検体処理装置
【課題】検体の識別情報を円滑に入力することが可能な検体処理装置を提供する。
【解決手段】検体分析装置1は、搬送ユニット2と、検体容器T内の検体を処理する測定ユニット3と、搬送ユニット2と測定ユニット3の制御を行う情報処理装置4を備えている。測定ユニット3は、検体容器Tのバーコードラベルから検体IDを読み取るバーコードリーダを備えており、情報処理装置4は、入力部41と表示部42を備えている。ユーザは、バーコードリーダによる検体IDの読み取りが行われるまでに、入力部41による検体IDの入力を受け付けるためのマニュアル測定画面を表示部42に表示させることができる。これにより、バーコードリーダによる読み取りと、マニュアル測定画面を介した検体IDの入力とを、適宜選択することができるため、検体の識別情報を円滑に入力することが可能となる。
【解決手段】検体分析装置1は、搬送ユニット2と、検体容器T内の検体を処理する測定ユニット3と、搬送ユニット2と測定ユニット3の制御を行う情報処理装置4を備えている。測定ユニット3は、検体容器Tのバーコードラベルから検体IDを読み取るバーコードリーダを備えており、情報処理装置4は、入力部41と表示部42を備えている。ユーザは、バーコードリーダによる検体IDの読み取りが行われるまでに、入力部41による検体IDの入力を受け付けるためのマニュアル測定画面を表示部42に表示させることができる。これにより、バーコードリーダによる読み取りと、マニュアル測定画面を介した検体IDの入力とを、適宜選択することができるため、検体の識別情報を円滑に入力することが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体容器に収容された検体を処理する検体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、血液や尿等の臨床検体を処理するための検体処理装置が、医療施設において用いられている。
【0003】
特許文献1には、通常検体を収容した検体容器を保持したラックを搬送して検体容器を順次装置内部に取り込んで測定を行いつつ、通常検体に優先して測定されるべき優先検体を、通常検体の測定に割り込んで測定することが可能な検体分析装置が開示されている。この装置は、通常検体を測定する場合には、検体容器を装置内部に取り込んで、装置内部のバーコード読取部により検体容器に貼付されたバーコードを読み取る。また、この装置は、優先検体を測定する場合には、優先検体測定指示画面から優先検体の検体番号および測定項目をユーザが手入力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−32489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
優先検体を収容した検体容器には、バーコードが付されていないものに限らず、バーコードが付されているものも存在する。しかしながら、特許文献1の検体分析装置では、優先検体を測定する場合には検体番号を必ず手入力しなければならず、バーコードが付された優先検体であっても、バーコード読取部にバーコードを読み取らせることができなかった。そのため、より円滑に優先検体の識別情報を入力することを可能にする技術が望まれていた。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、検体の識別情報を円滑に入力することが可能な検体処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主たる態様に係る検体処理装置は、検体容器を載置するための検体容器載置部と、前記検体容器載置部に載置された検体容器から読取位置で識別情報を読み取る読取部と、表示部と、操作者が識別情報の入力を行う入力画面の表示を指示するための表示指示手段と、前記検体容器載置部を、読取位置を介して吸引位置に移送する移送部と、吸引位置に移送された検体容器内の検体を吸引して処理する検体処理部と、操作者が前記検体処理部による検体処理の開始を指示するための開始指示手段と、前記検体容器載置部に検体容器が載置された状態で前記開始指示手段により検体処理開始指示を受付けると、前記検体容器載置部を読取位置に移送して前記読取部による識別情報の読取を行った後、吸引位置に移送するように前記移送部および前記読取部を制御し、前記検体容器載置部に検体容器が載置された状態で前記表示指示手段により表示指示を受付けると、入力画面を前記表示部に表示し、入力画面を介して識別情報の入力を受付けた後、前記開始指示手段により検体処理開始指示を受付けると、前記検体容器載置部を吸引位置に移送するように前記移送部を制御する制御部と、を備える。
【0008】
本態様に係る検体処理装置によれば、検体容器載置部に検体容器を載置した状態で開始
指示手段による指示を行えば読取部により識別情報を入力でき、検体容器載置部に検体容器を載置した状態で表示指示手段による指示を行えば識別情報の入力画面を表示させることができる。よって、識別情報の入力が円滑に行われ得る。
【0009】
本態様に係る検体処理装置において、前記制御部は、入力画面を介して識別情報の入力を受付けた後、前記開始指示手段により検体処理開始指示を受付けると、読み取りを行わないように前記読取部を制御するとともに、前記検体容器載置部を吸引位置に移送するように前記移送部を制御するよう構成され得る。こうすると、検体の処理を迅速に進めることができる。
【0010】
また、本態様に係る検体処理装置において、前記制御部は、前記読取部により識別情報を取得できなかった場合、その旨を操作者へ通知する処理を実行するとともに、前記検体容器載置部を検体容器の載置位置に戻すように前記移送部を制御するよう構成され得る。こうすると、ユーザは、例えば識別情報が付されていないにもかかわらず、入力を行わずに誤って開始指示をしてしまった場合に、識別情報の入力が必要であることを知ることができ、入力画面を介した識別情報の入力へと円滑に移行することができる。
【0011】
また、本態様に係る検体処理装置において、前記制御部は、入力された識別情報に基づいて、前記検体処理部で行われる処理に関するオーダを取得する処理を実行し、オーダが取得できない場合、識別情報の再入力を促す処理を実行するよう構成され得る。こうすると、ユーザは、識別情報の再入力が必要となったことを知ることができる。
【0012】
この場合に、前記制御部は、入力画面が表示されてから識別情報の入力が完了するまで、前記開始指示手段を無効化する処理を実行するよう構成され得る。こうすると、識別情報の入力中に、誤って検体処理部による処理が行われることを防ぐことができる。
【0013】
この場合、前記制御部は、入力された識別情報に基づいてオーダが取得できた場合、前記開始指示手段を有効化する処理を実行するよう構成され得る。こうすると、オーダに基づく検体の処理を円滑に進めることができる。
【0014】
この場合に、本態様に係る検体処理装置は、複数の検体容器を保持可能な検体ラックを搬送する搬送部と、操作者が前記検体処理部による連続処理の中断を指示するための中断指示手段と、を備える。ここで、前記検体処理部は、前記搬送部によって順次搬送される検体容器中の検体を連続的に処理可能であり、前記制御部は、前記中断指示手段により中断が指示されると、連続処理が中断されるように前記搬送部と前記検体処理部とを制御するとともに、前記検体容器載置部を検体容器の載置位置に移送するように前記移送部を制御するよう構成され得る。こうすると、連続処理が中断されるとともに検体容器載置部が載置位置に移送されるため、検体の載置及び処理の開始を迅速に行うことができる。
【0015】
この場合、前記制御部は、前記中断指示手段によって中断が指示されると、前記表示指示手段を有効化する処理を実行するよう構成され得る。こうすると、連続処理を中断してはじめて入力画面を表示させることができるようになるため、操作者による誤入力を防止することができる。
【0016】
また、本態様に係る検体処理装置は、検体容器の載置位置と吸引位置との間で、前記検体容器載置部に検体容器が載置されているか否かを検知する容器検知部をさらに備える。ここで、前記制御部は、前記開始指示手段によって検体処理の開始が指示された場合であって、前記容器検知部によって検体容器を検知できなかった場合、前記検体容器載置部を載置位置に戻すように前記移送部を制御するよう構成され得る。こうすると、操作者が検体容器を載置せずに誤って開始指示をしてしまった場合に、検体容器を迅速に載置するこ
とができる。
【発明の効果】
【0017】
以上のとおり、本発明によれば、検体の識別情報を円滑に入力することが可能な検体処理装置を提供することができる。
【0018】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態により何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施の形態に係る検体処理装置の外観を示す斜視図である。
【図2】実施の形態に係る検体容器、検体ラックおよびチューブの構成を示す図である。
【図3】実施の形態に係る搬送ユニットおよび測定ユニットを上側から見た場合の構成を示す平面図である。
【図4】実施の形態に係る検体容器搬送部の近傍を示す平面図である。
【図5】実施の形態に係るバーコードユニットによる読み取り動作について説明する図である。
【図6】実施の形態に係る搬送ユニットおよび測定ユニットの構成の概要を示す図である。
【図7】実施の形態に係る情報処理装置の構成を示す図である。
【図8】実施の形態に係る情報処理装置の表示部に表示されるコントロールメニュー画面およびマニュアル測定画面を示す図である。
【図9】実施の形態に係るサンプラ測定が行われているときに、優先検体の測定が行われる場合の情報処理装置の処理を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態に係るサンプラ測定が行われているときに、優先検体の測定が行われる場合の情報処理装置の処理を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態に係る受付処理を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態に係る情報処理装置の表示部に表示されるエラー画面を示す図である。
【図13】実施の形態に係るサンプラ測定が行われているときに、優先検体の測定が行われる場合の情報処理装置の処理を示すフローチャートの変更例である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本実施の形態は、血液に関する検査および分析を行うための検体分析装置に本発明を適用したものである。
【0021】
以下、本実施の形態に係る検体分析装置について、図面を参照して説明する。
【0022】
図1は、検体分析装置1の外観を示す斜視図である。本実施の形態に係る検体分析装置1は、搬送ユニット2と、測定ユニット3と、情報処理装置4から構成されている。また、本実施の形態の検体分析装置1は、通信ネットワークを介してホストコンピュータ5(図6参照)と通信可能に接続されている。
【0023】
搬送ユニット2は、測定ユニット3の前方に配置されており、右テーブル21と、左テーブル22と、右テーブル21と左テーブル22とをつなぐラック搬送部23とを備えている。右テーブル21と左テーブル22は、10本の検体容器Tを保持可能な複数の検体ラックLを収容することができる。
【0024】
図2(a)、(b)は、検体容器Tと検体ラックLの構成を示す図である。同図(a)は、検体容器Tの外観を示す斜視図であり、同図(b)は、10本の検体容器Tが保持されている検体ラックLの外観を示す斜視図である。なお、同図(b)には、検体ラックLが搬送ユニット2に載置されるときの向き(図1の前後左右)が併せて示されている。
【0025】
図2(a)を参照して、検体容器Tは、透光性を有するガラスまたは合成樹脂により構成された管状容器であり、上端が開口している。内部には患者から採取された血液検体が収容され、上端の開口は蓋部CPにより密封されている。検体容器Tの側面には、バーコードラベルBL1が貼付されている。バーコードラベルBL1には、検体IDを示すバーコードが印刷されている。
【0026】
図2(b)を参照して、検体ラックLには、10本の検体容器Tを垂直状態(立位状態)で並べて保持することが可能となるよう、図示の如く保持位置1〜10に10個の保持部が形成されている。また、検体ラックLの後方の側面には、図示の如く、バーコードラベルBL2が貼付されている。バーコードラベルBL2には、ラックIDを示すバーコードが印刷されている。
【0027】
図2(c)は、微量な検体を収容するためのチューブMの構成を示す図である。チューブMは、検体容器Tよりも小型に構成されており、後述する優先検体の測定時に、検体容器セット部321bにセットされる。なお、チューブMには、バーコードラベルは貼付されない。
【0028】
図1に戻って、搬送ユニット2は、ユーザが右テーブル21に載置した検体ラックLを収容する。また、搬送ユニット2は、右テーブル21に収容している検体ラックLを搬送し、検体容器Tが測定ユニット3に供給されるよう、検体ラックLをラック搬送部23の所定位置に位置付ける。さらに、搬送ユニット2は、ラック搬送部23上にある検体ラックLを搬送して、左テーブル22に回収する。
【0029】
測定ユニット3は、開閉ボタン3aと、測定開始ボタン3bと、検体容器Tを把持することができるハンド部31(図3参照)と、ベース321を備えている。ベース321には、検体容器Tをセットすることができる検体容器セット部321aと、チューブMをセットすることができる検体容器セット部321bが設置されている。
【0030】
測定ユニット3は、前方に配置された搬送ユニット2のラック搬送部23上にある検体容器Tに対して処理を行う。すなわち、測定ユニット3は、ラック搬送部23の所定の位置において、ハンド部31(図3参照)により検体ラックLから検体容器Tを取り出して、この検体容器Tに収容された検体を測定ユニット3内で測定する。測定が完了すると、測定ユニット3は、この検体容器Tを再び元の検体ラックLの保持部に戻す。このように、搬送ユニット2によって搬送された検体容器Tを、ハンド部31によりラック搬送部23の所定位置から順次取り出して行う測定を、以下、「サンプラ測定」と称することにする。
【0031】
他方、開閉ボタン3aがユーザにより押されると、測定ユニット3の前面に形成された開口部3cを介して、ベース321が測定ユニット3の前面より前方に突出し、検体容器セット部321a、321bが測定ユニット3の前面よりも前方に位置付けられる。ユーザは、検体容器セット部321aまたは321bに、検体容器TまたはチューブMをセットして、測定開始ボタン3bを押すことにより、サンプラ測定に割り込んで、緊急に測定を行いたい検体の測定を優先的に行うことができる。このように、サンプラ測定に割り込んで優先的に行う測定を、以下、「優先検体の測定」と称することにする。
【0032】
情報処理装置4は、入力部41と表示部42を備えている。また、情報処理装置4は、搬送ユニット2と、測定ユニット3と、ホストコンピュータ5(図6参照)と、通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0033】
情報処理装置4は、搬送ユニット2と測定ユニット3の動作を制御する。また、情報処理装置4は、搬送ユニット2内のバーコードリーダB31(図3参照)と、測定ユニット3内のバーコードリーダC31(図3参照)により検体IDが読み取られると、ホストコンピュータ5(図6参照)に測定オーダの問い合わせを行う。さらに、情報処理装置4は、測定ユニット3で行われた測定結果に基づいて分析を行い、分析結果をホストコンピュータ5(図6参照)に送信する。
【0034】
図3は、搬送ユニット2と測定ユニット3を上側からみた場合の構成を示す平面図である。また、図4は、検体容器搬送部32の近傍を示す平面図である。
【0035】
まず、図3および図4(a)、(b)を参照して、サンプラ測定について説明する。
【0036】
右テーブル21に載置された検体ラックLは、ラック送込機構21aによって前方側面が押されることにより、ラック搬送部23の右端位置に搬送される。ラック搬送部23の右端位置に位置付けられた検体ラックLは、ラック搬送部23のベルト(図示せず)によって左方向に搬送される。
【0037】
ラック搬送部23の中央近傍には、バーコードリーダB31を備えるバーコードユニットBが設置されている。バーコードリーダB31の前方に、検体ラックLの保持部が位置付けられると、バーコードユニットBにより、位置付けられた保持部に検体容器Tが保持されているか否かが判定される。この保持部に検体容器Tが保持されていると、バーコードリーダB31により検体容器Tの検体IDが読み取られる。また、バーコードリーダB31の前方に、検体ラックLのバーコードラベルBL2が位置付けられると、バーコードリーダB31により検体ラックLのラックIDが読み取られる。なお、バーコードユニットBによる読み取り動作については、追って図5(c)を参照して説明する。
【0038】
バーコードリーダB31によって検体IDが読み取られた検体容器Tは、さらに左方向に搬送され、取込位置P1に位置付けられる。取込位置P1には、ハンド部31が、上下方向(Z軸方向)に移動可能となるよう、測定ユニット3に設置されている。取込位置P1に位置付けられた検体容器Tは、ハンド部31により把持されて、検体ラックLから上方向(Z軸正方向)に取り出される。なお、検体ラックLの搬送は、この検体容器Tが検体ラックLへ戻されるまでの間、待機される。
【0039】
検体容器搬送部32は、検体容器セット部321a、321bが設置されたベース321と、ベース321を一点鎖線内で前後に移動させるための機構(図示せず)からなる。なお、かかる機構には、前後に移動するベルトと、このベルトを移動させるためのステッピングモータが含まれている。ベース321は、このベルトに設置されており、ステッピングモータの駆動に合わせて、前後に移動するよう構成されている。
【0040】
ハンド部31により把持された検体容器Tが、検体容器搬送部32よりも上に引き上げられると、ベース321が移動されて、検体容器セット部321aが取込位置P1に位置付けられる。図4(a)は、このときのベース321の位置を示している。この状態で、ハンド部31が下方向(Z軸負方向)に移動されて、ハンド部31により把持されている検体容器Tが、検体容器セット部321aにセットされる。
【0041】
続いて、ベース321が後方に移動され、検体容器セット部321aが、バーコードユ
ニットCのバーコードリーダC31に対向する位置(バーコード読取位置P2)に位置付けられる。図4(b)は、このときのベース321の位置を示している。この状態で、バーコードユニットCにより、検体容器セット部321aに検体容器Tがセットされているか否かが判定され、検体容器Tがセットされている場合に、検体容器Tの検体IDが読み取られる。なお、バーコードユニットCによる読み取り動作については、追って図5(a)、(b)を参照して説明する。
【0042】
続いて、ベース321が後方に移動され、検体容器セット部321aがピアサ33の真下位置(吸引位置P4)に位置付けられる。ここで、ピアサ33が下方向に移動され、吸引位置P4に位置付けられている検体容器Tから検体が吸引される。
【0043】
ピアサ33による検体の吸引が終わると、ベース321が前方に移動され、検体容器セット部321aが再び取込位置P1に位置付けられる。取込位置P1において、検体容器Tは、検体容器セット部321aからハンド部31により上方向に取り出される。この状態で、ベース321が後方に移動された後、ハンド部31が下方向(Z軸負方向)に移動され、この検体容器Tは、ラック搬送部23に位置付けられている検体ラックLの元の保持部に戻される。
【0044】
こうして、検体ラックLに保持されている全ての検体容器Tの検体の測定が終了すると、検体ラックLは、ラック搬送部23の左端位置まで送られる。しかる後、検体ラックLは、ラック押出し機構23aにより、左テーブル22の後方位置に押し出される。左テーブル22の後方位置に位置付けられた検体ラックLは、ラック送込機構22aにより、左テーブル22の前方に搬送される。こうして、右テーブル21にある全ての検体ラックLについて測定処理が終了すると、サンプラ測定が終了する。
【0045】
次に、図3および図4(b)〜(d)を参照して、優先検体の測定について説明する。
【0046】
ユーザにより開閉ボタン3a(図1参照)が押されると、ベース321が前方に移動され、検体容器セット部321a、321bが、それぞれ、優先検体セット位置P5a、P5bに位置付けられる。図4(c)は、このときのベース321の位置を示している。この状態で、ユーザにより、検体容器セット部321aまたは321bに、それぞれ、優先的に測定を行いたい検体を収容している検体容器TまたはチューブMがセットされる。
【0047】
測定開始ボタン3b(図1参照)が押されて、優先検体の測定が開始されると、検体容器セット部321a、321bに、それぞれ検体容器TとチューブMが保持されているかが判定される。検体容器セット部321aに検体容器Tが保持されているか否かの判定は、サンプラ測定の場合と同様に、図4(b)の状態でバーコードユニットCによって行われる。検体容器セット部321bにチューブMが保持されているか否かの判定は、センサ34により行われる。すなわち、ベース321が移動され、検体容器セット部321bがセンサ34に対応する位置(センサ読取位置P3)に位置付けられる。センサ34は、発光部と受光部からなる透過型のセンサである。図4(d)は、このときのベース321の位置を示している。この状態で、センサ34により、検体容器セット部321bにチューブMがセットされているか否かが判定される。なお、検体容器セット部321a、321bの両方に検体がセットされている場合、表示部42にエラー画面が表示され、図4(c)のようにベース321が測定ユニット3の前方に位置付けられる。
【0048】
検体容器セット部321aに検体容器Tがセットされている場合、この検体容器Tの検体IDは上記サンプラ測定の場合と同様、図4(b)の状態でバーコードリーダC31により検体IDが読み取られる。検体容器セット部321bにチューブMがセットされている場合、このチューブMの検体IDは、ユーザにより入力部41を介して入力される。
【0049】
続いて、ベース321が後方に移動され、検体容器TまたはチューブMがピアサ33の真下位置(吸引位置P4)に位置付けられる。ここで、ピアサ33が下方向に移動され、吸引位置P4に位置付けられている検体容器TまたはチューブMから、検体が吸引される。
【0050】
ピアサ33による検体の吸引が終わると、ベース321が前方に移動され、再び、検体容器セット部321a、321bが、それぞれ、優先検体セット位置P5a、P5bに位置付けられる。ユーザは、吸引の終了した検体容器TまたはチューブMを、検体容器セット部321aまたは321bから取り出す。こうして、優先検体の測定が終了する。
【0051】
図5は、バーコードユニットB、Cによる読み取り動作について説明する図である。同図(a)、(b)は、バーコードユニットCの構成を示す平面図であり、同図(c)は、バーコードユニットBの構成を示す平面図である。
【0052】
図5(a)を参照して、バーコードユニットCは、2つのローラC11と、ローラC21と、ベースC30と、バーコードリーダC31から構成されている。2つのローラC11は、Z軸を中心として回転するよう構成されており、ベースC30上をX軸方向に移動可能となるよう構成されている。ローラC21は、Z軸を中心として回転駆動されるよう構成されており、ベースC30上に固定されている。バーコードリーダC31は、ベースC30に固定されており、右側(X軸負方向)に位置付けられたバーコードを読み取る。
【0053】
バーコードリーダC31が、右側に位置付けられた検体容器Tの検体IDを読み取る場合、同図(b)に示す如く、2つのローラC11が、検体容器Tの側面に接するように右側に移動される。このとき、ローラC11が検体容器Tに当接せず、所定量以上に右側に移動可能である場合には、検体容器セット部321aに、検体容器Tが保持されていないと判定される。この場合、ローラC11が検体容器Tに当接する位置よりも右側に移動したことが、センサ(図示せず)によって検出される。他方、2つのローラC11が検体容器Tに当接し、所定量以上に右側に移動しない場合には、検体容器セット部321aに、検体容器Tが保持されていると判定される。
【0054】
検体容器セット部321aに検体容器Tが保持されていると判定されると、バーコードリーダC31により、検体容器Tの検体IDが読み取られる。すなわち、同図(b)に示す状態で、ローラC11が回転駆動されることにより、検体容器TがZ軸を中心として回転され、検体容器Tの回転中にバーコードリーダC31によりバーコードラベルBL1が読み取られる。これにより、検体容器TのバーコードラベルBL1がバーコードリーダC31の反対側に位置する場合であっても、検体容器Tの検体IDの読み取りが可能となる。
【0055】
図5(c)を参照して、バーコードユニットBは、バーコードユニットCと同様、2つのローラB11と、ローラB21と、ベースB30と、バーコードリーダB31から構成されている。2つのローラB11は、Z軸を中心として回転するよう構成されており、ベースB30上をY軸方向に移動可能となるよう構成されている。ローラB21は、Z軸を中心として回転駆動されるよう構成されており、ベースB30上に固定されている。バーコードリーダB31は、ベースB30に固定されており、前方(Y軸負方向)に位置付けられたバーコードを読み取る。
【0056】
このようにバーコードユニットBが構成されると、バーコードユニットBにおいても、バーコードユニットCと同様、バーコードリーダB31の前方に位置付けられた検体ラックLの保持部に、検体容器Tが保持されているか否かが判断される。また、バーコードリ
ーダB31の前方に位置付けられた検体容器Tの検体IDと、検体ラックLのラックIDが読み取られる。
【0057】
図6は、搬送ユニット2と測定ユニット3の構成の概要を示す図である。
【0058】
搬送ユニット2は、駆動部201と、センサ部202と、通信部203と、バーコードユニットBを備える。
【0059】
駆動部201は、搬送ユニット2内で検体ラックLを搬送するための機構を含んでおり、センサ部202は、搬送ユニット2内にある検体ラックLを検出するためのセンサを含んでいる。バーコードユニットBには、ローラB11、B21を駆動するための機構と、バーコードリーダB31が含まれている。
【0060】
通信部203は、情報処理装置4と通信可能に接続されている。搬送ユニット2内の各部は、通信部203を介して、情報処理装置4により制御される。また、搬送ユニット2内の各部から出力される信号は、通信部203を介して情報処理装置4に送信される。
【0061】
測定ユニット3は、吸引部301と、試料調製部302と、検出部303と、駆動部304と、センサ部305と、通信部306と、バーコードユニットCを備える。
【0062】
吸引部301は、ピアサ33を介して、検体容器TまたはチューブMに収容されている検体を吸引する機構を含んでいる。試料調製部302は、複数の反応チャンバを備えている。試料調製部302は、反応チャンバ内で、吸引された検体と、試薬とを混合攪拌し、測定用の試料を調製する。検出部303は、試料調製部302により調製された試料を測定する。
【0063】
駆動部304は、測定ユニット3内で検体容器TとチューブMを搬送するための機構を含んでいる。具体的には、駆動部304は、ハンド部31を駆動させるための機構と、検体容器搬送部32を駆動させるための機構を含んでいる。センサ部305は、測定ユニット3内で検体容器TとチューブMを検出するためのセンサを含んでいる。具体的には、センサ部305は、センサ34を含んでいる。また、センサ部305は、開閉ボタン3aと測定開始ボタン3bが押されたことを検出するセンサを含んでいる。バーコードユニットCには、ローラC11、C21を駆動するための機構と、バーコードリーダC31が含まれている。
【0064】
通信部306は、情報処理装置4と通信可能に接続されている。測定ユニット3内の各部は、通信部306を介して、情報処理装置4により制御される。また、測定ユニット3内の各部から出力される信号は、通信部306を介して情報処理装置4に送信される。
【0065】
図7は、情報処理装置4の構成を示す図である。
【0066】
情報処理装置4は、パーソナルコンピュータからなり、本体40と、入力部41と、表示部42から構成されている。本体40は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、ハードディスク404と、読出装置405と、入出力インターフェース406と、画像出力インターフェース407と、通信インターフェース408を有する。
【0067】
CPU401は、ROM402に記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM403にロードされたコンピュータプログラムを実行する。RAM403は、ROM402およびハードディスク404に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、RAM403は、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、
CPU401の作業領域としても利用される。
【0068】
ハードディスク404には、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU401に実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。すなわち、ハードディスク404には、測定ユニット3から送信された測定結果を解析し、かかる解析結果に基づいて表示部42に表示等を行うプログラム等がインストールされている。また、ハードディスク404には、コントロールメニュー画面D1(図8(a)、(b)参照)と、マニュアル測定画面D2(図8(c)参照)と、エラー画面D31〜D34(図12(a)〜(d)参照)を表示し、これら画面を介した入力を受け付けるためのプログラム等がインストールされている。
【0069】
読出装置405は、CDドライブまたはDVDドライブ等によって構成されており、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムおよびデータを読み出すことができる。入出力インターフェース406には、マウスやキーボードからなる入力部41が接続されており、ユーザが入力部41を使用することにより、情報処理装置4に指示およびデータが入力される。画像出力インターフェース407は、ディスプレイ等で構成された表示部42に接続されており、画像データに応じた映像信号を、表示部42に出力する。
【0070】
表示部42は、入力された映像信号をもとに、画像を表示する。表示部42には、コントロールメニュー画面D1(図8(a)、(b)参照)と、マニュアル測定画面D2(図8(c)参照)と、エラー画面D31〜D34(図12(a)〜(d)参照)の他、各種プログラム画面が表示される。また、通信インターフェース408により、搬送ユニット2と、測定ユニット3と、ホストコンピュータ5に対してデータの送受信が可能となる。
【0071】
図8(a)、(b)は、情報処理装置4の表示部42に表示されるコントロールメニュー画面D1を示す図である。コントロールメニュー画面D1は、表示部42の隅に常時表示されている。
【0072】
同図(a)を参照して、コントロールメニュー画面D1には、サンプラ/マニュアルボタンD11が含まれている。サンプラ測定が行われている場合、サンプラ/マニュアルボタンD11の表示は、同図(a)に示す如く、“サンプラ”となる。また、開閉ボタン3aが押されて、検体容器セット部321a、321bが測定ユニット3の前方に位置付けられると、サンプラ/マニュアルボタンD11の表示は、同図(b)に示す如く、“マニュアル”となる。サンプラ/マニュアルボタンD11の表示が“マニュアル”となっているときに、サンプラ/マニュアルボタンD11が押下されると、図8(c)に示すマニュアル測定画面D2が表示される。
【0073】
図8(c)は、情報処理装置4の表示入力部41に表示されるマニュアル測定画面D2を示す図である。
【0074】
マニュアル測定画面D2には、検体番号表示領域D21と、患者ID表示領域D22と、ディスクリート表示領域D23と、ホスト問い合わせ表示領域D24と、OKボタンD25と、キャンセルボタンD26が含まれている。
【0075】
検体番号表示領域D21には、バーコードラベルBL1の検体IDと同様の文字列が入力される。患者ID表示領域D22には、検体を採取した患者を識別するための文字列が入力される。ディスクリート表示領域D23には、チェック欄を含む測定項目が列記されており、測定項目のチェック欄にチェックを入れることにより、検体について行う測定内容(測定オーダ)が指定される。ホスト問い合わせ表示領域D24には、チェック欄が設
けられており、このチェック欄にチェックを入れると、検体番号表示領域D21に入力されている検体番号に基づいて、ホストコンピュータ5に測定オーダを問い合わせるようになる。
【0076】
OKボタンD25が押下されると、マニュアル測定画面D2の各表示領域に設定された内容で、検体の測定が行われる。すなわち、ホスト問い合わせ表示領域D24にチェックが入っていない場合、ディスクリート表示領域D23に基づいて検体の測定が行われる。ホスト問い合わせ表示領域D24にチェックが入っている場合、検体番号表示領域D21に入力されている検体番号に対応する測定オーダが、ホストコンピュータ5から取得され、取得された測定オーダに基づいて検体の測定が行われる。キャンセルボタンD26が押下されると、マニュアル測定画面D2の各表示領域に設定された内容が破棄され、マニュアル測定画面D2が閉じられる。
【0077】
このように、マニュアル測定画面D2が用いられると、バーコードラベルBL1が貼付されていない検体容器Tに収容される検体の測定と、チューブMに収容される検体の測定を、バーコードラベルBL1が貼付されている検体容器Tに収容される検体の測定と同様に行うことができる。
【0078】
図9は、サンプラ測定が行われているときに、優先検体の測定が行われる場合の情報処理装置4の処理を示すフローチャートである。
【0079】
サンプラ測定が行われているときに、情報処理装置4のCPU401は、測定ユニット3の開閉ボタン3aが押されたかを判定する(S11)。開閉ボタン3aが押されると(S11:YES)、CPU401は、サンプラ測定を中断して(S12)、検体容器セット部321a、321bを測定ユニット3の前面よりも前方に引き出して、図4(c)に示すように、優先検体セット位置P5a、P5bに位置付ける(S13)。開閉ボタン3aが押されないと(S11:NO)、CPU401は、S11の判定を繰り返し行い、サンプラ測定を継続する。
【0080】
ここで、サンプラ測定が中断されている状態では、搬送ユニット2のラック搬送部23にある検体容器Tは、ハンド部31により検体容器セット部321aにセットされない。すなわち、ラック搬送部23上にある検体容器Tは、搬送ユニット2上に留められる。これにより、検体容器搬送部32を優先検体の測定のみに使用することが可能となり、迅速に優先検体の測定を行うことができる。なお、サンプラ測定が中断されている状態であっても、ラック搬送部23にある検体容器Tが検体容器セット部321aにセットされない限り、搬送ユニット2内で搬送されても良い。この場合、優先検体の測定が終了した後に、サンプラ測定が迅速に再開できるよう、ラック搬送部23にある検体容器Tの位置は大きく変化しないようにするのが望ましい。
【0081】
検体容器セット部321a、321bが引き出されると(S13)、CPU401は、表示部42に表示されているコントロールメニュー画面D1のサンプラ/マニュアルボタンD11の表示を、“サンプラ”から“マニュアル”に変更する(S14)。続いて、入力部41による検体番号(検体ID)の入力をユーザから受け付けるための“受付処理”が行われる(S15)。なお、“受付処理”については、追って、図11を参照して説明する。
【0082】
次に、CPU401は、測定開始ボタン3bと開閉ボタン3aのうち、いずれのボタンがユーザにより押されたかを判定する。測定開始ボタン3bが押されると(S16:YES)、処理が結合子Aに進められる。これにより、処理が図10のS101に進められる。開閉ボタン3aが押されると(S16:NO、S17:YES)、処理がS18に進め
られる。いずれのボタンも押されていない場合(S16:NO、S17:NO)、処理が結合子Bに進められる。これにより、処理がS15に戻される。
【0083】
ユーザは、優先検体の測定を終了して、サンプラ測定を再開させたい場合、検体容器セット部321a、321bから検体を取り出して、開閉ボタン3aを押す。開閉ボタン3aが押されると(S17:YES)、CPU401は、検体容器セット部321a、321bを、測定ユニット3内に引き込む(S18)。
【0084】
このとき、CPU401は、検体容器セット部321a、321bに、検体容器TまたはチューブMがセットされているか否かを判定する(S19:YES)。検体容器セット部321aに検体容器Tがセットされているか否かは、上述したようにバーコードユニットCによって行われ、検体容器セット部321bにチューブMがセットされているか否かは、上述したようにセンサ34によって行われる。
【0085】
検体容器セット部321a、321bに、検体容器TまたはチューブMがセットされていると(S19:YES)、CPU401は、図12(a)に示すエラー画面D31を表示部42に表示する(S20)。さらに、CPU401は、検体容器セット部321a、321bを、図4(c)に示すように、測定ユニット3の前方に引き出し(S21)、処理が結合子Bに進められる。これにより、処理がS15に戻される。
【0086】
他方、検体容器セット部321a、321bのいずれにも、検体容器TとチューブMがセットされていないと(S19:NO)、CPU401は、サンプラ/マニュアルボタンD11の表示を、“マニュアル”から“サンプラ”に変更する(S22)。また、CPU401は、S12で中断していたサンプラ測定を再開する(S23)。測定ユニット3の電源がOFFされないと(S24:NO)、処理がS11に戻され、測定ユニット3の電源がOFFされると(S24:YES)、処理が終了する。
【0087】
図10は、結合子A以降の処理を示すフローチャートである。
【0088】
情報処理装置4のCPU401は、検体容器セット部321a、321bを、測定ユニット3内に引き込み(S101)、検体容器セット部321aに検体容器Tがあるかを判定する(S102)。
【0089】
検体容器Tがあると判定されると(S102:YES)、バーコードリーダC31によって、検体容器Tに対して、バーコードの読み取り動作が行われる(S103)。これにより、図5(b)に示したように、ローラC21が回転され、検体容器Tが回転している間に、バーコードリーダC31によってバーコードラベルBL1の読み取りが行われる。他方、検体容器Tがないと判定されると(S102:NO)、CPU401は、図12(b)に示すエラー画面D32を表示部42に表示し(S104)、処理がS111に進められる。
【0090】
続いて、CPU401は、S103の処理により、検体容器TのバーコードラベルBL1からバーコードが読み取られたか否かを判定する(S105)。バーコードが読み取られた場合(S105:YES)、CPU401は、読み取られたバーコードに含まれる検体IDに基づいて、ホストコンピュータ5に測定オーダを問い合わせる(S106)。他方、バーコードが読み取られない場合(S105:NO)、CPU401は、図12(c)に示すエラー画面D33を、表示部42に表示し(S107)、処理がS111に進められる。
【0091】
なお、バーコードが読み取られない場合として、検体容器TにバーコードラベルBL1
が貼付されていない場合や、検体容器TにバーコードラベルBL1が貼付されているものの、バーコードラベルBL1が傾いて貼付され、あるいは、バーコードラベルBL1が汚れているために、バーコード情報が適正に取得できない場合などがある。
【0092】
ホストコンピュータ5に測定オーダの問い合わせを行った結果、CPU401は、ホストコンピュータ5から測定オーダを取得できたか否かを判定する(S108)。測定オーダが取得できた場合(S108:YES)、CPU401は、検体容器セット部321aにセットされている検体容器Tから、ピアサ33により検体を吸引し(S109)、この検体についての測定を行う。他方、測定オーダが取得できなかった場合(S108:NO)、CPU401は、図12(d)に示すエラー画面D34を、表示部42に表示し(S109)、処理がS111に進められる。
【0093】
しかる後に、CPU401は、検体容器セット部321a、321bを、搬送ユニット2の前方に引き出し(S111)、処理が結合子Bに進められる。これにより、処理が図9のS15に戻される。
【0094】
図11は、受付処理を示すフローチャートである。なお、受付処理において、サンプラ/マニュアルボタンD11は、アクティブとなっている。
【0095】
情報処理装置4のCPU401は、サンプラ/マニュアルボタンD11が押されたかを判定する(S201)。サンプラ/マニュアルボタンD11が押されていない場合(S201:NO)、受付処理が終了する。サンプラ/マニュアルボタンD11が押されると(S201:YES)、CPU401は、マニュアル測定画面D2を表示部42に表示し(S202)、測定ユニット3の前面に配された測定開始ボタン3bを無効にする(S203)。ユーザは、マニュアル測定画面D2内の各領域に、優先検体の測定を行う検体についての情報を入力する。
【0096】
次に、マニュアル測定画面D2のOKボタンD25とキャンセルボタンD26のうち、いずれのボタンがユーザにより押されたかが判定される(S204、S205)。OKボタンD25が押されると(S204:YES)、処理がS206に進められる。キャンセルボタンD26が押されると(S204:NO、S205:YES)、処理が結合子Bに戻される。これにより、処理が図9のS15に戻される。いずれのボタンも押されていない場合(S204:NO、S205:NO)、処理がS204に戻される。
【0097】
OKボタンD25が押されると(S204:YES)、CPU401は、マニュアル測定画面D2のホスト問い合わせ表示領域D24のチェック欄にチェックがあるかを判定する(S206)。チェックがあると(S206:YES)、検体番号表示領域D21に入力されている検体番号(検体ID)に基づいて、CPU401はホストコンピュータ5に測定オーダの問い合わせを行う(S207)。他方、チェックがないと(S206:NO)、処理がS210に進められる。
【0098】
ホストコンピュータ5に測定オーダの問い合わせを行った結果、CPU401は、ホストコンピュータ5から測定オーダを取得できたか否かを判定する(S208)。測定オーダが取得できなかった場合(S208:NO)、図12(d)に示すエラー画面D34が、表示部42に表示され(S209)、処理がS204に戻される。他方、測定オーダが取得できた場合(S208:YES)、CPU401は、測定開始ボタン3bを有効にする(S210)。
【0099】
次に、CPU401は、測定開始ボタン3bが押されるまで処理を待機させる(S211)。なお、ユーザは、測定開始ボタン3bを押す前に、検体容器セット部321aまた
は321bに、検体容器TまたはチューブMをセットする。測定開始ボタン3bが押されると(S211:YES)、CPU401は、検体容器セット部321a、321bを測定ユニット3内に引き込み(S212)、検体容器セット部321aまたは321bに、検体容器TまたはチューブMがあるか否かを判定する(S213)。
【0100】
検体容器TまたはチューブMがあると判定されると(S213:YES)、CPU401は、検体容器TまたはチューブMを、吸引位置P4に位置付け、ピアサ33により検体を吸引し(S214)、この検体についての測定を行う。しかる後に、検体容器セット部321a、321bが、図4(c)に示すように、測定ユニット3の前方に引き出され(S215)、処理が結合子Bに進められる。これにより、処理が図9のS15に戻される。
【0101】
他方、検体容器TまたはチューブMがないと判定されると(S213:NO)、図12(b)に示すエラー画面D32が、表示部42に表示され(S216)、処理がS204に戻される。なお、検体容器セット部321a、321bの両方に、検体容器TとチューブMがセットされている場合も、S213においてNOと判定される。
【0102】
以上、本実施の形態によれば、図9および図10に示すように、優先検体の測定が行われる場合には、検体容器セット部321aに検体容器Tがセットされた状態で、測定開始ボタン3bが押されると、この検体容器Tからバーコード情報が読み取られ、この検体容器Tに収容される検体の吸引が開始される。また、検体容器セット部321aに検体容器Tがセットされた状態で、サンプラ/マニュアルボタンD11が押されると、マニュアル測定画面D2が表示される。マニュアル測定画面D2を介して検体番号等が入力された後、測定開始ボタン3bが押されると、この検体容器Tに対してバーコードの読み取り動作が行われることなく、この検体容器Tに収容される検体の吸引が開始される。このように、ユーザは、適宜、バーコードリーダC31によるバーコード情報の入力と、マニュアル測定画面D2を介した検体番号等の入力とを選択することができるため、検体の識別情報の入力を円滑に行うことができる。
【0103】
なお、検体容器セット部321bにチューブMがセットされた状態においても、サンプラ/マニュアルボタンD11が押されると、マニュアル測定画面D2が表示される。マニュアル測定画面D2を介して検体番号等が入力された後、測定開始ボタン3bが押されると、このチューブMに対してバーコードの読み取り動作が行われることなく、このチューブMに収容される検体の吸引が開始される。また、ユーザは、バーコードラベルBL1が適正に読み取られない検体容器Tを用いたような場合にも、サンプラ/マニュアルボタンD11への操作により検体番号等の情報を入力することができる。
【0104】
また、本実施の形態によれば、図11に示すように、受付処理においてマニュアル測定画面D2に適正に検体番号等の情報が入力されると、バーコードリーダC31による読み取りが行われずに、優先検体の測定が行われる。これにより、マニュアル測定画面D2に入力された検体番号等の情報に基づいて、優先検体の処理が迅速に行われ得る。
【0105】
また、本実施の形態によれば、バーコードリーダC31によりバーコードが読み取られなかった場合に、図12(c)に示すエラー画面D33が表示される。また、マニュアル測定画面D2に入力された検体番号に基づいて測定オーダが取得されなかった場合に、図12(d)に示すエラー画面D34が表示される。これにより、ユーザは、バーコードの読み取りができなかったことと、測定オーダが取得されなかったことを知ることができる。
【0106】
また、本実施の形態によれば、マニュアル測定画面D2が表示されてから、識別情報の
入力が完了するまで(図11のS206:NO、S208:YES)、測定開始ボタン3bが無効にされる。これにより、マニュアル測定画面D2による検体番号等の入力中に、誤って優先検体の測定が開始されなくなる。
【0107】
また、本実施の形態によれば、サンプラ測定中に開閉ボタン3aが押されると、サンプラ測定が中断され、サンプラ/マニュアルボタンD11の表示が“マニュアル”となる。このように、サンプラ測定が中断された後で、サンプラ/マニュアルボタンD11がマニュアル測定画面D2を表示できる状態となるため、マニュアル測定画面D2を介した誤入力が防止され得る。
【0108】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態はこれらに限定されるものではない。
【0109】
たとえば、上記実施の形態では、測定対象として血液を例示したが、尿についても測定対象とされ得る。すなわち、尿を検査する検体処理装置にも本発明を適用することができ、さらに、他の臨床検体を検査する臨床検体処理装置に本発明を適用することもできる。
【0110】
また、上記実施の形態では、図9に示す受付処理が、S14とS16の間で行われたが、これに限らず、S16とS17の間で行われても良く、S17でNOと判定された直後で行われても良い。すなわち、受付処理は、バーコードリーダC31による読み取りが行われる前であれば、どのようなタイミングで行われても良い。
【0111】
また、上記実施の形態では、図10において、バーコードリーダC31による読み取り動作により、バーコードが読み取られなかった場合(S105:NO)、エラー画面D33が表示された後、処理が図9のS15に戻された。しかしながら、これに限らず、バーコードが読み取られなかった場合に(S105:NO)、マニュアル測定画面D2による検体番号等の入力を受け付けるようにしても良い。
【0112】
図13は、図10のS105とS106の処理の間を変更した場合のフローチャートである。
【0113】
情報処理装置4のCPU401は、バーコードが読み取られなかった場合(S105:NO)、エラー画面D33を表示部42に表示する(S301)。続いて、CPU401は、図8(c)に示すマニュアル測定画面D2を表示部42に表示する(S302)。ユーザは、マニュアル測定画面D2内の各領域に、バーコードが読み取られなかった検体容器Tの検体番号(検体ID)等を入力する。
【0114】
次に、マニュアル測定画面D2のOKボタンD25とキャンセルボタンD26のうち、いずれのボタンがユーザにより押されたかが判定される。OKボタンD25が押されると(S303:YES)、処理がS306に進められ、キャンセルボタンD26が押されると(S303:NO、S304:YES)、処理がS307に進められる。いずれのボタンも押されていない場合(S303:NO、S304:NO)、処理がS303に戻される。
【0115】
OKボタンD25が押されると(S303:YES)、CPU401は、マニュアル測定画面D2のホスト問い合わせ表示領域D24のチェック欄にチェックがあるかを判定する(S305)。チェックがあると(S305:YES)、処理がS106に進められる。他方、チェックがないと(S305:NO)、この検体容器Tから検体を吸引し(S306)、この検体についての測定を行う。しかる後に、検体容器セット部321a、321bが、測定ユニット3の前方に引き出され(S307)、処理が結合子Bに進められる
。これにより、処理が図9のS15に戻される。
【0116】
このように処理が行われた場合、バーコードリーダC31によって検体IDが適正に読み取られるまで読み取り動作を繰り返す必要がなく、マニュアル測定画面D2に入力された検体番号等に基づいて、優先検体の測定が行われる。よって、迅速に優先検体の測定が行われ得る。
【0117】
また、上記実施の形態では、サンプラ測定が行われる場合に、検体容器TのバーコードラベルBL1は、順次バーコードリーダB31、C31によって読み取られた。ここで、バーコードリーダB31、C31がバーコードを読み取れなかった場合、ユーザが検体番号等を入力できるようにしても良い。すなわち、バーコードが読み取られなかった検体容器Tについては、エラー画面が表示されることに替えて、マニュアル測定画面D2を介してユーザが検体番号等を入力できるようにしても良い。これにより、サンプラ測定において順次バーコードの読み取りが行われる場合でも、マニュアル測定画面D2を用いて簡便に検体番号等を入力することが可能になる。
【0118】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0119】
1 … 検体分析装置(検体処理装置)
2 … 搬送ユニット(搬送部)
3a … 開閉ボタン(中断指示手段)
3b … 測定開始ボタン(開始指示手段)
32 … 検体容器搬送部(移送部)
42 … 表示部
301 … 吸引部(検体処理部)
302 … 試料調製部(検体処理部)
303 … 検出部(検体処理部)
321a、321b … 検体容器セット部(検体容器載置部)
401 … CPU(制御部)
C … バーコードユニット(容器検知部)
C31 … バーコードリーダ(読取部)
D11 … サンプラ/マニュアルボタン(表示指示手段)
D2 … マニュアル測定画面(入力画面)
T … 検体容器
L … 検体ラック
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体容器に収容された検体を処理する検体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、血液や尿等の臨床検体を処理するための検体処理装置が、医療施設において用いられている。
【0003】
特許文献1には、通常検体を収容した検体容器を保持したラックを搬送して検体容器を順次装置内部に取り込んで測定を行いつつ、通常検体に優先して測定されるべき優先検体を、通常検体の測定に割り込んで測定することが可能な検体分析装置が開示されている。この装置は、通常検体を測定する場合には、検体容器を装置内部に取り込んで、装置内部のバーコード読取部により検体容器に貼付されたバーコードを読み取る。また、この装置は、優先検体を測定する場合には、優先検体測定指示画面から優先検体の検体番号および測定項目をユーザが手入力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−32489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
優先検体を収容した検体容器には、バーコードが付されていないものに限らず、バーコードが付されているものも存在する。しかしながら、特許文献1の検体分析装置では、優先検体を測定する場合には検体番号を必ず手入力しなければならず、バーコードが付された優先検体であっても、バーコード読取部にバーコードを読み取らせることができなかった。そのため、より円滑に優先検体の識別情報を入力することを可能にする技術が望まれていた。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、検体の識別情報を円滑に入力することが可能な検体処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主たる態様に係る検体処理装置は、検体容器を載置するための検体容器載置部と、前記検体容器載置部に載置された検体容器から読取位置で識別情報を読み取る読取部と、表示部と、操作者が識別情報の入力を行う入力画面の表示を指示するための表示指示手段と、前記検体容器載置部を、読取位置を介して吸引位置に移送する移送部と、吸引位置に移送された検体容器内の検体を吸引して処理する検体処理部と、操作者が前記検体処理部による検体処理の開始を指示するための開始指示手段と、前記検体容器載置部に検体容器が載置された状態で前記開始指示手段により検体処理開始指示を受付けると、前記検体容器載置部を読取位置に移送して前記読取部による識別情報の読取を行った後、吸引位置に移送するように前記移送部および前記読取部を制御し、前記検体容器載置部に検体容器が載置された状態で前記表示指示手段により表示指示を受付けると、入力画面を前記表示部に表示し、入力画面を介して識別情報の入力を受付けた後、前記開始指示手段により検体処理開始指示を受付けると、前記検体容器載置部を吸引位置に移送するように前記移送部を制御する制御部と、を備える。
【0008】
本態様に係る検体処理装置によれば、検体容器載置部に検体容器を載置した状態で開始
指示手段による指示を行えば読取部により識別情報を入力でき、検体容器載置部に検体容器を載置した状態で表示指示手段による指示を行えば識別情報の入力画面を表示させることができる。よって、識別情報の入力が円滑に行われ得る。
【0009】
本態様に係る検体処理装置において、前記制御部は、入力画面を介して識別情報の入力を受付けた後、前記開始指示手段により検体処理開始指示を受付けると、読み取りを行わないように前記読取部を制御するとともに、前記検体容器載置部を吸引位置に移送するように前記移送部を制御するよう構成され得る。こうすると、検体の処理を迅速に進めることができる。
【0010】
また、本態様に係る検体処理装置において、前記制御部は、前記読取部により識別情報を取得できなかった場合、その旨を操作者へ通知する処理を実行するとともに、前記検体容器載置部を検体容器の載置位置に戻すように前記移送部を制御するよう構成され得る。こうすると、ユーザは、例えば識別情報が付されていないにもかかわらず、入力を行わずに誤って開始指示をしてしまった場合に、識別情報の入力が必要であることを知ることができ、入力画面を介した識別情報の入力へと円滑に移行することができる。
【0011】
また、本態様に係る検体処理装置において、前記制御部は、入力された識別情報に基づいて、前記検体処理部で行われる処理に関するオーダを取得する処理を実行し、オーダが取得できない場合、識別情報の再入力を促す処理を実行するよう構成され得る。こうすると、ユーザは、識別情報の再入力が必要となったことを知ることができる。
【0012】
この場合に、前記制御部は、入力画面が表示されてから識別情報の入力が完了するまで、前記開始指示手段を無効化する処理を実行するよう構成され得る。こうすると、識別情報の入力中に、誤って検体処理部による処理が行われることを防ぐことができる。
【0013】
この場合、前記制御部は、入力された識別情報に基づいてオーダが取得できた場合、前記開始指示手段を有効化する処理を実行するよう構成され得る。こうすると、オーダに基づく検体の処理を円滑に進めることができる。
【0014】
この場合に、本態様に係る検体処理装置は、複数の検体容器を保持可能な検体ラックを搬送する搬送部と、操作者が前記検体処理部による連続処理の中断を指示するための中断指示手段と、を備える。ここで、前記検体処理部は、前記搬送部によって順次搬送される検体容器中の検体を連続的に処理可能であり、前記制御部は、前記中断指示手段により中断が指示されると、連続処理が中断されるように前記搬送部と前記検体処理部とを制御するとともに、前記検体容器載置部を検体容器の載置位置に移送するように前記移送部を制御するよう構成され得る。こうすると、連続処理が中断されるとともに検体容器載置部が載置位置に移送されるため、検体の載置及び処理の開始を迅速に行うことができる。
【0015】
この場合、前記制御部は、前記中断指示手段によって中断が指示されると、前記表示指示手段を有効化する処理を実行するよう構成され得る。こうすると、連続処理を中断してはじめて入力画面を表示させることができるようになるため、操作者による誤入力を防止することができる。
【0016】
また、本態様に係る検体処理装置は、検体容器の載置位置と吸引位置との間で、前記検体容器載置部に検体容器が載置されているか否かを検知する容器検知部をさらに備える。ここで、前記制御部は、前記開始指示手段によって検体処理の開始が指示された場合であって、前記容器検知部によって検体容器を検知できなかった場合、前記検体容器載置部を載置位置に戻すように前記移送部を制御するよう構成され得る。こうすると、操作者が検体容器を載置せずに誤って開始指示をしてしまった場合に、検体容器を迅速に載置するこ
とができる。
【発明の効果】
【0017】
以上のとおり、本発明によれば、検体の識別情報を円滑に入力することが可能な検体処理装置を提供することができる。
【0018】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態により何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施の形態に係る検体処理装置の外観を示す斜視図である。
【図2】実施の形態に係る検体容器、検体ラックおよびチューブの構成を示す図である。
【図3】実施の形態に係る搬送ユニットおよび測定ユニットを上側から見た場合の構成を示す平面図である。
【図4】実施の形態に係る検体容器搬送部の近傍を示す平面図である。
【図5】実施の形態に係るバーコードユニットによる読み取り動作について説明する図である。
【図6】実施の形態に係る搬送ユニットおよび測定ユニットの構成の概要を示す図である。
【図7】実施の形態に係る情報処理装置の構成を示す図である。
【図8】実施の形態に係る情報処理装置の表示部に表示されるコントロールメニュー画面およびマニュアル測定画面を示す図である。
【図9】実施の形態に係るサンプラ測定が行われているときに、優先検体の測定が行われる場合の情報処理装置の処理を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態に係るサンプラ測定が行われているときに、優先検体の測定が行われる場合の情報処理装置の処理を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態に係る受付処理を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態に係る情報処理装置の表示部に表示されるエラー画面を示す図である。
【図13】実施の形態に係るサンプラ測定が行われているときに、優先検体の測定が行われる場合の情報処理装置の処理を示すフローチャートの変更例である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本実施の形態は、血液に関する検査および分析を行うための検体分析装置に本発明を適用したものである。
【0021】
以下、本実施の形態に係る検体分析装置について、図面を参照して説明する。
【0022】
図1は、検体分析装置1の外観を示す斜視図である。本実施の形態に係る検体分析装置1は、搬送ユニット2と、測定ユニット3と、情報処理装置4から構成されている。また、本実施の形態の検体分析装置1は、通信ネットワークを介してホストコンピュータ5(図6参照)と通信可能に接続されている。
【0023】
搬送ユニット2は、測定ユニット3の前方に配置されており、右テーブル21と、左テーブル22と、右テーブル21と左テーブル22とをつなぐラック搬送部23とを備えている。右テーブル21と左テーブル22は、10本の検体容器Tを保持可能な複数の検体ラックLを収容することができる。
【0024】
図2(a)、(b)は、検体容器Tと検体ラックLの構成を示す図である。同図(a)は、検体容器Tの外観を示す斜視図であり、同図(b)は、10本の検体容器Tが保持されている検体ラックLの外観を示す斜視図である。なお、同図(b)には、検体ラックLが搬送ユニット2に載置されるときの向き(図1の前後左右)が併せて示されている。
【0025】
図2(a)を参照して、検体容器Tは、透光性を有するガラスまたは合成樹脂により構成された管状容器であり、上端が開口している。内部には患者から採取された血液検体が収容され、上端の開口は蓋部CPにより密封されている。検体容器Tの側面には、バーコードラベルBL1が貼付されている。バーコードラベルBL1には、検体IDを示すバーコードが印刷されている。
【0026】
図2(b)を参照して、検体ラックLには、10本の検体容器Tを垂直状態(立位状態)で並べて保持することが可能となるよう、図示の如く保持位置1〜10に10個の保持部が形成されている。また、検体ラックLの後方の側面には、図示の如く、バーコードラベルBL2が貼付されている。バーコードラベルBL2には、ラックIDを示すバーコードが印刷されている。
【0027】
図2(c)は、微量な検体を収容するためのチューブMの構成を示す図である。チューブMは、検体容器Tよりも小型に構成されており、後述する優先検体の測定時に、検体容器セット部321bにセットされる。なお、チューブMには、バーコードラベルは貼付されない。
【0028】
図1に戻って、搬送ユニット2は、ユーザが右テーブル21に載置した検体ラックLを収容する。また、搬送ユニット2は、右テーブル21に収容している検体ラックLを搬送し、検体容器Tが測定ユニット3に供給されるよう、検体ラックLをラック搬送部23の所定位置に位置付ける。さらに、搬送ユニット2は、ラック搬送部23上にある検体ラックLを搬送して、左テーブル22に回収する。
【0029】
測定ユニット3は、開閉ボタン3aと、測定開始ボタン3bと、検体容器Tを把持することができるハンド部31(図3参照)と、ベース321を備えている。ベース321には、検体容器Tをセットすることができる検体容器セット部321aと、チューブMをセットすることができる検体容器セット部321bが設置されている。
【0030】
測定ユニット3は、前方に配置された搬送ユニット2のラック搬送部23上にある検体容器Tに対して処理を行う。すなわち、測定ユニット3は、ラック搬送部23の所定の位置において、ハンド部31(図3参照)により検体ラックLから検体容器Tを取り出して、この検体容器Tに収容された検体を測定ユニット3内で測定する。測定が完了すると、測定ユニット3は、この検体容器Tを再び元の検体ラックLの保持部に戻す。このように、搬送ユニット2によって搬送された検体容器Tを、ハンド部31によりラック搬送部23の所定位置から順次取り出して行う測定を、以下、「サンプラ測定」と称することにする。
【0031】
他方、開閉ボタン3aがユーザにより押されると、測定ユニット3の前面に形成された開口部3cを介して、ベース321が測定ユニット3の前面より前方に突出し、検体容器セット部321a、321bが測定ユニット3の前面よりも前方に位置付けられる。ユーザは、検体容器セット部321aまたは321bに、検体容器TまたはチューブMをセットして、測定開始ボタン3bを押すことにより、サンプラ測定に割り込んで、緊急に測定を行いたい検体の測定を優先的に行うことができる。このように、サンプラ測定に割り込んで優先的に行う測定を、以下、「優先検体の測定」と称することにする。
【0032】
情報処理装置4は、入力部41と表示部42を備えている。また、情報処理装置4は、搬送ユニット2と、測定ユニット3と、ホストコンピュータ5(図6参照)と、通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0033】
情報処理装置4は、搬送ユニット2と測定ユニット3の動作を制御する。また、情報処理装置4は、搬送ユニット2内のバーコードリーダB31(図3参照)と、測定ユニット3内のバーコードリーダC31(図3参照)により検体IDが読み取られると、ホストコンピュータ5(図6参照)に測定オーダの問い合わせを行う。さらに、情報処理装置4は、測定ユニット3で行われた測定結果に基づいて分析を行い、分析結果をホストコンピュータ5(図6参照)に送信する。
【0034】
図3は、搬送ユニット2と測定ユニット3を上側からみた場合の構成を示す平面図である。また、図4は、検体容器搬送部32の近傍を示す平面図である。
【0035】
まず、図3および図4(a)、(b)を参照して、サンプラ測定について説明する。
【0036】
右テーブル21に載置された検体ラックLは、ラック送込機構21aによって前方側面が押されることにより、ラック搬送部23の右端位置に搬送される。ラック搬送部23の右端位置に位置付けられた検体ラックLは、ラック搬送部23のベルト(図示せず)によって左方向に搬送される。
【0037】
ラック搬送部23の中央近傍には、バーコードリーダB31を備えるバーコードユニットBが設置されている。バーコードリーダB31の前方に、検体ラックLの保持部が位置付けられると、バーコードユニットBにより、位置付けられた保持部に検体容器Tが保持されているか否かが判定される。この保持部に検体容器Tが保持されていると、バーコードリーダB31により検体容器Tの検体IDが読み取られる。また、バーコードリーダB31の前方に、検体ラックLのバーコードラベルBL2が位置付けられると、バーコードリーダB31により検体ラックLのラックIDが読み取られる。なお、バーコードユニットBによる読み取り動作については、追って図5(c)を参照して説明する。
【0038】
バーコードリーダB31によって検体IDが読み取られた検体容器Tは、さらに左方向に搬送され、取込位置P1に位置付けられる。取込位置P1には、ハンド部31が、上下方向(Z軸方向)に移動可能となるよう、測定ユニット3に設置されている。取込位置P1に位置付けられた検体容器Tは、ハンド部31により把持されて、検体ラックLから上方向(Z軸正方向)に取り出される。なお、検体ラックLの搬送は、この検体容器Tが検体ラックLへ戻されるまでの間、待機される。
【0039】
検体容器搬送部32は、検体容器セット部321a、321bが設置されたベース321と、ベース321を一点鎖線内で前後に移動させるための機構(図示せず)からなる。なお、かかる機構には、前後に移動するベルトと、このベルトを移動させるためのステッピングモータが含まれている。ベース321は、このベルトに設置されており、ステッピングモータの駆動に合わせて、前後に移動するよう構成されている。
【0040】
ハンド部31により把持された検体容器Tが、検体容器搬送部32よりも上に引き上げられると、ベース321が移動されて、検体容器セット部321aが取込位置P1に位置付けられる。図4(a)は、このときのベース321の位置を示している。この状態で、ハンド部31が下方向(Z軸負方向)に移動されて、ハンド部31により把持されている検体容器Tが、検体容器セット部321aにセットされる。
【0041】
続いて、ベース321が後方に移動され、検体容器セット部321aが、バーコードユ
ニットCのバーコードリーダC31に対向する位置(バーコード読取位置P2)に位置付けられる。図4(b)は、このときのベース321の位置を示している。この状態で、バーコードユニットCにより、検体容器セット部321aに検体容器Tがセットされているか否かが判定され、検体容器Tがセットされている場合に、検体容器Tの検体IDが読み取られる。なお、バーコードユニットCによる読み取り動作については、追って図5(a)、(b)を参照して説明する。
【0042】
続いて、ベース321が後方に移動され、検体容器セット部321aがピアサ33の真下位置(吸引位置P4)に位置付けられる。ここで、ピアサ33が下方向に移動され、吸引位置P4に位置付けられている検体容器Tから検体が吸引される。
【0043】
ピアサ33による検体の吸引が終わると、ベース321が前方に移動され、検体容器セット部321aが再び取込位置P1に位置付けられる。取込位置P1において、検体容器Tは、検体容器セット部321aからハンド部31により上方向に取り出される。この状態で、ベース321が後方に移動された後、ハンド部31が下方向(Z軸負方向)に移動され、この検体容器Tは、ラック搬送部23に位置付けられている検体ラックLの元の保持部に戻される。
【0044】
こうして、検体ラックLに保持されている全ての検体容器Tの検体の測定が終了すると、検体ラックLは、ラック搬送部23の左端位置まで送られる。しかる後、検体ラックLは、ラック押出し機構23aにより、左テーブル22の後方位置に押し出される。左テーブル22の後方位置に位置付けられた検体ラックLは、ラック送込機構22aにより、左テーブル22の前方に搬送される。こうして、右テーブル21にある全ての検体ラックLについて測定処理が終了すると、サンプラ測定が終了する。
【0045】
次に、図3および図4(b)〜(d)を参照して、優先検体の測定について説明する。
【0046】
ユーザにより開閉ボタン3a(図1参照)が押されると、ベース321が前方に移動され、検体容器セット部321a、321bが、それぞれ、優先検体セット位置P5a、P5bに位置付けられる。図4(c)は、このときのベース321の位置を示している。この状態で、ユーザにより、検体容器セット部321aまたは321bに、それぞれ、優先的に測定を行いたい検体を収容している検体容器TまたはチューブMがセットされる。
【0047】
測定開始ボタン3b(図1参照)が押されて、優先検体の測定が開始されると、検体容器セット部321a、321bに、それぞれ検体容器TとチューブMが保持されているかが判定される。検体容器セット部321aに検体容器Tが保持されているか否かの判定は、サンプラ測定の場合と同様に、図4(b)の状態でバーコードユニットCによって行われる。検体容器セット部321bにチューブMが保持されているか否かの判定は、センサ34により行われる。すなわち、ベース321が移動され、検体容器セット部321bがセンサ34に対応する位置(センサ読取位置P3)に位置付けられる。センサ34は、発光部と受光部からなる透過型のセンサである。図4(d)は、このときのベース321の位置を示している。この状態で、センサ34により、検体容器セット部321bにチューブMがセットされているか否かが判定される。なお、検体容器セット部321a、321bの両方に検体がセットされている場合、表示部42にエラー画面が表示され、図4(c)のようにベース321が測定ユニット3の前方に位置付けられる。
【0048】
検体容器セット部321aに検体容器Tがセットされている場合、この検体容器Tの検体IDは上記サンプラ測定の場合と同様、図4(b)の状態でバーコードリーダC31により検体IDが読み取られる。検体容器セット部321bにチューブMがセットされている場合、このチューブMの検体IDは、ユーザにより入力部41を介して入力される。
【0049】
続いて、ベース321が後方に移動され、検体容器TまたはチューブMがピアサ33の真下位置(吸引位置P4)に位置付けられる。ここで、ピアサ33が下方向に移動され、吸引位置P4に位置付けられている検体容器TまたはチューブMから、検体が吸引される。
【0050】
ピアサ33による検体の吸引が終わると、ベース321が前方に移動され、再び、検体容器セット部321a、321bが、それぞれ、優先検体セット位置P5a、P5bに位置付けられる。ユーザは、吸引の終了した検体容器TまたはチューブMを、検体容器セット部321aまたは321bから取り出す。こうして、優先検体の測定が終了する。
【0051】
図5は、バーコードユニットB、Cによる読み取り動作について説明する図である。同図(a)、(b)は、バーコードユニットCの構成を示す平面図であり、同図(c)は、バーコードユニットBの構成を示す平面図である。
【0052】
図5(a)を参照して、バーコードユニットCは、2つのローラC11と、ローラC21と、ベースC30と、バーコードリーダC31から構成されている。2つのローラC11は、Z軸を中心として回転するよう構成されており、ベースC30上をX軸方向に移動可能となるよう構成されている。ローラC21は、Z軸を中心として回転駆動されるよう構成されており、ベースC30上に固定されている。バーコードリーダC31は、ベースC30に固定されており、右側(X軸負方向)に位置付けられたバーコードを読み取る。
【0053】
バーコードリーダC31が、右側に位置付けられた検体容器Tの検体IDを読み取る場合、同図(b)に示す如く、2つのローラC11が、検体容器Tの側面に接するように右側に移動される。このとき、ローラC11が検体容器Tに当接せず、所定量以上に右側に移動可能である場合には、検体容器セット部321aに、検体容器Tが保持されていないと判定される。この場合、ローラC11が検体容器Tに当接する位置よりも右側に移動したことが、センサ(図示せず)によって検出される。他方、2つのローラC11が検体容器Tに当接し、所定量以上に右側に移動しない場合には、検体容器セット部321aに、検体容器Tが保持されていると判定される。
【0054】
検体容器セット部321aに検体容器Tが保持されていると判定されると、バーコードリーダC31により、検体容器Tの検体IDが読み取られる。すなわち、同図(b)に示す状態で、ローラC11が回転駆動されることにより、検体容器TがZ軸を中心として回転され、検体容器Tの回転中にバーコードリーダC31によりバーコードラベルBL1が読み取られる。これにより、検体容器TのバーコードラベルBL1がバーコードリーダC31の反対側に位置する場合であっても、検体容器Tの検体IDの読み取りが可能となる。
【0055】
図5(c)を参照して、バーコードユニットBは、バーコードユニットCと同様、2つのローラB11と、ローラB21と、ベースB30と、バーコードリーダB31から構成されている。2つのローラB11は、Z軸を中心として回転するよう構成されており、ベースB30上をY軸方向に移動可能となるよう構成されている。ローラB21は、Z軸を中心として回転駆動されるよう構成されており、ベースB30上に固定されている。バーコードリーダB31は、ベースB30に固定されており、前方(Y軸負方向)に位置付けられたバーコードを読み取る。
【0056】
このようにバーコードユニットBが構成されると、バーコードユニットBにおいても、バーコードユニットCと同様、バーコードリーダB31の前方に位置付けられた検体ラックLの保持部に、検体容器Tが保持されているか否かが判断される。また、バーコードリ
ーダB31の前方に位置付けられた検体容器Tの検体IDと、検体ラックLのラックIDが読み取られる。
【0057】
図6は、搬送ユニット2と測定ユニット3の構成の概要を示す図である。
【0058】
搬送ユニット2は、駆動部201と、センサ部202と、通信部203と、バーコードユニットBを備える。
【0059】
駆動部201は、搬送ユニット2内で検体ラックLを搬送するための機構を含んでおり、センサ部202は、搬送ユニット2内にある検体ラックLを検出するためのセンサを含んでいる。バーコードユニットBには、ローラB11、B21を駆動するための機構と、バーコードリーダB31が含まれている。
【0060】
通信部203は、情報処理装置4と通信可能に接続されている。搬送ユニット2内の各部は、通信部203を介して、情報処理装置4により制御される。また、搬送ユニット2内の各部から出力される信号は、通信部203を介して情報処理装置4に送信される。
【0061】
測定ユニット3は、吸引部301と、試料調製部302と、検出部303と、駆動部304と、センサ部305と、通信部306と、バーコードユニットCを備える。
【0062】
吸引部301は、ピアサ33を介して、検体容器TまたはチューブMに収容されている検体を吸引する機構を含んでいる。試料調製部302は、複数の反応チャンバを備えている。試料調製部302は、反応チャンバ内で、吸引された検体と、試薬とを混合攪拌し、測定用の試料を調製する。検出部303は、試料調製部302により調製された試料を測定する。
【0063】
駆動部304は、測定ユニット3内で検体容器TとチューブMを搬送するための機構を含んでいる。具体的には、駆動部304は、ハンド部31を駆動させるための機構と、検体容器搬送部32を駆動させるための機構を含んでいる。センサ部305は、測定ユニット3内で検体容器TとチューブMを検出するためのセンサを含んでいる。具体的には、センサ部305は、センサ34を含んでいる。また、センサ部305は、開閉ボタン3aと測定開始ボタン3bが押されたことを検出するセンサを含んでいる。バーコードユニットCには、ローラC11、C21を駆動するための機構と、バーコードリーダC31が含まれている。
【0064】
通信部306は、情報処理装置4と通信可能に接続されている。測定ユニット3内の各部は、通信部306を介して、情報処理装置4により制御される。また、測定ユニット3内の各部から出力される信号は、通信部306を介して情報処理装置4に送信される。
【0065】
図7は、情報処理装置4の構成を示す図である。
【0066】
情報処理装置4は、パーソナルコンピュータからなり、本体40と、入力部41と、表示部42から構成されている。本体40は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、ハードディスク404と、読出装置405と、入出力インターフェース406と、画像出力インターフェース407と、通信インターフェース408を有する。
【0067】
CPU401は、ROM402に記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM403にロードされたコンピュータプログラムを実行する。RAM403は、ROM402およびハードディスク404に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、RAM403は、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、
CPU401の作業領域としても利用される。
【0068】
ハードディスク404には、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU401に実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。すなわち、ハードディスク404には、測定ユニット3から送信された測定結果を解析し、かかる解析結果に基づいて表示部42に表示等を行うプログラム等がインストールされている。また、ハードディスク404には、コントロールメニュー画面D1(図8(a)、(b)参照)と、マニュアル測定画面D2(図8(c)参照)と、エラー画面D31〜D34(図12(a)〜(d)参照)を表示し、これら画面を介した入力を受け付けるためのプログラム等がインストールされている。
【0069】
読出装置405は、CDドライブまたはDVDドライブ等によって構成されており、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムおよびデータを読み出すことができる。入出力インターフェース406には、マウスやキーボードからなる入力部41が接続されており、ユーザが入力部41を使用することにより、情報処理装置4に指示およびデータが入力される。画像出力インターフェース407は、ディスプレイ等で構成された表示部42に接続されており、画像データに応じた映像信号を、表示部42に出力する。
【0070】
表示部42は、入力された映像信号をもとに、画像を表示する。表示部42には、コントロールメニュー画面D1(図8(a)、(b)参照)と、マニュアル測定画面D2(図8(c)参照)と、エラー画面D31〜D34(図12(a)〜(d)参照)の他、各種プログラム画面が表示される。また、通信インターフェース408により、搬送ユニット2と、測定ユニット3と、ホストコンピュータ5に対してデータの送受信が可能となる。
【0071】
図8(a)、(b)は、情報処理装置4の表示部42に表示されるコントロールメニュー画面D1を示す図である。コントロールメニュー画面D1は、表示部42の隅に常時表示されている。
【0072】
同図(a)を参照して、コントロールメニュー画面D1には、サンプラ/マニュアルボタンD11が含まれている。サンプラ測定が行われている場合、サンプラ/マニュアルボタンD11の表示は、同図(a)に示す如く、“サンプラ”となる。また、開閉ボタン3aが押されて、検体容器セット部321a、321bが測定ユニット3の前方に位置付けられると、サンプラ/マニュアルボタンD11の表示は、同図(b)に示す如く、“マニュアル”となる。サンプラ/マニュアルボタンD11の表示が“マニュアル”となっているときに、サンプラ/マニュアルボタンD11が押下されると、図8(c)に示すマニュアル測定画面D2が表示される。
【0073】
図8(c)は、情報処理装置4の表示入力部41に表示されるマニュアル測定画面D2を示す図である。
【0074】
マニュアル測定画面D2には、検体番号表示領域D21と、患者ID表示領域D22と、ディスクリート表示領域D23と、ホスト問い合わせ表示領域D24と、OKボタンD25と、キャンセルボタンD26が含まれている。
【0075】
検体番号表示領域D21には、バーコードラベルBL1の検体IDと同様の文字列が入力される。患者ID表示領域D22には、検体を採取した患者を識別するための文字列が入力される。ディスクリート表示領域D23には、チェック欄を含む測定項目が列記されており、測定項目のチェック欄にチェックを入れることにより、検体について行う測定内容(測定オーダ)が指定される。ホスト問い合わせ表示領域D24には、チェック欄が設
けられており、このチェック欄にチェックを入れると、検体番号表示領域D21に入力されている検体番号に基づいて、ホストコンピュータ5に測定オーダを問い合わせるようになる。
【0076】
OKボタンD25が押下されると、マニュアル測定画面D2の各表示領域に設定された内容で、検体の測定が行われる。すなわち、ホスト問い合わせ表示領域D24にチェックが入っていない場合、ディスクリート表示領域D23に基づいて検体の測定が行われる。ホスト問い合わせ表示領域D24にチェックが入っている場合、検体番号表示領域D21に入力されている検体番号に対応する測定オーダが、ホストコンピュータ5から取得され、取得された測定オーダに基づいて検体の測定が行われる。キャンセルボタンD26が押下されると、マニュアル測定画面D2の各表示領域に設定された内容が破棄され、マニュアル測定画面D2が閉じられる。
【0077】
このように、マニュアル測定画面D2が用いられると、バーコードラベルBL1が貼付されていない検体容器Tに収容される検体の測定と、チューブMに収容される検体の測定を、バーコードラベルBL1が貼付されている検体容器Tに収容される検体の測定と同様に行うことができる。
【0078】
図9は、サンプラ測定が行われているときに、優先検体の測定が行われる場合の情報処理装置4の処理を示すフローチャートである。
【0079】
サンプラ測定が行われているときに、情報処理装置4のCPU401は、測定ユニット3の開閉ボタン3aが押されたかを判定する(S11)。開閉ボタン3aが押されると(S11:YES)、CPU401は、サンプラ測定を中断して(S12)、検体容器セット部321a、321bを測定ユニット3の前面よりも前方に引き出して、図4(c)に示すように、優先検体セット位置P5a、P5bに位置付ける(S13)。開閉ボタン3aが押されないと(S11:NO)、CPU401は、S11の判定を繰り返し行い、サンプラ測定を継続する。
【0080】
ここで、サンプラ測定が中断されている状態では、搬送ユニット2のラック搬送部23にある検体容器Tは、ハンド部31により検体容器セット部321aにセットされない。すなわち、ラック搬送部23上にある検体容器Tは、搬送ユニット2上に留められる。これにより、検体容器搬送部32を優先検体の測定のみに使用することが可能となり、迅速に優先検体の測定を行うことができる。なお、サンプラ測定が中断されている状態であっても、ラック搬送部23にある検体容器Tが検体容器セット部321aにセットされない限り、搬送ユニット2内で搬送されても良い。この場合、優先検体の測定が終了した後に、サンプラ測定が迅速に再開できるよう、ラック搬送部23にある検体容器Tの位置は大きく変化しないようにするのが望ましい。
【0081】
検体容器セット部321a、321bが引き出されると(S13)、CPU401は、表示部42に表示されているコントロールメニュー画面D1のサンプラ/マニュアルボタンD11の表示を、“サンプラ”から“マニュアル”に変更する(S14)。続いて、入力部41による検体番号(検体ID)の入力をユーザから受け付けるための“受付処理”が行われる(S15)。なお、“受付処理”については、追って、図11を参照して説明する。
【0082】
次に、CPU401は、測定開始ボタン3bと開閉ボタン3aのうち、いずれのボタンがユーザにより押されたかを判定する。測定開始ボタン3bが押されると(S16:YES)、処理が結合子Aに進められる。これにより、処理が図10のS101に進められる。開閉ボタン3aが押されると(S16:NO、S17:YES)、処理がS18に進め
られる。いずれのボタンも押されていない場合(S16:NO、S17:NO)、処理が結合子Bに進められる。これにより、処理がS15に戻される。
【0083】
ユーザは、優先検体の測定を終了して、サンプラ測定を再開させたい場合、検体容器セット部321a、321bから検体を取り出して、開閉ボタン3aを押す。開閉ボタン3aが押されると(S17:YES)、CPU401は、検体容器セット部321a、321bを、測定ユニット3内に引き込む(S18)。
【0084】
このとき、CPU401は、検体容器セット部321a、321bに、検体容器TまたはチューブMがセットされているか否かを判定する(S19:YES)。検体容器セット部321aに検体容器Tがセットされているか否かは、上述したようにバーコードユニットCによって行われ、検体容器セット部321bにチューブMがセットされているか否かは、上述したようにセンサ34によって行われる。
【0085】
検体容器セット部321a、321bに、検体容器TまたはチューブMがセットされていると(S19:YES)、CPU401は、図12(a)に示すエラー画面D31を表示部42に表示する(S20)。さらに、CPU401は、検体容器セット部321a、321bを、図4(c)に示すように、測定ユニット3の前方に引き出し(S21)、処理が結合子Bに進められる。これにより、処理がS15に戻される。
【0086】
他方、検体容器セット部321a、321bのいずれにも、検体容器TとチューブMがセットされていないと(S19:NO)、CPU401は、サンプラ/マニュアルボタンD11の表示を、“マニュアル”から“サンプラ”に変更する(S22)。また、CPU401は、S12で中断していたサンプラ測定を再開する(S23)。測定ユニット3の電源がOFFされないと(S24:NO)、処理がS11に戻され、測定ユニット3の電源がOFFされると(S24:YES)、処理が終了する。
【0087】
図10は、結合子A以降の処理を示すフローチャートである。
【0088】
情報処理装置4のCPU401は、検体容器セット部321a、321bを、測定ユニット3内に引き込み(S101)、検体容器セット部321aに検体容器Tがあるかを判定する(S102)。
【0089】
検体容器Tがあると判定されると(S102:YES)、バーコードリーダC31によって、検体容器Tに対して、バーコードの読み取り動作が行われる(S103)。これにより、図5(b)に示したように、ローラC21が回転され、検体容器Tが回転している間に、バーコードリーダC31によってバーコードラベルBL1の読み取りが行われる。他方、検体容器Tがないと判定されると(S102:NO)、CPU401は、図12(b)に示すエラー画面D32を表示部42に表示し(S104)、処理がS111に進められる。
【0090】
続いて、CPU401は、S103の処理により、検体容器TのバーコードラベルBL1からバーコードが読み取られたか否かを判定する(S105)。バーコードが読み取られた場合(S105:YES)、CPU401は、読み取られたバーコードに含まれる検体IDに基づいて、ホストコンピュータ5に測定オーダを問い合わせる(S106)。他方、バーコードが読み取られない場合(S105:NO)、CPU401は、図12(c)に示すエラー画面D33を、表示部42に表示し(S107)、処理がS111に進められる。
【0091】
なお、バーコードが読み取られない場合として、検体容器TにバーコードラベルBL1
が貼付されていない場合や、検体容器TにバーコードラベルBL1が貼付されているものの、バーコードラベルBL1が傾いて貼付され、あるいは、バーコードラベルBL1が汚れているために、バーコード情報が適正に取得できない場合などがある。
【0092】
ホストコンピュータ5に測定オーダの問い合わせを行った結果、CPU401は、ホストコンピュータ5から測定オーダを取得できたか否かを判定する(S108)。測定オーダが取得できた場合(S108:YES)、CPU401は、検体容器セット部321aにセットされている検体容器Tから、ピアサ33により検体を吸引し(S109)、この検体についての測定を行う。他方、測定オーダが取得できなかった場合(S108:NO)、CPU401は、図12(d)に示すエラー画面D34を、表示部42に表示し(S109)、処理がS111に進められる。
【0093】
しかる後に、CPU401は、検体容器セット部321a、321bを、搬送ユニット2の前方に引き出し(S111)、処理が結合子Bに進められる。これにより、処理が図9のS15に戻される。
【0094】
図11は、受付処理を示すフローチャートである。なお、受付処理において、サンプラ/マニュアルボタンD11は、アクティブとなっている。
【0095】
情報処理装置4のCPU401は、サンプラ/マニュアルボタンD11が押されたかを判定する(S201)。サンプラ/マニュアルボタンD11が押されていない場合(S201:NO)、受付処理が終了する。サンプラ/マニュアルボタンD11が押されると(S201:YES)、CPU401は、マニュアル測定画面D2を表示部42に表示し(S202)、測定ユニット3の前面に配された測定開始ボタン3bを無効にする(S203)。ユーザは、マニュアル測定画面D2内の各領域に、優先検体の測定を行う検体についての情報を入力する。
【0096】
次に、マニュアル測定画面D2のOKボタンD25とキャンセルボタンD26のうち、いずれのボタンがユーザにより押されたかが判定される(S204、S205)。OKボタンD25が押されると(S204:YES)、処理がS206に進められる。キャンセルボタンD26が押されると(S204:NO、S205:YES)、処理が結合子Bに戻される。これにより、処理が図9のS15に戻される。いずれのボタンも押されていない場合(S204:NO、S205:NO)、処理がS204に戻される。
【0097】
OKボタンD25が押されると(S204:YES)、CPU401は、マニュアル測定画面D2のホスト問い合わせ表示領域D24のチェック欄にチェックがあるかを判定する(S206)。チェックがあると(S206:YES)、検体番号表示領域D21に入力されている検体番号(検体ID)に基づいて、CPU401はホストコンピュータ5に測定オーダの問い合わせを行う(S207)。他方、チェックがないと(S206:NO)、処理がS210に進められる。
【0098】
ホストコンピュータ5に測定オーダの問い合わせを行った結果、CPU401は、ホストコンピュータ5から測定オーダを取得できたか否かを判定する(S208)。測定オーダが取得できなかった場合(S208:NO)、図12(d)に示すエラー画面D34が、表示部42に表示され(S209)、処理がS204に戻される。他方、測定オーダが取得できた場合(S208:YES)、CPU401は、測定開始ボタン3bを有効にする(S210)。
【0099】
次に、CPU401は、測定開始ボタン3bが押されるまで処理を待機させる(S211)。なお、ユーザは、測定開始ボタン3bを押す前に、検体容器セット部321aまた
は321bに、検体容器TまたはチューブMをセットする。測定開始ボタン3bが押されると(S211:YES)、CPU401は、検体容器セット部321a、321bを測定ユニット3内に引き込み(S212)、検体容器セット部321aまたは321bに、検体容器TまたはチューブMがあるか否かを判定する(S213)。
【0100】
検体容器TまたはチューブMがあると判定されると(S213:YES)、CPU401は、検体容器TまたはチューブMを、吸引位置P4に位置付け、ピアサ33により検体を吸引し(S214)、この検体についての測定を行う。しかる後に、検体容器セット部321a、321bが、図4(c)に示すように、測定ユニット3の前方に引き出され(S215)、処理が結合子Bに進められる。これにより、処理が図9のS15に戻される。
【0101】
他方、検体容器TまたはチューブMがないと判定されると(S213:NO)、図12(b)に示すエラー画面D32が、表示部42に表示され(S216)、処理がS204に戻される。なお、検体容器セット部321a、321bの両方に、検体容器TとチューブMがセットされている場合も、S213においてNOと判定される。
【0102】
以上、本実施の形態によれば、図9および図10に示すように、優先検体の測定が行われる場合には、検体容器セット部321aに検体容器Tがセットされた状態で、測定開始ボタン3bが押されると、この検体容器Tからバーコード情報が読み取られ、この検体容器Tに収容される検体の吸引が開始される。また、検体容器セット部321aに検体容器Tがセットされた状態で、サンプラ/マニュアルボタンD11が押されると、マニュアル測定画面D2が表示される。マニュアル測定画面D2を介して検体番号等が入力された後、測定開始ボタン3bが押されると、この検体容器Tに対してバーコードの読み取り動作が行われることなく、この検体容器Tに収容される検体の吸引が開始される。このように、ユーザは、適宜、バーコードリーダC31によるバーコード情報の入力と、マニュアル測定画面D2を介した検体番号等の入力とを選択することができるため、検体の識別情報の入力を円滑に行うことができる。
【0103】
なお、検体容器セット部321bにチューブMがセットされた状態においても、サンプラ/マニュアルボタンD11が押されると、マニュアル測定画面D2が表示される。マニュアル測定画面D2を介して検体番号等が入力された後、測定開始ボタン3bが押されると、このチューブMに対してバーコードの読み取り動作が行われることなく、このチューブMに収容される検体の吸引が開始される。また、ユーザは、バーコードラベルBL1が適正に読み取られない検体容器Tを用いたような場合にも、サンプラ/マニュアルボタンD11への操作により検体番号等の情報を入力することができる。
【0104】
また、本実施の形態によれば、図11に示すように、受付処理においてマニュアル測定画面D2に適正に検体番号等の情報が入力されると、バーコードリーダC31による読み取りが行われずに、優先検体の測定が行われる。これにより、マニュアル測定画面D2に入力された検体番号等の情報に基づいて、優先検体の処理が迅速に行われ得る。
【0105】
また、本実施の形態によれば、バーコードリーダC31によりバーコードが読み取られなかった場合に、図12(c)に示すエラー画面D33が表示される。また、マニュアル測定画面D2に入力された検体番号に基づいて測定オーダが取得されなかった場合に、図12(d)に示すエラー画面D34が表示される。これにより、ユーザは、バーコードの読み取りができなかったことと、測定オーダが取得されなかったことを知ることができる。
【0106】
また、本実施の形態によれば、マニュアル測定画面D2が表示されてから、識別情報の
入力が完了するまで(図11のS206:NO、S208:YES)、測定開始ボタン3bが無効にされる。これにより、マニュアル測定画面D2による検体番号等の入力中に、誤って優先検体の測定が開始されなくなる。
【0107】
また、本実施の形態によれば、サンプラ測定中に開閉ボタン3aが押されると、サンプラ測定が中断され、サンプラ/マニュアルボタンD11の表示が“マニュアル”となる。このように、サンプラ測定が中断された後で、サンプラ/マニュアルボタンD11がマニュアル測定画面D2を表示できる状態となるため、マニュアル測定画面D2を介した誤入力が防止され得る。
【0108】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態はこれらに限定されるものではない。
【0109】
たとえば、上記実施の形態では、測定対象として血液を例示したが、尿についても測定対象とされ得る。すなわち、尿を検査する検体処理装置にも本発明を適用することができ、さらに、他の臨床検体を検査する臨床検体処理装置に本発明を適用することもできる。
【0110】
また、上記実施の形態では、図9に示す受付処理が、S14とS16の間で行われたが、これに限らず、S16とS17の間で行われても良く、S17でNOと判定された直後で行われても良い。すなわち、受付処理は、バーコードリーダC31による読み取りが行われる前であれば、どのようなタイミングで行われても良い。
【0111】
また、上記実施の形態では、図10において、バーコードリーダC31による読み取り動作により、バーコードが読み取られなかった場合(S105:NO)、エラー画面D33が表示された後、処理が図9のS15に戻された。しかしながら、これに限らず、バーコードが読み取られなかった場合に(S105:NO)、マニュアル測定画面D2による検体番号等の入力を受け付けるようにしても良い。
【0112】
図13は、図10のS105とS106の処理の間を変更した場合のフローチャートである。
【0113】
情報処理装置4のCPU401は、バーコードが読み取られなかった場合(S105:NO)、エラー画面D33を表示部42に表示する(S301)。続いて、CPU401は、図8(c)に示すマニュアル測定画面D2を表示部42に表示する(S302)。ユーザは、マニュアル測定画面D2内の各領域に、バーコードが読み取られなかった検体容器Tの検体番号(検体ID)等を入力する。
【0114】
次に、マニュアル測定画面D2のOKボタンD25とキャンセルボタンD26のうち、いずれのボタンがユーザにより押されたかが判定される。OKボタンD25が押されると(S303:YES)、処理がS306に進められ、キャンセルボタンD26が押されると(S303:NO、S304:YES)、処理がS307に進められる。いずれのボタンも押されていない場合(S303:NO、S304:NO)、処理がS303に戻される。
【0115】
OKボタンD25が押されると(S303:YES)、CPU401は、マニュアル測定画面D2のホスト問い合わせ表示領域D24のチェック欄にチェックがあるかを判定する(S305)。チェックがあると(S305:YES)、処理がS106に進められる。他方、チェックがないと(S305:NO)、この検体容器Tから検体を吸引し(S306)、この検体についての測定を行う。しかる後に、検体容器セット部321a、321bが、測定ユニット3の前方に引き出され(S307)、処理が結合子Bに進められる
。これにより、処理が図9のS15に戻される。
【0116】
このように処理が行われた場合、バーコードリーダC31によって検体IDが適正に読み取られるまで読み取り動作を繰り返す必要がなく、マニュアル測定画面D2に入力された検体番号等に基づいて、優先検体の測定が行われる。よって、迅速に優先検体の測定が行われ得る。
【0117】
また、上記実施の形態では、サンプラ測定が行われる場合に、検体容器TのバーコードラベルBL1は、順次バーコードリーダB31、C31によって読み取られた。ここで、バーコードリーダB31、C31がバーコードを読み取れなかった場合、ユーザが検体番号等を入力できるようにしても良い。すなわち、バーコードが読み取られなかった検体容器Tについては、エラー画面が表示されることに替えて、マニュアル測定画面D2を介してユーザが検体番号等を入力できるようにしても良い。これにより、サンプラ測定において順次バーコードの読み取りが行われる場合でも、マニュアル測定画面D2を用いて簡便に検体番号等を入力することが可能になる。
【0118】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0119】
1 … 検体分析装置(検体処理装置)
2 … 搬送ユニット(搬送部)
3a … 開閉ボタン(中断指示手段)
3b … 測定開始ボタン(開始指示手段)
32 … 検体容器搬送部(移送部)
42 … 表示部
301 … 吸引部(検体処理部)
302 … 試料調製部(検体処理部)
303 … 検出部(検体処理部)
321a、321b … 検体容器セット部(検体容器載置部)
401 … CPU(制御部)
C … バーコードユニット(容器検知部)
C31 … バーコードリーダ(読取部)
D11 … サンプラ/マニュアルボタン(表示指示手段)
D2 … マニュアル測定画面(入力画面)
T … 検体容器
L … 検体ラック
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体容器を載置するための検体容器載置部と、
前記検体容器載置部に載置された検体容器から読取位置で識別情報を読み取る読取部と、
表示部と、
操作者が識別情報の入力を行う入力画面の表示を指示するための表示指示手段と、
前記検体容器載置部を、読取位置を介して吸引位置に移送する移送部と、
吸引位置に移送された検体容器内の検体を吸引して処理する検体処理部と、
操作者が前記検体処理部による検体処理の開始を指示するための開始指示手段と、
前記検体容器載置部に検体容器が載置された状態で前記開始指示手段により検体処理開始指示を受付けると、前記検体容器載置部を読取位置に移送して前記読取部による識別情報の読取を行った後、吸引位置に移送するように前記移送部および前記読取部を制御し、
前記検体容器載置部に検体容器が載置された状態で前記表示指示手段により表示指示を受付けると、入力画面を前記表示部に表示し、入力画面を介して識別情報の入力を受付けた後、前記開始指示手段により検体処理開始指示を受付けると、前記検体容器載置部を吸引位置に移送するように前記移送部を制御する制御部と、を備える、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の検体処理装置において、
前記制御部は、入力画面を介して識別情報の入力を受付けた後、前記開始指示手段により検体処理開始指示を受付けると、読み取りを行わないように前記読取部を制御するとともに、前記検体容器載置部を吸引位置に移送するように前記移送部を制御する、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の検体処理装置において、
前記制御部は、前記読取部により識別情報を取得できなかった場合、その旨を操作者へ通知する処理を実行するとともに、前記検体容器載置部を検体容器の載置位置に戻すように前記移送部を制御する、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一項に記載の検体処理装置において、
前記制御部は、入力された識別情報に基づいて、前記検体処理部で行われる処理に関するオーダを取得する処理を実行し、オーダが取得できない場合、識別情報の再入力を促す処理を実行する、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の検体処理装置において、
前記制御部は、入力画面が表示されてから識別情報の入力が完了するまで、前記開始指示手段を無効化する処理を実行する、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の検体処理装置において、
前記制御部は、入力された識別情報に基づいてオーダが取得できた場合、前記開始指示手段を有効化する処理を実行する、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか一項に記載の検体処理装置において、
複数の検体容器を保持可能な検体ラックを搬送する搬送部と、
操作者が前記検体処理部による連続処理の中断を指示するための中断指示手段と、を備
え、
前記検体処理部は、前記搬送部によって順次搬送される検体容器中の検体を連続的に処理可能であり、
前記制御部は、前記中断指示手段により中断が指示されると、連続処理が中断されるように前記搬送部と前記検体処理部とを制御するとともに、前記検体容器載置部を検体容器の載置位置に移送するように前記移送部を制御する、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の検体処理装置において、
前記制御部は、前記中断指示手段によって中断が指示されると、前記表示指示手段を有効化する処理を実行する、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項9】
請求項1ないし8の何れか一項に記載の検体処理装置において、
検体容器の載置位置と吸引位置との間で、前記検体容器載置部に検体容器が載置されているか否かを検知する容器検知部をさらに備え、
前記制御部は、前記開始指示手段によって検体処理の開始が指示された場合であって、前記容器検知部によって検体容器を検知できなかった場合、前記検体容器載置部を載置位置に戻すように前記移送部を制御する、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項1】
検体容器を載置するための検体容器載置部と、
前記検体容器載置部に載置された検体容器から読取位置で識別情報を読み取る読取部と、
表示部と、
操作者が識別情報の入力を行う入力画面の表示を指示するための表示指示手段と、
前記検体容器載置部を、読取位置を介して吸引位置に移送する移送部と、
吸引位置に移送された検体容器内の検体を吸引して処理する検体処理部と、
操作者が前記検体処理部による検体処理の開始を指示するための開始指示手段と、
前記検体容器載置部に検体容器が載置された状態で前記開始指示手段により検体処理開始指示を受付けると、前記検体容器載置部を読取位置に移送して前記読取部による識別情報の読取を行った後、吸引位置に移送するように前記移送部および前記読取部を制御し、
前記検体容器載置部に検体容器が載置された状態で前記表示指示手段により表示指示を受付けると、入力画面を前記表示部に表示し、入力画面を介して識別情報の入力を受付けた後、前記開始指示手段により検体処理開始指示を受付けると、前記検体容器載置部を吸引位置に移送するように前記移送部を制御する制御部と、を備える、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の検体処理装置において、
前記制御部は、入力画面を介して識別情報の入力を受付けた後、前記開始指示手段により検体処理開始指示を受付けると、読み取りを行わないように前記読取部を制御するとともに、前記検体容器載置部を吸引位置に移送するように前記移送部を制御する、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の検体処理装置において、
前記制御部は、前記読取部により識別情報を取得できなかった場合、その旨を操作者へ通知する処理を実行するとともに、前記検体容器載置部を検体容器の載置位置に戻すように前記移送部を制御する、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一項に記載の検体処理装置において、
前記制御部は、入力された識別情報に基づいて、前記検体処理部で行われる処理に関するオーダを取得する処理を実行し、オーダが取得できない場合、識別情報の再入力を促す処理を実行する、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の検体処理装置において、
前記制御部は、入力画面が表示されてから識別情報の入力が完了するまで、前記開始指示手段を無効化する処理を実行する、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の検体処理装置において、
前記制御部は、入力された識別情報に基づいてオーダが取得できた場合、前記開始指示手段を有効化する処理を実行する、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか一項に記載の検体処理装置において、
複数の検体容器を保持可能な検体ラックを搬送する搬送部と、
操作者が前記検体処理部による連続処理の中断を指示するための中断指示手段と、を備
え、
前記検体処理部は、前記搬送部によって順次搬送される検体容器中の検体を連続的に処理可能であり、
前記制御部は、前記中断指示手段により中断が指示されると、連続処理が中断されるように前記搬送部と前記検体処理部とを制御するとともに、前記検体容器載置部を検体容器の載置位置に移送するように前記移送部を制御する、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の検体処理装置において、
前記制御部は、前記中断指示手段によって中断が指示されると、前記表示指示手段を有効化する処理を実行する、
ことを特徴とする検体処理装置。
【請求項9】
請求項1ないし8の何れか一項に記載の検体処理装置において、
検体容器の載置位置と吸引位置との間で、前記検体容器載置部に検体容器が載置されているか否かを検知する容器検知部をさらに備え、
前記制御部は、前記開始指示手段によって検体処理の開始が指示された場合であって、前記容器検知部によって検体容器を検知できなかった場合、前記検体容器載置部を載置位置に戻すように前記移送部を制御する、
ことを特徴とする検体処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−117942(P2012−117942A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268715(P2010−268715)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
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