説明

椅子

【課題】本発明の目的は、夏の暑い最中においても、冬の寒い最中においても快適に利用することができる椅子を提供することにある。
【解決手段】椅子の着座部及び背もたれ部を構成する構成部材を、格子状に配置した第1パイプ3a及び第2パイプ3bにより形成した。そして、その第2パイプ3bの内部に給水路を形成すると共に、その給水路に連通したミストノズル6を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外や体育館等の広い室内に対する設置に適した椅子に関するものであって、特に夏期における冷却や冬期における加温に適する椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、屋外に設置される椅子は、風雨に曝されて劣化することを防止するために、木製のものに替えて合成樹脂製や金属製のものが多く用いられる。ところが、夏の炎天下に置かれた合成樹脂製や金属製の椅子は、座ることを躊躇せざるを得ないほどに熱くなる場合がある。そのため、設置が簡便なキャンバス製の簡易屋根により椅子を覆った例もみられるが、その効果はないよりはよい程度とお思われる。
【0003】
特に夏場の屋外休憩施設を快適に利用できるものとして、特許文献1には屋外休憩施設の冷却装置が開示されている。この冷却装置は、屋外に設置した椅子、パラソル、テーブル及びベンチ等の屋外休憩施設に霧状に水噴霧を行うノズルが設けられ、そのノズルからの噴霧により周囲を冷却したり冷気を生じさせたりするようになっている。そして、その冷却装置がベンチに用いられる実施例において、水源から水中ポンプにより送られる水は、ベンチや椅子の座板に下向きに設けられているノズルから噴霧され、座板の下側空間やその周囲に冷気を生じさせ、ベンチ等、それ自体の温度も下げるとされている。
【特許文献1】特開平6−170293号公報([要約]を参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前記特許文献1においては、前記ノズルに水を供給するための給水系統については、明細書及び図面のいずれにも開示されていない。しかし、この特許文献1の図面に記載においては、ベンチや椅子は簡易可搬タイプのものと思われるため、前記給水系統は、椅子とは別体の耐圧ホースが用いられ、その耐圧ホースを介して水がノズルに供給されるとするのが自然である。従って、その給水系統がベンチ等にとって必ずしも見栄えのよいものではなく、しかも給水系統を通る水や温水の温度を有効利用できない。
【0005】
本発明は、このような問題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、夏の暑い最中においても、冬の寒い最中においても快適に利用することができると共に、見栄えの良い椅子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために請求項1に記載の椅子の発明は、身体支持部を構成する構成部材が給水路を形成していることを特徴とする。なお、ここで用いられている「椅子」は一人用の椅子に限らず、複数の人が着座することが可能な長椅子も含むものとする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記身体支持部は、着座部及び背もたれ部であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記構成部材に、着座者側以外の方向を指向するミストノズルを設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の発明において、前記構成部材は、格子状に配置されたパイプ状体から成ることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記パイプ状体において、一方の方向に配置されたパイプ状体の内部には、前記給水路が形成され、他方の方向に配置されたパイプ状体の内部には、循環用の水が流通する流通路が形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
(作用)
本発明の椅子においては、身体支持部を構成する構成部材が給水路を形成している。このため、椅子内を温水又は冷水を流通させることができ、冷却や加温に供することができる。
【0010】
また、前記構成部材にミストノズルを設ければ、ミストノズルに水を供給するための送水管を別途配管する場合と異なり、椅子の外観を損なうことが防止される。そして、そのミストノズルからの噴霧により、周辺に冷気を生じさせることが可能となる。
【0011】
また、上記構成部材を格子状に配置されたパイプ状体で形成すれば、そのパイプ状体の内部を給水路とすることが容易となる。そして、格子状の一方の方向(例えば縦方向)に配置されたパイプ状体の内部に給水路を形成し、他方の方向(例えば横方向)に配置されたパイプ状体の内部に循環用の水が流通する流通路を形成すれば、ミスト状の水の噴霧の有無に関わらず、温水又は冷水を循環させて流通させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、夏の暑い最中においても、冬の寒い最中においても快適に利用することができると共に、見栄えの良い椅子を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した椅子1の実施形態を、図1〜4を用いて説明する。
図1に示す屋外用の椅子1(長椅子又はベンチ)は、2ヶ所の脚部5に支持された基体4上に複数個の2人掛け(1人掛けでもよい)の椅子1aが固定されている。各椅子1aには、左外枠2a、上外枠2b、右外枠2c及び下外枠2dが一体に形成されたパイプ状体である鋼製パイプの環状体の外枠2と、その外枠2の内側に背もたれ部及び着座部を構成する構成部材としての受け部材3とが固着されている。椅子1aは、外枠2及び受け部材3のそれぞれが水の流路となっている。前記背もたれ部及び着座部は身体支持部を構成する。
【0014】
図2に示すように、受け部材3はパイプ状体である鋼製パイプからなる第1パイプ3aと第2パイプ3bとが格子状に形成されたものである。そして、第1パイプ3aは外枠2の左外枠2aと右外枠2cとの間を連結して流通路を形成し、第2パイプ3bは外枠2の上外枠2bと下外枠2dとの間を連結して給水路を形成している。なお、第1パイプ3aと第2パイプ3bとは格子状に交差しているが、それぞれの内部の流路は連結していない。
【0015】
図3及び図4を用いて、受け部材3の詳細を説明する。ここに示される格子状に配置された第1パイプ3a及び第2パイプ3bは、背もたれ部及び着座部を形成するものである。図4は、図の右側が着座者の側である。図4に示すように、第1パイプ3a及び第2パイプ3bは、着座者に対して同一面を形成するように着座者側の面の高さが揃えられている。それぞれが交差する部分においては、第2パイプ3bが第1パイプ3aの裏側(図の左側)を迂回するように、第2パイプ3bは凹曲部3cにおいて湾曲されている。凹曲部3cと凹曲部3cに配置された第1パイプ3aとは溶接で固定されている。
【0016】
また、図3及び図4に示すように、第2パイプ3bの裏側(図4の左側)、つまり、背もたれ部の後面側及び着座部の下面側において、2本の第1パイプ3aの中間に位置する部分には、細孔6aを有するミストノズル6が固着されており、第2パイプ3b内の水が細孔6aから外方へミスト状に噴霧されるようになっている。背もたれ部側の細孔6a及び着座部側の細孔6aは着座者側以外の方向を指向し、すなわち、背もたれ部側の細孔6aが後方を指向し、着座部側の細孔6aは下方を指向している。このとき、内部の水により外枠2及び受け部材3全体の温度が下がるので、気温が高いときに着座する人にとっては、涼感が心地よく感じられることになる。また、受け部材3の裏側の空間がミスト状に噴霧された水の気化熱により冷やされるので、その冷気が着座者の背面を漂うことになり、着座者の感じる涼感は更に高まることになる。
【0017】
図5に示す着座センサSS1は椅子1aの着座部に設けられ、着座者の有無を検出する。温度センサSS2は着座部の裏面に設けられ、椅子1aの温度を検出する。
なお、本実施形態では、図3に示すように、第2パイプ3bの裏側において、ミストノズル6が2本の第1パイプ3aの間に1個ずつ配置されているが、第1パイプ3aと第2パイプ3bとのよりなる格子の配列ピッチ等に応じて、ミストノズル6の配置は適宜位置とすることが可能である。また、全ての第2パイプ3bの裏側にミストノズル6を設けなくてもよい。
【0018】
また、本実施形態の屋外用の椅子1は複数個の椅子1aが並設されたものであるが、1個の椅子1aのみを1個の脚部5で支持する屋外用の椅子1とすることも可能である。更に、複数個の椅子1aを一体化した構成の長椅子とすることも可能である。
【0019】
次に図5を用いて、上記のようにミストノズル6からミスト状に水を噴霧したり、受け部材3の背もたれ部や着座部を循環する冷水や温水で冷やしたり暖めたりするための冷水又は温水の回路について説明する。
【0020】
水道等の水源33と貯水タンク32とは開閉弁S1を介して流路L0で連結しており、開閉弁S1の開弁により貯水タンクに水が供給される。このとき、貯水タンク32に水量計を設置し、開閉弁S1を電磁式開閉弁とすれば、噴霧による水の減少に対応して、水源33からの水の自動供給が可能となる。また、貯水タンク32に図示しないヒートポンプ等の温度調節装置を設置しておけば、回路内に流す水の温度を調節することができる。
【0021】
貯水タンク32の水は流路L1を介してポンプPで吸い上げられ、流路L2を介して椅子1aの回路に供給される。このポンプPは、複数の椅子1aに水を供給しミストノズル6からミスト状の水を噴霧することが可能な圧力以上の所定の吐出圧力を維持できる吐出力を有している。また、着座センサSS1により着座者を感知したり、温度センサSS2により設定温度よりも高い気温を感知したりしたとき、制御部31によりポンプPの運転・停止が制御されるようになっている。
【0022】
椅子1aに供給された水は、外枠2及び受け部材3に供給されることになるが、水の圧力の高低により水流の回路は異なることになる。
各椅子1aの外枠2に前記流路L2が接続され、この流路L2は外枠2の流路20aに接続され、その流路20aの両端においてパイロット逆止弁7を介して2つの流路20b、20dに分岐されている。このパイロット逆止弁7はその上流側の圧力を感知して開放動作される。パイロット逆止弁7の下流側における流路20b、20dには、縦方向の前記第2パイプ3bよりなる流路30bの両端が接続されている。また、流路20aには横方向の前記第1パイプ3aよりなる流路30aが接続され、その流路30aの下流側の端部は、外枠2の流路20cに接続されている。流路20cは隣接する椅子1aの流路20aに接続され、流路30a及び流路20cを介して前記貯水タンク32に至る流路L3が接続されている。
【0023】
前記流路L2、L3の配管は前記脚部5内を通り、各椅子1a間の配管は前記基体4内を通っている。
水の圧力が低い場合、左外枠2a内の流路20aを流れる水(温水を含む)は、流路20aの両端のパイロット逆止弁7により流れを遮られ、流路20b、20dには供給されない。そのため、流路20aを流れる水は、回路外へ噴霧されることなく、流路30aを流れて流路20cに集められ、次の椅子1aの流路20aに供給される。そして、水は、複数の椅子1aの流路30aを流れて、椅子1aを冷やしたり暖めたりした後、流路L3を介してリリーフバルブRに戻り、更に流路L4及び開閉弁S2を経由して貯水タンク32に戻る。このように、水は回路内を循環するようになっている。
【0024】
また、開閉弁S2が閉じられた時、貯水タンク32への戻り流路が遮断されるため、椅子1a内の回路内は圧力が上昇して、リリーフバルブRにより所定圧力に維持される。このとき、椅子1aの流路20aにおいては、水の圧力が所定圧力以上となるため、流路20aの両端に設置されたそれぞれのパイロット逆止弁7が開き、水が、上外枠2b内の流路20bへ供給されると同時に、下外枠2d内の流路20dへ供給される。すると、流路20b及び流路20dから、第2パイプ3b内の流路30bへ、所定圧力の水が供給されるので、複数設けられたミストノズル6の細孔6aからミスト状の水が噴霧されることになる。
【0025】
このミスト状の水の噴霧は、全ての椅子1aのミストノズル6において同時に行われるので、着座者の背面側の空間は、背中の後側、臀部及び大腿部の下側等において冷やされ、着座者に涼感を感じさせることになる。
【0026】
従って、以上の構成において、椅子1aの温度が所定値以上であって、着座者が存在する場合は、センサSS1,SS2からの出力により、開閉弁S2が閉じられた状態でポンプPが作動する。このため、椅子1a内の回路の圧力が高くなって、パイロット逆止弁7が開放される。従って、ミストノズル6からの噴霧が行われ、椅子1a及びその周囲の空間が冷却される。
【0027】
また、椅子1aの温度が所定値以上の場合、制御部31における設定に従って開閉弁S2が開放された状態でポンプPを作動させることができる。この場合には、椅子1a内の回路の圧力は高くならないため、パイロット逆止弁7は閉鎖状態を維持する。従って、貯水タンク32からの水は横方向の前記第1パイプ3aよりなる流路30a内を流れ、ミストノズル6からの噴霧が行われないが、水により椅子1aを冷却することが可能になる。
【0028】
さらに、椅子1aの温度が所定値以下の場合は、センサSS1からの出力により、温度調節装置が作動されて貯水タンク32内の水が温められる。この状態で着座者が存在する場合は、ポンプPが作動されるとともに、開閉弁S2が開放されて、温水が椅子1aの第1パイプ3aに供給されて、着座者を暖めるために椅子1aが暖められるとともに、椅子1aを加温した温水が貯水タンク32に戻されて、再度暖められる。
【0029】
なお、このように格子状に配置された第1パイプ3a及び第2パイプ3bを椅子1aの受け部材3とすることなく、例えば公園における遊歩道等にフェンスとして設置して、歩行者に涼感をもたらすようにすることも可能である。その際、ミスト状の水を噴霧する側が下向きにされて緩く傾斜するようにフェンスを設置すれば、歩行者はそのフェンスに寄りかかって休憩することができ、しかも背中に涼感を感じることができる。更に、そのフェンスの上方に日よけを設ければ、涼感を感じさせる効果は一段と高まるものになる。
【0030】
従って、上記実施形態の屋外用の椅子1によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、椅子1aの着座部及び背もたれ部を構成する受け部材3にミストノズル6を設けて、そのミストノズル6に水を供給する流路30bを受け部材3の内部に形成した。そのため、ミストノズル6に水を供給するための送水管を別途配管する場合と異なり、椅子1の外観を損なうことが防止され、受け部材3の周辺に冷気を生じさせ、また、受け部材3自体の温度を下げて着座者に涼感を感じさせることが可能な椅子1を提供することができる。
【0031】
(2)上記実施形態では、受け部材3を格子状に配置された第1パイプ3a及び第2パイプ3bで形成して、それぞれの内部を流路30a及び流路30bとした。そして、パイロット逆止弁7により流路30bに水を供給せずに流路30aだけに水を流通させることができるようにした。そのためミスト状の水の噴霧の有無に関わらず、温水又は冷水を椅子1aにおいて流通させることができる。従って、着座者に対して、夏季においてはより涼感を感じさせ、冬季においては暖かさを感じさせることが可能な椅子1を提供することができる。
【0032】
(3)上記実施形態では、開閉弁S2を閉弁することにより水の回路内の圧力を所定圧力以上とし、これに基づいてパイロット逆止弁7を開き流路30bに水を供給して、ミストノズル6からのミスト状の水の噴霧を可能とした。そのため、高圧少量の水で冷却効果を得ることができるので省資源的なランニングコストにより、着座者に涼感を感じさせることが可能な椅子1を提供することができる。
【0033】
(4)上記実施形態では、流路L2、L3等の配管を脚部5や基体4の内部に通した。そのため、地中の配管と椅子1a内部の水の回路とを連結する給水路及び排水路を椅子の外部に露出させることなく形成することができるので、美観が損なわれずに維持された椅子1を提供することができる。
【0034】
(5)上記実施形態では、着座センサSS1及び温度センサSS2を設置し、それぞれのセンサからの信号を受けた制御部31によりポンプPの運転・停止を制御して、ミストノズル6からの水の噴霧や温水の供給を制御できるようにした。そのため、夏季等において、気温が低い場合あるいは冬季において気温が高い場合及び着座者がいない場合のいずれかが該当する場合、水を噴霧しないようにしたり、温水を供給しないようにしたりすることができるので、ランニングコストにおいて省資源化を実現した椅子1を提供することができる。
【0035】
(変更例)
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 椅子1aを、着座部及び背もたれ部に加えて、身体支持部としてのオットマン,ヘッドレスト,肘掛けのうちの少なくとも一つを有する構成とするとともに、それらのオットマン,ヘッドレスト,肘掛けを給水路としての給水管により構成すること。そして、それらの給水管に着座者側以外の方向を指向するミストノズルを設けること。
・ 椅子1aを、着座部のみを有する構成とするとともに、その着座部を給水路としての給水管により構成すること。そして、その給水管に着座者側以外の方向を指向するミストノズルを設けること。
・ 椅子1aの構成部材として、格子状に配置された第1パイプ3a及び第2パイプ3bにより受け部材3を形成したが、受け部材3を板状に形成して、その内部に流路30a及び流路30bを区画形成し、流路30bに連通したミストノズル6を設けること。
・ 第1パイプ3aと第2パイプ3bとを直交する格子状に配置したが、第1パイプ3aと第2パイプ3bとが、互いに直交することなく斜めに交差するようにすること。
・ 外枠2及び受け部材3を鋼製としたが、外枠2及び受け部材3の両方又はいずれか一方を合成樹脂製とすること。また、受け部材3を合成樹脂製のチューブで形成して、そのチューブ内に水が供給されるようにすること。
・ 屋外用の椅子1を2個の椅子1aにより形成したが、2個以外の複数の数の椅子1aとすること。
・ 脚部5を左右の2ヶ所に設けたが、3個以上の数の脚部5を設けること。
・ 着座センサSS1及び温度センサSS2を設けたが、そのいずれか一方のセンサのみを設けること。
・ ミストノズル6をパイロット逆止弁7の下流側において外枠2に設けること。
【0036】
(他の技術的思想)
さらに、上記実施形態より把握できる技術的思想について、それらの効果と共に以下に記載する。
(A) 前記着座部及び背もたれ部の外枠はパイプで形成され、その外枠の内部にはパイロット逆止弁により区分されて、前記給水路に連通する流路と前記流通路に連通する流路とが形成されていることを特徴とする請求項5に記載の屋外用の椅子。このように構成した場合、パイロット逆止弁7の機能を利用してミストノズル6を有する流路30bに連通する流路20b、20dと有しない流路30aに連通する流路20aとして別々に区分けすることができる。しかも、ミストノズル6から噴霧が行われないときには、パイロット逆止弁7によりミストノズル6を有する流路30bが閉鎖されるため、ミストノズル6からの水の漏洩が防止される。
(B) 水源に接続された配管が脚部内に通されていることを特徴とする請求項1ないし5、前記技術的思想(A)項のうちのいずれか一項に記載の屋外用の椅子。このように構成した場合、水の給排水のための配管を椅子1aの外部に露出させることなく形成することができる。
(C) 着座センサ及び温度センサのいずれか一方又は両方が設置され、それぞれのセンサからの信号を受けた制御部によりミストノズルからの水の噴霧を制御するようにしたことを特徴とする請求項1ないし5、前記技術的思想(A)項、(B)項のうちのいずれか一項に記載の屋外用の椅子。このように構成した場合、夏季等において気温が低い場合及び着座者がいない場合のいずれかが該当する場合に、ミストの噴霧を停止することができる。
(D) 複数の脚部を有し、その脚部に支持される基体上に複数の着座部及び背もたれ部が横方向に並設されたベンチタイプであることを特徴とする請求項1ないし5、前記技術的思想(A)〜(C)項のうちのいずれか一項に記載の屋外用の椅子。このように構成した場合、個々の着座部及び背もたれ部において、水をミスト状に噴霧したり、水又は温水を循環させたりすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施形態の屋外用の椅子を模式的に示す図であり、(a)はその正面図、(b)は左側面図。
【図2】本発明の実施形態の屋外用の椅子の一部の背面を示す斜視図。
【図3】本発明の実施形態の構成部材を裏面から見た模式図。
【図4】図3におけるAA矢視の断面図。
【図5】本発明の実施形態における水の流れを示す回路図。
【符号の説明】
【0038】
1,1a…椅子、2…外枠、3…受け部材、3a…第1パイプ、3b…第2パイプ、4…基体、5…脚部、6…ミストノズル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体支持部を構成する構成部材が給水路を形成していることを特徴とする椅子。
【請求項2】
前記身体支持部は、着座部及び背もたれ部であることを特徴とする請求項1に記載の椅子。
【請求項3】
前記構成部材に、着座者側以外の方向を指向するミストノズルを設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の椅子。
【請求項4】
前記構成部材は、格子状に配置されたパイプ状体から成ることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の椅子。
【請求項5】
前記パイプ状体において、一方の方向に配置されたパイプ状体の内部には、前記給水路が形成され、他方の方向に配置されたパイプ状体の内部には、循環用の水が流通する流通路が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の椅子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−51459(P2010−51459A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−218249(P2008−218249)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】