説明

植物精油を含有するナノエマルジョンおよびナノ粒子ならびにそれらの製造方法

本発明は、親水性バイオポリマーを用いて、食品の機能成分をナノエマルジョンにして、腸内刺激効果を減少させ得、食品内の機能成分の安定性および吸収率を増大し得、かつ該機能成分により生じ得る強い香味を減少させることにより摂取に対する拒否反応を解決し得るナノエマルジョン、および当該ナノエマルジョンに対して溶媒沈殿または真空凍結乾燥を行うことにより安定性をさらに増加し得、かつ他の食品への適用をより容易にし得るナノ粒子、ならびにこれらの製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物精油を含有するナノエマルジョンおよびナノ粒子に関し、より詳しくは、乳化剤および水溶性バイオポリマーを用いて、生理活性を提供する植物精油をナノエマルジョンにすることにより、機能成分の安定性および体内利用性を改善するナノエマルジョン、当該ナノエマルジョンに安定性を付与し得るナノ粒子、およびこれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
植物精油(essential oil)とは、一般には、物理的方法によって香りのある植物から分離された揮発性物質をいう。植物精油の分離において最も通常に使用されている方法は水蒸気蒸留法である。水蒸気蒸留法は、水または有機溶媒を使用して植物精油分を含有する原料を溶媒の沸点以上の温度に加熱し還流させ、沸点の差異によって分子量の異なる画分を得ることができる方法をいう。このような植物精油は多様な用途を有する。言い換えれば、植物精油は、その抗生作用および抗真菌性を用いる組成物、害虫駆除での使用、香気(アロマ)療法での使用など、種々の目的で使用されている(Wang L., Li X., Zhang G., Dong J. and Eastoe J.(2007) Oil-in-water nonoemulsions for pesticide formations. J.Colloid Interface Sci. 314(1):230-235)。
【0003】
最近は、様々な機能性食品が注目を集めている。機能性食品とは、食品の栄養機能および嗜好機能に加えて、生体機能を増強する食品群をいう。一般に、機能性食品とは、摂取した場合、疾病予防および治療など、生体に対して生体調節機能を充分に発現するように、個人の健康、肉体的運動能力、精神的状態、および栄養に効果的に作用する食品群であると定義され得る。特に、香辛料の精油成分が最近多くの注目を集めている。香辛料のうち、韓国で最も広く使用されているものとしては、トウガラシ(Capsicum annuum, L.)、ニンニク(Alliul sativum L.)、ショウガ(Zingiber officinale)、タマネギ(Allium capa)などが挙げられる。これらの香辛料の辛味成分が生理活性を提供するという事実が科学的に立証されている(Srinivasan, K. (2005) Spices as influencers of body metabolism: an overview of three decades of research. Food Research International 38: 77-86)。よって、機能食品素材産業分野の主な関心ごとの1つは、香辛料を原料とした生理活性素材の発掘である。このような香辛料の精油成分のうち、カプサイシン(capsaicin)、アリルスルフィド(allyl sulfide)、ジアリルスルフィド(diallyl sulfide)、ジアリルジスルフィド(diallyl disulfide)などが有効な生理活性を提供する成分として知られている(Srinivasan K. (2005) Spices as influencers of body metabolism: an overview of three decades of research. Food Research International 38: 77-86)。それらの生理活性化合物としての利用度および活用技術が、食品分野で増加しつつある。カプサイシンは、トウガラシに、カプサイシン同族体形態で約0.5%含有されており、トウガラシは、食品の辛味を調節するために韓国で最も広く使用されている香辛料である。カプサイシンがエネルギー代謝亢進作用、抗酸化活性、血中脂質改善作用、免疫調節作用、抗癌活性、遺伝子発現調節作用、食欲増進作用、唾液分泌亢進作用、腸管蠕動運動亢進作用、塩化ナトリウム摂取量低下作用、Ca2+による血管拡張収縮作用、胃酸分泌亢進作用、カルシウム吸収率増加作用、コレステロール低下、血圧降下などの多様な生理活性を提供することが見出された(Surh Y. J., Lee R. C., Park K. K., Mayne S. T., Liem A. & Miller J. A. (1995) Chemoprotective effects of capsaicin and diallyl sulfide against mutagenesis or tumorigenesis by vinyl carbomate and N-nitrosodimethylamine. Carcinogenesis 16: 2467-2471; Yu R., Choi M. A., Kawada T., Kim B. S., Han I. S. & Yoo H. (2002) Inhibitory effect of capsaicin against carcinogen-induced oxidative damage in rats. Journal of Food Science Nutrition 7: 67-71; Lejeune M. P. G., Kovacs E. M. R., & Westerterp-Pantenga M. S. (2003) Effect of capsaicin on substrate oxidation and weight maintenance after modest body-weight loss in human subjects. The British journal of nutrition 90: 651-659; Asai A., Nakagawa K., & Miyanawa T. (1999) Antioxidant effects of turmeric, rosemary and capsicum extracts on membrane phospholipid peroxidation and liver lipid metabolism in mice. Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry 63: 2118-2122; Reilly C. A., Ehlhardt, W. J., Jackson, D. A., Kulanthaivel, P., Mutlib, A. E., Espina, R. J., Moody, D. E., Crouch, D. J., & Yost, G. S. (2003) Metabolism of capsaicin by cytochrom P450 produces novel dehydrogenated metabolites and decrease cytotoxicity to lung and liver cells. Chemical Research in Toxicology 16: 336-339; Henry C. J. & Emery, B. (1986) Effect of spiced food on metabolic rate. Human Nutrition. Clinical Nutrition 40: 165-168; Tanaka N. (2001) Nonirritating skin care compositions containing capsaicinoids for atopic dermatitis and controlling pruritus in rough skin. Japanese Kokai Tokkyo Koho 8: 2000-2013; Molina-Torres J., Garcia-Chavez A., & Ramirez-Chavez, E. (1999) Antimicrobial properties of alkamides present in flavoring plants traditionally used in Mesoamerica: Affinin and capsaicin. Journal of Ethnopharmacology 64: 241-248)。また、1940年代後半、カプサイシンが最初は強い刺激を与えるが、時間の経過とともに鎮痛作用をすることが見出された。その後、カプサイシン誘導体を合成して新しい鎮痛剤を開発するための研究が進行している。アリルスルフィドは辛み臭を放つ無色の液体であって、水にあまり溶けない反面、有機溶媒、例えば、アルコールまたはエーテルとは混合される。ジアリルジスルフィドは、殺菌作用、抗菌作用、および血液循環改善に卓越な効果があり、成人病の予防効果もあると知られている(Martinez M. C., Corzo N., and Villamiel M. (2007) Biological properties of onions and garlic. Trends in Food Science & Technology 18: 609-625)。アリシンは、ニンニクの独特な匂いおよび薬効を生じる主成分であって、自然状態のニンニクには存在しないが、ニンニクが損傷を受けると、アリンがアリナーゼ(alliinase)という酵素によってアリシンに転換される。特に、アリシンが抗酸化剤としての役割をなすことが見出されたので、これはさらに注目を集めている(Martinez M. C., Corzo N., & Villamiel M. (2007) Biological properties of onions and garlic. Trends in Food Science & Technology 18: 609-625)。しかし、アリシンは水に溶解しないため、容易に摂取される製品として製造するには困難性があり、また強い腸内刺激効果を有するとともに独特で強い香味を有するため、一般的な方法によって食品に適用するのは困難である。
【0004】
水に溶解しない物質を安定化するとともに吸収率を高めるための方法の一つがエマルジョンにすることである。エマルジョンは、一方の液体が微細な粒子でなり、他方の液体内に分散されている系をいう。エマルジョンが水および油から生ずる場合、主として、水内に油が分散した水中油型(O/W)と油内に水が分散した油中水型(W/O)とに分類される。水および油のエマルジョンは、水および油の混合物を強く振って混ぜることにより形成されるが、このようなエマルジョンは不安定である。エマルジョンの不安定性の要因には3つのタイプがあり、すなわち、粒子の塊を形成する凝集(flocculation)、混合物を分離された状態に維持しながら、二つの系の相対的密度によって表面または底部に粒子を濃縮するクリーミング(creaming)、および粒子の合一(coalescence)である。
【0005】
エマルジョンを安定化させるために、乳化剤が使用される。ほとんどの乳化剤は界面活性剤である。食品エマルジョンは、一般には、油、水、および乳化剤で構成される混合物に機械的または超音波エネルギーを適用して製造され得る。このエマルジョンは不透明で、一定期間は安定性を示すが、熱力学的に不安定な特徴を有するため、長期間の安定性を示さないことが知られている。
【0006】
食品産業分野でエマルジョンを製造する際の別の問題は、使用が可能な乳化剤の制限である。言い換えれば、多くの乳化剤が食品用として許容されておらず、一部の許容されている乳化剤も非常に低い濃度でしか使用可能でない。さらに、食品産業でエマルジョン製造用乳化剤として主として使用されている大豆油の場合、大豆油に多く含まれている長鎖脂肪酸であるグリセリドは、短鎖または中鎖脂肪酸と比べて溶解が難しいという短所がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、食品に適した物質を基盤として食品内の機能成分を安定化し得、体内吸収を極大化し得るナノエマルジョン、およびその製造方法を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、食品内の機能成分の強い腸内刺激効果および香味を減少し得るナノエマルジョン、およびその製造方法を提供することである。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、食品内の機能成分の安定性をさらに増加させることにより、長期間にわたって保存され得、他の食品へより容易に適用され得るナノ粒子、およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、乳化剤および親水性バイオポリマーを用いて食品内の機能成分をナノエマルジョン化することにより、食品内の機能成分の安定性および吸収率を増大し得ると共に、親水性バイオポリマーによる腸内刺激効果を減少し得るナノエマルジョン、当該ナノエマルジョンに対して溶媒沈殿または真空凍結乾燥を行うことにより安定性をさらに増加し得、かつナノエマルジョンから粉末形態で他の食品に容易に適用され得るナノ粒子、およびこれらの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、機能性食品内に生物活性化を提供する機能成分を多く有している植物精油を、水溶性バイオポリマーを基盤とするナノエマルジョンにすることにより、機能成分の安定化および体内吸収を極大化し、かつ食品内の機能成分、特に香辛料内の精油成分が単独で存在する際に生じ得る強い香味を減少させることによって摂取に対する拒否反応を解決し得る。また、水溶性バイオポリマーがナノエマルジョンの製造の際に基盤物質として用いられ、香辛料精油の腸内刺激効果を減少させると同時に、バイオポリマー自体が提供する抗生作用、抗酸化などの機能を提供し得る。特に、ナノエマルジョンをナノ粒子に製造すると、安定性がさらに増加され得、粉末形態のため他の食品への適用が容易になり得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明のナノエマルジョンを製造する方法に対する全体フロー図である。
【図2】オレオレジン・カプシカムおよびTween 80の配合比率によるナノエマルジョンの粒子サイズの変化を測定した結果を示す。
【図3】オレオレジン・カプシカムおよびTween 80の配合比率による75℃熱処理後のナノエマルジョンの粒子サイズの変化を測定した結果を示す。
【図4】オレオレジン・カプシカムおよびTween 80の添加比率によるナノエマルジョンの粒子サイズの変化を測定した結果を示す。
【図5】キトサン溶液の濃度によるナノエマルジョンの粒子サイズの変化を測定した結果を示す。
【図6】キトサン溶液の濃度によるナノエマルジョンの粘度の変化を測定した結果(a)および、キトサン溶液の濃度による75℃熱処理後のナノエマルジョン粘度の変化を測定した結果(b)を示す。
【図7】pHによるナノエマルジョンの粒子サイズおよび粘度の変化を測定した結果を示す。
【図8】熱処理によるナノエマルジョンの粒子サイズの変化を測定した結果を示す。
【図9】種々のバイオポリマーを使用して製作されたナノエマルジョンの粒子サイズを測定した結果を示す。
【図10】二重層および三重層のナノエマルジョンの製造方法の一例を例示した図である。
【図11】二重層ナノエマルジョンの製造の際にキトサン溶液の濃度によるカプセル化効率を測定した結果を示す。
【図12】二重層ナノエマルジョンの製造の際にキトサン溶液の濃度による粒子サイズの変化を測定した結果を示す。
【図13】二重層ナノ粒子を再溶解させた後、粒子サイズを測定した結果を示す。
【図14】ナノエマルジョンの原子間力顕微鏡の測定結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0014】
ナノ技術とは、ナノ領域で有用物質を生産するか、または新しい性質および現象などを用いて新素材を開発する、超微細加工科学技術をいう。ナノとは小人を意味するナノス(nanos)に由来する文言であり、現在は10億分の1を表す単位として用いられている。ナノ技術は、100万分の1を表すマイクロを超える微細な技術であって、ナノメートルサイズの物質の独特な性質または現象を探し出し、ナノ物質を整列させ組み合わせて新しい技術領域を構築する。ナノ技術は1990年代から先進国で国家的研究課題として集中育成されており、科学の全分野に亘って最も活発に研究が進行されている分野の一つである。このようなナノ技術を食品分野にも適用しようとする試みが進行している。その結果、ナノ食品の開発、すなわち、食品内の機能成分が体内の最終消化吸収段階に到達するまで活性化を維持するとともに、体内の特定器官まで食品内の機能成分を伝達し得る技術が、近年、国際的に開発されつつある。
【0015】
最近、多くの機能性食品が注目を受けており、このような機能性食品内で生物活性化を提供する多くの機能成分が明らかにされてきている。このような機能成分の例としては、カロチン、ルテイン、食物繊維、フラボノイド、植物性スタノール、フィトエストロゲン、キトサン、キチン、タウリン、セサミンなどが挙げられるが、これらのほとんどが水に溶解せず、摂取が容易な製品として製造するには困難性がある。
【0016】
特に、香辛料の精油内に存在する機能成分は、抗酸化剤としての機能を初めとする種々の機能を有するため、それらに関する研究が活発になされている。例えば、カプサイシンの場合、カプサイシンの摂取後の安定時、運動時、および回復期での体内の生理活性化の変化、心拍数の変化、およびエネルギー代謝の変化;ラットの遊泳訓練後のカプサイシン投与が血清クレアチンホスホキナーゼ(CPK)および乳酸脱水素酵素(LDH)の活性に及ぼす影響;食品における病因性細菌に対する成長阻害能力;ならびにカプサイシンが体内のエネルギー代謝および脂質酸化に及ぼす影響などに関する研究が、報告された。
【0017】
ナノ技術の適用により食品の水に不溶性の機能成分を安定化し得る、または吸収効率を増大し得る方法は、ナノエマルジョンを製造することである。ナノエマルジョンは、エマルジョンまたはマイクロエマルジョンと比べて種々の利点を有する。
【0018】
エマルジョンは、不透明で、その粒子のサイズが0.2〜50μmの範囲にあり、一定期間しか安定性を示さず、熱力学的に不安定であるのに対し、ナノエマルジョンは、一般エマルジョンと比べて熱力学的に安定で光分散が少なく、透明な溶液状態を示し、その粒子のサイズは5〜100nmの範囲にある。また、ナノエマルジョンは、親水性または疎水性部分と持続的に自己集合(self-assembly)し、さらに安定的なエマルジョン状態を維持する。
【0019】
ナノエマルジョンの粒子は非常に小さいので、重力加速度およびブラウン運動が著しく減少し、クリーミングまたは沈降現象も合一現象も生じることなく、分散状態で分離が起こらない。ナノエマルジョンを形成する小さい粒子は、粒子自体が変化しない性質のため、合一現象の発生が抑制され、従って、表面合一も防止される。ナノエマルジョンは既存のマイクロエマルジョンと比べて活性化物質の安定性をより大きくするため、体内利用性の増大効果を提供することができる。
【0020】
ナノエマルジョンを製造し得る方法は当業者に知られている。このような方法としては、攪拌法、高圧均質化法、超高圧法、超音波法、マイクロ流路通過法などが挙げられる。攪拌法は低エネルギーでナノエマルジョンを製造し得る。高圧均質化法では、プランジャー(plunger)の作動で発生した高圧の流体が、弁にある小さい隙間を高速で通過すると同時に、圧力の急激な低下によってキャビテーション(cavitation)、乱流、および剪断力でナノサイズの微細粒子に裂かれ、それにより、液体成分を完全に均一な状態にする。
【0021】
乳化剤がナノエマルジョンの製造に使用されるが、使用され得る乳化剤の種類は制限される。使用され得る乳化剤としては、大豆リン脂質(レシチン)、スクロース脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウムなどが挙げられ得る。多くの場合、食品分野での乳化剤の使用は低い濃度でのみ可能である。例えば、プロピレングリコールの場合、食品1kgに対し、1g以上を使用することはできない。本発明では、乳化剤としてソルビタン脂肪酸エステルの使用が好ましい。
【0022】
ソルビタン脂肪酸エステルは非イオン界面活性剤であって、ソルビタンに結合する脂肪酸の種類および数、ならびにエステル化の程度によって、性質および用途が異なる。ソルビタンモノエステルは市販されている。ソルビタンに結合する脂肪酸としては、ラウリン酸(Tween 20)、パルミチン酸(Tween 40)、ステアリン酸(Tween 60)、およびオレイン酸(Tween 80)が挙げられる。特に、本発明では、Tween 60またはTween 80を乳化剤として用いることが好ましい。Tween 20またはTween 40の場合、これは、化学構造上、油中水型(W/O)のエマルジョンの製造により適しており、本発明で提供される水中油型(O/W)のエマルジョンの製造には適していない。なぜなら、植物精油が水溶性バイオポリマー(biopolymer)に十分には溶解せず、エマルジョンの分離が容易には生じないためである。
【0023】
本発明によるナノエマルジョンの利点の1つは、食品内の機能成分の安定性および体内吸収効率を増大させるとともに、食品内の機能成分の新概念の輸送体として活用し得ることである。これは、食品内の機能成分の活性を標的とする人体器官に当該機能成分が伝達されるまで維持するように、バイオポリマーを用いてナノエマルジョンの粒子サイズを調節することによる。バイオポリマーは水溶性であることが好ましい。水溶性バイオポリマーを用いると、食品内の機能成分の体内吸収が増加され得、摂取が容易な製品がより容易に製造され得る。水溶性バイオポリマーが刺激性の強い植物精油をコーティングすることで精油の成分を徐々に放出してマスキング(masking)効果を示し、したがって、摂取時に人の咽喉部を刺激せず、香辛料に含まれる精油の機能成分による腸内刺激効果を減少し得、精油の機能成分が単独で存在する際に生じる強い香味を減少して摂取時の拒否反応を解決し得る。本発明で使用され得る水溶性バイオポリマーとしては、キトサン、アルギン酸、セルロース、カラギーナン、ゼラチン、アラビアガム、ペクチン、グアーガムなどが挙げられる。
【0024】
また、バイオポリマーを含有するナノエマルジョンの提供によって、バイオポリマー自体が提供する抗菌性、抗酸化性、食物繊維摂取などのような機能特性を提供することが可能である。本発明において水溶性バイオポリマーは0.05〜1.0質量%の溶液で使用され、蒸留水に溶解させることによって製造される。水溶性バイオポリマーが0.05質量%未満で添加されると、水溶性バイオポリマーの添加による腸内刺激効果の減少および精油の強い香味の減少が微弱となり、1.0質量%を超えて添加されると、エマルジョンの粒子サイズが大きくなりすぎて、マイクロ単位の不均一なエマルジョンが形成される。水溶性バイオポリマーを基盤物質として用いてナノエマルジョンを製造する際に、水ベース(water base)、オイルベース(oil base)、および乳化剤の3つの条件が、一定の比率で混合されることによってナノサイズを有する安定したエマルジョンが形成され、ナノエマルジョンの製造に対して最大の作用要因となる。本発明では、水ベースは水溶性バイオポリマー溶液であり、オイルベースは植物精油であり、乳化剤はソルビタン脂肪酸エステルである。
【0025】
本発明では、植物精油と乳化剤との配合比率は1:3〜1:5であることが好ましい。配合比率が1:1または1:2である場合は、二次粒子が形成され、安定しないエマルジョンが形成され、粒子サイズは1000nmを超過し、そして油相と水相とが互いから分離される。配合比率が1:5を超えると、乳化剤に対する植物精油内の機能成分の量が少なくなり過ぎる。本発明者の研究によると、植物精油0.03〜0.3質量%、乳化剤0.09〜1.5質量%、および水溶性バイオポリマー0.05〜1.0質量%、ならびに残余量の水で構成されるナノエマルジョンが、上記の効果を有することが理解され得る。
【0026】
本発明のナノエマルジョンは、単一層以外に、二重層および三重層でも製造され得る。二重層および三重層のナノエマルジョンは、単一層ナノエマルジョンを製造し、塩化カルシウムを処理し、そして他の水溶性バイオポリマーを添加することによって製造され得る。塩化カルシウムを処理すると反応性が大きくなり、より容易に二重層ナノエマルジョンが製造される。二重層ナノエマルジョンの製造の際に使用される水溶性バイオポリマーは、互いに異なる電荷を有することが好ましいが、これは、単一層上の二重層のカプセル化(encapsulation)効率が増加するためである。二重層ナノエマルジョンを製造し、次いで遠心分離して上清のみを取ることによって、マイクロサイズの粒子を除去する。三重層ナノエマルジョンは、二重層ナノエマルジョンを製造し、次いで他の水溶性バイオポリマー溶液を添加することによって製造される。二重層および三重層ナノエマルジョンは、単一層ナノエマルジョンと比べて、より安定した形態のナノエマルジョンを形成し得、食品内の機能成分の吸収および分解速度を減少して体内利用率を増加させ得る。
【0027】
本発明のナノエマルジョンを食品に適用するためには、ナノエマルジョンが熱処理に対して安定であることが好ましい。これはほとんどの食品が、食品製造の最後の段階で滅菌のために熱処理をするためである。また、一般的な飲料製品は、適正pHが4〜5の範囲で調節されて販売されるため、飲料製品に適用するためにはナノエマルジョンがpH4〜5の範囲で安定していることが特に好ましい。本発明のナノエマルジョンは、以下の研究結果に示されるように、熱処理および上記のpH範囲で安定であることが理解され得る。
【0028】
本発明のナノエマルジョンは、エタノールまたはアセトンなどの溶媒沈殿法で回収するか、あるいは真空凍結乾燥方法で乾燥して、ナノ粒子に製造され得る。粉末形態のナノ粒子は、ナノエマルジョンと比べて安定性がさらに増加して長期間にわたって保管され得、そして多様な食品への適用がより容易になり得るという利点を有する(Galindo-Rodriguez S., Allemann E., Fessi H., & Doelker E. (2004) Physicochemical parameters associated with nanoparticle formation in the salting-out, emulsification-diffusionm and nanoprecipitation methods. Pharmaceutical Research 21: 1428-1439)。本発明によって製造されたナノ粒子は、飲料水に添加して販売され得る。本発明者らの研究結果によると、本発明によって製造されたナノエマルジョンは非常に透明な赤みを帯びているので、研究結果は、ナノエマルジョンを飲料産業に用いる場合、消費者の支持および満足感に適合し得る製品の利用可能性を示している。また、ナノエマルジョンは、調味成分としても使用され得、そして各種の菓子類、ガム、パン、またはバターなどの食品用の食品添加剤として使用され得る。さらに、本発明のナノ粒子は水溶性バイオポリマーを基盤とするナノエマルジョンから製造されるので、ナノ粒子を再び水に分散させる時、よく溶解されるため、食品への適用が非常に容易である。
【実施例】
【0029】
以下に本発明を実施例によって詳細に説明する。但し、実施例は発明を例示するためのものであって、本発明の範囲はこれにより限定されない。
【0030】
(実施例1:ナノエマルジョンの製造)
オレオレジン・カプシカム(oleoresin capsicum)およびTween 80を、異なる配合比率(1:3、1:4、1:5)で混合し、150rpmで3分間攪拌した。この混合液にキトサン溶液を異なる添加比率(0.2%、0.4%、0.6%、0.8%、1.0%)で添加して、上記の速度で3分間攪拌した後、50℃水浴槽内で1分間反応させて混合物を製造した。この混合物を、超音波装置(sonic dismembrator Model 500, Fisher scientific, USA)を用いて振幅45%、30W、4℃の条件下で3分間超音波処理し、水中油型(O/W)ナノエマルジョンを製造した。ここで添加比率とは、キトサン溶液全体量に対する、オレオレジン・カプシカムおよびTween 80の混合液の添加含量を意味する。例えば、添加比率0.4%は、オレオレジン・カプシカム:Tween 80=1:4混合液0.4gに、キトサン溶液100mlを添加したことを意味する。以下同文である。
【0031】
(実施例2:ナノエマルジョンの安定性測定)
ナノエマルジョンの安定性を測定するために、粒子サイズおよび粘度を測定した。
【0032】
粒子サイズは3nmから6μmまでのサイズを測定し得る光散乱粒度分析器(light-scattering particle size analyzer)(Nanotrac TM250, Microtrac Inc., USA)を用いて、25℃にて5分間測定した。
【0033】
粘度は、粘度計(Brookfield DV-II+, Brookfield engineering laboratory Inc., USA)を用いてスピンドル(spindle)番号2で測定し、25℃にて20rpmで1分間反応させることによりトルク(torque)値が10%以上である範囲のcp値で表した。
【0034】
(実施例3:オレオレジン・カプシカム/Tween 80の配合比率による影響)
オレオレジン・カプシカムおよびTween 80の配合比率を1:3、1:4、および1:5にして製造したナノエマルジョンに対して75℃熱処理を行った後、粒子サイズを上記方法で測定した。Tween 80の配合比率が増加するとともに、ナノエマルジョンのサイズが小さくなったが、オレオレジン・カプシカムおよびTween 80の配合比率を1:4および1:5にして製造したナノエマルジョンは各々サイズが52.1nm、13.32nmである均一で安定したナノエマルジョンを形成した(図2)。
【0035】
75℃にて15分間熱処理した後のナノエマルジョンの安定性は、Tween 80の配合比率が増加するとともに、増加した。オレオレジン・カプシカムおよびTween 80を1:5に配合して製造したナノエマルジョンの粒子サイズは16.06nmであったが、この粒子サイズと熱処理する前の粒子サイズとは大きな差異がなかった。しかし、1:3に配合して製造したナノエマルジョンの粒子サイズは、多糖類の重合反応(polymerization)によって220.3nmから1139nmに大きく増加した(図3)。
【0036】
(実施例4:オレオレジン・カプシカムおよびTween 80の添加比率による貯蔵安定性)
1:4の配合比率のオレオレジン・カプシカムおよびTween 80を0.2質量%キトサン溶液と0.2%、0.4%、0.6%、0.8%、および1.0%の添加比率で混合してナノエマルジョンを製造した後、25℃にて7日間保管した。その後、ナノエマルジョンの粒子サイズを上記方法で測定した。0.2%添加比率では不安定なエマルジョンが形成され、貯蔵の間に粒子サイズが一部変化したが、0.4%以上の添加比率では安定したエマルジョンが形成された(図4)。
【0037】
(実施例5:キトサン溶液の濃度による影響)
1:4の配合比率のオレオレジン・カプシカムおよびTween 80を0.05質量%〜0.2質量%のキトサン溶液と0.4%の添加比率で混合してナノエマルジョンを製造した後、その粒子サイズを上記方法で測定した。ナノエマルジョンの形成において、キトサン溶液0.05質量%〜0.2質量%の範囲では、粒子サイズが12.94nm〜17.67nmの範囲で、大きな差異は示さなかった(図5)。
【0038】
1:4の配合比率のオレオレジン・カプシカムおよびTween 80を0.05質量%〜1.0質量%のキトサン溶液と0.4%の添加比率で混合してナノエマルジョンを製造し、これに対して75℃にて15分間の熱処理を行った後、粘度を測定した。キトサン溶液の濃度が増加するほどナノエマルジョンの粘度は増加し、貯蔵日数が増加するほど粘度は減少した(図6(a))。75℃にて15分間の熱処理によっては、多糖類の分解によりナノエマルジョンの粘度が減少した(図6(b))。
【0039】
(実施例6:pHによる安定性)
1:4の配合比率のオレオレジン・カプシカムおよびTween 80を0.2質量%のキトサン溶液と0.4%の添加比率で混合した後、pHを3、4、5、および6に調整してナノエマルジョンを製造した。製造されたナノエマルジョンの粒子サイズおよび粘度を、上記方法によって測定した。pHが3から6に増加するにつれてナノエマルジョンの粒子サイズが増加したが、貯蔵4日後にはその粒子サイズは減少し、15.45nm〜22.53nmの互いに類似した粒子サイズとなった。この結果は、低いpHによるキトサンの化学的分解が原因と推定された。また、粒子サイズの変化は、貯蔵日数が増加するとともに減少する粘度の測定結果と相関することが示された(図7)。
【0040】
(実施例7:熱処理による効果)
1:4の配合比率のオレオレジン・カプシカムおよびTween 80を0.2質量%のキトサン溶液と0.4%の添加比率で混合してナノエマルジョンを製造した後、50℃、75℃、および100℃にて、15分間の熱処理を行った。ナノエマルジョンは、50℃、75℃、100℃の熱処理によって粒子サイズが各々66.30nm、63.40nm、93.60nmであり、温度の増加とともに増加した(図8)。この結果、50℃以上の熱処理で、ナノエマルジョンのミセル(micelle)構造が変形され、安定性が若干落ちることが確認できたが、高温の熱処理でさえも、100nm以下のナノエマルジョンの形成可能性および食品への利用可能性は示された。
【0041】
(実施例8:多様な精油を使用したナノエマルジョンの製造)
オレオレジン・カプシカムの他にショウガ精油およびニンニク精油を用いて、0.05質量%キトサン溶液および0.05質量%アルギン酸溶液によりナノエマルジョンを製造した。これらの粒子サイズは24.91nm〜35.80nmの範囲にあり、各々の種類による粒子サイズの差異は大きくなかった(図9)。したがって、種々の食品内の機能成分および親水性バイオポリマーを用いたナノエマルジョンの製造可能性を確認した。
【0042】
(実施例9:二重層および三重層のナノエマルジョンの製造におけるキトサン溶液濃度の効果)
二重層ナノエマルジョンの製造のために、オレオレジン・カプシカムおよびTween 80を1:4で混合した混合物0.4gを、0.05質量%のアルギン酸溶液(pH 4.9)100mlに添加して25℃にて150rpmで30分間攪拌混合し、次いで18mM CaCl2溶液7.6mlを添加して150rpmで60分間攪拌混合した。この混合物に0.05%キトサン溶液(pH 4.6)25mlを添加し、150rpmで2時間攪拌混合し、二重層エマルジョンを安定化させた。マイクロ単位のサイズを有するエマルジョンを除去するために、4℃にて11,000rpmで40分間遠心分離した後、上清のみを取った。三重層ナノエマルジョン製造のためのアルギン酸およびキトサンの濃度の選定のために、アルギン酸の濃度は0.05質量%に固定し、キトサンの濃度は0.05〜0.09質量%の種々に設定して、ナノエマルジョンを製造した。0.05質量%のアルギン酸溶液および0.05質量%のキトサン溶液を、各々pH4.9、4.6に調整して調製した。オレオレジン・カプシカムおよびTween 80の混合液0.75gに0.05質量%アルギン酸(pH4.9)117.5mlを添加してそれらを30分間攪拌し、次いでこの混合物に18mM CaCl2溶液7.5mlを1時間攪拌しながら徐々に添加してアルギン酸一次エマルジョンを製造した。この製造された一次エマルジョンに0.05質量%キトサン(pH4.6)25mlを1時間30分間攪拌しながら徐々に添加した。形成されたナノエマルジョンを一定した速度で30分間攪拌し、フィルターで濾過した後、室温にて24時間安定化させた。
【0043】
二重層および三重層ナノエマルジョンの概略的な製造過程を図10に示した。
【0044】
上記のように製造された二重層および三重層のナノエマルジョンのアルギン酸単一層上にキトサン二重層がカプセル化(encapsulation)される効率は、0.05%アルギン酸溶液と同じ濃度の0.05%キトサン溶液で製造する際に最も高くなり68%であった。キトサン溶液の濃度が増加するほど、カプセル化効率は減少することが観察された(図10)。粒子サイズは、0.07%以上のキトサン溶液でナノエマルジョンのミセル構造が壊れるにつれて、粒子サイズが増加した(図11)。したがって、二重層ナノエマルジョンの製造の際に、互いに異なる電荷を有する親水性バイオポリマーを使用する場合、安定したナノエマルジョンを形成するには、同一の濃度が使用されるべきであることが確認できた。
【0045】
(実施例10:ナノ粒子の安定性測定)
0.05%アルギン酸溶液および0.05%キトサン溶液を用いて、オレオレジン・カプシカムおよびTween 80の配合比率を1:4、そして添加比率を0.4%とする条件で製造した二重層ナノエマルジョンに対して−18℃にて真空凍結乾燥を行って、ナノ粒子を製造した。製造された二重層ナノ粒子50mgを50mlの蒸留水と50rpmで30分間攪拌混合して再溶解させた後、その粒子サイズを測定した(図12)。粒子サイズの測定結果は、13.71nmから18.92nmに若干増加したが、粒子サイズ間に大きな差異はなく、ナノエマルジョンは比較的に安定した形態で再形成されることを確認した。
【0046】
(実施例11:ナノエマルジョンの原子間力顕微鏡測定)
原子間力顕微鏡(AFM)測定のために、製造されたナノエマルジョンを蒸留水で希釈し、その100μlをスライドカバーグラス上に置き、25℃にて24時間乾燥した。原子間力顕微鏡はパークシステムズ社のXE−100を用い、測定にはタッピングモード(tapping mode)であるノンコンタクトモード(non-contact mode)を用いた。このために、市販されているタッピングモード用AFMプローブ(ナノセンサーズ社、弾性定数=42N/m、共振周波数=320kHz)を用いた。測定速度を0.3Hz、測定サイズをXスキャン1μm×Yスキャン1μm、画像データの形式を256ピクセル256ラインにして実施した。位相遅れについて標準化されたデータを得るために、位相遅れを原子力間顕微鏡の「ゼロ位相(zero phase)」命令を用いて初期化した後、測定した。原子間力顕微鏡でナノエマルジョンの形態(morphology)を測定した結果、均一なミセル構造を形成していることを確認した(図13)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノエマルジョンの全体質量に対し、0.03質量%〜0.3質量%の植物精油、0.09質量%〜1.5質量%のソルビタン脂肪酸エステル、0.05質量%〜1.0質量%の水溶性バイオポリマー、および残量の水を含む、ナノエマルジョン。
【請求項2】
前記植物精油が、トウガラシ精油、ニンニク精油、ショウガ精油、およびタマネギ精油からなる群から選択される1つ以上を含む、請求項1に記載のナノエマルジョン。
【請求項3】
前記水溶性バイオポリマーが、キトサン、アルギン酸、セルロース、カラギーナン、ゼラチン、アラビアガム、ペクチン、およびグアーガムからなる群から選択される1つ以上を含む、請求項1に記載のナノエマルジョン。
【請求項4】
前記ソルビタン脂肪酸エステルがTween 60またはTween 80である、請求項1に記載のナノエマルジョン。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載のナノエマルジョンを溶媒沈殿または真空凍結乾燥して製造されたナノ粒子。
【請求項6】
単一層ナノエマルジョンの製造方法であって、
0.05質量%〜1.0質量%の水溶性バイオポリマーに、植物精油0.03質量%〜0.3質量%およびソルビタン脂肪酸エステル0.09質量%〜1.5質量%を添加する工程;
残量の水を添加する工程;および
該混合物をナノエマルジョンにする工程
を含む、方法。
【請求項7】
二重層ナノエマルジョンの製造方法であって、
0.05質量%〜1.0質量%の1つの水溶性バイオポリマーに、植物精油0.03質量%〜0.3質量%およびソルビタン脂肪酸エステル0.09質量%〜1.5質量%を添加する工程;
残量の水を添加する工程;
該混合物に塩化カルシウムを添加する工程;
塩化カルシウムを添加した該混合物をナノエマルジョンにする工程;
該ナノエマルジョンに0.05質量%〜1.0質量%の他の水溶性バイオポリマーを添加し、次いでナノエマルジョンにする工程;および
該ナノエマルジョンを遠心分離してナノサイズのエマルジョンを分離する工程
を含む、方法。
【請求項8】
三重層ナノエマルジョンの製造方法であって、
0.05質量%〜1.0質量%の1つの水溶性バイオポリマーに、植物精油0.03質量%〜0.3質量%およびソルビタン脂肪酸エステル0.09質量%〜1.5質量%を添加する工程;
残量の水を添加する工程;
該混合物に塩化カルシウムを添加する工程;
塩化カルシウムを添加した該混合物をナノエマルジョンにする工程;
該ナノエマルジョンに0.05質量%〜1.0質量%の他の水溶性バイオポリマーを添加し、次いでナノエマルジョンにする工程;
該ナノエマルジョンに0.05質量%〜1.0質量%のさらに他の水溶性バイオポリマー溶液を添加し、次いでナノエマルジョンにする工程;および
該ナノエマルジョンを遠心分離してナノサイズのエマルジョンを分離する工程
を含む、方法。
【請求項9】
前記ナノエマルジョンを溶媒沈殿または真空凍結乾燥する工程をさらに含む、請求項6から8に記載のナノ粒子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2010−535498(P2010−535498A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−519853(P2010−519853)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【国際出願番号】PCT/KR2008/003249
【国際公開番号】WO2009/020280
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(510033985)コリア フード リサーチ インスティテュート (2)
【Fターム(参考)】