検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法および検体分析装置
【課題】キー操作を行う場所と位置調整が行われる処理ユニットが離れていても、容易に処理ユニットの位置調整を行うことができる検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法および検体分析装置を提供する。
【解決手段】制御装置4は、免疫分析装置1を制御し、測定機構部2に配された処理ユニットの位置に関する設定値を記憶する。制御装置4と無線により通信可能に接続された端末装置100の表示部130には、設定値の変更を受け付けるための位置調整画面が表示される。制御装置4は、位置調整画面に対する設定値変更のための入力を端末装置100から受信すると、当該入力に応じて、対応する処理ユニットの移動を測定機構部2に実行させる。これにより、処理ユニットが制御装置4から離れた位置にあっても、端末装置100を処理ユニットの近傍に持って行くことで、処理ユニットの位置を目視しながら処理ユニットの設定値を変更することができる。
【解決手段】制御装置4は、免疫分析装置1を制御し、測定機構部2に配された処理ユニットの位置に関する設定値を記憶する。制御装置4と無線により通信可能に接続された端末装置100の表示部130には、設定値の変更を受け付けるための位置調整画面が表示される。制御装置4は、位置調整画面に対する設定値変更のための入力を端末装置100から受信すると、当該入力に応じて、対応する処理ユニットの移動を測定機構部2に実行させる。これにより、処理ユニットが制御装置4から離れた位置にあっても、端末装置100を処理ユニットの近傍に持って行くことで、処理ユニットの位置を目視しながら処理ユニットの設定値を変更することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理ユニットを動作させ測定を行う検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法および検体分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、予め定められた位置に機構部を移動させ測定を行う分析装置が知られている。たとえば、特許文献1には、所定位置の試料容器から試料を吸引するサンプリングニードルと、サンプリングニードルが吸引した試料が吐出される注入部と、サンプリングニードルを制御する制御部を備える分析装置が記載されている。
【0003】
特許文献1に記載のサンプリングニードルは、試料容器から試料を吸引した後、注入部の位置まで移動し、吸引した試料を注入部に吐出する。ここで、注入部の中心部には目視可能な目印が付けられているため、これを目標にキー操作を行い、サンプリングニードルの位置調整を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−134217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の分析装置では、キー操作を行う場所と位置調整を行う箇所が離れているような場合に、オペレータは、キー操作と位置調整の確認を同時に行えない。このため、オペレータは、キー操作を行った後、機構部が所定の位置にあるかを確認するといった作業を行わねばならず、調整作業が煩雑であった。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、キー操作を行う場所と位置調整が行われる処理ユニットが離れていても、容易に処理ユニットの位置調整を行うことができる検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法および検体分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、可動に配された処理ユニットを動作させて検体の測定を行う測定部と、外部と通信を行うための通信部と、を備える検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法に関する。本態様に係る検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法は、前記処理ユニットの位置変更のための入力を受け付けるための位置調整画面を、前記通信部と通信可能に構成された可搬型の端末装置に表示させる端末画面表示ステップと、前記位置調整画面に対して位置変更のための入力を行う入力ステップと、前記位置調整画面に対する位置変更のための入力を、前記端末装置から前記通信部に送信する送信ステップと、前記通信部により受信された前記位置変更のための入力に応じて、対応する処理ユニットの移動を前記測定部に実行させる移動実行ステップと、を備える。
【0008】
本態様に係る検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法によれば、検体分析装置の操作位置から処理ユニットが離れた位置にあっても、端末装置を処理ユニットの近傍に持って行くことで、処理ユニットの位置を目視しながら、端末装置に表示された位置調整画面から処理ユニットの位置変更を指示することができる。このため、オペレータは、処理ユニットの位置調整の際に、検体分析装置の操作位置と処理ユニットとの間を行き来
する必要がなく、極めて簡便に、処理ユニットの位置調整を行うことができる。
【0009】
本態様に係る検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法において、前記検体分析装置は、前記処理ユニットの位置に関する設定値を記憶した記憶部を備えており、前記端末画面表示ステップは、前記記憶部に記憶された設定値から位置調整画面用の画像データを生成するステップと、生成した画像データを前記通信部から前記端末装置に送信するステップと、を備える構成とされ得る。こうすると、端末装置は受信した画面データを再生して表示するための機能を備えていればよいため、端末装置に位置調整用の特別なアプリケーションを実装する必要がない。よって、汎用のコンピュータと汎用のアプリケーションによる端末装置を用いて、処理ユニットの位置調整を行うことができる。
【0010】
この場合、検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法は、前記記憶部に記憶された設定値に基づく位置調整画面を前記検体分析装置に設けられた表示部に表示する本体画面表示ステップをさらに有する構成とされ得る。
【0011】
また、この場合、前記移動実行ステップは、前記表示部または前記端末装置に表示された位置調整画面に対する設定値変更のための入力に応じて、対応する処理ユニットの移動を前記測定部に実行させるステップを含み、前記本体画面表示ステップは、前記表示部に表示された位置調整画面を処理ユニットの移動に基づき更新するステップを含み、前記端末画面表示ステップは、前記表示部に表示された位置調整画面の更新に同期して、更新後の位置調整画面が前記端末装置にも表示されるように、前記端末装置に表示された位置調整画面を更新するステップを含む構成とされ得る。
【0012】
また、この場合、前記端末画面表示ステップは、設定値の変更を受け付けると、位置調整画面の一部であって、変更された設定値が表示された領域の画像データを生成し、生成した画像データを変更対象の領域を指定するデータとともに前記端末装置に送信するステップを含む構成とされ得る。こうすると、設定値の変更に係る領域の画像データと当該領域を指定するデータのみを端末装置に送信するのみで良いため、設定値変更の際に全ての位置調整画面の画像データを端末装置に送信する場合に比べ、端末装置に送信すべきデータの量を顕著に低減させることができる。
【0013】
また、本態様に係る検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法において、位置調整画面は、所定の移動量だけ処理ユニットを移動させる移動キーを含み、前記移動実行ステップは、前記端末装置に表示された位置調整画面における移動キーが押下される都度、所定の移動量だけ処理ユニットを移動させるステップを含む構成とされ得る。こうすると、処理ユニットの位置調整を簡易な操作により行うことができる。
【0014】
また、本態様に係る検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法において、前記測定部は、複数の処理ユニットを含み、前記端末画面表示ステップは、複数の処理ユニットから位置調整の対象となる処理ユニットの選択を受け付ける選択受付画面を前記端末装置に表示させ、前記選択受付画面を介して選択された処理ユニットに対する位置調整指示を受け付ける位置調整画面を前記端末装置に表示させるステップを含む構成とされ得る。複数の処理ユニットが存在する場合に、いずれの処理ユニットの位置調整を実行するかを選択する必要がある。本発明によれば、処理ユニットの選択も端末装置側で行うことができる。
【0015】
この場合、前記端末画面表示ステップは、前記選択受付画面に、選択された処理ユニットを示す画像を表示させる構成とされ得る。こうすると、調整対象の処理ユニットがどこにあるかを一目で認識できる。
【0016】
また、本態様に係る検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法において、前記端末画面表示ステップは、位置調整画面に対する入力により調整された処理ユニットの動作を確認するための指示を受け付ける動作確認ボタンを前記端末装置に表示させるステップを含み、前記移動実行ステップは、前記動作確認ボタンに対する入力を受け付けると、所定の原点位置から調整後の位置までの移動を処理ユニットに実行させるステップを含む構成とされ得る。こうすると、調整対象の処理ユニットの調整状況を確認できる。
【0017】
また、本態様に係る検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法において、前記端末装置は、前記通信部と無線通信可能に構成され得る。
【0018】
本発明の第2の態様は、検体分析装置に関する。本態様に係る検体分析装置は、可動に配された処理ユニットを動作させて検体の測定を行う測定部と、外部と通信を行うための通信部と、制御手段と、を備える。ここで、前記制御手段は、前記処理ユニットの位置変更のための入力を受け付けるための位置調整画面を、前記通信部と通信可能に構成された可搬型の端末装置に表示させ、前記位置調整画面に対する位置変更のための入力を、前記通信部を介して受信すると、当該入力に応じて、処理ユニットの移動を前記測定部に実行させる。
【0019】
本態様に係る検体分析装置によれば、上記第1の態様に係る検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法と同様の効果が奏され得る。
【0020】
本態様に係る検体分析装置は、前記処理ユニットの位置に関する設定値を記憶した記憶部をさらに備える構成とされ得る。ここで、前記制御手段は、前記記憶部に記憶された設定値から位置調整画面用の画像データを生成し、生成した画像データを前記通信部から前記端末装置に送信する構成とされ得る。こうすると、上記第1の態様に係る検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法と同様の効果が奏され得る。
【0021】
この場合、本態様に係る検体分析装置は、表示部をさらに備える構成とされ得る。ここで、前記制御手段は、前記記憶部に記憶された設定値に基づく位置調整画面を前記表示部に表示させる構成とされ得る。
【0022】
また、この場合、前記制御手段は、前記表示部または前記端末装置に表示された位置調整画面に対する設定値変更のための入力に応じて、処理ユニットの移動を前記測定部に実行させ、前記表示部に表示された位置調整画面を処理ユニットの移動に基づき更新し、前記表示部に表示された位置調整画面の更新に同期して、更新後の位置調整画面が前記端末装置にも表示されるように、前記端末装置に表示された位置調整画面を更新する構成とされ得る。
【0023】
また、この場合、前記制御手段は、設定値の変更を受け付けると、位置調整画面の一部であって、変更された設定値が表示された領域の画像データを生成し、生成した画像データを変更対象の領域を指定するデータとともに前記端末装置に送信する構成とされ得る。こうすると、上記第1の態様に係る検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法と同様の効果が奏され得る。
【0024】
また、本態様に係る検体分析装置において、位置調整画面は、所定の移動量だけ処理ユニットを移動させる移動キーを含み、前記制御手段は、前記端末装置に表示された位置調整画面における移動キーが押下される都度、所定の移動量だけ処理ユニットを移動させる構成とされ得る。こうすると、上記第1の態様に係る検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法と同様の効果が奏され得る。
【0025】
また、本態様に係る検体分析装置において、前記測定部は、複数の処理ユニットを含み、前記制御手段は、複数の処理ユニットから位置調整の対象となる処理ユニットの選択を受け付ける選択受付画面を前記端末装置に表示させ、前記選択受付画面を介して選択された処理ユニットに対する位置調整指示を受け付ける位置調整画面を前記端末装置に表示させる構成とされ得る。こうすると、上記第1の態様に係る検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法と同様の効果が奏され得る。
【0026】
ここで、前記制御手段は、前記選択受付画面に、選択された処理ユニットを示す画像を表示させる構成とされ得る。こうすると、上記第1の態様に係る検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法と同様の効果が奏され得る。
【0027】
また、本態様に係る検体分析装置において、前記制御手段は、位置調整画面に対する入力により調整された処理ユニットの動作を確認するための指示を受け付ける動作確認ボタンを前記端末装置に表示させ、前記動作確認ボタンに対する入力を受け付けると、所定の原点位置から調整後の位置まで処理ユニットを移動させる構成とされ得る。こうすると、上記第1の態様に係る検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法と同様の効果が奏され得る。
【0028】
また、本態様に係る検体分析装置において、前記端末装置は、前記通信部と無線通信可能に構成され得る。
【発明の効果】
【0029】
以上のとおり、本発明によれば、キー操作を行う場所と位置調整が行われる処理ユニットが離れていても、容易に処理ユニットの位置調整を行うことができる検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法および検体分析装置を提供することができる。
【0030】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態により何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】実施の形態に係る免疫分析装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】実施の形態に係る免疫分析装置内を上側から見た場合の構成を示す平面図である。
【図3】実施の形態に係る測定機構部の回路構成を示す図である。
【図4】実施の形態に係る制御装置の回路構成を示す図である。
【図5】実施の形態に係る端末装置の回路構成を示す図である。
【図6】実施の形態に係る位置調整メイン画面を示す図である。
【図7】実施の形態に係る微調整画面を示す図である。
【図8】実施の形態に係る端末装置および制御装置の処理を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態に係る端末装置の受信処理および送信処理を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態に係る制御装置の送信処理および受信処理を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態に係るコントロール処理における主要な処理を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態に係るコントロール処理における主要な処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本実施の形態は、血液などの検体を用いてB型肝炎、C型肝炎、腫瘍マーカおよび甲状腺ホルモンなど種々の項目の検査を行うための免疫分析装置に本発明を適用したものである。
【0033】
以下、本実施の形態に係る免疫分析装置について、図面を参照して説明する。
【0034】
図1は、免疫分析装置1の全体構成を示す斜視図である。免疫分析装置1は、測定機構部2と、検体搬送部(サンプラ)3と、制御装置4とを備えている。測定機構部2は、検体搬送部3と制御装置4に通信可能に接続されている。検体搬送部3は、検体を収容した複数の試験管が載置されたラックを搬送可能に構成されている。制御装置4は、本体400と、タッチパネルからなる表示入力部410を備え、端末装置100と無線による通信が可能となっている。端末装置100は、測定機構部2内の各種ユニットの位置調整を行う際に用いられ、本体110と、入力部120と、表示部130を備えている。測定機構部2内の位置調整については、追って、図6、7を参照して説明する。
【0035】
図2は、免疫分析装置1内を上側から見た場合の構成を示す平面図である。
【0036】
測定機構部2は、検体分注アーム5と、R1試薬分注アーム6と、R2試薬分注アーム7と、R3試薬分注アーム8と、反応部9と、キュベット供給部10と、1次BF分離部11と、2次BF分離部12と、ピペットチップ供給部13と、検出部14と、R4/R5試薬供給部15と、試薬設置部16を備えている。検体搬送部3は、未処理の検体を収容した複数の試験管が載置されたラックを搬送可能に構成されている。
【0037】
免疫分析装置1では、測定対象である血液等の検体と緩衝液(R1試薬)とを混合させ、得られた混合液に、検体に含まれる抗原に結合する捕捉抗体を担持した磁性粒子を含む試薬(R2試薬)を添加する。抗原と結合した捕捉抗体を担持する磁性粒子を1次BF(Bound Free)分離部11の磁石(図示せず)に引き寄せることにより、捕捉抗体と結合しなかった検体内の成分を除去する。そして、標識抗体(R3試薬)をさらに添加した後に、標識抗体および抗原に結合した捕捉抗体を担持する磁性粒子を2次BF分離部12の磁石(図示せず)に引き寄せることにより、未反応の標識抗体を含むR3試薬を除去する。さらに、分散液(R4試薬)および標識抗体との反応過程で発光する発光基質(R5試薬)を添加した後、標識抗体と発光基質との反応によって生じる発光量を測定する。このような過程を経て、標識抗体に結合する検体に含まれる抗原が定量的に測定される。
【0038】
キュベット供給部10は、複数のキュベットを収納可能に構成されており、検体分注アーム5による吐出位置1bにキュベットを1つずつ順次供給する。
【0039】
R1試薬分注アーム6には、図示の如く、R1試薬の吸引および吐出を行うためのピペット6aが取り付けられている。R1試薬分注アーム6は、ピペット6aを用いて、試薬設置部16に設置されたR1試薬を吸引し、吸引したR1試薬を吐出位置1bに載置されたキュベットに分注(吐出)する。
【0040】
ピペットチップ供給部13は、投入された複数のピペットチップ(図示せず)を1つずつ検体分注アーム5によるチップ装着位置(図示せず)まで搬送する。しかる後、ピペットチップは、チップ装着位置において、検体分注アーム5のピペット先端に取り付けられる。
【0041】
検体分注アーム5は、装着されたピペットチップを用いて、検体搬送部3により検体吸引位置1aに搬送された試験管内の検体を吸引する。この吸引は、検体搬送部3の搬送路
を覆う天板31に形成された孔31aを介して行われる。検体分注アーム5は、吸引した検体を、吐出位置1bのキュベットに分注(吐出)する。このキュベットには、予め、R1試薬分注アーム6によりR1試薬が分注されている。その後、キュベットは、R1試薬分注アーム6の図示しないキャッチャにより、反応部9に移送される。
【0042】
R2試薬分注アーム7には、図示の如く、R2試薬の吸引および吐出を行うためのピペット7aが取り付けられている。R2試薬分注アーム7は、ピペット7aを用いて、試薬設置部16に設置されたR2試薬を吸引し、吸引したR2試薬を、R1試薬および検体を収容するキュベットに分注(吐出)する。
【0043】
反応部9は、図示の如く、円形形状を有する試薬設置部16の周囲を取り囲むように円環状に形成されている。また、反応部9は、外形に沿って所定間隔に配置された複数のキュベット設置部9aを有する。キュベット設置部9aにセットされたキュベットは約42℃に加温される。これにより、キュベット内の検体と各種試薬との反応が促進される。また、反応部9は、時計回り方向(矢印A1方向)に回転可能に構成され、キュベット設置部9aにセットされたキュベットを、各種処理(試薬の分注など)が行われるそれぞれの処理位置まで移動させる。
【0044】
検体、R1試薬およびR2試薬を収容するキュベットが、図示しないキャッチャにより反応部9から1次BF分離部11に移送される。1次BF分離部11は、キュベット内の試料から捕捉抗体と結合しなかった検体内の成分を除去する。
【0045】
R3試薬分注アーム8には、図示の如く、R3試薬の吸引および吐出を行うためのピペット8aが取り付けられている。R3試薬分注アーム8は、ピペット8aを用いて、試薬設置部16に設置されたR3試薬を吸引する。また、R3試薬分注アーム8は、ピペット8aを用いて、吸引したR3試薬を1次BF分離部11から反応部9に移送されたキュベットに分注(吐出)する。
【0046】
1次BF分離部11による除去処理後の試料とR3試薬とを収容するキュベットが、図示しないキャッチャにより反応部9から2次BF分離部12に移送される。2次BF分離部12は、未反応の標識抗体を含むR3試薬を除去する。
【0047】
R4/R5試薬供給部15は、図示しないチューブにより、2次BF分離部12による除去処理後の試料を収容するキュベットに、R4試薬およびR5試薬を順に分注する。
【0048】
検出部14は、所定の処理が行われた検体の抗原に結合する標識抗体と発光基質との反応過程で生じる光を、光電子増倍管(Photo Multiplier Tube)で取得することにより、
その検体に含まれる抗原の量を測定する。
【0049】
試薬設置部16の上面には、試薬設置部16および反応部9の両方を覆うように、円形状のカバー部161が配置されている。カバー部161の所定の箇所には、R1〜R3試薬分注アームが試薬を吸引するための開口部と、R1〜R3試薬分注アームがキュベットの移動や分注処理を行うための開口部が形成されている。
【0050】
図3は、測定機構部2の回路構成を示す図である。
【0051】
測定機構部2は、制御部200と、ステッピングモータ部211と、ロータリーエンコーダ部212と、センサ部213と、機構部214を含んでいる。制御部200は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、バッテリーバックアップRAM204と、通信インターフェース205と、I/Oインターフェース206とを含んでいる。
【0052】
CPU201は、ROM202に記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM203にロードされたコンピュータプログラムを実行する。RAM203は、ROM202に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられると共に、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU201の作業領域としても利用される。
【0053】
バッテリーバックアップRAM204は、測定機構部2の電源がオフとなっても記憶内容が消えないよう構成されている。バッテリーバックアップRAM204には、測定機構部2内の各ユニットの設定値が格納されている。設定値については、追って図6を参照して説明する。
【0054】
通信インターフェース205は、検体搬送部3と制御装置4に接続されている。CPU201は、通信インターフェース205を介して、検体の光学的な情報(標識抗体と発光基質との反応によって生じる発光量のデータ)を制御装置4に送信するとともに、制御装置4からの信号を受信する。また、CPU201は、通信インターフェース205を介して、検体搬送部3に対して駆動指示のための信号を送信する。
【0055】
また、CPU201は、I/Oインターフェース206を介して、ステッピングモータ部211と、ロータリーエンコーダ部212と、センサ部213と、機構部214に接続されている。
【0056】
ステッピングモータ部211は、測定機構部2内で処理を行うための各ユニットをそれぞれ駆動するためのステッピングモータを含んでいる。各ステッピングモータは、I/Oインターフェース206を介してCPU201により制御される。
【0057】
ロータリーエンコーダ部212は、各ステッピングモータにそれぞれ対応するロータリーエンコーダを含んでいる。各ロータリーエンコーダは、それぞれ、対応するステッピングモータの回転変位量に応じたパルス数を出力する。各ロータリーエンコーダから出力されたパルス数をカウントすることで、対応するステッピングモータの回転量を検出することができる。各ロータリーエンコーダの検出信号は、I/Oインターフェース206を介してCPU201に出力される。
【0058】
センサ部213は、測定機構部2内の各ユニットが所定の位置にあることを検出する複数のセンサを含んでいる。これらセンサの検出信号により、測定機構部2内のユニットがどの位置に位置付けられたかが分かる。各センサは、I/Oインターフェース206を介してCPU201により制御される。また、各センサの検出信号は、I/Oインターフェース206を介してCPU201に出力される。
【0059】
機構部214は、測定機構部2のその他の機構を含んでおり、これら機構は、I/Oインターフェース206を介してCPU201により制御される。
【0060】
図4は、制御装置4の回路構成を示す図である。
【0061】
制御装置4は、パーソナルコンピュータからなり、本体400と表示入力部410から構成されている。本体400は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、ハードディスク404と、読出装置405と、入出力インターフェース406と、画像出力インターフェース407と、通信インターフェース408を有する。
【0062】
CPU401は、ROM402に記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM403にロードされたコンピュータプログラムを実行する。RAM403は、ROM40
2およびハードディスク404に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、RAM403は、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU401の作業領域としても利用される。
【0063】
ハードディスク404には、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU401に実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。すなわち、測定機構部2内の各ユニットの設定値の変更を受け付けるための位置調整メイン画面500(図6参照)と、微調整画面600(図7参照)を表示するためのプログラムがインストールされている。また、これら画面に基づく画像データを生成して、端末装置100に送信し、端末装置100から受信した設定値の変更に応じて設定値を書き換えるプログラムがインストールされている。
【0064】
読出装置405は、CDドライブまたはDVDドライブ等によって構成されており、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムおよびデータを読み出すことができる。
【0065】
入出力インターフェース406は、表示入力部410から出力された信号を受け付ける。画像出力インターフェース407は、画像データに応じた映像信号を表示入力部410に出力する。表示入力部410は、画像出力インターフェース407から出力された映像信号をもとに画像を表示するとともに、表示入力部410の画面を介してユーザから受け付けた指示を入出力インターフェース406に出力する。
【0066】
なお、表示入力部410を介して数値を入力する場合には、表示入力部410に数値の入力を受け付けるためのキーボード画像が表示される。ユーザは、この画像上に表示された数字を押下することにより、数値を入力することができる。
【0067】
通信インターフェース408は、本体400側の信号を測定機構部2と端末装置100に送信し、測定機構部2と端末装置100から送信された信号を受信する。端末装置100と通信インターフェース408とは、無線による通信が可能となるよう接続されている。この無線通信を行うために、通信インターフェース408は通信モジュールとしての無線LANカードを備えている。この無線LANカードは、図示しない無線LANルータを介して、端末装置100の通信インターフェース118と無線通信可能に構成されている。この無線LANによる通信環境によって、端末装置100と制御装置4との無線通信における物理層が構築されている。上位層での通信路の確立は、後述するように無線LANルータを介してTCP/IPプロトコルを利用したIPパケットをやり取りすることによって実現される。
【0068】
図5は、端末装置100の回路構成を示す図である。
【0069】
端末装置100は、ノート型のパーソナルコンピュータからなり、本体110と、入力部120と、表示部130から構成されている。本体110は、CPU111と、ROM112と、RAM113と、ハードディスク114と、読出装置115と、入出力インターフェース116と、画像出力インターフェース117と、通信インターフェース118を有する。なお、本体110の回路構成については、制御装置4の本体400の回路構成と略同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0070】
入力部120は、タッチパッドやキーボードからなり、ユーザが入力部120を操作することにより、入力部120から入出力インターフェース116に入力信号が送られる。表示部130はディスプレイからなり、画像出力インターフェース117から出力された画像データに応じて画像を表示する。
【0071】
通信インターフェース118は、本体110側の信号を制御装置4に送信し、制御装置4から送信された信号を受信する。制御装置4と通信インターフェース118とは、無線による通信が可能となるよう接続されている。通信インターフェース118は、制御装置4の通信インターフェース408と同様に、無線通信を行うための通信モジュールとしての無線LANカードを備えている。
【0072】
ハードディスク114には、制御装置4から送信された画像データを表示し、入力部120を介して入力された内容を、制御装置4に送信するためのプログラムがインストールされている。このプログラムは、後述する測定機構部2の各ユニットの位置調整を制御する専用のプログラムではなく、受信した画像を表示し、入力内容を送信するための汎用的なプログラムである。
【0073】
なお、本実施の形態では、たとえば、実行環境としてアドビシステムズ社のAIRがインストールされ、この実行環境で実行されるアプリケーションがインストールされ得る。AIR上で実行可能なプログラムは、AIRがインストールされていればオペレーティングシステムによらず実行可能となる。これにより、端末装置100のオペレーティングシステムが変更されたとしても、端末装置100で実行するためのプログラムを新たに準備する必要がなくなる。
【0074】
図6は、測定機構部2内の各ユニットの位置調整を行うための位置調整メイン画面500を示す図である。
【0075】
位置調整メイン画面500は、後述するように、制御装置4の表示入力部410と端末装置100の表示部130において同期的に表示される。これにより、ユーザは位置調整メイン画面500への操作を、表示入力部410と入力部120のどちらを介しても行うことができる。なお、位置調整メイン画面500が表示されるとき、測定機構部2の各ユニットは全て原点位置に位置付けられる。
【0076】
位置調整メイン画面500は、設定値表示領域510と、詳細表示領域520と、OKボタン531と、キャンセルボタン532を含んでいる。
【0077】
設定値表示領域510は、測定機構部2内の各ユニットの動作位置を示す領域である。図示の如く、設定値表示領域510には、ユニット名項目と、動作箇所項目と、設定値項目(ω、θ、r、x、y、z、x+、y+、z+)が含まれている。ユニット名項目は、測定機構部2内に配された各ユニットのユニット名を示し、動作箇所項目は、各ユニットの動作位置を示す。設定値項目は、各動作位置に対するユニットの移動位置を具体的数値(パルス数)で定義する。すなわち、各ユニットには原点位置が設定されており、各設定値は当該ユニットを原点位置から移動位置まで駆動するためにステッピングモータに出力するパルス数である。
【0078】
なお、x、y、zは、測定機構部2に設定された座標軸X−Y−Zの方向(図2参照)に、ユニットを駆動させるためのパルス数を示す。θは、Z軸回りにユニットを回転させるためのパルス数を示す。ωは、ユニットの動作箇所が、Z軸回りに回転可能な他の機構の一部に対応する場合に、Z軸回りに当該他の機構(以下、「受け手側機構」という)を回転させるためのパルス数を示す。rは、伸縮するユニットにおいて、伸縮方向にユニットを駆動させるためのパルス数を示す。x+、y+、z+は、それぞれ、設定値x、y、zに対するオフセット量を示す。なお、各動作箇所の設定値のうち、各ユニットの移動位置の定義に用いられない設定値項目の値は0とされる。
【0079】
何れか一つの動作箇所項目がユーザにより押下(選択)されると、この動作箇所項目の行が反転表示される。図6には、「検体アーム」の動作箇所「2:サンプラ吸引位置」が反転表示された状態が示されている。なお、「2:サンプラ吸引位置」は、図2の検体吸引位置1aに対応する。
【0080】
設定値項目の値は、ユニット名項目と動作箇所項目とに対応付けて、測定機構部2のバッテリーバックアップRAM204に記憶される。位置調整メイン画面500の表示が開始されるとき、バッテリーバックアップRAM204からこれらの情報が読み出されて、図示の如く設定値表示領域510が表示される。
【0081】
詳細表示領域520は、調整箇所表示領域521と、粗調整表示領域522と、微調整表示領域523を含んでいる。
【0082】
調整箇所表示領域521には、設定値表示領域510において反転表示されている動作箇所近傍の画像と、動作箇所を示す矢印が表示される。図6では、図2の検体吸引位置1a近傍の画像が調整箇所表示領域521に表示されている。これにより、ユーザは、位置調整対象の動作箇所を画像により確認することができる。
【0083】
粗調整表示領域522は、現在値表示領域522aと、前回値表示領域522bと、前回値ボタン522cを含んでいる。現在値表示領域522aは6個のテキストボックスを含んでいる。各テキストボックスには、設定値表示領域510において反転表示されている設定値が表示される。テキストボックスに表示されている値は、ユーザにより直接変更可能である。テキストボックス内の設定値が変更されると、設定値表示領域510内の対応する設定値も変更される。なお、対象ユニットの移動位置を定義しない設定値に対応するテキストボックスは、グレー表示とされ、入力不可となっている。たとえば、ω、r、yは反転表示されたサンプラ吸引位置と関係がないため、図示の如く、ω、r、yに対応する現在値表示領域522a内のテキストボックスがグレー表示となっている。
【0084】
前回値表示領域522bは、設定値表示領域510において反転表示されている各設定値項目の前回調整時の値(前回値)が表示される。かかる前回値は、位置調整メイン画面500の表示が開始されたときにバッテリーバックアップRAM204から読み出されて前回値表示領域522bに表示される。バッテリーバックアップRAM204に設定値が書き込まれる際には、現在値と前回値が書き込まれる。なお、出荷時には、デフォルト値が現在値と前回値に書き込まれている。前回値ボタン522cが押下されると、前回値表示領域522bに表示されている前回値が、それぞれ、現在値表示領域522aのテキストボックスに書き込まれる。
【0085】
微調整表示領域523は、微調整ボタン523aを含んでいる。微調整ボタン523aが押下されると、後述する微調整画面600(図7参照)が表示される。すなわち、ユーザは、粗調整表示領域522において、具体的に数値を入力することにより動作位置の粗調整を行い、さらに微調整を行いたい場合に微調整ボタン523aを押下する。
【0086】
チェックボックス524は、設定値表示領域510において反転表示されている動作箇所の調整が完了したときに、ユーザによりチェックされる。これにより、当該動作箇所項目と設定値項目の色が変更される。図6では、動作箇所「11:R1試薬分注位置」の色が変更されている。チェックボックス524がチェックされた後、他の動作箇所項目が選択されても、色が変わった動作箇所項目と設定値項目は、そのままの色に維持される。これにより、ユーザは、位置調整が完了した動作箇所を確認することができる。
【0087】
OKボタン531がユーザにより押下されると、設定値表示領域510に表示されてい
る全ての設定値が、バッテリーバックアップRAM204に記憶され、位置調整メイン画面500が閉じられる。キャンセルボタン532がユーザにより押下されると、設定値表示領域510に表示されている全ての設定値が破棄され、位置調整メイン画面500が閉じられる。具体的には、位置調整メイン画面500において、粗調整表示領域522で変更された設定値、および、後述する微調整画面600において変更された設定値は、全て制御装置4のRAM403に一時的に記憶される。OKボタン531が押下されると、RAM403に記憶されている設定値はバッテリーバックアップRAM204に書き込まれ、キャンセルボタン532が押下されると、RAM403に記憶されている設定値は破棄される。
【0088】
図7は、微調整画面600を示す図である。
【0089】
微調整画面600も、位置調整メイン画面500と同様、制御装置4の表示入力部410と端末装置100の表示部130において同期的に表示される。これにより、ユーザは微調整画面600への操作を、表示入力部410と入力部120のどちらを介しても行うことができる。
【0090】
微調整画面600は、調整箇所表示領域601と、パルス移動値表示領域610と、反応冷却部位置調整表示領域620と、ユニット位置調整表示領域630と、キャッチャ位置調整表示領域640と、ピペット先端表示領域650と、センサ表示領域660と、状態表示領域671と、確認ボタン672と、OKボタン673と、キャンセルボタン674を含んでいる。
【0091】
調整箇所表示領域601には、微調整対象のユニットと当該ユニットの動作箇所が表示される。すなわち、図6の微調整ボタン523aが押下されたときに、設定値表示領域510において反転表示されていた動作箇所と当該動作箇所を含むユニットが、調整箇所表示領域601に表示される。
【0092】
パルス移動値表示領域610には、選択可能な3つのラジオボタンが含まれている。各ラジオボタンに付された数は、後述する移動ボタン621b、621c、631b〜634b、631c〜634c、641b、641cが1回押下されたときに、ユニットを駆動させるパルス数である。ユーザは、何れか一つのラジオボタンを選択することにより、微調整時の移動単位を設定することができる。
【0093】
図6の微調整ボタン523aが押下され、位置調整メイン画面500から微調整画面600へと表示が切り替えられると、位置調整メイン画面500の現在値表示領域522aに表示されていたω、θ、x、y、z、rの値が、それぞれ、テキストラベル621a、631a〜634a、641aに表示される。同時に、位置調整メイン画面500の設定値表示領域510で反転表示されていたユニットが、現在値表示領域522aに表示されていたω、θ、x、yの値で定義される位置まで原点位置から駆動される。なお、ユニットの上下方向と伸縮方向の位置は、zとrの値で定義される位置に移動されない。上下方向と伸縮方向の位置は、後述する移動補助ボタン634d、641dを押下することにより、zとrの値で定義される位置に移動される。これにより、このユニットが意図せず装置内の他の機構に衝突することを防ぐことができる。
【0094】
反応冷却部位置調整表示領域620の移動ボタン621b、621cが1回押下されると、パルス移動値表示領域610で設定されているパルス移動値分だけ、調整箇所表示領域601に表示されたユニットに対応する受け手側機構が、それぞれ、時計回りと反時計回りに回転され、これに伴い、テキストラベル621a内の値が増減される。なお、図7に示す例では、調整箇所であるサンプラ吸引位置(図2の検体吸引位置1a)において受
け手側機構(検体搬送部3)がZ軸回りに回転しないため、テキストラベル621aがグレー表示となっている。この場合、移動ボタン621b、621cが押下されても、受け手側機構(検体搬送部3)に変化は生じない。
【0095】
ユニット位置調整表示領域630の移動ボタン631b、631cと、移動ボタン632b、632cと、移動ボタン633b、633cと、移動ボタン634b、634cが1回押下されると、当該ユニットが、それぞれ、時計回り、反時計回り、右方向、左方向、前方向、後方向、下方向、上方向に移動され、これに伴い、テキストラベル631a〜634aの値が増減される。なお、移動ボタン634b、634cは、移動補助ボタン634dが押下されたときに有効となる。図7に示す例では、調整箇所であるサンプラ吸引位置(図2の検体吸引位置1a)において調整対象ユニットである検体アーム(図2の検体分注アーム5)はY軸方向(前後方向)に移動しないため、テキストラベル633aがグレー表示となっている。この場合、移動ボタン633b、633cが押下されても、検体アームに変化は生じない。
【0096】
移動補助ボタン634dがユーザにより押下されると、当該ユニットが、テキストラベル634aに示されている上下方向位置に位置付けられる。再度、移動補助ボタン634dが押下されると、このユニットが原点位置に位置付けられる。
【0097】
キャッチャ位置調整表示領域640の移動ボタン641b、641cが押下されると、当該ユニットが伸縮方向に移動され、これに伴い、テキストラベル641aの値も増減される。なお、移動ボタン641b、641cは、移動補助ボタン641dが押下されたときに有効となる。図7に示す例では、調整箇所であるサンプラ吸引位置(図2の検体吸引位置1a)において調整対象ユニットである検体アーム(図2の検体分注アーム5)は伸縮しないため、テキストラベル641aがグレー表示となっている。この場合、移動ボタン641b、641cが押下されても、検体アームに変化は生じない。
【0098】
移動補助ボタン641dがユーザにより押下されると、当該ユニットが、テキストラベル641aに示されている位置まで伸縮される。再度、移動補助ボタン641dが押下されると、このユニットが原点位置に位置付けられる。
【0099】
ピペット先端表示領域650には、ピペットの先端が液面に接触したことを検出するセンサの検出信号を表示する円形の領域と、この領域の表示をリセットするボタンが含まれている。センサ表示領域660は、調整箇所表示領域601に表示されているユニットに関連するセンサの検出信号を表示する6つの領域と、これらセンサがバーコードリーダを含む場合にバーコードの読み取りを実行させるボタンと、読み取られたバーコードの値を表示するテキストラベルが含まれている。
【0100】
状態表示領域671には、調整対象ユニットの動作状態が表示される。移動補助ボタン634d、641dと、後述する確認ボタン672が押下されて、ユニットが移動中である場合、状態表示領域671には“移動中”と表示される。ユニットが調整可能な状態である場合、状態表示領域671には“スタンバイ”と表示される。
【0101】
確認ボタン672が押下されると、調整箇所表示領域601に表示されているユニットがいったん原点位置に戻され、このユニットがω、θ、x、y、z、rで定義される調整箇所まで移動される。これにより、ユーザは、微調整画面600で行った位置調整が適正であるかを、実際にユニットが駆動することを目視することにより確認することができる。
【0102】
OKボタン673が押下されると、微調整画面600が閉じられ、図6の位置調整メイ
ン画面500が表示される。このとき、テキストラベル621a、631a〜634a、641aに表示されていた設定値が、位置調整メイン画面500の設定値表示領域510と現在値表示領域522aに反映される。キャンセルボタン674が押下されると、微調整画面600で設定した内容は破棄され、微調整画面600が閉じられる。
【0103】
図8は、端末装置100と制御装置4の処理を示すフローチャートである。
【0104】
端末装置100のCPU111は、まず、通信インターフェース118を介して、制御装置4に接続要求を送信する(S11)。具体的には、ユーザは、端末装置100の入力部120から制御装置4のIPアドレスを指定し、制御装置4と通信を試みる指示を入力する。指示が入力されると、通信インターフェース118は、指定されたIPアドレスに対して無線LANルータ(図示せず)を介してIPパケットを送信する。これに応じて制御装置4から応答があると、端末装置100と制御装置4との間に無線通信路が確立される。以後の端末装置100と制御装置4との通信は、TCP/IPプロトコルを用いてIPパケットをやり取りすることにより行われる。
【0105】
続いて、CPU111は、受信処理と送信処理を開始する(S12、S13)。CPU111は、受信処理において、制御装置4から受信したデータに基づく画面を表示部130に表示する。この画面に対する入力が行われると、CPU111は、送信処理において、入力された情報を制御装置4に送信する。S12とS13により開始された処理は、シャットダウン指示が行われるまで繰り返し行われる(S14)。端末装置100の受信処理と送信処理は、追って図9(a)、(b)を参照して説明する。
【0106】
制御装置4のCPU401は、まず、端末装置100からの接続を受け付ける準備をし(S21)、端末装置100から接続要求を受信するまで処理を待機させる(S22)。CPU401は、通信インターフェース408を介して端末装置100から接続要求を受信すると(S22:YES)、これに対する応答を端末装置100に送信する。これにより、端末装置100と制御装置4との間に無線通信路が確立される。
【0107】
続いて、CPU401は、送信処理と受信処理を開始する(S23、S24)。CPU401は、送信処理において端末装置100にデータを送信し、受信処理において端末装置100から送信されたデータを受信する。S23とS24により開始された処理は、シャットダウン指示が行われるまで繰り返し行われる(S25)。制御装置4の送信処理と受信処理は、追って図10(a)、(b)を参照して説明する。
【0108】
なお、端末装置100の受信処理と送信処理、および、制御装置4の受信処理と送信処理は、それぞれ並行して実行される。
【0109】
本実施の形態において、端末装置100には、画像データと、画像を表示する位置(画面上の座標位置)および領域(座標位置を起点とする領域のサイズ)を示す情報と、画像データが画面全体の画像を表示するためのものか、画面の一部を表示するためのものかを示す識別情報が、制御装置4から送信される。端末装置100は、画像データに基づく画像を、指定された位置(座標)に、指定された領域(サイズ)に合うように表示する。また、端末装置100に表示された画面上の入力位置(画面上の座標位置)または入力内容(キー情報)を示す情報が、端末装置100から制御装置4に送信される。このように、本実施の形態において、端末装置100は、受信した画像データを指定された位置と領域に画像として再生する機能と、画面上における入力位置(座標位置)と入力内容(キー情報)を送信する機能とを備えていれば良い。かかる機能は、たとえば、上記のように、汎用的なプログラムを端末装置100にインストールすることで実現できる。
【0110】
図9(a)は、端末装置100の受信処理を示すフローチャートである。
【0111】
端末装置100のCPU111は、制御装置4からデータを受信すると(S101:YES)、受信したデータに、画面全体の画像データ、あるいは、画面の一部の画像データが含まれているかを判定する(S102、S106)。なお、かかる判定は、受信データに含まれる上述の識別情報に基づいて行われる。受信データが、画面全体の画像データも画面の一部の画像データも含まないと(S102:NO、S106:NO)、処理がS101に戻される。
【0112】
受信データが画面全体の画像データを含むと(S102:YES)、CPU111は、受信したデータから画面全体の情報(画像データと、この画像の表示サイズに関する情報)を取得する(S103)。なお、制御装置4から端末装置100に送信される画像データは、ファイルサイズを小さくするために圧縮された形式(たとえば、PNG形式)となっている。続いて、CPU111は、取得した画面データを圧縮前の形式に展開し(S104)、展開した画像を指定されたサイズで表示部130に表示する。これにより、表示部130の画面全体が更新される(S105)。
【0113】
一方、受信データが画面の一部の画像データを含むと(S102:NO、S106:YES)、CPU111は、受信したデータから更新情報(画面の一部の画像データと、この画像を表示する領域のサイズ、および、この領域の画面上における座標位置)を取得する(S107)。続いて、CPU111は、取得した画像データを圧縮前の形式に展開し(S108)、この画像データに基づく画像を指定されたサイズおよび座標位置の領域に表示する。これにより、表示部130の画面の一部が更新される(S109)。たとえば、図7のテキストラベル632aに対応する領域のみが更新される。このように、S101〜109の処理は、シャットダウン指示が行われるまで繰り返し行われる(S110)。
【0114】
図9(b)は、端末装置100の送信処理を示すフローチャートである。
【0115】
表示部130に表示されている画面が、ユーザにより入力部120を介してクリックされると(S111:YES)、端末装置100のCPU111は、クリックされた位置の座標を取得して(S112)、この座標を含むクリック情報を制御装置4に送信する(S113)。ユーザにより入力部120を介してキー入力(数字キー等に対する入力)が行われると、CPU111は、入力されたキーに対応するキー情報を制御装置4に送信する(S115)。このように、S111〜115の処理は、シャットダウン指示が行われるまで繰り返し行われる(S116)。
【0116】
図10(a)は、制御装置4の送信処理を示すフローチャートである。
【0117】
制御装置4のCPU401は、画面全体の画像データを送信する必要があるかを判定し(S201)、さらに、画面の一部の画像データを送信する必要があるかを判定する(S204)。図8のS23で送信処理が開始されたときと、図6の位置調整メイン画面500と図7の微調整画面600との間で画面が切り替えられるとき、CPU401は、画面全体の画像データを送信する必要があると判定する(S201:YES)。また、位置調整メイン画面500または微調整画面600に対する入力により画面の一部の状態が変わるとき、CPU401は、画面の一部の画像データを送信する必要があると判定する(S204:YES)。
【0118】
CPU401は、画面全体の画像を送信する必要があると判定すると(S201:YES)、画面全体の画像データと、この画像の表示サイズを取得し(S202)、このうち
、画像データを所定の形式に圧縮する(S203)。一方、CPU401は、画面の一部の画像データを送信する必要があると判定すると(S201:NO、S204:YES)、画面中の変更箇所に対応する領域(以下、「変更領域」という)の画像データと、この変更領域のサイズ、および、この変更領域の画面上における座標位置を取得し(S205)、このうち、画像データを所定の形式に圧縮する(S206)。
【0119】
続いて、CPU401は、S203で圧縮した画像データと当該画像の表示サイズを含む画面全体の情報、または、S206で圧縮した画像データと変更領域のサイズおよび座標位置を含む更新情報を、端末装置100に送信する(S207)。ここで、画面全体の情報と更新情報には、画像データが、画面全体の画像に関するものか、画面の一部の画像に関するものかを示す識別情報がさらに含まれている。こうして、S201〜S207の処理が、シャットダウン指示が行われるまで繰り返し行われる(S208)。
【0120】
図10(b)は、制御装置4の受信処理を示すフローチャートである。
【0121】
制御装置4のCPU401は、端末装置100からデータを受信すると(S211:YES)、受信したデータが、画面クリックまたはキー入力に関するものであるかを判定する(S212、S215)。受信したデータが画面クリックに関するものでもなくキー入力に関するものでもない場合(S212:NO、S215:NO)、処理がS211に戻される。
【0122】
受信したデータが画面クリックに関するものである場合(S212:YES)、すなわち、図9(b)のS113で送信されたデータである場合、CPU401は、このデータに含まれる座標を取得する(S213)。続いて、CPU401は、取得した座標に基づいて、“コントロール処理”を行う(S214)。コントロール処理については、追って図11、12を参照して説明する。
【0123】
他方、受信したデータがキー入力に関するものである場合(S212:NO、S215:YES)、すなわち、図9(b)のS115で送信されたデータである場合、CPU401は、このデータに含まれるキー情報を取得する(S216)。続いて、CPU401は、このキー情報に基づいて、表示入力部410に表示しているテキストの更新を行う(S217)。通常、キー情報を受信するタイミングでは、それより前に行われた画面へのクリックにより、画面上のテキストボックス等、テキスト入力可能な領域がフォーカスされている。CPU401は、S217において、このようにフォーカスされている領域の表示を、取得した情報に基づいて更新する。S217の処理タイミングにおいてテキスト入力可能な領域がフォーカスされていない場合、CPU401は、取得したテキスト情報を無効にする。
【0124】
S214のコントロール処理またはS217のテキスト更新処理により画面の状態が変更されると、CPU401は、それに応じて、表示入力部410上の画面(位置調整メイン画面500または微調整画面600)を更新する(S218)。なお、このように画面が更新されると、図10(a)のS201またはS204における判定がYESとなり、画面更新のための情報が端末装置100に送信される。これにより、表示入力部410上の画面と端末装置100側の表示部130上の画面が、同期して更新される。こうして、S211〜S218の処理が、シャットダウン指示が行われるまで繰り返し行われる(S219)。
【0125】
図11は、図10のS214(コントロール処理)における主要な処理を示すフローチャートである。
【0126】
制御装置4のCPU401は、図10(b)のS212でクリックされたと判定した画面が位置調整メイン画面500であるかを判定する(S301)。この画面が位置調整メイン画面500でないと(S301:NO)、すなわち、微調整画面600であると、処理が端子Aに進められる。クリックされた画面が位置調整メイン画面500であると(S301:YES)、CPU401は、図10(b)のS213で取得した座標(ユーザによりクリックされた場所)に基づいて、以下の処理を行う。
【0127】
クリックされた場所が、設定値表示領域510の動作箇所の項目である場合(S302:YES)、CPU401は、動作箇所の設定値の項目を反転表示させ(S309)、粗調整表示領域522に、クリックされた動作箇所の設定値を表示させる(S310)。すなわち、現在値表示領域522aには、設定値表示領域510の設定値が表示され、前回値表示領域522bには、位置調整メイン画面500が表示されたときのこの動作箇所の設定値が表示される。
【0128】
クリックされた場所が、チェックボックス524である場合(S302:NO、S303:YES)、CPU401は、詳細表示領域520に表示されている動作項目について、設定値表示領域510における動作箇所と設定値の項目の色を変更する(S311)。なお、位置調整メイン画面500が最初に開かれた場合など、詳細表示領域520に何も表示されていない場合は、チェックボックス524がクリックされても、S303の判定はNOとされる。
【0129】
クリックされた場所が、現在値表示領域522aのテキストボックスである場合(S302〜S303:NO、S304:YES)、CPU401は、クリックされた場所のテキストボックスにカーソルを表示する(S312)。
【0130】
クリックされた場所が、前回値ボタン522cである場合(S302〜S304:NO、S305:YES)、CPU401は、現在値表示領域522aのテキストボックスの値を、対応する前回値表示領域522bの値に置き換える(S313)。
【0131】
クリックされた場所が、微調整ボタン523aである場合(S302〜S305:NO、S306:YES)、CPU401は、微調整画面600を開く(S314)。
【0132】
クリックされた場所が、OKボタン531である場合(S302〜S306:NO、S307:YES)、CPU401は、設定値表示領域510に表示されている設定値を、バッテリーバックアップRAM204に書き込む(S315)。続いて、CPU401は、位置調整メイン画面500を閉じる(S316)。
【0133】
クリックされた場所が、キャンセルボタン532である場合(S302〜S307:NO、S308:YES)、CPU401は、位置調整メイン画面500を閉じる(S316)。
【0134】
クリックされた場所が、上記いずれの領域でもない場合(S302〜S308:NO)、処理が行われることなく、コントロール処理が終了する。
【0135】
なお、S309〜S314、S316により画面の状態が変更されると、CPU401は、図10(b)のS218の処理ステップにおいて、表示入力部410上の画面(位置調整メイン画面500または微調整画面600)を、S309〜S314、S316の更新内容に応じて更新する。なお、このように画面が更新されると、図10(a)のS201またはS204における判定がYESとなり、画面更新のための情報が制御装置4から端末装置100に送信される。これにより、制御装置4の表示入力部410上の画面と端
末装置100側の表示部130上の画面が、同期して更新される。
【0136】
図12は、図11の端子A以降の主要な処理を示すフローチャートである。
【0137】
制御装置4のCPU401は、微調整画面600について、図10(b)のS213で取得した座標(ユーザによりクリックされた場所)に基づいて、以下の処理を行う。
【0138】
クリックされた場所が、パルス移動値表示領域610のラジオボタンである場合(S401:YES)、CPU401は、クリックされた場所のラジオボタンを選択状態に更新する(S408)。同時に、CPU401は、移動ボタンが押されたときの移動単位を、選択されたラジオボタンに対応するパルス数に設定する。
【0139】
クリックされた場所が、移動ボタン621b、621c、631b〜634b、631c〜634c、641b、641cの何れかである場合(S401:NO、S402:YES)、CPU401は、調整箇所表示領域601に表示されているユニットを移動させる(S409)。このとき、ステッピングモータ部211の対応するステッピングモータに、パルス移動値表示領域610の選択されているパルス数だけ駆動パルスが出力される。続いて、CPU401は、当該駆動に対応するテキストラベル621a、631a〜634a、641aを駆動量に応じて更新する(S410)。なお、クリックされた場所が、グレー表示となっているテキストラベルに対応する移動ボタンである場合、S402の判定はNOとなる。
【0140】
クリックされた場所が、移動補助ボタン634d、641dの何れかである場合(S401〜S402:NO、S403:YES)、CPU401は、上述したようにユニットを移動させる(S411)。
【0141】
クリックされた場所が、確認ボタン672である場合(S401〜S403:NO、S404:YES)、CPU401は、上述したように原点位置から調整箇所までユニットを移動させる(S412)。
【0142】
クリックされた場所が、その他ボタン(ピペット先端表示領域650とセンサ表示領域660のボタン)である場合(S401〜S404:NO、S405:YES)、CPU401は、対応する動作を実行し、対応する情報を更新する(S413)。
【0143】
クリックされた場所が、OKボタン673である場合(S401〜S405:NO、S406:YES)、CPU401は、微調整画面600に表示されている設定値を保持する(S414)。続いて、CPU401は、調整箇所表示領域601に表示されているユニットを原点位置に戻し(S415)、微調整画面600を閉じる(S416)。
【0144】
クリックされた場所が、キャンセルボタン674である場合(S401〜S406:NO、S407:YES)、微調整画面600に表示されている設定値を破棄する(S417)。続いて、CPU401は、調整箇所表示領域601に表示されているユニットを原点位置に戻し(S415)、微調整表示画面600を閉じる(S416)。
【0145】
なお、クリックされた場所が、上記いずれの領域でもない場合(S401〜S407:NO)、処理が行われることなく、処理が端子Bに進められ、コントロール処理が終了する。
【0146】
なお、S408、S410、S413、S416により画面の状態が変更されると、CPU401は、図10(b)のS218の処理ステップにおいて、表示入力部410上の
画面(位置調整メイン画面500または微調整画面600)を、S408、S410、S413、S416の更新内容に応じて更新する。なお、このように画面が更新されると、図10(a)のS201またはS204における判定がYESとなり、画面更新のための情報が制御装置4から端末装置100に送信される。これにより、制御装置4の表示入力部410上の画面と端末装置100側の表示部130上の画面が、同期して更新される。
【0147】
ところで、図10(b)および図11、12のフローチャートは、端末装置100の表示部130に表示された画面に対する入力によってユニットの調整および画面の更新を行うものであったが、制御装置4側の表示入力部410に表示された画面に対する入力によってユニットの調整および画面の更新を行う場合も、同様の処理が行われる。
【0148】
この場合、図10(b)のフローチャートからはS211が省略され、S212とS215では、表示入力部410に表示された画面に対して、クリックとキー入力があったかが判定され、S213、S216では、表示入力部410に対する入力に基づいて、クリック位置の座標とキー情報が取得される。その他の処理は、上記実施の形態と同様である。この場合も、表示入力部410上の画面の更新に応じて、図10(a)のS201またはS204における判定がYESとなり、画面更新のための情報が制御装置4から端末装置100に送信される。これにより、制御装置4の表示入力部410上の画面と端末装置100側の表示部130上の画面が、同期して更新される。
【0149】
以上、本実施の形態によれば、制御装置4から位置調整を行うユニットが離れた位置にあっても、端末装置100をユニットの近傍に持って行くことで、ユニットの位置を目視しながら、端末装置100に表示された位置調整メイン画面500と微調整画面600からユニットの設定値の変更を指示することができる。このため、ユーザは、ユニットの位置調整の際に、制御装置4の操作位置とユニットとの間を行き来する必要がなく、極めて簡便に、ユニットの位置調整を行うことができる。
【0150】
また、本実施の形態によれば、制御装置4から送信された画面に関するデータに基づいて表示部130の画面表示が行われ、入力部120を介して入力された情報が制御装置4に送信された。また、端末装置100には、このような機能を実現するためのプログラムがインストールされた。このように、端末装置100には位置調整用の特別なアプリケーションを実装する必要がないため、端末装置100を汎用のコンピュータと汎用のアプリケーションによって構成することができる。よって、端末装置100を安価に且つ簡便に構成することができる。
【0151】
また、本実施の形態によれば、図10(a)に示すように、画面の一部の状態が変わるときには、画面全体の画像データではなく画面の一部の画像データが、端末装置100から制御装置4に送信される。これにより、端末装置100に送信すべきデータの量を低減させることができる。
【0152】
また、本実施の形態によれば、設定値表示領域510の動作箇所項目を押下することにより、ユーザは位置調整を実行するユニットを選択することができる。この場合、調整箇所表示領域521には、選択されたユニットの動作箇所近傍の画像と、動作箇所を示す矢印が表示される。これにより、ユーザは、位置調整を行うユニットがどこにあるかを一目で認識することができる。
【0153】
また、本実施の形態によれば、位置調整メイン画面500の粗調整表示領域522を介して、ユニットの調整位置が予め定められた位置に簡便に設定され得る。また、微調整画面600において移動ボタンが押下されることにより、ユニットの調整位置が細かく設定され得る。また、移動ボタンによる設定の際には、移動ボタンに応じてユニットが実際に
移動するため、ユーザはユニットの移動位置を確認しながら、的確な位置調整を行うことができる。
【0154】
また、本実施の形態によれば、確認ボタン672が押下されると、調整対象のユニットが、原点から設定値で定義される位置まで移動される。これにより、ユーザは、設定した設定値が適正であるかを、ユニットの駆動を目視しながら確認することができる。
【0155】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態はこれらに限定されるものではない。
【0156】
たとえば、上記実施の形態では、測定対象として血液を例示したが、尿についても測定対象とされ得る。すなわち、尿を検査する試料分析装置にも本発明を適用することができ、さらに、他の臨床検体を検査する臨床検体検査装置に本発明を適用することもできる。
【0157】
また、上記実施の形態では、測定機構部2の各ユニットの設定値は、バッテリーバックアップRAM204に記憶されたが、これに限らず、制御装置4のハードディスク404または端末装置100のハードディスク114に記憶されても良い。
【0158】
また、上記実施の形態では、制御装置4において生成された画面データが、端末装置100に送信されたが、これに限らず、端末装置100が画面データを生成し、端末装置100において生成された画面データが、制御装置4に送信されるようにしても良い。さらに別の形態として、制御装置4にインストールされているアプリケーションプログラムと同じアプリケーションプログラムを端末装置100にインストールしておき、端末装置100から測定機構部2に対して、制御装置4を経由せずに位置調整の指示を行えるようにしてもよい。この場合、端末装置100における誤入力によって意図しない動作が行われないよう、端末装置100においては位置調整の指示を行う機能のみをアクティブとし、それ以外の機能は非アクティブにする設定とすることが好ましい。
【0159】
また、上記実施の形態では、測定機構部2の各ユニットの位置調整を行うために、位置調整メイン画面500と微調整画面600の2つの画面が用いられたが、これに限らず、1つの画面のみが用いられても良く、3つ以上の画面が用いられても良い。たとえば、位置調整メイン画面500と微調整メイン画面の各部が1つの画面上に配置されていても良い。また、位置調整メイン画面500の粗調整表示領域522のみが表示される画面が別途用意されても良い。
【0160】
また、上記実施の形態では、可搬型の端末装置100としてノート型のパーソナルコンピュータが用いられたが、これに限らず、人が携帯して持ち運ぶことができる端末装置であればよい。たとえば、携帯情報端末(PDA)やスマートフォンであっても良い。また、端末装置100と制御装置4とは無線により通信可能に接続されたが、これに限らず、有線により通信可能に接続されても良い。有線による通信は、たとえばLANケーブルにより制御装置4と端末装置100とを接続し、TCP/IPプロトコルを利用して実現することができる。LANケーブルとしてはストレートケーブルをハブを介して接続する形態であってもよいし、クロスケーブルによって直接両者を接続する形態であってもよい。
【0161】
また、上記実施の形態では、端末装置100のハードディスク114には、制御装置4から送信された画像データを表示し、入力内容を制御装置4に送信するために、アドビシステムズ社のAIR上で実行されるアプリケーションがインストールされた。しかしながら、これに限らず、制御装置4と端末装置100に、同じ画面を同期的に表示するためのプログラムがインストールされれば良い。たとえば、シマンテック社の「pcAnywhere」や、マイクロソフト社の「リモートデスクトップ」であっても良い。
【0162】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0163】
1 … 免疫分析装置(検体分析装置)
2 … 測定機構部(測定部)
4 … 制御装置(制御手段)
5 … 検体分注アーム(処理ユニット)
6 … R1試薬分注アーム(処理ユニット)
7 … R2試薬分注アーム(処理ユニット)
8 … R3試薬分注アーム(処理ユニット)
100 … 端末装置
204 … バッテリーバックアップRAM(記憶部)
403 … RAM(記憶部)
408 … 通信インターフェース(通信部)
410 … 表示入力部(表示部)
500 … 位置調整メイン画面(位置調整画面)
510 … 設定値表示領域(選択受付画面)
522 … 粗調整表示領域(位置調整画面)
600 … 微調整画面(位置調整画面)
621b、621c、631b〜634b、631c〜634c、641b、641c … 移動ボタン(移動キー)
672 … 確認ボタン(動作確認ボタン)
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理ユニットを動作させ測定を行う検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法および検体分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、予め定められた位置に機構部を移動させ測定を行う分析装置が知られている。たとえば、特許文献1には、所定位置の試料容器から試料を吸引するサンプリングニードルと、サンプリングニードルが吸引した試料が吐出される注入部と、サンプリングニードルを制御する制御部を備える分析装置が記載されている。
【0003】
特許文献1に記載のサンプリングニードルは、試料容器から試料を吸引した後、注入部の位置まで移動し、吸引した試料を注入部に吐出する。ここで、注入部の中心部には目視可能な目印が付けられているため、これを目標にキー操作を行い、サンプリングニードルの位置調整を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−134217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の分析装置では、キー操作を行う場所と位置調整を行う箇所が離れているような場合に、オペレータは、キー操作と位置調整の確認を同時に行えない。このため、オペレータは、キー操作を行った後、機構部が所定の位置にあるかを確認するといった作業を行わねばならず、調整作業が煩雑であった。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、キー操作を行う場所と位置調整が行われる処理ユニットが離れていても、容易に処理ユニットの位置調整を行うことができる検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法および検体分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、可動に配された処理ユニットを動作させて検体の測定を行う測定部と、外部と通信を行うための通信部と、を備える検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法に関する。本態様に係る検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法は、前記処理ユニットの位置変更のための入力を受け付けるための位置調整画面を、前記通信部と通信可能に構成された可搬型の端末装置に表示させる端末画面表示ステップと、前記位置調整画面に対して位置変更のための入力を行う入力ステップと、前記位置調整画面に対する位置変更のための入力を、前記端末装置から前記通信部に送信する送信ステップと、前記通信部により受信された前記位置変更のための入力に応じて、対応する処理ユニットの移動を前記測定部に実行させる移動実行ステップと、を備える。
【0008】
本態様に係る検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法によれば、検体分析装置の操作位置から処理ユニットが離れた位置にあっても、端末装置を処理ユニットの近傍に持って行くことで、処理ユニットの位置を目視しながら、端末装置に表示された位置調整画面から処理ユニットの位置変更を指示することができる。このため、オペレータは、処理ユニットの位置調整の際に、検体分析装置の操作位置と処理ユニットとの間を行き来
する必要がなく、極めて簡便に、処理ユニットの位置調整を行うことができる。
【0009】
本態様に係る検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法において、前記検体分析装置は、前記処理ユニットの位置に関する設定値を記憶した記憶部を備えており、前記端末画面表示ステップは、前記記憶部に記憶された設定値から位置調整画面用の画像データを生成するステップと、生成した画像データを前記通信部から前記端末装置に送信するステップと、を備える構成とされ得る。こうすると、端末装置は受信した画面データを再生して表示するための機能を備えていればよいため、端末装置に位置調整用の特別なアプリケーションを実装する必要がない。よって、汎用のコンピュータと汎用のアプリケーションによる端末装置を用いて、処理ユニットの位置調整を行うことができる。
【0010】
この場合、検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法は、前記記憶部に記憶された設定値に基づく位置調整画面を前記検体分析装置に設けられた表示部に表示する本体画面表示ステップをさらに有する構成とされ得る。
【0011】
また、この場合、前記移動実行ステップは、前記表示部または前記端末装置に表示された位置調整画面に対する設定値変更のための入力に応じて、対応する処理ユニットの移動を前記測定部に実行させるステップを含み、前記本体画面表示ステップは、前記表示部に表示された位置調整画面を処理ユニットの移動に基づき更新するステップを含み、前記端末画面表示ステップは、前記表示部に表示された位置調整画面の更新に同期して、更新後の位置調整画面が前記端末装置にも表示されるように、前記端末装置に表示された位置調整画面を更新するステップを含む構成とされ得る。
【0012】
また、この場合、前記端末画面表示ステップは、設定値の変更を受け付けると、位置調整画面の一部であって、変更された設定値が表示された領域の画像データを生成し、生成した画像データを変更対象の領域を指定するデータとともに前記端末装置に送信するステップを含む構成とされ得る。こうすると、設定値の変更に係る領域の画像データと当該領域を指定するデータのみを端末装置に送信するのみで良いため、設定値変更の際に全ての位置調整画面の画像データを端末装置に送信する場合に比べ、端末装置に送信すべきデータの量を顕著に低減させることができる。
【0013】
また、本態様に係る検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法において、位置調整画面は、所定の移動量だけ処理ユニットを移動させる移動キーを含み、前記移動実行ステップは、前記端末装置に表示された位置調整画面における移動キーが押下される都度、所定の移動量だけ処理ユニットを移動させるステップを含む構成とされ得る。こうすると、処理ユニットの位置調整を簡易な操作により行うことができる。
【0014】
また、本態様に係る検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法において、前記測定部は、複数の処理ユニットを含み、前記端末画面表示ステップは、複数の処理ユニットから位置調整の対象となる処理ユニットの選択を受け付ける選択受付画面を前記端末装置に表示させ、前記選択受付画面を介して選択された処理ユニットに対する位置調整指示を受け付ける位置調整画面を前記端末装置に表示させるステップを含む構成とされ得る。複数の処理ユニットが存在する場合に、いずれの処理ユニットの位置調整を実行するかを選択する必要がある。本発明によれば、処理ユニットの選択も端末装置側で行うことができる。
【0015】
この場合、前記端末画面表示ステップは、前記選択受付画面に、選択された処理ユニットを示す画像を表示させる構成とされ得る。こうすると、調整対象の処理ユニットがどこにあるかを一目で認識できる。
【0016】
また、本態様に係る検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法において、前記端末画面表示ステップは、位置調整画面に対する入力により調整された処理ユニットの動作を確認するための指示を受け付ける動作確認ボタンを前記端末装置に表示させるステップを含み、前記移動実行ステップは、前記動作確認ボタンに対する入力を受け付けると、所定の原点位置から調整後の位置までの移動を処理ユニットに実行させるステップを含む構成とされ得る。こうすると、調整対象の処理ユニットの調整状況を確認できる。
【0017】
また、本態様に係る検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法において、前記端末装置は、前記通信部と無線通信可能に構成され得る。
【0018】
本発明の第2の態様は、検体分析装置に関する。本態様に係る検体分析装置は、可動に配された処理ユニットを動作させて検体の測定を行う測定部と、外部と通信を行うための通信部と、制御手段と、を備える。ここで、前記制御手段は、前記処理ユニットの位置変更のための入力を受け付けるための位置調整画面を、前記通信部と通信可能に構成された可搬型の端末装置に表示させ、前記位置調整画面に対する位置変更のための入力を、前記通信部を介して受信すると、当該入力に応じて、処理ユニットの移動を前記測定部に実行させる。
【0019】
本態様に係る検体分析装置によれば、上記第1の態様に係る検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法と同様の効果が奏され得る。
【0020】
本態様に係る検体分析装置は、前記処理ユニットの位置に関する設定値を記憶した記憶部をさらに備える構成とされ得る。ここで、前記制御手段は、前記記憶部に記憶された設定値から位置調整画面用の画像データを生成し、生成した画像データを前記通信部から前記端末装置に送信する構成とされ得る。こうすると、上記第1の態様に係る検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法と同様の効果が奏され得る。
【0021】
この場合、本態様に係る検体分析装置は、表示部をさらに備える構成とされ得る。ここで、前記制御手段は、前記記憶部に記憶された設定値に基づく位置調整画面を前記表示部に表示させる構成とされ得る。
【0022】
また、この場合、前記制御手段は、前記表示部または前記端末装置に表示された位置調整画面に対する設定値変更のための入力に応じて、処理ユニットの移動を前記測定部に実行させ、前記表示部に表示された位置調整画面を処理ユニットの移動に基づき更新し、前記表示部に表示された位置調整画面の更新に同期して、更新後の位置調整画面が前記端末装置にも表示されるように、前記端末装置に表示された位置調整画面を更新する構成とされ得る。
【0023】
また、この場合、前記制御手段は、設定値の変更を受け付けると、位置調整画面の一部であって、変更された設定値が表示された領域の画像データを生成し、生成した画像データを変更対象の領域を指定するデータとともに前記端末装置に送信する構成とされ得る。こうすると、上記第1の態様に係る検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法と同様の効果が奏され得る。
【0024】
また、本態様に係る検体分析装置において、位置調整画面は、所定の移動量だけ処理ユニットを移動させる移動キーを含み、前記制御手段は、前記端末装置に表示された位置調整画面における移動キーが押下される都度、所定の移動量だけ処理ユニットを移動させる構成とされ得る。こうすると、上記第1の態様に係る検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法と同様の効果が奏され得る。
【0025】
また、本態様に係る検体分析装置において、前記測定部は、複数の処理ユニットを含み、前記制御手段は、複数の処理ユニットから位置調整の対象となる処理ユニットの選択を受け付ける選択受付画面を前記端末装置に表示させ、前記選択受付画面を介して選択された処理ユニットに対する位置調整指示を受け付ける位置調整画面を前記端末装置に表示させる構成とされ得る。こうすると、上記第1の態様に係る検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法と同様の効果が奏され得る。
【0026】
ここで、前記制御手段は、前記選択受付画面に、選択された処理ユニットを示す画像を表示させる構成とされ得る。こうすると、上記第1の態様に係る検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法と同様の効果が奏され得る。
【0027】
また、本態様に係る検体分析装置において、前記制御手段は、位置調整画面に対する入力により調整された処理ユニットの動作を確認するための指示を受け付ける動作確認ボタンを前記端末装置に表示させ、前記動作確認ボタンに対する入力を受け付けると、所定の原点位置から調整後の位置まで処理ユニットを移動させる構成とされ得る。こうすると、上記第1の態様に係る検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法と同様の効果が奏され得る。
【0028】
また、本態様に係る検体分析装置において、前記端末装置は、前記通信部と無線通信可能に構成され得る。
【発明の効果】
【0029】
以上のとおり、本発明によれば、キー操作を行う場所と位置調整が行われる処理ユニットが離れていても、容易に処理ユニットの位置調整を行うことができる検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法および検体分析装置を提供することができる。
【0030】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態により何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】実施の形態に係る免疫分析装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】実施の形態に係る免疫分析装置内を上側から見た場合の構成を示す平面図である。
【図3】実施の形態に係る測定機構部の回路構成を示す図である。
【図4】実施の形態に係る制御装置の回路構成を示す図である。
【図5】実施の形態に係る端末装置の回路構成を示す図である。
【図6】実施の形態に係る位置調整メイン画面を示す図である。
【図7】実施の形態に係る微調整画面を示す図である。
【図8】実施の形態に係る端末装置および制御装置の処理を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態に係る端末装置の受信処理および送信処理を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態に係る制御装置の送信処理および受信処理を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態に係るコントロール処理における主要な処理を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態に係るコントロール処理における主要な処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本実施の形態は、血液などの検体を用いてB型肝炎、C型肝炎、腫瘍マーカおよび甲状腺ホルモンなど種々の項目の検査を行うための免疫分析装置に本発明を適用したものである。
【0033】
以下、本実施の形態に係る免疫分析装置について、図面を参照して説明する。
【0034】
図1は、免疫分析装置1の全体構成を示す斜視図である。免疫分析装置1は、測定機構部2と、検体搬送部(サンプラ)3と、制御装置4とを備えている。測定機構部2は、検体搬送部3と制御装置4に通信可能に接続されている。検体搬送部3は、検体を収容した複数の試験管が載置されたラックを搬送可能に構成されている。制御装置4は、本体400と、タッチパネルからなる表示入力部410を備え、端末装置100と無線による通信が可能となっている。端末装置100は、測定機構部2内の各種ユニットの位置調整を行う際に用いられ、本体110と、入力部120と、表示部130を備えている。測定機構部2内の位置調整については、追って、図6、7を参照して説明する。
【0035】
図2は、免疫分析装置1内を上側から見た場合の構成を示す平面図である。
【0036】
測定機構部2は、検体分注アーム5と、R1試薬分注アーム6と、R2試薬分注アーム7と、R3試薬分注アーム8と、反応部9と、キュベット供給部10と、1次BF分離部11と、2次BF分離部12と、ピペットチップ供給部13と、検出部14と、R4/R5試薬供給部15と、試薬設置部16を備えている。検体搬送部3は、未処理の検体を収容した複数の試験管が載置されたラックを搬送可能に構成されている。
【0037】
免疫分析装置1では、測定対象である血液等の検体と緩衝液(R1試薬)とを混合させ、得られた混合液に、検体に含まれる抗原に結合する捕捉抗体を担持した磁性粒子を含む試薬(R2試薬)を添加する。抗原と結合した捕捉抗体を担持する磁性粒子を1次BF(Bound Free)分離部11の磁石(図示せず)に引き寄せることにより、捕捉抗体と結合しなかった検体内の成分を除去する。そして、標識抗体(R3試薬)をさらに添加した後に、標識抗体および抗原に結合した捕捉抗体を担持する磁性粒子を2次BF分離部12の磁石(図示せず)に引き寄せることにより、未反応の標識抗体を含むR3試薬を除去する。さらに、分散液(R4試薬)および標識抗体との反応過程で発光する発光基質(R5試薬)を添加した後、標識抗体と発光基質との反応によって生じる発光量を測定する。このような過程を経て、標識抗体に結合する検体に含まれる抗原が定量的に測定される。
【0038】
キュベット供給部10は、複数のキュベットを収納可能に構成されており、検体分注アーム5による吐出位置1bにキュベットを1つずつ順次供給する。
【0039】
R1試薬分注アーム6には、図示の如く、R1試薬の吸引および吐出を行うためのピペット6aが取り付けられている。R1試薬分注アーム6は、ピペット6aを用いて、試薬設置部16に設置されたR1試薬を吸引し、吸引したR1試薬を吐出位置1bに載置されたキュベットに分注(吐出)する。
【0040】
ピペットチップ供給部13は、投入された複数のピペットチップ(図示せず)を1つずつ検体分注アーム5によるチップ装着位置(図示せず)まで搬送する。しかる後、ピペットチップは、チップ装着位置において、検体分注アーム5のピペット先端に取り付けられる。
【0041】
検体分注アーム5は、装着されたピペットチップを用いて、検体搬送部3により検体吸引位置1aに搬送された試験管内の検体を吸引する。この吸引は、検体搬送部3の搬送路
を覆う天板31に形成された孔31aを介して行われる。検体分注アーム5は、吸引した検体を、吐出位置1bのキュベットに分注(吐出)する。このキュベットには、予め、R1試薬分注アーム6によりR1試薬が分注されている。その後、キュベットは、R1試薬分注アーム6の図示しないキャッチャにより、反応部9に移送される。
【0042】
R2試薬分注アーム7には、図示の如く、R2試薬の吸引および吐出を行うためのピペット7aが取り付けられている。R2試薬分注アーム7は、ピペット7aを用いて、試薬設置部16に設置されたR2試薬を吸引し、吸引したR2試薬を、R1試薬および検体を収容するキュベットに分注(吐出)する。
【0043】
反応部9は、図示の如く、円形形状を有する試薬設置部16の周囲を取り囲むように円環状に形成されている。また、反応部9は、外形に沿って所定間隔に配置された複数のキュベット設置部9aを有する。キュベット設置部9aにセットされたキュベットは約42℃に加温される。これにより、キュベット内の検体と各種試薬との反応が促進される。また、反応部9は、時計回り方向(矢印A1方向)に回転可能に構成され、キュベット設置部9aにセットされたキュベットを、各種処理(試薬の分注など)が行われるそれぞれの処理位置まで移動させる。
【0044】
検体、R1試薬およびR2試薬を収容するキュベットが、図示しないキャッチャにより反応部9から1次BF分離部11に移送される。1次BF分離部11は、キュベット内の試料から捕捉抗体と結合しなかった検体内の成分を除去する。
【0045】
R3試薬分注アーム8には、図示の如く、R3試薬の吸引および吐出を行うためのピペット8aが取り付けられている。R3試薬分注アーム8は、ピペット8aを用いて、試薬設置部16に設置されたR3試薬を吸引する。また、R3試薬分注アーム8は、ピペット8aを用いて、吸引したR3試薬を1次BF分離部11から反応部9に移送されたキュベットに分注(吐出)する。
【0046】
1次BF分離部11による除去処理後の試料とR3試薬とを収容するキュベットが、図示しないキャッチャにより反応部9から2次BF分離部12に移送される。2次BF分離部12は、未反応の標識抗体を含むR3試薬を除去する。
【0047】
R4/R5試薬供給部15は、図示しないチューブにより、2次BF分離部12による除去処理後の試料を収容するキュベットに、R4試薬およびR5試薬を順に分注する。
【0048】
検出部14は、所定の処理が行われた検体の抗原に結合する標識抗体と発光基質との反応過程で生じる光を、光電子増倍管(Photo Multiplier Tube)で取得することにより、
その検体に含まれる抗原の量を測定する。
【0049】
試薬設置部16の上面には、試薬設置部16および反応部9の両方を覆うように、円形状のカバー部161が配置されている。カバー部161の所定の箇所には、R1〜R3試薬分注アームが試薬を吸引するための開口部と、R1〜R3試薬分注アームがキュベットの移動や分注処理を行うための開口部が形成されている。
【0050】
図3は、測定機構部2の回路構成を示す図である。
【0051】
測定機構部2は、制御部200と、ステッピングモータ部211と、ロータリーエンコーダ部212と、センサ部213と、機構部214を含んでいる。制御部200は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、バッテリーバックアップRAM204と、通信インターフェース205と、I/Oインターフェース206とを含んでいる。
【0052】
CPU201は、ROM202に記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM203にロードされたコンピュータプログラムを実行する。RAM203は、ROM202に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられると共に、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU201の作業領域としても利用される。
【0053】
バッテリーバックアップRAM204は、測定機構部2の電源がオフとなっても記憶内容が消えないよう構成されている。バッテリーバックアップRAM204には、測定機構部2内の各ユニットの設定値が格納されている。設定値については、追って図6を参照して説明する。
【0054】
通信インターフェース205は、検体搬送部3と制御装置4に接続されている。CPU201は、通信インターフェース205を介して、検体の光学的な情報(標識抗体と発光基質との反応によって生じる発光量のデータ)を制御装置4に送信するとともに、制御装置4からの信号を受信する。また、CPU201は、通信インターフェース205を介して、検体搬送部3に対して駆動指示のための信号を送信する。
【0055】
また、CPU201は、I/Oインターフェース206を介して、ステッピングモータ部211と、ロータリーエンコーダ部212と、センサ部213と、機構部214に接続されている。
【0056】
ステッピングモータ部211は、測定機構部2内で処理を行うための各ユニットをそれぞれ駆動するためのステッピングモータを含んでいる。各ステッピングモータは、I/Oインターフェース206を介してCPU201により制御される。
【0057】
ロータリーエンコーダ部212は、各ステッピングモータにそれぞれ対応するロータリーエンコーダを含んでいる。各ロータリーエンコーダは、それぞれ、対応するステッピングモータの回転変位量に応じたパルス数を出力する。各ロータリーエンコーダから出力されたパルス数をカウントすることで、対応するステッピングモータの回転量を検出することができる。各ロータリーエンコーダの検出信号は、I/Oインターフェース206を介してCPU201に出力される。
【0058】
センサ部213は、測定機構部2内の各ユニットが所定の位置にあることを検出する複数のセンサを含んでいる。これらセンサの検出信号により、測定機構部2内のユニットがどの位置に位置付けられたかが分かる。各センサは、I/Oインターフェース206を介してCPU201により制御される。また、各センサの検出信号は、I/Oインターフェース206を介してCPU201に出力される。
【0059】
機構部214は、測定機構部2のその他の機構を含んでおり、これら機構は、I/Oインターフェース206を介してCPU201により制御される。
【0060】
図4は、制御装置4の回路構成を示す図である。
【0061】
制御装置4は、パーソナルコンピュータからなり、本体400と表示入力部410から構成されている。本体400は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、ハードディスク404と、読出装置405と、入出力インターフェース406と、画像出力インターフェース407と、通信インターフェース408を有する。
【0062】
CPU401は、ROM402に記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM403にロードされたコンピュータプログラムを実行する。RAM403は、ROM40
2およびハードディスク404に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、RAM403は、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU401の作業領域としても利用される。
【0063】
ハードディスク404には、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU401に実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。すなわち、測定機構部2内の各ユニットの設定値の変更を受け付けるための位置調整メイン画面500(図6参照)と、微調整画面600(図7参照)を表示するためのプログラムがインストールされている。また、これら画面に基づく画像データを生成して、端末装置100に送信し、端末装置100から受信した設定値の変更に応じて設定値を書き換えるプログラムがインストールされている。
【0064】
読出装置405は、CDドライブまたはDVDドライブ等によって構成されており、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムおよびデータを読み出すことができる。
【0065】
入出力インターフェース406は、表示入力部410から出力された信号を受け付ける。画像出力インターフェース407は、画像データに応じた映像信号を表示入力部410に出力する。表示入力部410は、画像出力インターフェース407から出力された映像信号をもとに画像を表示するとともに、表示入力部410の画面を介してユーザから受け付けた指示を入出力インターフェース406に出力する。
【0066】
なお、表示入力部410を介して数値を入力する場合には、表示入力部410に数値の入力を受け付けるためのキーボード画像が表示される。ユーザは、この画像上に表示された数字を押下することにより、数値を入力することができる。
【0067】
通信インターフェース408は、本体400側の信号を測定機構部2と端末装置100に送信し、測定機構部2と端末装置100から送信された信号を受信する。端末装置100と通信インターフェース408とは、無線による通信が可能となるよう接続されている。この無線通信を行うために、通信インターフェース408は通信モジュールとしての無線LANカードを備えている。この無線LANカードは、図示しない無線LANルータを介して、端末装置100の通信インターフェース118と無線通信可能に構成されている。この無線LANによる通信環境によって、端末装置100と制御装置4との無線通信における物理層が構築されている。上位層での通信路の確立は、後述するように無線LANルータを介してTCP/IPプロトコルを利用したIPパケットをやり取りすることによって実現される。
【0068】
図5は、端末装置100の回路構成を示す図である。
【0069】
端末装置100は、ノート型のパーソナルコンピュータからなり、本体110と、入力部120と、表示部130から構成されている。本体110は、CPU111と、ROM112と、RAM113と、ハードディスク114と、読出装置115と、入出力インターフェース116と、画像出力インターフェース117と、通信インターフェース118を有する。なお、本体110の回路構成については、制御装置4の本体400の回路構成と略同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0070】
入力部120は、タッチパッドやキーボードからなり、ユーザが入力部120を操作することにより、入力部120から入出力インターフェース116に入力信号が送られる。表示部130はディスプレイからなり、画像出力インターフェース117から出力された画像データに応じて画像を表示する。
【0071】
通信インターフェース118は、本体110側の信号を制御装置4に送信し、制御装置4から送信された信号を受信する。制御装置4と通信インターフェース118とは、無線による通信が可能となるよう接続されている。通信インターフェース118は、制御装置4の通信インターフェース408と同様に、無線通信を行うための通信モジュールとしての無線LANカードを備えている。
【0072】
ハードディスク114には、制御装置4から送信された画像データを表示し、入力部120を介して入力された内容を、制御装置4に送信するためのプログラムがインストールされている。このプログラムは、後述する測定機構部2の各ユニットの位置調整を制御する専用のプログラムではなく、受信した画像を表示し、入力内容を送信するための汎用的なプログラムである。
【0073】
なお、本実施の形態では、たとえば、実行環境としてアドビシステムズ社のAIRがインストールされ、この実行環境で実行されるアプリケーションがインストールされ得る。AIR上で実行可能なプログラムは、AIRがインストールされていればオペレーティングシステムによらず実行可能となる。これにより、端末装置100のオペレーティングシステムが変更されたとしても、端末装置100で実行するためのプログラムを新たに準備する必要がなくなる。
【0074】
図6は、測定機構部2内の各ユニットの位置調整を行うための位置調整メイン画面500を示す図である。
【0075】
位置調整メイン画面500は、後述するように、制御装置4の表示入力部410と端末装置100の表示部130において同期的に表示される。これにより、ユーザは位置調整メイン画面500への操作を、表示入力部410と入力部120のどちらを介しても行うことができる。なお、位置調整メイン画面500が表示されるとき、測定機構部2の各ユニットは全て原点位置に位置付けられる。
【0076】
位置調整メイン画面500は、設定値表示領域510と、詳細表示領域520と、OKボタン531と、キャンセルボタン532を含んでいる。
【0077】
設定値表示領域510は、測定機構部2内の各ユニットの動作位置を示す領域である。図示の如く、設定値表示領域510には、ユニット名項目と、動作箇所項目と、設定値項目(ω、θ、r、x、y、z、x+、y+、z+)が含まれている。ユニット名項目は、測定機構部2内に配された各ユニットのユニット名を示し、動作箇所項目は、各ユニットの動作位置を示す。設定値項目は、各動作位置に対するユニットの移動位置を具体的数値(パルス数)で定義する。すなわち、各ユニットには原点位置が設定されており、各設定値は当該ユニットを原点位置から移動位置まで駆動するためにステッピングモータに出力するパルス数である。
【0078】
なお、x、y、zは、測定機構部2に設定された座標軸X−Y−Zの方向(図2参照)に、ユニットを駆動させるためのパルス数を示す。θは、Z軸回りにユニットを回転させるためのパルス数を示す。ωは、ユニットの動作箇所が、Z軸回りに回転可能な他の機構の一部に対応する場合に、Z軸回りに当該他の機構(以下、「受け手側機構」という)を回転させるためのパルス数を示す。rは、伸縮するユニットにおいて、伸縮方向にユニットを駆動させるためのパルス数を示す。x+、y+、z+は、それぞれ、設定値x、y、zに対するオフセット量を示す。なお、各動作箇所の設定値のうち、各ユニットの移動位置の定義に用いられない設定値項目の値は0とされる。
【0079】
何れか一つの動作箇所項目がユーザにより押下(選択)されると、この動作箇所項目の行が反転表示される。図6には、「検体アーム」の動作箇所「2:サンプラ吸引位置」が反転表示された状態が示されている。なお、「2:サンプラ吸引位置」は、図2の検体吸引位置1aに対応する。
【0080】
設定値項目の値は、ユニット名項目と動作箇所項目とに対応付けて、測定機構部2のバッテリーバックアップRAM204に記憶される。位置調整メイン画面500の表示が開始されるとき、バッテリーバックアップRAM204からこれらの情報が読み出されて、図示の如く設定値表示領域510が表示される。
【0081】
詳細表示領域520は、調整箇所表示領域521と、粗調整表示領域522と、微調整表示領域523を含んでいる。
【0082】
調整箇所表示領域521には、設定値表示領域510において反転表示されている動作箇所近傍の画像と、動作箇所を示す矢印が表示される。図6では、図2の検体吸引位置1a近傍の画像が調整箇所表示領域521に表示されている。これにより、ユーザは、位置調整対象の動作箇所を画像により確認することができる。
【0083】
粗調整表示領域522は、現在値表示領域522aと、前回値表示領域522bと、前回値ボタン522cを含んでいる。現在値表示領域522aは6個のテキストボックスを含んでいる。各テキストボックスには、設定値表示領域510において反転表示されている設定値が表示される。テキストボックスに表示されている値は、ユーザにより直接変更可能である。テキストボックス内の設定値が変更されると、設定値表示領域510内の対応する設定値も変更される。なお、対象ユニットの移動位置を定義しない設定値に対応するテキストボックスは、グレー表示とされ、入力不可となっている。たとえば、ω、r、yは反転表示されたサンプラ吸引位置と関係がないため、図示の如く、ω、r、yに対応する現在値表示領域522a内のテキストボックスがグレー表示となっている。
【0084】
前回値表示領域522bは、設定値表示領域510において反転表示されている各設定値項目の前回調整時の値(前回値)が表示される。かかる前回値は、位置調整メイン画面500の表示が開始されたときにバッテリーバックアップRAM204から読み出されて前回値表示領域522bに表示される。バッテリーバックアップRAM204に設定値が書き込まれる際には、現在値と前回値が書き込まれる。なお、出荷時には、デフォルト値が現在値と前回値に書き込まれている。前回値ボタン522cが押下されると、前回値表示領域522bに表示されている前回値が、それぞれ、現在値表示領域522aのテキストボックスに書き込まれる。
【0085】
微調整表示領域523は、微調整ボタン523aを含んでいる。微調整ボタン523aが押下されると、後述する微調整画面600(図7参照)が表示される。すなわち、ユーザは、粗調整表示領域522において、具体的に数値を入力することにより動作位置の粗調整を行い、さらに微調整を行いたい場合に微調整ボタン523aを押下する。
【0086】
チェックボックス524は、設定値表示領域510において反転表示されている動作箇所の調整が完了したときに、ユーザによりチェックされる。これにより、当該動作箇所項目と設定値項目の色が変更される。図6では、動作箇所「11:R1試薬分注位置」の色が変更されている。チェックボックス524がチェックされた後、他の動作箇所項目が選択されても、色が変わった動作箇所項目と設定値項目は、そのままの色に維持される。これにより、ユーザは、位置調整が完了した動作箇所を確認することができる。
【0087】
OKボタン531がユーザにより押下されると、設定値表示領域510に表示されてい
る全ての設定値が、バッテリーバックアップRAM204に記憶され、位置調整メイン画面500が閉じられる。キャンセルボタン532がユーザにより押下されると、設定値表示領域510に表示されている全ての設定値が破棄され、位置調整メイン画面500が閉じられる。具体的には、位置調整メイン画面500において、粗調整表示領域522で変更された設定値、および、後述する微調整画面600において変更された設定値は、全て制御装置4のRAM403に一時的に記憶される。OKボタン531が押下されると、RAM403に記憶されている設定値はバッテリーバックアップRAM204に書き込まれ、キャンセルボタン532が押下されると、RAM403に記憶されている設定値は破棄される。
【0088】
図7は、微調整画面600を示す図である。
【0089】
微調整画面600も、位置調整メイン画面500と同様、制御装置4の表示入力部410と端末装置100の表示部130において同期的に表示される。これにより、ユーザは微調整画面600への操作を、表示入力部410と入力部120のどちらを介しても行うことができる。
【0090】
微調整画面600は、調整箇所表示領域601と、パルス移動値表示領域610と、反応冷却部位置調整表示領域620と、ユニット位置調整表示領域630と、キャッチャ位置調整表示領域640と、ピペット先端表示領域650と、センサ表示領域660と、状態表示領域671と、確認ボタン672と、OKボタン673と、キャンセルボタン674を含んでいる。
【0091】
調整箇所表示領域601には、微調整対象のユニットと当該ユニットの動作箇所が表示される。すなわち、図6の微調整ボタン523aが押下されたときに、設定値表示領域510において反転表示されていた動作箇所と当該動作箇所を含むユニットが、調整箇所表示領域601に表示される。
【0092】
パルス移動値表示領域610には、選択可能な3つのラジオボタンが含まれている。各ラジオボタンに付された数は、後述する移動ボタン621b、621c、631b〜634b、631c〜634c、641b、641cが1回押下されたときに、ユニットを駆動させるパルス数である。ユーザは、何れか一つのラジオボタンを選択することにより、微調整時の移動単位を設定することができる。
【0093】
図6の微調整ボタン523aが押下され、位置調整メイン画面500から微調整画面600へと表示が切り替えられると、位置調整メイン画面500の現在値表示領域522aに表示されていたω、θ、x、y、z、rの値が、それぞれ、テキストラベル621a、631a〜634a、641aに表示される。同時に、位置調整メイン画面500の設定値表示領域510で反転表示されていたユニットが、現在値表示領域522aに表示されていたω、θ、x、yの値で定義される位置まで原点位置から駆動される。なお、ユニットの上下方向と伸縮方向の位置は、zとrの値で定義される位置に移動されない。上下方向と伸縮方向の位置は、後述する移動補助ボタン634d、641dを押下することにより、zとrの値で定義される位置に移動される。これにより、このユニットが意図せず装置内の他の機構に衝突することを防ぐことができる。
【0094】
反応冷却部位置調整表示領域620の移動ボタン621b、621cが1回押下されると、パルス移動値表示領域610で設定されているパルス移動値分だけ、調整箇所表示領域601に表示されたユニットに対応する受け手側機構が、それぞれ、時計回りと反時計回りに回転され、これに伴い、テキストラベル621a内の値が増減される。なお、図7に示す例では、調整箇所であるサンプラ吸引位置(図2の検体吸引位置1a)において受
け手側機構(検体搬送部3)がZ軸回りに回転しないため、テキストラベル621aがグレー表示となっている。この場合、移動ボタン621b、621cが押下されても、受け手側機構(検体搬送部3)に変化は生じない。
【0095】
ユニット位置調整表示領域630の移動ボタン631b、631cと、移動ボタン632b、632cと、移動ボタン633b、633cと、移動ボタン634b、634cが1回押下されると、当該ユニットが、それぞれ、時計回り、反時計回り、右方向、左方向、前方向、後方向、下方向、上方向に移動され、これに伴い、テキストラベル631a〜634aの値が増減される。なお、移動ボタン634b、634cは、移動補助ボタン634dが押下されたときに有効となる。図7に示す例では、調整箇所であるサンプラ吸引位置(図2の検体吸引位置1a)において調整対象ユニットである検体アーム(図2の検体分注アーム5)はY軸方向(前後方向)に移動しないため、テキストラベル633aがグレー表示となっている。この場合、移動ボタン633b、633cが押下されても、検体アームに変化は生じない。
【0096】
移動補助ボタン634dがユーザにより押下されると、当該ユニットが、テキストラベル634aに示されている上下方向位置に位置付けられる。再度、移動補助ボタン634dが押下されると、このユニットが原点位置に位置付けられる。
【0097】
キャッチャ位置調整表示領域640の移動ボタン641b、641cが押下されると、当該ユニットが伸縮方向に移動され、これに伴い、テキストラベル641aの値も増減される。なお、移動ボタン641b、641cは、移動補助ボタン641dが押下されたときに有効となる。図7に示す例では、調整箇所であるサンプラ吸引位置(図2の検体吸引位置1a)において調整対象ユニットである検体アーム(図2の検体分注アーム5)は伸縮しないため、テキストラベル641aがグレー表示となっている。この場合、移動ボタン641b、641cが押下されても、検体アームに変化は生じない。
【0098】
移動補助ボタン641dがユーザにより押下されると、当該ユニットが、テキストラベル641aに示されている位置まで伸縮される。再度、移動補助ボタン641dが押下されると、このユニットが原点位置に位置付けられる。
【0099】
ピペット先端表示領域650には、ピペットの先端が液面に接触したことを検出するセンサの検出信号を表示する円形の領域と、この領域の表示をリセットするボタンが含まれている。センサ表示領域660は、調整箇所表示領域601に表示されているユニットに関連するセンサの検出信号を表示する6つの領域と、これらセンサがバーコードリーダを含む場合にバーコードの読み取りを実行させるボタンと、読み取られたバーコードの値を表示するテキストラベルが含まれている。
【0100】
状態表示領域671には、調整対象ユニットの動作状態が表示される。移動補助ボタン634d、641dと、後述する確認ボタン672が押下されて、ユニットが移動中である場合、状態表示領域671には“移動中”と表示される。ユニットが調整可能な状態である場合、状態表示領域671には“スタンバイ”と表示される。
【0101】
確認ボタン672が押下されると、調整箇所表示領域601に表示されているユニットがいったん原点位置に戻され、このユニットがω、θ、x、y、z、rで定義される調整箇所まで移動される。これにより、ユーザは、微調整画面600で行った位置調整が適正であるかを、実際にユニットが駆動することを目視することにより確認することができる。
【0102】
OKボタン673が押下されると、微調整画面600が閉じられ、図6の位置調整メイ
ン画面500が表示される。このとき、テキストラベル621a、631a〜634a、641aに表示されていた設定値が、位置調整メイン画面500の設定値表示領域510と現在値表示領域522aに反映される。キャンセルボタン674が押下されると、微調整画面600で設定した内容は破棄され、微調整画面600が閉じられる。
【0103】
図8は、端末装置100と制御装置4の処理を示すフローチャートである。
【0104】
端末装置100のCPU111は、まず、通信インターフェース118を介して、制御装置4に接続要求を送信する(S11)。具体的には、ユーザは、端末装置100の入力部120から制御装置4のIPアドレスを指定し、制御装置4と通信を試みる指示を入力する。指示が入力されると、通信インターフェース118は、指定されたIPアドレスに対して無線LANルータ(図示せず)を介してIPパケットを送信する。これに応じて制御装置4から応答があると、端末装置100と制御装置4との間に無線通信路が確立される。以後の端末装置100と制御装置4との通信は、TCP/IPプロトコルを用いてIPパケットをやり取りすることにより行われる。
【0105】
続いて、CPU111は、受信処理と送信処理を開始する(S12、S13)。CPU111は、受信処理において、制御装置4から受信したデータに基づく画面を表示部130に表示する。この画面に対する入力が行われると、CPU111は、送信処理において、入力された情報を制御装置4に送信する。S12とS13により開始された処理は、シャットダウン指示が行われるまで繰り返し行われる(S14)。端末装置100の受信処理と送信処理は、追って図9(a)、(b)を参照して説明する。
【0106】
制御装置4のCPU401は、まず、端末装置100からの接続を受け付ける準備をし(S21)、端末装置100から接続要求を受信するまで処理を待機させる(S22)。CPU401は、通信インターフェース408を介して端末装置100から接続要求を受信すると(S22:YES)、これに対する応答を端末装置100に送信する。これにより、端末装置100と制御装置4との間に無線通信路が確立される。
【0107】
続いて、CPU401は、送信処理と受信処理を開始する(S23、S24)。CPU401は、送信処理において端末装置100にデータを送信し、受信処理において端末装置100から送信されたデータを受信する。S23とS24により開始された処理は、シャットダウン指示が行われるまで繰り返し行われる(S25)。制御装置4の送信処理と受信処理は、追って図10(a)、(b)を参照して説明する。
【0108】
なお、端末装置100の受信処理と送信処理、および、制御装置4の受信処理と送信処理は、それぞれ並行して実行される。
【0109】
本実施の形態において、端末装置100には、画像データと、画像を表示する位置(画面上の座標位置)および領域(座標位置を起点とする領域のサイズ)を示す情報と、画像データが画面全体の画像を表示するためのものか、画面の一部を表示するためのものかを示す識別情報が、制御装置4から送信される。端末装置100は、画像データに基づく画像を、指定された位置(座標)に、指定された領域(サイズ)に合うように表示する。また、端末装置100に表示された画面上の入力位置(画面上の座標位置)または入力内容(キー情報)を示す情報が、端末装置100から制御装置4に送信される。このように、本実施の形態において、端末装置100は、受信した画像データを指定された位置と領域に画像として再生する機能と、画面上における入力位置(座標位置)と入力内容(キー情報)を送信する機能とを備えていれば良い。かかる機能は、たとえば、上記のように、汎用的なプログラムを端末装置100にインストールすることで実現できる。
【0110】
図9(a)は、端末装置100の受信処理を示すフローチャートである。
【0111】
端末装置100のCPU111は、制御装置4からデータを受信すると(S101:YES)、受信したデータに、画面全体の画像データ、あるいは、画面の一部の画像データが含まれているかを判定する(S102、S106)。なお、かかる判定は、受信データに含まれる上述の識別情報に基づいて行われる。受信データが、画面全体の画像データも画面の一部の画像データも含まないと(S102:NO、S106:NO)、処理がS101に戻される。
【0112】
受信データが画面全体の画像データを含むと(S102:YES)、CPU111は、受信したデータから画面全体の情報(画像データと、この画像の表示サイズに関する情報)を取得する(S103)。なお、制御装置4から端末装置100に送信される画像データは、ファイルサイズを小さくするために圧縮された形式(たとえば、PNG形式)となっている。続いて、CPU111は、取得した画面データを圧縮前の形式に展開し(S104)、展開した画像を指定されたサイズで表示部130に表示する。これにより、表示部130の画面全体が更新される(S105)。
【0113】
一方、受信データが画面の一部の画像データを含むと(S102:NO、S106:YES)、CPU111は、受信したデータから更新情報(画面の一部の画像データと、この画像を表示する領域のサイズ、および、この領域の画面上における座標位置)を取得する(S107)。続いて、CPU111は、取得した画像データを圧縮前の形式に展開し(S108)、この画像データに基づく画像を指定されたサイズおよび座標位置の領域に表示する。これにより、表示部130の画面の一部が更新される(S109)。たとえば、図7のテキストラベル632aに対応する領域のみが更新される。このように、S101〜109の処理は、シャットダウン指示が行われるまで繰り返し行われる(S110)。
【0114】
図9(b)は、端末装置100の送信処理を示すフローチャートである。
【0115】
表示部130に表示されている画面が、ユーザにより入力部120を介してクリックされると(S111:YES)、端末装置100のCPU111は、クリックされた位置の座標を取得して(S112)、この座標を含むクリック情報を制御装置4に送信する(S113)。ユーザにより入力部120を介してキー入力(数字キー等に対する入力)が行われると、CPU111は、入力されたキーに対応するキー情報を制御装置4に送信する(S115)。このように、S111〜115の処理は、シャットダウン指示が行われるまで繰り返し行われる(S116)。
【0116】
図10(a)は、制御装置4の送信処理を示すフローチャートである。
【0117】
制御装置4のCPU401は、画面全体の画像データを送信する必要があるかを判定し(S201)、さらに、画面の一部の画像データを送信する必要があるかを判定する(S204)。図8のS23で送信処理が開始されたときと、図6の位置調整メイン画面500と図7の微調整画面600との間で画面が切り替えられるとき、CPU401は、画面全体の画像データを送信する必要があると判定する(S201:YES)。また、位置調整メイン画面500または微調整画面600に対する入力により画面の一部の状態が変わるとき、CPU401は、画面の一部の画像データを送信する必要があると判定する(S204:YES)。
【0118】
CPU401は、画面全体の画像を送信する必要があると判定すると(S201:YES)、画面全体の画像データと、この画像の表示サイズを取得し(S202)、このうち
、画像データを所定の形式に圧縮する(S203)。一方、CPU401は、画面の一部の画像データを送信する必要があると判定すると(S201:NO、S204:YES)、画面中の変更箇所に対応する領域(以下、「変更領域」という)の画像データと、この変更領域のサイズ、および、この変更領域の画面上における座標位置を取得し(S205)、このうち、画像データを所定の形式に圧縮する(S206)。
【0119】
続いて、CPU401は、S203で圧縮した画像データと当該画像の表示サイズを含む画面全体の情報、または、S206で圧縮した画像データと変更領域のサイズおよび座標位置を含む更新情報を、端末装置100に送信する(S207)。ここで、画面全体の情報と更新情報には、画像データが、画面全体の画像に関するものか、画面の一部の画像に関するものかを示す識別情報がさらに含まれている。こうして、S201〜S207の処理が、シャットダウン指示が行われるまで繰り返し行われる(S208)。
【0120】
図10(b)は、制御装置4の受信処理を示すフローチャートである。
【0121】
制御装置4のCPU401は、端末装置100からデータを受信すると(S211:YES)、受信したデータが、画面クリックまたはキー入力に関するものであるかを判定する(S212、S215)。受信したデータが画面クリックに関するものでもなくキー入力に関するものでもない場合(S212:NO、S215:NO)、処理がS211に戻される。
【0122】
受信したデータが画面クリックに関するものである場合(S212:YES)、すなわち、図9(b)のS113で送信されたデータである場合、CPU401は、このデータに含まれる座標を取得する(S213)。続いて、CPU401は、取得した座標に基づいて、“コントロール処理”を行う(S214)。コントロール処理については、追って図11、12を参照して説明する。
【0123】
他方、受信したデータがキー入力に関するものである場合(S212:NO、S215:YES)、すなわち、図9(b)のS115で送信されたデータである場合、CPU401は、このデータに含まれるキー情報を取得する(S216)。続いて、CPU401は、このキー情報に基づいて、表示入力部410に表示しているテキストの更新を行う(S217)。通常、キー情報を受信するタイミングでは、それより前に行われた画面へのクリックにより、画面上のテキストボックス等、テキスト入力可能な領域がフォーカスされている。CPU401は、S217において、このようにフォーカスされている領域の表示を、取得した情報に基づいて更新する。S217の処理タイミングにおいてテキスト入力可能な領域がフォーカスされていない場合、CPU401は、取得したテキスト情報を無効にする。
【0124】
S214のコントロール処理またはS217のテキスト更新処理により画面の状態が変更されると、CPU401は、それに応じて、表示入力部410上の画面(位置調整メイン画面500または微調整画面600)を更新する(S218)。なお、このように画面が更新されると、図10(a)のS201またはS204における判定がYESとなり、画面更新のための情報が端末装置100に送信される。これにより、表示入力部410上の画面と端末装置100側の表示部130上の画面が、同期して更新される。こうして、S211〜S218の処理が、シャットダウン指示が行われるまで繰り返し行われる(S219)。
【0125】
図11は、図10のS214(コントロール処理)における主要な処理を示すフローチャートである。
【0126】
制御装置4のCPU401は、図10(b)のS212でクリックされたと判定した画面が位置調整メイン画面500であるかを判定する(S301)。この画面が位置調整メイン画面500でないと(S301:NO)、すなわち、微調整画面600であると、処理が端子Aに進められる。クリックされた画面が位置調整メイン画面500であると(S301:YES)、CPU401は、図10(b)のS213で取得した座標(ユーザによりクリックされた場所)に基づいて、以下の処理を行う。
【0127】
クリックされた場所が、設定値表示領域510の動作箇所の項目である場合(S302:YES)、CPU401は、動作箇所の設定値の項目を反転表示させ(S309)、粗調整表示領域522に、クリックされた動作箇所の設定値を表示させる(S310)。すなわち、現在値表示領域522aには、設定値表示領域510の設定値が表示され、前回値表示領域522bには、位置調整メイン画面500が表示されたときのこの動作箇所の設定値が表示される。
【0128】
クリックされた場所が、チェックボックス524である場合(S302:NO、S303:YES)、CPU401は、詳細表示領域520に表示されている動作項目について、設定値表示領域510における動作箇所と設定値の項目の色を変更する(S311)。なお、位置調整メイン画面500が最初に開かれた場合など、詳細表示領域520に何も表示されていない場合は、チェックボックス524がクリックされても、S303の判定はNOとされる。
【0129】
クリックされた場所が、現在値表示領域522aのテキストボックスである場合(S302〜S303:NO、S304:YES)、CPU401は、クリックされた場所のテキストボックスにカーソルを表示する(S312)。
【0130】
クリックされた場所が、前回値ボタン522cである場合(S302〜S304:NO、S305:YES)、CPU401は、現在値表示領域522aのテキストボックスの値を、対応する前回値表示領域522bの値に置き換える(S313)。
【0131】
クリックされた場所が、微調整ボタン523aである場合(S302〜S305:NO、S306:YES)、CPU401は、微調整画面600を開く(S314)。
【0132】
クリックされた場所が、OKボタン531である場合(S302〜S306:NO、S307:YES)、CPU401は、設定値表示領域510に表示されている設定値を、バッテリーバックアップRAM204に書き込む(S315)。続いて、CPU401は、位置調整メイン画面500を閉じる(S316)。
【0133】
クリックされた場所が、キャンセルボタン532である場合(S302〜S307:NO、S308:YES)、CPU401は、位置調整メイン画面500を閉じる(S316)。
【0134】
クリックされた場所が、上記いずれの領域でもない場合(S302〜S308:NO)、処理が行われることなく、コントロール処理が終了する。
【0135】
なお、S309〜S314、S316により画面の状態が変更されると、CPU401は、図10(b)のS218の処理ステップにおいて、表示入力部410上の画面(位置調整メイン画面500または微調整画面600)を、S309〜S314、S316の更新内容に応じて更新する。なお、このように画面が更新されると、図10(a)のS201またはS204における判定がYESとなり、画面更新のための情報が制御装置4から端末装置100に送信される。これにより、制御装置4の表示入力部410上の画面と端
末装置100側の表示部130上の画面が、同期して更新される。
【0136】
図12は、図11の端子A以降の主要な処理を示すフローチャートである。
【0137】
制御装置4のCPU401は、微調整画面600について、図10(b)のS213で取得した座標(ユーザによりクリックされた場所)に基づいて、以下の処理を行う。
【0138】
クリックされた場所が、パルス移動値表示領域610のラジオボタンである場合(S401:YES)、CPU401は、クリックされた場所のラジオボタンを選択状態に更新する(S408)。同時に、CPU401は、移動ボタンが押されたときの移動単位を、選択されたラジオボタンに対応するパルス数に設定する。
【0139】
クリックされた場所が、移動ボタン621b、621c、631b〜634b、631c〜634c、641b、641cの何れかである場合(S401:NO、S402:YES)、CPU401は、調整箇所表示領域601に表示されているユニットを移動させる(S409)。このとき、ステッピングモータ部211の対応するステッピングモータに、パルス移動値表示領域610の選択されているパルス数だけ駆動パルスが出力される。続いて、CPU401は、当該駆動に対応するテキストラベル621a、631a〜634a、641aを駆動量に応じて更新する(S410)。なお、クリックされた場所が、グレー表示となっているテキストラベルに対応する移動ボタンである場合、S402の判定はNOとなる。
【0140】
クリックされた場所が、移動補助ボタン634d、641dの何れかである場合(S401〜S402:NO、S403:YES)、CPU401は、上述したようにユニットを移動させる(S411)。
【0141】
クリックされた場所が、確認ボタン672である場合(S401〜S403:NO、S404:YES)、CPU401は、上述したように原点位置から調整箇所までユニットを移動させる(S412)。
【0142】
クリックされた場所が、その他ボタン(ピペット先端表示領域650とセンサ表示領域660のボタン)である場合(S401〜S404:NO、S405:YES)、CPU401は、対応する動作を実行し、対応する情報を更新する(S413)。
【0143】
クリックされた場所が、OKボタン673である場合(S401〜S405:NO、S406:YES)、CPU401は、微調整画面600に表示されている設定値を保持する(S414)。続いて、CPU401は、調整箇所表示領域601に表示されているユニットを原点位置に戻し(S415)、微調整画面600を閉じる(S416)。
【0144】
クリックされた場所が、キャンセルボタン674である場合(S401〜S406:NO、S407:YES)、微調整画面600に表示されている設定値を破棄する(S417)。続いて、CPU401は、調整箇所表示領域601に表示されているユニットを原点位置に戻し(S415)、微調整表示画面600を閉じる(S416)。
【0145】
なお、クリックされた場所が、上記いずれの領域でもない場合(S401〜S407:NO)、処理が行われることなく、処理が端子Bに進められ、コントロール処理が終了する。
【0146】
なお、S408、S410、S413、S416により画面の状態が変更されると、CPU401は、図10(b)のS218の処理ステップにおいて、表示入力部410上の
画面(位置調整メイン画面500または微調整画面600)を、S408、S410、S413、S416の更新内容に応じて更新する。なお、このように画面が更新されると、図10(a)のS201またはS204における判定がYESとなり、画面更新のための情報が制御装置4から端末装置100に送信される。これにより、制御装置4の表示入力部410上の画面と端末装置100側の表示部130上の画面が、同期して更新される。
【0147】
ところで、図10(b)および図11、12のフローチャートは、端末装置100の表示部130に表示された画面に対する入力によってユニットの調整および画面の更新を行うものであったが、制御装置4側の表示入力部410に表示された画面に対する入力によってユニットの調整および画面の更新を行う場合も、同様の処理が行われる。
【0148】
この場合、図10(b)のフローチャートからはS211が省略され、S212とS215では、表示入力部410に表示された画面に対して、クリックとキー入力があったかが判定され、S213、S216では、表示入力部410に対する入力に基づいて、クリック位置の座標とキー情報が取得される。その他の処理は、上記実施の形態と同様である。この場合も、表示入力部410上の画面の更新に応じて、図10(a)のS201またはS204における判定がYESとなり、画面更新のための情報が制御装置4から端末装置100に送信される。これにより、制御装置4の表示入力部410上の画面と端末装置100側の表示部130上の画面が、同期して更新される。
【0149】
以上、本実施の形態によれば、制御装置4から位置調整を行うユニットが離れた位置にあっても、端末装置100をユニットの近傍に持って行くことで、ユニットの位置を目視しながら、端末装置100に表示された位置調整メイン画面500と微調整画面600からユニットの設定値の変更を指示することができる。このため、ユーザは、ユニットの位置調整の際に、制御装置4の操作位置とユニットとの間を行き来する必要がなく、極めて簡便に、ユニットの位置調整を行うことができる。
【0150】
また、本実施の形態によれば、制御装置4から送信された画面に関するデータに基づいて表示部130の画面表示が行われ、入力部120を介して入力された情報が制御装置4に送信された。また、端末装置100には、このような機能を実現するためのプログラムがインストールされた。このように、端末装置100には位置調整用の特別なアプリケーションを実装する必要がないため、端末装置100を汎用のコンピュータと汎用のアプリケーションによって構成することができる。よって、端末装置100を安価に且つ簡便に構成することができる。
【0151】
また、本実施の形態によれば、図10(a)に示すように、画面の一部の状態が変わるときには、画面全体の画像データではなく画面の一部の画像データが、端末装置100から制御装置4に送信される。これにより、端末装置100に送信すべきデータの量を低減させることができる。
【0152】
また、本実施の形態によれば、設定値表示領域510の動作箇所項目を押下することにより、ユーザは位置調整を実行するユニットを選択することができる。この場合、調整箇所表示領域521には、選択されたユニットの動作箇所近傍の画像と、動作箇所を示す矢印が表示される。これにより、ユーザは、位置調整を行うユニットがどこにあるかを一目で認識することができる。
【0153】
また、本実施の形態によれば、位置調整メイン画面500の粗調整表示領域522を介して、ユニットの調整位置が予め定められた位置に簡便に設定され得る。また、微調整画面600において移動ボタンが押下されることにより、ユニットの調整位置が細かく設定され得る。また、移動ボタンによる設定の際には、移動ボタンに応じてユニットが実際に
移動するため、ユーザはユニットの移動位置を確認しながら、的確な位置調整を行うことができる。
【0154】
また、本実施の形態によれば、確認ボタン672が押下されると、調整対象のユニットが、原点から設定値で定義される位置まで移動される。これにより、ユーザは、設定した設定値が適正であるかを、ユニットの駆動を目視しながら確認することができる。
【0155】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態はこれらに限定されるものではない。
【0156】
たとえば、上記実施の形態では、測定対象として血液を例示したが、尿についても測定対象とされ得る。すなわち、尿を検査する試料分析装置にも本発明を適用することができ、さらに、他の臨床検体を検査する臨床検体検査装置に本発明を適用することもできる。
【0157】
また、上記実施の形態では、測定機構部2の各ユニットの設定値は、バッテリーバックアップRAM204に記憶されたが、これに限らず、制御装置4のハードディスク404または端末装置100のハードディスク114に記憶されても良い。
【0158】
また、上記実施の形態では、制御装置4において生成された画面データが、端末装置100に送信されたが、これに限らず、端末装置100が画面データを生成し、端末装置100において生成された画面データが、制御装置4に送信されるようにしても良い。さらに別の形態として、制御装置4にインストールされているアプリケーションプログラムと同じアプリケーションプログラムを端末装置100にインストールしておき、端末装置100から測定機構部2に対して、制御装置4を経由せずに位置調整の指示を行えるようにしてもよい。この場合、端末装置100における誤入力によって意図しない動作が行われないよう、端末装置100においては位置調整の指示を行う機能のみをアクティブとし、それ以外の機能は非アクティブにする設定とすることが好ましい。
【0159】
また、上記実施の形態では、測定機構部2の各ユニットの位置調整を行うために、位置調整メイン画面500と微調整画面600の2つの画面が用いられたが、これに限らず、1つの画面のみが用いられても良く、3つ以上の画面が用いられても良い。たとえば、位置調整メイン画面500と微調整メイン画面の各部が1つの画面上に配置されていても良い。また、位置調整メイン画面500の粗調整表示領域522のみが表示される画面が別途用意されても良い。
【0160】
また、上記実施の形態では、可搬型の端末装置100としてノート型のパーソナルコンピュータが用いられたが、これに限らず、人が携帯して持ち運ぶことができる端末装置であればよい。たとえば、携帯情報端末(PDA)やスマートフォンであっても良い。また、端末装置100と制御装置4とは無線により通信可能に接続されたが、これに限らず、有線により通信可能に接続されても良い。有線による通信は、たとえばLANケーブルにより制御装置4と端末装置100とを接続し、TCP/IPプロトコルを利用して実現することができる。LANケーブルとしてはストレートケーブルをハブを介して接続する形態であってもよいし、クロスケーブルによって直接両者を接続する形態であってもよい。
【0161】
また、上記実施の形態では、端末装置100のハードディスク114には、制御装置4から送信された画像データを表示し、入力内容を制御装置4に送信するために、アドビシステムズ社のAIR上で実行されるアプリケーションがインストールされた。しかしながら、これに限らず、制御装置4と端末装置100に、同じ画面を同期的に表示するためのプログラムがインストールされれば良い。たとえば、シマンテック社の「pcAnywhere」や、マイクロソフト社の「リモートデスクトップ」であっても良い。
【0162】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0163】
1 … 免疫分析装置(検体分析装置)
2 … 測定機構部(測定部)
4 … 制御装置(制御手段)
5 … 検体分注アーム(処理ユニット)
6 … R1試薬分注アーム(処理ユニット)
7 … R2試薬分注アーム(処理ユニット)
8 … R3試薬分注アーム(処理ユニット)
100 … 端末装置
204 … バッテリーバックアップRAM(記憶部)
403 … RAM(記憶部)
408 … 通信インターフェース(通信部)
410 … 表示入力部(表示部)
500 … 位置調整メイン画面(位置調整画面)
510 … 設定値表示領域(選択受付画面)
522 … 粗調整表示領域(位置調整画面)
600 … 微調整画面(位置調整画面)
621b、621c、631b〜634b、631c〜634c、641b、641c … 移動ボタン(移動キー)
672 … 確認ボタン(動作確認ボタン)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動に配された処理ユニットを動作させて検体の測定を行う測定部と、外部と通信を行うための通信部と、を備える検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法であって、
前記処理ユニットの位置変更のための入力を受け付けるための位置調整画面を、前記通信部と通信可能に構成された可搬型の端末装置に表示させる端末画面表示ステップと、
前記位置調整画面に対して位置変更のための入力を行う入力ステップと、
前記位置調整画面に対する位置変更のための入力を、前記端末装置から前記通信部に送信する送信ステップと、
前記通信部により受信された前記位置変更のための入力に応じて、対応する処理ユニットの移動を前記測定部に実行させる移動実行ステップと、を備える、
ことを特徴とする検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法。
【請求項2】
請求項1に記載の検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法において、
前記検体分析装置は、前記処理ユニットの位置に関する設定値を記憶した記憶部を備えており、
前記端末画面表示ステップは、
前記記憶部に記憶された設定値から位置調整画面用の画像データを生成するステップと、
生成した画像データを前記通信部から前記端末装置に送信するステップと、を備える、ことを特徴とする検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法。
【請求項3】
請求項2に記載の検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法において、
前記記憶部に記憶された設定値に基づく位置調整画面を前記検体分析装置に設けられた表示部に表示する本体画面表示ステップをさらに有する、
ことを特徴とする検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法。
【請求項4】
請求項3に記載の検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法において、
前記移動実行ステップは、前記表示部または前記端末装置に表示された位置調整画面に対する設定値変更のための入力に応じて、対応する処理ユニットの移動を前記測定部に実行させるステップを含み、
前記本体画面表示ステップは、前記表示部に表示された位置調整画面を処理ユニットの移動に基づき更新するステップを含み、
前記端末画面表示ステップは、前記表示部に表示された位置調整画面の更新に同期して、更新後の位置調整画面が前記端末装置にも表示されるように、前記端末装置に表示された位置調整画面を更新するステップを含む、
ことを特徴とする検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法。
【請求項5】
請求項4に記載の検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法において、
前記端末画面表示ステップは、設定値の変更を受け付けると、位置調整画面の一部であって、変更された設定値が表示された領域の画像データを生成し、生成した画像データを変更対象の領域を指定するデータとともに前記端末装置に送信するステップを含む、
ことを特徴とする検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一項に記載の検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法において、
位置調整画面は、所定の移動量だけ処理ユニットを移動させる移動キーを含み、
前記移動実行ステップは、前記端末装置に表示された位置調整画面における移動キーが押下される都度、所定の移動量だけ処理ユニットを移動させるステップを含む、
ことを特徴とする検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか一項に記載の検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法において、
前記測定部は、複数の処理ユニットを含み、
前記端末画面表示ステップは、複数の処理ユニットから位置調整の対象となる処理ユニットの選択を受け付ける選択受付画面を前記端末装置に表示させ、前記選択受付画面を介して選択された処理ユニットに対する位置調整指示を受け付ける位置調整画面を前記端末装置に表示させるステップを含む、
ことを特徴とする検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法。
【請求項8】
請求項7に記載の検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法において、
前記端末画面表示ステップは、前記選択受付画面に、選択された処理ユニットを示す画像を表示させる、
ことを特徴とする検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法。
【請求項9】
請求項1ないし8の何れか一項に記載の検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法において、
前記端末画面表示ステップは、位置調整画面に対する入力により調整された処理ユニットの動作を確認するための指示を受け付ける動作確認ボタンを前記端末装置に表示させるステップを含み、
前記移動実行ステップは、前記動作確認ボタンに対する入力を受け付けると、所定の原点位置から調整後の位置までの移動を処理ユニットに実行させるステップを含む、
ことを特徴とする検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法。
【請求項10】
請求項1ないし9の何れか一項に記載の検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法において、
前記端末装置は、前記通信部と無線通信可能に構成されている、
ことを特徴とする検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法。
【請求項11】
可動に配された処理ユニットを動作させて検体の測定を行う測定部と、
外部と通信を行うための通信部と、
制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記処理ユニットの位置変更のための入力を受け付けるための位置調整画面を、前記通信部と通信可能に構成された可搬型の端末装置に表示させ、
前記位置調整画面に対する位置変更のための入力を、前記通信部を介して受信すると、当該入力に応じて、処理ユニットの移動を前記測定部に実行させる、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項12】
請求項11に記載の検体分析装置において、
前記処理ユニットの位置に関する設定値を記憶した記憶部をさらに備え、
前記制御手段は、
前記記憶部に記憶された設定値から位置調整画面用の画像データを生成し、
生成した画像データを前記通信部から前記端末装置に送信する、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項13】
請求項12に記載の検体分析装置において、
表示部をさらに備え、
前記制御手段は、前記記憶部に記憶された設定値に基づく位置調整画面を前記表示部に
表示させる、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項14】
請求項13に記載の検体分析装置において、
前記制御手段は、
前記表示部または前記端末装置に表示された位置調整画面に対する設定値変更のための入力に応じて、処理ユニットの移動を前記測定部に実行させ、
前記表示部に表示された位置調整画面を処理ユニットの移動に基づき更新し、
前記表示部に表示された位置調整画面の更新に同期して、更新後の位置調整画面が前記端末装置にも表示されるように、前記端末装置に表示された位置調整画面を更新する、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項15】
請求項14に記載の検体分析装置において、
前記制御手段は、設定値の変更を受け付けると、位置調整画面の一部であって、変更された設定値が表示された領域の画像データを生成し、生成した画像データを変更対象の領域を指定するデータとともに前記端末装置に送信する、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項16】
請求項11ないし15の何れか一項に記載の検体分析装置において、
位置調整画面は、所定の移動量だけ処理ユニットを移動させる移動キーを含み、
前記制御手段は、前記端末装置に表示された位置調整画面における移動キーが押下される都度、所定の移動量だけ処理ユニットを移動させる、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項17】
請求項11ないし16の何れか一項に記載の検体分析装置において、
前記測定部は、複数の処理ユニットを含み、
前記制御手段は、複数の処理ユニットから位置調整の対象となる処理ユニットの選択を受け付ける選択受付画面を前記端末装置に表示させ、前記選択受付画面を介して選択された処理ユニットに対する位置調整指示を受け付ける位置調整画面を前記端末装置に表示させる、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項18】
請求項17に記載の検体分析装置において、
前記制御手段は、前記選択受付画面に、選択された処理ユニットを示す画像を表示させる、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項19】
請求項11ないし18の何れか一項に記載の検体分析装置において、
前記制御手段は、位置調整画面に対する入力により調整された処理ユニットの動作を確認するための指示を受け付ける動作確認ボタンを前記端末装置に表示させ、
前記動作確認ボタンに対する入力を受け付けると、所定の原点位置から調整後の位置まで処理ユニットを移動させる、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項20】
請求項11ないし19の何れか一項に記載の検体分析装置において、
前記端末装置は、前記通信部と無線通信可能に構成されている、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項1】
可動に配された処理ユニットを動作させて検体の測定を行う測定部と、外部と通信を行うための通信部と、を備える検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法であって、
前記処理ユニットの位置変更のための入力を受け付けるための位置調整画面を、前記通信部と通信可能に構成された可搬型の端末装置に表示させる端末画面表示ステップと、
前記位置調整画面に対して位置変更のための入力を行う入力ステップと、
前記位置調整画面に対する位置変更のための入力を、前記端末装置から前記通信部に送信する送信ステップと、
前記通信部により受信された前記位置変更のための入力に応じて、対応する処理ユニットの移動を前記測定部に実行させる移動実行ステップと、を備える、
ことを特徴とする検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法。
【請求項2】
請求項1に記載の検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法において、
前記検体分析装置は、前記処理ユニットの位置に関する設定値を記憶した記憶部を備えており、
前記端末画面表示ステップは、
前記記憶部に記憶された設定値から位置調整画面用の画像データを生成するステップと、
生成した画像データを前記通信部から前記端末装置に送信するステップと、を備える、ことを特徴とする検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法。
【請求項3】
請求項2に記載の検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法において、
前記記憶部に記憶された設定値に基づく位置調整画面を前記検体分析装置に設けられた表示部に表示する本体画面表示ステップをさらに有する、
ことを特徴とする検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法。
【請求項4】
請求項3に記載の検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法において、
前記移動実行ステップは、前記表示部または前記端末装置に表示された位置調整画面に対する設定値変更のための入力に応じて、対応する処理ユニットの移動を前記測定部に実行させるステップを含み、
前記本体画面表示ステップは、前記表示部に表示された位置調整画面を処理ユニットの移動に基づき更新するステップを含み、
前記端末画面表示ステップは、前記表示部に表示された位置調整画面の更新に同期して、更新後の位置調整画面が前記端末装置にも表示されるように、前記端末装置に表示された位置調整画面を更新するステップを含む、
ことを特徴とする検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法。
【請求項5】
請求項4に記載の検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法において、
前記端末画面表示ステップは、設定値の変更を受け付けると、位置調整画面の一部であって、変更された設定値が表示された領域の画像データを生成し、生成した画像データを変更対象の領域を指定するデータとともに前記端末装置に送信するステップを含む、
ことを特徴とする検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一項に記載の検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法において、
位置調整画面は、所定の移動量だけ処理ユニットを移動させる移動キーを含み、
前記移動実行ステップは、前記端末装置に表示された位置調整画面における移動キーが押下される都度、所定の移動量だけ処理ユニットを移動させるステップを含む、
ことを特徴とする検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか一項に記載の検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法において、
前記測定部は、複数の処理ユニットを含み、
前記端末画面表示ステップは、複数の処理ユニットから位置調整の対象となる処理ユニットの選択を受け付ける選択受付画面を前記端末装置に表示させ、前記選択受付画面を介して選択された処理ユニットに対する位置調整指示を受け付ける位置調整画面を前記端末装置に表示させるステップを含む、
ことを特徴とする検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法。
【請求項8】
請求項7に記載の検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法において、
前記端末画面表示ステップは、前記選択受付画面に、選択された処理ユニットを示す画像を表示させる、
ことを特徴とする検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法。
【請求項9】
請求項1ないし8の何れか一項に記載の検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法において、
前記端末画面表示ステップは、位置調整画面に対する入力により調整された処理ユニットの動作を確認するための指示を受け付ける動作確認ボタンを前記端末装置に表示させるステップを含み、
前記移動実行ステップは、前記動作確認ボタンに対する入力を受け付けると、所定の原点位置から調整後の位置までの移動を処理ユニットに実行させるステップを含む、
ことを特徴とする検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法。
【請求項10】
請求項1ないし9の何れか一項に記載の検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法において、
前記端末装置は、前記通信部と無線通信可能に構成されている、
ことを特徴とする検体分析装置における処理ユニットの位置調整方法。
【請求項11】
可動に配された処理ユニットを動作させて検体の測定を行う測定部と、
外部と通信を行うための通信部と、
制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記処理ユニットの位置変更のための入力を受け付けるための位置調整画面を、前記通信部と通信可能に構成された可搬型の端末装置に表示させ、
前記位置調整画面に対する位置変更のための入力を、前記通信部を介して受信すると、当該入力に応じて、処理ユニットの移動を前記測定部に実行させる、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項12】
請求項11に記載の検体分析装置において、
前記処理ユニットの位置に関する設定値を記憶した記憶部をさらに備え、
前記制御手段は、
前記記憶部に記憶された設定値から位置調整画面用の画像データを生成し、
生成した画像データを前記通信部から前記端末装置に送信する、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項13】
請求項12に記載の検体分析装置において、
表示部をさらに備え、
前記制御手段は、前記記憶部に記憶された設定値に基づく位置調整画面を前記表示部に
表示させる、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項14】
請求項13に記載の検体分析装置において、
前記制御手段は、
前記表示部または前記端末装置に表示された位置調整画面に対する設定値変更のための入力に応じて、処理ユニットの移動を前記測定部に実行させ、
前記表示部に表示された位置調整画面を処理ユニットの移動に基づき更新し、
前記表示部に表示された位置調整画面の更新に同期して、更新後の位置調整画面が前記端末装置にも表示されるように、前記端末装置に表示された位置調整画面を更新する、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項15】
請求項14に記載の検体分析装置において、
前記制御手段は、設定値の変更を受け付けると、位置調整画面の一部であって、変更された設定値が表示された領域の画像データを生成し、生成した画像データを変更対象の領域を指定するデータとともに前記端末装置に送信する、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項16】
請求項11ないし15の何れか一項に記載の検体分析装置において、
位置調整画面は、所定の移動量だけ処理ユニットを移動させる移動キーを含み、
前記制御手段は、前記端末装置に表示された位置調整画面における移動キーが押下される都度、所定の移動量だけ処理ユニットを移動させる、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項17】
請求項11ないし16の何れか一項に記載の検体分析装置において、
前記測定部は、複数の処理ユニットを含み、
前記制御手段は、複数の処理ユニットから位置調整の対象となる処理ユニットの選択を受け付ける選択受付画面を前記端末装置に表示させ、前記選択受付画面を介して選択された処理ユニットに対する位置調整指示を受け付ける位置調整画面を前記端末装置に表示させる、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項18】
請求項17に記載の検体分析装置において、
前記制御手段は、前記選択受付画面に、選択された処理ユニットを示す画像を表示させる、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項19】
請求項11ないし18の何れか一項に記載の検体分析装置において、
前記制御手段は、位置調整画面に対する入力により調整された処理ユニットの動作を確認するための指示を受け付ける動作確認ボタンを前記端末装置に表示させ、
前記動作確認ボタンに対する入力を受け付けると、所定の原点位置から調整後の位置まで処理ユニットを移動させる、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項20】
請求項11ないし19の何れか一項に記載の検体分析装置において、
前記端末装置は、前記通信部と無線通信可能に構成されている、
ことを特徴とする検体分析装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−181039(P2012−181039A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42571(P2011−42571)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]