説明

植物油に含まれる植物生理活性物質及びその製造方法

【課題】超微量で植物の成長促進・維管束分化の促進・ストレス耐性の向上など多岐にわたり植物の生理活性を高める働きや効果が強いブラシノステロイド様物質の製造方法の提供。
【解決手段】バイオディーゼル燃料の製造過程で多量に副産する粗製グリセリン及びBDF(登録商標)の精製時に発生する洗浄液から、ブラシノステロイド様物質を安価で大量に提供する。また産業廃棄物である廃食油から直接、ブラシノステロイド様物質。
【効果】ブラシノステロイド様物質を安価で大量に提供できる事で今の世界が抱える農業問題、食糧問題、及びバイオマス事業として地域の発展と人材雇用の問題、地域における地産・地消の循環型社会の形成や、そして何より地球温暖化防止の一助としてCO2の排出量削減と吸収源の拡大をも解決できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は植物油のエステル交換反応によるバイオディーゼル燃料(以下BDFと称する)製造方法において、反応後の過程で副生されるグリセロール部分(以下粗製グリセリンと称する。)に含まれている植物生理活性物質(ブラシノステロイド(以下BRと称する)及びブラシノステロイド様物質)の抽出方法及びその抽出物とその抽出物からなる組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
BDFは、現在CO2排出量及び有限化石燃料の消費削減効果から、多く生産されている。植物油からBDF(脂肪酸メチルエステル)を製造するプロセスでは重量比で約15%〜20%弱の粗製グリセリンが副生する。その総量は世界で約100万トンにも達する。この粗製グリセリンの有効な活用方法については多くの提案がなされているが、ほとんどが有効に活用されていない。また技術的な問題や経費・設備などクリアしなければならない課題も多いため実用化に至るにはまだ時間が掛かる。本発明が粗製グリセリン中の含有物に注目したのは粗製グリセリンに肥料的効果や発酵促進的効果が認められ[文献1]のモノグリセリドが植物ホルモンのブラシノステロイド的生理活性を示すという内容から粗製グリセリンにBRが含有しているという可能性を得たがためである。[特許文献1]は植物の保護・除虫液及びその製造方法、[特許文献5]は害虫の忌避剤及び忌避方法の記述であるが粗製グリセリンを用いたものではない。[特許文献2]はモノグリセリドの製造方法、[特許文献4]は化粧落しへの使用、[特許文献3]は植物ステロール含有によるコレステロール抑制組成物のことについてのもので、何れも粗製グリセリンを用いたものでも、また粗製グリセリン中の含有物についてのものではない。本発明のように粗製グリセリン中の含有物(成分)に注目した活用方法は知られていない。
粗製グリセリンの活用については今後さらに実用化に向けての研究がなされるであろうがグリセリン中の成分分析の方法すら確立されていない現在、本発明のような特定成分の発見は現在最も(特別に)注目され、今後は本発明の様にまた特定の有効成分の発見がされる可能性も含めグリセリン研究のあり方としての見本となる。
一方BRは今までに発見された植物ホルモンと違い、動植物に普遍的なステロイド系のステロイドホルモンである。ブラシノライドに代表される様にBRは現在までに多数見つかっているが、植物体の中に超微量にしか存在しないため、それらの抽出・濃縮には非常にコストが掛かる。[非特許文献1]では230kgのアブラナの花粉から15mgのBRが[非特許文献2]では40kgのアブラナから4mgのBRが得られている。BRを合成する方法も提案されているが、原料が多量に必要であるため[非特許文献3]のようにこれも非常に製造コストが掛かる。また[特許文献6]は植物の鮮度保持[特許文献7]は植物育成用フォーム培地およびその製造方法[特許文献8]は植物育成用・調節用の組成物[特許文献9]はワタの繊維特性を改善[特許文献10]は低温障害防止剤[特許文献11]は植物生長調節剤[特許文献12]はブラシノステロイド類縁化合物[特許文献13]はブラシノステロイド様物質の生産方法[特許文献14]は種子の大きさと数の増加[特許文献15]は植物病原体と有害生物の抑制[特許文献16]は植物病原体の抵抗性の増加[特許文献17]は植物の生長促進剤について記載されている。
このようにBRに関する研究・開発は多数あるがBDF製造時に副生される粗製グリセリンから、このBR及びブラシノステロイド様物質及びブラシノステロイド様生合成組成物に関する記述や論文等は見当たらない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 「特開2006−328029」
【特許文献2】 「特開2003−49192」
【特許文献3】 「特開2001−40388」
【特許文献4】 「表2002−518421」
【特許文献5】 「国際公開 WO 2006/028170」
【特許文献6】 「特開2008−81611」
【特許文献7】 「特開2003−339230」
【特許文献8】 「特開2003−339230」
【特許文献9】 「特開平09−000097」
【特許文献10】 「特開平08−113503」
【特許文献11】 「特開平08−081310」
【特許文献12】 「特開平06−340689」
【特許文献13】 「特開平06−086691」
【特許文献14】 「公表2009−519719」
【特許文献15】 「公表2007−503390」
【特許文献16】 「公表2008−507969」
【特許文献17】 「国際WO 96/006529」
【非特許文献1】 大阪大学インターネット講座2003「細胞:生命の源」第7回2頁[ブラシノステロイド]保尊隆亨
【非特許文献2】 有限会社ブラシノ(http://www.brassino.co.jp/)「会社概要」「ブラシノステロイドとは」「ブラシノステロイドの特徴」「ブラシノステロイドの製法および特許」「皆様のひろば」「販売価格とお問合せ」
【非特許文献3】 植物の生長調節Vol.38,No.2,212−219,2003「ブラシノステロイドの生合成」帝京大学 横田孝雄
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在販売されている各種植物成長促進剤や活力剤でも価格は全体的に高価である。特にBRは植物体に超微量にしか存在しないため、大量の原料と抽出等に多く費用がかかる。また、合成されたものもあるがこれも製造コストが高く安全性の面からは植物(食物となるもの)から抽出されるものが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
特定の植物から精製した植物油にBRが含まれていることは知られている。[文献2]BRを抽出するという目的だけで植物油からBRを抽出する事は食料や食品原料使用という食糧問題及び食品の安全性や食品原料の高騰といった面から見ても非常に効率が悪い。BDF製造時に副生する粗製グリセリン及びBDFの精製時に発生する洗浄液には非常に高い肥料効果が認められてはいたが、発明者は独自に研究を重ねた結果粗製グリセリン及びBDFの精製時に発生する洗浄液中に植物の生理活性を強く引き出し、植物の生長に影響を与える物質が含まれていることを発見した。それがBRである事を確認、BRの生理活性効果の実証も得た。この粗製グリセリンを用いることで植物油から抽出するよりも6倍強程度濃縮されたBRを簡単に且つ多量に抽出することが可能となる。その粗製グリセリンから、植物生理活性物質を抽出できる溶媒を用いて効率よく抽出・濃縮する。すなわち、市場に多く生産されており、十分に活用されていない粗製グリセリンから、より安価で大量にBRをはじめとする植物生理活性物質を供給することができる。BRは熱変性することが少ないのでBDFの製造時に副生する粗製グリセリンと同様に高温で使用された廃食油からも抽出可能である。そのため安価な廃食油から直接抽出することで粗製グリセリンと同様の供給も可能であること。また、抽出後の廃食油を利用してBDFを造ることもできる。
【発明の効果】
【0007】
本発明による植物生理活性物質は安全且つ、安価であり大量に供給が可能である。一方、本発明による植物生理活性物質は成長速度を早めたり、植物体そのものを大きくしたり、分結を促進したり、植物の病害虫の忌避的効果が認められるため、世界的に普及すれば食料問題解決の一助にもなり得る。また、現在CO2削減に繋がる研究もされており将来CO2を吸収し排出量削減にもつながる。廃棄物である廃食油や粗製グリセリンの再利用という環境問題の観点からも効果的な活用方法である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】[発明を実施するための形態]に係る、より好ましい植物活性剤の製造フロー図である。
【図2】[発明を実施するための形態]に係る、より好ましいブラシノステロイド様物質の精製フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明は植物油に含まれている植物生理活性物質を効率よく抽出する方法としてBDF製造過程において、副生される粗製グリセリン及び洗浄液を用いる。これらに対し植物生理活性物質を溶出するのにふさわしい溶剤を用いて抽出・濃縮する。抽出にふさわしい溶剤としては誘電率3〜20程度の溶剤を用いる。(尚これらより誘電率が低い溶剤や高い溶剤を複数組み合わせても差し支えない。)より好ましくは誘電率3〜10の溶剤が良い。なおこれらの溶剤の内、塩素系溶剤は抽出後の粗製グリセリンや洗浄液の再利用や廃棄する場合にコンタミする塩素系溶剤を規制値以下にする必要がある。また、エーテル系溶剤は空気中の酸素や光で過酸化物を作り爆発する危険性を秘めている。そのため工業的にはエステル系の溶剤がより好ましい。こうして得られた抽出液の溶剤を除去して濃縮し、植物活性剤とする。より好ましくは抽出溶剤の沸点より高く水にも溶解しやすい生態系に安全な溶媒を添加して抽出に用いた溶媒を除去して作る(水溶性濃縮物)。特にグリセリンやグリコール系溶媒を用いた方がこのましい。なお、抽出液の溶剤を除去して濃縮した後、一般的に行われているクロマトグラフィー等で精製することで純度の高いBR及びブラシノステロイド様物質として取り出してもよい。図−1及び図−2を参照。
また、廃食油から直接抽出する場合には誘電率20〜40程度の溶剤を用いる。
【0010】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらの実施例により本発明は限定されるものではない。(たとえばBDFの製造方法において本発明はアルカリ触媒法で説明するが、固体触媒法・酸触媒法・生物触媒法・無触媒法でエステル化反応させてもよい。)
【実施例1】
【0011】
粗製グリセリン及び洗浄液の作製。メタノール150mlに水酸化ナトリウム6gを溶解したものを廃食油1000mlに添加し、65℃±3℃で1時間反応させた。反応液を静置し2層に分離させ、下層部の粗製グリセリン約100gと上層部の粗製BDF約900gを得た。次に粗製BDFに5%硫酸50gを加え、20分間撹拌した後静置し同様に下層部の洗浄液約50gを得た。さらに上層のBDFに水200gを加え20分間撹拌した後静置し同様に下層部の洗浄液約200gを得た。この2つの洗浄液を合わせて以下の試験ためのBDFの精製時に発生する洗浄液とした。
【0012】
粗製グリセリン5部に対し水45部を加え混合した後、分液ロートに採り次にクロロホルム50部を加え激しく攪拌した後、静置し下層のクロロホルム層と上層のグリセリン部分に分画した。上層のグリセリン部分については抽出効率を高めるため更にクロロホルム50部を加え同様にして下層のクロロホルム層を得た。この2つのクロロホルム層をあわせてクロロホルム抽出液(以下1−A)とした。同様にしてクロロホルムの代わりに酢酸エチルを用いて酢酸エチル抽出液(以下1−B)を作製した。
【実施例2】
【0013】
BDFの精製時に発生する洗浄液50部を用いて実施例1と同様にしてクロロホルム50部で2回抽出を行ない、洗浄液からのクロロホルム抽出液(以下2−A)を得た。
【実施例3】
【0014】
粗製グリセリン30部に20部の水を加え希釈し酢酸ブチル50部を加え激しく攪拌した後、静置し上層を分画した。下層のグリセリン層に等量の酢酸ブチルを加え2回抽出し、それらを合わせて酢酸ブチル抽出液(以下3−A)を得た。
【実施例4】
【0015】
廃食油30gにメタノール300ml加えコンデンサーをセット(蒸発したメタノールを還流するため)した三口フラスコで加温し、撹拌しながら1時間抽出した。室温まで冷却した後静置し、上層のメタノール層と下層の廃食油層に分画した。下層の廃食油層にメタノール300mlを加え同様にして2回目の抽出を行った。1回目と2回目のメタノール層を合わせ廃食油直接抽出液(以下4−A)とした。このとき抽出効率を高めるために少量のアルカリを加えてもよい。
【実施例5】
【0016】
廃食油の代わりにコーン油を用いて実施例1と同様にして粗製グリセリンを得た。この粗製グリセリン5部に対し水45部を加え混合した後、同様にしてクロロホルムの抽出液(以下5−A)を得た。・・・[添付資料3写真1]
【抽出物の評価】
【0017】
各抽出液を、減圧濃縮した。酢酸ブチル抽出液については加温しながら減圧濃縮した。この濃縮物をヘキサン50mlに溶解した後、等量の80%メタノールで3回抽出し、それらを集め減圧濃縮した。次にセファデックスLH20を充填剤としてこれをクロマトしてブラシノステロイド画分を得た。この画分をイネラミナジョイントテスト(有限会社ブラシノのホームページで公開されている稲葉身屈曲試験を参照)で評価した。なお、抽出液5−Aについては標準BRと比較して濃度を測定した。
【試験結果1】
【0018】
全ての抽出液において葉身が180°近く屈曲していた。そのため抽出液1−A,1−B,2−A,3−A,4−AにはBRと同様の活性を示したので植物活性剤としての効果が確認された。
【試験結果2】
【0019】
5−Aについてはブラシノライド換算で0.025μg/gが含まれていることが分った。・・・[添付資料2]
【試験結果3】
【0020】
1−A抽出液の溶剤を飛ばした乾燥物を微量のエタノールに溶解した後1000倍〜5000倍の水で希釈したもの(以下当該希釈液と称する。)を各種作物に与えてみた。結果 カーネーションの種を播種し、2月発芽した後に当該希釈液を施用したところ12月まで花が咲いた。この結果より抽出液1−Aには植物の成長に影響を与える(耐寒性)物質の存在が認められた。・・・[添付資料3写真2a〜2d]
【試験結果4】
【0021】
芙蓉(真紅、ピンク、白)の株に5月当該希釈液を施用したところ草丈が高くなり(150cm位い)、花が大きく(15cm余り)色がはっきりした。また害虫が少なくなった。この結果より抽出液1−Aには植物の成長に影響を与える効果のほかに害中忌避効果も見られた。
【試験結果5】
【0022】
菜野菜(三月菜、五月菜)を前年の12月下旬に播種し、当該希釈液を施用したところ翌年2月下旬と3月下旬と、通常よりも1ヶ月位早く収穫できた。
【試験結果6】
【0023】
長ネギにを施用した当該希釈液ところ12月に収穫したとき、未使用区のネギの約2倍の太さになった。・・・[添付資料3写真3a]
【試験結果7】
【0024】
当該希釈液を施用したところ3月に蒔いた大根を4月には収穫できた。・・・[添付資料3写真3b]
【試験結果8】
【0025】
ひまわりに当該希釈液を施用したところ6月の段階で未使用区は2mくらいになって花が咲いていたが、施用区は3m以上に達しまだ成長を続けていた。(この時点ではまだ花は咲いていない。)・・・[添付資料3写真3c]
【試験結果9】
【0026】
キュウリに当該希釈液を施用したところ7月に時点で未使用区に比べ施用区は2倍程度大きく成長していた。・・・[添付資料3写真3d]
[23]〜[27]の結果より抽出液1−Aには植物の成長促進効果が認められた。
【試験結果10】
【0027】
萱の根に12月当該希釈液を施用したところ翌年の春、雪解け時には完全に枯れてていたが暖かくなるにつれて草が生えだした。除草剤的効果も見られた。・・・[添付資料3写真4a〜4b]
【試験結果11】
【0028】
アザミに当該希釈液を施用したところ厳冬の1月末にもかかわらず花のつぼみをつけた。抽出液1−Aには植物の成長に影響を与える(耐寒性)物質の存在が認められた。・・・[添付資料3写真4c]
【試験結果12】
【0029】
チューリップに当該希釈液を施用したところ成長速度に差が見られ、抽出液1−Aには植物の成長促進の効果が認められた。・・・[添付資料3写真4d]
【産業上の利用可能性】
【0030】
BRは現状の抽出方法や合成方法では非常に価格が高く、実際の農業には利用されていない。しかしながらBRは超微量で植物の成長促進・維管束分化の促進・ストレス耐性及び植物病害虫への抵抗性の向上など多岐にわたり生理活性性を高める。
このことは農業分野への利用価値がきわめて高いことを示す。そのため安価で提供することができれば利用の可能性は非常に高くなる。またこのBDFの製造過程で多量に副産する粗製グリセリン及びBDFの精製時に発生する洗浄液からBR及び又はブラシノステロイド様物質及びブラシノステロイド様生合成組成物を安価で大量に提供する。
また、産業廃棄物である廃食油から直接BR及び又はブラシノステロイド様物質及びブラシノステロイド様生合成組成物を安価で大量に提供し、その後BDFを製造するなど資源のリサイクル活用になる。
これらを安価で大量に提供できる事で今の世界が抱える農業問題、食糧問題、及びバイオマス事業として地域の発展と人材雇用の問題、地域における地産・地消の循環型社会の形成や、そして何より地球温暖化防止の一助としてCO2の排出量削減と吸収源の拡大をも解決できる。
【図−1】

【図−2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物油の脂肪酸エステルの製造過程で、副生される粗製グリセリン及び脂肪酸エステルの精製時に発生する洗浄液中に含まれるブラシノステロイド様の植物生理活性物質を酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル等のエステル系溶剤を用いて抽出し、抽出溶剤よりも沸点の高いグリセリンやグリコール系溶剤を添加して抽出溶媒を加熱及び又は減圧して濃縮タイプの植物活性剤を作る方法。
【請求項2】
植物油の脂肪酸エステルの製造過程で、副生される粗製グリセリン及び脂肪酸エステルの精製時に発生する洗浄液中に含まれるブラシノステロイド様の植物生理活性物質を酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル等のエステル系溶剤を用いて抽出する方法。
【請求項3】
植物油の脂肪酸エステル製造過程で副生される粗製グリセリン及び脂肪酸エステルの精製時に発生する洗浄液に誘電率3〜20の溶剤を用いて抽出されるブラシノステロイド及びブラシノステロイド様植物生理活性物質。
【請求項4】
廃食油中に含まれるブラシノステロイド及びブラシノステロイド様植物生理活性物質を誘電率20〜40の溶剤を用いた抽出方法。
【請求項5】
脂肪酸メチルエステルを作る過程において予めメタノールでブラシノステロイド及びブラシノステロイド様植物生理活性物質を抽出する方法。
【請求項6】
廃食油及び、植物油の脂肪酸エステル製造過程で副生される粗製グリセリン及び脂肪酸エステルの精製時に発生する洗浄液中に誘電率3〜40の溶剤を用いて抽出される、ブラシノステロイド及びブラシノステロイド様植物生理活性物質。なお廃食油については誘電率の高い溶剤をその他については逆に誘電率の低い溶剤を用いる。誘電率3から40までの溶剤としては、例えば、ジプロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル等のエーテル系溶剤、クロロペンタン、塩化ブチル、塩化プロピル、ジクロロエタン、クロロホルム、臭化エチル、臭化メチル等のハロゲン化脂肪族炭化水素系溶剤、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、ペンタノン、ヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、シクロヘキサノン、ジプロピルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、マロン酸ジエチル等のエステル系溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶剤、エチルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、ペンチルアミン、エチルヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、アニリン、トルイジン、ピペリジン、ピリジン、モルフォリン等のアミン系溶剤等が挙げられる。
【請求項7】
植物生理活性物質を廃食油及び、植物油の脂肪酸エステルの製造過程で副生される粗製グリセリン及び脂肪酸エステルの精製時に発生する洗浄液中から取り出す方法。
【請求項8】
請求項5に記載のブラシノステロイド及びブラシノステロイド様物質を含むブラシノステロイド様生合成組成物。

【公開番号】特開2011−162532(P2011−162532A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−44682(P2010−44682)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BDF
【出願人】(309005696)
【出願人】(309005700)
【Fターム(参考)】