説明

植え込み可能な制限装置およびデータロガーのためのGUI

【課題】植え込まれた食物摂取量制限装置に関する生理学的パラメータを監視するための通信システムを提供する。
【解決手段】植え込み可能な制限装置は、例えば流体圧力と相関関係にあるものとして、患者に制限部を設けるように構成されうる。植え込み可能な制限装置は、植え込み可能な制限装置内部の流体の圧力、パルス幅、パルス振幅、パルス計数、パルス持続時間、もしくは周波数、電気的特性、または他のパラメータなど、様々なパラメータを感知するよう構成された1つ以上のセンサーを含むことができる。1つ以上のセンサーにより入手されたデータ(例えば、圧力、パルス特性などを表すデータ)は、テレメトリーコイルもしくは他の伝達機を用いてデータロガーなど、患者の外部に位置する装置に伝達されうる。データロガーは、データを記憶することができ、インターネットなどのネットワークを通じてそのデータを遠隔場所に伝達することができる。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、名称を「Monitoring of a Food Intake Restriction Device」とする、2006年4月6日出願の米国特許出願第11/398,940号(現在US2006/0199997として公開されている)の一部継続出願であり、この特許出願の教示が、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
〔発明の分野〕
本発明の実施形態は、一般的に、植え込まれた制限的開放装置(implanted restrictive opening device)に関し、より具体的には、植え込まれた食物摂取量制限装置に関する生理学的パラメータを監視するための通信システムに関する。
【0003】
〔発明の背景〕
肥満は、肥満の人数が増え続けるにつれて、特に米国では高まりつつある関心事であり、肥満の健康への悪影響について、より多くのことが知られている。理想体重を45.36kg(100ポンド)以上上回る病的肥満には、特に、危険な健康問題に対して著しいリスクがある。したがって、肥満患者の治療には大きな注目が集められている。病的肥満を治療する1つの方法は、胃の上方部分の周りに、細長いバンドなどの制限装置を置くことであった。胃バンドは、典型的には、固定された端点を備えた、流体で満たされたエラストマーバルーンを含んでおり、このバルーンは、食道‐胃接合部のすぐ下方で胃を取り囲み、バンドの上に小さな胃嚢を、そして胃の中に、縮小された瘻開口部を、形成する。流体がバルーンの中に注入されると、バンドは、胃に対して拡張し、胃に、食物摂取量制限部もしくは瘻を作り出す。この制限を減らすために、流体がバンドから除去される。バンドの効果は、利用可能な胃容積、ゆえに、「満腹」になる前に消費されうる食物の量、を減らすことである。
【0004】
食物制限装置は、胃の上方部分を同様に取り囲む、機械的に調節されたバンドも含んでいる。これらのバンドは、バンドを調節するために、任意の数の弾性材料もしくは連動装置(gearing devices)、ならびに駆動部材を含む。加えて、水圧駆動要素および機械的駆動要素の双方を含む胃バンドが、開発されてきた。そのような調節可能な胃バンドの例が、名称を「Mechanical Food Intake Restriction Device」とする、2000年5月30日に発行された米国特許第6,067,991号に開示されており、この特許は、参照することにより本明細書に組み込まれる。胃腔自体の中に膨張可能なエラストマーバルーンを植え込むことによって、胃腔の利用可能な食物容量を制限することも知られている。バルーンは、流体で満たされて、胃壁に対して拡張し、それによって胃の中の利用可能な食物容量を減らす。
【0005】
前述の食物制限装置のそれぞれでは、安全で効果的な治療は、胃に加えられる制限の程度を変えるように装置が定期的に監視され調節されることを必要とする。バンド装置では、バンドの上の胃嚢は、最初の植え込み後に、サイズが実質的に増大する。したがって、胃の瘻開口部は、胃がバンド装置に適合すると共に、患者が適切な栄養分を受け取ることができるように、最初は十分に大きく作られなければならない。胃嚢のサイズが増大すると、バンドは、瘻サイズを変えるために調節されることができる。加えて、患者の身体もしくは治療法の変化に適応するために、またはより急なケースでは、閉塞もしくは重篤な食道拡張を軽減するために、瘻サイズを変えることが望ましい。伝統的には、水圧式胃バンドを調節することには、計画的な臨床医への訪問が必要とされ、その訪問の間に、フーバー針および注射器が用いられて患者の皮膚を貫通し、注入ポートを通じてバルーンに流体を加えるか、もしくはバルーンから流体を除去していた。最近になって、バンドの非侵襲的調節を可能にする、植え込み可能なポンプが開発された。ポンプを制御するために、外部プログラマが、テレメトリーを用いて、植え込まれたポンプと通信する。計画的な訪問の間に、医師は、胃部インプラントの近くにプログラマのハンドヘルド部分を置き、インプラントに電力信号および命令信号を送信する。インプラントは、次に、バンドの流体レベルを調節し、応答命令をプログラマに送信する。
【0006】
これらの胃バンドを調節する間、調節がどのように進行しているか、また調節が、意図した効果を有するかどうかということを判断するのは困難であった。調節の効力を判断しようとして、一部の医師は、調節が行われているときに、バリウム嚥下と共にX線透視検査を利用しているが、X線透視検査は、高額である場合があり、また、放射線量に関する懸念を引き起こす場合がある。他の医師は、調節中もしくは調節後に1杯の水を飲むよう患者に指示して、水が、調節した瘻を通過できるかどうかを判断している。しかしながら、この方法は、患者が閉塞されていないことを確実にするにすぎず、調節の効力に関するいかなる情報も提供するものではない。しばしば、医師は、自分たちのこれまでの経験に基づいて、「その都度試す(try as you go)」方法を単に採用する場合があり、調節の結果は、患者が胃腔の完全な閉塞を経験するか、もしくはバンドが、組織壁に対する過度の圧力に起因して胃組織の腐食を引き起こす、数時間後または数日後までわからない場合がある。
【0007】
加えて、胃バンドの長期間の性能および/もしくは患者を追跡または監視することは、過去には困難であったが、広範囲の利益が期待される。例えば、ある期間にわたって胃バンドからのデータ、もしくは胃バンドに関連するデータ(またはリアルタイムのデータ)を入手し表示することは、調節、診断、監視、もしくは他の目的に有用でありうる。そのようなデータを記憶し、そのデータを処理して他の種類の重要なデータを入手し、かつ/もしくは、そのデータを離れた場所に伝達することは、さらに有利でありうる。医師もしくは患者にそのような情報を操作または追跡させることにより、肥満治療、または他の形態の治療に新しい広がり(new dimension)が加わる。前述の例は、単に例示的なものであり、網羅的なものではない。様々な技術および装置が、肥満治療に用いられているが、発明者らより前に、特許請求の範囲に記載されるような発明を先に作るか、もしくは用いた人はいないと考えられる。
【0008】
したがって、植え込み可能な制限装置と共に用いるための、特に、植え込み可能な制限装置からのデータ、もしくは植え込み可能な制限装置に関するデータを、ログに記録し、表示し、分析し、かつ/または処理するための、方法および装置が提供される。
【0009】
〔発明の概要〕
一態様では、植え込み可能な制限装置からの情報もしくは植え込み可能な制限装置に関する情報を表示する、生理学的監視装置用のディスプレイが提供される。例えば、例示的なディスプレイは、調節可能な胃バンドなどの植え込み可能な制限装置により囲まれた領域の配置(disposition)の模擬グラフィックを含むことができ、模擬グラフィックは、その領域にわたる配置のサイズを示す。示されたサイズは、植え込み可能な制限装置により感知され、かつ生理学的監視装置に伝達されるパラメータに少なくとも部分的に基づいていてよい。感知されたパラメータは、本明細書に記載されるこの実施形態および他の実施形態では、種々のパラメータ、例えば圧力、パルス計数、パルス幅、パルス持続時間、パルス振幅、パルス周波数、感知された電気的特性などを含みうる。いくつかの実施形態では、模擬グラフィックは、囲まれた領域のグラフィック表現上に表示された1つ以上の等圧線(isobars)を含んでよく、等圧線は、その領域における配置の周辺部が、感知されたパラメータを示すように、感知されたパラメータ値を表す。等圧線は、感知されたパラメータ値に関する状態を、信号で知らせるために、色を変えることができる。他の実施形態では、模擬グラフィックは、瘻の断面画像、解剖学的管腔の周りに配された制限装置の画像、巨丸剤(bolus)の画像、アイコン、印(markings)、および/もしくは3次元画像を含みうる。模擬グラフィックは、ある期間にわたり植え込み可能な制限装置により感知された圧力(もしくは他のパラメータ)に従って、開口部のサイズの変化を示す、ビデオ画像も含みうる。模擬グラフィックは、植え込み可能な制限装置が植え込まれた患者の身体から得られた画像に基づいていてもよい。ディスプレイは、感知されたパラメータの文字インジケーター、グラフもしくはダイヤルインジケーター上に示された、感知されたパラメータデータ、および/または植え込み可能な制限装置の制限状態の表示をさらに含みうる。
【0010】
別の態様では、例示的なディスプレイは、経時的な、感知されたパラメータのグラフを含むことができ、このグラフは、植え込み可能な制限装置、例えば調節可能な胃バンドにより感知され、かつ生理学的監視装置に伝達された、パラメータ値を表すデータのグラフィック表現を含む。ディスプレイは、選択された時間に注釈の存在を示すためにグラフィック表現上に配された、1つ以上の注釈マーカーも含んでよく、1つ以上の注釈マーカーはそれぞれ、文字もしくは画像などの記述と関連している。関連した記述には、例えば、医学的事象の記述、生理学的状態の記述、症状の記述、患者の見解、および/もしくは医師の見解が含まれうる。グラフィック表現は、感知された圧力値をプロットする曲線を含みうる。ディスプレイは、予め定められた注釈事象のリストをさらに含んでよく、そのリストから、使用者が記述を選択することができる。
【0011】
別の態様では、例示的なディスプレイは、パラメータ/容量データセット(例えば、圧力、パルス計数、パルス幅、パルス振幅、パルス周波数などといったパラメータデータセット)の複数のグラフィック表現を含むことができ、各パラメータ/容量データセットは、患者の、調節可能な胃バンドなどの植え込み可能な制限装置に対応しており、(a)植え込み可能な制限装置の充填容量の、(b)充填容量で植え込み可能な制限装置により感知され、生理学的監視装置に伝達された、パラメータとの、1つ以上の関連付け(associations)を含む。複数のグラフィック表現のうちの1つは、現在の患者についての圧力/容量データセットを表すことができ、グラフィック表現のうち別のものは、別の患者についてのパラメータ/容量データセットを表すことができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、パラメータ/容量データセットの複数のグラフィック表現のうちの1つは、現在の患者を表し、複数のグラフィック表現のうちの残りのものは、患者母集団(patient population)についてのパラメータ/容量データセットを表す。グラフィック表現は、例えば、充填容量に対するパラメータのグラフ上にプロットされた曲線であってよい。グラフィック表現は、充填容量に対するパラメータのグラフ上にプロットされた曲線を含んでもよく、複数のグラフィック表現のうちの1つは、現在の患者についてのパラメータ/容量データセットを表し、別のグラフィック表現は、患者母集団についての、平均パラメータ/容量データセットを表し、平均パラメータ/容量データセットは、(a)充填容量と、(b)患者母集団にわたって、充填容量で植え込み可能な制限装置により感知されたパラメータ(例えば圧力)の平均と、の1つ以上の関連付けを含む。ディスプレイは、上界トレンドラインおよび下界トレンドラインをさらに含んでよく、平均パラメータ/容量データセットをプロットする線を取り囲む部分(surrounding)を定めている。
【0013】
植え込み可能な制限装置を監視する方法も提供されることができ、この方法は、一実施形態では、複数のパラメータ/容量データセットを提供することを含んでよく、各パラメータ/容量データセットは、患者の植え込み可能な制限装置に対応しており、(a)植え込み可能な制限装置の充填容量と、(b)充填容量で植え込み可能な制限装置により感知され、外部装置に伝達された、パラメータと、の1つ以上の関連付けを含む。この方法は、選択された植え込み可能な制限装置に対応する、選択されたパラメータ/容量データセットのグラフィック表現を、1つ以上の他の植え込み可能な制限装置に対応する1つ以上の他のパラメータ/容量データセットの1つ以上の他のグラフィック表現に加えて、表示することも含みうる。この方法は、平均パラメータ/容量データセットを作り出すために1つ以上の他のパラメータ/容量データセットにわたり各容量について平均圧力を計算することと、平均パラメータ/容量データセットのグラフィック表現を表示することと、も含むことができる。
【0014】
さらに別の態様では、例示的なディスプレイは、グラフであって、調節可能な胃バンドなどの植え込み可能な制限装置により感知されたパラメータを、パルス計数と関連付けるためのパラメータ軸およびパルス計数軸を含む、グラフを含むことができる。パルス計数は、嚥下事象のパルスのシーケンス内における感知されたパラメータのパルスのシーケンス番号を表すことができる。ディスプレイは、パラメータとパルス計数との交差部でグラフ上に配された、複数の別個のインジケーターも含んでよく、各別個のインジケーターは、予め決められたパラメータ振幅を表し、それによって、複数の別個のインジケーターは、パルスのシーケンスの各パルスについて測定された、総パラメータ振幅を表す。いくつかの実施形態では、タイムスタンプが、パルスのシーケンス中の少なくとも1つのパルスについて表示されうる。タイムスタンプは、パルスが起こった時間、パルスの持続時間、パルス間の時間(intra-pulse time)、もしくは他の測定基準(metrics)を示すことができる。
【0015】
さらに別の態様では、例示的なディスプレイは、時間に対するパラメータのグラフであって、パラメータ(例えば、先に言及したような、圧力もしくはあらゆる他のパラメータ)は、植え込み可能な制限装置により感知される、グラフと、第1の期間中に調節可能な胃バンドなどの植え込み可能な制限装置により感知されたパラメータに関する値を示すグラフィック表現と、第2のその後の期間中に植え込み可能な制限装置により感知されたパラメータに関する値を示すグラフィック表現と、を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の期間のグラフィック表現は、第2の期間のグラフィック表現に少なくとも部分的にオーバーレイする。第1の期間は、医療行為の前であってよく、第2のその後の期間は、医療行為の後であってよく、医療行為は、植え込み可能な制限装置の調節であってよい。いくつかの実施形態では、第1の期間のグラフィック表現、および、第2のその後の期間のグラフィック表現は、1つ以上のパラメータパルスを中に有するグラフ上にプロットされた曲線を含む。第1の期間および第2の期間のグラフィック表現は、第1の期間のグラフィック表現中の少なくとも1つのパラメータパルスが、第2の期間のグラフィック表現中の少なくとも1つのパラメータパルスと重なり合うように、オーバーレイされることができる。
【0016】
さらに別の態様では、例示的なディスプレイは、感知された圧力を表示する圧力スクリーンであって、感知された圧力は、植え込み可能な制限装置(例えば調節可能な胃バンド)により感知され、生理学的監視装置に伝達される、圧力スクリーン、嚥下事象中に起こる感知された圧力中のパルスの数を示すパルス計数ディスプレイ、および/もしくは感知された圧力のインジケーターを有する圧力ディスプレイであって、インジケーターは、植え込み可能な制限装置の状態に対応する複数の圧力範囲のうちの1つに含まれる、圧力ディスプレイ、を含みうる。圧力ディスプレイは、例えば、経時的な圧力を表示するグラフであって、感知された圧力は、プロットされた曲線により表される、グラフ、複数の別個のインジケーターを含む線状メーターであって、各別個のインジケーターは、予め決められた、感知された圧力に対応する、線状メーター、状態を示すために色を変えるように構成されたインジケーター、円形圧力メーター、および/もしくは文字インジケーターを含むことができる。圧力範囲は、流体充填された植え込み可能な制限装置の状態に対応していてよく、この状態は、「過度に充填されている(overfilled)」、「最適」、および「不十分に充填されている(under-filled)」を含む。いくつかの実施形態では、グラフ、線状メーター、円形圧力メーター、および/もしくは文字インジケーターは、視覚的警告もしくは警報状態を信号で知らせるように構成されうる。他の実施形態では、グラフ、線状メーター、円形圧力メーター、および文字インジケーターのうちいずれかが、閾値を超える値を示した場合に、可聴警報が作動するように構成されてよい。
【0017】
さらに別の態様では、例示的な方法が、前述のディスプレイもしくは属性のいずれかを有する生理学的監視装置を入手することと、生理学的監視装置および/もしくはディスプレイを転用することと、を含むことができる。転用することは、例えば、装置もしくはディスプレイを再構築すること、装置もしくはディスプレイを改変するか、再プログラムするか、削除するか、またはカスタマイズすることを含むことができる。転用することは、装置もしくはディスプレイを修理するか、再調整するか、もしくは滅菌することも含みうる。
【0018】
植え込まれた装置から得られたデータは、種々の方法で用いられ、処理され、かつ/もしくは分析されることができる。例えば、生理学的パラメータに関する情報を入手する1つの例示的な方法は、ある期間にわたり、植え込み可能な制限装置からデータを収集することであって、収集されたデータは、その期間中に身体内で感知されたパラメータ(例えば圧力)の値に関する情報を含んでいる、データを収集することと、その期間の少なくとも一部の、生理学的パラメータ(例えば、心拍数、呼吸速度、蠕動性事象により生じるパルスの速度、基線パラメータ(baseline parameter)など)に関する情報を判断するためにデータをデータ処理装置で分析することと、を含みうる。判断される情報は、例えば、ある期間の少なくとも一部にわたる、周波数、値、振幅、値の変化、およびある期間にわたる平均値を含むことができる。一実施形態では、この方法は、その期間中に感知されたパラメータの値における変動の周波数成分(frequency content)を決定することと、周波数成分の1つ以上の周波数を、生理学的パラメータの周波数として識別することと、を含みうる。この方法は、1つ以上の周波数(もしくはそれらの平均)を、生理学的パラメータと関連付けられた周波数として指定された1つ以上の予め決められた周波数と比較することをさらに含みうる。いくつかの実施形態では、この方法は、その期間の少なくとも一部にわたる圧力の値における変動の周波数成分を決定することと、生理学的事象(例えば、心拍数、呼吸速度など)の可能な速度として指定された予め決められた範囲の周波数に含まれる周波数成分に存在する1つ以上の周波数を選択することと、その1つ以上の選択された周波数に基づいて生理学的事象の速度を識別することと、を含みうる。周波数成分を決定することは、さらに、フーリエ解析を適用することにより達成されうる。他の実施形態では、この方法は、その期間中の少なくとも一部にわたる圧力の値の変動において示された周波数を計算することと、生理学的事象の可能な速度として指定された予め決められた範囲の周波数と、その周波数を比較して、その周波数がその範囲に含まれるかどうか判断することと、を含むことができる。周波数を計算することは、例えば、圧力の値が極大もしくは極小になる少なくとも2つの時間を記録すること;および、その少なくとも2つの時間の間の差に基づいて周波数を計算すること、により達成されうる。この方法は、計算された周波数で、圧力の値における変動の振幅を決定することと、可能な生理学的事象振幅として指定された予め決められた範囲の振幅と、その振幅を比較して、その振幅がその範囲に含まれるかどうか判断することと、をさらに含むことができる。さらに他の実施形態では、この方法は、(i)その期間中のある時間における圧力の値と、(ii)その時間における圧力の平均値と、の間の差を計算することを含んでよく、その差は、生理学的パラメータに対応する値を表す。平均値は、例えば、時間のウィンドウ(window of time)内に入る値に基づいて、計算されることができる。さらに、生理学的事象もしくは速度の決定は、警報をもたらすことができ、あるいは、データ処理装置に報告を作成させることができる。
【0019】
別の態様では、生理学的パラメータの基線値を決定するために植え込み可能な制限装置からのデータを分析する、例示的な方法は、ある期間にわたり植え込み可能な制限装置からデータを収集することを含んでよく、収集されたデータは、その期間にわたり身体内で感知されたパラメータの値に関する情報を含んでいる。この方法は、許容差範囲を表すための値の範囲を定めることと、期間中、感知されたパラメータの1つ以上の値を許容差範囲と比較して、1つ以上の値のすべてが許容差範囲に含まれるかどうかを判断し、1つ以上の値のすべてが許容差範囲に含まれる場合、基線を確立されたものとみなすことと、を含むこともできる。値の範囲は、移動平均に関するものを含む、様々な方法で、あるいは、移動平均を上回る上限および移動平均未満の下限を設定することによって、定められうる。この方法は、期間内の平均ウィンドウ(averaging window)の間の感知されたパラメータの値に基づいて移動平均を計算すること;および、移動平均を基線値とみなすこと、をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、この方法は、期間内の平均ウィンドウの間の感知されたパラメータの値に基づいて移動平均を計算すること;および、移動平均を基線値とみなすこと、をさらに含むことができる。他の実施形態では、この方法は、(i)基線値の識別;(ii)閾値時間内に基線値を識別できないこと;ならびに、(iii)基線値の識別、および基線値が閾値を超えることなどの事象が発生した時に、警報もしくは報告を作成することを含みうる。いくつかの実施形態では、流体が、植え込み可能な制限装置に追加されるか、もしくは植え込み可能な制限装置から除去されることができ、かつ/または決定された基線値が、植え込み可能な制限装置の状態に相互に関連付けられることができ、その状態は、最適に充填されている、過度に充填されている、もしくは不十分に充填されている(すなわち、最適に締められている、過度に締められている、および不十分に締められている)のうち1つである。
【0020】
別の態様では、生理学的パラメータの基線に関する情報を判断するために植え込み可能な制限装置からのデータを分析する、例示的な方法が提供されうる。この方法は、ある期間にわたり、植え込み可能な制限装置からデータを収集することを含んでよく、収集されたデータは、その期間中に身体内で感知されたパラメータの値に関する情報を含む。この方法は、その期間中に感知されたパラメータのもう1つの値(one more values)に少なくとも部分的に基づいて、生理学的パラメータの値が約0である変化率を有するまでの予測される時間を計算することをさらに含みうる。いくつかの実施形態では、予測される時間を計算することは、その期間内にウィンドウについて感知されたパラメータの値の変化率を計算することと、そのウィンドウについて感知されたパラメータの値の変化率の変化率を計算することと、変化率、および変化率の変化率に少なくとも部分的に基づいて、感知されたパラメータの値が、約0である変化率を有するまでの、予測される時間を計算することと、を含みうる。いくつかの実施形態では、予測される基線値は、例えば、ウィンドウ内の1つ以上の値から、感知されたパラメータの予測される基線値に外挿することによって、また、その期間内のウィンドウについて感知されたパラメータの値の変化率と、予測される時間とを掛け合わせることによって、計算されうる。いくつかの実施形態では、警報もしくは報告は、変化率が閾値を超えた場合に作成されうる。さらに、変化率は、植え込み可能な制限装置の状態と相互に関連させられてよく、状態は、最適に充填されている、過度に充填されている、もしくは不十分に充填されている(すなわち最適に締められている、過度に締められている、および不十分に締められている)のうちの1つである。
【0021】
別の態様では、パルスの存在を識別するために植え込み可能な制限装置からのデータを分析する、例示的な方法が提供されうる。この方法は、ある期間にわたり植え込み可能な制限装置からデータを収集することであって、収集されたデータは、その期間にわたって身体内で感知されたパラメータの値に関する情報を含む、データを収集することと、感知されたパラメータの値においてパルスの存在を識別することと、を含むことができる。識別することは、第1の閾値を上回る、感知されたパラメータの1つ以上の値を見つけることと、第1の閾値もしくは第2の閾値(このような閾値は、パラメータの基線値に対して定められてよく、かつ/または異なる値、もしくは同じ値であってよい)を下回る、感知されたパラメータの1つ以上の後続値を見つけることと、を含むことができる。いくつかの実施形態では、識別することは、時間ウィンドウ内で第2の閾値を下回る、感知されたパラメータの1つ以上の後続値を見つけることをさらに含んでよく、時間ウィンドウは、その期間内にあり、第1の閾値を上回る1つ以上の値と関連付けられた時間に開始する。パルスの存在を判断するために植え込み可能な制限装置からのデータを分析する、別の例示的な方法は、ある期間にわたり植え込み可能な制限装置からデータを収集することであって、収集されたデータは、その期間にわたって身体内で感知されたパラメータの値に関する情報を含む、データを収集することと、感知されたパラメータの値においてパルスの存在を識別することと、を含むことができる。識別することは、第1の閾値を上回る、感知されたパラメータの1つ以上の値を見つけることと、減少値(decreasing values)が後に続く、感知されたパラメータの1つ以上の後続値を見つけることであって、1つ以上の後続値は、ピーク値を表している、1つ以上の後続値を見つけることと;時間ウィンドウ内で第2の閾値を下回る、感知されたパラメータの1つ以上の他の後続値を見つけることと、を含みうる。時間ウィンドウは、その期間内にあってよく、ピーク値が生じたとき、もしくは別のときなど、実質的に任意の時間に開始する。いくつかの実施形態では、パルスの識別時、もしくは予め決められた期間中にパルスの数が閾値を超えたときに、警報もしくは報告が生成されうる。さらに、そのような情報は、植え込み可能な制限装置の状態に相互に関連付けられてよく、その状態は、最適に充填されている、過度に充填されている、もしくは不十分に充填されている(すなわち、最適に締められている、過度に締められている、および不十分に締められている)のうちの1つである。
【0022】
別の態様では、生理学的状態、もしくは植え込み可能な制限装置に関する状態の存在を検知するために、植え込み可能な制限装置からのデータを分析する、例示的な方法が提供されうる。この方法は、ある期間にわたり植え込み可能な制限装置からデータを収集することであって、収集されたデータは、その期間中に身体内で感知されたパラメータの値に関する情報を含む、データを収集することと、時間に対する圧力の曲線の下のエリアに対応する、1つ以上のエリアを見つけることと、そのエリアを比較することであって、比較の結果が、ある状態と相互に関連させられる、エリアを比較することと、を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のエリアを見つけることは、1つ以上のエリアのそれぞれについて、期間内のウィンドウのそれぞれにわたって、感知されたパラメータの値に基づいて積分の数値を求めること(evaluating)(いくつかの実施形態では、数値積分法を含む)を含んでよく、積分の数値を求めることにより、時間に対する圧力の曲線の下のエリア(1つ以上のパルスの下のエリアであってよい)を表す結果が生み出される。この方法は、第1の予め決められた速度で生じるエリアの減少シーケンス(decreasing sequence)を、最適に充填された植え込み可能な制限装置と相互に関連させることと、実質的に等しいエリアのシーケンスを、過度に充填された植え込み可能な制限装置と相互に関連させることと、をさらに含んでよく、かつ/もしくは、第2の予め決められた速度で生じるエリアの減少シーケンスを、不十分に充填された植え込み可能な制限装置と相互に関連させることを含みうる。
【0023】
別の態様では、データのノイズを除去するために植え込み可能な制限装置からのデータを分析する、例示的な方法が提供されうる。このような方法は、ある期間にわたり植え込み可能な制限装置からデータを収集することであって、収集されたデータは、その期間にわたって身体内で感知されたパラメータの値に関する情報を含む、データを収集することと、表示もしくはさらなる分析のため、感知されたパラメータ値を調整することと、を含みうる。調整することは、第1のサンプリングレートから第2の、より低いサンプリングレートに、感知されたパラメータをフィルタリングおよび/もしくは変換することを含んでよく、かつ/または、感知されたパラメータの二乗平均を計算すること、もしくは感知されたパラメータに対して回帰分析を行うこと、を含むことができる。いくつかの実施形態では、調整することは、周囲の感知されたパラメータ値の群(group of surrounding sensed parameter values)に基づいて、期間中の各時間に感知されたパラメータの平均値を計算することを含むことができる。他の実施形態では、調整することは、期間の少なくとも一部分を、予め決められたサイズの複数の平均ウィンドウに分割すること;および、各平均ウィンドウにおける感知されたパラメータの平均値を計算することを含みうる。調整された値は、圧縮情報として記憶されうる。
【0024】
別の態様では、植え込み可能な制限装置からのデータを分析する、例示的な方法は、ある期間にわたり植え込み可能な制限装置からデータを収集することを含んでよく、収集されたデータは、その期間にわたって身体内で感知されたパラメータの値に関する情報を含む。この方法は、期間中の時間Xについて、生理学的パラメータの平均値を計算することをさらに含んでよく、平均値は、期間中の平均ウィンドウ内の感知されたパラメータの1つ以上の値に基づいて計算される。いくつかの実施形態では、平均ウィンドウは、(i)時間Xに先行することができ、あるいは(ii)時間Xを取り巻くことができる。この方法は、時間に対する、感知されたパラメータのグラフ上に平均値を表示することをさらに含んでもよい。
【0025】
さらに別の態様では、例示的な方法は、前述の実施形態のいずれかで述べたように、データを処理するためのデータ処理装置を入手することと、装置を転用することと、を含むことができる。転用することは、例えば、装置を再構築すること、装置のハードウェア/ソフトウェアを改変するか、再プログラムするか、削除するか、もしくはカスタマイズすることを含むことができる。転用することは、装置を修理するか、再調整するか、もしくは滅菌することも含みうる。
【0026】
本発明のさらに他の例、特徴、態様、実施形態、および利点が、以下の説明から当業者に明らかになるであろう。以下の説明は、例示目的で、本発明を実施するために企図される最良の様式のうちの1つを含む。認識されるように、本発明は、他の異なる明白な態様であって、すべてが本発明から逸脱していない、態様が可能である。したがって、図面および説明は、本質的に例示的なものとみなされるべきであり、制限的なものとみなされるべきではない。
【0027】
この明細書は、本発明を具体的に指摘し、はっきりと主張する特許請求の範囲で締めくくられているが、本発明は、添付図面と共に理解される、特定の例の以下の説明からよりよく理解されるであろうと考えられる。添付図面では、同様の参照符号が、同じ要素を識別している。
【0028】
〔発明の詳細な説明〕
本発明の特定の例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために用いられるべきではない。本発明の他の例、特徴、態様、実施形態、および利点が、以下の説明から当業者に明らかとなるであろう。以下の説明は、例としての、本発明を実行するために企図される最良の様式のうちの1つである。認識されるように、本発明は、他の異なる明らかな態様であって、すべてが本発明から逸脱していない、態様が可能である。したがって、図面および説明は、本質的に例示的なものであるとみなされるべきであり、制限的なものとみなされるべきではない。1つの例示的な実施形態に関連して例示もしくは説明された特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせられてよい。そのような改変および変形は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0029】
詳細に図面を参照すると、図面全体にわたって同様の参照符号が同じ要素を示している。図1は、植え込まれた制限的開放装置と、離れて位置する監視ユニットとの間でデータを送信するための、双方向通信システム20の簡略化された概略図を提供している。通信システム20を通じて、データおよび命令信号は、患者の治療を監視し、その治療に影響を及ぼすために、植え込まれた装置と、離れて位置する医師との間で送信されることができる。本発明の通信システムにより、医師は、患者と面と向かって会わずに、制限的開放装置を制御し、治療を監視することができる。本明細書での開示目的で、用語「遠隔の(remote)」および「離れて位置する」は、1.83m(6フィート)より大きな距離を置いているものと定義される。図1および以下の開示では、制限的開放装置は、肥満治療に用いるための食物摂取量制限装置22として図示され説明されている。しかしながら、食物摂取量制限装置の使用は、代表的なものにすぎず、本発明は、本発明の範囲から逸脱することなく、他のタイプの植え込まれた制限的開放装置と共に用いられうる。加えて、制限装置22は、あらゆる範疇の制限的装置、例えば流体充填可能な制限装置、機械ベースの制限装置など、であってよい(またはそれらを含むことができる)ことが理解されるべきである。
【0030】
図1に示されるように、摂取量制限装置22の第1の部分24は、患者の皮膚27の下に植え込まれ、第2の部分26は、患者の皮膚の外に位置している。植え込まれた部分24は、病的肥満治療のため、胃腸管の周りに植え込まれた、調節可能な制限バンド28を含む。この適用では、調節可能なバンド28は、胃30の外壁の周りでループ状にされて、胃の上方嚢32と下方嚢34との間で瘻を作る。調節可能なバンド28は、流体で満たされると胃30に対して内側に膨張する、シリコーンゴムもしくは別のタイプの生体適合性材料で作られたキャビティを含むことができる。代わりに、バンド28は、バンド調節により圧力変化を受ける流体キャビティを有する機械的に調節可能な装置、または組み合わせの水圧/機械的調節可能なバンドを含んでよい。
【0031】
注入ポート36は、以下により詳細に説明されるが、針注入およびテレメトリー通信信号にとってアクセス可能な身体領域に植え込まれる。図示される実施形態では、注入ポート36は、カテーテル40を通じて、調節可能なバンド28と流体連通する。外科医は、食物摂取量制限部もしくは瘻の調節を行うために、患者の身体の内側に注入ポート36を位置付けて持続的に植え込むことができる。注入ポート36は、典型的には、皮膚および脂肪組織層の下で、患者の腹部の外側肋骨下領域に植え込まれる。代わりに、外科医は、患者の胸骨に注入ポート36を植え込むことができる。
【0032】
図2は、調節可能なバンド28を、より詳細に示している。この実施形態では、バンド28は、可変容量キャビティ42を含み、可変容量キャビティ42は、胃の中への食物摂取量を制御可能に制限するために調節可能な瘻を形成するよう、胃の外壁に対して拡張もしくは収縮する。医師は、流体を可変容量キャビティ42に加えることにより、瘻開口部のサイズを縮小させることができ、あるいは、代わりに、流体をキャビティから抜き取ることにより、瘻サイズを増大させることができる。流体は、注入ポート36に針を挿入することによって、加えられるか、もしくは抜き取られることができる。流体は、0.9%食塩水であってよいが、これに限定されない。
【0033】
図1に戻ると、摂取量制限装置22の外部部分26は、(この実施形態では、電気ケーブル組立体56によって)ローカルユニット60に電気的に接続されたハンドヘルドのアンテナ54を含む。電気ケーブル組立体56は、外部部分26の洗浄、メンテナンス、使用、および保管を容易にするために、ローカルユニット60もしくはアンテナ54に切り離し可能に接続されてよい。ローカルユニット60は、以下でさらに説明されるように、植え込まれた装置22および遠隔ユニット170と通信する、マイクロプロセッサ制御の装置であってよい。アンテナ54を通じて、ローカルユニット60は、植え込まれた注入ポート36と非侵襲的に通信する。アンテナ54は、テレメトリー信号および電力信号を注入ポート36に送信するために、注入ポート36の場所の近くで患者の皮膚に接して保持されてよい。
【0034】
図3を見ると、図3は、例示的な注入ポート36の部分的に切断された側面図を描いている。図3に示されるように、注入ポート36は、注入ポートを患者の組織に留めるための複数の取り付け孔74を含む環状フランジ72を有する、剛性ハウジング70を含む。外科医は、縫合糸フィラメント、ステープル、およびクリップを含む、多くの外科用留め具のうちいずれか1つを用いて、腹筋を覆う筋膜などの組織に注入ポート36を取り付けることができる。注入ポート36は、典型的にはシリコーンゴムで作られ、かつハウジング70の中で圧縮して保持される、隔壁76をさらに含む。隔壁76は、ポートに流体を加えるか、もしくはポートから流体を抜き取るために、フーバー針、もしくは類似のタイプの注入器具により貫通可能である。隔壁76は、注射針が引き抜かれると自己密封し、注入ポート36の内側の流体の容量を維持する。注入ポート36は、流体を保持するための貯蔵部80と、カテーテルコネクタ82と、をさらに含む。コネクタ82は、図2に示されるカテーテル40に取り付けられて、貯蔵部80とキャビティ42との間で水圧式閉回路を形成する。ハウジング70およびコネクタ82は、生体適合性ポリマーから一体成型されるか、またはチタンもしくはステンレス鋼などの金属から構築されてよい。
【0035】
注入ポート36は、装置内の流体圧力を測定するための圧力センサー84も含む。センサー84により測定される圧力は、バンド28によって患者の胃もしくは他の体腔に加えられる制限の量に対応する。圧力測定値は、アンテナ54を用いてテレメトリー信号によりセンサー84からローカルユニット60に送信される。ローカルユニット60は、以下により詳細に説明されるように、評価のために圧力測定値を表示し、印刷し、かつ/もしくは、圧力測定値を遠隔監視ユニットに送信することができる。図3に示される実施形態では、圧力センサー84は、ハウジング70内の流体貯蔵部80の底部に位置付けられている。保持カバー86が、圧力センサー84の上に延びて、センサー表面を貯蔵部80から実質的に分離し、センサーを針の貫通から保護する。保持カバー86は、例えばアルミナなどのセラミック材料で作られてよく、この材料は、針の貫通に耐えるが、圧力センサー84とアンテナ54との間の電子通信に干渉しない。保持カバー86は、通気孔90を含み、通気孔90は、貯蔵部80内側の流体が、圧力センサー84の表面まで流れてその表面に当たることを可能にする。
【0036】
図4は、図3の線A−Aに沿った圧力センサー84の側面断面図であり、流体圧力を測定するための例示的な実施形態を示している。圧力センサー84は、ハウジング94内部で密封されて、流体が浸透して、センサーの動作に影響を与えることを防ぐ。圧力センサー84の外部は、変形可能な表面を有する隔膜92を含む。隔膜92は、チタンの貯蔵部80の底部の一部を、0.025mm〜0.051mm(0.001インチ〜0.002インチ)の厚さに薄くすることにより形成される。流体が貯蔵部80の通気孔90を通って流れると、その流体は隔膜92の表面に当たり、その表面を機械的に転置させる。隔膜92の機械的転置は、一対の可変抵抗シリコンひずみゲージ96、98により電気信号に変換される。ひずみゲージ96、98は、貯蔵部80中の作動流体の反対の側面で隔膜92に取り付けられる。ひずみゲージ96は、隔膜92の中央部分に取り付けられて、隔膜の転置を測定する。第2の適合したひずみゲージ98は、隔膜92の外縁部近くに取り付けられる。ひずみゲージ96、98は、接着剤により隔膜92に取り付けられてよく、あるいは、隔膜構造体の中に拡散されてもよい。バンド28内の流体圧力が変動すると、隔膜92の表面は、貯蔵部80の底部で、上方または下方に変形する。隔膜92の変形により、中央のひずみゲージ96に抵抗変化が生じる。
【0037】
図5に示されるように、ひずみゲージ96、98は、半分補正済みの(half-compensated)ホイートストーンブリッジ回路100の頂部の2つの抵抗要素を形成する。ひずみゲージ96が隔膜92の機械的転置に反応すると、ゲージの変化抵抗(changing resistance)は、ブリッジ回路の頂部にわたって電位を変える。ひずみゲージ98は、ひずみゲージ96に適合しており、ホイートストーンブリッジ回路を断熱化する(athermalizes)。差動増幅器102、104が、ブリッジ回路100に接続されて、可変抵抗ひずみゲージによるブリッジ回路内の電位の変化を測定する。特に、差動増幅器102は、ブリッジ回路全体にわたる電圧を測定し、一方、差動増幅器104は、ブリッジ回路100のひずみゲージの半分にわたる差動電圧を測定する。ブリッジにわたる一定電圧に対してひずみゲージ電圧間の差動が大きくなるほど、圧力差が大きくなる。所望であれば、完全に補正済みのホイートストーンブリッジ回路が、圧力センサー84の感度および精度を増大させるために用いられてもよい。完全に補正済みのブリッジ回路では、図4に示されるようなわずか2つのひずみゲージではなく、4つのひずみゲージが隔膜92の表面に取り付けられる。
【0038】
図4に戻ると、差動増幅器102、104からの出力信号が、マイクロコントローラ106に適用される。マイクロコントローラ106は、ハウジング94内の回路基板110に統合される。温度センサー112が、注入ポート36内部の温度を測定し、マイクロコントローラ106に温度信号を入力する。マイクロコントローラ106は、センサー112からの温度信号を用いて、体温の変動、およびひずみゲージ98により計上されなかった(not accounted for)残余温度誤差を補正する。体温の変動について圧力測定信号を補正することは、圧力センサー84の精度を増大させる。加えて、TET/テレメトリーコイル114が、ハウジング94の中に位置している。コイル114は、ローカルユニット60から電力を受け取り、かつ、測定された流体圧力を含む生理学的データをローカルユニット60に送信するための、同調タンク回路(tuned tank circuit)を形成するように、コンデンサー116に接続される。図3〜図5は、摂取量制限装置内部の流体圧力を測定するための、1つの例示的な実施形態を示す。流体圧力を測定するためのさらなる実施形態が、名称を「Non-invasive Measurement of Fluid Pressure in a Bariatric Device」とする米国特許出願第11/065,410号(現在は米国特許出願公開第2006/0189888号として公開されている)に記載されており、その開示内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0039】
注入ポート36の代替手段として、植え込まれた部分24は、調節可能な制限バンド28内部の流体レベルを変えるための双方向注入器を含むことができる。注入器により、流体は、患者の皮膚を通してポートの隔壁の中まで注射器を挿入する必要なしに、テレメトリー命令信号によってバンド28に加えられるか、もしくはバンド28から抜き取られることができる。図6は、例示的な注入器115の断面図である。図6に示されるように、注入器115は、テレメトリー命令信号に応答してバンドの中もしくは外に流体を非侵襲的に運ぶための、概して符号118として示される、ポンプを含む。ポンプ118は、頂部にわたって延びる環状カバー121を有する円筒形外側ハウジング120の中に入れられている。折り畳み可能なベローズ122が、頂部周縁部においてカバー121にしっかりと取り付けられている。ベローズ122は、チタンなどの適切な材料で構成され、この材料は、ベローズの折り目において繰り返し湾曲することができるが、圧力の変動に従順にならないように十分に剛性である。ベローズ122の下方周縁部が、環状ベローズキャップ123に固定され、キャップ123は、ポンプ118内で垂直に並進運動する。カバー121、ベローズ122およびベローズキャップ123の組み合わせが、流体貯蔵部124の容量を定める。カテーテルコネクタ119が、(図2に示される)カテーテル40に取り付けられて、バンドと流体貯蔵部124との間で水圧式閉回路を形成する。貯蔵部124の容量は、ベローズキャップ123を、カバー121から離して下方向に動かすことによって拡大されることができる。ベローズキャップ123が下がると、ベローズ122の折り目は引き伸ばされ、真空を作り出して、流体が、バンドから、カテーテル40およびコネクタ119を通って、貯蔵部124の中まで引き出される。同様に、貯蔵部124の容量は、ベローズキャップ123を、カバー121に向かって上方向に動かすことによって減少されることができ、それによって、ベローズ122の折り目が圧縮され、流体が、貯蔵部から、カテーテル40およびコネクタ119を通ってバンド28の中まで押し込まれる。
【0040】
ベローズキャップ123は、一体形成された親ねじ部分125を含み、親ねじ部分125は、円筒形ナット126上の、適合するネジ山に動作可能に係合する。ナット126の外周部は、回転駆動プレート127の軸方向ボアにしっかりと取り付けられる。円筒形駆動リング128が、回転駆動プレート127の環状外縁部の周りに据えられている。ナット126、駆動プレート127、および駆動リング128はすべて、任意の適切な手段によって共にしっかりと固定されて、ねじ部分125により形成された軸の周りで単一体として回転する組立体を形成する。ブッシュフレーム129が、アンテナ54とポンプ118との間で電力信号およびデータ信号を送信するための(不図示の)TETコイルおよびテレメトリーコイルを囲む。
【0041】
駆動リング128は、1つ以上の圧電性調和モーター(piezoelectric harmonic motors)により回転可能に駆動される。図6に示される実施形態では、2つの調和モーター131は、各モーターの先端部113が駆動リング128の内側周辺部と摩擦接触するように、位置付けられる。モーター131が加圧されると、先端部113は、駆動リング128に接して振動し、リングを回転させる、リングの内側周辺部に沿った「ウォーキング」運動を引き起こす。ポンプ118内の(不図示の)マイクロコントローラが、モーター131を駆動する電力を受け取るため、ならびにポンプのためのデータ信号を受信および送信するために、TETコイルおよびテレメトリーコイルに電気的に接続される。バンドキャビティ42の流体レベルを変えるために、調節の処方が、テレメトリーによってアンテナ54から送信される。注入器115のテレメトリーコイルは、処方信号を検知してマイクロコントローラに送信する。マイクロコントローラは、次に、ベローズ122を折り畳むか、もしくは拡張させ、かつ所望の量の流体をバンド28に/バンド28から流すために、十分な量、モーター131を駆動する。
【0042】
注入器115内の圧力変動、したがって、瘻開口部のサイズを測定するために、ブロック84’により示される圧力センサーが、ベローズ122内部に含まれる。圧力センサー84’は、前述の圧力センサー84に類似している。バンド28に対する圧力が、例えば嚥下による蠕動性圧力に起因して、変わると、バンド28の流体は、圧力変化を受ける。これらの圧力変化は、カテーテル40の流体を通じてベローズ122まで伝えられる。圧力センサー84’の隔膜は、ベローズ122内部の流体圧力変化に応答して、歪む。隔膜の歪みは、図4および図5に関して前述したように、加えられた圧力を示す電気信号に変換される。圧力信号は、注入器マイクロコントローラに入力され、注入器マイクロコントローラは、テレメトリーコイルによって患者の外側の監視ユニットに圧力を伝送する。双方向注入器115の動作に関するさらなる詳細は、名称を「Non-invasive Measurement of Fluid Pressure in a Bariatric Device」とする、本発明の譲受人に譲渡された同時係属の米国特許出願第11/065,410号において見ることができ、この特許出願は、参照することにより本明細書に組み込まれている。
【0043】
図7Aおよび図7Bは、患者の腹部に食物摂取量制限部を作り出すための、機械的に調節可能なバンド153を描いている。機械的バンド153は、瘻を作り出すための、水圧で調節可能なバンド28の代替手段として用いられることができる。機械的に調節可能なバンド153は、重なり合う端部135、137を有する、実質的に円形の弾性コア133を含む。コア133は、流体充填された、従順なハウジング139で実質的に囲まれている。コア133の、解放可能かつロック可能な継手149が、ハウジング139の端部から突出して、コアおよびハウジングが、患者の食道もしくは胃の周りに置かれて瘻を形成することを可能にしている。植え込まれたモーター141が、コア133から離間しており、コア端部135、137の重なり、したがってコアにより形成される瘻サイズ、を機械的に調節する。モーター141は、ハウジング139内部の(不図示の)駆動輪に接続された駆動シャフト143を介して、コア133のサイズを調節する。モーター141は、シリコンゴムもしくは別の類似材料で構成された本体147の遠隔操作電源ユニット145と共に成型される。
【0044】
モーター141がコア133のサイズを変えると、ハウジング139内部の流体の圧力が変わる。圧力変動を測定するために、前述したものに類似の圧力センサーが、ハウジング139の流体と連絡した状態で置かれる。圧力センサーは、ブロック84”で示されるように、ハウジング139内部に置かれてよく、瘻開口部内部の圧力変動が、ハウジング139の流体を通じてセンサーの隔膜まで伝えられる。センサー84”は、隔膜の歪みを圧力測定信号に転換し、圧力測定信号は、前述したように、テレメトリーによって外部ユニットに送信される。代替的なシナリオでは、圧力センサーは、ブロック84’’’で示されるように、植え込まれたモーター本体147の中に置かれ、また駆動シャフト143に並んで延びるチューブ151によってハウジング139に流体接続されていてよい。瘻開口部内の圧力変化に起因して、流体圧力がハウジング139で変化すると、圧力差動が、チューブ151の流体を通じてセンサー84’’’まで伝えられる。センサー84’’’は、流体圧力を示す電気信号を生成する。この信号は、前述したように、患者から外部ユニットまで送信される。
【0045】
図8は、摂取量制限装置22の植え込まれた部分24および外部部分26の主要な構成要素を示すブロック図である。図8に示されるように、外部部分26は、電力信号132を、植え込まれた部分24に送信するための一次TETコイル130を含む。テレメトリーコイル144もまた、データ信号を、植え込まれた部分24に送信するために含まれる。一次TETコイル130およびテレメトリーコイル144は、図示のように組み合わさってアンテナ54を形成する。外部部分26のローカルユニット60は、一次TETコイル130への電力適用を制御するための、TET駆動回路134を含む。TET駆動回路134は、マイクロプロセッサ136により制御される。グラフィカル・ユーザー・インターフェース140が、患者情報を入力し、データおよび医師の指示を表示および/もしくは印刷するために、マイクロプロセッサ136に接続される。ユーザー・インターフェース140を通じて、患者もしくは臨床医は、医師に調節要請を送信することができ、さらに要請の理由を入力することもできる。加えて、ユーザー・インターフェース140により、患者は、医師からの指示を読み、それに応答することができる。
【0046】
ローカルユニット60は、植え込まれたマイクロコントローラ106に問い合わせ命令を送信し、かつ、感知された流体圧力を含む応答データを植え込まれたマイクロコントローラ106から受信するための、一次テレメトリートランシーバー142も含む。一次トランシーバー142は、命令信号およびデータ信号を入力および受信するために、マイクロプロセッサ136に電気的に接続される。一次トランシーバー142は、選択されたRF通信周波数で共振するようにテレメトリーコイル144を駆動する。共振回路は、命令データを、植え込まれたマイクロコントローラ106に送信するダウンリンク交番磁界146を発生させる。代わりに、トランシーバー142は、二次コイル114から送信されたテレメトリー信号を受信することができる。受信データは、マイクロプロセッサ136と関連付けられたメモリ138に記憶されうる。摂取量制限装置22に電力供給するために、電源150が、ローカルユニット60にエネルギーを供給する。周囲圧力センサー152がマイクロプロセッサ136に接続される。マイクロプロセッサ136は、例えば気圧の状態もしくは高さの変動に起因する大気圧の変動について、受信した流体圧力測定値を調節するために、周囲圧力センサー152からの信号を用いる。
【0047】
図8はまた、装置22の植え込まれた部分24の主要な構成要素を示している。図8に示されるように、二次TET/テレメトリーコイル114は、外部アンテナ54から電力信号および通信信号を受信する。コイル114は、同調タンク回路を形成し、同調タンク回路は、インプラントに電力供給する一次TETコイル130、もしくはデータを受信および送信する一次テレメトリーコイル144のいずれかと誘導的に連結される。テレメトリートランシーバー158が、コイル114とのデータ交換を制御する。加えて、植え込まれた部分24は、整流器/電力レギュレータ160、前述のマイクロコントローラ106、マイクロコントローラと関連付けられたメモリ162、温度センサー112、圧力センサー84、および圧力センサーからの信号を増幅するための信号調整回路164を含む。植え込まれた構成要素は、アンテナ54によってセンサー84からローカルユニット60に、温度調節された圧力測定値を送信する。圧力測定値は、ローカルユニット60内部のメモリ138に記憶されるか、ローカルユニット60内部のディスプレイ上に示されるか、または遠隔監視ステーションにリアルタイムで送信されることができる。
【0048】
前記で言及したように、摂取量制限装置の遠隔監視および制御のための通信システムを提供することが望ましい。通信システムを通じて、医師は、肥満治療の効力を評価するために制限装置から流体圧力測定値の履歴を検索することができる。加えて、医師は、装置の調節についての指示をダウンリンクすることができる。離れて位置する臨床医が、ローカルユニット60を通じて調節の指示にアクセスすることができる。指示を用いて、臨床医は、注入ポート36の中に注射器を入れ、流体貯蔵部80に食塩水を加えるか、もしくは流体貯蔵部80から食塩水を除去して、装置の調節を達成することができる。代わりに、患者が、ローカルユニット60を通じて指示にアクセスし、アンテナ54を用いて注入器115もしくは機械的に調節可能なバンド153において指示を非侵襲的に実行することができる。リアルタイムの圧力測定値は、調節の効果について即座にフィードバックするため、調節中に医師にアップリンクされうる。代わりに、患者もしくは臨床医が、調節の確認および評価のため、調節後に、圧力測定値を医師にアップリンクしてもよい。
【0049】
図1に示されるように、通信システム20は、本明細書ではベースユニットとも呼ばれる、ローカルユニット60および遠隔監視ユニット170を含む。遠隔ユニット170は、医師の診察室、病院もしくはクリニック、またはその他の場所に位置してよい。この例の遠隔ユニット170は、例えばIntel Pentium.RTM.マイクロプロセッサなどであってよいマイクロプロセッサ172を含む、パーソナルコンピューター型装置である。代わりに、遠隔ユニット170は、インターネットなどのネットワーク上でアクセス可能な専用もしくは非専用のサーバーを含みうる。この例では、システムバス171が、例えば生理学的パラメータおよび患者への指示などのデータを記憶するためのメモリ174と、マイクロプロセッサ172を相互に接続している。グラフィカル・ユーザー・インターフェース176もまた、データを表示し、かつ患者への指示および通信文を入力するため、マイクロプロセッサ172に相互に接続されている。ユーザー・インターフェース176は、ビデオモニター、タッチスクリーン、もしくは他のディスプレイ装置、ならびに、情報を遠隔ユニット170に入力するためのキーボードもしくはスタイラスを含むことができる。遠隔ユニット170を設けるのに適した他の装置および構成が、当業者には明らかであろう。
【0050】
いくつかの周辺装置178が、患者の状態に関連した生理学的データを入力するために、ローカルユニット60と直接インターフェースで連結されていてよい。この生理学的データは、問い合わせもしくは他のデータ交換中に、ローカルユニット60に記憶され、また遠隔ユニット170にアップロードされることができる。本発明で利用されうる周辺装置の例は、体重計、血圧モニター、体温計、血糖モニター、もしくは患者の現在の生理学的状態に関する入力を提供するために医師の診察室の外側で用いられうる、あらゆる他のタイプの装置を含む。例えば、体重計は、患者の体重減少記録を生成するために、ローカルユニット60と、直接、もしくはアンテナ54によって無線で、電気的に通信することができる。体重減少記録は、ローカルユニット60のメモリ138に記憶されうる。遠隔ユニット170による次の問い合わせ中に、もしくは予め計画された間隔で自動的に、体重減少記録は、マイクロプロセッサ136によって遠隔ユニット170にアップロードされることができる。体重減少記録は、医師がアクセスするまで、遠隔ユニット170のメモリ174に記憶されていてよい。
【0051】
これも図1に示されるように、声、ビデオ、教育的情報および命令信号を含むデータを、ローカルユニット60と遠隔ユニット170との間で送信するため、通信リンク180が、それらユニット間に作り出される。通信リンク180は、高速ケーブル接続もしくはダイヤルアップ接続を用いるウェブベースのシステム、公衆電話線、無線RFネットワーク、人工衛星、T1ライン、もしくは遠隔場所間でデータを送信するのに適したあらゆる他のタイプの通信媒体を含む、広範なデータ送信媒体のいずれかを含むことができる。図9は、通信リンク180用の様々な媒体を非常に詳細に示している。図9に示されるように、ローカルユニット60および遠隔ユニット170は、いくつかの異なる直接および無線接続を通じて通信することができる。特に、これらのユニットは、ケーブルもしくは電話モデム192、194、またはあらゆる他の適切な装置を用いて、インターネット190を通じて通信することができる。この場合、データは、例えばEメール、インスタントメッセージング、ウェブページ、もしくは文書伝送などのあらゆる適切なインターネット通信媒体を通じて送信されることができる。代わりに、ローカルユニット60および遠隔ユニット170は、モデム200、202を用いて公衆電話ネットワーク196によって接続されることができる。ユニット60、170は、整調可能な周波206、210によってマイクロ波もしくはRFアンテナ204を通じて通信することもできる。通信リンクが、人工衛星209および整調可能な周波212、214によって確立されることもできる。前述のリンクに加えて、当技術分野で既知であるか、もしくは後に確立されるであろう、他のタイプの送信媒体が、本発明の範囲から逸脱することなく、ローカルユニット60と遠隔ユニット170との間で所望のデータ通信を提供するために、用いられてもよいことが構想される。
【0052】
図10は、双方向通信システム20を用いた例示的な対話(exemplary interaction)のデータフローチャートである。この対話では、医師が、調節処方をダウンロードすることができ、この調節処方は、患者と一緒にいる臨床医によって、その後手動で実行される。医師は、ステップ220に示されるように、遠隔ユニット170とローカルユニット60との間で通信セッションを開始する。このセッションは、インターネットリンク190によって、もしくは図9に関して説明された他の通信リンクのいずれかを通じて、Eメールもしくはインスタントメッセージを送信することにより開始されることができる。通信セッション中、医師は、指示をメモリ138にダウンロードすることができ、あるいは、ステップ222に示されるように、装置22もしくは周辺装置178から入手した、先に記憶されたデータをアップロードすることができる。このデータは、流体圧力、体重の履歴、もしくは患者のコンプライアンス報告を含みうる。データがアップロードされた後、医師は、ステップ234に示されるように、データを評価して、装置調節の必要性を判断することができる。調節が指示される場合、医師は、ステップ224に示されるように、調節処方命令をローカルユニット60にダウンロードすることができる。ローカルユニット60は、ステップ226で示されるように、臨床医によるその後の措置のため、メモリ138に処方を記憶させる。患者がいる場合、臨床医は、メモリ138から処方にアクセスする。次に臨床医は、注射器を、注入ポート36の隔壁76に挿入し、処方で特定された流体容量を加えるか、もしくは抜き取る。調節に続いて、臨床医は、インプラントの上にアンテナ54を置き、圧力測定値をセンサー84からローカルユニット60に送信するようマイクロコントローラ106に指示する。圧力測定値は、ステップ230に示されるように、ローカルユニット60のマイクロプロセッサ136により遠隔ユニット170にアップロードされて、調節指示が実行されたという医師への確認、および結果として得られた、患者に対する影響の表示を与える。オフライン調節では、ベースユニットは、ライン229で示されるように調節処方のダウンロードに続いて、もしくはライン231で示されるように調節が指示されていない場合は患者データの受領に続いて、ローカルユニット60との通信を終了する。
【0053】
ステップ220〜234のオフライン調節セッションに加えて、医師は、調節前、調節中、および調節後の患者の状態を監視するために、ステップ236に示されるように、リアルタイムの対話式調節を開始することができる。この場合、医師は、患者が臨床医と一緒にいる間に、ステップ237に示されるように、調節処方をダウンロードする。臨床医は、注射器を、注入ポート36の隔壁76に挿入し、ステップ238に示されるように、指定された流体を貯蔵部80に加えるか、もしくは貯蔵部80から抜き取って、処方を実行する。注射後、医師は、ステップ241に示されるように、インプラントの上にアンテナ54を置くよう臨床医に指示して、インプラントからローカルユニット60に流体圧力測定値を送信する。圧力測定値は、次に、ステップ243に示されるようにリンク180を通じて医師にアップリンクされる。医師は、ステップ245で圧力測定値を評価する。その評価に基づいて、医師は、ライン242により示されるようにバンドを再調節するように、リンク180を通じてさらなる指示を与えることができる。加えて、医師は、ステップ244に示されるように、調節を検査するために、ものを食べるか、もしくは飲み物を飲むなどの特定の行動をとるよう、患者に指示を与えることができる。患者が検査を行うと、医師は、ステップ246に示されるようにインプラントからの圧力測定値をアップロードして、食物もしくは液体が瘻を通過しようとするときのバンドに対する蠕動性圧力を評価することができる。圧力測定値があまりに高く、閉塞の可能性があることを示す場合、医師は、ライン249により示されるように、バンドを再調節して閉塞を軽減するよう、追加の命令信号を臨床医に即座に送信することができる。医師が調節の結果に満足した後で、通信セッションは、ステップ232で終了される。フローチャートに示されるように、通信リンク180により、医師および患者は、事実上の治療セッションで相互に作用することができ、そのセッション中、医師は、調節を処方し、リアルタイムの流体圧力フィードバックを受け取って、治療の効力を評価することができる。
【0054】
図11に示される第2の例示的な対話では、医師は、図6に示される注入器115などの、遠隔で調節可能な装置の調節処方をダウンロードする。医師は、ステップ220に示されるように、リンク180を通じてこの通信セッションを開始する。通信開始後、医師は、流体圧力履歴などの、先に記憶されたデータを、ローカルユニット60のメモリ138からアップロードする。医師は、そのデータを評価し、調節を指示するかどうかを判断する。医師がオフライン調節を選択した場合、ステップ224において示されるように、調節命令がローカルユニット60にダウンロードされ、メモリ138に記憶される。処方がメモリ138に記憶された状態で、患者は、ステップ233において示されるように、自分の都合がよいときに、アンテナ54を、インプラントエリアの上に置き、ローカルユニット60を通じて調節を開始する。ローカルユニット60は次に、植え込まれたマイクロコントローラ106に電力信号および命令信号を送信して、調節を実行する。調節後、患者は、遠隔監視ユニット170との通信リンクを確立し、一連の圧力測定値をインプラントから遠隔ユニットにアップロードする。これらの圧力測定値は、医師がアクセスするまで遠隔ユニット170のメモリ174に記憶されうる。
【0055】
代替的なシナリオでは、患者は、医師との事実上の治療セッション中にリアルタイムの調節を行うことができる。この状況では、医師は、リンク180を通じて患者との通信を確立する。いったんリンク180を通じて接続されると、医師は、ステップ250に示されるように、インプラントエリアの上にアンテナ54を置くよう、患者に指示する。アンテナ54が所定の位置にきた後、医師は、ステップ252に示されるように、リンク180を通じて注入器115に調節命令をダウンロードする。注入器115において調節が実行される間および/もしくは注入器115において調節が実行された後で、一連の圧力測定値が、ステップ254に示されるように、リンク180を通じて注入器115から医師にアップリンクされる。医師は、調節により生じる流体圧力変化を即座に精査する。結果として得られた流体圧力レベルが高すぎるか、もしくは低すぎる場合、医師は、ライン255で示されるように、制限バンドを即座に再調節することができる。医師は、ステップ256に示されるように、飲み物を飲むか、もしくはものを食べるなど、調節を検査するための特定の行動を行うように患者に指示することもできる。患者が検査を行うと、医師は、ステップ258に示されるように、圧力センサーからの圧力測定値をアップロードして、患者が食物もしくは液体を瘻に通そうとするときのバンドに対する蠕動性圧力を評価することができる。圧力測定値が高すぎて、閉塞の可能性があることを示す場合、医師は、ライン259で示されるように、バンドを再調節して閉塞を軽減するように、追加の命令信号を即座に送信することができる。医師が調節の結果に満足した後で、通信セッションはステップ232で終了する。本発明では、ローカルユニット60は、常に遠隔ユニット170の従属装置であり、医師のみが、調節を処方することができ、患者は、ローカルユニット60を通じて調節を独立して実行することを妨げられる。
【0056】
図12に示される第3の例示的な通信セッションでは、患者は、ステップ260に示されるように、ユーザー・インターフェース140を通じて要請を入力することにより、遠隔ユニット170との対話を開始することができる。この要請は、Eメールもしくは他の電子メッセージの形態をとることができる。ステップ262で、患者の要請が、通信リンク180を通じて遠隔ユニット170に送信される。遠隔ユニット170では、患者の要請は、医師の都合の良いときに検索されるまでメモリ174に記憶される(ステップ264)。医師が患者の要請を精査した後(ステップ266)、指示が、ユーザー・インターフェース176を通じて入力され、ローカルユニット60にダウンロードされる。医師は、ステップ268に示されるように、治療、または特定の調節要請を実行するか、もしくは拒絶する決定に関して患者と通信することができる。医師がステップ269で、調節が必要であると判断した場合、医師は、図10および図11のフローチャートに示されたものと同様の通信セッションを開始することができる。調節が指示されない場合、ベースユニットは、ステップ268の応答通信後にセッションを終了する。
【0057】
前記のシナリオに加えて、医師は、先の調節指示に対する患者のコンプライアンスをチェックするため、もしくは調節を行うことを患者に思い出させるために、いつでもローカルユニット60にアクセスすることができる。これらの対話において、医師は、ローカルユニット60とコンタクトをとって、メモリ138からのデータアップロードを要請するか、または、メモリ138に記憶され、また次に患者がローカルユニット60をオンにするときに表示されるべき、合図を送信することができる。加えて、ローカルユニット60は、日中の弛緩などの、定期的に計画された調節を行うことを患者に思い出させるために、警報特徴部を含むことができる。
【0058】
前記のように、通信システム20は、指定の期間にわたって装置22の性能を医師に評価させるために、流体圧力履歴を遠隔ユニット170にアップリンクするのに用いられることができる。図13は、データロガー270を示し、データロガー270は、ある期間にわたって流体圧力測定値を記録するために本発明の通信システム22と共に用いられることができる。この例では、データロガー270は、患者の外部にあり、ある領域であって、その領域の下で注入ポート36が患者の体内に植え込まれている、領域の上に位置付けられる。別の実施形態では、データロガー270も患者の体内に植え込まれる。図13に示されるように、データロガー270は、TETコイル285およびテレメトリーコイル272を含み、これらコイルは、植え込まれた部分24に隣接して位置するように患者に着用されることができる。TETコイル285は、インプラントに電力を供給し、テレメトリーコイル272は、インプラントに問い合わせをし(interrogates)、二次テレメトリーコイル114を通じて流体圧力測定値を含むデータ信号を受信する。別の実施形態では、TETコイル285およびテレメトリーコイル272は、単一のコイルに統合され、任意の適切な速度で、任意の適切な持続時間にわたって、TET機能とテレメトリー機能とを交互に繰り返す。
【0059】
制限バンド28内部の流体圧力は、バンドに対する蠕動性パルスを測定するのに十分な更新速度で、繰り返し感知され、データロガー270に送信される。典型的には、この更新速度は、1秒当たり10〜20回の圧力測定の範囲である。図13に示されるように、データロガー270は、ポートが患者の腹部エリアに植え込まれたときに注入ポート36に隣接してコイル272を位置付けるように、患者のウェストの周りでベルト274の上に着用されることができる。代わりに、データロガー270は、注入ポート36が患者の胸骨上に植え込まれた場合、装置270’により示されるように、患者の首の周りで着用されてもよい。データロガー270は、患者の食事および日常の仕事中の流体圧力変動を記録するために起きている時間中、着用される。1日の終わりに、もしくは別の設定時間に、データロガー270は、取り外されてよく、記録された流体圧力データは、ローカルユニット60のメモリ138にダウンロードされる。流体圧力履歴は、次の通信セッション中にメモリ138から遠隔ユニット170にアップロードされることができる。代わりに、流体圧力データは、通信リンク180を用いて、データロガー270から遠隔ユニット170に直接アップロードされてもよい。
【0060】
図14は、データロガー270をより詳細に示す。図14に示されるように、データロガー270は、植え込まれた装置24とのテレメトリー通信を制御するためのマイクロプロセッサ276を含む。マイクロプロセッサ276は、他の機能の中でも特に、装置24からの圧力測定値を記憶するための、メモリ280に接続される。この例では、メモリ280は、40MbのSRAMを含み、100時間のタイムスタンプされた圧力データを記憶するように構成されている。当然、あらゆる他のタイプのメモリ280が用いられてよく、メモリ280は、あらゆる量の、そしてあらゆる他のタイプのデータを記憶することができる。ほんの1例として、あらゆる他のタイプの揮発性メモリ、もしくはあらゆるタイプの不揮発性メモリが用いられてよく、そのようなメモリには、フラッシュメモリ、ハードドライブメモリなどが含まれるが、これらに限定されない。この例のデータロガー270が動作している間に、流体圧力が、マイクロプロセッサ276により制御された指定のデータレートで読み取られてメモリ280に記憶される。マイクロプロセッサ276は、電源282により加圧される。一実施形態では、電源282は、再充電可能なバッテリなどの(不図示の)再充電可能な電池を含む。この実施形態の1つの様式(one version)では、再充電可能な電池は、取り外し可能であり、再充電ユニットを用いて再充電されることができ、また使用済みの電池が再充電している間に別の再充電可能な電池と取り替えられることができる。この実施形態の別の様式では、再充電可能な電池は、再充電アダプタを、データロガー270およびウォールユニットに差し込むことにより再充電される。この実施形態のさらに別の様式では、再充電可能な電池は、無線再充電ユニットにより無線で再充電される。別の実施形態では、電源282は、ウルトラキャパシタを含み、ウルトラキャパシタも再充電されうる。当然、あらゆる他のタイプの電源282が用いられてよい。
【0061】
流体圧力を記録するために、マイクロプロセッサ276は、最初に、TET駆動回路283およびTETコイル285によって、植え込まれた部分24に電力信号を送信する。電力信号の後で、マイクロプロセッサ276は、テレメトリートランシーバー284およびテレメトリーコイル272によって、問い合わせ信号を、植え込まれた部分24に送信する。問い合わせ信号は、テレメトリーコイル114により遮られ、マイクロコントローラ106に送信される。マイクロコントローラ106は、センサー84から、トランシーバー158および二次テレメトリーコイル114を通じて、応答の、温度調節された圧力示度を送る。圧力示度は、コイル272を通じて受け取られ、トランシーバー284によってマイクロプロセッサ276に向けられる。マイクロプロセッサ276は、その後、圧力測定値を記憶し、次の問い合わせ要請を開始する。
【0062】
患者が流体圧力の測定および記録を終えられると、ロガー270は、取り外されて、記録された圧力データは、ローカルユニット60に、もしくは直接遠隔ユニット170に、ダウンロードされる。図9および図14に示されるように、データロガー270は、電話線288を用いて、感知された流体圧力を遠隔ユニット170に直接送信するための、モデム286を含みうる。患者は、ロガーモデム286を電話線に接続し、医師のモデムにダイヤルし、ユーザー・インターフェース292の「送信(send)」ボタンを選択することができる。いったん接続されると、マイクロプロセッサ276は、記憶された圧力履歴を、電話線を通じて遠隔ユニット170のマイクロプロセッサ172に送信する。代わりに、データロガー270は、ロガーをローカルユニット60に接続するためのUSBポート290を含むことができる。ロガーUSBポート290は、ローカルユニット60(図8に図示)のUSBポート198と、ローカルユニットのメモリ138に圧力データをダウンロードするように作動される「送信」スイッチと、に接続されることができる。圧力データがダウンロードされた後、ロガー270は、ユーザー・インターフェース292を通じてオフにされるか、もしくは引き続き圧力測定するためにリセットされ患者の身体に再び置かれてよい。
【0063】
図15は、サンプリング期間にわたるローカルユニット60もしくはデータロガー270による度重なる問い合わせ中にセンサー84により測定される例示的な圧力信号294のグラフィック表現である。圧力信号294は、ローカルユニット60のグラフィカル・ユーザー・インターフェース140、もしくは遠隔ユニット170のグラフィカル・ユーザー・インターフェース176を用いて表示されることができる。図15に示される例では、バンド28の流体圧力は、最初は、患者が安定している間に測定され、結果として、図示のような一様の圧力示度をもたらす。次に、調節がバンド28に対して加えられて、瘻サイズを縮小させる。バンド調節中、圧力センサー84は、流体圧力の測定、および患者の皮膚を通じたローカルユニット60への圧力示度の送信を続ける。図15のグラフにおいて見られるように、流体圧力は、バンド調節後に上昇している。
【0064】
図示の例では、患者は、調節の精度をチェックするために調節後に液体を飲むよう要求される。患者が飲み物を飲むとき、圧力センサー84は、液体を嚥下する蠕動性圧力に起因する圧力スパイクを測定し続ける。医師は、患者の治療を評価および指導するために、遠隔場所からこれらの圧力スパイクを評価することができる。グラフが、所望のレベルを上回る圧力スパイクを示す場合、医師は、通信システム20を通じて即座に矯正措置をとることができ、所望の結果が達成されるまで、その矯正措置の結果を考察することができる。したがって、通信システム20を通じて、医師は、患者からかなりの距離を置いて位置していても調節を行い、調節の結果を視覚的に見ることができる。
【0065】
調節に加えて、通信システム20は、ある期間にわたって摂取量制限装置の性能を追跡するのに用いられうる。特に、データロガー270からの圧力測定値のサンプリングは、評価のため、医師の診察室にアップロードされることができる。医師は、制限装置の性能を評価するために圧力示度のグラフを目で見てチェックすることができる。長期間の圧力データは、1日の間に患者がいつ、そしてどれだけものを食べたか、もしくは飲み物を飲んだかを見るのに役立ちうることが認識されるであろう。ゆえに、そのようなデータは、コンプライアンス管理において有用となりうる。
【0066】
圧力測定ログは、食物摂取量制限装置が効果的に動作していることを確実にするよう医師に診断ツールを与えるために、遠隔監視ユニット170に定期的に送信されてもよい。例えば、圧力データは、バンド28の圧力もしくはきつさがどれほど変わったか、またバンド28が時々閉塞する傾向があるかどうか、を見るのに役立ちうる。何か異常が現れれば、医師は、通信システム20を用いて患者にコンタクトをとり、追加の生理学的データを要請し、調節を処方し、あるいは、構成要素が許容すれば、調節を施すことができる。特に、通信システム20は、流体の漏れを示す、バンド28内に圧力がない状態を検知するのに用いられうる。代わりに、システム20は、カテーテル40のよじれもしくは瘻内部の妨害を示しうる、バンド28内の過度の圧力スパイク、または一定レベルで動かない(being stuck)圧力を検知するのに用いられてもよい。
【0067】
ローカルユニット60、別のタイプのドッキングステーション360、遠隔ユニット170、もしくは何らかの他の装置が、論理をさらに含んでよく、この論理は、圧力の劇的な変化が検知されたとき、もしくは予め定められた他の条件下で、圧力データを処理するよう、また、医師、患者、もしくは他の誰かに警報を積極的に与えるように構成される。このような警報は、以下のもの:すなわち、Eメール、電話の呼び出し、可聴信号、もしくはあらゆる他のタイプの警報、のいずれかを含みうる。警報の条件および/もしくは警報のタイプは、警報の受領者に対して変わることもできる。例えば、医師への警報については、このような警報は、植え込まれた部分24の何らかの構成要素が構造的に機能しなくなったこと(例えばカテーテル40のよじれ、破裂したバンド28など)が示されたときに与えられるものに限られてよい。患者への警報については、このような警報は、患者が食べ過ぎていること、非常に速く食べていることが示されたとき、またはひと口の大きさが大きすぎる場合に与えられるものに限られてよい。警報が医師もしくは患者に向けられうる、様々な他の条件が当業者には明らかであろう。加えて、医師および患者は、同様の条件下で警報を受け取ってよいこと、またはいずれかの当事者がまったく警報を受け取らなくてよいこと、が認識されるであろう。
【0068】
患者が圧力データを見ることを可能にするグラフィカル・ユーザー・インターフェースをローカルユニット60が有する範囲で、ローカルユニット60は、患者によって用いられて家で圧力示度を評価し、また、バンド28の圧力が指定された基線を下回り、装置の調節の必要性が示されたときに患者の医師に知らせることができる。ゆえに、通信システム20は、肥満装置による患者の治療中に、診断および監視ツールとしての利益を有する。通信システム20を通じて摂取量制限装置22を評価することの便利さにより、より頻繁な監視、および、構成要素が許容する場合は装置の調節、が容易になる。
【0069】
ローカルユニット60、遠隔監視ユニット170、または通信システム20の別の外部もしくは生理学的監視装置のグラフィカル・ユーザー・インターフェースは、制限装置22からのデータもしくは情報に基づいて、またはそれらに関連した、種々のディスプレイを提供することができる。さらに、いくつかの実施形態では、データロガー270は、そのようなグラフィカル・ユーザー・インターフェースを有しうる。ディスプレイは、流体充填可能な制限装置内で感知された流体圧力、機械的に調節可能な制限装置の圧力、または他のパラメータ(例えば、パルス幅、パルス持続時間、パルス振幅、パルス計数、もしくはパルス周波数、感知された電気的特性など)の測定値など、制限装置22により取得された測定値に関する情報、あるいは生理学的事象、状態(例えば制限状態もしくは充填状態などの、制限装置22の状態)、または傾向に関する情報を含むことができる。図19Aは、例えば、グラフィカル・ユーザー・インターフェースの一部として使用されうるディスプレイ1900の1つの例示的な実施形態を示す。図示のとおり、ディスプレイは、経時的な圧力のプロットもしくはグラフ1902を含み、このグラフ1902は、折れ線グラフとして示されているが、棒グラフ、散布図、もしくは実質的にあらゆる他のグラフィック表現であってもよい。水平軸1901に沿ったタイムスケールは、利用可能な圧力データの量に合わせて自動的にサイズ決めされてよく、あるいは、例えば目的の期間を調査するために、使用者により調節可能であってよい。ディスプレイ1900は、文字インジケーター1904も含んでよく、文字インジケーター1904は、図示のとおり、現在の、もしくは瞬間の圧力示度を数字で提供する。圧力の不変状態もしくは基線値を示す基線インジケーター1906、およびパルスの数(例えば、パルスは、患者の嚥下の蠕動性収縮を表すか、もしくはその蠕動性収縮により生じうる、圧力パルスであってよい)を示すパルスインジケーター1908を含む、種々の他の種類の情報もディスプレイ1900上に示されてよい。いくつかの実施形態では、この情報は、(例えば、「基線設定(Set Baseline)」ボタン1912により、または視覚的に検知されたパルスを入力することによって)使用者の入力を通じて入手されうるが、多くの実施形態では、この情報は、以下により詳細に説明される、1つ以上のアルゴリズムにより、制限装置22および/もしくはデータロガー270からの圧力もしくは他のデータを分析するか、フィルタリングするか、または別様に処理することによって入手されうる。ローカルユニット60、遠隔監視ユニット170、もしくは他の装置が、これらのアルゴリズムを実行し、その結果でディスプレイ1900を連続して更新することができる。ディスプレイ1900は、いつ圧力がファイルに記録されるか、もしくはログをとられるかを使用者に制御させるために記録制御部(recording controls)のクラスター1910も含んでよく、そのようなログファイルの場所は、ウィンドウ1924に示されることができる。加えて、注釈機能が、制御部1914により提供されうる。他の実施形態では、ディスプレイ1900は、先の訪問から(例えば、同じ患者の先の訪問、もしくは制限装置の先の調節から)取得された圧力示度、および/または嚥下、心拍数、呼吸速度、もしくは実質的にあらゆる他の生理学的パラメータを表す、先の蠕動性事象の圧力示度を含むことができる。ディスプレイ1900は、患者のための覚書、活動リスト、もしくはガイドラインなどに加えて、患者の名前もしくは他の身元確認情報も含みうる。
【0070】
図19Aでは、ディスプレイ1900は、メニュー1916を有し、メニュー1916は、3つのグラフィックすなわちアイコン1918、1920、1922を含む。これらのアイコンのうちそれぞれ1つを選択することで、異なるディスプレイスクリーンが示されうる。図19Aに示されるように、第2のアイコン1920が選択され、経時的な、感知された圧力のグラフ1902が示されている。第1のアイコン1918を選択すると、図19Bに示されるようなディスプレイ1930がもたらされ、このディスプレイ1930は、メーター1932により圧力を示している。この実施形態では、メーター1932は、垂直かつ直線状であるが、水平なメーター、円形などといった種々の他の向きおよび形状が用いられてよい。メーター1932は、1つ以上のゾーンもしくは範囲1936a〜1936cに分割されうる、別個のインジケーターすなわちバー1934を含みうる。図示のとおり、3つの別個の圧力範囲1936a〜1936cは、限界を備えている(この例では、1.067×10〜1.867×10Pa(80〜140mmHg)、0〜1.067×10Pa(0〜80mmHg)、および−1.333×10〜0Pa(−10〜0mmHg))が、任意の数の圧力範囲が設けられてよく、それらのサイズおよび端点は、調節可能であってよい。当業者は理解されるように、範囲1936a〜1936cは、医師もしくは他の使用者によって設定されてよく、患者ごとに変わることができる。いくつかの実施形態では、圧力範囲1936a〜1936cは、植え込み可能な制限装置に関連した状態に対応していてよく、例えば最も高い範囲は、制限装置が過度に充填されているか、もしくは過度に締められていることを示すことができ、中間の範囲は、最適に充填されているか、もしくは最適に締められた制限装置を示すことができ、より低い範囲は、不十分に充填されているか、もしくは緩い制限装置を示すことができる。使用中、圧力は、マーカー1937により示されてよく、マーカー1937は、現在の圧力、平均圧力、もしくは圧力に関連した他の測定基準を表すことができる。いくつかの実施形態では、マーカー1937は、メーター1932に沿って連続して動くことができるが、他の実施形態では、マーカー1936は、バー1934ごとに別個の方式で動くことができる。ディスプレイ1930は、記録制御部のクラスター1910、ログファイルの場所を示すウィンドウ1924、および/もしくは注釈制御部1914など、図19Aに示されたディスプレイ1900と同じかもしくは同様のインターフェース要素のうちの多くを含むこともできる。
【0071】
図19Aに戻ると、第3のアイコン1922を選ぶことで、パルスのシーケンス中のパルスの数を数えるための、図19Cに示されるような、パルス計数ディスプレイ1940がもたらされうる。パルスのシーケンスは、嚥下などの蠕動性事象を表すことができる。ディスプレイ1940は、番号もしくはインジケーターを周辺部に備えた、円形メーター1944を含むことができる。使用中、インジケーターの針1932がメーター1944の中で回転して、シーケンス中で検知されたパルスの数を示すことができる。文字インジケーター1946、1948もまた、現在もしくは過去のパルスシーケンス中のパルスの数を示すために設けられてよい。制御部1950が計数をリセットすることができる。
【0072】
圧力、パルスのため、また他の生理学的パラメータおよび事象のための種々の他のディスプレイが設けられてよい。例えば、図20は、x軸に沿った文字マーカー2002で線引きされたタイムスケールを提供する、時間に対する圧力の交互波形ディスプレイ(alternate waveform display)2000を示す。制限装置22により感知された圧力は、このディスプレイ2000で波形2004としてプロットされうる。加えて、ディスプレイのうちいずれか、またはインジケーター、メーター、グラフ、もしくはそれらの内部の他のディスプレイ要素が、警報を信号で知らせるように構成されてよい。例えば、圧力グラフ1902、文字インジケーター1904、もしくはメーター1931、1944(もしくは他のディスプレイ要素)は、圧力もしくは他のパラメータが閾値を超えたときに光を放つことができる。警報は、ディスプレイもしくは警告メッセージまたは他の視覚的インジケーターの照明の変化(例えば色、強度、色合いなどが変わることができる)によって、示されることもできる。可聴警報が、視覚的警報に加えて、またはその代わりに、含まれてもよい。本明細書で説明されるディスプレイのいずれかは、感知されているパラメータが変化すると色の変遷が生じる、緑‐黄‐赤のバー、円、もしくは他の代表的な幾何学図形、グラフィック表現もしくはインジケーターを用いることができる。例えば、インジケーターの色は、瘻開口部が閉塞に近づく(例えば圧力もしくは別のもので示される)ときには、これは健康を危険にさらしうるので、赤色に変わることができるが、制限装置が緩められる(例えば圧力もしくは別のもので示される)ときには、これは生命を危うくする問題とみなされなくてよいので、黄色に変わることができる。いくつかの実施形態では、このような色は、色発光ダイオード(LED)、もしくは液晶ディスプレイ(LCD)スクリーンを用いて達成されうる。
【0073】
図21は、圧力(例えば、現在の圧力、もしくはディスプレイ2000上の選択された点における圧力など)を示す、ディスプレイ2100の代替的実施形態を示す。ディスプレイ2100は、別個のセグメント2102に分割される垂直メーター2103を含みうる。各セグメントは、圧力群を表すことができ、感知された圧力がその群内にあるときに明るくなる。図21に示されるように、セグメント2114が明るくなっている。標識2104、2112が、その群を識別することができる。セグメント2102は、色で区別されうるゾーンもしくは範囲に分類されることができる。図21に示されるように、メーター2103は、高い圧力、中間の圧力、低い圧力にそれぞれ対応しうる3つの範囲2106、2108、2110(例えば、赤、黄、緑)を含むことができる。これらの範囲2106、2108、2110は、使用者が構成可能なものであってよく、様々な状態に対応することができる。例えば、高い範囲は、きつすぎる制限装置22などに対応することができる。中間範囲は、緑で指定されうるが、最適に制限された調節ゾーンに対応することができる。使用中、メーター2100は、静的および/もしくは動的圧力測定値を表示することができる。静的測定値では、例えば、メーター2100は、基線圧力、もしくは制限装置22により感知された圧力を表すことができ、このことは、装置22の植え込みもしくは調節後に有利となりうる。動的もしくは瞬間測定値では、例えば、メーター2100は、嚥下事象中に制限装置22において検知された圧力を表すことができる。その結果、明るくなったセグメント2102は、圧力の変化と共に上昇および下降することができる。
【0074】
図22は、圧力を示すディスプレイ2200の、別の代替的実施形態を示している。この例示された実施形態では、ディスプレイ2200は、円形メーター2202であって、回転針2206、および、メーター2202の周辺部の周りに位置する標識2204を備えた、円形メーター2202の形である。メーター2002は、先に説明したように機能することができる複数のゾーンもしくは範囲2208に分割されうる。使用中、針2206は、基線圧力、平均圧力、静的もしくは動的圧力などといった圧力示度を指し示すために回転することができる。
【0075】
図23Aは、嚥下事象中に圧力パルスと共に起こりうるものなど、パラメータにおけるパルスのシーケンスに関する情報を示すディスプレイ2300の代替的実施形態を示す。図示のとおり、ディスプレイ2300は、パルス計数に対するパルス振幅のグラフ2302を含む。他の実施形態では、別のパラメータの大きさが、圧力の代わりに表示されうる。パルス計数は、シーケンス中のパルスの数に対応することができる。例えば、図示のとおり、パルス標識2304は、7個のパルスのシーケンスにおいて6番目のパルスを識別している。(図23Aに例示された例は、7個のパルスを示しているが、任意の数のパルスが決定され表示されてよいことに注意するべきである。)使用中、垂直バー2306は、パルスシーケンス中の各パルスのパルス振幅を示すことができる。各垂直バー2306a〜2306gは、セグメントもしくは別個のインジケーター2308で構成されてよく、インジケーターはそれぞれ、圧力、もしくは圧力群を表すことができる。垂直バーの高さは、圧力の大きさもしくは振幅を表すことができ、この圧力の大きさもしくは振幅は、絶対的な圧力示度、または基線圧力もしくは他の圧力基準からの圧力の変化であってよい。使用中、垂直バー2306a〜2306gは、パルスが検知されると表示されることができる。例えば、制限装置22により検知される圧力が上昇すると、ディスプレイ2300は、グラフ2302の左側において、上昇する垂直圧力バー2306aを示すことができる。圧力のその上昇がパルスとみなされる場合、これは、例えば、以下で論じられるアルゴリズムによって決定されうるが、垂直バー2306aは、上昇してパルスのピークで止まることができ、「1」のパルス計数が、下部軸2308に現れることができる。別のパルスが生じた場合、別のバー2306bが、示度「2」のパルス計数を伴って、同様に現れうる。このことは、圧力がもはやパルス事象を示さなくなるまでか、事象が終わったことを使用者が示すまでか、パルスがまばらになるまで(例えば、パルス間の期間により測定される)か、もしくは予め決められたタイマーが終結する等々まで、継続しうる。例示目的で、図23Bは、一連のディスプレイ2312であって、これらのディスプレイが、2つのパルスのシーケンス経過中に現れうるときの、一連のディスプレイ2312を示している。
【0076】
ディスプレイは、パルスのためのタイムスタンプも含みうる。例えば、図23Aに示されるように、タイムスタンプ2314は、パルス計数の近くに置かれて、パルスが検知された時間を示すことができる(例えば、サンプル期間(time sample period)内の4秒目)か、あるいは代わりに、タイムスタンプは、パルスの、測定された持続時間(例えば、パルスは4秒の長さだった)、最後のパルスからの時間(例えば、先のパルスの開始、ピーク、もしくは終了、他の時点から4秒)、または、パルスに関連した種々の時間測定基準のいずれかを示すことができる。当業者は理解されるように、図23Aは、例として1つのタイムスタンプ2314を図示しているが、タイムスタンプは、同様に他のパルスと関連付けられてもよい。
【0077】
図24〜図28は、ローカルユニット60、遠隔監視ユニット170、データロガー270、もしくは他の装置のグラフィカル・ユーザー・インターフェースのための、さらに他の例示的なディスプレイを示している。概して、これらのディスプレイは、瘻、制限装置、および/または、制限装置により感知されたパラメータ(圧力など)を変えるか、もしくは別様にそのパラメータの典型となることができる周囲の生理機能の、静的もしくは動的画像を示すことができる。ディスプレイは、やはり、次々と、もしくは適切な時に示される画像、ビデオ、または他の種類の画像であってよい。例えば、図24Aは、1つの例示的なディスプレイ2400を示し、ディスプレイ2400は、制限装置2404により囲まれた領域の配置の模擬グラフィックを有し、模擬グラフィックは、この例では、制限装置2404により囲まれた食道および瘻2402の断面図を含む。グラフィックは、制限装置2404のサイズ、形状、構成、領域に対する効果、もしくは領域の配置の他の態様を示すことができる。身体内の実質的にあらゆる領域、特にあらゆる解剖学的管腔が示されうるので、本明細書での食道および瘻2402領域の例示は、ほんの1例である。
【0078】
使用中、ディスプレイ2400は、制限装置により感知された圧力に応じて変化することができる。例えば、図24B〜図24Cは、瘻2402がサイズを縮小し周囲組織が一層締め付けられてきた状態で、圧力の上昇後に現れうるときの、ディスプレイ2400を示す。いくつかの実施形態では、ディスプレイ2400は、(ライブのディスプレイのように)連続して更新することができるが、他の実施形態では、必要に応じて示される静的すなわち静止画像であって、各画像は圧力の範囲に対応している、画像で構成されていてよい。例えば、図25は、ある期間にわたる圧力の例示的なプロットを示しており、A、B、Cと標識付けられた3つのセグメントを含み、各セグメントは、感知された、異なる圧力を示している。図24Aは、セグメントAに対応することができ、図24Bは、セグメントBに対応することができ、図24Cは、セグメントCに対応することができる。いくつかの実施形態では、セグメントA、B、Cは、制限装置2404の制限状態もしくは充填状態など、制限装置2404の状態に対応していてもよく、例えば、セグメントAは、緩すぎるか、もしくは不十分に充填されている制限装置と相互に関連させられてよく、セグメントBは、最適な調節を表してよく、セグメントCは、過度にきついか、もしくは過度に充填された制限装置を表すことができる。他の実施形態では、ディスプレイ2400は、感知された異なるパルス振幅、パルス計数、もしくはパルス周波数などに応じて変化することができる(このようなパルス情報は、例えば、水の嚥下などの標準化検査に応答して、または定められた時間にわたりパルス特性を監視することによって、入手される)。
【0079】
ディスプレイ2400は、種々の他の構成を有することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の基準線、等圧線、もしくは他のインジケーターが、ディスプレイ2400上に示されうる。例えば、円(もしくは1つ以上の同心円)が、ディスプレイ2400上に示されてよく、医師もしくは他の使用者が、瘻2402のサイズの変化、もしくは領域の配置の他の変化を、より容易に可視化することを可能にする。いくつかの実施形態では、円のサイズは、測定された圧力を示すために選択され標識付けられてよく、例えば、円の上の標識は、感知された圧力を表すことができ、瘻すなわち開口部2402のサイズが円のサイズに実質的に適合すると、感知された圧力は、その標識付けされた圧力に実質的に等しくなることができる。感知された圧力および/もしくは制限装置の状態などの情報は、ディスプレイ2400上に文字で、または、例えば瘻開口部が閉塞に近づくと赤色に変わる瘻の画像など、色を用いることによって、示されることもできる。
【0080】
さらに、図24A〜図24Cでは、ディスプレイ2400は、断面画像を示しているが、他の実施形態では、他の2次元画像(例えば側面図、制限装置単独の図、など)、もしくは3次元グラフィックが提供されてもよい。図26A〜図26Cは、模擬3次元グラフィックを備えた、例示的なディスプレイ2600を示す。図示のとおり、ディスプレイ2600は、食道、および胃の一部の、外側の配置の3次元グラフィックを含む。制限装置2602が、胃の上方部分を囲んでいるところが見られうる。ディスプレイ2600は、制限装置を貫通する開口部2606の図を提供する、胃の上方部分から取り外された制限装置2602のグラフィック2604をさらに含むことができる。標識もしくは他の矢印が、開口部2606のサイズおよび形状に関する情報を提供するために用いられうる。3次元ディスプレイ2600は、図24A〜図24Cおよび図25に関連して前述したように、変化する圧力に基づいて更新されることができる。例えば、図26Aが示され、(図25に示されるような)セグメントAに対応することができ、図26Bが示され、セグメントBに対応することができ、図26Cが示され、セグメントCに対応することができる。矢印2608、2610、および2612は、図26A、図26B、および図26Cのそれぞれに含まれうる(例えば嚥下後に)胃に入る食物粒子の例示的な表現を指し示す。この実施形態に例示されるように、図26Aは、(図26Bおよび図26Cと比べて)制限装置の、より低い圧力および/もしくは、より緩い嵌まり具合(looser fit)に対応する、最も多くの食物粒子を示す。図26Cは、(図26Aおよび図26Bと比べて)制限装置の、より高い圧力および/もしくは、よりきつい嵌まり具合に対応する、最も少ない食物粒子を示している。図26Bは、図26Aおよび図26Cの圧力および/もしくは嵌まり具合の間である、圧力および/もしくは嵌まり具合に対応する、図26Aと図26Cとの間の食物粒子量を示している。
【0081】
ディスプレイ2600は、X線透視画像など、身体から撮られた実際の画像に基づいていてもよく、もしくはその実際の画像そのものであってよく、また、静止画像、もしくは連続して更新する画像(例えばビデオ)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイ2600は、制限装置2606により画定された開口部を通過する硫酸バリウムを示すことができる。そのような構成は、使用者が、嚥下中に組織がどのように変化するかを見ること、および/もしくは制限装置が既知の設定(例えば既知の充填容量)の状態で制限装置2606を通過するX線透視媒体(例えば硫酸バリウム)のX線透視画像を表示することを可能にすることにより、有利でありうる。X線透視画像は、患者自身のX線透視検査、もしくは一般的画像に基づいていてよく、その画像のいずれも、使用者によって取得され外部装置にロードされてよい。患者の身体タイプ(もしくは一般的画像)に適合するよう選択された、患者の画像もしくは一般的画像は、次に、感知された圧力に応答して表示されることができる。図27A〜図27Bは、検知された圧力に従ってX線透視画像を示す例示的なディスプレイ2700を示す。図27Aは、例えば、図25のセグメントAに対応していてよく、図27Bは、セグメントBに対応していてよい。X線透視ディスプレイは、制限装置に関連した生理学的状態を診断するのに有利であることもできる。例えば、図28は、X線透視画像に基づいた別の例示的なディスプレイ2800を示す。X線透視媒体を飲み込んだが圧力(例えば制限装置により感知された圧力)における些細な変化もしくはパルスを示している患者は、食道の蠕動疲労を被っている場合があり、食道の蠕動疲労では、重力が、物質を食道に通す唯一のもしくは主な力である。図28に示されるディスプレイ2800は、制限装置2802および巨丸剤の袋2804のグラフィックを示しているが、この状態を診断するために、もしくはこの状態が検知されたときに用いられることができる。X線、MRIなどといった他の形態の医用画像もまた用いられてよい。
【0082】
先に言及したように、ローカルユニット60、遠隔監視ユニット170、もしくは他の外部装置のグラフィカル・ユーザー・インターフェースは、例えばデータロガー270により取り込まれたパラメータデータに基づいて、履歴トレンドもしくはデータ分析を示すのに適することができる。このような機能性は、例えば、進行を精査するため、合併症に取り組むため、および/もしくは植え込まれた制限装置22を調節するために患者が医師を訪問したときに、有用となることができる。図29に示される1つの例示的な実施形態では、ディスプレイ2900は、ある期間にわたる圧力のグラフもしくはプロットを示すことができるが、心拍数、血圧、呼吸速度などといった他の生理学的パラメータも表示されることができる。ディスプレイ2900は、複数組のデータ、例えば、第1の期間(例えば、医師への1回目の訪問)からのデータのトレンドライン2902もしくは他のグラフィック表現、および、第1の期間からのトレンドライン2902上にオーバーレイされた、後の期間(例えば医師への2回目の訪問)で取り込まれたデータの別のトレンドライン2904もしくはグラフィック表現を含みうる。2つの異なる期間からのデータのオーバーレイにより、使用者は、トレンドラインを比較することができる。いくつかの実施形態では、後の期間は、制限装置22の調節など、何らかの重要な医学的事象に続くことができ、データのオーバーレイにより、制限装置22への調節の評価が可能になる。図29は、水の嚥下により生じる、ある期間にわたる圧力での例を示しているが、あらゆる供給源もしくは期間からの圧力が用いられてよい。加えて、体重、体重減少、ボディマス指数、身体寸法、バンド内圧力、心拍数(休息中および運動中)、呼吸速度(休息中および運動中)を含む、種々のデータが、このようにプロットされてよい。例示目的で、図30は、例示的なディスプレイ3000を図示しており、ディスプレイ3000は、制限装置の1回の調節後の患者の呼吸速度を表すトレンドライン3002を、後の調節後の呼吸速度を表す第2のトレンドライン3004とオーバーレイしている。異なるタイプのデータがオーバーレイされて表されてもよい(例えば、オーバーレイされた心拍数トレンドラインを備えた圧力トレンドライン)。
【0083】
図31Aは、1つの例示的なディスプレイ3100を示し、ディスプレイ3100は、母集団、もしくは患者群のデータを表す。母集団データは、医師により収集されたデータ、地方のデータ、全国的なデータ、および/または特定の患者の身体タイプ(もしくは他の生理学的/医学的に重要な特性)に合うように、より大きなデータセットから選択されたデータを含む、種々のデータセットから入手されうる。様々なパラメータが、プロットされ比較されてよいが、図示のとおり、ディスプレイ3100は、流体充填可能な制限装置について、充填容量に対する圧力のプロットを示す。パルス計数、パルス振幅、パルス幅、パルス振幅、およびパルス周波数などの他のパラメータもまた、充填容量に対してプロットされてよく、先に言及したように、そのようなパルス情報は、例えば、標準化された容量および/もしくは粘度であってよい水もしくは巨丸剤の嚥下などの検査に応答して、または、定められた時間にわたりパルス特性を監視することによって、入手されうる。ディスプレイ3100は、いくつかのトレンドライン3102(データの棒グラフ、散布図、もしくは他のグラフィック表現が用いられてよいが)を含むこともでき、各トレンドラインは、凡例3104に示されるように、患者からのデータをプロットしている。より具体的には、トレンドライン3102は、制限装置の所定の充填容量で各患者について感知された圧力(基線圧力、平均圧力、もしくはあらゆる他の圧力測定値)を表すことができる。いくつかの実施形態では、このデータは、データロガー270から手に入れることができるが、この例では、トレンドライン3102は、既知の容量の液体(例えば1mL)を一度に制限装置22に加えて、結果として生じた圧力を測定することにより取得される、静的容量測定値を表す。図から分かるように、トレンドライン3102は、患者ごとの解剖学的構造もしくは制限装置の設置および嵌まり具合における可変性に起因しうる、各容量での圧力の範囲を示す。ディスプレイ3100は、1人の患者が別の患者もしくは母集団とどのように比較されるかを、医師もしくは他の使用者が可視化することを可能にするのに有用でありうる。
【0084】
図31Bは、患者の母集団についてのデータを示す別の例示的なディスプレイ3150を示す。図31Bに示されるように、ディスプレイ3150は、充填容量に対する圧力のプロットを含む。ディスプレイ3150は、患者の群もしくは母集団について圧力の公称値を表すトレンドライン3152を含む。この実施形態では、公称値は、平均値であるが、他の場合では、中点、加重平均、最小値、最大値、範囲、標準偏差、もしくはあらゆる他の数学的計算の結果であってよい。ディスプレイ3150は、上界トレンドライン3154および下界トレンドライン3156も含むことができ、これらのトレンドラインは、集合的に公称値前後の範囲3158を定めることができる。いくつかの実施形態では、特定の患者のトレンドラインがディスプレイ3152の上にオーバーレイされてよく、母集団と比べて患者が下がる(falls)ところを明らかにする。他の実施形態では、ディスプレイ3152は、特定の患者の、オーバーレイされたデータ無しで、示されてよい。
【0085】
ディスプレイは、履歴データ、特に長期間にわたって(例えばデータロガーによって)収集されたデータに注釈を付ける能力も提供することができる。図32は、ディスプレイ3202を備えたローカルユニット60など外部装置3200を示している。外部装置3200は、遠隔監視ユニット170を含む、ディスプレイおよび/もしくは生理学的監視のためのあらゆる外部装置を表しうることが理解されるべきである。図示のとおり、ディスプレイ3200は、ある期間にわたる圧力値のプロットを示しており、プルダウンメニュー3204を用いて、プロットされた値に注釈を付ける能力を提供する。メニュー3204は、行われた検査、症状、使用者もしくは医師による観察などといった、予め定められた事象3206の様々な記述を含むことができる。例示目的で、図32では、注釈3210が、波形3208の上に配されており、特定の時点で、「水の嚥下‐20mL」が行われたことを示す、注釈マーカー2310を含む。使用者は、様々な方法で履歴データに注釈を付けることができる。例えば、外部装置3200は、家庭で使用するように構成されてよく、患者は、毎日、事象に注釈を付けることができる。このような実施形態は、例えばデータロガー270が数日にわたりデータを取り込む場合に有用となりうる。代わりに、外部装置3200は、患者の訪問中、もしくは制限装置22が調節されたときに、医師により更新されることができる。医師は、日々のデータに注釈を付けることができ、あるいは、あらゆる日々の監視から分離したデータログを作成するために追加の試験(例えば水の嚥下)を実施することができる。ディスプレイ3200は、注釈のための予め定められた事象を表すが、多くの実施形態では、使用者は、注釈のための、使用者が定めた自分自身の事象を作ることができ、かつ/もしくはデータ値について自由形式の記述を入力することができることが理解されるべきである。図33は、記述がテキストボックス3302内に入力されうる、外部装置3200上の1つの例示的な実施形態のディスプレイ3300を示している。いくつかの実施形態では、画像もしくはアイコンが、記述に使用されることもでき、例えば、カップのアイコンが、「水の嚥下」事象を示すことができる。
【0086】
注釈と共にデータを示す能力は、圧力データに限定されない。例えば、図34は、経時的な体重減少のグラフィック表現、この場合は棒グラフ、を含むディスプレイ3400を示し、バー3402の振幅が、体重減少量に対応している。図示のとおり、バー3402は、一連の日付3404について設けられている。使用者は、各バー3402および/もしくは日付3404に関連付けられた見解もしくは注釈を、テキストボックス3406に入力することができ、このことは、体重減少に影響する患者の生活における事象を追跡し、かつ/もしくは明らかにするのに役立ちうる。外部装置3200は、キーパッド3408もしくは他の使用者入力装置をこの目的のために含むことができる。
【0087】
先のディスプレイのいずれかもしくはすべては、ローカルユニット60、遠隔監視ユニット170、データロガー270、もしくは他の生理学的監視装置のためのグラフィカル・ユーザー・インターフェースを作り出すために、実質的にあらゆる組み合わせで提供されてよい。いくつかの実施形態では、使用者が、自分の所望するディスプレイおよび/もしくはディスプレイ要素を、ローカルユニット60もしくは遠隔監視ユニット170にダウンロードすることを可能にするように、遠隔サーバーが設けられうる。例えば、ディスプレイスクリーンのライブラリ、ディスプレイモード、目に見えるスキン(visual skin)、デスクトップイメージ、スクリーンセーバー、および他のディスプレイ構成が、ダウンロードに利用可能であってよく、使用者は、それらの装置のグラフィカル・ユーザー・インターフェースをカスタマイズすることができる。加えて、遠隔サーバーは、使用者によりカスタマイズされるか、もしくは設計されてアップロードされた、ディスプレイおよび/もしくはディスプレイ要素を記憶し、類別する能力を提供することができる。このような機能性は、使用者が、ディスプレイ要素を互いに交換し、共有することを可能にしうる。
【0088】
加えて、本明細書に記載されたグラフィカル・ユーザー・インターフェースおよび/もしくはディスプレイのいずれかもしくはすべては、改変されること、変更されること、削除されること、再プログラムされること、アップグレードされること、修正されること、追加されること、などによって、転用されることができる。例えば、グラフィカル・ユーザー・インターフェースを有する装置が手に入れられてよく、ローカルユニット60、遠隔監視ユニット170、もしくは他の生理学的監視ユニットのデータ入力ポートもしくはドッキングステーション(例えば、図8に示されるUSBポート198)を通じて適切なソフトウェアをプログラムすることによって、所望の改変が行われうる。他の実施形態では、このような改変は、テレメトリーで行われうる。例えば、追加のアイコン、グラフ、インジケーターなどが加えられてよく、ディスプレイは、特定の使用者などのためにカスタマイズされる。このような技術を用いること、および結果として得られる装置はすべて、本出願の範囲内である。
【0089】
データロギングシステム300の代替的実施形態が図16に示される。この例では、データロギングシステム300は、コイルヘッド354およびデータロガー370を含む。コイルヘッド354およびデータロガー370は、ケーブル356により連絡している。ケーブル356は、コイルヘッド354およびデータロガー370から切り離し可能である。当然、ケーブル356は例示的なものにすぎないこと、および、無線送信機/受信機システムを含むがこれに限定されない、あらゆる適切な代替手段が用いられうることが認識されるであろう。この例では、コイルヘッド354は、患者の首の周りに着用され、概して注入ポート36の上に位置付けられる。データロガー370は、患者のウェストの周りでベルト274の上に着用される。当然、これらのそれぞれの場所は、例示的なものにすぎず、コイルヘッド354およびデータロガー370は、他の場所に位置付けられうることが認識されるであろう。ほんの1例として、注入ポート36が患者の腹部に植え込まれた場合、コイルヘッド354は、ベルト274の上に着用されうる。コイルヘッド354およびデータロガー370は例示目的のみのために図16では単純なブロックとして表されていること、ならびに、コイルヘッド354もしくはデータロガー370のいずれかが様々な形状、サイズ、および構成で設けられうること、もまた認識されるであろう。
【0090】
データロギングシステム300の例示的な構成要素が図17に示される。図示のとおり、データロガー370は、マイクロプロセッサ276、メモリ280、電源282、USBポート290、およびユーザー・インターフェース292を含む。コイルヘッド354は、TET駆動回路283、テレメトリートランシーバー284、TETコイル285、およびテレメトリーコイル272を含む。TET駆動回路283は、ケーブル356を通じて電源282から電力を受け取るように構成される。TET駆動回路は、ケーブル356を通じてマイクロプロセッサ276から信号を受信するようにさらに構成される。テレメトリートランシーバー284は、ケーブル356を通じて、マイクロプロセッサ276から信号を受信し、また、マイクロプロセッサ276に信号を送信するように構成されている。別の実施形態では、テレメトリートランシーバー284は、マイクロプロセッサ276に信号を送信するのみであるように構成される。図17に描かれる構成要素の多くが、図14に描かれ付随の文章に記載されたものと類似していることが認識されよう。したがって、図14に関するこのような構成要素の前記の説明は、図17に示される構成要素にも当てはめることができる。この例では、コイルヘッド354およびデータロガー370は、(前述の)データロガー270を含む構成要素を、2つの物理的に分離したユニットに分離するものとして見られうる。図17に示される構成要素の関係、機能などに加えて、それらの構成要素のうちのいずれかが、あらゆる適切な方法で変えられうることがさらに認識されよう。
【0091】
この例では、コイルヘッド354は、前記のアンテナ54と同様に構成され、またそのアンテナ54と同様の形で機能する。コイルヘッド354のTETコイル285は、注入ポート36に電力を供給するように構成される。当然、TETコイル285から電力を受け取るように構成された、あらゆる他の装置(例えばポンプなど)が患者に植え込まれる範囲で、TETコイル285は、このような装置に電力を供給することもできる。TETコイル285により供給される電力は、TET駆動回路285によりTETコイル285に提供され、またTET駆動回路285により調節されることができる。TET駆動回路285自体は、ケーブル356を通じて電源282から電力を受け取ることができる。TET駆動回路283に提供されるこのような電力は、ケーブル356を通じてマイクロプロセッサ276により調節されうる。加えて、または代わりに、マイクロプロセッサ276は、TET駆動回路285がTETコイル285に電力を供給する方法を調節することができる。これらの構成要素間の他の適切な構成および関係、ならびにそれらの構成要素が動作しうる代替的方法が、当業者には明らかとなるであろう。この例は、TETコイル285を通じたRF信号伝達の使用を企図しているが、あらゆる他のタイプの電力供給技術、ならびに代替的な電力伝達機が用いられうることも、認識されるであろう。
【0092】
コイルヘッド354のテレメトリーコイル272は、植え込まれた装置内の流体の圧力(例えば、注入ポート36内部、カテーテル40内部、および/もしくは調節可能なバンド28内部の流体の圧力、圧力センサー84を用いて得られた圧力など)を示す信号、ならびに温度を示す信号を含む、信号を、注入ポート36のコイル114から受信するように構成されている。テレメトリーコイル272は、あらゆる他の供給源からのあらゆる他のタイプの情報を表すあらゆる他のタイプの信号を受信することもできることが認識されるであろう。テレメトリーコイル272により受信された信号は、テレメトリートランシーバー284に伝達され、テレメトリートランシーバー284は、このような信号を、ケーブル356を通じてマイクロプロセッサ276に伝達するよう構成されている。テレメトリートランシーバー284は、信号をマイクロプロセッサ276に伝達する前に、テレメトリーコイル272から受信された信号の適切な翻訳もしくは処理を行うことができる。これらの構成要素間の他の適切な構成および関係、ならびにそれら構成要素が動作しうる代替的な方法が、当業者には明らかとなるであろう。構成要素が組み合わせられうることも認識されるであろう。ほんの1例として、TETコイル285およびテレメトリーコイル272は、単一のコイルに統合されてよく、また、任意の適切な持続時間にわたって任意の適切な速度で、TET機能とテレメトリー機能とを交互に繰り返すことができる。加えて、この例は、テレメトリーコイル272を通じたRF信号伝達の使用を企図しているが、あらゆる他のタイプの通信技術(例えば、超音波、磁気など)、ならびに、コイル以外の代替的な通信機が用いられうることが認識されるであろう。
【0093】
データロガー370は、所定の日を通じて圧力測定値を受信し、それをメモリ280に記憶させることができ、それによって患者の食事および日常の仕事中の流体圧力変動を記録する。この例では、メモリ280は、40MbのSRAMを含み、100時間のタイムスタンプされた圧力データを記憶するように構成されている。当然、あらゆる他のタイプのメモリ280が用いられてよく、メモリ280は、あらゆる量の、そしてあらゆる他のタイプのデータを記憶することができる。ほんの1例として、フラッシュメモリ、ハードドライブメモリなどを含むがこれらに限定されない、あらゆる他のタイプの揮発性メモリ、もしくはあらゆるタイプの不揮発性メモリが用いられてよい。この例のデータロガー370が動作している間に、流体圧力が、マイクロプロセッサ276により制御された指定のデータレートで読み取られメモリ280に記憶される。一実施形態では、流体圧力は、調節可能なバンド28に対する蠕動性パルスを測定するのに十分な更新速度で、繰り返し感知され、データロガー370に送信され、その後、メモリ280に記憶される。ほんの1例として、更新速度は、1秒当たり約10〜20回の圧力測定の範囲であってよい。他の適切な更新速度が用いられてもよい。
【0094】
別の実施形態では、植え込まれた部分24は、(不図示の)メモリを含む。ほんの1例として、このような植え込まれたメモリは、注入ポート36もしくは他の場所に位置することができる。このような植え込まれたメモリは、このようなメモリが含まれる範囲で、様々な目的で用いられることができる。例えば、このような植え込まれたメモリは、データロガー370のメモリ280と同じデータを記憶することができ、植え込まれたメモリは、データロガー370のメモリ280のバックアップを提供する。この様式では、このようなデータは、アーカイブ目的で植え込まれたメモリにさらに保持されてよく、日々置換されてよく、データロガー370が同じデータを遠隔ユニット170に送信した後で、置換されるか、もしくは更新されてよく、または、別様に用いられてよい。植え込まれたメモリは、予め選択された情報もしくは予め選択されたタイプの情報を記憶するのに用いられうることも認識されるであろう。例えば、植え込まれたメモリは、最大および最小の圧力測定値、患者嚥下のX線透視画像もしくはビデオ、ならびに/またはあらゆる他の情報を記憶することができる。植え込まれたメモリに記憶するのに適した他の情報は、当業者に明らかであろう。揮発性メモリ(例えばSRAMなど)、不揮発性メモリ(例えばフラッシュメモリ、ハードドライブメモリなど)、もしくは他のメモリを含むがこれらに限定されない、あらゆるタイプのメモリが植え込まれてよいことも、認識されるであろう。
【0095】
この例では、マイクロプロセッサ276は、電源282により加圧される。一実施形態では、電源282は、再充電可能なバッテリなどの(不図示の)再充電可能な電池を含む。この実施形態の1つの様式では、再充電可能な電池は、取り外し可能であり、再充電ユニットを用いて再充電されることができ、また、使用済みの電池が再充電している間に別の再充電可能な電池と取り替えられてよい。この実施形態の別の様式では、再充電可能な電池は、再充電アダプタを、データロガー370およびウォールユニットに差し込むことによって、再充電される。この実施形態のさらに別の様式では、再充電可能な電池は、無線再充電ユニットにより無線で再充電される。別の実施形態では、電源282は、ウルトラキャパシタを含み、ウルトラキャパシタも再充電されうる。当然、あらゆる他のタイプの電源282が用いられてよい。
【0096】
この例のデータロガー370は、様々な状況下で、様々な方法で患者に警報を与えるように構成されうる。例えば、データロガー370は、流体圧力に劇的な変化があった場合に、可聴警報および/もしくは視覚的警報を与えることができる。代わりに、データロガー370は、圧力データに少なくとも部分的に基づいて、患者が食べ過ぎていること、非常に速く食べていることなどを判断したときに、可聴警報および/もしくは視覚的警報を与えることができる。データロガー370は、コイルヘッド354が注入ポート36と適切に連絡していないと判断されたときに、患者に警報を出すこともできる。患者がデータロガー370により警報を出されうるさらに他の条件が、当業者には明らかであろう。ユーザー・インターフェース292が、スピーカー、LED、およびLCDディスプレイ、オン/オフスイッチなどを含むがこれらに限定されない、任意の数もしくはタイプの特徴部を含みうることも認識されるであろう。この例では、ユーザー・インターフェース292は、患者に出力のみを与えるように構成されており、患者がデータロガー370に入力を与えることを可能にしていない。ゆえに、この例のユーザー・インターフェース292は、電源282が十分に充電されていることを示す緑のLEDと、電源282が再充電されるのを必要としていることを示す赤のLEDと、から成る。当然、ユーザー・インターフェース292は、代わりに、患者がデータロガー370に入力を与えることを可能にしてもよく、また、あらゆる適切な構成要素および特徴部を含むことができる。
【0097】
図18に示されるように、データロギングシステム300は、ドッキングステーション360をさらに含む。ドッキングステーション360は、データロガー370からデータ通信を受信するように構成されており、遠隔ユニット170にデータ通信を送信するようにさらに構成されている。この例では、データロガー370は、USBポート290を含み、ドッキングステーション360は、USBポート290と連結された(不図示の)USBケーブルを通じてデータロガー370から通信を受信することができる。一実施形態では、ドッキングステーション360は、患者のパーソナルコンピューターを含む。当然、ドッキングステーション360は、あらゆる他の適切な方法でデータロガー370から通信を受信することができる。例えば、このような通信は、無線で(例えば、RF信号、ブルートゥース、超広帯域などによって)送信されることができる。
【0098】
別の実施形態では、ドッキングステーション360は、データロガー370と連結するために設けられており、データロガー370を受容するように構成された(不図示の)ゆりかご様の特徴部(cradle-like feature)を含む。この例では、ゆりかご様の特徴部は、ドッキングステーション360とデータロガー370との間で通信を提供するように、データロガー370上の対応する接触部に電気的に係合するように構成された接触部(contacts)を含む。ゆえに、ドッキングステーション360は、携帯情報端末(PDA)、BLACKBERRY.RTM.装置、コードレス電話などのためのドッキングシステムと同様に、データロガー370に関連することができる。データロガー370およびドッキングステーション360が通信するかもしくは別様に係合することができる、他の適切な方法が、当業者には明らかとなるであろう。ドッキングステーション360が、図18では、例示目的のためだけにデスクトップコンピューターとして描かれていること、ならびに、ドッキングステーション360は、様々な代替的な形状、サイズおよび構成で設けられてよいこと、も認識されるであろう。
【0099】
一実施形態では、ドッキングステーション360は、前述のローカルユニット60を含む。したがって、図9に描かれる構成要素に関する前記の検討が、図18に描かれる構成要素にも当てはまりうることが認識されるであろう。同様に、図10〜図12に示され、付随の文章に記載されるもののような方法も、ドッキングステーション360で実行されうる。別の実施形態では、データロガー370は、ローカルユニット60を含む。さらに別の実施形態では、データロガー370は、ACアダプタ、もしくは電源282を再充電するよう動作可能な類似の装置を備えており、データロガー370は、遠隔ユニット170に情報を送信するためインターネットなどのネットワークにデータロガー370が直接接続されることを可能にする、(不図示の)イーサネットポートをさらに含む。ゆえに、ローカルユニット60および/もしくはドッキングステーション360に関して本明細書に記載された特徴部および機能のいずれかが、代わりに、データロガー370に組み込まれうるか、または別様に割り当てられうることが、認識されるであろう。
【0100】
1つの例示的な用法では、患者は、コイルヘッド354およびデータロガー370を1日中着用して、圧力測定値をメモリ280に記録する。夜間は、患者は、データロガー370をコイルヘッド354から切り離し、データロガー370をドッキングステーション360と連結する。データロガー370およびドッキングステーション360が連結されている間、ドッキングステーション360は、データロガー370から受信したデータを、遠隔ユニット170に送信する。電源282が再充電可能な電池を含む範囲で、データロガー370がドッキングステーション360と連結されている間、ドッキングステーション360は、その電池を再充電するようにさらに構成されてよい。当然、患者は、データロガー370をドッキングステーション360と連結するために必ずしもデータロガー370をコイルヘッド354から切り離す必要がないことが、当業者には即座に明らかとなるであろう。圧力測定値を日中記録することに加えて、もしくはその代わりに、そのような圧力測定値が夜の間にメモリ280に記録されうること、および圧力測定値が1日に24時間記録されてもよいこと、もまた認識されるであろう。ゆえに、圧力測定値を取り、記録するタイミングは、昼間だけに限定されなくてもよいことが企図される。取得されるすべての圧力測定値は、必ずしも記録されなくてよいこともまた企図される。
【0101】
前述のとおり、データロガー370は、流体の圧力に関するデータを受信し、記憶し、かつ通信するように構成される。しかしながら、データロガー370は、様々な他のタイプのデータを受信し、記憶し、かつ/もしくは通信することができる。ほんの1例として、データロガー370は、温度、EKG測定値、患者の食べる頻度、患者が食べる食事の量、患者が行うウォーキングの量などに関係するデータを受信し、処理し、記憶し、かつ/もしくは通信することもできる。したがって、データロガー370は、ドッキングステーション360に通信するための追加のデータを作成するために、受信したデータを処理するように構成されうることが認識されるであろう。例えば、データロガー370は、患者の食べる頻度を示すデータを作成するために、コイルヘッド354を通じて得られた圧力データを処理することができる。データロガー370は、非圧力データを得るために追加の構成要素を含みうることもまた認識されるであろう。例えば、データロガー370は、患者が行うウォーキングの量に関連するデータを得るために、(不図示の)歩数計もしくは加速度計を含むことができる。このような追加の構成要素により得られたデータは、圧力データと同様に、メモリ280に記憶されドッキングステーション360に伝達されうる。データロガー370は、流体圧力に対する様々な状態の効果を説明するために内部流体圧力測定値と共に計算に入れられる(factored in)データを得るための構成要素も含んでよい。例えば、データロガー370は、大気圧を測定するための気圧計を含んでよい。別の実施形態では、データロガー370は、患者が向けられている(例えば、立っている、横になっているなど)角度を決定するために傾斜計もしくは類似の装置を含み、この角度は、患者の向きにより生じる静水圧効果を説明するために、圧力データに入れられうる。代わりに、非圧力データを得るための傾斜計もしくは他の装置が、データロガー370から物理的に離れていて(例えば植え込まれて)よい。さらに他のタイプのデータ、そのようなデータが入手されうる方法、および、そのようなデータが使用されうる方法は、当業者には明らかであろう。
【0102】
データロガー270(または、データロガー370、もしくはあらゆる他のデータロガー)により取り込まれたデータは、様々な方法で処理され分析されることができる。多くの実施形態では、ローカルユニット60、遠隔監視ユニット170、データロガー270、370、もしくは他の外部装置は、生理学的パラメータおよび事象を追跡および分析するのに用いられうる1つ以上のデータ処理アルゴリズムを実行するように構成されることができ、また、先に説明されたグラフィカル・ユーザー・インターフェース・ディスプレイに示されうる結果を生み出すこともできる。取り込まれ、かつ/もしくはログに記録されたデータは、(例えば流体の、もしくは別のものの)圧力を非限定的に含む、種々の感知されたパラメータに関する情報を提供しうることが理解されるべきである。感知されたパラメータは、パルス計数、パルス幅、パルス振幅、パルス持続時間、パルス周波数、感知された電気的特性(例えば、電圧、静電容量など)、その他も含みうる。
【0103】
いくつかのデータ処理技術もしくはアルゴリズムは、データを滑らかにするか、または調整して(例えば、変換、フィルタリング、もしくは他の調整をして)、後の分析(コンピュータもしくは使用者による)または表示に適した形態にすることに概して向けられていてよい。種々の調整アルゴリズムが可能である。例えば、図35Aは、バンド28などの制限装置22および圧力センサー84により感知された圧力値3502のプロット3500を図示する。この例示的な実施形態では、圧力値3502は、制限装置22(前記に言及したように、流体充填可能な装置もしくは機械ベースの装置を含むあらゆる種類の制限装置であってよい)の圧力センサー84により確立された圧力信号から、ある期間にわたって感知されるか、もしくはサンプリングされる。感知された値は、制限装置22の度重なる問い合わせを通してデータロガー270により取り込まれうる。圧力値が例として使用されるが、あらゆる感知されたパラメータがこのアルゴリズムもしくは本明細書に記載されたあらゆる他のアルゴリズムにおいて使用されうることが理解されるべきである。図35Aは、100Hzの速度で収集された値を示しているが、実質的にあらゆるサンプリングレートが用いられうる。圧力の値は、より低い速度に変換されることができ、このことは、とりわけ、目的の現象(例えば、嚥下事象によるパルスが約0.1Hzで起こりうる)を示すこと、データのノイズを除去すること、および/もしくはデータセットのサイズを圧縮することに役立つことができる。変換は、様々な方法で達成されうるが、1つの例示的な実施形態では、圧力値3502は、サンプリングレートを効果的に減少させるように、平均されてよく、その結果が図35Bに示されている。図35Bは、10Hz速度に平均を下げられた(averaged down)圧力値3502のプロット3506を示す。この平均は、プロット3500の期間内に平均ウィンドウを定め(例えば、期間を、それぞれ10分の1秒である平均ウィンドウ3504のシーケンスに分割することによって)、各ウィンドウ内で生じる圧力値3502の平均をとることによって、計算されうる。ウィンドウは、時間によって(例えば、10秒毎)、またはウィンドウにおけるデータ点の数によって(例えば、10個の値もしくはデータ点ごとの平均)定められることができる。平均ウィンドウのサイズは、使用者が定めるものであってよく、いくつかの実施形態では、目的の現象もしくは生理学的パラメータに基づいて定められてよい。当業者は理解されるように、種々の数学的技術が用いられてよく、例えば、平均の代わりに、100Hzデータが、圧力値3502を10Hzでサンプリングすることによって、言い換えれば、ダウンサンプリングもしくはフィルタリングによって、10Hzデータに直接変換されることができる。図35C〜図35Eは、図35Aでプロットされた圧力値3502を、より低い速度に変換した結果を示す、3つのプロット3508、3510、および3512を示す。図35Eに示されるように、パルス3514、3516などのいくつかの低周波数現象が、依然として認識可能であり、より小さな振幅変化は除去されている。図35Fは、平均アルゴリズムを示す例示的なフローチャートを示す。
【0104】
図36A〜図36Bは、データロガー270により取り込まれたデータと共に使用されうる例示的な移動平均アルゴリズムの出力を示し、図36Cは、そのような例示的な移動平均アルゴリズムを示す。移動平均アルゴリズムは、様々な形態をとることができるが、一実施形態では、使用者が定めたサイズであってよい平均ウィンドウに基づいた移動平均のために各値もしくはデータ点を算出することを含みうる。平均ウィンドウは、各移動平均値を得るために共に平均されるデータ値(例えば、圧力値を表すデータ値)の数を決定するのに用いられうる。平均ウィンドウは、それぞれの新しいデータ点が収集されるときに移動されてよく、そのため、移動平均値は、サンプリングレートと同じ速度で更新されうる。一実施形態では、特定の時点の移動平均値は、その時点より前に起こった時間ウィンドウの中に含まれるデータ値を平均すること、言い換えれば、後ろ向きの移動平均、により、算出されうる。後ろ向きの移動平均は、以下の式により定められることができ、式中、RAは、移動平均値であり、pは、データ値であり、nは、ウィンドウサンプル番号である。
【数1】

【0105】
使用中、収集された各データ値について、平均ウィンドウが適用されてよく、その時点の移動平均が計算されうる。移動平均値は、次に、例えば単独で、もしくはオリジナルのデータ値と共に、表示されうる。図36Aは、圧力データに対してそのようなアルゴリズムを実行した結果を示している。図36Aは、平均されていない生データ値3602のプロットを含むグラフ3600を示す。後ろ向きの平均移動平均アルゴリズム(backward-looking average running average algorithm)を適用した後のデータ値を表す、3つのプロット3604、3606、3608もグラフ3600に示されている。図示のとおり、プロット3604は、10秒平均ウィンドウで計算された移動平均に対応しており、プロット3606は、30秒平均ウィンドウに対応しており、プロット3608は、60秒平均ウィンドウに対応している。
【0106】
別の実施形態では、特定の時点の移動平均は、その時点より前およびその時点の後のデータ値を含む平均ウィンドウにおけるデータ値を平均すること、言い換えれば集中移動平均法(centralized running average method)、によって、算出されうる。平均ウィンドウの半分が、その時点に先行しており、時間ウィンドウの半分が平均ウィンドウに続く場合、集中移動平均は、以下の式により定められることができ、式中、RAは、移動平均値であり、pは、データ値であり、nは、ウィンドウサンプル番号である。
【数2】

【0107】
図36Bは、圧力データに対してそのようなアルゴリズムを実行した結果を示している。グラフ3620は、平均されていない生データ値のプロット3622を含む。集中移動平均アルゴリズムを適用した後の生データを表す3つのプロット3624、3626、3628も、グラフ3620に示されている。プロット3624は、10秒平均ウィンドウで計算された移動平均に対応しており、プロット3626は、30秒平均ウィンドウに対応しており、プロット3628は、60秒平均ウィンドウに対応している。移動平均が計算されている時点に平均ウィンドウが集中されていないが、何らかの他の割合(some other proportion)でデータ値を囲む、他の変形が可能である。例えば、ある時点の移動平均は、平均ウィンドウのデータ値に基づいて計算されることができ、この移動平均では、時間ウィンドウの4分の1がその時点に先行し、平均ウィンドウの4分の3がその時点の後に続いている。図36Cは、前述の例示的な移動平均アルゴリズムを示す、例示的なフローチャートを表す。
【0108】
他の実施形態では、データ調整は、二乗平均計算、平均絶対偏差計算、近似曲線(直線状および非直線状)を作り出すための回帰分析、波高率(crest factor)および波形率(form factor)の計算などを含む、様々な統計学的および/もしくは数学的計算により行われることができる。これらのアプローチは、移動平均計算について前述したように、パラメータデータ値に対して行われうる。他の統計学的および/もしくは数学的計算の使用は、特定の適用に応じて選択されてよい。例えば、二乗平均計算は、制限装置22により生み出されるデータパラメータが、正および負の値(例えば電圧)を有する実施形態において、特に有利でありうる。
【0109】
移動平均値、もしくは調整計算により生じるあらゆる他の値を求めることは、様々な警報を誘発することができ、あるいはローカルユニット60、遠隔監視装置170、および/もしくはシステム20により保持される報告のために記録されることができる。例えば、移動平均が予め決められた範囲内に含まれる場合、移動平均が閾値を上回るか、もしくは下回る場合、移動平均が非常に速く変化する(例えば移動平均の変化率が閾値を上回る)場合などに、警報もしくは通知信号が生成されうる。代わりに、そのような事象の発生が、ローカルユニット60、遠隔監視装置170、および/もしくはシステム20により作成される報告もしくはログに含められるために、ログに記録されるか、もしくは記憶されることができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、パラメータデータを数学的に処理することに加えて、もしくはその代わりに、アナログフィルターが用いられてよい。アナログフィルターバンク(もしくはそのようなフィルターの選択可能なバンク)が、ノイズ、もしくは望ましくない周波数の信号を除去するために、もう1つの装置(one more devices)に含まれうる。例えば、図35A〜図35Eに示される実施形態で達成される調整およびフィルタリングは、適切なローパスフィルタリングにより植え込まれることができる。当業者は理解されるように、ハイパスフィルタリングおよびバンドパスフィルタリングの実施形態も可能であり、これらは、所望の結果によって決まる。フィルターは、注入ポート36(例えば、制限装置22の通信リンクとして役立つ注入ポート36)、ローカルユニット60、遠隔監視ユニット170、もしくは信号経路のあらゆる他の装置など、様々な場所に置かれうる。いくつかの実施形態では、(注入ポート36などの、もしくは制限装置22の中の)インプラントにフィルターを置くことは、情報を予め調整することによって、そのようなデータをテレメトリーで送信する(もしくは受信する)のに必要なバンド幅および/もしくは電力要件を減らすことができるので、有利となりうる。加えて、アナログフィルタリングによりデータの量を減らすことによって、データ分析における、装置(例えば、遠隔監視装置)のデータ処理要件が、減少されうる。
【0111】
データ処理アルゴリズムも、制限装置22から収集されたデータにより表される生理学的パラメータの基線レベルを判断するのに有用となることができる。例えば、流体充填された制限装置22により感知された基線圧力は、収集された圧力値から求めることができる。基線値を求める種々の方法が用いられてよい。しかしながら、図37A〜図37Bにより示される1つの例示的な実施形態では、基線を見つけるためのアルゴリズムが、制限装置からデータを収集すること(図37Bのフローチャートのボックス3710)、および、過去のデータ値に基づいて移動平均値を計算すること(ボックス3712)を含むことができる。移動平均計算に用いられるデータは、平均ウィンドウ(例えば、移動平均が計算されている時点に先行する平均ウィンドウ、もしくは特定の数のデータ値、例えば最後の10個の値、を含む平均ウィンドウ)により定められることができる。それぞれの新しいデータ値の収集により、移動平均は更新されうる。ボックス3714に示されるように、アルゴリズムは、値のすべて(もしくは、代わりに、値の一部)が許容差範囲内にあるかどうかを判断するために、移動平均前後で定められうる、許容差範囲と、平均ウィンドウ内のデータ値を比較することによって基線値が確立されているかどうかを判断することができる。もし確立されているならば、ボックス3716で、アルゴリズムは、移動平均を、パラメータの基線値とみなすことができる。もし確立されていない場合、ボックス3718において、追加のデータ値が収集されてよく、これには、新しい平均ウィンドウを定めること、もしくは指定された数の追加のデータ値を収集することが含まれうる。新しい移動平均が算出されてよく、基線値が見つかるまで処理が繰り返される。当業者は理解されるように、前述の閾値、限界、時間、ウィンドウサイズ、もしくは他の変数のいずれか、またはすべてが、使用者が定めたものであってよい。図37Aは、収集されたデータに適用された前述のアルゴリズムを示すデータ3700のプロットを示しており、また、期間3706にわたり測定された圧力値と関連して、許容差範囲3702、および平均ウィンドウ3704を示している。
【0112】
いくつかの実施形態では、指定された事象の発生は、基線値を決定するか、もしくは探し出すために、アルゴリズムを開始することができる。例えば、データ収集の開始時、タイマーの終了時、または流体の追加もしくは除去を含みうる調節が制限装置22に対して行われた後に、新しい基線値が存在するかどうかをチェックまたは判断することが望ましい場合がある。図37Cは、ある期間にわたる圧力データ3720のプロットを表しており、このプロットは、流体充填された制限装置に約7.5mLを追加したことによる、上向きの基線推移3722を示す。調節により、前述したもののような、基線を決定するアルゴリズムの実行が誘発されて、新しい基線値を見つけることができる。
【0113】
パラメータの基線レベルを決定もしくは予測する、別の例示的なアルゴリズムが、図38A〜図38Bに示されている。図38Aは、経時的なデータの例示的なプロットを示して、1組のデータへのアルゴリズムの適用を例示しており、図38Bは、例示的なフローチャートを示す。この実施形態では、アルゴリズムは、一般的に、パラメータ値の変化率が0になるか、もしくは実質的に0に近づくときを計算すること、また、そのときにパラメータ値はどうなるかを計算することを含むことができる。0であるか、もしくは実質的に0に近い変化率は、基線値に達していることを示すものとして扱われることができる。より具体的には、ボックス3802、3804、および図38Bを参照すると、アルゴリズムは、ある期間にわたりパラメータデータ値を収集すること、およびある時点で、もしくはその期間内の時間ウィンドウ3820におけるデータ値群(グループA)について、変化率を計算することを含むことができる。例えば、変化率は、
【数3】

により定められる勾配計算によって求めることができる。ボックス3806を参照すると、アルゴリズムは、変化率自体がどのぐらい速く変化するのか、言い換えれば、変化率が変化する速度、を計算することをさらに含みうる。変化率が変化する速度は、例えば、2つの勾配計算(例えば、ウィンドウ3820のグループA、およびウィンドウ3822のグループB)を実行し、その後、勾配の変化を計算することによって、求めることができる。ウィンドウ3820、3822は、時間(時間ウィンドウ)によって、もしくはデータ値群によって、または、データ値の一部を選択するあらゆる他の適切な方法で、定められうる。例えば以下のとおりである:
【数4】

Δ勾配=勾配B−勾配A
【0114】
さらに、変化率、および変化率自体がどのぐらい速く変化するか、は、変化率が約0になるときを判断し、またそのときパラメータの値がどうなるかを判断するのに用いられることができる。例えば、ボックス3808で示されるように、(この例では、基線値に達したことを示す)約0の変化率に達するのに必要な時間は、以下の式に従って予測することができる:
【数5】

【0115】
予測された基線値は、以下の式で示されるように、パラメータ値と、基線までの時間(Time to Baseline)になるまでにパラメータが変化する量と、を用いた外挿によって計算することができる:
基線値=(基線までの時間)×(勾配B)+(グループBのパラメータ値)
【0116】
当業者は理解されるように、前述のアプローチは、本明細書に記載された技術の範囲から逸脱することなく、広く変えられてよい。例えば、基線までの時間の式、および基線値の式は、同様に勾配Aおよび期間Aに関して計算され(cast)てもよく、3つ以上のデータウィンドウが用いられてもよく、また/もしくは、データウィンドウ3820、3822間の間隔が変えられてもよい。さらに、前述のアプローチが、導関数(例えば変化率を表すための)、および第2の導関数(例えば、変化率自体が変化する速度を表すための)に関して述べられてもよいことを、当業者は理解するであろう。
【0117】
基線値を求めることは、様々な警報を誘発することができ、あるいは、ローカルユニット60、遠隔監視装置170、および/もしくはシステム20により保持される報告のために記録されることができる。例えば、基線圧力が(例えば、特定の期間にわたって)閾値を上回るか、もしくは下回る場合、基線圧力の変動がある場合、指定された時間の後で基線が見つけられない場合、圧力の変化率が閾値を上回る場合、および/もしくは基線圧力が求められる場合、に、警報もしくは通知信号が生成されることができる。代わりに、そのような事象の発生は、ローカルユニット60、遠隔監視装置170、および/もしくはシステム20により生み出される報告もしくはログに含めるために、ログに記録されるか、もしくは記憶されることができる。加えて、基線値は、(本明細書に記載したように、単独で、もしくは他のデータと共に)制限装置の状態と、相互に関連付けられることができる。基線値は、過度に締められているか、最適に締められているか、もしくは不十分に締められている制限装置を示すことができ、このことは、流体充填可能な制限部について、過度に充填されているか、最適に充填されているか、もしくは不十分に充填されている状態を表すことができる。例えば、予め決められた閾値(例えば、「高すぎる」と考えられるレベル)を上回る基線値は、過度に充填されているか、もしくは過度に締められている制限装置を示すことができ、予め決められた閾値(例えば、「低すぎる」と考えられるレベル)を下回るか、もしくはその閾値より低いままである基線値は、不十分に充填されているか、もしくは緩い制限装置を示すことができる、などである。予め決められた閾値は、患者の履歴データ、グループデータ、もしくは他の臨床データを用いて入手されうる。また、他の実施形態では、(基線の決定について前述述されたような)圧力の変化率は、制限装置の状態と相互に関連付けられてよい。例えば、予め決められた変化率を上回る変化率は、過度に充填された、流体充填可能な制限バンドを示すことができる。別の閾値を下回る変化率は、不十分に充填された制限バンドを示すことができる。
【0118】
データロガー270により収集されたデータ値は、制限装置22を着用している患者の生理学的パラメータに関する情報を入手するのに用いられうる。例えば、先に言及したように、データロガー270は、植え込まれた制限装置22により感知された圧力(もしくは他のパラメータ)を表すデータを収集することができる。心拍数、呼吸速度、および他のものなどの生理学的パラメータに関する情報は、収集された圧力値(もしくは別のパラメータの値)から決定されうる。蠕動性事象もしくは嚥下事象に関する情報は、それら自体が圧力におけるパルスもしくは一連のパルスとして現れることができるが、そのような情報も決定されることができ、そのような情報は、そのようなパルスの数、速度、および持続時間を含むことができる。図39A〜図39Bに示されるように、複数の周波数が、1組の圧力データ(もしくは他のデータ)中に存在することができる。図39Aに示されるように、図39Aでは心臓の鼓動(心臓の鼓動は制限装置22に検知可能な力を及ぼしうる)により生じた圧力変化を表す、比較的高い周波数パルス3904が、図39Aで嚥下事象を表す低周波パルス3902に重ねられることができる。図39Bは、呼吸により生じるパルス3908に重ねられた、心臓の鼓動のパルス3906を示す。図示のとおり、呼吸パルスは、4秒ごとに約1回発生している。
【0119】
1つの例示的な実施形態では、圧力データの周波数成分が分析されうる。データ中の1つの周波数もしくは複数の周波数は、例えば、特定の生理学的パラメータについて可能性のある範囲と指定された周波数範囲と、その周波数を比較することによって、目的の生理学的パラメータの周波数として選択され識別されることができる。生理学的パラメータの振幅、もしくは他の特性も、選択された周波数でデータを抽出もしくはフィルタリングすることによって決定されうる。様々な技術が、所望の周波数成分を有する情報を分析および抽出するために用いられうる。以下の例は、図39A〜図39Cに言及しており、例示的な生理学的パラメータとして心拍数を用いることもあるが、当業者が理解されるように、様々な周期的生理学的パラメータが分析されることができ、圧力データ以外のデータが用いられることができる。
【0120】
図39Cに示されるように、1つの例示的なアルゴリズムは、パルスの期間、もしくは感知されたパラメータを示すデータ値の変動を計算することを含むことができる。ボックス3920を参照して、データの極大値もしくは極小値は、例えば、勾配変化がいつゼロを通過したのか判断することによって、識別されうる。その時点で(ボックス3922)、また、その後の最大もしくは最小になるとき(ボックス3924)に再び、時間が記録されることができる。隣接する最大値および/もしくは最小値の間の時間に基づいて、期間が計算されてよく、この期間は、目的の生理学的パラメータと関連付けられる、可能性のある周波数の指定対象範囲の中に含まれるかどうか調べるために検討されることができる。例えば、心拍数が、1分当たり65〜150回の鼓動もしくはサイクル、または約1.1〜2.5Hzの周波数と関連付けられうる。この範囲は、装置により定められるか、もしくは使用者により定められることができる。計算された周波数が、その範囲に含まれる場合、ボックス3926で、その周波数は、生理学的パラメータの周波数として識別もしくは指定されることができる。いくつかの実施形態では、アルゴリズムは、最大値もしくは最小値での値の大きさを比較して、それらの値が互いの許容差範囲内にあるのを確実にすること、を含みうる。図39Aを参照して分かるように、このようなアプローチにより、嚥下パルスの最大値もしくはピークが、心拍数パルスの最大値もしくはピークと識別されることができる。2つを識別することは、特定の生理学的パラメータの周波数を計算するのに用いるための、適切な最大値を決定することができる。いくつかの実施形態では、最大値もしくは最小値でのパラメータの値は、パルスの振幅を計算するのに用いられることもでき、アルゴリズムは、生理学的パラメータと関連付けられた、予め決められた対象範囲と、振幅を比較して、振幅がその範囲内に入るかどうかを調べることを含みうる。例えば、心拍数パルスは、図39Bに示されるように約933.26〜1066.58Pa(約7〜8mmHg)の振幅を有することができ、範囲は、少なくとも933.26〜1066.58Pa(7〜8mmHg)を含むようなサイズであってよい。当業者は理解されるように、前記の対象周波数および振幅は、生理学的パラメータであって、そのパラメータに関する情報が求められている、生理学的パラメータによって変わる。
【0121】
図39Dに示されるように、別の例示的な実施形態では、(多くの場合、高速フーリエ変換により算出される)離散フーリエ変換が、ある期間にわたりログに記録された、感知されたパラメータのデータ値に適用されうる。それによって、データ値は、時間ドメイン値から周波数ドメインに変換されうる。データ値の周波数成分は、生理学的パラメータ範囲と関連付けられた周波数の範囲に対応する、データ値中に存在する1つの周波数もしくは複数の周波数を識別するために検討されることができる。いくつかの実施形態では、周波数成分は、存在し、かつ大きさの閾値(magnitude threshold)を上回る1つ以上の周波数であって、生理学的パラメータと関連付けられた周波数の範囲に対応する、1つ以上の周波数を識別するために、検討されることができる。複数の周波数がその範囲に存在する場合、最大の大きさの周波数が、選択されることができ、あるいは周波数の加重平均が算出され、生理学的パラメータの周波数と指定されることができる。振幅は、識別された周波数のフーリエ係数により与えられうる。代わりに、対象範囲に含まれない周波数は、(例えば、選択されていない周波数のフーリエ係数をゼロに設定することによって)データから除去されてよく、時間ドメインにおける感知されたパラメータの値は、逆フーリエ変換を行うことにより再構築されることができる。時間ドメインにおけるデータ値は、表示されるか、もしくはさらに分析されることができ、例えば、最大値および最小値における値を比較することなどによって、振幅を分析する。
【0122】
図40A〜図40Cは、制限装置22からの、かつデータロガー270により収集された、感知されたパラメータ(例えば圧力)の値から、生理学的パラメータに関する情報を抽出することができる、別のアルゴリズムの出力を示し、図40Dは、そのようなアルゴリズムの例示的なフローチャートを示す。この例示的な実施形態では、圧力値4002などの感知されたパラメータの値は、平均値4004を作り出すために平均されることができる。多くの実施形態では、平均は、期間内の平均ウィンドウの中に含まれる値を平均すること、例えば、X秒毎のデータ値の平均をとること、もしくは周囲のデータ値の、定められた数(データ群)の平均を算出すること、によって、計算されうる。平均ウィンドウのサイズは、広く変わることができ、目的の現象間の関係により通知されることができる。例えば、図40Aに示されるように、圧力値は、約100Hzの速度で収集されているが、嚥下事象は、約0.1Hzで生じることができ、平均4004は、例えばウィンドウ4008に入る、100個のデータ値ごとに平均することにより、計算され、プロットされている。平均値4004は、心拍数、呼吸速度などを表す値などの生理学的パラメータ値4006を生み出すために、オリジナルデータ、この例では例えば圧力値4002、から減じられうる。これらの生理学的パラメータ値4006は、表示されることができる。加えて、生理学的値4006の周波数、振幅、揮発性、もしくは他の特性が、例えば前述のアルゴリズムのうち1つ以上を用いてさらに分析されうる。前述の平均‐控除技術(foregoing average-and-subtract technique)は、別の組の生理学的値を抽出するために生理学的データ4006(例えば、より小さな平均ウィンドウの)に対して繰り返されてよい(例えば、パルス値は、呼吸速度値と分離されてよく、その後、呼吸速度値は、心拍数値から分離されることができる)。
【0123】
図40Bは、別の組の例示的な圧力値4010、およびその圧力値から計算された平均値4012を示す。平均されたデータ4012も、比較的低周波の現象および/もしくは嚥下速度などの生理学的現象を分析するのに有用でありうる。図40Cは、例示的な圧力値4010と平均値4012との間の差をとることによって入手されうる生理学的値を示す。
【0124】
図41A〜図41Cは、様々な生理学的応答に関する情報を明らかにするために圧力データがどのように区別されうるのかを示す、別の例示的なデータセットを表している。図41Aに示されるように、ある期間にわたり収集された圧力値4100は、一連のパルス4102、蠕動性事象による単一のパルス4104、および/または、他の生理学的パラメータを表す重ねられたパルスもしくは小さなパルス4106、により表される嚥下事象もしくは蠕動の総持続時間を検討するのに用いられることができる(例えば、パルスの振幅および数を検討する)。図41Bは、単一のパルス4104を、より詳細に示す。図示のとおり、滑らかな曲線が、(例えば、平均値を計算することによって)用いられて、パルス4104の振幅、持続時間、もしくは他の特性を分析することができる。図41Cは、小さなパルス4106を、より詳細に示し、このパルス4106は、矢印4108の下に示されるように、(例えば、先に説明されたアプローチのうちの1つによって)線状に変換されて、周波数、振幅もしくは他の特性を測定することができる。
【0125】
生理学的速度、振幅、もしくは他のパラメータを決定することは、様々な警報を誘発することができ、あるいは、ローカルユニット60、遠隔監視装置170、および/もしくはシステム20により保持される報告のために記録されることができる。例えば、警報もしくは通知信号は、心拍数もしくは呼吸速度(もしくは他の速度)が高すぎる、低すぎる、検知されることができない、劇的に変化している(例えば閾値を上回る変化率を有する)などの場合に生成されうる。代わりに、そのような事象もしくは状態の発生は、ローカルユニット60、遠隔監視装置170、および/もしくはシステム20によって生み出される報告もしくはログに含まれるよう、ログに記録されるか、もしくは記憶されることができる。
【0126】
種々のアルゴリズムが、データロガー270により収集された圧力値もしくは他のデータ値におけるパルスの存在を検知するのに用いられてよい。そのようなアルゴリズムの1つの例示的な実施形態が、図42A〜図42Bに示される。図42Aは、ある期間にわたる例示的な圧力値のプロット4200を示すが、あらゆるパラメータ値が用いられてよい。図42Bは、アルゴリズムの例示的なステップを示すフローチャートを表す。図示のとおり、予め決められた閾値4202が、基線値4212に対して定められうる(図42Bのボックス4222、4224)。(例えば、閾値は、基線値4212より1333.22Pa(10mmHg)高く設定されてよい。)ボックス4226で、アルゴリズムは、パラメータ値が閾値4204を上回る時間4206を決定することができる。(閾値4202は、絶対的に基線値4212と相対的であってよく、パラメータ値が閾値4202を上回る時間4206は、パラメータが基線値4212プラス閾値4202を上回るときに起こりうる。)パラメータ値が、予め決められた時間4210内に閾値4202をもはや上回らないように減少すると、パルスが生じていると判断されてよい(ボックス4228〜4230)。予め決められた時間4210もまた、使用者が定めるものであってよい。
【0127】
図43Aは、1組のデータに対してパルスの存在を検知するために用いられうるアルゴリズムの代替的な実施形態の適用を示し、図43Bは、そのようなアルゴリズムの例示的なフローチャートを示す。図示のとおり、第1の閾値4302、および第2の閾値4304が定められてよく(ボックス4324a、4324b)、これらの閾値は双方、図42A〜図42Bに関して説明されたように、基線値4308に対して定められる。第1の閾値4302は、パラメータが増加しているとき(例えば、パルスのピークの前)に適用されてよく、第2の閾値4304は、パラメータが減少しているとき(例えば、ピーク4312の後)に適用されうる。ボックス4326において、アルゴリズムは、パラメータ値が第1の閾値4302を上回る時間4314を決定することができる。パラメータ値がその後、予め決められた時間4306内に第2の閾値4304を下回ったら、パルスが発生していると判断されてよい(ボックス4328〜4330)。
【0128】
図44Aは、1組のデータ中のパルスの存在を検知するのに用いられうるアルゴリズムの別の代替的実施形態の適用を示し、図44Bは、そのようなアルゴリズムの例示的なフローチャートを示す。この実施形態では、第1の閾値4402が、基線値4408に対して定められてよく、第2の閾値4404が、ピーク値4412に対して定められてよい(図44Bのボックス4424a〜4424b)。パラメータが第1の閾値4402を上回る時間4414、およびパラメータがピークに達する時間4412(例えば、ゼロ勾配を有するとき)が、記録されうる(ボックス4426、4428a〜4428b)。パラメータ値が、予め決められた時間4406内に第2の閾値4404を下回る場合、パルスが発生していると判断されてよい(ボックス4430、4432)。多くの実施形態では、第2の閾値4404は、ピーク値4412の一部(a proportion of the peak value 4412)として定められることができ(例えば、ピーク値の75%)、アルゴリズムは、アルゴリズムがいつピーク値4412を見つけるかを算出することができる。他の実施形態では、第2の閾値4404は、正比例で(directly)定められてよい(例えば、ピーク値4412より1333.22Pa(10mmHg)低い)。
【0129】
パルスを見つけるためのアルゴリズムは、様々な警報を誘発することができ、あるいは、ローカルユニット60、遠隔監視装置170、および/もしくはシステム20により保持される報告のためにパルス事象を記録することができる。例えば、パルスが検知されたとき、パルスをまったく検知することができないとき、パルスが特定の時間中(例えば外食時)に現れたとき、パルス計数が閾値を上回ったとき、パルスが、指定された期間にわたり検知されたとき、変化率圧力が、パルスの開始もしくはパルスの終了を示したときなどに、警報もしくは通知信号が生成されうる。代わりに、そのような事象の発生は、ローカルユニット60、遠隔監視装置170、および/もしくはシステム20により生み出される報告もしくはログに含めるために、ログに記録されるか、もしくは記憶されることができる。加えて、1つ以上のパルスが発生したことを決定することは、(本明細書に記載されるように、単独で、もしくは他のデータと共に)制限装置の状態と相互に関連付けられることができる。例えば、パルスがある期間にわたり(例えば、予め決められた期間中、ある場合には例えば5〜6分のウィンドウであるが、あらゆる期間が可能である)発生し続けることは、制限装置が過度に充填されているか、もしくはきつすぎることを示しうる。パルスの振幅およびパルス間の時間(単独で、もしくは他の測定基準と共に取得される)もまた、この判定に用いられるか、もしくは含まれてよく、例えば、閾値振幅のパルスが考慮されうる。他の実施形態では、シーケンス中のパルスの数、もしくは期間内のパルスの数、が、相関関係を作るのに用いられてよい。また、予め決められた期間にわたってパルスがないことは、制限装置が緩すぎるか、もしくは不十分に充填されていることを示しうる。そのようなパルス分析は、パルスを待ち構えるために適切な予め決められた期間を決定するため、制限装置の状態を評価するため、もしくはその他のために、制限バンドを着用している患者に、水/食物の嚥下、もしくは空嚥下(dry swallow)の指示を与えること、および結果として得られたパルスを監視すること、をさらに含みうる。
【0130】
時間に対するパラメータのデータにおいて、パルス、またはパルスのシーケンス、または他の波形の下のエリアが、分析目的で使用されうる。図45Aは、ある期間にわたる圧力の例示的なプロット4500を示し;図45Bは、そのような分析を行うための例示的なアルゴリズムを示すフローチャートを表す。図示のとおり、圧力の値は、一連のパルスを示す、グラフィック表現4502により、この場合は波形により、表されている。1つ以上のパルスの下のエリアが評価されうる。これらのエリアは、時間ウィンドウ4512、4514、4516、4518などのウィンドウにわたって各パルスについて積分(integral)の数値を求めることによって計算されうる。これらのエリアは、基線値4510もしくはゼロ値を基準に、計算されうる。多くの実施形態では、ウィンドウは、例えば、パラメータ値が閾値を上回るときにウィンドウを始めて、パラメータ値がその閾値を下回るときにウィンドウを終わらせることにより、または、図42〜図44に関連して説明した時間のいずれか、例えば図43Bに示された時間T2−T1もしくは図44Bのピーク時間−T1を用いることによって、パルスの時間をカバーするようサイズ決めされうる。積分の結果は比較されてよく、これらのエリアのシーケンスの性質(増加、減少など)、ならびにそれらの大きさが、制限装置22、患者などに関連する状態もしくは事象と相互に関連させられうる。例えば、図45のブラケット4506により一般的に示される実質的に同等のエリアの場合のパルスの存在は、過度に充填された、流体充填された制限装置、もしくは一般的には、きつすぎる制限装置、を示すことができる。一般的にブラケット4508により示される、減少しているエリア、もしくは予め決められた速度で減少しているエリアの場合のパルスの存在は、最適に充填もしくは調節されたバンドを示すことができる。第2の予め決められた速度(例えば、最適に充填されたバンドに関連する速度よりも速い速度)でのそのようなエリアの減少は、不十分に充填された制限装置と相互に関連付けられうる。ブラケット4504により一般的に示される、いかなるピークも後に続かない、単一のパルスの存在は、不十分に充填された制限装置、または咳をしているか、もしくは話をしていることを示しうる。
【0131】
前述のアルゴリズムおよび技術のいずれかもしくはすべては、グラフィカル・ユーザー・インターフェースと統合されて、使用者が、アルゴリズムへの入力を与えること、ならびに、中間結果および最終結果双方の結果を表示することを可能にしうることが理解されるべきである。例えば、経時的な圧力のプロットは、使用者に対して表示されてよく、使用者は、平均、勾配計算のため、もしくは(例えば、開始時間および終了時間を手でマーキングすることによって)パルスのエリアを計算するために、ウィンドウを手動で定めるか、もしくは選択することができる。他の実施形態では、使用者は、定期的な期間(timed period)にわたって圧力値を観察した後で、ディスプレイ上の水平な線を調節することによって、基線値を手でマーキングすることができる。このような変形は、本開示内容の範囲内に入ることが意図されている。
【0132】
本明細書に記載された、いくつかの実施形態は、ヘルスケアの提供者もしくは他者が、食事療法のアドバイスを識別し、教育し、かつ/もしくは患者に処方するためのフィードバックメカニズムとして圧力データを用いることを可能にすることができることが認識されるであろう。このようなフィードバックメカニズムは、データを与えることができ、あるいは複数の方法で別様に用いられうる。例えば、圧力フィードバックは、患者が特定の食物の盛り(particular food portion)を嚥下したときに入手されることができ、そのような圧力フィードバックに基づいて、患者は、より少ない盛り(smaller portions)、より多い盛り、もしくは試験された盛りと等しい盛りを食べるよう教えられることができる。当然、そのように処方された食物の盛りは、患者が、処方された食物の盛りを嚥下したときに入手される圧力フィードバックを評価することによって試験されてよく、食物の盛りの処方は、反復により精密化されうる。別の例として、患者は、一人前の分量と共に圧力フィードバックに基づいて、かつ/もしくはあらゆる他のパラメータに基づいて、適切性について所望の食物を試験することができる。連続した圧力データ監視は、一人前の分量の監視、食物の硬さの監視(例えば、固体に対して液体)、および/もしくは食べる頻度(eating frequency)を可能にするのに用いられうることも認識されよう。食事療法のアドバイスを与えるために圧力データが用いられうる、さらに他の方法は、当業者には明らかとなるであろう。このような用法は、局所的に、遠隔で(例えば、遠隔ユニット170によって)、もしくはそれらの組み合わせで実施されうることも認識されるであろう。
【0133】
データロギングシステム300は、注入ポート36で実行されるものとして本明細書で説明されているが、データロギングシステム300は、代わりに、あらゆる他のタイプの圧力感知システム、もしくは他の植え込まれたシステムで実行されうることが認識されるであろう。ほんの1例として、データロギングシステム300は、名称を「System and Method for Determining Implanted Device Positioning and Obtaining Pressure Data」とする、2006年3月7日出願の、米国特許出願公開第2006−0211914号(出願番号第11/369,682号)、および2007年3月6日出願の米国特許出願公開、および名称を「Pressure Sensors for Gastric Band and Adjacent Tissue」とする米国特許非仮出願第11/682,459号、(代理人整理番号END6042USNP、付属書類として本明細書に添付される)に開示される圧力感知装置のいずれかと組み合わせられてよく、これらの開示内容は、例示目的で、参照することにより本明細書に組み込まれる。例えば、データロギングシステム300は、その特許出願に記載された圧力センサーのいずれかにより入手された圧力測定値を受信することができる。加えて、その特許出願に記載された針案内感知ヘッドは、針案内感知ヘッドにより入手され、かつ実質的にリアルタイムで離れた医師に伝達される圧力測定値に基づいている離れた医師の指示に従って流体圧力を調節するために、地方の臨床医(local clinician)に針の案内を与えるよう、データロギングシステム300の少なくとも一部と共に使用されうる。例えば、針案内感知ヘッドは、データロガー370と連結されてよく、データロガー370は、インターネットに直接接続されて(もしくはドッキングステーション360によって)圧力測定値を、離れた医師に与えることができる。本明細書に記載された装置および構成要素が、参照することにより本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2006−0211912号、同第2006−0211913号、および同第2006−0211914号に記載される構成要素と組み合わせられうる、さらに他の方法は、当業者に明らかとなるであろう。
【0134】
前述の発明は、他のタイプの植え込み可能なバンドに等しい適用性を有することが、当業者には容易に明らかとなるであろう。例えば、バンドは、大便失禁の治療に用いられる。そのような1つのバンドが、参照することにより本明細書に組み込まれる米国特許第6,461,292号に記載されている。バンドは、尿失禁の治療にも用いられうる。そのような1つのバンドが、参照することにより本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2003/0105385号に記載されている。バンドは、胸焼けおよび/もしくは酸逆流の治療にも用いられうる。そのような1つのバンドが、参照することにより本明細書に組み込まれる米国特許第6,470,892号に記載されている。バンドは、インポテンツの治療にも用いられうる。そのような1つのバンドが、参照することにより本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2003/0114729号に記載されている。
【0135】
本明細書に開示した装置のいずれも、1回使用した後で廃棄されるように設計されてもよく、あるいは複数回使用されるように設計されてもよい。ローカルユニット、遠隔監視装置、データロガーなどといった外部にあってよい装置は、多くの場合、再利用に適している。装置は、少なくとも1回使用した後で再利用のため、再調整もしくは再構築されることができる。再調整もしくは再構築は、装置の分解ステップ、それに続く特定の部品(機械的構成要素、コンピューターハードウェアおよびソフトウェア、などを含む)の取替、改良、洗浄、もしくは改変ステップ、ならびにその後の再組立ステップのあらゆる組み合わせを含みうる。特に、装置は、分解されることができ、装置の任意の数の特定の部品もしくは部分が、あらゆる組み合わせで選択的に取り替えられるか、もしくは取り外されることができる。装置は、再調整施設で、もしくは患者と共に装置を使用する前に医師によって、その後の使用のために再組立されることができる。当業者は、装置の再調整もしくは再構築が、分解、洗浄および/もしくは取替、ならびに再組立のための様々な技術を用いうることを認識するであろう。加えて、装置および/または装置の個々の部分もしくは部品に対して修理が行われてもよい。このような技術の使用、および結果として得られる再調整されるか、再構築されるか、もしくは修理された装置は、すべて、本出願の範囲内に含まれる。
【0136】
患者に植え込まれるか、もしくは患者に取り付けられることができる装置を特に含むがこれらに限定されない、本明細書に記載された装置は、好ましくは、使用前に処理もしくは滅菌されることができる。まず、新しい装置もしくは使用済みの装置(またはその一部)が手に入れられる。装置は次に滅菌されることができる。1つの滅菌技術では、装置は、プラスチックもしくはTYVEKバッグなどの、閉じられ密閉された容器の中に入れられる。容器および装置は、次に、β放射線もしくはγ放射線、x線、または高エネルギー電子などの、容器を貫通できる放射線の場に置かれる。放射線が、器具の上、および容器の中の細菌を死滅させる。滅菌された器具は、次に滅菌容器の中で保管されうる。密閉された容器は、医療施設で開けられるまで、その器具を滅菌状態に保つ。他の実施形態では、エチレンオキシド、もしくは蒸気が滅菌に用いられてよい。
【0137】
本発明の好適な実施形態が、図示され、本明細書で説明されてきたが、このような実施形態は、ほんの1例として提供されたことが、当業者には明らかであろう。本発明から逸脱することなく、当業者は、多くの変形、変更、および代用物を思いつくであろう。例えば、当業者には明らかなように、本明細書の開示は、ロボット支援手術において等しい適用を有する。加えて、前述のすべての構造体が機能を有し、そのような構造体は、その機能を行う手段として言及されうることが理解されるべきである。したがって、本発明は、請求項の趣旨および範囲によってのみ限定されることが意図されている。
【0138】
本発明は、いくつかの実施形態の説明により例示されてきたが、請求項の趣旨および範囲をそのような詳細に制限もしくは限定することは、出願人の意図するところではない。本発明の範囲から逸脱することなく、当業者は、多くの他の変形、変更、および代用物を思いつくであろう。例えば、本発明の装置および方法は、インプラントから遠隔監視ユニットに圧力データを送信することについて例示されている。しかしながら、医師が、制限的開放インプラントの複数の異なる局面を監視できるように、他のタイプのデータが送信されてもよい。加えて、本発明は、肥満治療用の食物摂取量制限装置について説明されている。本発明は、この適用に限定されるものではなく、本発明の範囲から逸脱することなく、他の制限的開放インプラントもしくは人工括約筋と共に利用されることもできる。本発明と関連付けられる各要素の構造は、代わりに、その要素により行われる機能を与える手段として説明されてもよい。前述の説明は、例として与えられたものであり、請求項の範囲および趣旨から逸脱することなく、当業者が他の改変を思いつきうることは理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】植え込まれた制限的開放装置、および植え込まれた装置と遠隔監視ユニットとの間の双方向通信システムの簡略化された概略図である。
【図2】図1に示される食物摂取量制限装置の植え込み可能な部分の、より詳細な斜視図である。
【図3】図2に示される注入ポートの部分的に切断された側面図である。
【図4】図3の線A−Aに沿った側面断面図であり、図2の摂取量制限装置の流体圧力を測定するための例示的な圧力センサーを示す。
【図5】図4に示される圧力センサーの可変抵抗回路の簡略化された概略図である。
【図6】図2の食物摂取量制限装置のための代替的な双方向注入器の断面図である。
【図7A】圧力変換器を組み込んだ、機械的に調節可能な制限装置の概略図である。
【図7B】線B−Bに沿った図7Aの機械的に調節可能な装置の断面図である。
【図8】図1に示される摂取量制限装置の主要な内部構成要素および外部構成要素のブロック図である。
【図9】図1のローカルユニットと遠隔ユニットとの間のいくつかの異なる通信リンクを示す概略図である。
【図10】手動で調節可能な制限装置のためのローカルユニットと遠隔ユニットとの間の例示的な通信プロトコルのフローチャートである。
【図11】遠隔的に調節可能な制限装置のローカルユニットと遠隔ユニットとの間の例示的な通信プロトコルのフローチャートである。
【図12】通信が患者により開始される例示的な通信プロトコルのフローチャートである。
【図13】植え込まれた制限装置からの圧力測定値を記録するためのデータロガーの簡略化された概略図である。
【図14】図13に示されるデータロガーの主要な構成要素を示すブロック図である。
【図15】本発明のシステムを通じて通信される、図4に示されるセンサーからの流体圧力測定値のグラフィック表現である。
【図16】図1に示される食物摂取量制限装置からの圧力測定値を記録するためのデータロギングシステムの簡略化された概略図である。
【図17】図16に示されるデータロギングシステムのいくつかの構成要素を示すブロック図である。
【図18】いくつかの異なる通信リンクとドッキングした状態にある、図16に示されるデータロギングシステムを示す簡略化された概略図である。
【図19A】グラフィカル・ユーザー・インターフェースのための例示的な圧力グラフディスプレイを示す。
【図19B】グラフィカル・ユーザー・インターフェースのための例示的な圧力メーターディスプレイを示す。
【図19C】グラフィカル・ユーザー・インターフェースのための例示的なパルス計数器ディスプレイを示す。
【図20】グラフィカル・ユーザー・インターフェースのための別の例示的な圧力グラフディスプレイを示す。
【図21】グラフィカル・ユーザー・インターフェースのための別の例示的な圧力メーターディスプレイを示す。
【図22】グラフィカル・ユーザー・インターフェースのための、さらに別の例示的な圧力メーターディスプレイを示す。
【図23A】グラフィカル・ユーザー・インターフェースのための別の例示的なパルス計数器ディスプレイを示す。
【図23B】2つのパルスシーケンスの間の、図23Aに示されるパルス計数器ディスプレイを示す。
【図24A】制限装置により囲まれた瘻の例示的なディスプレイを示す。
【図24B】制限装置により感知された圧力の変化後の、図24Aのディスプレイを示す。
【図24C】制限装置により感知された圧力の別の変化後の、図24Aのディスプレイを示す。
【図25】図24A〜図24Cに示されるディスプレイと相互に関連させられうる、経時的な圧力の例示的なグラフを示す。
【図26A】植え込まれた制限装置の例示的なディスプレイを示す。
【図26B】制限装置により感知された圧力の変化後の、図26Aのディスプレイを示す。
【図26C】制限装置により感知された圧力の別の変化後の、図26Aのディスプレイを示す。
【図27A】植え込まれた制限装置の別の例示的なディスプレイを示す。
【図27B】圧力の変化後の、図27Aに示されるディスプレイを示す。
【図28】植え込まれた制限装置のさらに別の例示的なディスプレイを示す。
【図29】別の組のデータにオーバーレイする1組のデータを備えた、例示的なディスプレイを示す。
【図30】別の組のデータにオーバーレイする1組のデータを備えた、別の例示的なディスプレイを示す。
【図31A】制限装置に関する母集団データの例示的なグラフを示す。
【図31B】制限装置に関する母集団データの別の例示的なグラフを示す。
【図32】注釈付きのデータ値を示すスクリーン、および注釈事象のメニューを備えたディスプレイ装置を示す。
【図33】入力装置でテキストボックスに入力された文字によって注釈を付けられうるデータ値を示すスクリーンを備えた、ディスプレイ装置を示す。
【図34】データ値の別の例示的なスクリーンを備えた図33のディスプレイ装置を示す。
【図35A】100Hzデータレートで制限装置から収集された経時的な圧力値の例示的なプロットを示す。
【図35B】10Hzデータレートに変換されている、図35Aからの経時的な圧力値の例示的なプロットを示す。
【図35C】5Hzデータレートに変換されている、図35Aからの経時的な圧力値の例示的なプロットを示す。
【図35D】3Hzデータレートに変換されている、図35Aからの経時的な圧力値の例示的なプロットを示す。
【図35E】1Hzデータレートに変換されている、図35Aからの経時的な圧力値の例示的なプロットを示す。
【図35F】制限装置からの収集データを、他のデータレートに変換するための例示的なフローチャートである。
【図36A】制限装置から収集され、また、第1の技術に従って圧力値から計算した移動平均のプロットとオーバーレイされた、経時的な圧力値の例示的なプロットである。
【図36B】制限装置から収集され、また、第2の技術に従って圧力値から計算した移動平均のプロットとオーバーレイされた、経時的な圧力値の例示的なプロットである。
【図36C】制限装置から収集されたデータの移動平均を計算するための、例示的なフローチャートである。
【図37A】基線値を計算することに関連した注釈を備えた、制限装置から収集された経時的な圧力値の例示的なプロットである。
【図37B】制限装置から収集されたデータから、パラメータの基線値を決定するための、例示的なフローチャートである。
【図37C】基線値の変化を示す、経時的な圧力値の例示的なプロットである。
【図38A】基線値の特性を予測することに関連した注釈を備えた、制限装置から収集された経時的な圧力値の例示的なプロットである。
【図38B】制限装置から収集されたデータからパラメータの基線値に関連した特性を予測するための、例示的なフローチャートである。
【図39A】異なる周波数の重ね合わせられたパルスを示す、制限装置から収集された経時的な圧力値の例示的なプロットである。
【図39B】異なる周波数の重ね合わせられたパルスを示す、制限装置から収集された経時的な圧力値の別の例示的なプロットである。
【図39C】制限装置から収集されたデータから、生理学的パラメータに関する情報を判断するための、例示的なフローチャートである。
【図39D】制限装置から収集されたデータから、生理学的パラメータに関する情報を判断するための、別の例示的なフローチャートである。
【図40A】制限装置から収集された経時的な圧力値の例示的なプロットであり、その圧力値から抽出された生理学的パラメータに関する情報を備えている。
【図40B】制限装置から収集された経時的な圧力値と、その圧力値とオーバーレイされた平均データと、の例示的なプロットである。
【図40C】図40Bに示されるデータから抽出された経時的な圧力値の例示的なプロットである。
【図40D】制限装置から収集されたデータから生理学的パラメータを決定するための、例示的なフローチャートである
【図41A】異なる周波数の重ね合わせられたパルスを示す、制限装置から収集された経時的な圧力値の例示的なプロットである。
【図41B】図41Aに示されたプロットの詳細図である。
【図41C】図41Aに示されたプロットの別の詳細図である。
【図42A】パルスの存在を判断することに関連した注釈を備えた、制限装置から収集された経時的な圧力値の例示的なプロットである。
【図42B】制限装置から収集されたデータにおけるパルスの存在を判断するための、例示的なフローチャートである。
【図43A】別の技術によりパルスの存在を判断することに関連した注釈を備えた、制限装置から収集された経時的な圧力値の別の例示的なプロットである。
【図43B】図43Aに関連して説明される技術によって、制限装置から収集されたデータにおけるパルスの存在を判断するための、別の例示的なフローチャートである。
【図44A】さらに別の技術によってパルスの存在を判断することに関連した注釈を備えた、制限装置から収集された経時的な圧力値のさらに別の例示的なプロットである。
【図44B】図44Aに関連して説明される技術によって、制限装置から収集されるデータにおけるパルスの存在を判断するための、さらに別の例示的なフローチャートである。
【図45A】パルスエリアを比較することに関連した注釈を備えた、制限装置から収集された経時的な圧力値の別の例示的なプロットである。
【図45B】制限装置から収集されたデータを用いてパルスエリアを比較するための例示的なフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理学的監視装置のためのディスプレイにおいて、
植え込み可能な制限装置により囲まれた領域の配置の模擬グラフィックであって、前記模擬グラフィックは、前記領域にわたる前記配置のサイズを示す、模擬グラフィック、
を含み、
示された前記サイズは、前記植え込み可能な制限装置により感知され、かつ前記生理学的監視装置に伝達される、パラメータに少なくとも部分的に基づいている、ディスプレイ。
【請求項2】
請求項1に記載のディスプレイにおいて、
前記模擬グラフィックは、アイコン;複数の同心リング;および3次元画像のうちの少なくとも1つを含む、ディスプレイ。
【請求項3】
請求項1に記載のディスプレイにおいて、
前記模擬グラフィックは、瘻の断面の画像;解剖学的管腔の周りに配された前記植え込み可能な制限装置の画像;および巨丸剤の画像のうちの少なくとも1つを含む、ディスプレイ。
【請求項4】
請求項1に記載のディスプレイにおいて、
前記模擬グラフィックは、前記囲まれた領域の前記グラフィック表現上に表示された1つ以上の等圧線を含み、
前記等圧線は、前記領域における前記配置の周辺部が前記感知されたパラメータを示すように、感知されたパラメータ値を表す、ディスプレイ。
【請求項5】
請求項4に記載のディスプレイにおいて、
前記1つ以上の等圧線は、前記感知されたパラメータ値に関連する状態を信号で知らせるために色を変えるのに効果的である、ディスプレイ。
【請求項6】
請求項1に記載のディスプレイにおいて、
前記植え込み可能な制限装置は、調節可能な胃バンドを含む、ディスプレイ。
【請求項7】
請求項1に記載のディスプレイにおいて、
前記模擬グラフィックは、ある期間にわたり前記植え込み可能な制限装置によって感知された圧力、パルス計数、パルス幅、パルス持続時間、およびパルス周波数のうちの少なくとも1つに従って、開口部の前記サイズの変化を示すための、ビデオ画像を含む、ディスプレイ。
【請求項8】
請求項1に記載のディスプレイにおいて、
前記模擬グラフィックは、前記植え込み可能な制限装置が植え込まれた患者の身体から入手される画像に基づいている、ディスプレイ。
【請求項9】
請求項1に記載のディスプレイにおいて、
(A)感知されたパラメータの文字インジケーター、
(B)グラフ、ダイヤルインジケーター、もしくは色を変えるように構成されたインジケーターのうちのいずれかに示される、感知されたパラメータデータ、および、
(C)前記植え込み可能な制限装置の制限状態の表示、
のうちいずれか、
をさらに含む、ディスプレイ。
【請求項10】
請求項1に記載のディスプレイにおいて、
前記パラメータは、圧力を含む、ディスプレイ。
【請求項11】
生理学的監視装置のためのディスプレイにおいて、
植え込み可能な制限装置により感知されたパラメータをパルス計数と関連させるためにパラメータ軸およびパルス計数軸を含むグラフであって、前記パルス計数は、嚥下事象のパルスのシーケンス内における前記感知されたパラメータのパルスのシーケンス番号を表す、グラフと、
パラメータとパルス計数との交差部で前記グラフ上に配された、複数の別個のインジケーターであって、各前記別個のインジケーターは、予め決められたパラメータ振幅を表し、それによって、前記複数の別個のインジケーターは、パルスのシーケンス中の各パルスについて測定された総パラメータ振幅を表す、複数の別個のインジケーターと、
を含む、ディスプレイ。
【請求項12】
請求項11に記載のディスプレイにおいて、
前記植え込み可能な制限装置は、調節可能な胃バンドを含む、ディスプレイ。
【請求項13】
請求項11に記載のディスプレイにおいて、
前記パラメータは、圧力を含む、ディスプレイ。
【請求項14】
請求項11に記載のディスプレイにおいて、
前記ディスプレイは、前記パルスのシーケンス中の少なくとも1つのパルスと関連付けられたタイムスタンプをさらに含む、ディスプレイ。
【請求項15】
生理学的監視装置のためのユーザー・インターフェースにおいて、
感知された圧力を表示する圧力スクリーンであって、前記感知された圧力は、植え込み可能な制限装置により感知され、また、前記生理学的監視装置に伝達される、圧力スクリーンと、
(A)嚥下事象中に起こる感知された圧力中のパルスの数を示す、パルス計数ディスプレイ、および、
(B)感知された圧力のインジケーターを有する圧力ディスプレイであって、前記インジケーターは、前記植え込み可能な制限装置の状態にそれぞれが対応する複数の圧力範囲のうちの1つに含まれる、圧力ディスプレイ、
のうちいずれかと、
を含む、ユーザー・インターフェース。
【請求項16】
請求項15に記載のユーザー・インターフェースにおいて、
前記圧力ディスプレイは、
経時的な圧力を表示するグラフであって、前記感知された圧力は、プロットされた曲線により表される、グラフ、
複数の別個のインジケーターを含む線状メーターであって、各前記別個のインジケーターは、予め決められた、感知された圧力に対応する、線状メーター、
状態を示すために色を変えるように構成されたインジケーター、
円形圧力メーター、および、
文字インジケーター、
のうちのいずれかを含む、ユーザー・インターフェース。
【請求項17】
請求項15に記載のユーザー・インターフェースにおいて、
前記圧力範囲は、流体充填された植え込み可能な制限装置の状態に対応しており、前記状態は、「過度に充填されている」、「最適」、および「不十分に充填されている」を含む、ユーザー・インターフェース。
【請求項18】
請求項15に記載のユーザー・インターフェースにおいて、
前記植え込み可能な制限装置は、調節可能な胃バンドを含む、ユーザー・インターフェース。
【請求項19】
請求項15に記載のユーザー・インターフェースにおいて、
前記グラフ、前記線状メーター、前記円形圧力メーター、および前記文字インジケーターのいずれも、視覚的警告もしくは警報状態を信号で知らせるように構成されている、ユーザー・インターフェース。
【請求項20】
請求項15に記載のユーザー・インターフェースにおいて、
前記グラフ、前記線状メーター、前記円形圧力メーター、および前記文字インジケーターのうちいずれかが閾値を超える値を示した場合に、作動するように構成された、可聴警報、
をさらに含む、ユーザー・インターフェース。
【請求項21】
方法において、
植え込み可能な制限装置によって囲まれた領域の配置の模擬グラフィックを含むディスプレイを有する生理学的監視装置を入手することであって、前記模擬グラフィックは、前記領域にわたる前記配置のサイズを示し、示された前記サイズは、前記植え込み可能な制限装置により感知され、かつ前記生理学的監視装置に伝達される、パラメータに少なくとも部分的に基づいている、生理学的監視装置を入手することと、
使用者の生理学的監視を行うために、前記生理学的監視装置もしくは前記ディスプレイを転用することと、
を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24A】
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【図24B】
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【図24C】
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【図25】
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【図26A】
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【図26B】
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【図26C】
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【図27A】
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【図27B】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31A】
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【図31B】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35A】
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【図35B】
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【図35C】
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【図35D】
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【図35E】
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【図35F】
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【図36A】
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【図36B】
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【図36C】
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【図37A】
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【図37B】
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【図37C】
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【図38A】
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【図38B】
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【図39A】
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【図39B】
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【図39C】
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【図39D】
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【図40A】
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【図40B】
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【図40C】
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【図40D】
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【図41A】
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【図41B】
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【図41C】
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【図42A】
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【図42B】
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【図43A】
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【図43B】
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【図44A】
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【図44B】
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【図45A】
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【図45B】
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【公開番号】特開2009−207890(P2009−207890A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−45183(P2009−45183)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PENTIUM
2.イーサネット
【出願人】(595057890)エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド (743)
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
【Fターム(参考)】