説明

検体容器およびノズルチップ容積調節体

【課題】検体容器の底部に十分な容量を確保しつつ、安価かつ簡易に検体容器内の残留試料を微量に抑えることの可能な検体容器を提供することを目的とする。
【解決手段】 筒状の容器本体11と、容器本体の底面中央に凹状に設けられ、検体を吸引するノズルチップの先端を挿入可能な大きさに設けられた微小な中央収容部12とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微量の液体をサンプリングのために収容する容器に関し、特に微量検体のサンプリング用収容に用いられる検体容器と検体容器から検体をサンプリングのために吸引するノズルチップ内の容積を調節するノズルチップ容積調節体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、血液分析や遺伝子等に用いられる検体は1つの試薬試験のためのサンプリング量が例えば10マイクロリットル程度と微量であり、微小単位における検体の量管理が必要とされている。しかし、従来の大多数の検体容器は、そのような微小なサンプリング量に対して遥かに大きい容量の、緩やかな丸底形状を形成する底部または平面状の底部を有する円筒形状であるため、試薬試験を行うために検体容器から検体を順次吸引するに従って、検体が浅く底面全体を覆うように検体容器内に残留してしまう、または、平面状の底部を有する検体容器の場合、検体が検体容器底部の角に残留してしまう。このため、検体容器の凹部に、例えば、100マイクロリットル程度の微量な検体が残留した場合、吸引時に吸引ノズル先端部を検体に十分な深さまで挿入できないため、吸引ノズル先端部から検体と一緒に周囲の気体が吸引されるなど、所望の液量を正確に吸引することが難しかった。すなわち、検体容器の凹部に試験に使用可能な量の検体が収容されていても、容器内に吸引不可能な検体が残留してしまう。通常、この残留した検体は廃棄されており、貴重な検体が無駄になっていた。
【0003】
そこで、そのような問題を解決するために、特許文献1、2に示すような工夫がなされていた。特許文献1には、検体容器を、底部に向かうにつれて断面積が減少する形状の凹部を有する形状とし、吸引ノズルの先端を、先端に向かうにつれて外形断面積が減少する形状であって、かつ、検体容器の最深部まで挿入可能な形状とした液体分注装置が開示されている。かかる液体分注装置によれば、吸引ノズルの先端の開口部を検体容器の凹部の最深部まで挿入して液体を吸引することにより、検体容器の凹部の最深部の最小断面積に依存する凹部内の吸引残量を少なくできる。
【0004】
特許文献2には、検体容器を傾斜して保持し、吸引ノズルの先端部を検体容器の内側面に沿わせて吸引を行うことで、底面のコーナ部に残留する検体を吸引して検体の残留を少なくすることができる装置が開示されている。
【0005】
一方、微量の検体を、吸引ノズル先端に着脱可能に取り付けられるノズルチップ内に吸引し、吸引した検体のうち所望の量を吐出する際、ノズルチップ内の温度や湿度によりノズルチップ内の空間に検体が蒸発することでノズルチップ内の気体が増加し、所望の検体の量よりも実際に吐出される検体の量が多くなり、正確な量の検体が吐出できないという問題があった。このため、一般的には、微量の検体に対しては専用のノズルチップを用意することにより、微量の検体の吸引吐出を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−149093号公報
【特許文献2】特開2003−302411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載されるように、検体容器を、底部全体の形状を底部に向かうにつれて断面積が減少する形状とした場合には、底部の辺縁部も底部に向かうにつれて断面積が減少する形状であるため、底部の周辺部では十分な容量を確保することができなかった。さらに、特許文献1に記載されるように、検体容器の形状だけでなく、吸引ノズルの先端の形状を、先端に向かうにつれて外形断面積が減少する形状であって、かつ、検体容器の最深部まで挿入可能な形状とした場合には、検体容器と吸引ノズルの先端の両方を製造する必要があるため、安価に製造することができなかった。
【0008】
また、特許文献2のように、装置自体に検体容器を傾斜して保持し、吸引ノズルを傾斜した検体容器に沿わせて駆動する機構を装置に設ける場合には、装置に複雑な機構を新たに設ける必要があるため、新たな装置を設営するための経済的および時間的な負担が大きかった。
【0009】
また、微量の検体の吸引と吐出に際し、吸引された検体の量より吐出する検体の量が少なくなるという問題に対して専用のノズルチップを用意するためには、微量の検体を取り扱う頻度が少ない場合であっても、専用のノズルチップを製造する必要があり、製造コストが割高であった。
【0010】
本発明は上記問題に鑑みて、検体容器の底部に十分な容量を確保しつつ、安価かつ簡易に検体容器内の残留試料を微量に抑えることの可能な検体容器を提供することを目的とするものである。また、本発明は、吸引ノズルの中に気体として存在する検体の量を最小限に抑えることの可能なノズルチップ容積調節体を提供することをもう一つの目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願第1発明による検体容器は、筒状の容器本体と、該容器本体の底面中央に凹状に設けられ、検体を吸引するノズルチップの先端を挿入可能な大きさに設けられた中央収容部とを備えたことを特徴とするものである。
【0012】
ここで、「筒状」とは筒状の形状であればいかなる形状も含み、例えば、円柱などの多角柱形状や円錐台形状などを含む意味とする。また、筒状の容器本体の底面は、容器本体に収容された検体の量が吸引により減少した場合に、残留する検体が重力により中央収容部に集まるように形成されていれば、底面の凹凸や傾斜を備えてもよい。中央収容部が容器本体に設けられる「底面中央」は、検体容器が点着装置などの検体容器を使用する装置の吸引位置に配置された場合に、ノズルチップが挿入される位置に配置される位置である限り、筒状容器本体の中央近傍のいかなる位置であってもよい。
【0013】
本願第1発明による検体容器による中央収容部は、汎用の検体容器に残留が懸念される量の検体、例えば100μl程度の検体が検体容器に収納された状態で、検体を吸引するノズルチップの吸引に必要な深さが確保されていればいかなる深さでもよい。
【0014】
また、本願第1発明による検体容器は、前記容器本体の上縁に、他の検体容器の上縁に係止する係止部を備えたものであることが好ましい。
【0015】
かかる係止部は、他の検体容器の上縁に係止するいかなる形状も含み、例えば、フランジ形状であってもよく、検体容器の上縁に係止する位置に設けられた突起形状であってもよい。
【0016】
さらに、上記のように係止部を備えた場合、本願第1発明による検体容器が、前記容器本体の外周部が、前記他の検体容器の上端の内周面に嵌合する形状であることが好ましい。
【0017】
また、本願第1発明による検体容器は、前記中央収容部が、該中央収容部内の検体を吸入するノズルチップの先端に当接する位置に1.0ミリメートル以下の高さの凸部を備えたものであってもよい。
【0018】
凸部の高さは、中央収容部にノズルチップによる吸引のために十分な深さを維持する限り、異なる高さに設計可能である。凸部は1つでも複数でもよく、ノズルチップの先端と検体容器の底面に吸引される検体が通過する間隙を形成するものであればいかなる形状であってもよい。
【0019】
また、本願第1発明による検体容器は、前記中央収容部が、150マイクロリットル以下の容積であることが好ましく、より好ましくは、125マイクロリットル以下の容積であることが好ましく、さらに好ましくは、100マイクロリットル以下の容積であることが好ましい。
【0020】
また、上記の場合に、前記中央収容部の上部開口部の内径が略4乃至5ミリメートルであってもよい。
【0021】
また、本願第2発明によるノズルチップ容積調節体は、微量の液状の検体を吸引する吸引ノズルの先端に着脱可能に取り付けられるノズルチップ内に配置されて該ノズルチップ内の容積の大部分を占める栓体からなり、該栓体が、該栓体が前記ノズルチップ内に配置された状態で、前記ノズル側からノズルチップ先端部まで気体を通過させる通気路とを備えたことを特徴とするものである。
【0022】
ここで、上記「ノズルチップ内の容積の大部分」とは、ノズルチップ内の容積の少なくとも半分以上の部分を意味する。
【0023】
また、通気路は、ノズル側からノズルチップ先端部まで吸引吐出圧を伝導することができるように気体を通過させることができるとともにノズルチップ容量を所望の容量減少できるものであれば、任意のサイズおよび形状で任意の数設けることができる。
【0024】
また、本願第2発明によるノズルチップ容積調節体において、前記栓体は、ノズルチップ内の容積の70パーセント以上の体積であることが好ましい。
【0025】
また、本願第2発明によるノズルチップ容積調節体において、前記栓体は、ノズルチップ内に配置されうる形状であれば、いかなる形状であってもよいが、ノズルチップの内壁に沿う形状である場合に好ましく用いることができ、例えば、栓体は、ノズルチップの内壁が略円錐台であれば、ノズルチップの内壁に沿った略円錐台形状であることが好ましく、ノズルチップの内壁が多角柱形状であれば、かかる多角柱形状に沿った略多角柱形状であることが好ましい。
【0026】
また、本願第2発明によるノズルチップ容積調節体において、前記通気路は、前記栓体の外周に設けられた凹凸により形成されたものであってもよい。例えば、前記栓体の外周に設けられた凹部により溝状に形成することが考えられる。
【0027】
また、本願第2発明によるノズルチップ容積調節体において、前記通気路は、前記栓体内部に設けられた貫通孔であってもよい。
【発明の効果】
【0028】
本願第1発明による検体容器は、筒状の容器本体と、該容器本体の底面中央に凹状に設けられ、検体を吸引するノズルチップの先端を挿入可能な大きさに設けられた中央収容部とを備えたため、検体容器が中央収容部の容量を超えて検体が収容する際には筒状用器本体部分で十分な容量を確保するともに、検体が中央収容部の容量以下になった場合には、中央収容部の容量に検体を集中させることができるため、検体容器中に微量の検体が残留した場合であっても、中央収容部に検体を集中させることができ、ノズルチップによって良好に吸引できるだけの深さを確保することができる。すなわち、検体容器の底部に十分な容量を確保しつつ、簡易な構造で検体容器内の残留試料を微量に抑えることができる。また、ノズルチップなどの他の既存の装置や装置の使用品に変更を加える必要がなく、検体容器のみを製造すればよいため省コスト性が高い。
【0029】
また、本願第1発明による検体容器が、容器本体の上縁に、他の検体容器の上縁に係止する係止部を備えたものであれば、既存の装置に汎用の検体容器を配置し、汎用の検体容器に本願第1発明の検体容器を係止させて吸引作業を行うことができる。つまり、他の検体容器を本願第1発明の検体容器のための支持台として用いることにより、既存の装置に変更を加えることなく吸引作業を実施でき、新たな装置を設営する必要がないため省コスト性が高い。
【0030】
さらに、上記のように係止部を備えた場合、本願第1発明による検体容器が、容器本体の外周部が、他の検体容器の上端の内周面に嵌合する形状である場合には、他の検体容器の上縁に係止部をより安定して係止させることができるとともに中央収容部を安定して所定の位置に位置決めできるため、良好に吸引作業を行うことができる。
【0031】
また、本願第1発明による検体容器は、中央収容部が、中央収容部内の検体を吸入するノズルチップの先端に当接する位置に1.0ミリメートル以下の高さの凸部を備えたものである場合には、ノズルチップの先端が検体容器の底面に当接してノズルチップの吸入路が塞がれることがなく、良好に吸引作業を行うことができる。
【0032】
また、本願第1発明による検体容器は、中央収容部が、150マイクロリットル以下の容積である場合には、汎用の検体容器を用いた場合吸引ノズルに対して良好に吸入できずに残留してしまう検体の体積と中央収容部の容積が略等しいため、汎用の検体容器を用いた場合ノズルチップに対して良好に吸入できずに残留してしまう検体の体積に対して、良好に吸引作業を行うことができる。
【0033】
また、上記の場合に、中央収容部の上部開口部の内径が略4乃至5ミリメートルであル場合には、汎用のノズルチップに対して十分挿入可能な内径を有するため、良好に吸引作業を行うことができる。
【0034】
また、本願第2発明によるノズルチップ容積調節体は、微量の液状の検体を吸引する吸引ノズルの先端に着脱可能に取り付けられるノズルチップ内に配置されてノズルチップ内の容積の大部分を占める栓体からなるため、ノズルチップ容積調節体をノズルチップ内に配置するだけで容易にノズルチップ内の容積を減少させることができ、ノズルチップの中に検体が蒸発することによる吐出液量への影響を抑制することができる。この結果として、精度よく微量の検体を吸引吐出することができる。
【0035】
また、本願第2発明によるノズルチップ容積調節体において、栓体がノズルチップ内の容積の70パーセント以上の体積である場合には、吸引される検体の揮発する空間をより減少させることができ、吸引ノズルの中に気体として存在する検体の量をより抑制することができる。
【0036】
また、本願第2発明によるノズルチップ容積調節体において、栓体がノズルチップの内壁に沿った略円錐台形状である場合には、ノズルチップ内に安定して位置決めでき、ノズルチップの内壁に沿って効果的にノズルチップ内の容積を減少させることができ、吸引ノズルの中に気体として存在する検体の量を抑制することができる。
【0037】
また、本願第2発明によるノズルチップ容積調節体において、通気路が栓体の外周に設けられた凹凸により形成されたものである場合には、簡易な構造で吸引路を形成でき、製造が容易である。
【0038】
また、本願第2発明によるノズルチップ容積調節体において、通気路が栓体内部に設けられた貫通孔であってもよい。簡易な構造で吸引路を画定でき、製造が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態による検体容器を使用するための分析装置の点着機構を示す概略機構図
【図2】本実施形態に使用される検体容器の正面図とA−A断面図
【図3A】本実施形態における検体容器の使用例
【図3B】本実施形態における検体容器の変形例
【図4】本実施形態における検体容器の変形例
【図5】本実施形態におけるノズルチップ容積調節体平面図と側面図
【図6】本実施形態におけるノズルチップ容積調節体の使用方法を説明するノズル断面図
【図7】本実施形態の変形例におけるノズルチップ容積調節体の平面図と側面図
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明するが、本発明はこれに限られるものではない。なお、視認しやすくするため、図面中の各構成要素の縮尺等は実際のものとは適宜異ならせてある。
【0041】
図1は本明細書に記載された各実施形態の検体容器1およびノズルチップ容積調節体6が使用される点着機構100の概略構成図であり、図2は本実施形態の検体容器1の正面図とA−A断面図であり、図3Aは本実施形態における検体容器1の使用例を説明するための図である。
【0042】
図1に示す分析装置における点着機構100は、液体の吸引・吐出を行うもので、吸引ノズル2と、この吸引ノズル2の先端に着脱交換可能に装着され液体を収容するピペット状のノズルチップ3とを備える。吸引ノズル2の中心部には軸方向に貫通して先端部に開口するエア通路2aを有し、このエア通路2aには吸引吐出ポンプ4からの不図示のエア回路が接続される。なお、図1は、ノズル2の一部などを説明のため断面図で表している。
【0043】
制御部20は、駆動信号をポンプ駆動部21へ送出して吸引吐出ポンプ4を制御するとともにノズルを上下動および横移動させるための駆動信号をノズル駆動部22に創出して移動部22aの移動を制御する。また、この制御部20には、検体容器を特定する情報が入力される。そして、入力された検体容器のタイプ、ノズルチップ3内への液体吸引量およびノズルチップ3よりの液体吐出量に応じた不図示のピストン部材の作動量(モータ駆動量)が設定され、モータに駆動信号を出力するようになっている。
【0044】
吸引吐出ポンプ4はシリンジポンプ等の脈動変化の少ない負圧および正圧を生成するものが使用され、ポンプ駆動部(モーター)21によって駆動される。図示のシリンジポンプによる吸引吐出ポンプ4の場合、ポンプ駆動部21におけるモータの正転または逆転駆動に応じて不図示のピストン部材を移動させて負圧(吸引圧)および正圧(吐出圧)を発生させるものであり、その圧力はエア回路5によって吸引ノズル2内部のエア通路2aを介してノズルチップ3の内部に導入される。
【0045】
また、上記吸引ノズル2は、移動部22aの昇降機構および横移動機構などによって上下動および横移動可能に取り付けられて、ノズル駆動部22によって上下動および横移動の作動が制御される。吸引ノズル2は、例えば、乾式分析素子10への点着時には、検体容器1から検体8を吸引し、乾式分析素子10に所定量吐出点着するように設けられている。かかる乾式分析素子10への点着は、複数の乾式分析素子10に対して1つのノズルチップ3を用いて順次同一の検体8を連続的に点着する。
【0046】
ノズルチップ3は全体としてピペット状であり、下端に液体を吸引・吐出する先端開口3aを有し、この開口3aにつながる容積部分に液体を収容する。ノズルチップ3の上部は吸引ノズル2の先端に密に嵌合されるもので、吸引ノズル2の下降移動によって、その先端部が挿入され、その嵌合力によりノズルチップ3が吸引ノズル2に装着保持される。ノズルチップ3と吸引ノズル2との嵌合によりエア通路2aの圧力がノズルチップ3内に導入され、吸引圧によりノズルチップ3内に液体を吸引し、吐出圧によりノズルチップ3内の液体を吐出する。使用後のノズルチップ3は、嵌合を外して廃却される。詳細は後述するが、本発明のノズルチップ容積調節体6は、かかるノズルチップ3内に配置されて使用される。
【0047】
図2および図3Aを用いて、上記点着装置にセットされている本実施形態の検体容器1について説明する。
【0048】
図2に示すように、本実施形態による検体容器1は、筒状の容器本体11(以下、筒状容器本体11)と、容器本体の底面15の中央に凹状に設けられ、検体を吸引するノズルチップ3の先端を挿入可能な大きさに設けられた中央収容部12とを備える。
【0049】
本実施形態では、筒状容器本体11は円柱形状であるが、これに限られず、底面15を有する筒状であればどのような形状でもよく、例えば、円柱などの多角柱形状でもよく、円錐台形状などでもよい。また、筒状容器本体11の底面15は、筒状容器本体11に収容された検体の量が吸引により減少した場合に、残留する検体が重力により中央収容部12に集まるように形成されている。なお、筒状容器本体11の底面15は、筒状容器本体11に収容された検体の量が吸引により減少した場合に、残留する検体が重力により中央収容部12に集まるように形成されていれば、底面の凹凸や傾斜を備えてもよい。
【0050】
筒状容器本体11の容量は、測定の目的や装置構成に適した容量に設計してよい。ここでは、筒状容器本体11の容量は、検体を収容するために用いられる一般的な真空採血管の5乃至10mlより小さい500μl以下とする。
【0051】
中央収容部12が筒状容器本体11に設けられる「底面中央」は、検体容器1が点着装置などの検体容器1を使用する装置の吸引位置に配置された場合に、ノズルチップ3が挿入される位置に配置される位置である限り、筒状容器本体11の中央近傍のいかなる位置であってもよい。
【0052】
図2に示すように、本実施形態における中央収容部12は、円錐台形状である。本実施形態に限定されず、中央収容部12は、検体を吸引するノズルチップ3を挿入可能な深さが確保されている凹状の形状であればいかなる形状に形成されてもよい。好適には、微量の検体であってもノズルチップ3を挿入可能な深さを良好に維持するため、中央収容部12は深さ方向に細長い形状であることが好ましい。また、中央収容部12の最下部に検体を集中させるため、中央収容部12の底面付近は中央収容部12の最下部に向かって低くなる傾斜を有する形状であることが好ましい。例えば、深さ方向に細長い形状である、円錐、円錐台、円柱または回転放物面を形成する形状などが好ましく、さらには、中央収容部12の底面付近は中央収容部12の最下部に向かって低くなる傾斜を有する、円錐、円錐台、半球または回転放物面を形成する形状などが好ましい。
【0053】
また、中央収容部12の容量は、汎用の検体容器1で残留する検体の容量以下に設けることが好ましい。本実施形態では、中央収容部12の容量は150μlとする。また、中央収容部12の上部開口部の内径12bが略4乃至5mmであり、深さ12aが10−15mmである。なお、中央収容部12の容量は、さらに好ましくは125μlであり、さらに好ましくは100μlである。なお、中央収容部12の上部開口部は、検体容器1を使用する装置のノズルチップの検体の吸引時の位置決め精度に応じて、ノズルチップを挿入可能な大きさに対して適宜余裕を設けることが好ましい。
【0054】
また、本実施形態において、中央収容部12の底面積は筒状容器本体11の底面積の30%以下である。ここで、中央収容部12は、微量の検体であってもノズルチップ3を挿入可能な深さを良好に維持するため、ノズルチップを挿入可能な大きさを有する範囲で、筒状容器本体11の容量に対して中央収容部12の容量を相対的に十分小さいものとすることが好ましい。このため、筒状容器本体11の底面積に対して、中央収容部の開口部の面積を30%以下、さらに好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下にすることが好ましい。
【0055】
また、かかる中央収容部12は、汎用の検体容器1に残留が懸念される量の検体が検体容器1に収納された状態で、検体を吸引するノズルチップ3を挿入可能な深さが確保されていればいかなる深さでもよい。
【0056】
本実施形態では、筒状容器本体11の上縁に、他の検体容器7の上縁に係止する係止部13を備える。係止部13は、フランジ形状であり、フランジ部分が検体を収容するために用いられる一般的な5乃至10ml容量の真空採血管の上縁に係止可能な幅に設けられている。
【0057】
なお、かかる係止部13は、他の検体容器7の上縁に係止するものであればいかなる形状でもよい。例えば、検体容器1の上縁に係止する位置に設けられた突起形状であってもよい。
【0058】
また、本実施形態における筒状容器本体11の外周部は、上記一般的な5乃至10ml容量の真空採血管の上端の内周面に嵌合する形状に設けられている。図3Aに示すように、本実施形態の筒状容器は、係止部13をかかる真空採血管の上縁に係止させ、筒状容器本体11の外周部を、真空採血管の上端の内周面に嵌合させることにより、真空採血管の上端に配置できる。検体容器1が上述の点着装置に装着された真空採血管の上端に配置されるため、吸引ノズル2の動作は、上下動の距離を異ならせる以外は真空採血管の場合における通常の吸引動作とほぼ同じとなる。すなわち、ノズルチップ3が中央収容部12の中に吸引に必要な深さまで挿入され、中央収容部12に収容された検体が吸引される。
【0059】
本発明における検体容器1は、合成樹脂を成型加工して製造される。なお、検体容器1の材質には、ガラスや合成樹脂など汎用の検体容器1を製造可能なものであれば、いかなる材質を用いることができ、かかる形状を形成可能であれば周知の種々の製造方法を適用可能である。
【0060】
図4は本実施形態における検体容器1の変形例の図である。また、図4に示すように、本実施形態の検体容器1による中央収容部12は、該中央収容部12内の検体を吸入するノズルチップ3の先端に当接する位置に1.0mm以下の高さの凸部14を備えてもよい。図4の例では、0.5mmの高さの突起状の凸部を2−3個設けた例を表している。ただし、凸部14の高さは、中央収容部12にノズルチップ3による吸引のために十分な深さを維持する限り、0.5mmだけでなく、1.0mm、0.8mm、0.6mm、0.4mm、0.3mmまたは0.2mmなど1.0mm以下の異なる高さに任意に設計可能である。凸部14は1つでも複数でもよく、ノズルチップ3の先端と検体容器1の底面に吸引される検体が通過する間隙を形成するいかなる形状であってもよい。
【0061】
次いで、図5乃至7を用いて、上記分析装置にセットされている本実施形態のノズルチップ容積調節体6について説明する。図5は、本実施形態におけるノズルチップ容積調節体平面図と側面図であり、図6は、本実施形態におけるノズルチップ容積調節体の使用方法を説明するノズルチップ等の断面図であり、図7は、ノズルチップ容積調節体の変形例の平面図と側面図である。
【0062】
図5、6に示すように、本実施形態によるノズルチップ容積調節体6は、微量の液状の検体を吸引する吸引ノズルの先端に着脱可能に取り付けられるノズルチップ3内に配置されてノズルチップ3内の容積の大部分を占める栓体6aからなり、栓体6aが、栓体6aがノズルチップ3内に配置された状態で、ノズル側からノズルチップ3先端部まで気体を通過させる通気路6bとを備える。なお、「ノズルチップ内の容積の大部分」とは、ノズルチップ内の容積の少なくとも半分以上の部分を意味する。図6に示すように、ノズル2の吸引吐出圧は、エア通路2a、ノズルチップ容積調節体6とノズル先端との間の空間3c、通気路6b,ノズルチップ容積調節体6とノズルチップ3の先端との間の空間3bを介してノズルチップの先端3aに伝えられる。
【0063】
また、本実施形態による栓体6aは、ノズルチップ3内の容積の70%の体積を有する。栓体6aは、ノズルチップ3の体積と吸引する検体の量に応じて、適切に設計されることが好ましく、ノズルチップ3内の容積の少なくとも50%以上の体積であり、70%以上の体積であることが好ましく、80%以上の体積であることがさらに好ましく、吸引された検体のスペースを確保できるものであれば、さらに大きい体積であってもよい。
【0064】
図6に示すように、本実施形態による栓体6aは、ノズルチップ3の内壁に沿った略円錐台形状である。すなわち、栓体6aの外周は、ノズルチップの内壁によって形成される円錐台と概ね同じ大きさの円錐台を形成するように構成されている。本実施形態のノズルチップ3は、先端の内径0.5mm、外径1mm、先端の逆側端部での内径5mm、外径7mm、長さ35mmの略円錐形状の形状であり、容量は約150μlである。これに対応するために、本実施形態の栓体6aは、栓体6aのノズルチップ先端側の端面6dの直径が2乃至3mmであり、栓体6aの内壁の形状と一致させて断面積がノズル側に向かって大きくなるような形状である。
【0065】
なお、栓体6aは、ノズルチップ3内に配置されうる形状であればいかなる形状であってもよい。また、栓体6aは、ノズルチップ3の内壁に沿う形状であることが好ましく、ノズルチップ3の内壁が多角柱形状であれば、かかる多角柱形状に沿った略多角柱形状であることが好ましい。
【0066】
通気路6bは、ノズル2側からノズルチップ3先端部まで吸引吐出圧を伝導できるように気体を通過させることができるとともにノズルチップ3の容量を所望の容量減少できるものであれば、任意のサイズおよび形状で任意の数設けることができる。
【0067】
また、本実施形態において、通気路6bは、栓体6aの外周に設けられた凹凸により形成されている。詳細には、通気路6bは、図5に示すように、栓体6aの外周に設けられた凹部により溝状に形成する。なお、本実施形態において、通気路6bは、栓体6aの吸引方向に直交する断面において、ノズルチップに装着した際のノズルチップの半径方向に0.3mm程度の半円形状になるように設けられている。例えば、通気路6bを、栓体6a内部に設けられた貫通孔にしてもよく、図7のように、本実施形態の変形例として、栓体6aの外周に設けられた凹部の溝の幅を本実施形態の溝の幅よりも大きく設けて構成してもよい。言い換えると、栓体6aの外周に突起状の部分6cを設け、栓体6aとノズルチップ3との間に間隙を形成せしめて、これを通気路6bとしてもよい。栓体6aとノズルチップ3との間に間隙は、例えば、ノズルチップに装着した際のノズルチップの半径方向に0.5mm、0.4mm、0.3mm、0.2mmなど通気路として作用する限り任意のサイズに設定可能である。
【0068】
以下、本実施形態における検体容器1およびノズルチップ容積調節体6の作用について説明する。
【0069】
本実施形態によれば、検体容器1が中央収容部12の容量を超えて検体が収容する際には筒状用器本体部分で十分な容量を確保するともに、検体容器1に検体を収容している限り、中央収容部12に検体を集中させることができるため、検体容器1中に微量の検体が残留した場合であっても、検体容器1の底面に深さ方向に凹状に設けられた中央収容部12で、ノズルチップ3によって良好に吸引できるだけの深さを確保することができる。すなわち、検体容器1の底部に十分な容量を確保しつつ、簡易な構造で検体容器1内の残留試料を微量に抑えることができる。また、ノズルチップなどの他の既存の装置や装置の使用品に変更を加える必要がなく、検体容器のみを製造すればよいため省コスト性が高い。
【0070】
また、本実施形態による中央収容部12は、中央収容部12は深さ方向に細長い円錐台形状であるため、微量の検体であってもノズルチップ3を挿入可能な深さを良好に維持することができる。また、中央収容部12の底面付近は中央収容部12の最下部に向かって低くなる傾斜を有する円錐台形状であるため、中央収容部12の最下部に好適に検体を集中させることができ、ノズルチップ3を挿入可能な深さをより良好に維持することができる。
【0071】
また、本実施形態によれば、中央収容部12が、150マイクロリットル以下の容積であるため、汎用の検体容器1を用いた場合吸引ノズルに対して良好に吸入できずに残留してしまう検体の体積と中央収容部12の容積が略等しく、汎用の検体容器1を用いた場合ノズルチップ3に対して良好に吸入できずに残留してしまう検体の体積に対して、良好に吸引作業を行うことができる。
【0072】
また、中央収容部12の上部開口部の内径が略4乃至5ミリメートルである場合には、汎用のノズルチップ3に対して十分挿入可能な内径を有するため、良好に吸引作業を行うことができる。
【0073】
また、本実施形態による中央収容部12は、筒状容器本体11の底面積に対して、中央収容部の開口部の面積が30%以下であるため、筒状容器本体11の容量に対して、中央収容部12の容量を相対的に十分小さいものとすることができ、微量の検体であってもノズルチップ3を挿入可能な深さを良好に維持することができる。
【0074】
また、本実施形態による検体容器1は、筒状容器本体11の上縁に、他の検体容器7の上縁に係止する係止部13を備えたものであるため、既存の装置に汎用の検体容器1を配置し、汎用の検体容器1に本願第1発明の検体容器1を係止させて吸引作業を行うことができる。つまり、他の検体容器7を本願第1発明の検体容器1のための支持台として用いることにより、既存の装置に変更を加えることなく吸引作業を実施でき、新たな装置を設営する必要がないため省コスト性が高い。
【0075】
また、上記のような係止部13を備えた検体容器1には、検体容器1が他の検体容器7の上縁に係止する係止部13を備えている場合には、まずは他の検体容器7をセットして点着動作を行い、他の検体容器7では吸引できない量に検体が減少すると、この他の検体容器7に残留した検体を本発明の検体容器1に注射器などで移し替えて、残留した検体を吸引するといった使用方法が考えられる。このことにより、係止部13を備えた検体容器1は、他の検体容器7の使用頻度が多い使用環境において、貴重な検体である場合など検体の種類や検査目的などに応じて、他の検体容器7と本発明の検体容器1を使い分けるといった柔軟な利用が可能である。
【0076】
さらに、筒状容器本体11の外周部が、他の検体容器7の上端の内周面に嵌合する形状であるため、他の検体容器7の上縁に係止部13をより安定して係止させることができるとともに中央収容部12を安定してノズルチップ3が挿入される所定の位置に位置決めできるため、良好に吸引作業を行うことができる。
【0077】
また、本実施形態における検体容器1の変形例として、筒状容器本体11の外周部を、異なる内径を有する複数種類の他の検体容器に対して、それぞれの他の検体容器の上縁の内周面に嵌合する形状に設けてもよい。図3Bは、筒状容器本体11の外周部を、異なる内径を有する2種類の他の検体容器に対して、それぞれの他の検体容器の上縁の内周面に嵌合する形状に設けた例を表す図である。例えば、図3Bに示すように、他の検体容器の上端の内径がそれぞれ12mm、15mmである、2種類の汎用の検体容器の両方に対して、筒状容器本体11の外周部11Aが検体容器の上端の内径が15mmの検体容器に嵌合する形状に設けられ、外周部11Bが検体容器の上端の内径が12mmの検体容器に嵌合する形状に設けられてもよい。なお、図3Bに示す検体容器1の変形例では、上端の内径が12mmである他の検体容器7と外周部11Bの嵌合時には、筒状容器本体11の外周部11Bの外径より大きい外径を有する筒状容器本体11の上方部分が、係止部13として機能する。また、上端の内径が15mmである他の検体容器と外周部11Aの嵌合時には、筒状容器本体11の上縁に設けられたフランジ部分が係止部13として機能する。
【0078】
上記のように、筒状容器本体11の外周部を、異なる内径を有する複数種類の他の検体容器に対して、それぞれの他の検体容器の上縁の内周面に嵌合する形状に設けた場合には、簡易な構造で異なる内径を有する複数の検体容器の上縁のそれぞれに検体容器1を安定して係止させることができるため、検体容器の汎用性に優れるとともに省コスト性が高い。
【0079】
また、図4に示すように、本実施形態の検体容器1による中央収容部12が、該中央収容部12内の検体を吸入するノズルチップ3の先端に当接する位置に1.0mm以下の高さの凸部14を備えた場合には、ノズルチップ3の先端が検体容器1の底面に当接してノズルチップ3の吸入路が塞がれることがなく、良好に吸引作業を行うことができる。
【0080】
また、本実施形態によれば、ノズルチップ容積調節体6は、微量の液状の検体を吸引する吸引ノズルの先端に着脱可能に取り付けられるノズルチップ3内に配置されてノズルチップ3内の容積の大部分を占める栓体6aからなるため、ノズルチップ容積調節体6をノズルチップ3内に配置するだけで容易にノズルチップ3内の容積を減少させることができ、ノズルチップの中に検体が蒸発することによる吐出液量への影響を抑制することができる。この結果、精度よく微量の検体を吸引吐出することができる。
【0081】
また、ノズルチップ容積調節体6が、栓体6aがノズルチップ内の容積の70パーセント以上の体積であるため、吸引される検体の揮発する空間をより減少させることができ、吸引ノズルの中に気体として存在する検体の量をより抑制することができる。
【0082】
また、本実施形態のノズルチップ容積調節体6において、栓体6aがノズルチップ3の内壁に沿った略円錐台形状であるため、ノズルチップ3内に安定して位置決めでき、ノズルチップ3の内壁に沿って効果的にノズルチップ3内の容積を減少させることができ、吸引ノズルの中に気体として存在する検体の量を抑制することができる。また、本実施形態のノズルチップ容積調節体6は略円錐台形状であるため、ノズルチップ3内の容量を所望量減少させうる範囲で、異なるサイズの略円錐台形状のノズルチップ3に適用可能である。つまり、このような異なるサイズのノズルチップ3に挿入可能なノズルチップ容積調節体6であれば、専用ノズルチップよりも汎用性が高いため、ノズルチップ内の容量を減少させる要求の頻度が少ない場合など、割高に専用ノズルチップを製造または購入するコストや労力を省くことができる。
【0083】
また、本実施形態のノズルチップ容積調節体6において、通気路6bが栓体6aの外周に設けられた凹凸により形成されたものであるため、簡易な構造で吸引路を画定でき、製造が容易である。また、図5に示すように、外周面に溝状に通気路6bを設ける場合には、通気路6bを貫通工とする場合よりも製造が容易であり、製造コストをさらに抑えて通気路6bを設けることができる。また、本実施形態のノズルチップ容積調節体6において、通気路6bが栓体6a内部に設けられた貫通孔である場合にも、簡易な構造で吸引路を画定でき、製造が容易である。
【0084】
本発明の検体容器1及びノズルチップ容積調節体6は、それぞれ、ノズルチップによって検体を吸引する装置であれば、分注装置など種々の装置に有効に適用可能である。
【0085】
本明細書の各実施形態および変形例は、本発明の本質を逸脱しない範囲において任意の組合せおよび各種の変形を包含するものとする。
【符号の説明】
【0086】
1 検体容器
2 吸引ノズル
3 ノズルチップ
4 吸引吐出ポンプ
5 エア回路
6 ノズルチップ容積調節体
8 検体
9 希釈液
10 乾式分析素子
11 筒状容器本体
12 中央収容部
13 係止部
20 制御部
21 ポンプ駆動部
22 ノズル駆動部
100 点着機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の容器本体と、
該容器本体の底面中央に凹状に設けられ、検体を吸引するノズルチップの先端を挿入可能な大きさに設けられた中央収容部とを備えたことを特徴とする検体容器。
【請求項2】
前記容器本体の上縁に、他の検体容器の上縁に係止する係止部を備えたことを特徴とする請求項1記載の検体容器。
【請求項3】
前記容器本体の外周部が、前記他の検体容器の上端の内周面に嵌合する形状であることを特徴とする請求項2記載の検体容器。
【請求項4】
前記中央収容部は、該中央収容部内の検体を吸入するノズルチップの先端に当接する位置に1.0ミリメートル以下の高さの凸部を備えたものであることを特徴とする1から3いずれか1項記載の検体容器。
【請求項5】
前記中央収容部は、150マイクロリットル以下の容積であることを特徴とする1から4いずれか1項記載の検体容器。
【請求項6】
前記中央収容部の上部開口部の内径が略4乃至5ミリメートルであることを特徴とする請求項5記載の検体容器。
【請求項7】
微量の液状の検体を吸引する吸引ノズルの先端に着脱可能に取り付けられるノズルチップ内に配置されて該ノズルチップ内の容積の大部分を占める栓体からなり、
該栓体が、該栓体が前記ノズルチップ内に配置された状態で、前記ノズル側からノズルチップ先端部まで気体を通過させる通気路とを備えたことを特徴とするノズルチップ容積調節体。
【請求項8】
前記栓体は、ノズルチップ内の容積の70パーセント以上の体積であることを特徴とする請求項7記載のノズルチップ容積調節体。
【請求項9】
前記栓体は、前記ノズルチップの内壁に沿った略円錐台形状であることを特徴とする請求項7または8記載のノズルチップ容積調節体。
【請求項10】
前記通気路は、前記栓体の外周に設けられた凹凸により形成されたものであることを特徴とする請求項9記載のノズルチップ容積調節体。
【請求項11】
前記通気路は、前記栓体内部に設けられた貫通孔であることを特徴とする請求項9記載のノズルチップ容積調節体。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−167991(P2012−167991A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28559(P2011−28559)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】