説明

植物栽培用の機能性支柱構成用の機能性キャップ具

【課題】小規模な空きスペースを有効活用して蔓性植物等を各種の栽培形態で栽培できる機能性支柱を、手持ちの支柱を有効活用して安価に構成可能とする機能性キャップ具を提供する。
【解決手段】1本の支柱2の上部分に固定される連結部材5の基部6に保持部材7が設けられている。保持部材7は、横連結杆9の所要部分を着脱可能に保持でき、基部6に傾動可能に取り付けられている。連結部材5は、基部6の側部で下方に突設された下方突出支持片35の前の縁部36の上側部分に上の保持片39が設けられると共に、後の縁部37の下側部分に下の保持片40が設けられている。下の保持片40は、支柱2の上部分を弾性的に挾持し得る筒状挾持部46を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、胡瓜やゴーヤ、豆類、朝顔等の植物を栽培するために好適に用いることのできる植物栽培用の機能性支柱構成用の機能性キャップ具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願人は特許文献1において、胡瓜やゴーヤ、豆類、朝顔等の植物の栽培に用いて好適な支柱枠体aを構成する植物栽培用の開閉式支柱bを提案した。
【0003】
該開閉式支柱bは、図30〜31に示すように、左右一対の支柱c,cの上部分d,d相互が連結具eを介して開閉可能に連結されていた。該連結具eは図30〜31に示すように、前記上部分d,dに夫々固定される連結部材f,f相互が、一対の支柱c,cが開閉可能となるように連結されると共に、該支柱c,cの開閉方向と直交する前後方向に延長する横連結杆gの長さ方向の所要部分としての被保持部hを保持する保持部材jが、前記連結部材f,fの双方に連なる如く、且つ、該一対の連結部材f,fの連結部kの上側に存するように設けられていた。そして該保持部材jは、上側が開放し且つ両端が開放した保持溝mを有するC字状保持部nを具え、該保持溝mに前記被保持部hが着脱可能に収容され、収容された該被保持部hが該C字状保持部nに弾性挾持状態で保持されるように構成されていた。そして前記連結部材f,fの好ましい態様としては、前記支柱cの上部分dを密接状態に挿入させ得る、下端開放で且つ上端が閉塞された筒部(例えば円筒部)pを具えていた。
【0004】
かかる構成を有する開閉式支柱bの複数本を用いて、例えば胡瓜を栽培するための支柱枠体aを構成するに際しては、例えば図32、図30に示すように、両支柱c,cを最大に開いた開閉式支柱bを、畝幅が70cm程度の畝qの長さ方向に70〜90cm程度の間隔で配設することとし、該開閉式支柱bを最大開き状態にして両支柱c,cの下端側の部分r,rを地面sに突き刺して立設状態としていた。その後、図31に矢印で示すように、前記横連結杆gの被保持部hを前記保持溝mに上端開放部を通して押し込むことにより、該横連結杆gの被保持部hが弾性的に挾持された状態となり、これによって図32に示す支柱枠体aを構成するのであった。
【0005】
このようにして構成された支柱枠体aの、一方の支柱c1による支柱並列部及び、他方の支柱c2による支柱並列部の夫々の傾斜外面を、ネット材uで覆うことにより、傾斜ネット面を具える例えば胡瓜棚w,wを形成し、該胡瓜棚w,wで胡瓜を栽培することとしていた。かかる構成を有する従来の開閉式支柱bによるときは、胡瓜等の蔓性植物の栽培を安定状態で行なうことのできる支柱枠体を簡易に構成できる利点があった。
【0006】
しかしながら、かかる支柱枠体aを構成するために、開閉式支柱bを所要の開き状態にして両支柱c,cの下端側の部分r,rを地面sに押し込むことにより三角形状の枠部を形成していたため、開閉式支柱bを開いた状態で立設できるだけの広いスペース(畑)を必要とした。従って、従来の開閉式支柱bによっては、畑としては利用しにくい小規模の空きスペースで胡瓜等の蔓性植物の栽培を行なうということが難しかった。
【0007】
又、従来の開閉式支柱bは2本の支柱c,cを用いて構成されていたため、部品点数が多くなって材料費が高く付く等、製造コストの上昇を招く問題があった他、両支柱を閉じた状態で嵩張るために、保管の際や店舗における展示の際等においてスペースをとる問題もあった。
【0008】
又、開閉式支柱bを三角形状に開いて地面に立設して支柱枠体aを構成することから、支柱枠体aの形態が特定されてしまい、植物を各種の栽培形態で栽培しようとしても支柱枠体を変化させるということができなかった。
【0009】
又、前記開閉式支柱bを構成する前記従来の支柱相互の連結具eは、図30〜31に示すように、左右の連結部材f,fが、下端開放の筒部pを具え該筒部pの挿入孔部yに前記支柱cの上部分dを密接状態に挿入させる構成を採用していたため、該上部分dの外径が該挿入孔部yの内径に合致する円形軸状に構成されていなければ、該上部分dを該挿入孔部yに挿入することができず、従って、前記開閉式支柱bを構成することができなかった。勿論、かかる開閉式支柱を製造するメーカにあっては、組立てに支障のない連結部材と支柱とを設計製作するために何ら問題は生じなかった。しかしながら、家庭菜園を楽しむ人達にとっては、前記連結具eを購入して、これに手持ちの支柱を連結して開閉式支柱を組み立てんとする場合に次のような問題点があった。
【0010】
即ち、例えば図33(A)に示すように、該支柱cの上部分dにキャップa1が取り付けられていたり、図33(B)に示すように、該支柱cの外周面b1に、その長さ方向に突部d1を不連続状態に連ねた不連続突部列e1が設けられていたり、或いは図33(C)に示すように、該支柱cの外周面b1にその長さ方向に所要間隔で節部f1が設けられていて該節部f1が支柱cの上部分dにも存する場合等、前記挿入孔部yに挿入させるべき上部分dが外面平滑の所要径に正しく形成されていない場合は該上部分dを該挿入孔部yに挿入させることができず、従って、所望の開閉式支柱を構成できない問題があった。そのため結局、前記筒部pの挿入孔部yに上部分を挿入させることができる所要の支柱を購入しなければならない不経済があったり、所要に組み立てられた開閉式支柱を購入せざるを得ない等、手持ちの支柱を有効活用できない不経済があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2007−166949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、畑として利用しにくい小規模な空きスペースであっても、これを有効活用して蔓性植物等の植物を栽培できる機能性支柱を構成するために用いることができる植物栽培用の機能性支柱構成用の機能性キャップ具の提供を課題とするものである。
【0013】
又、手持ちの支柱を有効活用して該機能性支柱を安価に構成できる経済性を有し、又、このように構成した開閉式支柱の使用時期が終わった後は、連結具から支柱を取り外すことによって該支柱を他の目的に有効活用可能とする植物栽培用の機能性支柱構成用の機能性キャップ具の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するため本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明に係る植物栽培用の機能性支柱構成用の機能性キャップ具(以下機能性キャップ具という)は、1本の支柱の上部分に固定される連結部材の基部に保持部材が設けられており、該保持部材は、横方向に延長する横連結杆の長さ方向の所要部分としての被保持部を保持できるものであり、該保持部材は、上側が開放し且つ両端が開放した保持溝を有するC字状保持部を具え、該保持溝に着脱可能に収容された該被保持部が該C字状保持部に弾性挾持状態で保持されるようになされている。そして前記連結部材は、前記基部の所要側部で下方向(縦方向)に突設されて前記支柱の一側部分を支持する下方突出支持片を具え、該下方突出支持片の前後の縁部の何れか一方の縁部に関し、その上側部分に位置させて上の保持片が設けられると共に、他方の縁部に関し、その下側部分に位置させて下の保持片が設けられ、該上下の保持片間に所要間隙が設けられており、該間隙の大きさは、前記上部分を、該間隙に、該上の保持片が設けられている縁部側から該下の保持片が設けられている縁部側に向けて横方向に挿通させ得るように設定されている。そして、前記下の保持片と前記下方突出支持片の下側部分とで、前記上部分の、前記他方の縁部側の部分を弾性的に挾持し得る断面C字状の筒状挾持部が形成され、該筒状挾持部は、前記一方の縁部側の周面部が該筒状挾持部の軸線方向に開口し且つ開口部が弾性的に拡開し得る筒状を呈しており、且つ、前記上の保持片は、前記上部分の、前記一方の縁部側の部分を支持する如くなされており、且つ、前記上部分を前記上下の保持片間に前記横方向に挿通させて後、前記支柱を、その上端が前記上の保持片側に近づく方向に回動させることにより、該上部分の上側部分が前記上の保持片に支持された状態となって、該上部分の下側部分が前記開口部を通して該筒状挾持部内に嵌め入れられる如くなされ、且つ、前記連結部材の前記基部の下面側が、前記支柱の上端に当接し得ることを特徴とするものである。
【0015】
前記態様において、前記とは逆に、前記上の保持片と前記下方突出支持片の上側部分とで、前記上部分の、前記一方の縁部側の部分を弾性的に挾持し得る断面C字状の筒状挾持部を形成し、前記下の保持片が、前記上部分の、前記他方の縁部側の部分を支持する如く構成することもある。
【0016】
前記の各機能性キャップ具において、前記基部の、前記所要側部と対向する側部に、前記支柱の上端部分を支持する受部を設けるのがよい。
【0017】
又、前記の各機能性キャップ具において、植物栽培用のネット材を掛着させるためのフック状掛着片を、前記基部又は前記下方突出支持片に設けるのがよい。
【0018】
前記の各機能性キャップ具が前記受部を具える場合、植物栽培用のネット材を掛着させるためのフック状掛着片を前記受部に設けることもできる。
【0019】
前記の各態様において、前記保持部材は、前記支柱が立設された状態で見て、垂直面内で傾動可能となすのがよい。そのための具体的な構成としては、下記構成の機能性キャップ具を挙げることができる。
【0020】
即ち、該機能性キャップ具は、前記連結部材の前記基部に、上方突出の第1のジョイント部が設けられると共に、前記保持部材には、該第1のジョイント部と重なる、下方突出の第2のジョイント部が設けられており、該第2のジョイント部が、前記支柱が立設された状態で見て、該第1のジョイント部に対して垂直面内で傾動可能となされていることを特徴とするものである。
【0021】
該機能性キャップ具は、より好ましくは、前記連結部材の前記基部に、上方突出の第1のジョイント部が設けられると共に、前記保持部材には、該第1のジョイント部と重なる、下方突出の第2のジョイント部が設けられており、該第2のジョイント部が、前記支柱が立設された状態で見て、該第1のジョイント部に対して垂直面内で傾動可能となされており、前記保持溝が上側に開放した状態で、前記第1のジョイント部と前記第2のジョイント部の対向側に設けられた第1の係合部と第2の係合部との凹凸嵌合による係合作用によってロック状態とされる如くなされ、該ロック状態が解除されることにより前記第2のジョイント部が前記第1のジョイント部に対して傾動可能となすのがよい。
【0022】
前記各植物栽培用の機能性支柱構成用の機能性キャップ具において、前記基部の、前記所要側部と対向する側部に、前記支柱の上端部分を支持する受部を設けるのがよい。
【0023】
又、前記各植物栽培用の機能性支柱構成用の機能性キャップ具において、植物栽培用のネット材を掛着させるためのフック状掛着片を、前記基部又は前記下方突出支持片に設けるのがよい。
【0024】
前記植物栽培用の機能性支柱構成用の機能性キャップ具が前記受部を具える場合、植物栽培用のネット材を掛着させるためのフック状掛着片を、前記受部に設けることもできる。
【発明の効果】
【0025】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明に係る機能性キャップ具は前記構成を有するため、該機能性キャップ具を支柱の上部分に固定してなる植物栽培用の機能性支柱によるときは、従来の開閉式支柱とは異なり、支柱を立設した状態におけるスペース削減が可能となる。これによって、畑の際等の狭いスペースを有効活用して、胡瓜やゴーヤ、豆類、朝顔等の植物を効果的に栽培できることになる。
【0026】
(2) 前記保持部材を傾動可能とすることにより、複数本の機能性支柱を地面に立設して後、隣り合う支柱相互を横連結杆で連結する際、該横連結杆を、水平状態に配置できることの他傾斜状態で配置することもできる。かかることから、段差のある支柱枠体を構成することも容易となり、所望の植物栽培に合わせて支柱枠体を各種に構成できることとなる。
【0027】
(3) 本発明に係る機能性キャップ具は、手持ちの支柱を有効活用して所望の開閉式支柱を安価に構成できる経済性を有する。又、このように構成した機能性支柱の使用時期が終わった後は、該機能性キャップ具から支柱を取り外すことによって該支柱を他の目的に有効活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る機能性キャップ具を用いて構成された機能性支柱を示す部分斜視図と部分正面図である。
【図2】機能性キャップ具を示す斜視図である。
【図3】機能性キャップ具を用いて構成された機能性支柱を示す部分断面図である。
【図4】機能性キャップ具を示す分解斜視図である。
【図5】連結部材に保持部材を取り付ける要領を説明する説明図である。
【図6】保持部材の傾動作用を示す説明図である。
【図7】支柱を示す部分斜視図である。
【図8】上の保持片の構成をその作用と共に示す断面図である。
【図9】下の保持片の構成をその作用と共に示す断面図である。
【図10】機能性キャップ具を構成する連結部材に支柱の上部分を連結する要領を説明する説明図である。
【図11】その斜視図である。
【図12】連結部材に支柱を連結した状態を、上端キャップが、基部と上の保持片間の間隙に位置した状態で示す正面図である。
【図13】基部の下面側が支柱の上端に当接した状態を示す正面図である。
【図14】機能性支柱を用いて構成された胡瓜棚を示す斜視図である。
【図15】その上側部分を示す斜視図と、保持部材に横連結杆の被保持部を嵌め入れる工程を示す説明図である。
【図16】機能性支柱を用いて構成された胡瓜棚の他の態様を示す斜視図である。
【図17】その部分拡大図である。
【図18】本発明に係る機能性キャップ具の他の態様のものを用いて構成された機能性支柱を示す斜視図である。
【図19】保持部材の傾動の他の態様を示す斜視図である。
【図20】本発明に係る機能性キャップ具のその他の態様のものを用いて構成された機能性支柱を示す斜視図である。
【図21】節部を具える支柱を機能性キャップ具に取り付けて構成した機能性支柱を示す斜視図である。
【図22】連結部材に固定された支柱の上端部分を支持する受部が基部に設けられてなる機能性キャップ具を用いて構成された機能性支柱の上側部分を示す正面図と、該連結具の上側部分を示す斜視図である。
【図23】フック状掛着片を上の保持片に設けた場合の問題点を説明する斜視図である。
【図24】フック状掛着片を下方突出支持片の外面に設けた場合を示す斜視図である。
【図25】フック状掛着片が下方突出支持片の外面に設けられてなる連結具を用いて構成された機能性支柱の上端側を示す側面図である。
【図26】その機能性支柱を用いて構成された植物栽培棚を示す部分斜視図である。
【図27】フック状掛着片が下方突出支持片の前後の縁部に設けられてなる連結具を示す斜視図である。
【図28】その連結具を用いて構成された機能性支柱を用いてなる植物栽培棚を示す部分斜視図である。
【図29】フック状掛着片を受部に設けてなる連結具のその他の実施例を示す斜視図である。
【図30】従来の開閉式支柱をその使用状態で示す部分斜視図である。
【図31】従来の開閉式支柱の上側部分を示す正面図である。
【図32】従来の開閉式支柱をその使用状態で示す全体斜視図である。
【図33】従来の開閉式支柱で使用できない支柱の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0029】
図1〜4において本発明に係る機能性キャップ具1は、1本の支柱2の上部分3に固定されることによって機能性支柱4を構成するものである。該機能性キャップ具1は、連結部材5の基部6に保持部材7が設けられており、該保持部材7は、横方向に延長する横連結杆9の長さ方向の所要部分としての被保持部10を着脱可能の弾性挾持状態で保持できる。該保持部材7は、本実施例においては図1(B)に矢印で示すように、前記支柱2が立設された状態で見て、水平な枢軸11の軸線回りに垂直面内で傾動可能であり、図1〜4に示すように、上側が開放し且つ両端(本実施例においては左右方向F1の両端)12,12が開放した保持溝13を有するC字状保持部15を具える。そして図3に示すように、該保持溝13に前記被保持部10が着脱可能に収容され、収容された該被保持部10が該C字状保持部15に弾性挾持状態で保持されるようになされている。
【0030】
前記支柱2は、本実施例においては図7に示すように、鋼製の直線状丸パイプ本体16の表面に樹脂被覆が施されてなり、外径が約16mmで全長が180cm程度に形成されると共に、該樹脂被覆部17の外周面19の上下端側の部分20,21を除く中間部分22には、該外周面19の長さ方向に突部23を不連続状態に連ねた不連続突部列25の例えば4列が、該外周面19の周方向に90度の角度ピッチで設けられている。該不連続突部列25は、支柱2に対する蔓の巻き付きを容易化するため等のものである。又、該支柱2の上部分3は、支柱2の上端部分26に上端キャップ27が取り付けられて構成されている。該上端キャップ27は、図7(C)に示すように、下端開放の挿入孔部28を有し、上方に向けて稍細くなり、且つ上端部に十字状の溝29が設けられている。その外径は支柱2の外径よりも大きく、該挿入孔部28に前記上端部分26が挿入される。又、該支柱2の下端部分30には、下方に向けて細くなる円錐状の下端キャップ31が取り付けられている。なお説明の便宜上、図10〜18、図22においては、前記不連続突部列25の図示を省略している。
【0031】
次に、前記連結部材5と前記保持部材7の構成をより具体的に説明すると共に、該連結部材5に対する該保持部材10の傾動可能の連結構成を説明する。
【0032】
前記連結部材5は、図2、図8〜9に示すように、例えば平板状を呈する前記基部6の所要側部32で、下方向(縦方向)に突設されて前記支柱2の一側部分33(図8〜9)を支持する下方突出支持片35を具えている。該下方突出支持片35の前後の縁部36,37の何れか一方の縁部(例えば前の縁部)36に関し、その上側部分に位置させて上の保持片39が設けられると共に、その他方の縁部(後の縁部)37に関し、その下側部分に位置させて下の保持片40が設けられ、該上下の保持片39,40間に所要間隙41が設けられている。該間隙41の大きさは、図10に一点鎖線で示すように、前記上部分3を、該間隙41に、該上の保持片39が設けられている前の縁部36側から該下の保持片40が設けられている後の縁部37側に向けて横方向に挿通させ得るように設定されている。
【0033】
そして本実施例においては図12に示すように、前記基部6と該上の保持片39との間に、前記上端キャップ27の上下長さLよりも若干大なる間隙42が設けられている。
【0034】
前記下の保持片40は、本実施例においては図1、図2、図9に示すように、断面U字状を呈しており、該下の保持片40と前記下方突出支持片35の下側部分43とで、前記上部分3の、前記他方の縁部37側の部分45(図9)を弾性的に挾持し得る断面C字状の筒状挾持部46が形成され、該筒状挾持部46は、前記前の縁部36が存する側の周面部48が該筒状挾持部46の軸線方向に開口し且つ開口部47が弾性的に拡開し得る筒状を呈している。該開口部47は、図2(B)に示すように、その下側開口部分49は略等幅であるが、その上側開口部分50は、上端に向けて徐々に拡大している。本実施例においては図2に示すように、該筒状挾持部46の外周面34の上下に、周方向に補強リブ38,38が設けられ、該上下の補強リブ38,38間の部分44が比較的薄肉に形成されているが、これは、該筒状挾持部46の強度を所要に確保しながら、該開口部47の弾性拡開を容易化するためである。
【0035】
そして前記上の保持片39は、本実施例においては図2、図8に示すように、断面U字状を呈しており、前記上部分3の、前記一方の縁部36側の部分51を支持する如くなされている。本実施例においては図1〜2、図15(B)に示すように、前記U字状に屈曲する上の保持片39の先端側の外面52に、後述するネット材53の上端縁部55を掛着させるフック状掛着片56が設けられている。
【0036】
又、前記連結部材5は、本実施例においては、ポリエチレン等の合成樹脂を以て一体に形成されており、図2〜4に示すように、前記基部6の上面側57に、上方突出の第1のジョイント部59が設けられている。該第1のジョイント部59は本実施例においては図2〜4に示すように、該上面側57の前後方向F2の両側において、板状の上向きのジョイント突片60,60が対向状態で突設されてなる。そして、該両上向きのジョイント突片60,60の上側は円弧板部61,61に形成されており、その中央部には、左右方向に貫通する円形の枢着孔62,62が同心に設けられている。又、該両上向きのジョイント突片60,60の対向する内面63,63の上側部分の幅方向中央部位には、図4(B)に示すように、前記枢着孔62,62の内端65,65から上方に向け外方に傾斜する傾斜ガイド面66,66を有する傾斜ガイド溝部67,67が左右対向状態で設けられている。又、該枢着孔62,62の内端65,65の下縁部に、下方向に延長する垂直ガイド面69,69を有する、第1の係合部70,70としての垂直ガイド溝部71,71が左右対向状態で設けられている。
【0037】
前記保持部材7は本実施例においては図2〜4に示すように、前記支柱2の軸線と直交する方向に延長する前記横連結杆9の長さ方向の所要部分としての前記被保持部10を着脱可能の弾性挾持状態で保持できる前記C字状保持部15と、前記第1のジョイント部59と重なる、下方突出の第2のジョイント部72を具えている。該C字状保持部15は、本実施例においては、上側が開放し且つ左右方向の両端12,12が開放すると共に導入開口部73が窄まったC字状の前記保持溝13が設けられている。
【0038】
該C字状保持部15は、より具体的には、図3〜4に示すように、底部74の両側(前後方向で見た両側)で前後の保持片部75,75が上方に向けて対向状態で突設されたC字状本体76を有しており、両保持片部75,75の円弧状内面77,77と前記底部74の円弧状上面79とによって、導入開口部73が窄まった前記保持溝13が設けられている。該保持溝13の直径は例えば16mm程度に設定されると共に、該導入開口部73の開口幅は例えば14mm程度に設定されている。又、前記横連結杆9の長さは90〜210cmに、外径は例えば16mm程度に設定されている。然して、図3に示すように、該横連結杆9の前記被保持部10を該保持溝13に嵌入させた状態で、該被保持部10は着脱可能の弾性挾持状態で保持され、該保持された状態にある被保持部10は、窄まった状態の前記導入開口部73に規制されて保持溝13から脱落することがない。
【0039】
本実施例においては図3〜4に示すように、前記保持溝13に収容された状態にある被保持部10をより脱落しにくくするために、前記C字状本体76の上端に、前記保持溝13の対向する上端縁80,80で上方向に連設された上下方向の面81,81を有する垂直状片82,82が突設されている。又、前記被保持部10を前記保持溝13に容易に嵌入させることができるように、該垂直状片82,82の上端に、前記上下方向の面81,81の上端縁83,83で外方に向けて斜め上方に連設された傾斜案内面85,85を有する案内片86,86が突設されている。又、本実施例においては図4に示すように、前記C字状本体76の外面87の周方向中央部に補強肉厚部89が設けられている。
【0040】
前記第2のジョイント部72は、本実施例においては図3〜4に示すように、前記左右の上向きのジョイント突片60,60間のジョイント溝部90に挿入される、板状の下向きのジョイント突片91として構成されており、前記底部74で、その前後方向全幅に亘る幅を有して下方に突設されている。該下向きのジョイント突片91の下側は円弧板部92として形成されており、その左右面93,95の中央部位には、前記左右の枢着孔62,62と嵌合し得る円形軸状の枢着突部96,96が突設されている。又、該下向きのジョイント突片91の前記円弧板部92には、その前後方向に割り溝97が設けられており、該割り溝97を挟んだ左右の割片99,99の外面100,100の下端部分に、前記左右の垂直ガイド溝部(第1の係合部70,70)71,71に嵌まり合う、第2の係合部101,101としての係合突部102,102が突設されている。
【0041】
然して、かかる構成を有する保持部材7を前記連結部材5に連結するに際しては、図5(A)に示すように、前記枢着突部96,96を前後方向にし且つ前記係合突部102,102を前記傾斜ガイド溝部67,67に位置合わせして、前記下向きのジョイント突片91の下端部分103を前記ジョイント溝部90の上端部分に挿入する。その後、図5(B)に矢印で示すように、該下向きのジョイント突片91を該ジョイント溝部90内で下方向に押し込む。このようにして押し込むにつれ、前記枢着突部96,96が前記傾斜ガイド面66,66に案内されて下降すると共に、前記係合突部102,102が前記垂直ガイド面69,69に沿って下降する。
【0042】
このように下降する際、前記上向きのジョイント突片60,60が図5(B)に矢印で示すように左右方向に弾性変形し、その後、図5(C)に示すように、左右の枢着突部96,96が前記左右の枢着孔62,62に嵌まり合う直前の状態となる。前記下向きのジョイント突片91を更に下方向に押し込むと、両上向きのジョイント突片60,60の弾性復帰によって、図3に示すように、前記枢着突部96,96が、対応の前記枢着孔62,62に嵌まり合う。これと同時に、前記係合突部(第2の係合部101,101)102,102が、対応の垂直ガイド溝部(第1の係合部70,70)71,71に凹凸嵌合状態で嵌まり合う。
【0043】
このように、前記第1の係合部70と前記第2の係合部101とが凹凸嵌合状態で係合することにより、前記保持部材7は、図6(A)に示すように、前記導入開口部73が上方向に開放したロック状態とされる。そして、前記下向きのジョイント突片91を前記枢着孔62,62の孔心回りで左右方向で傾動させるように一定以上の力を加えると、前記係合突部102が前記垂直ガイド溝部71から外れて(前記第1の係合部70と前記第2の係合部101との係合状態が解除されて)、図6(B)や図6(C)に示すように、該下向きのジョイント突片91が垂直面内で傾動できる。即ち、前記保持部材7が前記枢着孔62,62の孔心回りで、左右方向F1で傾動できる。
【0044】
次に、図10〜11に基づいて、前記連結部材5に前記支柱2の上部分3を連結する要領の一例を説明する。先ず、前記保持部材7側の部分を一方の手で握った状態で、他方の手で支柱2を握り、図10に一点鎖線で示すように、該支柱2の上部分3を前記上下の保持片39,40間に前記横方向に挿通させる。その後、図10に矢印F1で示すように、該支柱2を、その上端105が前記上の保持片39側に近付く方向に回動させる。この回動は、該上部分3の上側部分106が前記上の保持片39の下端縁107に支持された状態にして行うことができ、これにより図10に示すように、該上部分3の下側部分109が前記開口部47の上側開口部分(拡大する部分)50に当接した状態となし得る。この状態で、前記支柱2を前記矢印F1方向に更に回動させると、図10に二点鎖線で示し、又図11に示すように、前記下端縁107を支点とする梃子作用によって、該上部分3の下側部分109を、前記開口部47を弾性的に拡開させながら該開口部47を通して、図1、図12に示すように、前記筒状挾持部46内に嵌め入れることができる。この状態で、前記上端キャップ27は、図12に示すように、前記基部6と前記上の保持片39間の間隙42に位置した状態となる。
【0045】
このように、支柱2の上部分3の、前記他方の縁部37側の部分45が前記筒状挾持部46に弾性的に挾持された状態(図1、図9、図12)となると共に、該上部分3の、前記一方の縁部36側の部分51が図8、図12に示すように、前記上の保持片39によって支持された状態となること、又、図13に示すように、前記基部6の下面側111が該支柱2の上端(本実施例においては、前記上端キャップ27の上端)105に当接状態となって該支柱2が前記連結部材5に対して上方向に移動するのが阻止されることによって、該支柱2は、該連結部材5に安定状態に連結されることになる。これによって、前記機能性支柱4が構成される。特に本実施例においては、図12に示すように、前記上端キャップ27の下端112(図7(C))が前記上の保持片39の上端113に当接することによって、該支柱2が前記連結部材5の下方に抜けるのも阻止される。
【0046】
このように、支柱2の上部分3に、該支柱2の外径よりも大なる外径を有する上端キャップ27が取り付けられていても、該上端キャップ27(前記上部分3)を、前記基部6と前記上の保持片39間の間隙42に位置した状態となし得るため、該上部分3を前記連結部材5に無理なく取り付けることができる。又、支柱2の外径に一定範囲で大小があっても該支柱2の上部分3を、前記開口部47を弾性的に拡開させながら該筒状挾持部46内に嵌め入れることができる。このように本発明によるときは、特許文献1が開示する開閉式支柱におけるように、径が定まった挿入孔部に支柱の上部分を挿入するのとは異なり、ある程度の融通性を以て支柱2の上部分3を連結部材5に連結できる利点がある。
【0047】
次に、前記構成を有する機能性キャップ具1を支柱2の上部分3に固定してなる機能性支柱4の複数本を用いて、家庭菜園で胡瓜等の蔓性植物を栽培するための支柱枠体116を構成する場合を説明する。図14〜15は、該機能性支柱4の3本を所要間隔(例えば90cm程度の間隔)を置いて立設して胡瓜棚117を構成する場合を示すものである。
【0048】
先ず図14、図15(A)に示すように、3本の機能性支柱4,4,4の前記支柱2,2,2を、前記保持溝13,13,13の軸線を合致させると共に、これらの保持溝を同高さとして、下側の部分119を、地面(畝120の上面)121に20〜30cm程度押し込む。その後、図15(A)(B)(C)に示すように、該保持溝13,13,13に、例えば180cmの長さを有する前記横連結杆9の長さ方向の両端側の部分(所要部分)及び中央部分(所要部分)としての被保持部10,10,10を嵌入させる。これにより、3本の支柱2,2,2が前記横連結杆9で連結された状態となり支柱枠体116が形成されることになる。
【0049】
その後、図14に示すように、3本の支柱2,2,2によって形成された垂直面部122をネット材53で覆う。その際、該ネット材53の上端縁部55を、図15(B)に示すように、前記フック状掛着片56に引っ掛ける。又、該ネット材53の下端部分123は、支柱2の下端側に、例えばバンドを用いて結着したり、パッカーで固定する。これにより、垂直ネット面からなる栽培面を有する前記胡瓜棚117を構成でき、畑の際等の狭いスペースを有効活用して胡瓜を栽培できることとなる。
【0050】
図16、図17は、前記のように構成された機能性支柱4の6本を用いて構成された胡瓜棚117の他の態様を示すものであり、垂直ネット面125の上端に傾斜ネット面126が連設されている。かかる胡瓜棚117を構成する支柱枠体116は、高さの異なる前後の支柱列127,127が、90cm程度の間隔を置いて前後対向状態で配設されている。
【0051】
そして、前後隣り合う支柱2a,2b相互が、傾斜した前後方向の前記横連結杆9aで連結されており、又、左右方向に並ぶ同高さの支柱2a,2a,2a、2b,2b,2bは、左右方向の横連結杆9bで連結する。該左右方向の横連結杆9と支柱2との連結は、例えばバンドを用いて行うことができる。
【0052】
胡瓜の栽培シーズンが終わった後は、前記ネット材53を前記支柱枠体116から取り外すと共に前記前後方向の横連結杆9aや前記左右方向の横連結杆9bを機能性支柱4から取り外し、支柱2を地面から引き抜く。その後、前記と逆の操作によって支柱2を前記連結部材5から取り外すことができ、取り外した支柱は他の用途に使用できる。
【実施例2】
【0053】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
【0054】
(1) 前記実施例においては、前記下方突出支持片35の剛性を向上させるために、その上側部分83(図2)の横断面が円弧状に構成されているが、該下方突出支持片35の全体を平板状に構成してもよい。
【0055】
(2) 前記実施例においては、図8〜9に示すように、下の保持片40と前記下方突出支持片35の下側部分43とで、断面C字状の筒状挾持部46が形成される如く構成されると共に、上の保持片39は、支柱2の上部分3を支持する断面U字状に構成されている。これとは逆に、図18に示すように、上の保持片39と前記下方突出支持片35の上側部分129とで、支柱2の上部分3の、前記一方の縁部36(図2)側の部分51を弾性的に挾持し得る断面C字状の筒状挾持部46が形成される如く構成すると共に、下の保持片40を、前記支柱2の上部分3の、前記他方の縁部37側の部分45を支持する断面U字状を呈するものとして構成することもできる。
【0056】
(3) 本発明において、図2に示す上の保持片39や図18に示す下の保持片40は、前記のような断面U字状に構成されることの他、前記支柱2の上部分3を弾性的に挾持し得る断面C字状の筒状挾持部46を前記下方突出支持片35とで形成するように構成されることもある。又、図2に示す上の保持片39や図18に示す下の保持片40は、前記支柱2の上部分3を単に支持するものであればよく、平板状に構成されることもある。
【0057】
(4) 図19は、前記保持部材7を前後方向F2で傾動可能とした場合を示しており、前記第1のジョイント部59を構成する上向きのジョイント突片60,60は、前記基部6の上面側57の左右方向F1の両側において突設されている。
【0058】
(5) 前記保持部材7は、前記実施例で示したように傾動可能に構成されることの他、傾動しない固定状態で前記基部6に設けられることもある。
【0059】
(6) 前記支柱2が前記したような上端キャップ27を具えない場合は、図20に示すように、前記実施例で示した上の保持片39、即ち、前記支柱2の上部分3の、前記一方の縁部36側の部分51(図8)を支持する上の保持片39が、前記基部6と一体に設けられ、基部6と前記上の保持片39との間の前記間隙42が省略されることがある。該上の保持片39は、前記と同様の筒状挾持部46を形成するものであってもよい。
【0060】
(7) 前記フック状掛着片56は省略されることもある。
【0061】
(8) 本発明に係る連結具1の左右の連結部材5,5には、図7に示す支柱2の他、図20や図21に示す支柱3を固定することもできる。図20に示す支柱2は、外周面19に、その長さ方向の全長に亘って、突部23を不連続状態に連ねた不連続突部列25が設けられている。このように不連続突部列25が設けられていても、前記筒状挾持部46の弾性拡開によって、該支柱の上部分3を図20に示すように該筒状挾持部46内に嵌め入れることができる。又、図21に示す支柱2は、外周面19に、その長さ方向に所要間隔で節部127が設けられていて、該節部127が支柱の上部分3にも存している。このように節部127が設けられていても、前記筒状挾持部46の弾性拡開によって、該支柱の上部分3を該筒状挾持部46内に嵌め入れることができる。
【0062】
(9) 前記基部6は、前記した平板状を呈するものには限らない。
【0063】
(10)図22は、該基部6の、前記所要側部32と対向する側部129に、前記支柱2の上端部分130を支持する受部132が設けられた場合を示している。このように構成するときは、前記基部6の下面側111に前記支柱2の上端105が当接した状態における支柱2の上端部分130の動きをより確実に阻止でき、該上端部分130の安定性向上を図ることができて好ましい。
【0064】
(11)前記フック状掛着片59は、前記筒状挾持部46を構成する、下の保持片40(図2)又は上の保持片39(図18)の外面に設けられることもある。
【0065】
(12)前記実施例においては、前記フック状掛着片56が上下の保持片39,40の外面に設けられている。前記フック状掛着片56をこのように設けた場合は、例えば図14〜15に示すように、上端縁部55を該フック状掛着片56に掛着させることによってネット材53を支柱2に取り付けた状態で、実の成る植物を栽培したとき、実の重量が大きい場合は、図23に示すように該フック状掛着片56に大きな荷重F2が下向きに加わるため、例えば図23に示すように、フック状掛着片56を支持する上の保持片39の先側部分128が下向きに捩じれ状態に変形して上下の保持片39,40による支柱の上部分3の支持状態が不安定化する恐れがある。
【0066】
そこで図24〜26、図27〜28、図29においては、前記フック状掛着片56を、これに下向きの荷重が加わったときにも前記上下の保持片39,40の変形を招かない部位に設けることとしている。図24〜26においては、前記下方突出支持片35の外面133に設けている。そして、該フック状掛着片56の上端部分135と該外面133との間に、前記ネット材53の上端縁部55を導入させるための導入口136(図25)が設けられている。
【0067】
このように構成する場合は、図26に示すように、該上端縁部55を該フック状掛着片56に掛着させてネット材53を支柱2に取り付け、実の成る植物を栽培したとき、実の重量が大であってフック状掛着片56に大きな荷重が下向きに加わるときも、上下の保持片39,40を前記のように捩じれ変形させて該保持片39,40を開き傾向とすることがない。従って、上下の保持片39,40による支柱の上部分3の保持が不安定化する恐れがない。
【0068】
図27〜28は、フック状掛着片56を、前記下方突出支持片35の前後の縁部36,37に設けた場合を示している。該フック状掛着片56は、前後の縁部36,37の上下方向の任意部位に設けることができる。特に図27に示すように、前記上の保持片39が連設される縁部(前の縁部)36に設ける場合は、該フック状掛着片56が比較的大きく形成される場合であっても、図11に示すように支柱2を回動させて支柱の上部分3を連結部材5に連結する際、該フック状掛着片56が該連結の障害となる恐れがない。又、該フック状掛着片56は、前記下方突出支持片35の下端に設けることもできる。
【0069】
図29は、図22に示す場合において、支柱2の上端部分137を支持する受部132の外面139にフック状掛着片56を設けた場合を示している。
【0070】
(13)本発明によって構成された機能性支柱を用いて支柱枠体を構成して植物を栽培する場合、該支柱枠体116にネット材53を取り付けるときは、胡瓜やゴーヤ、豆類、葡萄、朝顔、クレマチス等の各種の蔓性植物を栽培する栽培面を形成できるが、該ネット材53を取り付けないで、支柱2そのものでトマトやピーマン、ナス等を支持して栽培することもできる。
【符号の説明】
【0071】
1 機能性キャップ具
2 支柱
3 上部分
4 機能性支柱
5 連結部材
6 基部
7 保持部材
9 横連結杆
10 被保持部
11 枢軸
13 保持溝
15 C字状保持部
27 上端キャップ
35 下方突出支持片
36 前の縁部
37 後の縁部
39 上の保持片
40 下の保持片
41 間隙
42 間隙
43 下方突出支持片の下側部分
45 上部分の他方の縁部側の部分
46 筒状挾持部
47 開口部
49 下側開口部分
50 上側開口部分
51 上部分の一方の縁部側の部分
53 ネット材
56 フック状掛着片
117 胡瓜棚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1本の支柱の上部分に固定される連結部材の基部に保持部材が設けられており、該保持部材は、横方向に延長する横連結杆の長さ方向の所要部分としての被保持部を保持できるものであり、該保持部材は、上側が開放し且つ両端が開放した保持溝を有するC字状保持部を具え、該保持溝に着脱可能に収容された該被保持部が該C字状保持部に弾性挾持状態で保持されるようになされており、前記連結部材は、前記基部の所要側部で下方向(縦方向)に突設されて前記支柱の一側部分を支持する下方突出支持片を具え、該下方突出支持片の前後の縁部の何れか一方の縁部に関し、その上側部分に位置させて上の保持片が設けられると共に、他方の縁部に関し、その下側部分に位置させて下の保持片が設けられ、該上下の保持片間に所要間隙が設けられており、該間隙の大きさは、前記上部分を、該間隙に、該上の保持片が設けられている縁部側から該下の保持片が設けられている縁部側に向けて横方向に挿通させ得るように設定され、
前記下の保持片と前記下方突出支持片の下側部分とで、前記上部分の、前記他方の縁部側の部分を弾性的に挾持し得る断面C字状の筒状挾持部が形成され、該筒状挾持部は、前記一方の縁部側の周面部が該筒状挾持部の軸線方向に開口し且つ開口部が弾性的に拡開し得る筒状を呈しており、且つ、前記上の保持片は、前記上部分の、前記一方の縁部側の部分を支持する如くなされており、且つ、前記上部分を前記上下の保持片間に前記横方向に挿通させて後、前記支柱を、その上端が前記上の保持片側に近づく方向に回動させることにより、該上部分の上側部分が前記上の保持片に支持された状態となって、該上部分の下側部分が前記開口部を通して該筒状挾持部内に嵌め入れられる如くなされ、且つ、前記連結部材の前記基部の下面側が、前記支柱の上端に当接し得ることを特徴とする植物栽培用の機能性支柱構成用の機能性キャップ具。
【請求項2】
1本の支柱の上部分に固定される連結部材の基部に保持部材が設けられており、該保持部材は、横方向に延長する横連結杆の長さ方向の所要部分としての被保持部を保持できるものであり、該保持部材は、上側が開放し且つ両端が開放した保持溝を有するC字状保持部を具え、該保持溝に着脱可能に収容された該被保持部が該C字状保持部に弾性挾持状態で保持されるようになされており、
前記連結部材は、前記基部の所要側部で下方向(縦方向)に突設されて前記支柱の一側部分を支持する下方突出支持片を具え、該下方突出支持片の前後の縁部の何れか一方の縁部に関し、その上側部分に位置させて上の保持片が設けられると共に、他方の縁部に関し、その下側部分に位置させて下の保持片が設けられ、該上下の保持片間に所要間隙が設けられており、該間隙の大きさは、前記上部分を、該間隙に、該上の保持片が設けられている縁部側から該下の保持片が設けられている縁部側に向けて横方向に挿通させ得るように設定され、
前記上の保持片と前記下方突出支持片の上側部分とで、前記上部分の、前記一方の縁部側の部分を弾性的に挾持し得る断面C字状の筒状挾持部が形成され、該筒状挾持部は、前記他方の縁部側の周面部が該筒状挾持部の軸線方向に開口し且つ開口部が弾性的に拡開し得る筒状を呈しており、且つ、前記下の保持片は、前記上部分の、前記他方の縁部側の部分を支持する如くなされており、且つ、前記上部分を前記上下の保持片間に前記横方向に挿通させて後、前記支柱を、その上端が前記上の保持片側に近づく方向に回動させることにより、該上部分の下側部分が前記下の保持片に支持された状態となって、該上部分の上側部分が前記開口部を通して該筒状挾持部内に嵌め入れられる如くなされ、且つ、前記連結部材の前記基部の下面側が、前記支柱の上端に当接し得ることを特徴とする植物栽培用の機能性支柱構成用の機能性キャップ具。
【請求項3】
前記保持部材は、前記支柱が立設された状態で見て、垂直面内で傾動可能であることを特徴とする請求項1又は2記載の植物栽培用の機能性支柱構成用の機能性キャップ具。
【請求項4】
前記連結部材の前記基部に、上方突出の第1のジョイント部が設けられると共に、前記保持部材には、該第1のジョイント部と重なる、下方突出の第2のジョイント部が設けられており、該第2のジョイント部が、前記支柱が立設された状態で見て、該第1のジョイント部に対して垂直面内で傾動可能となされていることを特徴とする請求項1又は2記載の植物栽培用の機能性支柱構成用の機能性キャップ具。
【請求項5】
前記連結部材の前記基部に、上方突出の第1のジョイント部が設けられると共に、前記保持部材には、該第1のジョイント部と重なる、下方突出の第2のジョイント部が設けられており、該第2のジョイント部が、前記支柱が立設された状態で見て、該第1のジョイント部に対して垂直面内で傾動可能となされており、前記保持溝が上側に開放した状態で、前記第1のジョイント部と前記第2のジョイント部の対向側に設けられた第1の係合部と第2の係合部との凹凸嵌合による係合作用によってロック状態とされる如くなされ、該ロック状態が解除されることにより前記第2のジョイント部が前記第1のジョイント部に対して傾動可能となされていることを特徴とする請求請1又は2記載の植物栽培用の機能性支柱構成用の機能性キャップ具。
【請求項6】
前記基部の、前記所要側部と対向する側部に、前記支柱の上端部分を支持する受部が設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の植物栽培用の機能性支柱構成用の機能性キャップ具。
【請求項7】
植物栽培用のネット材を掛着させるためのフック状掛着片が、前記基部又は前記下方突出支持片に設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の植物栽培用の機能性支柱構成用の機能性キャップ具。
【請求項8】
植物栽培用のネット材を掛着させるためのフック状掛着片が前記受部に設けられていることを特徴とする請求項6記載の植物栽培用の機能性支柱構成用の機能性キャップ具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate


【公開番号】特開2012−105630(P2012−105630A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−1952(P2011−1952)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(392003225)第一ビニール株式会社 (27)
【Fターム(参考)】