説明

植物酸素瓶の構造

【目的】 本考案は植物酸素瓶の構造に関し、樹木の枯死を防ぎ成長を促進する。
【構成】 上端に一つの上蓋11を設けて地面より露出させる。上蓋11の内縁に一つの下縁111を設け、下縁111の内側をラッパ口112とする。上蓋11下方は一つの瓶体12に接続され、瓶体12内には一つの網盤体121がある。網盤体121上には複数の水孔1211が開けられており、瓶体12にも数個の流孔122が開けられている。瓶体12の内壁の一面には、各種薬剤40を包む発泡層123が貼られている。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は一種の植物酸素瓶の構造に係り、特に一種の樹木に充分な栄養分と除虫作用を提供し、樹木の成長繁茂を促進する植物酸素瓶の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
社会が日進月歩している今日、各種公共施設の新設や改築がアスファルトやコンクリートを使用して頻繁に行われている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
これら公共施設の新設や改築は地面や土壌の破壊を招き、多くの樹木を枯渇させている。例えば、アスファルトやコンクリートの敷設により、水が土壌に流入できず、樹木の根部は水分を吸収することができないばかりでなく、土壌中の熱や酸素の放出ができず、樹木の根部が腐敗し、枯死するに至ることがよく発生する。
【0004】
本考案の主な目的は、上記のようなアスファルトやコンクリートによる地面の敷設により土壌中に水が流入できず、又土壌中の熱や酸素が放出できない為に起こる樹木の枯死を防ぐ為、植物酸素瓶を土壌中に埋め込むことによってこれを解決することにある。
本考案のもう一つの目的は、一種の植物酸素瓶を提供し、この植物酸素瓶を樹木周囲の地面(土壌)に埋め込むことによって樹木に栄養を与え、土壌中の熱と酸素を排出させて樹木の成長を促すことにある。
【0005】
本考案の更にもう一つの目的は、植物酸素瓶によって樹木に栄養分を与えるばかりでなく、樹木の殺菌、殺虫作用に寄与することにある。
本考案の尚更にもう一つの目的は、押さえ付けや踏み付けに耐え、瓶内の薬剤を確保できる植物酸素瓶を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する為、主として、この植物酸素瓶を樹木周囲の地面(土壌)に埋め込み、酸素瓶上端の上蓋を地面より露出させる。上蓋の内縁には一つの下縁があり、下縁内側はラッパ口になっている。又この植物酸素瓶の上蓋の下方には一つの瓶体を取り付け、瓶体内には一つの網盤体を設け、網盤体には複数個の水孔があり、又瓶体にも数個の流孔がある。瓶体内部には発泡層を全面に貼り付け、この発泡層で薬剤を包んでいる。又、瓶体底端には一つの底蓋を取り付けてある。
【0007】
【作用】
上記のようにして構成された植物酸素瓶によって樹木は成長除虫の目的を達成することができる。
【0008】
【実施例】
図1及び図2及び図3は本考案の一実施例の立体断面図及び立面埋込み状態を示す図及び平面埋込み状態を示す図である。各図に示す如く、本考案の一実施例の植物酸素瓶の構造は主として、この植物酸素瓶10を樹木20の周囲の地面30(土壌)中に埋め込み、酸素瓶10の上部には一つの上蓋11があって地面30上に露出し、上蓋11の内側には下縁111があり、その内側はラッパ口112になっていて水が進入できるようになっている。又、この植物酸素瓶10の上蓋11の下方は瓶体12になっていて、その中には網盤体121を設け、網盤体121上には複数個の水孔1211が開けられており、瓶体12内の薬剤が水で膨脹して流出したり、外部から雑質が侵入するのを防ぐ。又、瓶体12には複数個の流孔122を設け、且つ瓶体12の内壁には発泡層123が貼り付けられており、この発泡層123で各種薬剤40を包んでいる。
【0009】
この植物酸素瓶10内の薬剤40は澱粉粒、蛭石、真珠石、肥料、殺虫殺菌剤、リン酸カリ、硫酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸カリ、及び樟脳丸から構成されている。その中、リン酸カリと硫酸マグネシウムは一つのプラスチック袋50で包装されている。このプラスチック袋50には複数個の孔51を開けてあるので、水が袋50に流れ込むと、袋50の中のリン酸カリと硫酸マグネシウムは溶けて溶液となり、袋50の孔51からゆっくりと流れ出る。同様にして硝酸カルシウム及び硝酸カリもリン酸カリ及び硫酸マグネシウムと同じようにプラスチック袋50で包まれ、且つ瓶体12の底部には底蓋13があって薬剤40の流失を防いでいる。
【0010】
使用する時は、淮漑水を植物酸素瓶10内に流し込むと、瓶体12中の各薬剤40は溶けて液状となり、発泡層123を通って流孔122から流出して土壌中に拡散する。よって、樹木20の根部21は植物酸素瓶10から流出する栄養分と殺虫剤を吸収し、樹木20は成長と除虫の目的を達することができる。
図2に示すように、本考案の一実施例のプラスチック袋50に包装されたリン酸カリ、硫酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸カリの主な作用は、これら薬剤は顆粒状ではないので、水が瓶内に入ると速やかに溶けて流失する恐れがあるのでプラスチック袋50で包み、リン酸カリ、硫酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸カリがゆっくりと流出し、使用時間を延ばすことができるように工夫されている。
【0011】
又、上記植物酸素瓶10内の発泡層123により、雑質の侵入を防ぐばかりでなく、土壌中の熱を吸収して植物酸素瓶10より排出することができ、又、樹木20の酸素放出を助けることができる。
上記植物酸素瓶10を樹木20の地面(土壌)の周囲に埋め込む数量は樹木20の大きさによって異なる。
【0012】
図4は本考案の一実施例の植物酸素瓶使用例を示す図で、本考案の一実施例の植物酸素瓶10は又植木鉢60の土壌の中に埋め込めるように作ることもできる。その場合植物酸素瓶10内の薬剤40は前記樹木20の場合と同様のものを使用するが、使用量は少し異なる。
本考案の植物酸素瓶の瓶体は例えば次の三種に大別される。
【0013】
1号 薬剤 70×6=420g 器材 140×6=840g 薬剤+器材=1260g 2号 薬剤 70×4=280g 器材 140×4=560g 薬剤+器材=840g 3号 薬剤 70×3=210g 器材 140×3=420g 薬剤+器材=630g 以上三種類の瓶体は夫々大きさの異なる樹木及び植木鉢に使われる。植物酸素瓶は長期間地下に埋設されるが、薬剤を使い果たしたら薬剤を添加するだけでよく、瓶体を交換する必要はないので外観を壊すことがなく、又、殺虫剤は根部で吸収されるので、空気や水源を汚染することがなく、環境保全にかなった製品である。
【0014】
【考案の効果】
以上の通り本考案によれば、土壌中に埋め込まれた植物酸素瓶に水が流入すると発泡層に包まれた各種の薬剤が溶け出して樹木の栄養分となるので、樹木は枯死することなく充分に繁茂して成長することができるとともに、薬剤によって殺菌、殺虫作用が行なわれるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の立体断面図である。
【図2】本考案の立面埋込み状態を示す図である。
【図3】本考案の平面埋込み状態を示す図である。
【図4】本考案の植物酸素瓶の使用例を示す図である。
【符号の説明】
10 植物酸素瓶
11 上蓋
12 瓶体
13 底蓋
20 樹木
30 地面
40 薬剤
50 プラスチック袋
51 孔
60 植木鉢
111 下縁
112 ラッパ口
121 網盤体
122 流孔
123 発泡層
1211 水孔

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 上端に一つの上蓋を設けて地面より露出させ、上蓋の内縁には一つの下縁を設け、下縁の内側はラッパ口になっており、上蓋の下方は一つの瓶体に接続され、瓶体内には一つの網盤体があり、網盤体上には複数個の水孔が開けられており、瓶体にも数個の流孔が開けられ、且つ瓶体の内壁の一面には発泡層が貼られており、この発泡層で各種薬剤を包んでおり、瓶体の底端には底蓋が取り付けられた構成からなる植物酸素瓶の構造。
【請求項2】 瓶体内部の発泡層により、各薬剤の雑質を濾過することができるばかりでなく、同時に土壌内の熱を吸収し、熱と酸素を放出することができる構成とされてなる請求項1記載の植物酸素瓶の構造。
【請求項3】 発泡層で包まれる薬剤が夫々澱粉粒、蛭石、真珠石、肥料、殺虫殺菌剤、リン酸カリ、硫酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸カリ及び樟脳丸から構成され、樹木に栄養分を供給すると共に樹木の害虫を防除することができる構成とされてなる請求項1記載の植物酸素瓶の構造。
【請求項4】 リン酸カリ及び硫酸マグネシウム(又は硝酸カルシウム及び硝酸カリ)を一つのプラスチック袋に包装し、プラスチック袋には数個の孔が開けられてあって、水が流れ込むようになっており、水が入るとプラスチック袋中のリン酸カリ及び硫酸マグネシウム(又は硝酸カルシウム及び硝酸カリ)が溶けて液状となり、これらの孔から徐々に流出する構成とされてなる請求項3記載の植物酸素瓶の構造。
【請求項5】 植木鉢内の土壌中に埋め込まれる体積を有しており、且つ発泡層で包まれた薬剤が樹木用植物酸素瓶内の薬剤と同一である構成とされてなる請求項1記載の植物酸素瓶の構造。

【図2】
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【図3】
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【図1】
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【図4】
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