検体分析装置
【課題】検体容器に洗浄液容器が後続する場合に、検体の再測定処理を円滑に行うことが可能な検体分析装置を提供する。
【解決手段】検体分析装置1は、検体を吸引して測定する測定ユニット31、32と、測定ユニット31、32に容器を順次供給する搬送ユニット2と、検体の測定結果に基づいて、その検体の再測定の要否を取得する要否取得手段と、を備える。測定ユニット31、32は、洗浄液容器Cが供給された場合、洗浄を実行することが可能である。検体分析装置1は、検体容器Tに洗浄液容器Cが後続する場合、少なくとも、要否取得手段により検体容器Tの再測定の要否の取得が終了するまで、洗浄液の測定ユニット31、32への供給を保留する。これにより、自動的に洗浄が開始されることを回避でき、先行の検体容器Tの再測定処理を円滑に行うことができる。
【解決手段】検体分析装置1は、検体を吸引して測定する測定ユニット31、32と、測定ユニット31、32に容器を順次供給する搬送ユニット2と、検体の測定結果に基づいて、その検体の再測定の要否を取得する要否取得手段と、を備える。測定ユニット31、32は、洗浄液容器Cが供給された場合、洗浄を実行することが可能である。検体分析装置1は、検体容器Tに洗浄液容器Cが後続する場合、少なくとも、要否取得手段により検体容器Tの再測定の要否の取得が終了するまで、洗浄液の測定ユニット31、32への供給を保留する。これにより、自動的に洗浄が開始されることを回避でき、先行の検体容器Tの再測定処理を円滑に行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液等の検体を処理および分析する検体分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血液や尿などの検体を収容した検体容器から、吸引管を介して検体を吸引して処理する検体処理装置が知られている。
【0003】
検体処理装置を長期使用すると、吸引管、流路、バルブ、反応容器、分析部等の流体系に汚れが蓄積して精度低下や動作不良を引き起こす原因となる。このため、定期的に、たとえば所定の処理検体数ごとに、流体系の洗浄が行なわれている。
【0004】
特許文献1には、液体容器に収容された洗浄液を、吸引部を介して吸引し、内部の流体回路を洗浄する試料分析装置が開示されている。この構成では、洗浄液容器を保持するラックが試料分析装置にセットされると、セットされたラックが搬送される。ラックに保持された洗浄液容器を装置が認識すると、自動的に洗浄液容器から洗浄液が吸引されて、流体回路の洗浄が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−254980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
洗浄液を用いた流体回路の洗浄は、試料調製に用いられるチャンバ、検出部およびそれらを接続する流路を洗浄液で満たし、一定時間放置することにより、チャンバおよび流路の内部に沈着した汚れを落とすことによって行うために、1回の洗浄には長時間を要する。このため、一旦洗浄が始まると、長時間検体の測定を行うことはできない。したがって、洗浄液を用いた洗浄は、検体の測定がすべて終わってから行うのが好ましい。
【0007】
しかしながら、検体によっては、一回目の測定のあとに再測定を行う必要がある検体もある。再測定の要否判定は、測定が終わってから即座に行われるものではなく、測定終了から要否判定の結果が出るまでにタイムラグが発生する。
【0008】
そのため、先に供給された検体の再測定が必要であると判定されたときには、既に後続の洗浄液容器から洗浄の吸引が始まっている場合があり、この場合、長時間の洗浄が終わるまで検体の再測定を始めるのを待たなければならなかった。
【0009】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、検体容器に洗浄液容器が後続する場合に、検体の再測定処理を円滑に行うことが可能な検体分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様は、検体分析装置に関する。この態様に係る検体分析装置は、検体を処理および分析する検体分析装置において、検体容器に収容された検体を吸引して測定する測定部と、複数の容器を搬送して測定部に容器を順次供給する搬送部と、前記測定部が検体容器から検体を吸引して実行した測定の測定結果に基づいて、その検体の再測定の要否を取得する要否取得手段と、を備える。前記測定部は、前記搬送部により洗浄液容器
が供給された場合、その洗浄液容器から洗浄液を吸引して洗浄を実行することが可能である。前記検体分析装置は、前記測定部に対する容器の供給順序において、検体容器に洗浄液容器が後続する場合、少なくとも、前記要否取得手段により前記検体容器の再測定の要否の取得が終了するまで、前記洗浄液容器に収容された洗浄液の前記測定部への供給を保留する。
【0011】
本態様に係る検体分析装置によれば、検体容器に洗浄液容器が後続する場合、検体容器の再測定の要否の取得が終了するまで、洗浄液の検体処理部への供給を保留することで、自動的に洗浄が開始されることが回避される。よって、先行の検体容器に対する再測定処理を円滑に行うことができる。
【0012】
また、本態様に係る検体分析装置は、前記測定部に対する容器の供給順序において、検体容器に洗浄液容器が後続する場合、少なくとも、前記要否取得手段により前記検体容器の再測定の要否の取得が終了するまで、前記洗浄液容器の前記検体処理部への供給を保留するよう、前記搬送部を制御するよう構成され得る。こうすると、搬送部の動作によって、洗浄液が検体処理部に供給されることを回避することができる。
【0013】
この場合に、前記検体分析装置は、前記要否取得手段によって前記検体容器の再測定が不要との結果が取得された場合、前記洗浄液容器を前記測定部に供給するよう、前記搬送部を制御し、供給された前記洗浄液容器からの洗浄液の吸引および洗浄を実行するよう、前記測定部を制御するよう構成され得る。こうすると、検体容器の再測定が不要な場合、後続の洗浄液容器の供給が保留された後、自動的に後続の洗浄液容器の処理が開始されるため、ユーザの手間を軽減することができる。
【0014】
また、本態様に係る検体分析装置は、前記要否取得手段によって前記検体容器の再測定が必要との結果が取得された場合、前記測定部において該検体容器の再測定のための吸引が完了した後、前記洗浄液容器を前記測定部に供給するよう、前記搬送部を制御し、供給された前記洗浄液容器からの洗浄液の吸引および洗浄を実行するよう、前記測定部を制御するよう構成され得る。こうすると、検体容器の再測定が必要な場合、検体の再測定が完了した後、自動的に後続の洗浄液容器の処理が開始されるため、ユーザの手間を軽減することができる。
【0015】
また、本態様に係る検体分析装置は、容器の種類を識別する識別手段をさらに備え得る。ここで、前記識別手段は、前記搬送部によって搬送される容器の種類を順次識別し、前記検体分析装置は、前記識別手段による識別の結果に基づいて、検体容器に洗浄液容器が後続するかを判断するよう構成され得る。
【0016】
また、本態様に係る検体分析装置において、前記搬送部は、容器を複数保持可能なラックを搬送することにより、ラックに保持された容器を順次測定部に供給するように構成され得る。こうすると、搬送部の動作によって、洗浄液が検体処理部に供給されることを回避することができる。
【0017】
この場合に、前記検体分析装置は、先行のラックに検体容器が保持され、後続のラックに洗浄液容器が保持されている場合、少なくとも、前記先行ラックに保持された全ての検体容器について、要否取得手段による再測定の要否の取得が終了するまで、前記後続ラックを所定の位置で停止させるよう、前記搬送部を制御するよう構成され得る。こうすると、後続のラックが先行ラックの搬送を妨げないので、先行ラックの検体容器の再測定処理を円滑に行うことができる。
【0018】
また、本態様に係る検体分析装置は、洗浄を実行した後、自動的にシャットダウンを行
うよう、前記測定部を制御するよう構成され得る。こうすると、ユーザは、長時間の洗浄処理を待った後に、シャットダウン操作を行うことを回避することができる。これにより、ユーザの手間が軽減され得る。
【0019】
本発明の第2の態様は、検体分析装置に関する。この態様に係る検体分析装置は、検体容器に収容された検体を吸引して測定する測定部と、複数の容器を搬送して前記測定部に容器を順次供給する搬送部と、前記測定部が検体容器から検体を吸引して実行した測定の測定結果に基づいて、その検体の再測定の要否を取得する要否取得手段と、を備える。前記測定部は、洗浄液容器が供給された場合、その洗浄液容器から洗浄液を吸引して洗浄を実行することが可能である。前記検体分析装置は、前記測定部に対する容器の供給順序において、検体容器に洗浄液容器が後続し、且つ、後続の洗浄液容器の前記測定部への供給時に、前記検体容器の再測定の要否の取得が終了していない場合、前記洗浄液容器の前記測定部への供給がスキップされるよう、前記搬送部を制御する。
【0020】
本態様に係る検体処理装置によれば、上記第1の態様と同様の効果が奏され得る。
【発明の効果】
【0021】
以上のとおり、本発明によれば、検体容器に洗浄液容器が後続する場合に、検体の再測定処理を円滑に行うことが可能な検体処理装置を提供することができる。
【0022】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態により何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施の形態に係る検体分析装置の外観を示す斜視図である。
【図2】実施の形態に係る検体容器およびラックの構成を示す図である。
【図3】実施の形態に係る洗浄液容器および洗浄液容器の配置ルールを示す図である。
【図4】実施の形態に係る搬送ユニットおよび測定ユニットを上側から見た構成を示す平面図である。
【図5】実施の形態に係る測定ユニットの検体容器および洗浄液容器の取込み動作の流れを示す図である。
【図6】実施の形態に係る搬送ユニットおよび測定ユニットの構成の概要を示す図である。
【図7】実施の形態に係る測定ユニットの流体回路の概要を示す図である。
【図8】実施の形態に係る情報処理ユニットの構成の概要を示す図である。
【図9】実施の形態に係るラックの搬送制御の流れを示す図である。
【図10】実施の形態に係る洗浄およびシャットダウン時のラックの搬送制御の流れを示す図である。
【図11】実施の形態に係る通常検体処理時のラックの搬送制御、再検処理およびフラグ設定処理の流れを示す図である。
【図12】実施の形態に係るラックの動作の流れを示す図である。
【図13】実施の形態に係るラックの動作の流れを示す図である。
【図14】変更例1に係る洗浄およびシャットダウン時のラックの搬送制御の流れを示す図である。
【図15】変更例2に係る検体分析装置の外観を示す図である。
【図16】変更例2に係る洗浄液容器の配置ルールとラックの搬送制御の流れを示す図である。
【図17】変更例3に係るラックの搬送制御の流れを示す図である。
【図18】変更例4に係る洗浄およびシャットダウン時のラックの搬送制御の流れを示す図である。
【図19】変更例4に係るラックの動作の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本実施の形態は、血液に関する検査および分析を行うための検体分析装置に本発明を適用したものである。
【0025】
以下、本実施の形態に係る検体分析装置について、図面を参照して説明する。
【0026】
図1は、検体処理装置1の外観を示す斜視図である。本実施の形態に係る検体処理装置1は、搬送ユニット2と、血球計数装置からなる測定ユニット31、32と、情報処理ユニット4から構成されている。
【0027】
搬送ユニット2は、測定ユニット31、32の前方に配置されており、右テーブル21と、左テーブル22と、右テーブル21と左テーブル22とをつなぐラック搬送部23とを備えている。右テーブル21と左テーブル22は、10本の検体容器T、洗浄液容器Cを保持可能なラックLを複数収容することができる。
【0028】
搬送ユニット2は、ユーザが右テーブル21に載置したラックLを収容する。また、搬送ユニット2は、右テーブル21に収容しているラックLを搬送し、検体容器Tおよび洗浄液容器Cが測定ユニット31、32に供給されるよう、ラックLをラック搬送部23の所定位置に位置付ける。さらに、搬送ユニット2は、ラック搬送部23上にあるラックLを搬送して、左テーブル22に回収する。このように、ラックLは、右テーブル21から、左テーブル22に向かって流れるように搬送される。以下、かかる搬送経路において、右テーブル21に近づく方向を「搬送方向の上流」、左テーブル22に近づく方向を「搬送方向の下流」と称する。
【0029】
本実施の形態において、ラックLに収容された容器は、ラック搬送部23上の取込位置P31aまたはP32a(図4参照)において、搬送方向の下流側から順番に、測定ユニット31、32により取り込まれ、処理される。
【0030】
図2(a)、(b)は、検体容器TとラックLの構成を示す図である。図2(a)は、検体容器Tの外観を示す斜視図であり、図2(b)は、10本の検体容器Tが保持されているラックLの外観を示す斜視図である。なお、図2(b)には、ラックLが搬送ユニット2に載置されるときの向き(図1の前後左右と搬送方向の上流下流)が併せて示されている。
【0031】
図2(a)を参照して、検体容器Tは、透光性を有するガラスまたは合成樹脂により構成された管状容器であり、上端が開口している。内部には患者から採取された全血の血液検体が収容され、上端の開口はゴム製の蓋部CPにより密封されている。検体容器Tの側面には、バーコードラベルBL1が貼付されている。バーコードラベルBL1には、検体IDを含むバーコードが印刷されている。
【0032】
図2(b)を参照して、ラックLには、10本の検体容器Tを垂直状態(立位状態)で並べて保持することが可能となるよう、図示の如く保持位置1〜10に10個の保持部が形成されている。なお、便宜上、各保持位置には、搬送方向の下流から上流に向かって昇順で番号が割り振られて示されている。
【0033】
また、ラックLの後方の側面には、図示の如く、バーコードラベルBL2が貼付されている。バーコードラベルBL2には、ラックIDを含むバーコードが印刷されている。
【0034】
図3(a)、(b)は、洗浄液容器Cと洗浄液容器CのラックL上の配置ルールを示す図である。図3(a)は、洗浄液容器Cの外観を示す斜視図であり、図3(b)は、ラックLを上面から見たときの洗浄液容器Cの配置を示す図である。なお、図3(b)には、搬送方向の上流下流と、図2(b)に示したラックLの保持位置の番号が併せて示されている。
【0035】
図3(a)を参照して、洗浄液容器Cは、有色のガラスまたは合成樹脂により構成された管状容器であり、上端が開口している。なお、洗浄液容器Cの色は、検体容器Tの色と異なっており、視覚的に区別し易くなっている。洗浄液容器Cの内部には、測定ユニット31、32内の流体回路を洗浄するための次亜塩素酸ナトリウム水溶液からなる洗浄液が収容され、洗浄液の塩素濃度の低下を防止するため、上端の開口にはフィルムFMにより密封されている。洗浄液は、たとえば、シスメックス株式会社製のセルクリーンオートが用いられる。
【0036】
洗浄液容器Cの側面には、バーコードラベルBL3が貼付されている。バーコードラベルBL3には、洗浄液IDを含むバーコードが印刷されている。洗浄液IDは、検体IDと識別可能となっている。また、洗浄液容器Cは、検体容器Tと同様の形状、大きさを有しており、検体容器Tと同様にラックLに垂直状態(立位状態)で保持される。
【0037】
図3(b)を参照して、洗浄液容器Cは、所定の配置ルールに則って、ラックLに設置される。洗浄液容器Cは、洗浄動作を速やかに実施できるように、搬送方向の下流側に詰めて設置される。また、洗浄液容器Cが設置される保持位置によって、洗浄する測定ユニットが定められる。
【0038】
測定ユニット31および測定ユニット32の両方を洗浄する場合、図3(b)の上段に示すように、保持位置1と保持位置2に洗浄液容器Cが設置される。通常、それ以外の保持位置3〜10には、検体容器Tおよび洗浄液容器Cのどちらも設置されない。この場合、保持位置1の洗浄液容器Cが測定ユニット31に割り振られ、保持位置2の洗浄液容器Cが測定ユニット32に割り振られる。
【0039】
また、測定ユニット32のみを洗浄する場合、図3(b)の中段に示すように、保持位置2にのみ洗浄液容器Cが設置され、測定ユニット31のみを洗浄する場合、図3(b)の下段に示すように、保持位置1にのみ洗浄液容器Cが設置される。これらの場合、測定ユニット31、32の何れか一方に洗浄液容器Cが割り振られる。
【0040】
このように、通常、測定ユニット31、32を洗浄する場合は、ラックLの保持位置1および保持位置2のどちらか一方、または両方に洗浄液容器Cのみが設置される。
【0041】
図1に戻って、検体の測定時には、測定ユニット31は、当該ユニットの前方のラック搬送部23上にある検体容器Tに対して処理を行う。すなわち、測定ユニット31は、ラック搬送部23の取込位置P31a(図4参照)において、ハンド部31a(図4参照)によりラックLから検体容器Tを取り出して測定ユニット31の内部に搬送し、この検体容器Tに収容された検体を測定ユニット31内で測定する。測定が完了すると、測定ユニット31は、この検体容器Tを再び元のラックLの保持部に戻す。また、測定ユニット32も、測定ユニット31と同様にして検体の測定を行う。
【0042】
また、洗浄時には、測定ユニット31は、当該ユニットの前方のラック搬送部23上にある洗浄液容器Cに対して処理を行う。上記の検体容器Tの測定時と同様に、測定ユニット31は、ラック搬送部23の取込位置P31a(図4参照)において、ハンド部31b
(図4参照)により洗浄液容器Cに収容された洗浄液Cを取り出して測定ユニット31の内部に搬送する。そして、測定ユニット31は、この洗浄液容器Cに収容された洗浄液を測定ユニット31内の検体の測定に用いられた流路、検出器に流したり、その洗浄液を所定時間滞留させたりして汚れを落とす。
【0043】
なお、洗浄処理は、たとえば、1日に1回程度行われ、それまでに行われた検体の測定による汚れの残留を防ぐために、長時間を掛けて洗浄液を滞留させて、流路、検出器等を洗浄する。洗浄が完了すると、測定ユニット31は、この洗浄液容器Cを再び元のラックLの保持部に戻す。また、測定ユニット32も、測定ユニット31と同様にして、洗浄を行う。そして、洗浄された測定ユニット31、32は、自動的に電源がシャットダウンされる。
【0044】
情報処理ユニット4は、入力部41と表示部42を備えている。また、情報処理ユニット4は、搬送ユニット2と、測定ユニット31、32と、ホストコンピュータ5(図8参照)に、通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0045】
情報処理ユニット4は、搬送ユニット2と測定ユニット31、32の動作を制御する。また、情報処理ユニット4は、搬送ユニット2内のバーコードユニットB2(図4参照)と、測定ユニット31、32内のバーコードユニットB31、B32(図4参照)により検体IDが読み取られると、ホストコンピュータ5(図8参照)に測定オーダの問い合わせを行う。さらに、情報処理ユニット4は、測定ユニット31、32で行われた測定結果に基づいて分析を行い、分析結果をホストコンピュータ5(図8参照)に送信する。そして、情報処理ユニット4は、ホストコンピュータ5(図8参照)によって検体の再検査の要否判定が行われた結果を取得する。
【0046】
以下、検体の測定後に行われる検体の再検査を単に「再検」という。なお、本実施の形態において、再検は、1回に限り行われるものとして説明する。また、本明細書において再検とは、検体を吸引して測定をした後に、その検体を再び吸引して行う測定を全て含む。したがって、1回目の測定と同じ測定項目を再び測定することのみならず、1回目の測定と別の測定項目を測定することも「再検」に含まれる。
【0047】
また、情報処理ユニット4は、警告メッセージ等の所定の情報を表示部42に表示する。
【0048】
図4は、搬送ユニット2と測定ユニット31、32を上側からみた場合の構成を模式的に示す図である。
【0049】
まず、図4を参照して、バーコード情報の読取動作について説明する。
【0050】
右テーブル21に載置されたラックLは、ラック送込機構21aによって前方側面が押されることにより、ラック搬送部23の右端の送込位置P1に搬送される。ラック搬送部23の送込位置P1に位置付けられたラックLは、ラック搬送部23のベルト(図示せず)によって左方向に搬送される。なお、ラック搬送部23のベルトは、前後方向に2つ並んで配されており、ラック搬送部23にラックLが2台位置付けられた場合、各ベルトによって、それぞれのラックLが独立して左右方向に搬送される。
【0051】
ラック搬送部23の中央近傍には、バーコードリーダB2aを備えるバーコードユニットB2が設置されている。バーコードリーダB2aの前方の読取位置P1に、ラックLの保持部が位置付けられると、バーコードユニットB2の保持判定機構(図示せず)により、この保持部に容器(検体容器Tまたは洗浄液容器C)が保持されているか否かが判定さ
れる。かかる保持判定機構は、前後方向(Y軸方向)から容器を挟み込むことが可能な機構からなる。容器を挟み込むことができると、読取位置P1に位置付けられた保持部に容器が保持されていると判定される。
【0052】
この保持部に検体容器Tが保持されていると、検体容器Tが回転されながらバーコードリーダB2aにより検体容器TのバーコードラベルBL1から検体IDが読み取られ、この保持部に洗浄液容器Cが保持されていると、洗浄液容器Cが回転されながらバーコードリーダB2aにより洗浄液容器CのバーコードラベルBL3から洗浄液IDが読み取られる。また、バーコードリーダB2aの前方に、ラックLのバーコードラベルBL1が位置付けられると、バーコードリーダB2aによりラックLのバーコードラベルBL2からラックIDが読み取られる。
【0053】
このようにして、ラックLのバーコード情報と、ラックLの保持位置1〜10の全ての保持部についての容器有無情報とバーコード情報が取得される。
【0054】
次に、ラックLの検体容器Tおよび洗浄液容器Cの測定ユニット31、32への供給動作について説明する。
【0055】
上述のようにして、バーコード情報が読み取られると、ラックLの保持部に設置された検体容器Tは、原則、搬送方向の下流(左方向)の保持位置に配置された容器から順に、測定ユニット31、測定ユニット32の順に供給される。たとえば、ラックLの保持位置1、2、3に、それぞれ、検体容器T1、T2、T3が設置されている場合、まず、検体容器T1が、測定ユニット31の取込位置P31aに位置付けられる。取込位置P31aには、ハンド部31aが、上下方向(Z軸方向)に移動可能となるように、測定ユニット31に設置されている。取込位置P31aに位置付けられた検体容器T1は、ハンド部31aにより把持されて、ラックLから上方向(Z軸正方向)に取り出され、測定ユニット31内に取り込まれる。
【0056】
そして、検体容器T1が測定ユニット31によって取り出された後、当該検体の測定中に、検体容器T2が、測定ユニット32の取込位置P32aに位置付けられる。取込位置P32aに位置づけられた検体容器T2は、ハンド部32aにより把持されて、ラックLから上方向(Z軸正方向)に取り出され、測定ユニット32内に取り込まれる。
【0057】
その後、測定ユニット31において、検体容器T1の検体の測定が完了すると、検体容器T1が配置されていた保持位置1が、測定ユニット31の取込位置P32aに再度位置付けられる。そして、測定ユニット31のハンド部31aによって把持された検体容器T1が、上方向(Z軸正方向)からラックLの保持位置1に設置される。
【0058】
これにより、測定ユニット31が空き状態になるため、続いて、検体容器T3が、測定ユニット31の取込位置P31aに位置付けられ、測定ユニット31に取り出される。
【0059】
このように、ラックLに設置された検体容器Tは、ラック搬送部23により、奇数番目の保持位置が測定ユニット31の取込位置P31aに位置付けられ、偶数番目の保持位置が、測定ユニット32の取込位置P32aに位置付けられることによって、順次測定ユニット31、32に供給される。
【0060】
なお、測定および分析後に、検体の再検が必要になり、測定済みの検体容器Tが割り込んで測定ユニットに供給される場合がある。この場合、未測定の検体容器Tに優先して、再検が必要な検体を収容する検体容器Tが、何れかの測定ユニットに供給される。
【0061】
他方、洗浄液容器Cの測定ユニット31、32への供給は、図3(b)に示した配置ルールに従って、まず、保持位置1の洗浄液容器Cが測定ユニット31の取込位置P31aに位置付けられ、測定ユニット31により取り出される。そして、保持位置2の洗浄液容器Cが測定ユニット32の取込位置P32aに位置付けられ、測定ユニット32により取り出される。なお、保持位置2にのみ、洗浄液容器Cが保持されている場合、測定ユニット31に容器が供給されていなくとも、洗浄液容器Cは、測定ユニット32の取込位置P32aに位置付けられて、測定ユニット32に取り出される。
【0062】
このように、ラックLに設置された洗浄液容器Cは、ラック搬送部23により、図3(b)に示した配置ルールに従って、測定ユニット31、32に供給される。
【0063】
なお、検体容器Tが取込位置P31a、P32aに位置付けられると、自動的に、検体容器Tが測定ユニット31、32内に取り込まれて、検体の測定が行われる。また、洗浄液容器Cが取込位置P31a、P32aに位置付けられると、自動的に、洗浄液容器Cが測定ユニット31、32内に取り込まれて、対応する流体回路の洗浄が行われる。かかる動作は、後述するCPU401(図8参照)による制御のもとで行われる。
【0064】
図5(a)は、測定ユニット31、32による検体容器Tの取込動作を示す図である。
【0065】
図4と、図5(a)を参照して、検体容器Tが、測定ユニット31、32の取込位置P31a、P32aに位置付けられると、ハンド部31a、32aによって検体容器Tが把持されて、上方向(Z軸正方向)に取り出される(S31)。そして、ハンド部31a、32aは、検体容器Tを振り子状に移動させ、検体を攪拌する(S32)。このとき、容器セット部31b、32bが取込位置P31a、P32aの上方に移動される(S33)。攪拌終了後、ハンド部31a、32aは、下方向(Z軸負方向)に移動し、ハンド部31a、32aにより把持されている検体容器Tが、容器セット部31b、32bにセットされる(S34)。
【0066】
その後、容器セット部31b、32bがバーコード読取位置P31b、P32bに搬送され(S35)、バーコードリーダB31a、B32aを備えるバーコードユニットB31、B32により、検体容器Tの確認が行われる(S36)。
【0067】
続いて、容器セット部31b、32bがピアサ31d、32dの真下位置の吸引位置P31c、32cに位置付けられる(S37)。そして、ピアサ31d、32dが下方向に移動され、吸引位置P31c、32cに位置付けられている検体容器Tから検体が吸引される(S38)。
【0068】
ピアサ31d、32dによる検体の吸引が終わると、容器セット部31b、32bが前方に移動され、再び取込位置P31a、P32aに位置付けられる(S39)。取込位置P31a、P32aにおいて、検体容器Tは、容器セット部31b、32bからハンド部31a、32aにより上方向に取り出される(S40)。この状態で、容器セット部31b、32bが後方に移動される。その後、ハンド部31aが下方向(Z軸負方向)に移動され、この検体容器Tが、ラック搬送部23に位置付けられているラックLの元の保持部に戻される(S41)。
【0069】
図5(b)は、測定ユニット31、32による洗浄液容器Cの取込動作を示す図である。
【0070】
図5(b)において、S51と、S52〜S60は、図5(a)のS31と、S33〜S41の対象となる容器が、検体容器Tから洗浄液容器Cに置き換わったものである。こ
のため、ここでは、各ステップの説明を省略する。また、図5(b)の取込動作では、図5(a)のS32に対応するステップが省略されている。これは、対象となる容器が洗浄液容器Cであるため、攪拌動作が不要なためである。
【0071】
なお、検体容器TがラックLに保持されている場合には、全ての検体の測定が完了し、全ての検体容器TがラックLの保持部に戻された後も、検体の再検によって、再度、検体容器Tが測定ユニット31、32に供給される可能性がある。通常、測定結果の情報処理ユニット4およびホストコンピュータ5への通信、測定結果の分析処理等によって、測定ユニット31、32における検体の測定にかかる時間よりも、再検の要否取得完了までの時間のほうが長くなる(たとえば、検体の測定時間が略36秒、再検の要否取得完了までの時間が略75秒)。したがって、ラックLは、全ての検体容器Tの検体の再検要否の取得が完了するまでは、ラック搬送部23上で待機する。
【0072】
ラック搬送部23の取込位置P31aの左方向には、ラックLの左右方向の長さよりも長い搬送スペースP5が配されている。ラックLは、全ての検体容器Tの検体の再検要否の取得が完了するまで、この搬送スペースP5に位置づけられる。これにより、後続のラックに対する処理が可能となる。
【0073】
こうして全ての検体容器Tについて再検に関する処理が完了すると、ラックLは、左テーブル22の後方位置に位置付けられ、ラック送込機構22aにより、左テーブル22の前方に搬送される。
【0074】
洗浄液容器CがラックLに保持されている場合、全ての洗浄液容器Cについて洗浄液の吸引が行われた後、ラックLは、左テーブル22の後方位置に位置付けられ、ラック送込機構22aにより、左テーブル22の前方に搬送される。
【0075】
こうして、右テーブル21にある全てのラックLについて、測定処理または洗浄処理が行われる。
【0076】
図6は、搬送ユニット2と測定ユニット31、32の電気的な接続関係を示す図である。
【0077】
搬送ユニット2は、駆動部201と、センサ部202と、バーコードユニットB2と、通信部203を備える。
【0078】
駆動部201は、搬送ユニット2内でラックLを搬送するための機構を含んでおり、センサ部202は、搬送ユニット2の搬送経路上の所定の位置においてラックLを検出するためのセンサを含んでいる。バーコードユニットB2は、上述したように、保持判定機構(図示せず)と、バーコードリーダB2aを含んでいる。
【0079】
通信部203は、情報処理ユニット4と通信可能に接続されている。搬送ユニット2内の各部は、通信部203を介して、情報処理ユニット4により制御される。また、搬送ユニット2内の各部から出力される信号は、通信部203を介して情報処理ユニット4に送信される。
【0080】
測定ユニット31、32は、それぞれ、吸引部311、321と、試料調製部312、322と、検出部313、323と、駆動部314、324と、センサ部315、325と、バーコードユニットB31、B32と、通信部316、326を備える。なお、測定ユニット31、32は全く同様に構成されるため、以下、便宜上、測定ユニット31についてのみ説明する。
【0081】
図7は、測定ユニット31の流体回路の概要を示す図である。測定ユニット31は、血球計数装置であって、全血の血液検体に含まれる血球を計数することができる。
【0082】
吸引部311は、容器に挿入されて測定ユニット31内に搬送された検体容器Tに収容されている検体および洗浄液容器Cに収容されている洗浄液を吸引するピアサ31dと、ピアサ31dに負圧を与えるシリンジポンプSPを含んでいる。試料調製部312は、赤血球および血小板を測定するための試料を調製する反応チャンバMC1と、白血球を測定するための試料を調製する反応チャンバMC2を備えている。検出部313は、赤血球および血小板を測定するための電気抵抗式検出器DC1と、白血球を光学的に測定するための光学式検出器DC2を備えている。また、測定ユニット31は、廃液を収容する廃液チャンバWCを備えている。
【0083】
検体容器Tに収容された検体を測定する場合、吸引部311は、シリンジポンプSPによってピアサ31dに負圧を与えることにより、ピアサ31dを介して検体を吸引し、反応チャンバMC1、MC2のそれぞれに検体を吐出する。試料調製部312は、反応チャンバMC1内で、検体と試薬とを混合攪拌し、赤血球および血小板測定用の試料を調製する。また、試料調製部312は、反応チャンバMC2内で、検体と試薬とを混合攪拌し、白血球測定用の試料を調製する。反応チャンバMC1で調製された試料は、流路を介して電気抵抗式検出器DC1に送られ、反応チャンバMC2で調製された試料は流路を介して光学式検出器DC2に送られる。検出部313は、この光学式検出器DC2によって試料中の白血球、有核赤血球等から光学情報(側方蛍光信号、前方散乱光信号、側方散乱光信号)を検体のデータとして検出する。また、検出部313は、電気抵抗式検出器DC1によって試料中の赤血球、血小板から電気情報を検体のデータとして検出する。検出部313を通過した試料は、流路を介して廃液チャンバWCに送られる。
【0084】
洗浄液容器Cに収容された洗浄液を用いて洗浄を行う場合、洗浄液は、検体と同様の経路を辿って送液される。つまり、洗浄液は、吸引部311によって洗浄液容器Cから吸引され、試料調製部312の各反応チャンバに吐出されることにより、各反応チャンバから廃液チャンバWCに至る流路が洗浄液によって満たされる。この状態で長時間放置されることにより、反応チャンバの内壁に付着した検体および試薬が除去される。
【0085】
図6に戻り、駆動部314は、測定ユニット31内で検体容器Tおよび洗浄液容器Cを搬送するための機構を含んでいる。センサ部315は、測定ユニット31内の搬送経路上の所定の位置において検体容器Tおよび洗浄液容器Cを検出するためのセンサを含んでいる。バーコードユニットB31は、上述したように、保持判定機構(図示せず)と、バーコードリーダB31aを含んでいる。
【0086】
通信部316は、情報処理ユニット4と通信可能に接続されている。測定ユニット31内の各部は、通信部316を介して、情報処理ユニット4により制御される。また、測定ユニット31内の各部から出力される信号は、通信部316を介して情報処理ユニット4に送信される。
【0087】
図8は、情報処理ユニット4の構成を示す図である。
【0088】
情報処理ユニット4は、パーソナルコンピュータからなり、本体40と、入力部41と、表示部42から構成されている。本体40は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、ハードディスク404と、読出装置405と、入出力インターフェース406と、画像出力インターフェース407と、通信インターフェース408を有する。
【0089】
CPU401は、ROM402に記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM403にロードされたコンピュータプログラムを実行する。RAM403は、ROM402およびハードディスク404に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、RAM403は、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU401の作業領域としても利用される。
【0090】
ハードディスク404には、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU401に実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。すなわち、ハードディスク404には、測定ユニット31、32から送信された検体のデータを解析して赤血球数、白血球数等の測定結果を生成し、生成した測定結果に基づいて表示部42に表示を行うプログラム等がインストールされている。
【0091】
読出装置405は、CDドライブまたはDVDドライブ等によって構成されており、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムおよびデータを読み出すことができる。入出力インターフェース406には、マウスやキーボードからなる入力部41が接続されており、ユーザが入力部41を使用することにより、情報処理ユニット4に指示およびデータが入力される。画像出力インターフェース407は、ディスプレイ等で構成された表示部42に接続されており、画像データに応じた映像信号を、表示部42に出力する。
【0092】
表示部42は、入力された映像信号をもとに、画像を表示する。表示部42には、各種プログラム画面が表示される。また、通信インターフェース408により、搬送ユニット2と測定ユニット31、32に対してデータの送受信が可能となる。
【0093】
図9は、情報処理ユニット4のCPU401によるラックLの制御動作の流れを示す図である。
【0094】
まずは、ラックLの保持位置1〜2に配置された容器の種別によって、ラックLについて、洗浄およびシャットダウン処理を行うか検体処理を行うかが判断される。
【0095】
具体的には、CPU401は、右テーブル21にラックLがセットされると、ラック送込機構21aにより、ラックLをラック搬送部23の送込位置P1へ搬送する(S1)。そして、CPU401は、ラックLの保持位置1〜2が、ラック搬送部23により、バーコード読取位置P2に位置するように、ラックLを順次搬送する(S2)。このとき、バーコードユニットB2によって、保持位置1における容器の有無が判定され、さらに、保持位置1に設置された容器のバーコード情報が読み取られる。これにより、CPU401は、保持位置1または2に洗浄液容器Cがあるかを判定する(S3)。
【0096】
保持位置1または2に洗浄液容器Cがある場合(S3:YES)、CPU401は、洗浄・シャットダウン処理を実行し、先行するラックLの再検要否の取得状況に応じた処理を実行する(S11)。洗浄・シャットダウン処理(S11)の詳細については、図10を参照して、後述する。そして、当該ラックLに対する処理が完了する。
【0097】
他方、保持位置1、2の何れにも洗浄液容器Cがない場合(S3:NO)、CPU401は、通常検体処理を実行する(S21)。通常検体処理(S21)の詳細については、図11を参照して、後述する。
【0098】
そして、ラックLについて、通常検体処理S21が所定の処理まで完了し、次のラックLが送り込み可能になると、CPU401は、右テーブル21に後続のラックLがあるかを判定する(S22)。具体的には、後続のラックLが送り込み可能になるタイミングは
、ラックLの所定本数の検体容器Tの再検要否が取得されることによって、先行のラックLをラック搬送部23の送込位置P1に掛かる位置に位置付ける必要がなくなったタイミングである。たとえば、先行のラックLについて、6本目まで、再検要否が取得されると、先行ラックLは、送込位置P1に掛かる位置に戻されることがなくなり、後続のラックLを送込位置P1に位置付けることができる。
【0099】
かかる状況において、後続のラックLがある場合(S22:YES)、処理をS1に戻すことで、後続のラックLを送込位置P1へ搬送し、上述の処理が繰り返され、検体処理または洗浄処理が行われる。
【0100】
後続のラックLがない場合(S22:NO)、全てのラックLについて、処理が完了する。
【0101】
以下、先行ラックL1が、通常検体処理S21を行い、先行ラックL1に後続する後続ラックL2が洗浄・シャットダウン処理S11を行う状況を想定して、それぞれの処理の流れを説明する。
【0102】
図10は、図9のS11の洗浄・シャットダウン処理時におけるCPU401による後続ラックL2の制御動作の流れを示す図である。
【0103】
図9に示した処理によって、後続ラックL2の保持位置1または保持位置2に洗浄液容器Cが配置されている場合、CPU401は、当該洗浄液容器Cの配置に対応する測定ユニットの洗浄予約を行う(S101)。たとえば、保持位置1および保持位置2の両方に洗浄液容器Cがセットされている場合は、測定ユニット31、32に洗浄の予約がなされ、保持位置1にのみ洗浄液容器Cがセットされている場合は、測定ユニット31のみに洗浄の予約がなされる。
【0104】
そして、CPU401は、後続ラックL2に先行する先行ラックL1がラック搬送部23上に存在するかどうかを判定する(S102)。先行ラックL1がラック搬送部23上に存在しない場合(S102:NO)、CPU401は、処理をS105に進め、先行ラックL1がラック搬送部23上に存在する場合(S102:YES)、CPU401は、後述する、先行ラックL1の再検要否取得完了フラグがセットされているか否かを判定する(S103)。先行ラックL1の全ての検体について、ホストコンピュータ5から再検要否の取得が完了している場合、再検要否取得完了フラグがセットされ、再検要否取得が完了していない場合、再検要否取得完了フラグはセットされてない。
【0105】
先行ラックL1の再検要否取得完了フラグがセットされていない場合(S103:NO)、CPU401は、先行ラックL1の再検要否取得完了フラグがセットされるまで後続の処理を待機する。先行ラックL1の再検要否取得完了フラグがセットされている場合(S103:YES)、CPU401は、さらに、先行ラックL1の全ての検体について、再検要否が不要であるかを判定する(S104)。
【0106】
先行ラックL1の全ての検体について、再検要否が不要である場合(S104:YES)、CPU401は、ラック搬送部23により、洗浄予約された測定ユニット31、32の取込位置P31a、P32aに洗浄液容器Cを搬送する(S105)。そして、洗浄予約された測定ユニット31、32において、対応する洗浄液容器Cを用いた洗浄処理が行われる(S106)。なお、洗浄は、付け置き洗い等が含まれ、長時間を掛けて行われる。
【0107】
他方、先行ラックL1の全ての検体について、再検要否が不要でない場合(S104:
NO)、CPU401は、搬送方向の上流側の測定ユニット32が洗浄予約されているかを判定する(S109)。測定ユニット32が洗浄予約されていない場合(S109:NO)、CPU401は、処理をS113に進め、測定ユニット32が洗浄予約されている場合(S109:YES)、CPU401は、上流側の測定ユニット32が空きであるかを判定する(S110)。測定ユニット32が再検を行っており、空きでない場合(S110:NO)、CPU401は、測定ユニット32が空き状態になるまで、後続の処理を待機する。測定ユニット32が空いている場合(S110:YES)、CPU401は、ラック搬送部23により、測定ユニット32の取込位置P32aに洗浄液容器Cを搬送する(S111)。そして、測定ユニット32において、洗浄液容器Cを用いた洗浄処理が行われる(S112)。なお、このとき、再検が開始されていない検体については、下流側の測定ユニット31において、検体の再検が行われる。
【0108】
そして、CPU401は、搬送方向の下流側の測定ユニット31が洗浄予約されているかを判定する(S113)。測定ユニット31が洗浄予約されていない場合(S113:NO)、CPU401は、処理をS107に進め、測定ユニット31が洗浄予約されている場合(S113:YES)、CPU401は、先行ラックL1の全ての検体について、再検のための吸引が完了したかを判定する(S114)。
【0109】
先行ラックL1の全ての検体について再検のための吸引が完了していない場合(S114:NO)、CPU401は、先行ラックL1の全ての検体の再検のための吸引が完了するまで、後続の処理を待機する。先行ラックL1の全ての検体の再検のための吸引が完了すると(S114:YES)、先行ラックL1の検体が測定ユニット31に供給されることがなくなるため、CPU401は、ラック搬送部23により、測定ユニット31の取込位置P31aに洗浄液容器Cを搬送する(S115)。そして、測定ユニット31において、洗浄液容器Cを用いた洗浄処理が行われる(S116)。
【0110】
こうして、測定ユニット31、32の洗浄処理が完了すると、CPU401は、ラック搬送部23により、後続ラックL2を回収位置P4へ搬送する(S107)。そして、回収位置P4に搬送された後続ラックL2は、ラック押出し機構23aによって、左テーブル22に排出される。その後、CPU401は、測定ユニット31、32の両方の洗浄が完了した場合に、測定ユニット31、32および情報処理ユニット4をシャットダウンする(S108)。なお、測定ユニット31、32の片方のみが洗浄される場合は、測定ユニット31、32および情報処理ユニット4のシャットダウンは実行されず、測定ユニット31、32の両方の洗浄が完了したタイミングでシャットダウンされる。
【0111】
このように、CPU401は、先行ラックL1の全ての検体について、再検要否の取得が完了した段階で、再検が未完の検体があると、少なくとも、1台の測定ユニット31を残して再検を実行し、残りの測定ユニット32について洗浄処理を行う。そして、CPU401は、先行ラックL1の全ての検体について再検のための吸引が完了した段階で、残りの測定ユニットの洗浄処理を行う。こうして、CPU401は、後続ラックL2に対する処理を完了する。
【0112】
図11(a)は、図9のS21の通常検体処理時におけるCPU401による先行ラックL1の制御動作の流れを示す図である。
【0113】
図9に示した処理によって、先行ラックL1の保持位置1と保持位置2の何れにも洗浄液容器Cが含まれていない場合、CPU401は、後続の保持位置3〜10がバーコード読取位置P2に位置するように、ラック搬送部23により、先行ラックL1を順次搬送する(S201)。このとき、バーコードユニットB2によって、各保持位置における容器の有無が判定され、さらに、各保持位置に設置された容器のバーコード情報が読み取られ
る(S202)。
【0114】
そして、CPU401は、ラック搬送部23により、測定ユニット31の取込位置P31aまたは測定ユニット32の取込位置P32aに検体容器Tを順次搬送する(S203)。上述したように、検体容器Tは、搬送方向の下流から順に、測定ユニット31、32の順に割り振られる。また、測定ユニット31、32の両方が測定中の場合、CPU401は、何れかの測定ユニットにおける測定が完了するまで待機する。保持部に容器がない、もしくは、保持部に洗浄液容器Cが設置されている場合は、当該保持部はスキップされる。そして、CPU401は、測定ユニット31、32において、搬送された検体容器Tを吸引して測定処理を行って測定結果を生成し(S204)、測定結果をホストコンピュータ5に送信する(S205)。
【0115】
ここで、ホストコンピュータ5は、受信した測定結果に基づき、再検要否を判定し、情報処理ユニット4に再検要否の判定結果を送信する。再検の要否は、受信した測定結果が、正常な測定結果であることを示す数値範囲内にあるか否かにより判定される。より詳しくは、ホストコンピュータ5は、ある検体の測定結果が、上記の数値範囲内である場合、その検体は正常であると考えられることから、その検体について再検査が不要であると判定し、再検不要である旨の判定結果を送信する。一方、ホストコンピュータ5は、ある検体の測定結果が、上記の数値範囲内にない場合、その検体が異常であるか、または測定動作の異常があったことが疑われることから、その検体について再検が必要であると判定する。再検必要と判定した場合、ホストコンピュータ5は、さらに、再検において測定されるべき測定項目を含む測定オーダを自動的に生成し、再検必要である旨の判定結果とともに測定オーダを送信する。
【0116】
図11(b)は、通常検体処理時における再検処理の動作の流れを示す図である。なお、当該処理は、通常検体処理が始まると開始される。
【0117】
図11(b)を参照して、まず、CPU401は、所定の検体について、ホストコンピュータ5から、再検要否の判定結果が取得できたかを判定する(S211)。再検要否の判定結果が取得できなかった場合(S211:NO)、CPU401は、判定結果が取得できるまで、後続の処理を待機する。再検要否の判定結果が取得できた場合(S211:YES)、CPU401は、取得した判定結果に基づき、当該検体について再検が必要であるか否かを判定する(S212)。
【0118】
当該検体の再検が必要でない場合(S212:NO)、CPU401は、処理をS215に進め、検体の再検が必要である場合(S212:YES)、CPU401は、測定処理と同様に、ラック搬送部23により、測定ユニット31の取込位置P31aまたは測定ユニット32の取込位置P32aに当該検体の検体容器Tを搬送し(S213)、判定結果とともに受信した測定オーダに基づいて当該検体に対する再検処理を行う(S214)。なお、再検処理は、通常検体処理に割り込んで、優先して行われる。
【0119】
そして、CPU401は、先行ラックL1の全ての検体について再検要否の判定結果が取得されたか否かを判定する(S215)。先行ラックL1の全ての検体について再検要否の判定結果が取得されていない場合(S215:NO)、CPU401は、全ての検体の判定結果が取得されるまで、S211〜S215の処理を繰り返す。先行ラックL1の全ての検体について再検要否の判定結果が取得されると(S215:YES)、CPU401は、先行ラックL1に対する再検処理を完了する。
【0120】
図11(a)に戻り、測定結果をホストコンピュータ5に送信した後、上述のようにして、並列して再検処理が行われている間に、CPU401は、先行ラックL1の全て検体
の測定が完了したか否かを判定する(S206)。先行ラックL1の全ての検体の測定が完了していない場合(S206:NO)、CPU401は、S203〜S206の処理を繰り返す。なお、上述の如く、検体の測定中、再検処理が発生すると、優先して再検処理が行われる。
【0121】
先行ラックL1の全ての検体の測定が完了すると(S206:YES)、CPU401は、先行ラックL1の全ての検体について再検のための吸引が完了するのを待つ。そして、先行ラックL1の全ての検体について、再検のための吸引が完了すると(S207:YES)、CPU401は、ラック搬送部23により、先行ラックL1を回収位置P4へ搬送する(S208)。そして、回収位置P4に搬送された先行ラックL1は、ラック押出し機構23aによって、左テーブル22に排出される。これにより、後続ラックL2の洗浄液容器Cが、前述の如く、下流側の測定ユニット31に供給される。こうして、CPU401は、先行ラックL1に対する通常検体処理を完了する。
【0122】
図11(c)は、再検要否取得完了フラグの設定処理の流れを示す図である。なお、当該処理は、通常検体処理が始まると開始される。
【0123】
図11(c)を参照して、まず、CPU401は、ホストコンピュータ5から、再検要否の判定結果の取得を待つ(S221)。ホストコンピュータ5から、再検要否の判定結果を取得すると(S221:YES)、CPU401は、先行ラックL1の全ての検体について判定結果を取得したか否かを判定する(S222)。そして、先行ラックL1の全ての再検要否を取得すると(S222:YES)、CPU401は、再検要否取得完了フラグをセットする(S223)。これにより、再検要否取得完了フラグの設定処理が完了する。こうして、再検要否取得完了フラグが設定されると、図10のS103の判定がYESとなり、S104以降の処理に進められる。
【0124】
図12は、先行ラックL1の全ての検体について、ホストコンピュータ5からの再検要否の判定が“不要”となる場合の、先行ラックL1と後続ラックL2のラック搬送部23上の動作状況の例を示す図である。なお、先行ラックL1には、保持位置1〜10に検体容器Tが保持され、後続ラックL2には、保持位置1〜2に洗浄液容器Cのみが保持されている。
【0125】
図12(a)は、後続ラックL2が送込位置P1に位置付けられるときの状況を示す図である。かかる状況は、CPU401が、先行ラックL1について、図11(a)のS203〜206の測定処理、図11(b)の再検処理および図11(c)のフラグ設定処理を並列で処理しており、後続ラックL2について、図9のS1を処理している状況に相当する。
【0126】
先行ラックL1の保持位置1〜6に設置された検体容器Tが、再検要否取得済みであり、再検が不要であると判定されている。また、先行ラックL1の保持位置7、8に設置された検体容器Tが、測定ユニット31、32に供給されている。このとき、先行ラックL1の保持位置1〜6に設置された検体容器Tは、測定ユニット31、32に対して、供給されることがなくなり、先行ラックL1は、送込位置P1に係る位置に戻されなくなる。これにより、後続ラックL2は、送込位置P1に位置付けられている。
【0127】
図12(b)は、後続ラックL2の保持位置1、2の容器種別を識別したときの状況を示す図である。かかる状況は、CPU401が、先行ラックL1について、図11(a)のS203〜206の測定処理、図11(b)の再検処理および図11(c)のフラグ設定処理を並列で処理しており、後続ラックL2について、図9のS3を処理している状況に相当する。
【0128】
先行ラックL1の保持位置1〜7に設置された検体容器Tが、再検要否取得済みであり、再検が不要であると判定されている。また、先行ラックL1の保持位置9、10に設置された検体容器Tが、測定ユニット31、32に供給されている。また、後続ラックL2は、保持位置1、2が、バーコード読取位置P2に位置付けられ、保持位置1、2に設置された容器が洗浄液容器Cであることが識別されている。
【0129】
図12(c)は、先行ラックL1の全ての保持部の検体容器Tの測定処理が完了したときの状況を示す図である。かかる状況は、CPU401が、先行ラックL1について、図11(a)のS207の再検のための吸引の完了待ち処理、図11(b)の再検処理および図11(c)のフラグ設定処理を並列で処理しており、後続ラックL2について、図10のS103の再検要否取得完了待ちを処理している状況に相当する。
【0130】
先行ラックL1は、保持位置10の検体容器Tの測定が完了し、測定ユニット32から検体容器Tが戻されている。このとき、先行ラックL1は、保持位置1〜8の検体容器Tについて、再検要否取得済みであり、再検が不要であると判定されている。また、後続ラックL2は、保持位置1、2に設置された容器が、洗浄液容器Cであることが識別されたが、先行ラックL1の全ての検体の再検要否の取得が完了していないため、送込位置P1まで退避して、待機している。
【0131】
図12(d)は、先行ラックL1の全ての保持部の検体容器Tの測定処理が完了し、再検要否が取得される前の状況を示す図である。かかる状況は、CPU401が、先行ラックL1について、図11(a)のS207の再検のための吸引の完了待ち処理、図11(b)の再検処理および図11(c)のフラグ設定処理を並列で処理しており、後続ラックL2について、図10のS103の再検要否取得完了待ちを処理している状況に相当する。
【0132】
先行ラックL1は、保持位置1〜10の全ての保持部の検体容器Tの測定処理が完了し、後続ラックL2の処理の妨げとならないように、ラック搬送部23の搬送スペースP5で待機している。このとき、先行ラックL1は、保持位置10以外の保持位置1〜9の検体容器Tについて、再検要否取得済みであり、再検が不要であると判定されている。なお、このとき、測定ユニット31、32が空いているが、後続ラックL2は、先行ラックL1の全ての検体の再検要否取得が完了していないため、送込位置P1で待機している。
【0133】
図12(e)は、先行ラックL1の全ての保持部の検体容器Tについて、再検要否が取得されたときの状況を示す図である。かかる状況は、図11(b)の再検処理および図11(c)のフラグ設定処理が完了し、CPU401が、先行ラックL1について、図11(a)のS208を処理しており、後続ラックL2について、図10のS105、S106の洗浄処理を開始している状況に相当する。
【0134】
先行ラックL1は、保持位置1〜10の全ての保持部の検体容器Tについて、再検要否取得済みであり、再検が不要であると判定されている。そして、先行ラックL1は、回収位置P4に位置付けられた後、左テーブル22に回収されている。後続ラックL2は、先行ラックL1の全ての検体の再検要否取得が完了し、先行ラックL1の全ての検体について、再検が不要であると判定されたため、測定ユニット31、32に洗浄液容器Cを供給している。
【0135】
図13は、先行ラックL1の保持位置9、10に設置された検体について、ホストコンピュータ5からの再検要否の判定が“必要”となる場合の、先行ラックL1と後続ラックL2のラック搬送部23上の動作状況の例を示す図である。
【0136】
図13(a)、(b)は、先行ラックL1の全ての保持部の検体容器Tの測定処理が完了し、再検要否が取得される前の状況を示す図である。かかる状況は、CPU401が、先行ラックL1について、図11(a)のS207の再検のための吸引の完了待ち処理、図11(b)の再検処理および図11(c)のフラグ設定処理を並列で処理しており、後続ラックL2について、図10のS103の再検要否取得完了待ちを処理している状況に相当する。
【0137】
図13(a)を参照して、先行ラックL1は、保持位置1〜10の全ての保持部の検体容器Tの測定処理が完了し、後続ラックL2の処理の妨げとならないように、ラック搬送部23の搬送スペースP5で待機している。このとき、先行ラックL1は、保持位置1〜9の検体容器Tについて、再検要否取得済みであり、保持位置1〜8の検体容器Tについて、再検が不要であると判定され、保持位置9の検体容器Tについて、再検が必要であると判定されている。また、後続ラックL2は、保持位置1、2に設置された容器が、洗浄液容器Cであることが識別されたが、先行ラックL1の全ての検体の再検要否取得が完了していないため、送込位置P1まで退避して、待機している。
【0138】
このように、先行ラックL1の保持位置9の検体容器Tについて、再検が必要であると判定されると、図13(b)に示すように、先行ラックL1の保持位置9の検体容器Tが、下流側の測定ユニット31に供給される。なお、このとき、測定ユニット32が空いているが、後続ラックL2は、先行ラックL1の全ての検体の再検要否取得が完了していないため、洗浄液容器Cを測定ユニット32に供給せず、送込位置P1で待機している。
【0139】
図13(c)は、先行ラックL1の全ての保持部の検体容器Tの再検要否の取得が完了し、一部の検体について、再検が必要となったときの状況を示す図である。かかる状況は、CPU401が、先行ラックL1について、図11(a)のS207の再検のための吸引の完了待ち処理、図11(b)の再検処理および図11(c)のフラグ設定処理を並列で処理しており、後続ラックL2について、図10のS109〜S112の上流側の測定ユニット32の洗浄を処理している状況に相当する。
【0140】
図13(c)を参照して、先行ラックL1は、保持位置1〜10の全ての保持部の検体容器Tの再検要否取得が完了し、保持位置9の検体容器Tは、再検のための吸引が完了している。また、保持位置10の検体容器Tは、再検が必要であると判定され、測定ユニット31に供給されている。また、後続ラックL2は、先行ラックL1の全ての検体の再検要否取得が完了したが、先行ラックL1の検体について、再検が必要であると判定されたため、上流側の測定ユニット32のみに保持位置2の洗浄液容器Cを供給している。
【0141】
図13(d)は、先行ラックL1の全ての保持部の検体容器Tについて、再検のための吸引が完了したときの状況を示す図である。かかる状況は、CPU401が、先行ラックL1について、図11(a)のS208を処理しており、後続ラックL2について、図10のS115、S116の下流側の測定ユニット31の洗浄処理を開始している状況に相当する。
【0142】
先行ラックL1は、保持位置9、10の再検のための吸引が完了し、保持位置1〜10の全ての保持部の検体容器Tについて再検が不要となっている。そして、先行ラックL1は、回収位置P4に位置付けられた後、左テーブル22に回収されている。後続ラックL2は、先行ラックL1の全ての検体の再検が不要となったため、下流側の測定ユニット31に洗浄液容器Cを供給している。
【0143】
以上のように、バーコードユニットB2により、後続ラックL2の保持部に洗浄液容器
Cが含まれると識別されたときに、先行ラックL1がある場合は、少なくとも、先行ラックL1の全ての検体の再検要否取得が完了するまで、後続ラックL2の洗浄液容器Cの測定ユニット31、32への供給が保留される。
【0144】
さらには、先行ラックL1がある場合に、先行ラックL1の全ての検体の再検要否取得完了した後に、検体の再検が必要な場合には、先行ラックL1の全ての再検のための吸引が完了するまで、少なくとも、下流側の1台の測定ユニット31に対して、後続ラックL2の洗浄液容器Cの供給が保留される。
【0145】
また、先行ラックL1の全ての検体について、再検要否の判定結果が不要であった場合、後続ラックL2の洗浄液容器Cが測定ユニット31、32に供給される。
【0146】
また、先行ラックL1のある検体について、再検の要否の判定結果が必要であった場合、当該検体の再検が行われる。そして、当該検体の再検のための吸引が完了し、先行ラックL1の全ての検体について再検のための吸引が完了した後、後続ラックL2の洗浄液容器Cが測定ユニット31、32に供給される。
【0147】
また、先行ラックL1の検体容器Tの再検要否の取得が完了するまで、後続ラックL2は、送込位置P1で待機され、先行ラックL1は、搬送スペースP5で待機される。
【0148】
以上、本実施の形態によれば、検体容器Tが設置された先行ラックL1に洗浄液容器Cが設置された後続ラックL2が後続する場合、先行ラックL1の全ての検体について再検要否の判定結果が取得されるまで、後続ラックL1による洗浄が保留される。このため、先行ラックL1の全ての検体容器Tについて、再検を円滑に行うことができる。
【0149】
また、本実施の形態によれば、後続ラックL2は、先行ラックL1の再検要否の取得が完了するまで、送込位置P1に待機されるため、先行ラックL1の搬送制御を妨げず、先行ラックL1の再検を円滑に行うことができる。
【0150】
また、本実施の形態によれば、後続ラックL2の洗浄液容器Cの供給が保留された後、先行ラックL1の全ての検体容器Tについて、再検要否の取得が完了すると、自動的に後続ラックL2の洗浄液容器Cが測定ユニット31、32に供給されるため、ユーザの手間を軽減することができる。
【0151】
また、本実施の形態によれば、洗浄を実行した後、測定ユニット31、32が自動的にシャットダウンされ、さらに、情報処理ユニット4が自動的にシャットダウンされるため、ユーザは、長時間の洗浄処理を待って、装置の電源を手動でシャットダウンさせる操作を省略することができる。これにより、ユーザの手間が軽減され得る。
【0152】
また、本実施の形態によれば、測定ユニットが2台以上の構成において、先行ラックL1の再検要否取得完了後、再検のための吸引が完了するまでの間に、少なくとも、再検を行うための測定ユニットを1台残し、それ以外の測定ユニットにおいて、洗浄が開始される。したがって、先行ラックL1の再検を円滑に行いつつ、後続ラックL2の洗浄を円滑に行うことができる。
【0153】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態はこれらに限定されるものではない。
【0154】
たとえば、上記実施の形態では、測定ユニットとして血球係数装置を例示したが、測定ユニットは尿分析装置であってもよい。
【0155】
また、上記実施の形態では、測定ユニット31、32のハンド部31a、32aによって、検体容器Tが内部に取り込まれた後に、ピアサ31d、32dによって、検体が吸引される検体分析装置1を例示したが、検体容器Tを内部に取り込まず、取込位置P31a、P32aにピアサが設けられ、ラック搬送部23上の検体容器Tの検体を吸引する検体分析装置にも本発明を適用することができる。
【0156】
また、上記実施の形態では、ラック搬送部23を制御し、洗浄液容器Cを測定ユニット31、32の取込位置P31a、P32aに位置付けず、送込位置P1に位置付けることで、測定ユニット31、32への洗浄液の供給を保留させたが、ラック搬送部23は、取込位置P31a、P32aには、位置付けるが、測定ユニット31、32のハンド部31a、32aが、ラックLの保持部の洗浄液容器Cを内部に取込まないことによって、洗浄液の供給が保留されてもよい。また、ハンド部31a、32aによって、洗浄液容器Cを内部に取り込むが、容器搬送部31c、32cが洗浄液容器Cを吸引位置P31c、P32cに位置付けない、または、ピアサ31d、ピアサ32dによって、洗浄液を吸引しないことによって、洗浄液の供給が保留されてもよい。
【0157】
また、上記実施の形態では、バーコードユニットB2によってラックLに保持された容器の種類を順番に識別することで、容器の供給順序を判断したが、バーコードを用いない形態であってもよい。たとえば、情報処理ユニット4は、検体の測定予約と洗浄液を用いた洗浄予約を受付可能であり、測定ユニット31、32は、情報処理ユニット4が受け付けた予約された動作を、ユーザによって指定された順序で実行可能に構成されている形態であってもよい。この場合、予約された動作の指定順序に基づいて、容器の供給順序を判断することができる。
【0158】
また、上記実施の形態では、右テーブル21と左テーブル22とを繋ぐラック搬送部23上で容器に付されたバーコードを読み取ったが、これに限られない。例えば、右テーブル21にラックLを供給するための搬送装置を搬送ユニット2の上流に接続し、その搬送装置による搬送経路の途中でバーコードを読み取ってもよい。
【0159】
また、上記実施の形態では、ラックLを搬送しながらバーコードを読み取る形態を示したが、ハンドヘルド型のバーコードリーダを備える形態であってもよい。この形態では、ユーザは、複数の容器のバーコードを予めバーコードリーダによって読み取らせ、読取を完了した容器をラックLに順番に配置して搬送ユニット2に搬送させる構成とすることができる。
【0160】
また、上記実施の形態では、2台の測定ユニット31、32を備える構成において、先行ラックL1の検体について、再検が必要であった場合、全ての検体の再検のための吸引が完了するまでの間に、上流側の測定ユニット32にのみ、洗浄液容器Cが供給されたが、先行ラックL1の全ての検体について、再検のための吸引が完了するまでの間、全ての測定ユニット31、32への洗浄液容器Cの供給が保留されてもよい。この場合、図10のフローチャートは、図14の変更例1のように修正される。すなわち、S104にて先行ラックL1に再検が必要な検体があると(S104:NO)、CPU401は、再検が必要な全ての検体に対する再検のための吸引が完了するまで(S121)、測定ユニットに対する洗浄液の供給を保留する。そして、全ての再検のための吸引が完了すると(S121:YES)、CPU401は、洗浄対象の測定ユニットに対する洗浄を実行する(S105〜S108)。
【0161】
また、上記実施の形態では、2つの測定ユニット31、32を備える検体分析装置1を例示したが、測定ユニットが3つ以上配置されていても良く、測定ユニットのほか、塗抹
標本作成装置が備えられても良い。また、図15の変更例2に示すように、1つの測定ユニット503を備える検体分析装置500であってもよい。この場合、搬送ユニット502は、ラック搬送部521が、上記実施の形態よりも短く構成されるが、情報処理ユニット504、およびその他の構成は、上記と同様に構成される。
【0162】
図16(a)は、変更例2の場合の洗浄液容器CのラックL上の配置ルールを示す図である。洗浄液容器Cは、搬送方向の最も下流側に位置する保持位置1に設置される。
【0163】
図16(b)は、変更例2の場合のラックLの制御動作の流れを示す図である。なお、図9に示した、上記実施の形態の場合と同様の処理については、同様の符号が付されており、詳細な説明は省略する。
【0164】
変更例2の場合、保持位置1に配置された容器の種別によって、ラックLが洗浄およびシャットダウン処理を行うか検体処理を行うかが判断される。
【0165】
CPU401は、ラックLが送込位置P1へ搬送されると(S1)、ラックLの保持位置1が、ラック搬送部23により、バーコード読取位置P2に位置するように搬送する(S71)。そして、バーコードユニットB2によって、保持位置1に設置された容器のバーコード情報が読み取られ、保持位置1に洗浄液容器Cがあるかを判定する(S72)。保持位置1に洗浄液容器Cがある場合(S72:YES)、CPU401は、洗浄・シャットダウン処理を実行し、先行ラックLの再検要否の取得状況に応じた処理を実行する(S11)。保持位置1に洗浄液容器Cがない場合(S72:NO)、CPU401は、通常検体処理を実行する(S21)。なお、この場合、洗浄・シャットダウン処理は、図14に示すフローチャートに従って行われる。すなわち、先行ラックLに保持された全ての検体容器Tについて再検のための吸引が完了するまで、後続ラックLに保持された洗浄液容器Cによる洗浄動作が保留される。また、通常検体処理S21における後続の保持位置判定ステップS201、S202は、保持位置2を含むように修正され、保持位置2〜10が判定対象とされる。
【0166】
こうすることで、変更例1では、測定ユニットが1台の構成であっても、上記実施の形態と同様の効果が奏される。
【0167】
また、上記実施の形態では、ラックLは、容器10本分の保持部を備えたが、保持部の数は、他の数であってもよい。また、洗浄液容器Cの配置ルールは、ラックLの搬送方向の最も下流に位置付けられたが、最も上流に位置付けられてもよいし、他の位置に位置付けられてもよい。さらには、ラックL上の洗浄液容器Cの配置ルールが決められていなくてよい。
【0168】
また、上記実施の形態では、先行ラックL1に検体容器Tが保持され、後続ラックL2に洗浄液容器Cが保持されていた場合に、後続ラックL2に収容された洗浄液容器Cの測定ユニット31、32への供給が保留されたが、ラックLの検体容器Tに同一ラックLの洗浄液容器Cが後続する場合に、洗浄液容器Cの測定ユニット31、32への供給が保留されてもよい。
【0169】
図16(c)の変更例3に示すように、保持位置10に洗浄液容器Cが配置されるルールの場合、保持位置1〜9に検体容器Tが含まれているかが判断され、検体容器Tが含まれている場合、保持位置1〜9の検体容器Tの再検のための吸引が完了するまで、洗浄液容器Cの測定ユニット31、32への供給が、保留される。
【0170】
図17は、変更例3の場合のラックLの制御動作の流れを示す図である。
【0171】
図17を参照して、上記実施の形態と同様にして、CPU401は、ラックLの保持部に設置された容器のバーコード読取、および、ラックLに設置された検体容器Tの測定処理、再検処理を行う(S301〜S306)。そして、CPU401は、ラックLに収容された全ての検体容器Tについて、測定が完了すると(S306:YES)、保持位置10に洗浄液容器Cがあるか否かを判定する(S307)。
【0172】
保持位置10に洗浄液容器Cがない場合(S308:NO)、CPU401は、ラック搬送部23により、ラックLを回収位置P4に搬送する(S313)。そして、CPU401は、後続のラックLがあるか否かを判定し(S314)、後続のラックLの処理が行われる。他方、保持位置10に洗浄液容器Cがある場合(S308:YES)、CPU401は、ラックLの全ての検体について、再検のための吸引が完了したか否かを判定する(S308)。再検のための吸引が完了してない場合(S307:NO)、CPU401は、再検のための吸引が完了するまで、後続の処理を待機する。ラックLの全ての検体について、再検のための吸引が完了すると(S307:YES)、CPU401は、保持位置10の洗浄液容器Cを、測定ユニットに供給し、洗浄処理、およびシャットダウンを行う(S309〜S312)。なお、これらの処理は、図10のS105〜S108と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0173】
変更例3の場合、同一ラックLの検体容器Tに洗浄液容器Cが後続する場合において、後続の洗浄液容器Cの測定ユニットへの供給が保留されるため、自動的に洗浄が開始されることを回避できる。したがって、先行の全ての検体容器Tについて、再検を円滑に行うことができる。
【0174】
また、上記実施の形態では、後続ラックL2が、洗浄液容器Cを保持していると識別されたとき、先行ラックL1の全ての検体について、再検要否の取得が完了していなければ、再検要否の取得が完了するまで、または、再検のための吸引が完了するまで、後続ラックL2の洗浄液容器Cの測定ユニット31、32への供給が保留されたが、図18の変更例4に示すように、洗浄液容器Cの測定ユニット31、32への供給をスキップしてもよい。
【0175】
図18を参照して、変更例4の場合、後続ラックL2に洗浄液容器Cが含まれていると判断された後、先行ラックL1の全ての検体についての再検要否取得完了フラグがセットされていなかった場合(S103:NO)、CPU401は、ラック搬送部23により、後続ラックL2を回収位置P4へ搬送する(S131)。そして、回収位置P4に搬送された後続ラックL2は、ラック押出し機構23aによって、左テーブル22に排出される。こうして、洗浄液容器Cの測定ユニット31、32への供給がスキップされ、後続ラックL2に対する処理が完了する。
【0176】
図19は、変更例4の場合の先行ラックL1と後続ラックL2のラック搬送部23上の動作状況の例を示す図である。
【0177】
図19(a)は、図12(b)と、図19(b)は、図12(c)と同様の状況を示しているため、説明は省略する。
【0178】
図19(c)は、後続ラックL2が先行ラックL1の再検要否取得待ちの間に左テーブル22に回収されるときの状況を示す図である。かかる状況は、CPU401が、先行ラックL1について、図11(a)のS207の再検のための吸引の完了待ち処理、図11(b)の再検処理および図11(c)のフラグ設定処理を並列で処理しており、後続ラックL2について、図18のS131の回収位置P4への搬送を処理している状況に相当す
る。先行ラックL1は、保持位置1〜10の全ての保持部の検体容器Tの測定処理が完了し、ラック搬送部23の搬送スペースP5で待機している。このとき、先行ラックL1は、保持位置1〜9の検体容器Tが再検要否取得済みであり、再検が不要であると判定されている。先行ラックL1の保持位置10の検体容器Tについては、再検要否の判定結果が未だ取得されていない。後続ラックL2は、洗浄液容器Cが含まれていると識別されたとき、先行ラックL1の再検要否取得が完了していなかったため、洗浄液容器Cの測定ユニット31、32への供給をスキップし、左テーブル22に回収されている。
【0179】
図19(d)は、先行ラックL1の全ての保持部の検体容器Tについて、再検要否が取得されたときの状況を示す図である。かかる状況は、図11(b)の再検処理および図11(c)のフラグ設定処理が完了し、CPU401が、先行ラックL1について、図11(a)のS208を処理しており、後続ラックL2の処理が完了している状況に相当する。先行ラックL1は、保持位置1〜10の全ての保持部の検体容器Tについて、再検要否取得済みであり、再検が不要であると判定されている。このため、先行ラックL1は、左テーブル22に回収されている。
【0180】
このように、バーコードユニットB2により、後続ラックL2の保持部に洗浄液容器Cが含まれると識別されたときに、先行ラックL1の全ての検体の再検要否取得が完了していなかった場合、後続ラックL2の洗浄液容器Cの測定ユニット31、32への供給がスキップされる。
【0181】
変更例4の場合も、上記実施の形態と同様に、検体容器Tが設置された先行ラックL1に洗浄液容器Cが設置された後続ラックL2が後続する場合、後続ラックL2の洗浄液容器Cの供給がスキップされるため、自動的に洗浄が開始されることを回避できる。したがって、先行ラックL1の全ての検体容器Tについて、再検を円滑に行うことができる。
【0182】
また、上記実施の形態では、先行ラックL1の検体容器Tの再検要否の取得が完了するまで、後続ラックL2は、送込位置P1まで退避して待機されたが、ラック搬送部23上の他の位置で待機されてもよい。また、後続ラックL2は、所定の位置で待機せず、先行ラックL1の搬送に併せて、随時退避されてもよい。
【0183】
また、上記実施の形態では、検体容器Tおよび洗浄液容器Cは、ラックLに設置されて、測定ユニット31、32に供給されたが、ラックLに設置されず、検体容器Tおよび洗浄液容器Cが1本ずつ直接ラック搬送部23に設置されて搬送され、測定ユニット31、32に供給されてもよい。
【0184】
また、上記実施の形態では、バーコードユニットB2によって、容器の有無と、検体容器T、洗浄液容器Cの種別が識別されたが、他の識別手段で識別されてもよい。たとえば、容器に検体IDと洗浄液IDを示すICチップが配され、ICチップリーダが用いられてもよいし、検体と洗浄液で容器の形状を異ならせることによって、形状を識別する光センサが用いられてもよい。また、線状のバーコードに代えて、QRコード(登録商標)のように点を配置した二次元コードを用いてもよい。
【0185】
また、上記実施の形態では、洗浄を実行した後、測定ユニット31、32および情報処理ユニット4が自動的にシャットダウンを行うようにされたが、シャットダウンでなく、再起動であってもよいし、情報処理ユニット4のアプリケーションによって、ユーザがシャットダウンを行うか再起動を行うかを設定可能となっていてもよい。
【0186】
また、上記実施の形態では、ホストコンピュータ5によって、再検の要否が判定され、情報処理ユニット4によって、再検要否の判定結果が取得されたが、情報処理ユニット4
によって、再検の要否が判定されてもよい。
【0187】
また、上記実施の形態では、測定ユニット31、32がそれぞれ、検体の測定と、再検の処理を行ったが、上流側の測定ユニット32が、検体測定の処理のみを行い、下流側の測定ユニット31が、再検の処理のみを行うように構成されてもよい。
【0188】
また、上記実施の形態では、ラックLの保持位置1、2の検体ID、洗浄液IDを識別することによって、ラックLが検体処理を行うか、洗浄・シャットダウン処理を行うかが判断されたが、ラックIDによって、検体処理を行うか、洗浄・シャットダウン処理を行うかが判断されてもよい。
【0189】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0190】
1 … 検体分析装置
2 … 搬送ユニット(搬送部)
31、32 … 測定ユニット(測定部)
B2 … バーコードユニット(識別手段)
T … 検体容器
C … 洗浄液容器
L … ラック
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液等の検体を処理および分析する検体分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血液や尿などの検体を収容した検体容器から、吸引管を介して検体を吸引して処理する検体処理装置が知られている。
【0003】
検体処理装置を長期使用すると、吸引管、流路、バルブ、反応容器、分析部等の流体系に汚れが蓄積して精度低下や動作不良を引き起こす原因となる。このため、定期的に、たとえば所定の処理検体数ごとに、流体系の洗浄が行なわれている。
【0004】
特許文献1には、液体容器に収容された洗浄液を、吸引部を介して吸引し、内部の流体回路を洗浄する試料分析装置が開示されている。この構成では、洗浄液容器を保持するラックが試料分析装置にセットされると、セットされたラックが搬送される。ラックに保持された洗浄液容器を装置が認識すると、自動的に洗浄液容器から洗浄液が吸引されて、流体回路の洗浄が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−254980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
洗浄液を用いた流体回路の洗浄は、試料調製に用いられるチャンバ、検出部およびそれらを接続する流路を洗浄液で満たし、一定時間放置することにより、チャンバおよび流路の内部に沈着した汚れを落とすことによって行うために、1回の洗浄には長時間を要する。このため、一旦洗浄が始まると、長時間検体の測定を行うことはできない。したがって、洗浄液を用いた洗浄は、検体の測定がすべて終わってから行うのが好ましい。
【0007】
しかしながら、検体によっては、一回目の測定のあとに再測定を行う必要がある検体もある。再測定の要否判定は、測定が終わってから即座に行われるものではなく、測定終了から要否判定の結果が出るまでにタイムラグが発生する。
【0008】
そのため、先に供給された検体の再測定が必要であると判定されたときには、既に後続の洗浄液容器から洗浄の吸引が始まっている場合があり、この場合、長時間の洗浄が終わるまで検体の再測定を始めるのを待たなければならなかった。
【0009】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、検体容器に洗浄液容器が後続する場合に、検体の再測定処理を円滑に行うことが可能な検体分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様は、検体分析装置に関する。この態様に係る検体分析装置は、検体を処理および分析する検体分析装置において、検体容器に収容された検体を吸引して測定する測定部と、複数の容器を搬送して測定部に容器を順次供給する搬送部と、前記測定部が検体容器から検体を吸引して実行した測定の測定結果に基づいて、その検体の再測定の要否を取得する要否取得手段と、を備える。前記測定部は、前記搬送部により洗浄液容器
が供給された場合、その洗浄液容器から洗浄液を吸引して洗浄を実行することが可能である。前記検体分析装置は、前記測定部に対する容器の供給順序において、検体容器に洗浄液容器が後続する場合、少なくとも、前記要否取得手段により前記検体容器の再測定の要否の取得が終了するまで、前記洗浄液容器に収容された洗浄液の前記測定部への供給を保留する。
【0011】
本態様に係る検体分析装置によれば、検体容器に洗浄液容器が後続する場合、検体容器の再測定の要否の取得が終了するまで、洗浄液の検体処理部への供給を保留することで、自動的に洗浄が開始されることが回避される。よって、先行の検体容器に対する再測定処理を円滑に行うことができる。
【0012】
また、本態様に係る検体分析装置は、前記測定部に対する容器の供給順序において、検体容器に洗浄液容器が後続する場合、少なくとも、前記要否取得手段により前記検体容器の再測定の要否の取得が終了するまで、前記洗浄液容器の前記検体処理部への供給を保留するよう、前記搬送部を制御するよう構成され得る。こうすると、搬送部の動作によって、洗浄液が検体処理部に供給されることを回避することができる。
【0013】
この場合に、前記検体分析装置は、前記要否取得手段によって前記検体容器の再測定が不要との結果が取得された場合、前記洗浄液容器を前記測定部に供給するよう、前記搬送部を制御し、供給された前記洗浄液容器からの洗浄液の吸引および洗浄を実行するよう、前記測定部を制御するよう構成され得る。こうすると、検体容器の再測定が不要な場合、後続の洗浄液容器の供給が保留された後、自動的に後続の洗浄液容器の処理が開始されるため、ユーザの手間を軽減することができる。
【0014】
また、本態様に係る検体分析装置は、前記要否取得手段によって前記検体容器の再測定が必要との結果が取得された場合、前記測定部において該検体容器の再測定のための吸引が完了した後、前記洗浄液容器を前記測定部に供給するよう、前記搬送部を制御し、供給された前記洗浄液容器からの洗浄液の吸引および洗浄を実行するよう、前記測定部を制御するよう構成され得る。こうすると、検体容器の再測定が必要な場合、検体の再測定が完了した後、自動的に後続の洗浄液容器の処理が開始されるため、ユーザの手間を軽減することができる。
【0015】
また、本態様に係る検体分析装置は、容器の種類を識別する識別手段をさらに備え得る。ここで、前記識別手段は、前記搬送部によって搬送される容器の種類を順次識別し、前記検体分析装置は、前記識別手段による識別の結果に基づいて、検体容器に洗浄液容器が後続するかを判断するよう構成され得る。
【0016】
また、本態様に係る検体分析装置において、前記搬送部は、容器を複数保持可能なラックを搬送することにより、ラックに保持された容器を順次測定部に供給するように構成され得る。こうすると、搬送部の動作によって、洗浄液が検体処理部に供給されることを回避することができる。
【0017】
この場合に、前記検体分析装置は、先行のラックに検体容器が保持され、後続のラックに洗浄液容器が保持されている場合、少なくとも、前記先行ラックに保持された全ての検体容器について、要否取得手段による再測定の要否の取得が終了するまで、前記後続ラックを所定の位置で停止させるよう、前記搬送部を制御するよう構成され得る。こうすると、後続のラックが先行ラックの搬送を妨げないので、先行ラックの検体容器の再測定処理を円滑に行うことができる。
【0018】
また、本態様に係る検体分析装置は、洗浄を実行した後、自動的にシャットダウンを行
うよう、前記測定部を制御するよう構成され得る。こうすると、ユーザは、長時間の洗浄処理を待った後に、シャットダウン操作を行うことを回避することができる。これにより、ユーザの手間が軽減され得る。
【0019】
本発明の第2の態様は、検体分析装置に関する。この態様に係る検体分析装置は、検体容器に収容された検体を吸引して測定する測定部と、複数の容器を搬送して前記測定部に容器を順次供給する搬送部と、前記測定部が検体容器から検体を吸引して実行した測定の測定結果に基づいて、その検体の再測定の要否を取得する要否取得手段と、を備える。前記測定部は、洗浄液容器が供給された場合、その洗浄液容器から洗浄液を吸引して洗浄を実行することが可能である。前記検体分析装置は、前記測定部に対する容器の供給順序において、検体容器に洗浄液容器が後続し、且つ、後続の洗浄液容器の前記測定部への供給時に、前記検体容器の再測定の要否の取得が終了していない場合、前記洗浄液容器の前記測定部への供給がスキップされるよう、前記搬送部を制御する。
【0020】
本態様に係る検体処理装置によれば、上記第1の態様と同様の効果が奏され得る。
【発明の効果】
【0021】
以上のとおり、本発明によれば、検体容器に洗浄液容器が後続する場合に、検体の再測定処理を円滑に行うことが可能な検体処理装置を提供することができる。
【0022】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態により何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施の形態に係る検体分析装置の外観を示す斜視図である。
【図2】実施の形態に係る検体容器およびラックの構成を示す図である。
【図3】実施の形態に係る洗浄液容器および洗浄液容器の配置ルールを示す図である。
【図4】実施の形態に係る搬送ユニットおよび測定ユニットを上側から見た構成を示す平面図である。
【図5】実施の形態に係る測定ユニットの検体容器および洗浄液容器の取込み動作の流れを示す図である。
【図6】実施の形態に係る搬送ユニットおよび測定ユニットの構成の概要を示す図である。
【図7】実施の形態に係る測定ユニットの流体回路の概要を示す図である。
【図8】実施の形態に係る情報処理ユニットの構成の概要を示す図である。
【図9】実施の形態に係るラックの搬送制御の流れを示す図である。
【図10】実施の形態に係る洗浄およびシャットダウン時のラックの搬送制御の流れを示す図である。
【図11】実施の形態に係る通常検体処理時のラックの搬送制御、再検処理およびフラグ設定処理の流れを示す図である。
【図12】実施の形態に係るラックの動作の流れを示す図である。
【図13】実施の形態に係るラックの動作の流れを示す図である。
【図14】変更例1に係る洗浄およびシャットダウン時のラックの搬送制御の流れを示す図である。
【図15】変更例2に係る検体分析装置の外観を示す図である。
【図16】変更例2に係る洗浄液容器の配置ルールとラックの搬送制御の流れを示す図である。
【図17】変更例3に係るラックの搬送制御の流れを示す図である。
【図18】変更例4に係る洗浄およびシャットダウン時のラックの搬送制御の流れを示す図である。
【図19】変更例4に係るラックの動作の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本実施の形態は、血液に関する検査および分析を行うための検体分析装置に本発明を適用したものである。
【0025】
以下、本実施の形態に係る検体分析装置について、図面を参照して説明する。
【0026】
図1は、検体処理装置1の外観を示す斜視図である。本実施の形態に係る検体処理装置1は、搬送ユニット2と、血球計数装置からなる測定ユニット31、32と、情報処理ユニット4から構成されている。
【0027】
搬送ユニット2は、測定ユニット31、32の前方に配置されており、右テーブル21と、左テーブル22と、右テーブル21と左テーブル22とをつなぐラック搬送部23とを備えている。右テーブル21と左テーブル22は、10本の検体容器T、洗浄液容器Cを保持可能なラックLを複数収容することができる。
【0028】
搬送ユニット2は、ユーザが右テーブル21に載置したラックLを収容する。また、搬送ユニット2は、右テーブル21に収容しているラックLを搬送し、検体容器Tおよび洗浄液容器Cが測定ユニット31、32に供給されるよう、ラックLをラック搬送部23の所定位置に位置付ける。さらに、搬送ユニット2は、ラック搬送部23上にあるラックLを搬送して、左テーブル22に回収する。このように、ラックLは、右テーブル21から、左テーブル22に向かって流れるように搬送される。以下、かかる搬送経路において、右テーブル21に近づく方向を「搬送方向の上流」、左テーブル22に近づく方向を「搬送方向の下流」と称する。
【0029】
本実施の形態において、ラックLに収容された容器は、ラック搬送部23上の取込位置P31aまたはP32a(図4参照)において、搬送方向の下流側から順番に、測定ユニット31、32により取り込まれ、処理される。
【0030】
図2(a)、(b)は、検体容器TとラックLの構成を示す図である。図2(a)は、検体容器Tの外観を示す斜視図であり、図2(b)は、10本の検体容器Tが保持されているラックLの外観を示す斜視図である。なお、図2(b)には、ラックLが搬送ユニット2に載置されるときの向き(図1の前後左右と搬送方向の上流下流)が併せて示されている。
【0031】
図2(a)を参照して、検体容器Tは、透光性を有するガラスまたは合成樹脂により構成された管状容器であり、上端が開口している。内部には患者から採取された全血の血液検体が収容され、上端の開口はゴム製の蓋部CPにより密封されている。検体容器Tの側面には、バーコードラベルBL1が貼付されている。バーコードラベルBL1には、検体IDを含むバーコードが印刷されている。
【0032】
図2(b)を参照して、ラックLには、10本の検体容器Tを垂直状態(立位状態)で並べて保持することが可能となるよう、図示の如く保持位置1〜10に10個の保持部が形成されている。なお、便宜上、各保持位置には、搬送方向の下流から上流に向かって昇順で番号が割り振られて示されている。
【0033】
また、ラックLの後方の側面には、図示の如く、バーコードラベルBL2が貼付されている。バーコードラベルBL2には、ラックIDを含むバーコードが印刷されている。
【0034】
図3(a)、(b)は、洗浄液容器Cと洗浄液容器CのラックL上の配置ルールを示す図である。図3(a)は、洗浄液容器Cの外観を示す斜視図であり、図3(b)は、ラックLを上面から見たときの洗浄液容器Cの配置を示す図である。なお、図3(b)には、搬送方向の上流下流と、図2(b)に示したラックLの保持位置の番号が併せて示されている。
【0035】
図3(a)を参照して、洗浄液容器Cは、有色のガラスまたは合成樹脂により構成された管状容器であり、上端が開口している。なお、洗浄液容器Cの色は、検体容器Tの色と異なっており、視覚的に区別し易くなっている。洗浄液容器Cの内部には、測定ユニット31、32内の流体回路を洗浄するための次亜塩素酸ナトリウム水溶液からなる洗浄液が収容され、洗浄液の塩素濃度の低下を防止するため、上端の開口にはフィルムFMにより密封されている。洗浄液は、たとえば、シスメックス株式会社製のセルクリーンオートが用いられる。
【0036】
洗浄液容器Cの側面には、バーコードラベルBL3が貼付されている。バーコードラベルBL3には、洗浄液IDを含むバーコードが印刷されている。洗浄液IDは、検体IDと識別可能となっている。また、洗浄液容器Cは、検体容器Tと同様の形状、大きさを有しており、検体容器Tと同様にラックLに垂直状態(立位状態)で保持される。
【0037】
図3(b)を参照して、洗浄液容器Cは、所定の配置ルールに則って、ラックLに設置される。洗浄液容器Cは、洗浄動作を速やかに実施できるように、搬送方向の下流側に詰めて設置される。また、洗浄液容器Cが設置される保持位置によって、洗浄する測定ユニットが定められる。
【0038】
測定ユニット31および測定ユニット32の両方を洗浄する場合、図3(b)の上段に示すように、保持位置1と保持位置2に洗浄液容器Cが設置される。通常、それ以外の保持位置3〜10には、検体容器Tおよび洗浄液容器Cのどちらも設置されない。この場合、保持位置1の洗浄液容器Cが測定ユニット31に割り振られ、保持位置2の洗浄液容器Cが測定ユニット32に割り振られる。
【0039】
また、測定ユニット32のみを洗浄する場合、図3(b)の中段に示すように、保持位置2にのみ洗浄液容器Cが設置され、測定ユニット31のみを洗浄する場合、図3(b)の下段に示すように、保持位置1にのみ洗浄液容器Cが設置される。これらの場合、測定ユニット31、32の何れか一方に洗浄液容器Cが割り振られる。
【0040】
このように、通常、測定ユニット31、32を洗浄する場合は、ラックLの保持位置1および保持位置2のどちらか一方、または両方に洗浄液容器Cのみが設置される。
【0041】
図1に戻って、検体の測定時には、測定ユニット31は、当該ユニットの前方のラック搬送部23上にある検体容器Tに対して処理を行う。すなわち、測定ユニット31は、ラック搬送部23の取込位置P31a(図4参照)において、ハンド部31a(図4参照)によりラックLから検体容器Tを取り出して測定ユニット31の内部に搬送し、この検体容器Tに収容された検体を測定ユニット31内で測定する。測定が完了すると、測定ユニット31は、この検体容器Tを再び元のラックLの保持部に戻す。また、測定ユニット32も、測定ユニット31と同様にして検体の測定を行う。
【0042】
また、洗浄時には、測定ユニット31は、当該ユニットの前方のラック搬送部23上にある洗浄液容器Cに対して処理を行う。上記の検体容器Tの測定時と同様に、測定ユニット31は、ラック搬送部23の取込位置P31a(図4参照)において、ハンド部31b
(図4参照)により洗浄液容器Cに収容された洗浄液Cを取り出して測定ユニット31の内部に搬送する。そして、測定ユニット31は、この洗浄液容器Cに収容された洗浄液を測定ユニット31内の検体の測定に用いられた流路、検出器に流したり、その洗浄液を所定時間滞留させたりして汚れを落とす。
【0043】
なお、洗浄処理は、たとえば、1日に1回程度行われ、それまでに行われた検体の測定による汚れの残留を防ぐために、長時間を掛けて洗浄液を滞留させて、流路、検出器等を洗浄する。洗浄が完了すると、測定ユニット31は、この洗浄液容器Cを再び元のラックLの保持部に戻す。また、測定ユニット32も、測定ユニット31と同様にして、洗浄を行う。そして、洗浄された測定ユニット31、32は、自動的に電源がシャットダウンされる。
【0044】
情報処理ユニット4は、入力部41と表示部42を備えている。また、情報処理ユニット4は、搬送ユニット2と、測定ユニット31、32と、ホストコンピュータ5(図8参照)に、通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0045】
情報処理ユニット4は、搬送ユニット2と測定ユニット31、32の動作を制御する。また、情報処理ユニット4は、搬送ユニット2内のバーコードユニットB2(図4参照)と、測定ユニット31、32内のバーコードユニットB31、B32(図4参照)により検体IDが読み取られると、ホストコンピュータ5(図8参照)に測定オーダの問い合わせを行う。さらに、情報処理ユニット4は、測定ユニット31、32で行われた測定結果に基づいて分析を行い、分析結果をホストコンピュータ5(図8参照)に送信する。そして、情報処理ユニット4は、ホストコンピュータ5(図8参照)によって検体の再検査の要否判定が行われた結果を取得する。
【0046】
以下、検体の測定後に行われる検体の再検査を単に「再検」という。なお、本実施の形態において、再検は、1回に限り行われるものとして説明する。また、本明細書において再検とは、検体を吸引して測定をした後に、その検体を再び吸引して行う測定を全て含む。したがって、1回目の測定と同じ測定項目を再び測定することのみならず、1回目の測定と別の測定項目を測定することも「再検」に含まれる。
【0047】
また、情報処理ユニット4は、警告メッセージ等の所定の情報を表示部42に表示する。
【0048】
図4は、搬送ユニット2と測定ユニット31、32を上側からみた場合の構成を模式的に示す図である。
【0049】
まず、図4を参照して、バーコード情報の読取動作について説明する。
【0050】
右テーブル21に載置されたラックLは、ラック送込機構21aによって前方側面が押されることにより、ラック搬送部23の右端の送込位置P1に搬送される。ラック搬送部23の送込位置P1に位置付けられたラックLは、ラック搬送部23のベルト(図示せず)によって左方向に搬送される。なお、ラック搬送部23のベルトは、前後方向に2つ並んで配されており、ラック搬送部23にラックLが2台位置付けられた場合、各ベルトによって、それぞれのラックLが独立して左右方向に搬送される。
【0051】
ラック搬送部23の中央近傍には、バーコードリーダB2aを備えるバーコードユニットB2が設置されている。バーコードリーダB2aの前方の読取位置P1に、ラックLの保持部が位置付けられると、バーコードユニットB2の保持判定機構(図示せず)により、この保持部に容器(検体容器Tまたは洗浄液容器C)が保持されているか否かが判定さ
れる。かかる保持判定機構は、前後方向(Y軸方向)から容器を挟み込むことが可能な機構からなる。容器を挟み込むことができると、読取位置P1に位置付けられた保持部に容器が保持されていると判定される。
【0052】
この保持部に検体容器Tが保持されていると、検体容器Tが回転されながらバーコードリーダB2aにより検体容器TのバーコードラベルBL1から検体IDが読み取られ、この保持部に洗浄液容器Cが保持されていると、洗浄液容器Cが回転されながらバーコードリーダB2aにより洗浄液容器CのバーコードラベルBL3から洗浄液IDが読み取られる。また、バーコードリーダB2aの前方に、ラックLのバーコードラベルBL1が位置付けられると、バーコードリーダB2aによりラックLのバーコードラベルBL2からラックIDが読み取られる。
【0053】
このようにして、ラックLのバーコード情報と、ラックLの保持位置1〜10の全ての保持部についての容器有無情報とバーコード情報が取得される。
【0054】
次に、ラックLの検体容器Tおよび洗浄液容器Cの測定ユニット31、32への供給動作について説明する。
【0055】
上述のようにして、バーコード情報が読み取られると、ラックLの保持部に設置された検体容器Tは、原則、搬送方向の下流(左方向)の保持位置に配置された容器から順に、測定ユニット31、測定ユニット32の順に供給される。たとえば、ラックLの保持位置1、2、3に、それぞれ、検体容器T1、T2、T3が設置されている場合、まず、検体容器T1が、測定ユニット31の取込位置P31aに位置付けられる。取込位置P31aには、ハンド部31aが、上下方向(Z軸方向)に移動可能となるように、測定ユニット31に設置されている。取込位置P31aに位置付けられた検体容器T1は、ハンド部31aにより把持されて、ラックLから上方向(Z軸正方向)に取り出され、測定ユニット31内に取り込まれる。
【0056】
そして、検体容器T1が測定ユニット31によって取り出された後、当該検体の測定中に、検体容器T2が、測定ユニット32の取込位置P32aに位置付けられる。取込位置P32aに位置づけられた検体容器T2は、ハンド部32aにより把持されて、ラックLから上方向(Z軸正方向)に取り出され、測定ユニット32内に取り込まれる。
【0057】
その後、測定ユニット31において、検体容器T1の検体の測定が完了すると、検体容器T1が配置されていた保持位置1が、測定ユニット31の取込位置P32aに再度位置付けられる。そして、測定ユニット31のハンド部31aによって把持された検体容器T1が、上方向(Z軸正方向)からラックLの保持位置1に設置される。
【0058】
これにより、測定ユニット31が空き状態になるため、続いて、検体容器T3が、測定ユニット31の取込位置P31aに位置付けられ、測定ユニット31に取り出される。
【0059】
このように、ラックLに設置された検体容器Tは、ラック搬送部23により、奇数番目の保持位置が測定ユニット31の取込位置P31aに位置付けられ、偶数番目の保持位置が、測定ユニット32の取込位置P32aに位置付けられることによって、順次測定ユニット31、32に供給される。
【0060】
なお、測定および分析後に、検体の再検が必要になり、測定済みの検体容器Tが割り込んで測定ユニットに供給される場合がある。この場合、未測定の検体容器Tに優先して、再検が必要な検体を収容する検体容器Tが、何れかの測定ユニットに供給される。
【0061】
他方、洗浄液容器Cの測定ユニット31、32への供給は、図3(b)に示した配置ルールに従って、まず、保持位置1の洗浄液容器Cが測定ユニット31の取込位置P31aに位置付けられ、測定ユニット31により取り出される。そして、保持位置2の洗浄液容器Cが測定ユニット32の取込位置P32aに位置付けられ、測定ユニット32により取り出される。なお、保持位置2にのみ、洗浄液容器Cが保持されている場合、測定ユニット31に容器が供給されていなくとも、洗浄液容器Cは、測定ユニット32の取込位置P32aに位置付けられて、測定ユニット32に取り出される。
【0062】
このように、ラックLに設置された洗浄液容器Cは、ラック搬送部23により、図3(b)に示した配置ルールに従って、測定ユニット31、32に供給される。
【0063】
なお、検体容器Tが取込位置P31a、P32aに位置付けられると、自動的に、検体容器Tが測定ユニット31、32内に取り込まれて、検体の測定が行われる。また、洗浄液容器Cが取込位置P31a、P32aに位置付けられると、自動的に、洗浄液容器Cが測定ユニット31、32内に取り込まれて、対応する流体回路の洗浄が行われる。かかる動作は、後述するCPU401(図8参照)による制御のもとで行われる。
【0064】
図5(a)は、測定ユニット31、32による検体容器Tの取込動作を示す図である。
【0065】
図4と、図5(a)を参照して、検体容器Tが、測定ユニット31、32の取込位置P31a、P32aに位置付けられると、ハンド部31a、32aによって検体容器Tが把持されて、上方向(Z軸正方向)に取り出される(S31)。そして、ハンド部31a、32aは、検体容器Tを振り子状に移動させ、検体を攪拌する(S32)。このとき、容器セット部31b、32bが取込位置P31a、P32aの上方に移動される(S33)。攪拌終了後、ハンド部31a、32aは、下方向(Z軸負方向)に移動し、ハンド部31a、32aにより把持されている検体容器Tが、容器セット部31b、32bにセットされる(S34)。
【0066】
その後、容器セット部31b、32bがバーコード読取位置P31b、P32bに搬送され(S35)、バーコードリーダB31a、B32aを備えるバーコードユニットB31、B32により、検体容器Tの確認が行われる(S36)。
【0067】
続いて、容器セット部31b、32bがピアサ31d、32dの真下位置の吸引位置P31c、32cに位置付けられる(S37)。そして、ピアサ31d、32dが下方向に移動され、吸引位置P31c、32cに位置付けられている検体容器Tから検体が吸引される(S38)。
【0068】
ピアサ31d、32dによる検体の吸引が終わると、容器セット部31b、32bが前方に移動され、再び取込位置P31a、P32aに位置付けられる(S39)。取込位置P31a、P32aにおいて、検体容器Tは、容器セット部31b、32bからハンド部31a、32aにより上方向に取り出される(S40)。この状態で、容器セット部31b、32bが後方に移動される。その後、ハンド部31aが下方向(Z軸負方向)に移動され、この検体容器Tが、ラック搬送部23に位置付けられているラックLの元の保持部に戻される(S41)。
【0069】
図5(b)は、測定ユニット31、32による洗浄液容器Cの取込動作を示す図である。
【0070】
図5(b)において、S51と、S52〜S60は、図5(a)のS31と、S33〜S41の対象となる容器が、検体容器Tから洗浄液容器Cに置き換わったものである。こ
のため、ここでは、各ステップの説明を省略する。また、図5(b)の取込動作では、図5(a)のS32に対応するステップが省略されている。これは、対象となる容器が洗浄液容器Cであるため、攪拌動作が不要なためである。
【0071】
なお、検体容器TがラックLに保持されている場合には、全ての検体の測定が完了し、全ての検体容器TがラックLの保持部に戻された後も、検体の再検によって、再度、検体容器Tが測定ユニット31、32に供給される可能性がある。通常、測定結果の情報処理ユニット4およびホストコンピュータ5への通信、測定結果の分析処理等によって、測定ユニット31、32における検体の測定にかかる時間よりも、再検の要否取得完了までの時間のほうが長くなる(たとえば、検体の測定時間が略36秒、再検の要否取得完了までの時間が略75秒)。したがって、ラックLは、全ての検体容器Tの検体の再検要否の取得が完了するまでは、ラック搬送部23上で待機する。
【0072】
ラック搬送部23の取込位置P31aの左方向には、ラックLの左右方向の長さよりも長い搬送スペースP5が配されている。ラックLは、全ての検体容器Tの検体の再検要否の取得が完了するまで、この搬送スペースP5に位置づけられる。これにより、後続のラックに対する処理が可能となる。
【0073】
こうして全ての検体容器Tについて再検に関する処理が完了すると、ラックLは、左テーブル22の後方位置に位置付けられ、ラック送込機構22aにより、左テーブル22の前方に搬送される。
【0074】
洗浄液容器CがラックLに保持されている場合、全ての洗浄液容器Cについて洗浄液の吸引が行われた後、ラックLは、左テーブル22の後方位置に位置付けられ、ラック送込機構22aにより、左テーブル22の前方に搬送される。
【0075】
こうして、右テーブル21にある全てのラックLについて、測定処理または洗浄処理が行われる。
【0076】
図6は、搬送ユニット2と測定ユニット31、32の電気的な接続関係を示す図である。
【0077】
搬送ユニット2は、駆動部201と、センサ部202と、バーコードユニットB2と、通信部203を備える。
【0078】
駆動部201は、搬送ユニット2内でラックLを搬送するための機構を含んでおり、センサ部202は、搬送ユニット2の搬送経路上の所定の位置においてラックLを検出するためのセンサを含んでいる。バーコードユニットB2は、上述したように、保持判定機構(図示せず)と、バーコードリーダB2aを含んでいる。
【0079】
通信部203は、情報処理ユニット4と通信可能に接続されている。搬送ユニット2内の各部は、通信部203を介して、情報処理ユニット4により制御される。また、搬送ユニット2内の各部から出力される信号は、通信部203を介して情報処理ユニット4に送信される。
【0080】
測定ユニット31、32は、それぞれ、吸引部311、321と、試料調製部312、322と、検出部313、323と、駆動部314、324と、センサ部315、325と、バーコードユニットB31、B32と、通信部316、326を備える。なお、測定ユニット31、32は全く同様に構成されるため、以下、便宜上、測定ユニット31についてのみ説明する。
【0081】
図7は、測定ユニット31の流体回路の概要を示す図である。測定ユニット31は、血球計数装置であって、全血の血液検体に含まれる血球を計数することができる。
【0082】
吸引部311は、容器に挿入されて測定ユニット31内に搬送された検体容器Tに収容されている検体および洗浄液容器Cに収容されている洗浄液を吸引するピアサ31dと、ピアサ31dに負圧を与えるシリンジポンプSPを含んでいる。試料調製部312は、赤血球および血小板を測定するための試料を調製する反応チャンバMC1と、白血球を測定するための試料を調製する反応チャンバMC2を備えている。検出部313は、赤血球および血小板を測定するための電気抵抗式検出器DC1と、白血球を光学的に測定するための光学式検出器DC2を備えている。また、測定ユニット31は、廃液を収容する廃液チャンバWCを備えている。
【0083】
検体容器Tに収容された検体を測定する場合、吸引部311は、シリンジポンプSPによってピアサ31dに負圧を与えることにより、ピアサ31dを介して検体を吸引し、反応チャンバMC1、MC2のそれぞれに検体を吐出する。試料調製部312は、反応チャンバMC1内で、検体と試薬とを混合攪拌し、赤血球および血小板測定用の試料を調製する。また、試料調製部312は、反応チャンバMC2内で、検体と試薬とを混合攪拌し、白血球測定用の試料を調製する。反応チャンバMC1で調製された試料は、流路を介して電気抵抗式検出器DC1に送られ、反応チャンバMC2で調製された試料は流路を介して光学式検出器DC2に送られる。検出部313は、この光学式検出器DC2によって試料中の白血球、有核赤血球等から光学情報(側方蛍光信号、前方散乱光信号、側方散乱光信号)を検体のデータとして検出する。また、検出部313は、電気抵抗式検出器DC1によって試料中の赤血球、血小板から電気情報を検体のデータとして検出する。検出部313を通過した試料は、流路を介して廃液チャンバWCに送られる。
【0084】
洗浄液容器Cに収容された洗浄液を用いて洗浄を行う場合、洗浄液は、検体と同様の経路を辿って送液される。つまり、洗浄液は、吸引部311によって洗浄液容器Cから吸引され、試料調製部312の各反応チャンバに吐出されることにより、各反応チャンバから廃液チャンバWCに至る流路が洗浄液によって満たされる。この状態で長時間放置されることにより、反応チャンバの内壁に付着した検体および試薬が除去される。
【0085】
図6に戻り、駆動部314は、測定ユニット31内で検体容器Tおよび洗浄液容器Cを搬送するための機構を含んでいる。センサ部315は、測定ユニット31内の搬送経路上の所定の位置において検体容器Tおよび洗浄液容器Cを検出するためのセンサを含んでいる。バーコードユニットB31は、上述したように、保持判定機構(図示せず)と、バーコードリーダB31aを含んでいる。
【0086】
通信部316は、情報処理ユニット4と通信可能に接続されている。測定ユニット31内の各部は、通信部316を介して、情報処理ユニット4により制御される。また、測定ユニット31内の各部から出力される信号は、通信部316を介して情報処理ユニット4に送信される。
【0087】
図8は、情報処理ユニット4の構成を示す図である。
【0088】
情報処理ユニット4は、パーソナルコンピュータからなり、本体40と、入力部41と、表示部42から構成されている。本体40は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、ハードディスク404と、読出装置405と、入出力インターフェース406と、画像出力インターフェース407と、通信インターフェース408を有する。
【0089】
CPU401は、ROM402に記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM403にロードされたコンピュータプログラムを実行する。RAM403は、ROM402およびハードディスク404に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、RAM403は、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU401の作業領域としても利用される。
【0090】
ハードディスク404には、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU401に実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。すなわち、ハードディスク404には、測定ユニット31、32から送信された検体のデータを解析して赤血球数、白血球数等の測定結果を生成し、生成した測定結果に基づいて表示部42に表示を行うプログラム等がインストールされている。
【0091】
読出装置405は、CDドライブまたはDVDドライブ等によって構成されており、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムおよびデータを読み出すことができる。入出力インターフェース406には、マウスやキーボードからなる入力部41が接続されており、ユーザが入力部41を使用することにより、情報処理ユニット4に指示およびデータが入力される。画像出力インターフェース407は、ディスプレイ等で構成された表示部42に接続されており、画像データに応じた映像信号を、表示部42に出力する。
【0092】
表示部42は、入力された映像信号をもとに、画像を表示する。表示部42には、各種プログラム画面が表示される。また、通信インターフェース408により、搬送ユニット2と測定ユニット31、32に対してデータの送受信が可能となる。
【0093】
図9は、情報処理ユニット4のCPU401によるラックLの制御動作の流れを示す図である。
【0094】
まずは、ラックLの保持位置1〜2に配置された容器の種別によって、ラックLについて、洗浄およびシャットダウン処理を行うか検体処理を行うかが判断される。
【0095】
具体的には、CPU401は、右テーブル21にラックLがセットされると、ラック送込機構21aにより、ラックLをラック搬送部23の送込位置P1へ搬送する(S1)。そして、CPU401は、ラックLの保持位置1〜2が、ラック搬送部23により、バーコード読取位置P2に位置するように、ラックLを順次搬送する(S2)。このとき、バーコードユニットB2によって、保持位置1における容器の有無が判定され、さらに、保持位置1に設置された容器のバーコード情報が読み取られる。これにより、CPU401は、保持位置1または2に洗浄液容器Cがあるかを判定する(S3)。
【0096】
保持位置1または2に洗浄液容器Cがある場合(S3:YES)、CPU401は、洗浄・シャットダウン処理を実行し、先行するラックLの再検要否の取得状況に応じた処理を実行する(S11)。洗浄・シャットダウン処理(S11)の詳細については、図10を参照して、後述する。そして、当該ラックLに対する処理が完了する。
【0097】
他方、保持位置1、2の何れにも洗浄液容器Cがない場合(S3:NO)、CPU401は、通常検体処理を実行する(S21)。通常検体処理(S21)の詳細については、図11を参照して、後述する。
【0098】
そして、ラックLについて、通常検体処理S21が所定の処理まで完了し、次のラックLが送り込み可能になると、CPU401は、右テーブル21に後続のラックLがあるかを判定する(S22)。具体的には、後続のラックLが送り込み可能になるタイミングは
、ラックLの所定本数の検体容器Tの再検要否が取得されることによって、先行のラックLをラック搬送部23の送込位置P1に掛かる位置に位置付ける必要がなくなったタイミングである。たとえば、先行のラックLについて、6本目まで、再検要否が取得されると、先行ラックLは、送込位置P1に掛かる位置に戻されることがなくなり、後続のラックLを送込位置P1に位置付けることができる。
【0099】
かかる状況において、後続のラックLがある場合(S22:YES)、処理をS1に戻すことで、後続のラックLを送込位置P1へ搬送し、上述の処理が繰り返され、検体処理または洗浄処理が行われる。
【0100】
後続のラックLがない場合(S22:NO)、全てのラックLについて、処理が完了する。
【0101】
以下、先行ラックL1が、通常検体処理S21を行い、先行ラックL1に後続する後続ラックL2が洗浄・シャットダウン処理S11を行う状況を想定して、それぞれの処理の流れを説明する。
【0102】
図10は、図9のS11の洗浄・シャットダウン処理時におけるCPU401による後続ラックL2の制御動作の流れを示す図である。
【0103】
図9に示した処理によって、後続ラックL2の保持位置1または保持位置2に洗浄液容器Cが配置されている場合、CPU401は、当該洗浄液容器Cの配置に対応する測定ユニットの洗浄予約を行う(S101)。たとえば、保持位置1および保持位置2の両方に洗浄液容器Cがセットされている場合は、測定ユニット31、32に洗浄の予約がなされ、保持位置1にのみ洗浄液容器Cがセットされている場合は、測定ユニット31のみに洗浄の予約がなされる。
【0104】
そして、CPU401は、後続ラックL2に先行する先行ラックL1がラック搬送部23上に存在するかどうかを判定する(S102)。先行ラックL1がラック搬送部23上に存在しない場合(S102:NO)、CPU401は、処理をS105に進め、先行ラックL1がラック搬送部23上に存在する場合(S102:YES)、CPU401は、後述する、先行ラックL1の再検要否取得完了フラグがセットされているか否かを判定する(S103)。先行ラックL1の全ての検体について、ホストコンピュータ5から再検要否の取得が完了している場合、再検要否取得完了フラグがセットされ、再検要否取得が完了していない場合、再検要否取得完了フラグはセットされてない。
【0105】
先行ラックL1の再検要否取得完了フラグがセットされていない場合(S103:NO)、CPU401は、先行ラックL1の再検要否取得完了フラグがセットされるまで後続の処理を待機する。先行ラックL1の再検要否取得完了フラグがセットされている場合(S103:YES)、CPU401は、さらに、先行ラックL1の全ての検体について、再検要否が不要であるかを判定する(S104)。
【0106】
先行ラックL1の全ての検体について、再検要否が不要である場合(S104:YES)、CPU401は、ラック搬送部23により、洗浄予約された測定ユニット31、32の取込位置P31a、P32aに洗浄液容器Cを搬送する(S105)。そして、洗浄予約された測定ユニット31、32において、対応する洗浄液容器Cを用いた洗浄処理が行われる(S106)。なお、洗浄は、付け置き洗い等が含まれ、長時間を掛けて行われる。
【0107】
他方、先行ラックL1の全ての検体について、再検要否が不要でない場合(S104:
NO)、CPU401は、搬送方向の上流側の測定ユニット32が洗浄予約されているかを判定する(S109)。測定ユニット32が洗浄予約されていない場合(S109:NO)、CPU401は、処理をS113に進め、測定ユニット32が洗浄予約されている場合(S109:YES)、CPU401は、上流側の測定ユニット32が空きであるかを判定する(S110)。測定ユニット32が再検を行っており、空きでない場合(S110:NO)、CPU401は、測定ユニット32が空き状態になるまで、後続の処理を待機する。測定ユニット32が空いている場合(S110:YES)、CPU401は、ラック搬送部23により、測定ユニット32の取込位置P32aに洗浄液容器Cを搬送する(S111)。そして、測定ユニット32において、洗浄液容器Cを用いた洗浄処理が行われる(S112)。なお、このとき、再検が開始されていない検体については、下流側の測定ユニット31において、検体の再検が行われる。
【0108】
そして、CPU401は、搬送方向の下流側の測定ユニット31が洗浄予約されているかを判定する(S113)。測定ユニット31が洗浄予約されていない場合(S113:NO)、CPU401は、処理をS107に進め、測定ユニット31が洗浄予約されている場合(S113:YES)、CPU401は、先行ラックL1の全ての検体について、再検のための吸引が完了したかを判定する(S114)。
【0109】
先行ラックL1の全ての検体について再検のための吸引が完了していない場合(S114:NO)、CPU401は、先行ラックL1の全ての検体の再検のための吸引が完了するまで、後続の処理を待機する。先行ラックL1の全ての検体の再検のための吸引が完了すると(S114:YES)、先行ラックL1の検体が測定ユニット31に供給されることがなくなるため、CPU401は、ラック搬送部23により、測定ユニット31の取込位置P31aに洗浄液容器Cを搬送する(S115)。そして、測定ユニット31において、洗浄液容器Cを用いた洗浄処理が行われる(S116)。
【0110】
こうして、測定ユニット31、32の洗浄処理が完了すると、CPU401は、ラック搬送部23により、後続ラックL2を回収位置P4へ搬送する(S107)。そして、回収位置P4に搬送された後続ラックL2は、ラック押出し機構23aによって、左テーブル22に排出される。その後、CPU401は、測定ユニット31、32の両方の洗浄が完了した場合に、測定ユニット31、32および情報処理ユニット4をシャットダウンする(S108)。なお、測定ユニット31、32の片方のみが洗浄される場合は、測定ユニット31、32および情報処理ユニット4のシャットダウンは実行されず、測定ユニット31、32の両方の洗浄が完了したタイミングでシャットダウンされる。
【0111】
このように、CPU401は、先行ラックL1の全ての検体について、再検要否の取得が完了した段階で、再検が未完の検体があると、少なくとも、1台の測定ユニット31を残して再検を実行し、残りの測定ユニット32について洗浄処理を行う。そして、CPU401は、先行ラックL1の全ての検体について再検のための吸引が完了した段階で、残りの測定ユニットの洗浄処理を行う。こうして、CPU401は、後続ラックL2に対する処理を完了する。
【0112】
図11(a)は、図9のS21の通常検体処理時におけるCPU401による先行ラックL1の制御動作の流れを示す図である。
【0113】
図9に示した処理によって、先行ラックL1の保持位置1と保持位置2の何れにも洗浄液容器Cが含まれていない場合、CPU401は、後続の保持位置3〜10がバーコード読取位置P2に位置するように、ラック搬送部23により、先行ラックL1を順次搬送する(S201)。このとき、バーコードユニットB2によって、各保持位置における容器の有無が判定され、さらに、各保持位置に設置された容器のバーコード情報が読み取られ
る(S202)。
【0114】
そして、CPU401は、ラック搬送部23により、測定ユニット31の取込位置P31aまたは測定ユニット32の取込位置P32aに検体容器Tを順次搬送する(S203)。上述したように、検体容器Tは、搬送方向の下流から順に、測定ユニット31、32の順に割り振られる。また、測定ユニット31、32の両方が測定中の場合、CPU401は、何れかの測定ユニットにおける測定が完了するまで待機する。保持部に容器がない、もしくは、保持部に洗浄液容器Cが設置されている場合は、当該保持部はスキップされる。そして、CPU401は、測定ユニット31、32において、搬送された検体容器Tを吸引して測定処理を行って測定結果を生成し(S204)、測定結果をホストコンピュータ5に送信する(S205)。
【0115】
ここで、ホストコンピュータ5は、受信した測定結果に基づき、再検要否を判定し、情報処理ユニット4に再検要否の判定結果を送信する。再検の要否は、受信した測定結果が、正常な測定結果であることを示す数値範囲内にあるか否かにより判定される。より詳しくは、ホストコンピュータ5は、ある検体の測定結果が、上記の数値範囲内である場合、その検体は正常であると考えられることから、その検体について再検査が不要であると判定し、再検不要である旨の判定結果を送信する。一方、ホストコンピュータ5は、ある検体の測定結果が、上記の数値範囲内にない場合、その検体が異常であるか、または測定動作の異常があったことが疑われることから、その検体について再検が必要であると判定する。再検必要と判定した場合、ホストコンピュータ5は、さらに、再検において測定されるべき測定項目を含む測定オーダを自動的に生成し、再検必要である旨の判定結果とともに測定オーダを送信する。
【0116】
図11(b)は、通常検体処理時における再検処理の動作の流れを示す図である。なお、当該処理は、通常検体処理が始まると開始される。
【0117】
図11(b)を参照して、まず、CPU401は、所定の検体について、ホストコンピュータ5から、再検要否の判定結果が取得できたかを判定する(S211)。再検要否の判定結果が取得できなかった場合(S211:NO)、CPU401は、判定結果が取得できるまで、後続の処理を待機する。再検要否の判定結果が取得できた場合(S211:YES)、CPU401は、取得した判定結果に基づき、当該検体について再検が必要であるか否かを判定する(S212)。
【0118】
当該検体の再検が必要でない場合(S212:NO)、CPU401は、処理をS215に進め、検体の再検が必要である場合(S212:YES)、CPU401は、測定処理と同様に、ラック搬送部23により、測定ユニット31の取込位置P31aまたは測定ユニット32の取込位置P32aに当該検体の検体容器Tを搬送し(S213)、判定結果とともに受信した測定オーダに基づいて当該検体に対する再検処理を行う(S214)。なお、再検処理は、通常検体処理に割り込んで、優先して行われる。
【0119】
そして、CPU401は、先行ラックL1の全ての検体について再検要否の判定結果が取得されたか否かを判定する(S215)。先行ラックL1の全ての検体について再検要否の判定結果が取得されていない場合(S215:NO)、CPU401は、全ての検体の判定結果が取得されるまで、S211〜S215の処理を繰り返す。先行ラックL1の全ての検体について再検要否の判定結果が取得されると(S215:YES)、CPU401は、先行ラックL1に対する再検処理を完了する。
【0120】
図11(a)に戻り、測定結果をホストコンピュータ5に送信した後、上述のようにして、並列して再検処理が行われている間に、CPU401は、先行ラックL1の全て検体
の測定が完了したか否かを判定する(S206)。先行ラックL1の全ての検体の測定が完了していない場合(S206:NO)、CPU401は、S203〜S206の処理を繰り返す。なお、上述の如く、検体の測定中、再検処理が発生すると、優先して再検処理が行われる。
【0121】
先行ラックL1の全ての検体の測定が完了すると(S206:YES)、CPU401は、先行ラックL1の全ての検体について再検のための吸引が完了するのを待つ。そして、先行ラックL1の全ての検体について、再検のための吸引が完了すると(S207:YES)、CPU401は、ラック搬送部23により、先行ラックL1を回収位置P4へ搬送する(S208)。そして、回収位置P4に搬送された先行ラックL1は、ラック押出し機構23aによって、左テーブル22に排出される。これにより、後続ラックL2の洗浄液容器Cが、前述の如く、下流側の測定ユニット31に供給される。こうして、CPU401は、先行ラックL1に対する通常検体処理を完了する。
【0122】
図11(c)は、再検要否取得完了フラグの設定処理の流れを示す図である。なお、当該処理は、通常検体処理が始まると開始される。
【0123】
図11(c)を参照して、まず、CPU401は、ホストコンピュータ5から、再検要否の判定結果の取得を待つ(S221)。ホストコンピュータ5から、再検要否の判定結果を取得すると(S221:YES)、CPU401は、先行ラックL1の全ての検体について判定結果を取得したか否かを判定する(S222)。そして、先行ラックL1の全ての再検要否を取得すると(S222:YES)、CPU401は、再検要否取得完了フラグをセットする(S223)。これにより、再検要否取得完了フラグの設定処理が完了する。こうして、再検要否取得完了フラグが設定されると、図10のS103の判定がYESとなり、S104以降の処理に進められる。
【0124】
図12は、先行ラックL1の全ての検体について、ホストコンピュータ5からの再検要否の判定が“不要”となる場合の、先行ラックL1と後続ラックL2のラック搬送部23上の動作状況の例を示す図である。なお、先行ラックL1には、保持位置1〜10に検体容器Tが保持され、後続ラックL2には、保持位置1〜2に洗浄液容器Cのみが保持されている。
【0125】
図12(a)は、後続ラックL2が送込位置P1に位置付けられるときの状況を示す図である。かかる状況は、CPU401が、先行ラックL1について、図11(a)のS203〜206の測定処理、図11(b)の再検処理および図11(c)のフラグ設定処理を並列で処理しており、後続ラックL2について、図9のS1を処理している状況に相当する。
【0126】
先行ラックL1の保持位置1〜6に設置された検体容器Tが、再検要否取得済みであり、再検が不要であると判定されている。また、先行ラックL1の保持位置7、8に設置された検体容器Tが、測定ユニット31、32に供給されている。このとき、先行ラックL1の保持位置1〜6に設置された検体容器Tは、測定ユニット31、32に対して、供給されることがなくなり、先行ラックL1は、送込位置P1に係る位置に戻されなくなる。これにより、後続ラックL2は、送込位置P1に位置付けられている。
【0127】
図12(b)は、後続ラックL2の保持位置1、2の容器種別を識別したときの状況を示す図である。かかる状況は、CPU401が、先行ラックL1について、図11(a)のS203〜206の測定処理、図11(b)の再検処理および図11(c)のフラグ設定処理を並列で処理しており、後続ラックL2について、図9のS3を処理している状況に相当する。
【0128】
先行ラックL1の保持位置1〜7に設置された検体容器Tが、再検要否取得済みであり、再検が不要であると判定されている。また、先行ラックL1の保持位置9、10に設置された検体容器Tが、測定ユニット31、32に供給されている。また、後続ラックL2は、保持位置1、2が、バーコード読取位置P2に位置付けられ、保持位置1、2に設置された容器が洗浄液容器Cであることが識別されている。
【0129】
図12(c)は、先行ラックL1の全ての保持部の検体容器Tの測定処理が完了したときの状況を示す図である。かかる状況は、CPU401が、先行ラックL1について、図11(a)のS207の再検のための吸引の完了待ち処理、図11(b)の再検処理および図11(c)のフラグ設定処理を並列で処理しており、後続ラックL2について、図10のS103の再検要否取得完了待ちを処理している状況に相当する。
【0130】
先行ラックL1は、保持位置10の検体容器Tの測定が完了し、測定ユニット32から検体容器Tが戻されている。このとき、先行ラックL1は、保持位置1〜8の検体容器Tについて、再検要否取得済みであり、再検が不要であると判定されている。また、後続ラックL2は、保持位置1、2に設置された容器が、洗浄液容器Cであることが識別されたが、先行ラックL1の全ての検体の再検要否の取得が完了していないため、送込位置P1まで退避して、待機している。
【0131】
図12(d)は、先行ラックL1の全ての保持部の検体容器Tの測定処理が完了し、再検要否が取得される前の状況を示す図である。かかる状況は、CPU401が、先行ラックL1について、図11(a)のS207の再検のための吸引の完了待ち処理、図11(b)の再検処理および図11(c)のフラグ設定処理を並列で処理しており、後続ラックL2について、図10のS103の再検要否取得完了待ちを処理している状況に相当する。
【0132】
先行ラックL1は、保持位置1〜10の全ての保持部の検体容器Tの測定処理が完了し、後続ラックL2の処理の妨げとならないように、ラック搬送部23の搬送スペースP5で待機している。このとき、先行ラックL1は、保持位置10以外の保持位置1〜9の検体容器Tについて、再検要否取得済みであり、再検が不要であると判定されている。なお、このとき、測定ユニット31、32が空いているが、後続ラックL2は、先行ラックL1の全ての検体の再検要否取得が完了していないため、送込位置P1で待機している。
【0133】
図12(e)は、先行ラックL1の全ての保持部の検体容器Tについて、再検要否が取得されたときの状況を示す図である。かかる状況は、図11(b)の再検処理および図11(c)のフラグ設定処理が完了し、CPU401が、先行ラックL1について、図11(a)のS208を処理しており、後続ラックL2について、図10のS105、S106の洗浄処理を開始している状況に相当する。
【0134】
先行ラックL1は、保持位置1〜10の全ての保持部の検体容器Tについて、再検要否取得済みであり、再検が不要であると判定されている。そして、先行ラックL1は、回収位置P4に位置付けられた後、左テーブル22に回収されている。後続ラックL2は、先行ラックL1の全ての検体の再検要否取得が完了し、先行ラックL1の全ての検体について、再検が不要であると判定されたため、測定ユニット31、32に洗浄液容器Cを供給している。
【0135】
図13は、先行ラックL1の保持位置9、10に設置された検体について、ホストコンピュータ5からの再検要否の判定が“必要”となる場合の、先行ラックL1と後続ラックL2のラック搬送部23上の動作状況の例を示す図である。
【0136】
図13(a)、(b)は、先行ラックL1の全ての保持部の検体容器Tの測定処理が完了し、再検要否が取得される前の状況を示す図である。かかる状況は、CPU401が、先行ラックL1について、図11(a)のS207の再検のための吸引の完了待ち処理、図11(b)の再検処理および図11(c)のフラグ設定処理を並列で処理しており、後続ラックL2について、図10のS103の再検要否取得完了待ちを処理している状況に相当する。
【0137】
図13(a)を参照して、先行ラックL1は、保持位置1〜10の全ての保持部の検体容器Tの測定処理が完了し、後続ラックL2の処理の妨げとならないように、ラック搬送部23の搬送スペースP5で待機している。このとき、先行ラックL1は、保持位置1〜9の検体容器Tについて、再検要否取得済みであり、保持位置1〜8の検体容器Tについて、再検が不要であると判定され、保持位置9の検体容器Tについて、再検が必要であると判定されている。また、後続ラックL2は、保持位置1、2に設置された容器が、洗浄液容器Cであることが識別されたが、先行ラックL1の全ての検体の再検要否取得が完了していないため、送込位置P1まで退避して、待機している。
【0138】
このように、先行ラックL1の保持位置9の検体容器Tについて、再検が必要であると判定されると、図13(b)に示すように、先行ラックL1の保持位置9の検体容器Tが、下流側の測定ユニット31に供給される。なお、このとき、測定ユニット32が空いているが、後続ラックL2は、先行ラックL1の全ての検体の再検要否取得が完了していないため、洗浄液容器Cを測定ユニット32に供給せず、送込位置P1で待機している。
【0139】
図13(c)は、先行ラックL1の全ての保持部の検体容器Tの再検要否の取得が完了し、一部の検体について、再検が必要となったときの状況を示す図である。かかる状況は、CPU401が、先行ラックL1について、図11(a)のS207の再検のための吸引の完了待ち処理、図11(b)の再検処理および図11(c)のフラグ設定処理を並列で処理しており、後続ラックL2について、図10のS109〜S112の上流側の測定ユニット32の洗浄を処理している状況に相当する。
【0140】
図13(c)を参照して、先行ラックL1は、保持位置1〜10の全ての保持部の検体容器Tの再検要否取得が完了し、保持位置9の検体容器Tは、再検のための吸引が完了している。また、保持位置10の検体容器Tは、再検が必要であると判定され、測定ユニット31に供給されている。また、後続ラックL2は、先行ラックL1の全ての検体の再検要否取得が完了したが、先行ラックL1の検体について、再検が必要であると判定されたため、上流側の測定ユニット32のみに保持位置2の洗浄液容器Cを供給している。
【0141】
図13(d)は、先行ラックL1の全ての保持部の検体容器Tについて、再検のための吸引が完了したときの状況を示す図である。かかる状況は、CPU401が、先行ラックL1について、図11(a)のS208を処理しており、後続ラックL2について、図10のS115、S116の下流側の測定ユニット31の洗浄処理を開始している状況に相当する。
【0142】
先行ラックL1は、保持位置9、10の再検のための吸引が完了し、保持位置1〜10の全ての保持部の検体容器Tについて再検が不要となっている。そして、先行ラックL1は、回収位置P4に位置付けられた後、左テーブル22に回収されている。後続ラックL2は、先行ラックL1の全ての検体の再検が不要となったため、下流側の測定ユニット31に洗浄液容器Cを供給している。
【0143】
以上のように、バーコードユニットB2により、後続ラックL2の保持部に洗浄液容器
Cが含まれると識別されたときに、先行ラックL1がある場合は、少なくとも、先行ラックL1の全ての検体の再検要否取得が完了するまで、後続ラックL2の洗浄液容器Cの測定ユニット31、32への供給が保留される。
【0144】
さらには、先行ラックL1がある場合に、先行ラックL1の全ての検体の再検要否取得完了した後に、検体の再検が必要な場合には、先行ラックL1の全ての再検のための吸引が完了するまで、少なくとも、下流側の1台の測定ユニット31に対して、後続ラックL2の洗浄液容器Cの供給が保留される。
【0145】
また、先行ラックL1の全ての検体について、再検要否の判定結果が不要であった場合、後続ラックL2の洗浄液容器Cが測定ユニット31、32に供給される。
【0146】
また、先行ラックL1のある検体について、再検の要否の判定結果が必要であった場合、当該検体の再検が行われる。そして、当該検体の再検のための吸引が完了し、先行ラックL1の全ての検体について再検のための吸引が完了した後、後続ラックL2の洗浄液容器Cが測定ユニット31、32に供給される。
【0147】
また、先行ラックL1の検体容器Tの再検要否の取得が完了するまで、後続ラックL2は、送込位置P1で待機され、先行ラックL1は、搬送スペースP5で待機される。
【0148】
以上、本実施の形態によれば、検体容器Tが設置された先行ラックL1に洗浄液容器Cが設置された後続ラックL2が後続する場合、先行ラックL1の全ての検体について再検要否の判定結果が取得されるまで、後続ラックL1による洗浄が保留される。このため、先行ラックL1の全ての検体容器Tについて、再検を円滑に行うことができる。
【0149】
また、本実施の形態によれば、後続ラックL2は、先行ラックL1の再検要否の取得が完了するまで、送込位置P1に待機されるため、先行ラックL1の搬送制御を妨げず、先行ラックL1の再検を円滑に行うことができる。
【0150】
また、本実施の形態によれば、後続ラックL2の洗浄液容器Cの供給が保留された後、先行ラックL1の全ての検体容器Tについて、再検要否の取得が完了すると、自動的に後続ラックL2の洗浄液容器Cが測定ユニット31、32に供給されるため、ユーザの手間を軽減することができる。
【0151】
また、本実施の形態によれば、洗浄を実行した後、測定ユニット31、32が自動的にシャットダウンされ、さらに、情報処理ユニット4が自動的にシャットダウンされるため、ユーザは、長時間の洗浄処理を待って、装置の電源を手動でシャットダウンさせる操作を省略することができる。これにより、ユーザの手間が軽減され得る。
【0152】
また、本実施の形態によれば、測定ユニットが2台以上の構成において、先行ラックL1の再検要否取得完了後、再検のための吸引が完了するまでの間に、少なくとも、再検を行うための測定ユニットを1台残し、それ以外の測定ユニットにおいて、洗浄が開始される。したがって、先行ラックL1の再検を円滑に行いつつ、後続ラックL2の洗浄を円滑に行うことができる。
【0153】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態はこれらに限定されるものではない。
【0154】
たとえば、上記実施の形態では、測定ユニットとして血球係数装置を例示したが、測定ユニットは尿分析装置であってもよい。
【0155】
また、上記実施の形態では、測定ユニット31、32のハンド部31a、32aによって、検体容器Tが内部に取り込まれた後に、ピアサ31d、32dによって、検体が吸引される検体分析装置1を例示したが、検体容器Tを内部に取り込まず、取込位置P31a、P32aにピアサが設けられ、ラック搬送部23上の検体容器Tの検体を吸引する検体分析装置にも本発明を適用することができる。
【0156】
また、上記実施の形態では、ラック搬送部23を制御し、洗浄液容器Cを測定ユニット31、32の取込位置P31a、P32aに位置付けず、送込位置P1に位置付けることで、測定ユニット31、32への洗浄液の供給を保留させたが、ラック搬送部23は、取込位置P31a、P32aには、位置付けるが、測定ユニット31、32のハンド部31a、32aが、ラックLの保持部の洗浄液容器Cを内部に取込まないことによって、洗浄液の供給が保留されてもよい。また、ハンド部31a、32aによって、洗浄液容器Cを内部に取り込むが、容器搬送部31c、32cが洗浄液容器Cを吸引位置P31c、P32cに位置付けない、または、ピアサ31d、ピアサ32dによって、洗浄液を吸引しないことによって、洗浄液の供給が保留されてもよい。
【0157】
また、上記実施の形態では、バーコードユニットB2によってラックLに保持された容器の種類を順番に識別することで、容器の供給順序を判断したが、バーコードを用いない形態であってもよい。たとえば、情報処理ユニット4は、検体の測定予約と洗浄液を用いた洗浄予約を受付可能であり、測定ユニット31、32は、情報処理ユニット4が受け付けた予約された動作を、ユーザによって指定された順序で実行可能に構成されている形態であってもよい。この場合、予約された動作の指定順序に基づいて、容器の供給順序を判断することができる。
【0158】
また、上記実施の形態では、右テーブル21と左テーブル22とを繋ぐラック搬送部23上で容器に付されたバーコードを読み取ったが、これに限られない。例えば、右テーブル21にラックLを供給するための搬送装置を搬送ユニット2の上流に接続し、その搬送装置による搬送経路の途中でバーコードを読み取ってもよい。
【0159】
また、上記実施の形態では、ラックLを搬送しながらバーコードを読み取る形態を示したが、ハンドヘルド型のバーコードリーダを備える形態であってもよい。この形態では、ユーザは、複数の容器のバーコードを予めバーコードリーダによって読み取らせ、読取を完了した容器をラックLに順番に配置して搬送ユニット2に搬送させる構成とすることができる。
【0160】
また、上記実施の形態では、2台の測定ユニット31、32を備える構成において、先行ラックL1の検体について、再検が必要であった場合、全ての検体の再検のための吸引が完了するまでの間に、上流側の測定ユニット32にのみ、洗浄液容器Cが供給されたが、先行ラックL1の全ての検体について、再検のための吸引が完了するまでの間、全ての測定ユニット31、32への洗浄液容器Cの供給が保留されてもよい。この場合、図10のフローチャートは、図14の変更例1のように修正される。すなわち、S104にて先行ラックL1に再検が必要な検体があると(S104:NO)、CPU401は、再検が必要な全ての検体に対する再検のための吸引が完了するまで(S121)、測定ユニットに対する洗浄液の供給を保留する。そして、全ての再検のための吸引が完了すると(S121:YES)、CPU401は、洗浄対象の測定ユニットに対する洗浄を実行する(S105〜S108)。
【0161】
また、上記実施の形態では、2つの測定ユニット31、32を備える検体分析装置1を例示したが、測定ユニットが3つ以上配置されていても良く、測定ユニットのほか、塗抹
標本作成装置が備えられても良い。また、図15の変更例2に示すように、1つの測定ユニット503を備える検体分析装置500であってもよい。この場合、搬送ユニット502は、ラック搬送部521が、上記実施の形態よりも短く構成されるが、情報処理ユニット504、およびその他の構成は、上記と同様に構成される。
【0162】
図16(a)は、変更例2の場合の洗浄液容器CのラックL上の配置ルールを示す図である。洗浄液容器Cは、搬送方向の最も下流側に位置する保持位置1に設置される。
【0163】
図16(b)は、変更例2の場合のラックLの制御動作の流れを示す図である。なお、図9に示した、上記実施の形態の場合と同様の処理については、同様の符号が付されており、詳細な説明は省略する。
【0164】
変更例2の場合、保持位置1に配置された容器の種別によって、ラックLが洗浄およびシャットダウン処理を行うか検体処理を行うかが判断される。
【0165】
CPU401は、ラックLが送込位置P1へ搬送されると(S1)、ラックLの保持位置1が、ラック搬送部23により、バーコード読取位置P2に位置するように搬送する(S71)。そして、バーコードユニットB2によって、保持位置1に設置された容器のバーコード情報が読み取られ、保持位置1に洗浄液容器Cがあるかを判定する(S72)。保持位置1に洗浄液容器Cがある場合(S72:YES)、CPU401は、洗浄・シャットダウン処理を実行し、先行ラックLの再検要否の取得状況に応じた処理を実行する(S11)。保持位置1に洗浄液容器Cがない場合(S72:NO)、CPU401は、通常検体処理を実行する(S21)。なお、この場合、洗浄・シャットダウン処理は、図14に示すフローチャートに従って行われる。すなわち、先行ラックLに保持された全ての検体容器Tについて再検のための吸引が完了するまで、後続ラックLに保持された洗浄液容器Cによる洗浄動作が保留される。また、通常検体処理S21における後続の保持位置判定ステップS201、S202は、保持位置2を含むように修正され、保持位置2〜10が判定対象とされる。
【0166】
こうすることで、変更例1では、測定ユニットが1台の構成であっても、上記実施の形態と同様の効果が奏される。
【0167】
また、上記実施の形態では、ラックLは、容器10本分の保持部を備えたが、保持部の数は、他の数であってもよい。また、洗浄液容器Cの配置ルールは、ラックLの搬送方向の最も下流に位置付けられたが、最も上流に位置付けられてもよいし、他の位置に位置付けられてもよい。さらには、ラックL上の洗浄液容器Cの配置ルールが決められていなくてよい。
【0168】
また、上記実施の形態では、先行ラックL1に検体容器Tが保持され、後続ラックL2に洗浄液容器Cが保持されていた場合に、後続ラックL2に収容された洗浄液容器Cの測定ユニット31、32への供給が保留されたが、ラックLの検体容器Tに同一ラックLの洗浄液容器Cが後続する場合に、洗浄液容器Cの測定ユニット31、32への供給が保留されてもよい。
【0169】
図16(c)の変更例3に示すように、保持位置10に洗浄液容器Cが配置されるルールの場合、保持位置1〜9に検体容器Tが含まれているかが判断され、検体容器Tが含まれている場合、保持位置1〜9の検体容器Tの再検のための吸引が完了するまで、洗浄液容器Cの測定ユニット31、32への供給が、保留される。
【0170】
図17は、変更例3の場合のラックLの制御動作の流れを示す図である。
【0171】
図17を参照して、上記実施の形態と同様にして、CPU401は、ラックLの保持部に設置された容器のバーコード読取、および、ラックLに設置された検体容器Tの測定処理、再検処理を行う(S301〜S306)。そして、CPU401は、ラックLに収容された全ての検体容器Tについて、測定が完了すると(S306:YES)、保持位置10に洗浄液容器Cがあるか否かを判定する(S307)。
【0172】
保持位置10に洗浄液容器Cがない場合(S308:NO)、CPU401は、ラック搬送部23により、ラックLを回収位置P4に搬送する(S313)。そして、CPU401は、後続のラックLがあるか否かを判定し(S314)、後続のラックLの処理が行われる。他方、保持位置10に洗浄液容器Cがある場合(S308:YES)、CPU401は、ラックLの全ての検体について、再検のための吸引が完了したか否かを判定する(S308)。再検のための吸引が完了してない場合(S307:NO)、CPU401は、再検のための吸引が完了するまで、後続の処理を待機する。ラックLの全ての検体について、再検のための吸引が完了すると(S307:YES)、CPU401は、保持位置10の洗浄液容器Cを、測定ユニットに供給し、洗浄処理、およびシャットダウンを行う(S309〜S312)。なお、これらの処理は、図10のS105〜S108と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0173】
変更例3の場合、同一ラックLの検体容器Tに洗浄液容器Cが後続する場合において、後続の洗浄液容器Cの測定ユニットへの供給が保留されるため、自動的に洗浄が開始されることを回避できる。したがって、先行の全ての検体容器Tについて、再検を円滑に行うことができる。
【0174】
また、上記実施の形態では、後続ラックL2が、洗浄液容器Cを保持していると識別されたとき、先行ラックL1の全ての検体について、再検要否の取得が完了していなければ、再検要否の取得が完了するまで、または、再検のための吸引が完了するまで、後続ラックL2の洗浄液容器Cの測定ユニット31、32への供給が保留されたが、図18の変更例4に示すように、洗浄液容器Cの測定ユニット31、32への供給をスキップしてもよい。
【0175】
図18を参照して、変更例4の場合、後続ラックL2に洗浄液容器Cが含まれていると判断された後、先行ラックL1の全ての検体についての再検要否取得完了フラグがセットされていなかった場合(S103:NO)、CPU401は、ラック搬送部23により、後続ラックL2を回収位置P4へ搬送する(S131)。そして、回収位置P4に搬送された後続ラックL2は、ラック押出し機構23aによって、左テーブル22に排出される。こうして、洗浄液容器Cの測定ユニット31、32への供給がスキップされ、後続ラックL2に対する処理が完了する。
【0176】
図19は、変更例4の場合の先行ラックL1と後続ラックL2のラック搬送部23上の動作状況の例を示す図である。
【0177】
図19(a)は、図12(b)と、図19(b)は、図12(c)と同様の状況を示しているため、説明は省略する。
【0178】
図19(c)は、後続ラックL2が先行ラックL1の再検要否取得待ちの間に左テーブル22に回収されるときの状況を示す図である。かかる状況は、CPU401が、先行ラックL1について、図11(a)のS207の再検のための吸引の完了待ち処理、図11(b)の再検処理および図11(c)のフラグ設定処理を並列で処理しており、後続ラックL2について、図18のS131の回収位置P4への搬送を処理している状況に相当す
る。先行ラックL1は、保持位置1〜10の全ての保持部の検体容器Tの測定処理が完了し、ラック搬送部23の搬送スペースP5で待機している。このとき、先行ラックL1は、保持位置1〜9の検体容器Tが再検要否取得済みであり、再検が不要であると判定されている。先行ラックL1の保持位置10の検体容器Tについては、再検要否の判定結果が未だ取得されていない。後続ラックL2は、洗浄液容器Cが含まれていると識別されたとき、先行ラックL1の再検要否取得が完了していなかったため、洗浄液容器Cの測定ユニット31、32への供給をスキップし、左テーブル22に回収されている。
【0179】
図19(d)は、先行ラックL1の全ての保持部の検体容器Tについて、再検要否が取得されたときの状況を示す図である。かかる状況は、図11(b)の再検処理および図11(c)のフラグ設定処理が完了し、CPU401が、先行ラックL1について、図11(a)のS208を処理しており、後続ラックL2の処理が完了している状況に相当する。先行ラックL1は、保持位置1〜10の全ての保持部の検体容器Tについて、再検要否取得済みであり、再検が不要であると判定されている。このため、先行ラックL1は、左テーブル22に回収されている。
【0180】
このように、バーコードユニットB2により、後続ラックL2の保持部に洗浄液容器Cが含まれると識別されたときに、先行ラックL1の全ての検体の再検要否取得が完了していなかった場合、後続ラックL2の洗浄液容器Cの測定ユニット31、32への供給がスキップされる。
【0181】
変更例4の場合も、上記実施の形態と同様に、検体容器Tが設置された先行ラックL1に洗浄液容器Cが設置された後続ラックL2が後続する場合、後続ラックL2の洗浄液容器Cの供給がスキップされるため、自動的に洗浄が開始されることを回避できる。したがって、先行ラックL1の全ての検体容器Tについて、再検を円滑に行うことができる。
【0182】
また、上記実施の形態では、先行ラックL1の検体容器Tの再検要否の取得が完了するまで、後続ラックL2は、送込位置P1まで退避して待機されたが、ラック搬送部23上の他の位置で待機されてもよい。また、後続ラックL2は、所定の位置で待機せず、先行ラックL1の搬送に併せて、随時退避されてもよい。
【0183】
また、上記実施の形態では、検体容器Tおよび洗浄液容器Cは、ラックLに設置されて、測定ユニット31、32に供給されたが、ラックLに設置されず、検体容器Tおよび洗浄液容器Cが1本ずつ直接ラック搬送部23に設置されて搬送され、測定ユニット31、32に供給されてもよい。
【0184】
また、上記実施の形態では、バーコードユニットB2によって、容器の有無と、検体容器T、洗浄液容器Cの種別が識別されたが、他の識別手段で識別されてもよい。たとえば、容器に検体IDと洗浄液IDを示すICチップが配され、ICチップリーダが用いられてもよいし、検体と洗浄液で容器の形状を異ならせることによって、形状を識別する光センサが用いられてもよい。また、線状のバーコードに代えて、QRコード(登録商標)のように点を配置した二次元コードを用いてもよい。
【0185】
また、上記実施の形態では、洗浄を実行した後、測定ユニット31、32および情報処理ユニット4が自動的にシャットダウンを行うようにされたが、シャットダウンでなく、再起動であってもよいし、情報処理ユニット4のアプリケーションによって、ユーザがシャットダウンを行うか再起動を行うかを設定可能となっていてもよい。
【0186】
また、上記実施の形態では、ホストコンピュータ5によって、再検の要否が判定され、情報処理ユニット4によって、再検要否の判定結果が取得されたが、情報処理ユニット4
によって、再検の要否が判定されてもよい。
【0187】
また、上記実施の形態では、測定ユニット31、32がそれぞれ、検体の測定と、再検の処理を行ったが、上流側の測定ユニット32が、検体測定の処理のみを行い、下流側の測定ユニット31が、再検の処理のみを行うように構成されてもよい。
【0188】
また、上記実施の形態では、ラックLの保持位置1、2の検体ID、洗浄液IDを識別することによって、ラックLが検体処理を行うか、洗浄・シャットダウン処理を行うかが判断されたが、ラックIDによって、検体処理を行うか、洗浄・シャットダウン処理を行うかが判断されてもよい。
【0189】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0190】
1 … 検体分析装置
2 … 搬送ユニット(搬送部)
31、32 … 測定ユニット(測定部)
B2 … バーコードユニット(識別手段)
T … 検体容器
C … 洗浄液容器
L … ラック
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体を処理および分析する検体分析装置において、
検体容器に収容された検体を吸引して測定する測定部と、
複数の容器を搬送して測定部に容器を順次供給する搬送部と、
前記測定部が検体容器から検体を吸引して実行した測定の測定結果に基づいて、その検体の再測定の要否を取得する要否取得手段と、を備え、
前記測定部は、前記搬送部により洗浄液容器が供給された場合、その洗浄液容器から洗浄液を吸引して洗浄を実行することが可能であり、
前記検体分析装置は、前記測定部に対する容器の供給順序において、検体容器に洗浄液容器が後続する場合、少なくとも、前記要否取得手段により前記検体容器の再測定の要否の取得が終了するまで、前記洗浄液容器に収容された洗浄液の前記測定部への供給を保留する、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項2】
請求項1に記載の検体分析装置において、
前記検体分析装置は、前記測定部に対する容器の供給順序において、検体容器に洗浄液容器が後続する場合、少なくとも、前記要否取得手段により前記検体容器の再測定の要否の取得が終了するまで、前記洗浄液容器の前記検体処理部への供給を保留するよう、前記搬送部を制御する、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項3】
請求項2に記載の検体分析装置において、
前記検体分析装置は、前記要否取得手段によって前記検体容器の再測定が不要との結果が取得された場合、前記洗浄液容器を前記測定部に供給するよう、前記搬送部を制御し、供給された前記洗浄液容器からの洗浄液の吸引および洗浄を実行するよう、前記測定部を制御する、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の検体分析装置において、
前記検体分析装置は、前記要否取得手段によって前記検体容器の再測定が必要との結果が取得された場合、前記測定部において該検体容器の再測定のための吸引が完了した後、前記洗浄液容器を前記測定部に供給するよう、前記搬送部を制御し、供給された前記洗浄液容器からの洗浄液の吸引および洗浄を実行するよう、前記測定部を制御する、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一項に記載の検体分析装置において、
容器の種類を識別する識別手段をさらに備え、
前記識別手段は、前記搬送部によって搬送される容器の種類を順次識別し、
前記検体分析装置は、前記識別手段による識別の結果に基づいて、検体容器に洗浄液容器が後続するかを判断する、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一項に記載の検体分析装置において、
前記搬送部は、容器を複数保持可能なラックを搬送することにより、ラックに保持された容器を順次測定部に供給するように構成されている、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項7】
請求項6に記載の検体分析装置において、
前記検体分析装置は、先行のラックに検体容器が保持され、後続のラックに洗浄液容器
が保持されている場合、少なくとも、前記先行ラックに保持された全ての検体容器について、要否取得手段による再測定の要否の取得が終了するまで、前記後続ラックを所定の位置で停止させるよう、前記搬送部を制御する、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項8】
請求項1ないし7の何れか一項に記載の検体分析装置において、
前記検体分析装置は、洗浄を実行した後、自動的にシャットダウンを行うよう、前記測定部を制御する、
検体分析装置。
【請求項9】
検体を処理および分析する検体分析装置において、
検体容器に収容された検体を吸引して測定する測定部と、
複数の容器を搬送して前記測定部に容器を順次供給する搬送部と、
前記測定部が検体容器から検体を吸引して実行した測定の測定結果に基づいて、その検体の再測定の要否を取得する要否取得手段と、を備え、
前記測定部は、洗浄液容器が供給された場合、その洗浄液容器から洗浄液を吸引して洗浄を実行することが可能であり、
前記検体分析装置は、前記測定部に対する容器の供給順序において、検体容器に洗浄液容器が後続し、且つ、後続の洗浄液容器の前記測定部への供給時に、前記検体容器の再測定の要否の取得が終了していない場合、前記洗浄液容器の前記測定部への供給がスキップされるよう、前記搬送部を制御する、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項1】
検体を処理および分析する検体分析装置において、
検体容器に収容された検体を吸引して測定する測定部と、
複数の容器を搬送して測定部に容器を順次供給する搬送部と、
前記測定部が検体容器から検体を吸引して実行した測定の測定結果に基づいて、その検体の再測定の要否を取得する要否取得手段と、を備え、
前記測定部は、前記搬送部により洗浄液容器が供給された場合、その洗浄液容器から洗浄液を吸引して洗浄を実行することが可能であり、
前記検体分析装置は、前記測定部に対する容器の供給順序において、検体容器に洗浄液容器が後続する場合、少なくとも、前記要否取得手段により前記検体容器の再測定の要否の取得が終了するまで、前記洗浄液容器に収容された洗浄液の前記測定部への供給を保留する、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項2】
請求項1に記載の検体分析装置において、
前記検体分析装置は、前記測定部に対する容器の供給順序において、検体容器に洗浄液容器が後続する場合、少なくとも、前記要否取得手段により前記検体容器の再測定の要否の取得が終了するまで、前記洗浄液容器の前記検体処理部への供給を保留するよう、前記搬送部を制御する、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項3】
請求項2に記載の検体分析装置において、
前記検体分析装置は、前記要否取得手段によって前記検体容器の再測定が不要との結果が取得された場合、前記洗浄液容器を前記測定部に供給するよう、前記搬送部を制御し、供給された前記洗浄液容器からの洗浄液の吸引および洗浄を実行するよう、前記測定部を制御する、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の検体分析装置において、
前記検体分析装置は、前記要否取得手段によって前記検体容器の再測定が必要との結果が取得された場合、前記測定部において該検体容器の再測定のための吸引が完了した後、前記洗浄液容器を前記測定部に供給するよう、前記搬送部を制御し、供給された前記洗浄液容器からの洗浄液の吸引および洗浄を実行するよう、前記測定部を制御する、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一項に記載の検体分析装置において、
容器の種類を識別する識別手段をさらに備え、
前記識別手段は、前記搬送部によって搬送される容器の種類を順次識別し、
前記検体分析装置は、前記識別手段による識別の結果に基づいて、検体容器に洗浄液容器が後続するかを判断する、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一項に記載の検体分析装置において、
前記搬送部は、容器を複数保持可能なラックを搬送することにより、ラックに保持された容器を順次測定部に供給するように構成されている、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項7】
請求項6に記載の検体分析装置において、
前記検体分析装置は、先行のラックに検体容器が保持され、後続のラックに洗浄液容器
が保持されている場合、少なくとも、前記先行ラックに保持された全ての検体容器について、要否取得手段による再測定の要否の取得が終了するまで、前記後続ラックを所定の位置で停止させるよう、前記搬送部を制御する、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項8】
請求項1ないし7の何れか一項に記載の検体分析装置において、
前記検体分析装置は、洗浄を実行した後、自動的にシャットダウンを行うよう、前記測定部を制御する、
検体分析装置。
【請求項9】
検体を処理および分析する検体分析装置において、
検体容器に収容された検体を吸引して測定する測定部と、
複数の容器を搬送して前記測定部に容器を順次供給する搬送部と、
前記測定部が検体容器から検体を吸引して実行した測定の測定結果に基づいて、その検体の再測定の要否を取得する要否取得手段と、を備え、
前記測定部は、洗浄液容器が供給された場合、その洗浄液容器から洗浄液を吸引して洗浄を実行することが可能であり、
前記検体分析装置は、前記測定部に対する容器の供給順序において、検体容器に洗浄液容器が後続し、且つ、後続の洗浄液容器の前記測定部への供給時に、前記検体容器の再測定の要否の取得が終了していない場合、前記洗浄液容器の前記測定部への供給がスキップされるよう、前記搬送部を制御する、
ことを特徴とする検体分析装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−72710(P2013−72710A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211147(P2011−211147)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
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