説明

植物の運搬・保存・展示に適した植物収納体

【課題】 業務用途の運搬・保存・展示等において、短時間かつ簡単に植物を植栽でき、植物に水分と栄養分を適度に供給し、容易には横転せず姿勢が安定する植物収納体を提供する。
【解決手段】 植物収納体100は、上面開口を持つ容器10と、容器10の中に充填せしめた水と栄養分を包含したゲル状充填物20と、植物の茎を支持する支持孔33が開けられた支持体30を備えている。支持体30は水平板31と下方に向けて延設された安定体32を備え、水平板31をゲル状充填物の表面上に位置し、安定体32がゲル状充填物20内に埋設するように配置する。安定体32が、垂直方向への移動に対して周囲のゲル状充填物20との間で抵抗が大きくなる形状と、水平方向への移動に対して周囲のゲル状充填物20との間で抵抗が大きくなる形状とを備えることにより、支持体30の移動を制限し、支持孔33を介した植物の茎の支持状態を安定させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切り花等の植物を流通用に運搬したり、保存したり、そのまま展示したりすることができる植物収納体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
切り花等の植物の状態を良好に保つには、切り花に適度な水分と栄養分を補給し続ける必要があるため、水分と栄養分を供給できる収納体が必要である。また、切り花等の植物の運搬は長距離にも及ぶことがあり、運搬手段としてトラックや台車などが用いられるため振動を受ける状態が続くため、切り花に多少の振動が加わってもこぼれたり崩れたりすることのない収納体が必要である。また、定植などせずに容器のまま一時的に保存したり展示したりする場合、多少の期間をもって良好な状態を維持できる収納体が必要となる。
【0003】
従来技術では、切り花等の植物の流通・保存・展示において、土を焼いた素焼鉢やプラスチックなどの容器に土を充填したプランターが用いられることが多かった。しかし、土を充填したプランターを用いる場合、水分や栄養分などを多めに入れると、プランターの土には土壌菌等の菌類や細菌が多く存在するため、腐敗したり植物が傷んだりする場合がある。そのため過剰な水分などを排出するため、プランター底面には水抜き孔が設けられており、水が排出されるようになっている。そのため、土を充填したプランターは流通・保存・展示の最中に水漏れなどが生じる可能性があり、切り花等の植物の流通には難しい側面があった。また、運搬途中に加わる振動などでプランター内の土がこぼれ落ちることもあった。また、切り花等の植物を花瓶や花器に水を入れて植物を生ける方法もあるが、花瓶などは運搬には不向きで、花瓶が倒れたり割れたりする不具合が発生すると、周りに水が溢れて大きなトラブルになる場合がある。
そこで、従来技術において、切り花等の植物の流通・保存・展示に適した収納体の開発が求められている。
【0004】
例えば、特開平5−32283号公報には、上部が開口したプラスチックフィルム製の袋本体と、当該袋本体の底部に充填された寒天とからなることを特徴とする切花用包装袋が開示されている。寒天に代えて含水状態の高吸水性樹脂を用いても良いとされている。底部の寒天は適度に水分と栄養分を包含することができ、切り花等の植物の運搬・保存・展示などの期間にわたり適度に水分や栄養分を植物に対して供給することができるため、すぐれた植物支持体である。特開平5−32283号公報に開示された収納体は、図10に示すように、切花用包装袋と言えるもので、切花を流通用に束ねて花束を作成するものである。図10に示すように、基本形状は手で抱えるための花束形状しており、花瓶などに生ける前に一時的に手で抱える用途が基本である。
【0005】
また、特開平8−266147号公報には、架橋構造を有するハイドロゲル形成性の高分子を含む植物体栽培用の支持体が開示されている。このように、植物体栽培用の支持体として土ではなく、ゲル状物質を用いて土壌菌などがない良好な環境にて適度に水分や栄養分を供給するものが研究されている。
【0006】
また、特開平8−130981号公報には、保水性のある多孔質の発泡ポリウレタン等に水を吸収させ、その吸水性物質の周囲にゲル化剤によるゲル層を設けたことを特徴とする水分封入物体が開示されている。つまり、多孔質の発泡ポリウレタン等の吸水性物質の周囲をゲル化剤でゲル状の層を形成して、吸水性物質から水がこぼれないようにすることにより、流通に際し、取扱いが便利なものが開示されている。また、多孔質の発泡ポリウレタン等の吸水性物質を自立性の容器に入れて、吸水性物質と容器の間隙にゲル化剤を注入して固化させ、自立性の容器と吸水性物質を一体化して、ゲル状物が補強された水分封入物体とすることにより、花を生けた花器が横転しても、水がこぼれないようにした植物収納体が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開平5−32283号公報
【特許文献2】特開平8−266147号公報
【特許文献3】特開平8−130981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記従来の植物収納体には以下の問題があった。
特許文献1の特開平5−32283号公報に記載の植物収納体は、人が手に持って運搬する形態が基本であって、業務用途で運搬・保存・展示することには不向きなものである。つまり、全体が花束形状であり、寒天の部分が小さく全体が安定せず、机の上などに置いておくと転倒しやすい形状となっていた。そのため、業務用途で運搬・保存・展示する植物収納体としては使用できないものであった。
【0009】
特許文献2の特開平8−266147号公報に記載の技術は、植物体栽培用の支持体として様々な組成のゲル状物質が開示されているが、プランターなどの容器に関する技術は何ら開示されておらず、業務用途で運搬・保存・展示するための水分補給、栄養分補給の素材としては有効であっても、どのような形態で供給すれば転倒などせず、扱いやすい植物収納体が得られるかについては何ら開示されていない。
【0010】
特許文献3の特開平8−130981号公報に記載のものは、多孔質の発泡ポリウレタン等の吸水性物質の周囲をゲル化剤でゲル状の層を形成したものであり、切り花等の植物は直接的には発泡ポリウレタン等の吸水性物質に差し込まれ、その吸水性物質の周囲にゲル状物質で封入したものであり、切り花がある程度安定した状態で姿勢保持され、吸水性物質から適度に水分や栄養分の供給を受けられるものである。しかし、特開平8−130981号公報に記載の技術では、切り花等の植物は直接的には発泡ポリウレタン等の吸水性物質に差し込まれた上でその後に吸水性物質の周囲にゲル状物質を封入してゲル化するため、すぐには使用できないものであった。業務用途で運搬・保存・展示したりする際には時間的な余裕は少なく、業務用途には不向きである。また、多孔質の発泡ポリウレタン等の吸水性物質に対して植物の茎などを突き刺して嵌入するが、茎の先端の形が尖っていないとうまく吸水性物質に刺さらないことがある。このようにうまく吸水性物質に刺さらない場合、剪定鋏などで茎の先端を再度切って尖った状態にしてから吸水性物質に対して嵌入する必要があった。このような二度手間は業務用途の植物収納体としては効率低下を招くものであった。
【0011】
ここで、植物の培地を吸水性ポリマーのみから、或いはその大半を吸水性ポリマーから構成する場合、植物を支持するために吸水ポリマーの含水量を下げ、ある程度の硬度を得る必要がある。このようにポリマーの含水量を少なくすると植物の支持力は得られるが、吸水性ポリマーから植物への水の供給が不十分となるおそれがある。一方、吸水性ポリマーの含水量を上げると、ポリマーの硬度が不十分となり、植物の支持が困難となるおそれがある。
また、ゲル状充填物に植物を差し込むと、その亀裂口から水分が蒸発しやすく、表面が割れるなどの問題が発生しやすかった。
【0012】
上記問題に鑑み、本発明は、業務用途の運搬・保存・展示などにおいて、土を用いず、短時間かつ簡単に植物を植栽でき、植物に水分と栄養分を適度に供給し、植物が容易には横転せず姿勢が安定する植物収納体を提供することを目的とする。また、培地としての硬度を確保しつつ、含水量・給水量が大きな培地構造を持ち、植物の差し込み亀裂付近からの乾燥を防止できる植物収納体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の植物の運搬・保存・展示に適した植物収納体は、切り花等の植物を収納する収納体であって、上面開口を持つ容器と、前記容器の中に充填せしめた水と栄養分を包含したゲル状充填物と、前記ゲル状充填物の上方にて前記植物の茎を支持する支持孔が開けられた支持体を備えたものである。
【0014】
上記構成において、ゲル状充填物が水と栄養分を包含した、寒天、ゼラチン、ハイドロゲル形成性の高分子化合物のいずれかまたはそれらの組み合わせであり、容器内に充填される第1のゲル状充填物と、あらかじめ粒状体に成型され、第1のゲル状充填物中に包含された第2のゲル状充填物を備え、第2のゲル状充填物の含水率を前記第1のゲル状充填物の含水率よりも大きいものとすることが好ましい。
【0015】
また、ゲル状充填物として、第1のゲル状充填物に植物を差し込んだ際にできる差し込み亀裂の付近に撒き入れ、差し込み亀裂からの水分蒸発を防ぐともに、差し込み亀裂からの給水を行う第3のゲル状充填物を備えることも好ましい。
【0016】
上記構成により、第1のゲル状充填物が培地としての硬度を確保しつつ、第2のゲル状充填物により含水量・給水量が大きくなり、また、第3のゲル状充填物により植物の差し込み亀裂付近からの乾燥が防止できる。
なお、植物の運搬・保存・展示の際に、支持体の上面に撒き入れられている第3のゲル状充填物によって差し込み亀裂周辺が覆われやすいように、支持体の上面において周辺から支持孔への傾斜が付けておくことが好ましい。
【0017】
また、上記構成において、前記支持体が、水平板と、前記水平板から下方に向けて延設された安定体を備え、前記水平板を前記ゲル状充填物の表面上に位置するように前記安定体を前記ゲル状充填物内に埋設することにより、前記支持体の移動を制限し、前記支持孔を介した前記植物の茎の支持状態を安定させるものであることが好ましい。例えば、前記安定体が、垂直方向への移動に対して周囲の前記ゲル状充填物との間で抵抗が大きくなる形状と、水平方向への移動に対して周囲の前記ゲル状充填物との間で抵抗が大きくなる形状とを備えたものであることが好ましい。
また、前記安定体にも、前記植物の茎を支持する支持孔が設けられた構造とすることが好ましい。
【0018】
上記構成によれば、容器内にはゲル状充填物が充填されているので茎が簡単に入り込むので短時間かつ簡単に植物を植栽でき、植栽後はゲル状充填物から適度に水分と栄養分の供給を受けることができる。また、上記構成によれば、支持体の支持孔に茎が支持され、その支持体がゲル状充填物内に埋設された安定体により前後左右上下に姿勢が安定し、しっかりと植物の茎を支持できる。また、安定体の中にも植物の茎を支持する支持孔が設けられた構造とすれば、植物の茎を2点以上で支えることができ、より一層植物の姿勢が安定する。
【0019】
安定体の形状例として多様なものがあるが、ゲル状充填物の内部において、前後、左右、上下の各3方向に対して移動を制御するように板体が存在する形状などがある。安定体の形状例は実施例などに詳しく示した。
【0020】
次に、前記容器および前記支持体が透明素材または半透明素材で形成され、外部から前記ゲル状充填物と前記植物が観察可能であるものとすることが好ましい。運搬時には切り花等の植物の状態が容易に確認できる方が好ましく、容器および支持体が透明素材または半透明素材で形成されておれば切り花等の植物の状態を容易に観察することができる。また、保存・展示時には植物が美しく観賞できることが肝要であるが、この構成によれば切り花等の植物が良く見える。
【0021】
ゲル状充填物としては、寒天、ゼラチン、ハイドロゲル形成性の高分子のいずれかまたはそれらの組み合わせなどがある。ここで、「ハイドロゲル形成性の高分子」とは、架橋(crosslinking)構造ないし網目構造を有し、該構造に基づき(その内部に)水を保持することにより、ハイドロゲルを形成可能な性質を有する高分子をいう。また、「ハイドロゲル」とは、高分子からなる架橋ないし網目構造と、該構造中に支持ないし保持された(分散液体たる)水とを少なくとも含むゲルをいう。
【0022】
なお、従来の寒天などのゲル状充填物は、表面から水分が蒸発して乾燥してくると水分が抜け、表面が割れてくるという不具合が発生するので、ゲル状充填物の表面にゲル状充填物表面からの乾燥を防止するオイルを塗布しておけば、ゲル状充填物の表面からの水分の乾燥を防ぐことができる。
【0023】
また、前記容器の上部に取り付け可能であり、その内面形状において内壁面の高さが周囲は低く中央部が高くなっている蓋体を備えた構成であることが好ましい。
このような蓋体を備えることにより、前記容器内で前記ゲル状充填物より上方に出ている植物の花が当該内壁面形状に沿って中央付近に集まった状態で維持しやすくなり、運搬中などに多少植物収納体全体が揺れたり傾いたりしても、植物の花、植物の茎が動きづらくゲル状充填物が割れたりつぶれたりしにくくなる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の植物の運搬・保存・展示に適した植物収納体によれば、容器内にはゲル状充填物が充填されているので茎が簡単に入り込むので短時間かつ簡単に植物を植栽でき、植栽後はゲル状充填物から適度に水分と栄養分の供給を受けることができる。また、上記構成によれば、支持体の支持孔に茎が支持され、その支持体がゲル状充填物内に埋設された安定体により前後左右上下に姿勢が安定し、しっかりと植物の茎を支持できる。また、安定体の中にも植物の茎を支持する支持孔が設けられた構造とすれば、植物の茎を2点以上で支えることができ、より一層植物の姿勢が安定する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の運搬・保存・展示に適した植物収納体の実施例を説明する。なお、本発明はこれらの構成例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0026】
本発明の実施例1に係る植物の運搬・保存・展示に適した植物収納体100について説明する。図1は実施例1にかかる本発明の植物収納体100の構成例を模式的に示す図である。
図1(a)は斜視図、図1(b)は平面図である。図1(a)、図1(b)に示すように、実施例1の植物収納体100は、容器10、ゲル状充填物20、支持体30、水平板31、安定体32、支持孔33を備えている。
図1(c)は支持体30の形状が分かりやすいように、ゲル状充填物20を除いて示した斜視図、図1(d)はその平面図を示している。
【0027】
容器10は、基本形状はカップ状の容器であり、この構成例では大きな上面開口11を持ち内部に後述するゲル状充填物20が充填されたものとなっている。
容器10の素材は、例えばプラスチック素材など運搬・保存に適した軽いものでコストも安いものが好ましい。また、透明素材または半透明素材とすることが好ましい。透明または半透明素材とすると、外部からゲル状充填物と植物が観察可能となる。
【0028】
ゲル状充填物20は、水と栄養分を包含したゲル状の物質であり、容器10の中に充填されている。ゲル状充填物20の素材としては、例えば、寒天、ゼラチン、ハイドロゲル形成性の高分子などがある。それらをブレンドして用いても良い。この例では以下、寒天を例として説明を進める。
ゲル状充填物20には大きな保水力があり、多量の水分を包含している。そのため、ゲル状充填物20内に植物の茎の端面を嵌入すると植物に対して水分を十分に供給することができる。同様に、ゲル状充填物20内に栄養分を添加しておくとゲル状充填物20内に植物の茎を嵌入すると茎の端面から植物に対して栄養分も十分に供給することができる。
【0029】
また、この構成例では、ゲル状充填物20の表面に乾燥を防止するためのオイル25を塗布しておく工夫をしている。ゲル状充填物20は大きな保水力を持っているが、湿度の低い部屋などに置いておくとゲル状充填物20の表面から水分が蒸発し、内部の水分が減少するため表面が割れたりする不具合が生じるが、オイル25を塗布しておくことにより水分の乾燥が防止でき、内部の水分が蒸発することがない。
【0030】
支持体30は、ゲル状充填物20の上方に設けられる構造物であり、この構成例では、水平板31がゲル状充填物20の表面に配置されており、安定体32がゲル状充填物20の中に埋設された状態となっている。
支持体30も素材としては、例えばプラスチック素材など運搬・保存に適した軽いものでコストも安いものが好ましい。また、透明素材または半透明素材とすることが好ましい。透明または半透明素材とすると、上面から支持体30の下方にあるゲル状充填物と植物が観察可能となり、支持体30で隠れてしまうことがない。
【0031】
支持体30の水平板31には植物の茎を支持する支持孔33が開けられている。支持孔33は、切り花等の植物の茎よりも少し大きな径の孔となっている。後述するように、ゲル状充填物20内に植物の茎を嵌入した場合に植物の茎が当接して支えられる構造となっている。
【0032】
安定体32は、水平板31から下方に向けて延設された構造物であり、水平板31をゲル状充填物20の表面上に位置するように安定体32がゲル状充填物20内に埋設される。この安定体32の働きは、ゲル状充填物20内の中で大きな抗力が生じるようになっており、支持体30全体の移動を制限するものとなっている。
【0033】
図2は、支持体30のみを取り出して示した図である。図2(a)は正面図、図2(b)は裏返して見た底面図である。図2に示すように、支持体30には複数の板状体が下方にむけて四方から延設されている。板状体は面積が大きくゲル状充填物20内では大きな抗力を受ける。本発明では、支持体30として一方向にのみ大きな抗力を生じるように安定体32を配するのではなく、複数枚の板状体を用いて、前後左右の水平方向のいずれにおいても大きな抗力が生じるように配されている。図2の構成例では四方向から下方に延設された板状体が4枚設けられ、前後左右に大きな抗力を生じせしめるようになっている。この構成によれば、支持体30は、水平方向への移動に対して周囲のゲル状充填物20との間で抵抗が大きくなる形状となっている。前後左右の方向について移動が制限されるように大きな抗力が生じるものとなっており、支持体30の姿勢はきわめて安定したものとなる。
【0034】
以上が各部の構成である。
なお、植物収納体100の製作にあたり、あらかじめ支持体30を容器内に収めた上で流動状態のゲル素材を流し込んでゲル化してゲル状充填物20として形成して準備しておく。その状態で植物収納体100として供給することができる。植物の茎を支持孔32からゲル状充填物20内に差し込んで嵌入していけば良く、即座に使用することができるものとなっている。
【0035】
図3は植物の茎を支持孔33から差し込んでいき、ゲル状充填物20内に嵌入した様子を示す図である。図3に示すように、植物の茎の先端は容器10の底面まで至り、植物全体は自然に傾いていこうとするが、茎が2カ所の支持孔33の縁に当接して植物の茎がしっかりと支持されることとなる。
【0036】
以上、実施例1にかかる植物収納体100によれば、容器10内にはゲル状充填物20が充填されているので茎が簡単に入り込むので短時間かつ簡単に植物を植栽でき、かつ、植栽後はゲル状充填物20から適度に水分と栄養分の供給を受けることができる。また、支持体30の支持孔33に茎が支持され、その支持体30がゲル状充填物20内に埋設された安定体32により前後左右に姿勢が安定し、しっかりと植物の茎を支持できる。
【実施例2】
【0037】
実施例2の植物収納体100aとして、実施例1に示した植物収納体100とは異なる形状を備えた例を示す。
図4は、実施例2にかかる植物収納体100aの構造を示す図である。図4に示すように、実施例2の構造例では、安定体32aの構造として、前後左右上下すべての方向において大きな抗力が生じるように板体を設けたものとなっている。図5は、支持体30のみを取り出して示した図である。図5(a)は正面図、図5(b)は裏返して見た底面図である。図5に示すように四方向から下方に延設された板状体が4枚設けられており、前後左右に大きな抗力を生じせしめるようになっており、さらにその下端から側方に対して延びる板状体がそれぞれ設けられ、上下に対する抗力を生じせしめるようになっている。
【0038】
この構成によれば、支持体30aは、水平方向への移動に対して周囲のゲル状充填物20との間で抵抗が大きくなる形状と、垂直方向への移動に対して周囲のゲル状充填物20との間で抵抗が大きくなる形状とを備えたものとなっており、前後左右上下すべての方向について移動が制限されるように大きな抗力が生じるものとなっており、支持体30aの姿勢はきわめて安定したものとなる。
【0039】
なお、この構成例においても、安定体32aに植物の茎を支持する支持孔33が開けられている。ゲル状充填物20内に植物の茎を嵌入した場合に、植物の茎が上方では水平板31上の支持孔33と、下方では安定体32aの支持孔33の2ケ所において当接することとなり、より一層安定して支えられる構造となっている。
【0040】
以上、実施例2にかかる植物収納体100aによれば、実施例1と同様、容器10内にはゲル状充填物20が充填されているので茎が簡単に入り込むので短時間かつ簡単に植物を植栽でき、かつ、植栽後はゲル状充填物20から適度に水分と栄養分の供給を受けることができるとともに、支持体30aがゲル状充填物20内に埋設された安定体32aにより前後左右上下のすべての方向に対して姿勢が安定し、しっかりと植物の茎を支持できる。また、安定体32aの中にも植物の茎を支持する支持孔33が設けられた構造とすれば、植物の茎を2点以上で支えることができ、より一層植物の姿勢が安定する。
【実施例3】
【0041】
実施例3の植物収納体100bとして、実施例1に示した植物収納体100または実施例2に示した植物収納体100aとは異なる形状を備えた例を示す。
図6は、実施例3にかかる植物収納体100bの構造を示す図である。また、図7は実施例3にかかる支持体30bのみを取り出して示した図である。図7に示すように、実施例3の構造例では、安定体32bの構造として、前後左右上下すべての方向において大きな抗力が生じるように板体を設けたものとなっており、図7の構成例では、安定体32bの構造として水平板31から下方に多数、この例では3つの水平板体が設けられており、その水平板体の間を柱体が貫通している構造となっている。
【0042】
図7に示すように、水平板31と、安定体32中の3枚の水平板体が設けられているので、支持体30bの上下方向への移動に対しては大きな抗力が生じるものとなっており、また、支持体30bの前後左右方向への移動に対しても水平板体の間を貫通している柱体の面積に応じた抗力が生じるようになっている。ここで、柱体の面積をある程度大きくなるように工夫しておけば十分に大きな抗力が得られることとなる。
【0043】
図8は植物の茎を支持孔33から差し込んでいき、ゲル状充填物20内に嵌入した様子を示す図である。図8に示すように、植物の茎の先端は容器10の底面まで至り、植物全体は自然に傾いていこうとするが、植物の茎が水平体31の支持孔33と安定体32bの水平板体の支持孔33の併せて合計4カ所で当接して支えられる。
【0044】
以上、実施例3にかかる植物収納体100bによれば、実施例1と同様、容器10内にはゲル状充填物20が充填されているので茎が簡単に入り込むので短時間かつ簡単に植物を植栽でき、かつ、植栽後はゲル状充填物20から適度に水分と栄養分の供給を受けることができるとともに、支持体30bがゲル状充填物20内に埋設された安定体32bにより前後左右上下のすべての方向に対して姿勢が安定し、しっかりと植物の茎を支持できる。また、安定体32bの中にも植物の茎を支持する支持孔33が設けられた構造とすれば、植物の茎を4点で支えることができ、より一層植物の姿勢が安定する。
【実施例4】
【0045】
実施例4の植物収納体100cとしてゲル状充填物に工夫を施した例を示す。
図9は、実施例4にかかる植物収納体100cの構造を示す図である。図9(a)は斜視図、図9(b)は平面図となっている。図9に示すように、実施例4の構造例では、ゲル状充填物20cは、第1のゲル状充填物21と第2のゲル状充填物22の2種類のゲル状充填物を備えたものとなっている。
【0046】
第1のゲル状充填物21、第2のゲル状充填物22はともに、水と栄養分を包含した、寒天、ゼラチン、ハイドロゲル形成性の高分子化合物のいずれかまたはそれらの組み合わせであるが、両者は、含水率が異なるものとなっている。
【0047】
第1のゲル状充填物21は、液状にて容器内に充填され、そのままゲル状に固まったものである。成分の組成としては寒天、ゼラチン、ハイドロゲル形成性の高分子化合物などである。
第2のゲル状充填物22は、あらかじめ粒状体に成型されたものである。図9の構成例では、第1のゲル状充填物21中に適度に分散した状態で包含された構造となっている。
【0048】
図9に示す構造のゲル状充填物20aを生成する方法としては限定されないが、例えば、第1の方法としては、液状の第1のゲル状充填物21を容器10内に充填し、第1のゲル状充填物21が固まる前に、あらかじめ粒状に成型されている第2のゲル状充填物22を容器10内に投入し、かき混ぜて適度に分散する状態にて固めるという方法がある。第2の方法としては、あらかじめ粒状に成型されている第2のゲル状充填物22を、液状の第1のゲル状充填物21に入れて混合した混合液を作り、その混合液を容器10内に流し入れて充填し、そのまま固めるという方法がある。また、第3の方法としては、あらかじめ粒状に成型されている第2のゲル状充填物22を容器10内に入れた後、液状の第1のゲル状充填物21を容器10内に充填し、固めるという方法がある。いずれの方法であっても、第1のゲル状充填物21と第2のゲル状充填物22の比重が近いものであれば、粒状である第2のゲル状充填物22が液状である第1のゲル状充填物21中において適度に分散しやすくなる。
【0049】
次に、第1のゲル状充填物の含水率と第2のゲル状充填物の含水率について述べる。この構成例では、第2のゲル状充填物の含水率A2が、第1のゲル状充填物の含水率A1よりも大きいものとする。このように、第2のゲル状充填物22の含水率A2を第1のゲル状充填物21の含水率A1よりも大きいものとすることにより、植物200の支持体となる第1のゲル状充填物21の硬度をある程度上げることができるというメリットが得られる。
【0050】
第1のゲル状充填物21の硬度と含水率は反比例の関係にある。つまり、植物200への給水量を増やすために第1のゲル状充填物21の含水率を上げて水分量を増やすと第1のゲル状充填物21の硬度が小さくなり、植物200の支持体としては不十分な硬度となってしまう場合がある。一方、植物200の支持体として十分な硬度を得るために第1のゲル状充填物21の含水率を下げると、植物200への給水量が不十分となり、植物200の培地としては不十分な給水力しか得られない。しかし、本発明では、第1のゲル状充填物21の中に粒状の第2のゲル状充填物22が分散された構造となっており、第1のゲル状充填物21の含水率と第2のゲル状充填物22の含水率を異なるものとすることができる。そこで、第1のゲル状充填物21の含水率は、植物200の支持体として十分な硬度を得られる程度の含水率に抑える一方、第2のゲル状充填物22の含水率を上げて十分な保水性を持たせておき、第2のゲル状充填物22から周囲の第1のゲル状充填物21に対して徐々に水分を放出して、植物200まで常に行きわたるようにすることができる。
【0051】
図9(c)は、支持体30の支持孔33から第1のゲル状充填物21内に差し込んだ植物200に対する給水の様子を概念的に示す図である。含水率の高い第2のゲル状充填物22から周囲に水分が徐々に放出されてゆき、第1のゲル状充填物21に供給され、さらに、植物200に給水されてゆく。植物200の茎から水分が吸収され、葉から蒸散するにつれ、茎に触れている第1のゲル状充填物21から水分が失われて行くが、含水率の高い第2のゲル状充填物22から第1のゲル状充填物21に対して十分に水分が給水されて行く。
【実施例5】
【0052】
実施例5の植物収納体100dとしてゲル状充填物に工夫を施した例を示す。
図10は、実施例5にかかる植物収納体100dの構造を示す図である。図10(a)は斜視図、図10(b)は平面図、図10(c)は断面図となっている。図10に示すように、実施例5の構造例では、支持体30dの上面は、周辺部分から中央の支持孔33への傾斜が付けられたものとなっている。また、ゲル状充填物20dは、実施例4で説明した第1のゲル状充填物21と第2のゲル状充填物22に加え、第3のゲル状充填物23の3種類のゲル状充填物を備えたものとなっている。
【0053】
支持体30dは、実施例1から実施例3などにおいて示した支持体30、支持体30a、支持体30bなどと同様、水平板31dと安定体32dと支持孔33dなどを備え、水平板31dがゲル状充填物20の表面に配置され、安定体32dがゲル状充填物20の中に埋設され、容器10内に充填されたゲル状充填物(ここでは第1のゲル状充填物21)の上面を覆い、ゲル状充填物表面から蒸発を抑えるとともに、植物200を支えるものとなっているが、水平板31dの上面の形状が異なっている。
【0054】
この構成例では、図10(c)に示すように、支持体30dの上面は、周辺部分から中央の支持孔33へ傾斜が付けられたものとなっている。このように、支持体30dの上面に周辺部分から中央の支持孔33へ傾斜が付けられていることにより、後述するように、粒状の第3のゲル状充填物23を支持体30dの上面に投入した際、支持体30dの上面の傾斜に沿って第3のゲル状充填物23が中央の支持孔33に集まる仕組みとなっている。
【0055】
支持体30dの上面に設けられた傾斜の角度は特に限定されないが、粒状の第3のゲル状充填物23が中央の支持孔33に有効に集まるような角度とすることが好ましい。
なお、支持体30dの底面は、第1のゲル状充填物21の表面に密着しやすいように略水平のままが好ましい。
【0056】
次に、ゲル状充填物20dは、この構成例では、実施例3で説明した第1のゲル状充填物21、第2のゲル状充填物22に加え、第3のゲル状充填物23を備えたものとなっている。
第3のゲル状充填物23は、あらかじめ粒状に成型されたゲル状物質であり、成分の組成としては寒天、ゼラチン、ハイドロゲル形成性の高分子化合物などで良い。この構成例では、第2のゲル状充填物22と同様のものとした。含水率も第2のゲル状充填物22と同様に高いものであることが好ましい。
【0057】
第3のゲル状充填物23は、容器10の中に第1のゲル状充填物21と第2のゲル状充填物22を充填して形成し、支持孔33dから第1のゲル状充填物21に対して植物200を差し込んだ後、支持体30dの上面に流し込まれる。
【0058】
図11は、支持体30dの上面に第3のゲル状充填物23を流し込み、第1のゲル状充填物21に生じている植物200の差し込み亀裂を第3のゲル状充填物23が覆う様子を示す図である。
図11(a)に示すように、支持孔33dから第1のゲル状充填物21に対して植物200を差し込むと、第1のゲル状充填物21が裂けて亀裂が生じてしまう。この亀裂を中心に乾燥が進み、放っておけば第1のゲル状充填物21が割れやすくなってしまう。
そこで、本実施例5では、図11(a)に示すように支持体30dの上面に第3のゲル状充填物23を流し込む。流し込まれた第3のゲル状充填物23は、図11(a)から図11(b)に示すように第3のゲル状充填物23は支持体30dの上面の傾斜に沿って、中央の支持孔33dに向けて集まってゆく。
【0059】
支持体30dの中央の支持孔33d直下には植物200の差し込み亀裂が存在しており、第3のゲル状充填物23が差し込み亀裂の付近を覆い、差し込み亀裂からの水分蒸発を防ぐともに、差し込み亀裂から第3のゲル状充填物23から植物200の茎に給水を効果的に行うことができる。
【0060】
上記のように、支持体30dの上面の傾斜を設けておくことにより、植物200の運搬・保存・展示の際に、容器10の姿勢が傾いたり揺れたりした場合であっても、支持体30dの上面に撒き入れられている第3のゲル状充填物23は常に差し込み亀裂周辺に集まり、差し込み亀裂が第3のゲル状充填物23により覆われやすいようになる。
【実施例6】
【0061】
実施例6の植物収納体100eとして蓋体を設けた工夫を施した例を示す。
図12は、実施例6にかかる植物収納体100eの構造を示す図である。図12は、断面において示した図となっている。図12に示すように、実施例6の構造例では、容器10の上面開口に嵌める縁部を持つ蓋体40が設けられている。つまり、容器10の上縁部分に縁部を嵌め合わせることにより取り付け可能な構造となっている。
【0062】
ここで、蓋体40は、その内面形状において内壁面の高さが周囲は低く中央部が高くなっている。図12の例では、内面形状がいわゆるドーム状となっており、中央部分は高くなっており、周囲に行くに従って高さが低くなっている。このような内面形状の蓋体40を用いることにより、植物200の花などは中央付近に集まりやすくなる。つまり、植物200の花はある程度大きさを持つものなので、傾くと花の部分が内壁面に当接するので傾くことなく、高さに余裕がある中央付近に集まった状態で安定しやすくなる。
このような蓋体40を用いることにより、容器のゲル状充填物に突き刺した植物200が蓋体40の内壁面に沿って姿勢が制御され、真っ直ぐ屹立した状態で維持しやすくなる。
【0063】
また、花が中央に集まった状態で蓋体40の内壁面に適度に当接した状態であれば、植物200が植物収納体100e内で過剰に遊ぶことなく、植物200の運搬中などに多少植物収納体100e全体が揺れたり傾いたりしても、植物200の花のみならず植物200の茎が揺れ動いたりすることはない。植物200の茎が揺れ動いたりすれば、植物200の茎が突き刺さっている周囲のゲル状充填物30を割れたり潰れたりする不具合が発生しにくくなる。
【0064】
図13は蓋体の参考図である。図13に示すように、植物200の運搬中の目視や、植物の保存中の鑑賞のため、蓋体40は透明素材または半透明素材で形成されることが好ましい。なお、図13は蓋体40の形状の一例を示すための図であって、本発明の植物収納体100は図13の形状には限定されないことは言うまでもない。
【0065】
以上、本発明の植物収納体の構成例における好ましい実施例を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の植物収納体は、運搬・保存・展示に適した植物収納体に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】実施例1にかかる本発明の植物収納体100の構成例を模式的に示す図
【図2】実施例1の支持体30のみを取り出して示した図
【図3】実施例1にかかる植物収納体100に対して植物の茎を支持孔33から差し込んでいき、ゲル状充填物20内に嵌入した様子を示す図
【図4】実施例2にかかる植物収納体100aの構成例を模式的に示す図
【図5】実施例2の支持体30aのみを取り出して示した図
【図6】実施例3にかかる植物収納体100bの構成例を模式的に示す図
【図7】実施例3の支持体30bのみを取り出して示した図
【図8】実施例3にかかる本発明の植物収納体100に対して植物の茎を支持孔33から差し込んでいき、ゲル状充填物20内に嵌入した様子を示す図
【図9】実施例4にかかる植物収納体100cの構造を示す図
【図10】実施例5にかかる植物収納体100dの構造を示す図
【図11】支持体30dの上面に第3のゲル状充填物23を流し込み、第1のゲル状充填物21に生じている植物200の差し込み亀裂を第3のゲル状充填物23が覆う様子を示す図
【図12】実施例6にかかる植物収納体100eの構造を示す図
【図13】蓋体の参考図
【符号の説明】
【0068】
10 容器
20 ゲル状充填物
21 第1のゲル状充填物
22 第2のゲル状充填物
23 第3のゲル状充填物
25 オイル
30 支持体
31 水平板
32 安定体
33 支持孔
34 水平板体
40 蓋体
100 植物収納体
200 植物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
切り花等の植物を収納する収納体であって、上面開口を持つ容器と、前記容器の中に充填せしめた前記植物の培地となるゲル状充填物と、前記植物の茎を支持する支持孔が開けられた支持体を備え、前記植物の運搬・保存・展示に適した植物収納体。
【請求項2】
前記ゲル状充填物が水と栄養分を包含した、寒天、ゼラチン、ハイドロゲル形成性の高分子化合物のいずれかまたはそれらの組み合わせであり、
前記容器内に充填される第1のゲル状充填物と、あらかじめ粒状体に成型され、前記第1のゲル状充填物中に包含された第2のゲル状充填物を備え、前記第2のゲル状充填物の含水率を前記第1のゲル状充填物の含水率よりも大きいものとしたことを特徴とする請求項1に記載の植物収納体。
【請求項3】
前記ゲル状充填物として、前記第1のゲル状充填物に前記植物を差し込んだ際にできる差し込み亀裂の付近に撒き入れ、前記差し込み亀裂からの水分蒸発を防ぐともに、前記差し込み亀裂からの給水を行う第3のゲル状充填物を備えた請求項2に記載の植物収納体。
【請求項4】
前記植物の運搬・保存・展示の際に、前記支持体の上面に撒き入れられている前記第3のゲル状充填物によって前記差し込み亀裂周辺が覆われやすいように、前記支持体の上面において周辺から前記支持孔への傾斜が付けられたものであることを特徴とする請求項3に記載の植物収納体。
【請求項5】
前記支持体が、水平板と、前記水平板から下方に向けて延設された安定体を備え、前記水平板を前記ゲル状充填物の表面上に位置するように前記安定体を前記ゲル状充填物内に埋設することにより、前記支持体の移動を制限し、前記支持孔を介した前記植物の茎の支持状態を安定させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の植物収納体。
【請求項6】
前記安定体が、垂直方向への移動に対して周囲の前記ゲル状充填物との間で抵抗が大きくなる形状と、水平方向への移動に対して周囲の前記ゲル状充填物との間で抵抗が大きくなる形状とを備えたものである請求項5に記載の植物収納体。
【請求項7】
前記安定体にも、前記植物の茎を支持する支持孔が設けられた請求項5または6に記載の植物収納体。
【請求項8】
前記容器および前記支持体が透明素材または半透明素材で形成され、外部から前記ゲル状充填物と前記植物が観察可能である請求項1から7のいずれか1項に記載の植物収納体。
【請求項9】
前記ゲル状充填物の表面に、前記ゲル状充填物表面からの乾燥を防止するオイルを塗布した請求項1から8のいずれか1項に記載の植物収納体。
【請求項10】
前記容器の上部に取り付け可能であり、その内面形状において内壁面の高さが周囲は低く中央部が高くなっている蓋体を備え、前記容器内で前記ゲル状充填物より上方に出ている植物の花が当該内壁面形状に沿って中央付近に集まった状態で維持しやすくしたことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の植物収納体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2011−37515(P2011−37515A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−11278(P2010−11278)
【出願日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(598086637)株式会社萬盛スズキ (6)
【Fターム(参考)】