説明

椅子

【課題】ランバーサポート部材の軌跡を制御するとともに、望ましい大きな支持力を発揮することのできる椅子を提供する。
【解決手段】背凭れ100と、この背凭れに上下方向に移動可能に支持されるランバーサポート部材200とを備える椅子において、前記背凭れは、左右両側部に、前記ランバーサポート部材の左右側部を脱落不能に、かつ上下方向に移動可能に案内支持するガイド部121と、このガイド部よりも左右方向の内側に、上下方向の案内突条116とを備えており、前記ランバーサポート部材は、左右両側部に、前記ガイド部によって案内支持されるガイド支持部210と、このガイド支持部よりも左右方向の内側に、ランバーサポート部材が上下方向へ移動するときに、前記案内突条に摺接して、ランバーサポート部材を案内突条の側面視における前縁部の形状にほぼ沿って移動させる摺接部230とを備えているものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、背凭れと、この背凭れに対し上下方向に移動可能に支持されるランバーサポート部材とを備える椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
背凭れに、着座者の腰部を支持するランバーサポート部材を取付けてなる椅子は、これまで多くの提案がなされ公知である。
着座者の身長は様々であることから、ランバーサポート部材は、特許文献1に記載の発明のように、その上下位置を調整できることが望ましい。
このため、ランバーサポート部材の上下方向に移動する軌跡を制御することが提案されている。
【0003】
たとえば特許文献2記載の発明では、背凭れの屈曲に沿った形状の上下案内部材を背凭れに取付け、これに沿ってランバーサポート部材を移動することが提案されている。
【0004】
また特許文献3記載の発明では、ランバーサポート部材を、その下側部において背凭れ屈曲点よりも下方の部位に上下動可能に支持したものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4133067号公報
【特許文献2】特開2010−063820号公報
【特許文献3】特開2011−103933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年では、背凭れが着座者の腰部に相当する部位が前方に突出した形状をなしている椅子が主流になっている。このような椅子において、特許文献1記載の発明のように、ランバーサポート部材を上下方向に単に垂直に動かすだけでは、前記腰部を支持する部位のように背凭れの稜線が前方に突出している部位近傍ではランバーサポート部材の前後位置が相対的に後方になるため、ランバーサポート部材による支持力を感じにくくなるという問題がある。
【0007】
また、特許文献2記載の発明では、ランバーサポート部材は背凭れの形状に沿って移動するのみであるため、支持力が屈曲点では強く、それより離間した部位では相対的に弱くなるという問題がある。さらにランバーサポート部材が背凭れに支持されている部位は左右両側部のみであるため、中央部は撓んでしまい、望ましい支持力は得られないという難点もある。
【0008】
また、特許文献3記載の発明では、支持部の長さを調節することで、屈曲点を超えたところでもランバーサポート部材が前上方に移動するように軌跡を制御することが可能である。しかし、ランバーサポート部材の上部は背凭れから離間した部位で前後方向に遊動するため、ランバーサポート部材は上方へ移動するほど全体が後方へ移動しやすくなる。このためランバーサポート部材は背中を強く押すことができず望ましい支持力を得ることが難しい。
【0009】
本願発明は、上記の問題に鑑み、ランバーサポート部材の軌跡を制御するとともに、望ましい大きな支持力を発揮することのできる椅子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)背凭れと、この背凭れに上下方向に移動可能に支持されるランバーサポート部材とを備える椅子において、前記背凭れは、左右両側部に、前記ランバーサポート部材の左右側部を脱落不能に、かつ上下方向に移動可能に案内支持するガイド部と、このガイド部よりも左右方向の内側に、上下方向の案内突条とを備えており、前記ランバーサポート部材は、左右両側部に、前記ガイド部によって案内支持されるガイド支持部と、このガイド支持部よりも左右方向の内側に、ランバーサポート部材が上下方向へ移動するときに、前記案内突条に摺接して、ランバーサポート部材を案内突条の側面視における前縁部の形状にほぼ沿って移動させる摺接部とを備えているものとする。
【0011】
このような構成とすると、ランバーサポート部材は、その左右両側部を、ガイド部材によって脱落不能に支持された状態で上下方向に案内されて移動し、かつ案内突条に摺接し、案内突条の側面視における前縁部の形状にほぼ沿って移動する。このため脱落を防止しうるとともに、案内突条の形状によって自由にランバーサポート部材の軌跡を制御することができる。また案内突条は、ガイド部材よりも左右方向の内側に設けられているため、ランバーサポート部材は左右方向に広く支持されることになるので、背中による荷重がランバーサポート部材に加わった際にも、中央部が撓み後方に変形して背中を適切に支持できないといった現象を防止し、大きな支持力をもって背中を支持することができる。
【0012】
(2)上記(1)項において、ランバーサポート部材の左右両側部におけるガイド支持部が、ランバーサポート部材の上部における左右両側部に設けられているものとする。
【0013】
このような構成とすると、たとえばガイド支持部がランバーサポート部材の両側部における上下方向の中央に設けられている場合と比較して、ランバーサポート部材において前後方向の位置が変化し易い上部をも、安定的に支持することができる。
【0014】
(3)上記(1)項または(2)項において、ランバーサポート部材におけるガイド支持部が、ランバーサポート部材の左右両側部から外方に向けて延出されるとともに、その上下方向の平面が、ランバーサポート部材の上下方向の平面と平行であって、かつ上下方向の幅がランバーサポート部材よりも小さな幅として形成されているものとする。
【0015】
このような構成とすると、ガイド支持部の必要な物理的変形が得られ易いため、ランバーサポート部材が上下方向に移動する際に、案内突条の側面視における前縁部の形状に沿っての移動が容易となる。
【0016】
(4)上記(1)項〜(3)項のいずれかにおいて、ランバーサポート部材が、左右両側部に、ランバーサポート部材を上下方向に移動するための操作支持部を備え、かつ背凭れが、左右両側部に、前記操作支持部を脱落不能に、かつ上下方向に移動可能に支持する開口部を備えており、前記操作支持部が前記開口部に支持されるとともに、着座者により把持される把持部材が、外側から前記操作支持部に連結されているようにする。
【0017】
このような構成とすると、操作支持部が安定して支持されるため、ランバーサポート部材の上下方向の位置調整が容易であるとともに、上下方向の移動も円滑に行うことができる。
【0018】
(5)上記(1)項〜(4)項のいずれかにおいて、背凭れに備えられた案内突条の側面視における前縁部が、同じく背凭れに備えられたガイド部よりも後方に位置しているとともに、ランバーサポート部材が平面視において後向き凸状の弧状となっているようにする。
【0019】
このような構成とすると、ランバーサポート部材が平面視において後向き凸状の弧状となっていることと相俟って、ランバーサポート部材の摺接部が、案内突条に押しつけられるような作用がはたらき、案内突条の形状に沿った良好な移動が容易となる。
【0020】
(6)上記(1)項〜(4)項のいずれかにおいて、背凭れに備えられた案内突条の側面視における前縁部が、同じく背凭れに備えられたガイド部よりも前方に位置しているようにする。
【0021】
このような構成とすると、案内突条がガイド部よりも前方に位置しているため、ランバーサポート部材をより前方に押し出すことが可能となり、着座者の背中を押す大きな支持力を得ることができる。
【0022】
(7)上記(1)項〜(6)項のいずれかにおいて、背凭れは、着座者の腰部を支持する腰支持部が、側面視において最も前方に突出する形状をなしており、案内突条が前記腰支持部に設けられているようにする。
【0023】
このような構成とすると、前方に押す支持力が最も必要な腰支持部の部位において、案内突条の形状を利用して所望の支持力を得るように調整することができる。
【0024】
(8)上記(1)項〜(7)項のいずれかにおいて、ランバーサポート部材が、その後面の上部と下部に摺接部を備えるとともに、案内突条が、前記上部摺接部が摺接される上部被摺接部と、前記下部摺接部が摺接される下部被摺接部とを備えており、前記上部被摺接部または前記下部被摺接部の側面視における前縁部が、当該上部被摺接部または下部被摺接部の下端部から上端部に向かうにしたがって、漸次前方に向けて突出する形状とほぼなっているようにする。
【0025】
このような構成とすると、上部被摺接部の下端部、または下部被摺接部の上端部の上下方向の位置を背凭れの腰支持部の位置とほぼ等しくした場合、ランバーサポート部材の前後位置は、背凭れの腰支持部を基点として、上方に移動しても大きく変わることはなく、腰支持部において所望の支持力を得るとともに、上下方向の全範囲に亘ってバランスよく支持することができる。
【0026】
(9)上記(1)項〜(7)項のいずれかにおいて、ランバーサポート部材が、その後面の上部と下部に摺接部を備えるとともに、案内突条が、前記上部摺接部が摺接される上部被摺接部と、前記下部摺接部が摺接される下部被摺接部とを備えており、前記上部被摺接部または前記下部被摺接部の側面視における前縁部が、当該上部被摺接部または下部被摺接部の上端部から下端部に向かうにしたがって、漸次前方に向けて突出する形状とほぼなっているようにする。
【0027】
このような構成とすると、上部被摺接部の下端部、または下部被摺接部の上端部の上下方向の位置を背凭れの腰支持部の位置とほぼ等しくした場合、最も大きな支持力を必要とする腰支持部の位置において大きな支持力を得ることができる。
【0028】
(10)上記(8)項または(9)項において、上部被摺接部の下端部、または下部被摺接部の上端部の上下方向の位置が、背凭れの腰支持部の位置とほぼ等しくなっているようにする。
【0029】
このような構成とすると、前記(8)項または(9)項において記載した効果が奏される。
【発明の効果】
【0030】
本願発明によると、案内突条の形状を所望のものとすることにより、ランバーサポート部材の軌跡を容易に制御することができるとともに、案内突条がガイド部材よりも左右方向の内側に設けられているため、その位置および個数を適宜選択することにより、上下左右の全方向に亘って、望ましい大きな支持力を発揮できるランバーサポート部材を備える椅子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本願発明を適用した椅子の右側面図である。
【図2】同じく、正面図である。
【図3】(a)、(b)は、それぞれ、背凭れの正面図、右側面図である。
【図4】背凭れとランバーサポート部材の分解斜視図である。
【図5】インナーシェルとガイド部材の正面図である。
【図6】ランバーサポート部材と、背凭れ支持体と、カバー部材と、把持部材の正面図である。
【図7】左右のガイド部材の拡大斜視図である。
【図8】ガイド部材を凹部に取付けた状態を示す斜視図である。
【図9】インナーシェルとランバーサポート部材の部分およびガイド部材の拡大斜視図である。
【図10】ランバーサポート部材の操作支持部をインナーシェルに取付ける組付形態を分解して示す斜視図である。
【図11】把持部材をカバー部材に取付ける形態を示す拡大図であり、(a)は組付けする前の斜視図、(b)は組付けた状態を示す斜視図である。
【図12】インナーシェルの右半部分を示す正面図である。
【図13】(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)は、それぞれ図12におけるa〜a線、b〜b線、c〜c線、d〜d線、e〜e線、f〜f線、g〜g線の縦断側面図である。
【図14】インナーシェルの右半部分を示す正面図である。
【図15】(h)、(i)、(j)、(k)、(l)は、それぞれ図14におけるh〜h線、i〜i線、j〜j線、k〜k線、l〜l線の横断平面図である。
【図16】図13における(b)の部分拡大図である。
【図17】同じく図13における(e)の部分拡大図である。
【図18】同じく図13における(f)の部分拡大図である。
【図19】同じく図13における(g)の部分拡大図である。
【図20】図15における(j)の部分拡大図である。
【図21】同じく図15における(l)の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本願発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、各図において、左右は椅子を正面視した場合について指称する。
図1は、本願発明を適用した椅子の右側面図、図2は、同じく正面図である。
【0033】
この椅子は、先端部にキャスタ1を備える放射状をなす5本の脚杆2を有する脚体3と、脚体3の中央に立設された脚柱4と、脚柱4の上端に固着された支基5と、支基5の上方に支持された座6と、前端部が左右方向を向く軸(図示略)をもって支基5の左右に枢着された一対の背凭れ支持フレーム7と、背凭れ支持フレーム7に支持された背凭れ100とを備えている。
【0034】
図3の(a)、(b)は、それぞれ、背凭れ100の正面図、右側面図、図4は、背凭れ100とランバーサポート部材200の分解斜視図である。
【0035】
図4に示すように、背凭れ100は、インナーシェル110と、ガイド部材120と、背凭れ支持体130と、カバー部材140と、クッション材150と、表皮材160とよりなり、これらが後記する形態で組付けられて形成される。
【0036】
なお、本願の明細書等においては、具体的には、前記背凭れ100を構成する部材の一部、たとえばインナーシェル110を意味する場合にも、その上位概念である背凭れ100の語句を使用する場合もある。
【0037】
また、背凭れ100には、ランバーサポート部材200が内部に取付けられているが、本明細書においては、ランバーサポート部材200は、背凭れ100の概念の中には含ませず、これに対比するものとして説明する。
【0038】
図5は、インナーシェル110とガイド部材120の正面図、図6は、ランバーサポート部材200と、背凭れ支持体130と、カバー部材140と、把持部材240の正面図である。
【0039】
インナーシェル110は、図4、図5に示すように、正面視において、ほぼ縦長方形状をなすとともに、側面視において前向きのく字状をなし、平面視において後向きに凸状のゆるやかな弧状をなしている。
【0040】
インナーシェル110の前面には、左右側端にやや広幅な側縁部111、上端に上縁部112、下端に下縁部113がそれぞれ設けられている。左右の側縁部111の間には、3個の縦大リブ114a、インナーシェル110の上半部には3個の横大リブ115aがそれぞれ等間隔に設けられている。側縁部111と縦大リブ114a間、または隣設する縦大リブ114a間には、それぞれ縦第1小リブ114bが設けられている。
【0041】
また、3個の横大リブ115a間および最下段の横大リブ115aの下には、横第1小リブ115bがそれぞれ設けられている。さらに、インナーシェルの下半部においては、左右中央の縦大リブ114aを除く縦大リブ114aと縦第1小リブ114b間には、縦第2小リブ114cがそれぞれ設けられている。
【0042】
これら縦第1小リブ114bと縦第2小リブ114c間には、上下方向の案内突条116が設けられている。また、インナーシェル110の前面には、その他、適所に傾斜小リブ114d、通孔114eおよび横第2小リブ115cが設けられている。
【0043】
インナーシェル110の上縁部112と最上段の横大リブ115a間には、オプション部材であるヘッドレスト等を取付けるための4個のボルト挿通孔112aが突設されているが、オプション部材の取付けは、本願発明が直接対象とするものではないので説明を省略する。
【0044】
下縁部113には、インナーシェル110に背凭れ支持体130を取付ける際に必要なボルト挿通用切欠113aとナット収容部113bがそれぞれ左右一対設けられているが、これについては後記する。
【0045】
左右の側縁部111には、上半部にやや横長な凹部111aが上下方向に多数設けられ、補強とともに、インナーシェル110の前面に配設されるクッション材150のずれ防止機能も併せ有している。側縁部111の下半部における上部には、縦長の凹部111b、111c、111dが横3列に設けられ、外側2列の凹部111b、111cは上下方向に3個に区分され、上段、中段の区分凹部111b1、111b2、111c1、111c2は、上下方向にほぼ等しい長寸であるが、下段の区分凹部111b3、111c3は短寸となっている。内側2列の凹部111c、111dの下方には、上下に離間して、ナット収容部111e、111fが設けられている。これらのナット収容部111e、111f間には、後記する上下方向の摺接面111gが設けられている。
【0046】
側縁部111の内側2列の凹部111c、111dには、ガイド部材120が取付けられる。
【0047】
図7は、左右のガイド部材120の拡大斜視図、図8は、ガイド部材120を前記凹部111c、111dに取付けた状態を示す斜視図、図9は、インナーシェル110とランバーサポート部材200の部分およびガイド部材120の拡大斜視図である。
【0048】
ガイド部材120は、図7に示すように、幅狭であって、わずかに前向き凸状に湾曲する上下方向のガイド部121と、このガイド部121の下方に段部122をもって連設されたカバー部123と、ガイド部121とカバー部123の左右方向の外側に連設された断面が長方形状の固定部124とよりなる。固定部124は、その上端には上向きの上係止部125、下端には後方に延びて下向きの係止爪126aを有する下係止部126が設けられるとともに、上下に3分割されている。なお、インナーシェル110がガイド部を備えるようにするためのガイド部材は、実施例に示すものは一例であり、これに限定されない。ガイド部は、ランバーサポート部材200のガイド支持部210を脱落不能に、かつ上下方向に移動可能に案内支持しうるものであれば、その構造は特に限定されない。さらにガイド部は、インナーシェル110の成形時に一体に成形されてもよい。
【0049】
図12は、インナーシェル110の右半部分を示す正面図であり、図13の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)は、それぞれ図12におけるa〜a線、b〜b線、c〜c線、d〜d線、e〜e線、f〜f線、g〜g線の縦断側面図である。また図16、図17、図18、図19は、それぞれ図13における(b)、(e)、(f)、(g)の部分拡大図である。
【0050】
図14は、インナーシェル110の右半部分を示す正面図であり、図15の(h)、(i)、(j)、(k)、(l)は、それぞれ図14におけるh〜h線、i〜i線、j〜j線、k〜k線、l〜l線の横断平面図である。
なお、図12、図14においては、本来は破線で示すべき線も、位置関係を明瞭とするために実線で示してある。
【0051】
図20、図21は、それぞれ図15における(j)、(l)の部分拡大図である。
【0052】
図19に示すように、ガイド部材120の固定部124が嵌入して固定されるインナーシェル110の側縁部111の凹部111cにおける上段凹部111c1と下段凹部111c3には、それぞれ被係止部111c4、111c5が設けられている。ガイド部材120の固定部124を側縁部111の凹部111cに嵌入するとともに、ガイド部材120の上段係止部125、下段係止部126の係止爪126aを、それぞれ被係止部111c4、111c5に係止させることにより、図8に示す形態でガイド部材120が側縁部111に取付けられる。この際、ガイド部材120の3個に分割された固定部124a、124b、124cは、それぞれ上段凹部111c1、中段凹部111c2、下段凹部111c3に嵌入される。
【0053】
一方、図4、図6に示すように、ランバーサポート部材200は、インナーシェル110と近似する左右幅を有するほぼ横長方形状をなし、平面視において後方に凸状のゆるやかな弧状をなすとともに、側面視において前方に凸状のゆるやかな弧状をなしている。
【0054】
ランバーサポート部材200の左右両側部には、上部にガイド支持部210、下部に操作支持部220がそれぞれ外方に向けて設けられている。
【0055】
前記ガイド支持部210はその上下方向の平面が、ランバーサポート部材200の上下方向の平面と平行であって、かつ上下方向の幅がランバーサポート部材200よりも小さな幅を有している。
【0056】
前記ガイド支持部210は、図17に示すように、インナーシェル110の前面と、前記したようにして取付けたガイド部材120のガイド部121の間に配設されることにより、上下方向に移動可能に支持される。
【0057】
ランバーサポート部材200の後面には、図4に示すように、上部と下部にそれぞれ4個の摺接部230が突設されている。摺接部230の遊端には、図9に示すように、上下方向および後方に開口する摺接溝230aが設けられており、インナーシェル110に設けられた図5に示した前記案内突条116を前記摺接溝230aに遊嵌させて上下方向に摺接しうるようになっている(図21参照)。
【0058】
ランバーサポート部材200をインナーシェル110に取付けるには、まず、ランバーサポート部材200の操作支持部220をインナーシェル110に取付ける必要がある。以下、これについて述べる。
【0059】
図10は、ランバーサポート部材200の操作支持部220をインナーシェル110に取付ける組付形態を分解して示す斜視図である。
【0060】
図4、図10に示すように、インナーシェル110の左右両側部の下部、具体的には左右両側縁部111の下部に、左右方向の外方および下方に開口する凹部117aが設けられ、この凹部117aの奥壁117bに左右方向に開口する上下方向の開口部117が設けられている。
【0061】
この開口部117は、図19に示すように、ランバーサポート部材200の操作支持部220を前記開口部117に嵌挿するための嵌挿開口部分117cと、嵌挿した後に通常の使用時にランバーサポート部材200を上下方向に移動させる際に、前記操作支持部220が脱落不能に、かつ上下方向に移動可能に支持される移動開口部分117dとを備えている。嵌挿開口部分117cは、実施形態では移動開口部分117dの下端に連通して設けられているが、上端に連通して設けてもよい。
【0062】
嵌挿開口部分117cは、移動開口部分117dの開口幅Wよりも大きい開口幅Lを有する広幅開口部分を備えている。
【0063】
また、ランバーサポート部材200の前記操作支持部220が移動開口部分117dから嵌挿開口部分117cに移動することを防止する移動防止部117eが設けられている。実施形態においては、嵌挿開口部分117cと移動開口部分117dが連通する部分に、移動開口部分117dの開口幅Wよりも小さい開口幅Sを有する狭幅開口部分を設けることにより、連通部分の開口内壁を部分的に突出させて移動防止部117eが形成されている。
【0064】
一方、ランバーサポート部材200の操作支持部220は、図6、図10に示すように、左右方向の外方に延出され、基部に前後方向の開口221を穿設し、弾性的に湾曲し易い易曲部222が形成されているとともに上下端を後方内側に折り曲げて、後記する把持部材210の遊端を挿入しうる挿入口220aが形成されている。
【0065】
操作支持部220の前面の遊端近傍には、図10に示すように、一端が操作支持部220と結合され、他端が前方に突出する遊端部223aとなっているばね部材223が付設されている。また操作支持部220の後面には摺接突部224が後方に向けて突設されている。
【0066】
ランバーサポート部材200の操作支持部220を前記開口部117に嵌挿して支持させるには、次のようにする。
【0067】
まず、ランバーサポート部材200の左右の操作支持部220のいずれか一方、例えば右側の操作支持部220を、図19に示すように、インナーシェル110の内側から右側の開口部117における嵌挿開口部分117cの広幅開口部分に嵌挿する。次いでばね部材223の遊端部223aを嵌挿開口部分117cの内壁に当接させた状態で操作支持部220を上方に移動させ、ばね部材223の弾性変形を利用して狭幅開口部分を通過させて移動開口部分まで移動させる。一旦移動開口部分まで移動された操作支持部220は、移動防止部117eが設けられているため、嵌挿開口部分に移動することが防止されている。
【0068】
次いでランバーサポート部材200の左側の操作支持部220を、前記した易曲部222(図6参照)を利用して適宜湾曲させて、インナーシェル110の左側の開口部117に同様にして嵌挿させることができる。
【0069】
インナーシェル110の左右両側部における前記開口部117の左右方向の内側には、図5、図9に示すように上下方向の前記した摺接面111gが設けられている。
【0070】
なお、図9においては、摺接面111gの近傍を一部破断して示してある。
【0071】
ランバーサポート部材200の左右の操作支持部220を、前記したようにインナーシェル110の左右の開口部117にそれぞれ嵌挿して支持させることにより、図18に示すように、操作支持部220の後面に突設された前記摺接突部224が、前記摺接面111gに当接し、ランバーサポート部材200の上下方向の移動にともなって、摺接面111gに摺接することとなる。
【0072】
また、インナーシェル110の開口部117が設けられた左右の凹部117aには、背凭れ支持体130における起立フレーム131が下方から嵌合される(図4参照)。
【0073】
背凭れ支持体130は、図4、図6に示すように、正面視においてU字状をなしており、横フレーム132の左右端に起立フレーム131が立設されている。
【0074】
横フレーム132の前面には、左右一対の後方に凹入する連結凹部133が設けられ、この各連結凹部133には、上方から連結凹部133まで貫通するボルト挿通孔133aが各2個穿設されている。
【0075】
前記連結凹部133には、図4に示すように、支基5の左右に枢着された一対の背凭れ支持フレーム7の後端が嵌入され、上方からボルト133bをボルト挿通孔133aを挿通させて、背凭れ支持フレーム7の後端に設けられためねじ部7aに締結することにより、背凭れ支持体130が背凭れ支持フレーム7に固定される。
【0076】
背凭れ支持体130の起立フレーム131には、図10に示すように、左右方向の外方および下方に開口する凹部131aが設けられ、この凹部131aの奥壁131bに左右方向に開口する上下方向の開口131cが設けられている。
【0077】
前記凹部131a内における前記開口131cの上方および下方には、ボルト挿通孔131d、131eが穿設されている。
【0078】
また横フレーム132にも、図6に示すように、連結凹部133よりも左右方向の内側に、上下方向の左右一対のボルト挿通孔132aが穿設されている。
【0079】
インナーシェル110を背凭れ支持体130に取付けるには次のようにする。
【0080】
まず、背凭れ支持フレーム7に取付けられた背凭れ支持体130に、上方からインナーシェル110を、その左右下部の開口部117が設けられた凹部117a内に、背凭れ支持体130の起立フレーム131を嵌入させるようにして配設する(図4参照)。次いで、図5に示すように、インナーシェル110の側縁部111に設けられた回り止めした前記のナット収容部111e、111f、および下縁部113に設けられた回り止めした前記のナット収容部113bに、それぞれ、図4に示すナット131d2、131e2、132a2を予め配置する。次いでボルト131d1、131e1、132a1を、それぞれ、図10に示す背凭れ支持体130におけるボルト挿通孔131d、131e、132a、次いでインナーシェル110のボルト挿通孔118a、118b(図10参照)、ボルト挿通用切欠113b(図5参照)に挿通させて、それぞれナット131d2、131e2、132a2に締結することにより、インナーシェル110が背凭れ支持体130に強固に取付けられる。
【0081】
背凭れ支持体130における起立フレーム131の凹部131aには、カバー部材140が取付けられる。カバー部材140は、図6、図10に示すように、正面視において下部が左右方向の内側下向きに湾曲した形状をなし、上端に上向きの上係止部141、下端に左右方向の内側に延びて下向きの係止爪142aを有する下係止部142が設けられている。
【0082】
カバー部材140の起立部分には、左右方向に開口する上下方向の開口143が設けられている。
【0083】
図11は、把持部材240をカバー部材140に取付ける形態を示す拡大図であり、(a)は組付けする前の斜視図、(b)は組付けた状態を示す斜視図である。
【0084】
なお、カバー部材140は破断して一部分のみを示す。
【0085】
図10、図11に示すように、カバー部材140の起立部分の横断面から理解されるように、開口143における左右方向の内側端には、上半部分に前後方向の内側に向かう一対の内向片144が設けられている。
【0086】
一方、ランバーサポート部材200の操作支持部220に結合される把持部材240は、図6、図10に示すように、把持材241と連結金具242とよりなる。把持材241は、着座者がランバーサポート部材200の上下位置を調節する際に把持される把持部241aと、把持材241を連結金具242に連結するための内向突片241bとよりなる。連結金具242は、正面視において横長な板状をなし、中央に円状突起242aが突設されるとともに、遊端近傍に方形状の通孔242bが穿設されている。把持材241における内向突片241bは、その遊端に連結金具242を挿入しうる挿入孔241cを備えるとともに、正面視において横長方形状をなす。
【0087】
図11に示すように、内向突片241bは、基部の板厚部241dと、この板厚部241dから段部をもって薄くなる板薄部241eを有し、かつこの板薄部241eにも板厚部241dの近傍を除いて下半部分に板厚小部241fが設けられており、その結果として板厚部241dと板厚小部241fの間には、上下方向の溝部241gが形成されている。
【0088】
板厚部241dと板厚小部241fの厚さW1はカバー部材140の開口143の幅W3よりやや小さく、開口143の内向片144の縁端間の幅W4よりも大きくなっている。板薄部241eの厚さW2は、前記内向片144の縁端間の幅W4よりもやや小さくなっている。また板厚小部241fの上下方向の寸法は、開口143の前記内向片144の下方に形成されている開口幅W3を有する下部開口143aの上下方向の寸法よりやや小さくなっている。
【0089】
板厚小部241fには円状孔241hが穿設されている。
【0090】
把持材241の遊端に設けられている挿入孔241cに、連結金具242の基部を挿入し、連結金具242の円状突起242aを、把持材241の円状孔241hに嵌合させることにより、図11に示すように、連結金具242は、把持材241と連結されて一体となり、把持部材240が形成される。
【0091】
次いで、把持部材240をカバー部材140の開口143に、左右方向の外側から嵌挿し、把持部材240の板厚小部241fを、カバー部材140の下部開口143aを通過させて、図11(b)に示すように、前期溝部241gに内向片144を嵌合させるようにして把持部材240を上方に移動させると、把持部材240をカバー部材140に、左右方向の外方に脱落することがないように装着することができる(図20参照)。
【0092】
図10において、把持部材240を挿着したカバー部材140を、背凭れ支持体130の起立フレーム131における凹部131aに取付けるには、次のようにする。前記凹部131aの上部にはカバー部材140の上係止部141を係止しうる被係止部(図示省略)、背凭れ支持体130の横フレーム132にはカバー部材140の下係止部142を係止しうる被係止部(図示省略)がそれぞれ設けられており、カバー部材140を左右方向の外側から背凭れ支持体130の前記凹部131aに嵌入することにより、把持部材240を挿着したカバー部材140は、背凭れ支持体130に取付けられる。
【0093】
以上、ランバーサポート部材200のガイド支持部210および操作支持部220のインナーシェル110への取付手段、ガイド部材120のインナーシェル110への取付手段、インナーシェル110の背凭れ支持体130への取付手段、把持部材240のカバー部材140への装着手段、カバー部材140の背凭れ支持体130への取付手段について詳細を説明した。
【0094】
次に、前記取付手段を用いてランバーサポート部材200をインナーシェル110に取付けるとともに、このようにして組立てられた背凭れ100を背凭れ支持体130に取付ける手順について説明する。
【0095】
まず、ランバーサポート部材200の下部の左右両側部に設けられた操作支持部220を、インナーシェル110の下部の左右両側部に設けられた開口部117における嵌挿開口部分117cから嵌挿した後、上方に移動させて、ランバーサポート部材200を上下方向に移動させるときの通常の位置である移動開口部分117aに位置させる(図19参照)。これにより、操作支持部220は、開口部117に脱落不能に、かつ上下方向に移動可能に支持されるとともに、操作支持部220は、付勢手段であるばね部材223の遊端が移動開口部分117aの内壁に当接して、後方に弾性的に付勢される。
【0096】
また同時に、前記操作支持部220の後面に突設された摺接突部224が、インナーシェル110の下部の左右両側部における前記開口部117よりも左右方向の内側に設けられた摺接面111gに、ランバーサポート部材200の上下方向の移動にともなって摺接することとなる。前記摺接面111gは、前記摺接突部224が係脱する複数の被係合部を備えるように、側面視において波状の形状をなしている(図9、図18参照)。
【0097】
次に、ランバーサポート部材200の上部の左右両側部に設けられたガイド支持部210を、ガイド部材120におけるガイド部121によって前方から支持しうるようにして、ガイド部材120をインナーシェル110の左右両側縁部111に設けられた凹部111bに取付ける。
【0098】
これにより、前記ガイド支持部210は、ガイド部材120により、脱落不能に、かつ上下方向に移動可能に支持される(図17参照)。
【0099】
また、ランバーサポート部材200の後面における上部と下部に設けられている摺接部230の摺接溝230aに、インナーシェル110に設けられている案内突条116を嵌入させる。これにより前記摺接部230は、ランバーサポート部材200の上下方向の移動にともなって、案内突条116の側面視における前縁部の形状にほぼ沿って摺接し移動することになる。
【0100】
案内突条116は、図16に示すように、ランバーサポート部材200の上部摺接部231が摺接される上部被摺接部116aと、下部摺接部232が摺接される下部被摺接部116bとを備えている。この上部被摺接部116aまたは下部被摺接部116bの側面視における前縁部は、上部被摺接部116aまたは下部被摺接部116bの下端部から上端部に向かうにしたがって、漸次前方に向けて突出する形状とほぼなっている。
【0101】
背凭れ100は、着座者の腰を支持する腰支持部100aが、側面視において最も前方に突出する形状をなしており(図3参照)、案内突条116は前記腰支持部100aの部分あるいはその近傍に設けられており、上部被摺接部116aの下端部、または下部被摺接部116bの上端部の上下方向の位置が背凭れ100の腰支持部100aの位置とほぼ等しくなっている。また、案内突条116の側面視における前縁部はガイド部材120よりも後方に位置している。
【0102】
次に、図4に示すクッション材150をインナーシェル110およびランバーサポート部材200の前面に配設して後に、予め背凭れの形状に形成されている下端が開口された袋状の表皮材160を上方から被せ、表皮材160の下端をインナーシェル110の下縁部112に下方からタッカー止めする。なお、表皮材160の左右両側部の下端には、インナーシェル110の左右両側部の開口部117に整合させた切欠部160aが設けられている。
【0103】
次に背凭れ支持体130を、背凭れ支持フレーム7に取付けた後に、表皮材160を被せた背凭れ100のインナーシェル110を、前記背凭れ支持体130に取付ける。
【0104】
次に、把持部材240をカバー部材140に装着した後に、把持部材240における連結金具242の遊端を操作支持部220の挿入口220aに挿入するとともに、カバー部材140を、背凭れ支持体130に、その起立フレーム131の凹部131aに嵌入させて取付ける。
【0105】
以上の手順によって、ランバーサポート部材200を取付けた背凭れ100は、背凭れフレーム7に取付けられている背凭れ支持体130に強固に取付けられる。
【0106】
また、以上説明した実施形態は、本願発明の代表的な一実施形態を示したものであり、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で、インナーシェルをはじめ各部材の具体的形態などは、適宜の異なる形態に変更することができる。例えば背凭れに備えられた案内突条の側面視における前縁部が、同じく背凭れに備えられたガイド部材よりも前方に位置している形態や、インナーシェルに設けられている案内突条における上部被摺接部または下部被摺接部の側面視における前縁部が、上部被摺接部または下部被摺接部の上端部から下端部に向かうにしたがって、漸次前方に向けて突出する形状とほぼなっている形態等も所望により採用することができる。
【符号の説明】
【0107】
1 キャスタ
2 脚杆
3 脚体
4 脚柱
5 支基
6 座
7 背凭れ支持フレーム
7a めねじ部
100 背凭れ
100a 腰支持部
110 インナーシェル
111 側縁部
111a 凹部
111b 凹部
111b1 上段凹部
111b2 中段凹部
111b3 下段凹部
111c 凹部
111c1 上段凹部
111c2 中段凹部
111c3 下段凹部
111c4、111c5 被係止部
111d 凹部
111e、111f ナット収容部
111g 摺接面
112 上縁部
112a ボルト挿通孔
113 下縁部
113a ボルト挿通用切欠
113b ナット収容部
114e 通孔
114a 縦大リブ
114b 縦第1小リブ
114c 縦第2小リブ
114d 傾斜小リブ
114e 通孔
115a 横大リブ
115b 横第1小リブ
115c 横第2小リブ
116 案内突条
116a 上部被摺接部
116b 下部被摺接部
117 開口部
117a 凹部
117b 奥壁
117c 嵌挿開口部分
117d 移動開口部分
117e 移動防止部
118a、118b ボルト挿通孔
120 ガイド部材
121 ガイド部
122 段部
123 カバー部
124 固定部
124a 上段固定部
124b 中段固定部
124c 下段固定部
125 上係止部
126 下係止部
126a 係止爪
130 背凭れ支持体
131 起立フレーム
131a 凹部
131b 奥壁
131c 開口
131d、131e ボルト挿通孔
131d1、131e1 ボルト
131d2、131e2 ナット
132 横フレーム
132a ボルト挿通孔
132a1 ボルト
132a2 ナット
133 連結凹部
133a ボルト挿通孔
133b ボルト
140 カバー部材
141 上係止部
142 下係止部
142a 係止爪
143 開口
144 内向片
150 クッション材
160 表皮材
160a 切欠部
200 ランバーサポート部材
210 ガイド支持部
220 操作支持部
220a 挿入口
221 開口
222 易曲部
223 ばね部材(付勢手段)
223a 遊端部
224 摺接突部
230 摺接部
230a 摺接溝
231 上部摺接部
232 下部摺接部
240 把持部材
241 把持材
241a 把持部
241b 内向突片
241c 挿入孔
241d 板厚部
241e 板薄部
241f 板厚小部
241g 溝部
241h 円状孔
242 連結金具
242a 円状突起
242b 通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
背凭れと、この背凭れに上下方向に移動可能に支持されるランバーサポート部材とを備える椅子において、
前記背凭れは、左右両側部に、前記ランバーサポート部材の左右側部を脱落不能に、かつ上下方向に移動可能に案内支持するガイド部と、このガイド部よりも左右方向の内側に、上下方向の案内突条とを備えており、
前記ランバーサポート部材は、左右両側部に、前記ガイド部によって案内支持されるガイド支持部と、このガイド支持部よりも左右方向の内側に、ランバーサポート部材が上下方向へ移動するときに、前記案内突条に摺接して、ランバーサポート部材を案内突条の側面視における前縁部の形状にほぼ沿って移動させる摺接部とを備えていることを特徴とする椅子。
【請求項2】
ランバーサポート部材の左右両側部におけるガイド支持部が、ランバーサポート部材の上部における左右両側部に設けられている請求項1記載の椅子。
【請求項3】
ランバーサポート部材におけるガイド支持部が、ランバーサポート部材の左右両側部から外方に向けて延出されるとともに、その上下方向の平面が、ランバーサポート部材の上下方向の平面と平行であって、かつ上下方向の幅がランバーサポート部材よりも小さな幅として形成されている請求項1または2記載の椅子。
【請求項4】
ランバーサポート部材が、左右両側部に、ランバーサポート部材を上下方向に移動するための操作支持部を備え、かつ背凭れが、左右両側部に、前記操作支持部を脱落不能に、かつ上下方向に移動可能に支持する開口部を備えており、前記操作支持部が前記開口部に支持されるとともに、着座者により把持される把持部材が、外側から前記操作支持部に連結されている請求項1〜3のいずれかに記載の椅子。
【請求項5】
背凭れに備えられた案内突条の側面視における前縁部が、同じく背凭れに備えられたガイド部よりも後方に位置しているとともに、ランバーサポート部材が平面視において後向き凸状の弧状となっている請求項1〜4のいずれかに記載の椅子。
【請求項6】
背凭れに備えられた案内突条の側面視における前縁部が、同じく背凭れに備えられたガイド部よりも前方に位置している請求項1〜4のいずれかに記載の椅子。
【請求項7】
背凭れは、着座者の腰を支持する腰支持部が、側面視において最も前方に突出する形状をなしており、案内突条が前記腰支持部に設けられている請求項1〜6のいずれかに記載の椅子。
【請求項8】
ランバーサポート部材が、その後面の上部と下部に摺接部を備えるとともに、案内突条が、前記上部摺接部が摺接される上部被摺接部と、前記下部摺接部が摺接される下部被摺接部とを備えており、前記上部被摺接部または前記下部被摺接部の側面視における前縁部が、当該上部被摺接部または下部被摺接部の下端部から上端部に向かうにしたがって、漸次前方に向けて突出する形状とほぼなっている請求項1〜7のいずれかに記載の椅子。
【請求項9】
ランバーサポート部材が、その後面の上部と下部に摺接部を備えるとともに、案内突条が、前記上部摺接部が摺接される上部被摺接部と、前記下部摺接部が摺接される下部被摺接部とを備えており、前記上部被摺接部または前記下部被摺接部の側面視における前縁部が、当該上部被摺接部または下部被摺接部の上端部から下端部に向かうにしたがって、漸次前方に向けて突出する形状とほぼなっている請求項1〜7のいずれかに記載の椅子。
【請求項10】
上部被摺接部の下端部、または下部被摺接部の上端部の上下方向の位置が、背凭れの腰支持部の位置とほぼ等しくなっている請求項8または9に記載の椅子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−94583(P2013−94583A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242756(P2011−242756)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】