説明

検体処理装置

【課題】閉栓状態においても高精度にて検体の処理を行うこと。
【解決手段】検体処理装置は、検体を収容可能な試験管25に装着された栓体26を貫通可能に構成されたノズル針53を有する分取・分注部35、および、ノズル針53よりも大径の空洞を有し栓体26を貫通する筒状部71と、筒状部71に連続し径が拡大する拡径部72とを有する金属材製のチップスロープ70を具備する。検体の分取処理の前に、チップスロープ70が栓体26を貫通して試験管25内に挿入され、チップスロープ70の空洞によって試験管27の内外が連通した状態で、分取処理が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体を収容する検体容器内にて処理を行う検体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
検体を収容する検体容器内にて処理を行う検体処理装置として、例えば採血を行った後の血液から遠心分離処理によって分離された血清を検体として採取し、この検体に試薬を注入して反応を検知することで分析処理を行う分析装置などが知られている(例えば、特許文献1参照)。血液等の検体を収容する試験管は、例えば透明なガラス製またはプラスチック製で、上方に開口を有する円筒形状を成し、内部に検体が収容されるようになっている。試験管の上端開口にはゴムまたは合成樹脂材料からなる栓体が装着されている。一般的な検体処理装置においては、分取・分注等の検体処理の前に、試験管の上方開口を塞ぐ栓体を抜き取る開栓処理を行い、試験管上方を開口させた状態で、当該開口からノズル等の器具を挿入して内部の検体に対して分取・分注等の検体処理を行っている。このように検体処理の前に開栓処理を行い開口させてから検体処理を行う検体処理装置では、開栓処理のための処理時間がかかり、処理効率が悪いという問題がある。また試験管の上方の開口部分から検体が飛散し、あるいは検体が蒸発する恐れがある。
【0003】
このような事情に鑑みて、尖鋭な針形状の部材により栓体を貫通して検体容器内に挿入させて処理を行う手段が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−76185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記技術には次のような問題がある。すなわち、検体容器の側部にはラベルが付されていることがあり、閉栓状態では検体内の様子を検出することが困難であり、処理精度が低下するという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、閉栓状態においても高精度にて検体の処理を行うことができる検体処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態に係る検体処理装置は、検体を収容可能な少なくともその一部が透明に構成された検体容器に装着され、ゴムまたは合成樹脂材を含む材料で構成された栓体を貫通可能に構成された貫通挿入部を有し、前記検体容器または前記検体に処理を行う貫通処理ユニットと、前記処理の際に前記検体または前記検体容器の状態を検出する検出ユニットと、前記検出の前に前記検体容器の側部に付されたラベルの少なくとも一部を除去するラベル除去ユニットと、前記貫通挿入ユニットは、先端が尖鋭なノズル針を有し前記ノズル針の先端が前記栓体を貫通して前記検体容器内に挿入された状態で前記検体の分取または分注処理を行う分取・分注ユニットと、前記ノズル針よりも大径の空洞を有し栓体を貫通する筒状部と、前記筒状部に連続し径が拡大する拡径部とを有する金属材製のチップスロープとを具備し、前記検体の分取処理の前に、前記チップスロープが前記栓体を貫通して前記検体容器内に挿入され、前記チップスロープの前記空洞によって前記検体容器の内外が連通した状態で、前記分取処理が行われることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明にかかる検体処理装置によれば、閉栓状態でも検体処理を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1実施形態に係る検体処理装置の説明図。
【図2】同実施形態に係る分取分注装置の平面図。
【図3】同実施形態に係る分取分注装置の側面図。
【図4】同実施形態に係るラベル剥離部の側面図。
【図5】同実施形態にかかる分取分注装置の説明図。
【図6】同実施形態に係るチップスロープの平面図。
【図7】同実施形態に係る分取・分注部の構造及び分取工程の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態にかかる検体処理装置としての検体処理装置1について、図1乃至図7を参照して説明する。なお、各図において適宜構成を拡大、縮小、省略して示している。各図中の矢印X,Y,Zはそれぞれ直交する3方向を示している。なお、ここではX軸は搬送経路、Y軸は搬送経路の幅方向、Z軸は上下方向にそれぞれ沿うように設定された場合を示している。
【0011】
図1は、検体処理装置の説明図である。図2及び図3は分取分注装置の平面図及び側面図であり、図4はラベル剥離ユニットの側面図である。
【0012】
図1に示すように、検体処理装置1は、搬送経路20aの上流側から順に、搬入装置11、分取・分注装置12、搬出装置13、及び分析装置14を備えるとともに、各種情報を記憶する記憶部15(記憶手段)と、検出結果や識別情報などに基づき演算・判定などのデータ処理を行うデータ処理部16と、各部の動作を制御する制御部17(制御手段)と、を備えて構成されている。
【0013】
各装置11〜13には、それぞれ所定の搬送経路20aに沿って試験管25を立位状態で搬送するコンベヤ式の搬送部20が設けられている。これら複数の装置11〜14の搬送部20の搬送経路20aは連続して配置されている。
【0014】
図2乃至図5に示すように、検体を収容する検体容器としての試験管25はホルダ24に立位状態に支持され、搬送部20の搬送ベルトの移動に伴って搬送される。試験管25は、例えば真空採血管であり、透明なガラスまたはプラスチックで構成され、内部に検体を収容する円柱状の空間を有する円筒形状を成している。試験管25の外周側面には、ラベル27が接着貼付されている。ラベル27には検体25aの識別情報等の各種情報を示す識別情報表示部としてバーコード27aが表示されている。図5(a)に示すように、試験管25の内部に、検体25aとして、血餅25b、分離剤としてのシリコン25c、及び血清25dの3層が収容されている。なお、図5(a)では、説明のためラベル27を省略している。
【0015】
図1に示す搬入装置11は、搬送部20と、搬送部20の側部に配置されたラック架設部11aと、ラック架設部11aにセットされたラックに保持された試験管25を搬送部20のホルダ24に移載する移載機構11bと、を備えている。
【0016】
図2及び図3に示すように、分取・分注装置12は、装置本体31と、装置本体31に設けられた搬送部20と、試験管25の側面に貼付されているラベル27に表示されたバーコード27aに示される識別情報やバーコード27aの位置情報等の各種情報を取得する読取部32と、試験管25の側部に付されたラベル27の一部を剥離するラベル剥離部33(ラベル除去ユニット)と、試験管25内の検体25aの状態を検出する検出部34(検出ユニット)と、検体25aを分取・分注する分取・分注部35(分取・分注ユニット)と、を備えて構成されている。
【0017】
読取部32は、搬送経路20aの側部に設けられ、搬送部20によって送られる試験管25の側面に貼付されたラベル27のバーコード27aを読み取り、検体に関する各種情報を取得する。
【0018】
図4に示すように、ラベル剥離部33は、搬送経路20a側部に設置されたベース部41と、ベース部41から搬送経路20aに向かって延び移動可能に支持された一対のアーム部42と、一対のアーム部42の先端にそれぞれ設けられラベル27を削る一対の削り刃43と、を備えて構成されている。削り刃43がラベル27に当接した状態で下降移動することによりラベル27の一部を削り試験管25から剥離させ、ラベル27を除去する。
【0019】
検出部34は、ラベル剥離部33よりも下流側の搬送経路20aの側方に設けられる撮像部45(画像検出手段)を備える。撮像部45は例えばCCDカメラで構成され、搬送経路20a上に立位状態に保持された試験管25の側方から検体25aの側面を撮像し、画像情報を取得する。取得した画像情報は記憶部15に送られる。
【0020】
分取・分注部35は、搬送経路20aの側部に設けられた昇降機構部51と、この昇降機構部51に支持された分取・分注チップ52と、使用済のチップスロープ70を回収・洗浄するチップスロープ洗浄部60を備えている。分取・分注チップ52は、試験管25の上方の栓体26の上方に対向するように配置され、昇降機構部51により昇降可能に設けられている。分取・分注チップ52の先端部は下方に延びる貫通挿入部としてのノズル針53が設けられている。ノズル針53のノズル孔53aは血液等の検体を分取・分注するための吸引・吐出装置(図示しない)に連通している。なお、ノズル針53の先端(下端)部分は尖鋭形状を成し、下降する際に、栓体26を貫通して試験管25の内部に挿入可能になっている。
【0021】
図5に示すように、分取分注チップ52内にはノズル本体54が挿入される。ノズル本体54は、上部に設けられた固定部59と、分取分注チップ52内において軸方向に移動可能に構成されるとともに内部に通路55aを形成する分取・分注管55と、分取・分注管55の下部に設けられたノズル部55bと、固定部59とノズル部55bとの間において分取・分注管55の周りに上から順に介装された第1のシリコンボール56、可動部57、及び第2のシリコンボール58、とを備えて構成されている。
【0022】
第1、第2のシリコンボール56,58及び可動部57は、分取・分注管55に対して軸方向に移動可能に遊挿されている。ノズル部55bは分取・分注管55の先端に設けられ分取・分注管55と共に移動する。ノズル部55bは、通路55aに連通する孔55cを有している。孔55cは、分取・分注管55を介して図示しない吸引・吐出装置に接続される。ノズル本体54は、図示しない昇降機構と、ボール圧縮機構を構成する流体シリンダに接続されている。
【0023】
分取工程の前のノズル本体54は、分取分注管55が下方に突出し、ノズル部55bと固定部59とが離間した状態であり、第1、及び第2のシリコンボール56,58は真球状の状態となる(不図示)。この状態で昇降移動機構によってノズル本体54の全体が移動し、分取分注チップ52の上部に位置決めされる。さらにノズル本体54の全体が下降し、分取分注チップ52の筒部52aの内部に挿入される。
【0024】
この状態から、固定部59が固定された状態で、流体シリンダにより分取分注管55を上昇させる。するとノズル部55bが上昇して固定部59に近接し、ノズル部55bと固定部59との間の間隔が狭まる。これに伴い、シリコンボール56,58及び可動部57が上方に移動するとともに、シリコンボール56,58が軸方向に圧縮される。この状態を図5に示す。
【0025】
シリコンボール56,58は軸方向に圧縮され、拡径方向に弾性変形し、分取分注チップ52の筒部52aの内周面に密着する。このため、ノズル本体54と分取分注チップ52とが気密状態に接続される。
【0026】
この状態で、昇降移動機構によってノズル本体54と分取分注チップ52とが一体的に移動し、分取分注チップ52を試験管25に挿入した後、吸引・吐出装置によって吸引すると、分取分注管55を介して分取分注チップ52が負圧となり、試験管内の血清を分取分注チップ52に分取することができる。
【0027】
さらに、昇降移動機構によりノズル本体54と分取分注チップ52とが一体的に上昇すると、分取分注チップ52が試験管から脱出し、分取した血清を収容したノズル本体54と分取分注チップ52を別の試験管等に位置決めすることができる。そして、吸引・吐出装置によって吐出すると、分取分注管55を介して分取分注チップ52が正圧となり、分取分注チップ52内の血清を試験管等に分注することができる。
【0028】
チップスロープ洗浄部60は、図6に示すようなチップスロープ70を供給するとともに、使用済みのチップスロープ70を回収洗浄する機能を有している。チップスロープ70は、ノズル針53よりも大径の筒状部71と、筒状部71の上方に連続する拡径部72とを一体に備えて構成されている。チップスロープ70は樹脂製であり、筒状部71の先端73(下端)は尖鋭に構成され、栓体26を貫通可能に構成されている。拡径部72は、筒状部71の開口が拡径し、上方が大径となり下方が小径となるように構成された円錐形状を有している。ここで、ノズル針53の径は例えば2mmとし、筒状部71の内径は例えば3.6mmとした。このため、大気解放を可能にしつつも開口面積は小さく抑えられる。また、分取・分注チップ52は樹脂で構成した。
【0029】
以下、本実施形態に係る検体処理装置1の検体処理方法の処理工程手順を説明する。
【0030】
まず、搬入処理として、図1に示す搬入装置11にてラック架設部11aのラック11cに保持された試験管25を搬送部20上に待機するホルダ24に移載する。移載された試験管25は搬送経路20aに沿ってホルダ24に保持され立位状態で下流側の分取・分注装置12へ搬送される。
【0031】
そして、下流側の読取部32にて、バーコード27aに示される検体25aの識別情報、バーコード27aの位置情報、及びラベル27の有無等の、各種情報を検出する(読取処理)。取得した各種情報は記憶部15に記録され、制御部17による制御に用いられる。
【0032】
さらに下流側のラベル剥離部33において、図4に示すように、試験管25が処理位置に配置され停止したときに削り刃43をラベル27に当接させた状態で下降移動することにより、ラベル27の一部を削り、試験管25から剥離させ、除去する(ラベル除去処理)。
【0033】
ラベル除去処理後の試験管25の側部は、上下方向に延びる剥離対象部27bにおいてラベル27が削り取られ、内部の透明な試験管25の側部が露出した状態となっている。ラベル除去処理の終了後、試験管25は搬送経路20aに沿ってホルダ24に保持され立位状態で下流側の検出部34及び分取・分注部35に送られる。
【0034】
次に、図7に示す分取・分注部35において、分取・分注チップ52によって検体入り試験管25から所定量の血清を分取し、別に送られてきたサンプルカップに分注する(分取・分注処理)。
【0035】
分取処理に際し、側方に設けられた検出部34の撮像部45によって試験管25または検体25aの状態を検出し(検出処理)、この検出結果に応じて分取処理が制御される。検出処理では、まず試験管25の側部を撮像して検体の画像情報を取得する。撮像部45に送られる試験管25の側部は、予め上流側のラベル剥離部33にてラベル27が剥離され透明の試験管25の側壁が露出しているので、この透明な試験管25の側壁を透過して側方から内部の検体25aの画像情報が取得できるようになっている。取得した画像情報は、記憶部15に記録され、データ処理部16へ送られる。データ処理部16は、撮像部45で取得した画像情報に基づき検体25aの状態を検出(判定)する。具体的には、撮像部45で取得した試験管25の側方からの画像情報に基づき、データ処理部16において、検体25aの血餅面25e、シリコン面25f、血清面25g、及びノズル針53の位置を検出する。制御部17は、ノズル針53の位置と液面の位置とを検出することによりノズル針53の先端が、どの部分に位置しているかを検出し、この検出結果に応じてノズルの移動を制御する。例えばシリコン面25fよりも上方にノズル針53の先端が停止するように位置決めすることによりシリコン面25fにノズル針53が突入することを防止し、血清25dを残さず分取することが可能となる。
【0036】
分取処理において、まず図7(a)に示すように搬送経路20aに沿って試験管25を搬送する。このとき、ノズル針53の挿入に先立って、チップスロープ70を栓体26上方から下降することで、図7(b)に示すように筒状部71が栓体26を貫通し、筒状部71の先端73が試験管25内に挿入される配置される。この状態で筒状部71内の空洞71aによって試験管25の内外が連通し、試験管25の内部が大気圧に解放される。
【0037】
ついで、ノズル針53の直下の所定位置で試験管25の搬送を停止させる。この状態で図7(c)に示すように昇降機構部51により分取・分注チップ52を下降させて筒状部71の上方からノズル針53を挿入する。ノズル針53は筒状部71の空洞71aを通過して試験管25内に挿入される。この状態では、ノズル針53の外周と空洞部71aの内側との間を通じて試験管25内部が大気に連通した状態となる。
【0038】
さらに図7(d)に示すようにノズル針53の先端位置を所定の深さに位置決めする。このとき、上述の検出・制御により、例えばシリコン面25fよりも上方にノズル針53の先端が停止するように、位置決めが成される。この状態で吸引・吐出機構によりノズル針53からの吸引を行うことにより、検体25aとして血清25dを残らず分取する(分取処理)。
【0039】
血清25dを分取した後、昇降機構部51により分取・分注チップ52を上昇させ、別に送られてきたサンプルカップにノズル針53を位置決めし、吸引・吐出機構により吐出を行うことにより、検体をサンプルカップに分注する(分注処理)。サンプルカップは搬出装置13から搬出され(搬出処理)、下流側の分析装置14に搬入される。そして、分析装置14において各種反応を検査する分析処理が行われる。
【0040】
なお、チップスロープ70は回収され、チップスロープ洗浄部60において洗浄され、再利用される。
【0041】
本実施形態にかかる検体処理装置1によれば以下のような効果が得られる。すなわち、栓体26を貫通して試験管25内に挿入可能な貫通挿入部としてのノズル針53により、閉栓状態で検体処理を行うことができる。したがって、予め開栓する必要がないので高効率にて処理を行うことができるとともに、検体の飛散及び蒸発を防止でき、異物の混入も防ぐことができる。
【0042】
また、検出部34により試験管25内の状態を検出しながら分取処理を行うことができるので、血清25dを残さず分取することができ、またシリコン面25fへノズル針53が侵入しないように制御することが可能となるので、処理精度が向上する。したがって、個々の試験管25によって検体25aの液面高さが異なる場合であっても精度良く処理することが可能となる。さらに、検出部34の上流側にラベル剥離部33を設けたことにより、試験管25の側部にラベル27が付されている場合であっても、予めラベル27を剥離して除去し、側方から確実に検体の画像情報を取得することができる。したがって、ラベル27が剥離された状態で試験管の側方からノズル針53の先端の位置を検出することで、血清25dのみを確実に分取することが出来る。このため、高い検出精度を維持することが出来る。
【0043】
さらに、予めチップスロープ70を挿入して試験管25内を大気に連通することにより、試験管25内が分取動作で真空になることを防止し、分取作業を容易かつ正確に行うことが可能となる。また、細長い形状の筒状部71と拡径部72を有するチップスロープを用いたことで、大気連通の際に開口される面積を小さく抑えることができるので、飛散や蒸発の防止機能を維持することができる。さらに分取・分注チップ52及びチップスロープ70をいずれも金属材で製作することで、洗浄後に再使用後が可能であり、コンタミネーションの防止及び低コストでの実施も可能となる。
【0044】
なお、本発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。例えば処理の対象として分取処理を例示したが処理内容はこれに限られるものではなく、他の処理にも適用できる。また、処理対象も上記実施形態に例示したものに限られるものではなく、例えば検体容器に対して処理を行うものであってもよい。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1…検体処理装置、11…搬入装置、12…分取・分注装置、13…搬出装置、14…分析装置、15…記憶部、16…データ処理部、17…制御部、20a…搬送経路、20…搬送部、24…ホルダ、25…試験管(検体容器)、25a…検体、25b…血餅、25c…シリコン(分離剤)、25d…血清、25e…血餅面、25f…シリコン面、25g…血清面、26…栓体、27…ラベル、27a…バーコード、27b…剥離対象部、31…装置本体、32…読取部、33…ラベル剥離部(ラベル除去ユニット)、34…検出部(検出ユニット)、35…分取・分注部(貫通処理ユニット)、41…ベース部、42…アーム部、43…削り刃、45…撮像部、51…昇降機構部、52…分取・分注チップ、53…ノズル針(貫通挿入部)、60…チップスロープ供給部、70…チップスロープ、71…筒状部、71a…空洞、72…拡径部、73…先端部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体を収容可能な少なくともその一部が透明に構成された検体容器に装着され、ゴムまたは合成樹脂材を含む材料で構成された栓体を貫通可能に構成された貫通挿入部を有し、前記検体容器または前記検体に処理を行う貫通処理ユニットと、
前記処理の際に前記検体または前記検体容器の状態を検出する検出ユニットと、
前記検出の前に前記検体容器の側部に付されたラベルの少なくとも一部を除去するラベル除去ユニットと、
前記貫通挿入ユニットは、先端が尖鋭なノズル針を有し前記ノズル針の先端が前記栓体を貫通して前記検体容器内に挿入された状態で前記検体の分取または分注処理を行う分取・分注ユニットと、
前記ノズル針よりも大径の空洞を有し栓体を貫通する筒状部と、前記筒状部に連続し径が拡大する拡径部とを有する金属材製のチップスロープとを具備し、
前記検体の分取処理の前に、前記チップスロープが前記栓体を貫通して前記検体容器内に挿入され、前記チップスロープの前記空洞によって前記検体容器の内外が連通した状態で、前記分取処理が行われることを特徴とする検体処理装置。
【請求項2】
前記貫通挿入ユニットは、前記検体の分取・分注が終了した前記チップスロープを洗浄するチップスロープ洗浄部をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の検体処理装置。
【請求項3】
前記検出ユニットは、前記検体または検体容器の画像情報を取得し、前記画像情報に基づき前記検体容器内に収容された検体としての血清面、シリコン面、血餅面、及び前記貫通挿入部の少なくともいずれかの位置を検出することを特徴とする請求項1に記載の検体処理装置。
【請求項4】
前記検体容器を、前記栓体を上側に配して起立状態に保持しながら所定の搬送経路に沿って搬送する搬送ユニットを備え、
前記搬送経路に沿って、前記貫通処理ユニット及び前記検出ユニットが配され、
前記貫通処理ユニットよりも前記搬送経路の上流側に前記ラベル除去ユニットが配されたことを特徴とする請求項1に記載の検体処理装置。
【請求項5】
栓体に開口を形成するカッタをさらに備え、
前記検体の分取処理の前に、前記カッタにより前記栓体に開口を形成することを特徴とする請求項1記載の検体処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−52872(P2012−52872A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194598(P2010−194598)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(309007184)あおい精機株式会社 (9)
【Fターム(参考)】