植込み式デバイス締付けシステムおよび使用方法
【課題】植込み式デバイス用の外科用締付けシステム及び、植込み式デバイスを位置決めし、かつ締め具を展開後位置へ移動させる展開システムまたはツールを提供する。
【解決手段】植込み式デバイスは、展開前位置で複数の締め具14を含有するか、展開前位置で複数の締め具を含有する、周囲に適合された筐体12を有するか、それが適合する二部システムの一部でありうる。締め具は、形状記憶合金、例えばNiTiを含む、生体適合性材料で形成された、止め具、金属ループ、コイル、バネ、またはフックでありうる構成とする。
【解決手段】植込み式デバイスは、展開前位置で複数の締め具14を含有するか、展開前位置で複数の締め具を含有する、周囲に適合された筐体12を有するか、それが適合する二部システムの一部でありうる。締め具は、形状記憶合金、例えばNiTiを含む、生体適合性材料で形成された、止め具、金属ループ、コイル、バネ、またはフックでありうる構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植込み式医療用デバイスおよび外科用器具ならびに締め具の分野に関する。本発明は、外科手術におけるデバイスまたはインプラントを締付ける方法、およびその過程において使用される外科用の締め具および器具を包含する。
【背景技術】
【0002】
外科用締め具、例えば止め金、クリップ、クランプ、バンド、タック、または他の創傷もしくは切開閉鎖デバイスが外科手術において一般的に使用されており、外科医が体組織を締付け、固定し、かつ/または修復することを可能にする。外科用締め具の例は、米国特許第4,994,073号(特許文献1)または同第4,950,284号(特許文献2)または同第4,934,364号(特許文献3)および同第4,932,960号(特許文献4)に示されている。
【0003】
外科用締め具は、時間がかかり、かつ不便である縫合の必要性を除去するために外科的処置において使用されている。これらの用途において、外科医はしばしば1つもしくはそれ以上の外科用締め具を搭載したデバイスを植込む締め具を使用し、縫合によって実施するには何分もかかるものを数秒で達成する。この手術時間の削減により失血および患者の外傷が削減される。
【0004】
一般的に、かかる締付けシステムは主に切開または創傷の閉鎖のために、または組織を固定するために使用されている。多くの種類の植込み式デバイスとともに使用されうる外科用締付けシステムが外科医には有利であろう。現在、締付けシステムを組込む外科用デバイスではしばしば、不必要に複雑であり、かつ他の用途への適合に不向きであるきわめて特殊化したシステムが使用される。結果として、植込み式デバイスの大半は縫合糸で固定されている。例えば、胃バンドおよび付随するアクセスポートを挿入する際には、ポートは4〜5本の縫合糸で直筋鞘に対して適所に縫合される。かかる縫合の配置は、ポートが脂肪の数インチ下に配置されるため難しい場合が多く、かつポートの縫合はしばしば、バンド自体の配置の間かかる。改善された締付けシステムであれば、縫合デバイスと同等に安心して容易なシングルステップアタッチメントが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,994,073号
【特許文献2】米国特許第4,950,284号
【特許文献3】米国特許第4,934,364号
【特許文献4】米国特許第4,932,960号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、植込み式デバイスが展開前位置で複数の締め具を含有し、または植込み式デバイスが上に適合した筐体を有し、筐体が展開前位置で複数の締め具を含有しうる外科用締付けシステムを包含する。したがって、本発明は、場合により植込み式デバイスを位置決めし、かつ締め具を展開後位置へ移動させる展開システムをも包含する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、植込み式デバイスが展開前位置で複数の締め具(例えば、止め金)を含有するか、またはデバイス上の穴を縫合するように構成された締め具が設けられているか、または植込み式デバイスがデバイス上に適合した着脱式筐体を有し、筐体が展開前位置で複数の締め具を含有しうる外科用締付けシステムを包含する。
【0008】
着脱式筐体および締め具は外科用締め具およびインプラントの製造のために技術的に周知のさまざまな材料で製造されうる。締め具は、金属、ポリマー、または他の適切な材料で製造されうる。着脱式筐体は、金属、ポリマー、セラミック、または複合材料で製造されうるが、例えば、ポリスルホン、アセチルコポリマー、チタン、エラストマー、およびステンレス鋼が一般的に使用されている。
【0009】
これらの材料は生体適合性である必要があり、すなわち、それらは周囲の生活環境に悪影響を及ぼさず、またその逆でもあり、その性能は周囲の生活環境によって悪影響を受けない。これらの材料は不活性の非吸収性または生体分解性でありうる。不活性材料は、ほとんど非破壊性であり、その形態および機能を長期間維持する。
【0010】
金属および金属合金、かつ特にチタンおよびチタン合金は医療用途の多種多様の植込み式物品に使用されている。すべての植込み式物品はある程度の生体不適合性を受け、これは組織炎症、壊死、過形成、突然変異誘発性、毒性、および他の反応、例えば、巨細胞、白血球、およびマクロファージによる攻撃などとして現れうる。チタンおよびその合金は一般に植込まれると不活性とみなされるが、一部の生物学的および生化学的相互反応がやはり発生しうるとともに、他のものは特定の目的のためにチタンおよびチタン合金インプラントの表面上にさまざまなコーティングを提供することが望ましいことを見出した。同じことは多くの他の金属および金属合金にも当てはまる。したがって、本発明は、締め具の表面上へのかかるコーティングの使用、着脱式の筐体、またはデバイスを包含する。
【0011】
植込まれる材料(チタンまたは他の材料で製造されるかに関係なく)において使用されうるコーティングの一部としては、過形成または炎症に付随する問題を削減する生物剤(遺伝物質または細胞物質など)または化学剤(抗増殖試薬または細胞成長因子など)が挙げられる。これらの作用物質は、金属またはポリマー対象の表面との結合剤、例えばエラストマーまたは生体吸収性ポリマーと混合されうる。
【0012】
本明細書で意図されている締め具は、止め金を含めて、しばしばワイヤで構成されており、したがってそのサイズに対して比較的大きな表面積を有する。したがって、インプラントの表面への生物剤または生化学剤の添加を可能にする方法は、体組織のインプラントとの有害な反応を最小限に抑えることにおいて有利でありうる。これらには、組織反応を遅らせるステンレス鋼およびチタン合金(例えば、NiTi合金)へ塗布されるコーティングを含みうる。かかるコーティングは、安定した生体適合性ポリマー(スチレン−イソブチレン−スチレン(SIBS)など)および生体吸収性ポリマー、例えばポリグリコール酸などに基づいている。これまで周知の研究では、活性化学剤または生化学剤がポリマーコーティング材料と混合され、次いで作用物質はインプラントが体内に配置されるとコーティングから溶出する。
【0013】
本発明によって、締め具は形状記憶合金(SMA)で製造されうることも意図されている。金属医療用デバイスを形状記憶合金で製造するための原動力は、この用途で使用される従来の合金と比較して恒常的な変形に対するその大きな抵抗性にある。さまざまな医療器具において使用される合金は、ステンレス鋼、高ニッケル合金、例えばエルジロイ(Elgiloy)(商標)、およびチタン系合金に依拠したものであり、そのすべてには加工硬化によりきわめて高い降伏強さを与えることができる。通常の金属は、きわめて高い降伏強さを有していても、永久変形を受けることなく0.2%を大きく上回る変形に耐えることはできない。上記の従来の合金の1つで製造されたデバイスにおいて曲がりまたはねじれが持続されていると、実質的に除去することは不可能である。形状記憶合金、例えばAu−−Cd、Cu−−Zn−−Al、Ni−−Tiおよびその他多くによって示される擬弾性の異常な特性は、10%程度の変形の完全な「弾性」回復を可能にする。その高い回復可能な変形およびその優れた腐蝕耐性により、医療用部品に選好される形状記憶合金は、合金のNi−−Tiファミリー内にある。
【0014】
形状記憶合金は、熱弾性のマルテンサイト変換を示すクラスに属する。マンテンサイトという語は、高温から急冷されると鋼で製造される結晶相を指す。高温で示す相はオーステナイトと呼ばれ、これらの用語は形状記憶合金で発生する変換を表現するために引き継がれている。鋼がオーステナイト温度からマルテンサイトに急冷されると、再びオーステナイトを形成するには構造物をきわめて高温に、通常は1400°Fよりも高く加熱する必要がある。
【0015】
それに反して、熱弾性の形状記憶合金は、マルテンサイトからオーステナイトへ変化しうるとともに、きわめて小さな温度範囲、一般的には18〜55°Fで加熱時および冷却時に再び戻る。形状記憶合金の変換は通常、冷却時にオーステナイト相から、しばしば母相と呼ばれるマルテンサイトが、MSで示される温度で形成を開始し、低い温度、MFに達すると同時に、合金が完全にマルテンサイトであることが示されるヒステリシス曲線によって記載されている。MF温度未満からの加熱とともに、マルテンサイトはASでオーステナイト構造への戻りを開始し、AFで示された温度に達すると、合金は完全にオーステナイトになる。これら2つの相または結晶構造はきわめて異なる機械的特性を有し、オーステナイトのヤング率は約12×106psiであるが、マルテンサイトのヤング率は約4×106psiであり、合金が与えられる冷間加工に量によって決まる降伏強さの範囲は、オーステナイトでは28〜100ksiであり、マルテンサイトでは10〜20ksiである。
【0016】
形状記憶合金のユニークな特徴はその変形回復能である。形状記憶合金試料が、そのマルテンサイト形態において応力にかけられると、変形は、従来の合金では優勢である機序、すなわち滑り、粒界摺動、および転位運動によってではなく、個々のマルテンサイト異型の成長および収縮によって適合される。変形マルテンサイトがオーステナイト仕上げ温度AFに加熱されると、一部はその最初の変形されていない状態に戻る。したがって、医療インプラント用途には、デバイスが体温未満でその変形されていない形状において保存され、体内への挿入と同時に、デバイスの温度は体温に上昇し、この時点でデバイスはオーステナイト構造に戻る設計を開発することが可能である。本用途においては、締め具は場合によりNiTiなどのSMAで製造されうる。
【0017】
本明細書に記載された、かかる締付けシステムが、デバイスを適所に縫合するのに必要であるよりも短い時間で体組織へ固定されうることは、本発明の範囲内である。本明細書に記載された例(胃バンド用のアクセスポートの配置)において、締付けシステムの配置および固定にはわずか5分以下しかかからない。また、固定システムは組織から完全に取外され、デバイスの再配置を容易にするか、または植込まれたデバイスを完全に除去しうる。かかる植込みおよび抜去は患者の外傷増大を誘発することがなく、固定システムは従来の縫合方法よりも多くの付着を誘発することがない。平均的な外科医または他の医療従事者は、締付けシステムの固定および抜去を確実かつ堅実に行うことができる。
【0018】
また、本明細書に記載された、かかる固定システムの製造中、締め具のサイズは、締め具が展開する体組織への深さを決定する。簡単な場合、アクセスポートの固定は3mmを上回らないデバイスより下の深さで行われる。また、かかる用途においては、締め具が展開される体組織は筋膜である。しかし、デバイスが取付けられる体組織は、特定のデバイスによって変動することは本発明の範囲内である。また、締付けシステムの組織への取付けは、配置中または体動中に組織損傷を誘発することはなく、例えば、胃バンド用のアクセスポートがしばしば腹直筋上へ直接取付けられる。さらに、デバイスの固定は縫合と同等またはより強度であり、緩みつつある固定または切断に抵抗し、長期のインプラントに適合する。
【0019】
本明細書に記載された発明は、任意の種類の植込み式デバイスと使用されうる。かかる例としては、内部モニター、ポート、ペースメーカー、治療薬、薬物デリバリーシステム、神経刺激装置、整形外科用デバイス、腱修復等が挙げられる。説明を簡単にするために、本発明をこれから図1−40に示されているように説明するが、ここではアクセスポートとともに使用される本発明が図示されている。当業者は、本発明が他の種類の植込み式デバイスと使用されうるとともに、本発明が本明細書で示されたものと類似の他の形態ととりうることを理解するであろう。
【0020】
また、添付の図面においては、筐体はリングとして成形されており、したがって、そのようなものとして記載されている。しかし当業者は、筐体の形状は、筐体が円形となるデバイスに本発明が限定されないように、デバイスの形状によって決まることを理解するであろう。
【0021】
図1は、本発明の実施形態によるアクセスポート締付けシステムを示す。アクセスポート10は隔壁11を含み、これは実際には針によって貫通され、生理食塩水などの流体を、例えば、油圧操作される胃バンドと使用するためにアクセスポートへ投入する。
【0022】
アクセスポート10は、アクセスポートの外周を取囲む着脱式筐体12を含む。着脱自在な筐体12は、既存のアクセスポート10上に嵌る、円錐台の外面形状を有する成形リングの形状であっても良い。筐体12は切欠きまたは開口15を含む。切欠きは締め具14を内蔵する。切欠きまたは開口15は、締め具14を十分に内蔵すると同時に閉め具14の移動を可能にするのに必要な任意の形態をとりうる。デバイスの移動または緩みの可能性を最小限に抑えるために少なくとも3つの締め具14が存在することは本発明の範囲内である。図1−4に示されているように、締め具14はリング12に穴を通じて係合された垂直部分に取付けられ、それによってリング12に枢動的に接続されている。締め具14は図1および3に示されているように第1の位置、または展開前位置、および図2および4に示されているように第2の位置、展開位置、または固定位置を有する。第1から第2の位置へ移動するために、締め具は締め具の軸の周りを回転し、図示された実施形態では、締め具が、半径に沿った平面において軸回転する。切欠き15はこの回転に適合し、小さなロッキングタブ16が締め具を回転後に所定の位置に保持する。一実施形態においては、締め具14は、2脚型止め金でありうる。別の実施形態においては、止め金は、それらが回転中に変形して患者の筋膜へ入ることがないように剛性である。かかる用途には従来の金属が適している。さらに、止め金は、実質的に以下のような成形を含む、
【化3】
「U字状」またはその変型として成形されうる。
【0023】
第2の位置、展開位置においては、締め具14はロッキングタブ16によって適所に剛性に保持され、締め具14は、ロック位置への移動が可能であるように、柔軟であっても良い。ロッキングタブ16の形成は、第1から第2の位置の締め具14の移動と同時に、外科医にはクリック音が聞こえ、締め具14がロッキングタブ16によって完全に係合されていることが示される。締め具がロッキングタブ16に完全に係合されたことを、術者が近位端のハンドルを通じて感じ、確認できるように、クリックは触覚で認識可能であっても良い。第2の位置においては、アクセスポート10が、患者の筋膜と連動する締め具14によって患者における筐体12内に固定される。基本的には、筋膜または他の体組織は締め具14と筐体12またはデバイス10との間に固定される。図2に示されるように、締め具14の先端がアクセスポート10の底面に対して入れ子になり、リング形状の筐体12と締め具との間においてポートを有効に挟み込む。さらに、筐体12は、デバイス10の周囲を取囲む縫合穴(図示せず)に係合するペグ(図示せず)を含有しうる。
【0024】
図5−8は、図1のアクセスポートおよびアクセスポートデリバリーシステム20とのその相互作用を示す。図5に示されているように、アクセスポートデリバリーシステム20は、術者によってアクセスポートを保持し、デリバリーシステムがデリバリー位置における適所に、安定かつ適切に位置合わせされるのを助けるために使用される指凹み25を、ポートカバー21の遠位端に有しうる。指凹み25は、触覚による位置きめを可能にし、配置の確かさを増大するために、ポートカバーの遠位端の上面に指圧が加えられる。
【0025】
デリバリーシステム20はポートカバー21を含んでおり、ポートカバー21は、降下してアクセスポート10をカバーするとともに捕捉する開かれた底面と、ハンドルに向かってそこから所定の角度で上向きに延びる近位端とを有する。ポートカバー21は、図6に示されているように、ロッド状のプランジャ22、スライドプッシャー24、およびスライドアセンブリ26を内蔵する。ポートカバーは、アクセスポート10を実質的にカバーするのに必要な形状に成形されうる。図示された実施形態においては、ポートカバーは、筐体12に対応する円錐台形の遠位端を有する。デリバリーシステム20は、例えば図9〜19に示されているように、多くの異なる近位端のハンドル構成と相互作用する。
【0026】
プランジャ22は、デリバリーシステム20用の操作手段を提供し、以下に記載される発射手段に接続されている。発射手段の作動と同時に、プランジャ22は、アクセスポート10の方向に、すなわち図6に示されたように垂直に対して所定の角度で下方に移動する。この移動によりスライドプッシャー24が作動される。スライドプッシャー24は移動するプランジャ22のエネルギーをスライドアセンブリ26へ移動させる。スライドプッシャー24は、図7に最も良く示されているようにくさび形であるため、スライドアセンブリ26の上面に沿ってスライドするときに、力の向きを変えてスライドアセンブリ26に対して下方に向かう力を伝達する。スライドアセンブリ26は実質的に丸みのある形状を有し、アクセスポート10を取囲む。図7に示されているように、スライドアセンブリ26の周囲に配置された一連の延長ビーム28が、筐体12におけるノッチ15に向かって下方に延びており、そこで締め具14に接する。他の用途では、スライドアセンブリは植込まれるデバイスおよび筐体に適した形態をとりうる。作動とともに、スライドアセンブリ26はアクセスポート10の方向へ押し進められる。アラインメントタブ30は、図8において下から見えるように、スライドアセンブリ26の位置合わせを支援する。アラインメントタブ30はポートカバー21に取付けられ、アクセスポート10と相互作用し、適切な位置合わせを確実にする。スライドアセンブリ26の移動は、スライドアセンブリ26に取付けられたビーム28が締め具14に作用するようにさせる。締め具14へ力を与えることにより、それらがリング穴(図示せず)で回転し、実質的に切欠き15によって規定される弧を転写することを可能にする。この回転は、上記で論じた第1から第2の位置への移動と一致する。ビーム28がアクセスポート10の方向へ移動し続けると、締め具14は、ロッキングタブ16を通り過ぎてアクセスポート10の下方で体組織に向かうように押し進められて第2の位置に達し、ロッキングタブ16によって適所に保持される。この位置で、図8に示されるように展開された締め具14により、アクセスポート10は締め具14、および患者の筋膜または他の組織とのその相互作用によって適所に剛性に保持される。この段階で、ポートカバー21は、アクセスポート10の周囲から上方に退避され得る。ポートカバー21の特徴として、展開が達成されるまで、すなわちポートが開放されるときまで、アクセスポート10を捕捉する。
【0027】
図9は、水平に対して60°で示されるデリバリーシステム20の上方を向くように角度が付けられたシャフトの近位端に取り付けられたペンシルグリップ型のハンドルにおける発射手段40を備えたアクセスポートデリバリーシステムを示す。図10は、開始位置または搭載位置での発射手段40の断面図を示す。この位置で、バネ42は圧縮され、プランジャ22の近位端においてロッド46に接続されているラッチ44がリブ48によって固定され、圧縮バネ42が拡大するのを防ぐ。発射手段はレバー52に接続されているボタンまたは引き金50を有する。図10に示されているように、バネ42およびロッド46は筐体54にある。
【0028】
図11の発射位置で示されているように、所定の力を引き金50にかけるとともに、レバー52が筐体54に作用する。筐体54は支点(図示せず)上を枢動し、この枢動作用によりラッチ44がリブ48の端の上に持ち上げられ、かくしてロッド46が外れてロッド46の遠位端側への前進が可能になる。この持ち上げとともに、圧縮バネ42のバネ力はプランジャ22をアクセスポートの方向へ推進し、上記のようにその周りの機構を作動する。かかる構成においては、プランジャの移動、速度、および衝撃力は用途の必要に合致するように決定されうる。試験されたように、プランジャの移動は、0.25〜0.75inであり、用途で使用されるバネに応じてプランジャに対して50lb.の力まで展開しうる。術者により制御されるより遅い展開機構も与えられうるものの、プランジャ22の展開は、このように速い衝突速度で即時に行われる。
【0029】
上記のバネ推進機構に代わるハンドル構成が図12に示されている。図12は、パームグリップ作動型発射機構60を示す。パームグリップは、プランジャ22を動かすための単一の移動部のみを必要とするきわめて単純なレバー設計である。図13に示されている第1の、または開始位置においては、移動ハンドル61(またはレバー)、固定ハンドル62(またはハウジング)、および枢動点64、および作動先端66がある。ハンドルは、通常水平に配置されており、水平に対して60°で示されるデリバリーシステム20の上方を向くように角度が付けられたシャフトに取付けられる。
【0030】
操作中、使用者は移動ハンドル61を締付け、これを図14の発射位置に向かう固定ハンドル62の方向へ押し進める。この移動により、移動ハンドル61と連結して係合されている作動先端66、およびを枢動点64が可動ハンドル61の移動の方向に対向する方向へ押し進められる。単純なレバー機能の使用により、移動ハンドル61(レバー)にかけられる比較的小さな力が枢動点64により増幅され、作動先端66によってロッド(棒)状のプランジャ22へかけられる。プランジャ22は、作動先端66によってある角度で下方にアクセスポート10の方向へ移動され、上記のようにその周りの機構を作動する。パームグリップ作動型デバイスによって生じる力は、使用者の体力によってのみ制限され、これは試験されたように、デバイスは、0.25inのプランジャの移動で50lb.を上回る力を発生させることができた。展開の速度は、術者によって制御される。あるいは、移動ハンドル61のために大きな移動距離を必要とするが、同等またはそれ以上の力を発生しうるギア付の機構を形成することができた。図12−14に示されているデバイスによって生じる力も必要に応じて枢動点64をプランジャ22近くに移動させることによって変化させてより大きな力を発生させ、または枢動点から離してより小さな力を発生せることもできる。
【0031】
さらに別の代わりの発射手段、ハンドル構成が図15−19に示されている。ピストルグリップ発射手段70は、一端に位置したギア歯73を有する引き金72、ギア歯73と噛合うギア74、およびギア74によって駆動されるラック75、およびバネ76を含む。ラックは、デリバリーシステム20のシャフトに擦り込んで嵌るプランジャ22を把握するための手段78をも含みうる。
【0032】
操作行程が図17−19に示されている。開始位置の図17においては、引き金は伸ばされ、バネはわずかな張力下もしくは非張力下にある。ギア歯73はギア74の対応する歯およびラック75の歯と噛合っている。プランジャ22は伸張した位置にある。引き金72が押圧されると、ギア歯73はギア74を作動し、次いで、図18に示されているように、ラック75によってバネ76がフルスプリング反跳位置まで圧縮させられる。所定の距離でギア歯73はもはやギア74に係合しない。この時点でギア74は自由に回転できる。バネ76における保存エネルギーはラック75を押し進めてプランジャ22の方向へ移動させる。自由な回転ギア74はラック75を移動させ、これは次いでロッド状のプランジャをアクセスポート10の方向へ押し進め、上記のように、そして図19の発射位置において示されているように、その周りの機構を作動させる。
【0033】
ピストルグリップ発射手段70に組込まれうる別の特徴はロック(図示せず)であり、これはバネ76が圧縮された後にギア74が回転するのを防ぐ。次いで、必要応じて、操作者はロックを解除することができ、それによってバネ76を上記のように展開させる。
【0034】
試験されたように、ピストルグリップ発射手段70は、プランジャを約.4in移動させ、50lb.を上回る力を発生しうる。本実施形態の、例えば、上記の可動グリップデバイスに対する1つの明確な利点は、きわめて高い衝撃速度を有する瞬間的展開である。
【0035】
図20においては、本発明の別の実施形態が示されている。NiTi(ニチノール)またはSMA合金材料の使用は、上記のように医療分野で公知である。図20に示されているように、NiTi締め具が展開前状態で示されている。締め具14は、アクセスポート10の中の穴を通じてアクセスポート10に取付けられている脚部を有するワイヤ形状で連続的に配置されている。操作中、締め具14は患者の筋膜へ押圧され、アクセスポートを固定する。NiTi締め具14は、例えば、体温に加熱されると、その形状を変化させるユニークな能力を有する。展開後の状態である図21に示されているように、締め具が展開されると、それらは形状を変化させ、アクセスポート10の下でアクセスポート10の中心に向かうように曲がり、それを適所に固定する。
【0036】
図22においては、締め具14が、アクセスポート10の基部に平行なストレート脚部80とともに展開状態で示されている。代わりの構成には、図23に示されている湾曲脚部81が含まれる。連続的なワイヤ形状であることにより、締め具/脚部は、鈍い先端を有する狭い閉鎖ループの突出部により形成される。アクセスポート10の基部へ入る湾曲脚部81を使用することによって、筋膜を締め具とアクセスポートの下面との間で締付けることができる。別の代替物が図24に示されており、ここでは連続的なワイヤ形状の締め具脚部81の先端が成形先端82でコーティングされている。成形先端は、患者の筋膜の貫通を助ける形状に成形されうる。これにより締め具14を貫通のための形状に成形する必要がなくなる。また、先端82は生体吸収性材料で形成されうる。
【0037】
本発明の別の実施形態においては、NiTi締め具は、図25から27に示されるように、挿入成形されたリング84に沿った一部として、連続的に形成されうる。リング84の使用は、NiTi締め具14が連続的な一部構造で形成されることを可能にする。挿入成形されたリング84が締め具14とともに形成された後、脚部80の端は研磨され、個別の実質的にU字状の締め具14を得ることができる。リング84は、締め具14が上記のようにユニットとして挿入されうることを保証し、かつ脚部の研磨により、筋膜をより容易に貫通する十分に鋭い点が保証される。図25および27に示されているように、脚部はリング84で形成され、配置されうるため、加熱による曲げの後、脚部80は内部でアクセスポート10に面し、または外部でアクセスポート10に面する。
【0038】
本発明のさらに別の実施形態は、図28−34に示されているように、二部半径スライド締付けシステムである。図28は、複数の個別の締め具14とともに形成されたガイド90を示す。ガイド90は、図示されたように、成形された円形のフランジ状の部材であっても良い。締め具14は、ガイド90において第1の位置から、半径方向において内側の第2の位置へ摺動可能である。操作中、ガイド90はアクセスポート10上に配置され、切欠き15と整合する。締め具14はバネ状の材料で形成され、アクセスポート10に付着するように成形される。締め具14は、図28に示されている第1の位置から図29に示されている第2の位置へ摺動される。それぞれの締め具14における小さい突出部は、図29に示されているように、アクセスポート10の縫合穴の適所に嵌り得る。締め具14は筋膜を貫通し、それとアクセスポート14をしっかりと保持する。前述のように、締め具はストレートまたは湾曲脚部を有しうる。前者は図28および29に示されており、後者は図30に示されている。締め具のすべてのガイド90からアクセスポート10への摺動後、ガイドは最後の植込みデバイスの一部でない場合には除去されうる。あるいは、ガイド90は植込み式デバイスの永続的な部品でもありうる。
【0039】
別の二部締付けデバイスは、予備成形リング100(図31および図32)を含む。リングは、リング100を筋膜に取付けるための第1の固定手段104を含む。リングは、アクセスポート10を固定リング100に取付けるための第2の固定手段102をも含む。操作中、リング100は筋膜上に配置され、次いでねじられ、第1の固定手段104における筋膜に係合する。次いで、アクセスポート10はリング100上に配置され、アクセスポートにおける穴106によって第2の固定手段102に係合する。この設計は、予備成形リングを分離することなく正の付着および再設置繰り返し性を可能にする。
【0040】
図33および図34は、NiTi締め具114を有するアプリケータ112およびリング110を含んで成るさらに別の二部締付けデバイスの設置前および設置後の状態を、それぞれ示す。実際には、リング110はアプリケータ112へ挿入される。アプリケータ112は、切欠き115および穴106と整合した締め具14とともにアクセスポート10上へ配置される。締め具114は、穴106を通じて押し進められ、その上にアクセスポート10が置かれている患者の筋膜に係合する。加熱工程により、締め具114は形状を変え、アクセスポートを筋膜に固定する。所定の時間後、アプリケータは除去されうる。
【0041】
本発明の別の実施形態は独立型締め具に関する。図35−38に示されているように、さまざまな設計を使用し、アクセスポート10を患者の筋膜に固定することができる。締め具は、締め具が所定量の熱を加えるとともに形状を変えるようにNiTiを組込みうる。これらの締め具14は、単独で、または上記の予備成形リングの一部として挿入されうる。単独で挿入されると、締め具14はストレートロッドか、または加熱工程により増強されうる一部予備成形形状でありうる。図35においては、締め具14は曲がりくねった豚の尻尾の形状を有する。図36においては、締め具は実質的にC字状の外観を有する。図37および38ではU字状締め具14が使用され、その端は加熱されると直線的に曲がり、図37に示されているように、または図38に示されている形状に対して直角にオメガ形状を形成する。これらの形状は、特定の用途の必要に応じて選択されうる。
【0042】
本発明のさらに別の実施形態が図39に示されている。図39では、締め具14はアクセスポート10において摺動可能に設置されている。これはNiTi締付けシステムのデバイスへの常温成形によって達成されうるとともに、正の付着および繰り返し可能な再配置を可能にする。設置ツール120の使用により、締め具が穴を通じてアクセスポート10の底に押し進められ、筋膜に係合する。アクセスポート10の一体部分として締め具を設置することによって、締め具の筐体用に上記のようにリングまたは筐体が必要ではない。設置ツール120は、本明細書に開示された引き金デバイスの一部でありうる。図39は設置前の状態であり、図40は係合位置での締め具14を示す。
【0043】
上記および図1−8に示されているように、半径軸締め具は、直接駆動による単純なデリバリーシステムである。付随するデリバリーシステムは、半径エントリ用のピボットを作動する。止め金はステンレス鋼、チタン、ニチノールもしくはエルジロイ(Elgiloy)(商標)、または他の金属もしくはプラスチックを含む適切な材料でありうる。成形ピボット/ロックアウトシステムは、植込み式デバイス上の既存の縫合穴に嵌め込むように設計されうる。また、単純な止め金形状は、容易な製造可能性を可能にする。かかるシステムは自己貫通型であり、すなわち体組織、例えば、筋膜の予備貫通が不要である。止め金の湾曲性は、止め金が予測可能に進むと体組織への貫通を可能にし、湾曲止め金の枢動性は組織中の容易な経路を生成する。締付けシステムの除去には抜去ツールが必要であり、止め金は内方周囲組織からほんのわずかな抵抗で最初のエントリ経路の外側に回転する。しかし、システムを除去するのに必要な力は、除去手順の間を除き止め金を適所に固定されたままにするのに十分である。
【0044】
本明細書で意図されている締め具システムの連続ワイヤ形は、鈍い先端、成形先端、および研磨もしくは細断先端を含む。図20−23に示されている鈍い先端の連続ワイヤシステムは、鈍い先端ワイヤを挿入するために予備貫通を必要としうる。締め具アセンブリは、ワイヤ形またはオーバーモールドしたリングのいずれかを保持するロッキング特徴を必要とするように製造されうる。単純なワイヤ形は、ステンレス鋼、チタン、エルジロイ(Elgiloy)(商標)、NiTi、または適切な材料で製造されうる。締め具アセンブリの除去は、最小の組織損傷および外傷を提供する鈍い端により容易に行われうる。また、鈍い先端は、アセンブリを除去するのに必要な力を削減する。図20および24に示されている成形先端を有する連続ワイヤ形アセンブリは、体組織の予備貫通を必要とせず、これらの先端は体組織への容易な侵入を可能にする。さらに、細断または研磨された鈍い端の連続ワイヤ形アセンブリも(図25−27)体組織の予備貫通を必要とせず、これも組織への容易な侵入を可能にする。
【0045】
平坦な締め具(図28および29)および湾曲閉め具(図30)を有する本明細書で示された半径スライド閉め具アセンブリは、他の締め具アセンブリよりも大きなエントリ部位を必要とする。締め具は、湾曲締め具を利用するシステムにおける追加の保持とともに単純かつ安全である体組織を貫く経路を生成する。システムの除去は、各締め具をその中心位置から引抜く付随する抜去ツールで達成される。あるいは、締め具は、アセンブリを上方へ持ち上げることによって除去が達成され、その時点で締め具がまっすぐになった位置に曲がり、容易な除去を可能にしうるように製造されうる。
【0046】
図41は、場合により基部の中心から延在するチュービングコネクタを特徴付けるポートで利用されうるらせんコイル締め具を示す。らせん状型の設計は、タブにおいてポートとスナップ嵌合する別個のディスクに取付けられるか、またはその代わりにポート自体に取付けられ、基部プレート上で心出しされうる。ディスクまたはポートは、組織を通じてらせん経路にコイルを移動させるディスクまたはポートの回転によって組織に手動で固定される。一実施形態においては、コイルは研磨された先端を有しうる。
【0047】
らせんコイル締め具の変型が図42に示されている。図42は、下方へ偏向され、組織を貫くその経路を始める平坦ならせんバネを示す。偏向用具は植込み後に引抜かれても良く、バネが加熱中に圧縮することを可能にする。バネの圧縮は、植込まれたコイル締め具の外形を削減し、痛み誘導の可能性を削減しうる。タブは、ポートまたは他のデバイスを締め具に固定するために用いられる。
【0048】
図43−47、および図55は、水平コイル植込みシステムを示す。水平コイルシステムにおいては、金属コイルが水平に使用され、ポートを組織に縫い合わせる。かかるコイルが貫通し、最小侵襲性ヘルニア手術におけるメッシュタックとしてのその使用から組織で耐えうることは公知である。この場合、コイルは、上記のらせんコイル締め具におけるように、垂直の代わりに組織表面に対して平行に移動する(図55を参照)。このようなコイルの一例は、所定の間隔(ピッチ)を有するワイヤで形成されている。溝付きドライバーを有する小型の展開ツールが、組織および基部の合わせ穴を通じてコイルの駆動を助けるために想定されている(図46および47を参照)。かかる穴は基部の底の隆起を通じてストレート穴(図44、45、および47を参照)、または平坦な表面基部へ成形された湾曲穴でありうる。基部の上面図が図43に示されている。最後の穴はブラインドであり、かつコイルの端が傾斜上を摺動し、溝など適所に係止しうる横木で形成されることが想定される。望ましくは、コイルの前進に対する硬い止め子が与えられており、基部の下面におけるスプリングキャッチのドライバー端を有することにより、ラッチを有しても良い。変型は、ポートまたは基部縁の周りを曲げるコイル用の経路を特徴付け、コイルへのツールアクセスを容易にする。これはコイルの屈曲性を変動させることによっても達成されうる。穴を通じて移動する前に回転コイルが組織繊維を捕捉しないために覆いとしてツールにチューブを添加することができる。
【0049】
図48〜62は、金属縫合システムのさまざまな実施形態を示す。ポート固定のこの方法は、基部自体を湾曲金属部材によって形成されたループを閉鎖する手段として使用することによって、ポート基部より下の1つもしくは複数の閉鎖金属ループの生成を含む(例えば、図48および52を参照)。これは一部および二部システムの両方で行われ、それによって二部システムは、図50において示されるタブによりスナップ適合されるポートまたは他のデバイスを付着するリングを有しうる。一実施形態は、金属部材のポイントを基部との接触から分離し、部材先端が組織を通じて下方へその経路を始めることを可能にする偏向ツールを含む。これは環状のディスクまたはポート自体でありうる。そのポイントが少しの距離を移動した後、ツールは引抜かれ、次いで湾曲部材が基部と交差する経路に従うことを可能にする。同様に、別の実施形態は、基部の回転が複数のループの生成に作用するように、2つの平面で湾曲した複数の部材を含む。
【0050】
かかるループを達成する代わりの方法が、図53、および54に見られるように、その所望の組織に配置された後に基部を通じて挿入される湾曲ピンによるものである。かかるピンは本来、組織を通じて円弧をたどり、これを容易に後方のポート基部に方向付けることができる。基部の溝に嵌め込むピンに直角の曲げを加え、または他のかかる公知の手段によって完全な移動後に適所に係止するかかるピンを製造することができる。この主題での変型は、湾曲部に対して平行のピンの端に追加のストレート部を含む。レバーアームが使用され、基部を通じて湾曲部を駆動させ、その内部の移動を完了する。
【0051】
さらに別の実施形態においては、ポートが鋭い湾曲拡張部と折畳み式の基部プレートに付着する二部システムが使用されうる(図56を参照)。折畳み式プレートが組織の方向を指した拡張部とともに組織上に配置される。基部プレートが折畳まれていない(ぺちゃんこになっている)場合、拡張部は回転経路で90度駆動される(図56を参照)。次いで、ポートは基部プレートに嵌り、拡張部を適所に係止する。一実施形態において、拡張部のポイントは、ポイントを半シールドする残りの半分からのものと重なり合う、あるいは交差することになる。
【0052】
図58−62は、好ましい回転ディスク閉め具システムを示す。その所望の位置に配置された後、植込まれるデバイスは複数の湾曲ピンまたはフック501を使用して組織に固定され(図62)、その先端は円弧を通じて回転し、その移動の最後で後方の基部プレート510において、またはその近くで受入れられる。ディスク520が基部プレート510内で回転し、それによってレバーアーム525が湾曲フック501を押し、これは次いでディスクの回転移動が停止するまで円弧を通じて基部プレートにおける固定軸の周りを回転する。完全に展開された位置において(図59および60)、フック501の先端は好ましくは後方の基部プレート510に受入れられ、閉鎖ループを形成する。あるいは、先端は決して閉鎖ループを形成しえない。いずれにしても、回転ディスク520はその移動の最後で適所に係止し、フックを適所に係止することが好ましい。止め子515または他のロッキング手段に係合する一方向可撓性ロッキングタブ527を使用し、ディスクの後方への回転を阻止すことによってフックを適所に係止することができる。図5−19に関して上述されたものなどの展開ツールまたはデリバリーシステムを使用し、デバイスを適所に締付けることができる。プランジャ22およびスライドプッシャー24の直線運動は、歯車装置または他の公知の手段を使用する伝動装置を通じて回転運動に変換される。
【0053】
本発明は詳しく示され、一部の好ましい実施形態に関して、かつ具体的にはアクセスまたは注入ポートに関して説明されているが、任意の数の植込み式医療用デバイスが本発明の締付けシステムと使用されうるとともに、その中でさまざまな変更および改造が本発明の精神および範囲を逸脱することなく行われうることが当業者によって容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】展開前位置での止め金とともに半径軸締め具を示す上面斜視図である。
【図2】展開位置での止め金とともに図1の半径軸締め具を示す上面および下面斜視図である。上面図は、展開位置でロックアウトした止め金を示し、下面図は、筐体リングと止め金との間に挟まれたポートの底部に対して入れ子になった止め金を示す。
【図3】展開前位置での止め金とともに図1の半径軸締め具を示す詳細な正面図である。
【図4】展開位置での止め金とともに図2の半径軸締め具を示す詳細な正面図である。
【図5】デリバリーシステムを示す正面図である。
【図6】図5に示されているデリバリーシステムおよびポート締め具を示す断面図である。
【図7】展開前位置での図6のデリバリーシステムの遠位端およびポート締め具を示す詳細な断面正面図である。
【図8】展開位置での図6のデリバリーシステムの遠位端およびポート締め具を示す詳細な断面正面図である。
【図9】デリバリーシステムのためのペンシルグリップハンドル構成を示す正面図である。
【図10】開始位置で示されている図9のデリバリーシステムのハンドルを示す詳細な断面正面図である。
【図11】発射位置で示されている図9のデリバリーシステムのハンドルを示す詳細な断面正面図である。
【図12】デリバリーシステムのためのピストルグリップハンドル構成を示す正面図である。
【図13】開始位置で示されている図12のデリバリーシステムのハンドルを示す詳細な正面図である。
【図14】発射位置で示されている図12のデリバリーシステムのハンドルを示す詳細正面図である。
【図15】デリバリーシステムの別のピストルグリップハンドル構成を示す正面図である。
【図16】図15のデリバリーシステムのギアトレイン機構を示す詳細な図である。
【図17】開始位置で示されている図15のデリバリーシステムを示す詳細な断面正面図である。
【図18】フルスプリング反跳位置で示されている図15のデリバリーシステムを示す詳細な断面正面図である。
【図19】発射位置で示されている図15のデリバリーシステムを示す詳細な断面正面図である。
【図20】展開前位置における連続NiTiワイヤ形締め具を示す正面図である。
【図21】展開後位置における図20の連続NiTiワイヤ形締め具を示す正面図である。
【図22】ストレート脚部の鈍い先端の連続ワイヤ形締め具を示す下部正面図である。
【図23】湾曲脚部の鈍い先端の連続ワイヤ形締め具を示す下部正面図である。
【図24】成形先端連続ワイヤ形締め具を示す下部正面図である。
【図25】展開後外部位置での研磨先端を有する連続NiTiワイヤ形締め具を示す正面図である。
【図26】展開後内部位置での研磨先端を有する連続NiTiワイヤ形締め具を示す正面図である。
【図27】展開後内部位置での図26の研磨先端を有する連続NiTiワイヤ形締め具を示す下部正面図である。
【図28】ストレート脚部および止め金ガイドを有する半径スライド締め具を示す正面図である。
【図29】図28の半径スライド締め具を示す正面図である。
【図30】湾曲脚部を有する半径スライド締め具を示す正面図である。
【図31】設置前の二部締付けシステムを示す正面図である。
【図32】設置後の図31の二部締付けシステムを示す正面図である。
【図33】設置前の別の二部締付けシステムを示す正面図である。
【図34】設置後の図33の二部締付けシステムを示す正面図である。
【図35】デバイスへ組込まれた独立型締め具を示す正面図である。
【図36】デバイスへ組込まれた別の独立型締め具を示す正面図である。
【図37】デバイスへ組込まれた別の独立型締め具を示す正面図である。
【図38】デバイスへ組込まれた別の独立型締め具を示す正面図である。
【図39】設置前位置での注入ポートへ組込まれた別の独立型締め具を示す正面図である。
【図40】設置後位置での図39の独立型締め具を示す正面図である。
【図41】らせんコイル締め具を示す正面図である。
【図42】別のらせんコイル締め具を示す正面図である。
【図43】水平コイル締付けシステム底面を示す上面図である。
【図44】図43の水平コイル締付けシステム底面を示す側面図である。
【図45】図43の水平コイル締付けシステム底面を示す下面図である。
【図46】図43の水平コイル締付けシステム用締付けシステムのドライバーツールを示す正面図である。
【図47】図43の水平コイル締付けシステム底面を示す詳細な図である。
【図48】デバイスへ組込まれた閉鎖金属ループ締付けシステムを示す側面図である。
【図49】図48の閉鎖金属ループ締付けシステムを組込むデバイスの上面図である。
【図50】二部スナップ式の締付けシステムを示す側面図である。
【図51】湾曲ピンまたはフックを使用する別の閉鎖金属ループシステムを示す正面図である。
【図52】デバイスへ組込まれた図51の湾曲ピンまたはフックを使用する閉鎖金属ループシステムを示す側面図である。
【図53】デバイスへ組込まれた湾曲ピン締付けシステムを示す上面および側面図である。
【図54】デバイスへ組込まれた別の湾曲ピン締付けシステムを示す上面および側面図である。
【図55】バネネジ締付けシステムを示す下面図および側面図である。
【図56】その開放および閉鎖位置での湾曲閉め具を有する折畳み式基部プレートを示す側面図である。
【図57】デバイスへ組込まれた回転フック締め具を示す上面および側面図である。
【図58】展開前位置での締め具を有する回転ディスク締付けシステムを示す上部正面図である。
【図59】展開後位置での締め具を有する図58の回転ディスク締付けシステムを示す下部正面図である。
【図60】展開後位置での締め具を有する図58の回転ディスク締付けシステムを示す下面図である。
【図61】部分的に展開された締め具を有する図58の回転ディスク締付けシステムを示す側面図である。
【図62】回転軸を示す図58の回転ディスク締付けシステムの湾曲締め具を示す正面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、植込み式医療用デバイスおよび外科用器具ならびに締め具の分野に関する。本発明は、外科手術におけるデバイスまたはインプラントを締付ける方法、およびその過程において使用される外科用の締め具および器具を包含する。
【背景技術】
【0002】
外科用締め具、例えば止め金、クリップ、クランプ、バンド、タック、または他の創傷もしくは切開閉鎖デバイスが外科手術において一般的に使用されており、外科医が体組織を締付け、固定し、かつ/または修復することを可能にする。外科用締め具の例は、米国特許第4,994,073号(特許文献1)または同第4,950,284号(特許文献2)または同第4,934,364号(特許文献3)および同第4,932,960号(特許文献4)に示されている。
【0003】
外科用締め具は、時間がかかり、かつ不便である縫合の必要性を除去するために外科的処置において使用されている。これらの用途において、外科医はしばしば1つもしくはそれ以上の外科用締め具を搭載したデバイスを植込む締め具を使用し、縫合によって実施するには何分もかかるものを数秒で達成する。この手術時間の削減により失血および患者の外傷が削減される。
【0004】
一般的に、かかる締付けシステムは主に切開または創傷の閉鎖のために、または組織を固定するために使用されている。多くの種類の植込み式デバイスとともに使用されうる外科用締付けシステムが外科医には有利であろう。現在、締付けシステムを組込む外科用デバイスではしばしば、不必要に複雑であり、かつ他の用途への適合に不向きであるきわめて特殊化したシステムが使用される。結果として、植込み式デバイスの大半は縫合糸で固定されている。例えば、胃バンドおよび付随するアクセスポートを挿入する際には、ポートは4〜5本の縫合糸で直筋鞘に対して適所に縫合される。かかる縫合の配置は、ポートが脂肪の数インチ下に配置されるため難しい場合が多く、かつポートの縫合はしばしば、バンド自体の配置の間かかる。改善された締付けシステムであれば、縫合デバイスと同等に安心して容易なシングルステップアタッチメントが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,994,073号
【特許文献2】米国特許第4,950,284号
【特許文献3】米国特許第4,934,364号
【特許文献4】米国特許第4,932,960号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、植込み式デバイスが展開前位置で複数の締め具を含有し、または植込み式デバイスが上に適合した筐体を有し、筐体が展開前位置で複数の締め具を含有しうる外科用締付けシステムを包含する。したがって、本発明は、場合により植込み式デバイスを位置決めし、かつ締め具を展開後位置へ移動させる展開システムをも包含する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、植込み式デバイスが展開前位置で複数の締め具(例えば、止め金)を含有するか、またはデバイス上の穴を縫合するように構成された締め具が設けられているか、または植込み式デバイスがデバイス上に適合した着脱式筐体を有し、筐体が展開前位置で複数の締め具を含有しうる外科用締付けシステムを包含する。
【0008】
着脱式筐体および締め具は外科用締め具およびインプラントの製造のために技術的に周知のさまざまな材料で製造されうる。締め具は、金属、ポリマー、または他の適切な材料で製造されうる。着脱式筐体は、金属、ポリマー、セラミック、または複合材料で製造されうるが、例えば、ポリスルホン、アセチルコポリマー、チタン、エラストマー、およびステンレス鋼が一般的に使用されている。
【0009】
これらの材料は生体適合性である必要があり、すなわち、それらは周囲の生活環境に悪影響を及ぼさず、またその逆でもあり、その性能は周囲の生活環境によって悪影響を受けない。これらの材料は不活性の非吸収性または生体分解性でありうる。不活性材料は、ほとんど非破壊性であり、その形態および機能を長期間維持する。
【0010】
金属および金属合金、かつ特にチタンおよびチタン合金は医療用途の多種多様の植込み式物品に使用されている。すべての植込み式物品はある程度の生体不適合性を受け、これは組織炎症、壊死、過形成、突然変異誘発性、毒性、および他の反応、例えば、巨細胞、白血球、およびマクロファージによる攻撃などとして現れうる。チタンおよびその合金は一般に植込まれると不活性とみなされるが、一部の生物学的および生化学的相互反応がやはり発生しうるとともに、他のものは特定の目的のためにチタンおよびチタン合金インプラントの表面上にさまざまなコーティングを提供することが望ましいことを見出した。同じことは多くの他の金属および金属合金にも当てはまる。したがって、本発明は、締め具の表面上へのかかるコーティングの使用、着脱式の筐体、またはデバイスを包含する。
【0011】
植込まれる材料(チタンまたは他の材料で製造されるかに関係なく)において使用されうるコーティングの一部としては、過形成または炎症に付随する問題を削減する生物剤(遺伝物質または細胞物質など)または化学剤(抗増殖試薬または細胞成長因子など)が挙げられる。これらの作用物質は、金属またはポリマー対象の表面との結合剤、例えばエラストマーまたは生体吸収性ポリマーと混合されうる。
【0012】
本明細書で意図されている締め具は、止め金を含めて、しばしばワイヤで構成されており、したがってそのサイズに対して比較的大きな表面積を有する。したがって、インプラントの表面への生物剤または生化学剤の添加を可能にする方法は、体組織のインプラントとの有害な反応を最小限に抑えることにおいて有利でありうる。これらには、組織反応を遅らせるステンレス鋼およびチタン合金(例えば、NiTi合金)へ塗布されるコーティングを含みうる。かかるコーティングは、安定した生体適合性ポリマー(スチレン−イソブチレン−スチレン(SIBS)など)および生体吸収性ポリマー、例えばポリグリコール酸などに基づいている。これまで周知の研究では、活性化学剤または生化学剤がポリマーコーティング材料と混合され、次いで作用物質はインプラントが体内に配置されるとコーティングから溶出する。
【0013】
本発明によって、締め具は形状記憶合金(SMA)で製造されうることも意図されている。金属医療用デバイスを形状記憶合金で製造するための原動力は、この用途で使用される従来の合金と比較して恒常的な変形に対するその大きな抵抗性にある。さまざまな医療器具において使用される合金は、ステンレス鋼、高ニッケル合金、例えばエルジロイ(Elgiloy)(商標)、およびチタン系合金に依拠したものであり、そのすべてには加工硬化によりきわめて高い降伏強さを与えることができる。通常の金属は、きわめて高い降伏強さを有していても、永久変形を受けることなく0.2%を大きく上回る変形に耐えることはできない。上記の従来の合金の1つで製造されたデバイスにおいて曲がりまたはねじれが持続されていると、実質的に除去することは不可能である。形状記憶合金、例えばAu−−Cd、Cu−−Zn−−Al、Ni−−Tiおよびその他多くによって示される擬弾性の異常な特性は、10%程度の変形の完全な「弾性」回復を可能にする。その高い回復可能な変形およびその優れた腐蝕耐性により、医療用部品に選好される形状記憶合金は、合金のNi−−Tiファミリー内にある。
【0014】
形状記憶合金は、熱弾性のマルテンサイト変換を示すクラスに属する。マンテンサイトという語は、高温から急冷されると鋼で製造される結晶相を指す。高温で示す相はオーステナイトと呼ばれ、これらの用語は形状記憶合金で発生する変換を表現するために引き継がれている。鋼がオーステナイト温度からマルテンサイトに急冷されると、再びオーステナイトを形成するには構造物をきわめて高温に、通常は1400°Fよりも高く加熱する必要がある。
【0015】
それに反して、熱弾性の形状記憶合金は、マルテンサイトからオーステナイトへ変化しうるとともに、きわめて小さな温度範囲、一般的には18〜55°Fで加熱時および冷却時に再び戻る。形状記憶合金の変換は通常、冷却時にオーステナイト相から、しばしば母相と呼ばれるマルテンサイトが、MSで示される温度で形成を開始し、低い温度、MFに達すると同時に、合金が完全にマルテンサイトであることが示されるヒステリシス曲線によって記載されている。MF温度未満からの加熱とともに、マルテンサイトはASでオーステナイト構造への戻りを開始し、AFで示された温度に達すると、合金は完全にオーステナイトになる。これら2つの相または結晶構造はきわめて異なる機械的特性を有し、オーステナイトのヤング率は約12×106psiであるが、マルテンサイトのヤング率は約4×106psiであり、合金が与えられる冷間加工に量によって決まる降伏強さの範囲は、オーステナイトでは28〜100ksiであり、マルテンサイトでは10〜20ksiである。
【0016】
形状記憶合金のユニークな特徴はその変形回復能である。形状記憶合金試料が、そのマルテンサイト形態において応力にかけられると、変形は、従来の合金では優勢である機序、すなわち滑り、粒界摺動、および転位運動によってではなく、個々のマルテンサイト異型の成長および収縮によって適合される。変形マルテンサイトがオーステナイト仕上げ温度AFに加熱されると、一部はその最初の変形されていない状態に戻る。したがって、医療インプラント用途には、デバイスが体温未満でその変形されていない形状において保存され、体内への挿入と同時に、デバイスの温度は体温に上昇し、この時点でデバイスはオーステナイト構造に戻る設計を開発することが可能である。本用途においては、締め具は場合によりNiTiなどのSMAで製造されうる。
【0017】
本明細書に記載された、かかる締付けシステムが、デバイスを適所に縫合するのに必要であるよりも短い時間で体組織へ固定されうることは、本発明の範囲内である。本明細書に記載された例(胃バンド用のアクセスポートの配置)において、締付けシステムの配置および固定にはわずか5分以下しかかからない。また、固定システムは組織から完全に取外され、デバイスの再配置を容易にするか、または植込まれたデバイスを完全に除去しうる。かかる植込みおよび抜去は患者の外傷増大を誘発することがなく、固定システムは従来の縫合方法よりも多くの付着を誘発することがない。平均的な外科医または他の医療従事者は、締付けシステムの固定および抜去を確実かつ堅実に行うことができる。
【0018】
また、本明細書に記載された、かかる固定システムの製造中、締め具のサイズは、締め具が展開する体組織への深さを決定する。簡単な場合、アクセスポートの固定は3mmを上回らないデバイスより下の深さで行われる。また、かかる用途においては、締め具が展開される体組織は筋膜である。しかし、デバイスが取付けられる体組織は、特定のデバイスによって変動することは本発明の範囲内である。また、締付けシステムの組織への取付けは、配置中または体動中に組織損傷を誘発することはなく、例えば、胃バンド用のアクセスポートがしばしば腹直筋上へ直接取付けられる。さらに、デバイスの固定は縫合と同等またはより強度であり、緩みつつある固定または切断に抵抗し、長期のインプラントに適合する。
【0019】
本明細書に記載された発明は、任意の種類の植込み式デバイスと使用されうる。かかる例としては、内部モニター、ポート、ペースメーカー、治療薬、薬物デリバリーシステム、神経刺激装置、整形外科用デバイス、腱修復等が挙げられる。説明を簡単にするために、本発明をこれから図1−40に示されているように説明するが、ここではアクセスポートとともに使用される本発明が図示されている。当業者は、本発明が他の種類の植込み式デバイスと使用されうるとともに、本発明が本明細書で示されたものと類似の他の形態ととりうることを理解するであろう。
【0020】
また、添付の図面においては、筐体はリングとして成形されており、したがって、そのようなものとして記載されている。しかし当業者は、筐体の形状は、筐体が円形となるデバイスに本発明が限定されないように、デバイスの形状によって決まることを理解するであろう。
【0021】
図1は、本発明の実施形態によるアクセスポート締付けシステムを示す。アクセスポート10は隔壁11を含み、これは実際には針によって貫通され、生理食塩水などの流体を、例えば、油圧操作される胃バンドと使用するためにアクセスポートへ投入する。
【0022】
アクセスポート10は、アクセスポートの外周を取囲む着脱式筐体12を含む。着脱自在な筐体12は、既存のアクセスポート10上に嵌る、円錐台の外面形状を有する成形リングの形状であっても良い。筐体12は切欠きまたは開口15を含む。切欠きは締め具14を内蔵する。切欠きまたは開口15は、締め具14を十分に内蔵すると同時に閉め具14の移動を可能にするのに必要な任意の形態をとりうる。デバイスの移動または緩みの可能性を最小限に抑えるために少なくとも3つの締め具14が存在することは本発明の範囲内である。図1−4に示されているように、締め具14はリング12に穴を通じて係合された垂直部分に取付けられ、それによってリング12に枢動的に接続されている。締め具14は図1および3に示されているように第1の位置、または展開前位置、および図2および4に示されているように第2の位置、展開位置、または固定位置を有する。第1から第2の位置へ移動するために、締め具は締め具の軸の周りを回転し、図示された実施形態では、締め具が、半径に沿った平面において軸回転する。切欠き15はこの回転に適合し、小さなロッキングタブ16が締め具を回転後に所定の位置に保持する。一実施形態においては、締め具14は、2脚型止め金でありうる。別の実施形態においては、止め金は、それらが回転中に変形して患者の筋膜へ入ることがないように剛性である。かかる用途には従来の金属が適している。さらに、止め金は、実質的に以下のような成形を含む、
【化3】
「U字状」またはその変型として成形されうる。
【0023】
第2の位置、展開位置においては、締め具14はロッキングタブ16によって適所に剛性に保持され、締め具14は、ロック位置への移動が可能であるように、柔軟であっても良い。ロッキングタブ16の形成は、第1から第2の位置の締め具14の移動と同時に、外科医にはクリック音が聞こえ、締め具14がロッキングタブ16によって完全に係合されていることが示される。締め具がロッキングタブ16に完全に係合されたことを、術者が近位端のハンドルを通じて感じ、確認できるように、クリックは触覚で認識可能であっても良い。第2の位置においては、アクセスポート10が、患者の筋膜と連動する締め具14によって患者における筐体12内に固定される。基本的には、筋膜または他の体組織は締め具14と筐体12またはデバイス10との間に固定される。図2に示されるように、締め具14の先端がアクセスポート10の底面に対して入れ子になり、リング形状の筐体12と締め具との間においてポートを有効に挟み込む。さらに、筐体12は、デバイス10の周囲を取囲む縫合穴(図示せず)に係合するペグ(図示せず)を含有しうる。
【0024】
図5−8は、図1のアクセスポートおよびアクセスポートデリバリーシステム20とのその相互作用を示す。図5に示されているように、アクセスポートデリバリーシステム20は、術者によってアクセスポートを保持し、デリバリーシステムがデリバリー位置における適所に、安定かつ適切に位置合わせされるのを助けるために使用される指凹み25を、ポートカバー21の遠位端に有しうる。指凹み25は、触覚による位置きめを可能にし、配置の確かさを増大するために、ポートカバーの遠位端の上面に指圧が加えられる。
【0025】
デリバリーシステム20はポートカバー21を含んでおり、ポートカバー21は、降下してアクセスポート10をカバーするとともに捕捉する開かれた底面と、ハンドルに向かってそこから所定の角度で上向きに延びる近位端とを有する。ポートカバー21は、図6に示されているように、ロッド状のプランジャ22、スライドプッシャー24、およびスライドアセンブリ26を内蔵する。ポートカバーは、アクセスポート10を実質的にカバーするのに必要な形状に成形されうる。図示された実施形態においては、ポートカバーは、筐体12に対応する円錐台形の遠位端を有する。デリバリーシステム20は、例えば図9〜19に示されているように、多くの異なる近位端のハンドル構成と相互作用する。
【0026】
プランジャ22は、デリバリーシステム20用の操作手段を提供し、以下に記載される発射手段に接続されている。発射手段の作動と同時に、プランジャ22は、アクセスポート10の方向に、すなわち図6に示されたように垂直に対して所定の角度で下方に移動する。この移動によりスライドプッシャー24が作動される。スライドプッシャー24は移動するプランジャ22のエネルギーをスライドアセンブリ26へ移動させる。スライドプッシャー24は、図7に最も良く示されているようにくさび形であるため、スライドアセンブリ26の上面に沿ってスライドするときに、力の向きを変えてスライドアセンブリ26に対して下方に向かう力を伝達する。スライドアセンブリ26は実質的に丸みのある形状を有し、アクセスポート10を取囲む。図7に示されているように、スライドアセンブリ26の周囲に配置された一連の延長ビーム28が、筐体12におけるノッチ15に向かって下方に延びており、そこで締め具14に接する。他の用途では、スライドアセンブリは植込まれるデバイスおよび筐体に適した形態をとりうる。作動とともに、スライドアセンブリ26はアクセスポート10の方向へ押し進められる。アラインメントタブ30は、図8において下から見えるように、スライドアセンブリ26の位置合わせを支援する。アラインメントタブ30はポートカバー21に取付けられ、アクセスポート10と相互作用し、適切な位置合わせを確実にする。スライドアセンブリ26の移動は、スライドアセンブリ26に取付けられたビーム28が締め具14に作用するようにさせる。締め具14へ力を与えることにより、それらがリング穴(図示せず)で回転し、実質的に切欠き15によって規定される弧を転写することを可能にする。この回転は、上記で論じた第1から第2の位置への移動と一致する。ビーム28がアクセスポート10の方向へ移動し続けると、締め具14は、ロッキングタブ16を通り過ぎてアクセスポート10の下方で体組織に向かうように押し進められて第2の位置に達し、ロッキングタブ16によって適所に保持される。この位置で、図8に示されるように展開された締め具14により、アクセスポート10は締め具14、および患者の筋膜または他の組織とのその相互作用によって適所に剛性に保持される。この段階で、ポートカバー21は、アクセスポート10の周囲から上方に退避され得る。ポートカバー21の特徴として、展開が達成されるまで、すなわちポートが開放されるときまで、アクセスポート10を捕捉する。
【0027】
図9は、水平に対して60°で示されるデリバリーシステム20の上方を向くように角度が付けられたシャフトの近位端に取り付けられたペンシルグリップ型のハンドルにおける発射手段40を備えたアクセスポートデリバリーシステムを示す。図10は、開始位置または搭載位置での発射手段40の断面図を示す。この位置で、バネ42は圧縮され、プランジャ22の近位端においてロッド46に接続されているラッチ44がリブ48によって固定され、圧縮バネ42が拡大するのを防ぐ。発射手段はレバー52に接続されているボタンまたは引き金50を有する。図10に示されているように、バネ42およびロッド46は筐体54にある。
【0028】
図11の発射位置で示されているように、所定の力を引き金50にかけるとともに、レバー52が筐体54に作用する。筐体54は支点(図示せず)上を枢動し、この枢動作用によりラッチ44がリブ48の端の上に持ち上げられ、かくしてロッド46が外れてロッド46の遠位端側への前進が可能になる。この持ち上げとともに、圧縮バネ42のバネ力はプランジャ22をアクセスポートの方向へ推進し、上記のようにその周りの機構を作動する。かかる構成においては、プランジャの移動、速度、および衝撃力は用途の必要に合致するように決定されうる。試験されたように、プランジャの移動は、0.25〜0.75inであり、用途で使用されるバネに応じてプランジャに対して50lb.の力まで展開しうる。術者により制御されるより遅い展開機構も与えられうるものの、プランジャ22の展開は、このように速い衝突速度で即時に行われる。
【0029】
上記のバネ推進機構に代わるハンドル構成が図12に示されている。図12は、パームグリップ作動型発射機構60を示す。パームグリップは、プランジャ22を動かすための単一の移動部のみを必要とするきわめて単純なレバー設計である。図13に示されている第1の、または開始位置においては、移動ハンドル61(またはレバー)、固定ハンドル62(またはハウジング)、および枢動点64、および作動先端66がある。ハンドルは、通常水平に配置されており、水平に対して60°で示されるデリバリーシステム20の上方を向くように角度が付けられたシャフトに取付けられる。
【0030】
操作中、使用者は移動ハンドル61を締付け、これを図14の発射位置に向かう固定ハンドル62の方向へ押し進める。この移動により、移動ハンドル61と連結して係合されている作動先端66、およびを枢動点64が可動ハンドル61の移動の方向に対向する方向へ押し進められる。単純なレバー機能の使用により、移動ハンドル61(レバー)にかけられる比較的小さな力が枢動点64により増幅され、作動先端66によってロッド(棒)状のプランジャ22へかけられる。プランジャ22は、作動先端66によってある角度で下方にアクセスポート10の方向へ移動され、上記のようにその周りの機構を作動する。パームグリップ作動型デバイスによって生じる力は、使用者の体力によってのみ制限され、これは試験されたように、デバイスは、0.25inのプランジャの移動で50lb.を上回る力を発生させることができた。展開の速度は、術者によって制御される。あるいは、移動ハンドル61のために大きな移動距離を必要とするが、同等またはそれ以上の力を発生しうるギア付の機構を形成することができた。図12−14に示されているデバイスによって生じる力も必要に応じて枢動点64をプランジャ22近くに移動させることによって変化させてより大きな力を発生させ、または枢動点から離してより小さな力を発生せることもできる。
【0031】
さらに別の代わりの発射手段、ハンドル構成が図15−19に示されている。ピストルグリップ発射手段70は、一端に位置したギア歯73を有する引き金72、ギア歯73と噛合うギア74、およびギア74によって駆動されるラック75、およびバネ76を含む。ラックは、デリバリーシステム20のシャフトに擦り込んで嵌るプランジャ22を把握するための手段78をも含みうる。
【0032】
操作行程が図17−19に示されている。開始位置の図17においては、引き金は伸ばされ、バネはわずかな張力下もしくは非張力下にある。ギア歯73はギア74の対応する歯およびラック75の歯と噛合っている。プランジャ22は伸張した位置にある。引き金72が押圧されると、ギア歯73はギア74を作動し、次いで、図18に示されているように、ラック75によってバネ76がフルスプリング反跳位置まで圧縮させられる。所定の距離でギア歯73はもはやギア74に係合しない。この時点でギア74は自由に回転できる。バネ76における保存エネルギーはラック75を押し進めてプランジャ22の方向へ移動させる。自由な回転ギア74はラック75を移動させ、これは次いでロッド状のプランジャをアクセスポート10の方向へ押し進め、上記のように、そして図19の発射位置において示されているように、その周りの機構を作動させる。
【0033】
ピストルグリップ発射手段70に組込まれうる別の特徴はロック(図示せず)であり、これはバネ76が圧縮された後にギア74が回転するのを防ぐ。次いで、必要応じて、操作者はロックを解除することができ、それによってバネ76を上記のように展開させる。
【0034】
試験されたように、ピストルグリップ発射手段70は、プランジャを約.4in移動させ、50lb.を上回る力を発生しうる。本実施形態の、例えば、上記の可動グリップデバイスに対する1つの明確な利点は、きわめて高い衝撃速度を有する瞬間的展開である。
【0035】
図20においては、本発明の別の実施形態が示されている。NiTi(ニチノール)またはSMA合金材料の使用は、上記のように医療分野で公知である。図20に示されているように、NiTi締め具が展開前状態で示されている。締め具14は、アクセスポート10の中の穴を通じてアクセスポート10に取付けられている脚部を有するワイヤ形状で連続的に配置されている。操作中、締め具14は患者の筋膜へ押圧され、アクセスポートを固定する。NiTi締め具14は、例えば、体温に加熱されると、その形状を変化させるユニークな能力を有する。展開後の状態である図21に示されているように、締め具が展開されると、それらは形状を変化させ、アクセスポート10の下でアクセスポート10の中心に向かうように曲がり、それを適所に固定する。
【0036】
図22においては、締め具14が、アクセスポート10の基部に平行なストレート脚部80とともに展開状態で示されている。代わりの構成には、図23に示されている湾曲脚部81が含まれる。連続的なワイヤ形状であることにより、締め具/脚部は、鈍い先端を有する狭い閉鎖ループの突出部により形成される。アクセスポート10の基部へ入る湾曲脚部81を使用することによって、筋膜を締め具とアクセスポートの下面との間で締付けることができる。別の代替物が図24に示されており、ここでは連続的なワイヤ形状の締め具脚部81の先端が成形先端82でコーティングされている。成形先端は、患者の筋膜の貫通を助ける形状に成形されうる。これにより締め具14を貫通のための形状に成形する必要がなくなる。また、先端82は生体吸収性材料で形成されうる。
【0037】
本発明の別の実施形態においては、NiTi締め具は、図25から27に示されるように、挿入成形されたリング84に沿った一部として、連続的に形成されうる。リング84の使用は、NiTi締め具14が連続的な一部構造で形成されることを可能にする。挿入成形されたリング84が締め具14とともに形成された後、脚部80の端は研磨され、個別の実質的にU字状の締め具14を得ることができる。リング84は、締め具14が上記のようにユニットとして挿入されうることを保証し、かつ脚部の研磨により、筋膜をより容易に貫通する十分に鋭い点が保証される。図25および27に示されているように、脚部はリング84で形成され、配置されうるため、加熱による曲げの後、脚部80は内部でアクセスポート10に面し、または外部でアクセスポート10に面する。
【0038】
本発明のさらに別の実施形態は、図28−34に示されているように、二部半径スライド締付けシステムである。図28は、複数の個別の締め具14とともに形成されたガイド90を示す。ガイド90は、図示されたように、成形された円形のフランジ状の部材であっても良い。締め具14は、ガイド90において第1の位置から、半径方向において内側の第2の位置へ摺動可能である。操作中、ガイド90はアクセスポート10上に配置され、切欠き15と整合する。締め具14はバネ状の材料で形成され、アクセスポート10に付着するように成形される。締め具14は、図28に示されている第1の位置から図29に示されている第2の位置へ摺動される。それぞれの締め具14における小さい突出部は、図29に示されているように、アクセスポート10の縫合穴の適所に嵌り得る。締め具14は筋膜を貫通し、それとアクセスポート14をしっかりと保持する。前述のように、締め具はストレートまたは湾曲脚部を有しうる。前者は図28および29に示されており、後者は図30に示されている。締め具のすべてのガイド90からアクセスポート10への摺動後、ガイドは最後の植込みデバイスの一部でない場合には除去されうる。あるいは、ガイド90は植込み式デバイスの永続的な部品でもありうる。
【0039】
別の二部締付けデバイスは、予備成形リング100(図31および図32)を含む。リングは、リング100を筋膜に取付けるための第1の固定手段104を含む。リングは、アクセスポート10を固定リング100に取付けるための第2の固定手段102をも含む。操作中、リング100は筋膜上に配置され、次いでねじられ、第1の固定手段104における筋膜に係合する。次いで、アクセスポート10はリング100上に配置され、アクセスポートにおける穴106によって第2の固定手段102に係合する。この設計は、予備成形リングを分離することなく正の付着および再設置繰り返し性を可能にする。
【0040】
図33および図34は、NiTi締め具114を有するアプリケータ112およびリング110を含んで成るさらに別の二部締付けデバイスの設置前および設置後の状態を、それぞれ示す。実際には、リング110はアプリケータ112へ挿入される。アプリケータ112は、切欠き115および穴106と整合した締め具14とともにアクセスポート10上へ配置される。締め具114は、穴106を通じて押し進められ、その上にアクセスポート10が置かれている患者の筋膜に係合する。加熱工程により、締め具114は形状を変え、アクセスポートを筋膜に固定する。所定の時間後、アプリケータは除去されうる。
【0041】
本発明の別の実施形態は独立型締め具に関する。図35−38に示されているように、さまざまな設計を使用し、アクセスポート10を患者の筋膜に固定することができる。締め具は、締め具が所定量の熱を加えるとともに形状を変えるようにNiTiを組込みうる。これらの締め具14は、単独で、または上記の予備成形リングの一部として挿入されうる。単独で挿入されると、締め具14はストレートロッドか、または加熱工程により増強されうる一部予備成形形状でありうる。図35においては、締め具14は曲がりくねった豚の尻尾の形状を有する。図36においては、締め具は実質的にC字状の外観を有する。図37および38ではU字状締め具14が使用され、その端は加熱されると直線的に曲がり、図37に示されているように、または図38に示されている形状に対して直角にオメガ形状を形成する。これらの形状は、特定の用途の必要に応じて選択されうる。
【0042】
本発明のさらに別の実施形態が図39に示されている。図39では、締め具14はアクセスポート10において摺動可能に設置されている。これはNiTi締付けシステムのデバイスへの常温成形によって達成されうるとともに、正の付着および繰り返し可能な再配置を可能にする。設置ツール120の使用により、締め具が穴を通じてアクセスポート10の底に押し進められ、筋膜に係合する。アクセスポート10の一体部分として締め具を設置することによって、締め具の筐体用に上記のようにリングまたは筐体が必要ではない。設置ツール120は、本明細書に開示された引き金デバイスの一部でありうる。図39は設置前の状態であり、図40は係合位置での締め具14を示す。
【0043】
上記および図1−8に示されているように、半径軸締め具は、直接駆動による単純なデリバリーシステムである。付随するデリバリーシステムは、半径エントリ用のピボットを作動する。止め金はステンレス鋼、チタン、ニチノールもしくはエルジロイ(Elgiloy)(商標)、または他の金属もしくはプラスチックを含む適切な材料でありうる。成形ピボット/ロックアウトシステムは、植込み式デバイス上の既存の縫合穴に嵌め込むように設計されうる。また、単純な止め金形状は、容易な製造可能性を可能にする。かかるシステムは自己貫通型であり、すなわち体組織、例えば、筋膜の予備貫通が不要である。止め金の湾曲性は、止め金が予測可能に進むと体組織への貫通を可能にし、湾曲止め金の枢動性は組織中の容易な経路を生成する。締付けシステムの除去には抜去ツールが必要であり、止め金は内方周囲組織からほんのわずかな抵抗で最初のエントリ経路の外側に回転する。しかし、システムを除去するのに必要な力は、除去手順の間を除き止め金を適所に固定されたままにするのに十分である。
【0044】
本明細書で意図されている締め具システムの連続ワイヤ形は、鈍い先端、成形先端、および研磨もしくは細断先端を含む。図20−23に示されている鈍い先端の連続ワイヤシステムは、鈍い先端ワイヤを挿入するために予備貫通を必要としうる。締め具アセンブリは、ワイヤ形またはオーバーモールドしたリングのいずれかを保持するロッキング特徴を必要とするように製造されうる。単純なワイヤ形は、ステンレス鋼、チタン、エルジロイ(Elgiloy)(商標)、NiTi、または適切な材料で製造されうる。締め具アセンブリの除去は、最小の組織損傷および外傷を提供する鈍い端により容易に行われうる。また、鈍い先端は、アセンブリを除去するのに必要な力を削減する。図20および24に示されている成形先端を有する連続ワイヤ形アセンブリは、体組織の予備貫通を必要とせず、これらの先端は体組織への容易な侵入を可能にする。さらに、細断または研磨された鈍い端の連続ワイヤ形アセンブリも(図25−27)体組織の予備貫通を必要とせず、これも組織への容易な侵入を可能にする。
【0045】
平坦な締め具(図28および29)および湾曲閉め具(図30)を有する本明細書で示された半径スライド閉め具アセンブリは、他の締め具アセンブリよりも大きなエントリ部位を必要とする。締め具は、湾曲締め具を利用するシステムにおける追加の保持とともに単純かつ安全である体組織を貫く経路を生成する。システムの除去は、各締め具をその中心位置から引抜く付随する抜去ツールで達成される。あるいは、締め具は、アセンブリを上方へ持ち上げることによって除去が達成され、その時点で締め具がまっすぐになった位置に曲がり、容易な除去を可能にしうるように製造されうる。
【0046】
図41は、場合により基部の中心から延在するチュービングコネクタを特徴付けるポートで利用されうるらせんコイル締め具を示す。らせん状型の設計は、タブにおいてポートとスナップ嵌合する別個のディスクに取付けられるか、またはその代わりにポート自体に取付けられ、基部プレート上で心出しされうる。ディスクまたはポートは、組織を通じてらせん経路にコイルを移動させるディスクまたはポートの回転によって組織に手動で固定される。一実施形態においては、コイルは研磨された先端を有しうる。
【0047】
らせんコイル締め具の変型が図42に示されている。図42は、下方へ偏向され、組織を貫くその経路を始める平坦ならせんバネを示す。偏向用具は植込み後に引抜かれても良く、バネが加熱中に圧縮することを可能にする。バネの圧縮は、植込まれたコイル締め具の外形を削減し、痛み誘導の可能性を削減しうる。タブは、ポートまたは他のデバイスを締め具に固定するために用いられる。
【0048】
図43−47、および図55は、水平コイル植込みシステムを示す。水平コイルシステムにおいては、金属コイルが水平に使用され、ポートを組織に縫い合わせる。かかるコイルが貫通し、最小侵襲性ヘルニア手術におけるメッシュタックとしてのその使用から組織で耐えうることは公知である。この場合、コイルは、上記のらせんコイル締め具におけるように、垂直の代わりに組織表面に対して平行に移動する(図55を参照)。このようなコイルの一例は、所定の間隔(ピッチ)を有するワイヤで形成されている。溝付きドライバーを有する小型の展開ツールが、組織および基部の合わせ穴を通じてコイルの駆動を助けるために想定されている(図46および47を参照)。かかる穴は基部の底の隆起を通じてストレート穴(図44、45、および47を参照)、または平坦な表面基部へ成形された湾曲穴でありうる。基部の上面図が図43に示されている。最後の穴はブラインドであり、かつコイルの端が傾斜上を摺動し、溝など適所に係止しうる横木で形成されることが想定される。望ましくは、コイルの前進に対する硬い止め子が与えられており、基部の下面におけるスプリングキャッチのドライバー端を有することにより、ラッチを有しても良い。変型は、ポートまたは基部縁の周りを曲げるコイル用の経路を特徴付け、コイルへのツールアクセスを容易にする。これはコイルの屈曲性を変動させることによっても達成されうる。穴を通じて移動する前に回転コイルが組織繊維を捕捉しないために覆いとしてツールにチューブを添加することができる。
【0049】
図48〜62は、金属縫合システムのさまざまな実施形態を示す。ポート固定のこの方法は、基部自体を湾曲金属部材によって形成されたループを閉鎖する手段として使用することによって、ポート基部より下の1つもしくは複数の閉鎖金属ループの生成を含む(例えば、図48および52を参照)。これは一部および二部システムの両方で行われ、それによって二部システムは、図50において示されるタブによりスナップ適合されるポートまたは他のデバイスを付着するリングを有しうる。一実施形態は、金属部材のポイントを基部との接触から分離し、部材先端が組織を通じて下方へその経路を始めることを可能にする偏向ツールを含む。これは環状のディスクまたはポート自体でありうる。そのポイントが少しの距離を移動した後、ツールは引抜かれ、次いで湾曲部材が基部と交差する経路に従うことを可能にする。同様に、別の実施形態は、基部の回転が複数のループの生成に作用するように、2つの平面で湾曲した複数の部材を含む。
【0050】
かかるループを達成する代わりの方法が、図53、および54に見られるように、その所望の組織に配置された後に基部を通じて挿入される湾曲ピンによるものである。かかるピンは本来、組織を通じて円弧をたどり、これを容易に後方のポート基部に方向付けることができる。基部の溝に嵌め込むピンに直角の曲げを加え、または他のかかる公知の手段によって完全な移動後に適所に係止するかかるピンを製造することができる。この主題での変型は、湾曲部に対して平行のピンの端に追加のストレート部を含む。レバーアームが使用され、基部を通じて湾曲部を駆動させ、その内部の移動を完了する。
【0051】
さらに別の実施形態においては、ポートが鋭い湾曲拡張部と折畳み式の基部プレートに付着する二部システムが使用されうる(図56を参照)。折畳み式プレートが組織の方向を指した拡張部とともに組織上に配置される。基部プレートが折畳まれていない(ぺちゃんこになっている)場合、拡張部は回転経路で90度駆動される(図56を参照)。次いで、ポートは基部プレートに嵌り、拡張部を適所に係止する。一実施形態において、拡張部のポイントは、ポイントを半シールドする残りの半分からのものと重なり合う、あるいは交差することになる。
【0052】
図58−62は、好ましい回転ディスク閉め具システムを示す。その所望の位置に配置された後、植込まれるデバイスは複数の湾曲ピンまたはフック501を使用して組織に固定され(図62)、その先端は円弧を通じて回転し、その移動の最後で後方の基部プレート510において、またはその近くで受入れられる。ディスク520が基部プレート510内で回転し、それによってレバーアーム525が湾曲フック501を押し、これは次いでディスクの回転移動が停止するまで円弧を通じて基部プレートにおける固定軸の周りを回転する。完全に展開された位置において(図59および60)、フック501の先端は好ましくは後方の基部プレート510に受入れられ、閉鎖ループを形成する。あるいは、先端は決して閉鎖ループを形成しえない。いずれにしても、回転ディスク520はその移動の最後で適所に係止し、フックを適所に係止することが好ましい。止め子515または他のロッキング手段に係合する一方向可撓性ロッキングタブ527を使用し、ディスクの後方への回転を阻止すことによってフックを適所に係止することができる。図5−19に関して上述されたものなどの展開ツールまたはデリバリーシステムを使用し、デバイスを適所に締付けることができる。プランジャ22およびスライドプッシャー24の直線運動は、歯車装置または他の公知の手段を使用する伝動装置を通じて回転運動に変換される。
【0053】
本発明は詳しく示され、一部の好ましい実施形態に関して、かつ具体的にはアクセスまたは注入ポートに関して説明されているが、任意の数の植込み式医療用デバイスが本発明の締付けシステムと使用されうるとともに、その中でさまざまな変更および改造が本発明の精神および範囲を逸脱することなく行われうることが当業者によって容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】展開前位置での止め金とともに半径軸締め具を示す上面斜視図である。
【図2】展開位置での止め金とともに図1の半径軸締め具を示す上面および下面斜視図である。上面図は、展開位置でロックアウトした止め金を示し、下面図は、筐体リングと止め金との間に挟まれたポートの底部に対して入れ子になった止め金を示す。
【図3】展開前位置での止め金とともに図1の半径軸締め具を示す詳細な正面図である。
【図4】展開位置での止め金とともに図2の半径軸締め具を示す詳細な正面図である。
【図5】デリバリーシステムを示す正面図である。
【図6】図5に示されているデリバリーシステムおよびポート締め具を示す断面図である。
【図7】展開前位置での図6のデリバリーシステムの遠位端およびポート締め具を示す詳細な断面正面図である。
【図8】展開位置での図6のデリバリーシステムの遠位端およびポート締め具を示す詳細な断面正面図である。
【図9】デリバリーシステムのためのペンシルグリップハンドル構成を示す正面図である。
【図10】開始位置で示されている図9のデリバリーシステムのハンドルを示す詳細な断面正面図である。
【図11】発射位置で示されている図9のデリバリーシステムのハンドルを示す詳細な断面正面図である。
【図12】デリバリーシステムのためのピストルグリップハンドル構成を示す正面図である。
【図13】開始位置で示されている図12のデリバリーシステムのハンドルを示す詳細な正面図である。
【図14】発射位置で示されている図12のデリバリーシステムのハンドルを示す詳細正面図である。
【図15】デリバリーシステムの別のピストルグリップハンドル構成を示す正面図である。
【図16】図15のデリバリーシステムのギアトレイン機構を示す詳細な図である。
【図17】開始位置で示されている図15のデリバリーシステムを示す詳細な断面正面図である。
【図18】フルスプリング反跳位置で示されている図15のデリバリーシステムを示す詳細な断面正面図である。
【図19】発射位置で示されている図15のデリバリーシステムを示す詳細な断面正面図である。
【図20】展開前位置における連続NiTiワイヤ形締め具を示す正面図である。
【図21】展開後位置における図20の連続NiTiワイヤ形締め具を示す正面図である。
【図22】ストレート脚部の鈍い先端の連続ワイヤ形締め具を示す下部正面図である。
【図23】湾曲脚部の鈍い先端の連続ワイヤ形締め具を示す下部正面図である。
【図24】成形先端連続ワイヤ形締め具を示す下部正面図である。
【図25】展開後外部位置での研磨先端を有する連続NiTiワイヤ形締め具を示す正面図である。
【図26】展開後内部位置での研磨先端を有する連続NiTiワイヤ形締め具を示す正面図である。
【図27】展開後内部位置での図26の研磨先端を有する連続NiTiワイヤ形締め具を示す下部正面図である。
【図28】ストレート脚部および止め金ガイドを有する半径スライド締め具を示す正面図である。
【図29】図28の半径スライド締め具を示す正面図である。
【図30】湾曲脚部を有する半径スライド締め具を示す正面図である。
【図31】設置前の二部締付けシステムを示す正面図である。
【図32】設置後の図31の二部締付けシステムを示す正面図である。
【図33】設置前の別の二部締付けシステムを示す正面図である。
【図34】設置後の図33の二部締付けシステムを示す正面図である。
【図35】デバイスへ組込まれた独立型締め具を示す正面図である。
【図36】デバイスへ組込まれた別の独立型締め具を示す正面図である。
【図37】デバイスへ組込まれた別の独立型締め具を示す正面図である。
【図38】デバイスへ組込まれた別の独立型締め具を示す正面図である。
【図39】設置前位置での注入ポートへ組込まれた別の独立型締め具を示す正面図である。
【図40】設置後位置での図39の独立型締め具を示す正面図である。
【図41】らせんコイル締め具を示す正面図である。
【図42】別のらせんコイル締め具を示す正面図である。
【図43】水平コイル締付けシステム底面を示す上面図である。
【図44】図43の水平コイル締付けシステム底面を示す側面図である。
【図45】図43の水平コイル締付けシステム底面を示す下面図である。
【図46】図43の水平コイル締付けシステム用締付けシステムのドライバーツールを示す正面図である。
【図47】図43の水平コイル締付けシステム底面を示す詳細な図である。
【図48】デバイスへ組込まれた閉鎖金属ループ締付けシステムを示す側面図である。
【図49】図48の閉鎖金属ループ締付けシステムを組込むデバイスの上面図である。
【図50】二部スナップ式の締付けシステムを示す側面図である。
【図51】湾曲ピンまたはフックを使用する別の閉鎖金属ループシステムを示す正面図である。
【図52】デバイスへ組込まれた図51の湾曲ピンまたはフックを使用する閉鎖金属ループシステムを示す側面図である。
【図53】デバイスへ組込まれた湾曲ピン締付けシステムを示す上面および側面図である。
【図54】デバイスへ組込まれた別の湾曲ピン締付けシステムを示す上面および側面図である。
【図55】バネネジ締付けシステムを示す下面図および側面図である。
【図56】その開放および閉鎖位置での湾曲閉め具を有する折畳み式基部プレートを示す側面図である。
【図57】デバイスへ組込まれた回転フック締め具を示す上面および側面図である。
【図58】展開前位置での締め具を有する回転ディスク締付けシステムを示す上部正面図である。
【図59】展開後位置での締め具を有する図58の回転ディスク締付けシステムを示す下部正面図である。
【図60】展開後位置での締め具を有する図58の回転ディスク締付けシステムを示す下面図である。
【図61】部分的に展開された締め具を有する図58の回転ディスク締付けシステムを示す側面図である。
【図62】回転軸を示す図58の回転ディスク締付けシステムの湾曲締め具を示す正面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植込み式注入ポートであって、
筐体と、
前記筐体によって保持される隔壁であって、隔壁の一端が前記植込み式注入ポートの上面の少なくとも一部を形成しており、前記隔壁に針を貫通させることが可能である隔壁と、
前記隔壁の下で流体の貯蔵部を定める空間と、
前記貯蔵部から前記筐体を通って延びる出口導管と、
前記植込み式注入ポートに挿入される締め具であって、使用者が前記植込み式注入ポートを体組織に取り付けることを可能にし、前記植込み式注入ポート内に退避した展開前位置と、前記植込み式注入ポートの下面よりも下側に展開する展開位置とを有する締め具とを備える植込み式注入ポート。
【請求項2】
前記締め具が、前記展開前位置から前記展開位置まで軸回転する、請求項1に記載の植込み式注入ポート。
【請求項3】
前記展開前位置から前記展開位置まで同時に軸回転する複数の締め具をさらに有する、請求項2に記載の植込み式注入ポート。
【請求項4】
前記植込み式注入ポートの下面の周囲に配置されていて湾曲したフックの形状である複数の前記締め具を備え、複数の前記締め具が、前記展開前位置から前記展開位置まで同時に軸回転する請求項1に記載の植込み式注入ポート。
【請求項5】
前記フックが、垂直軸の通る中心から外側に向かうように、実質的に半径方向に沿って配置された軸を中心に軸回転する、請求項4に記載の植込み式注入ポート。
【請求項6】
前記フックが、中心に垂直軸がある円の実質的に接線方向に向かう軸を中心に軸回転する、請求項4に記載の植込み式注入ポート。
【請求項7】
前記フックのそれぞれが、前記フックが完全に前記展開位置まで軸回転したことを示す、聞取可能なクリック音を生じる、請求項4に記載の植込み式注入ポート。
【請求項8】
湾曲した前記フックの鋭い先端が、円弧に沿って回転して前記円弧の端で、前記ポートの下面において、または下面の近傍で受入れられる、請求項4に記載の植込み式注入ポート。
【請求項9】
前記植込み式注入ポートが、湾曲した前記フックを前記展開前位置から前記展開位置まで回転させる回転ディスクをさらに有する、請求項4に記載の植込み式注入ポート。
【請求項10】
止め部に係合して、前記フックを前記展開前位置から前記展開位置まで軸回転させた後における前記ディスクの後方への回転を防止する、少なくとも1つのロッキングタブをさらに含む、請求項9に記載の植込み式注入ポート。
【請求項11】
植込み式注入ポートと展開ツールのシステムであって、
請求項1に記載の植込み式注入ポートと、
展開ツールであって、
近位端側のシャフト;
前記注入ポートを内部に受け入れて前記ポートの下面を露出させる窪みを規定する遠位端のカバーであって、前記ポートが実質的に垂直になるように前記カバーと窪みとが配置されており、前記近位端側のシャフトが、前記遠位端のカバーから上向きに延びているとともに近位端の手動式作動装置を備えているカバー;および
前記展開前位置から前記展開位置まで前記締め具を移動させるために、前記作動装置の動作を、前記シャフトにおける要素を通じて前記ポートに伝達する前記シャフトにおける伝動装置、
を備える展開ツールと、を備えるシステム。
【請求項12】
前記展開ツールが、ペンシルグリップ型作動装置、パームグリップ型作動装置、またはピストルグリップ型作動装置によって作動される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記締め具が、前記筐体内において前記展開前位置から前記展開位置まで軸回転する、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記伝動装置が、前記手動式作動装置の運動を、前記締め具の回転を生じさせる垂直軸を中心とした回転運動に変換する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記締め具が、前記筐体内において前記展開前位置から前記展開位置まで軸回転し、前記注入ポートが、前記締め具を前記展開前位置から前記展開位置まで回転させる回転ディスクをさらに有し、前記展開ツールが、前記回転ディスクに接触するとともに前記回転ディスクを回転させる、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記ポートの下面の周囲に配置されていて湾曲したフックの形状を有するとともに、前前記展開前位置から前記展開位置へ同時に軸回転する複数の締め具をさらに有する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記伝動装置が、前記手動式作動装置に伝達される力を、前記締め具に供給される力より大きな力に増幅する機構を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記ポートの下面の周囲に配置されているとともに前記展開前位置から前記展開位置へ同時に軸回転する複数の締め具を有し、前記注入ポートが、前記締め具を前記展開前位置から前記展開位置まで回転させる回転ディスクをさらに有し、前記展開ツールが、前記回転ディスクに接触するとともに前記回転ディスクを回転させ、前記伝動装置が、前記手動式作動装置の運動を、垂直軸を中心にした回転運動に変換して前記回転ディスクを回転させる、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
前記締め具が、前記注入ポートの下の展開位置に到達したときに、ハンドルにおいて感知し得る触覚シグナルを発生する、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記締め具が、前記注入ポートの下の展開位置に到達したときに、聴覚シグナルを放出する、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記展開ツールのシャフトが、前記遠位端のカバーから近位端側のハンドルまで、垂直に対して所定の角度で上向きに延びる、請求項11に記載のシステム。
【請求項22】
前記ポートの下面の周囲に配置されているとともに前記展開前位置から前記展開位置へ同時に軸回転する複数の締め具を有し、前記手動式作動装置が、前記シャフトに対して傾斜したパームグリップ型作動装置であり、前記パームグリップ型作動装置が、使用者が使用者の手のひらでレバーとハウジング部分とをともに握って前記締め具を展開することができるように、前記伝動装置に連結されているとともにハウジング部分に対して枢動的に取り付けられているレバーを含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記システムが、前記シャフトの一部を通って直線的にスライドするように取り付けられているとともに前記パームグリップ型作動装置のレバーによって移動されるプランジャを含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項1】
植込み式注入ポートであって、
筐体と、
前記筐体によって保持される隔壁であって、隔壁の一端が前記植込み式注入ポートの上面の少なくとも一部を形成しており、前記隔壁に針を貫通させることが可能である隔壁と、
前記隔壁の下で流体の貯蔵部を定める空間と、
前記貯蔵部から前記筐体を通って延びる出口導管と、
前記植込み式注入ポートに挿入される締め具であって、使用者が前記植込み式注入ポートを体組織に取り付けることを可能にし、前記植込み式注入ポート内に退避した展開前位置と、前記植込み式注入ポートの下面よりも下側に展開する展開位置とを有する締め具とを備える植込み式注入ポート。
【請求項2】
前記締め具が、前記展開前位置から前記展開位置まで軸回転する、請求項1に記載の植込み式注入ポート。
【請求項3】
前記展開前位置から前記展開位置まで同時に軸回転する複数の締め具をさらに有する、請求項2に記載の植込み式注入ポート。
【請求項4】
前記植込み式注入ポートの下面の周囲に配置されていて湾曲したフックの形状である複数の前記締め具を備え、複数の前記締め具が、前記展開前位置から前記展開位置まで同時に軸回転する請求項1に記載の植込み式注入ポート。
【請求項5】
前記フックが、垂直軸の通る中心から外側に向かうように、実質的に半径方向に沿って配置された軸を中心に軸回転する、請求項4に記載の植込み式注入ポート。
【請求項6】
前記フックが、中心に垂直軸がある円の実質的に接線方向に向かう軸を中心に軸回転する、請求項4に記載の植込み式注入ポート。
【請求項7】
前記フックのそれぞれが、前記フックが完全に前記展開位置まで軸回転したことを示す、聞取可能なクリック音を生じる、請求項4に記載の植込み式注入ポート。
【請求項8】
湾曲した前記フックの鋭い先端が、円弧に沿って回転して前記円弧の端で、前記ポートの下面において、または下面の近傍で受入れられる、請求項4に記載の植込み式注入ポート。
【請求項9】
前記植込み式注入ポートが、湾曲した前記フックを前記展開前位置から前記展開位置まで回転させる回転ディスクをさらに有する、請求項4に記載の植込み式注入ポート。
【請求項10】
止め部に係合して、前記フックを前記展開前位置から前記展開位置まで軸回転させた後における前記ディスクの後方への回転を防止する、少なくとも1つのロッキングタブをさらに含む、請求項9に記載の植込み式注入ポート。
【請求項11】
植込み式注入ポートと展開ツールのシステムであって、
請求項1に記載の植込み式注入ポートと、
展開ツールであって、
近位端側のシャフト;
前記注入ポートを内部に受け入れて前記ポートの下面を露出させる窪みを規定する遠位端のカバーであって、前記ポートが実質的に垂直になるように前記カバーと窪みとが配置されており、前記近位端側のシャフトが、前記遠位端のカバーから上向きに延びているとともに近位端の手動式作動装置を備えているカバー;および
前記展開前位置から前記展開位置まで前記締め具を移動させるために、前記作動装置の動作を、前記シャフトにおける要素を通じて前記ポートに伝達する前記シャフトにおける伝動装置、
を備える展開ツールと、を備えるシステム。
【請求項12】
前記展開ツールが、ペンシルグリップ型作動装置、パームグリップ型作動装置、またはピストルグリップ型作動装置によって作動される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記締め具が、前記筐体内において前記展開前位置から前記展開位置まで軸回転する、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記伝動装置が、前記手動式作動装置の運動を、前記締め具の回転を生じさせる垂直軸を中心とした回転運動に変換する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記締め具が、前記筐体内において前記展開前位置から前記展開位置まで軸回転し、前記注入ポートが、前記締め具を前記展開前位置から前記展開位置まで回転させる回転ディスクをさらに有し、前記展開ツールが、前記回転ディスクに接触するとともに前記回転ディスクを回転させる、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記ポートの下面の周囲に配置されていて湾曲したフックの形状を有するとともに、前前記展開前位置から前記展開位置へ同時に軸回転する複数の締め具をさらに有する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記伝動装置が、前記手動式作動装置に伝達される力を、前記締め具に供給される力より大きな力に増幅する機構を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記ポートの下面の周囲に配置されているとともに前記展開前位置から前記展開位置へ同時に軸回転する複数の締め具を有し、前記注入ポートが、前記締め具を前記展開前位置から前記展開位置まで回転させる回転ディスクをさらに有し、前記展開ツールが、前記回転ディスクに接触するとともに前記回転ディスクを回転させ、前記伝動装置が、前記手動式作動装置の運動を、垂直軸を中心にした回転運動に変換して前記回転ディスクを回転させる、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
前記締め具が、前記注入ポートの下の展開位置に到達したときに、ハンドルにおいて感知し得る触覚シグナルを発生する、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記締め具が、前記注入ポートの下の展開位置に到達したときに、聴覚シグナルを放出する、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記展開ツールのシャフトが、前記遠位端のカバーから近位端側のハンドルまで、垂直に対して所定の角度で上向きに延びる、請求項11に記載のシステム。
【請求項22】
前記ポートの下面の周囲に配置されているとともに前記展開前位置から前記展開位置へ同時に軸回転する複数の締め具を有し、前記手動式作動装置が、前記シャフトに対して傾斜したパームグリップ型作動装置であり、前記パームグリップ型作動装置が、使用者が使用者の手のひらでレバーとハウジング部分とをともに握って前記締め具を展開することができるように、前記伝動装置に連結されているとともにハウジング部分に対して枢動的に取り付けられているレバーを含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記システムが、前記シャフトの一部を通って直線的にスライドするように取り付けられているとともに前記パームグリップ型作動装置のレバーによって移動されるプランジャを含む、請求項22に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図5】
【図8】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図5】
【図8】
【図12】
【公開番号】特開2010−279726(P2010−279726A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181084(P2010−181084)
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【分割の表示】特願2006−526976(P2006−526976)の分割
【原出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【出願人】(591018268)アラーガン、インコーポレイテッド (293)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【分割の表示】特願2006−526976(P2006−526976)の分割
【原出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【出願人】(591018268)アラーガン、インコーポレイテッド (293)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]