説明

植物の持つバイオコミュニケーション能力を効果的に活用した心身の健康増進法

【課題】服薬やカウンセリングのみに頼らず、手軽に多くの人の、心身の健康増進を図り、明るく安全で、活力ある社会創りに寄与する。
【解決手段】生きている植物である、切り花又は、葉・枝を使用して心身の健康増進を図る。その手順として、用意された切り花又は葉・枝の中から実施者が1本を選び、手に取り、よく観察する。切り花又は葉・枝の形状・色・香り等、観察して気づいたことや発見したこと、及び実施者本人が好感をもてるところをメモに書きとめ、好感をもてるところを生かして花器いける。この手順をコーディネーターが進行役として進め、実施者が、自分の感じたこと等を口に出して話をするグループワークを交えて実施する、生きている植物の持っているバイオコミュニケーション能力を効果的に活用することを特徴とした心身の健康増進法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生きている植物の持つバイオコミュニケーション能力を効果的に活用した、心身の健康増進及び、自己覚醒の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生きている植物は、人間と同じように思考・感情を持っている。さらに、人間の思考や感情を感知する能力があり、植物と人間は、相互交信ができると言うことが多くの実験によって明らかになっている。
【0003】
人間の身体の細胞は、自身の思考や感情と密接な関係があり、様々な疾病はネガティブな思考や感情の表現あるいは抑圧から起きているものである可能性が考えられる。
【0004】
花を使った「花療法」「花セラピー」と呼ばれるものがすでに存在するが、花の写真やプリザーブドフラワーを使ったものや、フラワーエッセンスを服用するものも多い。生きている植物を使ったものは、中国医療の陰陽五行説を応用し、自分に合った色、香りの花を選び、それに合った花を飾ると言う方法がある。また、フラワーアレンジメントを行い、アレンジした花を前にカウンセリングを行うフラワーカウンセリングという方法もある。その他、好きな花の写真を選び、運勢を占う等に使われている。
【0005】
その他に、フラワーアレンジメントリハビリという療法もあるが、この場合、リハビリの手段として、生花を使って作業療法的に、フラワーアレンジメントの方法を用いているだけで、生きている花の持つバイオコミュニケーション能力を活用したものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−035405号 公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】 日本教文社「植物は気づいている バクスター氏の不思議な実験」クリーヴ・バクスター著、穂積由利子訳、p.27〜p.45、p.77〜p.80、p.127〜p.148、p.189〜p.190
【非特許文献2】 工作舎「植物の神秘生活」ピーター・トムプキンズ+クリストファー・バード著、新井昭廣訳、p.26〜p.46、p.47〜p.59、p.81〜p.83、p.132〜p.134
【0008】
【非特許文献3】 東京新聞出版局「花療法=花のパワーで病気を治す」片桐義子著、p.22〜p.48
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
心身の病気、もしくは病気・病名はついていないが、いつもイライラしていたり、鬱状態だったりといった、心身の健康状態の不調が、忌まわしい事件を引き起こす要因になっていることが多く見られる。そのような状況を、誰でもが手軽に入手できる花を始めとする植物を活用して、気軽に実践できる方法をもって改善していく。
【0010】
心身の健康状態の不良改善のための薬の多量摂取により、さらにイライラ感がましたり、無気力になったりすることも多いため、極力薬の摂取に頼らずに、状況を改善していく。
【0011】
植物による癒しは、当たり前のように思われるが、ただ漠然と、花を見たり飾ったりするのとは違い、目的意識を持って植物に向かうことで、その効果は増大するため、セラピーやリハビリ等に容易に幅広く活用することを目的とする。
【0012】
花を用いた療法やセラピーは、花の写真やプリザーブドフラワーを用いるものやフラワーエッセンスを用いたものが多い。生花を用いていても、植物の持っている特殊能力の一つであるバイオコミュニケーション能力を効果的に活用しているものがない。
【0013】
植物の持つ特殊能力を活用しているものがあっても、森林もしくは屋外でしか実施できないような方法がほとんどであるため、さらに多くの人が手軽に、そして日常的に実践でき、植物の持つ特殊能力をより効率よく活用する方法を考案した。
【0014】
また、現在、花のセラピーと称し、内容はフラワーアレンジメントの技術習得が主となっているようなケースが多く見られる。
【0015】
本方法は、フラワーアレンジメントやいけばなのように、特別な技術を全く必要としないため、老若男女を問わず、誰にでも手軽に実施できる。さらに、花をたくさん使うフラワーアレンジメント等に比べ、1輪の花さえあれば実施可能なので、大変安価で実施することが出来る。この点においても、誰にでも手軽に実施できる要因であり、幅広く多くの場面での実施が可能であると考えられる。
【0016】
フラワーアレンジメントリハビリという療法もあるが、リハビリの手段として生花を使って作業療法的に、フラワーアレンジメントの方法を用いているが、この場合、生きている花の持つバイオコミュニケーション能力を活用したものではないため、このような療法も、バイオコミュニケーション能力を活用することにより、より効果的なものになると考えられる。
【0017】
生花を用いての療法で、中には花との対話をしている療法もあるが、実施者に対し、直接的に花との対話を求める方法であるため、無理が生じ、その結果、実施者に感情を強いるような状況が起こりがちになる。そのため、植物の持つバイオコミュニケーション能力を最大限に活用することができ難く、マンネリ化しやすいため、継続しにくいというのが実態である。
【0018】
しかし、本方法によると、植物の持つバイオコミュニケーション能力を効果的に活用することができるため、奏効する。特に、本方法の中の、実施者が気づいたこと・発見したこと・感じたことなどをメモにとる、という行為により、植物に向かう姿勢が一変し、無理なく植物とのコミュニケーションが図れるようになるため、マンネリ化が解消され、絶大な効果があらわれる。それまで、ただ漠然と、なんとなく植物を見ていたところが、より細部にわたり観察し、何かを発見しようという姿勢に変わってくる。どんな些細なことでもいいから、思いのままメモに書きとめるという行為が、意欲的に観察・発見していく姿勢に繋がり、それを通して、無理なく自然なかたちで、植物に対する愛情が沸き起こり、よい結果をもたらすことに繋がってくる。
【0019】
本方法により、一輪の花をじっくりと観察していくことで、大自然の仕組みや力の大きさ・自然のエネルギーを感じることができるとともに、同じ種類の植物でも二つと同じものはないので、何度実施しても新たな発見や感動があるため、マンネリ化することはない。
【0020】
このように、室内において、一輪の花や一枝の植物に向かい合うだけで、広大な大自然のエネルギーを感じ、自然の中に身を置くに匹敵する効果が得られる。障害を持っている人や、外出困難な人は、大自然のエネルギーに浴することができにくいが、本方法によれば、室内でもその効果を得られる。
【0021】
精神不安定・対人恐怖症・無気力などを含む軽度精神疾患は、主に薬の服用やカウンセリングによる治療が行われてきているが、副作用の心配が大きく、カウンセリングにおいても、目覚しい効果が見られないことが実状である。
【0022】
本方法によれば、副作用の心配は全くなく、病名・症状にかかわらず安心して実施できる。また、人対人のカウンセリングと違い、植物とのバイオコミュニケーションにより、人から言われるのではなく、実施者自身が無言のうちに、様々なことに気づき、悟る、という現象が起こる。さらに、実施者自身が意識しなくても、様々な変化が起こるため、無理なく自然に奏効する。
【0023】
これを応用することにより、軽度精神疾患の改善にとどまらず、対応策を模索し続けている不登校・引きこもり・いじめの改善や、独居高齢者へのケア、各種リハビリのサポートなどにも有効的手段となる。
【0024】
また、病気ではないが、慢性的なイライラ感や、すぐキレルと言われる症状が引き起こす、家族間での殺傷事件等を始めとする忌まわしい犯罪の軽減・防止のためにも大いに役立つと考えられるので、大きくは、明るく安全で、活力ある社会創りに寄与する。
【課題を解決するための手段】
【0025】
生きている植物のバイオコミュニケーション能力を、心身の健康増進のために、効果的に、しかも手軽に活用するために、植木の状態ではない、切り花、又は、葉・枝を使用して行う。
【0026】
まず、実施者が、用意された切り花又は葉・枝の中から、1本を選ぶ。好みの花を選ぶのではなく、その時々の気分で、興味のある植物や気になる植物を選ぶ。そして、選んだ植物を手に取り、よく観察する。切り花又は葉・枝の形状・色・香り等、観察して気づいたことや発見したことを、思いのままメモに書きとめる。このメモは、他人に見せる必要はないので、記述の仕方は自由で、本人さえわかれば、文章・箇条書き・また絵や図でもよい。時間は、7分から10分位を要する。
【0027】
次に、再度、同じ切り花又は葉・枝を手に取り、今度は、その植物を見て、きれいだと感じられるところ・好きだと思えるところなど、好感を持てるところをメモに書きとめる。この場合、単に、形状・色・香り等にとどまらず、植物の表情・雰囲気などを含め、他人にはわからなくても、本人が好感を持てるところであれば、どんなことでもよい。また、この時、直接植物に関係のないことを感じることも多く、様々なことを回想する場合があるので、単に、好感を持てるところだけでなく、どんなことでも感じたことをメモに書きとめる。時間は、5分から8分位を要する。
【0028】
そして、次に、その植物を花瓶・花器に活ける。この時、本人がきれいだと感じたところや好感を持った表情・雰囲気を生かして活ける。好感を持ったところを生かすために、長さを調節する必要があれば、茎・枝を切って長さの調整をし、本人が満足いくように活ける。
【0029】
活け終わったら、花瓶・花器に活けてある状態で、もう一度、植物をよく見て、自分が好感をもったところが、生かされているかどうかを確認する。この時、何か感じたことがあれば、メモをとる。
【0030】
本方法は、進行役となるコーディネーターを中心に進める。コーディネーターと実施者が1人対1人、又は、1人対3〜5人位のグループで実施する。コーディネーターは、実施者が、観察して発見したことやきれいだと感じたところなどを、その都度、口に出して話せるような状況を作り、実施者が、無理なく自分の気持ちを表出できるような流れで実施していく。
【発明の効果】
【0031】
いけばなやフラワーアレンジメントと違い、特別な技術を必要としないだけでなく、一輪の花さえあれば実施可能であり、大変安価で実施することができるため、老若男女、誰でもが、気軽にそして、継続的に実施することが出来るものである。
【0032】
単に植物を飾るということにとどまらず、本方法を用い、生きている植物の持っているバイオコミュニケーション能力を最大限に生かすことで、それを様々な分野で活用することができる。
【0033】
本方法を実施することで、病気の人にも、病気でない人にも、精神面・身体面及び、環境面において、その人に応じた効果があらわれる。
【0034】
まず、精神面における効果に関しては、特に顕著に確認される。単なる癒しにとどまらず、特に、精神状態が不安定な状態の改善には症状・病名にかかわらず、効果的である。例えば、躁状態には抗躁の効果があり、鬱状態には抗鬱の効果がある。
【0035】
その効果は、薬の服用によるものとは違い、副作用がないだけでなく、様々な症状であっても、同一の方法で、その人に合った効果があらわれ、改善に導くことができる。わかりやすく言うと、高血圧の人は血圧を下げる薬を服用するが、これを低血圧の人が服用したら大変なことになる。このように薬の場合は、一方方向にだけ作用するが、本方法は、低い人は高くなり、高い人は低くなるというように、対象者個々に必要な方向に作用する効果がある。そのため、同一の方法であっても、症状・病名にかかわらず効果があらわれるのである。
【0036】
さらに、自分自身の内面と向かい合うという効果もあり、精神の安定にとどまらず、前向きで意欲的になる。また、一般のカウンセリングのように、対人間ではないという点が効果に繋がっている。生きている植物とのコミュニケーションにより、人から言われるのではなく、実施者自身が無言のうちに、様々なことに気づき、悟る、という現象が起こる。さらに、実施者自身が意識しなくても、様々な変化が起こるため、無理なく自然に奏効する。したがって、特に軽度の精神疾患及び、病気ではないが、精神不安定な状態、またストレス性の疾患の改善に効果的である。
【0037】
このような効果は、単に精神疾患に限ったものではない。ストレスや慢性疲労を自覚している場合はもちろん、その改善に効果的であり、心身の健康状態が良好の場合にも、さらに、心身の健康を増進できるため、それにより人間関係の円滑化を図り、学業や仕事の効率を向上させていくことに繋がる。
【0038】
たとえば、乱暴な子どもが実施した場合、精神的に安定し、暴力的・乱暴でなくなる。家庭内暴力や校内暴力が解決した事例が多数確認されている。親や教師に言われて、無理やり、自分を抑えるのではなく、自らが気づいて行動を改めるようになる。優しく、おだやかになり、思いやりの心が培われるので、自然といじめや暴力行為もなくなってくる。また、無気力な子どもは意欲的になり、落ち着きがない子は、落ち着きが出て、集中力が増し、結果学業成績のみならず、人間関係においてもよい変化が現れてくる。不登校児においても、生活リズムが改善され、登校できるようになったケースも多々ある。
【0039】
また、心身の健康状態が良好であると思われる成人の場合も、さらに心身の健康を増進させ、常にプラス思考をもてるようになるケースが多く、それにより、仕事効率の向上にとどまらず、家庭環境や職場環境も向上していくことが確認されている。
【0040】
精神面においての効果にあわせ、「頭痛が治った」「目がスッキリした」「肩こりがスッキリした」と言う身体的効果も確認できている。これは、実施中や実施直後、すぐにでも確認できる。また、自律神経系の疾患においても、継続的な実施により、効果があらわれる。
【0041】
人間の細胞は、本人の思考や感情と大変密接な関係があり、思考が変化すると細胞にも顕著な変化が起きるということが様々な実験から明らかになっている。身体的効果は、植物とのコミュニケーションで、思考や感情に良い変化が起き、それに伴い体内の細胞にも、萎縮が緩和される等の何らかの変化が起こるために、頭痛が改善する等の効果が、起こってくるものと考えられる。
【0042】
このように、本方法を日々の生活に取り入れることにより、心身の健康増進を図ることができる。さらに、長期間にわたり、継続して、日々の生活に取り入れることにより、更なる心身の健康増進はもとより、人間関係の円滑化を始め、学業・仕事効率の向上など、実施者それぞれの環境的向上に繋がっていることが確認できる。
【0043】
本方法を継続して実施し、生きている植物と向かい合うことにより、同じ種類の植物でも全く同じものはなく、それぞれに個性・特徴を持っていることが感じられるようになり、そのことにより、自分自身を見つめなおし、自信を持つことができるようになる。同時に、他人に対しても個性・特徴を認められるようになることが確認できている。また、人間と同じ、一つの生命体である植物と触れ合うことにより、知らず知らずのうちに、命の尊さを感じ、優しさや思いやりの心が培われていくことも確認できている。
【0044】
個人レベルで、他人を認め、命の尊さを感じ、思いやりの心が培われていくことにより、そのような人が増えることで、忌まわしい事件や犯罪が減少していくことに繋がる効果も備えていると確信する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
外界からの影響を極力避けられる静かな部屋に、机・椅子を用意する。机は、壁際に配置し、実施者は、植物と実施者だけの世界をつくれるよう、壁に向かって座れるような配置にする。小音量で、おだやかな音楽をBGMとして流しておく。
【0046】
そのような環境の中で、進行役であるコーディネーターと実施者が1人対1人、又は、1人対3〜5人位のグループで実施する。実施者数がそれ以上の場合には、3〜5人位のグループ分けをし、それぞれのグループに一人ずつコーディネーターをつけて実施することはできるが、グループにより、時間差ができるため、少人数・小グループ数での実施が効果的である。
【0047】
本方法に使用する植物は、鉢植えではない、切り花・葉・枝等を用意する。1回1人1本の植物を使用するが、実施者が自分の好きなものを選べるよう、同一の種類、同一の色の花や葉・枝ではなく、種類や色を取り混ぜて、実施者の人数分より多く準備する。また、植物を活ける花器は、色・形・大きさの違うものを、実施者の人数分より多めに準備する。ただし、特別の技術がなくても、誰でもが簡単に花を挿せるようなタイプの花瓶・花器を用意する。
【0048】
まず、実施者が、用意された切り花又は葉・枝の中から、1本を選ぶ。この時、好みの植物を選ぶということではなく、その時々の気分で、興味を持てる植物や気になる植物を選ぶ。そして、壁に向かって座り、選んだ植物を手に取り、よく観察する。形状・色・香り等、観察して気づいたことや発見したことを、思いのままメモに書きとめる。このメモは、他人に見せる必要はないので、記述の仕方は自由で、本人さえわかれば、文章・箇条書き・また絵や図でもよい。時間は、7分から10分位を要する。
【0049】
次に、コーディネーターの進行により、グループワークを行う。複数ある植物の中で、その植物を選んだ理由や、その植物を観察してみて気づいたこと、発見したことを一人ずつ言っていく。グループで話をしていくことで、新たな発見も生まれ、大自然の偉大さや神秘性を感じることに繋がる。
【0050】
次に、再度、壁に向かって座り、もう一度同じ切り花、又は葉・枝を手に取り、今度は、その植物を見て、きれいだと感じられるところ・好きだと思えるところなど、好感を持てるところをメモに書きとめる。この場合、単に、形状・色・香り等にとどまらず、植物の表情・雰囲気などを含め、他人にはわからなくても、本人が好感を持てるところであれば、どんなことでもよい。
【0051】
また、この時、植物に直接的に関係のない事柄を感じることや、様々なことを回想する場合が多くみられるので、好感を持てるところだけでなく、どんなことでも、実施者本人が感じたことをメモに書きとめる。時間は、5分から8分位を要する。
【0052】
次に、もう一度コーディネーターの進行により、グループワークを行う。実施者本人が植物に関して好感をもてたところを始め、感じたことをグループで話す。この場合、他人には言い難いことを感じていることも多いため、コーディネーターは無理にそれを聞き出すようなことはせず、実施者本人の話せる範囲で進めていくよう配慮する。
【0053】
時間の経過に伴い、植物の状態に変化が現れることが多い。つぼみであった花が咲き始めたり、葉に勢いが出てきたりと肉眼でもはっきりとした変化が確認されることが多い。一つの植物を長時間継続して観察するということは、日常生活の中では、あまりないことなので、このような植物の状態の変化から、植物の生命力を感じ、大自然のエネルギーの偉大さにも気づき、そのことが、より良い結果に繋がるので、グループワークの際には、実施者の感じたことに併せて、植物の変化にも着目していく。
【0054】
そして、次に、その植物を花瓶・花器に活ける。この時、実施者本人が、きれいだと感じたところや好感を持った表情・雰囲気を生かして活ける。用意された花瓶・花器の中から、実施者がその植物に対して好感を持ったところを生かしていけるのに適していると思われるものを、実施者本人が選び、それに活ける。好感を持ったところを生かすために、長さを調節する必要があれば、茎・枝を切って長さの調整をし、本人が満足いくように活ける。一輪または一本だけなので、特別な技術は全く必要としない。
【0055】
植物を活ける花瓶・花器は、空き瓶等で代用しても良い。また、空き瓶や空き缶に色紙を巻く程度でも簡単にオリジナルの花瓶になるので、あえて実施者自身に、自分の選んだ植物に合う花瓶を作ってもらってもよい結果に繋がる。さらに、吸水スポンジや花留め等を活用することにより、植物に対して好感をもてるところ生かしていけることが、より容易になり、実施者の満足感にも繋がってくる。
【0056】
活け終わったら、花瓶・花器に活けてある状態で、もう一度、植物をよく見て、実施者自身が好感をもったところが、生かされているかどうかを実施者本人が確認する。この時、実施者自らの心理状況を確認し、何か感じたことがあれば、メモをとる。
【0057】
活け終わってからも、感じたこと、今の心理状況等をグループで話をする。
【0058】
本方法は、進行役となるコーディネーターを中心に進めるため、コーディネーターは、実施者が、観察して発見したことやきれいだと感じたところなどを、その都度、気楽に口に出して話せるような状況を作り、実施者が、無理なく自分の気持ちを表出できるような流れで実施していく。
【0059】
このような流れで、定期的にコーディネーターの進行のもとに、セミナー形式で実施して行くことが効果的である。セミナー終了後から次回のセミナーまでの間は、家庭で継続して実施することにより、さらに効果が高まるものである。また、セミナー終了後から次回のセミナーまでの間に、実施者本人の心理状況や環境などに、どのような変化が起きているかという点について、実施者自らが注意していくことも、効果を高めることに繋がってくる。
【0060】
家庭での実施については、セミナーで行ったことをそのまま全部やる必要はなく、日々、花瓶の水を替えることや、水替えの際に、植物を観察する程度で十分である。日々刻一刻姿を変えている植物にふれあうことが、効果に繋がってくる。
【実施例】
【0061】
医療機関において、軽度精神疾患のセラピーとして、ストレス性の疾患のケアとして、また、リハビリの一環としても実施することができる。
【0062】
高齢者のケアとしての実施。高齢者施設及び訪問サービス等で活用することができる。要介護者に対するリハビリとして、また、独居高齢者のケアとしても大いに活用できる。花バサミは必要に応じて、1回使用するだけなので、危険性が少なく、症状によって、アシスタントつければ、十分実施可能である。
【0063】
教育現場で子ども及び保護者を対象に、情操教育の一環として実施することができる。不登校・引きこもりの対策・改善法として実施できる。また、現在、鬱症状に陥ることが多いと問題になっている教員を始め、教育現場のスタッフのケアとして実施することで、より質の高い教育が期待される。
【0064】
企業等の人材育成の研修等において、自己覚醒・自己啓発の方法の一つとして実施可能であると共に、社員・職員の心身の健康増進のためにも大いに活用できる。
【0065】
一般市民を対象に、習い事感覚で本方法を実践できるようなセミナーを開催する。
【産業上の利用可能性】
【0066】
進行役であるインストラクターを、医療機関・高齢者事業所・学校等の教育機関・企業に派遣し、それぞれの状況に合わせた頻度で実施する。
【0067】
医療機関においては、軽度精神疾患のセラピーやストレス性の疾患のケアとして、またリハビリの一環として実施する。高齢者事業所においては、ディケアや訪問サービス等に活用する。また、学校・幼稚園・保育園等の教育機関においては、児童・生徒の情操教育の一環として実施するだけでなく、保護者や教員の心身の健康増進のために活用し、企業においては、自己覚醒・自己啓発の方法の一つとして、人材育成の研修等に取り入れる他、社員・職員の心身の健康増進のために活用する。
【0068】
本方法を習得するための講座を開設する。一般市民が気軽に本方法に触れられるよう、習い事感覚で実践できるセミナーを開催する。
【0069】
また、医療機関・高齢者事業所・学校等の教育機関・企業等の各種事業所、及び、一般市民を対象にしたセミナーにおいて、本方法を実施するためのコーディネーターを養成する講座も開設する。
【0070】
高齢者事業所や教育機関に関しては、その事業所スタッフがコーディネーターとして、その事業所の利用者に対して、本方法を実施できるような「事業所内コーディネーター」の養成講座も開催する。この場合、状況により、各事業所への出張講座も実施する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
切り花、又は葉・枝を使用して行う心身の健康増進法において、その手順として、実施者が、用意された切り花又は葉・枝の中から1本を選び、それを手に取り、よく観察し、形状・色・香り等、観察して気づいたことや発見したこと及び実施者本人が好感をもてるところをメモに書きとめ、好感をもてるところを生かして花器いける、生きている植物の持っているバイオコミュニケーション能力を効果的に活用することを特徴とした心身の健康増進法。
【請求項2】
請求項1の方法の進行役となるコーディネーターが、実施者が発見したことや感じたことなどを、その都度、口に出して話せるような状況を作り、実施者が、無理なく自分の気持ちを表出できるような流れをつくることで、生きている植物の持っているバイオコミュニケーション能力を効果的に活用する心身の健康増進法。