説明

検体分析装置および検体分析方法

【課題】検体の検査条件の違いに応じて効率的に検体を分析可能な検体分析装置および検体分析方法を提供する。
【解決手段】第一検体量の検体を定量して分析容器に供給し、検出部による成分情報の検出および分析部による成分情報の分析を実行する第一動作モードと、第一検体量よりも多い第二検体量の検体を留保容器に供給し、留保容器から第一検体量の検体を定量して分析容器に供給し、検出部による成分情報の検出および分析部による成分情報の分析を実行する第二動作モードと、を選択するための動作モード選択部と、第一検体量の検体を供給するための第一供給部と、第二検体量の検体を供給するための第二供給部と、動作モード選択手段によって選択された動作モードに応じて第一および第二供給部を制御するための制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体分析装置に関し、特に、搬送装置によって搬送された検体容器に収容された検体を、装置内部に配置されたキュベットに分注するピペットを備えた検体分析装置および検体分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送装置により吸引位置に搬送された検体容器に収容された検体を、装置内部に配置された一のキュベットに一旦分注し、該一のキュベットに分注された検体の一部を装置内部の他のキュベットに分注し、該他のキュベット内の検体を光学的に測定する検体分析装置が知られている。
【0003】
このような検体分析装置として、例えば、特許文献1には、検体が収容されたサンプル容器(検体容器)を保持するラックを搬送する搬送装置と、収納容器(キュベット)を保持する第一回転テーブルと、第一ピペットを備え、サンプル容器から検体を第一回転テーブルに保持された収納容器に分注するよう構成された第一分注手段と、分析容器(キュベット)を保持する第二回転テーブルと、第二ピペットを備え、第一回転テーブルに保持され検体が分注された収納容器から、検体の一部を第二回転テーブルに保持された分析容器へ分注するよう構成された第二分注手段と、分析容器内の検体に光を照射して散乱光や透過光の光量を測定する分析ステージと、収納容器および分析容器を挟持可能であり、それぞれの容器を第一回転テーブルおよび第二回転テーブルに供給する第一チャッキングフィンガと、第二回転テーブルに保持された分析容器を分析ステージへ移送する第二チャッキングフィンガと、を備えた検体分析装置が開示されている。
【0004】
上記特許文献1記載の検体分析装置は、第一分注手段によってサンプル容器から第一回転テーブルに保持された収納容器に一旦検体を分注し、該収納容器に収容された検体の一部を第二分注手段によって第二回転テーブルに保持された分析容器へ分注することにより、第一回転テーブルに保持された収納容器に検体を残留させる。そして、検体の再検査が必要となった場合、上記特許文献1記載の検体分析装置は、当該検体の一部が収容された収納容器を第一回転テーブルから自動的に捜し出し、第二分注手段によって該収納容器内の検体を第二回転テーブルに保持された別の分析容器へ分注し、分析テーブルにおいて検体を再度分析する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−94636号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、上記特許文献1に記載の技術においては、再検査の要求があった場合に速やかに再検査を実行できるように、検査および再検査に対して十分な量の検体を、第一分注部によってサンプル容器から収納容器に分注し、検査に要する量の検体を第二分注手段によって収納容器から分析容器に分注している。この技術は、非常に簡易に再検査を実行できるという観点で優れている。
【0007】
しかし、上記特許文献1には、例えば、以下に示すような検査ニーズへの対応について記載されていない。例えば、検査を行う施設の運用によっては、再検査が不用な検査項目もあり、多数の検体を連続測定する際に、再検査が必要な項目と不要な項目の検体とが混在している場合であっても、検査の精度を担保しつつ検査を迅速化したいという検査ニーズがある。
【0008】
また、サンプル容器としては、真空採血管のような蓋が装着されたものや、蓋が装着されていないものが使用される。蓋が装着されたサンプル容器から検体を吸引し、定量する際の精度を保つためには、容器内部の圧力を開放してから検体を吸引する必要がある。そのため、蓋が装着された容器と蓋が装着されていない容器とが混在する場合であっても、検査を迅速に行いたいという検査ニーズがある。しかし、このような検査ニーズへの対応についても上記特許文献1には記載されていない。
【0009】
本発明は、検体の検査条件の違いに応じて効率的に検体を分析可能な検体分析装置および検体分析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一の態様の検体分析装置は、分析容器に収容された検体に含まれる成分の情報を検出するための検出部と、検出部によって検出された成分情報を分析するための分析部と、第一検体量の検体を定量して分析容器に供給し、検出部による成分情報の検出および分析部による成分情報の分析を実行する第一動作モードと、第一検体量よりも多い第二検体量の検体を留保容器に供給し、留保容器から第一検体量の検体を定量して分析容器に供給し、検出部による成分情報の検出および分析部による成分情報の分析を実行する第二動作モードと、を選択するための動作モード選択部と、検体を収容した検体容器を搬送するための搬送部と、第一検体量の検体を供給するための第一供給部と、第二検体量の検体を供給するための第二供給部と、動作モード選択手段によって選択された動作モードに応じて第一および第二供給部を制御するための制御部と、を備える。
【0011】
また、前記一の様態において、制御部は、動作モード選択部によって第一動作モードが選択された場合、第一供給部によって検体容器から第一検体量の検体を分析容器に供給し、第二動作モードが選択された場合、第二供給部によって検体容器から第二検体量の検体を留保容器に供給するように第一および第二供給部を制御してもよい。
【0012】
また、前記一の様態において、制御部は、動作モード選択部によって第二動作モードが選択された場合、第二供給部によって検体容器から第二検体量の検体を留保容器に分注し、第一供給部によって留保容器から第一検体量の検体を分析容器に供給するように第一および第二供給部を制御してもよい。
【0013】
また、前記一の様態において、留保容器および分析容器は同一形状であってもよい。
【0014】
また、前記一の様態において、第一供給部は、先端に平坦面が形成され、平坦面に液体吸引口を有する液体吸引管を備えていてもよい。
【0015】
また、前記一の様態において、第二供給部は、検体容器の開口に装着された栓体を貫通可能に形成された液体吸引管を備えていてもよい。
【0016】
また、前記一の様態において、動作モード選択部は、検体容器の開口に栓体が装着されていない場合には第一動作モードを選択し、検体容器の開口に栓体が装着されている場合には第二動作モードを選択してもよい。
【0017】
また、前記一の様態において、動作モード選択部は、検体容器に、分析部の分析結果に応じて再検査が実行される検体が収容されている場合、第二動作モードを選択してもよい。さらに、このとき、第二検体量が複数回の分析に要する検体量であってもよい。
【0018】
また、前記一の様態において、動作モード選択部は、検体容器に収容されている検体の量が第一検体量より多い場合には第二動作モードを選択してもよい。
【0019】
また、本発明の二の態様の検体分析装置は、分析容器に収容された検体に含まれる成分の情報を検出するための検出部と、検出部によって検出された成分情報を分析するための分析部と、第一検体量の検体を定量して分析容器に供給し、検出部による成分情報の検出および分析部による成分情報の分析を実行する第一動作モードと、第一検体量よりも多い第二検体量の検体を留保容器に供給し、留保容器から第一検体量の検体を定量して分析容器に供給し、検出部による成分情報の検出および分析部による成分情報の分析を実行する第二動作モードと、を選択するための動作モード選択部と、検体を収容した検体容器を搬送するための搬送部と、検体を収容した検体容器を設置するための緊急検体設置部と、第一検体量の検体を供給するための第一供給部と、第二検体量の検体を供給するための第二供給部と、緊急検体設置部に検体容器が設置された場合、自動的に第一動作モードを選択し、第一供給部によって検体容器から第一検体量の検体を定量して分析容器に供給するよう第一供給部を制御し、搬送部によって供給位置に検体容器が搬送された場合、動作モード制御部によって選択された動作モードに応じて第一および第二供給部を制御するための制御部と、を備える。
【0020】
また、本発明の三の態様の検体分析方法は、検体を収容した検体容器を搬送するための搬送工程と、 第一動作モードと第二動作モードとを選択するための動作モード選択手段と、動作モード選択手段によって第一動作モードが選択された場合、第一供給部によって検体容器から分析に要する第一検体量の検体を定量して分析容器に供給するための第一供給工程と、動作モード選択手段によって第二動作モードが選択された場合、第二供給部によって第一検体量よりも多い第二検体量の検体を留保容器に供給し、第一供給部によって留保容器から第一検体量の検体を定量して分析容器に供給するための第二供給工程と、分析容器に収容された検体に含まれる成分の情報を検出するための検出工程と、検出工程において検出された成分情報を分析するための分析工程と、を備える。
【発明の効果】
【0021】
検体の検査条件の違いに応じて効率的に検体を分析可能な検体分析装置および検体分析方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】検体分析装置1の概観を示す斜視図である。
【図2】測定装置2の構成を示す概観図である。
【図3】測定装置2のブロック図である。
【図4】制御ユニット200のブロック図である。
【図5】検体容器401の斜視図である。
【図6】ラック404の斜視図である。
【図7】検体容器401がラック404に保持された様子を示す斜視図である。
【図8】第一分注ユニット204の模式図である。
【図9】第二分注ユニット205の模式図である。
【図10】情報処理装置3のブロック図である。
【図11】検体分析装置1による検体分析処理のフローチャートである。
【図12】測定装置2における第一動作モードによる検体測定のフローチャートである。
【図13】測定装置2における第二動作モードによる検体測定のフローチャートである。
【図14】測定オーダの例を示す図である。
【図15】ピペット205dの斜視図である。
【図16】分注ユニット220の動作説明図である。
【図17】緊急検体設置部221を備える測定装置2の構成を示す概観図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照しながら説明する。本実施形態による検体分析装置は、凝固時間法、合成基質法、免疫比濁法および血小板凝集法を用いて検体の光学的な測定および分析を行う血液凝固測定装置である。
【0024】
図1は、本実施形態による検体分析装置1の全体図である。図1に示すように、検体分析装置1は、検体(血液)に含まれる成分を光学的に測定するための測定装置2と、測定装置2による測定結果を分析するための情報処理装置3から構成されている。
【0025】
図2は、図1に示した測定装置2の構成を示す概観図である。図2に示すように、測定装置2は、搬送ユニット201と、バーコードリーダユニット202と、センサユニット203と、第一分注ユニット204と、第二分注ユニット205と、試薬テーブル206dおよびキュベットテーブル206cを備える第一テーブルユニット206と、第二テーブルユニット207と、キュベット供給ユニット208と、第一キャッチャユニット209と、加温テーブルユニット210と、第二キャッチャユニット211と、第一試薬分注ユニット212と、第三キャッチャユニット213と、第二試薬分注ユニット214と、第三試薬分注ユニット215と、検出ユニット216と、希釈液容器218aが保持されたバッファテーブルユニット218を備える。また、測定装置2は、図2には図示しない制御ユニット200(図3参照)も備える。
【0026】
図3は、測定装置2のブロック図である。図3に示すように、制御ユニット200は、搬送ユニット201、バーコードリーダユニット202、センサユニット203、第一分注ユニット204、第二分注ユニット205、第一テーブルユニット206、第二テーブルユニット207、キュベット供給ユニット208、第一キャッチャユニット209、加温テーブルユニット210、第二キャッチャユニット211、第一試薬分注ユニット212、第三キャッチャユニット213、第二試薬分注ユニット214、第三試薬分注ユニット215、検出ユニット216およびバッファテーブルユニット218と相互に接続されており、各ユニットの動作を制御可能に構成されている。また、制御ユニット200は情報処理装置3と通信可能に接続されている。
【0027】
図4は、制御ユニット200のブロック図である。制御ユニット200は、図4に示すように、CPU200aと、入出力インターフェース200bと、RAM200cと、通信インターフェース200dと、ROM200eと、から構成されている。CPU200a、入出力インターフェース200b、RAM200c、通信インターフェース200dおよびROM200eは、バス200fによって通信可能に接続されている。
【0028】
CPU200aは、ROM200eに記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM200cにロードされたコンピュータプログラムを実行する。ROM200eは、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROMなどによって構成されており、CPU200aによって実行される種々のコンピュータプログラムおよびこれらに用いられるデータなどが記録されている。
【0029】
RAM200cは、SRAMまたはDRAMなどによって構成されている。CPU200aは、RAM200cに、ROM200eに記録されているコンピュータプログラムを読み出す。また、RAM200cは、CPU200aがコンピュータプログラムを実行する際に作業領域として利用される。
【0030】
入出力インターフェース200bは、CPU200aからの命令を、測定装置2の各ユニットへ出力する。また、入出力インターフェース200bは、各ユニットから送信される情報を受信し、受信した情報をCPU200aへ送信する。
【0031】
通信インターフェース200dは、Ethernet(登録商標)インターフェースである。測定装置2は、通信インターフェース200dによって、所定の通信プロトコル(TCP/IP)を用いて、LANケーブルで接続された情報処理装置3とのデータの送受信が可能である。
【0032】
図5は、検体容器401の斜視図である。検体容器401には、病院などにおいて採取された検体(本実施形態においては血液検体)が収容される。図5に示すように、検体容器401には、検体容器401を識別するための識別情報が含まれたバーコード402が貼付されている。また、検体容器401のなかには、開口部に蓋403が取り付けられたものもある。
【0033】
図6は、ラック404の斜視図である。図6に示すように、ラック404には、10個の保持部404aが設けられている。この10個の保持部404aにそれぞれ検体容器401が1本ずつ収容される。また、検体容器401の大きさが保持部404aの大きさよりも小さい場合には、保持部404aにアダプタ(図示しない)を取り付けることで、検体容器401の傾斜および転倒を防止可能である。
【0034】
図7は検体容器401がラック404に保持された様子を示す斜視図である。図7に示すように、ラック404には検体容器401のバーコード402をバーコードリーダユニット202によって読み取り可能にするための開口部402bが設けられている。さらに、ラック404には、ラック404を識別するための識別情報が含まれたバーコード405が貼付されている。
【0035】
図2に戻って、搬送ユニット201は、検体容器401が保持されたラック404を搬送可能に構成されている。搬送ユニット201は、検体容器401が保持されたラック404を設置するためのラックセット領域Aと、ラックセット領域Aに設置されたラック404が搬送される搬送領域Bと、搬送領域Bから搬送されたラック404を貯留するラック貯留領域Cと、を備えている。搬送ユニット201は、ラックセット領域Aにセットされたラック404を矢印1の方向へ、搬送領域Bに入ったラック404を矢印2の方向へ、ラック貯留領域Cに入ったラック404を矢印3の方向へ、それぞれ搬送可能に構成されている。また、搬送領域Bには吸引位置201bおよび吸引位置201aがある。吸引位置201bに搬送された検体容器401に収容された検体は第一分注ユニット204によって、吸引位置201aに搬送された検体容器401に収容された検体は第二分注ユニット205によってそれぞれ吸引される。
【0036】
バーコードリーダユニット202は、搬送領域B内の検体容器401およびラック404にそれぞれ貼付されたバーコード402およびバーコード404を読み取り可能に構成されている。また、バーコードリーダユニット202は、搬送領域Bと平行に設けられたスライドレール上をスライド可能に構成されている。また、バーコードリーダユニット202はそれぞれのバーコードに含まれた識別情報を制御ユニット200へ送信可能に構成されている。
【0037】
センサユニット203は、検体容器401の蓋403の有無を制御ユニット200が判定するための情報を取得可能に構成されている。センサユニット203は、搬送領域B内の検体吸引位置201aの右側上方に設けられており、検体容器401の蓋403または開口部を挟むように対向して設けられた発光部203aと受光部203bとを備える。検体容器401に蓋403が付いている場合、発光部203aから発せられた光が蓋403によって遮られる。これにより、センサユニット203によって、この検体容器401に蓋403が付いているという情報が取得される。また、検体容器401に蓋403が付いていない場合、発光部203aから発せられた光は遮られることなく受光部203bに照射される。これにより、センサユニット203によって、この検体容器401に蓋403が付いていないという情報が取得される。
【0038】
第一分注ユニット204は、吸引位置201bに搬送された検体容器401から検体を吸引可能、かつ、キュベットテーブル206c上の容器位置206aにあるキュベット217に検体を吐出可能に構成されている。第一分注ユニット204は、図8に示す第一分注ユニット204の模式図のように、アーム204aと、アーム204aを駆動するための駆動部204bと、アーム204aを支持し、駆動部204bの駆動力をアーム204aに伝える軸204cと、アーム204aに取り付けられ、先端が斜めに鋭利にカットされた金属製のピペット204dと、検体を吸引および吐出するためのポンプ(図示しない)と、を備える。ここで、第一分注ユニット204のアーム204aは、駆動部204bの駆動力により軸204cを中心に回動可能かつ上下方向に移動可能である。これにより、第一分注ユニット204は、アーム204aを回動させ、ピペット204dを吸引位置201bおよび容器位置206aの上方に配置することが可能である。
【0039】
第一分注ユニット204による検体の分注を補助する補助機構204eは、吸引位置201bの上方に設けられている。補助機構204eは、アーム204aと係合可能な係合部材204fと、駆動部204bよりも強い上下方向への駆動力を有する駆動部204gと、を備えている。ここで、係合部材204fは、駆動部の駆動力により上下方向に移動可能に構成されている。第一分注ユニット204は、検体容器401に蓋403が取り付けられている場合、補助機構204eの係合部材204fをアーム204aと係合させ、駆動部204gの強い下方向への駆動力をアーム204aおよびピペット204dに伝えるよう構成されている。これにより、第一分注ユニット204は、蓋403を貫通して検体を吸引可能となる。
【0040】
図2に戻って、第二分注ユニット205は、搬送ユニット201によって吸引位置201aに搬送された検体容器401から検体を吸引可能、かつ、第二テーブルユニット207に保持されたキュベット217に検体を吐出可能に構成されている。また、第二分注ユニット205は、第一分注ユニット204によって検体が分注された容器位置206bのキュベット217から、測定項目によって予め決定された所定量だけ検体を吸引し、第二テーブルユニット207上のキュベット217に吐出可能にも構成されている。このとき、容器位置206bのキュベット217には、再測定が可能な量の検体が残留する。また、第二分注ユニット205は、バッファテーブル218に保持されている希釈液容器218aから希釈液を吸引し、次に、空気を所定量だけ吸引し、次に、容器位置206bのキュベット217または吸引位置201aの検体容器401から検体を吸引し、最終的に第二テーブルユニット207上のキュベット217に吐出することで、検体の希釈を可能にも構成されている。
【0041】
第二分注ユニット205は、図9に示す第二分注ユニット205の模式図のように、アーム205aと、アーム205aを動かすための駆動部205bと、アーム205aを支持し、駆動部205bの駆動力を伝える軸205cと、アーム205aに取り付けられたピペット205dと、検体を吸引および吐出するためのポンプ(図示しない)を備える。ここで、アーム205aは、駆動部により軸205cを中心に回動可能かつ上下方向に移動可能である。これにより、第二分注ユニット205は、ピペット205dを吸引位置201aおよび第二テーブルユニット207にあるキュベット217上に配置可能である。また、第二分注ユニット205のピペット205dおよびポンプは、第一分注ユニット204のピペット204dおよびポンプが吸引可能な量よりも少ない量の検体を吸引可能に設計および構成されている。図15はピペット205dの斜視図である。図15の斜視図に示すように、ピペット205dの先端には水平な平坦面205eが形成されている。そして、平坦面205eには、開口205fが形成されており、ポンプによって検体の吸引動作が実行されると、開口205fを介してピペット205dに検体が吸引される。ピペット205dがこのように構成されることで、第二分注ユニット205は検体容器の底付近の検体を吸引可能となる。
【0042】
第一テーブルユニット206の試薬テーブル206dは、第一試薬が収容された第一試薬容器212b、第二試薬が収容された第二試薬容器214bおよび第三試薬が収容された第三試薬容器215bを保持可能に構成された円形状のテーブルである。試薬テーブル206dは時計回り方向および反時計回り方向の両方に回転可能に構成されている。また、試薬テーブル206dの鉛直方向下部には、試薬容器に収納された試薬を保冷するために、ペルチェ素子が備えられた冷却装置(図示しない)が設けられている。
【0043】
第一テーブルユニット206のキュベットテーブル206cは、試薬テーブル206dの外側に配置され、設けられた挿入孔(図示しない)によってキュベット217を保持可能に構成された円環形状のテーブルである。ここで、キュベットテーブル206cは、時計回り方向および反時計回り方向に回転することで、容器位置206aおよび206bにキュベット217を移送可能である。
【0044】
第二テーブルユニット207は、設けられた挿入孔(図示しない)によってキュベット217を保持可能、かつ、バーコードリーダユニット202のスライドレールと平行方向に設けられたスライドレール上を左右にスライド可能に構成されている。第二テーブルユニット207は、空のキュベット217をスライドレールの左端で保持したまま待機し、第二分注ユニット205によって検体が分注されたキュベット217を保持したままスライドレールの右端に移動可能である。
【0045】
バッファテーブルユニット218は、検体を希釈するための希釈液が収容された希釈液容器218aを保持可能、かつ、バーコードリーダユニット202のスライドレールと平行方向に設けられたスライドレール上を左右にスライド可能に構成されている。
【0046】
キュベット供給ユニット208は、ユーザによって無造作に投入された複数のキュベット217を、キュベット貯留部208aに順次供給することが可能に構成されている。ここで、キュベット貯留部208aに供給されたキュベット217は、第二キャッチャユニット211によってキュベットテーブル206cへ、第一キャッチャユニット209によって第二テーブルユニット207へそれぞれ移送される。
【0047】
第一キャッチャユニット209は、スライドレール207aの右端に移動した第二テーブルユニット207に保持されたキュベット217を加温部210の容器位置210aへ移送可能に構成されている。また、第一キャッチャユニット209は、スライドレール207aの右端に移動した第二テーブルユニット207にキュベット217が保持されていない場合、キュベット貯留部208aに貯留されたキュベット217を、第二テーブルユニット207へ移送可能にも構成されている。
【0048】
加温テーブルユニット210は、キュベット217を保持し、所定の時間だけキュベット217に収容された検体を加温可能に構成されている。加温テーブルユニット210は、キュベット217を保持するための挿入孔(図示しない)が複数設けられた円環形状のテーブルであり、時計回り方向および反時計回り方向に回転可能に構成されている。加温テーブルユニット210は、容器位置210aにあるキュベット217を、加温するための容器位置(図示しない)および容器位置210bに移送することが可能である。また、加温テーブルユニット210にはヒーター(図示しない)が備えられている。これにより、加温テーブルユニット210は、キュベット217に収容された検体を加温可能である。
【0049】
第二キャッチャユニット211は、円環形状の加温テーブルユニット210に囲まれた位置に設けられ、回動することでキュベット217を移送可能に構成されている。第二キャッチャユニット211は、加温テーブルユニット210からキュベット217を第一試薬分注位置212aの上方に移送し、かつその位置にキュベット217を保持可能である。また、第二キャッチャユニット211は、第一試薬が分注されたキュベット217を第一試薬分注位置212aの上方から加温テーブルユニット210に移送可能である。さらに、第二キャッチャユニット211は、キュベット貯留部208aに貯留されたキュベット217を、キュベットテーブル206cに移送可能である。
【0050】
第一試薬分注ユニット212は、第二キャッチャユニット211によって第一試薬分注位置212aの上方に保持されたキュベット217に、第一試薬容器212bに収容された第一試薬を分注可能に構成されている。
【0051】
第三キャッチャユニット213は、第二テーブルユニット207のスライドレールと平行に設けられたスライドレール上を左右にスライド可能に構成されている。第三キャッチャユニット213は、加温テーブルユニット210の容器位置210bにあるキュベット217を第二試薬分注位置214aまたは第三試薬分注位置215aの上方に移送し、かつその位置に保持可能である。また、第三キャッチャユニット213は、第二試薬分注位置214aまたは第三試薬分注位置215aの上方から検出ユニット216にキュベット217を移送可能である。
【0052】
第二試薬分注ユニット214は、第三キャッチャユニット213によって第二試薬分注位置214aの上方に保持されたキュベット217に、第二試薬容器214bに収容された第二試薬を分注可能に構成されている。
【0053】
第三試薬分注ユニット215は、第三キャッチャユニット213によって第三試薬分注位置215aの上方に保持されたキュベット217に、第三試薬容器215bに収容された第三試薬を分注可能に構成されている。
【0054】
検出ユニット216は、第三キャッチャユニット213によって移送されたキュベット217に収容された検体に対して光学的な測定を行うことで、検体の光学的情報を検出することが可能に構成されている。検出ユニット216には、キュベット217を保持するための挿入孔(図示しない)が複数設けられている。検出ユニット216は、挿入孔に挿入されたキュベット217の検体に光を照射したときに、透過光および散乱光を検出するとともに、検出した透過光および散乱光のそれぞれに対応する電気信号を出力可能である。また、検出ユニット216は、挿入孔に挿入されたキュベット217に収容された検体を保温可能である。
【0055】
なお、測定装置2には、キュベット217を廃棄するためのキュベット廃棄孔219aおよび219bが設けられている。測定が終了した検体が収容されたキュベット217のうち、検出ユニット216に保持されているものは第三キャッチャユニット213によって、キュベットテーブル206cによって保持されているものは第二キャッチャユニット211によって、それぞれキュベット廃棄孔219aおよび219bに投下される。キュベット廃棄孔219aおよび219bに投入されたキュベット217は、装置下方に設けられたキュベット廃棄部(図示しない)に投下される。
【0056】
次に、情報処理装置3は、図1に示すように、コンピュータから構成されている。また、情報処理装置3は、制御部301と、表示部302と、入力デバイス303とを含む。情報処理装置3は、測定装置2へ測定開始信号を送信する。また、情報処理装置3は、測定装置2から受信した識別情報に基づき、ホストコンピュータに対して測定項目および動作モードなどの情報が含まれた測定オーダを問い合わせ、受信した測定項目および動作モードなどの情報を測定装置2に送信する。さらに、情報処理装置3は、測定装置2から受信した検体の測定結果を分析する。
【0057】
図10は、情報処理装置3のブロック図である。ここで、制御部301は、図10に示すように、CPU301aと、ROM301bと、RAM301cと、ハードディスク301dと、読出装置301eと、入出力インターフェース301fと、画像出力インターフェース301gと、通信インターフェース301iとにより構成されている。CPU301a、ROM301b、RAM301c、ハードディスク301d、読出装置301e、入出力インターフェース301f、画像出力インターフェース301gおよび通信インターフェース301iは、バス301hによって接続されている。
【0058】
CPU301aは、ROM301bに記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM301cにロードされたコンピュータプログラムを実行するために設けられている。ROM301bは、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROMなどによって構成されており、CPU301aに実行されるコンピュータプログラムおよびこれに用いられるデータなどが記録されている。
【0059】
RAM301cは、SRAMまたはDRAMなどによって構成されている。RAM301cは、ROM301bおよびハードディスク301dに記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、RAM301cは、コンピュータプログラムを実行するときにCPU301aの作業領域として利用される。
【0060】
ハードディスク301dは、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU301aに実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびそれらの実行に用いられるデータがインストールされている。
【0061】
読出装置301eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブなどによって構成されており、可搬型記録媒体304などに記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。
【0062】
また、ハードディスク301dには、例えば、米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのグラフィカルユーザインターフェース環境を提供するオペレーティングシステムがインストールされている。
【0063】
入出力インターフェース301fは、例えば、USB、IEEE1394、RS−232Cなどのシリアルインターフェース、SCSI、IDE、IEEE1284などのパラレルインターフェース、およびD/A変換器、A/D変換器などからなるアナログインターフェースなどから構成されている。入出力インターフェース301fには、キーボードおよびマウスからなる入力デバイス303が接続されている。操作者は、入力デバイス303を用いて、情報処理装置3にデータを入力することが可能である。また、入出力インターフェース301fには、プリンタなどからなる出力デバイス306が接続されている。
【0064】
通信インターフェース301iは、Ethernet(登録商標)インターフェースである。情報処理装置3は、通信インターフェース301iによって、所定の通信プロトコル(TCP/IP)を用いて、LANケーブルにより接続された測定装置2との間でデータの送受信が可能である。
【0065】
画像出力インターフェース301gは、LCDまたはCRTなどで構成された表示部302に接続されており、CPU301aから与えられた映像信号を表示部302に出力する。表示部302は、画像出力インターフェース301gによって入力された映像信号に基づき、画像(画面)を表示する。
【0066】
図11は、検体分析装置1による検体分析処理のフローチャートである。ここからは、図11に示すフローチャートを参照しつつ、測定装置2および情報処理装置3の動作について説明する。
【0067】
CPU200aは、ステップS1−1において、初期設定の処理を実行するよう測定装置2を制御する。初期設定の処理においては、各ユニットを初期位置に戻す処理が実行される。また、CPU200aは、キュベット貯留部208aにキュベット217を供給するようキュベット供給ユニット208を制御し、キュベット貯留部208aに貯留されたキュベット217を第二テーブルユニット207およびキュベットテーブル206cへそれぞれ移送するよう第一キャッチャユニット209および第二キャッチャユニット211を制御する。
【0068】
初期設定の処理が終了すると、CPU200aは、ステップS1−2において、CPU301aから送信される測定開始信号の受信を待機する処理を実行する。
【0069】
一方、CPU301aは、ステップS2−1において、初期設定の処理を実行するよう情報処理装置3を制御する。初期設定の処理においては、ハードディスク301dなどに記憶されているソフトウェアの初期化などの処理が実行される。
【0070】
初期設定の処理が終了すると、CPU301aは、ステップS2−2において、操作者からの測定開始指示の入力を待機する処理を実行する。操作者から測定開始指示が入力されると(ステップS2−2においてYES)、CPU301aは、ステップS2−3において、測定装置2に測定開始信号を送信する処理を実行する。
【0071】
一方、測定開始信号を受信すると(ステップS1−2においてYES)、CPU200aは、ステップS1−3において、ラックセット領域Aにセットされたラック404をバーコード読取位置201cに搬送するよう搬送装置201を制御する処理を実行する。
【0072】
次に、CPU200aは、ステップS1−4において、バーコード読取位置201cに搬送されたラック404に貼付されたバーコード405およびそのラック404に保持された検体容器401に貼付されたバーコード402を読み取るようバーコードリーダユニット202を制御する処理を実行する。
【0073】
次に、CPU200aは、ステップS1−5において、バーコードリーダユニット202によって読み取られたバーコード402およびバーコード405に含まれる識別情報を、CPU301aに送信する処理を実行する。
【0074】
ここで、バーコード402およびバーコード405に含まれる識別情報について説明する。バーコード402には、検体容器401に収容された検体を識別するための検体識別情報が含まれている。検体識別情報は、C001、C002、C003、・・・、という連番の形式で設定される。また、バーコード405には、ラック404を識別するためのラック識別情報が含まれている。ラック識別情報は、R001、R002、R003、・・・、という連番の形式で設定される。また、CPU200aは、ラック404のいずれの保持部404aに検体容器401が保持されているかを示す容器位置を情報処理装置3に送信する。容器位置は、1、2、・・・、9、10、といった連番の整数で表され、それぞれの数字が容器位置ごとに割り振られる。
【0075】
一方、CPU301aは、ステップS2−4において、CPU200aからの識別情報の受信を待機する処理を実行する。CPU200aからの問い合わせを受け付けると(ステップS2−4においてYES)、CPU301aは、ステップS2−5において、ラック404に保持されている検体容器401に収容されている検体の測定項目や再検予定が含まれる測定オーダを、測定オーダが登録されているホストコンピュータに問い合わせる処理を実行する。
【0076】
図14はホストコンピュータに登録されている測定オーダを表形式で示したものである。測定オーダのホストコンピュータへの登録は、検体分析装置1によって検体を分析する前に、検体分析装置1の操作者によって行われる。図14に示すように、測定オーダには、ラック識別情報、容器位置、検体識別情報、測定項目および再検予定が関連付けられて登録されている。測定項目は、例えば、フィブリノーゲンを測定する検体であれば「Fbg」、プロントロンビン時間を測定する検体であれば「PT」と表される。また、再検予定は、検体容器401に収容されている検体が、必要に応じて再検査が実行される検体である場合には「有」が、実行されない検体である場合には「無」が設定される。
【0077】
次に、ステップS2−5において、CPU301aは、CPU200aから送信された識別情報および容器位置に対応する測定項目および動作モードを問い合わせる処理を実行する。ここで、CPU301aは、ラック404の識別情報と容器位置の組合せまたは検体容器401の識別情報のいずれかをホストコンピュータに送信する処理を実行する。ホストコンピュータは、ラック404の識別情報と容器位置の組合せまたは検体容器401の識別情報を受信すると、それに対応する測定項目および再検予定をCPU301aに送信する処理を実行する。例えば、ステップS2−5において、CPU301aが「ラックの識別情報がC001かつ容器位置が1」という検体を識別する情報をホストコンピュータへ送信する処理を実行したとする。その場合、ホストコンピュータは、図14に示す測定オーダを参照し、「測定項目はFbgかつ再検予定は無」という情報をCPU200aに送信する処理を実行する。
【0078】
ホストコンピュータに測定オーダを問い合わせた後、CPU301aは、ステップS2−6において、ホストコンピュータから送信される測定項目および再検予定の受信を待機する処理を実行する。
【0079】
ホストコンピュータからそれぞれの検体に対する測定項目および再検予定を受信すると(ステップS2−6においてYES)、CPU301aは、ステップS2−6において、測定項目および再検予定をCPU200aに送信する処理を実行する。
【0080】
一方、CPU200aは、ステップS1−6において、CPU301aからの測定項目および再検予定の受信を待機する処理を実行する。CPU301aから送信された測定項目および再検予定を受信すると(ステップS1−6においてYES)、CPU200aは、ステップS1−7において、検体容器401に収容された検体について、第一動作モードによる測定を実行するか、第二動作モードによる測定を実行するかを判定する処理を実行する。
【0081】
ステップS1−7において再検予定が「無」である場合、CPU200aは、ステップS1−8において、第一動作モードによる測定を実行する。また、ステップS1−7において再検予定が「有」である場合、CPU200aは、ステップS1−9において、第二動作モードによる測定を実行する。ここで、第一動作モードによる測定は、一の測定項目について一回の測定が可能な量の検体を検体容器401から分注する処理を含む測定処理である。また、第二動作モードによる測定は、一の測定項目について複数回の測定が可能な量の検体を検体容器401から分注する処理を含む測定処理である。なお、第一動作モードおよび第二動作モードによる測定処理の詳細については後述する。
【0082】
第一動作モードまたは第二動作モードによる測定処理が終了すると、CPU200aは、ステップS1−10において、検体の測定結果をCPU301aに送信する処理を実行する。
【0083】
次に、CPU200aは、ステップS1−11において、ラック404に保持されたすべての検体容器401に収容された検体の測定が終了したか否かを判定する処理を実行する。ラック404に保持されたすべての検体の測定が終了していない場合(ステップS1−11においてNO)、CPU200aは、ステップS1−7の処理を再び実行する。
【0084】
ラック404に保持されたすべての検体容器401に収容された検体の測定が終了している場合(ステップS1−11においてYES)、CPU200aは、ステップS1−12において、測定が終了した検体が収容されており、検出ユニット216に保持されているキュベット217およびキュベットテーブル206cによって保持されているキュベット217を、それぞれキュベット廃棄孔219aキュベット廃棄孔219bに投下するよう第三キャッチャユニット213および第二キャッチャユニット211を制御する処理を実行する。
【0085】
次に、CPU200aは、ステップS1−12において、測定対象のラック404がラックセット領域Aにあるか否かを判定する処理を実行する。測定対象のラック404がラックセット領域Aにある場合(ステップS1−12においてNO)、CPU200aは、ステップS1−3の処理を実行する。このとき同時に、CPU200aは、搬送領域Bにあるラック404をラック貯留領域Cに搬送するよう搬送ユニット201を制御する処理を実行する。
【0086】
一方、CPU301aは、ステップS2−8において、CPU200aから送信される測定結果の受信を待機する処理を実行する。測定結果を受信すると(ステップS2−8においてYES)、CPU301aは、ステップS2−9において、測定結果の分析処理を実行する。ここで、CPU301aは、測定装置2において測定された散乱光および透過光などの光学的情報に基づき、検体のプロントロンビン時間(PT)やフィブリノーゲン(Fbg)などの分析結果を算出するとともに、それらの分析結果を表示するよう表示部302を制御する処理を実行する。
【0087】
次に、CPU301aは、ステップS2−10において、操作者からシャットダウン指示があるか否かを判定する処理を実行する。シャットダウン指示がある場合(ステップS2−10においてYES)、CPU301aは、ステップS2−11において、測定装置2にシャットダウン指示を送信し、情報処理装置3をシャットダウンする処理を実行する。シャットダウン指示がない場合(ステップS2−11においてNO)、CPU301aは、ステップS2−2の処理を再び実行する。
【0088】
一方、CPU200aは、測定対象のラック404がラックセット領域Aにない場合(ステップS1−12においてYES)、ステップS1−13において、CPU301aからのシャットダウン指示を受信したか否かを判定する処理を実行する。シャットダウン指示を受信した場合(ステップS1−13においてYES)、CPU200aは、ステップS1−14において、シャットダウン処理を実行する。シャットダウン指示を受信していない場合(ステップS1−13においてNO)、CPU200aは、ステップS1−2の処理を再び実行する
【0089】
図12は、ステップS1−8における第一動作モードによる測定のフローチャートである。ここからは、図12を参照しつつ、第一動作モードによる測定について説明する。
【0090】
CPU200aは、ステップS3−1においてバーコード読取位置201cにあるラック404に保持された検体容器401に蓋403が付いているか否かを確認するようセンサユニット203によってを制御する処理を実行する。次に、CPU200aは、ステップS3−2において、ステップS3−1の確認結果に基づき、検体容器401に蓋403が付いているか否かを判定する。検体容器401に蓋403が付いている場合(ステップS3−2においてYES)、CPU200aは、ステップS3−3において、エラー処理を実行し、その後ステップS1−11の処理を実行する。
【0091】
検体容器401に蓋403が付いていない場合(ステップS3−2においてNO)、CPU200aは、ステップS3−4において、バーコード読取位置201cにあるラック404を吸引位置201aに搬送するよう搬送ユニット201aを制御する処理を実行する。
【0092】
次に、CPU200aは、ステップS3−5において、キュベット217に検体を分注するよう第二分注ユニット205を制御する処理を実行する。ここで、まず、アーム205aが回動し、ピペット205dが吸引位置201aの上方に配置される。次に、駆動部205bの下方向への駆動力によって、アーム205aおよびピペット205dが下降し、ピペット205dおよびポンプが検体容器401から検体を吸引する。次に、アーム205aが回動し、キュベット217の上方にピペット204dが配置されるとともにキュベット217に検体が吐出される。
【0093】
次に、CPU200aは、ステップS3−6において、スライドレールの右端まで移動するよう第二テーブルユニット207を制御する処理を実行する。
【0094】
次に、CPU200aは、ステップS3−7において、第二テーブルユニット207に保持されているキュベット217を加温テーブル210に移送するよう第一キャッチャユニット209を制御する処理を実行する。このとき、CPU200aは、新たなキュベット217を第二テーブルユニット207に移送するよう第一キャッチャユニット209を制御するとともに、スライドレールの左端に移動するよう第二テーブルユニット207を制御する処理も実行する。
【0095】
次に、CPU200aは、ステップS3−8において、キュベット217を、加温テーブルユニット210から第一試薬分注位置212aの上方へ移送し、その位置で保持するよう第二キャッチャユニット211を制御するとともに、当該キュベット217に第一試薬を分注するよう第一試薬分注ユニット212を制御する処理を実行する。
【0096】
次に、CPU200aは、ステップS3−10において、キュベット217を第一試薬分注位置212aの上方から加温テーブルユニット210に移送するよう第二キャッチャユニット211を制御するとともに、移送されたキュベット217の検体を一定時間加温するよう加温テーブルユニット210を制御する処理を実行する。
【0097】
キュベット217に収容された検体が所定時間だけ加温されると、CPU200aは、ステップS3−11において、キュベット217に第二試薬を分注するか、第三試薬を分注するかを判定する処理を実行する。
【0098】
ステップS3−11において第二試薬を分注すると判定した場合、ステップS3−12において、CPU200aは、キュベット217を、加温テーブルユニット210の容器位置210bから第二試薬分注位置214aの上方に移送し、その位置で保持するよう第三キャッチャユニット213を制御する処理を実行する。次に、CPU200aは、ステップS3−13において、キュベット217に第二試薬を分注するよう第二試薬分注ユニット214を制御する処理を実行する。
【0099】
ステップS3−11において第三試薬を分注すると判定した場合、CPU200aは、ステップS3−14において、キュベット217を、加温テーブルユニット210の容器位置210bから第三試薬分注位置215aの上方に移送し、その位置で保持するよう第三キャッチャユニット213を制御する処理を実行する。次に、CPU200aは、ステップS3−15において、キュベット217に第三試薬を分注するよう第三試薬分注ユニット215を制御する処理を実行する。
【0100】
次に、CPU200aは、ステップS3−16において、第二試薬が分注されたキュベット217を第二試薬分注位置214aの上方から、第三試薬が分注されたキュベット217を第三試薬分注位置215aの上方から、それぞれ検出ユニット216の挿入孔に移送するよう第三キャッチャユニット213を制御する処理を実行する。
【0101】
次に、CPU200aは、ステップS3−17において、検出ユニット216の挿入孔に挿入されたキュベット217の検体に光を照射したときに検出される透過光および散乱光にそれぞれ対応する電気信号を出力するよう検出ユニット216を制御する処理を実行する。その後、CPU200aは、ステップS1−10の処理を実行する。
【0102】
図13は、ステップS1−9における第二動作モードによる測定処理のフローチャートである。ここからは、図13を参照しつつ、第二動作モードによる測定について説明する。
【0103】
CPU200aは、ステップS4−1において、バーコード読取位置201cにあるラック404に保持された検体容器401に蓋403が付いているか否かを確認するようセンサユニット203を制御する処理を実行する。
【0104】
次に、CPU200aは、ステップS4−2において、ラック404を吸引位置201bに搬送するよう搬送ユニット201aを制御する処理を実行する。
【0105】
次に、CPU200aは、ステップS4−3において、ステップS4−1の処理の結果に基づき、検体容器401に蓋が付いているか否かを判定する処理を実行する。検体容器401に蓋403が付いている場合(ステップS4−3においてYES)、CPU200aは、ステップS4−4において、検体を分注するよう第一分注ユニット204およびキュベットテーブル206cを制御する処理を実行する。ここで、まず、キュベットテーブル206cが回転し、容器位置206aにキュベット217が移送される。次に、アーム204aが回動し、ピペット204dが容器位置201bの上方に配置される。次に、アーム204aと係合部材204fとが係合し、アーム204aおよびピペット204dが駆動部204gの下方向への駆動力によって下降する。次に、ピペット204dおよびポンプによって検体容器401から検体を吸引する。次に、アーム204aが回動し、ピペット204dを容器位置206aの上方に配置されるとともに、キュベット217に検体が吐出される。
【0106】
検体容器401に蓋403が付いていない場合(ステップS4−3においてNO)、CPU200aは、ステップS4−5において、検体を分注するよう第一分注ユニット204およびキュベットテーブル206cを制御する処理を実行する。ここで、まず、キュベットテーブル206cが回転し、容器位置206aにキュベット217が移送される。次に、アーム204aが回動し、ピペット204dが容器位置201bの上方に配置される。次に、アーム204aおよびピペット204dが駆動部201bの下方向への駆動力によって下降し、ピペット204dおよびポンプによって検体が吸引される。次に、アーム204aが回動し、ピペット204dが容器位置206aの上方に配置されるとともに、キュベット217に検体が吐出される。
【0107】
容器位置206aのキュベット217に検体が分注されると、CPU200aは、ステップS4−6において、回転することで、第一分注ユニット204によって検体が分注されたキュベット217を、容器位置206bに移送するようキュベットテーブル206cを制御する処理を実行する。
【0108】
次に、CPU200aは、ステップS4−7において、容器位置206bに移送されたキュベット217から第二テーブルユニット207に保持されたキュベット217に検体を分注するよう第二分注ユニット205を制御する処理を実行する。ここで、まず、アーム205aが回動し、ピペット205dが容器位置206bの上方に配置される。次に、アーム205aおよびピペット205dが駆動部205bの下向きの駆動力によって下降し、ピペット205dおよびポンプによって、容器位置206bのキュベット217から、測定項目に応じた所定量だけ検体が吸引される。このとき、容器位置206bのキュベット217には、再検査が可能な量の検体が残留する。次に、アーム205aが回動し、第二テーブルユニット207に保持されたキュベット217の上方にピペット205dが配置されるとともに、キュベット217に検体が吐出される。次に、キュベットテーブル206cが回転し、容器位置206bにあったキュベット217をキュベットテーブル206c上の異なる位置(図示しない)に移送される。このキュベット217は、収容された検体と同一の検体の測定が終了するまでキュベットテーブル206cに保持される。このとき、CPU200aは、キュベットテーブル206c上に新たなキュベット217を移送するよう第二キャッチャユニット211を制御する処理も実行する。
【0109】
ステップS4−8からS4−19の処理は、ステップS3−6からステップS3−17の処理と同様であるので説明を省略する。CPU200aは、ステップS4−19の処理を実行した後、ステップS1−10の処理を実行する。
【0110】
なお、第二動作モードによって測定された検体の分析結果に異常がみられた場合、CPU301aは、対象の検体の再検査指示をCPU200aに送信する。CPU301aから送信された再検査指示を受け付けると、CPU200aは、第二テーブルユニット206c上に保持されるとともに再検査対象の検体の一部が収容されているキュベット217を、第二テーブルユニット206cを回転するよう制御し、容器位置206bに移送する。その後、CPU200aは、ステップS3−7〜S3−19と同様の処理を実行することで検体の再検査を実行する。
【0111】
以上、説明したように、本実施形態における検体分析装置1は、再検査が将来的に不要である検体(再検予定が「無」の検体)を、装置内部に検体を残留させない第一動作モードによって測定し、再検査が将来的に必要である検体(再検予定が「有」の検体)を、装置内部に検体を残留させる第二動作モードによって測定するよう構成されている。すなわち、本実施形態における検体分析装置は、検体の検査条件の違いに応じて効率的に検体を分析可能に構成されている。
【0112】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記の実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0113】
上記実施形態では、検体分析装置は血液凝固測定装置として構成されている。しかし、本発明はこれに限らず、免疫分析装置または生化学分析装置として構成されていてもよい。
【0114】
また、上記実施形態では、第二分注ユニット205は、搬送ユニット201によって吸引位置201aに搬送された検体容器401から、第二テーブルユニット207に保持されたキュベット217に検体を分注し、かつ、第一分注ユニット204によって検体が分注されたキュベットテーブル206c上の容器位置206bにあるキュベット217から、第二テーブルユニット207上のキュベット217に検体を分注するよう構成されている。しかし、本発明はこれに限らず、第二分注ユニット205が、検体容器401から、第二テーブルユニット207に保持されたキュベット217へ検体を分注するよう構成され、第一分注ユニット204および第二分注ユニット205とは別に設けられた分注ユニットが、キュベットテーブル206c上のキュベット217から、第二テーブルユニット207上のキュベット217へ検体を分注するよう構成されていてもよい。
【0115】
また、上記実施形態では、第一分注ユニット204が複数回の測定に必要な量の検体を分注し、第二分注ユニット205が一回の測定に必要な量の検体を分注している。しかし、本発明はこれに限らず、第一分注ユニット204が分注する検体の量よりも第二分注ユニット205が分注する検体の量の方が少なければ、第二分注ユニット205が複数回の測定に必要な量の検体を分注してもよい。
【0116】
また、上記実施形態では、測定オーダが操作者によってホストコンピュータに登録されている。しかし、本発明はこれに限らず、測定オーダが操作者によって情報処理装置3に登録されていてもよい。
【0117】
また、上記実施形態では、検体容器401ごとに再検予定を設定する例を示した。しかし、本発明はこれに限らず、ラック404ごとに再検予定を設定してもよい。
【0118】
また、上記実施形態では、第一分注ユニット204および第二分注ユニット205が検体容器401から検体を吸引する位置を、それぞれ検体吸引位置201bおよび検体吸引位置201aと異なる位置にしている。しかし、本発明はこれに限らず、第一分注ユニット204および第二分注ユニット205が検体容器401から検体を吸引する位置を同一の位置としてもよい。
【0119】
また、上記実施形態では、第一分注ユニット204および第二分注ユニット205によって、それぞれピペット204dおよびピペット205dに検体容器401から検体を吸引し、キュベット217に吐出することでキュベット217に検体を供給している。しかし、本発明はこれに限らず、それぞれの分注ユニットに備えられたピペットが分注ユニットから離脱可能であり、かつキュベットとして兼用される構成であってもよい。
【0120】
図16は、上記構成における分注ユニット220の動作を示す動作説明図である。以下、図16参照しつつ、上記構成における分注ユニット220の動作について説明する。図16(a)に示すように、分注ユニット220は、ピペット220aを保持する軸220bが設けられたアーム220cを備えている。ここで、ピペット220aは、軸220bから離脱可能に構成されている。まず、図16(b)に示すように、分注ユニット220に備えられたポンプ(図示しない)によって検体容器401に収容された検体を吸引することで、ピペット220aに検体が供給される。ここで、測定装置2にはピペット220aの先端を加熱することによって開口を閉塞させる閉塞部(図示しない)が備えられている。ピペット220aに検体が供給されると、図16(c)に示すように、ピぺット220aの開口は閉塞部によって閉塞される。これにより、ピペット220aがキュベットとして使用される。ここで、測定装置2には、ピペット220aを軸220bから離脱させる離脱部(図示しない)が備えられている。ピぺット220aの開口が閉塞部によって閉塞されると、ピペット220aは、図16(d)に示すように、離脱部によって軸220bから離脱し、キュベットテーブル206cおよび第二テーブルユニット207に移送される。そして、ピペット220aは検出ユニット216に移送され、ピペット200aに収容された検体が測定される。
【0121】
また、優先的に分析が実行される検体が収容された検体容器401を設置するための緊急検体設置部が測定装置2に備えられていてもよい。図17は、緊急検体設置部221を備えた測定装置2の概観図である。図17に示すように、緊急検体設置部221に検体容器401が設置された場合、CPU200aは、その時点で、ラック404に保持された検体容器401からの検体の吸引を中断し、緊急検体設置部221に設置された検体容器401から第二テーブルユニット207上のキュベット217に検体を分注するよう第二分注ユニット205を制御する処理を実行する。その後、CPU200aは、ステップS3−6〜S3−17の処理を実行する。
【0122】
また、上記実施形態では、CPU200aは、測定オーダに含まれる再検予定の有無に基づき、第一動作モードによる測定を実行するか、第二動作モードによる測定を実行するかを選択しているが、他の条件に基づきいずれの動作モードによる測定を実行するかを選択しても良い。
【0123】
例えば、検体容器401に蓋403が付いているか否かを示す情報が測定オーダに含まれており、その情報に基づき、CPU200aがいずれの動作モードによる測定を実行するかを選択してもよい。ここで、CPU200aは、検体容器401に蓋403が装着されている場合には第一動作モードによる測定を実行し、蓋403が装着されていない場合には第二動作モードによる測定を実行するよう測定装置2を制御する。なお、第二動作モードによる測定において、CPU200aは、一回の測定に必要な量よりも多めに検体を分注するよう第一分注ユニット204を制御する。このようにすることで、蓋403が装着されていない検体容器401に収容されている検体については即座に定量吸引可能である。また、真空採血管などの蓋403が装着されている検体容器に収容されている検体についても、一回の測定に必要な量よりも多めに第一分注ユニット204によって分注した後に、第二分注ユニット205によって定量吸引しているため、例えば、内圧を開放してから定量吸引するというような複雑な動作を要さずに定量吸引することができる。したがって、蓋403が装着されている検体容器401と、装着されていない検体容器401とが混在する場合であっても検査を迅速に行うことができる。
【0124】
また、検体容器401に収容されている検体量に関する情報が測定オーダに含まれており、その情報に基づき、CPU200aがいずれの動作モードによる測定を実行するかを選択してもよい。ここで、CPU200aは、検体容器401に収容されている検体の量が所定量以上である場合には第二動作モードによる測定を実行し、所定量より少ない場合には第一動作モードによる測定を実行するよう測定装置2を制御する。なお、測定項目ごとに必要な検体量がROM200eに記憶されている。例えば、検体容器401に収容されている検体量が1回の測定に必要な量に満たない場合、CPU200aは、第一動作モードによる測定を実行するよう測定装置2を制御する。また、検体容器401に収容されている検体に再検予定が設定されている場合であっても、収容されている検体量が2回の測定に必要な量に満たなければ、CPU200aは、第一動作モードによる測定を実行するよう測定装置2を制御する。このようにすることで、検体容器401に収容されている検体が、小児検体などの微量検体や、量が足りず再検できない検体であっても検査を迅速に行うことができる。
【符号の説明】
【0125】
1 検体分析装置
2 測定装置
3 情報処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析容器に収容された検体に含まれる成分の情報を検出するための検出部と、
検出部によって検出された成分情報を分析するための分析部と、
分析に要する第一検体量の検体を定量して分析容器に供給し、検出部による成分情報の検出および分析部による成分情報の分析を実行する第一動作モードと、第一検体量よりも多い第二検体量の検体を留保容器に供給し、留保容器から第一検体量の検体を定量して分析容器に供給し、検出部による成分情報の検出および分析部による成分情報の分析を実行する第二動作モードと、を選択するための動作モード選択部と、
検体を収容した検体容器を搬送するための搬送部と、
第一検体量の検体を供給するための第一供給部と、
第二検体量の検体を供給するための第二供給部と、
動作モード選択手段によって選択された動作モードに応じて第一および第二供給部を制御するための制御部と、を備える検体分析装置。
【請求項2】
制御部は、動作モード選択部によって第一動作モードが選択された場合、第一供給部によって検体容器から第一検体量の検体を分析容器に供給し、第二動作モードが選択された場合、第二供給部によって検体容器から第二検体量の検体を留保容器に供給するように第一および第二供給部を制御する請求項1に記載の検体分析装置。
【請求項3】
制御部は、動作モード選択部によって第二動作モードが選択された場合、第二供給部によって検体容器から第二検体量の検体を留保容器に分注し、第一供給部によって留保容器から第一検体量の検体を分析容器に供給するように第一および第二供給部を制御する請求項1または2に記載の検体分析装置。
【請求項4】
留保容器および分析容器は同一形状である請求項1〜3のいずれか一項に記載の検体分析装置。
【請求項5】
第一供給部は、先端に平坦面が形成され、平坦面に液体吸引口を有する液体吸引管を備える請求項1〜4のいずれか一項に記載の検体分析装置。
【請求項6】
第二供給部は、検体容器の開口に装着された栓体を貫通可能に形成された液体吸引管を備える請求項1〜5のいずれか一項に記載の検体分析装置。
【請求項7】
動作モード選択部は、検体容器の開口に栓体が装着されていない場合には第一動作モードを選択し、検体容器の開口に栓体が装着されている場合には第二動作モードを選択する請求項1〜6のいずれか一項に記載の検体分析装置。
【請求項8】
動作モード選択部は、分析部の分析結果に応じて再検査が実行される検体が検体容器に収容されている場合には第二動作モードを選択する請求項1〜7のいずれか一項に記載の検体分析装置。
【請求項9】
第二検体量は複数回の分析に要する検体量である請求項8に記載の検体分析装置。
【請求項10】
動作モード選択部は、検体容器に収容されている検体の量が所定量に満たない場合には第一動作モードを選択する請求項1〜9のいずれか一項に記載の検体分析装置。
【請求項11】
分析容器に収容された検体に含まれる成分の情報を検出するための検出部と、
検出部によって検出された成分情報を分析するための分析部と、
分析に要する第一検体量の検体を定量して分析容器に供給し、検出部による成分情報の検出および分析部による成分情報の分析を実行する第一動作モードと、第一検体量よりも多い第二検体量の検体を留保容器に供給し、留保容器から第一検体量の検体を定量して分析容器に供給し、検出部による成分情報の検出および分析部による成分情報の分析を実行する第二動作モードと、を選択するための動作モード選択部と、
検体を収容した検体容器を搬送するための搬送部と、
検体を収容した検体容器を設置するための緊急検体設置部と、
第一検体量の検体を供給するための第一供給部と、
第二検体量の検体を供給するための第二供給部と、
緊急検体設置部に検体容器が設置された場合、自動的に第一動作モードを選択し、第一供給部によって検体容器から第一検体量の検体を定量して分析容器に供給するよう第一供給部を制御し、搬送部によって供給位置に検体容器が搬送された場合、動作モード制御部によって選択された動作モードに応じて第一および第二供給部を制御するための制御部と、を備える検体分析装置。
【請求項12】
検体を収容した検体容器を搬送するための搬送工程と、
第一動作モードと第二動作モードとを選択するための動作モード選択手段と、
動作モード選択手段によって第一動作モードが選択された場合、第一供給部によって検体容器から分析に要する第一検体量の検体を定量して分析容器に供給するための第一供給工程と、
動作モード選択手段によって第二動作モードが選択された場合、第二供給部によって第一検体量よりも多い第二検体量の検体を留保容器に供給し、第一供給部によって留保容器から第一検体量の検体を定量して分析容器に供給するための第二供給工程と、
分析容器に収容された検体に含まれる成分の情報を検出するための検出工程と、
検出工程において検出された成分情報を分析するための分析工程と、を備える検体分析方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2010−133920(P2010−133920A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−65641(P2009−65641)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】