説明

検体処理装置および検体吸引装置

【課題】検体容器の外径の大きさにかかわらず、精度よく吸引管を検体容器の中心軸の位置に挿入することが可能な検体処理装置および検体吸引装置を提供する。
【解決手段】この血液分析装置1(検体処理装置)は、ロングバイアル101を保持する第1検体セット部255aと、ロングバイアル101を挟持するための一対の側面271aが互いに対向するように配置された一対のチャック部271と、一対の側面271aに挟み込まれる領域の中心位置O1を所定位置に維持した状態で一対のチャック部271の両方を移動させて互いに近接させることにより、保持穴255jに保持されたロングバイアル101を一対の側面271aに挟持させるステッピングモータ274、タイミングベルト275およびプーリ276と、ロングバイアル101内の血液を吸引する検体吸引部21と、検出用試料を調製する試料調製部22とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体処理装置および検体吸引装置に関し、特に、検体容器内に吸引管を挿入して検体を吸引する検体処理装置および検体吸引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、検体容器内に吸引管を挿入して検体を吸引する検体処理装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、検体容器を保持する試料容器セット部(検体容器セット部)と、試料容器セット部に設けられた可動位置決め片(容器挟持部材)と、装置の所定の位置に固定された固定位置決め片(容器挟持部材)と、吸引管を含む吸引部(検体吸引部)とを備えた試料分析装置(検体処理装置)が開示されている。この試料分析装置は、試料容器セット部を固定位置決め片に向かって移動させることによって、可動位置決め片が試料容器セット部に保持された検体容器を固定位置決め片に向かって押し付けるようにして挟持するように構成されている。そして、検体容器を可動位置決め片と固定位置決め片とで挟持した状態で、検体容器内に吸引管が挿入され検体が吸引される。
【0004】
【特許文献1】特開2007−139462号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の試料分析装置(検体処理装置)では、可動位置決め片が検体容器を所定の位置に固定された固定位置決め片に向かって押し付けるように移動して挟持するので、検体容器の外径が大きくなるかまたは小さくなると、挟持される検体容器の中心軸の位置が固定位置決め片から離間する方向または固定位置決め片に近接する方向にずれるという不都合がある。このため、外径が異なる検体容器の中心軸の位置に吸引管を精度よく挿入することが困難であると考えられる。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、検体容器の外径の大きさにかかわらず、精度よく吸引管を検体容器の中心軸の位置に挿入することが可能な検体処理装置および検体吸引装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における検体処理装置は、検体容器を保持するための保持部を有する検体容器セット部と、保持部に保持された検体容器を挟持するための一対の挟持部が互いに対向するように配置された一対の容器挟持部材と、一対の挟持部に挟み込まれる領域の中心位置を所定位置に維持した状態で一対の容器挟持部材の両方を移動させて互いに近接させることにより、保持部に保持された検体容器を一対の挟持部に挟持させる容器挟持部材駆動部と、一対の挟持部により挟持された検体容器の開口を介して吸引管を検体容器内に挿入し、検体容器内の検体を吸引する検体吸引部と、検体吸引部により吸引された検体を処理する検体処理部とを備える。
【0008】
この発明の第1の局面による検体処理装置では、上記のように、一対の挟持部に挟み込まれる領域の中心位置が所定位置に維持された状態で一対の容器挟持部材の両方を移動させて互いに近接させることにより、保持部に保持された検体容器を一対の挟持部で挟持することによって、検体容器の外径の大きさにかかわらず、検体容器の中心軸が一対の挟持部に挟み込まれる領域の中心位置(所定位置)に維持された状態で検体容器が一対の挟持部により挟み込まれるので、挟持される検体容器の中心軸が一対の容器挟持部材の移動方向にずれるのを抑制することができる。これにより、精度よく吸引管を検体容器の中心軸の位置に挿入することができる。
【0009】
上記第1の局面による検体処理装置において、好ましくは、検体容器は、開口を閉塞する栓体を含み、検体吸引部は、検体容器が一対の挟持部に挟持された状態で吸引管を栓体に貫通させることにより、吸引管を検体容器内に挿入するように構成されている。このように構成すれば、検体容器が挟持部により挟持されることにより安定して保持された状態で吸引管を栓体に貫通させることができるので、栓体により開口が閉塞されている検体容器に対しても、精度よく吸引管を検体容器の中心軸の位置に挿入することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、検体吸引部は、一対の挟持部による検体容器の挟持が解除された状態で、栓体に貫通された吸引管を栓体から引き抜くように構成され、栓体が吸引管の引き抜き方向に移動するのを規制する規制部をさらに備える。このように構成すれば、検体容器が挟持された状態で検体に貫通された吸引管を引き抜く場合と異なり、吸引管を栓体から引き抜く際に、検体容器本体が栓体とともに移動可能であるので、吸引管を引き抜く際の引張力によって栓体だけが移動されて検体容器本体から外れてしまうのを抑制することができる。また、規制部により栓体が引張方向に移動するのを規制することができるので、栓体は吸引管の引張方向とは反対方向の反力を規制部から受ける。これにより、栓体に検体容器本体から外れる方向の力が加わるのを抑制しながら、吸引管だけを引張方向に移動させることができ、その結果、容易に、吸引管を栓体から引き抜くことができる。
【0011】
上記第1の局面による検体処理装置において、好ましくは、一対の挟持部は、検体容器の中心軸の前後方向および左右方向の位置が定まるように、検体容器を4点支持で挟持するように構成されている。このように構成すれば、4点で支持することにより、検体容器の外径の大きさにかかわらず、容易に、検体容器の中心軸の前後方向および左右方向の位置決めをすることができるので、容易に、検体容器の中心軸を一対の挟持部に挟み込まれる領域の中心位置に配置させることができる。これにより、容易に、精度よく吸引管を検体容器の中心軸の位置に挿入することができる。
【0012】
この場合、好ましくは、直立した検体容器を挟持する状態において、一対の挟持部は、それぞれ、上方から見て、略V字形状に形成された凹部を含む。このように構成すれば、円筒形状の検体容器に対して、一対の挟持部により、容易に4点支持で挟持することができる。
【0013】
上記第1の局面による検体処理装置において、好ましくは、保持部は、検体容器を移動可能に保持する穴部を備え、一対の容器挟持部材を互いに近接させることにより、一対の挟持部に挟み込まれる領域の中心位置が位置する所定位置の鉛直線上に検体容器の中心軸が位置するように検体容器を穴部内で移動させて、挟持部により検体容器を挟持するように構成されている。このように構成すれば、保持部の穴部内で検体容器を移動させて、容易に検体容器の中心軸を一対の挟持部に挟み込まれる領域の中心位置に配置させることができる。
【0014】
上記第1の局面による検体処理装置において、好ましくは、検体容器を保持する検体ラックを検体容器取出位置に移送させる検体ラック移送部と、検体ラック移送部により検体容器取出位置に移送された検体ラックから検体容器を取り出し、検体容器セット部の保持部に移送する検体容器移送部とをさらに備える。このように構成すれば、検体容器移送部により、検体容器が検体ラックから検体容器セット部に移送されるので、ユーザが検体容器を検体容器セット部にセットする必要がなく、ユーザの負担を軽減することができる。
【0015】
上記第1の局面による検体処理装置において、好ましくは、一対の挟持部に挟み込まれる領域の中心位置が位置する所定位置の鉛直線上に保持部の中心位置が位置するように検体容器セット部を移動させる検体容器セット部移動部をさらに備える。このように構成すれば、保持部の中心位置が一対の挟持部に挟み込まれる領域の中心位置の鉛直線上に配置されるので、保持部内で検体容器の中心軸を一対の挟持部に挟み込まれる領域の中心位置近傍に配置させることができる。
【0016】
上記第1の局面による検体処理装置において、好ましくは、容器挟持部材駆動部は、環状ベルトと、環状ベルトを順方向および逆方向に回動させるベルト駆動部と、一対の容器挟持部材のうちの一方の容器挟持部材を環状ベルトに連結する第1連結部と、一対の容器挟持部材のうちの他方の容器挟持部材を環状ベルトに連結する第2連結部と、環状ベルトを折り返す滑車部とを含み、環状ベルトの第1連結部と第2連結部とが取り付けられた間の部分を折り返すように滑車部を配置することによって、ベルト駆動部が環状ベルトを順方向に回動させた場合に、一対の容器挟持部材が近接し、ベルト駆動部が環状ベルトを逆方向に回動させた場合に、一対の容器挟持部材が離間するように構成されている。このように構成すれば、1本の環状ベルトの回動に伴って、一対の容器挟持部材が互いに近接および離間するように移動されるので、容易に、一対の容器挟持部材のそれぞれの動作の同期を取ることができる。また、1つの駆動源(ベルト駆動部)のみを用いて、一対の容器挟持部材の近接動作および離間動作を行うことができる。
【0017】
上記第1の局面による検体処理装置において、好ましくは、容器挟持部材駆動部は、一対の容器挟持部材を、互いに同じ速さで移動させながら近接させるように構成されている。このように構成すれば、容易に、一対の挟持部に挟み込まれる領域の中心位置を所定位置に維持した状態で、一対の容器挟持部材を互いに近接させることができる。
【0018】
また、上記目的を達成するために、この発明の第2の局面における検体吸引装置は、検体容器を保持するための保持部を有する検体容器セット部と、保持部に保持された検体容器を挟持するための一対の挟持部が互いに対向するように配置された一対の容器挟持部材と、一対の挟持部に挟み込まれる領域の中心位置を所定位置に維持した状態で一対の容器挟持部材の両方を移動させて互いに近接させることにより、保持部に保持された検体容器を一対の挟持部に挟持させる容器挟持部材駆動部と、一対の挟持部により挟持された検体容器の開口を介して吸引管を検体容器内に挿入し、検体容器内の検体を吸引する検体吸引部とを備える。
【0019】
この発明の第2の局面による検体吸引装置では、上記のように、一対の挟持部に挟み込まれる領域の中心位置が所定位置に維持された状態で一対の容器挟持部材の両方を移動させて互いに近接させることにより、保持部に保持された検体容器を一対の挟持部で挟持することによって、検体容器の外径の大きさにかかわらず、検体容器の中心軸が一対の挟持部に挟み込まれる領域の中心位置(所定位置)に維持された状態で検体容器が一対の挟持部により挟み込まれるので、挟持される検体容器の中心軸が一対の容器挟持部材の移動方向にずれるのを抑制することができる。これにより、精度よく吸引管を検体容器の中心軸の位置に挿入することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態による血液分析装置の全体構成を示した斜視図である。図2〜図21は、図1に示した一実施形態による血液分析装置の各部の詳細を説明するための図である。まず、図1〜図21を参照して、本発明の一実施形態による血液分析装置1の全体構成について説明する。なお、本実施形態では、検体処理装置の一例である血液分析装置に本発明を適用した場合について説明する。
【0022】
なお、本実施形態において、検体である血液を収容するサンプル容器100は、図5および図6に示すように、ゴム製の密閉蓋101aを有する縦長形状の検体容器であるロングバイアル101(図5参照)と、ロングバイアル101よりも小型で、主に少量の検体を収容する検体容器であるマイクロチューブ102(図6参照)とを含んでいる。本実施形態の説明では、ロングバイアル101およびマイクロチューブ102の両方に該当する場合には、ロングバイアル101およびマイクロチューブ102の両方を含む意味で「サンプル容器100」として説明し、ロングバイアル101またはマイクロチューブ102のいずれか一方にのみ該当する場合には、「ロングバイアル101」または「マイクロチューブ102」を用いて説明する。
【0023】
本実施形態による血液分析装置1は、図1および図2に示すように、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3の2つの測定ユニットと、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3の前面側(矢印Y1方向側)に配置された検体搬送装置(サンプラ)4と、第1測定ユニット2、第2測定ユニット3および検体搬送装置4に電気的に接続されたPC(パーソナルコンピュータ)からなる制御装置5とを備えている。また、血液分析装置1は、制御装置5によりホストコンピュータ6(図3参照)に接続されている。
【0024】
また、図1〜図4に示すように、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3は、実質的に同種類の測定ユニットであり、互いに隣接して配置されている。具体的には、本実施形態では、第2測定ユニット3は、第1測定ユニット2と同じ測定原理を使用して、同一の測定項目について検体を測定する。さらに、第2測定ユニット3は、第1測定ユニット2が分析しない測定項目についても測定する。また、図3に示すように、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3は、それぞれ、検体である血液をサンプル容器(試験管)100から吸引する検体吸引部21および31と、検体吸引部21および31により吸引した血液から検出用試料を調製する試料調製部22および32と、試料調製部22および32により調製された検出用試料から血液の血球を検出する検出部23および33とを含んでいる。
【0025】
また、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3は、それぞれ、検体吸引部21および31や試料調製部22および32などを内部に収容するユニットカバー24および34と、サンプル容器100をユニットカバー24および34の内部に取り込み、検体吸引部21および31による吸引位置600および700(図3参照)までサンプル容器100を搬送するサンプル容器搬送部25および35と、サンプル容器搬送部25および35により内部に搬送されるロングバイアル101の有無を検知する有無検知部26および36と、吸引位置600および700(図3参照)でロングバイアル101を固定保持する固定保持部27および37とをさらに含んでいる。また、図1および図2に示すように、ユニットカバー24および34の前面部241および341の外側表面には、それぞれ、検体セット部開閉ボタン28および38と、優先検体測定開始ボタン29および39と、サンプル容器搬送部25および35の後述する移動部255dおよび355dが通過する開口部241aおよび341aとが設けられている。
【0026】
検体吸引部21(31)は、図7に示すように、ピアサ211(311)と、ピアサ移動部212(312)とを含んでいる。ピアサ211(311)は、先端がロングバイアル101の後述する密閉蓋101a(図5参照)を貫通可能なように形成されている。ピアサ移動部212(312)は、ピアサ211(311)を鉛直方向(矢印Z1およびZ2方向)に移動させる機能を有している。ピアサ移動部212(312)は、ピアサ211(311)を固定保持する水平アーム213(313)と、水平アーム213(313)を鉛直方向(矢印Z1およびZ2方向)に貫通するネジ軸214(314)と、ネジ軸214(314)に螺合するナット215(315)とを有している。さらに、ピアサ移動部212(312)は、ネジ軸214(314)と平行(矢印Z1およびZ2方向)に配置されたスライドレール216(316)と、スライドレール216(316)に摺動可能に取り付けられた摺動部材217(317)と、ステッピングモータ218(318)とを有している。また、水平アーム213(313)は、ナット215(315)と、摺動部材217(317)とに固定されている。
【0027】
ネジ軸214(314)の上端には、プーリ214a(314a)が取り付けられている。また、ステッピングモータ218(318)の出力軸には、プーリ218a(318a)が取り付けられている。プーリ214a(314a)およびプーリ218a(318a)には、環状に形成されたタイミングベルト219(319)が回動可能に張られている。これにより、ステッピングモータ218(318)の回転駆動がタイミングベルト219(319)を介してネジ軸214(314)に伝達されてネジ軸214(314)が回転されることにより、水平アーム213(313)が鉛直方向(矢印Z1およびZ2方向)に移動される。そして、水平アーム213(313)の鉛直方向(矢印Z1およびZ2方向)への移動に伴って、ピアサ211(311)が鉛直方向(矢印Z1およびZ2方向)に移動される。
【0028】
ステッピングモータ218(318)は、供給される電流値(駆動パルスの大きさ)に応じて回転トルクを変動可能に構成されている。また、ステッピングモータ218(318)は、モータの回転トルク以上の負荷がかかると脱調を起こすように構成されている。具体的には、ステッピングモータ218(318)は、マイクロチューブ102(図6参照)に収容された血液を吸引する場合には、ロングバイアル101(図5参照)に収容された血液を吸引する場合に比べて、回転トルクが小さくなるように制御されるとともに、ピアサ211(311)の先端がマイクロチューブ102の底部に当接すると、脱調するように構成されている。これにより、ピアサ211(311)の先端がマイクロチューブ102の底部に当接しても、マイクロチューブ102が損傷するのを抑制することが可能である。また、ピアサ211(311)の先端をマイクロチューブ102の底部まで到達させることによって、検体吸引部21(31)により、収容容量の少ないマイクロチューブ102に収容された検体を略無駄なく吸引することが可能である。
【0029】
マイクロチューブ102に比べて収容容量の多いロングバイアル101に収容された血液を吸引する場合には、ステッピングモータ218(318)は、所定の回転トルクでピアサ211(311)を降下させ、ピアサ211(311)を密閉蓋101aに貫通させるように構成されている。そして、ステッピングモータ218(318)は、先端がロングバイアル101の底部近傍に到達するまでピアサ211(311)を降下させるように構成されている。この場合、ピアサ211(311)は、マイクロチューブ102の場合と異なり、先端がロングバイアル101の底部に当接する直前で移動が停止される。したがって、ロングバイアル101に収容された血液を吸引する場合には、ピアサ211(311)がロングバイアル101の底部に当接されないので、ロングバイアル101はピアサ211(311)により損傷を受けない。また、ステッピングモータ218(318)は、駆動パルスの周波数に応じて回転速度が変動されるように構成されている。また、検体吸引部21(31)は、血液を吸引後、ピアサ211(311)を上方に移動させて元の位置に戻すように構成されている。
【0030】
検出部23(33)は、RBC検出(赤血球の検出)およびPLT検出(血小板の検出)をシースフローDC検出法により行うとともに、HGB検出(血液中の血色素の検出)をSLS−ヘモグロビン法により行うように構成されている。また、検出部23(33)は、WBC検出(白血球の検出)を半導体レーザを使用したフローサイトメトリー法により行うようにも構成されている。
【0031】
検出部23(33)で得られた検出結果は、検体の測定データ(測定結果)として、制御装置5に送信される。なお、この測定データは、ユーザに提供される最終的な分析結果(赤血球数、血小板数、ヘモグロビン量、白血球数など)のもととなるデータである。
【0032】
サンプル容器搬送部25(35)(図3参照)は、図4に示すように、ロングバイアル101を把持することが可能なハンド部251(351)と、ハンド部251(351)を開閉させる開閉部252(352)と、ハンド部251(351)を鉛直方向(矢印Z1およびZ2方向)に直線移動させる鉛直移動部253(353)と、ハンド部251(351)を鉛直方向(矢印Z1およびZ2方向)に振り子状に移動させる攪拌部254(354)とを有している。さらに、サンプル容器搬送部25(35)は、図3に示すように、サンプル容器100を矢印Y1およびY2方向に実質的に水平移動させるサンプル容器移送部255(355)と、バーコード読取部256(356)とを有している。
【0033】
ハンド部251(351)は、検体搬送装置4が搬送するラック110の搬送路の上方に配置されている。また、ハンド部251(351)は、検体搬送装置4により後述する第1取出位置43aおよび第2取出位置43b(図3参照)にロングバイアル101が搬送されると、下方(矢印Z2方向)に移動した後、開閉部252および352により開閉されてラック110に収容されたロングバイアル101を把持するように構成されている。
【0034】
また、ハンド部251(351)は、把持したロングバイアル101を上方(矢印Z1方向)に移動することによりラック110からロングバイアル101を取り出し、その後、攪拌部254(354)により振り子状に移動される(たとえば、10往復)ように構成されている。これにより、ハンド部251(351)は、把持するロングバイアル101内の血液を攪拌することが可能である。また、攪拌終了後、ハンド部251(351)は、下方(矢印Z2方向)に移動した後、開閉部252(352)によりロングバイアル101の把持を開放するように構成されている。具体的には、ハンド部251(351)は、サンプル容器移送部255(355)により検体セット位置610(710)(図3参照)に移動された第1検体セット部255a(355a)に、ロングバイアル101をセットするように構成されている。なお、図3に示すように、平面的に見て、第1取出位置43aと検体セット位置610とは、重なるように配置されているとともに、第2取出位置43bと検体セット位置710とは、重なるように配置されている。
【0035】
開閉部252(352)は、エアシリンダ252a(352a)による動力により、ロングバイアル101を把持するようにハンド部251(351)を開閉するように構成されている。
【0036】
鉛直移動部253(353)は、ステッピングモータ253a(353a)による動力により、レール253b(353b)に沿ってハンド部251(351)を鉛直方向(矢印Z1およびZ2方向)に移動するように構成されている。
【0037】
攪拌部254(354)は、図示しないステッピングモータによる動力により、ハンド部251(351)を鉛直方向(矢印Z1およびZ2方向)に振り子状に移動するように構成されている。
【0038】
サンプル容器移送部255(355)は、図8および図9に示すように、第1検体セット部255a(355a)と、第1検体セット部255a(355a)よりも手前側(矢印Y1方向側)に配置された第2検体セット部255b(355b)と、これら2つの検体セット部がアダプタ255c(355c)を介して取り付けられる移動部255d(355d)と、ステッピングモータ255e(355e)(図9参照)と、環状のタイミングベルト255f(355f)(図9参照)とを有している。
【0039】
また、図9に示すように、ステッピングモータ255e(355e)の出力軸には、プーリ255g(355g)が取り付けられている。そして、タイミングベルト255f(355f)は、プーリ255g(355g)と、ステッピングモータ255e(355e)よりも前方側(矢印Y1方向側)に設けられたプーリ255h(355h)とにより回動可能に張られている。これにより、ステッピングモータ255e(355e)が回転駆動すると、プーリ255g(355g)とプーリ255h(355h)との間でタイミングベルト255f(355f)が回動するように構成されている。また、タイミングベルト255f(355f)の一部は、前後方向(矢印Y1およびY2方向)に延びるように配置されており、移動部255d(355d)は、後端部近傍の取付部255i(355i)により、タイミングベルト255f(355f)の前後方向に延びるように配置された部分に取り付けられている。これにより、タイミングベルト255f(355f)の回動に伴って、移動部255d(355d)を前後方向(矢印Y1およびY2方向)に移動させることが可能となる。
【0040】
そして、サンプル容器移送部255(355)は、ステッピングモータ255e(355e)の回転駆動を制御することにより、移動部255d(355d)に取り付けられた第1検体セット部255a(355a)と、第2検体セット部255b(355b)とを、測定処理の動作に応じた所定の位置に移動させることが可能である。具体的には、サンプル容器移送部255(355)により、各検体セット部を、図3に示す吸引位置600(700)と、検体セット位置610(710)と、優先検体セット位置620(720)と、試験管有無検知位置630(730)とに配置させることが可能である。また、サンプル容器移送部255(355)は、第1検体セット部255a(355a)を吸引位置600(700)に移送する際に、平面的に見て、第1検体セット部255a(355a)の後述する保持穴255j(355j)の中心位置O2(図3参照)を一対の側面271a(371a)により挟み込まれる領域の中心位置O1(図3、図15および図16参照)の鉛直線上に配置させるように構成されている。
【0041】
また、サンプル容器移送部255(355)は、図3に示すように、平面的に見て、移動部255d(355d)が検体搬送装置4により搬送されるラック110の搬送路に交差するように、ラック110の搬送路の上方を通過して各検体セット部を所定の位置まで移動するように構成されている。具体的には、図10に示すように、移動部255d(355d)は、検体搬送装置4により搬送されるラック110の上端位置H2よりも高い位置H1に配置されており、実質的に水平方向で前後方向(矢印Y1およびY2方向)に移動されるように構成されている。これにより、検体搬送装置4によるラック110の搬送動作を継続しながら、移動部255d(355d)に取り付けられた各検体セット部を所定の位置まで搬送することが可能である。
【0042】
第1検体セット部255a(355a)は、図8に示すように、保持穴255j(355j)を有し、保持穴255j(355j)にロングバイアル101(図5参照)を保持可能に構成されている。また、保持穴255j(355j)は、図11に示すように、ロングバイアル101の外径よりも内径が大きくなるように形成されている。すなわち、ロングバイアル101は、保持穴255j(355j)により移動可能に保持されている。また、保持穴255j(355j)は、平面的に見て(矢印Z1方向から見て)、円形形状に形成されているとともに、図11に示すように、断面的に見て、略矩形形状に形成されている。また、第1検体セット部255a(355a)の後方側(矢印Y2方向側)の側面には、保持穴255j(355j)が開放されるように切欠部255k(355k)が形成されている。これにより、ロングバイアル101が第1検体セット部255a(355a)に保持された状態で、ロングバイアル101に貼付されたバーコード101b(図5参照)を外側から視認することが可能である。また、第1検体セット部255a(355a)は、アダプタ255c(355c)に取り外し可能に取り付けられており、ロングバイアル101の種類に応じて他の第1検体セット部に取替え可能である。
【0043】
第2検体セット部255b(355b)は、図8に示すように、上部保持部255l(355l)と、下部保持部255m(355m)とを有している。第2検体セット部255b(355b)は、上部保持部255l(355l)によりマイクロチューブ102(図6参照)の上部側を保持し、下部保持部255m(355m)によりマイクロチューブ102(図6参照)の下部側を保持することにより、高さの異なる2箇所でマイクロチューブ102を保持するように構成されている。これにより、安定した状態でマイクロチューブ102を保持可能である。上部保持部255l(355l)には、保持孔255n(355n)が形成されているとともに、保持孔255n(355n)の前後部分には、上部保持部255l(355l)を左右方向(矢印X1およびX2方向)に2つに分割する分離部255o(355o)が形成されている。そして、左右に2つに分割された部分は、それぞれ、外側方向に弾性変形可能な2つの支持部255p(355p)により支持されている。これにより、左右に2つに分割された部分を支持する支持部255p(355p)を外側方向に撓ませると、保持孔255n(355n)の内径を変化させることができるので、大きさの異なる複数種類のマイクロチューブ102を保持することが可能となる。
【0044】
また、下部保持部255m(355m)は、平面的に見て、上部保持部255l(355l)の保持孔255n(355n)の位置と対応する位置に保持穴255q(355q)を有し、マイクロチューブ102の下端部が保持穴255q(355q)に挿入された状態でマイクロチューブ102の下部側を保持するように構成されている。また、第2検体セット部255b(355b)は、アダプタ255c(355c)に取り外し可能に取り付けられており、支持部255p(355p)の撓み変形では対応することができない種類のマイクロチューブ102に対応可能なように他の第2検体セット部に取替え可能である。
【0045】
バーコード読取部256(356)は、図5に示すような、各ロングバイアル101に貼付されたバーコード101bを読み取るように構成されている。また、バーコード読取部256(356)は、図示しない回転装置によって対象のロングバイアル101を第1検体セット部255a(355a)に保持したまま水平方向に回転させながらバーコード101bを読み取るように構成されている。これにより、ロングバイアル101のバーコード101bがバーコード読取部256(356)に対して反対側に貼付されている場合にも、ロングバイアル101を回転させることによって、バーコード101bをバーコード読取部256(356)側に向けることが可能である。また、各ロングバイアル101のバーコード101bは、各検体に固有に付されたものであり、各検体の分析結果の管理などに使用される。
【0046】
固定保持部27(37)は、図12に示すように、吸引位置600(700)に移送されたロングバイアル101を固定保持するように構成されている。また、固定保持部27(37)は、図13に示すように、吸引位置600(700)に移送されたマイクロチューブ102に対しては、固定保持しないように構成されている。なお、マイクロチューブ102を用いる場合には、上記のように、第2検体セット部255b(355b)の支持部255p(355p)の撓み変形を利用して、マイクロチューブ102が安定して保持されているため、固定保持部27(37)を用いる必要がない。固定保持部27(37)は、図12〜図14に示すように、一対のチャック部271(371)と、矢印X1およびX2方向に水平に延びるように配置されたスライドレール272(372)と、スライドレール272(372)に摺動可能に取り付けられた摺動部材273(373)とを有している。さらに、固定保持部27(37)は、図9に示すように、ステッピングモータ274(374)と、環状のタイミングベルト275(375)と、複数のプーリ276(376)と、位置センサ277(377)とを有している。
【0047】
一対のチャック部271(371)は、図12〜図17に示すように、互いに対向する一対の側面271a(371a)が平面的に見て(矢印Z1方向から見て)略V字形状に形成されている。また、一対の側面271a(371a)が略V字形状に形成されているため、図17に示すように、平面的に見て、ロングバイアル101は一対の側面271a(371a)により4点支持で把持される。より詳細には、一対のチャック部271は、上下方向(矢印Z1およびZ2方向)に約5mmの厚みを有しており、ロングバイアル101は、一対の側面271aにより4点で上下方向に線状に線接触した状態で支持されている。また、ロングバイアル101と一対の側面271a(371a)とが当接する4点は、一対の側面271a(371a)により挟み込まれる領域の中心位置O1を通り、矢印X1およびX2方向に平行な直線L1に対して対称に位置している。また、上記4点は、中心位置O1を通り、矢印Y1およびY2方向に平行な直線L2に対して対称に位置している。これにより、ロングバイアル101は、外径の大きさが異なる場合であっても、平面的に見て、ロングバイアル101の中心軸Pが中心位置O1の鉛直線上に配置されるように、左右方向(矢印X1およびX2方向)および前後方向(矢印Y1およびY2方向)の位置が定められる。
【0048】
また、図12〜図14に示すように、一対のチャック部271(371)の一方は、連結部278a(378a)により、摺動部材273(373)およびタイミングベルト275(375)(図12および図13参照)の両方に取り付けられている。また、一対のチャック部271(371)の他方は、連結部278b(378b)により、摺動部材273(373)およびタイミングベルト275(375)の両方に取り付けられている。これにより、タイミングベルト275(375)が回動するのに伴って、一対のチャック部271(371)は摺動部材273(373)と一体となって矢印X1およびX2方向に移動される。また、環状のタイミングベルト275(375)は、ステッピングモータ274(374)が回転駆動することにより、複数のプーリ276(376)によってガイドされながら回動するように構成されている。また、図9に示すように、環状のタイミングベルト275(375)は、複数のプーリ276(376)により、所定の形状になるように回動可能に張られている。具体的には、タイミングベルト275(375)は、矢印X1およびX2方向に水平に延びるように配置された部分がプーリ276(376)により折り返されて、上下2段となるように形成されている。そのため、タイミングベルト275(375)が回動すると、上下2段の上側部分と下側部分とは、互いに矢印X1およびX2方向の相反する方向に移動される。
【0049】
そして、矢印X1およびX2方向に水平に延びる上下2段の上側部分には、一対のチャック部271(371)の一方に取り付けられた連結部278a(378a)が固定されている。矢印X1およびX2方向に水平に延びる上下2段の下側部分には、一対のチャック部271(371)の他方に取り付けられた連結部278b(378b)が固定されている。すなわち、一方のチャック部271(371)の連結部278a(378a)と他方のチャック部271(371)の連結部278b(378b)とが取り付けられた間の部分を折り返すように1つのプーリ276(376)が配置されている。これにより、図15および図16に示すように、一対のチャック部271(371)は、タイミングベルト275(375)が矢印A2方向に回動された場合には互いに近接され、タイミングベルト275(375)が矢印A1方向に回動された場合には互いに離間されるように構成されている。また、一対のチャック部271(371)は、ともに共通のタイミングベルト275(375)に取り付けられているので、互いに同じ速さで移動しながら近接および離間される。
【0050】
また、一対のチャック部271(371)が、上記のように構成されることにより、一対の側面271a(371a)により挟み込まれる領域の中心位置O1を実質的に同じ位置に維持した状態で移動可能である。そして、一対のチャック部271(371)は、平面的に見て、一対の側面271a(371a)により挟み込まれる領域の中心位置O1が鉛直方向に降下されるピアサ211(311)の降下位置と実質的に同位置になるように、連結部278aおよび278b(378aおよび378b)を介してタイミングベルト275(375)に取り付けられている。これにより、平面的に見て、一対のチャック部271(371)の一対の側面271a(371a)により把持されるロングバイアル101の中心軸Pを、実質的にピアサ211(311)の降下位置に一致させることが可能となる。
【0051】
位置センサ277(377)は、切欠部を有し、略U字形状に形成されている。また、位置センサ277(377)は、切欠部を横切る連結部278(378)を検知するように構成されている。位置センサ277(377)による検知結果と、ステッピングモータ274(374)のステッピング数とに基づいて、後述する制御装置5のCPU51aが一対のチャック部271(371)の位置を判断することが可能である。
【0052】
また、図12〜図14に示すように、スライドレール272(372)が取り付けられたコの字形状の断面を有する支持部材272a(372a)の上面には、密閉蓋101aおよびロングバイアル101が上方(矢印Z1方向)に移動するのを規制する規制部279(379)が配置されている。規制部279(379)は、支持部材272a(372a)の上面に取り付けられた位置決め部材279a(379a)により、左右方向(矢印X1およびX2方向)の移動が規制されている。また、規制部279(379)は、位置決め部材279a(379a)により、吸引位置600(700)に移送されたロングバイアル101の上方に配置されるように構成されている。また、規制部279(379)は、前後方向(矢印Y1およびY2方向)にスライド可能に構成されている。これにより、規制部279(379)に検体が付着した場合などに、規制部279(379)をスライドさせて取り外し、洗浄または交換することが可能である。また、規制部279(379)には、図12および図13に示すように、ピアサ211(311)を貫通させるための開口部279b(379b)が形成されている。
【0053】
検体セット部開閉ボタン28(38)は、ラック110に保持されたロングバイアル101に収容された連続測定検体(連続的に測定される検体)に優先して測定される優先検体の測定を行う際に、ユーザにより押下可能なように構成されている。
【0054】
優先検体測定開始ボタン29(39)は、ユーザにより押下可能なように構成されている。ユーザが、優先検体を収容したロングバイアル101またはマイクロチューブ102を、第1検体セット部255a(355a)または第2検体セット部255b(355b)にセットした後、優先検体測定開始ボタン29(39)を押下すると、セットされたロングバイアル101またはマイクロチューブ102が測定ユニットの内部に取り込まれ、測定が開始される。
【0055】
また、図4および図18に示すように、検体搬送装置4は、分析が行われる前の検体を収容するロングバイアル101が収容された複数のラック110を保持することが可能な分析前ラック保持部41と、分析が行われた後の検体を収容するロングバイアル101が収容された複数のラック110を保持することが可能な分析後ラック保持部42と、ラック110を矢印X1およびX2方向に水平に直線移動するラック搬送部43と、バーコード読取部44と、ロングバイアル101の有無を検知する有無検知センサ45(図4参照)と、分析後ラック保持部42内にラック110を移動するラック送出部46とを含んでいる。
【0056】
分析前ラック保持部41は、ラック送込部411を有し、ラック送込部411が矢印Y2方向に移動することによって、分析前ラック保持部41に保持されたラック110を1つずつラック搬送部43上に押し出すように構成されている。ラック送込部411は、分析前ラック保持部41の下方に設けられた図示しないステッピングモータによって駆動するように構成されている。また、分析前ラック保持部41は、ラック搬送部43近傍に規制部412(図4参照)を有し、一度ラック搬送部43上に押し出されたラック110が分析前ラック保持部41内に戻されないようにラック110の移動を規制するように構成されている。
【0057】
分析後ラック保持部42は、ラック搬送部43の近傍に規制部421(図4参照)を有し、一度分析後ラック保持部42内に移動されたラック110がラック搬送部43側に戻されないようにラック110の移動を規制するように構成されている。
【0058】
ラック搬送部43は、図3に示すように、第1測定ユニット2に検体を提供するための第1取出位置43a、および、第2測定ユニット3に検体を提供するための第2取出位置43bに、ラック110に保持されたロングバイアル101を移送するためにラック110を搬送するように構成されている。さらに、ラック搬送部43は、有無検知センサ45が検体を収容するサンプル容器100の有無を確認するための検体有無確認位置43c、および、バーコード読取部44が検体を収容するロングバイアル101のバーコード101b(図5参照)を読み取るための読取位置43dまでロングバイアル101が移送されるようにラック110を搬送するように構成されている。
【0059】
また、図4および図18に示すように、ラック搬送部43は、互いに独立して動くことが可能な第1ベルト431および第2ベルト432の2つのベルトを有している。また、第1ベルト431および第2ベルト432の矢印Y1およびY2方向の幅b1およびb2(図18参照)は、それぞれラック110の矢印Y1およびY2方向の幅Bの半分以下の大きさである。これにより、ラック搬送部43がラック110を搬送する際に、第1ベルト431および第2ベルト432は、ともにラック110の幅Bからはみ出ないように並列に配置される。また、図19および図20に示すように、第1ベルト431および第2ベルト432は、環状に形成されており、それぞれローラ431a、431b、431c、および、ローラ432a、432b、432cを取り囲むように配置されている。また、第1ベルト431および第2ベルト432の外周部には、ラック110の矢印X1およびX2方向の幅Wよりも若干(たとえば、約1mm)大きい内幅w1(図19参照)およびw2(図20参照)を有するように突起片431dおよび432dがそれぞれ2つずつ形成されている。第1ベルト431は、突起片431dの内側にラック110を保持した状態において、ステッピングモータ431e(図4参照)によりローラ431a〜431cの外周を移動されることによって、ラック110を矢印X1およびX2方向に移動するように構成されている。また、第2ベルト432は、突起片432dの内側にラック110を保持した状態において、ステッピングモータ432e(図4参照)によりローラ432a〜432cの外周を移動されることによって、ラック110を矢印X1およびX2方向に移動するように構成されている。また、第1ベルト431および第2ベルト432は、それぞれ、互いに独立してラック110を移動することが可能なように構成されている。
【0060】
バーコード読取部44は、図5に示したロングバイアル101のバーコード101bを読み取るとともに、ラック110に貼付されたバーコード110aを読み取るように構成されている。また、バーコード読取部44は、図示しない回転装置によって対象のロングバイアル101をラック110に収容したまま水平方向に回転させながらバーコード101bを読み取るように構成されている。これにより、ロングバイアル101のバーコード101bがバーコード読取部44に対して反対側に貼付されている場合にも、バーコード101bをバーコード読取部44側に向けることが可能である。また、ラック110のバーコード110aは、各ラックに固有に付されたものであり、検体の分析結果の管理などに使用される。
【0061】
有無検知センサ45は、接触型のセンサであり、のれん形状の接触片451(図4参照)、光を出射する発光素子(図示せず)および受光素子(図示せず)を有している。有無検知センサ45は、接触片451が検知対象の被検知物に当接されることにより屈曲され、その結果、発光素子から出射された光が接触片451により反射されて受光素子に入射されるように構成されている。これにより、有無検知センサ45の下方をラック110に収容された検知対象のロングバイアル101が通過する際に、接触片451がロングバイアル101により屈曲されて、ロングバイアル101の存在を検知することが可能である。
【0062】
ラック送出部46は、ラック搬送部43を挟んで分析後ラック保持部42に対向するように配置されており、矢印Y1方向に水平に移動するように構成されている。これにより、分析後ラック保持部42とラック送出部46との間にラック110が搬送された場合に、ラック送出部46を分析後ラック保持部42側に移動することによって、ラック110を押圧して分析後ラック保持部42内に移動することが可能である。
【0063】
制御装置5は、図1〜図3および図21に示すように、パーソナルコンピュータ(PC)などからなり、CPU、ROM、RAMなどからなる制御部51(図21参照)と、表示部52と、入力デバイス53とを含んでいる。また、表示部52は、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3から送信されたデジタル信号のデータを分析して得られた分析結果などを表示するために設けられている。
【0064】
また、制御装置5は、図21に示すように、制御部51と、表示部52と、入力デバイス53とから主として構成されたコンピュータ500によって構成されている。制御部51は、CPU51aと、ROM51bと、RAM51cと、ハードディスク51dと、読出装置51eと、入出力インタフェース51fと、通信インタフェース51gと、画像出力インタフェース51hとから主として構成されている。CPU51a、ROM51b、RAM51c、ハードディスク51d、読出装置51e、入出力インタフェース51f、通信インタフェース51g、および画像出力インタフェース51hは、バス51iによって接続されている。
【0065】
CPU51aは、ROM51bに記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM51cにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、後述するようなアプリケーションプログラム54a、54bおよび54cをCPU51aが実行することにより、コンピュータ500が制御装置5として機能する。
【0066】
ROM51bは、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROMなどによって構成されており、CPU51aに実行されるコンピュータプログラムおよびこれに用いるデータなどが記録されている。
【0067】
RAM51cは、SRAMまたはDRAMなどによって構成されている。RAM51cは、ROM51bおよびハードディスク51dに記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU51aの作業領域として利用される。
【0068】
ハードディスク51dは、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU51aに実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびそのコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。第1測定ユニット2用の測定処理(1)プログラム54a、第2測定ユニット3用の測定処理(2)プログラム54bおよび検体搬送装置4用のサンプラ動作処理プログラム54cも、このハードディスク51dにインストールされている。CPU51aにより、これらのアプリケーションプログラム54a〜54cを実行することによって、第1測定ユニット2、第2測定ユニット3および検体搬送装置4の各部の動作が制御される。また、ハードディスク51dには、測定結果データベース54dもインストールされている。
【0069】
読出装置51eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブなどによって構成されており、可搬型記録媒体54に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体54には、アプリケーションプログラム54a〜54cが格納されており、コンピュータ500がその可搬型記録媒体54からアプリケーションプログラム54a〜54cを読み出し、そのアプリケーションプログラム54a〜54cをハードディスク51dにインストールすることが可能である。
【0070】
なお、上記アプリケーションプログラム54a〜54cは、可搬型記録媒体54によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ500と通信可能に接続された外部の機器から上記電気通信回線を通じて提供することも可能である。たとえば、上記アプリケーションプログラム54a〜54cがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ500がアクセスして、そのアプリケーションプログラム54a〜54cをダウンロードし、これをハードディスク51dにインストールすることも可能である。
【0071】
また、ハードディスク51dには、たとえば、米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのグラフィカルユーザインタフェース環境を提供するオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、アプリケーションプログラム54a〜54cは上記オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0072】
入出力インタフェース51fは、たとえば、USB、IEEE1394、RS−232Cなどのシリアルインタフェース、SCSI、IDE、IEEE1284などのパラレルインタフェース、およびD/A変換器、A/D変換器などからなるアナログインタフェースなどから構成されている。入出力インタフェース51fには、入力デバイス53が接続されており、ユーザがその入力デバイス53を使用することにより、コンピュータ500にデータを入力することが可能である。
【0073】
通信インタフェース51gは、たとえば、Ethernet(登録商標)インタフェースである。コンピュータ500は、その通信インタフェース51gにより、所定の通信プロトコルを使用して第1測定ユニット2、第2測定ユニット3、検体搬送装置4およびホストコンピュータ6との間でデータの送受信が可能である。
【0074】
画像出力インタフェース51hは、LCDまたはCRTなどで構成された表示部52に接続されており、CPU51aから与えられた画像データに応じた映像信号を表示部52に出力するようになっている。表示部52は、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示するように構成されている。
【0075】
制御部51は、上記した構成により、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3から送信された測定結果を用いて分析対象の成分を解析するとともに、分析結果(赤血球数、血小板数、ヘモグロビン量、白血球数など)を取得するように構成されている。
【0076】
ラック110には、図5に示すように、10本のロングバイアル101を一列に収容可能なように10個の容器収容部110bが形成されている。また、各容器収容部110bには、それぞれ、収容したロングバイアル101のバーコード101bが視認可能なように開口部110cが設けられている。
【0077】
図22および図23は、図1に示した一実施形態による血液分析装置の検体吸引動作を説明するための図である。次に、図9、図17、図22および図23を参照して、一実施形態による血液分析装置1の検体吸引動作について説明する。なお、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3では、互いに同様の動作で検体吸引が行われるので、以下では第1測定ユニット2による検体吸引動作について説明し、第2測定ユニット3による検体吸引動作については説明を省略する。
【0078】
まず、検体搬送装置4のラック搬送部43により、ラック110に保持されたロングバイアル101が図22に示す第1取出位置43aに移送される。そして、第1取出位置43aに移送されたロングバイアル101は、検体セット位置610において、サンプル容器搬送部25のハンド部251により、第1取出位置43aから第1検体セット部255aの保持穴255jに移送される。その後、移動部255dが装置の後方(矢印Y2方向)に移動されることにより、平面的に見て(矢印Z1方向から見て)、保持穴255jの中心位置O2が、一対の側面271aにより挟み込まれる領域の中心位置O1の鉛直線上に配置される。
【0079】
次に、ステッピングモータ274(図9参照)を駆動して、タイミングベルト275(図9参照)を矢印A2方向(図15および図16参照)に回動させることによって、一対のチャック部271が一対の側面271aに挟み込まれる領域の中心位置O1を同位置に維持した状態で互いに同じ速さで近接される。そして、保持穴255jに保持されたロングバイアル101が一対の側面271aにより挟み込まれることによって、図17に示すように、ロングバイアル101の中心軸Pが中心位置O1の鉛直線上に配置される。具体的には、保持穴255jに保持されたロングバイアル101は、近接される一対の側面271aに当接した後、チャック部271の近接移動に伴って、中心軸Pが中心位置O1の鉛直線上に配置されるように保持穴255j内で移動しながら、一対の側面271aに把持される。その後、ロングバイアル101が一対の側面271aに把持された状態で、ピアサ211を降下させることによって、ピアサ211により密閉蓋101aが貫通され、ピアサ211がロングバイアル101内に挿入される。具体的には、ピアサ211は、所定の回転トルクで回転駆動するステッピングモータ218により降下され、密閉蓋101aを貫通した後、先端がロングバイアル101の底部近傍に到達するまで降下される。そして、検体吸引部21により、ロングバイアル101内の血液が吸引される。
【0080】
血液の吸引が終了すると、ステッピングモータ274によりタイミングベルト275が矢印A1方向(図15および図16参照)に回動されて、一対のチャック部271が互いに離間される。そして、一対の側面271aによるロングバイアル101の把持が解除された状態で、ピアサ211が上昇される。この際、密閉蓋101aと貫通されたピアサ211との間の摩擦力によって、図23に示すように、密閉蓋101aがピアサ211の上昇移動に伴って上方(矢印Z1方向)に持ち上げられる。また、ロングバイアル101の容器本体は、一対の側面271aによる把持が解除されているので、密閉蓋101aとともに上方に持ち上げられる。そして、所定の高さまで持ち上げられた密閉蓋101aは、上面が規制部279に当接され、上方への移動が規制される。これにより、ピアサ211だけを上方に移動させることができるので、ピアサ211を密閉蓋101aから引き抜くことが可能となる。ピアサ211が密閉蓋101aから引き抜かれると、密閉蓋101aおよびロングバイアル101の容器本体は、下方の保持穴255jに落下されて、検体吸引動作が終了される。
【0081】
本実施形態では、上記のように、一対の側面271aに挟み込まれる領域の中心位置O1が所定位置に維持された状態で一対のチャック部271の両方を移動させて互いに近接させることにより、保持穴255jに保持されたロングバイアル101を一対の側面271aで挟持することによって、ロングバイアル101の外径の大きさにかかわらず、ロングバイアル101の中心軸Pが一対の側面271aに挟み込まれる領域の中心位置O1に維持された状態でロングバイアル101が一対の側面271aにより挟み込まれるので、挟持されるロングバイアル101の中心軸Pが一対のチャック部271の移動方向(矢印X1およびX2方向)にずれるのを抑制することができる。これにより、精度よくピアサ211をロングバイアル101内に挿入することができる。
【0082】
また、本実施形態では、ロングバイアル101に開口を閉塞する密閉蓋101aを設け、ロングバイアル101が一対の側面271aに挟持された状態でピアサ211を密閉蓋101aに貫通させることにより、ピアサ211をロングバイアル101内に挿入するように検体吸引部21を構成することによって、ロングバイアル101が一対の側面271aにより挟持されることにより安定して保持された状態でピアサ211を密閉蓋101aに貫通させることができるので、精度よくピアサ211をロングバイアル101内に挿入することができる。
【0083】
また、本実施形態では、密閉蓋101aがピアサ211の引き抜き方向(矢印Z1方向)に移動するのを規制する規制部279を設けることによって、規制部279により密閉蓋101aが引張方向(矢印Z1方向)に移動するのを規制することができるので、密閉蓋101aはピアサ211の引張方向とは反対方向(矢印Z2方向)の反力を規制部279から受ける。これにより、密閉蓋101aに容器本体から外れる方向の力が加わるのを抑制しながら、ピアサ211だけを引張方向に移動させることができ、その結果、容易に、ピアサ211を密閉蓋101aから引き抜くことができる。
【0084】
また、本実施形態では、平面的に見て、ロングバイアル101の中心軸Pの前後方向(矢印Y1およびY2方向)および左右方向(矢印X1およびX2方向)の位置が定まるように、ロングバイアル101を4点支持で挟持するように一対の側面271aを構成することによって、4点で支持することにより、ロングバイアル101の外径の大きさにかかわらず、容易に、ロングバイアル101の中心軸Pの前後方向および左右方向の位置決めをすることができるので、容易に、ロングバイアル101の中心軸Pを一対の側面271aに挟み込まれる領域の中心位置O1に配置させることができる。これにより、容易に精度よくピアサ211をロングバイアル101内に挿入することができる。
【0085】
また、本実施形態では、一対の側面271aを、それぞれ、平面的に見て、略V字形状に形成することによって、円筒形状のロングバイアル101に対して、一対の側面271aにより、容易に4点支持で挟持することができる。
【0086】
また、本実施形態では、タイミングベルト275と、タイミングベルト275をA1方向およびA2方向に回動させるステッピングモータ274と、一対のチャック部271のうちの一方のチャック部271をタイミングベルト275に連結する連結部278aと、一対のチャック部271のうちの他方のチャック部271をタイミングベルト275に連結する連結部278bと、タイミングベルト275を折り返すプーリ276とを設けるとともに、タイミングベルト275の連結部278aと連結部278bとが取り付けられた間の部分を折り返すようにプーリ276を配置することにより、タイミングベルト275をA2方向に回動させた場合に、一対のチャック部271が近接し、タイミングベルト275をA1方向に回動させた場合に、一対のチャック部271が離間するように構成することによって、1本のタイミングベルト275の回動に伴って、一対のチャック部271が互いに近接および離間するように移動されるので、容易に、一対のチャック部271のそれぞれの動作の同期を取ることができる。また、1つのステッピングモータ274のみを用いて、一対のチャック部271の近接動作および離間動作を行うことができる。
【0087】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0088】
たとえば、本実施形態では、検体処理装置の一例として血液分析装置を示したが、本発明はこれに限らず、検体容器から検体を吸引して処理する検体処理装置であれば、たとえば、塗抹標本作製装置などの他の検体処理装置に本発明を適用してもよい。
【0089】
また、本実施形態では、検体処理装置の一例として、第1測定ユニットおよび第2測定ユニットの2つの測定ユニットを備える検体処理装置を示したが、本発明はこれに限らず、1つの測定ユニットだけを備える検体処理装置であってもよいし、3つ以上の測定ユニットを備える検体処理装置であってもよい。
【0090】
また、本実施形態では、検体容器の一例として、栓体としての密閉蓋を有するロングバイアルを示したが、本発明はこれに限らず、栓体を有さずに開口が開放された検体容器を用いてもよい。
【0091】
また、本実施形態では、規制部を設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限らず、規制部を設けずに検体容器の上方に配置された装置内の他の部材に栓体を当接させて、規制部と同様の機能を発揮させる構成であってもよい。
【0092】
また、本実施形態では、挟持部の一例として、平面的に見て略V字形状に形成された側面を有する挟持部を示したが、本発明はこれに限らず、検体容器を4点支持で挟持することが可能な形状を有する挟持部であれば、たとえば、平面的に見て略U字形状に形成された側面を有する挟持部であってもよい。
【0093】
また、本実施形態では、挟持部の一例として、平面的に見てロングバイアルを4点支持で挟持する側面を有する挟持部を示したが、本発明はこれに限らず、検体容器の中心軸の前後方向および左右方向の位置が定まれば、平面的に見て検体容器を5点以上の支持で挟持する挟持部であってもよい。また、平面的に見て、点ではなく線で支持して挟持する構成であってもよい。すなわち、挟持部と検体容器との当接が、点接触、線接触および面接触のいずれであってもよい。
【0094】
また、本実施形態では、保持部の穴部の一例として、平面的に見て円形形状に形成された保持穴を示したが、本発明はこれに限らず、検体容器を移動可能に保持できる穴部であれば、平面的に見て矩形形状に形成された穴部であってもよいし、円形形状および矩形形状以外の他の形状に形成された穴部であってもよい。
【0095】
また、本実施形態では、一対のチャック部のうちの一方のチャック部の連結部および他方のチャック部の連結部の両方を共通のタイミングベルトに取り付け、ステッピングモータを駆動させることによって、一対のチャック部を近接および離間させる構成の例を示したが、本発明はこれに限らず、一方のチャック部および他方のチャック部をそれぞれ別個の駆動部により、互いに近接および離間するように駆動させる構成であってもよい。また、駆動源は、モータに限らず、たとえば、シリンジポンプなどのモータ以外の駆動源であってもよい。
【0096】
また、本実施形態では、ラック搬送部により搬送されたラックから検体セット位置においてロングバイアルを第1検体セット部の保持穴に保持させ、ロングバイアルを保持した第1検体セット部を検体の吸引位置まで移送するサンプル容器移送部を設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限らず、検体容器セット部移動部を設けずに、ロングバイアルを挟持するためのチャック部を検体セット位置に設け、ラック搬送部により搬送されたラックから検体セット位置においてロングバイアルを検体容器セット部の保持穴に移送した後、チャック部によりロングバイアルを挟持し、保持穴の中心位置の上方までピアサを移動させてピアサをロングバイアル内に挿入する構成であってもよい。
【0097】
また、本実施形態では、チャック部によるロングバイアルの把持が解除された状態でピアサを上昇させることにより、ロングバイアルの密閉蓋からピアサを引き抜いているが、本発明はこれに限らず、チャック部によりロングバイアルが把持された状態でピアサを上昇させることにより、ロングバイアルの密閉蓋からピアサを引き抜いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の一実施形態による血液分析装置の全体構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示した一実施形態による血液分析装置の各部の詳細を説明するための斜視図である。
【図3】図1に示した一実施形態による血液分析装置の測定ユニットおよび検体搬送装置を示す概略図である。
【図4】図1に示した一実施形態による血液分析装置の測定ユニットおよび検体搬送装置を示す斜視図である。
【図5】図1に示した一実施形態による血液分析装置のラックおよびロングバイアルを示す斜視図である。
【図6】図1に示した一実施形態による血液分析装置のマイクロチューブを示す斜視図である。
【図7】図1に示した一実施形態による血液分析装置の検体吸引部近傍を示す斜視図である。
【図8】図1に示した一実施形態による血液分析装置の検体セット部を示す斜視図である。
【図9】図1に示した一実施形態による血液分析装置のサンプル容器移送部および固定保持部近傍を示す斜視図である。
【図10】図1に示した一実施形態による血液分析装置の移動部の位置を説明するための図である。
【図11】図1に示した一実施形態による血液分析装置の第1検体セット部を示す断面図である。
【図12】図1に示した一実施形態による血液分析装置の固定保持部近傍を示す斜視図である。
【図13】図1に示した一実施形態による血液分析装置の固定保持部近傍を示す斜視図である。
【図14】図1に示した一実施形態による血液分析装置の固定保持部近傍を示す正面図である。
【図15】図1に示した一実施形態による血液分析装置の固定保持部の構成を説明するための図である。
【図16】図1に示した一実施形態による血液分析装置の固定保持部の構成を説明するための図である。
【図17】図1に示した一実施形態による血液分析装置のチャック部の構成を説明するための図である。
【図18】図1に示した一実施形態による血液分析装置の検体搬送装置を説明するための平面図である。
【図19】図1に示した一実施形態による血液分析装置の検体搬送装置を説明するための側面図である。
【図20】図1に示した一実施形態による血液分析装置の検体搬送装置を説明するための側面図である。
【図21】図1に示した一実施形態による血液分析装置の制御装置を説明するためのブロック図である。
【図22】図1に示した一実施形態による血液分析装置の検体吸引動作を説明するための図である。
【図23】図1に示した一実施形態による血液分析装置の検体吸引動作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0099】
1 血液分析装置
4 検体搬送装置
21、31 検体吸引部
100 サンプル容器
101 ロングバイアル
101a 密閉蓋
110 ラック
211、311 ピアサ
251、351 ハンド部
255、355 サンプル容器移送部
255a、355a 第1検体セット部
255j、355j 保持穴
271、371 チャック部
271a、371a 側面
274、374 ステッピングモータ
275、375 タイミングベルト
276、376 プーリ
278a、378a 連結部
278b、378b 連結部
279、379 規制部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体容器を保持するための保持部を有する検体容器セット部と、
前記保持部に保持された前記検体容器を挟持するための一対の挟持部が互いに対向するように配置された一対の容器挟持部材と、
前記一対の挟持部に挟み込まれる領域の中心位置を所定位置に維持した状態で前記一対の容器挟持部材の両方を移動させて互いに近接させることにより、前記保持部に保持された前記検体容器を前記一対の挟持部に挟持させる容器挟持部材駆動部と、
前記一対の挟持部により挟持された前記検体容器の開口を介して吸引管を前記検体容器内に挿入し、前記検体容器内の検体を吸引する検体吸引部と、
前記検体吸引部により吸引された検体を処理する検体処理部とを備える、検体処理装置。
【請求項2】
前記検体容器は、前記開口を閉塞する栓体を含み、
前記検体吸引部は、前記検体容器が前記一対の挟持部に挟持された状態で前記吸引管を前記栓体に貫通させることにより、前記吸引管を前記検体容器内に挿入するように構成されている、請求項1に記載の検体処理装置。
【請求項3】
前記検体吸引部は、前記一対の挟持部による前記検体容器の挟持が解除された状態で、前記栓体に貫通された前記吸引管を前記栓体から引き抜くように構成され、
前記栓体が前記吸引管の引き抜き方向に移動するのを規制する規制部をさらに備える、請求項2に記載の検体処理装置。
【請求項4】
前記一対の挟持部は、前記検体容器の中心軸の前後方向および左右方向の位置が定まるように、前記検体容器を4点支持で挟持するように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の検体処理装置。
【請求項5】
直立した前記検体容器を挟持する状態において、前記一対の挟持部は、それぞれ、上方から見て、略V字形状に形成された凹部を含む、請求項4に記載の検体処理装置。
【請求項6】
前記保持部は、前記検体容器を移動可能に保持する穴部を備え、
前記一対の容器挟持部材を互いに近接させることにより、前記一対の挟持部に挟み込まれる領域の中心位置が位置する前記所定位置の鉛直線上に前記検体容器の中心軸が位置するように前記検体容器を前記穴部内で移動させて、前記挟持部により前記検体容器を挟持するように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の検体処理装置。
【請求項7】
前記検体容器を保持する検体ラックを検体容器取出位置に移送させる検体ラック移送部と、
前記検体ラック移送部により前記検体容器取出位置に移送された検体ラックから前記検体容器を取り出し、前記検体容器セット部の前記保持部に移送する検体容器移送部とをさらに備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の検体処理装置。
【請求項8】
前記一対の挟持部に挟み込まれる領域の中心位置が位置する前記所定位置の鉛直線上に前記保持部の中心位置が位置するように前記検体容器セット部を移動させる検体容器セット部移動部をさらに備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載の検体処理装置。
【請求項9】
前記容器挟持部材駆動部は、
環状ベルトと、
前記環状ベルトを順方向および逆方向に回動させるベルト駆動部と、
前記一対の容器挟持部材のうちの一方の容器挟持部材を前記環状ベルトに連結する第1連結部と、
前記一対の容器挟持部材のうちの他方の容器挟持部材を前記環状ベルトに連結する第2連結部と、
前記環状ベルトを折り返す滑車部とを含み、
前記環状ベルトの前記第1連結部と前記第2連結部とが取り付けられた間の部分を折り返すように前記滑車部を配置することによって、前記ベルト駆動部が前記環状ベルトを順方向に回動させた場合に、前記一対の容器挟持部材が近接し、前記ベルト駆動部が前記環状ベルトを逆方向に回動させた場合に、前記一対の容器挟持部材が離間するように構成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の検体処理装置。
【請求項10】
前記容器挟持部材駆動部は、前記一対の容器挟持部材を、互いに同じ速さで移動させながら近接させるように構成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の検体処理装置。
【請求項11】
検体容器を保持するための保持部を有する検体容器セット部と、
前記保持部に保持された前記検体容器を挟持するための一対の挟持部が互いに対向するように配置された一対の容器挟持部材と、
前記一対の挟持部に挟み込まれる領域の中心位置を所定位置に維持した状態で前記一対の容器挟持部材の両方を移動させて互いに近接させることにより、前記保持部に保持された前記検体容器を前記一対の挟持部に挟持させる容器挟持部材駆動部と、
前記一対の挟持部により挟持された前記検体容器の開口を介して吸引管を前記検体容器内に挿入し、前記検体容器内の検体を吸引する検体吸引部とを備える、検体吸引装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−107308(P2010−107308A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−278565(P2008−278565)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】