説明

植物への液体注入方法及び液体注入装置

【課題】注入針を植物に刺した場合に植物の中身が注入孔に詰まってしまうようなことを防止できて、植物内への液体注入作業の確実性を向上可能な植物への液体注入方法及び液体注入装置を提供する。
【解決手段】植物の内部に液体を注入するための注入針を備えた液体注入装置において、注入針24は、液体供給源から加圧されて供給される液体を受ける受口28と、受口で受けた液体を注入針の先端方向に導く内部流路29と、当該内部流路と注入針の外周面30とに貫通する注入孔31とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物に除草剤等の液体を注入する液体注入方法及び液体注入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、雑草のような除草対象の植物を除去するため除草剤を散布していたが、除草剤を散布すると環境汚染が懸念されるため、植物内に除草剤を注入して植物を枯らす技術が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−113474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、注入針(注入管)の先端に注入孔が設けられているため、注入針を植物に刺した場合に植物の中身が注入孔に詰まってしまって、注入孔から植物内に除草剤などの液体が注入されなくなってしまうといった課題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、注入針を植物に刺した場合に植物の中身が注入孔に詰まってしまうようなことを防止できて、植物内への液体注入作業の確実性を向上可能な植物への液体注入方法及び液体注入装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る植物への液体注入方法は、植物に注入針を突き刺して注入針の内部に形成された内部流路経由で植物内に液体を注入する液体注入方法であって、注入針に注入針の外周面と内部流路とに貫通する注入孔を設け、当該注入孔を介して液体を注入針の外周面から植物内に注入したので、注入針を植物に刺した場合に植物の中身が注入孔に詰まってしまうようなことを防止でき、植物内への液体注入作業の確実性を向上できる。
本発明に係る植物への液体注入装置は、植物の内部に液体を注入するための注入針を備えた液体注入装置において、注入針は、液体供給源から加圧されて供給される液体を受ける受口と、受口で受けた液体を注入針の先端方向に導く内部流路と、当該内部流路と注入針の外周面とに貫通する注入孔とを備えたので、注入針を植物に刺した場合に植物の中身が注入孔に詰まってしまうようなことを防止でき、植物内への液体注入作業の確実性を向上できる。
注入針は、径寸法が一定の軸部と、軸部の一端に設けられて植物に突き刺すために先鋭に形成された先端部とを備え、受口と内部流路と注入孔とが軸部に形成されたので、注入針を植物の茎に突き刺した場合に、植物の中身が軸部の外周面上を移動するので、植物の中身が注入孔に入り難くなる。よって、植物内への液体注入作業の確実性がより向上する。
液体供給源と受口とを繋ぐ液体供給路と、液体供給路を開閉する開閉体を有した開閉装置と、開閉体による液体供給路の開閉を操作するための操作レバーとを備えたので、操作レバーを操作することによって、植物内への液体注入動作及び注入停止動作を簡単に行える。
植物を注入針の先端に引寄せる引寄せ部材を備え、当該引寄せ部材と操作レバーとが連動するように連結され、操作レバーは、引寄せ部材を注入針の先端に近付けるように動作させるとともに液体供給路を開くように開閉体を動作させるので、操作レバーを操作することによって、引寄せ部材で植物を注入針の先端に近付けて注入針を植物に刺すことができるとともに注入孔から液体を噴射させて植物内に液体を注入できるようになるので、植物内への液体注入動作を簡単に行える。
引寄せ部材が、注入針の中心軸線を中心として左右対称に設けられたので、左右の引寄せ部材の間に植物の茎を位置させてから操作レバーを操作することにより、左右の引寄せ部材で植物の茎を左右から注入針の先端に確実に近付けることができる。つまり、植物の茎を注入針の先端に近付ける動作の確実性が増すので、液体注入作業を効率的に行える。
引寄せ部材により注入針の先端側に引寄せられた植物を注入針の先端に導くガイドを備えたので、植物の茎を注入針の先端に近付ける動作の確実性がより向上し、注入作業をより効率的に行えるようになる。
引寄せ部材が、植物をガイドに押し付けることにより、植物を折り曲げる力を植物に付与するので、茎の折れ曲がった部分に液体を注入でき、植物内部への液体注入動作の確実性が増すとともに、植物の茎を折り曲げることにより、この茎の折れ曲がった部分から植物の体液が浸出し、植物の体液と液体とが混合して植物の根に移動するようになるので、植物内に注入した液体の効果が早く現れるようになる。また、植物内部への液体注入後は、植物の茎の折れ曲がった形が残るので、植物の茎の折れ曲がっているか否かを見て液体注入済みか否かを容易に判別できるようになり、作業の効率化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】(a)は液体供給装置の斜視図、(b)は注入針の断面図(=注入針の中心軸線に沿った断面)(実施形態1)、(c)は注入針の断面図(実施形態7)。
【図2】液体供給装置の断面図(実施形態1)。
【図3】引寄せ部の分解斜視図(実施形態1)。
【図4】(a)は噴射部及びガイドの分解斜視図、(b)は噴射部;引寄せ部;ガイドが組み付けられた液体供給装置の先端部を示す斜視図(実施形態1)。
【図5】液体供給装置を先端側より見た図(実施形態1)。
【図6】液体供給装置の先端部を示す平面図(実施形態1)。
【図7】除草剤加圧装置の動作を示す断面図(実施形態1)。
【図8】開閉装置の動作を示す断面図(実施形態1)。
【図9】操作レバーの動作説明図(実施形態1)。
【図10】液体供給装置の動作を示す平面図(実施形態1)。
【図11】液体供給装置の動作を示す断面図(実施形態1)。
【図12】開閉装置の動作を示す断面図(実施形態2)。
【図13】液体供給装置の断面図(実施形態3)。
【図14】液体供給装置の先端部を示す平面図(実施形態4)。
【図15】液体供給装置の先端部を示す平面図(実施形態5)。
【図16】液体供給装置の先端部を示す平面図(実施形態6)。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態1.
図1に示すように、実施形態1における除草装置1は、液体供給源及び液体加圧装置としての除草剤加圧装置2と、植物への液体供給装置としての除草剤注入装置3と、除草剤加圧装置2から除草剤注入装置3に液体としての除草剤を供給するための加圧装置側供給路4とを備える。除草剤注入装置3の形成材料は特に限定されないが、例えば、合成樹脂や金属などにより形成される。
【0008】
除草剤加圧装置2は、加圧式噴霧器により形成される。
除草剤注入装置3は、外装体5と、除草剤供給路を開閉する開閉装置6と、注入装置側供給路7と、噴射部8と、引寄せ部9と、ガイド10と、操作レバー11とを備える。
【0009】
外装体5は、基体12と延長体13とにより構成される。
基体12は、一端側がグリップ(握手)部14に形成され、他端に延長体13が取付けられる。基体12は、例えば、三方が覆われた内側空間15を有する。
基体12の中間部には操作レバー11が取付けられる。操作レバー11は、回転中心軸16を介してグリップ部14に近付く方向A及びグリップ部14から離れる方向Bに回転可能なように基体12に取付けられた銃の引き金(トリガー)のような構成であり、片手で操作可能である。
延長体13は、基体12の他端(先端)より銃の銃身のように直線状に延長する筒体(例えば円筒)により形成される。
操作レバー11及び基体12は例えば合成樹脂により形成される。
【0010】
開閉装置6は、グリップ部14の内側空間15に収納された状態でグリップ部14に固定される。開閉装置6は、加圧装置側供給路4と注入装置側供給路7とを連通させる開閉供給路17と、開閉供給路17を開閉する開閉体18とを備える。
開閉体18は、図8(a)に示すように、操作レバー11で押圧されていない場合には、戻しばね17aのばね力によって開閉供給路17の開閉口17bを閉塞した状態となっており、図8(b)に示すように、操作レバー11で押圧された場合には、戻しばね17aのばね力に抗して開閉供給路17の開閉口17bを開放する状態となる。
【0011】
加圧装置側供給路4及び注入装置側供給路7は、例えば、円筒状の可撓性チューブにより形成される。そして、加圧装置側供給路4の一端開口と除草剤加圧装置2の除草剤出口19とが連通可能に繋がれ、加圧装置側供給路4の他端開口と開閉供給路17の除草剤受口20とが連通可能に繋がれ、注入装置側供給路7の一端開口と開閉供給路17の除草剤出口21とが連通可能に繋がれ、注入装置側供給路7の他端開口と後述する注入針24の受口28とが連通可能に繋がれる。
即ち、加圧装置側供給路4と開閉供給路17と注入装置側供給路7とにより、除草剤加圧装置2から液体注入装置3の噴射部8に加圧された除草剤を供給するための液体供給路23が形成され、この液体供給路23が開閉体18により開閉される。
【0012】
噴射部8は、延長体13の他端(先端)32に設けられる。
噴射部8は、注入針24と、注入針固定部25とを備える。
注入針24は、径寸法が一定の軸部26と、軸部26の一端に設けられて植物に突き刺すために先鋭に形成された先端部27とを備える。軸部26は、除草剤加圧装置2から供給される液体を受ける受口28と、受口28で受けた除草剤を注入針24の先端方向に導く内部流路29と、当該内部流路29と軸部26の外周面30とに貫通する注入孔31とを備える。
注入孔31の数は、1個以上である。注入孔31の径寸法は、例えば0.3mm程度である。また、注入孔31は、注入孔31の中心軸線が、軸部26の中心軸線と直交するように形成される。
注入針24の先端部27は、例えば、軸の一端部を円錐面等の錐面形状に形成して先端を尖らせた構成や、軸の一端部を斜めに切断して先端を尖らせた構成により形成される。
【0013】
注入針24は、軸部26の中心軸線と延長体13の筒の中心軸線とが一致するように設置される。これにより、延長体13の筒の延長方向と植物の茎Pの延長方向とを交差させて延長体13の先端を植物に押し当てることで、注入針24を植物の茎Pに容易に突き刺すことができるようになる。
また、注入針24は、径寸法が一定の軸部26を備え、軸部26の内部流路29と軸部26の外周面30とに貫通するとともに中心軸線が軸部26の中心軸線と直交する注入孔31を備えるため、軸部26の中心軸線に沿った方向となる注入針24の植物内での注入針24の進行方向と注入孔31の中心軸線とが必ず直交する。このため、注入針24を植物の茎Pに突き刺した場合に、植物の中身は軸部26の外周面30上を移動するので、植物の中身が注入孔31に入り難くなり、注入孔31に詰まらないようになる。よって、注入孔31を介して確実に植物内に除草剤を注入できるようになる。
また、茎Pが細い植物の場合、従来のように注入針の先端に注入孔があると、注入針の先端が茎Pを突き抜けてしまって植物内に除草剤を注入できない問題があったが、実施形態1では、注入針24の先端が茎Pを突き抜けてしまっても注入孔31が植物内に留まる可能性が高くなるので、従来に比べて、茎Pが細い植物に対しても植物内に除草剤を効率的に注入できるようになる。
【0014】
引寄せ部9は、延長体13の他端32に設けられる。引寄せ部9は、植物を注入針24の先端に引寄せる引寄せ部材33と、延長体13の他端32に取付けられて引寄せ部材33を回転可能に支持する支持部材34とを備える。
引寄せ部材33と操作レバー11とが連動するように引寄せ部材33と操作レバー11とが引張体35により連結される。
【0015】
従って、操作者が操作レバー11をグリップ部14に近付く方向Aに回転するよう操作することにより、引寄せ部材33が操作レバー11で引っ張られた引張体35により注入針24の先端に近付く方向に回転するよう動作するとともに、操作レバー11が開閉体18を押圧して開閉体18が開閉供給路17を開くように動作する。
【0016】
図3に示すように、引寄せ部9の支持部材34は、平面視Y字型に形成された板材(プレート)により構成される。支持部材34は、延長体13の他端32の開口39を介して延長体13の筒内に入り込んで延長体13の他端部に固定されるY字の下部分に相当する固定部40と、延長体13の他端32より突出するY字の上部二股部分に相当する部材取付部41とを備える。即ち、支持部材34は、Y字の下部分に相当する固定部40が延長体13の他端部に固定された場合に、部材取付部41のY字の上部における二股に分かれて延長する左右の翼部42;42が延長体13の中心軸線aを中心として左右の前方に延長する構成である(図4(a)参照)。
固定部40と延長体13の他端32との固定構造は、延長体13の他端32及び固定部40に形成されたボルト通し孔43;44と、これらボルト通し孔43;44に通されるボルト45と、これらボルト通し孔43;44に通されたボルト45の先端部に締結されるナット46aとにより構成される(図3参照)。
除草剤注入装置3において操作レバー11が設けられている側を下側とすると、支持部材34は、延長体13の中心軸線aを中心として上下対称に2個設けられる。
上下一対の支持部材34;34の各部材取付部41;41の左右の翼部42;42の先端側に引寄せ部材33;33がそれぞれ回転可能に取付けられる。
【0017】
図3に示すように、引寄せ部材33は、回転体46と、アーム47とを備える。
回転体46は例えば円柱形状に形成され、回転支持軸48が円柱の両端面の円の中心より突出するように設けられる。アーム47は、回転体46の円周面より突出するように上下2段に設けられる。アーム47は、植物の茎Pに接触して茎Pを注入針24の先端側に引寄せる直線接触部49を備える。
引寄せ部材33の回転体46の両端面より突出する回転支持軸48が上下一対の支持部材34;34の左右の翼部42;42の先端部に形成された軸受孔50に装着されることによって、左右一対の引寄せ部材33;33が支持部材34に回転可能に取付けられる。
【0018】
引張体35は、先端側二股延長ワイヤ部51と、操作レバー側ワイヤ部52と、先端側二股延長ワイヤ部51の一端と操作レバー側ワイヤ部52の他端とを連結する連結部53とにより構成される。先端側二股延長ワイヤ部51の左右の両端部54;54がそれぞれ左右の引寄せ部材33;33の回転体46;46に連結される。例えば、回転体46には、回転体46の中心を横切るように互いに180度離れた回転体46の円周面に貫通する貫通孔55が形成されるとともに、この貫通孔55と直交して貫通孔55と回転体46の円周面とに貫通するねじ孔56が形成される。
そして、先端側二股延長ワイヤ部51の左右の各端部54;54が左右の回転体46;46の貫通孔55;55にそれぞれ通され、貫通孔55に通されたワイヤ部分をねじ孔56に挿入螺着された止めねじ58の先端で貫通孔55の孔壁に押し付けることにより先端側二股延長ワイヤ部51の左右の各端部54;54がそれぞれ回転体46;46に固定される。先端側二股延長ワイヤ部51の左右の各端部54;54は、貫通孔55内で止めねじ58で固定された後に回転体46の円周面に巻き付けられる。そして、先端側二股延長ワイヤ部51の中間部が連結部53に繋がれるとともに、操作レバー側ワイヤ部52の他端部が連結部53に繋がれ、図2に示すように操作レバー側ワイヤ部52の一端部が操作レバー11のワイヤ連結部11aに連結される。
【0019】
連結部53は、例えば、操作レバー側ワイヤ部52の他端部に形成された一方止め孔部59に連通する一方孔60と先端側二股延長ワイヤ部51の中間部に形成された他方止め孔部61に連通する他方孔62とを備えた二孔ワッシャ63;63と、二孔ワッシャ63の一方孔60及び一方止め孔部59の孔に挿入される一方ボルト64と、一方ボルト64の先端に締結される一方ナット65と、二孔ワッシャ63の他方孔62及び他方止め孔部61の孔に挿入される他方ボルト66と、他方ボルト66の先端に締結される他方ナット67とにより構成される。
【0020】
上下一対の支持部材34;34は、左の翼部42と右の翼部42との間に位置する中間部70に設けられたボルト通し孔71と、上下のボルト通し孔71;71に通される連結ボルト69と、上下のボルト通し孔71;71に通された連結ボルト69の先端部に締結されたナット72とからなる連結部73Aにより連結される。
【0021】
36は戻しばねであり、この戻しばね36の一端に形成された係止環状部68が、上下一対の支持部材34;34を連結する連結ボルト69に係止され、戻しばね36の他端に形成された係止環状部74が回転体46に巻き付けられたワイヤ部分に係止されることによって、引張体35及び回転体46と支持部材34とが戻しばね36により連結される。即ち、戻しばね36の係止環状部74は、係止環状部74の先端側が回転体46に巻き付けられたワイヤ部分と回転体46の外周面との間に挿入されてワイヤ部分に係止される。
【0022】
支持部材34と引寄せ部材33とには、互いに係止し合う係止部37;38が設けられる、係止部37;38が係止し合うことで、引寄せ部材33が初期位置に止まるように構成されている。
支持部材34に設けられる係止部37は、例えば、部材取付部41を貫通して回転体46の円周面側に突出するボルト軸により形成される。引寄せ部材33に設けられる係止部38は、例えば、回転体46の円周面より突出するように設けられた係止片により形成される。
【0023】
図4(a)に示すように、噴射部8の注入針固定部25及びガイド10が、支持部材34における左の翼部42と右の翼部42との間に位置する中間部70に固定される。この中間部70、注入針固定部25、ブーメラン形状に形成されたガイド10のそれぞれには、固定ボルト73を通すためのボルト通し孔74;75;76が形成される。
【0024】
上のガイド10は、上の支持部材34の中間部70の上方に配置され、下のガイド10は、下の支持部材34の中間部70の下方に配置される。上のガイド10のボルト通し孔76と上の中間部70のボルト通し孔74との間にはガイド10と中間部70とを隔離するための上筒体77が設けられ、下のガイド10のボルト通し孔76と下の中間部70のボルト通し孔74との間にはガイド10と中間部70とを隔離するための下筒体78が設けられる。
【0025】
注入針固定部25は、上の中間部70と下の中間部70との間に配置される。注入針固定部25のボルト通し孔75の上部開口と上の中間部70との間には注入針固定部25と中間部70とを隔離するための上筒体79が設けられ、注入針固定部25のボルト通し孔75の下部開口と下の中間部70との間には注入針固定部25と中間部70とを隔離するための下筒体80が設けられる。
【0026】
以上の構成において、固定ボルト73を、上のガイド10のボルト通し孔76、上筒体77の筒孔、上の中間部70のボルト通し孔74、上筒体79の筒孔、注入針固定部25のボルト通し孔75、下筒体80の筒孔、下の中間部70のボルト通し孔74、下筒体78の筒孔、下のガイド10のボルト通し孔76に通して、これら孔に通された固定ボルト73の先端にナット81が締結されることによって、噴射部8の注入針固定部25及びガイド10が、支持部材34の中間部70に固定される。
【0027】
図4(b)に示すように、ガイド10は、中間部70に固定された状態において、延長体13の中心軸線aを中心として左右の前方に延長する左右の翼部82;82を備えた構成となる。左右の翼部82;82の各前側傾斜直線部83;83のなす角度は、支持部材34における左右の翼部42;42の各前側傾斜直線部83;83のなす角度なす角度よりも小さい。
【0028】
注入針固定部25は、中間部70に固定された状態において前端面85と後端面86とに貫通する貫通孔87を備える。中間部70に固定された状態において、この貫通孔87の中心軸線と延長体13の中心軸線a(図3参照)とが一致する。
そして、注入針24は、連結部材88を介して注入針固定部25に固定される。連結部材88は、内部に注入針24の内部流路29と連通する連通路を有した柱状体により形成され、注入針24の後端部に一体化されている。連結部材88が注入針固定部25の前端面85側から貫通孔87内に嵌め込まれて図外の止ねじ等で固定されることによって、注入針24が注入針固定部25に固定され、これにより、注入針24の中心軸線と延長体13の中心軸線aとが一致するように、かつ、注入孔31が下側に位置するように、注入針24が支持部材34の中間部70に固定される(図5参照)。
このように、噴射口となる注入孔31の開口31t(図1(b)参照)が下側を向くように注入針24が固定されたので、グリップ部14及び操作レバー11を握って注入針24を植物に差し込むと注入孔31の開口31tが下を向くため、注入針24を植物の茎Pに突き刺した場合に、植物の中身が注入孔31により入り難くなり、注入孔31の詰まり防止効果が高まるとともに、植物の根に向けて除草剤を噴射できるので、除草効果が高まる。
【0029】
また、注入装置側供給路7の他端開口が連結部材89を介して注入針固定部25に固定される(図3参照)。連結部材89は、内部に貫通孔87と連通する連通路を有した柱状体により形成される。注入装置側供給路7の他端開口が連結部材89の連通路の一端と連通するように繋がれ、この連結部材89の連通路の他端側が注入針固定部25の後端面86側から貫通孔87内に嵌め込まれて連結部材89が図外の止ねじ等で固定されることによって、注入装置側供給路7の他端開口と注入針24の受口28とが注入針固定部25の貫通孔87を介して連通可能に繋がれ、これにより、加圧された除草剤が液体供給路23、注入針固定部25の貫通孔87、注入針24の内部流路29を経由して注入孔31の開口31tより噴射可能となる。
【0030】
注入針24は、先端がガイド10の左右の翼部82;82の各前側傾斜直線部83;83の境界部よりも前方に突出するように設置される。
このように注入針24が設置されたことにより、図10;11に示すように、左のアーム47と右のアーム47との間に植物の茎Pを入れ、操作者が操作レバー11をグリップ部14に近付く方向Aに回転するよう操作して、引寄せ部材33のアーム47が注入針24の先端に近付く方向に回転した場合、アーム47により注入針24の先端側に引寄せられた植物の茎Pが、ガイド10の翼部82の前側傾斜直線部83にガイドされて注入針24の先端側に移動しながらアーム47の直線接触部49とガイド10の翼部82の前側傾斜直線部83とに挟まれて折れ曲がり、この折れ曲がった部分に注入針24が突き刺さるようになる。
よって、植物の茎Pを折り曲げるとともに、この茎Pの折れ曲がった部分に注入孔31を介して除草剤を注入できるようになるので、植物の内部に除草剤を確実に注入できる。
また、植物の茎Pを折り曲げると、この茎Pの折れ曲がった部分から植物の体液が浸出し、植物の体液と除草剤とが混合して植物の根に移動するようになり、植物に対する除草剤の効果が早く現れるので、植物を効果的に枯らすことができ、除草効果を向上できる。
また、植物内部への除草剤の注入後は、植物の茎Pの折れ曲がった形が残るので、植物の茎Pの折れ曲がっているか否かを見て除草剤注入済みか否かを容易に判別できるようになり、作業の効率化が図れる。
【0031】
以上のように、延長体13の先端に取付けられた支持部材34及びこの支持部材34に固定された噴射部8;引寄せ部材33;ガイド10;戻しばね36などにより、除草剤注入装置3の先端部が構成される。除草剤注入装置3の先端部及び延長体13は、例えば金属により形成される。
【0032】
図9に示すように、操作レバー11には回転可能なストッパ90が設けられ、基体12にはストッパが係止する係止部91が設けられる。即ち、操作レバー11をグリップ部14に近付く方向Aに回転するよう操作して、操作レバー11で開閉体18を押圧して開閉供給路17の開閉口17bを開放した操作状態(図8(b)参照)において、ストッパ90を係止部91に係止させることにより、当該操作状態を維持できるように構成されるので、注入作業を長時間行う場合に操作レバー11を握り続ける必要がなくなり、作業負担が軽減される。また、ストッパ90を係止部91に係止させることにより、図10(c)に示すように、引寄せ部材33;33が注入針24に近付いた状態、即ち、引寄せ部材33;33が閉じた状態に維持されるので、全長が短くなって収納が容易となるとともに、引寄せ部材33;33や注入針24の先端に手が触れたりすることを防止できるようにもなる。
【0033】
図7に示すように、除草剤加圧装置2は、容器100と、加圧手段110とを備える。
容器100は植物に供給する除草剤を貯留する内部空間101を有した上部開放型に形成される。
加圧手段110は、容器100内の内部空間101を加圧して容器100より加圧装置側供給路4に除草剤を供給するために用いられるもので、例えば、蓋102と容器内空気加圧部103とを備える。
容器内空気加圧部103は、円筒形に形成された空気収容室104内を摺動することにより空気収容室104内の空気を容器100の内部空間101に送る空気押圧部105と逆止弁106とを備える。逆止弁106は、図7(a)に示すように、空気押圧部105が押圧されていない場合には、ばね107のばね力によって空気収容室104の下部に形成された空気流入口108を閉塞した状態となっており、図7(b)に示すように、空気押圧部105が押圧された場合にはばね107のばね力に抗して空気流入口108を開放する状態となる。
空気流入口108より容器100の内部空間101に空気が送られることにより容器100の内部空間101が加圧されるので、容器100の内外を貫通する蓋102の貫通孔103aと容器側ホース111とを介して加圧装置側供給路4に除草剤が供給される。貫通孔103aは除草剤の連通路として機能し、貫通孔103aの外面側の開口は除草剤出口19として機能する。加圧装置側供給路4の一端開口と貫通孔103aの除草剤出口19とが図外のコネクタを介して連通可能に繋がれる。容器側ホース111は、一端部が容器100の内部空間101の底部に設置されて、他端部が貫通孔103a内部に設置される。
【0034】
200は、除草剤注入装置3のグリップ部14を握った状態の腕を支える腕支持機構である。腕支持機構200は、グリップ部14に固定されてグリップ部14より後側に突出する連結部201と、腕支持部202と、ヒンジ203とを備える。腕支持部202は、連結部201に取付けられたヒンジ203により回転可能に連結部201に支持される。
【0035】
操作者が、腕支持部202を回転させた腕支持機構200の立上状態で除草剤注入装置3を使用した場合、除草剤注入装置3が腕支持部202とグリップ部14との2点で支えられる。これにより、グリップ部14で操作者が負担する除草剤注入装置3の荷重を軽減できるので、操作者に除草剤注入装置3の操作を容易とさせることができる。
【0036】
除草剤としては、植物を枯らしたり、植物の種子の発芽を抑制する薬剤、農薬等が用いられる。例えば、日産化学工業株式会社製 商品名「ラウンドアップ マックスロード」(登録商標)、住化タケダ園芸株式会社製 商品名「ターンアウト」(登録商標)などが用いられる。
【0037】
除草対象の植物としては例えば河川の堤防法面を裸地化するような植物を対象とする。例えば、イタドリ、ワラビ、フキ、スイバ等の宿根性植物の群生、セイタカアワダチソウ、アレチマツヨイグサ等の外来植物、クズ、カナムグラ、クサフジ等の蔓性植物、ニセアカシア、ヤナギ類などの木本植物などである。
【0038】
実施形態1の除草剤注入装置3によれば、操作者が操作レバー11を操作していない状態においては、回転体46には戻しばね36のばね力により、アーム47が注入針24から離れる方向の回転力が付与されているとともに、係止部37と係止部38との係止によって、左右のアーム47の直線接触部49は延長体13の中心軸線aに沿ってほぼ平行に延長するような初期位置に位置される。即ち、引寄せ部材33が戻しばね36のばね力によって注入針24の先端より離れた初期位置に引き戻される。
そして、操作者が操作レバー11をグリップ部14に近付く方向Aに回転するよう操作すると、引張体35がグリップ部14側に引っ張られて戻しばね36が伸びるとともに、回転体46が引張体35に引っ張られて一方方向に回転することで、アーム47が初期位置から注入針24の先端に近付く方向に回転して、左右のアーム47の直線接触部49が上下で交差し、左右のアーム47の直線接触部49が延長体13の中心軸線aとほぼ直交する状態となる(図6参照)。つまり、右のアーム47;47は、はさみ(鋏)の内刃と外刃のような関係に設けられる。しかも操作者が操作レバー11をグリップ部14に近付く方向Aに回転するよう操作することで開閉体18が操作レバー11で押圧されると、開閉供給路17の開閉口17bが開放され、これにより、除草剤加圧装置2で加圧された除草剤が注入針24に供給されて、注入孔31より噴射される。
よって、左右のアーム47;47間に植物の茎Pを位置させた状態で、操作者が操作レバー11をグリップ部14に近付く方向Aに回転するよう操作すれば、植物の茎Pがアーム47により注入針24の先端側に引寄せられ、そして、アーム47の直線接触部49とガイド10の翼部82の前側傾斜直線部83とに挟まれて折れ曲がり、この折れ曲がった部分に注入針24が突き刺さるので、注入孔31が植物内に位置されやすくなり、注入孔31が植物内に位置された状態で注入孔31より除草剤が噴射されるので、植物の内部に除草剤を確実に注入できるようになる。
また、操作者が操作レバー11を握って操作している状態から操作レバー11を離した場合には、戻しばね36のばね力により引張体35が引っ張られ、これに伴って回転体46も一方方向とは反対方向に回転し、引寄せ部材33が注入針24の先端より離れた初期位置に引き戻される。
【0039】
即ち、除草剤加圧装置2と液体供給路23と噴射部8と開閉体18と操作レバー11とにより液体噴射機構が構成される。
また、引寄せ部9と引張体35と戻しばね36と係止部37;38と操作レバー11とにより引寄せ操作機構が構成される。
【0040】
実施形態1の除草剤注入装置3によれば、除草剤加圧装置2から加圧されて供給される液体を受ける受口28と、受口28で受けた液体を注入針24の先端方向に導く内部流路29と、当該内部流路29と注入針24の外周面30とに貫通する注入孔31とを備えたので、注入針24を植物に刺した場合に植物の中身が注入孔31に詰まってしまうようなことを防止でき、植物内への除草剤注入作業の確実性を向上できる。
実施形態1の除草剤注入装置3によれば、径寸法が一定の軸部26と、軸部26の一端に設けられて植物に突き刺すために先鋭に形成された先端部27とを備え、受口28と内部流路29と注入孔31とが軸部26に形成された注入針24を備えたので、注入針24を植物の茎Pに突き刺した場合に、植物の中身は軸部26の外周面30上を移動するようになるので、植物の中身が注入孔31に入り難くなる。よって、注入針24を植物に刺した場合に植物の中身が注入孔31に詰まってしまうようなことをより確実に防止できるようになり、植物内への除草剤注入作業の確実性をより向上できる。
実施形態1の除草剤注入装置3によれば、除草剤加圧装置2と受口28とを繋ぐ液体供給路23と、液体供給路23を開閉する開閉体18を有した開閉装置6と、開閉体18による液体供給路23の開閉を操作するための操作レバー11とを備えたので、操作レバー11を操作することで、除草剤の注入動作及び注入停止動作を簡単に行えるようになる。
実施形態1の除草剤注入装置3によれば、植物を注入針24の先端に引寄せる引寄せ部材33を備え、当該引寄せ部材33と操作レバー11とが引張体35により連動するように連結され、操作レバー11は、引寄せ部材33を注入針24の先端に近付けるように動作させるとともに液体供給路23を開くように開閉体18を動作させるので、操作レバー11を操作することによって、引寄せ部材33で植物を注入針24の先端に近付けて注入針24を植物に刺すことができるとともに注入孔31から除草剤を噴射させて植物内に除草剤を注入できるようになる。
実施形態1の除草剤注入装置3によれば、引寄せ部材33が、注入針24の中心軸線を中心として左右対称に設けられたので、左右の引寄せ部材33の間に植物の茎Pを位置させてから操作レバー11を操作することにより、左右の引寄せ部材33で植物の茎Pを左右から注入針24の先端に近付けることができるため、植物の茎Pを注入針24の先端に近付ける動作の確実性が増すので、注入作業を効率的に行えるようになる。
実施形態1の除草剤注入装置3によれば、引寄せ部材33により注入針24の先端側に引寄せられた植物を注入針24の先端に導くガイド10を備えたので、植物の茎Pを注入針24の先端に近付ける動作の確実性がより向上するので、注入作業をより効率的に行えるようになる。
実施形態1の除草剤注入装置3によれば、引寄せ部材33が、植物をガイド10に押し付けることにより、植物を折り曲げる力を植物に付与するので、茎Pの折れ曲がった部分に注入孔31を介して除草剤を注入でき、植物の内部に除草剤を確実に注入できる。また、植物の茎Pを折り曲げることにより、この茎Pの折れ曲がった部分から植物の体液が浸出し、植物の体液と除草剤とが混合して植物の根に移動するようになるので、植物に対する除草剤の効果が早く現れるようになる。よって、植物を効果的に枯らすことができ、除草効果を向上できる。また、植物内部への除草剤の注入後に、植物の茎Pの折れ曲がった形が残るので、植物の茎Pの折れ曲がっているか否かを見て除草剤注入済みか否かを容易に判別できるので、作業の効率化が図れる。
実施形態1の除草剤注入装置3によれば、片手で操作可能な操作レバー11を備えたので、片手で作業を行えるようになり、もう一方の片手が自由になるので、バランスの確保やもう一方の片手で作業に邪魔な植物の掻き分けを行うことができるようになり、例えば、堤防斜面等での作業を安全に行えるようになる。
実施形態1の除草剤注入装置3によれば、グリップ部14を備えて操作レバー11が取付けられた基体12と、基体12の先端より前方に延長する延長体13と備え、延長体13の先端に除草剤注入装置3の先端部を設けたので、操作レバー11を操作する手から離れた場所で除草剤を噴射させることができるようになり、作業を安全に行える。
【0041】
即ち、実施形態1の液体供給装置としての除草剤注入装置3は、外装体5と、外装体5の一端側に支持部材34を介して固定され、かつ、液体供給源から加圧されて供給される液体を受ける受口28と、受口28で受けた液体を注入針24の先端方向に導く内部流路29と、当該内部流路29と注入針24の外周面30とに貫通する注入孔31とを備えた注入針24と、液体供給源としての除草剤加圧装置2と注入針24とを連通可能に繋いで除草剤加圧装置2から加圧された除草剤を注入針24に供給する液体供給路23と、液体供給路23の途中に設けられて液体供給路23を開閉する開閉体18と、外装体5の一端(先端32)側に支持部材34を介して取付けられて植物を注入針24の先端に引寄せるための引寄せ部材33と、外装体5の他端側に回転可能に設けられた操作レバー11と、引寄せ部材33と操作レバー11とが連動するように引寄せ部材33と操作レバー11とを連結する引張体35とを備え、操作レバー11を操作することにより、引寄せ部材33が操作レバー11により引っ張られる引張体35によって注入針24の先端に近付くように移動し、注入針24が引寄せ部材33により引寄せられた植物内に刺さった状態において、開閉体18が操作レバー11により液体供給路23を開くように作動することで植物内に注入針24から液体が供給されるように構成された。
このように構成された実施形態1の除草剤注入装置3によれば、上述した構成の注入孔31を有した注入針24を備えるので、注入針24を植物に刺した場合に植物の中身が注入孔31に詰まってしまうようなことを防止でき、引寄せ部材33を備えるので、植物の茎Pを注入針24の先端に近付ける動作の確実性が増すので、注入作業を効率的に行えるようになり、しかも、植物の茎Pを折り曲げることができることにより、植物を効果的に枯らすことができ、除草効果を向上できる。
【0042】
実施形態2.
実施形態1では、開閉体18は操作レバー11で押圧された場合に、開閉供給路17の開閉口17bを開放するようにしたが、操作レバー11の開閉体18を押圧する押圧量に応じて開閉供給路17の開閉口17bを開閉させるようにしてもよい。即ち、図12に示すように、開閉口17bと開閉供給路17とを連通する流路開放部210と開閉口17bと開閉供給路17とを塞ぐ流路閉塞部211とを備える開閉体18Aとした。これにより、図12(a)に示すように、操作レバー11で押圧されていない場合には、戻しばね17aのばね力によって開閉供給路17の開閉口17bを流路閉塞部211で閉塞した状態となっており、図12(b)に示すように、操作レバー11で開閉供給路17の開閉口17bと流路開放部210とが一部一致または一致した状態となるような押圧量で開閉体18Aが押圧された場合には、戻しばね17aのばね力に坑して開閉供給路17の開閉口17bと流路開放部210とが連通し開閉供給路17を開放する状態となる。そして、開閉供給路17の開閉口17bと開閉体18Aの流路開放部210とが一致しなくなるまで、更に操作レバー11が操作された場合には、流路閉塞部211が戻しばね17aのばね力に坑して開閉供給路の開閉口17bを閉塞した状態となる。これによれば、開閉口17bと流路開放部210とが一部一致または一致した場合のみ開閉供給路17が開放されるので、除草剤が無駄に噴射されることがない。
【0043】
実施形態3.
図13に示すように、延長体13の外周面に操作レバー11を回転可能に設けた構成とした。実施形態3によれば、基体12を不要とできるので、装置の小型化、低コスト化が図れる。
【0044】
実施形態4.
図14に示すように、ガイド10の翼部82の前側傾斜直線部83を曲線により形成した前側傾斜部83Aとしてもよい。前側傾斜部83Aは、翼部82の先端より注入針24の中心軸線aに向かう方向に延長する緩傾斜部83aと、緩傾斜部83aより注入針24の先端に向かう方向に延長する急傾斜部83bとを備える。即ち、緩傾斜部83aと中心軸線aとのなす角度は、急傾斜部83bと中心軸線aとのなす角よりも大きい。また、急傾斜部83bは、緩傾斜部83a側と中心軸線aとのなす角が、注入針24側と中心軸線aとのなす角よりも小さい。実施形態4によれば、ガイド10の前側傾斜部83Aにより、植物の茎Pが注入針24の先端側にスムーズに導かれるようになる。つまり、引寄せ部材33の閉じ動作の最初の段階で植物の茎Pが緩傾斜部83aに接触した場合、緩傾斜部83aの傾斜角が緩いので引寄せ部材33の閉じ動作の進行するに従って、植物の茎Pが注入針24の中心軸線aに向かう方向にスムーズに移動した後、急傾斜部83bにより横ずれが規制されて注入針24の先端に確実に移動するようになる。
【0045】
実施形態5.
図15に示すように、左右の引寄せ部材33のうちの一方のみを備えた構成としてもよい。この構成でも、植物の茎Pを注入針24の先端に近付けることが可能である。
【0046】
実施形態6.
図16に示すように、注入針24の先端に近付く方向及び注入針24の先端より離れる方向に直進運動を行う引寄せ部材33Aを設けた構成としてもよい。この構成でも、植物の茎Pを注入針24の先端に近付けることが可能である。
【0047】
実施形態7.
図1(c)に示すように、噴射口となる注入孔31の開口31tが、先端部27の錐面形状の外面に開口する注入針24としてもよい。即ち、内部流路29と先端部27の外周面とに貫通する注入孔31を備えた注入針24を用いてよい。
この注入針24を植物の茎Pに突き刺した場合でも、植物の中身が先端部27の錐面状の外周面上を移動するので、植物の中身が注入孔31に入り難くなり、植物の中身が注入孔31に詰まり難くなる。
【0048】
実施形態8.
注入針固定部25の貫通孔87内に、所定値以上の液体圧力が加わっていない場合に貫通孔87による液体流路を閉じ、所定値以上の液体圧力が加わった場合に貫通孔87による液体流路を開く開閉バルブを設ける。このような開閉バルブを設けた場合、注入装置側供給路7内に除草剤が残った場合に当該除草剤が注入孔31から漏れるのを防止できる。
【0049】
ガイド10を別体で設けずに、ガイド10の機能も有した支持部材34を備えた構成としてもよい。
引寄せ部材33及びガイド10を備えない構成としてもよい。即ち、片手で植物の茎Pを持って、注入針24を茎Pに突き刺した後に、操作レバー11を操作して除草剤を注入孔31から噴射させるようにした構成でもよい。
上記では、植物への液体供給装置としての除草剤注入装置3を説明したが、本発明の植物への液体供給装置は、植物に栄養分を補給する液体を供給するための液体供給装置としても使用可能である。この場合、植物の茎Pを折り曲げるための構成は不要である。
【符号の説明】
【0050】
1 除草装置、2 除草剤加圧装置、3 除草剤注入装置(液体供給装置)、
6 開閉装置、11 操作レバー、12 基体、13 延長体、18 開閉体、
23 液体供給路、24 注入針、26 軸部、27 先端部、28 受口、
29 内部流路、30 注入針の外周面、31 注入孔、33 引寄せ部材、
35 引張体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物に注入針を突き刺して注入針の内部に形成された内部流路経由で植物内に液体を注入する液体注入方法であって、注入針に注入針の外周面と内部流路とに貫通する注入孔を設け、当該注入孔を介して液体を注入針の外周面から植物内に注入したことを特徴とする植物への液体注入方法。
【請求項2】
植物の内部に液体を注入するための注入針を備えた液体注入装置において、注入針は、液体供給源から加圧されて供給される液体を受ける受口と、受口で受けた液体を注入針の先端方向に導く内部流路と、当該内部流路と注入針の外周面とに貫通する注入孔とを備えたことを特徴とする植物への液体注入装置。
【請求項3】
注入針は、径寸法が一定の軸部と、軸部の一端に設けられて植物に突き刺すために先鋭に形成された先端部とを備え、受口と内部流路と注入孔とが軸部に形成されたことを特徴とする請求項2に記載の植物への液体注入装置。
【請求項4】
液体供給源と受口とを繋ぐ液体供給路と、液体供給路を開閉する開閉体を有した開閉装置と、開閉体による液体供給路の開閉を操作するための操作レバーとを備えたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の植物への液体注入装置。
【請求項5】
植物を注入針の先端に引寄せる引寄せ部材を備え、当該引寄せ部材と操作レバーとが連動するように連結され、操作レバーは、引寄せ部材を注入針の先端に近付けるように動作させるとともに液体供給路を開くように開閉体を動作させることを特徴とする請求項4に記載の植物への液体注入装置。
【請求項6】
引寄せ部材が、注入針の中心軸線を中心として左右対称に設けられたことを特徴とする請求項5に記載の植物への液体注入装置。
【請求項7】
引寄せ部材により注入針の先端側に引寄せられた植物を注入針の先端に導くガイドを備えたことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の植物への液体注入装置。
【請求項8】
引寄せ部材が、植物をガイドに押し付けることにより、植物を折り曲げる力を植物に付与することを特徴とする請求項7に記載の植物への液体注入装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−152065(P2011−152065A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−14687(P2010−14687)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(503368214)社団法人東北建設協会 (7)
【出願人】(591039698)開成工業株式会社 (11)
【Fターム(参考)】