検体分析装置、検体分析システム、測定結果管理装置及びコンピュータプログラム
【課題】表示中の測定結果に関連する他の測定結果を簡単な操作で表示させる。
【解決手段】測定結果の詳細情報を表示するデータブラウザ画面D3に、初回測定の測定結果を表示させるための検体リンクボタンX1と、再測定(2回目の測定)の測定結果を表示させるための検体リンクボタンX2を設けた。検体リンクボタンX1をクリックすることで、初回測定の測定結果がデータブラウザ画面D3に表示され、検体リンクボタンX2をクリックすることで、再測定の測定結果がデータブラウザ画面D3に表示される。
【解決手段】測定結果の詳細情報を表示するデータブラウザ画面D3に、初回測定の測定結果を表示させるための検体リンクボタンX1と、再測定(2回目の測定)の測定結果を表示させるための検体リンクボタンX2を設けた。検体リンクボタンX1をクリックすることで、初回測定の測定結果がデータブラウザ画面D3に表示され、検体リンクボタンX2をクリックすることで、再測定の測定結果がデータブラウザ画面D3に表示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体を測定して得られた測定結果を表示する表示部を備えた検体分析装置および検体分析システムに関する。さらに、本発明は、検体を測定して得られた測定結果を記憶し表示する測定結果管理装置及びコンピュータを動作させるコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、検体を測定して得られた測定結果を表示する検体分析装置が知られており、特許文献1がその具体例として挙げられる。
【0003】
特許文献1には、検体を測定して粒子測定データを生成する測定装置と、測定装置から受信した粒子測定データを分析して、数値データ、粒度分布図及びスキャッタグラムを含む詳細情報を生成するコンピュータとを備える分析装置が開示されている。コンピュータは、ディスプレイを備えており、特許文献1の図3に示されるように複数の検体の数値データをディスプレイに一覧表示することができる。操作者は、一覧表示された検体の中から一の検体を選択することで、同文献の図1及び図2に示されるように、粒度分布やスキャッタグラムといった詳細情報を表示させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−78508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
医師や臨床検査技師が測定結果を参照する場合、一つの測定結果だけでなく、それに関連する他の測定結果を参照することがある。例えば、再検が行われた検体の測定結果を承認するか否かを判断する際には、その検体の再検の測定結果だけでなく、同一検体の初検の測定結果を参照することがある。また、ある患者から得られた検体の測定結果を承認するか否かを判断する際には、その患者から得られた過去の検体の測定結果を参照することもある。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の装置では、ある測定結果の詳細情報を表示しているときに、表示中の測定結果に関連する測定結果の詳細情報を表示するには、一旦詳細表示画面を閉じ、一覧表示画面を開き、その中から関連する測定結果を検索し、検索された測定結果の詳細表示画面を表示させる操作が必要であった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、表示中の測定結果に関連する他の測定結果を、簡単な操作で表示させることが可能な検体分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1局面による検体分析装置は、検体を測定する測定部と、測定部によって検体を測定して得られた第1測定結果及び前記検体を再び測定して得られた第2測定結果を含む複数の測定結果を記憶するための記憶部と、記憶部に記憶されている一の測定結果を含む結果画面を表示する表示部と、再測定が行われた検体の第1及び第2測定結果の一方を含む第1結果画面を表示する場合、その検体の他方の測定結果を表示する指示を入力するための入力手段を第1結果画面とともに表示部に表示させ、表示指示が入力されると、前記他方の測定結果を含む第2結果画面を表示部に表示させる制御部とを備える。
【0009】
この構成によれば、再測定が行われた検体の測定結果を表示する場合、第1及び第2測定結果の一方が表示された第1結果画面とともに、他方の測定結果を表示する指示を入力するための入力手段が表示される。操作者は、この第1結果画面に入力手段が表示された状態で表示指示を入力するのみで、他方の測定結果を含む第2結果画面を表示させることができる。したがって、操作者は、表示中の測定結果と同一検体の測定結果を表示させるために、第1結果画面を閉じて検索画面を開いたり、検索画面において検索クエリを入力したりする操作を行う必要がない。
【0010】
上記第1の局面において、制御部は、第2結果画面を表示する場合、前記第1結果画面を表示する指示を入力するための入力手段を第2結果画面とともに表示部に表示させ、表示指示が入力されると、第1結果画面を表示部に表示させることが好ましい。
【0011】
上記第1の局面において、制御部は、再測定が行われた検体の第1測定結果を表示する場合、及び、前記検体の第2測定結果を表示する場合、その検体について第1測定結果が記憶されていることを示す第1の文字及び/又は図形を表示するとともに、第2測定結果が記憶されていることを示す第2の文字及び/又は図形を表示させ、再測定が行われていない検体の第1測定結果を表示する場合、第1測定結果が記憶されていることを示す第1の文字及び/又は図形のみを表示させることが好ましい。
【0012】
上記第1の局面において、制御部は、再測定が行われた検体の第1測定結果を表示する場合、第2の文字及び/又は図形を、第2測定結果を表示する指示を入力するための入力手段として機能させ、再測定が行われた検体の第2測定結果を表示する場合、第1の文字及び/又は図形を、第1測定結果を表示する指示を入力するための入力手段として機能させることが好ましい。
【0013】
上記第1の局面において、前記測定部を複数備え、前記第1の文字及び/又は図形は、第1測定結果に対応する測定を行った測定部を識別する識別情報の文字列を含み、前記第2の文字及び/又は図形は、第2測定結果に対応する測定を行った測定部を識別する識別情報の文字列を含むことが好ましい。
【0014】
上記第1の局面において、記憶部は、再測定が行われた検体を再び測定して得られた第3測定結果をも記憶することが可能であり、制御部は、少なくとも3回測定が行われた検体の第1測定結果を表示する場合、その検体の第2及び第3測定結果のいずれか一つを表示する指示を入力するための入力手段を、第1測定結果を含む第1結果画面とともに表示部に表示させ、操作部によって表示指示が入力されると、表示が指示された測定結果を含む第2結果画面を表示部に表示させることが好ましい。
【0015】
上記第1の局面において、制御部は、少なくとも3回測定が行われた検体について第1測定結果を表示する場合、その検体について第1測定結果が記憶されていることを示す第1の文字及び/又は図形と、前記検体について第2測定結果が記憶されていることを示す第2の文字及び/又は図形と、前記検体について第3測定結果が記憶されていることを示す第3の文字及び/又は図形を表示させることが好ましい。
【0016】
上記第1の局面において、制御部は、少なくとも3回測定が行われた検体について第1測定結果を表示する場合、第2の文字及び/又は図形を、第2測定結果を表示する指示を入力するための入力手段として機能させるとともに、第3の文字及び/又は図形を、第3測定結果を表示する指示を入力するための入力手段として機能させることが好ましい。
【0017】
上記第1の局面において、第1ないし第3の文字及び/又は図形は、対応する測定が行われた順に一列に並んで表示される好ましい。
【0018】
上記第1の局面において、制御部は、第1乃至第3の文字及び/又は図形のうち、表示されている測定結果に対応する文字及び/又は図形を、他の文字及び/又は図形と異なる表示形式で表示させることが好ましい。
【0019】
上記第1の局面において、第1結果画面は、前記他方の測定結果を含まず、第2結果画面は、前記一方の測定結果を含まないことが好ましい。
【0020】
上記第1の局面において、結果画面は、少なくとも、複数の測定項目の数値データが表示される数値データ領域と、検体に含まれる成分の分布図が表示される分布図領域とを含むことが好ましい。
【0021】
上記第1の局面において、測定部は、検体を測定して得られた測定結果が所定の条件を満たす場合に、前記検体を、自動的に再測定することが好ましい。
【0022】
本発明の第2の局面による検体分析装置は、検体を測定する測定部と、測定部によって検体を測定して得られた複数の測定結果を記憶する記憶部と、記憶部に記憶されている一の測定結果を含む結果画面を表示する表示部と、一の測定結果を表示する場合、該測定結果が得られた一の検体と同一の患者から採取された他の検体の測定結果を表示する指示を入力するための入力手段を結果画面とともに表示させ、表示指示が入力されると、前記他の検体の測定結果を表示させる制御部とを備える。
【0023】
この構成によれば、ある検体の一の測定結果を含む結果画面とともに、該測定結果が得られた一の検体と同一の患者から採取された他の検体の測定結果を表示する指示を入力するための入力手段が表示される。操作者は、この結果画面に入力手段が表示された状態で表示指示を入力するのみで、同一患者から採取された他の検体の測定結果を表示させることができる。したがって、操作者は、表示中の測定結果と同一の患者の測定結果を表示させるために、結果画面を閉じて検索画面を開いたり、検索画面において検索クエリを入力したりする操作を行う必要がない。
【0024】
上記第2の局面において、制御部は、表示指示が入力されると、前記他の検体のうち、前記一の検体の直前に測定が行われた検体の測定結果を表示させることが好ましい。
【0025】
上記第2の局面において、制御部は、同一の患者から採取された検体の測定結果のうち最も古い検体の測定結果を表示する場合、入力手段を非表示にする、請求項15に記載の検体分析装置。
【0026】
上記第2の局面において、制御部は、表示指示が入力されると、前記他の検体のうち、前記一の検体の直後に測定が行われた検体の測定結果を表示させることが好ましい。
【0027】
上記第2の局面において、制御部は、同一の患者から採取された検体の測定結果のうち最も新しい検体の測定結果を表示する場合、入力手段を非表示にすることが好ましい。
【0028】
本発明の第3の局面による検体分析システムは、検体を測定する複数の測定部と、複数の測定部によって検体を測定して得られた測定結果を管理する測定結果管理装置とを備え、測定結果管理装置は、複数の測定部のいずれかによって検体を測定して得られた第1測定結果、及び複数の測定部のいずれかによって前記検体を再び測定して得られた第2測定結果を含む複数の測定結果を記憶するための記憶部と、記憶部に記憶されている一の測定結果を含む結果画面を表示する表示部と、再測定が行われた検体の第1及び第2測定結果の一方を含む第1結果画面を表示する場合、その検体の他方の測定結果を表示する指示を入力するための入力手段を第1結果画面とともに表示部に表示させ、表示指示が入力されると、前記他方の測定結果を含む第2結果画面を表示部に表示させる制御部とを備える。
【0029】
この構成によれば、再測定が行われた検体の測定結果を表示する場合、第1及び第2測定結果の一方が表示された第1結果画面とともに、他方の測定結果を表示する指示を入力するための入力手段が表示される。操作者は、この第1結果画面に入力手段が表示された状態で表示指示を入力するのみで、他方の測定結果を含む第2結果画面を表示させることができる。したがって、操作者は、表示中の測定結果と同一検体の測定結果を表示させるために、第1結果画面を閉じて検索画面を開いたり、検索画面において検索クエリを入力したりする操作を行う必要がない。
【0030】
本発明の第4の局面による測定結果管理装置は、検体を測定して得られた測定結果を管理する測定結果管理装置であって、検体を測定して得られた第1測定結果及び前記検体を再び測定して得られた第2測定結果を含む複数の測定結果を記憶する記憶部と、記憶部に記憶されている一の測定結果を含む結果画面を表示する表示部と、再測定が行われた検体の第1及び第2測定結果のいずれか一方を含む第1結果画面を表示する場合、他方の測定結果を表示する指示を入力するための入力手段を第1結果画面とともに表示部に表示させ、表示指示が入力されると、前記他方の測定結果を含む第2結果画面を表示部に表示させる制御部とを備える。
【0031】
この構成によれば、再測定が行われた検体の測定結果を表示する場合、第1及び第2測定結果の一方が表示された第1結果画面とともに、他方の測定結果を表示する指示を入力するための入力手段が表示される。操作者は、この第1結果画面に入力手段が表示された状態で表示指示を入力するのみで、他方の測定結果を含む第2結果画面を表示させることができる。したがって、操作者は、表示中の測定結果と同一検体の測定結果を表示させるために、第1結果画面を閉じて検索画面を開いたり、検索画面において検索クエリを入力したりする操作を行う必要がない。
【0032】
本発明の第5の局面によるコンピュータプログラムは、記憶部と表示部とを備えるコンピュータを、測定結果を管理する測定結果管理装置として機能させるためのコンピュータプログラムであって、前記記憶部は、検体を測定して得られた第1測定結果及び前記検体を再び測定して得られた第2測定結果を含む複数の測定結果を記憶しており、コンピュータプログラムは、再測定が行われた検体の第1及び第2測定結果のいずれか一方を含む第1結果画面に表示する場合、他方の第2測定結果を表示する指示を入力するための入力手段を第1結果画面とともに表示部に表示させ、表示指示が入力されると、前記他方の測定結果を含む第2結果画面を表示部に表示させる。
【0033】
この構成によれば、再測定が行われた検体の測定結果を表示する場合、第1及び第2測定結果の一方が表示された第1結果画面とともに、他方の測定結果を表示する指示を入力するための入力手段が表示される。操作者は、この第1結果画面に入力手段が表示された状態で表示指示を入力するのみで、他方の測定結果を含む第2結果画面を表示させることができる。したがって、操作者は、表示中の測定結果と同一検体の測定結果を表示させるために、第1結果画面を閉じて検索画面を開いたり、検索画面において検索クエリを入力したりする操作を行う必要がない。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、表示中の測定結果に関連する他の測定結果を、簡単な操作で表示させ、参照することができる。
【0035】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態により何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】実施の形態に係る検体分析装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】実施の形態に係る検体分析装置内を上側から見た場合の構成を示す平面図である。
【図3】実施の形態に係る情報処理ユニットの構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態に係る測定結果リストのデータ構造を模式的に示す図である。
【図5】実施の形態に係る検体分析装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態に係るオーダリストのデータ構造を模式的に示す図である。
【図7】実施の形態に係る検体分析装置における再検判定ルールを示すフローチャートである。
【図8】実施の形態に係る表示処理を示すフローチャートである。
【図9】図8のフローチャートのサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】実施の形態に係るメニュー画面の例示図である。
【図11】実施の形態に係るサンプルエクスプローラ画面の例示図である。
【図12】実施の形態に係るデータブラウザ画面の例示図である。
【図13】他の実施の形態に係る検体分析システムの概略平面図である。
【図14】他の実施の形態に係るデータブラウザ画面の例示図である。
【図15】他の実施の形態に係る表示指示の入力方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
[検体分析装置の構成]
図1は、本実施の形態に係る検体分析装置の斜視図である。本実施の形態に係る検体分析装置100は、真空採血管からなる検体容器Tに収容された血液検体を測定し、血液検体に含まれる血球を白血球、赤血球、血小板等に分類し、各血球を計数する多項目血球分析装置である。
【0038】
図1に示す検体分析装置100は、2台の測定ユニット2、3と、測定ユニット2、3の前面側に配置された検体搬送ユニット4と、測定ユニット2、3及び検体搬送ユニット4を制御する情報処理ユニット5とを備えている。
【0039】
[測定ユニットの構成]
図2は、図1に示した検体分析装置100の構成を示す模式図である。測定ユニット2は、検体搬送ユニット4の検体の搬送方向の上流側(X2方向側)に配置され、測定ユニット3は、搬送方向の下流側(X1方向側)に配置されている。
【0040】
図2に示すように、測定ユニット2は、血液検体を検体容器(採血管)Tから吸引する検体吸引部21と、検体吸引部21により吸引した血液から血球等の血液成分の測定に用いられる測定試料を調製する試料調製部22と、試料調製部22により調製した測定試料から血球を検出する検出部23とを有している。
【0041】
また、測定ユニット2は、検体搬送ユニット4によって搬送された検体ラックLに収容された検体容器Tを測定ユニット2の内部に取り込むための取込口24(図1参照)と、検体ラックLから検体容器Tを測定ユニット2の内部に取り込み、検体吸引部21による吸引位置21aまで検体容器Tを搬送する検体容器搬送部25とをさらに有している。
【0042】
検体容器搬送部25は、検体容器Tを把持可能なハンド部25aと、検体容器Tを挿入可能な穴部を有する検体容器セット部25bを備えている。ハンド部25aは、上下方向及び前後方向(Y1及びY2方向)に移動可能であり、検体ラックLに収容された検体容器Tを把持し、検体ラックLから抜き出し、検体容器セット部25aにセットする。検体容器セット部25bが後方(Y2方向)に移動することで、検体容器Tが測定ユニット2の内部に取り込まれ、吸引位置21aまで検体容器Tが搬送される。
【0043】
[検体搬送ユニットの構成]
検体搬送ユニット4は、測定前の検体容器を保持した検体ラックLが配置される測定前ラック保持部41と、検体ラックLを左右(X1方向及びX2方向)に搬送する搬送路42と、測定後の検体容器を保持した検体ラックLが配置される測定後ラック保持部44とを備える。検体搬送ユニット4は、さらに、搬送路42によって搬送される検体ラックに保持された検体容器Tに貼付されたバーコードラベルを読み取るバーコードリーダ43を備える。検体容器Tのバーコードラベルには、検体容器に収容された血液検体を識別する検体識別情報(以下、検体IDという)が記憶されている。
【0044】
[情報処理ユニットの構成]
次に、情報処理ユニット5の構成について説明する。情報処理ユニット5は、測定ユニット2、3から出力された測定データを解析し、赤血球の粒度分布(ヒストグラム)、白血球の二次元分布図(スキャッタグラム)を作成したり、白血球の各サブクラス(NEUT、LYMPH、EO、BASO、及びMONO)の血球数を計数したりすることで、検体の測定結果を生成し、その測定結果を表示することができる。
【0045】
情報処理ユニット5は、コンピュータにより構成されている。図3は、情報処理ユニット5の構成を示すブロック図である。図3に示すように、情報処理ユニット5は、コンピュータ本体51と、表示部52と、入力部53とを備えている。コンピュータ本体51は、CPU51a、ROM51b、RAM51c、ハードディスク51d、読出装置51e、入出力インタフェース51f、通信インタフェース51g、及び画像出力インタフェース51hを備えている。CPU51a、ROM51b、RAM51c、ハードディスク51d、読出装置51e、入出力インタフェース51f、通信インタフェース51g、及び画像出力インタフェース51hは、バス51jによって接続されている。
【0046】
読出装置51eは、コンピュータを情報処理ユニット5として機能させるためのコンピュータプログラム54aを可搬型記録媒体54から読み出し、当該コンピュータプログラム54aをハードディスク51dにインストールすることが可能である。
【0047】
入出力インタフェース51fは、例えばUSB,IEEE1394,又はRS−232C等のシリアルインタフェース、SCSI,IDE,又はIEEE1284等のパラレルインタフェース、及びD/A変換器、A/D変換器等からなるアナログインタフェース等から構成されている。入出力インタフェース51fには、キーボード及びマウスからなる入力部53が接続されており、ユーザが当該入力部53を使用することにより、コンピュータ5aにデータを入力することが可能である。また、入出力インタフェース51fは、通信ケーブルを介して測定ユニット2、3及び検体搬送ユニット4に接続されている。これにより、情報処理ユニット5は、測定ユニット2、3及び検体搬送ユニット4のそれぞれを制御可能である。
【0048】
ハードディスク51dには、複数の検体についての複数の測定結果を格納する測定結果データベースDB1が設けられている。
【0049】
[測定結果データベースの構造]
図4を参照して、測定結果データベースDB1のデータ構造を説明する。図4は、ハードディスク51dの測定結果データベースDB1に格納されている測定結果リストL100のデータ構造を示す模式図である。
図4に示すように、測定結果リストL100は、結果ID列C1と、受付日時列C2と、測定日時列C3と、患者ID列C4と、検体ID列C5と、オーダ種別列C6と、エラー情報列C7、ユニット情報列C8、数値データ列C9、C10・・・を含む。
【0050】
結果ID列C1には、測定結果リストL100に格納されている各行(レコードともいう)を識別するための識別番号である結果IDが格納される。結果IDは、測定結果リストL100にレコードが追加される度に新たに割り当てられる。
【0051】
受付日時列C2には、検体分析装置100が検体を受け付けた日時が格納される。検体を受け付けた日時とは、バーコードリーダ43によって検体容器のバーコードラベルが読み取られた日時である。
【0052】
測定日時列C3には、検体が測定された日時が格納される。検体が測定された日時とは、検体測定ユニット2、3から出力された測定データが通信インターフェース51gを介して情報処理ユニット5に入力された日時である。
【0053】
患者ID列C4には、検体が採取された患者を識別する識別情報として患者IDが格納される。患者IDは、個々の患者を識別するために、患者ごとに割り当てられている。
【0054】
検体ID列C5には、検体容器に収容された検体を識別するための検体IDが格納される。検体IDは、個々の検体を識別するために検体ごとに割り当てられており、検体容器に貼付されるバーコードラベルに情報が組み込まれている。バーコードリーダ42がバーコードラベルを読み取って得られた検体IDは、情報処理ユニット5によって列C5に格納される。
【0055】
オーダ種別列C6には、その測定結果を生成するために行われた測定の種別が格納される。本実施形態では、測定の種別には「Initial」、「Initial/Repeat」、「Rerun」、「Rerun/Repeat」、「Reflex」、「Reflex/Repeat」の6つがある。これらのいずれか一つがオーダ種別列C6に格納される。
なお、本明細書では、「Initial」を初回測定(あるいは初検)と呼称し、その他の種別の測定を総称して再測定(あるいは再検)と呼称する。
【0056】
「Initial」は、初回測定である。初回測定とは、検体分析装置100が検体を受け付けて最初に行われる測定である。
【0057】
「Initial/Repeat」は、「Initial」にエラーが発生した場合に実行される測定である。エラーとは、測定ユニット2から受信した測定データに含まれるノイズが多すぎて解析を実行できない場合や、測定ユニット2が検体の吸引を試みたが、検体の量が足りず、検体を吸引できなかった場合等に発生する。この種別による測定では、初回測定と同じ測定項目について測定が行われる。
【0058】
「Rerun」は、「Initial」又は「Initial/Repeat」による測定結果の数値データが異常数値範囲に入った場合に実行される測定である。この種別による測定では、「Initial」と同じ測定項目について測定が行われる。
【0059】
「Rerun/Repeat」は、「Rerun」にエラーが発生した場合に実行される測定である。この種別による測定では、「Rerun」と同じ測定項目について測定が行われる。
【0060】
「Reflex」は、「Initial」又は「Initial/Repeat」による測定結果の数値データが予め決められた数値範囲内に入った場合に実行される測定である。この種別による測定では、「Initial」の測定項目に加えて、追加の測定項目が測定される。例えば、「Initial」の測定項目が「CBC+DIFF」であれば、これに「RET」を加えた「CBC+DIFF+RET」が測定される。
【0061】
「Reflex/Repeat」は、「Reflex」にエラーが発生した場合に実行される測定である。この種別による測定では、「Reflex」と同じ測定項目が測定される。
【0062】
エラー情報列C7には、その測定結果を生成するために行われた測定についてのエラーの有無が格納される。
【0063】
ユニット情報列C8には、その測定結果を生成するための測定を行った測定ユニットの識別番号が格納される。本実施形態では、測定ユニット2の識別番号は「XN-10000-1-R」と定められており、測定ユニット3の識別番号は「XN-10000-1-L」と定められている。
【0064】
数値データ列C9、C10には、測定結果の数値データが格納される。図4では列C9に白血球数(WBC)の数値データが格納されており、C10に赤血球数(RBC)の数値データが格納されている。なお、図4では、C9及びC10のみを図示し、以降の列は図示を省略している。
【0065】
[測定動作]
次に、検体分析装置100の検体ラック単位の処理動作を説明する。ユーザが、測定前ラック保持部41に検体ラックをセットし、情報処理ユニット5の入力部53を介して処理開始を指示すると動作が開始する。
【0066】
動作が開始すると、まず、検体搬送ユニット4が検体を搬送する。具体的には、検体搬送ユニット4は、処理開始の指示を受け付けると、検体ラックLを測定前ラック保持部41から搬送路42に向けて後方(Y2方向)に移動させる。搬送路42は、検体ラックLを受け取ると、搬送方向下流側(X1方向側)に向けて移動させ、検体ラックLに保持された複数の検体容器Tが一つずつバーコードリーダ43の前に位置するように、検体ラックを搬送する。バーコードリーダ43は、各検体容器Tのバーコードを読み取る。
【0067】
検体ラックLに保持された全ての検体容器Tのバーコードラベルが読み取られると、各検体容器Tが、測定ユニット2及び測定ユニット3のいずれかに搬送される。具体的には、検体ラックLのX1方向側から奇数番目に保持されている検体容器Tは、測定ユニット2に搬送される。検体ラックLのX1方向側から偶数番目に保持されている検体容器Tは、測定ユニット3に搬送される。測定ユニット2、3は、搬送された検体容器Tに収容されている検体について第1回の測定(初検ともいう)を行う。
【0068】
検体について測定が行われると、その検体について、再測定の要否が判定される。再測定が必要であると判定されると、その検体を収容した検体容器Tは、測定ユニット2および3のいずれかに搬送され、再測定が行われる。検体ラックLに保持された全ての検体容器Tについて再測定が不要であると判定されると、搬送路42は、検体ラックLを測定後ラック保持部44の後方(Y2方向側)まで搬送する。検体ラックLは、前方(Y1方向側)に移動され、測定後ラック保持部44に送られる。
【0069】
[検体測定動作]
次に、検体容器単位の処理動作についてフローチャートを用いて説明する。図5は、検体分析装置100の動作を示すフローチャートである。
検体容器Tに貼付されたバーコードラベルがバーコードリーダ43によって読み取られると、読取結果が情報処理ユニット5に送信され、情報処理ユニット5は受信した読取結果に基づいてオーダを取得し、オーダリストに追加する(ステップS101)。
【0070】
具体的には、情報処理ユニット5は、読取結果を受信すると、読取結果に含まれる検体IDをホストコンピュータHCに送信するとともに、ホストコンピュータHCに測定オーダを問い合わせる。ホストコンピュータHCには、検体IDに関連付けて、患者ID及び測定オーダが予め登録されている。ホストコンピュータHCは、受信した検体IDに関連付けて登録されている測定オーダ及び患者IDを情報処理ユニット5に送信する。情報処理ユニット5は、測定オーダを受信すると、オーダリストに新規オーダを登録する。
【0071】
図6は、オーダリストのデータ構造を模式的に示す図である。図6に示すように、オーダリストL200は、検体IDが格納される検体ID列C11と、オーダ種別が格納されるオーダ種別列C12と、測定ディスクリート項目が格納される測定ディスクリート列C13とを含む。
【0072】
情報処理ユニット5は、ホストコンピュータHCから測定オーダを受信すると、オーダリストの最下行に新規オーダを追加する。新規オーダの列C11には、検体容器Tから読み取られた検体IDが入力される。列C13には、受信した測定オーダに含まれる測定ディスクリート項目が入力される。列C12には、オーダ種別が入力される。列C12には、新規オーダの場合には「Initial」と入力され、追加オーダの場合には、後述の再検判定ルール(図7参照)に応じて設定されたオーダ種別が入力される。新規オーダとは、ホストコンピュータHCから受信した測定オーダに基づいてリストに追加されるオーダである。また、追加オーダとは、オーダリストL200に登録された測定オーダに基づいて測定を実行した結果、情報処理ユニット5が後述の再検判定ルール(図7参照)に合致したと判断した場合に、情報処理ユニット5が自動生成するオーダである。
【0073】
図5に戻って、情報処理ユニット5は、バーコードが読み取られた検体容器Tの搬送先を決定する(ステップS102)。具体的には、情報処理ユニット5は、検体容器Tを、第1測定ユニット2及び第2測定ユニット3のいずれに搬送するかを決定する。以下では、検体容器Tの搬送先が第1測定ユニット2に決定した場合を例示して説明する。
【0074】
検体搬送ユニット4は、搬送先として決定された測定ユニットに検体容器Tを搬送する(ステップS103)。具体的には、検体搬送ユニット4は、検体容器Tを、第1測定ユニット2のハンド部25aの直下の位置まで搬送する。
【0075】
第1測定ユニット2は、搬送された検体容器Tに収容されている検体を測定する(ステップS104)。具体的には、測定ユニット2は、ハンド部25aによって検体容器Tを把持し、検体容器Tを検体ラックLから取り出す。ハンド部25aは、検体搬送部25の検体容器セット部25bに検体容器Tをセットする。検体容器搬送部25が後方に移動し、検体容器Tが測定ユニット2に取り込まれる。検体容器Tは、吸引部21による吸引位置21aまで搬送される。吸引部21は、吸引位置21aに搬送された検体容器Tに穿刺され、検体容器Tに収容された血液検体を吸引する。吸引された血液検体は、試料調製部22に送られる。試料調製部22は、送られた血液検体と試薬とを混合して測定試料を調製する。調製された測定試料は、検出部23に送られる。検出部23は、送られた測定試料を電気的及び光学的に測定し、電気信号からなる測定データを生成する。測定データは、情報処理ユニット5に送られる。
【0076】
情報処理ユニット5は、送られた測定データをハードディスク51dに記憶するとともに、測定データを解析して測定結果を生成する(ステップS105)。具体的には、情報処理ユニット5は、測定データを解析することにより、赤血球数、白血球数、血小板数といった数値データを生成するとともに、赤血球及び血小板の粒度分布(ヒストグラム)並びに白血球のサブクラスの分布を二次元的に示す二次元分布図(スキャッタグラム)を作成する。
【0077】
情報処理ユニット5は、生成した測定結果を測定結果データベースDB1に格納する(ステップS106)。具体的には、情報処理ユニット5は、測定結果データベースDB1の測定結果リストL100の最下行に新規レコードを追加する。新規レコードの行の受付日時列C2には、バーコードリーダ42によって検体容器Tのバーコードラベルが読み取られた日時が入力される。測定日時列C3には、検体測定ユニット2から出力された測定データが通信インターフェース51gを介して情報処理ユニット5に入力された日時が入力される。患者ID列C4には、測定オーダとともにホストコンピュータHCから与えられた患者IDが入力される。検体ID列C5には、バーコードリーダ42が検体容器Tのバーコードラベルを読み取って得られた検体IDが入力される。オーダ種別列C6には、上述のオーダリストL200の列C12に入力されているオーダ種別が入力される。エラー情報列C7には、エラーが発生していれば「あり」と入力され、エラーが発生していれば「なし」と入力される。ユニット情報列C8には、上記の例では、測定ユニット2の識別番号である「XN-10000-1-R」が入力される。数値データ列C9、C10には、ステップS106で得られた測定結果の数値データが対応する列に入力される。ステップS106で作成されたヒストグラム及びスキャッタグラムは、追加された新規レコードに関連付けてハードディスク51dに格納される。
【0078】
次に、情報処理ユニット5は、追加オーダを生成するか否かを決定する(ステップS107)。この処理について、図6を参照して説明する。
図6は、追加オーダを生成するか否かを決定するための再検判定ルールを示すフローチャートである。情報処理ユニット5は、一回の測定が完了する都度、この再検判定ルールに照らして追加オーダを生成するか否か、換言すれば再検が必要か否かを自動的に決定する。
【0079】
まず、ある検体について「Initial」が測定されると(ステップS11)、情報処理ユニット5は、「Initial」の測定にエラーが発生したか否かを判断する(ステップS12)。
【0080】
エラーが発生したと判断されると(ステップS12:YES)、情報処理ユニット5は、追加オーダとして「Initial/Repeat」を生成する(ステップS13)。
なお、後に詳しく述べるが、ここで生成された追加オーダはオーダリストL200の最下行に追加され、追加オーダに基づいて自動的に再測定が実行される。
エラーが発生していないと判断されると(ステップS12:NO)、ステップS14へ処理が進む。
【0081】
情報処理ユニット5は、「Initial」又は「Initial/Repeat」の測定の結果、「Rerun」を測定すべき条件が満たされたか否かを判断する(ステップS14)。本実施形態では、「Initial」又は「Initial/Repeat」によって測定された一の測定項目の数値が、予め設定されている異常数値範囲に入った場合に、「Rerun」の条件を満たす。「Rerun」の条件を満たしていないと判断されると(ステップS14:NO)、ステップS18へ進む。「Rerun」の条件を満たすと判断されると(ステップS14:YES)、情報処理ユニット5は、追加オーダとして「Rerun」を生成する(ステップS15)。
【0082】
情報処理ユニット5は、「Rerun」の測定の結果、エラーが発生したか否かを判断する(ステップS16)。エラーが発生したか否かの判断は、ステップS12と同様である。エラーが発生したと判断されると、情報処理ユニット5は、追加オーダとして「Rerun/Repeat」を生成する(ステップS17)。エラーが発生していないと判断されると(ステップS16:NO)、追加オーダは生成されず、その検体に対する一連の測定が終了する。
【0083】
ステップS18では、「Initial」又は「Initial/Repeat」の結果が、「Reflex」を測定すべき条件に合致したか否かを判断する(ステップS18)。本実施形態では、「Initial」又は「Initial/Repeat」によって測定された一の測定項目の数値が、異常数値範囲ではないが、予め設定されている数値範囲に入った場合に、「Reflex」の条件を満たす。「Reflex」の条件を満たしていないと判断されると(ステップS18:NO)、追加オーダは生成されず、その検体に対する一連の測定が終了する。「Reflex」の条件を満たすと判断されると(ステップS18:YES)、情報処理ユニット5は、追加オーダとして「Reflex」を生成する(ステップS19)。
【0084】
情報処理ユニット5は、「Reflex」の測定の結果、エラーが発生したか否かを判断する(ステップS20)。エラーが発生したか否かの判断は、ステップS12と同様である。エラーが発生したと判断されると、情報処理ユニット5は、追加オーダとして「Reflex/Repeat」を生成する(ステップS21)。エラーが発生していないと判断されると(ステップS20:NO)、追加オーダは生成されず、その検体に対する一連の測定が終了する。
【0085】
図5に戻って、情報処理ユニット5は、ステップS108において、上記の再検判定ルールに照らして、追加オーダを生成するか否かを決定する。
追加オーダを生成しないと決定すると(ステップS108:NO)、その検体に対する一連の処理が完了する。追加オーダを生成すると決定すると(ステップS108:YES)、ステップS102に戻り、情報処理ユニット5は、追加オーダをオーダリストL200の最下行に追加する。追加オーダのオーダリストL200への追加処理について図6を参照して説明する。
【0086】
図6を参照して、M101の新規オーダに基づいて、検体ID:442の検体について「Initial」を測定した結果、追加オーダとして「Initial/Repeat」が生成される場合、追加オーダM102の列C11には「Initial」と同じ検体ID:442が入力され、列C12には、「Initial/Repeat」が入力される。「Initial/Repeat」は「Initial」と同じ測定ディスクリート項目を測定するオーダ種別であるから、列C13には、オーダM101と同じ「CBC+DIFF」が入力される。
また、M102の追加オーダに基づいて、検体ID:442の検体について「Initial/Repeat」を測定した結果、追加オーダとして「Reflex」が生成される場合、列C11には「Initial/Repeat」と同じ検体ID:442が入力され、オーダ種別には、「Reflex」が入力される。「Reflex」は、その検体について直前に測定された測定ディスクリート項目が追加される。そのため、追加オーダM103の列C13には、「CBC+DIFF」の測定ディスクリート項目に「RET」が追加され、「CBC+DIFF+RET」と入力される。
また、M103の追加オーダに基づいて、検体ID:442の検体について「Reflex」を測定した結果、追加オーダとして「Reflex/Repeat」が生成される場合、追加オーダM104の列C11には「Reflex」と同じ検体ID:442が入力され、列C12には、「Reflex/Repeat」が入力される。「Reflex/Repeat」は「Initial」と同じ測定ディスクリート項目を測定するオーダ種別であるから、列C13には、オーダM103と同じ「CBC+DIFF+RET」が入力される。
【0087】
図5に戻って、情報処理ユニット5は、追加オーダを生成すると決定すると(ステップS107:YES)、追加オーダをオーダリストL200に追加し(ステップS101)、追加されたオーダに基づいてステップS102〜ステップS106の処理を再び実行する。
【0088】
追加オーダについてステップS106までの処理が終了すると、情報処理ユニット5は、追加オーダによる測定結果を、測定結果データベースDB1の測定結果リストL100に登録する(ステップS107)。
【0089】
図4を参照して、追加オーダによる測定結果を測定結果データベースDB1に登録するときの処理を説明する。情報処理ユニット5は、追加オーダによって生成された測定結果を測定結果リストの最下行に新規レコードとして追加する。
【0090】
ここでは、追加オーダM102(図6参照)によって生成された測定結果が登録されるときの処理を例にとって説明する。追加オーダM102は、新規オーダM101に基づく再測定の追加オーダであるので(図6参照)、追加オーダM102の測定結果レコード(結果ID:X1015)は、新規オーダM101の測定結果レコード(結果ID:X1003)に基づいて作成される。具体的には、レコード(X1015)の列C2、C4、C5には、それぞれ、レコード(X1003)と同じ受付日時、患者ID、検体IDが入力される。そして、列C3には、追加オーダM102を測定した日時が入力される。列C6には、追加オーダM102に設定されているオーダ種別「Initial/Repeat」が入力される。列C8には、追加オーダの測定を行った測定ユニットの識別情報が入力される。列C9、C10には、追加オーダの測定により得られた数値データが入力される。
【0091】
以上の処理によって、検体の測定が終了する。この処理が複数回行われることにより、測定結果データベースDB1に複数の測定結果レコードが蓄積されていく。
【0092】
[測定結果表示処理]
次に、測定結果データベースDB1に記憶されている測定結果を表示する処理について説明する。
【0093】
図8は表示処理を示すフローチャートである。まず、情報処理ユニット5は、ハードディスク51dに格納されているアプリケーションプログラムが起動されると、図10に示すメニュー画面D1を表示部52に表示する(ステップS201)。
【0094】
図10は、メニュー画面D1を示している。メニュー画面D1には、ツールバーが表示されるツールバー表示領域A1と、他の画面へ遷移するための複数のアイコンが表示されるメイン表示領域A2が設けられている。
【0095】
ツールバー表示領域A1には、測定結果データベースDB1に記憶されている複数の測定結果レコードを一覧表示する「サンプルクエスプローラ画面」へ遷移するためのサンプルエクスプローラアイコンH1と、測定結果データベースDB1に記憶されている複数の測定結果レコードのうちの一つを詳細表示する「データブラウザ画面」へ遷移するためのデータブラウザアイコンH2とを含む。
【0096】
メイン表示領域A2には、サンプルエクスプローラアイコンH1と同じ機能を有するサンプルエクスプローラアイコンF1と、データブラウザアイコンH2とデータブラウザアイコンF2を含む。さらにメイン表示領域A2は、情報処理ユニット5のアプリケーションプログラムを終了するエンドアイコンF3を含む。
【0097】
図8に戻って、情報処理ユニット5は、サンプルエクスプローラ画面を表示する指示が入力されたか否かを判断する(ステップS202)。サンプルエクスプローラ画面の表示指示は、図10のメニュー画面において、サンプルエクスプローラアイコンH1、F1をマウスによってクリックすることで入力することができる。サンプルエクスプローラ画面の表示指示が入力されなければ(ステップS202:NO)、情報処理ユニット5は、表示指示を受け付けるまで判断を繰り返す。表示指示が入力されたと判断すると(ステップS202:YES)、情報処理ユニット5は、図11に示すサンプルエクスプローラ画面D2を表示部5に表示する。
【0098】
図11は、サンプルエクスプローラ画面D2を示している。サンプルエクスプローラ画面D2には、ツールバー表示領域A1と、メイン表示領域A2が設けられている。ツールバー表示領域A1は、図10のメニュー画面D1のものと同じ構成であるので、説明は省略する。
【0099】
メイン表示領域A2は、測定結果データベースDB1に格納された複数の測定結果レコードが一覧表示される検体リストW100と、検体リストW100において選択されている測定結果レコードの数値データが表示される数値データリストW200を含む。
【0100】
図11に示すように、検体リストW100は、検体IDフィールドS1、オーダ種別フィールドS2、エラー情報フィールドS3、測定日時フィールドS4、受付日時フィールドS5を含む。
検体IDフィールドS1には、図4の検体ID列C5に格納されている情報が表示される。オーダ種別フィールドS2には、図4のオーダ種別列C6に格納されている情報が表示される。エラー情報フィールドS3には、図4のエラー情報列C7に格納されている情報が表示される。測定日時フィールドS4には、図4の測定日時列C3に格納されている情報が表示される。受付日時フィールドS5には、図4の受付日時列C2に格納されている情報が表示される。
【0101】
数値データリストW200には、検体リストW100において選択されている測定結果レコードの数値データが一覧表示される。具体的には、数値データリストW200には、検体リストW100において選択されている測定結果レコードの列C9、C10・・・に格納されている情報が表示される。
【0102】
検体リストW100の各行は、マウスによって任意の行にカーソルを合わせ、クリックすることにより選択することができる。また、サンプルエクスプローラ画面D2は、画面右上の閉じるアイコンをクリックすることで閉じることができ、サンプルエクスプローラ画面D2を閉じると、メニュー画面D1に戻る。
【0103】
図8を参照して、情報処理ユニット5は、図11のサンプルエクスプローラ画面D2においてデータブラウザ画面D3の表示指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS204)。データブラウザ画面D3の表示指示は、図11のサンプルエクスプローラ画面D2において、表示したい測定結果の行を検体リストW100において選択した状態で、データブラウザアイコンH2をマウスによってダブルクリックすることで入力することができる。また、検体リストW100の表示したい測定結果の行をマウスによってダブルクリックすることによっても入力することができる。また、図10のメニュー画面D1において、データブラウザアイコンH2、F2をマウスによってクリックすることによっても入力することができる。この場合、測定結果データベースDB1に記憶されている測定結果レコードのうち、測定日時が最も新しい測定結果レコードが選択されたものとして取り扱われる。したがって、いずれの方法でデータブラウザ画面D3の表示指示を入力した場合であっても、記憶されている複数の測定結果レコードのうち一つの測定結果レコードが指定される。
【0104】
情報処理ユニット5は、データブラウザ画面D3の表示指示を受け付けたと判断すると(ステップS204:YES)、ステップS205へ処理を進める。一方、情報処理ユニット5は、データブラウザ画面D3の表示指示を受け付けていないと判断すると(ステップS204:NO)、ステップS210へ処理を進める。
【0105】
情報処理ユニット5は、データブラウザ画面D3の表示指示を受け付けたと判断すると(ステップS204:YES)、指定された測定結果レコードと同一の受付日時及び検体IDを含む測定結果レコードを検索する(ステップS205)。具体的には、情報処理ユニット5は、指定されたレコードの検体IDを検索クエリとして、測定結果データベースDB1の測定結果リストL100を検索し、同一の検体IDを含む測定結果レコードを測定結果リストL100から抽出する。さらに、情報処理ユニット5は、指定されたレコードの受付日時を検索クエリとして、抽出された測定結果レコードを検索し、指定されたレコードと同一の受付日時を含む測定結果レコードを抽出する。
【0106】
次に、情報処理ユニット5は、指定された測定結果レコードと同一の患者IDを含み、且つ、指定された測定結果レコードと異なる受付日時を含む測定結果を検索する(ステップS206)。具体的には、情報処理ユニット5は、指定された測定結果レコードの患者IDを検索クエリとして、測定結果データベースDB1の測定結果リストL100を検索し、同一の患者IDを含む測定結果レコードを測定結果リストL100から抽出する。さらに、情報処理ユニット5は、抽出された測定結果レコードの中から、指定された測定結果レコードの受付日時を含む測定結果レコードを除外することにより、指定されたレコードと異なる受付日時を含む測定結果レコードのみを抽出する。
【0107】
情報処理ユニット5は、データブラウザ画面D3を表示する(ステップS207)。この処理については、後述する。
情報処理ユニット5は、表示を終了する指示が入力されたか否かを判断する(ステップS208)。表示を終了する指示は、メニュー画面D1においてIPU終了アイコンF3をマウスによってクリックすることで入力することができる。表示を終了する指示が入力されたと判断されると(ステップS208:YES)、情報処理ユニット5は表示処理を終了する。表示を終了する指示が入力されていなければ(ステップS208:NO)、ステップS202へ処理を戻す。
【0108】
次に、データブラウザ画面を表示する処理について、図9のフローチャート及び図12のデータブラウザ画面を参照して説明する。
情報処理ユニット5は、データブラウザ画面を表示する(ステップS301)。図9は、データブラウザ画面D3を示している。データブラウザ画面D3は、指定された一つの測定結果レコードの詳細情報を表示するための画面である。ここでいう詳細情報とは、サンプルエクスプローラ画面D2に表示されない情報であって、具体的には、画像データがこれに該当する。本実施形態では、数値データとともに作成される赤血球及び血小板の粒度分布(ヒストグラム)の画像データ、および、白血球の二次元分布図(スキャッタグラム)の画像データが詳細情報に該当する。
【0109】
データブラウザ画面D3は、他の画面と同様に、ツールバー表示領域A1と、メイン表示領域A2とを含む。
ツールバー表示領域A1には、メニュー画面D1及びサンプルエクスプローラ画面D2と同様に、サンプルエクスプローラアイコンH1及びデータブラウザアイコンH2を含む画面遷移アイコン群が表示される。画面遷移アイコン群に隣接して、表示されている測定結果に対する操作を実行するための操作アイコン群が表示される。この操作アイコン群には、表示されている測定結果レコードの情報(患者氏名、担当医)などを修正するための修正アイコンN1、表示されている測定結果を承認(バリデーション)するためのバリデーションアイコンN2、データブラウザ画面D3を終了する閉じるアイコンN3が含まれる。操作アイコン群には、さらに、前回値ボタンY1と、次回値ボタンY2が表示される。前回値ボタンY1、次回値ボタンY2の機能については後述する。
【0110】
メイン表示領域A2には、一の測定結果の詳細情報が表示されている。図12の例では、メイン表示領域A2は、数値データ領域Pと、フラグ領域Qと、グラフ領域Rを含んでいる。数値データ領域Pは、CBC項目の数値データが表示されるCBC欄P1と、DIFF項目の数値データが表示されるDIFF欄P2と、RET項目の数値データが表示されるRET欄P3とを含んでいる。フラグ領域Qは、測定の結果としてフラグが設定された場合に、設定されたフラグが表示される領域であって、白血球(WBC)に関するフラグが表示されるWBCフラグ欄Q1と、赤血球(RBC)に関するフラグが表示されるRBCフラグ欄Q2、血小板(PLT)に関するフラグが表示されるPLTフラグ欄Q3を含んでいる。グラフ領域Rは、測定結果に含まれる画像が表示される領域であって、複数のスキャッタグラムR1と、赤血球(RBC)のヒストグラムR2と、血小板(PLT)のヒストグラムR3とを含んでいる。
【0111】
メイン表示領域A2の上方には、検体リンクボタン表示領域Xが設けられている。図12に示す例では、複数の検体リンクボタン群X1〜X4が表示されている。図12に示すデータブラウザ画面D3では、「Initial」、「Initial/Repeat」、「Reflex」及び「Reflex/Repeat」の合計4回の測定が行われた、検体ID:439で示される検体の「Initial」の測定結果を示している。検体リンクボタンは、検体の測定回数に応じた数だけ表示されるようになっており、図12に示す例では、合計4回の測定回数に応じて、4つの検体リンクボタンが表示されている。検体リンクボタンX1〜X4は、それぞれ、検体ID:439の「Initial」、「Initial/Repeat」、「Reflex」及び「Reflex/Repeat」の測定結果に対応付けられている。より詳しく説明すると、検体リンクボタンX1は、検体ID:439の検体の「Initial」の測定結果を表示させるためのボタンである。検体リンクボタンX2は、検体ID:439の検体の「Initial/Repeat」の測定結果を表示させるためのボタンである。検体リンクボタンX3は、検体ID:439の検体の「Reflex」の測定結果を表示させるためのボタンである。検体リンクボタンX4は、検体ID:439の検体の「Reflex/Repeat」の測定結果を表示させるためのボタンである。なお、図12に図示した状態では、検体リンクボタンX1は無効化されている。これらは後述するように、クリックすることで予め対応付けられた測定結果をメイン表示領域A2に表示させるためのボタンとして機能する。
【0112】
各検体リンクボタンX1〜X4は、それぞれが対応付けられた測定結果のオーダ種別と、対応付けられている測定結果の基となった測定を実行した測定ユニット2、3の識別情報とを含んでいる。ユーザは、ボタンを見ただけで各ボタンがいずれのオーダ種別の測定結果に対応付けられているか、さらには、対応付けられている測定結果の基となった測定をいずれの測定ユニットが実行したかを知ることができる。
【0113】
検体リンクボタンX1〜X4は、左から順に、「Initial」、「Initial/Repeat」、「Reflex」、「Reflex/Repeat」と並んでいる。この順序は、図6からも明らかなように、一つの検体に対して測定が行われる順序と同じである。ユーザは、左から順に検体リンクボタンをクリックしていけば、測定の順序に沿って測定結果を閲覧することができる
【0114】
本実施形態では、初検(「Initial」の測定)は必ず1回行われ、再測定は最大で3回行われる。これに対応して検体リンクボタンは、少なくとも1つ、最大で4つ表示される。つまり、この検体リンクボタンは、1つの検体について測定した回数に応じた数だけ表示されるため、ユーザは、データブラウザを開いたときに、検体リンクボタン表示領域Xにいくつのボタンが表示されているかを見るだけで、表示されている測定結果に関連する測定結果がいくつあるかを知ることができる。換言すると、再測定の回数を、検体リンクボタン表示領域Xに表示されているボタンの数を数えるだけで知ることができる。
【0115】
図12に示す例では、「Initial」ボタンX1が、他のボタンX2〜X4と異なる色で表示されている(図面では異なる色で表示されていることを示すために「Initial」ボタンX1にハッチングを掛けて図示している)。これは、メイン表示領域A2に表示されている測定結果のオーダ種別が「Initial」であることを示している。後述するように、図12の画面において他の検体リンクボタンX2〜X4を選択すると、選択された検体リンクボタンに予め対応付けられた測定結果がメイン表示領域A2に表示されるとともに、選択された検体リンクボタンのみ異なる色で表示される。したがって、ユーザは、データブラウザ画面を表示したときに、関連する測定結果のうちいずれの測定結果がメイン表示領域A2に表示されているかを視覚的に把握することができる。
【0116】
図9を参照して、情報処理ユニット5は、データブラウザ画面D3を表示する(ステップS301)。具体的には、情報処理ユニット5は、ステップS204(図8参照)で指定された測定結果レコードを読み出し、読み出された測定結果レコードに含まれる情報をメイン表示領域A2の各箇所に表示する。
【0117】
さらに、情報処理ユニット5は、ステップS205(図8参照)で検索した結果、指定された測定結果レコードと同一の検体IDを有する測定結果レコードが抽出された場合、抽出された測定結果レコードに対応する検体リンクボタンを表示する。
【0118】
例えば、図4を参照して、検体ID:442の「Initial」の測定結果レコード(結果ID:X1003)が指定されてデータブラウザ画面D3の表示指示が入力されたとする。この場合、検体ID:442を含む他の測定結果として、「Initial/Repeat」の測定結果レコード(結果ID:X1015)と、「Reflex」の測定結果レコード(結果ID:X1022)と、「Reflex/Repeat」の測定結果レコード(結果ID:X1030)の3つのレコードが抽出される。したがって、この場合、合計4つの検体リンクボタンが表示され、各検体リンクボタンには、「Initial」、「Initial/Repeat」、「Reflex」、「Reflex/Repeat」と表示される。また、この場合、抽出された測定結果レコードはいずれもユニット情報列C8に格納された情報が「XN-10000-1-L」であるから、各検体リンクボタンの装置識別情報として、すべて「XN-10000-1-L」と表示される。この状態が図12に図示されている。
【0119】
一方、図4を参照して、検体ID:440の測定結果(結果ID:X1001)が指定されてデータブラウザ画面D3の表示指示が入力されたとする。この場合、検体ID:440を含む他の測定結果レコードは記憶されていない、つまり、検体ID:440の検体は再測定が行われていない検体であるため、「Initial」以外の他の測定結果レコードが抽出されない。したがって、この場合、図12のデータブラウザ画面D3には、「Initial」の検体リンクボタンのみが表示されることになる。
【0120】
さらに、情報処理ユニット5は、ステップS206(図8参照)で検索した結果、指定された測定結果レコードと同一の患者IDを有する測定結果レコードが抽出された場合、抽出された測定結果レコードに応じて前回値ボタン/次回値ボタンを表示する。
【0121】
図4を参照して、例えば、結果ID:X4003の測定結果レコードが指定されてデータブラウザ画面D3の表示指示が入力されたとする。この場合、同一の患者IDを有する測定結果レコードとして、結果ID:X1002の測定結果レコードと、結果ID:9600の測定結果レコードの2つのレコードが抽出される。
【0122】
X1002の測定結果レコードは、指定されたX4003の測定結果レコードより受付日時が前であるから、X1002の測定結果レコードは、X4003の測定結果レコードに対して「前回値」にあたる。一方、X9600の測定結果レコードは、指定されたX4003の測定結果レコードより受付日時が後であるから、X9600の測定結果レコードは、X4003の測定結果レコードに対して「次回値」にあたる。
【0123】
したがって、この場合、データブラウザ画面D3には、メイン表示領域A2にX4003の測定結果が表示されるとともに、X1002の測定結果を表示させるための前回値ボタンY1と、X9600の測定結果を表示させるための次回値ボタンY2とが表示される。
【0124】
一方、図4を参照して、結果ID:X1001の測定結果レコードが指定されてデータブラウザ画面D3の表示指示が入力されたとする。この場合、患者ID:P837の測定結果レコードは1つしか記憶されていないため、他の測定結果レコードは抽出されず、前回値ボタン、次回値ボタンは表示されない。
また、結果ID:X1003の測定結果レコードが指定されてデータブラウザ画面D3の表示指示が入力されたとする。この場合、患者ID:P1001を含む測定結果レコードには、X1003の他にX1015、X1022、X1030の3つのレコードが存在するが、これらは全て受付日時が同じであるため、これらはX1003のレコードに対して「前回値」/「次回値」にあたらない。したがって、これらはステップS206の検索処理では抽出されず、前回値/次回値ボタンは表示されない。
【0125】
以上の処理によって、データブラウザ画面D3が表示される。
【0126】
情報処理ユニット5は、検体リンクボタンX2〜X4のいずれかがマウスによってクリックされたか否かを判断する(ステップS311)。検体リンクボタンX2〜X4のいずれかがクリックされると(ステップS311:YES)、情報処理ユニット5は、クリックされた検体リンクボタンに予め対応付けられている測定結果レコードを測定結果データベースDB1から読み出し(ステップS312)、読み出した測定結果レコードをメイン表示領域A2に表示する(ステップS313)。例えば、図12に示す画面において、検体リンクボタンX3がクリックされると、情報処理ユニット5は「Reflex」の測定結果レコードを読み出し、測定結果をメイン表示領域A2に表示する。このとき、検体リンクボタンX3の表示色が変わり、検体リンクボタンX1の表示色がデフォルトになる。
【0127】
検体リンクボタンがクリックされていなければ(ステップS311:NO)、情報処理ユニット5は、前回値ボタンY1がクリックされたか否かを判断する(ステップS321)。前回値ボタンY1がクリックされると(ステップS321:YES)、情報処理ユニット5は、表示されている測定結果に対して前回値にあたる測定結果レコードを測定結果データベースDB1から読み出す(ステップS322)。
【0128】
次に、情報処理ユニット5は、次に表示される測定結果レコードが、ステップS207で抽出された測定結果レコードの中で受付日時が最も古いか否かを判断する(ステップS323)。換言すると、情報処理ユニット5は、次に表示される測定結果のレコードよりさらに前回の測定結果レコードが存在するか否かを判断する。最も古い測定結果レコードである場合には(ステップS323:YES)、情報処理ユニット5は、前回値ボタンY1を非表示にする(ステップS324)。一方、最も古い測定結果レコードではない場合(ステップS323:NO)、情報処理ユニット5は、ステップS324をスキップする。
【0129】
情報処理ユニット5は、ステップS322で読み出した測定結果レコードをメイン表示領域A2に表示する(ステップS325)。
【0130】
前回値ボタンY1がクリックされていなければ(ステップS321:NO)、情報処理ユニット5は、次回値ボタンY2がクリックされたか否かを判断する(ステップS331)。次回値ボタンY2がクリックされると(ステップS331:YES)、情報処理ユニット5は、表示されている測定結果に対して次回値にあたる測定結果のレコードを測定結果データベースDB1から読み出す(ステップS332)。
【0131】
次に、情報処理ユニット5は、次に表示される測定結果レコードが、ステップS207で抽出された測定結果レコードの中で受付日時が最も新しいか否かを判断する(ステップS333)。換言すると、情報処理ユニット5は、次に表示される測定結果のレコードよりさらに次回の測定結果レコードが存在するか否かを判断する。最も新しい測定結果レコードである場合には(ステップS333:YES)、情報処理ユニット5は、次回値ボタンY2を非表示にする(ステップS334)。一方、最も新しい測定結果レコードではない場合(ステップS333:NO)、情報処理ユニット5は、ステップS334をスキップする。
【0132】
情報処理ユニット5は、ステップS332で読み出した測定結果レコードをメイン表示領域A2に表示する(ステップS335)。
【0133】
ステップS321〜325及びステップS331〜335の処理について、図4を参照して説明する。いま、図12のメイン表示領域A2に、図4の結果ID:X4003のレコードの測定結果が表示されているものとする。結果ID:X4003の測定結果レコードには、前回値としてX1002と、次回値としてX9600がある。ここで、前回値ボタンY1がクリックされると(ステップS321)、前回値としてX1002の測定結果レコードが読み出される(ステップS322)。X1002は、患者ID:P37を含む測定結果レコードの中では最も受付日時が古い測定結果レコードであるため、これより前回の測定結果レコードは存在しない。そのため、ステップS323はYESとなり、X1002のデータブラウザ画面D3では前回値ボタンY1は表示されない。同様に、次回値ボタンY2がクリックされると(ステップS331)、次回値としてX9600の測定結果レコードが読み出される(ステップS332)。X9600は、患者ID:P37を含む測定結果レコードの中では最も受付日時が新しい測定結果レコードであるため、これより次回の測定結果レコードは存在しない。そのため、ステップS333はYESとなり、X1002のデータブラウザ画面D3では前回値ボタンY1は表示されない。
【0134】
このように最も古い測定結果を表示する場合には前回値ボタンY1を非表示にし、最新の測定結果を表示する場合には次回値ボタンY2を非表示にすることで、ユーザは、前回値ボタンY1および次回値ボタンY2が表示されているかを見るだけで、現在表示されている測定結果が最新の測定結果であるか最古の測定結果であるかを知ることができる。
【0135】
次回値ボタンY2がクリックされなければ(ステップS331:NO)、情報処理ユニット5は、データブラウザ画面D3を終了する操作が行われたか否かを判断する(ステップS342)。データブラウザ画面D3を終了する操作は、画面遷移アイコン群に含まれる「閉じる」アイコンN3をクリックすることで行われる。終了操作が行われれば(ステップS341:YES)、情報処理ユニット5は、データブラウザ画面D3を閉じ、メニュー画面D1またはサンプルエクスプローラ画面D2に画面を遷移する。
【0136】
データブラウザ画面D3を終了する操作が行われなければ(ステップS341:YES)、情報処理ユニットは、データブラウザ画面D3上で操作が行われたか否かを判断し(ステップS351)、操作が行われれば(ステップS351:YES)、操作に応じた処理を行う。例えば、修正アイコンN1がクリックされれば、表示されている測定結果の情報の変更内容を入力するためのダイアログが表示され、変更が確定されると、記憶されている患者情報が変更され、画面が更新される。また、バリデートアイコンN2がクリックされると、表示されている測定結果が承認(バリデート)され、その測定結果がホストコンピュータHCに送信される。また、操作が行われなければ(ステップS351:NO)、ステップS311へ処理を戻す。
【0137】
本実施形態によれば、再測定が行われた検体の初回測定の測定結果(「Initial」)をデータブラウザ画面D3で閲覧している場合に、検体リンクボタンをクリックするだけで同一の検体の再測定の測定結果(「Initial/Repeat」等)を表示させることができる。したがって、本実施形態によれば、初回測定の測定結果を表示している状態から再測定の測定結果を表示させるために、一度データブラウザ画面D3を閉じてサンプルエクスプローラ画面D2に戻り、検体IDを検索ボックスに入力して検索する、あるいは一覧表示されている測定結果をソートするという操作が不要であり、操作性が向上する。
【0138】
本実施形態によれば、データブラウザ画面D3を表示する指示を入力すると、同一の検体IDを含む他の測定結果を検索し、他の測定結果が記憶されている場合にのみ当該他の測定結果に対応付けられた検体リンクボタンを表示する構成とした。これにより、ユーザは、検体リンクボタンの表示の有無を確認するだけで、データブラウザ画面に表示された測定結果と同一の検体IDを含む他の測定結果が記憶されていることを知ることができる。したがって、初回測定の測定結果を表示させた場合には、再測定の測定結果に対応付けられた検体リンクボタンが表示されているか否かを確認することで、表示中の測定結果の検体が、少なくとも2回以上測定が行われた検体か、それとも1回しか測定されていない検体かを知ることができる。また、検体リンクボタンは、測定の回数に応じた個数だけ表示されるため、検体リンクボタンの数を数えるだけで、表示中の測定結果の検体について何回測定が行われたかを知ることができる。
【0139】
本実施形態では、データブラウザ画面D3のメイン表示領域A2に表示されている測定結果に対応する検体リンクボタンを、他の検体リンクボタンと異なる表示形式で表示する構成とした。これにより、現在データブラウザ画面に表示されている測定結果が複数の検体リンクボタンのいずれに対応しているかが一目で理解できる。
【0140】
本実施形態では、複数の検体リンクボタンを、それぞれのボタンに対応付けられている測定結果の測定が行われた順に左から並べて表示する構成とした。これにより、左から順に検体リンクボタンをクリックしていけば測定の順序に沿って測定結果を閲覧することができるため、ユーザにとって操作性が向上する。
【0141】
本実施形態では、検体リンクボタンに、それぞれのボタンに対応付けられている測定結果の基となる測定を行った測定ユニットの識別情報を表示する構成とした。これにより、ユーザは、検体リンクボタンを見るだけで、測定を行った測定ユニットを把握することができる。測定を行ったときのエラーの発生頻度や測定感度は、測定ユニットによって異なる場合がある。そのため、エラーが発生した測定結果をデータブラウザ画面を参照する場合には、いずれの測定ユニットで測定したかを知ることは、エラー発生原因を知るうえで重要な要素である。また、同じ測定項目を再測定したときに、1回目の測定と2回目の測定とで測定結果に差がある場合、測定ユニットの測定感度が影響していることが疑われる。そのため、測定ユニットの識別情報を検体リンクボタンとあわせて表示することで、ユーザにとって有用な情報を提供することができる。
【0142】
本実施形態によれば、一の測定結果をデータブラウザ画面D3で閲覧しているとき、前回値ボタンまたは次回値ボタンをクリックするだけで、表示されている測定結果の検体と同一の患者から採取された別の検体の測定結果を表示させることができる。
【0143】
本実施形態によれば、データブラウザ画面D3を表示する指示を入力すると、同一の患者IDを含む他の測定結果を検索し、他の測定結果が記憶されている場合にのみ前回値/次回値ボタンを表示する構成とした。これにより、ユーザは、前回値/次回値ボタンが表示されているか否かを見るだけで、データブラウザ画面に表示している測定結果と同一患者IDの他の測定結果が存在するかを知ることができる。
【0144】
本実施形態によれば、前回値ボタンをクリックすると、表示されている測定結果と同一の患者IDを含む測定結果のうち直前に測定が行われた測定結果を表示する。また、次回値ボタンをクリックすると、表示されている測定結果と同一の患者IDを含む測定結果のうち直後に測定が行われた測定結果を表示する。これにより、前回値/次回値ボタンをクリックしていくだけで時系列に沿って測定結果を閲覧することができる。
【0145】
本実施形態では、データブラウザ画面D3に表示される測定結果が同一患者IDの測定結果のうち最古の測定結果である場合には、前回値ボタンを非表示にし、データブラウザ画面D3に表示される測定結果が同一患者IDの測定結果のうち最新の測定結果である場合には、次回値ボタンを非表示にする構成とした。これにより、前回値/次回値ボタンが表示されているかを見るだけで、表示されている測定結果が最古の測定結果であるか、最新の測定結果であるかを容易に知ることができる。
【0146】
[他の実施形態の説明]
なお、本発明は上記の実施形態に限られず、種々の変更を伴い得る。
図13は、他の実施形態に係る検体分析システムの全体構成を示す概略平面図である。この実施形態の検体分析システムは、上記実施形態と異なり、ホストコンピュータ290が複数の測定ユニットから得られた測定結果を一元管理している。ホストコンピュータ290は、図3に示す情報処理ユニット5の構成と同様の構成を備えており、操作者が入力部292を操作することにより、ホストコンピュータ290が備える測定結果データベースDB1に格納された測定結果を、表示部291に表示させることができる。
【0147】
図13に示すように、検体分析システム200は、検体発送装置210と、搬送装置300と、測定ユニット230a、240a、250aと、塗抹標本作製装置260と、情報処理ユニット220と、検体回収装置270と、システム制御装置280とを備えている。情報処理ユニット220およびシステム制御装置280は、通信ネットワークを介してホストコンピュータ290と通信可能に接続されている。
【0148】
搬送装置3は、搬送ライン310a、310b、310c、310dを有し、これらの搬送ライン310a、310b、310c及び310dは図中横方向に延びるように互いに直列的に接続されている。搬送ライン310aの後方には測定ユニット230aと、測定ユニット230aに検体を供給するサンプラ230bが配置されている。搬送ライン310bの後方には測定ユニット240aと、測定ユニット240aに検体を供給するサンプラ240bが配置されている。搬送ライン310cの後方には測定ユニット250aと、測定ユニット250aに検体を供給するサンプラ250bが配置されている。また、搬送ライン310dの後方には塗抹標本作製装置260が配置されている。測定ユニット230a、240a、250aは、第1実施形態の測定ユニット2(3)と同様の構成である。サンプラ230b、240b、240cは、搬送ラインから検体ラックLを搬入する機能、及び検体搬送ユニット4から搬送ラインへ検体ラックLを搬出する機能を備えている点を除いては、第1実施形態の検体搬送ユニット4と同様の構成である。
【0149】
この検体処理システム1においては、複数の検体容器Tが収納された検体ラックLが操作者によって検体発送装置2にセットされる。ラック収容部201にセットされた検体ラックLは、図中矢印で示した経路を通って検体発送装置2から搬出され、搬送ライン310a、310b、310c、310dを経由して、検体回収装置7に回収される。検体発送装置2は、バーコードリーダ213を備えており、検体発送装置2にセットされた検体ラックLに保持された検体容器Tのバーコードを読み取る。読み取られたバーコード情報は、システム制御装置280へ送られる。
【0150】
システム制御装置280は、受信したバーコード情報をホストコンピュータ290に送信するとともに測定オーダを問い合わせる。ホストコンピュータ290は、測定オーダの問い合わせを受信すると、バーコード情報に含まれる検体IDに基づいて測定オーダを決定し、システム制御装置280に送る。システム制御装置280は、測定オーダを受信すると、受信した測定オーダに基づいて、検体ラックLの搬送先を測定ユニット230a、240a、250a、塗抹標本作製装置260の中から決定する。システム制御装置280は、搬送先を決定すると、その搬送先のユニット(装置)に対応して設けられた搬送ラインまで検体ラックLを搬送するよう搬送装置300を制御する。以下では、搬送先として測定ユニット240aが決定された場合を例示して説明する。
【0151】
システム制御装置280は、測定ユニット240aに検体ラックLを搬送する場合、搬送ライン310bまで検体ラックLを搬送するよう搬送装置300を制御する。搬送ライン310bに検体ラックLが到着すると、システム制御装置280は、搬送ライン310bからサンプラ240bに検体ラックLを搬入させる。サンプラ240bは、サンプラ240bに矢印で示したように検体ラックLを搬入し、測定ユニット240aに検体ラックLを供給したのち、再び搬送ライン310bに検体ラックLを搬出する。
【0152】
測定ユニット240aは、供給された検体ラックLに保持された検体容器Tから検体を吸引し、初回測定を実行する。測定ユニット240aが検体を測定して得られた測定データは、情報処理ユニット220に送られる。情報処理ユニット220は、測定データを解析してホストコンピュータ290に測定結果を送る。ホストコンピュータ290は、受信した測定結果を「Initial」のオーダ種別とともに測定結果データベースDB1に格納する。
【0153】
ホストコンピュータ290は、測定結果を格納するとともに、受信した測定結果に基づいて検体の再測定の要否を判定する。再測定が必要であると判定すると、ホストコンピュータ290は、再測定を行うべく追加オーダを生成する。追加オーダが生成されると、ホストコンピュータ290は、システム制御装置280に追加オーダを送信する。システム制御装置280は、追加オーダを受信すると、受信した追加オーダ情報に基づいて、搬送先を決定する。ここでは、測定ユニット240aの下流側に配置された測定ユニット250aが搬送先として決定されたとする。
【0154】
システム制御装置280は、測定ユニット250aに検体ラックLを搬送する場合、搬送ライン310cまで検体ラックLを搬送するよう搬送装置300を制御する。搬送ライン310cに検体ラックLが到着すると、システム制御装置280は、搬送ライン310cからサンプラ250bに検体ラックLを搬入させる。サンプラ250bは、検体ラックLを搬入し、測定ユニット250aに検体ラックLを供給したのち、再び搬送ライン310cに検体ラックLを搬出する。
【0155】
測定ユニット250aは、供給された検体ラックLに保持された検体容器Tから検体を吸引して再測定を実行する。測定ユニット250aが検体を測定して得られた測定データは、情報処理ユニット220に送られる。情報処理ユニット220は、測定データを解析してホストコンピュータ290に測定結果を送る。ホストコンピュータ290は、受信した測定結果を、追加オーダの種別とともに測定結果データベースDB1に格納する。上記の処理によって、ホストコンピュータ290の測定結果データベースDB1に測定結果が蓄積される。上記したように、ホストコンピュータ290は、操作者が入力部292を操作することにより、測定結果データベースDB1に格納された測定結果を表示部291に表示させることができる。
【0156】
なお、図13に示した例では、1台の情報処理ユニット220が複数の測定ユニットからの測定データを集約的に情報処理しているが、情報処理ユニット220が複数台設けられていてもよい。
【0157】
上記の実施形態では、検体分析装置が自動的に再測定を実行する構成を示したが、これに限られない。例えば、検体分析装置は、セットされた検体ラックを1回のみ測定し、ユーザが、測定結果を参照した結果、再測定が必要である判断した場合に、ユーザがマニュアルで再測定のオーダを入力し、再測定を実行させる構成であってもよい。
【0158】
上記の実施形態では、検体リンクボタンXまたは前回値/次回値ボタンYをクリックすると、メイン表示領域A2に表示されている測定結果が切り替わる構成を例示したが、これに限られない。例えば、検体リンクボタンに予め対応付けられている測定結果をポップアップ表示する構成であってもよい。この形態を図14を参照して説明する。図14は、データブラウザ画面の変形例を示す図である。データブラウザ画面D4の構成は図12のデータブラウザ画面とほぼ同じ構成であるので、詳細な説明は省略する。
【0159】
図14を参照して、検体リンクボタンX1に対応する「Initial」の測定結果がメイン表示領域A2に表示されているとする。この状態で、検体リンクボタンX2がクリックされると、検体リンクボタンX2に予め対応付けられた測定結果である「Initial/Repeat」の測定結果を表示する別ウィンドウD5がポップアップ表示される。ウィンドウD5の上部に設けられたタイトルバーD51には、表示されている測定結果のオーダ種別、測定を実行した測定ユニットの識別番号が表示される。これにより、ウィンドウD5に表示されている測定結果が何回目の測定によるものかを一目で把握することができる。
【0160】
ウィンドウD5は、データブラウザ画面D4の検体リンクボタンXをクリックすることで最大3個まで表示させることができる。各ウィンドウは重畳させて表示させることができ、各測定結果を並べて表示することもできる。
【0161】
なお、上記では検体リンクボタンXをクリックした場合を例にとって説明したが、前回値ボタンY1および次回値ボタンY2をクリックした場合も同様に別ウィンドウがポップアップ表示される。
【0162】
上記の実施形態では、「Reflex」を測定する際に、「Initial」又は「Initial/Repeat」の測定項目に加えて、追加の測定項目を測定する例を示した。これに限らず、「Reflex」を測定する際に、追加の測定のみを測定する形態であってもよい。
【0163】
上記の実施形態では、測定結果に異常数値が含まれている場合に「Rerun」を測定し、測定結果に含まれている数値が所定の数値範囲に入っている場合に「Reflex」を測定する形態を示したが、再測定が必要であると判定する条件としては様々な条件を設定することができ、特に限定されない。例えば、数値範囲はユーザが任意に設定できるようにしてもよい。また、再測定の条件は、数値範囲に限られない。例えば、ある検体の測定結果が得られると、その検体と同一の患者から採取された過去の検体を測定結果データベースの中から検索し、それらを比較し、両者の測定結果に顕著な違いが検知された場合に、再測定が必要であると判定する形態であってもよい。また、数値データではなく、スキャッタグラムやヒストグラムのパターンを解析して、解析結果に基づいて再測定の要否を判定する形態であってもよい。
【0164】
上記の実施形態では、検体リンクボタンをデータブラウザ画面D3に重ねて表示する形態を示したが、これに限られない。例えば、検体リンクボタンは、データブラウザ画面D3の画面外に表示されていてもよい。
【0165】
上記の実施形態では、他の測定結果の表示指示を入力するために検体リンクボタンを設けた例を示したが、検体リンクボタンに代えて所定の文字列を表示しておき、これにハイパーリンクを設定する形態でもよい。
【0166】
上記の実施形態では、画面上で検体リンクボタンをクリックすることで、検体リンクボタンに予め対応付けられている測定結果の表示指示が入力される形態を示したが、表示指示は、画面から入力されるものに限られない。例えば、データブラウザ画面D3とともに関連する測定結果を表示するための操作に関するメッセージを表示し、メッセージに記された操作が行われると、関連する測定結果を表示する構成であってもよい。
【0167】
この形態の一例として図15を参照して説明する。図15(a)は、データブラウザ画面に表示されるメッセージの一例を示した図である。図15(b)は、データブラウザ画面に表示されるメッセージを表示が切り替わる順序に沿って模式的に示した図である。
【0168】
この形態では、あらかじめ一つの測定結果に関連する他の測定結果のそれぞれについて、キーボードの特定のキーを割り当てておき、データブラウザ画面D3とともに、図15(a)のメッセージMSG1を表示する。特定のキー入力を受け付けると、入力されたキーに対応する測定結果を表示する。図15(a)の例では、「Initial/Repeat」に割り当てられているF2キーが押されると、「Initial/Repeat」の測定結果のデータブラウザ画面が表示される。「Reflex」に割り当てられているF3キーが押されると、「Reflex」の測定結果のデータブラウザ画面が表示される。
【0169】
さらなる別の形態として、図15(b)のメッセージをデータブラウザ画面D3とともに表示する。特定のキー(Tabキー)のキー入力を受け付けると、表示される測定結果を順次切り替える。図15(b)を参照して説明すると、「Initial」の測定結果がデータブラウザ画面に表示中の場合、メッセージMSG2が表示される。このメッセージMSG2が表示されている状態でTabキーが押下されると、データブラウザ画面には「Initial/Repeat」の測定結果が表示されるとともに、メッセージMSG2は、メッセージMSG3に切り替わる。このように、Tabキーが押下される毎に「Initial」、「Initial/Repeat」、「Reflex」、「Reflex/Repeat」の順に表示される測定結果が切り替わり、それに伴って表示されるメッセージも切り替わる。
【0170】
上記の実施形態では、血液分析装置を例にとって説明したが、本発明は、患者から採取された臨床検体を分析する装置であれば広く適用することができる。例えば尿分析装置、免疫分析装置、凝固時間測定装置、生化学分析装置などであってもよい。
【符号の説明】
【0171】
100 … 検体分析装置
2 … 測定ユニット
3 … 測定ユニット
4 … 検体搬送ユニット
5 … 情報処理ユニット
51 … コンピュータ本体
51d … ハードディスク
DB1 … 測定結果データベース
52 … 表示部
53 … 入力部
D1 … メニュー画面
D2 … サンプルエクスプローラ画面
D3 … データブラウザ画面
X1〜X4 … 検体リンクボタン
Y1 … 前回値ボタン
Y2 … 次回値ボタン
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体を測定して得られた測定結果を表示する表示部を備えた検体分析装置および検体分析システムに関する。さらに、本発明は、検体を測定して得られた測定結果を記憶し表示する測定結果管理装置及びコンピュータを動作させるコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、検体を測定して得られた測定結果を表示する検体分析装置が知られており、特許文献1がその具体例として挙げられる。
【0003】
特許文献1には、検体を測定して粒子測定データを生成する測定装置と、測定装置から受信した粒子測定データを分析して、数値データ、粒度分布図及びスキャッタグラムを含む詳細情報を生成するコンピュータとを備える分析装置が開示されている。コンピュータは、ディスプレイを備えており、特許文献1の図3に示されるように複数の検体の数値データをディスプレイに一覧表示することができる。操作者は、一覧表示された検体の中から一の検体を選択することで、同文献の図1及び図2に示されるように、粒度分布やスキャッタグラムといった詳細情報を表示させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−78508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
医師や臨床検査技師が測定結果を参照する場合、一つの測定結果だけでなく、それに関連する他の測定結果を参照することがある。例えば、再検が行われた検体の測定結果を承認するか否かを判断する際には、その検体の再検の測定結果だけでなく、同一検体の初検の測定結果を参照することがある。また、ある患者から得られた検体の測定結果を承認するか否かを判断する際には、その患者から得られた過去の検体の測定結果を参照することもある。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の装置では、ある測定結果の詳細情報を表示しているときに、表示中の測定結果に関連する測定結果の詳細情報を表示するには、一旦詳細表示画面を閉じ、一覧表示画面を開き、その中から関連する測定結果を検索し、検索された測定結果の詳細表示画面を表示させる操作が必要であった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、表示中の測定結果に関連する他の測定結果を、簡単な操作で表示させることが可能な検体分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1局面による検体分析装置は、検体を測定する測定部と、測定部によって検体を測定して得られた第1測定結果及び前記検体を再び測定して得られた第2測定結果を含む複数の測定結果を記憶するための記憶部と、記憶部に記憶されている一の測定結果を含む結果画面を表示する表示部と、再測定が行われた検体の第1及び第2測定結果の一方を含む第1結果画面を表示する場合、その検体の他方の測定結果を表示する指示を入力するための入力手段を第1結果画面とともに表示部に表示させ、表示指示が入力されると、前記他方の測定結果を含む第2結果画面を表示部に表示させる制御部とを備える。
【0009】
この構成によれば、再測定が行われた検体の測定結果を表示する場合、第1及び第2測定結果の一方が表示された第1結果画面とともに、他方の測定結果を表示する指示を入力するための入力手段が表示される。操作者は、この第1結果画面に入力手段が表示された状態で表示指示を入力するのみで、他方の測定結果を含む第2結果画面を表示させることができる。したがって、操作者は、表示中の測定結果と同一検体の測定結果を表示させるために、第1結果画面を閉じて検索画面を開いたり、検索画面において検索クエリを入力したりする操作を行う必要がない。
【0010】
上記第1の局面において、制御部は、第2結果画面を表示する場合、前記第1結果画面を表示する指示を入力するための入力手段を第2結果画面とともに表示部に表示させ、表示指示が入力されると、第1結果画面を表示部に表示させることが好ましい。
【0011】
上記第1の局面において、制御部は、再測定が行われた検体の第1測定結果を表示する場合、及び、前記検体の第2測定結果を表示する場合、その検体について第1測定結果が記憶されていることを示す第1の文字及び/又は図形を表示するとともに、第2測定結果が記憶されていることを示す第2の文字及び/又は図形を表示させ、再測定が行われていない検体の第1測定結果を表示する場合、第1測定結果が記憶されていることを示す第1の文字及び/又は図形のみを表示させることが好ましい。
【0012】
上記第1の局面において、制御部は、再測定が行われた検体の第1測定結果を表示する場合、第2の文字及び/又は図形を、第2測定結果を表示する指示を入力するための入力手段として機能させ、再測定が行われた検体の第2測定結果を表示する場合、第1の文字及び/又は図形を、第1測定結果を表示する指示を入力するための入力手段として機能させることが好ましい。
【0013】
上記第1の局面において、前記測定部を複数備え、前記第1の文字及び/又は図形は、第1測定結果に対応する測定を行った測定部を識別する識別情報の文字列を含み、前記第2の文字及び/又は図形は、第2測定結果に対応する測定を行った測定部を識別する識別情報の文字列を含むことが好ましい。
【0014】
上記第1の局面において、記憶部は、再測定が行われた検体を再び測定して得られた第3測定結果をも記憶することが可能であり、制御部は、少なくとも3回測定が行われた検体の第1測定結果を表示する場合、その検体の第2及び第3測定結果のいずれか一つを表示する指示を入力するための入力手段を、第1測定結果を含む第1結果画面とともに表示部に表示させ、操作部によって表示指示が入力されると、表示が指示された測定結果を含む第2結果画面を表示部に表示させることが好ましい。
【0015】
上記第1の局面において、制御部は、少なくとも3回測定が行われた検体について第1測定結果を表示する場合、その検体について第1測定結果が記憶されていることを示す第1の文字及び/又は図形と、前記検体について第2測定結果が記憶されていることを示す第2の文字及び/又は図形と、前記検体について第3測定結果が記憶されていることを示す第3の文字及び/又は図形を表示させることが好ましい。
【0016】
上記第1の局面において、制御部は、少なくとも3回測定が行われた検体について第1測定結果を表示する場合、第2の文字及び/又は図形を、第2測定結果を表示する指示を入力するための入力手段として機能させるとともに、第3の文字及び/又は図形を、第3測定結果を表示する指示を入力するための入力手段として機能させることが好ましい。
【0017】
上記第1の局面において、第1ないし第3の文字及び/又は図形は、対応する測定が行われた順に一列に並んで表示される好ましい。
【0018】
上記第1の局面において、制御部は、第1乃至第3の文字及び/又は図形のうち、表示されている測定結果に対応する文字及び/又は図形を、他の文字及び/又は図形と異なる表示形式で表示させることが好ましい。
【0019】
上記第1の局面において、第1結果画面は、前記他方の測定結果を含まず、第2結果画面は、前記一方の測定結果を含まないことが好ましい。
【0020】
上記第1の局面において、結果画面は、少なくとも、複数の測定項目の数値データが表示される数値データ領域と、検体に含まれる成分の分布図が表示される分布図領域とを含むことが好ましい。
【0021】
上記第1の局面において、測定部は、検体を測定して得られた測定結果が所定の条件を満たす場合に、前記検体を、自動的に再測定することが好ましい。
【0022】
本発明の第2の局面による検体分析装置は、検体を測定する測定部と、測定部によって検体を測定して得られた複数の測定結果を記憶する記憶部と、記憶部に記憶されている一の測定結果を含む結果画面を表示する表示部と、一の測定結果を表示する場合、該測定結果が得られた一の検体と同一の患者から採取された他の検体の測定結果を表示する指示を入力するための入力手段を結果画面とともに表示させ、表示指示が入力されると、前記他の検体の測定結果を表示させる制御部とを備える。
【0023】
この構成によれば、ある検体の一の測定結果を含む結果画面とともに、該測定結果が得られた一の検体と同一の患者から採取された他の検体の測定結果を表示する指示を入力するための入力手段が表示される。操作者は、この結果画面に入力手段が表示された状態で表示指示を入力するのみで、同一患者から採取された他の検体の測定結果を表示させることができる。したがって、操作者は、表示中の測定結果と同一の患者の測定結果を表示させるために、結果画面を閉じて検索画面を開いたり、検索画面において検索クエリを入力したりする操作を行う必要がない。
【0024】
上記第2の局面において、制御部は、表示指示が入力されると、前記他の検体のうち、前記一の検体の直前に測定が行われた検体の測定結果を表示させることが好ましい。
【0025】
上記第2の局面において、制御部は、同一の患者から採取された検体の測定結果のうち最も古い検体の測定結果を表示する場合、入力手段を非表示にする、請求項15に記載の検体分析装置。
【0026】
上記第2の局面において、制御部は、表示指示が入力されると、前記他の検体のうち、前記一の検体の直後に測定が行われた検体の測定結果を表示させることが好ましい。
【0027】
上記第2の局面において、制御部は、同一の患者から採取された検体の測定結果のうち最も新しい検体の測定結果を表示する場合、入力手段を非表示にすることが好ましい。
【0028】
本発明の第3の局面による検体分析システムは、検体を測定する複数の測定部と、複数の測定部によって検体を測定して得られた測定結果を管理する測定結果管理装置とを備え、測定結果管理装置は、複数の測定部のいずれかによって検体を測定して得られた第1測定結果、及び複数の測定部のいずれかによって前記検体を再び測定して得られた第2測定結果を含む複数の測定結果を記憶するための記憶部と、記憶部に記憶されている一の測定結果を含む結果画面を表示する表示部と、再測定が行われた検体の第1及び第2測定結果の一方を含む第1結果画面を表示する場合、その検体の他方の測定結果を表示する指示を入力するための入力手段を第1結果画面とともに表示部に表示させ、表示指示が入力されると、前記他方の測定結果を含む第2結果画面を表示部に表示させる制御部とを備える。
【0029】
この構成によれば、再測定が行われた検体の測定結果を表示する場合、第1及び第2測定結果の一方が表示された第1結果画面とともに、他方の測定結果を表示する指示を入力するための入力手段が表示される。操作者は、この第1結果画面に入力手段が表示された状態で表示指示を入力するのみで、他方の測定結果を含む第2結果画面を表示させることができる。したがって、操作者は、表示中の測定結果と同一検体の測定結果を表示させるために、第1結果画面を閉じて検索画面を開いたり、検索画面において検索クエリを入力したりする操作を行う必要がない。
【0030】
本発明の第4の局面による測定結果管理装置は、検体を測定して得られた測定結果を管理する測定結果管理装置であって、検体を測定して得られた第1測定結果及び前記検体を再び測定して得られた第2測定結果を含む複数の測定結果を記憶する記憶部と、記憶部に記憶されている一の測定結果を含む結果画面を表示する表示部と、再測定が行われた検体の第1及び第2測定結果のいずれか一方を含む第1結果画面を表示する場合、他方の測定結果を表示する指示を入力するための入力手段を第1結果画面とともに表示部に表示させ、表示指示が入力されると、前記他方の測定結果を含む第2結果画面を表示部に表示させる制御部とを備える。
【0031】
この構成によれば、再測定が行われた検体の測定結果を表示する場合、第1及び第2測定結果の一方が表示された第1結果画面とともに、他方の測定結果を表示する指示を入力するための入力手段が表示される。操作者は、この第1結果画面に入力手段が表示された状態で表示指示を入力するのみで、他方の測定結果を含む第2結果画面を表示させることができる。したがって、操作者は、表示中の測定結果と同一検体の測定結果を表示させるために、第1結果画面を閉じて検索画面を開いたり、検索画面において検索クエリを入力したりする操作を行う必要がない。
【0032】
本発明の第5の局面によるコンピュータプログラムは、記憶部と表示部とを備えるコンピュータを、測定結果を管理する測定結果管理装置として機能させるためのコンピュータプログラムであって、前記記憶部は、検体を測定して得られた第1測定結果及び前記検体を再び測定して得られた第2測定結果を含む複数の測定結果を記憶しており、コンピュータプログラムは、再測定が行われた検体の第1及び第2測定結果のいずれか一方を含む第1結果画面に表示する場合、他方の第2測定結果を表示する指示を入力するための入力手段を第1結果画面とともに表示部に表示させ、表示指示が入力されると、前記他方の測定結果を含む第2結果画面を表示部に表示させる。
【0033】
この構成によれば、再測定が行われた検体の測定結果を表示する場合、第1及び第2測定結果の一方が表示された第1結果画面とともに、他方の測定結果を表示する指示を入力するための入力手段が表示される。操作者は、この第1結果画面に入力手段が表示された状態で表示指示を入力するのみで、他方の測定結果を含む第2結果画面を表示させることができる。したがって、操作者は、表示中の測定結果と同一検体の測定結果を表示させるために、第1結果画面を閉じて検索画面を開いたり、検索画面において検索クエリを入力したりする操作を行う必要がない。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、表示中の測定結果に関連する他の測定結果を、簡単な操作で表示させ、参照することができる。
【0035】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態により何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】実施の形態に係る検体分析装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】実施の形態に係る検体分析装置内を上側から見た場合の構成を示す平面図である。
【図3】実施の形態に係る情報処理ユニットの構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態に係る測定結果リストのデータ構造を模式的に示す図である。
【図5】実施の形態に係る検体分析装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態に係るオーダリストのデータ構造を模式的に示す図である。
【図7】実施の形態に係る検体分析装置における再検判定ルールを示すフローチャートである。
【図8】実施の形態に係る表示処理を示すフローチャートである。
【図9】図8のフローチャートのサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】実施の形態に係るメニュー画面の例示図である。
【図11】実施の形態に係るサンプルエクスプローラ画面の例示図である。
【図12】実施の形態に係るデータブラウザ画面の例示図である。
【図13】他の実施の形態に係る検体分析システムの概略平面図である。
【図14】他の実施の形態に係るデータブラウザ画面の例示図である。
【図15】他の実施の形態に係る表示指示の入力方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
[検体分析装置の構成]
図1は、本実施の形態に係る検体分析装置の斜視図である。本実施の形態に係る検体分析装置100は、真空採血管からなる検体容器Tに収容された血液検体を測定し、血液検体に含まれる血球を白血球、赤血球、血小板等に分類し、各血球を計数する多項目血球分析装置である。
【0038】
図1に示す検体分析装置100は、2台の測定ユニット2、3と、測定ユニット2、3の前面側に配置された検体搬送ユニット4と、測定ユニット2、3及び検体搬送ユニット4を制御する情報処理ユニット5とを備えている。
【0039】
[測定ユニットの構成]
図2は、図1に示した検体分析装置100の構成を示す模式図である。測定ユニット2は、検体搬送ユニット4の検体の搬送方向の上流側(X2方向側)に配置され、測定ユニット3は、搬送方向の下流側(X1方向側)に配置されている。
【0040】
図2に示すように、測定ユニット2は、血液検体を検体容器(採血管)Tから吸引する検体吸引部21と、検体吸引部21により吸引した血液から血球等の血液成分の測定に用いられる測定試料を調製する試料調製部22と、試料調製部22により調製した測定試料から血球を検出する検出部23とを有している。
【0041】
また、測定ユニット2は、検体搬送ユニット4によって搬送された検体ラックLに収容された検体容器Tを測定ユニット2の内部に取り込むための取込口24(図1参照)と、検体ラックLから検体容器Tを測定ユニット2の内部に取り込み、検体吸引部21による吸引位置21aまで検体容器Tを搬送する検体容器搬送部25とをさらに有している。
【0042】
検体容器搬送部25は、検体容器Tを把持可能なハンド部25aと、検体容器Tを挿入可能な穴部を有する検体容器セット部25bを備えている。ハンド部25aは、上下方向及び前後方向(Y1及びY2方向)に移動可能であり、検体ラックLに収容された検体容器Tを把持し、検体ラックLから抜き出し、検体容器セット部25aにセットする。検体容器セット部25bが後方(Y2方向)に移動することで、検体容器Tが測定ユニット2の内部に取り込まれ、吸引位置21aまで検体容器Tが搬送される。
【0043】
[検体搬送ユニットの構成]
検体搬送ユニット4は、測定前の検体容器を保持した検体ラックLが配置される測定前ラック保持部41と、検体ラックLを左右(X1方向及びX2方向)に搬送する搬送路42と、測定後の検体容器を保持した検体ラックLが配置される測定後ラック保持部44とを備える。検体搬送ユニット4は、さらに、搬送路42によって搬送される検体ラックに保持された検体容器Tに貼付されたバーコードラベルを読み取るバーコードリーダ43を備える。検体容器Tのバーコードラベルには、検体容器に収容された血液検体を識別する検体識別情報(以下、検体IDという)が記憶されている。
【0044】
[情報処理ユニットの構成]
次に、情報処理ユニット5の構成について説明する。情報処理ユニット5は、測定ユニット2、3から出力された測定データを解析し、赤血球の粒度分布(ヒストグラム)、白血球の二次元分布図(スキャッタグラム)を作成したり、白血球の各サブクラス(NEUT、LYMPH、EO、BASO、及びMONO)の血球数を計数したりすることで、検体の測定結果を生成し、その測定結果を表示することができる。
【0045】
情報処理ユニット5は、コンピュータにより構成されている。図3は、情報処理ユニット5の構成を示すブロック図である。図3に示すように、情報処理ユニット5は、コンピュータ本体51と、表示部52と、入力部53とを備えている。コンピュータ本体51は、CPU51a、ROM51b、RAM51c、ハードディスク51d、読出装置51e、入出力インタフェース51f、通信インタフェース51g、及び画像出力インタフェース51hを備えている。CPU51a、ROM51b、RAM51c、ハードディスク51d、読出装置51e、入出力インタフェース51f、通信インタフェース51g、及び画像出力インタフェース51hは、バス51jによって接続されている。
【0046】
読出装置51eは、コンピュータを情報処理ユニット5として機能させるためのコンピュータプログラム54aを可搬型記録媒体54から読み出し、当該コンピュータプログラム54aをハードディスク51dにインストールすることが可能である。
【0047】
入出力インタフェース51fは、例えばUSB,IEEE1394,又はRS−232C等のシリアルインタフェース、SCSI,IDE,又はIEEE1284等のパラレルインタフェース、及びD/A変換器、A/D変換器等からなるアナログインタフェース等から構成されている。入出力インタフェース51fには、キーボード及びマウスからなる入力部53が接続されており、ユーザが当該入力部53を使用することにより、コンピュータ5aにデータを入力することが可能である。また、入出力インタフェース51fは、通信ケーブルを介して測定ユニット2、3及び検体搬送ユニット4に接続されている。これにより、情報処理ユニット5は、測定ユニット2、3及び検体搬送ユニット4のそれぞれを制御可能である。
【0048】
ハードディスク51dには、複数の検体についての複数の測定結果を格納する測定結果データベースDB1が設けられている。
【0049】
[測定結果データベースの構造]
図4を参照して、測定結果データベースDB1のデータ構造を説明する。図4は、ハードディスク51dの測定結果データベースDB1に格納されている測定結果リストL100のデータ構造を示す模式図である。
図4に示すように、測定結果リストL100は、結果ID列C1と、受付日時列C2と、測定日時列C3と、患者ID列C4と、検体ID列C5と、オーダ種別列C6と、エラー情報列C7、ユニット情報列C8、数値データ列C9、C10・・・を含む。
【0050】
結果ID列C1には、測定結果リストL100に格納されている各行(レコードともいう)を識別するための識別番号である結果IDが格納される。結果IDは、測定結果リストL100にレコードが追加される度に新たに割り当てられる。
【0051】
受付日時列C2には、検体分析装置100が検体を受け付けた日時が格納される。検体を受け付けた日時とは、バーコードリーダ43によって検体容器のバーコードラベルが読み取られた日時である。
【0052】
測定日時列C3には、検体が測定された日時が格納される。検体が測定された日時とは、検体測定ユニット2、3から出力された測定データが通信インターフェース51gを介して情報処理ユニット5に入力された日時である。
【0053】
患者ID列C4には、検体が採取された患者を識別する識別情報として患者IDが格納される。患者IDは、個々の患者を識別するために、患者ごとに割り当てられている。
【0054】
検体ID列C5には、検体容器に収容された検体を識別するための検体IDが格納される。検体IDは、個々の検体を識別するために検体ごとに割り当てられており、検体容器に貼付されるバーコードラベルに情報が組み込まれている。バーコードリーダ42がバーコードラベルを読み取って得られた検体IDは、情報処理ユニット5によって列C5に格納される。
【0055】
オーダ種別列C6には、その測定結果を生成するために行われた測定の種別が格納される。本実施形態では、測定の種別には「Initial」、「Initial/Repeat」、「Rerun」、「Rerun/Repeat」、「Reflex」、「Reflex/Repeat」の6つがある。これらのいずれか一つがオーダ種別列C6に格納される。
なお、本明細書では、「Initial」を初回測定(あるいは初検)と呼称し、その他の種別の測定を総称して再測定(あるいは再検)と呼称する。
【0056】
「Initial」は、初回測定である。初回測定とは、検体分析装置100が検体を受け付けて最初に行われる測定である。
【0057】
「Initial/Repeat」は、「Initial」にエラーが発生した場合に実行される測定である。エラーとは、測定ユニット2から受信した測定データに含まれるノイズが多すぎて解析を実行できない場合や、測定ユニット2が検体の吸引を試みたが、検体の量が足りず、検体を吸引できなかった場合等に発生する。この種別による測定では、初回測定と同じ測定項目について測定が行われる。
【0058】
「Rerun」は、「Initial」又は「Initial/Repeat」による測定結果の数値データが異常数値範囲に入った場合に実行される測定である。この種別による測定では、「Initial」と同じ測定項目について測定が行われる。
【0059】
「Rerun/Repeat」は、「Rerun」にエラーが発生した場合に実行される測定である。この種別による測定では、「Rerun」と同じ測定項目について測定が行われる。
【0060】
「Reflex」は、「Initial」又は「Initial/Repeat」による測定結果の数値データが予め決められた数値範囲内に入った場合に実行される測定である。この種別による測定では、「Initial」の測定項目に加えて、追加の測定項目が測定される。例えば、「Initial」の測定項目が「CBC+DIFF」であれば、これに「RET」を加えた「CBC+DIFF+RET」が測定される。
【0061】
「Reflex/Repeat」は、「Reflex」にエラーが発生した場合に実行される測定である。この種別による測定では、「Reflex」と同じ測定項目が測定される。
【0062】
エラー情報列C7には、その測定結果を生成するために行われた測定についてのエラーの有無が格納される。
【0063】
ユニット情報列C8には、その測定結果を生成するための測定を行った測定ユニットの識別番号が格納される。本実施形態では、測定ユニット2の識別番号は「XN-10000-1-R」と定められており、測定ユニット3の識別番号は「XN-10000-1-L」と定められている。
【0064】
数値データ列C9、C10には、測定結果の数値データが格納される。図4では列C9に白血球数(WBC)の数値データが格納されており、C10に赤血球数(RBC)の数値データが格納されている。なお、図4では、C9及びC10のみを図示し、以降の列は図示を省略している。
【0065】
[測定動作]
次に、検体分析装置100の検体ラック単位の処理動作を説明する。ユーザが、測定前ラック保持部41に検体ラックをセットし、情報処理ユニット5の入力部53を介して処理開始を指示すると動作が開始する。
【0066】
動作が開始すると、まず、検体搬送ユニット4が検体を搬送する。具体的には、検体搬送ユニット4は、処理開始の指示を受け付けると、検体ラックLを測定前ラック保持部41から搬送路42に向けて後方(Y2方向)に移動させる。搬送路42は、検体ラックLを受け取ると、搬送方向下流側(X1方向側)に向けて移動させ、検体ラックLに保持された複数の検体容器Tが一つずつバーコードリーダ43の前に位置するように、検体ラックを搬送する。バーコードリーダ43は、各検体容器Tのバーコードを読み取る。
【0067】
検体ラックLに保持された全ての検体容器Tのバーコードラベルが読み取られると、各検体容器Tが、測定ユニット2及び測定ユニット3のいずれかに搬送される。具体的には、検体ラックLのX1方向側から奇数番目に保持されている検体容器Tは、測定ユニット2に搬送される。検体ラックLのX1方向側から偶数番目に保持されている検体容器Tは、測定ユニット3に搬送される。測定ユニット2、3は、搬送された検体容器Tに収容されている検体について第1回の測定(初検ともいう)を行う。
【0068】
検体について測定が行われると、その検体について、再測定の要否が判定される。再測定が必要であると判定されると、その検体を収容した検体容器Tは、測定ユニット2および3のいずれかに搬送され、再測定が行われる。検体ラックLに保持された全ての検体容器Tについて再測定が不要であると判定されると、搬送路42は、検体ラックLを測定後ラック保持部44の後方(Y2方向側)まで搬送する。検体ラックLは、前方(Y1方向側)に移動され、測定後ラック保持部44に送られる。
【0069】
[検体測定動作]
次に、検体容器単位の処理動作についてフローチャートを用いて説明する。図5は、検体分析装置100の動作を示すフローチャートである。
検体容器Tに貼付されたバーコードラベルがバーコードリーダ43によって読み取られると、読取結果が情報処理ユニット5に送信され、情報処理ユニット5は受信した読取結果に基づいてオーダを取得し、オーダリストに追加する(ステップS101)。
【0070】
具体的には、情報処理ユニット5は、読取結果を受信すると、読取結果に含まれる検体IDをホストコンピュータHCに送信するとともに、ホストコンピュータHCに測定オーダを問い合わせる。ホストコンピュータHCには、検体IDに関連付けて、患者ID及び測定オーダが予め登録されている。ホストコンピュータHCは、受信した検体IDに関連付けて登録されている測定オーダ及び患者IDを情報処理ユニット5に送信する。情報処理ユニット5は、測定オーダを受信すると、オーダリストに新規オーダを登録する。
【0071】
図6は、オーダリストのデータ構造を模式的に示す図である。図6に示すように、オーダリストL200は、検体IDが格納される検体ID列C11と、オーダ種別が格納されるオーダ種別列C12と、測定ディスクリート項目が格納される測定ディスクリート列C13とを含む。
【0072】
情報処理ユニット5は、ホストコンピュータHCから測定オーダを受信すると、オーダリストの最下行に新規オーダを追加する。新規オーダの列C11には、検体容器Tから読み取られた検体IDが入力される。列C13には、受信した測定オーダに含まれる測定ディスクリート項目が入力される。列C12には、オーダ種別が入力される。列C12には、新規オーダの場合には「Initial」と入力され、追加オーダの場合には、後述の再検判定ルール(図7参照)に応じて設定されたオーダ種別が入力される。新規オーダとは、ホストコンピュータHCから受信した測定オーダに基づいてリストに追加されるオーダである。また、追加オーダとは、オーダリストL200に登録された測定オーダに基づいて測定を実行した結果、情報処理ユニット5が後述の再検判定ルール(図7参照)に合致したと判断した場合に、情報処理ユニット5が自動生成するオーダである。
【0073】
図5に戻って、情報処理ユニット5は、バーコードが読み取られた検体容器Tの搬送先を決定する(ステップS102)。具体的には、情報処理ユニット5は、検体容器Tを、第1測定ユニット2及び第2測定ユニット3のいずれに搬送するかを決定する。以下では、検体容器Tの搬送先が第1測定ユニット2に決定した場合を例示して説明する。
【0074】
検体搬送ユニット4は、搬送先として決定された測定ユニットに検体容器Tを搬送する(ステップS103)。具体的には、検体搬送ユニット4は、検体容器Tを、第1測定ユニット2のハンド部25aの直下の位置まで搬送する。
【0075】
第1測定ユニット2は、搬送された検体容器Tに収容されている検体を測定する(ステップS104)。具体的には、測定ユニット2は、ハンド部25aによって検体容器Tを把持し、検体容器Tを検体ラックLから取り出す。ハンド部25aは、検体搬送部25の検体容器セット部25bに検体容器Tをセットする。検体容器搬送部25が後方に移動し、検体容器Tが測定ユニット2に取り込まれる。検体容器Tは、吸引部21による吸引位置21aまで搬送される。吸引部21は、吸引位置21aに搬送された検体容器Tに穿刺され、検体容器Tに収容された血液検体を吸引する。吸引された血液検体は、試料調製部22に送られる。試料調製部22は、送られた血液検体と試薬とを混合して測定試料を調製する。調製された測定試料は、検出部23に送られる。検出部23は、送られた測定試料を電気的及び光学的に測定し、電気信号からなる測定データを生成する。測定データは、情報処理ユニット5に送られる。
【0076】
情報処理ユニット5は、送られた測定データをハードディスク51dに記憶するとともに、測定データを解析して測定結果を生成する(ステップS105)。具体的には、情報処理ユニット5は、測定データを解析することにより、赤血球数、白血球数、血小板数といった数値データを生成するとともに、赤血球及び血小板の粒度分布(ヒストグラム)並びに白血球のサブクラスの分布を二次元的に示す二次元分布図(スキャッタグラム)を作成する。
【0077】
情報処理ユニット5は、生成した測定結果を測定結果データベースDB1に格納する(ステップS106)。具体的には、情報処理ユニット5は、測定結果データベースDB1の測定結果リストL100の最下行に新規レコードを追加する。新規レコードの行の受付日時列C2には、バーコードリーダ42によって検体容器Tのバーコードラベルが読み取られた日時が入力される。測定日時列C3には、検体測定ユニット2から出力された測定データが通信インターフェース51gを介して情報処理ユニット5に入力された日時が入力される。患者ID列C4には、測定オーダとともにホストコンピュータHCから与えられた患者IDが入力される。検体ID列C5には、バーコードリーダ42が検体容器Tのバーコードラベルを読み取って得られた検体IDが入力される。オーダ種別列C6には、上述のオーダリストL200の列C12に入力されているオーダ種別が入力される。エラー情報列C7には、エラーが発生していれば「あり」と入力され、エラーが発生していれば「なし」と入力される。ユニット情報列C8には、上記の例では、測定ユニット2の識別番号である「XN-10000-1-R」が入力される。数値データ列C9、C10には、ステップS106で得られた測定結果の数値データが対応する列に入力される。ステップS106で作成されたヒストグラム及びスキャッタグラムは、追加された新規レコードに関連付けてハードディスク51dに格納される。
【0078】
次に、情報処理ユニット5は、追加オーダを生成するか否かを決定する(ステップS107)。この処理について、図6を参照して説明する。
図6は、追加オーダを生成するか否かを決定するための再検判定ルールを示すフローチャートである。情報処理ユニット5は、一回の測定が完了する都度、この再検判定ルールに照らして追加オーダを生成するか否か、換言すれば再検が必要か否かを自動的に決定する。
【0079】
まず、ある検体について「Initial」が測定されると(ステップS11)、情報処理ユニット5は、「Initial」の測定にエラーが発生したか否かを判断する(ステップS12)。
【0080】
エラーが発生したと判断されると(ステップS12:YES)、情報処理ユニット5は、追加オーダとして「Initial/Repeat」を生成する(ステップS13)。
なお、後に詳しく述べるが、ここで生成された追加オーダはオーダリストL200の最下行に追加され、追加オーダに基づいて自動的に再測定が実行される。
エラーが発生していないと判断されると(ステップS12:NO)、ステップS14へ処理が進む。
【0081】
情報処理ユニット5は、「Initial」又は「Initial/Repeat」の測定の結果、「Rerun」を測定すべき条件が満たされたか否かを判断する(ステップS14)。本実施形態では、「Initial」又は「Initial/Repeat」によって測定された一の測定項目の数値が、予め設定されている異常数値範囲に入った場合に、「Rerun」の条件を満たす。「Rerun」の条件を満たしていないと判断されると(ステップS14:NO)、ステップS18へ進む。「Rerun」の条件を満たすと判断されると(ステップS14:YES)、情報処理ユニット5は、追加オーダとして「Rerun」を生成する(ステップS15)。
【0082】
情報処理ユニット5は、「Rerun」の測定の結果、エラーが発生したか否かを判断する(ステップS16)。エラーが発生したか否かの判断は、ステップS12と同様である。エラーが発生したと判断されると、情報処理ユニット5は、追加オーダとして「Rerun/Repeat」を生成する(ステップS17)。エラーが発生していないと判断されると(ステップS16:NO)、追加オーダは生成されず、その検体に対する一連の測定が終了する。
【0083】
ステップS18では、「Initial」又は「Initial/Repeat」の結果が、「Reflex」を測定すべき条件に合致したか否かを判断する(ステップS18)。本実施形態では、「Initial」又は「Initial/Repeat」によって測定された一の測定項目の数値が、異常数値範囲ではないが、予め設定されている数値範囲に入った場合に、「Reflex」の条件を満たす。「Reflex」の条件を満たしていないと判断されると(ステップS18:NO)、追加オーダは生成されず、その検体に対する一連の測定が終了する。「Reflex」の条件を満たすと判断されると(ステップS18:YES)、情報処理ユニット5は、追加オーダとして「Reflex」を生成する(ステップS19)。
【0084】
情報処理ユニット5は、「Reflex」の測定の結果、エラーが発生したか否かを判断する(ステップS20)。エラーが発生したか否かの判断は、ステップS12と同様である。エラーが発生したと判断されると、情報処理ユニット5は、追加オーダとして「Reflex/Repeat」を生成する(ステップS21)。エラーが発生していないと判断されると(ステップS20:NO)、追加オーダは生成されず、その検体に対する一連の測定が終了する。
【0085】
図5に戻って、情報処理ユニット5は、ステップS108において、上記の再検判定ルールに照らして、追加オーダを生成するか否かを決定する。
追加オーダを生成しないと決定すると(ステップS108:NO)、その検体に対する一連の処理が完了する。追加オーダを生成すると決定すると(ステップS108:YES)、ステップS102に戻り、情報処理ユニット5は、追加オーダをオーダリストL200の最下行に追加する。追加オーダのオーダリストL200への追加処理について図6を参照して説明する。
【0086】
図6を参照して、M101の新規オーダに基づいて、検体ID:442の検体について「Initial」を測定した結果、追加オーダとして「Initial/Repeat」が生成される場合、追加オーダM102の列C11には「Initial」と同じ検体ID:442が入力され、列C12には、「Initial/Repeat」が入力される。「Initial/Repeat」は「Initial」と同じ測定ディスクリート項目を測定するオーダ種別であるから、列C13には、オーダM101と同じ「CBC+DIFF」が入力される。
また、M102の追加オーダに基づいて、検体ID:442の検体について「Initial/Repeat」を測定した結果、追加オーダとして「Reflex」が生成される場合、列C11には「Initial/Repeat」と同じ検体ID:442が入力され、オーダ種別には、「Reflex」が入力される。「Reflex」は、その検体について直前に測定された測定ディスクリート項目が追加される。そのため、追加オーダM103の列C13には、「CBC+DIFF」の測定ディスクリート項目に「RET」が追加され、「CBC+DIFF+RET」と入力される。
また、M103の追加オーダに基づいて、検体ID:442の検体について「Reflex」を測定した結果、追加オーダとして「Reflex/Repeat」が生成される場合、追加オーダM104の列C11には「Reflex」と同じ検体ID:442が入力され、列C12には、「Reflex/Repeat」が入力される。「Reflex/Repeat」は「Initial」と同じ測定ディスクリート項目を測定するオーダ種別であるから、列C13には、オーダM103と同じ「CBC+DIFF+RET」が入力される。
【0087】
図5に戻って、情報処理ユニット5は、追加オーダを生成すると決定すると(ステップS107:YES)、追加オーダをオーダリストL200に追加し(ステップS101)、追加されたオーダに基づいてステップS102〜ステップS106の処理を再び実行する。
【0088】
追加オーダについてステップS106までの処理が終了すると、情報処理ユニット5は、追加オーダによる測定結果を、測定結果データベースDB1の測定結果リストL100に登録する(ステップS107)。
【0089】
図4を参照して、追加オーダによる測定結果を測定結果データベースDB1に登録するときの処理を説明する。情報処理ユニット5は、追加オーダによって生成された測定結果を測定結果リストの最下行に新規レコードとして追加する。
【0090】
ここでは、追加オーダM102(図6参照)によって生成された測定結果が登録されるときの処理を例にとって説明する。追加オーダM102は、新規オーダM101に基づく再測定の追加オーダであるので(図6参照)、追加オーダM102の測定結果レコード(結果ID:X1015)は、新規オーダM101の測定結果レコード(結果ID:X1003)に基づいて作成される。具体的には、レコード(X1015)の列C2、C4、C5には、それぞれ、レコード(X1003)と同じ受付日時、患者ID、検体IDが入力される。そして、列C3には、追加オーダM102を測定した日時が入力される。列C6には、追加オーダM102に設定されているオーダ種別「Initial/Repeat」が入力される。列C8には、追加オーダの測定を行った測定ユニットの識別情報が入力される。列C9、C10には、追加オーダの測定により得られた数値データが入力される。
【0091】
以上の処理によって、検体の測定が終了する。この処理が複数回行われることにより、測定結果データベースDB1に複数の測定結果レコードが蓄積されていく。
【0092】
[測定結果表示処理]
次に、測定結果データベースDB1に記憶されている測定結果を表示する処理について説明する。
【0093】
図8は表示処理を示すフローチャートである。まず、情報処理ユニット5は、ハードディスク51dに格納されているアプリケーションプログラムが起動されると、図10に示すメニュー画面D1を表示部52に表示する(ステップS201)。
【0094】
図10は、メニュー画面D1を示している。メニュー画面D1には、ツールバーが表示されるツールバー表示領域A1と、他の画面へ遷移するための複数のアイコンが表示されるメイン表示領域A2が設けられている。
【0095】
ツールバー表示領域A1には、測定結果データベースDB1に記憶されている複数の測定結果レコードを一覧表示する「サンプルクエスプローラ画面」へ遷移するためのサンプルエクスプローラアイコンH1と、測定結果データベースDB1に記憶されている複数の測定結果レコードのうちの一つを詳細表示する「データブラウザ画面」へ遷移するためのデータブラウザアイコンH2とを含む。
【0096】
メイン表示領域A2には、サンプルエクスプローラアイコンH1と同じ機能を有するサンプルエクスプローラアイコンF1と、データブラウザアイコンH2とデータブラウザアイコンF2を含む。さらにメイン表示領域A2は、情報処理ユニット5のアプリケーションプログラムを終了するエンドアイコンF3を含む。
【0097】
図8に戻って、情報処理ユニット5は、サンプルエクスプローラ画面を表示する指示が入力されたか否かを判断する(ステップS202)。サンプルエクスプローラ画面の表示指示は、図10のメニュー画面において、サンプルエクスプローラアイコンH1、F1をマウスによってクリックすることで入力することができる。サンプルエクスプローラ画面の表示指示が入力されなければ(ステップS202:NO)、情報処理ユニット5は、表示指示を受け付けるまで判断を繰り返す。表示指示が入力されたと判断すると(ステップS202:YES)、情報処理ユニット5は、図11に示すサンプルエクスプローラ画面D2を表示部5に表示する。
【0098】
図11は、サンプルエクスプローラ画面D2を示している。サンプルエクスプローラ画面D2には、ツールバー表示領域A1と、メイン表示領域A2が設けられている。ツールバー表示領域A1は、図10のメニュー画面D1のものと同じ構成であるので、説明は省略する。
【0099】
メイン表示領域A2は、測定結果データベースDB1に格納された複数の測定結果レコードが一覧表示される検体リストW100と、検体リストW100において選択されている測定結果レコードの数値データが表示される数値データリストW200を含む。
【0100】
図11に示すように、検体リストW100は、検体IDフィールドS1、オーダ種別フィールドS2、エラー情報フィールドS3、測定日時フィールドS4、受付日時フィールドS5を含む。
検体IDフィールドS1には、図4の検体ID列C5に格納されている情報が表示される。オーダ種別フィールドS2には、図4のオーダ種別列C6に格納されている情報が表示される。エラー情報フィールドS3には、図4のエラー情報列C7に格納されている情報が表示される。測定日時フィールドS4には、図4の測定日時列C3に格納されている情報が表示される。受付日時フィールドS5には、図4の受付日時列C2に格納されている情報が表示される。
【0101】
数値データリストW200には、検体リストW100において選択されている測定結果レコードの数値データが一覧表示される。具体的には、数値データリストW200には、検体リストW100において選択されている測定結果レコードの列C9、C10・・・に格納されている情報が表示される。
【0102】
検体リストW100の各行は、マウスによって任意の行にカーソルを合わせ、クリックすることにより選択することができる。また、サンプルエクスプローラ画面D2は、画面右上の閉じるアイコンをクリックすることで閉じることができ、サンプルエクスプローラ画面D2を閉じると、メニュー画面D1に戻る。
【0103】
図8を参照して、情報処理ユニット5は、図11のサンプルエクスプローラ画面D2においてデータブラウザ画面D3の表示指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS204)。データブラウザ画面D3の表示指示は、図11のサンプルエクスプローラ画面D2において、表示したい測定結果の行を検体リストW100において選択した状態で、データブラウザアイコンH2をマウスによってダブルクリックすることで入力することができる。また、検体リストW100の表示したい測定結果の行をマウスによってダブルクリックすることによっても入力することができる。また、図10のメニュー画面D1において、データブラウザアイコンH2、F2をマウスによってクリックすることによっても入力することができる。この場合、測定結果データベースDB1に記憶されている測定結果レコードのうち、測定日時が最も新しい測定結果レコードが選択されたものとして取り扱われる。したがって、いずれの方法でデータブラウザ画面D3の表示指示を入力した場合であっても、記憶されている複数の測定結果レコードのうち一つの測定結果レコードが指定される。
【0104】
情報処理ユニット5は、データブラウザ画面D3の表示指示を受け付けたと判断すると(ステップS204:YES)、ステップS205へ処理を進める。一方、情報処理ユニット5は、データブラウザ画面D3の表示指示を受け付けていないと判断すると(ステップS204:NO)、ステップS210へ処理を進める。
【0105】
情報処理ユニット5は、データブラウザ画面D3の表示指示を受け付けたと判断すると(ステップS204:YES)、指定された測定結果レコードと同一の受付日時及び検体IDを含む測定結果レコードを検索する(ステップS205)。具体的には、情報処理ユニット5は、指定されたレコードの検体IDを検索クエリとして、測定結果データベースDB1の測定結果リストL100を検索し、同一の検体IDを含む測定結果レコードを測定結果リストL100から抽出する。さらに、情報処理ユニット5は、指定されたレコードの受付日時を検索クエリとして、抽出された測定結果レコードを検索し、指定されたレコードと同一の受付日時を含む測定結果レコードを抽出する。
【0106】
次に、情報処理ユニット5は、指定された測定結果レコードと同一の患者IDを含み、且つ、指定された測定結果レコードと異なる受付日時を含む測定結果を検索する(ステップS206)。具体的には、情報処理ユニット5は、指定された測定結果レコードの患者IDを検索クエリとして、測定結果データベースDB1の測定結果リストL100を検索し、同一の患者IDを含む測定結果レコードを測定結果リストL100から抽出する。さらに、情報処理ユニット5は、抽出された測定結果レコードの中から、指定された測定結果レコードの受付日時を含む測定結果レコードを除外することにより、指定されたレコードと異なる受付日時を含む測定結果レコードのみを抽出する。
【0107】
情報処理ユニット5は、データブラウザ画面D3を表示する(ステップS207)。この処理については、後述する。
情報処理ユニット5は、表示を終了する指示が入力されたか否かを判断する(ステップS208)。表示を終了する指示は、メニュー画面D1においてIPU終了アイコンF3をマウスによってクリックすることで入力することができる。表示を終了する指示が入力されたと判断されると(ステップS208:YES)、情報処理ユニット5は表示処理を終了する。表示を終了する指示が入力されていなければ(ステップS208:NO)、ステップS202へ処理を戻す。
【0108】
次に、データブラウザ画面を表示する処理について、図9のフローチャート及び図12のデータブラウザ画面を参照して説明する。
情報処理ユニット5は、データブラウザ画面を表示する(ステップS301)。図9は、データブラウザ画面D3を示している。データブラウザ画面D3は、指定された一つの測定結果レコードの詳細情報を表示するための画面である。ここでいう詳細情報とは、サンプルエクスプローラ画面D2に表示されない情報であって、具体的には、画像データがこれに該当する。本実施形態では、数値データとともに作成される赤血球及び血小板の粒度分布(ヒストグラム)の画像データ、および、白血球の二次元分布図(スキャッタグラム)の画像データが詳細情報に該当する。
【0109】
データブラウザ画面D3は、他の画面と同様に、ツールバー表示領域A1と、メイン表示領域A2とを含む。
ツールバー表示領域A1には、メニュー画面D1及びサンプルエクスプローラ画面D2と同様に、サンプルエクスプローラアイコンH1及びデータブラウザアイコンH2を含む画面遷移アイコン群が表示される。画面遷移アイコン群に隣接して、表示されている測定結果に対する操作を実行するための操作アイコン群が表示される。この操作アイコン群には、表示されている測定結果レコードの情報(患者氏名、担当医)などを修正するための修正アイコンN1、表示されている測定結果を承認(バリデーション)するためのバリデーションアイコンN2、データブラウザ画面D3を終了する閉じるアイコンN3が含まれる。操作アイコン群には、さらに、前回値ボタンY1と、次回値ボタンY2が表示される。前回値ボタンY1、次回値ボタンY2の機能については後述する。
【0110】
メイン表示領域A2には、一の測定結果の詳細情報が表示されている。図12の例では、メイン表示領域A2は、数値データ領域Pと、フラグ領域Qと、グラフ領域Rを含んでいる。数値データ領域Pは、CBC項目の数値データが表示されるCBC欄P1と、DIFF項目の数値データが表示されるDIFF欄P2と、RET項目の数値データが表示されるRET欄P3とを含んでいる。フラグ領域Qは、測定の結果としてフラグが設定された場合に、設定されたフラグが表示される領域であって、白血球(WBC)に関するフラグが表示されるWBCフラグ欄Q1と、赤血球(RBC)に関するフラグが表示されるRBCフラグ欄Q2、血小板(PLT)に関するフラグが表示されるPLTフラグ欄Q3を含んでいる。グラフ領域Rは、測定結果に含まれる画像が表示される領域であって、複数のスキャッタグラムR1と、赤血球(RBC)のヒストグラムR2と、血小板(PLT)のヒストグラムR3とを含んでいる。
【0111】
メイン表示領域A2の上方には、検体リンクボタン表示領域Xが設けられている。図12に示す例では、複数の検体リンクボタン群X1〜X4が表示されている。図12に示すデータブラウザ画面D3では、「Initial」、「Initial/Repeat」、「Reflex」及び「Reflex/Repeat」の合計4回の測定が行われた、検体ID:439で示される検体の「Initial」の測定結果を示している。検体リンクボタンは、検体の測定回数に応じた数だけ表示されるようになっており、図12に示す例では、合計4回の測定回数に応じて、4つの検体リンクボタンが表示されている。検体リンクボタンX1〜X4は、それぞれ、検体ID:439の「Initial」、「Initial/Repeat」、「Reflex」及び「Reflex/Repeat」の測定結果に対応付けられている。より詳しく説明すると、検体リンクボタンX1は、検体ID:439の検体の「Initial」の測定結果を表示させるためのボタンである。検体リンクボタンX2は、検体ID:439の検体の「Initial/Repeat」の測定結果を表示させるためのボタンである。検体リンクボタンX3は、検体ID:439の検体の「Reflex」の測定結果を表示させるためのボタンである。検体リンクボタンX4は、検体ID:439の検体の「Reflex/Repeat」の測定結果を表示させるためのボタンである。なお、図12に図示した状態では、検体リンクボタンX1は無効化されている。これらは後述するように、クリックすることで予め対応付けられた測定結果をメイン表示領域A2に表示させるためのボタンとして機能する。
【0112】
各検体リンクボタンX1〜X4は、それぞれが対応付けられた測定結果のオーダ種別と、対応付けられている測定結果の基となった測定を実行した測定ユニット2、3の識別情報とを含んでいる。ユーザは、ボタンを見ただけで各ボタンがいずれのオーダ種別の測定結果に対応付けられているか、さらには、対応付けられている測定結果の基となった測定をいずれの測定ユニットが実行したかを知ることができる。
【0113】
検体リンクボタンX1〜X4は、左から順に、「Initial」、「Initial/Repeat」、「Reflex」、「Reflex/Repeat」と並んでいる。この順序は、図6からも明らかなように、一つの検体に対して測定が行われる順序と同じである。ユーザは、左から順に検体リンクボタンをクリックしていけば、測定の順序に沿って測定結果を閲覧することができる
【0114】
本実施形態では、初検(「Initial」の測定)は必ず1回行われ、再測定は最大で3回行われる。これに対応して検体リンクボタンは、少なくとも1つ、最大で4つ表示される。つまり、この検体リンクボタンは、1つの検体について測定した回数に応じた数だけ表示されるため、ユーザは、データブラウザを開いたときに、検体リンクボタン表示領域Xにいくつのボタンが表示されているかを見るだけで、表示されている測定結果に関連する測定結果がいくつあるかを知ることができる。換言すると、再測定の回数を、検体リンクボタン表示領域Xに表示されているボタンの数を数えるだけで知ることができる。
【0115】
図12に示す例では、「Initial」ボタンX1が、他のボタンX2〜X4と異なる色で表示されている(図面では異なる色で表示されていることを示すために「Initial」ボタンX1にハッチングを掛けて図示している)。これは、メイン表示領域A2に表示されている測定結果のオーダ種別が「Initial」であることを示している。後述するように、図12の画面において他の検体リンクボタンX2〜X4を選択すると、選択された検体リンクボタンに予め対応付けられた測定結果がメイン表示領域A2に表示されるとともに、選択された検体リンクボタンのみ異なる色で表示される。したがって、ユーザは、データブラウザ画面を表示したときに、関連する測定結果のうちいずれの測定結果がメイン表示領域A2に表示されているかを視覚的に把握することができる。
【0116】
図9を参照して、情報処理ユニット5は、データブラウザ画面D3を表示する(ステップS301)。具体的には、情報処理ユニット5は、ステップS204(図8参照)で指定された測定結果レコードを読み出し、読み出された測定結果レコードに含まれる情報をメイン表示領域A2の各箇所に表示する。
【0117】
さらに、情報処理ユニット5は、ステップS205(図8参照)で検索した結果、指定された測定結果レコードと同一の検体IDを有する測定結果レコードが抽出された場合、抽出された測定結果レコードに対応する検体リンクボタンを表示する。
【0118】
例えば、図4を参照して、検体ID:442の「Initial」の測定結果レコード(結果ID:X1003)が指定されてデータブラウザ画面D3の表示指示が入力されたとする。この場合、検体ID:442を含む他の測定結果として、「Initial/Repeat」の測定結果レコード(結果ID:X1015)と、「Reflex」の測定結果レコード(結果ID:X1022)と、「Reflex/Repeat」の測定結果レコード(結果ID:X1030)の3つのレコードが抽出される。したがって、この場合、合計4つの検体リンクボタンが表示され、各検体リンクボタンには、「Initial」、「Initial/Repeat」、「Reflex」、「Reflex/Repeat」と表示される。また、この場合、抽出された測定結果レコードはいずれもユニット情報列C8に格納された情報が「XN-10000-1-L」であるから、各検体リンクボタンの装置識別情報として、すべて「XN-10000-1-L」と表示される。この状態が図12に図示されている。
【0119】
一方、図4を参照して、検体ID:440の測定結果(結果ID:X1001)が指定されてデータブラウザ画面D3の表示指示が入力されたとする。この場合、検体ID:440を含む他の測定結果レコードは記憶されていない、つまり、検体ID:440の検体は再測定が行われていない検体であるため、「Initial」以外の他の測定結果レコードが抽出されない。したがって、この場合、図12のデータブラウザ画面D3には、「Initial」の検体リンクボタンのみが表示されることになる。
【0120】
さらに、情報処理ユニット5は、ステップS206(図8参照)で検索した結果、指定された測定結果レコードと同一の患者IDを有する測定結果レコードが抽出された場合、抽出された測定結果レコードに応じて前回値ボタン/次回値ボタンを表示する。
【0121】
図4を参照して、例えば、結果ID:X4003の測定結果レコードが指定されてデータブラウザ画面D3の表示指示が入力されたとする。この場合、同一の患者IDを有する測定結果レコードとして、結果ID:X1002の測定結果レコードと、結果ID:9600の測定結果レコードの2つのレコードが抽出される。
【0122】
X1002の測定結果レコードは、指定されたX4003の測定結果レコードより受付日時が前であるから、X1002の測定結果レコードは、X4003の測定結果レコードに対して「前回値」にあたる。一方、X9600の測定結果レコードは、指定されたX4003の測定結果レコードより受付日時が後であるから、X9600の測定結果レコードは、X4003の測定結果レコードに対して「次回値」にあたる。
【0123】
したがって、この場合、データブラウザ画面D3には、メイン表示領域A2にX4003の測定結果が表示されるとともに、X1002の測定結果を表示させるための前回値ボタンY1と、X9600の測定結果を表示させるための次回値ボタンY2とが表示される。
【0124】
一方、図4を参照して、結果ID:X1001の測定結果レコードが指定されてデータブラウザ画面D3の表示指示が入力されたとする。この場合、患者ID:P837の測定結果レコードは1つしか記憶されていないため、他の測定結果レコードは抽出されず、前回値ボタン、次回値ボタンは表示されない。
また、結果ID:X1003の測定結果レコードが指定されてデータブラウザ画面D3の表示指示が入力されたとする。この場合、患者ID:P1001を含む測定結果レコードには、X1003の他にX1015、X1022、X1030の3つのレコードが存在するが、これらは全て受付日時が同じであるため、これらはX1003のレコードに対して「前回値」/「次回値」にあたらない。したがって、これらはステップS206の検索処理では抽出されず、前回値/次回値ボタンは表示されない。
【0125】
以上の処理によって、データブラウザ画面D3が表示される。
【0126】
情報処理ユニット5は、検体リンクボタンX2〜X4のいずれかがマウスによってクリックされたか否かを判断する(ステップS311)。検体リンクボタンX2〜X4のいずれかがクリックされると(ステップS311:YES)、情報処理ユニット5は、クリックされた検体リンクボタンに予め対応付けられている測定結果レコードを測定結果データベースDB1から読み出し(ステップS312)、読み出した測定結果レコードをメイン表示領域A2に表示する(ステップS313)。例えば、図12に示す画面において、検体リンクボタンX3がクリックされると、情報処理ユニット5は「Reflex」の測定結果レコードを読み出し、測定結果をメイン表示領域A2に表示する。このとき、検体リンクボタンX3の表示色が変わり、検体リンクボタンX1の表示色がデフォルトになる。
【0127】
検体リンクボタンがクリックされていなければ(ステップS311:NO)、情報処理ユニット5は、前回値ボタンY1がクリックされたか否かを判断する(ステップS321)。前回値ボタンY1がクリックされると(ステップS321:YES)、情報処理ユニット5は、表示されている測定結果に対して前回値にあたる測定結果レコードを測定結果データベースDB1から読み出す(ステップS322)。
【0128】
次に、情報処理ユニット5は、次に表示される測定結果レコードが、ステップS207で抽出された測定結果レコードの中で受付日時が最も古いか否かを判断する(ステップS323)。換言すると、情報処理ユニット5は、次に表示される測定結果のレコードよりさらに前回の測定結果レコードが存在するか否かを判断する。最も古い測定結果レコードである場合には(ステップS323:YES)、情報処理ユニット5は、前回値ボタンY1を非表示にする(ステップS324)。一方、最も古い測定結果レコードではない場合(ステップS323:NO)、情報処理ユニット5は、ステップS324をスキップする。
【0129】
情報処理ユニット5は、ステップS322で読み出した測定結果レコードをメイン表示領域A2に表示する(ステップS325)。
【0130】
前回値ボタンY1がクリックされていなければ(ステップS321:NO)、情報処理ユニット5は、次回値ボタンY2がクリックされたか否かを判断する(ステップS331)。次回値ボタンY2がクリックされると(ステップS331:YES)、情報処理ユニット5は、表示されている測定結果に対して次回値にあたる測定結果のレコードを測定結果データベースDB1から読み出す(ステップS332)。
【0131】
次に、情報処理ユニット5は、次に表示される測定結果レコードが、ステップS207で抽出された測定結果レコードの中で受付日時が最も新しいか否かを判断する(ステップS333)。換言すると、情報処理ユニット5は、次に表示される測定結果のレコードよりさらに次回の測定結果レコードが存在するか否かを判断する。最も新しい測定結果レコードである場合には(ステップS333:YES)、情報処理ユニット5は、次回値ボタンY2を非表示にする(ステップS334)。一方、最も新しい測定結果レコードではない場合(ステップS333:NO)、情報処理ユニット5は、ステップS334をスキップする。
【0132】
情報処理ユニット5は、ステップS332で読み出した測定結果レコードをメイン表示領域A2に表示する(ステップS335)。
【0133】
ステップS321〜325及びステップS331〜335の処理について、図4を参照して説明する。いま、図12のメイン表示領域A2に、図4の結果ID:X4003のレコードの測定結果が表示されているものとする。結果ID:X4003の測定結果レコードには、前回値としてX1002と、次回値としてX9600がある。ここで、前回値ボタンY1がクリックされると(ステップS321)、前回値としてX1002の測定結果レコードが読み出される(ステップS322)。X1002は、患者ID:P37を含む測定結果レコードの中では最も受付日時が古い測定結果レコードであるため、これより前回の測定結果レコードは存在しない。そのため、ステップS323はYESとなり、X1002のデータブラウザ画面D3では前回値ボタンY1は表示されない。同様に、次回値ボタンY2がクリックされると(ステップS331)、次回値としてX9600の測定結果レコードが読み出される(ステップS332)。X9600は、患者ID:P37を含む測定結果レコードの中では最も受付日時が新しい測定結果レコードであるため、これより次回の測定結果レコードは存在しない。そのため、ステップS333はYESとなり、X1002のデータブラウザ画面D3では前回値ボタンY1は表示されない。
【0134】
このように最も古い測定結果を表示する場合には前回値ボタンY1を非表示にし、最新の測定結果を表示する場合には次回値ボタンY2を非表示にすることで、ユーザは、前回値ボタンY1および次回値ボタンY2が表示されているかを見るだけで、現在表示されている測定結果が最新の測定結果であるか最古の測定結果であるかを知ることができる。
【0135】
次回値ボタンY2がクリックされなければ(ステップS331:NO)、情報処理ユニット5は、データブラウザ画面D3を終了する操作が行われたか否かを判断する(ステップS342)。データブラウザ画面D3を終了する操作は、画面遷移アイコン群に含まれる「閉じる」アイコンN3をクリックすることで行われる。終了操作が行われれば(ステップS341:YES)、情報処理ユニット5は、データブラウザ画面D3を閉じ、メニュー画面D1またはサンプルエクスプローラ画面D2に画面を遷移する。
【0136】
データブラウザ画面D3を終了する操作が行われなければ(ステップS341:YES)、情報処理ユニットは、データブラウザ画面D3上で操作が行われたか否かを判断し(ステップS351)、操作が行われれば(ステップS351:YES)、操作に応じた処理を行う。例えば、修正アイコンN1がクリックされれば、表示されている測定結果の情報の変更内容を入力するためのダイアログが表示され、変更が確定されると、記憶されている患者情報が変更され、画面が更新される。また、バリデートアイコンN2がクリックされると、表示されている測定結果が承認(バリデート)され、その測定結果がホストコンピュータHCに送信される。また、操作が行われなければ(ステップS351:NO)、ステップS311へ処理を戻す。
【0137】
本実施形態によれば、再測定が行われた検体の初回測定の測定結果(「Initial」)をデータブラウザ画面D3で閲覧している場合に、検体リンクボタンをクリックするだけで同一の検体の再測定の測定結果(「Initial/Repeat」等)を表示させることができる。したがって、本実施形態によれば、初回測定の測定結果を表示している状態から再測定の測定結果を表示させるために、一度データブラウザ画面D3を閉じてサンプルエクスプローラ画面D2に戻り、検体IDを検索ボックスに入力して検索する、あるいは一覧表示されている測定結果をソートするという操作が不要であり、操作性が向上する。
【0138】
本実施形態によれば、データブラウザ画面D3を表示する指示を入力すると、同一の検体IDを含む他の測定結果を検索し、他の測定結果が記憶されている場合にのみ当該他の測定結果に対応付けられた検体リンクボタンを表示する構成とした。これにより、ユーザは、検体リンクボタンの表示の有無を確認するだけで、データブラウザ画面に表示された測定結果と同一の検体IDを含む他の測定結果が記憶されていることを知ることができる。したがって、初回測定の測定結果を表示させた場合には、再測定の測定結果に対応付けられた検体リンクボタンが表示されているか否かを確認することで、表示中の測定結果の検体が、少なくとも2回以上測定が行われた検体か、それとも1回しか測定されていない検体かを知ることができる。また、検体リンクボタンは、測定の回数に応じた個数だけ表示されるため、検体リンクボタンの数を数えるだけで、表示中の測定結果の検体について何回測定が行われたかを知ることができる。
【0139】
本実施形態では、データブラウザ画面D3のメイン表示領域A2に表示されている測定結果に対応する検体リンクボタンを、他の検体リンクボタンと異なる表示形式で表示する構成とした。これにより、現在データブラウザ画面に表示されている測定結果が複数の検体リンクボタンのいずれに対応しているかが一目で理解できる。
【0140】
本実施形態では、複数の検体リンクボタンを、それぞれのボタンに対応付けられている測定結果の測定が行われた順に左から並べて表示する構成とした。これにより、左から順に検体リンクボタンをクリックしていけば測定の順序に沿って測定結果を閲覧することができるため、ユーザにとって操作性が向上する。
【0141】
本実施形態では、検体リンクボタンに、それぞれのボタンに対応付けられている測定結果の基となる測定を行った測定ユニットの識別情報を表示する構成とした。これにより、ユーザは、検体リンクボタンを見るだけで、測定を行った測定ユニットを把握することができる。測定を行ったときのエラーの発生頻度や測定感度は、測定ユニットによって異なる場合がある。そのため、エラーが発生した測定結果をデータブラウザ画面を参照する場合には、いずれの測定ユニットで測定したかを知ることは、エラー発生原因を知るうえで重要な要素である。また、同じ測定項目を再測定したときに、1回目の測定と2回目の測定とで測定結果に差がある場合、測定ユニットの測定感度が影響していることが疑われる。そのため、測定ユニットの識別情報を検体リンクボタンとあわせて表示することで、ユーザにとって有用な情報を提供することができる。
【0142】
本実施形態によれば、一の測定結果をデータブラウザ画面D3で閲覧しているとき、前回値ボタンまたは次回値ボタンをクリックするだけで、表示されている測定結果の検体と同一の患者から採取された別の検体の測定結果を表示させることができる。
【0143】
本実施形態によれば、データブラウザ画面D3を表示する指示を入力すると、同一の患者IDを含む他の測定結果を検索し、他の測定結果が記憶されている場合にのみ前回値/次回値ボタンを表示する構成とした。これにより、ユーザは、前回値/次回値ボタンが表示されているか否かを見るだけで、データブラウザ画面に表示している測定結果と同一患者IDの他の測定結果が存在するかを知ることができる。
【0144】
本実施形態によれば、前回値ボタンをクリックすると、表示されている測定結果と同一の患者IDを含む測定結果のうち直前に測定が行われた測定結果を表示する。また、次回値ボタンをクリックすると、表示されている測定結果と同一の患者IDを含む測定結果のうち直後に測定が行われた測定結果を表示する。これにより、前回値/次回値ボタンをクリックしていくだけで時系列に沿って測定結果を閲覧することができる。
【0145】
本実施形態では、データブラウザ画面D3に表示される測定結果が同一患者IDの測定結果のうち最古の測定結果である場合には、前回値ボタンを非表示にし、データブラウザ画面D3に表示される測定結果が同一患者IDの測定結果のうち最新の測定結果である場合には、次回値ボタンを非表示にする構成とした。これにより、前回値/次回値ボタンが表示されているかを見るだけで、表示されている測定結果が最古の測定結果であるか、最新の測定結果であるかを容易に知ることができる。
【0146】
[他の実施形態の説明]
なお、本発明は上記の実施形態に限られず、種々の変更を伴い得る。
図13は、他の実施形態に係る検体分析システムの全体構成を示す概略平面図である。この実施形態の検体分析システムは、上記実施形態と異なり、ホストコンピュータ290が複数の測定ユニットから得られた測定結果を一元管理している。ホストコンピュータ290は、図3に示す情報処理ユニット5の構成と同様の構成を備えており、操作者が入力部292を操作することにより、ホストコンピュータ290が備える測定結果データベースDB1に格納された測定結果を、表示部291に表示させることができる。
【0147】
図13に示すように、検体分析システム200は、検体発送装置210と、搬送装置300と、測定ユニット230a、240a、250aと、塗抹標本作製装置260と、情報処理ユニット220と、検体回収装置270と、システム制御装置280とを備えている。情報処理ユニット220およびシステム制御装置280は、通信ネットワークを介してホストコンピュータ290と通信可能に接続されている。
【0148】
搬送装置3は、搬送ライン310a、310b、310c、310dを有し、これらの搬送ライン310a、310b、310c及び310dは図中横方向に延びるように互いに直列的に接続されている。搬送ライン310aの後方には測定ユニット230aと、測定ユニット230aに検体を供給するサンプラ230bが配置されている。搬送ライン310bの後方には測定ユニット240aと、測定ユニット240aに検体を供給するサンプラ240bが配置されている。搬送ライン310cの後方には測定ユニット250aと、測定ユニット250aに検体を供給するサンプラ250bが配置されている。また、搬送ライン310dの後方には塗抹標本作製装置260が配置されている。測定ユニット230a、240a、250aは、第1実施形態の測定ユニット2(3)と同様の構成である。サンプラ230b、240b、240cは、搬送ラインから検体ラックLを搬入する機能、及び検体搬送ユニット4から搬送ラインへ検体ラックLを搬出する機能を備えている点を除いては、第1実施形態の検体搬送ユニット4と同様の構成である。
【0149】
この検体処理システム1においては、複数の検体容器Tが収納された検体ラックLが操作者によって検体発送装置2にセットされる。ラック収容部201にセットされた検体ラックLは、図中矢印で示した経路を通って検体発送装置2から搬出され、搬送ライン310a、310b、310c、310dを経由して、検体回収装置7に回収される。検体発送装置2は、バーコードリーダ213を備えており、検体発送装置2にセットされた検体ラックLに保持された検体容器Tのバーコードを読み取る。読み取られたバーコード情報は、システム制御装置280へ送られる。
【0150】
システム制御装置280は、受信したバーコード情報をホストコンピュータ290に送信するとともに測定オーダを問い合わせる。ホストコンピュータ290は、測定オーダの問い合わせを受信すると、バーコード情報に含まれる検体IDに基づいて測定オーダを決定し、システム制御装置280に送る。システム制御装置280は、測定オーダを受信すると、受信した測定オーダに基づいて、検体ラックLの搬送先を測定ユニット230a、240a、250a、塗抹標本作製装置260の中から決定する。システム制御装置280は、搬送先を決定すると、その搬送先のユニット(装置)に対応して設けられた搬送ラインまで検体ラックLを搬送するよう搬送装置300を制御する。以下では、搬送先として測定ユニット240aが決定された場合を例示して説明する。
【0151】
システム制御装置280は、測定ユニット240aに検体ラックLを搬送する場合、搬送ライン310bまで検体ラックLを搬送するよう搬送装置300を制御する。搬送ライン310bに検体ラックLが到着すると、システム制御装置280は、搬送ライン310bからサンプラ240bに検体ラックLを搬入させる。サンプラ240bは、サンプラ240bに矢印で示したように検体ラックLを搬入し、測定ユニット240aに検体ラックLを供給したのち、再び搬送ライン310bに検体ラックLを搬出する。
【0152】
測定ユニット240aは、供給された検体ラックLに保持された検体容器Tから検体を吸引し、初回測定を実行する。測定ユニット240aが検体を測定して得られた測定データは、情報処理ユニット220に送られる。情報処理ユニット220は、測定データを解析してホストコンピュータ290に測定結果を送る。ホストコンピュータ290は、受信した測定結果を「Initial」のオーダ種別とともに測定結果データベースDB1に格納する。
【0153】
ホストコンピュータ290は、測定結果を格納するとともに、受信した測定結果に基づいて検体の再測定の要否を判定する。再測定が必要であると判定すると、ホストコンピュータ290は、再測定を行うべく追加オーダを生成する。追加オーダが生成されると、ホストコンピュータ290は、システム制御装置280に追加オーダを送信する。システム制御装置280は、追加オーダを受信すると、受信した追加オーダ情報に基づいて、搬送先を決定する。ここでは、測定ユニット240aの下流側に配置された測定ユニット250aが搬送先として決定されたとする。
【0154】
システム制御装置280は、測定ユニット250aに検体ラックLを搬送する場合、搬送ライン310cまで検体ラックLを搬送するよう搬送装置300を制御する。搬送ライン310cに検体ラックLが到着すると、システム制御装置280は、搬送ライン310cからサンプラ250bに検体ラックLを搬入させる。サンプラ250bは、検体ラックLを搬入し、測定ユニット250aに検体ラックLを供給したのち、再び搬送ライン310cに検体ラックLを搬出する。
【0155】
測定ユニット250aは、供給された検体ラックLに保持された検体容器Tから検体を吸引して再測定を実行する。測定ユニット250aが検体を測定して得られた測定データは、情報処理ユニット220に送られる。情報処理ユニット220は、測定データを解析してホストコンピュータ290に測定結果を送る。ホストコンピュータ290は、受信した測定結果を、追加オーダの種別とともに測定結果データベースDB1に格納する。上記の処理によって、ホストコンピュータ290の測定結果データベースDB1に測定結果が蓄積される。上記したように、ホストコンピュータ290は、操作者が入力部292を操作することにより、測定結果データベースDB1に格納された測定結果を表示部291に表示させることができる。
【0156】
なお、図13に示した例では、1台の情報処理ユニット220が複数の測定ユニットからの測定データを集約的に情報処理しているが、情報処理ユニット220が複数台設けられていてもよい。
【0157】
上記の実施形態では、検体分析装置が自動的に再測定を実行する構成を示したが、これに限られない。例えば、検体分析装置は、セットされた検体ラックを1回のみ測定し、ユーザが、測定結果を参照した結果、再測定が必要である判断した場合に、ユーザがマニュアルで再測定のオーダを入力し、再測定を実行させる構成であってもよい。
【0158】
上記の実施形態では、検体リンクボタンXまたは前回値/次回値ボタンYをクリックすると、メイン表示領域A2に表示されている測定結果が切り替わる構成を例示したが、これに限られない。例えば、検体リンクボタンに予め対応付けられている測定結果をポップアップ表示する構成であってもよい。この形態を図14を参照して説明する。図14は、データブラウザ画面の変形例を示す図である。データブラウザ画面D4の構成は図12のデータブラウザ画面とほぼ同じ構成であるので、詳細な説明は省略する。
【0159】
図14を参照して、検体リンクボタンX1に対応する「Initial」の測定結果がメイン表示領域A2に表示されているとする。この状態で、検体リンクボタンX2がクリックされると、検体リンクボタンX2に予め対応付けられた測定結果である「Initial/Repeat」の測定結果を表示する別ウィンドウD5がポップアップ表示される。ウィンドウD5の上部に設けられたタイトルバーD51には、表示されている測定結果のオーダ種別、測定を実行した測定ユニットの識別番号が表示される。これにより、ウィンドウD5に表示されている測定結果が何回目の測定によるものかを一目で把握することができる。
【0160】
ウィンドウD5は、データブラウザ画面D4の検体リンクボタンXをクリックすることで最大3個まで表示させることができる。各ウィンドウは重畳させて表示させることができ、各測定結果を並べて表示することもできる。
【0161】
なお、上記では検体リンクボタンXをクリックした場合を例にとって説明したが、前回値ボタンY1および次回値ボタンY2をクリックした場合も同様に別ウィンドウがポップアップ表示される。
【0162】
上記の実施形態では、「Reflex」を測定する際に、「Initial」又は「Initial/Repeat」の測定項目に加えて、追加の測定項目を測定する例を示した。これに限らず、「Reflex」を測定する際に、追加の測定のみを測定する形態であってもよい。
【0163】
上記の実施形態では、測定結果に異常数値が含まれている場合に「Rerun」を測定し、測定結果に含まれている数値が所定の数値範囲に入っている場合に「Reflex」を測定する形態を示したが、再測定が必要であると判定する条件としては様々な条件を設定することができ、特に限定されない。例えば、数値範囲はユーザが任意に設定できるようにしてもよい。また、再測定の条件は、数値範囲に限られない。例えば、ある検体の測定結果が得られると、その検体と同一の患者から採取された過去の検体を測定結果データベースの中から検索し、それらを比較し、両者の測定結果に顕著な違いが検知された場合に、再測定が必要であると判定する形態であってもよい。また、数値データではなく、スキャッタグラムやヒストグラムのパターンを解析して、解析結果に基づいて再測定の要否を判定する形態であってもよい。
【0164】
上記の実施形態では、検体リンクボタンをデータブラウザ画面D3に重ねて表示する形態を示したが、これに限られない。例えば、検体リンクボタンは、データブラウザ画面D3の画面外に表示されていてもよい。
【0165】
上記の実施形態では、他の測定結果の表示指示を入力するために検体リンクボタンを設けた例を示したが、検体リンクボタンに代えて所定の文字列を表示しておき、これにハイパーリンクを設定する形態でもよい。
【0166】
上記の実施形態では、画面上で検体リンクボタンをクリックすることで、検体リンクボタンに予め対応付けられている測定結果の表示指示が入力される形態を示したが、表示指示は、画面から入力されるものに限られない。例えば、データブラウザ画面D3とともに関連する測定結果を表示するための操作に関するメッセージを表示し、メッセージに記された操作が行われると、関連する測定結果を表示する構成であってもよい。
【0167】
この形態の一例として図15を参照して説明する。図15(a)は、データブラウザ画面に表示されるメッセージの一例を示した図である。図15(b)は、データブラウザ画面に表示されるメッセージを表示が切り替わる順序に沿って模式的に示した図である。
【0168】
この形態では、あらかじめ一つの測定結果に関連する他の測定結果のそれぞれについて、キーボードの特定のキーを割り当てておき、データブラウザ画面D3とともに、図15(a)のメッセージMSG1を表示する。特定のキー入力を受け付けると、入力されたキーに対応する測定結果を表示する。図15(a)の例では、「Initial/Repeat」に割り当てられているF2キーが押されると、「Initial/Repeat」の測定結果のデータブラウザ画面が表示される。「Reflex」に割り当てられているF3キーが押されると、「Reflex」の測定結果のデータブラウザ画面が表示される。
【0169】
さらなる別の形態として、図15(b)のメッセージをデータブラウザ画面D3とともに表示する。特定のキー(Tabキー)のキー入力を受け付けると、表示される測定結果を順次切り替える。図15(b)を参照して説明すると、「Initial」の測定結果がデータブラウザ画面に表示中の場合、メッセージMSG2が表示される。このメッセージMSG2が表示されている状態でTabキーが押下されると、データブラウザ画面には「Initial/Repeat」の測定結果が表示されるとともに、メッセージMSG2は、メッセージMSG3に切り替わる。このように、Tabキーが押下される毎に「Initial」、「Initial/Repeat」、「Reflex」、「Reflex/Repeat」の順に表示される測定結果が切り替わり、それに伴って表示されるメッセージも切り替わる。
【0170】
上記の実施形態では、血液分析装置を例にとって説明したが、本発明は、患者から採取された臨床検体を分析する装置であれば広く適用することができる。例えば尿分析装置、免疫分析装置、凝固時間測定装置、生化学分析装置などであってもよい。
【符号の説明】
【0171】
100 … 検体分析装置
2 … 測定ユニット
3 … 測定ユニット
4 … 検体搬送ユニット
5 … 情報処理ユニット
51 … コンピュータ本体
51d … ハードディスク
DB1 … 測定結果データベース
52 … 表示部
53 … 入力部
D1 … メニュー画面
D2 … サンプルエクスプローラ画面
D3 … データブラウザ画面
X1〜X4 … 検体リンクボタン
Y1 … 前回値ボタン
Y2 … 次回値ボタン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体を測定する測定部と、
測定部によって検体を測定して得られた第1測定結果及び前記検体を再び測定して得られた第2測定結果を含む複数の測定結果を記憶するための記憶部と、
記憶部に記憶されている一の測定結果を含む結果画面を表示する表示部と、
再測定が行われた検体の第1及び第2測定結果の一方を含む第1結果画面を表示する場合、その検体の他方の測定結果を表示する指示を入力するための入力手段を第1結果画面とともに表示部に表示させ、表示指示が入力されると、前記他方の測定結果を含む第2結果画面を表示部に表示させる制御部とを備える、検体分析装置。
【請求項2】
制御部は、第2結果画面を表示する場合、前記第1結果画面を表示する指示を入力するための入力手段を第2結果画面とともに表示部に表示させ、表示指示が入力されると、第1結果画面を表示部に表示させる、請求項1に記載の検体分析装置。
【請求項3】
制御部は、
再測定が行われた検体の第1測定結果を表示する場合、及び、前記検体の第2測定結果を表示する場合、その検体について第1測定結果が記憶されていることを示す第1の文字及び/又は図形を表示するとともに、第2測定結果が記憶されていることを示す第2の文字及び/又は図形を表示させ、
再測定が行われていない検体の第1測定結果を表示する場合、第1測定結果が記憶されていることを示す第1の文字及び/又は図形のみを表示させる、請求項1又は2に記載の検体分析装置。
【請求項4】
制御部は、
再測定が行われた検体の第1測定結果を表示する場合、第2の文字及び/又は図形を、第2測定結果を表示する指示を入力するための入力手段として機能させ、
再測定が行われた検体の第2測定結果を表示する場合、第1の文字及び/又は図形を、第1測定結果を表示する指示を入力するための入力手段として機能させる、請求項3に記載の検体分析装置。
【請求項5】
前記測定部を複数備え、
前記第1の文字及び/又は図形は、第1測定結果に対応する測定を行った測定部を識別する識別情報の文字列を含み、
前記第2の文字及び/又は図形は、第2測定結果に対応する測定を行った測定部を識別する識別情報の文字列を含む、請求項3または4に記載の検体分析装置。
【請求項6】
記憶部は、再測定が行われた検体を再び測定して得られた第3測定結果をも記憶することが可能であり、
制御部は、少なくとも3回測定が行われた検体の第1測定結果を表示する場合、その検体の第2及び第3測定結果のいずれか一つを表示する指示を入力するための入力手段を、第1測定結果を含む第1結果画面とともに表示部に表示させ、操作部によって表示指示が入力されると、表示が指示された測定結果を含む第2結果画面を表示部に表示させる、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の検体分析装置。
【請求項7】
制御部は、少なくとも3回測定が行われた検体について第1測定結果を表示する場合、その検体について第1測定結果が記憶されていることを示す第1の文字及び/又は図形と、前記検体について第2測定結果が記憶されていることを示す第2の文字及び/又は図形と、前記検体について第3測定結果が記憶されていることを示す第3の文字及び/又は図形を表示させる、請求項6に記載の検体分析装置。
【請求項8】
制御部は、少なくとも3回測定が行われた検体について第1測定結果を表示する場合、第2の文字及び/又は図形を、第2測定結果を表示する指示を入力するための入力手段として機能させるとともに、第3の文字及び/又は図形を、第3測定結果を表示する指示を入力するための入力手段として機能させる、請求項7に記載の検体分析装置。
【請求項9】
第1ないし第3の文字及び/又は図形は、対応する測定が行われた順に一列に並んで表示される、請求項7または8に記載の検体分析装置。
【請求項10】
制御部は、第1乃至第3の文字及び/又は図形のうち、表示されている測定結果に対応する文字及び/又は図形を、他の文字及び/又は図形と異なる表示形式で表示させる、請求項7ないし9のいずれか一項に記載の検体分析装置。
【請求項11】
第1結果画面は、前記他方の測定結果を含まず、
第2結果画面は、前記一方の測定結果を含まない、請求項1ないし10のいずれか一項に記載の検体分析装置。
【請求項12】
結果画面は、少なくとも、複数の測定項目の数値データが表示される数値データ領域と、検体に含まれる成分の分布図が表示される分布図領域とを含む、請求項1ないし11のいずれか一項に記載の検体分析装置。
【請求項13】
測定部は、検体を測定して得られた測定結果が所定の条件を満たす場合に、前記検体を、自動的に再測定する、請求項1ないし12のいずれか一項に記載の検体分析装置。
【請求項14】
検体を測定する測定部と、
測定部によって検体を測定して得られた複数の測定結果を記憶する記憶部と、
記憶部に記憶されている一の測定結果を含む結果画面を表示する表示部と、
一の測定結果を表示する場合、該測定結果が得られた一の検体と同一の患者から採取された他の検体の測定結果を表示する指示を入力するための入力手段を結果画面とともに表示させ、表示指示が入力されると、前記他の検体の測定結果を表示させる制御部とを備える、検体分析装置。
【請求項15】
制御部は、表示指示が入力されると、前記他の検体のうち、前記一の検体の直前に測定が行われた検体の測定結果を表示させる、請求項14に記載の検体分析装置。
【請求項16】
制御部は、同一の患者から採取された検体の測定結果のうち最も古い検体の測定結果を表示する場合、入力手段を非表示にする、請求項15に記載の検体分析装置。
【請求項17】
制御部は、表示指示が入力されると、前記他の検体のうち、前記一の検体の直後に測定が行われた検体の測定結果を表示させる、請求項14ないし16のいずれか一項に記載の検体分析装置。
【請求項18】
制御部は、同一の患者から採取された検体の測定結果のうち最も新しい検体の測定結果を表示する場合、入力手段を非表示にする、請求項17に記載の検体分析装置。
【請求項19】
検体を測定する複数の測定部と、
複数の測定部によって検体を測定して得られた測定結果を管理する測定結果管理装置とを備え、
測定結果管理装置は、
複数の測定部のいずれかによって検体を測定して得られた第1測定結果、及び複数の測定部のいずれかによって前記検体を再び測定して得られた第2測定結果を含む複数の測定結果を記憶するための記憶部と、
記憶部に記憶されている一の測定結果を含む結果画面を表示する表示部と、
再測定が行われた検体の第1及び第2測定結果の一方を含む第1結果画面を表示する場合、その検体の他方の測定結果を表示する指示を入力するための入力手段を第1結果画面とともに表示部に表示させ、表示指示が入力されると、前記他方の測定結果を含む第2結果画面を表示部に表示させる制御部とを備える、検体分析システム。
【請求項20】
検体を測定して得られた測定結果を管理する測定結果管理装置であって、
検体を測定して得られた第1測定結果及び前記検体を再び測定して得られた第2測定結果を含む複数の測定結果を記憶する記憶部と、
記憶部に記憶されている一の測定結果を含む結果画面を表示する表示部と、
再測定が行われた検体の第1及び第2測定結果のいずれか一方を含む第1結果画面を表示する場合、他方の測定結果を表示する指示を入力するための入力手段を第1結果画面とともに表示部に表示させ、表示指示が入力されると、前記他方の測定結果を含む第2結果画面を表示部に表示させる制御部とを備える、測定結果管理装置。
【請求項21】
記憶部と表示部とを備えるコンピュータを、測定結果を管理する測定結果管理装置として機能させるためのコンピュータプログラムであって、
前記記憶部は、検体を測定して得られた第1測定結果及び前記検体を再び測定して得られた第2測定結果を含む複数の測定結果を記憶しており、
コンピュータプログラムは、
再測定が行われた検体の第1及び第2測定結果のいずれか一方を含む第1結果画面に表示する場合、他方の第2測定結果を表示する指示を入力するための入力手段を第1結果画面とともに表示部に表示させ、表示指示が入力されると、前記他方の測定結果を含む第2結果画面を表示部に表示させる、コンピュータプログラム。
【請求項1】
検体を測定する測定部と、
測定部によって検体を測定して得られた第1測定結果及び前記検体を再び測定して得られた第2測定結果を含む複数の測定結果を記憶するための記憶部と、
記憶部に記憶されている一の測定結果を含む結果画面を表示する表示部と、
再測定が行われた検体の第1及び第2測定結果の一方を含む第1結果画面を表示する場合、その検体の他方の測定結果を表示する指示を入力するための入力手段を第1結果画面とともに表示部に表示させ、表示指示が入力されると、前記他方の測定結果を含む第2結果画面を表示部に表示させる制御部とを備える、検体分析装置。
【請求項2】
制御部は、第2結果画面を表示する場合、前記第1結果画面を表示する指示を入力するための入力手段を第2結果画面とともに表示部に表示させ、表示指示が入力されると、第1結果画面を表示部に表示させる、請求項1に記載の検体分析装置。
【請求項3】
制御部は、
再測定が行われた検体の第1測定結果を表示する場合、及び、前記検体の第2測定結果を表示する場合、その検体について第1測定結果が記憶されていることを示す第1の文字及び/又は図形を表示するとともに、第2測定結果が記憶されていることを示す第2の文字及び/又は図形を表示させ、
再測定が行われていない検体の第1測定結果を表示する場合、第1測定結果が記憶されていることを示す第1の文字及び/又は図形のみを表示させる、請求項1又は2に記載の検体分析装置。
【請求項4】
制御部は、
再測定が行われた検体の第1測定結果を表示する場合、第2の文字及び/又は図形を、第2測定結果を表示する指示を入力するための入力手段として機能させ、
再測定が行われた検体の第2測定結果を表示する場合、第1の文字及び/又は図形を、第1測定結果を表示する指示を入力するための入力手段として機能させる、請求項3に記載の検体分析装置。
【請求項5】
前記測定部を複数備え、
前記第1の文字及び/又は図形は、第1測定結果に対応する測定を行った測定部を識別する識別情報の文字列を含み、
前記第2の文字及び/又は図形は、第2測定結果に対応する測定を行った測定部を識別する識別情報の文字列を含む、請求項3または4に記載の検体分析装置。
【請求項6】
記憶部は、再測定が行われた検体を再び測定して得られた第3測定結果をも記憶することが可能であり、
制御部は、少なくとも3回測定が行われた検体の第1測定結果を表示する場合、その検体の第2及び第3測定結果のいずれか一つを表示する指示を入力するための入力手段を、第1測定結果を含む第1結果画面とともに表示部に表示させ、操作部によって表示指示が入力されると、表示が指示された測定結果を含む第2結果画面を表示部に表示させる、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の検体分析装置。
【請求項7】
制御部は、少なくとも3回測定が行われた検体について第1測定結果を表示する場合、その検体について第1測定結果が記憶されていることを示す第1の文字及び/又は図形と、前記検体について第2測定結果が記憶されていることを示す第2の文字及び/又は図形と、前記検体について第3測定結果が記憶されていることを示す第3の文字及び/又は図形を表示させる、請求項6に記載の検体分析装置。
【請求項8】
制御部は、少なくとも3回測定が行われた検体について第1測定結果を表示する場合、第2の文字及び/又は図形を、第2測定結果を表示する指示を入力するための入力手段として機能させるとともに、第3の文字及び/又は図形を、第3測定結果を表示する指示を入力するための入力手段として機能させる、請求項7に記載の検体分析装置。
【請求項9】
第1ないし第3の文字及び/又は図形は、対応する測定が行われた順に一列に並んで表示される、請求項7または8に記載の検体分析装置。
【請求項10】
制御部は、第1乃至第3の文字及び/又は図形のうち、表示されている測定結果に対応する文字及び/又は図形を、他の文字及び/又は図形と異なる表示形式で表示させる、請求項7ないし9のいずれか一項に記載の検体分析装置。
【請求項11】
第1結果画面は、前記他方の測定結果を含まず、
第2結果画面は、前記一方の測定結果を含まない、請求項1ないし10のいずれか一項に記載の検体分析装置。
【請求項12】
結果画面は、少なくとも、複数の測定項目の数値データが表示される数値データ領域と、検体に含まれる成分の分布図が表示される分布図領域とを含む、請求項1ないし11のいずれか一項に記載の検体分析装置。
【請求項13】
測定部は、検体を測定して得られた測定結果が所定の条件を満たす場合に、前記検体を、自動的に再測定する、請求項1ないし12のいずれか一項に記載の検体分析装置。
【請求項14】
検体を測定する測定部と、
測定部によって検体を測定して得られた複数の測定結果を記憶する記憶部と、
記憶部に記憶されている一の測定結果を含む結果画面を表示する表示部と、
一の測定結果を表示する場合、該測定結果が得られた一の検体と同一の患者から採取された他の検体の測定結果を表示する指示を入力するための入力手段を結果画面とともに表示させ、表示指示が入力されると、前記他の検体の測定結果を表示させる制御部とを備える、検体分析装置。
【請求項15】
制御部は、表示指示が入力されると、前記他の検体のうち、前記一の検体の直前に測定が行われた検体の測定結果を表示させる、請求項14に記載の検体分析装置。
【請求項16】
制御部は、同一の患者から採取された検体の測定結果のうち最も古い検体の測定結果を表示する場合、入力手段を非表示にする、請求項15に記載の検体分析装置。
【請求項17】
制御部は、表示指示が入力されると、前記他の検体のうち、前記一の検体の直後に測定が行われた検体の測定結果を表示させる、請求項14ないし16のいずれか一項に記載の検体分析装置。
【請求項18】
制御部は、同一の患者から採取された検体の測定結果のうち最も新しい検体の測定結果を表示する場合、入力手段を非表示にする、請求項17に記載の検体分析装置。
【請求項19】
検体を測定する複数の測定部と、
複数の測定部によって検体を測定して得られた測定結果を管理する測定結果管理装置とを備え、
測定結果管理装置は、
複数の測定部のいずれかによって検体を測定して得られた第1測定結果、及び複数の測定部のいずれかによって前記検体を再び測定して得られた第2測定結果を含む複数の測定結果を記憶するための記憶部と、
記憶部に記憶されている一の測定結果を含む結果画面を表示する表示部と、
再測定が行われた検体の第1及び第2測定結果の一方を含む第1結果画面を表示する場合、その検体の他方の測定結果を表示する指示を入力するための入力手段を第1結果画面とともに表示部に表示させ、表示指示が入力されると、前記他方の測定結果を含む第2結果画面を表示部に表示させる制御部とを備える、検体分析システム。
【請求項20】
検体を測定して得られた測定結果を管理する測定結果管理装置であって、
検体を測定して得られた第1測定結果及び前記検体を再び測定して得られた第2測定結果を含む複数の測定結果を記憶する記憶部と、
記憶部に記憶されている一の測定結果を含む結果画面を表示する表示部と、
再測定が行われた検体の第1及び第2測定結果のいずれか一方を含む第1結果画面を表示する場合、他方の測定結果を表示する指示を入力するための入力手段を第1結果画面とともに表示部に表示させ、表示指示が入力されると、前記他方の測定結果を含む第2結果画面を表示部に表示させる制御部とを備える、測定結果管理装置。
【請求項21】
記憶部と表示部とを備えるコンピュータを、測定結果を管理する測定結果管理装置として機能させるためのコンピュータプログラムであって、
前記記憶部は、検体を測定して得られた第1測定結果及び前記検体を再び測定して得られた第2測定結果を含む複数の測定結果を記憶しており、
コンピュータプログラムは、
再測定が行われた検体の第1及び第2測定結果のいずれか一方を含む第1結果画面に表示する場合、他方の第2測定結果を表示する指示を入力するための入力手段を第1結果画面とともに表示部に表示させ、表示指示が入力されると、前記他方の測定結果を含む第2結果画面を表示部に表示させる、コンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−233710(P2012−233710A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100526(P2011−100526)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
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