説明

検体処理システム

【課題】本発明の目的は、RFタグの読み取りにおいて金属体が磁界に与える影響を低減するためRFタグの読み取り窓を最適な形状にして読み取り率の向上と隣接するRFタグの誤読防止をなくす検体処理システムを提供することにある。
【解決手段】本発明の構成は、金属体の切り欠きとしてRFタグの読み取り窓の大きさを最適形状にすることにより隣接するRFタグが金属体で遮蔽されることにより実現できる。これにより、金属体の影響を受けずに磁界が確実にRFタグに到達するため読み取りが可能になる。また、隣接するRFタグについては金属体が磁界を遮蔽するため確実に誤読を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFタグの読み取り窓の構造を最適形状にしてRFタグの誤読防止をする検体処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
検体搬送用の検体容器にRFタグを取り付けて搬送する場合、RFタグとRFリーダとの間に金属体があると磁界が遮られ読み取りができない。そこで、RFタグとRFリーダ間の金属体に読み取り用の窓を開けて読み取りできるようにするが、読み取り用の窓が小さいと金属体に磁界が吸収されRFタグに磁束が届かず読み取りができない。一般的に金属体の影響を受けないように金属体を離すか電磁吸収材などのシートを金属体に貼り付けて影響を受けないようにすることがある。また、同時に読み取り用の窓を大きくすると隣接する検体容器のRFタグも読み取りをしてしまうため誤読などの恐れがありその後の処理に影響をあたえることになり、最適な形状が必要となる。RFタグの読み取りについては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−30855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の技術では、RFタグの読み取り位置についての記載はあるが、読み取りに対する金属体や隣接するRFタグへの影響については記載されていない。本発明の目的はRFタグとRFリーダ間にある金属体がRFタグの読み取りや隣接するRFタグに影響を与えない最適な形状を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の構成は、RFタグの読み取り窓をRFタグの大きさに対して四角形の三辺はRFタグの形状と同じで、残りの一辺についてはRFタグより大きく取ることにより実現できる。具体的には隣接するRFタグのある方向には形状と同じで、この方向と直行する方向に大きく取るとより効果がある。また、隣接するRFタグの読み取りの影響についても金属体の遮蔽効果を利用することで誤読防止の効果がある。
【発明の効果】
【0006】
以上説明したように、RFタグとRFリーダ間の磁界が確実に発生するため読み取りが可能になる。また、隣接する方向は金属体で遮蔽できるため対象外のRFタグの読み取りを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施例を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施例を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施例を示す表である。
【図4】本発明の一実施例を示す模式図である。
【図5】本発明の一実施例を示す模式図である。
【図6】本発明の一実施例を示す模式図である。
【図7】本発明の一実施例を示す模式図である。
【図8】本発明の一実施例を示す模式図である。
【図9】本発明の一実施例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の模式図を図1に示す。
【0009】
図1はアンテナ1が金属材2に4辺を囲まれた図でアンテナ1と金属体2には隙間3が存在している。このときRFタグ4の読み取り動作をすると金属体2の影響により読み取り不可や読み取り距離5への影響がある。図2は金属材2の1辺を取り除いた図で図3にRFタグ4のサンプルAとサンプルBの読み取り動作においてアンテナ1の4辺を囲む金属材2の数により読み取り動作時に読み取り距離5の影響を示す。アンテナ1の4辺を金属体2で囲まれ、アンテナ1と金属体2の隙間3が1mmのときはサンプルAのRFタグ4の読み取り距離5は0mmで読み取り動作不可、サンプルBのRFタグ4は13mmとなる。図2の状態で同様にRFタグの読み取り動作を行うとサンプルAのRFタグ4の読み取り距離5は28mm、サンプルBのRFタグ4の読み取り距離5は39mmと金属体2の影響を受けなくなる。同様にアンテナ1に対する金属体2の囲みを2辺、なしとしたときのRFタグ4の読み取り距離5はサンプルAのRFタグ4が28mm、サンプルBのRFタグ4が39mmと3辺を金属体2で囲まれているときと読み取り距離5が同じとなり、4辺を囲む1辺を取り除くことにより金属体2の影響を完全に受けなくなる。
【0010】
図4に実施例を示す。金属体2にアンテナ1の読み取り窓を設け、搬送用のベルト10(非金属体)上を搬送容器11内に実装されているRFタグ4の読み取り動作をする。このときに金属体2の影響を受けないように図5に示すようにアンテナ1が囲まれている4辺の中の1辺を切り欠くことで金属体2の影響を受けずにRFタグ4の読み取りを行うことができる。また、切り欠く1辺は搬送方向と直行する方向にすると検体容器4が隣接した場合に効果的である。図6に隣接するRFタグの読み取り防止について示す。搬送容器11が隣接する場合、RFタグ4を読み取り動作するときに、読み取り対象以外のRFタグ40を読み取ると読み取りエラーや誤読などが発生しその後の処理に支障をきたす。金属体2の読み取り窓を最適な大きさにすることにより読み取り対象のRFタグ4のみを読み取り、読み取り対象外のRFタグ40は金属体2に遮蔽されるため読み取りができないので読み取りエラーや誤読防止ができる。図7に示すように読み取り窓が大きいときはアンテナ1の付近に金属体21を取り付けることにより隣接するRFタグ40の読み取りを防止することも可能である。また、図8に示すようにアンテナ1に角度をつけることにより金属体21などの取り付けが不可能な構造の場合でも同様なRFタグ40の読み取り防止の効果が得られる。図9に示すように読み取りの位置決め用のストッパ30と搬送待機用のストッパ31を取り付けることによりRFタグ4の読み取り位置が固定されるので、確実にRFタグ40の読み取りは防止できる。この場合、アンテナ1の読み取り窓の大きさはストッパ30とストッパ31の距離以内であれば問題ない。また、ストッパ30とストッパ31を交互に制御することで読み取り位置への搬送が可能になる。
【符号の説明】
【0011】
1 アンテナ
2 金属材
3 隙間
4,40 RFタグ
5 読み取り距離
10 ベルト
11 搬送容器
21 金属体
30 位置決めストッパ
31 待機ストッパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFタグの読み取り動作においてRFIDのアンテナが金属体の影響を受けない構造を特徴とする検体処理システム。
【請求項2】
特許請求項1項記載の検体処理システムにおいて、
RFタグの読み取りのアンテナの周囲を囲む金属体の1辺を他3辺より大きく切り欠いたことを特徴とする検体処理システム。
【請求項3】
特許請求項1項記載の検体処理システムにおいて、
隣接するRFタグの誤読防止として読み取り位置以外のRFタグ付近に金属体を使用することを特徴とする検体処理システム。
【請求項4】
特許請求項3項記載の検体処理システムにおいて、
RFタグの読み取り位置を決めるのにストッパ機構を使用することを特徴とする検体処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−75360(P2011−75360A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−225944(P2009−225944)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】