植物栽培用の捩れ樹脂被覆管及び植物栽培用の捩れ樹脂被覆管の製造方法
【課題】植物栽培用の支柱等としての強度を所要に発揮できながら斬新な外観を呈し、又、蔓性植物を良好に成長させ得る、植物栽培用の捩れ樹脂被覆管を提供する。
【解決手段】鋼製の円形管からなる芯管2の外表面3が樹脂により密着状態に被覆されることによって樹脂被覆部4が形成されている。樹脂被覆部4は、横断面外形が多角形状に形成されている。樹脂被覆部4は、芯管2の長さ方向の全体乃至一部分が、芯管2の軸線回りに螺旋状に捩れており、この捩れは樹脂被覆部4のみで行われており芯管2は捩れていない。
【解決手段】鋼製の円形管からなる芯管2の外表面3が樹脂により密着状態に被覆されることによって樹脂被覆部4が形成されている。樹脂被覆部4は、横断面外形が多角形状に形成されている。樹脂被覆部4は、芯管2の長さ方向の全体乃至一部分が、芯管2の軸線回りに螺旋状に捩れており、この捩れは樹脂被覆部4のみで行われており芯管2は捩れていない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、捩れ部を有する植物栽培用の捩れ樹脂被覆管に関するものであり、より詳しくは、芯管は捩れておらず、該芯管の表面を被覆する、横断面外形が多角形状を呈する樹脂被覆部のみが捩れることによって捩れ部が形成されてなる植物栽培用の捩れ樹脂被覆管に関するものである。又、該植物栽培用の捩れ樹脂被覆管の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
植物栽培用樹脂被覆管としては、金属製の芯管の表面が樹脂被覆され樹脂被覆部の表面が平滑に形成されたものの他、樹脂被覆部の表面に凹部や凹凸部を形成したものとして、例えば特開平11−18586号公報(特許文献1)が開示する植物用の支柱や、実用新案登録第3096251号公報(特許文献2)が開示する植物支持用のアーチ状支柱具等が提案されている。
【0003】
特許文献1記載の植物用の支柱aは、例えば図31に示すように、金属製の芯管bの表面cを被覆する樹脂被覆部dの表面に凹部eが分散状態に形成されており、該凹部の深さは、該支柱aに巻き付いた植物の蔓が下方に滑ることなく固定できる程度に設定されていた。又、特許文献2記載の植物支持用のアーチ状支柱fは、例えば図32〜34に示すように、プランタ等に立設されて薔薇等の蔓性植物を栽培するために好適に用いられるものであり、所要間隔を隔てる直線状の支柱部g,gの上端相互を逆U字状をなすアーチ状連結部hで連結してなるアーチ状を呈しており、該支柱部gを構成する金属製の芯管iの表面jを被覆する樹脂被覆部kの表面には、蔓性植物引っ掛かり用の直線状の不連続突部列mが設けられていた。
【0004】
しかしながら、かかる従来の植物栽培用樹脂被覆管は、その樹脂被覆部の表面が平滑面に形成されており、或いは、その樹脂被覆部の表面に凹部eが分散状態に形成されていたり、不連続突部列kが単純に直線状に連続して設けられているだけであって、樹脂被覆管の外観がありふれていた。そこで、家庭園芸の楽しみを増大させるために、所要の強度を有しながらも斬新な外観を呈する植物栽培用の樹脂被覆管が求められていた。
【0005】
ところで植物栽培用の支柱の一種として、例えば図35に示すような、横断面が矩形状等を呈する中実の金属棒材nをその軸線回りに螺旋状に捩じることによって支柱外観に変化を付与した捩れ棒材が提案されている。しかしながら、このように製造された捩れ棒材は、中実の金属棒材を用いて形成されていたために、材料費が高く付いて製造コストの上昇を招く問題があった他、捩れ棒材が重くなる問題があった。
【0006】
そこで、材料の使用量を削減してコスト低減を図ると共に製品の軽量化を図りつつ支柱外観に斬新性を付与せんとして、例えば図36に示すような、鋼製の円形管からなる芯管pの表面qに樹脂被覆部rを形成した、例えば横断面外形が六角形状を呈する角形樹脂被覆管sを想定し、該角形樹脂被覆管sの全体を該芯管pの軸線回りに螺旋状に捩じることが考えられる。しかしながら、該角形樹脂被覆管sの全体をその芯管pの軸線回りに螺旋状に捩じったとすれば該芯管は中空であるために折れ易く、所望の螺旋状の捩じり形態を形成し難い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−18586号公報
【特許文献2】実用新案登録第3096251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、植物栽培用の支柱等としての強度を所要に発揮できながら斬新な外観を呈し、加えて、薔薇等の蔓性植物を良好に成長させ得る植物栽培用の捩れ樹脂被覆管の提供を課題とするものである。又本発明は、アーチ状を呈する植物栽培用の捩れ樹脂被覆管を精度よく容易に製造し得る植物栽培用の捩れ樹脂被覆管の製造方法の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明に係る植物栽培用の捩れ樹脂被覆管(以下、捩れ樹脂被覆管という)の第1の態様は、鋼製の円形管からなる芯管の外表面が樹脂により密着状態に被覆されることによって樹脂被覆部が形成され、該樹脂被覆部は、横断面外形が多角形状に形成されており、該樹脂被覆部は、前記芯管の長さ方向の全体乃至一部分で該芯管の軸線回りに螺旋状に捩れており、この捩れは樹脂被覆部のみで行われていて芯管は捩れていないことを特徴とするものである。
【0010】
本発明に係る捩れ樹脂被覆管の第2の態様は、所要間隔を隔てる直線状の支柱部の上端相互が、逆U字状をなすアーチ状連結部で連結されてなり、該支柱部と該アーチ状連結部は共に、鋼製の円形管からなる芯管の外表面が樹脂により密着状態に被覆されることによって樹脂被覆部が形成され、該樹脂被覆部は、横断面外形が多角形状に形成されており、該樹脂被覆部は、前記芯管の長さ方向の全体乃至一部分で該芯管の軸線回りに螺旋状に捩れており、この捩れは樹脂被覆部のみで行われていて芯管は捩れておらず、且つ、該アーチ状連結部の少なくとも上端部分においては前記樹脂被覆部が捩れておらず、該上端部分の上側の面と下側の面は水平な平滑面に形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明に係る捩れ樹脂被覆管の第3の態様は、所要間隔を隔てる直線状の支柱部の上端相互が、逆U字状をなすアーチ状連結部で連結されてなり、該支柱部と該アーチ状連結部は共に、鋼製の円形管からなる芯管の外表面が樹脂により密着状態に被覆されることによって樹脂被覆部が形成され、該樹脂被覆部は、横断面外形が多角形状に形成されており、該樹脂被覆部は、前記芯管の長さ方向の全体乃至一部分で該芯管の軸線回りに螺旋状に捩れており、この捩れは樹脂被覆部のみで行われていて芯管は捩れておらず、且つ、該アーチ状連結部の全体において前記樹脂被覆部が捩れておらず、該アーチ状連結部の上端部分の上側の面と下側の面は水平な平滑面に形成されていることを特徴とするものである。
【0012】
前記した各捩れ樹脂被覆管において、前記樹脂被覆部は、横断面外形を正六角形状に形成するのがよい。
【0013】
本発明に係る植物栽培用の捩れ樹脂被覆管の製造方法は、アーチ状支柱形成管材を用いて前記第3の態様に係る植物栽培用の捩れ樹脂被覆管を製造する製造方法であって、該アーチ状支柱形成管材は、鋼製の直線状の円形管からなる芯管の外表面が樹脂により密着状態に被覆されることによって横断面外形が正六角形状を呈する樹脂被覆部が形成され、該アーチ状支柱形成管材は、中間に位置する、前記アーチ状連結部を形成するアーチ状連結部形成部分と、その両側に位置する、前記直線状の支柱部を形成する支柱部形成部分とからなり、少なくとも該アーチ状連結部形成部分においては、前記樹脂被覆部が捩れておらず、該支柱部形成部分においては、前記芯管の長さ方向の全体乃至一部分で前記樹脂被覆部が該芯管の軸線回りに螺旋状に捩れており、この捩れは樹脂被覆部のみで行われていて芯管は捩じれておらず、前記アーチ状連結部形成部分をU字状に屈曲する際、前記アーチ状支柱を立設した状態において前記上端部分の上側の面と下側の面が水平な平滑面を呈し得るように屈曲することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明に係る捩れ樹脂被覆管は、鋼製の円形管からなる芯管の外表面が樹脂により密着状態に被覆されることによって樹脂被覆部が形成され、該樹脂被覆部は、横断面外形が多角形状に形成されており、該樹脂被覆部は、前記芯管の長さ方向の全体乃至一部分で該芯管の軸線回りに螺旋状に捩れており、この捩れは樹脂被覆部のみで行われていて芯管は捩れていない。
かかることから本発明によるときは、捩れていない芯管によって捩れ樹脂被覆管の強度を所要に確保できながら、螺旋状に捩れた斬新な外観を呈する捩れ樹脂被覆管を提供できることになる。そして、芯管の外表面に樹脂被覆部が密着して形成されているため、芯管と樹脂被覆部が完全に一体化しており、該樹脂被覆部が剥離する恐れがない。又、薔薇等の蔓性植物を栽培する場合に、その茎や蔓が螺旋状の捩れに沿って上方向に伸びるように方向付けできるため、蔓性植物の成長を促すことができる。このようなことから、家庭園芸の楽しみを増大させ得る。
【0015】
(2) 本発明に係る捩れ樹脂被覆管をアーチ状支柱として応用し、前記連結部の少なくとも上端部分においては、前記樹脂被覆部が捩れておらず且つ該上端部分の上側の面と下側の面を水平な平滑面を呈する如く構成する場合は、例えば、2本のアーチ状支柱をその連結部の上端部分相互を当接させて略直角の交差状態として植物支持枠体を構成するとき、該上端部分相互を面接触状態で当接させることができる。かかることから、該連結部相互を交差状態で安定的に一体化できることとなる。
【0016】
(3) 特に前記樹脂被覆部を、横断面外形が正六角形状を呈する如く構成する場合は、隣り合う三角形状の角部分間の部分を極力薄く形成しながら、即ち、樹脂使用量を極力少なくしながら、角部分を明瞭に形成することができる。従って、螺旋状の捩れ形態が明瞭である見栄えのよい捩れ樹脂被覆管を経済的に構成できることとなる。
【0017】
(4) 本発明に係る捩れ樹脂被覆管の製造方法によるときは、アーチ状連結部形成部分は捩じられていないため、該アーチ状連結部形成部分を精度よくしかも無理なく屈曲させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る捩れ樹脂被覆管の一態様を示す部分正面図である。
【図2】本発明に係る捩れ樹脂被覆管の他の態様を示す部分正面図である。
【図3】その横断面図である。
【図4】直線状に延長する捩れ樹脂被覆管の全体構成を示す正面図である。
【図5】その部分を示す一部を切り欠いた斜視図である。
【図6】捩れ樹脂被覆管の他の態様を示す横断面図である。
【図7】捩れ樹脂被覆管のその他の態様を示す横断面図である。
【図8】捩れ樹脂被覆管を用いて構成された植物栽培用の直線状支柱を示す正面図である。
【図9】その上下端側部分を示す一部断面拡大図である。
【図10】その直線状支柱を植木鉢の土に立設した状態を示す斜視図である。
【図11】本発明に係る直線状支柱と横連結杆とを用いて構成された柵状物を示す斜視図である。
【図12】その横連結杆を示す斜視図である。
【図13】その両端側部分を示す一部断面拡大図である。
【図14】直線状支柱と横連結杆との交差部分をバンド部材で固定した状態を示す斜視図である。
【図15】本発明に係る捩れ樹脂被覆管を用いて構成された植物支持用のアーチ状支柱を示す斜視図である。
【図16】そのアーチ状支柱の上側部分を拡大して示す正面図である。
【図17】そのアーチ状支柱の下端部分を拡大して示す一部断面正面図である。
【図18】そのアーチ状支柱の中間部分を拡大して示す一部を切り欠いた正面図である。
【図19】2本のアーチ状支柱の上端部分相互を当接状態で交差させた斜視図である。
【図20】その部分拡大図である。
【図21】その交差部分を結着材で結着した状態を示す斜視図である。
【図22】アーチ状支柱の製造方法を説明する斜視図である。
【図23】2本のアーチ状支柱を用いて形成した植物支持枠体を、その使用状態で示す斜視図である。
【図24】2本のアーチ状支柱を用いて形成した植物支持枠体を、その他の使用状態で示す斜視図である。
【図25】アーチ状支柱と横連結杆を用いて構成した柵状物を示す斜視図である。
【図26】アーチ状支柱と直線状支柱と横連結杆を用いて構成した柵状物を示す斜視図である。
【図27】捩れ樹脂被覆管のその他の態様を示す横断面図である。
【図28】捩れ樹脂被覆管のその他の態様を示す横断面図である。
【図29】アーチ状支柱のアーチ状連結部の他の構成を示す正面図である。
【図30】樹脂被覆部が、その全長に亘って螺旋状に捩れたアーチ状支柱を示す正面図である。
【図31】従来の植物栽培用樹脂被覆管の一例を示す断面図である。
【図32】従来の植物栽培用樹脂被覆管の他の例をその使用状態で示す斜視図である。
【図33】その部分拡大図である。
【図34】その横断面図である。
【図35】金属棒材をその軸線回りに螺旋状に捩ってなる従来の植物栽培用支柱を示す部分斜視図である。
【図36】鋼製の円形管からなる管材の表面を樹脂被覆してなる角形樹脂被覆管を示す部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0019】
図1〜3において本発明に係る捩れ樹脂被覆管1は、植物栽培の為に、直線状形態や屈曲形態等の各種の形態で使用されるものである。鋼製の円形管からなる芯管2の外表面3が樹脂により密着状態に被覆されることによって樹脂被覆部4が形成されており、該樹脂被覆部4は、図3に示すように、横断面外形が多角形状に形成されている。そして該樹脂被覆部4は、前記芯管2の長さ方向の全体乃至一部分で該芯管2の軸線回りに螺旋状に捩れて螺旋状捩れ部5が形成されており、この捩れは樹脂被覆部4のみで行われていて芯管2は捩れていない。以下、これをより具体的に説明する。
【0020】
図4〜5は、直線状に延長する捩れ樹脂被覆管1を示すものであり、外径が12.7mm程度の直線状を呈する円形管からなる芯管2の外表面3が、例えば黒色に着色された塩化ビニルにより密着状態に被覆されることによって、例えば図3に示すような、横断面外形が正六角形状の樹脂被覆部4が形成されている。該樹脂被覆部4の薄肉部6の肉厚は0.4mm程度に設定されると共にその角部分(横断面三角形状の厚肉部)7は、その最大肉厚が1.5mm程度に設定されている。かかる構成を有する樹脂被覆部4は、前記芯管2の長さ方向の全長に亘って、該芯管2の軸線回りに螺旋状に捩れている。その捩れのピッチは400〜600mmに、例えば500mm程度に設定されている。このようにして構成された樹脂被覆部4は、その角部分7及び隣り合う角部分7,7間の平滑面9が一様に捩れて、前記螺旋状捩れ部5が形成されている。該捩れ樹脂被覆管1の全長は例えば150〜230cmに設定されている。
【0021】
本実施例で示すように、樹脂被覆部4を、横断面外形が正六角形状を呈するように構成する場合は、例えば図6に示す四角形状や、図7に示す五角形状に構成する場合に比し、樹脂使用量を少なくしながら、角張った印象の螺旋状の捩れ形態を明瞭に表現できることになる。ここで、樹脂使用量を少なくできる理由を説明する。多角形状の角部分7,7間の樹脂被覆部4の肉厚は、前記螺旋状捩れ部5を形成する際に被覆樹脂が破れて芯管2が露出することがないように一定以上の厚さを確保しなければならないのであるが、横断面外形を四角形状や五角形状に形成する場合は、該角部分7が厚肉とならざるを得ない。その結果、樹脂使用量が多くなるのであるが、横断面外形を六角形状に形成する場合は、角部分7の肉厚を比較的薄く形成でき、従って樹脂使用量を少なくできるのである。
【0022】
前記構成を有する捩れ樹脂被覆管1は、例えば押出成型機を用いて製造することができる。一つの製造方法としては、押出成型機に導入される芯管2の外表面3を、金型から導入される樹脂で被覆するのであるが、その際に、該芯管2を一定速度で回転させながら押出成型機に導入することによって行うことができる。他の製造方法としては、芯管2を回転させずこれを押出成型機に導入し、該芯管2の導入に伴い、樹脂を押出す金型を該芯管2の軸線回りに回転させて行うことができる。
【0023】
このようにして製造された捩れ樹脂被覆管1は、前記芯管2は何ら捩れておらず、捩れは樹脂被覆部4でのみ行われているために、該芯管2によって捩れ樹脂被覆管1の強度を所要に確保できながら、外観的には樹脂被覆管の全体が捩れているかのような、デザイン性に優れた捩れ樹脂被覆管を提供できることになる。
【0024】
図8〜9は、かかる捩れ樹脂被覆管1を植物栽培用の直線状支柱10として用いる場合を示すものであり該捩れ樹脂被覆管1の下端部11には、図9に示すように、例えば半丸の樹脂キャップ12の軸部13が圧入されると共に、該捩れ樹脂被覆管1の上端部15には擬宝珠16の軸部17が圧入されている。該直線状支柱10の長さは例えば210cmに設定されている。
【0025】
図10は、該直線状支柱10を、その下端部分19を、植木鉢20に収容した土21や地面に20cm程度の深さに押し込んで立設した状態を示す。この直線状支柱10によって、例えば、薔薇やクレマチス、朝顔等の蔓性植物を栽培できる。該直線状支柱10の螺旋状捩れ部5は、蔓性植物の茎や蔓が螺旋状の捩れに沿って上方向に伸長するように方向付けできるため、植物の成長を促すことができる。特に本実施例においては、該螺旋状捩れ部5も含めた直線状支柱10の全体が黒色に着色されているため、特に薔薇を栽培するときは、黒色の直線状支柱10と薔薇とが色合いの面でマッチするので、その栽培状態の見栄えを一層向上させることができる。
【0026】
図11は、かかる構成を有する直線状支柱10の例えば4本を用い、これらを所要間隔を置いて(例えば30〜50cm程度の間隔を置いて)その下端部分19を地面22に押し込んで立設状態として支柱列23を形成して後、該支柱列23の全体を横連結杆25で連結して柵状物26を形成した場合を示すものである。該横連結杆25は、図12〜13に示すように、前記捩れ樹脂被覆管1の両端部27,26に、例えば半丸の樹脂キャップ12の軸部13が圧入されている。そして、該直線状支柱10と該横連結杆25との交差部分28は、図11、図14に示すように、例えば、弾性変形可能で開閉できるバンド部材29を用いて固定されている。かかる柵状物26の各直線状支柱10で薔薇等の蔓性植物を栽培できる。
【0027】
図15〜18は、本発明に係る捩れ樹脂被覆管1が植物支持用のアーチ状支柱30として応用された場合を示すものである。
【0028】
該アーチ状支柱30は、本実施例においては図15〜16に示すように、間隔を隔てる直線状の支柱部32,32の上端相互を、逆U字状をなすアーチ状連結部33で連結してなる。そして、図16、図17に示すように、該アーチ状連結部33及び、前記支柱部32,32の下端側の部分35,35は、前記樹脂被覆部(横断面外形が正六角形状を呈する)4が捩れておらず、図16、図20に示すように、該アーチ状連結部33の上端部分36の上側の面37と下側の面38は水平な平滑面(隣り合う角部分7,7間に形成された水平な平滑面)として形成されている。そして前記支柱部32,32の、前記下端側の部分35,35を除いた、直線状を呈する支柱上側部分40,40においては、図15、図18に示すように、例えば図3に示すような断面外形が正六角形状を呈する前記樹脂被覆部4が、前記支柱部32,32の軸線回り(前記芯管2の軸線回り)に螺旋状に捩れて、前記螺旋状捩れ部5が形成されている。該アーチ状支柱30の高さは例えば210cm程度に設定され、両支柱部32,32間の間隔は例えば40cm程度に設定されている。
【0029】
該上端部分36の上側の面37と下側の面38を水平な平滑面を呈するように構成するのは次の理由による。即ち、2本のアーチ状支柱30,30を、図19〜20に示すように、その上端部分36,36相互を当接状態で交差させ、例えば図21に示すように該交差部分39を樹脂被覆の針金等の結着材41で結着する際に、両上端部分36、36を面接触の安定交差状態とすると共に該両上端部分36、36の結着を安定的に行わせるためである。又、前記支柱部32,32の前記下端側の部分35,35を螺旋状に捩っていない理由は、店舗のレジ通過の際等において、シールを巻き付けやすくする部分を作るためである。
【0030】
そして、前記両支柱部32,32の下端部43,43には、図17に示すように、半丸の樹脂キャップ12の軸部13が圧入されている。
【0031】
このようにして構成されたアーチ状支柱30(捩れ樹脂被覆管1)は、前記芯管2は何ら捩れておらず、捩れは樹脂被覆部4でのみ行われている。かかることから、該芯管2によって捩れ樹脂被覆管1の強度が所要に確保されながら、外観的には樹脂被覆管の全体が捩れているかのようなデザイン性に優れたアーチ状支柱30(図15)を提供できることになる。
【0032】
前記アーチ状支柱30は、例えば図22に示す支柱形成管材46を用いて構成されている。該支柱形成管材46は、鋼製の直線状の円形管からなる芯管2の外表面3が、前記と同様にして樹脂により密着状態に被覆されることにより、例えば図3に示すように、横断面外形が正六角形状を呈する樹脂被覆部4が形成されてなる。そして該支柱形成管材46は、中間の連結部形成部分47とその両側の支柱部形成部分49,49とからなり、該連結部形成部分47と、該支柱部形成部分49,49の端側部分50,50を除く部分51,51で、横断面外形が正六角形状を呈する前記樹脂被覆部4が前記芯管2の軸線回りに螺旋状に捩れて螺旋状の捩れ部5が形成されている。前記芯管2が捩れていないのは前記と同様である。
【0033】
かかる構成を有する支柱形成管材46の前記中間の連結部形成部分47をベンダーでU字状に屈曲することによって前記アーチ状連結部33を形成すると、前記アーチ状支柱30を構成できる。このように屈曲する際、該アーチ状支柱30を立設した状態において、図19〜20に示すように、前記上端部分36の上側の面37と下側の面38が水平な平滑面を呈し得るように、該連結部形成部分47の屈曲向きを考慮する。そして、該連結部形成部分47においては前記樹脂被覆部4が螺旋状に捩れていないため、かかるU字状の屈曲を精度よく行うことができる。
【0034】
図23は、かかる構成を有する2本のアーチ状支柱30,30を用いて形成した植物支持枠体31を示している。両アーチ状支柱30,30は、図21、図23に示すように、そのアーチ状連結部33,33の上端部分36,36相互を当接させて略直角に交差した状態とされ、その交差部分39が前記結着材41で結着されている。そして、各アーチ状支柱30,30の前記支柱部32,32の下端部分45,45が、前記植木鉢20内の土21や地面に、例えば20cm程度の深さに押し込まれている。このようにして構成された植物支持枠体31は、アーチ状連結部33,33相互が面接触の安定的な交差状態で結着材47により確実に結着されて一体化しており、構造的に安定している。又、このように構成された植物支持枠体31は、例えば図24に示すように、植物支持枠体31の下部空間50に植木鉢20を納めた状態で芝生面や地面等の設置面51に立設されることもある。
【0035】
このようにして構成した植物支持枠体31で、例えば薔薇等の蔓性植物を栽培するのであるが、蔓性植物は、その茎や蔓が前記支柱部32の螺旋状の捩れに沿って上方向に伸びることができるため、その成長を促すことができる。特に本実施例においては、前記アーチ状支柱30,30の全体が黒色に着色されているため、特に薔薇を栽培するときは、黒色の植物支持枠体31と薔薇とが色合いの面でマッチするので、その栽培状態の見栄えを一層向上させることができる。
【0036】
図25は、前記アーチ状支柱30の例えば3本を用い、これらを所要間隔を置いて(例えば40cm程度の間隔を置いて)その下端部分49,49を地面20に押し込んで立設状態として支柱列52を形成して後、該支柱列52の全体を、前記と同様構成の横連結杆25で連結して柵状物53を形成した場合を示すものである。そして、該アーチ状支柱30と該横連結杆25との交差部分55は、図14に示すと同様にして、例えばバンド部材29で固定されている。図26は、該アーチ状支柱30と前記直線状支柱10を組合わせて構成された柵状物53を示すものであり、例えば、両支柱が交互に立設されて支柱列56が形成されると共に、該支柱列56の全体が、前記と同様構成の横連結杆25で連結されている。かかる柵状物53の各アーチ状支柱30で薔薇等の蔓性植物を栽培できる。
【実施例2】
【0037】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
【0038】
(1) 前記樹脂被覆部4は、前記実施例においては横断面外形が正六角形状に形成されているが、横断面外形を、図27に示す三角形状や図6に示す四角形状、図7に示す五角形状、図28に示す八角形状等の各種の多角形状に形成することもできる。
【0039】
(2) 前記アーチ状連結部33は、図15に示すように、その全体が螺旋状に捩じられていない状態に構成されることの他、アーチ状支柱27,27を交差させて植物支持枠体29を構成する場合における該交差部分42となる上端部分28のみを、螺旋状に捩れていない部分とし、その他の部分を、螺旋状に捩れた状態に形成してもよい。
【0040】
(3) 前記アーチ状連結部33は、図29に示すように、その全長に亘って螺旋状に捩れた状態に構成されることもある。又、図30に示すように、樹脂被覆部4の全長に亘って螺旋状に捩れた状態に構成されることもある。
【0041】
(4) 前記捩れのピッチは、1本の捩れ樹脂被覆管において変化させることもできる。
【0042】
(5) 捩れ樹脂被覆管の長さは、その使用目的に応じて適宜設定できる。
【符号の説明】
【0043】
1 樹脂被覆管
2 芯管
3 外表面
4 樹脂被覆部
5 螺旋状捩れ部
6 薄肉部
7 角部分
9 平滑面
10 直線状支柱
30 アーチ状支柱
32 支柱部
33 アーチ状連結部
36 上端部分
37 上側の面
38 下側の面
46 支柱形成管材
47 連結部形成部分
49 支柱部形成部分
【技術分野】
【0001】
本発明は、捩れ部を有する植物栽培用の捩れ樹脂被覆管に関するものであり、より詳しくは、芯管は捩れておらず、該芯管の表面を被覆する、横断面外形が多角形状を呈する樹脂被覆部のみが捩れることによって捩れ部が形成されてなる植物栽培用の捩れ樹脂被覆管に関するものである。又、該植物栽培用の捩れ樹脂被覆管の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
植物栽培用樹脂被覆管としては、金属製の芯管の表面が樹脂被覆され樹脂被覆部の表面が平滑に形成されたものの他、樹脂被覆部の表面に凹部や凹凸部を形成したものとして、例えば特開平11−18586号公報(特許文献1)が開示する植物用の支柱や、実用新案登録第3096251号公報(特許文献2)が開示する植物支持用のアーチ状支柱具等が提案されている。
【0003】
特許文献1記載の植物用の支柱aは、例えば図31に示すように、金属製の芯管bの表面cを被覆する樹脂被覆部dの表面に凹部eが分散状態に形成されており、該凹部の深さは、該支柱aに巻き付いた植物の蔓が下方に滑ることなく固定できる程度に設定されていた。又、特許文献2記載の植物支持用のアーチ状支柱fは、例えば図32〜34に示すように、プランタ等に立設されて薔薇等の蔓性植物を栽培するために好適に用いられるものであり、所要間隔を隔てる直線状の支柱部g,gの上端相互を逆U字状をなすアーチ状連結部hで連結してなるアーチ状を呈しており、該支柱部gを構成する金属製の芯管iの表面jを被覆する樹脂被覆部kの表面には、蔓性植物引っ掛かり用の直線状の不連続突部列mが設けられていた。
【0004】
しかしながら、かかる従来の植物栽培用樹脂被覆管は、その樹脂被覆部の表面が平滑面に形成されており、或いは、その樹脂被覆部の表面に凹部eが分散状態に形成されていたり、不連続突部列kが単純に直線状に連続して設けられているだけであって、樹脂被覆管の外観がありふれていた。そこで、家庭園芸の楽しみを増大させるために、所要の強度を有しながらも斬新な外観を呈する植物栽培用の樹脂被覆管が求められていた。
【0005】
ところで植物栽培用の支柱の一種として、例えば図35に示すような、横断面が矩形状等を呈する中実の金属棒材nをその軸線回りに螺旋状に捩じることによって支柱外観に変化を付与した捩れ棒材が提案されている。しかしながら、このように製造された捩れ棒材は、中実の金属棒材を用いて形成されていたために、材料費が高く付いて製造コストの上昇を招く問題があった他、捩れ棒材が重くなる問題があった。
【0006】
そこで、材料の使用量を削減してコスト低減を図ると共に製品の軽量化を図りつつ支柱外観に斬新性を付与せんとして、例えば図36に示すような、鋼製の円形管からなる芯管pの表面qに樹脂被覆部rを形成した、例えば横断面外形が六角形状を呈する角形樹脂被覆管sを想定し、該角形樹脂被覆管sの全体を該芯管pの軸線回りに螺旋状に捩じることが考えられる。しかしながら、該角形樹脂被覆管sの全体をその芯管pの軸線回りに螺旋状に捩じったとすれば該芯管は中空であるために折れ易く、所望の螺旋状の捩じり形態を形成し難い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−18586号公報
【特許文献2】実用新案登録第3096251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、植物栽培用の支柱等としての強度を所要に発揮できながら斬新な外観を呈し、加えて、薔薇等の蔓性植物を良好に成長させ得る植物栽培用の捩れ樹脂被覆管の提供を課題とするものである。又本発明は、アーチ状を呈する植物栽培用の捩れ樹脂被覆管を精度よく容易に製造し得る植物栽培用の捩れ樹脂被覆管の製造方法の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明に係る植物栽培用の捩れ樹脂被覆管(以下、捩れ樹脂被覆管という)の第1の態様は、鋼製の円形管からなる芯管の外表面が樹脂により密着状態に被覆されることによって樹脂被覆部が形成され、該樹脂被覆部は、横断面外形が多角形状に形成されており、該樹脂被覆部は、前記芯管の長さ方向の全体乃至一部分で該芯管の軸線回りに螺旋状に捩れており、この捩れは樹脂被覆部のみで行われていて芯管は捩れていないことを特徴とするものである。
【0010】
本発明に係る捩れ樹脂被覆管の第2の態様は、所要間隔を隔てる直線状の支柱部の上端相互が、逆U字状をなすアーチ状連結部で連結されてなり、該支柱部と該アーチ状連結部は共に、鋼製の円形管からなる芯管の外表面が樹脂により密着状態に被覆されることによって樹脂被覆部が形成され、該樹脂被覆部は、横断面外形が多角形状に形成されており、該樹脂被覆部は、前記芯管の長さ方向の全体乃至一部分で該芯管の軸線回りに螺旋状に捩れており、この捩れは樹脂被覆部のみで行われていて芯管は捩れておらず、且つ、該アーチ状連結部の少なくとも上端部分においては前記樹脂被覆部が捩れておらず、該上端部分の上側の面と下側の面は水平な平滑面に形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明に係る捩れ樹脂被覆管の第3の態様は、所要間隔を隔てる直線状の支柱部の上端相互が、逆U字状をなすアーチ状連結部で連結されてなり、該支柱部と該アーチ状連結部は共に、鋼製の円形管からなる芯管の外表面が樹脂により密着状態に被覆されることによって樹脂被覆部が形成され、該樹脂被覆部は、横断面外形が多角形状に形成されており、該樹脂被覆部は、前記芯管の長さ方向の全体乃至一部分で該芯管の軸線回りに螺旋状に捩れており、この捩れは樹脂被覆部のみで行われていて芯管は捩れておらず、且つ、該アーチ状連結部の全体において前記樹脂被覆部が捩れておらず、該アーチ状連結部の上端部分の上側の面と下側の面は水平な平滑面に形成されていることを特徴とするものである。
【0012】
前記した各捩れ樹脂被覆管において、前記樹脂被覆部は、横断面外形を正六角形状に形成するのがよい。
【0013】
本発明に係る植物栽培用の捩れ樹脂被覆管の製造方法は、アーチ状支柱形成管材を用いて前記第3の態様に係る植物栽培用の捩れ樹脂被覆管を製造する製造方法であって、該アーチ状支柱形成管材は、鋼製の直線状の円形管からなる芯管の外表面が樹脂により密着状態に被覆されることによって横断面外形が正六角形状を呈する樹脂被覆部が形成され、該アーチ状支柱形成管材は、中間に位置する、前記アーチ状連結部を形成するアーチ状連結部形成部分と、その両側に位置する、前記直線状の支柱部を形成する支柱部形成部分とからなり、少なくとも該アーチ状連結部形成部分においては、前記樹脂被覆部が捩れておらず、該支柱部形成部分においては、前記芯管の長さ方向の全体乃至一部分で前記樹脂被覆部が該芯管の軸線回りに螺旋状に捩れており、この捩れは樹脂被覆部のみで行われていて芯管は捩じれておらず、前記アーチ状連結部形成部分をU字状に屈曲する際、前記アーチ状支柱を立設した状態において前記上端部分の上側の面と下側の面が水平な平滑面を呈し得るように屈曲することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明に係る捩れ樹脂被覆管は、鋼製の円形管からなる芯管の外表面が樹脂により密着状態に被覆されることによって樹脂被覆部が形成され、該樹脂被覆部は、横断面外形が多角形状に形成されており、該樹脂被覆部は、前記芯管の長さ方向の全体乃至一部分で該芯管の軸線回りに螺旋状に捩れており、この捩れは樹脂被覆部のみで行われていて芯管は捩れていない。
かかることから本発明によるときは、捩れていない芯管によって捩れ樹脂被覆管の強度を所要に確保できながら、螺旋状に捩れた斬新な外観を呈する捩れ樹脂被覆管を提供できることになる。そして、芯管の外表面に樹脂被覆部が密着して形成されているため、芯管と樹脂被覆部が完全に一体化しており、該樹脂被覆部が剥離する恐れがない。又、薔薇等の蔓性植物を栽培する場合に、その茎や蔓が螺旋状の捩れに沿って上方向に伸びるように方向付けできるため、蔓性植物の成長を促すことができる。このようなことから、家庭園芸の楽しみを増大させ得る。
【0015】
(2) 本発明に係る捩れ樹脂被覆管をアーチ状支柱として応用し、前記連結部の少なくとも上端部分においては、前記樹脂被覆部が捩れておらず且つ該上端部分の上側の面と下側の面を水平な平滑面を呈する如く構成する場合は、例えば、2本のアーチ状支柱をその連結部の上端部分相互を当接させて略直角の交差状態として植物支持枠体を構成するとき、該上端部分相互を面接触状態で当接させることができる。かかることから、該連結部相互を交差状態で安定的に一体化できることとなる。
【0016】
(3) 特に前記樹脂被覆部を、横断面外形が正六角形状を呈する如く構成する場合は、隣り合う三角形状の角部分間の部分を極力薄く形成しながら、即ち、樹脂使用量を極力少なくしながら、角部分を明瞭に形成することができる。従って、螺旋状の捩れ形態が明瞭である見栄えのよい捩れ樹脂被覆管を経済的に構成できることとなる。
【0017】
(4) 本発明に係る捩れ樹脂被覆管の製造方法によるときは、アーチ状連結部形成部分は捩じられていないため、該アーチ状連結部形成部分を精度よくしかも無理なく屈曲させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る捩れ樹脂被覆管の一態様を示す部分正面図である。
【図2】本発明に係る捩れ樹脂被覆管の他の態様を示す部分正面図である。
【図3】その横断面図である。
【図4】直線状に延長する捩れ樹脂被覆管の全体構成を示す正面図である。
【図5】その部分を示す一部を切り欠いた斜視図である。
【図6】捩れ樹脂被覆管の他の態様を示す横断面図である。
【図7】捩れ樹脂被覆管のその他の態様を示す横断面図である。
【図8】捩れ樹脂被覆管を用いて構成された植物栽培用の直線状支柱を示す正面図である。
【図9】その上下端側部分を示す一部断面拡大図である。
【図10】その直線状支柱を植木鉢の土に立設した状態を示す斜視図である。
【図11】本発明に係る直線状支柱と横連結杆とを用いて構成された柵状物を示す斜視図である。
【図12】その横連結杆を示す斜視図である。
【図13】その両端側部分を示す一部断面拡大図である。
【図14】直線状支柱と横連結杆との交差部分をバンド部材で固定した状態を示す斜視図である。
【図15】本発明に係る捩れ樹脂被覆管を用いて構成された植物支持用のアーチ状支柱を示す斜視図である。
【図16】そのアーチ状支柱の上側部分を拡大して示す正面図である。
【図17】そのアーチ状支柱の下端部分を拡大して示す一部断面正面図である。
【図18】そのアーチ状支柱の中間部分を拡大して示す一部を切り欠いた正面図である。
【図19】2本のアーチ状支柱の上端部分相互を当接状態で交差させた斜視図である。
【図20】その部分拡大図である。
【図21】その交差部分を結着材で結着した状態を示す斜視図である。
【図22】アーチ状支柱の製造方法を説明する斜視図である。
【図23】2本のアーチ状支柱を用いて形成した植物支持枠体を、その使用状態で示す斜視図である。
【図24】2本のアーチ状支柱を用いて形成した植物支持枠体を、その他の使用状態で示す斜視図である。
【図25】アーチ状支柱と横連結杆を用いて構成した柵状物を示す斜視図である。
【図26】アーチ状支柱と直線状支柱と横連結杆を用いて構成した柵状物を示す斜視図である。
【図27】捩れ樹脂被覆管のその他の態様を示す横断面図である。
【図28】捩れ樹脂被覆管のその他の態様を示す横断面図である。
【図29】アーチ状支柱のアーチ状連結部の他の構成を示す正面図である。
【図30】樹脂被覆部が、その全長に亘って螺旋状に捩れたアーチ状支柱を示す正面図である。
【図31】従来の植物栽培用樹脂被覆管の一例を示す断面図である。
【図32】従来の植物栽培用樹脂被覆管の他の例をその使用状態で示す斜視図である。
【図33】その部分拡大図である。
【図34】その横断面図である。
【図35】金属棒材をその軸線回りに螺旋状に捩ってなる従来の植物栽培用支柱を示す部分斜視図である。
【図36】鋼製の円形管からなる管材の表面を樹脂被覆してなる角形樹脂被覆管を示す部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0019】
図1〜3において本発明に係る捩れ樹脂被覆管1は、植物栽培の為に、直線状形態や屈曲形態等の各種の形態で使用されるものである。鋼製の円形管からなる芯管2の外表面3が樹脂により密着状態に被覆されることによって樹脂被覆部4が形成されており、該樹脂被覆部4は、図3に示すように、横断面外形が多角形状に形成されている。そして該樹脂被覆部4は、前記芯管2の長さ方向の全体乃至一部分で該芯管2の軸線回りに螺旋状に捩れて螺旋状捩れ部5が形成されており、この捩れは樹脂被覆部4のみで行われていて芯管2は捩れていない。以下、これをより具体的に説明する。
【0020】
図4〜5は、直線状に延長する捩れ樹脂被覆管1を示すものであり、外径が12.7mm程度の直線状を呈する円形管からなる芯管2の外表面3が、例えば黒色に着色された塩化ビニルにより密着状態に被覆されることによって、例えば図3に示すような、横断面外形が正六角形状の樹脂被覆部4が形成されている。該樹脂被覆部4の薄肉部6の肉厚は0.4mm程度に設定されると共にその角部分(横断面三角形状の厚肉部)7は、その最大肉厚が1.5mm程度に設定されている。かかる構成を有する樹脂被覆部4は、前記芯管2の長さ方向の全長に亘って、該芯管2の軸線回りに螺旋状に捩れている。その捩れのピッチは400〜600mmに、例えば500mm程度に設定されている。このようにして構成された樹脂被覆部4は、その角部分7及び隣り合う角部分7,7間の平滑面9が一様に捩れて、前記螺旋状捩れ部5が形成されている。該捩れ樹脂被覆管1の全長は例えば150〜230cmに設定されている。
【0021】
本実施例で示すように、樹脂被覆部4を、横断面外形が正六角形状を呈するように構成する場合は、例えば図6に示す四角形状や、図7に示す五角形状に構成する場合に比し、樹脂使用量を少なくしながら、角張った印象の螺旋状の捩れ形態を明瞭に表現できることになる。ここで、樹脂使用量を少なくできる理由を説明する。多角形状の角部分7,7間の樹脂被覆部4の肉厚は、前記螺旋状捩れ部5を形成する際に被覆樹脂が破れて芯管2が露出することがないように一定以上の厚さを確保しなければならないのであるが、横断面外形を四角形状や五角形状に形成する場合は、該角部分7が厚肉とならざるを得ない。その結果、樹脂使用量が多くなるのであるが、横断面外形を六角形状に形成する場合は、角部分7の肉厚を比較的薄く形成でき、従って樹脂使用量を少なくできるのである。
【0022】
前記構成を有する捩れ樹脂被覆管1は、例えば押出成型機を用いて製造することができる。一つの製造方法としては、押出成型機に導入される芯管2の外表面3を、金型から導入される樹脂で被覆するのであるが、その際に、該芯管2を一定速度で回転させながら押出成型機に導入することによって行うことができる。他の製造方法としては、芯管2を回転させずこれを押出成型機に導入し、該芯管2の導入に伴い、樹脂を押出す金型を該芯管2の軸線回りに回転させて行うことができる。
【0023】
このようにして製造された捩れ樹脂被覆管1は、前記芯管2は何ら捩れておらず、捩れは樹脂被覆部4でのみ行われているために、該芯管2によって捩れ樹脂被覆管1の強度を所要に確保できながら、外観的には樹脂被覆管の全体が捩れているかのような、デザイン性に優れた捩れ樹脂被覆管を提供できることになる。
【0024】
図8〜9は、かかる捩れ樹脂被覆管1を植物栽培用の直線状支柱10として用いる場合を示すものであり該捩れ樹脂被覆管1の下端部11には、図9に示すように、例えば半丸の樹脂キャップ12の軸部13が圧入されると共に、該捩れ樹脂被覆管1の上端部15には擬宝珠16の軸部17が圧入されている。該直線状支柱10の長さは例えば210cmに設定されている。
【0025】
図10は、該直線状支柱10を、その下端部分19を、植木鉢20に収容した土21や地面に20cm程度の深さに押し込んで立設した状態を示す。この直線状支柱10によって、例えば、薔薇やクレマチス、朝顔等の蔓性植物を栽培できる。該直線状支柱10の螺旋状捩れ部5は、蔓性植物の茎や蔓が螺旋状の捩れに沿って上方向に伸長するように方向付けできるため、植物の成長を促すことができる。特に本実施例においては、該螺旋状捩れ部5も含めた直線状支柱10の全体が黒色に着色されているため、特に薔薇を栽培するときは、黒色の直線状支柱10と薔薇とが色合いの面でマッチするので、その栽培状態の見栄えを一層向上させることができる。
【0026】
図11は、かかる構成を有する直線状支柱10の例えば4本を用い、これらを所要間隔を置いて(例えば30〜50cm程度の間隔を置いて)その下端部分19を地面22に押し込んで立設状態として支柱列23を形成して後、該支柱列23の全体を横連結杆25で連結して柵状物26を形成した場合を示すものである。該横連結杆25は、図12〜13に示すように、前記捩れ樹脂被覆管1の両端部27,26に、例えば半丸の樹脂キャップ12の軸部13が圧入されている。そして、該直線状支柱10と該横連結杆25との交差部分28は、図11、図14に示すように、例えば、弾性変形可能で開閉できるバンド部材29を用いて固定されている。かかる柵状物26の各直線状支柱10で薔薇等の蔓性植物を栽培できる。
【0027】
図15〜18は、本発明に係る捩れ樹脂被覆管1が植物支持用のアーチ状支柱30として応用された場合を示すものである。
【0028】
該アーチ状支柱30は、本実施例においては図15〜16に示すように、間隔を隔てる直線状の支柱部32,32の上端相互を、逆U字状をなすアーチ状連結部33で連結してなる。そして、図16、図17に示すように、該アーチ状連結部33及び、前記支柱部32,32の下端側の部分35,35は、前記樹脂被覆部(横断面外形が正六角形状を呈する)4が捩れておらず、図16、図20に示すように、該アーチ状連結部33の上端部分36の上側の面37と下側の面38は水平な平滑面(隣り合う角部分7,7間に形成された水平な平滑面)として形成されている。そして前記支柱部32,32の、前記下端側の部分35,35を除いた、直線状を呈する支柱上側部分40,40においては、図15、図18に示すように、例えば図3に示すような断面外形が正六角形状を呈する前記樹脂被覆部4が、前記支柱部32,32の軸線回り(前記芯管2の軸線回り)に螺旋状に捩れて、前記螺旋状捩れ部5が形成されている。該アーチ状支柱30の高さは例えば210cm程度に設定され、両支柱部32,32間の間隔は例えば40cm程度に設定されている。
【0029】
該上端部分36の上側の面37と下側の面38を水平な平滑面を呈するように構成するのは次の理由による。即ち、2本のアーチ状支柱30,30を、図19〜20に示すように、その上端部分36,36相互を当接状態で交差させ、例えば図21に示すように該交差部分39を樹脂被覆の針金等の結着材41で結着する際に、両上端部分36、36を面接触の安定交差状態とすると共に該両上端部分36、36の結着を安定的に行わせるためである。又、前記支柱部32,32の前記下端側の部分35,35を螺旋状に捩っていない理由は、店舗のレジ通過の際等において、シールを巻き付けやすくする部分を作るためである。
【0030】
そして、前記両支柱部32,32の下端部43,43には、図17に示すように、半丸の樹脂キャップ12の軸部13が圧入されている。
【0031】
このようにして構成されたアーチ状支柱30(捩れ樹脂被覆管1)は、前記芯管2は何ら捩れておらず、捩れは樹脂被覆部4でのみ行われている。かかることから、該芯管2によって捩れ樹脂被覆管1の強度が所要に確保されながら、外観的には樹脂被覆管の全体が捩れているかのようなデザイン性に優れたアーチ状支柱30(図15)を提供できることになる。
【0032】
前記アーチ状支柱30は、例えば図22に示す支柱形成管材46を用いて構成されている。該支柱形成管材46は、鋼製の直線状の円形管からなる芯管2の外表面3が、前記と同様にして樹脂により密着状態に被覆されることにより、例えば図3に示すように、横断面外形が正六角形状を呈する樹脂被覆部4が形成されてなる。そして該支柱形成管材46は、中間の連結部形成部分47とその両側の支柱部形成部分49,49とからなり、該連結部形成部分47と、該支柱部形成部分49,49の端側部分50,50を除く部分51,51で、横断面外形が正六角形状を呈する前記樹脂被覆部4が前記芯管2の軸線回りに螺旋状に捩れて螺旋状の捩れ部5が形成されている。前記芯管2が捩れていないのは前記と同様である。
【0033】
かかる構成を有する支柱形成管材46の前記中間の連結部形成部分47をベンダーでU字状に屈曲することによって前記アーチ状連結部33を形成すると、前記アーチ状支柱30を構成できる。このように屈曲する際、該アーチ状支柱30を立設した状態において、図19〜20に示すように、前記上端部分36の上側の面37と下側の面38が水平な平滑面を呈し得るように、該連結部形成部分47の屈曲向きを考慮する。そして、該連結部形成部分47においては前記樹脂被覆部4が螺旋状に捩れていないため、かかるU字状の屈曲を精度よく行うことができる。
【0034】
図23は、かかる構成を有する2本のアーチ状支柱30,30を用いて形成した植物支持枠体31を示している。両アーチ状支柱30,30は、図21、図23に示すように、そのアーチ状連結部33,33の上端部分36,36相互を当接させて略直角に交差した状態とされ、その交差部分39が前記結着材41で結着されている。そして、各アーチ状支柱30,30の前記支柱部32,32の下端部分45,45が、前記植木鉢20内の土21や地面に、例えば20cm程度の深さに押し込まれている。このようにして構成された植物支持枠体31は、アーチ状連結部33,33相互が面接触の安定的な交差状態で結着材47により確実に結着されて一体化しており、構造的に安定している。又、このように構成された植物支持枠体31は、例えば図24に示すように、植物支持枠体31の下部空間50に植木鉢20を納めた状態で芝生面や地面等の設置面51に立設されることもある。
【0035】
このようにして構成した植物支持枠体31で、例えば薔薇等の蔓性植物を栽培するのであるが、蔓性植物は、その茎や蔓が前記支柱部32の螺旋状の捩れに沿って上方向に伸びることができるため、その成長を促すことができる。特に本実施例においては、前記アーチ状支柱30,30の全体が黒色に着色されているため、特に薔薇を栽培するときは、黒色の植物支持枠体31と薔薇とが色合いの面でマッチするので、その栽培状態の見栄えを一層向上させることができる。
【0036】
図25は、前記アーチ状支柱30の例えば3本を用い、これらを所要間隔を置いて(例えば40cm程度の間隔を置いて)その下端部分49,49を地面20に押し込んで立設状態として支柱列52を形成して後、該支柱列52の全体を、前記と同様構成の横連結杆25で連結して柵状物53を形成した場合を示すものである。そして、該アーチ状支柱30と該横連結杆25との交差部分55は、図14に示すと同様にして、例えばバンド部材29で固定されている。図26は、該アーチ状支柱30と前記直線状支柱10を組合わせて構成された柵状物53を示すものであり、例えば、両支柱が交互に立設されて支柱列56が形成されると共に、該支柱列56の全体が、前記と同様構成の横連結杆25で連結されている。かかる柵状物53の各アーチ状支柱30で薔薇等の蔓性植物を栽培できる。
【実施例2】
【0037】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
【0038】
(1) 前記樹脂被覆部4は、前記実施例においては横断面外形が正六角形状に形成されているが、横断面外形を、図27に示す三角形状や図6に示す四角形状、図7に示す五角形状、図28に示す八角形状等の各種の多角形状に形成することもできる。
【0039】
(2) 前記アーチ状連結部33は、図15に示すように、その全体が螺旋状に捩じられていない状態に構成されることの他、アーチ状支柱27,27を交差させて植物支持枠体29を構成する場合における該交差部分42となる上端部分28のみを、螺旋状に捩れていない部分とし、その他の部分を、螺旋状に捩れた状態に形成してもよい。
【0040】
(3) 前記アーチ状連結部33は、図29に示すように、その全長に亘って螺旋状に捩れた状態に構成されることもある。又、図30に示すように、樹脂被覆部4の全長に亘って螺旋状に捩れた状態に構成されることもある。
【0041】
(4) 前記捩れのピッチは、1本の捩れ樹脂被覆管において変化させることもできる。
【0042】
(5) 捩れ樹脂被覆管の長さは、その使用目的に応じて適宜設定できる。
【符号の説明】
【0043】
1 樹脂被覆管
2 芯管
3 外表面
4 樹脂被覆部
5 螺旋状捩れ部
6 薄肉部
7 角部分
9 平滑面
10 直線状支柱
30 アーチ状支柱
32 支柱部
33 アーチ状連結部
36 上端部分
37 上側の面
38 下側の面
46 支柱形成管材
47 連結部形成部分
49 支柱部形成部分
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼製の円形管からなる芯管の外表面が樹脂により密着状態に被覆されることによって樹脂被覆部が形成され、該樹脂被覆部は、横断面外形が多角形状に形成されており、該樹脂被覆部は、前記芯管の長さ方向の全体乃至一部分で該芯管の軸線回りに螺旋状に捩れており、この捩れは樹脂被覆部のみで行われていて芯管は捩れていないことを特徴とする植物栽培用の捩れ樹脂被覆管。
【請求項2】
所要間隔を隔てる直線状の支柱部の上端相互が、逆U字状をなすアーチ状連結部で連結されてなり、該支柱部と該アーチ状連結部は共に、鋼製の円形管からなる芯管の外表面が樹脂により密着状態に被覆されることによって樹脂被覆部が形成され、該樹脂被覆部は、横断面外形が多角形状に形成されており、該樹脂被覆部は、前記芯管の長さ方向の全体乃至一部分で該芯管の軸線回りに螺旋状に捩れており、この捩れは樹脂被覆部のみで行われていて芯管は捩れておらず、且つ、該アーチ状連結部の少なくとも上端部分においては前記樹脂被覆部が捩れておらず、該上端部分の上側の面と下側の面は水平な平滑面に形成されていることを特徴とする植物栽培用の捩れ樹脂被覆管。
【請求項3】
所要間隔を隔てる直線状の支柱部の上端相互が、逆U字状をなすアーチ状連結部で連結されてなり、該支柱部と該アーチ状連結部は共に、鋼製の円形管からなる芯管の外表面が樹脂により密着状態に被覆されることによって樹脂被覆部が形成され、該樹脂被覆部は、横断面外形が多角形状に形成されており、該樹脂被覆部は、前記芯管の長さ方向の全体乃至一部分で該芯管の軸線回りに螺旋状に捩れており、この捩れは樹脂被覆部のみで行われていて芯管は捩れておらず、且つ、該アーチ状連結部の全体において前記樹脂被覆部が捩れておらず、該アーチ状連結部の上端部分の上側の面と下側の面は水平な平滑面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の植物栽培用の捩れ樹脂被覆管。
【請求項4】
前記樹脂被覆部は横断面外形が正六角形状に形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の植物栽培用の捩れ樹脂被覆管。
【請求項5】
アーチ状支柱形成管材を用いて請求項3記載の植物栽培用の捩れ樹脂被覆管を製造する製造方法であって、該アーチ状支柱形成管材は、鋼製の直線状の円形管からなる芯管の外表面が樹脂により密着状態に被覆されることによって横断面外形が正六角形状を呈する樹脂被覆部が形成され、該アーチ状支柱形成管材は、中間に位置する、前記アーチ状連結部を形成するアーチ状連結部形成部分と、その両側に位置する、前記直線状の支柱部を形成する支柱部形成部分とからなり、少なくとも該アーチ状連結部形成部分においては、前記樹脂被覆部が捩れておらず、該支柱部形成部分においては、前記芯管の長さ方向の全体乃至一部分で前記樹脂被覆部が該芯管の軸線回りに螺旋状に捩れており、この捩れは樹脂被覆部のみで行われていて芯管は捩れておらず、
前記アーチ状連結部形成部分をU字状に屈曲する際、前記アーチ状支柱を立設した状態において前記上端部分の上側の面と下側の面が水平な平滑面を呈し得るように屈曲することを特徴とする植物栽培用の捩れ樹脂被覆管の製造方法。
【請求項1】
鋼製の円形管からなる芯管の外表面が樹脂により密着状態に被覆されることによって樹脂被覆部が形成され、該樹脂被覆部は、横断面外形が多角形状に形成されており、該樹脂被覆部は、前記芯管の長さ方向の全体乃至一部分で該芯管の軸線回りに螺旋状に捩れており、この捩れは樹脂被覆部のみで行われていて芯管は捩れていないことを特徴とする植物栽培用の捩れ樹脂被覆管。
【請求項2】
所要間隔を隔てる直線状の支柱部の上端相互が、逆U字状をなすアーチ状連結部で連結されてなり、該支柱部と該アーチ状連結部は共に、鋼製の円形管からなる芯管の外表面が樹脂により密着状態に被覆されることによって樹脂被覆部が形成され、該樹脂被覆部は、横断面外形が多角形状に形成されており、該樹脂被覆部は、前記芯管の長さ方向の全体乃至一部分で該芯管の軸線回りに螺旋状に捩れており、この捩れは樹脂被覆部のみで行われていて芯管は捩れておらず、且つ、該アーチ状連結部の少なくとも上端部分においては前記樹脂被覆部が捩れておらず、該上端部分の上側の面と下側の面は水平な平滑面に形成されていることを特徴とする植物栽培用の捩れ樹脂被覆管。
【請求項3】
所要間隔を隔てる直線状の支柱部の上端相互が、逆U字状をなすアーチ状連結部で連結されてなり、該支柱部と該アーチ状連結部は共に、鋼製の円形管からなる芯管の外表面が樹脂により密着状態に被覆されることによって樹脂被覆部が形成され、該樹脂被覆部は、横断面外形が多角形状に形成されており、該樹脂被覆部は、前記芯管の長さ方向の全体乃至一部分で該芯管の軸線回りに螺旋状に捩れており、この捩れは樹脂被覆部のみで行われていて芯管は捩れておらず、且つ、該アーチ状連結部の全体において前記樹脂被覆部が捩れておらず、該アーチ状連結部の上端部分の上側の面と下側の面は水平な平滑面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の植物栽培用の捩れ樹脂被覆管。
【請求項4】
前記樹脂被覆部は横断面外形が正六角形状に形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の植物栽培用の捩れ樹脂被覆管。
【請求項5】
アーチ状支柱形成管材を用いて請求項3記載の植物栽培用の捩れ樹脂被覆管を製造する製造方法であって、該アーチ状支柱形成管材は、鋼製の直線状の円形管からなる芯管の外表面が樹脂により密着状態に被覆されることによって横断面外形が正六角形状を呈する樹脂被覆部が形成され、該アーチ状支柱形成管材は、中間に位置する、前記アーチ状連結部を形成するアーチ状連結部形成部分と、その両側に位置する、前記直線状の支柱部を形成する支柱部形成部分とからなり、少なくとも該アーチ状連結部形成部分においては、前記樹脂被覆部が捩れておらず、該支柱部形成部分においては、前記芯管の長さ方向の全体乃至一部分で前記樹脂被覆部が該芯管の軸線回りに螺旋状に捩れており、この捩れは樹脂被覆部のみで行われていて芯管は捩れておらず、
前記アーチ状連結部形成部分をU字状に屈曲する際、前記アーチ状支柱を立設した状態において前記上端部分の上側の面と下側の面が水平な平滑面を呈し得るように屈曲することを特徴とする植物栽培用の捩れ樹脂被覆管の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【公開番号】特開2012−91(P2012−91A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140908(P2010−140908)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【特許番号】特許第4620177号(P4620177)
【特許公報発行日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(392003225)第一ビニール株式会社 (27)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【特許番号】特許第4620177号(P4620177)
【特許公報発行日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(392003225)第一ビニール株式会社 (27)
【Fターム(参考)】
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