説明

検体処理システムおよび検体搬送ユニット

【課題】配線作業を簡略化し、且つ、情報伝達処理を簡素にすることが可能な検体処理システムおよび検体搬送ユニットを提供する。
【解決手段】検体処理システム1は、回収ユニット21と、投入ユニット22と、前処理ユニット23と、搬送ユニット31〜34を備える。これらのユニットは、それぞれ通信部を備え、隣接するユニットの通信部と通信可能に接続されている。また、検体処理システム1は、これらのユニットを制御する搬送コントローラ6を備える。搬送コントローラ6は、前処理ユニット23の通信部232と通信可能に接続されており、これらのユニットの通信部を介して、特定のユニットの制御部と通信可能である。これにより、配線作業を簡略化することができる。また、搬送コントローラ6と特定のユニットの制御部との通信は、他のユニットの制御部を介さずに行われるため、他のユニットの制御部にかかる負荷を抑制することできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体容器内の検体の処理を行う検体処理システムおよび検体容器の搬送を行う検体搬送ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の搬送ユニットを経由して検体容器を搬送し、検体処理を行う検体処理システムが知られている。
【0003】
たとえば、以下の特許文献1には、搬送ラインを複数の搬送ライン区分ユニットで構成し、各搬送ライン区分ユニットと中央制御部とを通信ケーブルにより接続する検体処理システムが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、ラックを搬送するラック投入部および複数の搬送ラインと、複数の搬送ラインに対応する複数の検体処理ユニットと、中央制御部とを備える検体処理システムが開示されている。この検体処理システムでは、ラック投入部が投入制御部を備え、各搬送ラインがそれぞれライン制御部を有する。また、中央制御部と投入制御部との間、および、隣接するライン制御部の間が、通信ケーブルにより接続されている。中央制御部は、どの検体処理ユニットに対して検体ラックを立ち寄らせるかを示す立寄り情報を生成する。中央制御部は、生成した立寄り情報を投入制御部に伝達する。投入制御部は、ラックの搬送と共に、下流側に隣接するライン制御部に立寄り情報を伝達する。立寄り情報を受け取ったライン制御部は、立寄り情報に基づいてラックを対応する検体処理ユニットに立寄らせるか否かを判断する。ラックを検体処理ユニットに立寄らせない場合、立寄り情報がラックと共に次のライン制御部に伝達される。次のライン制御部も、これと同様の処理を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−304808号公報
【特許文献2】特開2000−55924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の検体処理システムでは、各搬送ライン区分ユニットと中央制御部とが通信ケーブルで接続されているので、中央制御部から離れるに従って長い通信ケーブルを使用する必要があり、配線作業が複雑になるおそれがある。
【0007】
また、上記特許文献2に記載の検体処理システムでは、中央制御部から送信された情報は、投入制御部およびライン制御部を介して下流側のライン制御部に伝達されるため、中央制御部は、他の制御部を介さずに特定のライン制御部と通信を行うことができない。そのため、システム内での情報伝達処理が複雑になり、投入制御部や各ライン制御部にかかる負荷が増大するといった問題がある。
【0008】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、配線作業を簡略化し、且つ、情報伝達処理を簡素にすることが可能な検体処理システムおよび検体搬送ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様は、複数の搬送ユニットと、各搬送ユニットを制御する搬送制御装置とを備え、前記複数の搬送ユニットを経由して検体容器を搬送し、検体処理を行う検体処理システムに関する。この態様に係る検体処理システムにおいて、各搬送ユニットは、前記搬送制御装置から送信された搬送制御情報を一のケーブルを介して受け取り、受け取った前記搬送制御情報を他のケーブルを介して他の搬送ユニットへ中継可能な中継器と、前記中継器が前記一のケーブルを介して受け取った前記搬送制御情報に基づいて、当該搬送ユニットの搬送動作を制御する制御部と、を備える。ここで、前記搬送制御装置は、ケーブルを介して所定の搬送ユニットの中継器に接続され、各中継器を介して、特定の搬送ユニットの制御部と通信可能である。
【0010】
本態様に係る検体処理システムによれば、搬送制御装置と各搬送ユニットとをそれぞれケーブルで接続する必要がないので、ケーブルを短くでき、配線作業を簡略化することができる。また、搬送制御装置と特定の搬送ユニットの制御部との通信は、他の搬送ユニットの制御部を介さずに行われる。これにより、他の搬送ユニットの制御部にかかる負荷を抑制することができる。
【0011】
本態様に係る検体処理システムにおいて、前記搬送制御装置に接続されたケーブルは、前記複数の搬送ユニットのうち前記所定の搬送ユニットの中継器にのみ接続されているよう構成され得る。こうすると、さらに配線作業を簡略化することができる。
【0012】
また、本態様に係る検体処理システムにおいて、前記搬送制御情報は、前記特定の搬送ユニットを送信先として示す送信先情報を含み、各中継器は、前記搬送制御情報に含まれる送信先情報に応じて、前記搬送制御情報を中継するよう構成され得る。こうすると、送信先情報に応じて搬送制御情報が中継されるため、搬送制御装置や搬送ユニットの配置が変更された場合であっても、搬送制御装置と特定の搬送ユニットの制御部との間で通信可能となる。
【0013】
この場合に、各搬送ユニット内の前記中継器と前記制御部は通信可能に接続され、前記送信先情報により示される送信先に対応する搬送ユニットの前記中継器は、当該搬送ユニット内の前記制御部に前記搬送制御情報を転送するよう構成され得る。
【0014】
また、本態様に係る検体処理システムにおいて、各搬送ユニット内の前記制御部は、他の搬送ユニット内の前記制御部とは搬送制御に関する通信を行わないように構成されている。こうすると、各搬送ユニット内の制御部にかかる負荷をより一層抑制することができる。
【0015】
また、本態様に係る検体処理システムにおいて、前記中継器は、前記搬送制御情報を中継するスイッチングハブであるよう構成され得る。こうすると、スイッチングハブにより送信先の搬送ユニットの制御部に搬送制御情報が中継されるため、搬送制御装置から特定の搬送ユニットの制御部に容易に搬送制御情報を伝達することができる。
【0016】
この場合に、各搬送ユニット内の前記スイッチングハブは、当該スイッチングハブが前記一のケーブルを介して受け取った前記搬送制御情報を、当該搬送ユニット内の前記制御部に転送するための内部接続用ポートを備えるよう構成され得る。こうすると、スイッチングハブにより搬送制御情報を搬送ユニット内の制御部に容易に伝達することができる。
【0017】
また、この場合に、前記スイッチングハブは、他の内部接続用ポートをさらに備えるよう構成され得る。こうすると、たとえば、搬送制御装置以外の制御装置とも搬送ユニットが通信を行う場合に、複数の制御装置にそれぞれ対応するポートをスイッチングハブに設定することで、各制御装置との通信を切り分けることができる。そのため、通信衝突によ
る通信時間の増加、通信エラーの発生等を抑制することができる。
【0018】
また、本態様に係る検体処理システムにおいて、前記複数の搬送ユニットの少なくとも一つは、検体容器内の検体の処理を行う検体処理ユニットに検体容器を搬送する処理搬送ユニットであるよう構成され得る。
【0019】
また、本態様に係る検体処理システムにおいて、前記複数の搬送ユニットの少なくとも一つは、ユーザにより検体容器が載置される載置部と、当該載置部に載置された検体容器を搬送する搬送機構とを備えた容器投入ユニットであるよう構成され得る。
【0020】
また、本態様に係る検体処理システムにおいて、前記複数の搬送ユニットの少なくとも一つは、検体処理が行われた検体容器を回収するための容器回収ユニットであるよう構成され得る。
【0021】
本発明の第2の態様は、搬送制御装置から送信された搬送制御情報に基づいて検体容器の搬送を行う検体搬送ユニットに関する。この態様に係る検体搬送ユニットは、前記搬送制御装置から送信された搬送制御情報を一のケーブルを介して受け取り、受け取った前記搬送制御情報を他のケーブルへ中継可能な中継器と、前記中継器により前記一のケーブルを介して受け取られた前記搬送制御情報が、当該検体搬送ユニットに対する搬送制御情報である場合には、その搬送制御情報に基づいて、当該検体搬送ユニットの搬送動作を制御する制御部と、を備える。
【0022】
本態様に係る検体搬送ユニットによれば、上記第1の態様と同様の効果が奏され得る。
【0023】
本態様に係る検体搬送ユニットにおいて、前記搬送制御情報は、前記特定の搬送ユニットを送信先として示す送信先情報を含み、前記中継器は、前記搬送制御情報を中継するスイッチングハブであるよう構成され得る。こうすると、スイッチングハブにより送信先の搬送ユニットの制御部に搬送制御情報が中継されるため、搬送制御装置から特定の搬送ユニットの制御部に容易に搬送制御情報を伝達することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上のとおり、本発明によれば、配線作業を簡略化し、且つ、情報伝達処理を簡素にすることが可能な検体処理システムおよび検体搬送ユニットを提供することができる。
【0025】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態により何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施の形態に係る検体処理システムを上側から見た場合の構成を模式的に示す平面図である。
【図2】実施の形態に係る検体容器および検体ラックの構成を示す図である。
【図3】実施の形態に係る回収ユニット、投入ユニットおよび前処理ユニットを上側から見た場合の構成を示す平面図である。
【図4】実施の形態に係る搬送ユニットを上側から見た場合の構成を示す平面図である。
【図5】実施の形態に係る回収ユニット、投入ユニット、前処理ユニットおよび搬送コントローラの構成の概要を示す図である。
【図6】実施の形態に係る搬送ユニット、測定ユニットおよび情報処理ユニットの構成の概要を示す図である。
【図7】実施の形態に係る搬送ユニットおよび塗抹標本作製装置の構成の概要を示す図である。
【図8】実施の形態に係る搬出側ユニットによる搬送コントローラとの通信処理、搬送コントローラによる搬出側・搬入側ユニットとの通信処理、および搬入側ユニットによる搬送コントローラとの通信処理を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態に係る検体リレー部による情報処理ユニットと搬送コントローラとの通信処理、情報処理ユニットによる検体リレー部と搬送コントローラとの通信処理、および搬送コントローラによる検体リレー部と情報処理ユニットとの通信処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本実施の形態は、血液に関する検査および分析を行うための検体処理システムに本発明を適用したものである。本実施の形態に係る検体処理システムは、3台の測定ユニットと、1台の塗抹標本作製装置を備えている。3台の測定ユニットでは、血液分析が並行して行われ、その分析結果に基づき塗抹標本の作製が必要である場合に、塗抹標本作製装置により塗抹標本が作製される。
【0028】
以下、本実施の形態に係る検体処理システムについて、図面を参照して説明する。
【0029】
図1は、検体処理システム1を上側から見た場合の構成を模式的に示す平面図である。本実施の形態に係る検体処理システム1は、回収ユニット21と、投入ユニット22と、前処理ユニット23と、搬送ユニット31〜34と、3台の測定ユニット41と、情報処理ユニット42と、塗抹標本作製装置5と、搬送コントローラ6から構成されている。また、本実施の形態の検体処理システム1は、通信ネットワークを介してホストコンピュータ7と通信可能に接続されている。
【0030】
回収ユニット21と、投入ユニット22と、前処理ユニット23は、検体ラックLの受け渡しが可能となるように、図示の如く、左右に隣接するよう配置されている。また、これらのユニットは、10本の検体容器Tを保持可能な複数の検体ラックLが載置可能となるよう構成されている。
【0031】
図2は、検体容器Tと検体ラックLの構成を示す図である。同図(a)は、検体容器Tの外観を示す斜視図であり、同図(b)は、10本の検体容器Tが保持されている検体ラックLの外観を示す斜視図である。なお、同図(b)には、検体ラックLが投入ユニット22に載置されるときの向き(図1の前後左右)が併せて示されている。
【0032】
図2(a)を参照して、検体容器Tは、透光性を有するガラスまたは合成樹脂により構成された管状容器であり、上端が開口している。内部には患者から採取された血液検体が収容され、上端の開口は蓋部CPにより密封されている。検体容器Tの側面には、バーコードラベルBL1が貼付されている。バーコードラベルBL1には、検体IDを示すバーコードが印刷されている。
【0033】
図2(b)を参照して、検体ラックLには、10本の検体容器Tを垂直状態(立位状態)で並べて保持することが可能となるよう、図示の如く保持位置1〜10に10個の保持部が形成されている。また、検体ラックLの後方の側面には、図示の如く、バーコードラベルBL2が貼付されている。バーコードラベルBL2には、ラックIDを示すバーコードが印刷されている。
【0034】
図1に戻って、回収ユニット21は、後述する回収ラインを通って回収された検体ラックLを収容する。
【0035】
投入ユニット22は、ユーザが投入した検体ラックLを収容し、収容している検体ラックLを前処理ユニット23に搬出する。ユーザは、検体の測定を開始する場合、まず、検体を収容する検体容器Tを検体ラックLにセットし、この検体ラックLを投入ユニット22に載置する。しかる後に、この検体ラックLが下流側(左側)のユニットに順次搬送され、測定が行われる。
【0036】
前処理ユニット23は、バーコードユニットBにより、投入ユニット22から搬出された検体ラックLのラックIDと、検体ラックLの保持位置に対応付けられた検体容器Tの検体IDを読み取る。しかる後、前処理ユニット23は、バーコードユニットBにより読み取られた情報を搬送コントローラ6へ送信し、読み取りが完了した検体ラックLを搬送ユニット31に搬出する。
【0037】
搬送ユニット31〜34は、検体ラックLの受け渡しが可能となるように、図示の如く、左右に隣接するよう配置されている。搬送ユニット31の右端は、検体ラックLの受け渡しが可能となるよう前処理ユニット23に接続されている。搬送ユニット31〜33は、図示の如く、それぞれ、3台の測定ユニット41の前方に配置されており、搬送ユニット34は、図示の如く、塗抹標本作製装置5の前方に配置されている。
【0038】
搬送ユニット31〜33には、図示の如く、それぞれに対応する測定ユニット41に検体ラックLが搬送される場合と搬送されない場合とに分けて、2通りの搬送ラインが設定されている。すなわち、測定ユニット41で測定が行われる場合は、後方のコの字型の矢印で示された“測定ライン”に沿って検体ラックLが搬送される。測定ユニット41で測定が行われず、下流側(左側)で測定または塗抹標本の作製が行われる場合は、当該測定ユニット41をスキップするよう、中段の左向きの矢印で示された“供給ライン”に沿って検体ラックLが搬送される。また、搬送ユニット31〜33には、図示の如く、検体ラックLを回収ユニット21に搬送するための右向きの搬送ラインが設定されている。すなわち、下流側(左側)で測定または塗抹標本の作製が行われる必要がなくなった検体ラックLは、前方の右向きの矢印で示された“回収ライン”に沿って搬送され、回収ユニット21に回収される。
【0039】
なお、搬送ユニット34にも、搬送ユニット31〜33と同様、図示の如く、測定ラインと、供給ラインと、回収ラインとが設定されている。また、搬送ユニット34の測定ライン上の所定の位置には、バーコードユニットDが設置されている。搬送ユニット34は、バーコードユニットDにより検体容器Tの検体IDを読み取る。
【0040】
3台の測定ユニット41は、それぞれ前方に配置された搬送ユニット31〜33の測定ライン上の所定の位置(図中点線矢印)において、検体ラックLから検体容器Tを抜き出して、この検体容器Tに収容された検体を測定する。すなわち、測定ユニット41は、検体ラックLから抜き出した検体容器Tを後方に移動させて、測定ユニット41内に設置されたバーコードユニットCにより、この検体容器Tの検体IDを読み取る。続いて、測定ユニット41は、この検体容器Tに収容されている検体を測定する。測定ユニット41内での測定が完了すると、測定ユニット41は、この検体容器Tを再び元の検体ラックLの保持部に戻す。
【0041】
情報処理ユニット42は、3台の測定ユニット41と通信可能に接続されており、3台の測定ユニット41の動作を制御する。また、情報処理ユニット42は、後述する搬送ユニット31〜33の検体供給部と通信可能に接続されており、かかる検体供給部の動作を制御する。また、情報処理ユニット42は、ホストコンピュータ7と通信ネットワークを介して通信可能に接続されており、測定ユニット41内のバーコードユニットCにより検
体IDが読み取られると、ホストコンピュータ7に測定オーダの問い合わせを行う。しかる後、情報処理ユニット42は、ホストコンピュータ7から受信した測定オーダに基づき、測定ユニット41の測定動作を制御する。また、情報処理ユニット42は、測定ユニット41で行われた測定結果に基づいて分析を行う。
【0042】
塗抹標本作製装置5は、ホストコンピュータ7と通信ネットワークを介して通信可能に接続されており、バーコードユニットDにより読み取られた検体IDを搬送ユニット34から受信すると、ホストコンピュータ7に測定オーダの問い合わせを行う。しかる後、塗抹標本作製装置5は、搬送ユニット34の測定ライン上の所定の位置(図中点線矢印)において、検体容器Tに収容されている検体を吸引して、ホストコンピュータ7から受信した測定オーダに基づき、この検体の塗抹標本を作製する。
【0043】
なお、塗抹標本の作製の要否は、情報処理ユニット42で行われる分析結果に基づいて、搬送コントローラ6によって判定される。搬送コントローラ6により塗抹標本の作製が必要と判定されると、対象となる検体を収容する検体ラックLは、搬送ユニット34の測定ラインに沿って搬送され、塗抹標本作製装置5において塗抹標本の作製が行われる。
【0044】
搬送コントローラ6は、回収ユニット21と、投入ユニット22と、前処理ユニット23と、搬送ユニット31〜34の搬送動作を制御する。また、搬送コントローラ6は、ホストコンピュータ7と通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。搬送コントローラ6は、前処理ユニット23から検体IDを受信すると、ホストコンピュータ7に測定オーダの問い合わせを行う。しかる後、搬送コントローラ6は、ホストコンピュータ7から受信した測定オーダに基づき、前処理ユニット23から搬出される検体ラックLの搬送先を決定し、検体ラックLが搬送先に搬送されるよう、搬送ユニット31〜34を制御する。
【0045】
ここで、回収ユニット21と、投入ユニット22と、前処理ユニット23と、搬送ユニット31〜34(以下、「搬送ユニット群」という)は、それぞれ、左右に隣接するユニットと通信可能に接続されている。前処理ユニット23は、搬送コントローラ6と通信可能に接続されている。また、搬送ユニット群は、搬送コントローラ6が搬送ユニット群の各ユニットに対して直接的に制御指示を行うことができるよう、通信部を備えている。なお、搬送ユニット群にそれぞれ備えられた通信部については、追って図5〜図7を参照して説明する。
【0046】
図3は、回収ユニット21と、投入ユニット22と、前処理ユニット23を上側からみた場合の構成を示す平面図である。
【0047】
投入ユニット22の搬送路22a上に、検体容器Tを保持する検体ラックLが載置されると、ラック送込機構22bが検体ラックLの前端に係合した状態で後方に移動し、この検体ラックLが搬送路22aの後方位置に送られる。搬送路22aの後方位置の近傍には、検体ラックLが接触したことを検出する接触式のセンサ22cが設置されている。センサ22cにより、ラック送込機構22bによって搬送路22aの後方位置に位置付けられた検体ラックLが検出される。しかる後、この検体ラックLは、ラック搬出機構22dによって検体ラックLの右側面が押されることにより、前処理ユニット23の搬送路23aの後方位置に搬出される。
【0048】
前処理ユニット23の搬送路23aの後方位置の近傍には、図示の如く、反射型のセンサ23bが設置されている。センサ23bにより、投入ユニット22から搬出された検体ラックLが搬送路23aの後方位置に位置付けられたことが検知されると、バーコードユニットBにより、ラックIDと、検体ラックLの保持位置に対応付けられた検体IDが読
み取られる。
【0049】
続いて、バーコードユニットBによる読み取りが終了した検体ラックLは、ラック送込機構23cにより、搬送路23aの後方位置から検体ラックLの前後方向の幅だけ前方に移動した位置に送られる。しかる後、ラック送込機構23dが検体ラックLの後方の側面に係合した状態で前方に移動し、この検体ラックLが搬送路23aの前方位置に送られる。搬送路23aの前方位置に位置付けられた検体ラックLは、ラック搬出機構23eによって検体ラックLの右側面が押されることにより、左方向に移動される。
【0050】
この場合に、検体ラックLが、搬送路23aの前方位置から僅かに左側に移動されて、検体ラックLのバーコードラベルBL2が、バーコードリーダ23fの前方に位置付けられると、バーコードリーダ23fによりラックIDが読み取られる。前処理ユニット23は、バーコードリーダ23fによりラックIDを読み取ると、搬送コントローラ6に、このラックIDを送信する。搬送コントローラ6は、受信したラックIDに基づいて、この検体ラックLの搬送先となる測定ユニット41または塗抹標本作製装置5を決定する。しかる後、この検体ラックLは、ラック搬出機構23eによってさらに左方向に押し出され、搬送ユニット31に搬出される。
【0051】
次に、測定ユニット41または塗抹標本作製装置5から、回収ラインに沿って前処理ユニット23に搬出された検体ラックLは、前処理ユニット23のベルト23gと、投入ユニット22のベルト22eと、回収ユニット21のベルト21cによって、回収ユニット21の前方位置(ベルト21cの右端位置)に位置付けられる。なお、ベルト23g、22e、21cの近傍には、それぞれ、反射型のセンサ23h、22f、21dが設置されている。センサ23h、22f、21dにより、それぞれ、ベルト23g、22e、21c上に位置付けられた検体ラックLが検出される。
【0052】
検体ラックLが回収ユニット21の前方位置に位置付けられると、ラック押出し機構21eにより、回収ユニット21の前方位置から搬送路21a上に押し出される。しかる後、ラック送込機構21bが検体ラックLの前方の側面に係合した状態で後方に移動し、この検体ラックLが搬送路21aの後方位置に送られる。こうして、測定の終了した検体容器Tを保持する検体ラックLは、回収ユニット21の搬送路21a上の後方に順次回収される。
【0053】
図4は、搬送ユニット31〜33を上側から見た場合の構成を示す平面図である。搬送ユニット31〜33は、右テーブル310と、ラック搬送部320と、左テーブル330と、ラック搬送部340、350とを備えている。右テーブル310と、ラック搬送部320と、左テーブル330とにより、図1の測定ラインが構成される。また、ラック搬送部340により図1の供給ラインが構成され、ラック搬送部350により図1の回収ラインが構成される。なお、搬送ユニット31〜33は、同様の構成である。
【0054】
上流側(右側)から搬出された検体ラックLに対する測定が、この搬送ユニットに対応する測定ユニット41で行われない場合、この検体ラックLは、ラック搬送部340のベルト341a、341bにより、ラック搬送部340の右端から左端へと供給ラインに沿って直線的に送られる。ラック搬送部340の左端近傍には、透過型のセンサ344a、344bが設置されている。センサ344a、344bにより、ラック搬送部340の左端位置に位置付けられた検体ラックLが検出される。しかる後、この検体ラックLは、ラック搬送部340のベルト341bによって下流側(左側)の搬送ユニットに搬出される。
【0055】
次に、上流側(右側)から搬出された検体ラックLに対する測定が、この搬送ユニット
に対応する測定ユニット41で行われる場合、この検体ラックLは、ラック搬送部340の右端位置に位置付けられる。すなわち、ベルト341aが駆動された状態で、壁部342aが図示の状態から供給ライン上に僅かに出るよう、ラック押出し機構342が後方に移動される。これにより、上流側から搬出された検体ラックLは壁部342aに当たって停止する。また、ラック搬送部340の右端位置の近傍には、透過型のセンサ343a、343bが設置されている。センサ343a、343bにより、ラック搬送部340の右端位置に位置付けられた検体ラックLが検出される。
【0056】
続いて、ラック押出し機構342がさらに後方に移動することにより、この検体ラックLが右テーブル310の搬送路311の前方位置に押し出される。透過型のセンサ312a、312bにより、搬送路311上の検体ラックLが検出されると、ラック送込機構313が検体ラックLの前端に係合した状態で後方に移動し、検体ラックLが後方に送られる。検体ラックLがラック搬送部320の右端位置まで送られると、ベルト321a、321bが駆動され、検体ラックLが左方向に送られる。なお、ベルト321a、321bは、ステッピングモータ(図示せず)により駆動されるため、ラック搬送部320上の検体ラックLは、ステッピングモータのステップ数ごとに精度良く搬送される。
【0057】
その後、検体ラックLは、接触式の容器センサ322の位置へと移動される。容器センサ322の真下位置を検体ラックLに保持された検体容器Tが通過すると、容器センサ322の接触片が検体容器Tにより屈曲されて、検体容器Tの存在が検出される。
【0058】
容器センサ322による検体容器Tの検出位置から検体容器T2つ分だけ左側の供給位置において、測定ユニット41のハンド部(図示せず)が、検体容器Tを把持して検体ラックLから検体容器Tを取り出す。取り出された検体容器Tは、測定ユニット41内で測定に用いられた後、再び検体ラックLに戻される。検体容器Tが検体ラックLへ戻されるまでの間、検体ラックLの搬送は待機される。
【0059】
こうして、検体ラックLに保持された検体容器Tのうち、この測定ユニット41の測定対象となった全ての検体容器Tの検体の測定等の処理が終了すると、検体ラックLは、ベルト321a、321bによって、ラック搬送部320の左端位置まで送られる。しかる後、検体ラックLは、ラック押出し機構323により、左テーブル330の搬送路331の後方位置に押し出される。透過型のセンサ332a、332bにより、搬送路331上にある検体ラックLが検出されると、ラック送込機構333が検体ラックLの後端に係合した状態で前方に移動する。これにより、検体ラックLが前方に送られる。
【0060】
左テーブル330の前方位置近傍には、透過型のセンサ334a、334bが設置されている。センサ334a、334bにより、左テーブル330の前方位置に位置付けられた検体ラックLが検出される。
【0061】
続いて、左テーブル330の前方にあって、ラック搬送部340と350の間にある仕切り部352が開閉制御され、検体ラックLが、ラック搬送部340の左端位置またはラック搬送部350の左端位置に位置付けられる。
【0062】
検体ラックLに保持されている何れかの検体容器Tについて、下流側にある測定ユニット41または塗抹標本作製装置5において測定等の処理が必要である場合、仕切り部352によりラック搬送部340、350が仕切られた状態で、検体ラックLが、ラック送込機構333によりラック搬送部340の左端位置まで移動される。しかる後、この検体ラックLは、ラック搬送部340のベルト341bによって下流側(左側)の搬送ユニットに搬出される。
【0063】
他方、検体ラックLに保持されている検体容器Tについて、いずれも下流側にある測定ユニット41または塗抹標本作製装置5において測定等の処理が必要でない場合、仕切り部352の上面が、ラック搬送部340のベルト341bの上面と同じ高さまで下げられ、検体ラックLが、ラック送込機構333によりラック搬送部350の左端位置まで移動される。こうして、検体ラックLが、ラック送込機構333によって、左テーブル330からラック搬送部340を前後方向に横切って、ラック搬送部350の左端位置まで移動される。ラック搬送部350の左端位置に位置付けられた検体ラックLは、ラック搬送部350の左端位置近傍に設置された透過型のセンサ353a、353bにより検出される。
【0064】
続いて、この検体ラックLは、ラック搬送部350のベルト351により、ラック搬送部350の左端から右端へと回収ラインに沿って直線的に送られる。ラック搬送部350の右端近傍には、透過型のセンサ354a、354bが設置されている。センサ354a、354bにより、ラック搬送部350の右端位置に位置付けられた検体ラックLが検出される。しかる後、この検体ラックLは、この搬送ユニットの右側に配置されているユニットに搬出され、最終的に回収ユニット21に収容される。
【0065】
図5は、回収ユニット21と、投入ユニット22と、前処理ユニット23と、搬送コントローラ6の構成の概要を示す図である。
【0066】
回収ユニット21は、制御基板211と、通信部212と、駆動部213と、センサ部214を備えている。
【0067】
制御基板211は、制御部211aと、通信端子211b、211cを備えている。制御部211aは、駆動部213とセンサ部214を制御する。通信端子211b、211cは、Ethernet(登録商標)規格に基づく通信インターフェースである。また、通信端子211b、211cは、それぞれ、通信端子211b、211cを識別するための固有の情報(以下、「通信端子情報」という)を有している。制御部211aは、通信端子211b、211cを介して、他の機器とデータ通信を行うことができる。通信端子211bは、通信部212のポート212eとケーブルにより接続されている。
【0068】
通信部212は、ポート212a〜212eと、テーブル212fを備えている。ポート212a〜212eは、それぞれ、Ethernet(登録商標)規格に基づく通信インターフェースである。テーブル212fは、ポート212a〜212eに接続されたケーブルの先に、どのような通信端子が存在するかを記憶している。すなわち、テーブル212fは、ポート212a〜212eに対応づけて、各ポートに接続されたケーブルの先に存在する通信端子の通信端子情報を記憶している。
【0069】
ここで、通信端子間で送受信されるデータには、送信元情報と送信先情報が含まれており、送信元情報と送信先情報には通信端子情報が書き込まれている。通信部212は、ポート212a〜212eにおいてデータを受信すると、データを受信したポートと、このデータに含まれる送信元情報に書き込まれている通信端子情報とを対応付けて、テーブル212fに記憶する。これにより、検体処理ユニット1のレイアウトに応じてテーブル212fが構築される。また、検体処理ユニット1のレイアウトが変更された場合にも、同様に、変更後のレイアウトに応じてテーブル212fが動的に構築される。
【0070】
また、通信部212は、ポート212a〜212eにおいてデータを受信すると、このデータに含まれる送信先情報に書き込まれている通信端子情報を参照する。次に、通信部212は、この通信端子情報がどのポートに接続されたケーブルの先に存在するかを、上記手順で構築されたテーブル212fを参照して決定する。こうして、通信部212は、
受信したデータを、テーブル212fを参照して決定されたポートに中継(送信)する。
【0071】
なお、通信部212として、たとえばスイッチングハブを用いることができる。この場合、通信端子情報としてMACアドレスが用いられ、テーブル212fには、ポート212a〜212eに対応付けて、各ポートに接続されたケーブルの先に存在する通信端子のMACアドレスが記憶される。
【0072】
駆動部213は、図3のラック送込機構21bと、ベルト21cと、ラック押出し機構21eを駆動するための機構を含んでいる。センサ部214は、図3のセンサ21dを含んでおり、センサ部214は、検出信号を制御基板211に出力する。
【0073】
投入ユニット22は、図示の如く、回収ユニット21と同様の構成である。すなわち、投入ユニット22は、制御基板221と、通信部222と、駆動部223と、センサ部224を備えている。制御基板221は、制御部221aと通信端子221b、221cを備えており、通信部222は、ポート222a〜222eとテーブル222fを備えている。センサ部224は、図3のセンサ22c、22fを含んでいる。
【0074】
前処理ユニット23は、図示の如く、回収ユニット21と同様の構成である。すなわち、前処理ユニット23は、制御基板231と、通信部232と、駆動部233と、センサ部234を備えている。制御基板231は、制御部231aと通信端子231b、231cを備えており、通信部232は、ポート232a〜232eとテーブル232fを備えている。センサ部234は、図3のバーコードユニットBと、バーコードリーダ23fと、センサ23b、23hを含んでいる。
【0075】
搬送コントローラ6は、制御部601と、通信部602と、ハードディスク603を備えている。
【0076】
制御部601は、通信部602を介して、前処理ユニット23とホストコンピュータ7と通信を行う。また、制御部601は、ハードディスク603に記憶されている検体ラックLの位置情報と、この検体ラックLの搬送先とに基づいて、搬送ユニット群を制御する。通信部602は、通信端子602a、602bを備えている。通信端子602a、602bは、Ethernet(登録商標)規格に基づいて他の装置とデータ通信を行う通信インターフェースである。通信端子602aは、前処理ユニット23のポート232bと接続されており、通信端子602bは、ホストコンピュータ7と接続されている。
【0077】
ここで、回収ユニット21のポート212cと、投入ユニット22のポート222aが接続されており、投入ユニット22のポート222cと、前処理ユニット23のポート232aが接続されており、前処理ユニット23のポート232cと、搬送ユニット31に含まれる検体リレー部A1のポートA12a(図6参照)が接続されている。
【0078】
これにより、搬送コントローラ6の制御部601は、回収ユニット21の制御部211aと、投入ユニット22の制御部221aと、前処理ユニット23の制御部231aに対して、直接的に通信することができる。すなわち、制御部601は、前処理ユニット23の制御基板231と、投入ユニット22の制御基板221を介することなく、通信部232、222、212を介して、回収ユニット21の制御部211aと直接的に通信することができる。また、制御部601は、前処理ユニット23の制御基板231を介することなく、通信部232、222を介して、投入ユニット22の制御部221aと直接的に通信することができる。また、制御部601は、通信部232を介して、前処理ユニット23の制御部231aと直接的に通信することができる。
【0079】
図6は、搬送ユニット31〜33と、測定ユニット41と、情報処理ユニット42の構成の概要を示す図である。
【0080】
搬送ユニット31は、検体リレー部A1と検体供給部A2に、搬送ユニット32は、検体リレー部B1と検体供給部B2に、搬送ユニット33は、検体リレー部C1と検体供給部C2に、それぞれ区分される。検体リレー部A1、B1、C1は、図4の左テーブル330と、ラック搬送部340、350を含む部分であり、隣り合う2台のユニットのうちの一方から検体ラックLを受け取り、他方のユニットに搬送する。検体供給部A2、B2、C2は、図4の右テーブル310とラック搬送部320を含む部分であり、測定ユニット41による検体の測定のために、検体ラックLを供給位置に搬送する。なお、検体リレー部A1、B1、C1は同様の構成であり、検体供給部A2、B2、C2は同様の構成であるため、以下、搬送ユニット31〜33のうち、搬送ユニット31の検体リレー部A1と検体供給部A2の構成についてのみ説明する。
【0081】
検体リレー部A1は、図示の如く、図5の回収ユニット21と同様の構成である。すなわち、検体リレー部A1は、制御基板A11と、通信部A12と、駆動部A13と、センサ部A14を備えている。制御基板A11は、制御部A11aと、通信端子A11b、A11cを備えており、通信部A12は、ポートA12a〜A12eと、テーブルA12fを備えている。
【0082】
駆動部A13は、図4のラック送込機構333と、ベルト341a、341b、351と、仕切り部352と、ラック押出し機構342を駆動するための機構を含んでいる。センサ部A14は、図4のセンサ332a、332bと、センサ334a、334bと、センサ343a、343bと、センサ344a、344bと、センサ353a、353bと、センサ354a、354bを含んでいる。また、通信端子A11bとポートA12eはケーブルにより接続され、通信端子A11cとポートA12dは、ケーブルにより接続されている。
【0083】
検体供給部A2は、図示しない駆動部とセンサ部を備えている。かかる駆動部は、図4のラック送込機構313と、ベルト321a、321bと、ラック押出し機構323を駆動するための機構を含んでいる。かかるセンサ部は、図4のセンサ312a、312bと容器センサ322を含んでいる。
【0084】
測定ユニット41は、図示しない駆動部とセンサ部を備えている。かかる駆動部は、検体容器Tを測定ユニット41内で搬送し、検体容器Tに収容される検体を測定するための機構を含んでいる。かかるセンサ部は、図1に示したバーコードユニットCの他、測定ユニット41内の検体容器Tを検出するためのセンサを含んでいる。
【0085】
情報処理ユニット42は、制御部421と、通信部422と、接続部423を備えている。
【0086】
制御部421は、通信部422を介して、検体リレー部A1とホストコンピュータ7と通信を行う。また、制御部421は、接続部423を介して、検体供給部A2、B2、C2と3台の測定ユニット41と通信を行い、これらの装置を制御し、これらの装置のセンサ部から出力される信号を受信する。通信部422は、通信端子422a、422bを備えている。通信端子422a、422bは、Ethernet(登録商標)規格に基づいて他の装置とデータ通信を行う通信インターフェースである。通信端子422aは、検体リレー部A1のポートA12bと接続されており、通信端子422bは、ホストコンピュータ7と接続されている。接続部423は、検体供給部A2、B2、C2と、3台の測定ユニット41に対して、USB(Universal Serial Bus)規格に基づいて接続されている。
【0087】
ここで、検体リレー部A1のポートA12aと、前処理ユニット23のポート232cが接続されており、検体リレー部A1のポートA12cと、検体リレー部B1のポートB12aが接続されており、検体リレー部B1のポートB12cと、検体リレー部C1のポートC12aが接続されており、検体リレー部C1のポートC12cと、搬送ユニット34のポート342a(図7参照)が接続されている。
【0088】
これにより、搬送コントローラ6の制御部601は、検体リレー部A1、B1、C1の制御部に対して、直接的に通信することができる。すなわち、制御部601は、前処理ユニット23の制御基板231(図5参照)を介することなく、通信部232(図5参照)、A12を介して、検体リレー部A1の制御部A11aと直接的に通信することができる。また、制御部601は、前処理ユニット23の制御基板231と、検体リレー部A1の制御基板A11を介することなく、通信部232、A12、B12を介して、検体リレー部B1の制御部B11aと直接的に通信することができる。また、制御部601は、前処理ユニット23の制御基板231と、検体リレー部A1の制御基板A11と、検体リレー部B1の制御基板B11を介することなく、通信部232、A12、B12、C12を介して、検体リレー部C1の制御部C11aと直接的に通信することができる。
【0089】
また、情報処理ユニット42の制御部421は、検体リレー部A1、B1、C1の制御部に対して、直接的に通信することができる。すなわち、制御部421は、通信部A12を介して、検体リレー部A1の制御部A11aと直接的に通信することができる。また、制御部421は、検体リレー部A1の制御基板A11を介することなく、通信部A12、B12を介して、検体リレー部B1の制御部B11aと通信することができる。また、制御部421は、検体リレー部A1の制御基板A11と、検体リレー部B1の制御基板B11を介することなく、通信部A12、B12、C12を介して、検体リレー部C1の制御部C11aと通信することができる。
【0090】
なお、情報処理ユニット42による検体リレー部A1、B1、C1との通信に用いられる通信端子と、搬送コントローラ6による搬送ユニット群との通信に用いられる通信端子とは、異なるネットワークに属するように設定されている。たとえば、通信端子422a、A11c、B11c、C11cのネットワークアドレスが、図5の通信端子602a、211b、221b、231bと、図6の通信端子A11b、B11b、C11bと、図7の通信端子341bのネットワークアドレスと、異なるように設定されている。
【0091】
図7は、搬送ユニット34と塗抹標本作製装置5の構成の概要を示す図である。
【0092】
搬送ユニット34は、図示の如く、図5の回収ユニット21に、接続部345が追加された構成となっている。すなわち、搬送ユニット34は、制御基板341と、通信部342と、駆動部343と、センサ部344と、接続部345を備えている。制御基板341は、制御部341aと、通信端子341b、341cを備えており、通信部342は、ポート342a〜342eと、テーブル342fを備えている。
【0093】
駆動部343は、搬送ユニット34上にある検体ラックLを搬送するための機構を含んでいる。センサ部344は、図1のバーコードユニットDの他、搬送ユニット34上にある検体ラックLを検出するためのセンサを含んでいる。また、通信端子341bとポート342eは、ケーブルにより接続されている。
【0094】
接続部345は、塗抹標本作製装置5の接続部502に対して、RS-232C規格に基づい
て接続されている。制御部341aは、接続部345を介して塗抹標本作製装置5に、バーコードユニットDによって読み取られた検体IDと、吸引のための指示を送信する。
【0095】
ここで、搬送ユニット34のポート342aと、検体リレー部C1のポートC12cが接続されている。これにより、搬送コントローラ6の制御部601は、搬送ユニット34の制御部341aに対して、直接的に通信することができる。すなわち、制御部601は、前処理ユニット23の制御基板231(図5参照)と、検体リレー部A1、B1、C1の制御基板(図6参照)を介することなく、通信部232(図5参照)、A12、B12、C12(図6参照)を介して、搬送ユニット34の制御部341aと直接的に通信することができる。
【0096】
塗抹標本作製装置5は、制御基板501と接続部502を備えている。制御基板501は、制御部501aと通信端子501bを備えている。通信端子501bは、Ethernet(登録商標)規格に基づいて他の装置とデータ通信を行う通信インターフェースである。通信端子501bは、ホストコンピュータ7と接続されている。接続部502は、搬送ユニット34の接続部345に対して、RS-232C規格に基づいて接続されている。
【0097】
制御部501aは、接続部502を介して搬送ユニット34から検体IDを受信すると、ホストコンピュータ7に測定オーダの問い合わせを行う。また、制御部501aは、接続部502を介して搬送ユニット34から吸引のための指示を受信すると、搬送ユニット34の測定ライン上の供給位置にある検体容器Tから検体を吸引し、測定オーダに基づいて塗抹標本を作製する。
【0098】
図8(a)〜(c)は、それぞれ、搬出側ユニットによる搬送コントローラ6との通信処理と、搬送コントローラ6による搬出側・搬入側ユニットとの通信処理と、搬入側ユニットによる搬送コントローラ6との通信処理を示すフローチャートである。
【0099】
なお、“搬出側ユニット”と“搬入側ユニット”とは、検体ラックLが左右方向に隣接するユニット間で搬送される場合に、それぞれ上流側のユニットと下流側のユニットを表している。具体的には、投入ユニット22と、前処理ユニット23と、検体リレー部A1、B1、C1と、搬送ユニット34が、搬出側ユニットになり得る。また、回収ユニット21と、投入ユニット22と、前処理ユニット23と、検体リレー部A1、B1、C1と、搬送ユニット34が、搬入側ユニットになり得る。
【0100】
図8(a)を参照して、搬出側ユニットの制御部は、センサにより搬出位置にて検体ラックLを検知すると(S11:YES)、上述したように他のユニットの制御基板を介さずに、直接的に搬送コントローラ6に到着通知を送信する(S12)。
【0101】
ここで、“搬出位置”とは、搬出側ユニットの最も下流側の位置のことである。すなわち、検体ラックLが左方向に搬出される場合には、投入ユニット22の搬送路22aの後方位置と、前処理ユニット23のバーコードリーダ23fの正面の位置と、搬送ユニット31〜33のラック搬送部340の左端位置が、搬出位置となり得る。検体ラックLが回収ラインに沿って右方向に搬出される場合には、投入ユニット22のベルト22e上の位置と、前処理ユニット23のベルト23g上の位置と、搬送ユニット31〜34のラック搬送部350の右端位置が、搬出位置となり得る。
【0102】
同図(b)を参照して、搬送コントローラ6の制御部601は、搬出側ユニットから到着通知を受信すると(S21:YES)、上述したように他のユニットの制御基板を介さずに、直接的に搬入側ユニットの制御部に搬入準備指示を送信する(S22)。かかる搬入準備指示には、検体ラックLの搬送先に基づいて、搬入側ユニットに行わせる動作内容が含まれている。
【0103】
同図(c)を参照して、搬入側ユニットの制御部は、搬送コントローラ6から搬入準備指示を受信すると(S31:YES)、搬入準備指示に基づいて、搬出側ユニットから検体ラックLを受け入れるための準備を行う。搬入側ユニットは、検体ラックLを受け入れるための準備が完了すると、上述したように他のユニットの制御基板を介さずに、直接的に搬送コントローラ6に準備完了通知を送信する(S32)。
【0104】
同図(b)を参照して、搬送コントローラ6の制御部601aは、搬入側ユニットから準備完了通知を受信すると(S23:YES)、他の制御基板を介さずに、搬出側ユニットに、直接的に搬出動作指示を送信する(S24)。
【0105】
同図(a)を参照して、搬出側ユニットの制御部は、搬送コントローラ6から搬出動作指示を受信すると(S13:YES)、搬出位置にある検体ラックLを搬入側ユニットに向けて搬出する(S14)。この検体ラックLの搬出が完了すると、搬出側ユニットの制御部は、他の制御基板を介さずに、直接的に搬送コントローラ6に搬出完了通知を送信し(S15)、同図(a)の処理が終了する。なお、同図(a)の処理が終了すると、搬出側ユニットは次に搬入側ユニットとなり、同図(c)の処理が行われる。
【0106】
同図(c)を参照して、搬入側ユニットの制御部は、センサにより搬出側ユニットから搬出された検体ラックLを搬入位置にて検知すると(S33:YES)、他のユニットの制御基板を介さずに、直接的に搬送コントローラ6に搬入完了通知を送信する(S34)。
【0107】
ここで、“搬入位置”とは、搬入側ユニットの最も上流側の位置のことである。すなわち、検体ラックLが左方向に搬送されている場合には、前処理ユニット23の搬送路23aの後方位置と、搬送ユニット31〜34のラック搬送部340の右端位置が、搬入位置となり得る。検体ラックLが回収ラインに沿って右方向に搬送されている場合には、回収ユニット21のベルト21c上の位置と、投入ユニット22のベルト22e上の位置と、前処理ユニット23のベルト23g上の位置と、搬送ユニット31〜33のラック搬送部350の左端位置が、搬入位置となり得る。
【0108】
続いて、搬入側ユニットの制御部は、搬入した検体ラックLを搬入側ユニット内で搬送して(S35)、同図(c)の処理が終了する。なお、同図(c)の処理が終了すると、搬入側ユニットは次に搬出側ユニットとなり、同図(a)の処理が行われる。
【0109】
同図(b)を参照して、搬送コントローラ6の制御部601は、搬出側ユニットから搬出完了通知を受信すると(S25:YES)、これに基づいてハードディスク603に記憶している検体ラックLの位置情報を更新する。また、制御部601は、搬入側ユニットから搬入完了通知を受信すると(S26:YES)、同様に、検体ラックLの位置情報を更新する。こうして、同図(b)の処理が終了する。
【0110】
図9(a)〜(c)は、検体リレー部による情報処理ユニット42と搬送コントローラ6との通信処理と、情報処理ユニット42による検体リレー部と搬送コントローラ6との通信処理と、搬送コントローラ6による検体リレー部と情報処理ユニット42との通信処理を示すフローチャートである。
【0111】
なお、同図(a)の処理は、A1、B1、C1の何れの検体リレー部においても同様に行われるため、以下、同図(a)の処理を、検体リレー部B1による処理として説明する。また、同図(a)〜(c)に示す処理は、検体リレー部の後方に位置する測定ユニット41が搬送先である場合に実行される。すなわち、図8(c)により、検体ラックLがラック搬送部340に搬入され、この検体ラックLが、ラック押出し機構342の壁部34
2aに当たって、ラック搬送部340の右端位置に位置付けられると、図9(a)の処理が開始される。
【0112】
同図(a)を参照して、検体リレー部B1の制御部B11aは、ラック搬送部340の右端位置にある検体ラックLを、ラック押出し機構342により右テーブル310に押し出す(S41)。検体ラックLが右テーブル310に押し出されると、制御部B11aは、他のユニットの制御基板を介さずに、直接的に情報処理ユニット42と搬送コントローラ6に押出し完了通知を送信する(S42)。すなわち、制御部B11aは、押出し完了通知を、通信部B12、A12を介して、通信端子B11cから情報処理ユニットの通信端子422aに送信する。また、制御部B11aは、搬出完了通知を、通信部B12、A12、232を介して、通信端子B11bから、搬送コントローラ6の通信端子602aに送信する。
【0113】
同図(b)を参照して、情報処理ユニット42の制御部421は、検体リレー部A1から押出し完了通知を受信し、且つ、検体供給部A2のセンサ312a、312bにより、右テーブル310に検体ラックLを検知すると(S51:YES)、測定処理を行う(S52)。すなわち、制御部421は、検体供給部A2の各部を駆動して、右テーブル310に位置付けられたこの検体ラックLをラック搬送部320の供給位置まで搬送する。しかる後、制御部421は、検体供給部A2に対応する測定ユニット41を駆動して、測定対象となっている検体を測定する。
【0114】
続いて、この検体ラックLの測定対象となる全ての検体の測定が終了すると、制御部421は、これらの検体の測定結果に基づいて分析を行い、分析結果を、通信端子422aから、通信部A12のポートA12b、A12dを介して、制御基板A11の通信端子A11cに送信する。検体リレー部A1の制御部A11aは、通信端子A11cにおいて受信した分析結果を、通信端子A11bから、通信部A12のポートA12e、A12aを介して、搬送コントローラ6に送信する。これにより、情報処理ユニット42から搬送コントローラ6に分析結果が送信される(S53)。
【0115】
次に、制御部421は、検体供給部B2の各部を駆動して、ラック搬送部320の左端位置まで検体ラックLを搬送し、検体供給部B2のラック押出し機構323により、この検体ラックLを左テーブル330に押し出す(S54)。検体ラックLが左テーブル330に押し出されると、制御部421は、他のユニットの制御基板を介さずに、直接的に検体リレー部B1に押出し完了通知を送信する(S55)。すなわち、制御部421は、押出し完了通知を、通信部A12、B12を介して、通信端子422aから検体リレー部B1の通信端子B11bに送信する。こうして、同図(b)の処理が終了する。
【0116】
同図(a)を参照して、検体リレー部B1の制御部B11aは、情報処理ユニット42から押出し完了通知を受信し、且つ、検体リレー部B1のセンサ332a、332bにより、左テーブル330に検体ラックLを検知すると(S43:YES)、他のユニットの制御基板を介さずに、直接的に搬送コントローラ6に搬入完了通知を送信する(S44)。続いて、制御部B11aは、この検体ラックLをラック送込機構333により左テーブル330の前方位置まで搬送する(S45)。こうして、同図(a)の処理が終了する。なお、検体ラックLが左テーブル330の前方位置に位置付けられると、検体リレー部B1が搬出側ユニットとなり、図8(a)の処理が実行される。
【0117】
図9(c)を参照して、搬送コントローラ6の制御部601は、検体リレー部A1から押出し完了通知を受信すると(S61:YES)、これに基づいて搬送コントローラ6のハードディスク603に記憶している検体ラックLの位置情報を更新する。また、制御部601は、情報処理ユニット42から分析結果を受信すると(S62:YES)、受信し
た分析結果に基づいて、ラック搬送部320に位置付けられている検体ラックLの搬送先を再決定する(S63)。
【0118】
続いて、制御部601は、検体リレー部B1から搬入完了通知を受信すると(S64:YES)、これに基づいてハードディスク603に記憶している検体ラックLの位置情報を更新する。こうして、同図(c)の処理が終了する。
【0119】
なお、図8(a)に示すように、検体ラックLが搬送ユニット31〜33の左テーブル330の前方位置に位置付けられると、到着通知が搬送コントローラ6に送信される(S12)。搬送コントローラ6は、上述した再決定された検体ラックLの搬送先に基づいて、到着通知を送信した検体リレー部を制御する。
【0120】
すなわち、再決定されたこの検体ラックLの搬送先が、測定ユニット41または塗抹標本作製装置5であるとき、搬送コントローラ6は、図8(b)に示すように、搬入側である下流側(左側)の検体リレー部に搬入準備指示を送信する(S22)。これにより、検体ラックLは、左テーブル330の前方位置からラック搬送部340の左端位置を通って、下流側(左側)の検体リレー部に搬出される。また、再決定されたこの検体ラックLの搬送先が、回収ユニット21であるとき、搬送コントローラ6は、到着通知を送信した検体リレー部に、左テーブル330の前方位置に位置付けられた検体ラックLを、ラック搬送部350の右端位置まで搬送させる。検体ラックLがラック搬送部350の右端位置に位置付けられると、この検体リレー部が搬出側ユニットとなって、図8(a)の処理が改めて開始される。
【0121】
以上、本実施の形態によれば、搬送ユニット群は、それぞれ通信部を備えており、左右に隣接する搬送ユニット群の他のユニットの通信部と通信可能に接続されている。これにより、搬送コントローラ6が搬送ユニット群の各々とケーブルにより接続されている場合に比べて、短いケーブルにより各搬送ユニットの制御部との接続が可能であるため、配線作業を簡略化することができる。
【0122】
また、本実施の形態によれば、搬送コントローラ6と情報処理ユニット42は、搬送ユニット群の各制御部と、他の制御部を介さずに直接的に通信を行うことができる。これにより、搬送ユニット群の各制御部は、搬送ユニット群の他のユニットの制御に関する通信データを受信することがないため、各制御部にかかる負荷が抑制され得る。
【0123】
また、本実施の形態によれば、情報処理ユニット42による検体リレー部A1、B1、C1との通信に用いられる通信端子と、搬送コントローラ6による搬送ユニット群との通信に用いられる通信端子とは、異なるネットワークに属するように設定されている。これにより、情報処理ユニット42による検体リレー部A1、B1、C1との通信と、搬送コントローラ6による搬送ユニット群との通信を切り分けることができるため、通信衝突による通信時間の増加、通信エラーの発生等を抑制することができる。
【0124】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態はこれらに限定されるものではない。
【0125】
たとえば、上記実施の形態では、測定対象として血液を例示したが、尿についても測定対象とされ得る。すなわち、尿を検査する検体処理システムにも本発明を適用することができ、さらに、他の臨床検体を検査する臨床検体処理システムに本発明を適用することもできる。
【0126】
また、上記実施の形態では、図1に示すように、回収ユニット21が投入ユニット22
の右隣りに設置されたが、これに限らず、回収ユニット21が搬送ユニット34の左隣りに設置されるようにしても良い。また、上記実施の形態では、回収ユニット21は、検体処理システム1内に1台だけ設置されたが、これに限らず、複数台の回収ユニットが設置されるようにしても良い。さらに、搬送ユニット群を構成する各ユニットの数および設置場所は、上記以外に適宜変更可能である。
【0127】
なお、このように、検体処理システム1内の搬送ユニット群が、図1に示すレイアウトから追加または変更されるような場合、追加または変更の対象となるユニットの通信部が、当該ユニットの隣のユニットの通信部と接続される。これにより、短いケーブルで隣接するユニットを通信可能に接続することができるため、搬送ユニット群のレイアウトの追加または変更が容易になる。また、搬送ユニット群のレイアウトの追加または変更後においても、上記実施の形態と同様、搬送ユニット群の各ユニットと搬送コントローラ6は、直接的に通信することができる。
【0128】
さらに、通信部212、222、232、A12、B12、C12、342は、搬送ユニット31、32、33、34や、回収ユニット21、投入ユニット22、送出ユニット23に内蔵される他、これらユニットに外付けされても良い。
【0129】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0130】
1 … 検体処理システム
5 … 塗抹標本作製装置
6 … 搬送コントローラ
21 … 回収ユニット
22 … 投入ユニット
23 … 前処理ユニット
41 … 測定ユニット
31、32、33、34 … 搬送ユニット
A1、B1、C1 … 検体リレー部
A2、B2、C2 … 検体供給部
212、222、232、A12、B12、C12、342 … 通信部
211a、221a、231a、A11a、B11a、C11a、341a … 制御部
T … 検体容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の搬送ユニットと、各搬送ユニットを制御する搬送制御装置を備え、前記複数の搬送ユニットを経由して検体容器を搬送し、検体処理を行う検体処理システムであって、
各搬送ユニットは、
前記搬送制御装置から送信された搬送制御情報を一のケーブルを介して受け取り、受け取った前記搬送制御情報を他のケーブルを介して他の搬送ユニットへ中継可能な中継器と、
前記中継器が前記一のケーブルを介して受け取った前記搬送制御情報に基づいて、当該搬送ユニットの搬送動作を制御する制御部と、を備え、
前記搬送制御装置は、ケーブルを介して所定の搬送ユニットの中継器に接続され、各中継器を介して、特定の搬送ユニットの制御部と通信可能である、
ことを特徴とする検体処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の検体処理システムにおいて、
前記搬送制御装置に接続されたケーブルは、前記複数の搬送ユニットのうち前記所定の搬送ユニットの中継器にのみ接続されている、
ことを特徴とする検体処理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の検体処理システムにおいて、
前記搬送制御情報は、前記特定の搬送ユニットを送信先として示す送信先情報を含み、
各中継器は、前記搬送制御情報に含まれる送信先情報に応じて、前記搬送制御情報を中継する、
ことを特徴とする検体処理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の検体処理システムにおいて、
各搬送ユニット内の前記中継器と前記制御部は通信可能に接続され、前記送信先情報により示される送信先に対応する搬送ユニットの前記中継器は、当該搬送ユニット内の前記制御部に前記搬送制御情報を転送する、
ことを特徴とする検体処理システム。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一項に記載の検体処理システムにおいて、
各搬送ユニット内の前記制御部は、他の搬送ユニット内の前記制御部とは搬送制御に関する通信を行わないように構成されている、
ことを特徴とする検体処理システム。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一項に記載の検体処理システムにおいて、
前記中継器は、前記搬送制御情報を中継するスイッチングハブである、
ことを特徴とする検体処理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の検体処理システムにおいて、
各搬送ユニット内の前記スイッチングハブは、当該スイッチングハブが前記一のケーブルを介して受け取った前記搬送制御情報を、当該搬送ユニット内の前記制御部に転送するための内部接続用ポートを備える、
ことを特徴とする検体処理システム。
【請求項8】
請求項7に記載の検体処理システムにおいて、
前記スイッチングハブは、他の内部接続用ポートをさらに備える、
ことを特徴とする検体処理システム。
【請求項9】
請求項1ないし8の何れか一項に記載の検体処理システムにおいて、
前記複数の搬送ユニットの少なくとも一つは、検体容器内の検体の処理を行う検体処理ユニットに検体容器を搬送する処理搬送ユニットである、
ことを特徴とする検体処理システム。
【請求項10】
請求項1ないし9の何れか一項に記載の検体処理システムにおいて、
前記複数の搬送ユニットの少なくとも一つは、ユーザにより検体容器が載置される載置部と、当該載置部に載置された検体容器を搬送する搬送機構とを備えた容器投入ユニットである、
ことを特徴とする検体処理システム。
【請求項11】
請求項1ないし10の何れか一項に記載の検体処理システムにおいて、
前記複数の搬送ユニットの少なくとも一つは、検体処理が行われた検体容器を回収するための容器回収ユニットである、
ことを特徴とする検体処理システム。
【請求項12】
搬送制御装置から送信された搬送制御情報に基づいて検体容器の搬送を行う検体搬送ユニットであって、
前記搬送制御装置から送信された搬送制御情報を一のケーブルを介して受け取り、受け取った前記搬送制御情報を他のケーブルへ中継可能な中継器と、
前記中継器により前記一のケーブルを介して受け取られた前記搬送制御情報が、当該検体搬送ユニットに対する搬送制御情報である場合には、その搬送制御情報に基づいて、当該検体搬送ユニットの搬送動作を制御する制御部と、を備える、
ことを特徴とする検体搬送ユニット。
【請求項13】
請求項12に記載の検体搬送ユニットにおいて、
前記搬送制御情報は、前記特定の搬送ユニットを送信先として示す送信先情報を含み、
前記中継器は、前記搬送制御情報を中継するスイッチングハブである、
ことを特徴とする検体搬送ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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