説明

検体分析システム、検体分析装置、及び検体分析方法

【課題】 従来に比して迅速に検体の再測定を実行することが可能な検体分析システム、検体分析装置、及び検体分析方法を提供する。
【解決手段】
検体分析装置100が検体を測定し、分析結果を得る。検体分析装置100は検体の分析結果に基づき、当該検体の再測定の要否を判定する。また、検体分析装置100は、検体の分析結果に基づき、検査情報管理装置500による検査情報に基づく検体の再測定の要否判定が必要か否かを判定する。検査情報に基づく検体の再測定の要否判定が必要と判定されると、検体分析装置100は検査情報管理装置500に対して、検査情報に基づく検体の再測定の要否判定を要求する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体の分析を行う検体分析システム、検体分析装置、及び検体分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、血液、尿等の検体の分析を行う検体分析装置が知られている。例えば、特許文献1には、患者検体を分析する分析部と、分析部から測定結果を受信し、データチェックを行うデータ処理部とを備えた自動分析装置が開示されている。当該特許文献1に記載された自動分析装置のデータ処理部は、上位コンピュータと通信可能とされており、上位コンピュータから患者の前回値データを受信する機能を有している。このデータ処理部は、患者の前回値データと今回値データとを比較する等のデータチェックを行い、再測定(再検)の必要があるか否かを判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−120471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されているような上位コンピュータとしては、通常、複数の検体分析装置と通信可能に接続されたLIS(Laboratory Information System)又はWAM(Working
Area Manager)と呼ばれる検査情報管理装置が用いられる。このような検査情報管理装置は臨床検査業務全般の進捗管理を行うために、多数の自動分析装置及び端末とネットワークを介して接続されている。特許文献1に記載されている自動分析装置にあっては、検体測定の都度、上位コンピュータ(検査情報管理装置)に前回値データを要求し、検査情報管理装置から受信した前回値データを用いて再測定の要否を判定する必要があるため、ネットワークの混雑又は検査情報管理装置の負荷増大などによってデータ処理部が検査情報管理装置から前回値データを受信する処理に遅れが生じると、検体の再測定の実行にも遅延が生じるおそれがあった。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、従来に比して迅速に検体の再測定を実行することが可能な検体分析システム、検体分析装置、及び検体分析方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の検体分析システムは、検体の検査に関する検査情報を管理するための検査情報管理装置、及び、検体を測定し、測定結果を前記検査情報管理装置へ送信する検体分析装置を備え、前記検体分析装置は、検体を測定する測定部と、所定の判定条件を記憶する記憶部と、前記検査情報管理装置に前記検体の再測定が必要か否かを問い合わせる問い合わせ処理、及び、前記測定結果が前記記憶部に予め記憶された前記所定の判定条件に合致するか否かを判定する判定処理の実行が可能であり、前記判定処理を実行した結果、前記測定結果が前記所定の判定条件に合致する場合には、前記測定部に前記検体の再測定を実行させ、再測定の測定結果を前記検査情報管理装置に送信し、前記問い合わせ処理を実行した結果、前記検査情報管理装置から前記検体の再測定が必要であることを示す判定情報を受信した場合には、前記測定部に前記検体の再測定を実行させる制御部と、を備える。
【0007】
この態様において、前記制御部は、前記測定結果が前記所定の判定条件に合致しない場合に、前記問い合わせ処理を実行する構成であってもよい。
【0008】
また、上記態様において、前記検査情報管理装置は、前記検体分析装置から検体の再測定が必要か否かの問い合わせを受け付けた場合に、再測定の要否の判定を行い、判定結果である判定情報を前記検体分析装置に送信する構成であってもよい。
【0009】
また、上記態様において、前記検査情報管理装置は、前記検体分析装置から再測定が必要か否かの問い合わせを受け付けた検体については、当該検体の測定結果に基づいて再測定の要否を判定し、前記検体分析装置から再測定が必要か否かの問い合わせを受け付けない検体については、当該検体の測定結果に基づいて再測定の要否を判定しないように構成されていてもよい。
【0010】
また、上記態様において、前記検査情報管理装置は、前記検体分析装置から前記検体の測定結果を受信すると、再測定が必要か否かを判定し、再測定が必要な場合にのみ、再測定が必要であることを示す判定情報を前記検体分析装置に送信する構成であってもよい。
【0011】
また、上記態様において、前記検査情報管理装置は、前記検査情報として、被検者の過去の測定結果を記憶し、前記記憶部に記憶された所定の判定条件は、検体に係る被検者の前記測定部による測定結果より前の測定結果を使用せず、前記測定部で測定された前記検体の測定結果に基づいて再測定が必要か否かを判定するための判定条件であってもよい。
【0012】
また、上記態様において、前記検査情報管理装置は、前記検査情報として、被検者の過去の測定結果を記憶し、前記検体分析装置から受信した検体の測定結果と、当該検体に係る被検者の前記測定結果より前の測定結果とに基づいて再測定が必要か否かを判定する構成であってもよい。
【0013】
また、本発明の一の態様の検体分析装置は、検体の検査に関する検査情報を管理する検査情報管理装置と通信可能に接続され、検体の測定結果を前記検査情報管理装置へ送信する検体分析装置であって、検体を測定する測定部と、所定の判定条件を記憶する記憶部と、前記検査情報管理装置に前記検体の再測定が必要か否かを問い合わせる問い合わせ処理、及び、前記測定結果が前記記憶部に予め記憶された前記所定の判定条件に合致するか否かを判定する判定処理の実行が可能であり、前記判定処理を実行した結果、前記測定結果が前記所定の判定条件に合致する場合には、前記測定部に前記検体の再測定を実行させ、再測定の測定結果を前記検査情報管理装置に送信し、前記問い合わせ処理を実行した結果、前記検査情報管理装置から前記検体の再測定が必要であることを示す判定情報を受信した場合には、前記測定部に前記検体の再測定を実行させる制御部と、を備える。
【0014】
この態様において、前記制御部は、前記測定結果が前記所定の判定条件に合致しない場合に、前記問い合わせ処理を実行する構成であってもよい。
【0015】
また、上記態様において、前記検査情報管理装置は、前記検査情報として、前記被検者の過去の検査情報を記憶し、前記記憶部に記憶された所定の判定条件は、検体に係る被検者の前記測定部による測定結果より前の測定結果を使用せず、前記測定部で測定された前記検体の測定結果に基づいて再測定が必要か否かを判定するための判定条件であってもよい。
【0016】
また、上記態様において、前記制御部は、前記測定部の測定結果が前記所定の判定条件である第1判定条件に合致せず、かつ、前記測定部の測定結果が前記第1判定条件とは異なる第2判定条件に合致する場合に、前記問い合わせ処理を実行するように構成されていてもよい。
【0017】
また、上記態様において、前記検体分析装置は、ユーザからの入力を受け付ける入力部をさらに備え、前記制御部は、前記入力部による第1判定条件又は第2判定条件の指定を受け付け、受け付けた第1判定条件又は第2判定条件を設定可能に構成されていてもよい。
【0018】
また、上記態様において、前記第1判定条件は、第1再測定条件と第2再測定条件とを含み、前記制御部は、前記測定部の測定結果が前記第1再測定条件に合致する場合には、前記測定部によって測定された前記検体の第1測定項目と同じ第1測定項目について前記検体の再測定を前記測定部に実行させ、前記測定部の測定結果が前記第2再測定条件に合致する場合には、前記測定部によって測定された前記検体の第1測定項目とは異なる第2測定項目について前記検体の再測定を前記測定部に実行させる構成であってもよい。
【0019】
また、上記態様において、前記制御部は、前記測定部の測定結果が前記第1再測定条件及び前記第2再測定条件の何れにも合致する場合には、前記第1測定項目について前記検体の再測定を前記測定部に実行させるように構成されていてもよい。
【0020】
また、上記態様において、前記制御部は、前記第2測定項目を前記入力部により受け付け可能に構成されていてもよい。
【0021】
また、上記態様において、前記検体分析装置は、複数の測定部と、ユーザからの入力を受け付ける入力部とを備え、前記制御部は、前記検体の再測定を実行する測定部を前記入力部により受け付け可能に構成されていてもよい。
【0022】
また、上記態様において、前記検体分析装置は、表示部をさらに備え、前記制御部は、前記問い合わせ処理を実行した場合に、前記検査情報管理装置へ検体の再測定が必要か否かを問い合わせたことを示す情報を、前記検体の測定結果と共に前記表示部に表示させるように構成されていてもよい。
【0023】
また、上記態様において、前記制御部は、前記測定部による検体の測定動作において前記測定部に所定の異常が発生したか否かを判定し、前記所定の異常が発生したと判定された場合には、前記測定結果にかかわらず、前記検体の再測定を前記測定部に実行させるように構成されていてもよい。
【0024】
また、上記態様において、前記検体分析装置には複数の測定部が設けられており、前記制御部は、前記測定部による検体の測定動作において前記測定部に所定の異常が発生したと判定された場合には、当該測定を実行した測定部に前記検体の再測定を実行させるように構成されていてもよい。
【0025】
また、本発明の一の態様の検体分析方法は、検体の検査に関する検査情報を管理する検査情報管理装置と通信可能に接続された検体分析装置によって検体を分析する検体分析方法であって、前記検体分析装置が、検体を測定して取得した測定結果を前記検査情報管理装置に送信するステップと、前記検体分析装置が、前記検体分析装置に予め記憶された所定の判定条件に前記測定結果が合致するか否かを判定するステップと、記測定結果が前記所定の判定条件に合致する場合には、前記検体分析装置が、前記検体の再測定を実行し、再測定の測定結果を前記検査情報管理装置へ送信するステップと、前記測定結果が前記所定の判定条件に合致しない場合には、前記検体分析装置が、前記検査情報管理装置へ前記検体の再測定が必要か否かを問い合わせるステップと、前記検査情報管理装置から前記検体の再測定が必要であることを示す判定情報を受信した場合には、前記検体分析装置が前記検体の再測定を実行するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る検体分析システム、検体分析装置、及び検体分析方法によれば、従来に比して迅速に検体の再測定を実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施の形態に係る検体分析システムの全体構成を示す模式図。
【図2】実施の形態に係る検体分析装置の全体構成を示す斜視図。
【図3】図2に示した検体分析装置の構成を示す模式図。
【図4】情報処理ユニットの構成を示すブロック図。
【図5】検査情報管理装置の構成を示すブロック図。
【図6】検体測定動作の手順を示すフローチャート。
【図7】再検判定処理の手順を示すフローチャート。
【図8】第1ルール実行処理の手順を示すフローチャート。
【図9A】第2ルール実行処理の手順を示すフローチャート(前半)。
【図9B】第2ルール実行処理の手順を示すフローチャート(後半)。
【図10】検査情報管理装置による再検判定処理の手順を示すフローチャート。
【図11】ルール設定処理の手順を示すフローチャート。
【図12】情報処理ユニットのメニュー画面を示す図。
【図13】ルール設定画面の一例を示す図。
【図14】リピートルールが一覧表示された状態のルール設定画面の一例を示す図。
【図15】リピートルール修正ダイアログを示す図。
【図16】ルール登録ダイアログを示す図。
【図17】アクションコマンドを設定するためのドロップダウンリストの表示例を示す図。
【図18】ルールが登録された後のルール設定画面の例を示す図。
【図19】分析結果の詳細画面の一例を示す図。
【図20】検体情報の一覧画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0029】
[検体分析システムの構成]
図1は、本実施の形態に係る検体分析システムの全体構成を示す模式図である。本実施の形態に係る検体分析システム1は、患者から採取された検体(血液検体、尿検体等)を分析するためのシステムである。検体分析システム1は、複数の検体分析装置100,200,300,…を備えている。検体分析装置100は、血液検体に含まれる血球を白血球、赤血球、血小板等に分類し、各血球を計数する多項目血球分析装置である。検体分析装置200は、血液凝固測定装置であり、検体分析装置300は、生化学分析装置である。このように、検体分析装置1は、複数種類の検体分析装置を有している。
【0030】
また、図1に示すように、検体分析システム1は、検体分析システムにおいて取り扱う検体に関する検査情報を管理するための検査情報管理装置500を備えている。かかる検査情報管理装置500は、LIS(Laboratory Information System)又はWAM(Working Area Manager)と呼ばれる装置であり、検体分析装置100,200,300,…とLANを介して通信可能に接続されている。各検体分析装置100,200,300,…から検査情報管理装置500へ検体の分析結果が送信され、これらの分析結果を含む検査情報が検査情報管理装置500によって記憶される。
【0031】
<検体分析装置の構成>
図2は、図1に示す検体分析装置100の構成を示す斜視図である。本実施の形態に係る検体分析装置100は、2台の測定ユニット2,3と、測定ユニット2,3の前面側に配置された検体搬送ユニット4と、測定ユニット2,3及び検体搬送ユニット4を制御可能な情報処理ユニット5とを備えている。また、この検体分析装置は、搭載する測定ユニットの数を任意に設定可能であり、図2に示すように2台の測定ユニットを搭載した構成とすることも可能であるし、1台の測定ユニットを搭載した構成とすることも可能である。
【0032】
また、後述するように、図2に示す測定ユニット2と測定ユニット3とは機種が異なる。つまり、この検体分析装置では、互いに異なる機種の2台の測定ユニット2,3を搭載することが可能である。また、かかる検体分析装置は、同一機種の2台の測定ユニットを搭載することも可能である。
【0033】
<測定ユニットの構成>
図3は、図2に示した検体分析装置100の構成を示す模式図である。測定ユニット2は、検体搬送ユニット4の検体の搬送方向(図3に示すX方向)上流側に配置され、測定ユニット3は、前記搬送方向下流側に配置される。図3に示すように、測定ユニット2は、検体である血液を検体容器(採血管)Tから吸引する検体吸引部21と、検体吸引部21により吸引した血液から血球等の血液成分の測定に用いられる測定試料を調製する試料調製部22と、試料調製部22により調製された測定試料から血球を検出(測定)する検出部23とを有している。また、測定ユニット2は、検体搬送ユニット4によって搬送された検体ラックLに収容された検体容器Tを測定ユニット2の内部に取り込むための取込口24(図2参照)と、検体ラックLから検体容器Tを測定ユニット2の内部に取り込み、検体吸引部21による吸引位置まで検体容器Tを搬送する検体容器搬送部25とをさらに有している。
【0034】
図3に示すように、検体吸引部21の先端部には、吸引管(図示せず)が設けられている。また、検体吸引部21は、鉛直方向に移動可能であり、下方に移動されることにより、吸引位置まで搬送された検体容器Tの蓋部を前記吸引管が貫通し、内部の血液を吸引するように構成されている。
【0035】
試料調製部22は、複数の反応チャンバ(図示せず)を備えている。また、試料調製部22は、RBC(赤血球)及びPLT(血小板)検出用の試薬(希釈液)を収容した試薬容器22a、HGB(ヘモグロビン)検出用の試薬を収容した試薬容器22b、白血球分類(DIFF)用の試薬を収容した試薬容器22c等の複数の試薬容器に接続されており、染色試薬、溶血剤、及び希釈液等の試薬を反応チャンバに供給することが可能である。試料調製部22は、検体吸引部21の吸引管とも接続されており、吸引管により吸引された血液検体を反応チャンバに供給することが可能である。かかる試料調製部22は、反応チャンバ内で検体と試薬とを混合撹拌し、検出部23による測定用の試料(測定試料)を調製する。
【0036】
検出部23は、RBC(赤血球)検出及びPLT(血小板)検出をシースフローDC検出法により行うことが可能である。このシースフローDC検出法によるRBC及びPLTの検出においては、検体と希釈液とが混合された測定試料の測定が行われ、これにより得られた測定データを情報処理ユニット5が解析処理することによりRBC及びPLTの数値データの取得が行われる。また、検出部23は、HGB(ヘモグロビン)検出をSLS−ヘモグロビン法により行うことが可能であり、WBC(白血球)、NEUT(好中球)、LYMPH(リンパ球)、EO(好酸球)、BASO(好塩基球)、及びMONO(単球)の検出を、半導体レーザを使用したフローサイトメトリー法により行うことが可能であるように構成されている。白血球5分類においては、検体と、白血球5分類用染色試薬と、溶血剤と、希釈液とが混合された測定試料の測定が行われ、これにより得られた測定データを情報処理ユニット5が解析処理することによりNEUT、LYMPH、EO、BASO、MONO、及びWBCの数値データの取得が行われる。
【0037】
上記のWBC、RBC、PLT、及びHGBの各測定項目は、CBC項目と呼ばれるディスクリート項目に含まれており、WBC、RBC、PLT、HGB、NEUT、LYMPH、EO、BASO、及びMONOの各測定項目は、CBC+DIFF項目と呼ばれるディスクリート項目に含まれている。ここで、ディスクリート項目とは、複数の測定項目を一括して指定するための測定項目のグループをいう。本実施の形態においては、測定ユニット2及び測定ユニット3の両方が、CBC項目及びCBC+DIFF項目について検体の測定が可能な構成とされている。
【0038】
上記の検出部23は、図示しないフローセルを有しており、フローセルに測定試料を送り込むことでフローセル中に液流を発生させ、フローセル内を通過する液流に含まれる血球に半導体レーザ光を照射して、前方散乱光、側方散乱光及び側方蛍光を検出する構成である。
【0039】
光散乱は、血球のような粒子が光の進行方向に障害物として存在し、光がその進行方向を変えることによって生じる現象である。この散乱光を検出することによって、粒子の大きさや材質に関する情報を得ることができる。特に、前方散乱光からは、粒子(血球)の大きさに関する情報を得ることができる。また、側方散乱光からは、粒子内部の情報を得ることができる。血球粒子にレーザ光が照射された場合、側方散乱光強度は細胞内部の複雑さ(核の形状、大きさ、密度や顆粒の量)に依存する。したがって、側方散乱光強度のこの特性を利用することで、白血球の分類の測定その他の測定を行うことができる。
【0040】
染色された血球のような蛍光物質に光を照射すると、照射した光の波長より長い波長の光を発する。蛍光の強度はよく染色されていれば強くなり、この蛍光強度を測定することによって血球の染色度合いに関する情報を得ることができる。したがって、(側方)蛍光強度の差によって、白血球の分類の測定その他の測定を行うことができる。
【0041】
検体容器搬送部25は、検体容器Tを把持可能なハンド部25aを備えており、ハンド部25aを上下方向及び前後方向(Y方向)に移動させることにより、検体ラックLに収容された検体容器Tをハンド部25aにより把持し、検体ラックLから抜き出す。また、検体容器搬送部25は、検体容器Tを挿入可能な穴部を有する検体容器セット部25bを備えている。この検体容器セット部25bに検体容器Tがセットされ、検体容器セット部25bが移動することで測定ユニット2の内部に取り込まれる。
【0042】
検体容器セット部25bは、検体吸引部21による吸引位置21aへ移動可能である。検体容器セット部25bが吸引位置へ移動したときには、検体吸引部21により、セットされた検体容器Tから検体が吸引される。
【0043】
次に、測定ユニット3の構成について説明する。測定ユニット3は、測定ユニット2とは異なる機種であり、後述するようにその構成が異なっている。測定ユニット3は、検体吸引部31と、検体吸引部31により吸引した血液から血球等の血液成分の測定に用いられる測定試料を調製する試料調製部32と、試料調製部32により調製された測定試料から血球を検出する検出部33とを有している。また、測定ユニット3は、検体搬送ユニット4によって搬送された検体ラックLに収容された検体容器Tを測定ユニット3の内部に取り込むための取込口34(図2参照)と、検体ラックLから検体容器Tを測定ユニット3の内部に取り込み、検体吸引部31による吸引位置まで検体容器Tを搬送する検体容器搬送部35とをさらに有している。検体吸引部31、試料調製部32、検出部33、取込口34、及び検体容器搬送部35の構成は、それぞれ検体吸引部21、試料調製部22、検出部23、取込口24、及び検体容器搬送部25の構成と同様であるので、その説明を省略する。
【0044】
かかる測定ユニット3は、測定ユニット2と同様に、上記のCBC+DIFF項目であるWBC、RBC、PLT、HGB、NEUT、LYMPH、EO、BASO、及びMONOの各測定項目について検体の測定が可能となっている。
【0045】
かかる測定ユニット3には、測定ユニット2が測定可能な上記のCBC+DIFF項目であるWBC、RBC、PLT、HGB、NEUT、LYMPH、EO、BASO、及びMONOの各測定項目についての測定用試薬を収容した試薬容器22a,22b,22c,…に加えて、網赤血球(RET)の測定用試薬を収容した試薬容器32aが搭載されている。これにより、測定ユニット3は、測定ユニット2が測定可能なCBC項目及びDIFF項目に加えて、RETの測定項目について検体の測定が可能となっている。測定ユニット3においては、RETの測定は、RET測定用の試薬と検体とを混合して測定試料を調製し、検出部33のWBC/DIFF(白血球5分類)検出用の光学検出部に前記測定試料を供給することで行われる。
【0046】
<情報処理ユニットの構成>
次に、情報処理ユニット5の構成について説明する。情報処理ユニット5は、測定ユニット2,3から出力された測定データを解析し、赤血球のヒストグラム、白血球のスキャッタグラム等の粒度分布図を作成したり、白血球の各サブクラス(NEUT、LYMPH、EO、BASO、及びMONO)の血球数を計数したりすることで、検体の分析結果を生成し、その分析結果を表示することができる。情報処理ユニット5は、1台の測定ユニット2のみと通信可能に接続することも、2台の測定ユニット2,3と通信可能に接続することも可能である。
【0047】
情報処理ユニット5は、コンピュータにより構成されている。図4は、情報処理ユニット5の構成を示すブロック図である。情報処理ユニット5は、コンピュータ5aによって実現される。図4に示すように、コンピュータ5aは、本体51と、画像表示部52と、入力部53とを備えている。本体51は、CPU51a、ROM51b、RAM51c、ハードディスク51d、読出装置51e、入出力インタフェース51f、通信インタフェース51g、及び画像出力インタフェース51hを備えており、CPU51a、ROM51b、RAM51c、ハードディスク51d、読出装置51e、入出力インタフェース51f、通信インタフェース51g、及び画像出力インタフェース51hは、バス51jによって接続されている。
【0048】
読出装置51eは、コンピュータを情報処理ユニット5として機能させるためのコンピュータプログラム54aを可搬型記録媒体54から読み出し、当該コンピュータプログラム54aをハードディスク51dにインストールすることが可能である。
【0049】
ハードディスク51dには、接続された測定ユニットによる検体の分析結果を保存する分析結果データベースDB1と、情報処理ユニット5による再測定の要否判定に用いられるリピートルール、リラン(Rerun)ルール及びリフレックスルール、並びに検査情報管理装置500による再測定の要否判定が必要か否かを判定するために用いられるホスト問合せルールのそれぞれを保存するルールデータベースDB2とが設けられている。リピートルール、リランルール及びリフレックスルール、並びにホスト問合せルールについては、その詳細を後述する。
【0050】
入出力インタフェース51fは、例えばUSB,IEEE1394,又はRS-232C等のシリアルインタフェース、SCSI,IDE,又はIEEE1284等のパラレルインタフェース、及びD/A変換器、A/D変換器等からなるアナログインタフェース等から構成されている。入出力インタフェース51fには、キーボード及びマウスからなる入力部53が接続されており、ユーザが当該入力部53を使用することにより、コンピュータ5aにデータを入力することが可能である。また、入出力インタフェース51fは、通信ケーブルを介して測定ユニット及び検体搬送ユニット4に接続可能である。これにより、情報処理ユニット5は、測定ユニット及び検体搬送ユニット4のそれぞれを制御可能となっている。また、入出力インタフェース51fには、1台の測定ユニットのみを接続することも可能である。さらに、入出力インタフェースには、互いに機種の異なる2台の測定ユニット2,3を同時に接続することも可能であり、同一機種の2台の測定ユニット2,2(又は測定ユニット3,3)を同時に接続することも可能である。こうして入出力インタフェース51fに測定ユニット及び検体搬送ユニット4が接続されると、接続された測定ユニット及び検体搬送ユニット4を情報処理ユニット5によって制御することが可能となる。
【0051】
<検査情報管理装置の構成>
次に、検査情報管理装置500の構成について説明する。検査情報管理装置500は、コンピュータにより構成されている。図5は、情報処理ユニット5の構成を示すブロック図である。検査情報管理装置500は、コンピュータ500aによって実現される。図5に示すように、コンピュータ500aは、本体501と、画像表示部502と、入力部503とを備えている。本体501は、CPU501a、ROM501b、RAM501c、ハードディスク501d、読出装置501e、入出力インタフェース501f、通信インタフェース501g、及び画像出力インタフェース501hを備えており、CPU501a、ROM501b、RAM501c、ハードディスク501d、読出装置501e、入出力インタフェース501f、通信インタフェース501g、及び画像出力インタフェース501hは、バス501jによって接続されている。
【0052】
読出装置501eは、コンピュータを検査情報管理装置500として機能させるためのコンピュータプログラム504aを可搬型記録媒体504から読み出し、当該コンピュータプログラム504aをハードディスク501dにインストールすることが可能である。
【0053】
ハードディスク501dには、検査情報を格納するための検査情報データベースDB3が設けられている。検査情報データベースDB3には、患者ID、氏名、年齢等の患者情報、検体の測定オーダ、及び検体分析装置100,200,300,…による各分析結果等が検査情報として格納される。
【0054】
[検体分析システムの動作]
次に、本実施の形態に係る検体分析システムの動作について説明する。
【0055】
<検体測定動作>
まず、本実施の形態に係る検体分析装置の検体測定動作について説明する。図6は、検体測定動作の手順を示すフローチャートである。まず、オペレータが、検体容器を収容した検体ラックを検体搬送ユニット4に載置し、情報処理ユニット5に測定開始の指示を与えることによって、検体ラックの移送が開始される。情報処理ユニット5よって各検体の搬送先が決定され(ステップS101)、決定された搬送先の測定ユニットへ検体搬送ユニット4によって検体が搬送される(ステップS102)。
【0056】
検体の搬送先は、その検体の測定オーダに基づいて決定される。この測定オーダは、検査情報管理装置500又は情報処理ユニット5に予め登録される。検体容器に貼布された検体バーコードラベルに検体IDを示すバーコードが印刷されており、検体搬送ユニット4に搭載されたバーコードリーダ(図示せず)によってこのバーコードが読み取られる。バーコードから読み取られた検体IDに対応する測定オーダが検査情報管理装置500又は情報処理ユニット5から検索されることで、情報処理ユニット5が測定オーダを取得する。測定オーダには、その検体に対して測定が依頼された測定項目が指定されている。例えば、測定オーダにおいてCBC及びDIFFのみが指定されている場合には、測定ユニット2,3の何れもCBC及びDIFFについて検体の測定が可能であるため、測定ユニット2,3のうちの何れか一方が搬送先として決定される。また、測定オーダにおいてRETが指定されている場合には、測定ユニット2がRETについて検体の測定を行うことができないため、測定ユニット3のみが搬送先として決定される。
【0057】
こうして決定された搬送先へと検体容器が搬送される。情報処理ユニット5が測定ユニットを制御することにより、測定ユニットが検体容器を内部に取り込み、当該検体容器から検体を吸引し、測定オーダにおいて指定された測定項目用の測定試料を調製し、検体を測定する(ステップS103)。この結果得られた測定データは、測定ユニットから情報処理ユニット5に与えられ、情報処理ユニットにより解析されて、検体の分析結果が生成される(ステップS104)。また、ステップS103において検体の測定中にエラーが発生して測定が完了しなかった場合には、測定データとして当該エラーを示すエラー情報が情報処理ユニット5に与えられる。
【0058】
検体ラックに収容された各検体について上記のような動作が行われ、各検体が順次分析される。
【0059】
CPU51aは、このような分析結果を、分析結果データベースDB1に登録し(ステップS105)、検査情報管理装置500へ当該分析結果を送信する(ステップS106)。検査情報管理装置500によって分析装置が受信されると、当該分析装置が検査情報データベースDB3に登録される。次にCPU51aは再検判定処理を実行する(ステップS107)。
【0060】
図7は、再検判定処理の手順を示すフローチャートである。まずCPU51aは、上記の検体測定中にエラーが発生したか否かを判定する(ステップS201)。情報処理ユニット5のCPU51aは、検体測定エラーが発生したと判断した場合には(ステップS201においてYES)、ルールデータベースDB2に登録されているリピートルールを実行する第1ルール実行処理を実行する(ステップS202)。一方、ステップS201において、検体測定エラーが発生していないと判断された場合には(ステップS201においてNO)、CPU51aは、ルールデータベースDB2に登録されているリフレックスルール、リラン(Rerun)ルール、及びホスト問合せルールを実行する第2ルール実行処理を実行する(ステップS203)。第1ルール実行処理又は第2ルール実行処理が終了すると、CPU51aは、メインルーチンの再検判定処理の呼出アドレスへ処理をリターンする。
【0061】
ここで、第1ルール実行処理について詳しく説明する。図8は、第1ルール実行処理の手順を示すフローチャートである。第1ルール実行処理において、まずCPU51aは、ルールデータベースDB2に登録されているリピートルールのうち、最初のリピートルールを選択する(ステップS301)。
【0062】
ここで、リピートルールについて説明する。リピートルールとは、リピートテスト(検体測定(初検)を行った測定ユニットと同一の測定ユニットにおける同一の測定項目についての検体の再測定(再検))を行うか否かを判定するためのルールである。かかるリピートルールは、IF−THEN文として記述され、IF部(条件部)は、所定の検体測定エラーの発生の有無とされる。また、THEN部は“Repeat”、“BlockRepeat”、及び“None”の何れかのアクションコマンドが設定される。THEN部のアクションコマンド“Repeat”は、“リピートテストの実行”を意味しており、ルールのTHEN部に“Repeat”が設定されているときには、そのルールのIF部の条件を満たした場合に、リピートが実行される。また、“BlockRepeat”は、“リピートテストの実行禁止”を意味している。ルールのTHEN部に“BlockRepeat”が設定されているときには、そのルールのIF部の条件を満たした場合に、他のリピートルールの実行結果の如何にかかわらず(つまり、他のリピートルールが実行された結果、“リピートテストの実行”が指示されている場合であっても)、リピートテストが実行されない。また、“None”は、“リピートテストを実行しない”を意味しており、ルールのTHEN部に“None”が設定されているときには、そのルールのIF部の条件を満たした場合でも、リピートテストの実行は指示されない。ここで、“None”のリピートルールのIF部の条件が満たされていたとしても、他のリピートルールの実行結果により“リピートテストの実行”が指示されているときには、リピートテストの実行が優先される。つまり、“BlockRepeat”と“None”とは、他のルールの実行結果と競合した場合の優先度が異なる。あるルールの実行結果“BlockRepeat”が他のルールの実行結果の“Repeat”又は“None”と競合した場合には、“BlockRepeat”が優先され、リピートテストは実行されない。一方、あるルールの実行結果“None”が他のルールの実行結果の“Repeat”又は“BlockRepeat”と競合した場合には、“Repeat”又は“BlockRepeat”が優先される。
【0063】
図8に基づく第1ルール実行処理の説明に戻る。CPU51aは、ステップS302において、選択されているルールのIF部に設定されたエラーが発生しているか否かを判定する(ステップS302)。エラーが発生していない場合には(ステップS302においてNO)、CPU51aは、処理をステップS304へ移す。一方、選択中のルールのIF部に設定されたエラーが発生している場合には(ステップS302においてYES)、CPU51aは、ルールのTHEN部に設定されているアクション(“Repeat”、“BlockRepeat”、又は“None”)を、実行予定のアクションとしてRAM51cに登録し(ステップS303)、処理をステップS304へ移す。
【0064】
ステップS304において、CPU51aは、ルールデータベースDB2に登録されている全てのリピートルールを実行したか否かを判定し(ステップS304)、実行していないリピートルールが残っている場合には(ステップS304においてNO)、次のリピートルールを選択し(ステップS305)、処理をステップS302へ戻す。
【0065】
一方、ステップS304において、ルールデータベースDB2に登録されている全てのリピートルールが実行されている場合には(ステップS304においてYES)、CPU51aは、RAM51cにおいて登録されている実行予定のアクションに“BlockRepeat”が含まれているか否かを判定する(ステップS306)。実行予定のアクションに“BlockRepeat”が含まれている場合には(ステップS306においてYES)、CPU51aは、ルールの判定結果であるルールリザルトを生成せず(ステップS307)、再検判定処理における第1ルール実行処理の呼出アドレスへ処理をリターンする。
【0066】
ステップS306において、実行予定のアクションに“BlockRepeat”が含まれていない場合には(ステップS306においてNO)、CPU51aは、登録されている実行予定のアクションに“Repeat”が含まれているか否かを判定する(ステップS308)。実行予定のアクションに“Repeat”が含まれていない場合には(ステップS308においてNO)、CPU51aは、ルールの判定結果であるルールリザルトを生成せず(ステップS307)、図7に示す第1ルール実行処理の呼出アドレスへ処理をリターンする。
【0067】
一方、ステップS308において、実行予定のアクションに“Repeat”が含まれている場合には(ステップS308においてYES)、CPU51aは、ルールリザルト“Repeat”を生成する(ステップS309)。このルールリザルトは、検体の分析結果に付加される情報であり、分析結果の出力画面において表示される。分析結果の表示画面については後述する。ステップS309の処理を終えると、CPU51aは、図7に示す第1ルール実行処理の呼出アドレスへ処理をリターンする。
【0068】
次に、第2ルール実行処理について詳しく説明する。図9は、第2ルール実行処理の手順を示すフローチャートである。第2ルール実行処理において、まずCPU51aは、ルールデータベースDB2に登録されているリフレックスルール、リラン(Rerun)ルール、及びホスト問合せルールのうち、最初のルールを選択する(ステップS401)。
【0069】
ここで、リラン(Rerun)ルール、リフレックスルール、及びホスト問合せルールについて説明する。リフレックスルールとは、リフレックステスト(初検において検体が測定された測定項目とは異なる測定項目を含む再検項目について検体を再度測定する再検動作)を行うか否かを判定するためのルールであり、リランルールとは、リランテスト(初検と同一の測定項目について、初検と同一又は別の測定ユニットにより検体を再度測定する再検動作)を行うか否かを判定するためのルールである。リフレックスルール及びリランルールは、IF−THEN文として記述され、そのIF部(条件部)は、分析結果の数値に関する条件式として設定される。リフレックスルールのTHEN部には、“Reflex(DIFF)”、“Reflex(DIFF+RET)”、“Reflex(RET)”のように、再検項目(再測定を実施するディスクリート項目)の指定を含むアクションコマンドが設定される。一方、リランルールのTHEN部には、“Rerun(SameModule)”、“Rerun(DifferentModule)”、“Rerun(AnyModule)”のように、再測定を実施する測定ユニットの指定を含むアクションコマンドが設定される。“Rerun(SameModule)”は、初検を測定した測定ユニットと同一の測定ユニットにより初検と同一項目の再測定の実行を指示するためのアクションコマンドであり、“Rerun(DifferentModule)”は、初検を測定した測定ユニットと異なる測定ユニットにより初検と同一項目の再測定の実行を指示するためのアクションコマンドであり、“Rerun(AnyModule)”は、初検を測定した測定ユニットと同一又は別の測定ユニットにより初検と同一項目の再測定の実行を指示するためのアクションコマンドである。
【0070】
例えば、「IF WBC>100 THEN Reflex(DIFF)」というリフレックスルールが設定されている場合には、WBCの測定結果が100より大きければ、DIFF項目のリフレックステストの実行が指示される。この場合、DIFF項目について検体を測定可能な測定ユニット、即ち、測定ユニット2,3の何れかが搬送先として決定される。また、例えば「IF RBC<30 THEN Rerun(SameModule)」というリランルールが設定されている場合には、RBCの測定結果が30より小さければ、初検と同一の測定ユニットにより同一項目(この場合はRBCを含むCBC項目)のリランテストの実行が指示される。この場合、初検が測定ユニット2により行われていれば、測定ユニット2が搬送先として決定される。
【0071】
このようなリランテストのアクションコマンドと、リフレックステストのアクションコマンドとでは、リランテストのアクションコマンドの方が実行の優先度が高い。つまり、一のルールが実行された結果、リランテストの実行が指示されており、且つ、他のルールが実行された結果、リフレックステストの実行が指示されている場合においては、リランテストの実行が優先され、リフレックステストは実行されない。さらに、複数のリフレックステストのアクションコマンドが競合した場合(複数のリフレックスルールが満たされた場合)、それぞれのアクションコマンドにおいて指定されている測定項目(ディスクリート項目)の全てについて、測定の指示が行われる。例えば、一のリフレックスルールが実行された結果、アクションコマンド“Reflex(DIFF)”が指示され、他のリフレックスルールが実行された結果、アクションコマンド“Reflex(RET)”が指示された場合、“DIFF”及び“RET”の両方について検体の再測定が実行される。このように、複数のリフレックステストのアクションコマンドが競合した場合には、それぞれのアクションコマンドにおいて指定されている測定項目の和集合について、検体の再測定が行われる。
【0072】
また、リフレックステストが実行される場合には、リフレックステストのアクションコマンドにおいて指定されている測定項目(ディスクリート項目)だけでなく、初検において測定された測定項目(ディスクリート項目)についても検体の再測定が行われる。情報処理ユニット5は、リフレックステストにおいて追加された測定項目についての分析結果と、初検と同一の測定項目についての再検に係る分析結果とを比較して、分析結果が信頼できるものであるか否かを判定する。つまり、リフレックステストのアクションコマンドで指定されている測定項目だけでなく、初検において測定された測定項目についても再検を行うことで、再検に係る分析結果が信頼できるものであるか否かを判定することができる。
【0073】
「ホスト問合せ」とは、検体分析装置100において生成された分析結果だけでは検体の再測定を行うべきか否かについて判定することができない場合に、検査情報管理装置500に対して、検査情報管理装置500が保有する検査情報を用いて検体の再測定の要否判定を要求する動作である。ホスト問合せルールは、IF−THEN文として記述され、そのIF部(条件部)は、分析結果の数値に関する条件式として設定される。ホスト問合せルールのTHEN部には、「ホスト問合せ」を指示するためのアクションコマンド“QueryToHost”が設定される。
【0074】
かかるホスト問合せのアクションコマンドは、リランテスト及びリフレックステストのアクションコマンドよりも優先度が低い。つまり、リランルール又はリフレックスルールが実行された結果、リランテスト又はリフレックステストの実行が指示されている場合には、ホスト問合せルールの実行結果としてホスト問合せの実行が指示されていても、リランテスト又はリフレックステストの実行が優先され、ホスト問合せは実行されない。
【0075】
また、リフレックスルール、リランルール、及びホスト問合せルールのTHEN部には、“BlockRerunReflex”又は“None”のアクションコマンドを設定可能である。“BlockRerunReflex”は、“リランテスト、リフレックステスト、及びホスト問合せの実行禁止”を意味している。ルールのTHEN部に“BlockRerunReflex”が設定されているときには、そのルールのIF部の条件を満たした場合に、他のルールの実行結果の如何にかかわらず(つまり、他のルールが実行された結果、“リランテスト、リフレックステスト又はホスト問合せの実行”が指示されている場合であっても)、リランテスト、リフレックステスト及びホスト問合せが実行されない。また、“None”は、“リラン、リフレックス、及びホスト問合せを実行しない”を意味しており、ルールのTHEN部に“None”が設定されているときには、そのルールのIF部の条件を満たした場合に、リランテスト、リフレックステスト、及びホスト問合せの実行は指示されない。ここで、“None”のルールのIF部の条件が満たされていたとしても、他のリランルール、リフレックスルール、又はホスト問合せルールの実行結果により“リランテスト、リフレックステスト、又はホスト問合せの実行”が指示されているときには、リランテスト、リフレックステスト、又はホスト問合せの実行が優先される。つまり、“BlockRerunReflex”と“None”とは、他のルールの実行結果と競合した場合の優先度が異なる。あるルールの実行結果“BlockRerunReflex”が他のルールの実行結果の“Reflex”、“Rerun”、“QueryToHost”、又は“None”と競合した場合には、“BlockRerunReflex”が優先され、リフレックステスト、リランテスト、及びホスト問合せは実行されない。一方、あるルールの実行結果“None”が他のルールの実行結果の“Reflex”、“Rerun”、“QueryToHost”、又は“BlockRerunReflex”と競合した場合には、“Reflex”、“Rerun”、“QueryToHost”、又は“BlockRerunReflex”が優先される。
【0076】
図9に基づく第2ルール実行処理の説明に戻る。ステップS402においてCPU51aは、ステップS104において生成された分析結果が、選択されているルールのIF部に設定された条件に適合しているか否かを判定する(ステップS402)。分析結果が条件に適合していない場合には(ステップS402においてNO)、CPU51aは、処理をステップS404へ移す。一方、分析結果が条件に適合している場合には(ステップS402においてYES)、CPU51aは、ルールのTHEN部に設定されているアクションを、実行予定のアクションとしてRAM51cに登録し(ステップS403)、処理をステップS404へ移す。
【0077】
ステップS404において、CPU51aは、ルールデータベースDB2に登録されている全てのリランルール、リフレックスルール、及びホスト問合せルールを実行したか否かを判定し(ステップS404)、実行していないルールが残っている場合には(ステップS404においてNO)、次のルールを選択し(ステップS405)、処理をステップS402へ戻す。
【0078】
一方、ステップS404において、ルールデータベースDB2に登録されている全てのリランルール、リフレックスルール、及びホスト問合せルールが実行されている場合には(ステップS404においてYES)、CPU51aは、RAM51cにおいて登録されている実行予定のアクションに“BlockRerunReflex”が含まれているか否かを判定する(ステップS406)。実行予定のアクションに“BlockRerunReflex”が含まれている場合には(ステップS406においてYES)、CPU51aは、ルールの判定結果であるルールリザルトを生成せず(ステップS416)、図7に示す第2ルール実行処理の呼出アドレスへ処理をリターンする。
【0079】
ステップS406において、実行予定のアクションに“BlockRerunReflex”が含まれていない場合には(ステップS406においてNO)、CPU51aは、登録されている実行予定のアクションに“Rerun”が含まれているか否かを判定する(ステップS407)。実行予定のアクションに“Rerun”が含まれている場合には(ステップS407においてYES)、CPU51aは、ルールの判定結果であるルールリザルト“Rerun”を生成し(ステップS408)、図7に示す第2ルール実行処理の呼出アドレスへ処理をリターンする。
【0080】
ステップS407において、実行予定のアクションに“Rerun”が含まれていない場合には(ステップS407においてNO)、CPU51aは、登録されている実行予定のアクションに“Reflex”が含まれているか否かを判定する(ステップS409)。実行予定のアクションに“Reflex”が含まれている場合には(ステップS409においてYES)、CPU51aは、ルールの判定結果であるルールリザルト“Reflex”を生成し(ステップS410)、再測定の対象となるディスクリート項目を決定する(ステップS411)。ステップS411においては、複数のリフレックスルールのIF部の条件が適合した場合には、上述した通り、各リフレックスルールのアクションコマンドにおいて指定されているディスクリート項目の和集合が、再測定の対象として決定される。このようなステップS411の処理が完了すると、CPU51aは、図7に示す第2ルール実行処理の呼出アドレスへ処理をリターンする。
【0081】
ステップS409において、実行予定のアクションに“Reflex”が含まれていない場合には(ステップS409においてNO)、CPU51aは、登録されている実行予定のアクションに“QueryToHost”が含まれているか否かを判定する(ステップS412)。実行予定のアクションに“QueryToHost”が含まれている場合には(ステップS412においてYES)、CPU51aは、ルールの判定結果であるルールリザルト“QueryToHost”を生成し(ステップS413)、通信ネットワークを介して検査情報管理装置500へ再測定の要否判定を要求する(ステップS414)。検査情報管理装置500は、この要求に応じて、検査情報に基づいて検体の再測定の要否判定を行う。この要否判定の処理の詳細については後述する。検査情報管理装置500は再測定の要否判定を完了すると、その要否判定結果を情報処理ユニット5へ送信する。情報処理ユニット5のCPU51aは、検査情報管理装置500から再測定の要否判定結果を受信し(ステップS415)、図7に示す第2ルール実行処理の呼出アドレスへ処理をリターンする。
【0082】
ステップS412において、実行予定のアクションに“QueryToHost”が含まれていない場合には(ステップS412においてNO)、CPU51aは、ルールの判定結果であるルールリザルトを生成せず(ステップS416)、図7に示す第2ルール実行処理の呼出アドレスへ処理をリターンする。
【0083】
次に、検査情報管理装置500による再検判定処理について説明する。図10は、検査情報管理装置500による再検判定処理の手順を示すフローチャートである。検査情報管理装置500のCPU501aは、情報処理ユニット5から送信された検体再測定の要否判定要求データを受信する(ステップS501)。この要求データには、再測定の要否判定対象である検体の検体IDが含まれている。CPU501aは、当該検体IDを用いて、検査情報データベースDB3から再測定の要否判定対象の検体に関する検査情報を検索する(ステップS502)。
【0084】
検査情報が得られると、CPU501aは、当該検査情報に基づいて再測定の要否を判定する(ステップS503)。この処理では、情報処理ユニット5が保有している分析結果以外の情報を用いて再測定の要否が判定される。例えば、特定の測定項目について、今回の分析結果(以下、「今回値」という。)と、前回の分析結果(以下、「前回値」という。)とを比較し、両者の差分を基準値と比較することで、今回値が前回値と基準値以上に乖離している場合には、今回値が信頼できないと判断され、今回の分析結果と同一のディスクリート項目について再測定が必要と判定される。ここで、前回値を含む過去の分析結果は、情報処理ユニット5が保有していない情報である。また、例えば、検体分析装置100による今回の分析結果と、他の検体分析装置200,300,…による分析結果とが所定の関係を満たしているか否かを判定することで、検体の再測定が必要か否かが判定される場合もある。ここで、検体分析装置200,300,…の分析結果は、検体分析装置100の情報処理ユニット5が保有していない情報である。
【0085】
上記のような再測定の要否判定が完了すると、CPU501aは、その判定結果を検査情報データベースDB3に登録し(ステップS504)、また当該判定結果を情報処理ユニット5へ送信して(ステップS505)、処理を終了する。検査情報管理装置500から送信された再測定の要否判定結果は、上述したステップS415において、情報処理ユニット5により受信される。
【0086】
図6に基づく検体測定動作の説明に戻る。上述したような再検判定処理が完了すると、CPU51aは、ステップS104において生成された分析結果を画像表示部52に表示させる(ステップS108)。次にCPU51aは、上述した第1ルール実行処理又は第2ルール実行処理において、検体の再測定が必要と判定されたか否かを判断し(ステップS109)、再測定が必要と判定されている場合には(ステップS109においてYES)、検体の搬送先を決定する(ステップS110)。ステップS110の処理において、指示されている再測定がリピートテストである場合には、初検を実行した測定ユニットが検体の搬送先として決定される。また、“Rerun(SameModule)”が指示されている場合には、初検を実行した測定ユニットが検体の搬送先として決定され、“Rerun(DifferentModule)”が指示されている場合には、初検を実行した測定ユニット以外の測定ユニットが検体の搬送先として決定される。“Rerun(AnyModule)”が指示されている場合には、測定ユニット2,3の動作状況に応じて、搬送先の測定ユニットが決定される(例えば、測定を実行していない測定ユニットが搬送先とされる)。また、リフレックステストが指示されている場合には、指定されているディスクリート項目を実行可能な測定ユニットが搬送先として決定される。
【0087】
検体の搬送先が決定されると、CPU51aは当該搬送先へ検体を搬送するよう検体搬送ユニット4を制御し、測定ユニットを制御することで検体を再測定する(ステップS111)。再測定データは情報処理ユニット5に与えられ、情報処理ユニット5のCPU51aが再測定データを解析して分析結果(再測定結果)を生成する(ステップS112)。さらにCPU51aは、得られた分析結果を分析結果データベースDB1に登録し(ステップS113)、検査情報管理装置500へ当該分析結果を送信する(ステップS114)。検査情報管理装置500によって分析装置が受信されると、当該分析装置が検査情報データベースDB3に登録される。さらにCPU51aは、ステップS112において生成された分析結果を画像表示部52に表示させ(ステップS115)、処理を終了する。
【0088】
一方、ステップS109において、再測定が必要と判定されていない場合には(ステップS109においてNO)、CPU51aは検体の再測定を行うことなく、処理を終了する。
【0089】
<ルール設定処理>
次に、情報処理ユニット5によるルール設定処理について説明する。このルール設定処理は、ユーザが所望のリピートルール、リフレックスルール、リランルール、及びホスト問合せルールを設定するための処理である。
【0090】
図11は、ルール設定処理の手順を示すフローチャートである。情報処理ユニット5が起動された直後は、画像表示部52にメニュー画面が表示されている。図12は、情報処理ユニット5のメニュー画面を示す図である。メニュー画面D1からは、後述するルール設定画面等の他の画面に移行することが可能である。
【0091】
図12に示すように、メニュー画面D1には、ツールバーが表示されるツールバー領域A100、及び他の画面へ移行するための複数のアイコンが表示されるメイン領域A200が設けられている。ツールバー領域A100及びメイン領域A200は、メニュー画面D1だけでなく、情報処理ユニットの他の画面にも設けられている。また、ツールバー領域A100は左側の領域と右側の領域に分割されており、左側の領域はどの画面であっても共通のボタンが表示される固定ボタン領域A110であり、右側の領域は画面毎に表示されるボタンが変わる可変ボタン領域A120である。固定ボタン領域A110には、メニュー画面を表示させるための「メニュー」ボタンB110、及びルール設定画面を表示させるための「ルール」ボタンB120の他、他の画面を表示させるためのボタンが複数表示される。一方、メニュー画面D1における可変ボタン領域A120には、メニュー画面D1の表示形態を設定するための「表示設定」ボタンが表示される。
【0092】
なお、ここでいう「アイコン」とは、特定の機能が割り当てられ、当該機能を象徴的に表すようにデザインされた画像をいい、ウィンドウ内において表示されるものを含む。
【0093】
ツールバー領域A100は、画面の最上部に設けられている。このツールバー領域A100の下方にメイン領域A200が設けられている。メイン領域A200は、ツールバー領域A100よりも大きい面積の領域であり、その画面の主要なコンテンツが表示される。メニュー画面D1のメイン領域A200には、取扱説明書を表示するための「取扱説明書」アイコンC11、精度管理画面を表示するための「QCファイル」アイコンC12、測定オーダ登録画面を表示するための「測定登録」アイコンC13、患者情報登録画面を表示するための「患者登録」アイコンC14、測定結果詳細画面を表示するための「データーブラウザー」アイコンC15、測定結果リスト画面を表示するための「サンプルエクスプローラー」アイコンC16、ルール設定画面を表示するための「ルール」アイコンC17、測定ユニットの設定に用いられる測定部設定画面を表示するための「測定部設定」アイコンC18、情報処理ユニット5をシャットダウンするための「IPU終了」アイコンC19、及びユーザが情報処理ユニット54からログオフするための「ログオフ」アイコンC110が設けられている。アイコンC11〜C18は、メニュー画面D1から他の画面に表示を切り替える機能が割り当てられており、これらのアイコンC11〜C18の何れかがマウスのクリック操作により選択されると、対応する画面に切り替わるようになっている。また、ボタンB120には、アイコンC17と同じ機能が割り当てられており、ボタンB120又はアイコンC17が選択されると、ルール設定画面の表示を指示するコマンドがCPU51aにより発行され、このコマンドにしたがってルール設定画面が表示される。
【0094】
CPU51aは、ルール設定画面への表示切替指示を受け付けたか否かを判定する。上述したように、メニュー画面D1のメイン領域A200に表示されているアイコンC17、又はツールバー領域A100に表示されているボタンB120が選択される操作により、オペレータはルール設定画面への表示切替指示を情報処理ユニット5に与えることが可能である。CPU51aは、かかるルール設定画面への表示切替指示を受け付けると、CPU51aはルール設定処理を実行し、ルール設定画面を画像表示部52に表示させる(ステップS601)。
【0095】
図13はルール設定画面の一例を示す図である。ルール設定画面D2には、他の画面と同様に、ツールバー領域A100、及びメイン領域A200が設けられている。ツールバー領域A100の固定ボタン領域A110に表示される内容については、上述したメニュー画面D1と同様であるので、その説明を省略する。
【0096】
ルール設定画面D2におけるメイン領域A200には、ルールの実行順序を説明する図(フローチャート)を表示する上部領域A201と、設定されているルールを一覧表示するための下部領域A202とが設けられている。下部領域A202の上端には、「Repeatルール」タブT101と、「Rerun/Reflex/ホスト問合せルール」タブT102と、「バリデーションルール」タブT103と、「出力ルール」タブT104とが設けられている。各タブT101〜T104はそれぞれ選択可能であり、タブT101が選択された状態では、下部領域A202に、現在登録されているリピートルールが一覧表示され、タブT102が選択された状態では、下部領域A202に、現在登録されているリランルール、リフレックスルール、及びホスト問合せルールが一覧表示され、タブT103が選択された状態では、下部領域A202に、現在登録されているバリデーションルールが一覧表示され、タブT104が選択された状態では、下部領域A202に、現在登録されている出力ルールが一覧表示される。
【0097】
図14は、リピートルールが一覧表示された状態のルール設定画面の一例を示す図である。図14に示すように、タブT101が選択された場合には、ルールデータベースDB2に登録されているリピートルールが下部領域A202に一覧表示される。下部領域A202には、1行に1つのリピートルールの情報(ルール番号、エラーコード、エラーメッセージ、アクション、更新日時)が表示される。下部領域A202の各行はマウスのクリック操作等によって選択可能である。
【0098】
また、ルール設定画面D2における可変ボタン領域A120には、ルールの登録を行うための「登録」ボタンB100及びルールの修正を行うための「修正」ボタンB101が設けられている。ユーザはリピートルールを修正する場合、入力部53を操作して、下部領域A202に表示されている修正対象のリピートルールを選択した状態で、「修正」ボタンB101を選択する。これにより、リピートルール修正ダイアログが表示される。図15は、リピートルール修正ダイアログを示す図である。リピートルール修正ダイアログD301には、修正対象とされているリピートルールの番号が表示される領域B301と、アクションコマンドを選択するためのボタンB302とが設けられている。ボタンB302が選択されると、設定可能な3つのアクションコマンド“None”、“Repeat”、及び“BlockRepeat”が並んだドロップダウンリストが表示される。ユーザは、入力部53を操作してボタンB302を選択することでドロップダウンリストを表示させ、ドロップダウンリストに一覧表示されているアクションコマンドのうちの1つを選択する。これにより、リピートルールを修正することができる。
【0099】
新規にリランルール、リフレックスルール、又はホスト問合せルールを追加する場合には、タブT102が選択され、下部領域A202にリランルール、リフレックスルール、及びホスト問合せルールが一覧表示されている状態において、ユーザは入力部53を操作して、「登録」ボタンB100を選択する。CPU51aは、ボタンB100の選択を受け付けると、ルール登録ダイアログをルール設定画面D2に重畳させて表示する。図16は、ルール登録ダイアログを示す図である。ルール登録ダイアログD201は、リフレックスルール、リランルール、及びホスト問合せルールを設定するための画面である。ルール登録ダイアログD201には、ルール番号が表示される表示領域B201と、ルールの名称を入力するための入力ボックスB202と、ルールの説明文を入力するための入力ボックスB203と、入力された条件式を表示するための表示領域B204とが設けられている。入力ボックスB202,B203は、エディットコントロールであり、入力部53のキーボードからテキストを入力可能であり、入力されたテキストが表示される。表示領域B201には、ルール番号が表示される。このルール番号は、情報処理ユニット5により自動的に割り当てられる番号であり、登録される各ルールには個別のルール番号が割り当てられる。また表示領域B204には、以下のようにして入力された条件式が表示される。
【0100】
表示領域B204の下方には、条件式(IF部)を入力するためのツールが表示される。具体的には、条件式の関数を指定するための選択領域B205が表示される。この選択領域B205には、条件式に用いることが可能な関数名が一覧表示され、各関数名はそれぞれ選択可能とされる。ユーザは、この選択領域B205に表示されている関数名のうち、入力部53を用いて、条件式に使用する1つの関数を選択する。図16に示す例では、関数“ItemValue”が選択されている。
【0101】
選択領域B205の右側には、選択領域B205において選択された関数に対応する設定項目を含むドロップダウンリスト(プルダウンメニュー)を表示するためのボタンB206が設けられており、ボタンB206の下方には、選択された関数の説明文を表示するための表示領域B207が設けられている。ボタンB206が選択されると、選択された関数の引数としての設定項目(測定項目)が並んだドロップダウンリストが表示される。ユーザは、入力部53を操作し、ボタンB206を選択することでドロップダウンリストを表示させ、ドロップダウンリストに一覧表示されている測定項目のうちの1つを選択する。図16に示す例では、測定項目「RBC」が選択されている。
【0102】
また、ボタンB206及び表示領域B207の右側には、条件式が論理式である場合に演算子を入力するための演算子入力領域B208及び数値を入力するための数値入力領域B209が設けられている。演算子入力領域B208には、演算子を選択するための複数のボタンが設けられており、数値入力領域B209には、数値を入力するための複数のボタンが設けられている。ユーザは、演算子入力領域B208及び数値入力領域B209のボタンを選択することで、論理式の条件式を入力することができる。
【0103】
CPU51aは、上記のようなユーザの条件式(IF部)の入力を受け付ける。条件式が入力されると、表示領域B204に当該条件式が表示される。図16の例では、入力された条件式の関数「ItemValue(RBC[**** 10^4/uL])>4200」が表示されている。また、表示領域B207の下方には選択可能な修正ボタンB210が設けられている。この修正ボタンB210は、既に入力され、表示領域B204に表示されている関数を修正する場合に用いられる。ユーザは、関数を修正する場合には、再度上記の選択領域B205、ボタンB206、演算子入力領域B208、及び数値入力領域B209に設けられたボタンを操作することにより、関数を修正し、修正ボタンB207を選択する。これにより、関数の修正が実行され、修正後の関数が表示領域B204に表示される。
【0104】
選択領域B205の下方には、条件式に対応するアクション(コマンド)を設定するためのドロップダウンリストを表示するためのボタンB211が設けられている。かかるボタンB211は、ルールのTHEN部を設定するために設けられている。CPU51aは、ボタンB211を選択する入力を受け付けると、設定可能なアクションコマンドのドロップダウンリストを表示する。
【0105】
図17は、アクションコマンドを設定するためのドロップダウンリストの表示例を示す図である。図17に示すように、ボタンB211が選択されると、リフレックステストのアクションコマンド“Reflex(DIFF)”,“Reflex(DIFF+RET)”,“Reflex(RET)”、リランテストのアクションコマンド“Rerun(DefferentModule)”,“Rerun(SameModule)”,“Rerun(AnyModule)”、ホスト問合せのアクションコマンド“QueryToHost”、並びに“None”及び“BlockRerunReflex”の各アクションコマンドが並ぶドロップダウンリストL201が表示される。ユーザは、このようにして表示されたドロップダウンリストから、1つの設定項目(アクションコマンド)を選択することができる。CPU51aは、上記のようなユーザの(THEN部)の入力を受け付ける。図16に示す例では、アクションとして“QueryToHost”が選択されている。
【0106】
図16に示すように、ルール設定ダイアログD201のボタンB211の下方には、選択した設定項目(アクション)の説明文(アクションコメント)を入力するための入力ボックスB212が設けられており、入力ボックスB212の右側には、入力したルールの重要度を3段階(高い、中程度、低い)で指定するための重要度選択領域B213が設けられている。図16に示す例では、重要度“低い”が選択されている。
【0107】
また、表示領域B204と、選択領域B205との間には、表示領域B204に表示されている条件式が適切か否かをチェックするためのボタンB214が設けられている。ボタンB214が選択されると、CPU51aは、入力された条件式が、その検体分析装置の構成上実行可能な測定項目に関するものであるかどうか、また条件式が文法的に適正であるかどうかを判定する。条件式が適切でないと判定された場合には、表示領域B204の左側に、ルールが適切でないことを示すアイコン(図示せず)が表示される。この場合、ユーザは条件式を修正する。一方、条件式が適切と判定された場合には、表示領域B204の左側に、ルールが適切であることを示すアイコンが表示される。表示領域B204の左側のアイコンにより、ユーザは条件式が適切であるかどうかを容易に判別することができる。
【0108】
また、重要度選択領域B213の下方には、入力されたルールの登録を実行するためのOKボタンB215と、入力内容を破棄してルール設定ダイアログD201を閉じるためのキャンセルボタンB216とが設けられている。ユーザは、入力したルールを登録する場合には、OKボタンB215を選択する。CPU51aは、上述したようにユーザからルールの登録又は修正の指示を受け付けると(ステップS602)、入力されたルールをハードディスクに設けられたルールデータベースDB2に登録し(ステップS603)、リピートルール修正ダイアログD201又はルール設定ダイアログD202を閉じ、登録されたルールをルール設定画面D3の下部領域A202に表示し(ステップS604)、ルール設定処理を終了する。
【0109】
図18は、ルールが登録された後のルール設定画面の例を示す図である。ルールが登録された後には、ルール設定画面D3の下部領域A202に、新規に登録されたルールの情報(ルール番号、名称、条件式、アクション、アクションコメント)が追加される。図18に示す例では、ルール番号“1”,条件式“ItemOrdered(WBC)”,アクション“Reflex(DIFF)”を有するリフレックスルール、ルール番号“2”,条件式“ItemValue(WBC[****.* 10^2/uL]>100”,アクション“Rerun(SameModule)”を有するリランルール、及びルール番号“3”,条件式“ItemValue(RBC[**** 10^4/uL]>4200”,アクション“QueryToHost”を有するホスト問合せルールのそれぞれが登録されている。
【0110】
次に、図18に示すルールが登録されている場合における測定動作及び画面表示について説明する。検体を測定し、測定データが情報処理ユニットにより解析されるときに、WBCの測定値が基準値“100”を越えるか否かが判定される。このとき、WBCの測定値が基準値“100”を越えると判定された場合には、関数“ItemValue(WBC[****.* 10^2/uL]>100”の値が“True”となる。このような“ItemValue(WBC[****.* 10^2/uL]>100”の値が“True”である分析結果は、ルール番号“2”のルールの条件式に適合する。このため、CPU51aは、ルール番号“2”のルールのTHEN部であるアクション“Rerun(SameModule)”を実行する。アクション“Rerun(SameModule)”の実行により、初検を実行した測定ユニットにより、初検と同一のディスクリート項目について検体の再測定が行われる。
【0111】
また、測定データが情報処理ユニットにより解析されるときに、RBCの測定値が基準値“4200”を越えるか否かが判定され、ここでRBCの測定値が基準値“4200”を越えると判定された場合には、関数“ItemValue(RBC[**** 10^4/uL]>4200”の値が“True”となる。このような関数“ItemValue(RBC[**** 10^4/uL]>4200”の値が“True”である分析結果は、上記のルール番号“3”のホスト問合せルールの条件式に適合する。このため、CPU51aは、当該分析結果について上記のルール番号“1”及び“2”の両方の条件式に適合していなければ、当該ルールのTHEN部であるアクション“QueryToHost”を実行する。アクション“QueryToHost”の実行により、ルールリザルト“QueryToHost”が登録され、再測定の要否判定が検査情報管理装置500に要求される。
【0112】
検体の分析結果は、情報処理ユニット5により表示される。図19は、分析結果の詳細画面の一例を示す図である。上記のようなホスト問合せルールの条件式に適合した場合には、図19に示すような分析結果が表示される。分析結果詳細画面D300には、“Rule Result”の表示領域A301が設けられており、ホスト問合せルールに適合し、アクション“QueryToHost”が実行された場合には、表示領域A301に“QueryToHost”が表示される。これにより、検体の再測定の要否判定が検査情報管理装置500に問い合わせられたことが分かる。
【0113】
また、情報処理ユニット5は、検体情報の一覧画面を表示することも可能である。図20は、検体情報の一覧画面の一例を示す図である。図20に示すように、検体情報一覧画面D400では、分析が行われた検体の情報が一覧で表示される領域A401と、領域A401において検体情報が表示されている検体のうち、選択されている検体の分析結果が表示される領域A402とが設けられている。領域A401には、表示項目“ルールリザルト”が設けられており、上記のホスト問合せルールに適合した検体情報の表示項目“ルールリザルト”には、“QueryToHost”が表示される。これは、ルール判定の結果再測定の要否判定のホスト問合せ対象と判定されたことを意味する。ユーザがこの検体情報一覧画面D400を確認し、どのようなルールが適用されたのかをさらに知りたい場合には、上記のような分析結果詳細画面D300を表示させて、その内容を詳細に確認することができる。
【0114】
以上に詳述した如く、本実施の形態に係る検体分析システムにおいては、測定ユニットにおける検体の測定結果を検査情報管理装置500に送信する処理、検体の再測定が必要か否かを検査情報管理装置500に問い合わせる処理、検体分析装置100に予め記憶された所定の条件に測定結果が合致するか否かを判定する処理を検体分析装置100が実行し、測定結果が所定の条件に合致する場合には測定ユニットに検体の再測定を実行させる構成としたので、検体によっては、検査情報管理装置500から再測定の要否判定結果を受信することなく、測定ユニットでの測定結果に基づいて再測定を実行させることができる。そのため、検査情報管理装置500の処理状況又は検体分析装置100と検査情報管理装置500との通信状況に起因して検体の再測定に遅延が生じることを抑制でき、より迅速に検体の再測定を実行することができる。
【0115】
また、本実施の形態に係る検体分析システムにおいては、リピートルール、リランルール、リフレックスルール、及びホスト問合せルールをユーザが設定可能である。これにより、ユーザは自分の施設に適したルールを自由に設定することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0116】
また、本実施の形態に係る検体分析システムにおいては、ホスト問合せルールよりも、リランルール及びリフレックスルールの優先度を高くし、分析結果がリランルール又はリフレックスルールの条件に適合している場合には、ホスト問合せルールの条件に適合していても、ホスト問合せを実行せず、リランテスト又はリフレックステストを実行するようになっている。これにより、リランルール又はリフレックスルールによって再測定が必要と判断される場合には、検査情報管理装置500によってさらに再測定の要否が判定されることがなく、より一層検査情報管理装置500の負荷を抑制することができる。
【0117】
(その他の実施の形態)
なお、上述した実施の形態においては、検査情報管理装置500が検体分析装置100から検体の再測定の要否判定の要求を受け付けた場合、再測定の要否を判定し、再測定の要否に関わらず、判定結果を検体分析装置100に送信しているが、本発明はこれに限られない。検査情報管理装置500は、検体分析装置100から検体の測定結果を受信すると再測定の要否を判定し、再測定が必要であるとの判定をした場合にのみ、その判定結果を検体分析装置100に送信してもよい。
【0118】
また、上述した実施の形態においては、検体の分析結果が得られると、ルールデータベースDB2に登録されているリランルール、リフレックスルール、及びホスト問合せルールの全てを実行する構成について述べたが、これに限定されるものではない。リランルールの方がリフレックスルールよりも優先度が高く、リフレックスルールの方がホスト問合せルールよりも優先度が高いので、リランルールにおいてリランテストを実行する必要があると判定された場合には、リフレックスルール及びホスト問合せルールを実行せず、またリフレックスルールにおいてリフレックステストを実行する必要があると判定された場合には、ホスト問合せルールを実行しない構成とすることもできる。
【0119】
また、分析結果がリランルール又はリフレックスルールの条件に適合している場合であっても、ホスト問合せルールの条件に適合していれば、検体分析装置がホスト問合せを実行する構成としてもよい。
【0120】
また、上述した実施の形態においては、複数のリフレックスルールが実行された結果、複数のリフレックステストのアクションコマンドが登録された場合には、登録されている全てのリフレックステストのアクションコマンドにおいて指定されている全ての測定項目(ディスクリート項目)について、再測定を実施する構成について述べたが、これに限定されるものではない。複数のリフレックスルールが実行された結果、複数のリフレックステストのアクションコマンドが登録された場合に、登録されているリフレックステストのアクションコマンドの一部において指定されている測定項目(ディスクリート項目)についてのみ、再測定を実施する構成としてもよい。
【0121】
また、上述したリピートルール、リランルール、リフレックスルール、ホスト問合せルールのいずれにも該当しなかった場合に、ホスト問合せを実行するようにしてもよい。
【0122】
また、上述した実施の形態においては、多項目血球分析装置に本発明を適用した例を示したが、これに限定されるものではない。血液凝固測定装置、免疫分析装置、尿中有形成分分析装置、尿定性分析装置、生化学分析装置、又は免疫分析装置のような多項目血球分析装置以外の検体分析装置に本発明を適用してもよい。
【0123】
また、上述した実施の形態においては、単一のコンピュータ5aによりコンピュータプログラム54aの全ての処理を実行する構成について述べたが、これに限定されるものではなく、上述したコンピュータプログラム54aと同様の処理を、複数の装置(コンピュータ)により分散して実行する分散システムとすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明の検体分析システム、検体分析装置、及び検体分析方法は、検体の分析を行う検体分析システム、検体分析装置、及び検体分析方法として有用である。
【符号の説明】
【0125】
100,200 検体分析装置
2,3 測定ユニット
21,31 検体吸引部
22,32 試料調製部
22a,22b,22c,32a 試薬容器
23,33 検出部
4 検体搬送ユニット
5 情報処理ユニット
5a コンピュータ
51 本体
52 画像表示部
53 入力部
51a CPU
51b ROM
51c RAM
51d ハードディスク
54 可搬型記録媒体
54a コンピュータプログラム
DB1 分析結果データベース
DB2 ルールデータベース
DB3 検査情報データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体の検査に関する検査情報を管理するための検査情報管理装置、及び、
検体を測定し、測定結果を前記検査情報管理装置へ送信する検体分析装置を備え、
前記検体分析装置は、
検体を測定する測定部と、
所定の判定条件を記憶する記憶部と、
前記検査情報管理装置に前記検体の再測定が必要か否かを問い合わせる問い合わせ処理、及び、前記測定結果が前記記憶部に予め記憶された前記所定の判定条件に合致するか否かを判定する判定処理の実行が可能であり、前記判定処理を実行した結果、前記測定結果が前記所定の判定条件に合致する場合には、前記測定部に前記検体の再測定を実行させ、再測定の測定結果を前記検査情報管理装置に送信し、前記問い合わせ処理を実行した結果、前記検査情報管理装置から前記検体の再測定が必要であることを示す判定情報を受信した場合には、前記測定部に前記検体の再測定を実行させる制御部と、
を備える、
検体分析システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記測定結果が前記所定の判定条件に合致しない場合に、前記問い合わせ処理を実行する、
請求項1に記載の検体分析システム。
【請求項3】
前記検査情報管理装置は、前記検体分析装置から検体の再測定が必要か否かの問い合わせを受け付けた場合に、再測定の要否の判定を行い、判定結果である判定情報を前記検体分析装置に送信する、
請求項2に記載の検体分析システム。
【請求項4】
前記検査情報管理装置は、前記検体分析装置から再測定が必要か否かの問い合わせを受け付けた検体については、当該検体の測定結果に基づいて再測定の要否を判定し、前記検体分析装置から再測定が必要か否かの問い合わせを受け付けない検体については、当該検体の測定結果に基づいて再測定の要否を判定しないように構成されている、
請求項3に記載の検体分析システム。
【請求項5】
前記検査情報管理装置は、前記検体分析装置から前記検体の測定結果を受信すると、再測定が必要か否かを判定し、再測定が必要な場合にのみ、再測定が必要であることを示す判定情報を前記検体分析装置に送信する、
請求項1又は2に記載の検体分析システム。
【請求項6】
前記検査情報管理装置は、前記検査情報として、被検者の過去の測定結果を記憶し、
前記記憶部に記憶された所定の判定条件は、検体に係る被検者の前記測定部による測定結果より前の測定結果を使用せず、前記測定部で測定された前記検体の測定結果に基づいて再測定が必要か否かを判定するための判定条件である、
請求項1乃至5の何れか1項に記載の検体分析システム。
【請求項7】
前記検査情報管理装置は、前記検査情報として、被検者の過去の測定結果を記憶し、前記検体分析装置から受信した検体の測定結果と、当該検体に係る被検者の前記測定結果より前の測定結果とに基づいて再測定が必要か否かを判定する、
請求項1乃至6の何れか1項に記載の検体分析システム。
【請求項8】
検体の検査に関する検査情報を管理する検査情報管理装置と通信可能に接続され、検体の測定結果を前記検査情報管理装置へ送信する検体分析装置であって、
検体を測定する測定部と、
所定の判定条件を記憶する記憶部と、
前記検査情報管理装置に前記検体の再測定が必要か否かを問い合わせる問い合わせ処理、及び、前記測定結果が前記記憶部に予め記憶された前記所定の判定条件に合致するか否かを判定する判定処理の実行が可能であり、前記判定処理を実行した結果、前記測定結果が前記所定の判定条件に合致する場合には、前記測定部に前記検体の再測定を実行させ、再測定の測定結果を前記検査情報管理装置に送信し、前記問い合わせ処理を実行した結果、前記検査情報管理装置から前記検体の再測定が必要であることを示す判定情報を受信した場合には、前記測定部に前記検体の再測定を実行させる制御部と、
を備える
検体分析装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記測定結果が前記所定の判定条件に合致しない場合に、前記問い合わせ処理を実行する、
請求項8に記載の検体分析装置。
【請求項10】
前記検査情報管理装置は、前記検査情報として、前記被検者の過去の検査情報を記憶し、
前記記憶部に記憶された所定の判定条件は、検体に係る被検者の前記測定部による測定結果より前の測定結果を使用せず、前記測定部で測定された前記検体の測定結果に基づいて再測定が必要か否かを判定するための判定条件である、
請求項8又は9に記載の検体分析装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記測定部の測定結果が前記所定の判定条件である第1判定条件に合致せず、かつ、前記測定部の測定結果が前記第1判定条件とは異なる第2判定条件に合致する場合に、前記問い合わせ処理を実行するように構成されている、
請求項9に記載の検体分析装置。
【請求項12】
ユーザからの入力を受け付ける入力部をさらに備え、
前記制御部は、前記入力部による第1判定条件又は第2判定条件の指定を受け付け、受け付けた第1判定条件又は第2判定条件を設定可能に構成されている、
請求項11に記載の検体分析装置。
【請求項13】
前記第1判定条件は、第1再測定条件と第2再測定条件とを含み、
前記制御部は、前記測定部の測定結果が前記第1再測定条件に合致する場合には、前記測定部によって測定された前記検体の第1測定項目と同じ第1測定項目について前記検体の再測定を前記測定部に実行させ、前記測定部の測定結果が前記第2再測定条件に合致する場合には、前記測定部によって測定された前記検体の第1測定項目とは異なる第2測定項目について前記検体の再測定を前記測定部に実行させる、
請求項12に記載の検体分析装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記測定部の測定結果が前記第1再測定条件及び前記第2再測定条件の何れにも合致する場合には、前記第1測定項目について前記検体の再測定を前記測定部に実行させるように構成されている、
請求項13に記載の検体分析装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記第2測定項目を前記入力部により受け付け可能に構成されている、
請求項13又は14に記載の検体分析装置。
【請求項16】
複数の測定部と、
ユーザからの入力を受け付ける入力部とを備え、
前記制御部は、前記検体の再測定を実行する測定部を前記入力部により受け付け可能である、
請求項8乃至15の何れか1項に記載の検体分析装置。
【請求項17】
表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記問い合わせ処理を実行した場合に、前記検査情報管理装置へ検体の再測定が必要か否かを問い合わせたことを示す情報を、前記検体の測定結果と共に前記表示部に表示させるように構成されている、
請求項8乃至16の何れか1項に記載の検体分析装置。
【請求項18】
前記制御部は、前記測定部による検体の測定動作において前記測定部に所定の異常が発生したか否かを判定し、前記所定の異常が発生したと判定された場合には、前記測定結果にかかわらず、前記検体の再測定を前記測定部に実行させるように構成されている、
請求項8乃至17の何れかに記載の検体分析装置。
【請求項19】
複数の測定部が設けられており、
前記制御部は、前記測定部による検体の測定動作において前記測定部に所定の異常が発生したと判定された場合には、当該測定を実行した測定部に前記検体の再測定を実行させるように構成されている、
請求項18に記載の検体分析装置。
【請求項20】
検体の検査に関する検査情報を管理する検査情報管理装置と通信可能に接続された検体分析装置によって検体を分析する検体分析方法であって、
前記検体分析装置が、検体を測定して取得した測定結果を前記検査情報管理装置に送信するステップと、
前記検体分析装置が、前記検体分析装置に予め記憶された所定の判定条件に前記測定結果が合致するか否かを判定するステップと、
前記測定結果が前記所定の判定条件に合致する場合には、前記検体分析装置が、前記検体の再測定を実行し、再測定の測定結果を前記検査情報管理装置へ送信するステップと、
前記測定結果が前記所定の判定条件に合致しない場合には、前記検体分析装置が、前記検査情報管理装置へ前記検体の再測定が必要か否かを問い合わせるステップと、
前記検査情報管理装置から前記検体の再測定が必要であることを示す判定情報を受信した場合には、前記検体分析装置が前記検体の再測定を実行するステップと、
を有する、
検体分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−163372(P2012−163372A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22100(P2011−22100)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】