説明

検体ラック搬送システム

【課題】エラーを確認してから動作を再開させるまでのユーザの動線を短くすることができる検体ラック搬送システムを提供する。
【解決手段】複数の搬送装置のうちの少なくとも1つが、搬送再開に関する信号を制御装置に送信するための送信スイッチを備えており、制御装置は、ある搬送装置に異常が発生して検体ラックの搬送が停止した場合において、異常が発生した搬送装置と異なる搬送装置の送信スイッチ操作による搬送再開に関する信号を受信すると、異常が発生した搬送装置の状態情報に基づき、異常が解消されている場合には検体ラックの搬送を再開させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体ラックを搬送する複数の搬送装置が連結され、複数の検体処理装置に検体ラックを供給可能な検体ラック搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、検体を保持するラックを搬送し、複数の処理ユニットのそれぞれに供給可能な搬送ラインと、搬送ラインを制御する中央制御部と、表示部と、を備えた検体ラック搬送システムが記載されている。搬送ラインは、複数の搬送ラインユニットから構成されている。
【0003】
上記システムにおいて警報すべき事態(以下、エラー)が発生した場合、中央制御部は、警報をクリアするためのボタン、システムのスタートを指示できる起動ボタン及びシステムのストップを指示できる停止ボタンと、いずれのユニットにおける警報であるかを示す表示域と、を備える警報表示画面を表示部に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−304808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の検体ラック搬送システムで搬送ラインにおけるラック搬送ミスによるエラーが発生した場合、ユーザは、表示部に表示される警報表示画面でエラーが発生した搬送ラインユニットを確認し、搬送ラインユニットまで移動し、搬送ミスが生じたラックを取り除き、警報表示画面の起動ボタンによってシステムの動作を再開させる必要がある。
【0006】
しかし、規模が大きな検体ラック搬送システムにおいて、上記構成を採用した場合、いずれの搬送ラインユニットにおいてエラーが発生したかを確認するための表示部と、エラーが発生した搬送ラインユニットの距離が大きくなる。そのため、ユーザがエラーを確認して検体ラック搬送システムの動作を再開させるための動線が長くなってしまう。
【0007】
このような問題を解決するためには、それぞれの搬送ラインユニットに、システムの動作再開のためのボタンを備えるようにすることが考えられる。
【0008】
しかし、このような場合でも、隣接した搬送ラインユニット間でラックの搬送ミスによるエラーが生じた場合、ユーザは、ラックを取り除いた後に、どちらの搬送ラインユニットのボタンを操作すればよいかわからない。そのため、どちらの搬送ラインユニットにおいてエラーが発生しているかを表示部の警報表示画面で確認する必要がある。したがって、上記構成においても、ユーザがエラーを確認して検体ラック搬送システムの動作を再開させるための動線が長くなってしまう。
【0009】
本発明は、エラーを確認してから動作を再開させるまでのユーザの動線を短くすることができる検体ラック搬送システムを提供することを目的とする
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明にかかる検体ラック搬送システムは、検体ラックを搬送する複数の搬送装置が連結され、複数の検体処理装置に検体ラックを供給可能であり、各搬送装置と通信することで各搬送装置の状態情報を取得可能な制御装置を備える検体ラック搬送システムであって、複数の搬送装置のうちの少なくとも1つが、搬送再開に関する信号を制御装置に送信するための送信スイッチを備えており、制御装置は、一の搬送装置に異常が発生して検体ラックの搬送が停止した場合において、一の搬送装置と異なる他の搬送装置の送信スイッチ操作による搬送再開に関する信号を受信すると、一の搬送装置の状態情報に基づき、異常が解消されている場合には検体ラックの搬送を再開させる検体ラック搬送システムである。
【0011】
上記様態において、送信スイッチを備える搬送装置は、スイッチが操作者によって操作されると搬送再開に関する信号を制御装置に送信してもよい。
【0012】
また、上記様態において、搬送再開に関する信号は、復旧確認動作の開始指示であってもよい。
【0013】
また、上記様態において、搬送再開に関する信号は、異常の発生により停止した搬送動作の再開指示であってもよい。
【0014】
また、上記様態において、送信スイッチを備える搬送装置は、アラームを鳴動させることで異常発生を通知してもよい。
【0015】
また、上記様態において、送信スイッチを備える搬送装置は、停止スイッチを備え、停止スイッチが操作者によって操作されるとアラームの鳴動を停止させてもよい。
【0016】
また、上記様態において、複数の搬送装置のうち少なくとも1つは回転灯を備え、回転灯を点灯させることで異常発生を通知してもよい。
【0017】
また、上記様態において、搬送装置は、異常が発生すると回転灯を点灯させ、異常から復帰したときの復帰動作が完了すると回転灯を消灯させてもよい。
【0018】
また、上記様態において、制御装置は、いずれかの搬送装置に異常が発生した場合、異常が発生した搬送装置を示す異常画面を表示してもよい。
【0019】
また、上記様態において、複数の搬送装置のうちの少なくとも1つは、送信スイッチを備えなくてもよい。
【0020】
また、上記様態において、送信スイッチを備えない第一の搬送装置の上流側に送信スイッチを備える第二の搬送装置が連結されており、第一の搬送装置において異常が発生した場合、制御装置は、第二の搬送装置を、第一の搬送装置に検体ラックを搬送しないよう制御するとともに、第二の搬送装置のアラームを鳴動させ、回転灯を点灯させるよう制御してもよい。
【0021】
また、上記様態において、制御装置は、第一の搬送装置の異常からの復帰を確認すると、回転灯を消灯させてもよい。
【0022】
また、上記様態において、送信スイッチを備えない搬送装置は、検体ラックを水平回転させることで、当該検体ラックの進行方向を、当該進行方向と直交する方向に変化させるラック回転装置であってもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明にかかる検体ラック搬送システムによれば、エラーを確認してから動作を再開させるまでのユーザの動線を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施形態にかかる検体ラック搬送システムを備える検体分析システムの構成を示す図である。
【図2】検体容器と検体ラックの構成を示す図である。
【図3】実施形態にかかる検体搬送ユニットの構成を示す平面図である。
【図4】実施形態にかかる検体搬送ユニットの操作盤の構成を示す平面図である。
【図5】実施形態にかかる回転ユニットの構成を示す平面図である。
【図6】実施形態にかかる測定ユニットの構成を示す模式図である。
【図7】実施形態にかかる検体搬送ユニット、回転ユニット、測定ユニット、情報処理ユニット及び搬送コントローラの回路構成の概要を示す図である。
【図8】実施形態にかかる検体ラック搬送システムにおいて、搬送ミスによるエラーが発生した場合の動作を示すフローチャートである。
【図9】実施形態にかかる検体ラック搬送システムにおいて、搬送ミスによるエラーが発生した場合の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、検体ラック搬送システム100を備える検体分析システム1の全体構成を示す概略平面図である。本実施形態にかかる検体分析システム1は、検体ラック搬送システム100と、血球分析装置4と、塗沫標本作製装置8と、から構成されている。また、検体ラック搬送システム100は、検体回収ユニット21と、検体投入ユニット22と、検体送出ユニット23と、検体搬送ユニット3a,3b,3cと、検体搬送ユニット5と、回転ユニット6と、搬送コントローラ7から構成されている。
【0026】
また、検体搬送ユニット3a,3b,3c,5には回転灯PLが備えられている。検体搬送ユニット3a,3b,3c,5においてエラーが発生すると、回転灯PLが赤色点灯する。これにより、ユーザはエラーが発生したことを認識することができる。また、回転ユニット6においてエラーが発生した場合、検体搬送ユニット3cの回転灯PLが点灯する。これについては後述する。
【0027】
図2は、検体容器Tと検体ラックLの構成を示す図である。同図(a)は、検体容器Tの外観を示す斜視図であり、同図(b)は、検体ラックLの正面図である。
【0028】
同図(a)を参照して、検体容器Tは、透光性を有するガラス又は合成樹脂により構成された管状容器であり、上端が開口している。内部には患者から採取された血液検体が収容され、上端の開口は蓋部CPにより密封されている。検体容器Tの側面には、バーコードラベルBL1が貼付されている。バーコードラベルBL1には、検体IDを示すバーコードが印刷されている。
【0029】
同図(b)を参照して、検体ラックLには、10本の検体容器Tを垂直状態(立位状態)で並べて保持することが可能となるよう10個の保持位置が形成されている。また、検体ラックLの正面側には、図示の如く、バーコードラベルBL2が貼付されている。バーコードラベルBL2には、ラックIDを示すバーコードが印刷されている。
【0030】
図1に戻って、検体回収ユニット21は、分析が終了した検体ラックLを収容する。検体投入ユニット22は、オペレータが投入した検体ラックLを収容し、収容している検体ラックLを検体送出ユニット23に送出する。また、検体回収ユニット21と検体投入ユニット22は、搬送コントローラ7と通信可能に接続されている。
【0031】
検体送出ユニット23では、検体投入ユニット22から送出される検体ラックLのラックIDと、検体ラックLの保持位置に対応付けられた検体容器Tの検体IDが読み取られる。検体送出ユニット23は、バーコードの読み取りが完了した検体ラックLを検体搬送ユニット3aに送出する。また、検体送出ユニット23は、搬送コントローラ7と通信可能に接続されており、検体送出ユニット23によって読み取られたラックIDと検体IDは、搬送コントローラ7に送信される。
【0032】
検体搬送ユニット3a,3b,3cは、図示の如く、それぞれ、測定ユニット41の前方に配置されている。また、検体搬送ユニット3a,3b,3cは、前段又は後段のユニットと検体ラックLの受け渡しが可能となるよう互いに接続されている。検体搬送ユニット3aの右端は、検体ラックLの受け渡しが可能となるよう検体送出ユニット23に接続されている。検体搬送ユニット3a,3b,3cは、それぞれ搬送コントローラ7に通信可能に接続されている。
【0033】
検体搬送ユニット3a,3b,3cには、図示の如く、それぞれに対応する測定ユニット41において検体の測定が行われる場合と行われない場合とに分けて、検体ラックLを搬送するための2通りの搬送ラインL1、L2が設定されている。すなわち、測定ユニット41で検体の測定が行われる場合や塗沫標本作製装置8において塗沫標本の作製が行われる場合は、後方のコの字型の矢印で示された搬送ラインL1に沿って検体ラックLが搬送される。測定ユニット41で検体の測定が行われない場合は、測定ユニット41をスキップするよう、中段の左向きの矢印で示された搬送ラインL2に沿って検体ラックLが搬送される。
【0034】
さらに、検体搬送ユニット3a,3b,3cには、図示の如く、検体ラックLを検体回収ユニット21に搬送するための搬送ラインL3が設定されている。すなわち、測定済み、あるいは、塗沫標本作製済みの検体ラックLは、前方の右向きの矢印で示された搬送ラインL3に沿って搬送され、検体回収ユニット21に回収される。なお、検体搬送ユニット3a,3b,3cの構成については、追って図3を参照して説明する。
【0035】
回転ユニット6は、検体ラックLの搬送方向を90度変更することができる。なお、図示の如く、回転ユニット6には回転灯PLが備えられていない。また、回転ユニット6には後述する操作盤PNが備えられていない。回転ユニット6の構成については、追って図5を参照して説明する。
【0036】
血球分析装置4は、光学式フローサイトメトリー方式の多項目血球分析装置であり、3つの測定ユニット41と、情報処理装置42を備えている。情報処理ユニット42は、3つの測定ユニット41と通信可能に接続されており、3つの測定ユニット41の動作を制御する。
【0037】
3つの測定ユニット41は、検体容器Tに収容されている血液検体を測定する。すなわち、3つの測定ユニット41は、それぞれ前方に配置された検体搬送ユニット3a,3b,3cの搬送ラインL1上の所定の位置において、検体ラックLから検体容器Tを抜き出す。かかる検体容器Tに収容されている血液検体は、測定ユニット41内で測定される。測定ユニット41内での測定が完了すると、かかる検体容器Tは再び元の検体ラックLの保持位置に戻される。なお、測定ユニット41の構成については、追って図6を参照して説明する。
【0038】
検体搬送ユニット5は、図示の如く、塗沫標本作製装置8の前方に配置されている。検体搬送ユニット5は、検体搬送ユニット3a,3b,3cと形状が異なるが、その構成については、一部を除きほぼ同一である。また、検体搬送ユニット5は、回転ユニット6と検体ラックLの受け渡しが可能となるよう互いに接続されている。検体搬送ユニット5は搬送コントローラ7に通信可能に接続されている。
【0039】
検体搬送ユニット5には、図示の如く、塗沫標本作製装置8において塗沫標本の作製が行われる場合と行われない場合とに分けて、検体ラックLを搬送するための2通りの搬送ラインL1、L2が設定されている。塗沫標本作製装置8において塗沫標本の作製が行われる場合は、後方のコの字型の矢印で示された搬送ラインL1に沿って検体ラックLが搬送される。塗沫標本作製装置8において塗沫標本の作製が行われない場合は、塗沫標本作製装置8をスキップするよう、中段の左向きの矢印で示された搬送ラインL2に沿って検体ラックLが搬送される。
【0040】
さらに、検体搬送ユニット5には、図示の如く、前段の回転ユニット6に検体ラックLを搬送するための搬送ラインL3が設定されている。すなわち、測定済み、あるいは、塗沫標本作製済みの検体ラックLは、前方の右向きの矢印で示された搬送ラインL3に沿って前段の回転ユニット6に搬送される。検体搬送ユニット5の構成は、検体搬送ユニット3a,3b,3cとほぼ同様であるが一部が異なっている。検体搬送ユニット5の構成における検体搬送ユニット3a,3b,3cとの相違点については後述する。
【0041】
塗沫標本作製装置8では、血液検体の塗沫標本が作製される。すなわち、まず、塗沫標本作製装置8は、検体搬送ユニット5の搬送ラインL1上の検体供給位置において、検体容器Tに収容されている血液検体を吸引する。続いて、吸引された血液検体が、スライドガラス上に滴下され、スライドガラス上で薄く引き延ばされ、乾燥させられる。しかる後、かかるスライドガラスに染色液が供給されることにより、スライドガラス上の血液が染色され、塗沫標本が作製される。
【0042】
なお、塗沫標本の作製の要否は、測定ユニット41による分析結果に基づいて、搬送コントローラ7によって判定される。後述の如く、各測定ユニット41における分析結果は、検体搬送ユニット3a,3b,3cを介して搬送コントローラ7に送信される。搬送コントローラ7により塗沫標本の作製が必要と判定されると、対象となる検体を収容する検体ラックLは、塗沫標本作製装置8に対応する検体搬送ユニット3a,3b,3cの搬送ラインL1に沿って搬送され、塗沫標本作製装置8において塗沫標本の作製が行われる。
【0043】
搬送コントローラ7は、検体回収ユニット21と、検体投入ユニット22と、検体送出ユニット23と、検体搬送ユニット3a,3b,3cと、回転ユニット6と、検体搬送ユニット5と通信可能に接続されており、各ユニットの動作状況を監視するとともに各ユニットの駆動を制御する。搬送コントローラ7として、例えば、別付のパーソナルコンピュータあるいはシステムに組み込まれたコンピュータが用いられる。
【0044】
図3は、検体搬送ユニット3a,3b,3cを上側から見た場合の構成を示す平面図である。検体搬送ユニット3a,3b,3cは、それぞれ分析前ラック保持部310と、ラック搬送部320と、分析後ラック保持部330と、ラック搬送部340、350と、操作盤PNを備えている。なお、検体搬送ユニット3a,3b,3cの構成は同一である。
【0045】
検体ラックLに対する測定が行われない場合、検体ラックLは、ラック搬送部340のベルト341a、341bにより、ラック搬送部340の右端から左端へと搬送ラインL2に沿って直線的に送られる。
【0046】
検体搬送ユニット3a,3b,3cは、検体ラックLが搬送ラインL2に沿って正しく搬送されているか否かを、センサ342a及び342bによって監視している。検体搬送ユニット3a,3b,3cは、これらのセンサによる検体ラックLの検知結果に基づき、ラック搬送部340において検体ラックLの搬送ミスによるエラーが発生しているか否かを判定する。
【0047】
検体ラックLに対する測定が行われる場合、検体ラックLは、同図右下の破線で示すラック搬送部340の右端位置に送られる。すなわち、図中に示す反射型のセンサ342aにより、検体ラックLが同図右下の破線の位置に搬送されたことが検出される。このタイミングでベルト341aが停止される。しかる後、ラック押出し機構343が後方に移動することにより、検体ラックLが、分析前ラック保持部310の搬送路311の前端に押し出される。発光部と受光部とからなる光学式センサ312a、312bにより、搬送路311上にある検体ラックLが検出されると、ラック送込機構313が検体ラックLの前端に係合した状態で後方に移動し、検体ラックLが後方に送られる。こうして、検体ラックLがラック搬送部320の右端位置まで送られると、ベルト321a、321bが駆動され、検体ラックLが左方向に送られる。
【0048】
その後、検体ラックLは、検体容器センサ322の位置へと到達する。検体容器センサ322は接触式のセンサである。検体容器センサ322の真下位置を検体ラックLに保持された検出対象の検体容器Tが通過すると、検体容器センサ322の接触片がかかる検出容器Tにより屈曲されて、検体容器Tの存在が検出される。
【0049】
検体容器センサ322による検体容器Tの検出位置から検体容器2つ分だけ左側の検体供給位置において、後述する測定ユニット41のハンド部が、検体容器Tを把持して検体ラックLから検体容器Tを取り出す。取り出された検体容器Tは、測定ユニット41において測定に用いられた後、再び検体ラックLに戻される。検体容器Tが検体ラックLへ戻されるまでの間、検体ラックLの搬送は待機される。
【0050】
こうして、検体ラックLに保持された全ての検体容器Tの検体に対する測定が終了すると、検体ラックLは、ベルト321a、321bによって、同図に破線で示すラック搬送部320の左端位置まで送られ、ベルト321a、321bの駆動が停止される。しかる後、検体ラックLは、ラック押出し機構323により、分析後ラック保持部330の搬送路331の後端に送られる。発光部と受光部とからなる光学式センサ332a、332bにより、搬送路331上にある検体ラックLが検出されると、ラック送込機構333が検体ラックLの後端に係合した状態で前方に移動し、検体ラックLが前方に送られる。このとき、分析後ラック保持部330の前方にあって、ラック搬送部340と350の間にある仕切り部360が開閉制御され、検体ラックLが、ラック搬送部340、350のいずれかに位置付けられる。
【0051】
測定ユニット41による測定の結果、検体ラックLに保持されているいずれかの検体容器Tについて、下流側にある塗沫標本作製装置8による塗沫標本作製の必要があると判定されると、仕切り部360により、ラック搬送部340、350が仕切られた状態で、検体ラックLが、ラック送込機構333によりラック搬送部340の左端位置まで移動される。しかる後、かかる検体ラックLは、ラック搬送部340のベルト341bによって下流側の検体搬送ユニットに送出される。
【0052】
他方、測定ユニット41による測定の結果、検体ラックLに保持されている検体容器Tについて、いずれも下流側にある塗沫標本作製装置8による塗沫標本作製の必要がないと判定されると、仕切り部360の上面が、ラック搬送部340のベルト341bの上面と同じ高さまで下げられ、検体ラックLが、ラック送込機構333によりラック搬送部350の左端位置まで移動される。こうして、検体ラックLが、ラック送込機構333によって、分析後ラック保持部330からラック搬送部340を横切って、同図左下に破線で示すラック搬送部350の左端位置まで移動される。しかる後、かかる検体ラックLは、ラック搬送部350のベルト351によって搬送ラインL3に沿って右方向に移動される。こうして、搬送ラインL3に沿って搬送された検体ラックLは、上流の検体搬送ユニット又は検体回収ユニット21に搬送される。
【0053】
このとき、検体搬送ユニット3は、検体ラックLが搬送ラインL3に沿って正しく搬送されているか否かを、センサ352a及び352bによって監視している。検体搬送ユニット3a,3b,3cは、これらのセンサの検体ラックLの検知結果に基づき、ラック搬送部350において検体ラックLの搬送ミスによるエラーが発生しているか否かを判定する。
【0054】
図4は、操作盤PNの構成を示す平面図である。図4に示すように、操作盤PNは、スタート/ストップキーPN1、アラームリセットキーPN2、測定モード切り替えキーPN3、状態表示部PN4及び状態表示部PN5を備えている。以下、検体搬送ユニット3cに備えられている操作盤PNを例に説明するが、検体搬送ユニット3a,3bに備えられている操作盤PNについても同様である。
【0055】
スタート/ストップキーPN1は、検体搬送ユニット3cの動作再開又は動作停止の指示を入力するためのキーである。例えば、検体搬送ユニット3cは搬送ミスによりエラーが発生した場合、検体ラックLの搬送動作を停止させ、エラーの発生を自動的に搬送コントローラ7に通知する。ユーザは、搬送ミスが生じた検体ラックLを回収し、その後にスタート/ストップキーPN1を押下する。スタート/ストップキーPN1が押下されると、検体搬送ユニット3cは、スタート/ストップキーPN1が押下されたことを示す押下情報を搬送コントローラ7に送信する。
【0056】
アラームリセットキーPN2は、鳴動しているアラームを解除させるためのキーである。検体搬送ユニット3cにおいてエラーが発生した場合、検体搬送ユニット3cは、ユーザにエラー発生を通知するべくアラームを鳴動させる。ユーザは、アラームリセットキーPN2を押下することでアラームの鳴動を停止させる。
【0057】
測定モード切り替えキーPN3は、検体搬送ユニット3c及び検体搬送ユニット3cに接続された測定ユニット41を、単独で運用させるか、他の検体搬送ユニットと接続し、検体ラック搬送システム100を構成するユニットとして運用させるかを切り替えるためのキーである。
【0058】
状態表示部PN4は、検体搬送ユニット3cにエラーが発生しているか否かを示すLED1を備える。検体搬送ユニット3cにエラーが発生していない場合、LED1は青色点灯している。しかし、検体搬送ユニット3cにエラーが発生している場合、検体搬送ユニット3cは、LED1を赤色点灯させることで、ユーザにその旨を通知する。
【0059】
状態表示部PN5は、LED2,3,4,5及び6を備える。LED2,3,4,5及び6は、検体搬送ユニット3c及びその上流側の検体搬送ユニット3b及び下流側の回転ユニット6においてエラーが発生していないときには消灯している。検体搬送ユニット3cは、エラー発生時に各LEDを点灯させることで、エラーの発生箇所をユーザに通知する。LED2が点灯している場合にはラック搬送部320において、LED3が点灯している場合には分析後ラック保持部330において、LED4が点灯している場合には分析前ラック保持部310において、LED5が点灯している場合には下流側の回転ユニット6において、LED6が点灯している場合には上流側の搬送ユニット3bにおいて、それぞれエラーが発生したことを示す。
【0060】
図3に戻り、検体搬送ユニット3a,3b,3cには、ラック押出し機構343、323と、ラック送込機構313、333と、ベルト321a、321b、341a、341b、351と、仕切り部360をそれぞれ駆動するためのステッピングモータが配されている。
【0061】
図5は、回転ユニット6の構成を示す平面図である。図5に示すように、回転ユニット6は、検体搬送ユニット3と検体搬送ユニット5とに接続されている。回転ユニット6は、センサ631,632,634,635と、636a,636b,637a,637bと、ターンテーブル641と、ラック搬送部642,643と、を備えている。また、ターンテーブル641の底部には、遮光部材636c,637cが設けられている。また、ラック搬送部642,643には、ラック搬送位置651,652が設定されている。
【0062】
図5を参照しつつ、回転ユニット6の搬送動作について、検体搬送ユニット3cから検体ラックLが搬出される場合と、検体搬送ユニット5から検体ラックLが搬出される場合とについて分けて説明する。
【0063】
まず、検体搬送ユニット3cから検体ラックLが搬出される場合の回転ユニット6の搬送動作について説明する。検体搬送ユニット3cは搬送ラインL2に沿って検体ラックLを搬送し、検体ラックLを、ラック搬送部340の左端位置まで移動させると、搬出要求を搬送コントローラ7に送信する。搬送コントローラ7は、搬出要求を受信すると、回転ユニット6に受入指示を送信する。
【0064】
回転ユニット6は、受入指示を受信すると、ステッピングモータにより、ターンテーブル641の底部に備えられた遮光部材636cが、発光部と受光部とからなる光学式センサ636a,636bにより検出されるまで、ターンテーブル641をT2方向に回転させる。遮光部材636cがセンサ636a,636bにより検出されると(図5(A)に示す状態)、回転ユニット6は搬入要求を搬送コントローラ7に送信する。
【0065】
搬送コントローラ7は、搬入要求を受信すると、搬出指示を検体搬送ユニット3cに送信し、搬入指示を回転ユニット6に送信する。検体搬送ユニット3cは、搬出指示を受信すると、検体ラックLを、ラック搬送部340により回転ユニット6に搬出する。回転ユニット6は、搬入指示を受信すると、ラック搬送部642のベルトにより、ラック搬送位置651に検体ラックLを搬送する。回転ユニット6は、ラック搬送位置651に検体ラックLが搬送されたかをセンサ632により検体ラックLが検出された後にセンサ631により検体ラックLが検出されることで確認する。ラック搬送位置651に検体ラックLが搬送されたことを確認すると、回転ユニット6は、搬入完了を搬送コントローラ7に送信する。
【0066】
回転ユニット6は、ラック搬送位置651に検体ラックLが搬送されたことを確認すると、ステッピングモータにより、ターンテーブル641の底部に備えられた遮光部材637cが、発光部と受光部とからなる光学式センサ637a,637bにより検出されるまで、ターンテーブル641をT1方向に回転させる。遮光部材637cがセンサ637a,637bにより検出されると(図5(B)に示す状態)、回転ユニット6はラック搬送部642により、検体ラックLを検体搬送ユニット5に搬出する。
【0067】
次いで、検体搬送ユニット5から検体ラックLが搬出される場合の回転ユニット6の搬送動作について説明する。検体搬送ユニット5は搬送ラインL3に沿って検体ラックLを搬送し、検体ラックLを、ラック搬送部の左端位置まで移動させると、搬出要求を搬送コントローラ7に送信する。搬送コントローラ7は、搬出要求を受信すると、回転ユニット6に受入指示を送信する。
【0068】
回転ユニット6は、受入指示を受信すると、ステッピングモータにより、ターンテーブル641の底部に備えられた遮光部材637cが、発光部と受光部とからなる光学式センサ637a,6376bにより検出されるまで、ターンテーブル641をT1方向に回転させる。遮光部材637cがセンサ637a,637bにより検出されると(図5(B)に示す状態)、回転ユニット6は搬入要求を搬送コントローラ7に送信する。
【0069】
搬送コントローラ7は、搬入要求を受信すると、搬出指示を検体搬送ユニット5に送信し、搬入指示を回転ユニット6に送信する。検体搬送ユニット5は、搬出指示を受信すると、検体ラックLを、ラック搬送部により回転ユニット6に搬出する。回転ユニット6は、搬入指示を受信すると、ラック搬送部643のベルトにより、ラック搬送位置652に検体ラックLを搬送する。回転ユニット6は、ラック搬送位置652に検体ラックLが搬送されたかをセンサ634により検体ラックLが検出された後にセンサ635により検体ラックLが検出されることで確認する。ラック搬送位置652に検体ラックLが搬送されたことを確認すると、回転ユニット6は、搬入完了を搬送コントローラ7に送信する。
【0070】
回転ユニット6は、ラック搬送位置652に検体ラックLが搬送されたことを確認すると、ステッピングモータにより、ターンテーブル641の底部に備えられた遮光部材636cが、発光部と受光部とからなる光学式センサ636a,636bにより検出されるまで、ターンテーブル641をT2方向に回転させる。遮光部材636cがセンサ636a,636bにより検出されると(図5(A)に示す状態)、回転ユニット6はラック搬送部643により、検体ラックLを検体搬送ユニット3cに搬出する。
【0071】
図6は、測定ユニット41を上側から見た場合の構成を示す模式図である。測定ユニット41は、検体容器搬送部411と、バーコード読取部412と、検体吸引部413と、試料調整部414と、検出部415とを備える。
【0072】
検体容器搬送部411は、ハンド部411aと、検体容器セット部411bとを備えている。ハンド部411aは、検体供給位置に位置付けられた検体容器Tを把持し、検体ラックLから検体容器Tを上方へ抜き出す。抜き出された検体容器Tは、ハンド部411aにより攪拌された後、検体容器セット部411bにセットされる。検体容器セット部411bにセットされた検体容器Tは、バーコード読取位置において、バーコード読取部412によって検体容器Tに貼付されたバーコードラベルBL1が読み取られる。しかる後、検体容器Tは、検体容器セット部411bが後方へ移動されることにより、検体吸引部413の真下の検体吸引位置に位置付けられる。検体吸引部413は、検体吸引位置に位置付けられている検体容器T内の検体を吸引する。その後、検体容器Tは元の経路に沿って戻されて、元の検体ラックLの保持位置に戻される。
【0073】
試料調整部414は、複数の反応チャンバを備えている。試料調整部414は、試薬容器414a〜414cに接続されており、試薬容器414aの染色試薬と、試薬容器414bの溶血剤と、試薬容器414cの希釈液とを反応チャンバに供給することができる。また、試料調整部414は、検体吸引部413とも接続されており、検体吸引部413により吸引された血液検体を反応チャンバに供給することができる。さらに、試料調整部414は、反応チャンバ内で検体と試薬とを混合攪拌し、検出部415による測定用の試料を調製する。
【0074】
検出部415は、試薬調製部414により調製された試料を測定する。かかる測定により得られた測定データは、情報処理ユニット42により解析処理が行われる。
【0075】
図7は、検体搬送ユニット3と、測定ユニット41と、情報処理ユニット42と、搬送コントローラ7の回路構成の概要を示す図である。なお、同図には、便宜上、検体搬送ユニット3と測定ユニット41がそれぞれ1つのみ示されているが、他の検体搬送ユニット3と測定ユニット41も同様に構成される。
【0076】
検体搬送ユニット3は、通信部301、305と、制御部302と、センサ部303、306と、駆動部304、307とを備える。なお、駆動部307は、検体ラックLが図3の分析前ラック保持部310に押し込まれてから分析後ラック保持部330に押し出すまでの区間において、検体ラックLの搬送を行う。この区間にあるセンサはセンサ部306に含まれ、これらセンサの出力は、情報処理ユニット42に供給される。また、駆動部304は、駆動部307による搬送区間以外の区間において、検体ラックLの搬送を行う。この区間にあるセンサはセンサ部303に含まれ、これらセンサの出力は、搬送コントローラ7に供給される。
【0077】
通信部301は、搬送コントローラ7と情報処理ユニット42との間で、データ通信を行う。制御部302は、CPU302aと記憶部302bを備える。CPU302aは、記憶部302bに記憶されているコンピュータプログラムを実行するとともに、搬送コントローラ7の制御部702aに従って駆動部304を制御する。記憶部302bは、ROM、RAM等の記憶手段を備える。
【0078】
センサ部303は、上述のセンサ342a,342b,352a,352b,332a及び332bを含んでおり、センサ部303の検出信号は、制御部302に出力される。駆動部304は、上述のラック押出し機構343と、ラック送込機構333と、ベルト341a、341b、351と、仕切り部360を昇降させる昇降機構と、これら各機構をそれぞれ駆動するステッピングモータを含んでいる。
【0079】
通信部305は、情報処理ユニット42との間で、データ通信を行う。センサ部306は、上述のセンサ312a、312b、検体容器センサ322を含んでおり、センサ部306の検出信号は、通信部305を介して、情報処理ユニット42に送信される。駆動部307は、ラック押出し機構323と、ラック送込機構313と、ベルト321a、321bと、これら各機構をそれぞれ駆動するステッピングモータを含んでいる。駆動部307の各部は、情報処理ユニット42の制御部422により直接制御される。
【0080】
なお、センサ部306のうち、センサ312a、312bの検出信号が情報処理ユニット42に送信されると、情報処理ユニット42は、対応する検体搬送ユニット3の通信部301を介して、制御部302に検出信号を送信する。これにより、搬送コントローラ7のCPU702aによって、各検体搬送ユニット3に対してセンサ312a、312bによる検出の有無の問い合わせが行われると、各検体搬送ユニット3の制御部302は、情報処理ユニット42から送信された検出信号に基づき、搬送コントローラ7にセンサ312a、312bによる検出の有無を送信する。
【0081】
測定ユニット41は、通信部410と、検体容器搬送部411と、バーコード読取部412と、検体吸引部413と、試料調整部414と、検出部415とを備える。測定ユニット41の各部は、情報処理ユニット42の制御部422により直接制御される。
【0082】
情報処理ユニット42は、通信部421と制御部422を備える。この他、情報処理ユニット42は、映像出力を行うためのインターフェースや、キーボード等からの入力を行うためのインターフェース、CDドライブ又はDVDドライブ等の読出し装置を備えるが、ここでは、その説明を省略する。
【0083】
通信部421は、検体搬送ユニット3の通信部301、305と、測定ユニット41の通信部410との間でデータ通信を行う。制御部422は、CPU422aと記憶部422bを備える。CPU422aは、記憶部422bに記憶されているコンピュータプログラムを実行する。記憶部422bは、ROM、RAM、ハードディスク等の記憶手段を備える。
【0084】
CPU422aは、測定ユニット41から受信した測定結果(粒子データ)に基づいて血液分析を行い、分析結果を、表示部に表示する。また、CPU422aは、検体搬送ユニット3を介して、分析結果を搬送コントローラ7に送信する。
【0085】
検体搬送ユニット5は、検体搬送ユニット3とほぼ同様の構成であるが一部が異なる。すなわち、検体搬送ユニット5には検体搬送ユニット3における通信部305が含まれず、検体搬送ユニット5の制御部は、検体搬送ユニット3におけるセンサ部306及び駆動部307を直接制御する。
【0086】
回転ユニット6は、通信部61と、制御部62と、センサ部63と、駆動部64と、を備える。なお、回転ユニット6には操作盤PNが備えられていない。回転ユニット6におけるラックの搬送ミスによるエラーへの対処方法については後述する。
【0087】
通信部61は、搬送コントローラ7との間で、データ通信を行う。制御部62は搬送コントローラ7の制御部702aに従って駆動部64を制御する。記憶部62bは、ROM、RAM等の記憶手段を備える。
【0088】
センサ部63は、上述のセンサ631,632,633,634,636a,636b,637a及び637bを含んでおり、センサ部63の検出信号は、制御部62に出力される。駆動部64は、回転テーブル641と、ベルト642及び643と、ストッパー651及び652と、これら各機構をそれぞれ駆動するステッピングモータを含んでいる。
【0089】
搬送コントローラ7は、通信部701と、制御部702とを備える。この他、搬送コントローラ7は、映像出力を行うためのインターフェースや、キーボード等からの入力を行うためのインターフェース、CDドライブ又はDVDドライブ等の読出し装置を備える。
【0090】
通信部701は、検体投入ユニット22と、検体送出ユニット23と、検体搬送ユニット3と、検体搬送ユニット5との間で、データ通信を行う。制御部702は、CPU702aと、記憶部702bを備える。CPU702aは、記憶部702bに記憶されているコンピュータプログラムを実行する。記憶部702bは、ROM、RAM、ハードディスク等の記憶手段を備える。CPU702aは、コンピュータプログラムに従って、検体投入ユニット22と、検体送出ユニット23と、検体搬送ユニット3と、検体搬送ユニット5と、を駆動制御する。
【0091】
また、CPU702aは、検体投入ユニット22のセンサ部225と検体送出ユニット23のセンサ部241からの検出信号に基づいて、検体投入ユニット22の駆動部226と検体送出ユニット23の駆動部242を制御する。CPU702aは、検体搬送ユニット3のセンサ部303からの検出信号に基づいて、検体搬送ユニット3の駆動部304を制御する。CPU702aは、検体搬送ユニット3を介して情報処理ユニット42から受信した検体の分析結果に基づいて、塗沫標本の作製の要否を判定する。
【0092】
以下、図8及び図9に示すフローチャートを参照しつつ、搬送ミスによるエラーが発生した場合の検体ラック搬送システム100の動作について説明する。なお、本実施形態において、搬送ミスとは、検体搬送ユニット3のラック搬送部340,350又は回転ユニット6ラック搬送部642,643において、検体ラックLが引っかかったり詰まったりして、検体ラックLの搬送がストップしてしまうことを指す。
【0093】
図8は、検体搬送ユニット3cにおいて検体ラックLの搬送ミスによるエラーが発生した場合の、検体搬送ユニット3c及び搬送コントローラ7の動作を示すフローチャートである。以下、フローチャートを参照しつつ、検体搬送ユニット3cにおいてエラーが発生した場合について説明する。
【0094】
まず、検体搬送ユニット3cのCPU302aは、検体搬送ユニット3cにおいて搬送ミスによるエラーを検知したか否かを判定する(S101)。
【0095】
ここで、CPU302aの搬送ミスによるエラーの検知について説明する。検体搬送ユニット3cには、センサ342a,342b,352a及び352bが備えられている。CPU302aは、これらのセンサの検知結果に基づき、搬送ミスによるエラーを検知する。
【0096】
例えば、搬送ラインL2に沿って検体ラックLを搬送する場合、CPU302aは、センサ342aによって検体ラックLが検知された後、所定時間内にセンサ342bにより検体ラックLが検知されなかった場合、CPU302aは、ラック搬送部340において検体ラックLが正しく搬送されていない、すなわち検体ラックLの搬送ミスによるエラーが発生しているものと判定する。
【0097】
また、搬送ラインL3に沿って検体ラックLを搬送する場合、CPU302aは、センサ352aによって検体ラックLが検知された後、所定時間内にセンサ352bにより検体ラックLが検知されなかった場合、CPU302aは、ラック搬送部350において検体ラックLが正しく搬送されていない、すなわち検体ラックLの搬送ミスによるエラーが発生しているものと判定する。
【0098】
CPU302aは、エラーを検知すると(S101:YES)、エラーの生じた検体搬送ユニット3cにおける検体ラックLの搬送動作を停止させ(S102)、アラームを鳴動させ(S103)、回転灯PLを点灯させる(S104)。このとき、CPU302aは、状態表示部PN4のLED1を赤色点灯させる。
【0099】
次いで、CPU302aは、搬送ミスによるエラーが発生したことを示す異常情報を搬送コントローラ7に送信する(S105)。
【0100】
搬送コントローラ7のCPU702aは、異常情報を受信したか否かを判定し(S201)、異常情報を受信したと判定した場合(S201:YES)、異常が発生したことを示すエラー画面を表示する(S202)。エラー画面には、少なくともエラーが発生したユニットを示す情報と、エラーを解消するための方法が表示される。次いで、CPU702aは、エラーの生じた検体搬送ユニット3cの上流側に接続された検体搬送ユニット3bに、搬出停止指示を送信する(S203)。搬出停止指示を受信した検体搬送ユニット3bは、検体搬送ユニット3cへの検体ラックLの搬出を停止させる。
【0101】
一方、CPU302aは、アラームリセットキーPN2がユーザにより押下されたか否かを判定する(S106)。CPU302aは、アラームリセットキーPN2がユーザにより押下されたと判定した場合(S106:YES)、アラームの鳴動を停止させる(S107)。CPU302aは、アラームリセットキーPN2がユーザにより押下されていないと判定した場合(S106:NO)及びS107の処理を実行した後、CPU302aは、スタート/ストップキーPN1がユーザにより押下されたか否かを判定する(S107)。
【0102】
ユーザは、搬送ミスが生じた検体ラックLを検体搬送ユニット3cから取り除き、スタート/ストップキーPN1を押下する。なお、取り除かれた検体ラックLは、ユーザによって検体投入ユニット22に再び投入される。
【0103】
CPU302aは、スタート/ストップキーPN1がユーザにより押下されたと判定した場合(S108:YES)、スタート/ストップキーPN1が押下されたことを示す押下情報を搬送コントローラ7に送信し、検体搬送ユニット3cにおいて復旧確認動作を実行する(S109)。ここでは、ラック搬送部340又は350における原点出し動作が復旧確認動作として行われる。
【0104】
次いで、CPU302aは、復旧確認動作が正常に完了したか否かを判定する(S110)。ここで、CPU302aは、ラック搬送部340又は350において原点出しができたか否か、センサ342a,342b,352a及び352bによって検体ラックLが検知されていないか否かを判定する。CPU302aは、復旧確認動作が正常に完了していないと判定すると(S110:NO)、処理をS103に進める。
【0105】
CPU302aは、復旧確認動作が正常に完了したと判定すると(S110:YES)、回転灯PLを消灯させ(S111)、搬送コントローラ7に復旧確認動作完了情報を送信する(S112)とともに、状態表示部PN4のLED1を緑色点灯させる。これにより、検体搬送ユニット3cは、搬送コントローラ7の指示に基づいて、検体ラックLの搬送動作を実行可能な状態となる。
【0106】
一方、搬送コントローラ7のCPU702aは、復旧確認動作完了情報を受信したか否かを判定し(S204)、復旧確認動作完了情報を受信したと判定した場合(S204:YES)、エラー画面を解除し(S205)、検体ラック搬送システム100全体に再開指示を送信する(S206)。再開指示を受信した検体搬送ユニット3bは、停止していた検体ラックLの搬出を再開させ、検体搬送ユニット3cは、検体搬送ユニット3bから搬出される検体ラックLの受け入れを行う。
【0107】
以上、検体搬送ユニット3cにおいてエラーが発生した場合の検体搬送ユニット3cと搬送コントローラ7の動作を例に挙げて説明したが、検体搬送ユニット3a,3b,5にエラーが発生した場合についても上記と同様の動作を実行可能である。すなわち、本実施形態においては、検体搬送ユニット3a,3b又は5にエラーが発生した場合に、エラーが発生した検体搬送ユニット3a,3b又は5と、搬送コントローラ7が上記と同様の動作を実行可能である。
【0108】
図9は、回転ユニット6において検体ラックLの搬送ミスによるエラーが発生した場合の、回転ユニット6、回転ユニット6の上流側に接続された検体搬送ユニット3c及び搬送コントローラ7の動作を示すフローチャートである。以下、図9に示すフローチャートを参照しつつ、回転ユニット6においてエラーが発生した場合の動作を例に挙げて説明する。
【0109】
まず、回転ユニット6のCPU62aは、検体ラックLの搬送ミスによるエラーを検知したか否かを判定する(S301)。以下、CPU62aによる搬送ミスの検知について説明する。
【0110】
例えば、搬送ラインL2に沿って検体ラックLを搬送する場合、CPU62aは、搬送コントローラ7から送信される検体ラックLの受入指示を受信してから所定時間内にセンサ632によって検体ラックLが検知されなかった場合、又は、センサ632によって検体ラックLが検知された後、所定時間内にセンサ631により検体ラックLが検知されなかった場合、CPU302aは、検体ラックLの搬送ミスが発生したことを検知する。この場合、CPU302aは、ラック搬送部642において検体ラックLが正しく搬送されていない、すなわち検体ラックの搬送ミスによるエラーが発生していると判定する。
【0111】
また、搬送ラインL3に沿って検体ラックLを搬送する場合、CPU62aは、搬送コントローラ7から受入指示を受信してから所定時間内にセンサ634によって検体ラックLが検知されなかった場合、又は、センサ634によって検体ラックLが検知された後、所定時間内にセンサ635により検体ラックLが検知されなかった場合、CPU302aは、検体ラックLの搬送ミスが発生したことを検知する。この場合、CPU302aは、ラック搬送部643において検体ラックLが正しく搬送されていない、すなわち検体ラックの搬送ミスによるエラーが発生していると判定する。
【0112】
CPU62aは、エラーを検知すると(S301:YES)、エラーが生じた回転ユニット6における検体ラックLの搬送動作を停止させ(S302)、異常情報を搬送コントローラ7に送信する(S303)。
【0113】
搬送コントローラ7のCPU702aは、異常情報を受信したか否かを判定し(S401)、異常情報を受信したと判定すると(S401:YES)、エラー画面を表示し(S402)、異常通知指示を回転ユニット6の上流側に接続された検体搬送ユニット3cに送信する(S403)。
【0114】
検体搬送ユニット3cのCPU302aは、異常通知指示を受信したか否かを判定し(S501)、受信したと判定した場合(S501:YES)、回転ユニット6への検体ラックの搬出を待機させるとともに、アラームを鳴動させ(S502)、回転灯PLを点灯させる(S503)。また、このときCPU302aは、状態表示部PN5のLED5を点灯させる。これにより、ユーザは、検体搬送ユニット3cの下流に接続された回転ユニット6においてエラーが発生したことがわかる。
【0115】
次いで、CPU302aは、アラームリセットキーPN2がユーザにより押下されたか否かを判定CPU302aは、アラームリセットキーPN2がユーザにより押下されたと判定した場合(S504:YES)、アラームの鳴動を停止させる(S505)。CPU302aは、アラームリセットキーPN2がユーザにより押下されていないと判定した場合(S504:NO)及びS505の処理を実行した後、スタート/ストップキーPN1がユーザにより押下されたか否かを判定する(S506)。
【0116】
ユーザは、搬送ミスが生じた検体ラックLを回転ユニット6から取り除き、スタート/ストップキーPN1を押下する。なお、取り除かれた検体ラックLは、ユーザによって検体投入ユニット22に再び投入される。
【0117】
CPU302aはスタート/ストップキーPN1がユーザにより押下されたと判定した場合(S506:YES)、押下情報を送信し(S507)、検体搬送ユニット3において復旧確認動作を実行する(S508)。CPU302aは、復旧確認動作が正常に完了すると、復旧確認動作完了情報を搬送コントローラ7に送信する(S509)。
【0118】
一方、搬送コントローラ7のCPU702aは、押下情報を受信したか否かを判定し(S404)、受信したと判定した場合(S404:YES)、復旧確認動作開始指示を回転ユニット6に送信する(S405)。
【0119】
一方、回転ユニット6のCPU62aは、復旧確認動作開始指示を受信したか否かを判定し(S304)、受信したと判定した場合(S304:YES)、回転ユニット6において復旧確認動作を実行する。ここでは、ラック搬送部642,623の原点出し動作が復旧確認動作として実行される。
【0120】
次いで、CPU62aは、復旧確認動作が正常に完了したか否かを判定する(S306)。ここで、CPU62aは、ラック搬送部642又は643において原点出しができたか否か、センサ631,632,634又は635により検体ラックLが検知されていないか否かを判定する。CPU62aは、復旧確認動作が正常に完了していないと判定した場合(S306:NO)、処理をS303に進める。CPU62aは、復旧確認動作が正常に完了したと判定すると(S306:YES)、復旧確認動作完了情報を搬送コントローラ7に送信する(S307)
【0121】
一方、搬送コントローラ7のCPU702aは、検体搬送ユニット3c及び回転ユニット6の双方から復旧確認動作完了情報を受信したか否かを判定し(S406)、受信したと判定した場合(S406:YES)、エラー画面を解除し(S407)、検体搬送ユニット3cに回転灯消灯指示を送信するとともに(S408)、再開信号を検体ラック搬送システム100全体に送信する(S409)。再開信号を受信すると、検体搬送ユニット3cは停止していた検体ラックLの搬出を再開させ、回転ユニット6は検体ラックLの受け入れ動作を実行する。
【0122】
一方、検体搬送ユニット3cのCPU302aは、回転灯消灯指示を受信したか否かを判定し(S510)、受信したと判定した場合、回転灯PLを消灯させる(S511)とともに、状態表示部PN5のLED5を消灯させる。
【0123】
以上、回転ユニット6においてエラーが発生した場合の回転ユニット6、検体搬送ユニット3c及び搬送コントローラ7の動作を例に挙げて説明したが、検体搬送ユニット3a,3b,3c,5にエラーが発生した場合にも上記と同様の動作を実行可能である。すなわち、本実施形態においては、いずれかの検体搬送ユニットにエラーが発生した場合に、エラーが発生した検体搬送ユニットと、エラーが発生した検体搬送ユニットの上流側に接続された検体搬送ユニットと、搬送コントローラ7が上記と同様の動作を実行可能である。
【0124】
上述したように、本実施形態にかかる検体ラック搬送システム100では、ユーザは、アラーム及び回転灯PLによっていずれのユニットにおいてエラーが生じたかを認識することができる。また、本実施形態にかかる検体ラック搬送システム100では、検体搬送ユニット3a,3b,3c,5及び回転ユニット6のいずれかでエラーが発生した場合、ユーザは、搬送ミスが生じた検体ラックLを取り除き、いずれかの検体搬送ユニットが備えるスタート/ストップキーPN1を押下することで、搬送コントローラ7に異常解消を通知し、検体ラックの搬送動作を再開させることができる。このとき、ユーザは、エラーが発生しているユニットのスタート/ストップキーPN1を押下してもよいし、エラーが発生していないユニットのスタート/ストップキーPN1を押下してもよい。したがって、本実施形態にかかる検体ラック搬送システム100によれば、エラーを確認してから動作を再開させるまでのユーザの動線を短くすることができる
【0125】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態はこれらに限定されるものではない。
【0126】
例えば、上記実施形態では、検体処理システムの例として、血球分析装置を複数備える血球分析システムを挙げたが本発明はこれに限らない。例えば検体分析システムは、複数の血液凝固分析装置を備える凝固分析システムであってもよいし、複数の生化学分析装置を備える生化学分析システムであってもよいし、複数の免疫分析装置を備える免疫分析システムであってもよい。また、検体分析システムは尿定性分析装置及び尿中有形成分分析を備える尿分析システムであってもよい
【0127】
また、上記実施形態において、スタート/ストップキーPN1が押下されると搬送動作の再開信号が検体ラック搬送システム100全体に送信されるようにしてもよい。この場合、搬送コントローラ7は検体搬送ユニット3a,3b,3c,5及び回転ユニット6の状態を監視し、エラーが解消されるまで検体搬送ユニット3a,3b,3c,5におけるスタート/ストップキーPN1の操作を無効にするよう構成されていてもよい。
【0128】
また、上記実施形態において、CPU702aは、上流側のユニットに搬出停止指示を送信しているが、本発明はこれに限らず、下流側のユニットに搬出停止指示を送信してもよい。この場合、ユニットは、搬送ラインL3に沿った検体ラックLの搬出動作を停止する。この場合下流側のユニットは再開指示を受信すると停止していた検体ラックLの搬出動作を再開させるようにしてもよい。
【0129】
なお、隣接する検体搬送ユニット間で検体ラックLの搬送ミスによるエラーが発生した場合、上流側又は下流側の検体搬送ユニットのどちらか一方のみがアラームを鳴動させるとともに回転灯PLを点灯させるようにしてもよい。例えば検体搬送ユニット3aと検体搬送ユニット3bの間で検体ラックLの搬送ミスによるエラーが発生した場合、検体搬送ユニット3a又は検体搬送ユニット3bのどちらか一方のみがアラームを鳴動させるとともに回転灯PLを点灯させるようにしてもよい。
【0130】
また、上記実施形態の図9に示すフローチャートにおいて、CPU302aは、スタート/ストップキーPN1がユーザにより押下されると、押下情報を送信し、スタート/ストップキーPN1が押下された検体搬送ユニット3a,3b,3c又は5において復旧確認動作を実行し、復旧確認動作が正常に完了すると、復旧確認動作完了情報を搬送コントローラ7に送信している。しかし、本発明はこれに限らない。CPU302aは、スタート/ストップキーPN1が押下された検体搬送ユニット3a,3b,3c又は5にエラーが発生していない場合には、復旧確認動作を実行しなくてもよい。
【0131】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0132】
1 … 検体分析システム
100 … 検体ラック搬送システム
3a,3b,3c,5 … 検体搬送ユニット6 … 回転ユニット
7 … 搬送コントローラ
L … 検体ラック
T … 検体容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体ラックを搬送する複数の搬送装置が連結され、複数の検体処理装置に検体ラックを供給可能であり、各搬送装置と通信することで各搬送装置の状態情報を取得可能な制御装置を備える検体ラック搬送システムであって、
複数の搬送装置のうちの少なくとも1つが、搬送再開に関する信号を制御装置に送信するための送信スイッチを備えており、
制御装置は、一の搬送装置に異常が発生して検体ラックの搬送が停止した場合において、一の搬送装置と異なる他の搬送装置の送信スイッチ操作により搬送再開に関する信号を受信すると、一の搬送装置の状態情報に基づき、異常が解消されている場合には検体ラックの搬送を再開させる検体ラック搬送システム。
【請求項2】
送信スイッチを備える搬送装置は、スイッチが操作者によって操作されると搬送再開に関する信号を制御装置に送信する請求項1に記載の検体ラック搬送システム。
【請求項3】
搬送再開に関する信号は、復旧確認動作の開始指示である請求項1又は2に記載の検体ラック搬送システム。
【請求項4】
搬送再開に関する信号は、異常の発生により停止した搬送動作の再開指示である請求項1又は2に記載の検体ラック搬送システム。
【請求項5】
送信スイッチを備える搬送装置は、アラームを鳴動させることで異常発生を通知する請求項1ないし4のいずれか一項に記載の検体ラック搬送システム。
【請求項6】
送信スイッチを備える搬送装置は、停止スイッチを備え、停止スイッチが操作者によって操作されるとアラームの鳴動を停止させる請求項5に記載の検体ラック搬送システム。
【請求項7】
複数の搬送装置のうち少なくとも1つは回転灯を備え、回転灯を点灯させることで異常発生を通知する請求項1ないし6のいずれかに記載の検体ラック搬送システム。
【請求項8】
搬送装置は、異常が発生すると回転灯を点灯させ、異常から復帰したときの復帰動作が完了すると回転灯を消灯させる請求項7に記載の検体ラック搬送システム。
【請求項9】
制御装置は、いずれかの搬送装置に異常が発生した場合、異常が発生した搬送装置を示す異常画面を表示する請求項1ないし8のいずれか一項に記載の検体ラック搬送システム。
【請求項10】
複数の搬送装置のうちの少なくとも1つは、送信スイッチを備えない請求項1ないし9のいずれか一項に記載の検体ラック搬送システム。
【請求項11】
送信スイッチを備えない第一の搬送装置の上流側に送信スイッチを備える第二の搬送装置が連結されており、
第一の搬送装置において異常が発生した場合、制御装置は、第二の搬送装置を、第一の搬送装置に検体ラックを搬送しないよう制御するとともに、第二の搬送装置のアラームを鳴動させ、回転灯を点灯させるよう制御する請求項10に記載の検体ラック搬送システム。
【請求項12】
制御装置は、第一の搬送装置の異常からの復帰を確認すると、回転灯を消灯させるよう第二の搬送装置を制御する請求項11に記載の検体ラック搬送システム。
【請求項13】
送信スイッチを備えない搬送装置は、検体ラックを水平回転させることで、当該検体ラックの進行方向を、当該進行方向と直交する方向に変化させるラック回転装置である請求項10ないし12のいずれか一項に記載の検体ラック搬送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−209219(P2011−209219A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−79196(P2010−79196)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】