部32aは前側が左右方向に厚肉であり後側が左右方向に薄肉となっており、揺動端部32aの内側面は後方に向かうにつれて左右方向外側(左)向きに傾斜している。また、揺動端部32aが左右方向内側(右側方)に揺動するよう付勢部35により常時付勢されている。
操作部30は、係止片32の下端(すなわち、揺動基部32bの下端)付近に設けられ、付勢部35の付勢力に抗して左右方向内側(右側方)へ押動することで係止片32を変位(揺動基部32aを左右方向外側へ揺動)させるよう構成されている。
規制部31は、展開状態において、支持部4におけるガイド孔28の上方、かつ係止片(揺動端部32a)32の後方から当接する位置に設けられ、左右方向外側(左側方)に突出した棒状に構成されている。そして、この規制部31は、係止片32への後方からの当接により、係止片32の後方への変位を規制すると共に、展開状態において揺動基部32bへ過度の負荷がかからないよう係止片32を支持している。
【0043】
次に、位置決め部26による位置決めと位置決め解除の切替え動作について説明する。
図10に示すように、展開状態においては、ガイドシャフト27の後方から係止片32の揺動端部32aが当接し、ガイドシャフト27の前方からガイド孔28の孔前端部が当接しており、かつ付勢部35により揺動端部32aは左右方向内側へ付勢されているため、支持部4は前後方向への回動が規制され、展開状態おいて位置決めされている。
展開状態から第一収納状態を介して第二収納状態へと状態変更させる場合には、まず身体受け部3の後部(後壁部16b側)を前方へ回動させて第一収納状態とした後に、操作部30を付勢部35の付勢力に抗して左右方向内側へ押動することにより、揺動端部32aを左右方向外側へ揺動させて係止片32のガイドシャフト27への当接を解除すると、支持部4は前後方向への回動が許容され、第一収納状態にある支持部4の位置決めが解除される。
逆に、第二収納状態から第一収納状態を介して展開状態へと状態変更させる場合には、第二収納状態において支持部4の他端4bを第一収納状態における位置まで前方へ回動させる動作のみで、支持部4は第一収納状態で位置決めされる。その後、第一収納状態において身体受け部3の前部(後壁部16b側)を後方へ回動させることにより、支持部4は展開状態で位置決めされる(すなわち、展開状態においては、ガイドシャフト27の前方からガイド孔28の孔前端部が当接し、ガイドシャフト27の後方から係止片32の前部が当接することによって支持部4の回動がロックされる)。
なお、図10に示すように、展開状態において、係止片32の揺動端部32aはその内側面が後方に向かうにつれて左右方向外側(左)向きに傾斜しているため、係止片32の揺動端部32aの後部がガイドシャフト27へ前方から当接する際(第二収納状態にある支持部4の回動位置を第一収納状態又は展開状態へと変更する際)には、ガイドシャフト27に対する係止片32の後方への移動によって、揺動基部32aがガイドシャフト27により左右方向外側へ押し出されていく。従って、位置決め部26による位置決めを解除することなく、第二収納状態における支持部4の他端4bを前方へ回動させて、第一収納状態を介して展開状態へと状態変更することができる。
【0044】
[身体受け部の折畳み機構]
図12は、本発明の第一実施形態に係る椅子の状態変化を説明する側面図であり、図12(a)は展開状態における椅子の側面図であり、図12(b)は第一収納状態における椅子の側面図であり、図12(c)は第二収納状態における椅子の側面図である。
【0045】
図12(a)に示すように展開状態では、身体受け部3がフットレスト2及び支持部4によって床面Fから所定の高さで支持されており、身体受け部3の載置面14が上向きに露出している。従って、使用者が身体受け部3の載置面14に着座し、フットレスト2の左右の溝2a,2aに脚を収容して、前述したマッサージ部Mによって背中、臀部、及び脚部等にマッサージを施すことができる椅子型マッサージ機として椅子1を使用することができる。なお、展開状態の椅子1に着座する使用者は前方を向くことになる。
【0046】
そして、図12(a)の二点鎖線で示すように、使用者が下向きに露出している身体受け部3の着座面15を上方かつ前方へ押上げる等の作業によって、身体受け部3の後部(後壁部16b側)を、身体受け部3の前部(前壁部16a)に設けられた回動機構18を介して左右方向の回動軸18a回りに前方へ回動させる。この動作を載置面14がフットレスト2の上部(側壁部6及び中間壁部7の上部)に当接するまで行うことにより、椅子1が図12(b)に示す第一収納状態へと変化する。
【0047】
図12(b)に示すように第一収納状態では、身体受け部3がフットレスト2の上部に載置され、身体受け部3の着座面15が上向きに露出している。また、支持部4の他端4bが一端4aに対して上に位置するように、支持部4が身体受け部3の側壁部16cから上方に向かって立ち上がっている。従って、使用者が着座面15に着座し、支持部4に凭れかかることができる背凭れ部付きの椅子として椅子1を使用することができる。なお、第一収納状態の椅子1に着座する使用者は後方を向くことになる。
【0048】
そして図12(b)の二点鎖線で示すように、使用者が支持部4の下部材23を掴んで後方かつ下方へ引き下げる等の作業によって、支持部4の他端4bを回動軸16d回りに後方へ回動させる。この作業を支持部4が収容溝17の溝底面17aに当接するまで行うことにより、椅子1が図12(c)に示す第二収納状態へと変化する。
【0049】
図12(c)に示すように第二収納状態では、第一収納状態と同様に、身体受け部3がフットレスト2の上部に載置され、身体受け部3の着座面15が上向きに露出しているが、第一収納状態と異なり、支持部4の他端4bが一端4aに対して後方に位置し、かつ支持部4が身体受け部3の側壁部16cの側部に位置する(つまり、側部材22が溝側面17bの側部に位置する)ように、支持部4が後方に向かって倒れ込んでいる。従って、使用者が着座面15に着座する背凭れ部のないスツールとして椅子1を使用することができる。なお、第一収納状態の椅子1に着座する使用者はいずれの方向へも向くことができる。
【0050】
[本発明の他の実施形態に係る椅子の構成]
次に図13及び図14に基づいて、本発明の他の実施形態に係る椅子の構成について説明する。
図13は本発明の第二実施形態に係る第一収納状態における椅子の全体構成を示す側面図であり、図14は本発明の第三実施形態に係る第一収納状態における椅子の全体構成を示す側面図である。
【0051】
図13に示すように、第二実施形態に係る椅子1は、フットレスト2の前部、かつ下方に床面Fを転動する左右一対の車輪200,200を備えており、より具体的に説明すると、この車輪200はフットレスト2が有する底壁部8の前部に備えられている。なお、この左右一対の車輪200は、底壁部8に代えて、フットレスト2が有する左右の側壁部6の前部かつ下方に備えていてもよい。
更に、第二実施形態の椅子1は、フットレスト2と身体受け部3を第一又は第二収納状態で固定するロック機構201を備えている。より具体的に説明すると、このロック機構201は、フットレスト2が有する側壁部6の前部かつ下方に設けられ、前方へ突出したかぎ状の左右一対の係合部材(図示せず)と、身体受け部3の両側方、かつ上方に設けられ前記係合部材に係合される孔である左右一対の被係合部材(図示せず)とによって構成されている。このロック機構201は、第一又は第二収納状態とすべく、フットレスト2の側壁部6の前部と身体受け部3における背凭れ部分3bの載置面14を当接させることにより前記係合部材が前記被係合部材に係合し、フットレスト2と身体受け部3が第一又は第二収納状態でロックされ、側壁部6に備えられたロック解除操作部202を操作する(押す)ことにより前記係合部材が前記被係合部材から離脱し、展開状態へと状態変更することが可能となる。
この第二実施形態に係る椅子1によれば、第一収納状態において支持部4を引き手として利用し、椅子1を前方へ傾斜させて車輪200を床面Fに設地させることにより、椅子1を容易に移動させることができる。
【0052】
図14に示すように、第三実施形態に係る椅子1は、身体受け部3の上部、かつ側方に床面Fを転動する左右一対の車輪200,200を備えており、より具体的に説明すると、この車輪200は身体受け部3が有する背凭れ部分3bの上部、かつ側方に備えられており、車輪200の転動面が展開状態において背凭れ部分3bの後端よりも若干後方へ突出している(図14では、車輪200は背凭れ部分3bよりも左方向へ突出している)。
更に、第三実施形態の椅子1は、フットレスト2と身体受け部3を第一又は第二収納状態で固定する第二実施形態と同様の構成のロック機構201、及びロック解除操作部202とを備えている。
この第三実施形態に係る椅子1によれば、第二実施形態と同様に、第一収納状態において支持部4を引き手として利用し、椅子1を前方へ傾斜させて車輪200を床面Fに設地させることにより、椅子1を容易に移動させることができる。
なお、第二及び第三実施形態に係る椅子1の車輪200、ロック機構201、ロック解除操作部202を除くその他の構成は第一実施形態に係る椅子1の構成と同様であるため説明を省略する。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、フットレストを使用しない収納状態においては、大幅に設置スペースを小さくすることができる椅子に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第一実施形態に係る展開状態における椅子の全体構成を示す前方斜視図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る展開状態における椅子の全体構成を示す後方斜視図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係る第一収納状態における椅子の全体構成を示す前方斜視図である。
【図4】本発明の第一実施形態に係る第一収納状態における椅子の全体構成を示す後方斜視図である。
【図5】本発明の第一実施形態に係る第二収納状態における椅子の全体構成を示す前方斜視図である。
【図6】本発明の第一実施形態に係る第二収納状態における椅子の全体構成を示す後方斜視図である。
【図7】本発明の第一実施形態に係る椅子のフットレストの後方分解斜視図である。
【図8】本発明の第一実施形態に係る椅子の身体受け部の前方斜視図である。
【図9】本発明の第一実施形態に係る椅子の身体受け部の回動に伴う第二溝の移動について説明するための模式図であり、図9(a)は図1のA−A線断面の模式図であり、図9(b)は図9(a)の状態から身体受け部を前方へ略90度回動させた状態の模式図であり、図9(c)は図6のB−B線断面の模式図である。
【図10】支持部の詳細を示す前方分解斜視図であり、支持部の位置決めを行う位置決め部の構成を説明するための図面である。
【図11】支持部の詳細を示す前方から見た正面図であり、支持部の位置決めを行う位置決め部の構成を説明するための図面である。
【図12】本発明の第一実施形態に係る椅子の状態変化を説明する側面図であり、(a)は展開状態における椅子の側面図であり、(b)は第一収納状態における椅子の側面図であり、(c)は第二収納状態における椅子の側面図である。
【図13】本発明の第二実施形態に係る第一収納状態における椅子の全体構成を示す側面図である。
【図14】本発明の第三実施形態に係る第一収納状態における椅子の全体構成を示す側面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 椅子
2 フットレスト
3 身体受け部
4 支持部
13 第一溝
14 載置面
15 着座面
17 収容溝
21 第二溝
26 位置決め部
101 エア配管
200 車輪
201 ロック機構
F 床面
M マッサージ部
S1,S2 内部空間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に置かれ使用者の脚部を収容するフットレストと、
前記フットレストに連結され、少なくとも使用者の臀部を支持する身体受け部とを備えた椅子であって、
前記身体受け部は、使用者の身体を置くための載置面を有し、該載置面が前記フットレストの上部に位置する収納状態から該載置面が上向きに露出する展開状態へ状態変更可能となるように、前記フットレストに回動可能に連結されていることを特徴とする椅子。
【請求項2】
前記身体受け部は、前記載置面の裏側に使用者が着座する着座面を有し、前記収納状態では該着座面が上向きに露出するよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の椅子。
【請求項3】
前記身体受け部は、展開状態において該身体受け部を床面から所定の高さで支持する支持部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の椅子。
【請求項4】
前記支持部は、該支持部の一端が前記身体受け部に連結され、収納状態において該支持部の他端が前記一端よりも上部に位置するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の椅子。
【請求項5】
前記支持部は、展開状態において該支持部の一端が前記身体受け部の後部に連結され、収納状態において該支持部の他端が前記着座面の上部又は側部に位置することができるように回動可能に構成されていることを特徴とする請求項3に記載の椅子。
【請求項6】
前記支持部は、該支持部の前記身体受け部に対する回動を展開状態でロックする位置決め部を有していることを特徴とする請求項5に記載の椅子。
【請求項7】
前記載置面は、使用者の臀部及び背中を支持し、展開状態において前方へ向かうにつれて下方に傾斜した下方傾斜面を有し、
前記フットレストの上部は、収納状態において前記載置面が当接する前方へ向かうにつれて下方に傾斜した下方傾斜面を有していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の椅子。
【請求項8】
前記フットレストと前記身体受け部とを収納状態で固定するロック機構を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の椅子。
【請求項9】
収納状態における前記フットレストの前部、又は前記身体受け部の下部に床面を転動するための車輪を有していることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の椅子。
【請求項10】
前記フットレストと前記身体受け部のうち少なくともいずれかはマッサージ部を有していることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の椅子。
【請求項11】
前記身体受け部は、エアの給排気により膨張収縮して使用者にマッサージを施すエアセルよりなるマッサージ部を有し、
前記フットレストは、当該フットレスト内部にエア配管を介して前記マッサージ部に対してエアを給排気するエア給排気装置を有し、
展開状態における前記フットレストの上部後方には、上方及び後方に開放端を有し該フットレスト内部に通じる第一溝が設けられ、
展開状態における前記身体受け部の前部には、上方及び前方に開放端を有し該身体受け部内部に通じる第二溝が設けられ、
前記第一溝と第二溝は、左右方向において互いに対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の椅子。
【請求項1】
床面に置かれ使用者の脚部を収容するフットレストと、
前記フットレストに連結され、少なくとも使用者の臀部を支持する身体受け部とを備えた椅子であって、
前記身体受け部は、使用者の身体を置くための載置面を有し、該載置面が前記フットレストの上部に位置する収納状態から該載置面が上向きに露出する展開状態へ状態変更可能となるように、前記フットレストに回動可能に連結されていることを特徴とする椅子。
【請求項2】
前記身体受け部は、前記載置面の裏側に使用者が着座する着座面を有し、前記収納状態では該着座面が上向きに露出するよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の椅子。
【請求項3】
前記身体受け部は、展開状態において該身体受け部を床面から所定の高さで支持する支持部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の椅子。
【請求項4】
前記支持部は、該支持部の一端が前記身体受け部に連結され、収納状態において該支持部の他端が前記一端よりも上部に位置するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の椅子。
【請求項5】
前記支持部は、展開状態において該支持部の一端が前記身体受け部の後部に連結され、収納状態において該支持部の他端が前記着座面の上部又は側部に位置することができるように回動可能に構成されていることを特徴とする請求項3に記載の椅子。
【請求項6】
前記支持部は、該支持部の前記身体受け部に対する回動を展開状態でロックする位置決め部を有していることを特徴とする請求項5に記載の椅子。
【請求項7】
前記載置面は、使用者の臀部及び背中を支持し、展開状態において前方へ向かうにつれて下方に傾斜した下方傾斜面を有し、
前記フットレストの上部は、収納状態において前記載置面が当接する前方へ向かうにつれて下方に傾斜した下方傾斜面を有していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の椅子。
【請求項8】
前記フットレストと前記身体受け部とを収納状態で固定するロック機構を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の椅子。
【請求項9】
収納状態における前記フットレストの前部、又は前記身体受け部の下部に床面を転動するための車輪を有していることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の椅子。
【請求項10】
前記フットレストと前記身体受け部のうち少なくともいずれかはマッサージ部を有していることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の椅子。
【請求項11】
前記身体受け部は、エアの給排気により膨張収縮して使用者にマッサージを施すエアセルよりなるマッサージ部を有し、
前記フットレストは、当該フットレスト内部にエア配管を介して前記マッサージ部に対してエアを給排気するエア給排気装置を有し、
展開状態における前記フットレストの上部後方には、上方及び後方に開放端を有し該フットレスト内部に通じる第一溝が設けられ、
展開状態における前記身体受け部の前部には、上方及び前方に開放端を有し該身体受け部内部に通じる第二溝が設けられ、
前記第一溝と第二溝は、左右方向において互いに対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の椅子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−148815(P2010−148815A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−332775(P2008−332775)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000112406)ファミリー株式会社 (175)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000112406)ファミリー株式会社 (175)
【Fターム(参考)】
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