説明

植栽樹木のマルチング装置

【課題】本発明は、植栽樹木、特に植栽果樹の根元周りにおいて、雑草の発生抑制を図るとともに、肥料、薬剤等の施肥を簡易化して実施でき、また防虫・防鳥も可能なマルチング装置を提供する。
【解決手段】マルチング装置が複数の扇形状マルチング片から構成されており、使用する時には樹木の根元を中心に扇形状マルチング片を展開して円環状マルチングを形成し、格納する際には重ね合せて一つの扇形状マルチング片集合体を形成する構成にし、また扇形状マルチング片が、本体と縦壁から形成される内部空間に薬剤・肥料を充填した扇形状のカートリッジを内蔵し、また扇形状マルチング片から立設する複数本の支柱を設けると共に支柱の上端部にネット受け上部リングを配設し、ネット受け上部リングと支柱群の外側に防虫・防鳥ネットを掛ける構成にしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植栽樹木、特に植栽果樹の根元周りの雑草の発生抑制を図り、肥料、薬剤等の施肥を簡易化したマルチング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、植栽樹木の根元周りをプラスチックフィルム等の被覆資材で覆うことにより雑草の繁茂を抑え、肥料の流亡を防ぎ、土壌からの水分蒸発を抑え、また地温を調節できるなどの効果が認められて来ている。
【0003】
前記プラスチックフィルムとしては、ポリ塩化ビニルを採用したものが主流であって耐久性はあるが、有機物材料と異なり、使用後はゴミとなって処分することを要するものである。この問題に対して、天然材料を活用して、雑草の生育抑制、表土の飛散と流亡の防止を図った有効な手段が先行技術として開示されている(文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−92917号公報(〔0006〜0007〕、〔図8〕)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記先行技術は、植物繊維のシートとウッドチップとに薄めた接着剤を含ませたマルチング構造であって、雑草の生育を抑制し、植栽物の根元に保温、保水効果をもたらして生育を助長し、かつ、用済み後は腐敗させて自然に戻すことができる点で優れたものである。しかし、植栽樹木、特に果樹については、根元からの害虫を抑制又は駆除するための薬剤散布を必要とし、また、元肥や追肥などの施肥を必要とするなど、この点において対応できない問題があった。
【0006】
本発明は、これらの問題を解決したものであって、植栽樹木、特に植栽果樹の根元周りの雑草の発生抑制を図るとともに、肥料、薬剤等の施肥を簡易化して実施できるマルチング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る植栽樹木のマルチング装置は、植栽樹木の根元に施すマルチング装置において、該装置が複数の扇形状マルチング片から構成されており、使用する時には該樹木の根元を中心に該扇形状マルチング片を展開して円環状マルチングを形成し、設置しないで格納する際には重ね合せて一つの扇形状マルチング片集合体に形成する構成にしたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る植栽樹木のマルチング装置は、請求項1に記載の植栽樹木のマルチング装置において、前記扇形状マルチング片が、合成樹脂製又は金属製又は木製であり、本体に複数の透水孔を設けるとともに、内外側の円弧端部に下方へ延在する縦壁を夫々1箇所設けていることを特徴とする。
【0009】
これらの構成により、植栽樹木、特に植栽果樹の場合は植栽地に多種多数の果樹が植栽されるが、マルチング装置を使用した場合、使い捨てをしないので環境汚染の心配がなく、また簡易な構造で、格納状態から使用状態への切替作業、または逆の作業でも、簡単で、容易にできるマルチング装置を提供することができる。
【0010】
また、これらの構成をとることにより、製作加工の点においても容易な形状であって、半恒久的に使用できる扇形状マルチング片を提供できる。さらに、断面形状が下駄状であるから、土壌中に埋設することが可能であり、又はその内部空間に他の器具を内設することが可能である。また、天板に設ける複数の透水孔は樹木に対する灌水を容易にすると共に、透水孔から芽出しする雑草の有無から雑草の生育状況も把握できる。
【0011】
請求項3に係る植栽樹木のマルチング装置は、請求項1または請求項2に記載の植栽樹木のマルチング装置において、前記扇形状マルチング片の表面の色彩が、黒色又は銀色又は緑色に彩色したことを特徴とする。
【0012】
この構成をとることにより、黒色では太陽光等を集熱するマルチング効果、銀色ではアブラムシの予防、緑色では景観に配慮したマルチング装置というように夫々特徴をもって適用できる。これらの配色を施した扇形状マルチング片を数種類用意して置けば、目的に合わせて、適宜選択することができる。
【0013】
請求項4に係る植栽樹木のマルチング装置は、請求項2または請求項3に記載の植栽樹木のマルチング装置において、前記扇形状マルチング片が、前記本体と縦壁から形成される内部空間に薬剤・肥料を充填した扇形状のカートリッジを嵌め込み内蔵したことを特徴とする。
【0014】
請求項5に係る植栽樹木のマルチング装置は、請求項4に記載の植栽樹木のマルチング装置において、前記カートリッジ内に殺虫剤、除草剤、即効性肥料、緩効性肥料から適宜選択された薬剤・肥料を充填したことを特徴とする。
【0015】
これらの構成をとることにより、栽培する果樹の種類やそれに付く害虫の種類等に応じて、殺虫、除草などの薬剤や肥料を選択して適用することができる。また、カートリッジは、薬剤や肥料を夫々単独のカートリッジにし、それを積層して構成してもよいし、また夫々の薬剤・肥料を層状に積み重ねて一体に形成したものでもよい。また、カートリッジ化により長時間にわたり手間を必要とせず樹木に薬効をもたらすことができるし、カートリッジの薬剤・肥料を消耗すれば、容易に同一の又は別のカートリッジを選択して交換することができる。
【0016】
請求項6に係る植栽樹木のマルチング装置は、請求項1または請求項2に記載の植栽樹木のマルチング装置において、前記扇形状マルチング片から立設する複数本の支柱を設けると共に該支柱の上端部にネット受け上部リングを配設し、該ネット受け上部リングと該支柱群の外側に防虫・防鳥ネットを掛けることを特徴とする。また、請求項7に係る植栽樹木のマルチング装置は、請求項6に記載の植栽樹木のマルチング装置において、前記支柱が、前記扇形状マルチング片を貫通して土壌中に挿入された支柱用基礎杭の中空部に嵌め込まれて立設することを特徴とする。
【0017】
これらの構成によると、夫々の扇形状マルチング片を貫通した支柱が間接的に土壌中に基礎していることになり、確実に、安定して支柱を直立させることができる。また、ネット受け上部リングも支柱上に安定して載置され、ネット受け上部リングと支柱に被せるネットも確実に設置できる。これにより防虫・防鳥の機能を十分果たし、強風などの外乱にも十分耐え得る。また、支柱やネットの取り付けや取外しが簡易に実施でき、果樹等の植栽作業を容易に実施できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る請求項1,2,3に記載の植栽樹木のマルチング装置によれば、マルチング片を展開する又は閉じて収納することにより使用状態から格納状態へ又は逆も簡易に実施できる。また、マルチング片は合成樹脂、金属又は木と、材質を問わず、製作加工が容易な形状である。また、マルチングが終了しても廃棄することなく再利用が可能で、環境に優しい装置である。
【0019】
本発明に係る請求項4,5に記載の植栽樹木のマルチング装置によれば、構成するマルチング片に、殺虫剤などの薬剤や即効性又は遅効性の肥料を適宜選択して内蔵したカートリッジを内部に付設することで、薬剤の散布作業や肥料の施肥作業を省略することができる。また、長時間使用後に寿命が来れば、予備カートリッジに取替え可能であるので、植栽作業の省力化に貢献する。
【0020】
本発明に係る請求項6、7に記載の植栽樹木のマルチング装置によれば、植栽樹木、特に、果実の生る果樹に対する防虫、防鳥用ネットを掛ける又は取外しが容易であるし、防虫、防鳥の効果も確実に得られる。また、ネット掛け用支柱の取付け、又は取外し作業も実施し易い構造になっており、製作も容易で、製造費も安くできる。
【0021】
本発明に係る植栽樹木のマルチング装置によれば、植栽樹木、特に果実の生る果樹について樹木の育成、保護に貢献するし、雑草の発生の抑制、土壌の保温、適正な潅水、薬剤の散布、施肥作業の省力化、防虫、防鳥対策などを省力、省資源しながら効率良く、簡易に実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の実施するための形態に係る植栽樹木のマルチング装置であって、全体斜視図である。
【図2】図2は、図1のA−A矢視の断面図である。
【図3】図3は、本発明の実施するための形態に係る植栽樹木のマルチング装置であって、マルチング片集合体の(a)は模式的斜視図、(b)は模式的平面図、(c)はB―B矢視の断面図である。
【図4】図4は、マルチング片を組み立てたマルチング装置の模式的斜視図である。
【図5】図5は、カートリッジの(a)は模式的平面図、(b)は(a)のC−C矢視の模式的断面図である。
【図6】図6は、カートリッジを内蔵して組立てたマルチング片の模式的断面図である。
【図7】図7は、マルチング装置に樹木ネットを配設した全体斜視図である。
【図8】図8は、マルチング片から立設する支柱の模式的断面図である。
【図9】図9は、ネットの模式的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明に係る植栽樹木20のマルチング装置1の代表的な適用例を示す。マルチング装置1は、植栽樹木20の根元21を中心として、その周囲に配設された8個のマルチング片2−1〜8を展開して円環状マルチングを形成する。図2は、図1のマルチング装置1のA−A矢視の断面を示した図であって、マルチング片2−3、2−6が植栽樹木20の根元21を中心に、土壌23中にマルチング片2−3、2−6の夫々外側壁6と内側壁7を埋設し、即ち下駄の歯を土壌中に突設するようにして、マルチング片2−3、2−6の上面である天板5を土壌23表面に平行に、通常は水平に設置し、植栽樹木20の根元21の周囲をマルチングする。また、後述するが、マルチング片2−3、2−6の外側壁6と内側壁7とに囲まれた内部には、薬剤や肥料を内蔵したカートリッジ10が配設される。
【0024】
図3には、マルチング装置1のマルチング片集合体2の(a)は模式的斜視図、(b)は模式的平面図、(c)はB―B矢視の断面図を示している。マルチング片2−1は、扇形の天板5と、天板5の内外側の円弧端部に下方へ延在する縦壁である外側壁6と内側壁7とからなる。また、天板5には、灌水のための複数の透水孔8と後述するネット用の支柱基礎杭が貫通する支柱用穴9を設けている。図3(a)に示すように、マルチング片集合体2は、マルチング装置1として使用せず格納する場合には、8個の扇形状マルチング片2−1〜8を積み重ねた状態で格納でき、また、マルチング装置1として使用する場合には、一点鎖線で示すように集合体2から引き出して、扇状に展開して円環状のマルチング装置1を形成する。それを図4でマルチング片2−1〜8から組み立てたマルチング装置1の模式的斜視図で示している。また、本発明のマルチング装置を構成する扇形状マルチング片の構成数は8個に固定することなく、マルチング装置1の大きさによって、適宜増減することができ、個数に制約はない。
【0025】
円環状のマルチング装置1の外径は、植栽樹木の大きさ、すなわち根の大きさに左右され、苗木から成木を対象とするので、通常0.5〜4mの範囲であり、天板5の厚みは、材質にもよるが、1〜5mm程度である。また、扇形状マルチング片2−1〜8は、合成樹脂製、金属製又は木製のいずれかであってよく、耐候性、製作容易性、経済性の観点から適宜選択することができるが、総合的には、合成樹脂を用いて射出成形で製作するのが好適である。また、マルチング期間が終了しても、扇形状マルチング片は廃棄することなく再利用が可能で、環境に優しい装置である。
【0026】
また、扇形状マルチング片2−1〜8の表面である天板5の色彩を、黒色又は銀色又は緑色に彩色するのが好ましく、黒色では太陽光等を集熱するマルチング効果、銀色ではアブラムシの予防、緑色では景観に配慮したマルチング装置というように夫々特徴をもった効用がある。また、これらの配色を施した扇形状マルチング片を数種類用意して置けば、目的に合わせて、適宜選択することができる。また、彩色は、扇形状マルチング片2−1〜8が合成樹脂製の場合には、材料に色素を配合するのが好ましく、金属製の場合には塗装を施す又はカラー金属板を採用するのが好ましく、木製の場合には塗装を施すのが好ましい。
【0027】
また、図6には、薬剤や肥料を内蔵したカートリッジ10を扇形状マルチング片2−1〜8内に配設して組立てたマルチング片2−1〜8の模式的断面図をしめしている。また、図5には、カートリッジ10の(a)は模式的平面図、(b)は(a)のC−C矢視の模式的断面図を示す。カートリッジ10は、扇形状マルチング片2−1〜8と相似の形状を有するカートリッジ殻11と、その殻内に配設される薬剤・肥料層12からなる。カートリッジ殻11には、マルチング片2−1〜8の天板5と同様の灌水のための複数の透水孔8と後述するネット用の支柱基礎杭が貫通する支柱用穴9を設けている。薬剤・肥料層12には、殺虫剤、除草剤、即効性肥料、緩効性肥料から適宜選択されたものから形成する。
【0028】
また、前記薬剤・肥料層12には、栽培する果樹の種類やそれに付く害虫の種類等に応じて、殺虫、除草などの薬剤や肥料を選択して適用することができる。また、カートリッジ10は、薬剤や肥料を夫々単独のカートリッジ10にし、それを積層して構成してもよいし、また夫々の薬剤・肥料を層状に積み重ねて一体に形成したカートリッジ10であってもよい。また、このカートリッジ化により長時間にわたり手間を必要とせず樹木に薬効をもたらすことができるし、カートリッジ10の薬剤・肥料を消耗すれば、容易に同一の又は別のカートリッジ10を選択して交換することができる。
【0029】
図7には、マルチング装置1に樹木20に掛けるネット15を配設した全体斜視図を示している。また、図8には、マルチング片2−1から立設する支柱13の模式的断面図を示す。また、図9には、ネット15の模式的斜視図を示す。図7に示すように、ネット15は、樹木20を痛める又は果樹20の果実を食べる鳥類や昆虫などの虫類の侵入や接触を防止して樹木20を保護するために設けるものであって、扇形状マルチング片2−1〜8から立設する複数本の支柱13を設けると共に支柱13の上端部でネット受け上部リング14を結合して支持し、ネット受け上部リング14と支柱群13の外側に防虫・防鳥ネット15を掛けて張設するものである。また、図8に示すように、支柱13は、扇形状マルチング片2−1を貫通して土壌23中に挿入された支柱用基礎杭16の内部の中空部に嵌入して立設する。この場合、支柱用基礎杭16の中空部の上端部分と支柱13の嵌入部分と咬合し、支柱13を抜け難くしている。また、支柱13とネット受け上部リング14は、支柱13の上端を逆Ω状にしてリング14を嵌着するのが嵌め合わせが確実であり、しかも脱着が容易である。
【0030】
また、ネット15は、網目状であって、網目の大きさは防鳥又は防虫の目的によって適宜決められる。ネット15を構成する網の材料も植物繊維の撚り糸又は合成繊維の単糸や撚り糸を用いることができる。また、ネット15には、ネット受け上部リング14と支柱13の外側に張設し易いように開閉用のファスナー15−1を設けている。前述したように、扇形状マルチング片2−1〜8を貫通した支柱13が間接的に土壌23中に基礎を下していることになり、確実に、安定して支柱13を直立させることができる。また、ネット受け上部リングも支柱上に安定して載置され、ネット受け上部リング14と支柱13に被せるネット15を確実に設置できる。これによりネット15は樹木20に対して防虫・防鳥の機能を十分果たし、強風などの外乱にも十分耐え得る。また、支柱13やネット15の取り付けや取外しが簡易に実施でき、果樹等の植栽作業を容易に実施できる。
【0031】
本発明に係る植栽樹木、特に植栽果樹のマルチング装置1について、その実施状態について説明すると、マルチング装置1は、マルチングの使用後に廃棄する必要がなく、再利用が可能な装置であり、環境に優しく、省資源が達成できる装置である。また、扇形状のマルチング片で構成されるマルチング装置1は、植栽果樹の20の根元21に施され、雑草の発生の抑制、土壌の保温と適正な潅水の実施が行え、省力しながら簡易に育成作業を実行できる。
【0032】
また、マルチング装置1のマルチング片2に薬剤・肥料12を内蔵したカートリッジ10を付設する場合は、カートリッジ10に透水孔8を通して、雨水や散水による潅水で水が注入され、薬剤・肥料層から成分が染みだし、樹木の根や土壌に自然に供給されるので、薬剤の散布作業や施肥作業を省略することができ、省力化につながる。また、カートリッジ10は、マルチング片2を取外せば、予備のカートリッジと簡単に取替えができ、薬剤や肥料の効果を簡易に維持することができる。
【0033】
また、マルチング装置1のネット15掛けは、取付け又は取外しが支柱13を含めて簡単な手順で実施できるので、防虫・防鳥が必要でない時期は取外して、例えば、樹木の剪定作業等が自由に実施でき、花芽や果実が付いた時には、防虫・防鳥のために支柱13の立設やネット15掛け作業が簡易にできるので、防虫・防鳥作業を、必要に応じて、効率よく簡易に実行することができる。
【0034】
前述したように、本マルチング装置1は、小は苗木や小さい1m前後の果樹、大は数m超えの樹木を対象にして十分マルチング効果を発揮させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
植栽分野で広く適用されるのみならず、農業分野でもマルチングやネットなど活用できる要素がある。
【符号の説明】
【0036】
1:マルチング装置
2:マルチング片集合体 2−1〜8:マルチング片
5:天板 6:外側壁 7:内側壁 8:透水孔 9:支柱用穴
10:カートリッジ 11:カートリッジ殻
12−1,2,3,4:薬剤(肥料)層
13:支柱 14:ネット受け上部リング 15:ネット
15−1:ファスナー 16:支柱用基礎杭
20:植栽樹木(果樹) 21:根元 22:根 23:土壌

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植栽樹木の根元に施すマルチング装置において、該装置が複数の扇形状マルチング片から構成されており、使用する時には該樹木の根元を中心に該扇形状マルチング片を展開して円環状マルチングを形成し、設置しないで格納する際には重ね合せて一つの扇形状マルチング片集合体を形成する構成にしたことを特徴とする植栽樹木のマルチング装置。
【請求項2】
前記扇形状マルチング片が、合成樹脂製又は金属製又は木製であり、本体に複数の透水孔を設けるとともに、内外側の円弧端部に下方へ延在する縦壁を夫々1箇所設けていることを特徴とする請求項1に記載の植栽樹木のマルチング装置。
【請求項3】
前記扇形状マルチング片の表面の色彩が、黒色又は銀色又は緑色に彩色したことを特徴とする請求項1又は2に記載の植栽樹木のマルチング装置。
【請求項4】
前記扇形状マルチング片が、前記本体と縦壁から形成される内部空間に薬剤・肥料を充填した扇形状のカートリッジを嵌め込み内蔵したことを特徴とする請求項2又は3に記載の植栽樹木のマルチング装置。
【請求項5】
前記カートリッジ内に殺虫剤、除草剤、即効性肥料、緩効性肥料から適宜選択された薬剤・肥料を充填したことを特徴とする請求項4に記載の植栽樹木のマルチング装置。
【請求項6】
前記扇形状マルチング片から立設する複数本の支柱を設けると共に該支柱の上端部にネット受け上部リングを配設し、該ネット受け上部リングと該支柱群の外側に防虫・防鳥ネットを掛けることを特徴とする請求項1又は2に記載の植栽樹木のマルチング装置。
【請求項7】
前記支柱が、前記扇形状マルチング片を貫通して土壌中に挿入された支柱用基礎杭の中空部に嵌め込まれて立設することを特徴とする請求項6に記載の植栽樹木のマルチング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−9636(P2013−9636A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145001(P2011−145001)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(510158200)株式会社 ダイツウ (17)
【Fターム(参考)】