検体搬送システム、検体処理システムおよび制御装置

【課題】搬送部間での検体ラックの受け渡しに不具合が生じている場合に、その原因を容易に究明することを可能とする検体搬送システム、検体処理システムおよび制御装置を提供する。
【解決手段】検体処理システム1は、回収ユニット23と、検体並び替え装置24と、前処理ユニット25を備えている。検体並び替え装置24は、外部接続ケーブルC1、C2により、それぞれ、回収ユニット23と前処理ユニット25に接続されている。回収ユニット23と前処理ユニット25は、搬送コントローラ6によって搬送制御されている。搬送コントローラ6の表示入力部には、回収ユニット23と前処理ユニット25が、検体並び替え装置24との間で行う検体ラックの受け渡しに関する通信信号の経時的推移が表示される。これにより、検体ラックの受け渡しに関する状態を容易に把握することができる。
【解決手段】検体処理システム1は、回収ユニット23と、検体並び替え装置24と、前処理ユニット25を備えている。検体並び替え装置24は、外部接続ケーブルC1、C2により、それぞれ、回収ユニット23と前処理ユニット25に接続されている。回収ユニット23と前処理ユニット25は、搬送コントローラ6によって搬送制御されている。搬送コントローラ6の表示入力部には、回収ユニット23と前処理ユニット25が、検体並び替え装置24との間で行う検体ラックの受け渡しに関する通信信号の経時的推移が表示される。これにより、検体ラックの受け渡しに関する状態を容易に把握することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体を保持した検体ラックを搬送する検体搬送システム、当該検体搬送システムによって搬送される検体を処理する検体処理システムおよび検体ラックの搬送制御を行う制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の搬送部を接続し、これら搬送部を用いて検体ラックを検体処理装置に搬送する検体処理システムが知られている。
【0003】
たとえば、以下の特許文献1には、遠心分離部、開栓部等の前処理装置と、検体分析装置と、検体を保持した検体ラックを前処理装置、検体分析装置等に搬送するための複数の搬送ラインとを備えた検体搬送システムが開示されている。この検体搬送システムでは、隣接する搬送ライン同士が通信を行うことにより検体ラックの受け渡しが行われている。たとえば、第1搬送ラインから第2搬送ラインに検体ラックを搬送する場合には、第1搬送ラインがラック受け渡し要求メッセージを第2搬送ラインに送信し、第2搬送ラインは、このメッセージを受信すると、ラック搬入許可信号を第1搬送ラインに送信し、検体ラックが第1搬送ラインから第2搬送ラインに渡される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−242179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のように、搬送部同士が連携して検体ラックを搬送する検体搬送システムにおいては、搬送部間での通信に不具合が生じることによって、搬送部間での検体ラックの受け渡しが適切に行われない場合がある。そのため、このような検体搬送システムにおいては、搬送部間での検体ラックの受け渡しに不具合が生じている場合に、その原因を究明したいという要望がある。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、搬送部間での検体ラックの受け渡しに不具合が生じている場合に、その原因を容易に究明することを可能とする検体搬送システム、検体処理システムおよび制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、検体搬送システムに関する。本態様に係る検体搬送システムは、検体を保持した検体ラックを搬送するための第1搬送部と、前記第1搬送部との間で前記検体ラックを受け渡し可能に配置されるとともに、前記第1搬送部と通信可能な第2搬送部と、表示部と、前記第1搬送部と前記第2搬送部との間の前記検体ラックの受け渡しに関する通信信号の経時的推移を反映した状態情報を前記表示部に表示させる制御部と、を備える。
【0008】
本態様に係る検体搬送システムによれば、第1搬送部と第2搬送部との間の検体ラックの受け渡しに関する通信信号の経時的推移をユーザが確認することができるため、搬送部間での検体ラックの受け渡しに係る各搬送部の状態を容易に把握することができる。そのため、搬送部間での検体ラックの受け渡しに不具合が生じている場合に、その原因を容易に検証することができる。したがって、たとえば、あるメーカの搬送部に他のメーカの搬
送部を接続した場合に、検体ラックの受け渡しに不具合が生じても、その原因を容易に究明することが可能となる。
【0009】
本態様に係る検体搬送システムにおいて、前記第1搬送部から前記第2搬送部に前記検体ラックが渡される場合、前記第1搬送部は、前記検体ラックの搬出に関する第1信号を前記第2搬送部に提供し、前記第2搬送部は、前記検体ラックの受入に関する第2信号を前記第1搬送部に提供し、前記制御部は、前記第1信号の経時的推移を反映した第1状態情報と、前記第2信号の経時的推移を反映した第2状態情報とを含む画面を前記表示部に表示させるよう構成され得る。こうすると、第1状態情報と第2状態情報の経時的推移をユーザが確認することができるため、搬送部間での検体ラックの受け渡しに不具合が生じている場合に、その原因をさらに容易に検証することができる。
【0010】
この場合に、前記第1状態情報は、前記第1信号の変化の様子を経時的に示す情報であり、前記第2状態情報は、前記第2信号の変化の様子を経時的に示す情報であるよう構成され得る。こうすると、搬送部の状態が明確に表現されるため、搬送部の状態をより容易に把握することが可能となる。
【0011】
また、本態様に係る検体搬送システムにおいて、前記第1信号は、前記第1搬送部が前記検体ラックの搬出動作を行っている状態にあるか否かを示す搬出動作信号であり、前記第2信号は、前記第2搬送部が前記検体ラックを受入可能な状態にあるか否かを示す受入可能信号であるよう構成され得る。こうすると、搬出動作信号と受入可能信号が表示されるため、検体ラックの受け渡し動作に直接関連する信号をユーザが確認することができる。これにより、検体ラックの受け渡しの不具合の原因をより容易に究明することが可能となる。
【0012】
この場合に、前記第1搬送部は、前記検体ラックの搬出が完了したことを検出するための第1センサと、前記搬出動作信号を提供する第1提供部と、前記第1センサによって前記検体ラックの搬出完了を検出した場合に、前記搬出動作信号の提供を中止するよう前記第1提供部を制御する第1制御部と、を備えるよう構成され得る。
【0013】
また、前記第2搬送部は、前記検体ラックを受け入れたことを検出するための第2センサと、前記受入可能信号を提供する第2提供部と、前記第2センサによって前記検体ラックの受け入れを検出した場合に、前記受入可能信号の提供を中止するよう前記第2提供部を制御する第2制御部と、を備えるよう構成され得る。
【0014】
また、前記第1搬送部は、前記検体ラックの搬出が完了したことを検出するための第1センサを備え、前記第2搬送部は、前記検体ラックを受け入れたことを検出するための第2センサを備え、前記制御部は、前記第1センサおよび前記第2センサの検出状態を示す情報を前記表示部に表示させるよう構成され得る。こうすると、第1および第2センサの検出状態を確認することによって、第1および第2センサが不具合なく稼働しているか否かを確認することができる。これにより、搬送部間の接続不具合の原因をより正確に究明することが可能となる。
【0015】
また、本態様に係る検体搬送システムにおいて、前記第2搬送部は、当該第2搬送部に異常が生じているか否かを示す異常信号を前記第1搬送部に提供するよう構成され、前記制御部は、前記異常信号の経時的推移を反映した異常状態情報を前記表示部に表示させるよう構成され得る。こうすると、検体ラックの受け渡しの不具合が、搬送部の異常によるものか否かも容易に検証することができる。
【0016】
また、本態様に係る検体搬送システムにおいて、前記第2搬送部は、当該第2搬送部の
電源がONされているか否かを示す電源信号を前記第1搬送部に提供するよう構成され、前記制御部は、前記電源信号の経時的推移を反映した電源状態情報を前記表示部に表示させるよう構成され得る。こうすると、検体ラックの受け渡しの不具合が、搬送部の電源OFFによるものか否かも容易に検証することができる。
【0017】
また、本態様に係る検体搬送システムにおいて、前記第2搬送部との間で前記検体ラックを受け渡し可能に配置されるとともに前記第2搬送部と通信可能な第3搬送部をさらに含み、前記画面は、前記第1搬送部と前記第2搬送部との間の前記検体ラックの受け渡しに関する前記状態情報を表示する第1表示領域、および、前記第2搬送部と前記第3搬送部との間の前記検体ラックの受け渡しに関する前記状態情報を表示する第2表示領域とを含むよう構成され得る。こうすると、第1搬送部と第2搬送部との間、および、第2搬送部と第3搬送部との間における検体ラックの受け渡しに関する状態を一つの画面で確認することができる。
【0018】
また、本態様に係る検体搬送システムにおいて、前記制御部は、複数の搬送部の中からいずれかの搬送部の指定を受け付けるよう構成され、指定された搬送部による前記検体ラックの受け渡しに関する前記状態情報を示す画面を前記表示部に表示させるよう構成され得る。こうすると、所望の搬送部の検体ラックの受け渡しに関する状態を容易に確認することができる。
【0019】
ここで、前記制御部は、前記複数の搬送部の配置の様子を示す配置画面を前記表示部に表示させ、前記制御部は、前記配置画面を介して、いずれかの搬送部の指定を受け付けるよう構成され得る。こうすると、簡便に搬送部の指定を行うことができる。
【0020】
また、本態様に係る検体搬送システムにおいて、前記制御部は、前記状態情報の表示開始指示を受け付けるよう構成され、当該表示開始指示を受け付けてから所定時間に渡る前記状態情報を示す画面を前記表示部に表示させるよう構成され得る。こうすると、所望の時間帯の通信状況のみを表示させることができる。
【0021】
また、本態様に係る検体搬送システムにおいて、前記第1および第2搬送部は、信号線によって互いに接続されているよう構成され得る。
【0022】
本発明の第2の態様は、検体処理システムに関する。本態様に係る検体処理システムは、上記第1の態様に係る検体搬送システムと、前記第1および第2搬送部によって搬送される前記検体ラック内の検体を処理する検体処理部と、を備える。
【0023】
本態様に係る検体処理システムによれば、上記第1の態様と同様の効果が奏され得る。
【0024】
本発明の第3の態様は、検体を保持した検体ラックを搬送するための第1搬送部と、前記第1搬送部との間で前記検体ラックを受け渡し可能に配置されるとともに、前記第1搬送部と通信可能な第2搬送部との間の前記検体ラックの受け渡し状態を監視可能な制御装置に関する。この態様に係る制御装置は、前記第1搬送部と前記第2搬送部との間の前記検体ラックの受け渡しに関する通信信号を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記通信信号の経時的推移を反映した状態情報を表示部に表示させる制御部と、を備える。
【0025】
本態様に係る制御装置によれば、上記第1の態様と同様の効果が奏され得る。
【発明の効果】
【0026】
以上のとおり、本発明によれば、搬送部間での検体ラックの受け渡しに不具合が生じて
いる場合に、その原因を容易に究明することを可能とする検体搬送システム、検体処理システムおよび制御装置を提供することができる。
【0027】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態により何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施の形態に係る検体処理システムを上側から見た場合の構成を模式的に示す平面図である。
【図2】実施の形態に係る検体容器および検体ラックの構成を示す図である。
【図3】実施の形態に係る回収ユニット、検体並び替え装置および前処理ユニットを上側から見た場合の構成を示す平面図である。
【図4】実施の形態に係る検体処理システムの各ユニット(装置)の相互の接続関係を模式的に示す図である。
【図5】実施の形態に係る搬送コントローラ、回収ユニット、検体並び替え装置および前処理ユニットの構成の概要を示す図である。
【図6】実施の形態に係る搬送コントローラの表示入力部に表示されるサービス画面を示す図である。
【図7】実施の形態に係る搬送コントローラの表示入力部に表示されるサービスダイアログを示す図である。
【図8】実施の形態に係る受取側ユニットによる処理を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態に係る受取側ユニットによる受取処理を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態に係る搬出側ユニットによる搬出処理を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態に係る開始ボタンがタッチされた場合に、搬送コントローラおよび内部接続ユニットの処理を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態に係る検体処理システムの変更例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本実施の形態は、血液に関する検査および分析を行うための検体処理システムに本発明を適用したものである。本実施の形態に係る検体処理システムは、2台の測定ユニットと、1台の塗抹標本作製装置を備えている。2台の測定ユニットでは、血液分析が並行して行われ、その分析結果に基づき塗抹標本の作製が必要である場合に、塗抹標本作製装置により塗抹標本が作製される。
【0030】
以下、本実施の形態に係る検体処理システムについて、図面を参照して説明する。
【0031】
図1は、検体処理システム1を上側から見た場合の構成を模式的に示す平面図である。本実施の形態に係る検体処理システム1は、投入ユニット21と、前処理ユニット22、25と、回収ユニット23、26と、検体並び替え装置24と、搬送ユニット31〜33と、2台の測定ユニット41と、情報処理ユニット42と、塗抹標本作製装置5と、搬送コントローラ6から構成されている。また、本実施の形態の検体処理システム1は、通信ネットワークを介してホストコンピュータ7と通信可能に接続されている。
【0032】
投入ユニット21と、前処理ユニット22、25と、回収ユニット23、26と、検体並び替え装置24と、搬送ユニット31〜33は、検体ラックLの受け渡しが可能となるように、図示の如く、左右に隣接するよう配置されている。なお、投入ユニット21と、前処理ユニット22、25と、回収ユニット23、26と、検体並び替え装置24と、搬
送ユニット31〜33を、以下、「搬送系ユニット」と称することにする。これらのユニットは、10本の検体容器Tを保持可能な複数の検体ラックLが載置可能となるよう構成されている。
【0033】
図2は、検体容器Tと検体ラックLの構成を示す図である。同図(a)は、検体容器Tの外観を示す斜視図であり、同図(b)は、10本の検体容器Tが保持されている検体ラックLの外観を示す斜視図である。なお、同図(b)には、検体ラックLが投入ユニット21に載置されるときの向き(図1の前後左右)が併せて示されている。
【0034】
図2(a)を参照して、検体容器Tは、透光性を有するガラスまたは合成樹脂により構成された管状容器であり、上端が開口している。内部には患者から採取された血液検体が収容され、上端の開口は蓋部CPにより密封されている。検体容器Tの側面には、バーコードラベルBL1が貼付されている。バーコードラベルBL1には、検体IDを示すバーコードが印刷されている。
【0035】
図2(b)を参照して、検体ラックLには、10本の検体容器Tを垂直状態(立位状態)で並べて保持することが可能となるよう、図示の如く保持位置1〜10に10個の保持部が形成されている。また、検体ラックLの後方の側面には、図示の如く、バーコードラベルBL2が貼付されている。バーコードラベルBL2には、ラックIDを示すバーコードが印刷されている。
【0036】
図1に戻って、投入ユニット21は、ユーザが投入した検体ラックLを収容し、収容している検体ラックLを前処理ユニット22に搬出する。ユーザは、検体の測定を開始する場合、まず、検体を収容する検体容器Tを検体ラックLにセットし、この検体ラックLを投入ユニット21に載置する。しかる後に、この検体ラックLが下流側(左側)のユニットに順次搬送され、測定が行われる。
【0037】
前処理ユニット22は、投入ユニット21により搬出された検体ラックLを受け取る。前処理ユニット22は、バーコードユニット(図示せず)により、投入ユニット21により搬出された検体ラックLのラックIDと、検体ラックLの保持位置に対応付けられた検体容器Tの検体IDを読み取る。しかる後、前処理ユニット22は、バーコードユニットにより読み取られた情報を搬送コントローラ6へ送信し、読み取りが完了した検体ラックLを搬送ユニット31に搬出する。
【0038】
搬送ユニット31、32は、図示の如く、それぞれ、2台の測定ユニット41の前方に配置されている。搬送ユニット31は、前処理ユニット22により搬出された検体ラックLを受け取り、搬送ユニット32に搬出する。搬送ユニット32は、搬送ユニット31により搬出された検体ラックLを受け取り、回収ユニット23に搬出する。
【0039】
搬送ユニット31、32には、図示の如く、それぞれに対応する測定ユニット41に検体ラックLが搬送される場合と搬送されない場合とに分けて、2通りの搬送ラインが設定されている。すなわち、測定ユニット41で測定が行われる場合は、後方のコの字型の矢印で示された“測定ライン”に沿って検体ラックLが搬送される。測定ユニット41で測定が行われず、下流側(左側)で測定または塗抹標本の作製が行われる場合は、当該測定ユニット41をスキップするよう、前方の左向きの矢印で示された“供給ライン”に沿って検体ラックLが搬送される。
【0040】
2台の測定ユニット41は、それぞれ前方に配置された搬送ユニット31、32の測定ライン上の所定の位置(図中点線矢印)において、検体ラックLから検体容器Tを抜き出して、この検体容器Tに収容された検体を測定ユニット41内で測定する。測定が完了す
ると、測定ユニット41は、この検体容器Tを再び元の検体ラックLの保持部に戻す。
【0041】
情報処理ユニット42は、2台の測定ユニット41と通信可能に接続されており、2台の測定ユニット41の動作を制御する。また、情報処理ユニット42は、搬送ユニット31、32の後方側の一部である検体供給部(図4参照)と通信可能に接続されており、かかる検体供給部の動作を制御する。また、情報処理ユニット42は、ホストコンピュータ7と通信ネットワークを介して通信可能に接続されており、測定ユニット41内のバーコードユニット(図示せず)により検体IDが読み取られると、ホストコンピュータ7に測定オーダの問い合わせを行う。また、情報処理ユニット42は、測定ユニット41で行われた測定結果に基づいて分析を行い、分析結果をホストコンピュータ7に送信する。
【0042】
回収ユニット23は、搬送ユニット32により搬出された検体ラックLを受け取る。また、回収ユニット23は、受け取った検体ラックLを後方へ搬送した後、検体並び替え装置24に搬出する。
【0043】
検体並び替え装置24は、回収ユニット23により搬出された検体ラックLを受け取る。検体並び替え装置24は、受け取った検体ラックLに保持されている各検体について、塗抹標本作製装置5による塗抹標本の作製の要否をホストコンピュータ7に問い合わせる。検体並び替え装置24は、問い合わせ結果に基づいて、検体ラックLに保持されている検体容器Tを並べ替えて、塗抹標本の作成が必要と判断された検体容器Tのみを収容する検体ラックLを、前処理ユニット25に搬出する。
【0044】
なお、塗抹標本の作成が不要と判定された検体を収容する検体容器Tは、検体並び替え装置24内の収納領域24f(図3参照)に収納される。こうして、収納領域24fに収納された検体容器Tは、検体処理システム1による処理が終了し、ユーザにより収納領域24fから取り出される。
【0045】
前処理ユニット25は、検体並び替え装置24により搬出された検体ラックLを受け取る。また、前処理ユニット25は、受け取った検体ラックLを前方へ搬送した後、搬送ユニット33に搬出する。
【0046】
ここで、図1に示すように、検体並び替え装置24は、外部接続ケーブルC1、C2により、それぞれ、回収ユニット23と前処理ユニット25に接続されている。回収ユニット23と検体並び替え装置24との間の検体ラックLの搬送と、検体並び替え装置24と前処理ユニット25との間の検体ラックLの搬送は、外部接続ケーブルC1、C2を介した信号のやり取りに基づいて行われる。回収ユニット23と、検体並び替え装置24と、前処理ユニット25の構成については、追って図3を参照して説明する。
【0047】
搬送ユニット33は、図示の如く、塗抹標本作製装置5の前方に配置されている。搬送ユニット33は、前処理ユニット25により搬出された検体ラックLを受け取り、回収ユニット26に搬出する。また、搬送ユニット33は、バーコードユニット(図示せず)により、受け取った検体ラックLに保持されている検体容器Tの検体IDを読み取る。
【0048】
また、搬送ユニット33には、搬送ユニット31、32と同様、図示の如く、塗抹標本作製装置5に検体ラックLが搬送される場合と搬送されない場合とに分けて、測定ラインと供給ラインとが設定されている。本実施の形態では、前処理ユニット25側から搬出される検体ラックLには、塗抹標本の作製が必要な検体のみが保持されているため、全ての検体ラックLは、搬送ユニット33の測定ラインに沿って搬送される。
【0049】
塗抹標本作製装置5は、ホストコンピュータ7と通信ネットワークを介して通信可能に
接続されており、搬送ユニット33のバーコードユニットにより読み取られた検体IDを搬送ユニット33から受信すると、ホストコンピュータ7に測定オーダの問い合わせを行う。しかる後、塗抹標本作製装置5は、搬送ユニット33の測定ライン上の所定の位置(図中点線矢印)において、検体容器Tに収容されている検体を吸引して、ホストコンピュータ7から受信した測定オーダに基づき、この検体の塗抹標本を作製する。
【0050】
回収ユニット26は、搬送ユニット33により搬出された検体ラックLを受け取り、受け取った検体ラックLを後方に搬送する。検体ラックLは、回収ユニット26の搬送路上に収納される。こうして、回収ユニット26の搬送路上に収納された検体ラックLは、検体処理システム1による処理が終了し、ユーザにより回収ユニット26から取り出される。
【0051】
搬送コントローラ6は、検体ラックLの搬送に係る搬送系ユニットのうち、投入ユニット21と、前処理ユニット22、25と、回収ユニット23、26と、搬送ユニット31〜33の搬送動作を制御する。投入ユニット21と、前処理ユニット22、25と、回収ユニット23、26と、搬送ユニット31〜33を、以下、「内部接続ユニット」と称することにする。なお、検体並び替え装置24の搬送動作は、搬送コントローラ6によって制御されていない。このように、搬送コントローラ6によって搬送動作の制御が行われないユニット(装置)を、以下、「外部接続ユニット」と称することにする。
【0052】
図3は、回収ユニット23と、検体並び替え装置24と、前処理ユニット25を上側からみた場合の構成を示す平面図である。
【0053】
搬送ユニット32側から搬出された検体ラックLは、回収ユニット23の搬送路23aの前方位置に位置付けられる。この検体ラックLは、ラック送込機構23bによって前方側面が押されることにより、搬送路23aの後方位置(搬出位置P1)に搬送される。
【0054】
搬出位置P1の近傍には、図示の如く、透過型のセンサ23cと、ラック搬出機構23dが設置されている。センサ23cにより、ラック送込機構23bによって搬出位置P1に位置付けられた検体ラックLが検出される。搬出位置P1に位置付けられた検体ラックLは、ラック搬出機構23dによって右側面が押されることにより、検体並び替え装置24に搬出される。
【0055】
検体並び替え装置24の右端後方の位置(受取位置P2)の近傍には、図示の如く、ベルト24aと、透過型のセンサ24bが設置されている。回収ユニット23側から搬出された検体ラックLは、ベルト24aによって左方向に搬送され、受取位置P2に位置付けられる。センサ24bにより、受取位置P2に位置付けられた検体ラックLが検出される。
【0056】
受取位置P2にある検体ラックLは、ラック搬出機構24eによって右側面を押されることにより左方向に搬送され、搬送路24c上に位置付けられる。このとき、検体並び替え装置24は、この検体ラックLに保持されている全ての検体について、塗抹標本の作製が必要かを、ホストコンピュータ7(図1参照)に問い合わせる。
【0057】
ここで、キャッチャ24dは、検体並び替え装置24の内部の上面に設置されており、前後左右方向と上下方向に移動可能となっている。また、キャッチャ24dは、下端に把持部を備えている。塗抹標本の作製が不要と判定された検体を収容する検体容器Tは、搬送路24c上の所定の位置において、キャッチャ24dにより検体ラックLから抜き出され、収納領域24fに形成された保持孔にセットされる。
【0058】
また、搬送路24c上の検体ラックLから、塗抹標本の作製が不要である検体容器Tが全て抜き出された後、この検体ラックLに保持されている塗抹標本の作製が必要である検体容器Tと、バッファ領域24gにセットされている検体容器Tの合計が10本以上であるかが判定される。
【0059】
ここで、検体容器Tの合計が10本未満であると判定されると、塗抹標本の作製が必要と判定された検体を収容する検体容器Tは、搬送路24c上の所定の位置において、キャッチャ24dにより検体ラックLから抜き出され、バッファ領域24gに形成された保持孔にセットされる。こうして、ラック搬送路24c上の検体ラックLから全ての検体ラックLが抜き出されると、この検体ラックLは、ラック搬出機構24eにより搬出位置P3まで搬送された後、搬送路24jの前方に搬送される。
【0060】
他方、上記判定において、検体容器Tの合計が10本以上であると判定されると、バッファ領域24gにセットされた検体容器Tは、キャッチャ24dによりバッファ領域24gの保持孔から抜き出され、検体ラックLの空いている全ての保持部にセットされる。こうして、塗抹標本の作製が必要である検体容器Tのみを保持することとなった検体ラックLは、ラック搬出機構24eによって右側面が押されることにより、搬送路24cの左端位置(搬出位置P3)まで搬送される。
【0061】
搬出位置P3の近傍には、図示の如く、透過型のセンサ24hと、ラック押出し機構24iが設置されている。センサ24hにより、ラック搬出機構24eによって搬出位置P3に位置付けられた検体ラックLが検出される。しかる後、塗抹標本の作製が必要である検体容器Tのみを保持する検体ラックLは、ラック搬出機構24eにより、前処理ユニット25に搬出される。
【0062】
また、全ての検体容器Tが抜き出された検体ラックLは、上記のようにラック搬出機構24eによって搬出位置P3まで搬送された後、ラック押出し機構24iにより前方に押し出される。こうして搬送路24j上に押し出された検体ラックLは、ラック送込機構24kによって後方側面が押されることにより、搬送路24jの前方に搬送される。
【0063】
前処理ユニット25の後方位置(受取位置P4)の近傍には、図示の如く、ベルト25aと、透過型のセンサ25bと、ラック押出し機構25cが設置されている。検体並び替え装置24側から搬出された検体ラックLは、ベルト25aによって左方向に搬送され、受取位置P4に位置付けられる。センサ25bにより、受取位置P4に位置付けられた検体ラックLが検出される。しかる後、受取位置P4にある検体ラックLは、ラック押出し機構25cにより前方に押し出される。搬送路25d上に押し出された検体ラックLは、ラック送込機構25eによって後方側面が押されることにより、搬送路25dの前方に搬送される。搬送路25dの前方位置に位置付けられた検体ラックLは、ラック搬出機構25fによって、右側面が押されることにより、搬送ユニット33に搬出される。
【0064】
図4は、検体処理システム1の各ユニット(装置)の相互の接続関係を模式的に示す図である。
【0065】
ここで、搬送ユニット31、32は、それぞれ、検体リレー部3aと、検体供給部3bに分けて図示されている。検体リレー部3aは、搬送ユニット31、32の供給ラインに係る部分であり、検体供給部3bは、搬送ユニット31、32の測定ラインに係る部分である。
【0066】
集線装置11には、投入ユニット21と、前処理ユニット22、25と、回収ユニット23、26と、2台の検体リレー部3aと、搬送ユニット33と、搬送コントローラ6が
、通信可能となるよう接続されている。集線装置12には、2台の検体リレー部3aと情報処理ユニット42が、互いに通信可能となるよう接続されている。集線装置13には、2台の検体供給部3bと情報処理ユニット42が、互いに通信可能となるよう接続されている。集線装置14には、2台の測定ユニット41と情報処理ユニット42が、互いに通信可能となるよう接続されている。
【0067】
なお、検体並び替え装置24は、上述したように搬送コントローラ6に接続されておらず、右隣りの回収ユニット23と、左隣りの前処理ユニット25と、それぞれ、外部接続ケーブルC1、C2により接続されている。
【0068】
図5は、搬送コントローラ6と、回収ユニット23と、検体並び替え装置24と、前処理ユニット25の構成の概要を示す図である。
【0069】
搬送コントローラ6は、制御部601と、通信部602と、ハードディスク603と、表示入力部604を備える。制御部601は、CPU601aとメモリ601bを備える。
【0070】
CPU601aは、メモリ601bとハードディスク603に記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより、図4に示した通信可能に接続されているユニット(装置)(内部接続ユニット)を制御する。メモリ601bは、ハードディスク603に記憶されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる他、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、作業領域としても利用される。通信部602は、Ethernet(登録商標)規格に基づいて外部の装置とデータ通信を行うための通信インターフェースを備え、集線装置11との間でデータ通信を行う。
【0071】
ハードディスク603には、内部接続ユニットを制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。また、ハードディスク603には、後述するサービス画面D1(図6)とサービスダイアログD2(図7)を、表示入力部604に表示するためのコンピュータプログラムが記憶されている。表示入力部604は、タッチパネル等で構成されている。表示入力部604は、制御部601から出力される映像信号に基づいて画像を表示すると共に、ユーザにより表示入力部604の画面がタッチされることによって入力された内容を、制御部601に出力する。
【0072】
回収ユニット23は、制御部231と、接続ユニット232と、A/D変換部233と、駆動部234と、センサ部235と、通信部236を備える。制御部231は、CPU231aとメモリ231bを備える。接続ユニット232は、接続部232a、232bを備える。
【0073】
CPU231aは、搬送コントローラ6のCPU601aに従って、メモリ231bに記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより、回収ユニット23内の各部を制御する。
【0074】
接続部232a、232bは、それぞれ、複数のポートを備えており、セントロニクスに準拠した外部接続ケーブル、または、D−sub25極に対応した外部接続ケーブルを接続可能に構成されている。また、接続部232bは、検体並び替え装置24の接続部242aと、外部接続ケーブルC1により接続されている。
【0075】
ここで、CPU231aは、接続部232a、232bの各ポートのON/OFF状態を設定することができる。OFF状態のとき、ポートはLowレベル(グランドレベル)とされ、ON状態のとき、ポートにHighレベルの信号が印加される。各ポートの信号
レベル(ON/OFF状態)は、A/D変換部233を介して、制御部231に供給される。これにより、CPU231aは、接続部232a、232bのポートのON/OFF状態を検知することができる。
【0076】
駆動部234は、回収ユニット23上の検体ラックLを搬送するための機構と、この機構を駆動するためのステッピングモータ等を含んでいる。センサ部235は、図3に示したセンサ23cと、回収ユニット23上の他のセンサを含んでおり、検出信号を制御部231に出力する。通信部236は、搬送コントローラ6の通信部602と同様に、集線装置11との間でデータ通信を行う。
【0077】
検体並び替え装置24は、回収ユニット23から、通信部236を除いた構成となっている。すなわち、検体並び替え装置24は、制御部241と、接続ユニット242と、A/D変換部243と、駆動部244と、センサ部245を備える。制御部241は、CPU241aとメモリ241bを備える。接続ユニット242は、接続部242a、242bを備える。接続部242aは、回収ユニット23の接続部232bと、外部接続ケーブルC1により接続されており、接続部242bは、前処理ユニット25の接続部252aと、外部接続ケーブルC2により接続されている。センサ部245は、図3に示したセンサ24b、24hと、検体並び替え装置24上の他のセンサを含んでいる。
【0078】
前処理ユニット25は、回収ユニット23と同様の構成となっている。すなわち、前処理ユニット25は、制御部251と、接続ユニット252と、A/D変換部253と、駆動部254と、センサ部255と、通信部256を備える。制御部251は、CPU251aとメモリ251bを備える。接続ユニット252は、接続部252a、252bを備える。接続部252aは、検体並び替え装置24の接続部242aと、外部接続ケーブルC2により接続されている。センサ部255は、図3に示したセンサ25bと、検体並び替え装置24上の他のセンサを含んでいる。
【0079】
なお、他の搬送系ユニット(投入ユニット21と、前処理ユニット22と、検体リレー部3aと、搬送ユニット33と、回収ユニット26)も、回収ユニット23と同様の構成となっている。
【0080】
このように、回収ユニット23と、検体並び替え装置24と、前処理ユニット25が構成されると、これら各ユニット(装置)は、外部接続ケーブルで接続された隣り合うユニット(装置)と、信号のやり取りを行うことができる。すなわち、接続部232bの各ポートに設定されたON/OFF状態は、外部接続ケーブルC1を介して、接続部242aの対応するポートに反映され、接続部242aの各ポートに設定されたON/OFF状態は、外部接続ケーブルC1を介して、接続部232bの対応するポートに反映される。また、接続部242bの各ポートに設定されたON/OFF状態は、外部接続ケーブルC2を介して、接続部252aの対応するポートに反映され、接続部252aの各ポートに設定されたON/OFF状態は、外部接続ケーブルC2を介して、接続部242bの対応するポートに反映される。これにより、外部接続ケーブルC1、C2で接続されたユニット(装置)同士は、相互に信号のやり取りを行うことが可能となる。
【0081】
また、本実施の形態では、外部接続ケーブルC1、C2によって接続されたユニット(装置)同士は、所定のポートを用いて、特定の信号のやり取りを行っている。具体的には、ユニット(装置)の電源がONになっているかを示すOPTION信号と、ユニット(装置)に異常(エラー)が発生していないかを示すERR信号と、検体ラックLの受け取りが可能であるかを示すREADY信号と、検体ラックLが搬出状態にあるかを示すMOVE信号が、所定のポートを用いて、やり取りされている。以下、OPTION信号と、ERR信号と、READY信号と、MOVE信号のやり取りに使用されるポートを、それ
ぞれ、OPTIONポートと、ERRポートと、READYポートと、MOVEポートと称することにする。なお、検体ラックLの搬送の際に行われる、これらポートのON/OFF状態のやり取りについては、追って図8〜10を参照して説明する。
【0082】
図6は、搬送コントローラ6の表示入力部604に表示されるサービス画面D1を示す図である。
【0083】
図示の如く、サービス画面D1には、検体処理システム1の各ユニット(装置)のの配置レイアウトを示すレイアウト領域D11が含まれている。レイアウト領域D11には、投入ユニット21と、前処理ユニット22と、搬送ユニット31、32と、回収ユニット23と、検体並び替え装置24と、前処理ユニット25と、搬送ユニット33と、回収ユニット26に、それぞれ対応した搬送ユニットボタンF21、F22、F31、F32、F23、F24、F25、F33、F26が含まれている。
【0084】
これら搬送ユニットボタンのうち、内部接続ユニットに対応する搬送ユニットボタンF21、F22、F31、F32、F23、F25、F33、F26(F24は含まれない)のいずれか1つが、ユーザにより表示入力部604を介してタッチされると、このユニット(装置)のセンサ状態と、このユニット(装置)が有する接続部の所定のポートのON/OFF状態を示すサービスダイアログD2(図7参照)が、表示入力部604に表示される。
【0085】
図7は、搬送コントローラ6の表示入力部604に表示されるサービスダイアログD2を示す図である。サービスダイアログD2には、サービス画面D1においてユーザにより指定された搬送ユニットボタンに対応する内部接続ユニットに関する情報が表示される。サービスダイアログD2は、センサ情報表示領域D21と、外部I/O情報表示領域D22を含んでいる。
【0086】
センサ情報表示領域D21には、図示の如く、この内部接続ユニットに配されているセンサに対応した複数のラベルD211が含まれている。各ラベルD211に表示されている数字は、この内部接続ユニットに配されているセンサ番号を表している。たとえば、回収ユニット23に関するサービスダイアログD2が表示されている場合、56番の番号が付されたラベルD211がセンサ23cに対応し、前処理ユニット25に関するサービスダイアログD2が表示されている場合、1番の番号が付されたラベルD211がセンサ25bに対応する。ラベルD211に対応するセンサによって検体ラックL等が検出されると、このラベルD211は赤色になり、何も検出していないと、このラベルD211は白色になる。なお、ラベルD211の表示は、リアルタイムに更新されている。
【0087】
外部I/O情報表示領域D22には、図示の如く、接続部情報表示領域D221、D222と、開始ボタンD223が含まれている。
【0088】
接続部情報表示領域D221には、この内部接続ユニットの上流側に隣り合うユニット(装置)と接続しているポートのON/OFF状態が表示される。接続部情報表示領域D222には、この内部接続ユニットの下流側に隣り合うユニット(装置)と接続しているポートのON/OFF状態が表示される。なお、接続部情報表示領域D221、D222に表示されるポートは、OPTIONポートと、ERRポートと、READYポートと、MOVEポートとなっている。
【0089】
開始ボタンD223が、ユーザにより表示入力部604を介してタッチされると、搬送コントローラ6は、この内部接続ユニットに対してポートのON/OFF状態を取得するよう指示を送信する。搬送コントローラ6は、この内部接続ユニットから所定時間(10
秒程度)に亘るポートのON/OFF状態を受信すると、接続部情報表示領域D221またはD222に、ポートのON/OFF状態を表示する。なお、搬送コントローラ6によるポートのON/OFF状態の表示に関する処理については、追って図11を参照して説明する。
【0090】
次に、図8〜10を参照して、2つの隣り合う搬送系ユニットのうち、一方が内部接続ユニットであり、他方が外部接続ユニットである場合に、上流側または下流側のユニット(装置)による処理を説明する。なお、以下、この場合の2つの隣り合う搬送系ユニットのうち、下流側のユニット(装置)を「受取側ユニット」と称し、上流側のユニット(装置)を「搬出側ユニット」と称する。
【0091】
図8は、受取側ユニットによる電源投入後の処理を示すフローチャートである。かかる処理は、本実施の形態では、検体並び替え装置24と前処理ユニット25において行われる。
【0092】
受取側ユニットに電源が投入されると、受取側ユニットのCPUは、搬出側ユニットと外部接続ケーブルを介して接続されている接続部(以下、「上流側の接続部」という)のOPTIONポートをONにする(S11)。具体的には、受取側ユニットが検体並び替え装置24である場合、接続部242aのOPTIONポートがONとされ、受取側ユニットが前処理ユニット25である場合、接続部252aのOPTIONポートがONとされる。
【0093】
続いて、受取側ユニットのCPUは、受取側ユニットにおいてエラーがないかを判定する(S12)。エラーがないと判定されると(S12:YES)、受取側ユニットのCPUは、上流側の接続部のERRポートをONにする(S13)。他方、受取側ユニットにおいてエラーがあると判定されると(S12:NO)、受取側ユニットのCPUは、上流側の接続部のERRポートをOFFにする(S14)。
【0094】
次に、受取側ユニットのCPUは、検体ラックLを搬出側ユニットから受取可能かを判定する(S15)。具体的には、受取側ユニットが検体並び替え装置24である場合、センサ24bにより受取位置に検体ラックLが検出されないと、受取可能と判定され、受取側ユニットが前処理ユニット25である場合、センサ25bにより受取位置に検体ラックLが検出されないと、受取可能と判定される。検体ラックLが受取可能であると(S15:YES)、受取側ユニットのCPUは、上流側の接続部のREADYポートをONにする(S16)。他方、検体ラックLが受取可能でないと(S15:NO)、処理がS17に進められる。
【0095】
次に、受取側ユニットの電源がOFFにされない場合(S17:NO)、S12〜S16の処理が繰り返し行われる。受取側ユニットの電源がOFFにされた場合(S17:YES)、受取側ユニットのCPUは、上流側の接続部のOPTIONポートと、ERRポートと、READYポートをOFFにする(S18)。こうして、受取側ユニットによる処理が終了する。
【0096】
図9は、受取側ユニットによる検体ラックLの受取処理を示すフローチャートである。かかる受取処理は、受取側ユニットの電源がONとされている間、図8の処理と並行して実行される。
【0097】
受取側ユニットのCPUは、上流側の接続部のMOVEポートがONであるかを判定する(S21)。上流側の接続部のMOVEポートは、後述するように、搬出側ユニットにおいて検体ラックLを搬出する際に、搬出側ユニットによってONとされる。搬出側ユニ
ットは、後述のように、検体ラック搬出先の受取側ユニットが検体ラックLを受取可能であるとき、すなわち、図8の処理によりOPTIONポート、ERRポートおよびREADYポートが全てONになっている場合に、上流側の接続部のMOVEポートをONにする。したがって、S21の判別がYESの場合、当該受取側ユニットでは、自身のOPTIONポート、ERRポートおよびREADYポートが全てONになっており、検体ラックLを受取可能な状態となっている。
【0098】
上流側の接続部のMOVEポートがONであると(S21:YES)、受取側ユニットのCPUは、検体ラックLの受取動作を開始する(S22)。具体的には、受取側ユニットが検体並び替え装置24である場合、受取動作としてベルト24aが駆動され、受取側ユニットが前処理ユニット25である場合、受取動作としてベルト25aが駆動される。続いて、受取側ユニットのCPUは、上流側の接続部のREADYポートをOFFにする(S23)。他方、上流側の接続部のMOVEポートがONでないと(S21:NO)、S21の判定が繰り返される。
【0099】
次に、受取側ユニットのCPUは、検体ラックLを受け取ったかを判定する(S24)。具体的には、受取側ユニットが検体並び替え装置24である場合、かかる判定は、センサ24bにより検体ラックLが検知されたかによって行われ、受取側ユニットが前処理ユニット25である場合、かかる判定は、センサ25bにより検体ラックLが検知されたかによって行われる。検体ラックLが受け取られると(S24:YES)、受取側ユニットのCPUは、検体ラックLの受取動作を停止する(S25)。他方、検体ラックLが受け取られていないと(S24:NO)、受取側ユニットのCPUは、S24の判定が繰り返される。
【0100】
検体ラックLの受取動作が停止されると(S25)、受取側ユニットのCPUは、受取位置にある検体ラックLを、受取位置から下流側へ搬送する(S26)。具体的には、受取側ユニットが検体並び替え装置24である場合、ラック搬出機構24eにより検体ラックLが搬送され、受取側ユニットが前処理ユニット25である場合、ラック押出し機構25cにより検体ラックLが搬送される。こうして、S26の処理が終わると、処理がS21に戻され、S21〜26の処理が繰り返し行われる。
【0101】
図10は、搬出側ユニットによる搬出処理を示すフローチャートである。かかる処理は、本実施の形態では、回収ユニット23と検体並び替え装置24において行われる。
【0102】
搬出側ユニットのCPUは、受取側ユニットと外部接続ケーブルを介して接続されている接続部(以下、「下流側の接続部」という)のOPTIONポートと、ERRポートと、READYポートが全てONになっているかを判定する(S31)。これらポートが全てONになっているとき(S31:YES)、すなわち、受取側ユニットが検体ラックLを受け取ることが可能であるとき、処理がS32に進められる。他方、これらポートが全てONになっていないとき(S31:NO)、すなわち、受取側ユニットが検体ラックLを受け取ることができないとき、S31の判定が繰り返される。
【0103】
次に、搬出側ユニットのCPUは、検体ラックLが搬出位置に来たかを判定する(S32)。具体的には、搬出側ユニットが、回収ユニット23である場合、かかる判定は、センサ23cにより、検体ラックLが検知されたかによって行われる。搬出側ユニットが、検体並び替え装置24である場合、かかる判定は、塗抹標本の作製が必要とされた検体のみを保持する検体ラックLが、センサ24hにより検知されたかによって行われる。
【0104】
検体ラックLが搬出位置に来ると(S32:YES)、搬出側ユニットのCPUは、下流側の接続部のMOVEポートをONにし(S33)、検体ラックLの搬出動作を開始す
る(S34)。具体的には、搬出側ユニットが回収ユニット23である場合、搬出動作として、ラック搬出機構23dが左方向に駆動され、搬出側ユニットが検体並び替え装置24である場合、搬出動作として、ラック搬出機構24eが左方向に駆動される。他方、検体ラックLが搬出位置に来ていないと(S32:NO)、S32の判定が繰り返される。
【0105】
続いて、搬出側ユニットのCPUは、検体ラックLの搬出が完了したかを判定する(S35)。具体的には、搬出側ユニットが回収ユニット23である場合、かかる判定は、センサ23cにより検体ラックLが検知されなくなったかによって行われ、搬出側ユニットが検体並び替え装置24である場合、かかる判定は、センサ24hにより検体ラックLが検知されなくなったかによって行われる。検体ラックLの搬出が完了すると(S35:YES)、処理がS36に進められ、検体ラックLの搬出が完了していないと(S35:NO)、S35の判定が繰り返される。
【0106】
続いて、搬出側ユニットのCPUは、下流側の接続部のMOVEポートをOFFにし(S36)、検体ラックLの搬出動作を停止する(S37)。こうして、S37の処理が終わると、処理がS31に戻され、S31〜37の処理が繰り返し行われる。
【0107】
図11は、図7に示すサービスダイアログD2の開始ボタンD223がタッチされた場合に、搬送コントローラ6とユーザにより指定された内部接続ユニットの処理を示すフローチャートである。
【0108】
搬送コントローラ6のCPU601aは、ユーザにより信号を表示する指示を受けたかを判定する(S41)。すなわち、S41では、CPU601aにより、図7に示したサービスダイアログD2の開始ボタンD223が、表示入力部604を介してユーザによりタッチされたかが判定される。
【0109】
信号表示指示があると(S41:YES)、CPU601aは、サービスダイアログD2の示す内部接続ユニット(サービス画面D1においてユーザにより指定された内部接続ユニット)に対して、信号記憶指示を送信する(S42)。続いて、CPU601aは、この内部接続ユニットから信号を受信するまで、処理を待機させる(S43)。
【0110】
ユーザにより指定された内部接続ユニットのCPUは、搬送コントローラ6から信号記憶指示を受信すると(S51:YES)、外部接続ケーブルが接続されている接続部のOPTIONポートと、ERRポートと、READYポートと、MOVEポートのON/OFF状態を示す信号の記憶を開始する(S52)。具体的には、この内部接続ユニットが回収ユニット23である場合、接続部232bのポートのON/OFF状態が記憶され、この内部接続ユニットが前処理ユニット25である場合、接続部252aのポートのON/OFF状態が記憶される。なお、これらポートのON/OFF状態の記憶には、内部接続ユニットの制御部内にあるメモリが用いられる。メモリには、接続部232bまたは252aのポートの信号レベルをA/D変換部233または253により所定のサンプリング周期でA/D変換した値が順次記憶される。
【0111】
内部接続ユニットのCPUは、ポートのON/OFF状態の記憶を開始してから、10秒経過するまで処理を待機させる(S53)。すなわち、ポートのON/OFF状態が10秒間に亘ってメモリに記憶される。ポートのON/OFF状態の記憶を開始してから10秒経過すると(S53:YES)、内部接続ユニットのCPUは、メモリに記憶したポートのON/OFF状態を示す信号を、搬送コントローラ6に送信する(S54)。
【0112】
搬送コントローラ6のCPU601aは、通信部602を介して、内部接続ユニットから信号を受信すると(S43:YES)、この信号を表示入力部604に表示する(S4
4)。具体的には、ユーザにより指定された内部接続ユニットが回収ユニット23である場合、図7の接続部情報表示領域D222に、10秒間に亘るOPTIONポートと、ERRポートと、READYポートと、MOVEポートのON/OFF状態が表示され、ユーザにより指定された内部接続ユニットが前処理ユニット25である場合、図7の接続部情報表示領域D221に、10秒間に亘るOPTIONポートと、ERRポートと、READYポートと、MOVEポートのON/OFF状態が表示される。
【0113】
以上、本実施の形態によれば、回収ユニット23と検体並び替え装置24の間、または、検体並び替え装置24と前処理ユニット25の間の、所定時間に亘る検体ラックLの受け渡し動作に用いられる信号(OPTIONポートと、ERRポートと、READYポートと、MOVEポートのON/OFF状態)の推移が、図7の外部I/O情報表示領域D22に表示される。これにより、外部接続ケーブルで接続された2つの搬送系ユニットの、検体ラックLの受け渡しに関する状態を容易に把握することができる。
【0114】
また、外部接続ケーブルで接続された2つの搬送系ユニットにおいて、検体ラックLの受け渡しに不具合が生じている場合、検体ラックLの受け渡し動作に用いられる信号(OPTIONポートと、ERRポートと、READYポートと、MOVEポートのON/OFF状態)を参照することにより、その原因を容易に検証することができる。従って、たとえば、サービスマンが、他社の搬送系ユニットと自社の搬送系ユニットとを外部接続ケーブルにより接続して検体処理システムを設置した際に、他社の搬送系ユニットと自社の搬送系ユニットとの間で検体ラックLの受け渡しに不具合が生じても、その原因を容易に究明することが可能となる。
【0115】
より具体的には、たとえば、受取側ユニットのOPTIONポート、ERRポート、READYポートが全てONであるにも関わらずMOVEポートがONにならないことが図7の外部I/O情報表示領域D22の信号の推移から分かった場合には、受取側ユニットと搬出側ユニットとの間のケーブル接続に不具合の原因が存在する可能性があると、サービスマンは判断することが可能となる。また、受取側ユニットが検体ラックLを受取可能な状態であるにも関わらずREADYポートがONにならない場合には、受取側ユニットのREADYポートに不具合の原因が存在する可能性があると、サービスマンは判断することができる。
【0116】
また、本実施の形態によれば、内部接続ユニットに配されたセンサの検出状態が、図7のセンサ情報表示領域D21に表示される。かかるセンサの検出状態が、外部I/O情報表示領域D22と併せて参照されると、外部接続ケーブルで接続された2つの搬送系ユニットにおいて、検体ラックLの受け渡しに関する不具合の原因を、より正確に究明することが可能となる。
【0117】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態はこれらに限定されるものではない。
【0118】
たとえば、上記実施の形態では、測定対象として血液を例示したが、尿についても測定対象とされ得る。すなわち、尿を検査する検体処理システムにも本発明を適用することができ、さらに、他の臨床検体を検査する臨床検体処理システムに本発明を適用することもできる。
【0119】
図12(a)は、尿を検査する検体処理システム800に、本発明が適用された場合について説明する図である。
【0120】
図示の如く、検体処理システム800は、搬送ユニット801〜803と、測定ユニッ
ト811、812と、搬送コントローラ820を備える。搬送コントローラ820は、搬送ユニット802と通信可能に接続されている。搬送ユニット801、802は、外部接続ケーブルC3により接続されており、搬送ユニット802、803は、外部接続ケーブルC4により接続されている。
【0121】
搬送ユニット801は、搬送ユニット801に載置された検体ラックLを、定性分析を行う測定ユニット811に搬送し、測定ユニット811による測定が終了した検体ラックLを搬送ユニット802に搬出する。搬送ユニット802は、搬送ユニット801により搬出された検体ラックLを受け取る。搬送ユニット802は、受け取った検体ラックLを、沈渣分析を行う測定ユニット812に搬送し、測定ユニット812による測定が終了した検体ラックLを搬送ユニット803に搬出する。搬送ユニット803は、搬送ユニット802により搬出された検体ラックLを受け取り、搬送ユニット803内に収容する。
【0122】
この場合も、搬送コントローラ820の表示入力部に、図6に示すようなサービス画面が表示され、この画面において搬送ユニット802に対応する搬送ユニットボタンがタッチされると、図7に示すような搬送ユニット802に関するサービスダイアログが表示される。このとき、サービスダイアログ内には、上記実施の形態と同様、搬送ユニット802内のセンサの検出状態を示すセンサ情報表示領域と、外部I/O情報表示領域が表示される。この場合の外部I/O表示領域内の2つの接続部情報表示領域には、それぞれ、搬送ユニット802の上流側の接続部のポートのON/OFF状態と下流側の接続部のポートのON/OFF状態とが同時に表示される。
【0123】
図12(b)は、上記実施の形態の検体処理システム1の上流側に、別の検体処理システム910が接続されている検体処理システム900に、本発明が適用された場合について説明する図である。検体処理システム910では、血液に関する測定が行われる。この場合、検体処理システム910は初検に用いられ、検体処理システム1は再検に用いられる。
【0124】
図示の如く、検体処理システム910は、測定ユニット911と、搬送ユニット912、913を備える。搬送ユニット913と投入ユニット21は、外部接続ケーブルC5により接続されている。
【0125】
搬送ユニット912は、測定ユニット911による測定が終了した検体ラックLを受け取り、搬送ユニット913に搬出する。搬送ユニット913は、搬送ユニット912により搬出された検体ラックLを受け取り、投入ユニット21に搬出する。
【0126】
この場合も、搬送コントローラ6の表示入力部604に、図7に示すような投入ユニット21に関するサービスダイアログD2を表示することができる。このとき、サービスダイアログの接続部情報表示領域D221には、投入ユニット21の接続部232aの所定時間に亘るポートのON/OFF状態が表示される。
【0127】
また、上記実施の形態では、サービスダイアログD2の接続部情報表示領域D221、D222には、10秒間に亘るポートのON/OFF状態が表示されたが、10秒以外の所定の時間に亘るポートのON/OFF状態が表示されるようにしても良い。また、かかる時間は、ユーザにより適宜設定できるようにしても良い。
【0128】
また、上記実施の形態では、外部接続ユニットと内部接続ユニットとの間の検体ラックLの受け渡しは、接続部のポートのON/OFF状態に基づいて行われたが、これに限らず、外部接続ユニットと内部接続ユニットが、内部接続ユニット同士の接続と同様に、データ通信可能に接続されるようにしても良い。この場合、外部接続ユニットと内部接続ユ
ニットとの間で、検体ラックLの受け渡しに関する情報が相互に送信され、各ユニットは受信した情報に基づいて検体ラックLの搬送を制御する。
【0129】
また、上記実施の形態では、図7に示すサービスダイアログD2上に、センサ情報表示領域D21と、外部I/O情報表示領域D22が、併せて表示されたが、これに限らず、センサ情報表示領域D21と、外部I/O情報表示領域D22は、それぞれ異なる画面(ダイアログ)に表示されるようにしても良い。
【0130】
また、上記実施の形態では、図7に示す接続部情報表示領域D221、D222に、OPTIONポートと、ERRポートと、READYポートと、MOVEポートのON/OFF状態が、併せて表示された。しかしながら、これに限らず、これらのポートのON/OFF状態は、それぞれ異なる画面(ダイアログ)に表示されるようにしても良い。
【0131】
また、上記実施の形態では、表示入力部604にサービス画面D1とサービスダイアログD2が表示され、ユーザにより搬送コントローラ6の表示入力部604の画面がタッチされることによって、搬送コントローラ6に指示が入力された。しかしながら、これに限らず、搬送コントローラ6に備えられたディスプレイにサービス画面D1とサービスダイアログD2が表示され、搬送コントローラ6に備えられたマウス、キーボード等から、指示が入力されるようにしても良い。
【0132】
また、上記実施の形態では、図6に示すサービス画面D1において、内部接続ユニットに対応する搬送ユニットボタンが、ユーザによりタッチされると、図7に示すサービスダイアログD2が表示された。しかしながら、これに限らず、外部接続ユニットに対応する搬送ユニットボタンが、ユーザによりタッチされた場合も、サービスダイアログD2が表示されるようにしても良い。この場合、ユーザにより指定された外部接続ユニットが、内部接続ユニットと同様に、搬送コントローラ6と通信可能に接続される。これにより、図7に示すサービスダイアログD2を介して、外部接続ユニットの接続ユニットとセンサの状態を把握することができる。
【0133】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0134】
1 … 検体処理システム
5 … 塗抹標本作製装置
6 … 搬送コントローラ
23 … 回収ユニット
24 … 検体並び替え装置
25 … 前処理ユニット
23c、24b、24h、25b … センサ
41 … 測定ユニット
231、241、251 … 制御部
232、242、252 … 接続ユニット
232b、242a、242b、252a … 接続部
601 … 制御部
602 … 通信部
604 … 表示入力部
800 … 検体処理システム
801〜803 … 搬送ユニット
811、812 … 測定ユニット
820 … 搬送コントローラ
900 … 検体処理システム
911 … 測定ユニット
912、913 … 搬送ユニット
C1〜C5 … 外部接続ケーブル
D1 … サービス画面
D221、D222 … 接続部情報表示領域
L … 検体ラック
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体を保持した検体ラックを搬送する検体搬送システム、当該検体搬送システムによって搬送される検体を処理する検体処理システムおよび検体ラックの搬送制御を行う制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の搬送部を接続し、これら搬送部を用いて検体ラックを検体処理装置に搬送する検体処理システムが知られている。
【0003】
たとえば、以下の特許文献1には、遠心分離部、開栓部等の前処理装置と、検体分析装置と、検体を保持した検体ラックを前処理装置、検体分析装置等に搬送するための複数の搬送ラインとを備えた検体搬送システムが開示されている。この検体搬送システムでは、隣接する搬送ライン同士が通信を行うことにより検体ラックの受け渡しが行われている。たとえば、第1搬送ラインから第2搬送ラインに検体ラックを搬送する場合には、第1搬送ラインがラック受け渡し要求メッセージを第2搬送ラインに送信し、第2搬送ラインは、このメッセージを受信すると、ラック搬入許可信号を第1搬送ラインに送信し、検体ラックが第1搬送ラインから第2搬送ラインに渡される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−242179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のように、搬送部同士が連携して検体ラックを搬送する検体搬送システムにおいては、搬送部間での通信に不具合が生じることによって、搬送部間での検体ラックの受け渡しが適切に行われない場合がある。そのため、このような検体搬送システムにおいては、搬送部間での検体ラックの受け渡しに不具合が生じている場合に、その原因を究明したいという要望がある。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、搬送部間での検体ラックの受け渡しに不具合が生じている場合に、その原因を容易に究明することを可能とする検体搬送システム、検体処理システムおよび制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、検体搬送システムに関する。本態様に係る検体搬送システムは、検体を保持した検体ラックを搬送するための第1搬送部と、前記第1搬送部との間で前記検体ラックを受け渡し可能に配置されるとともに、前記第1搬送部と通信可能な第2搬送部と、表示部と、前記第1搬送部と前記第2搬送部との間の前記検体ラックの受け渡しに関する通信信号の経時的推移を反映した状態情報を前記表示部に表示させる制御部と、を備える。
【0008】
本態様に係る検体搬送システムによれば、第1搬送部と第2搬送部との間の検体ラックの受け渡しに関する通信信号の経時的推移をユーザが確認することができるため、搬送部間での検体ラックの受け渡しに係る各搬送部の状態を容易に把握することができる。そのため、搬送部間での検体ラックの受け渡しに不具合が生じている場合に、その原因を容易に検証することができる。したがって、たとえば、あるメーカの搬送部に他のメーカの搬
送部を接続した場合に、検体ラックの受け渡しに不具合が生じても、その原因を容易に究明することが可能となる。
【0009】
本態様に係る検体搬送システムにおいて、前記第1搬送部から前記第2搬送部に前記検体ラックが渡される場合、前記第1搬送部は、前記検体ラックの搬出に関する第1信号を前記第2搬送部に提供し、前記第2搬送部は、前記検体ラックの受入に関する第2信号を前記第1搬送部に提供し、前記制御部は、前記第1信号の経時的推移を反映した第1状態情報と、前記第2信号の経時的推移を反映した第2状態情報とを含む画面を前記表示部に表示させるよう構成され得る。こうすると、第1状態情報と第2状態情報の経時的推移をユーザが確認することができるため、搬送部間での検体ラックの受け渡しに不具合が生じている場合に、その原因をさらに容易に検証することができる。
【0010】
この場合に、前記第1状態情報は、前記第1信号の変化の様子を経時的に示す情報であり、前記第2状態情報は、前記第2信号の変化の様子を経時的に示す情報であるよう構成され得る。こうすると、搬送部の状態が明確に表現されるため、搬送部の状態をより容易に把握することが可能となる。
【0011】
また、本態様に係る検体搬送システムにおいて、前記第1信号は、前記第1搬送部が前記検体ラックの搬出動作を行っている状態にあるか否かを示す搬出動作信号であり、前記第2信号は、前記第2搬送部が前記検体ラックを受入可能な状態にあるか否かを示す受入可能信号であるよう構成され得る。こうすると、搬出動作信号と受入可能信号が表示されるため、検体ラックの受け渡し動作に直接関連する信号をユーザが確認することができる。これにより、検体ラックの受け渡しの不具合の原因をより容易に究明することが可能となる。
【0012】
この場合に、前記第1搬送部は、前記検体ラックの搬出が完了したことを検出するための第1センサと、前記搬出動作信号を提供する第1提供部と、前記第1センサによって前記検体ラックの搬出完了を検出した場合に、前記搬出動作信号の提供を中止するよう前記第1提供部を制御する第1制御部と、を備えるよう構成され得る。
【0013】
また、前記第2搬送部は、前記検体ラックを受け入れたことを検出するための第2センサと、前記受入可能信号を提供する第2提供部と、前記第2センサによって前記検体ラックの受け入れを検出した場合に、前記受入可能信号の提供を中止するよう前記第2提供部を制御する第2制御部と、を備えるよう構成され得る。
【0014】
また、前記第1搬送部は、前記検体ラックの搬出が完了したことを検出するための第1センサを備え、前記第2搬送部は、前記検体ラックを受け入れたことを検出するための第2センサを備え、前記制御部は、前記第1センサおよび前記第2センサの検出状態を示す情報を前記表示部に表示させるよう構成され得る。こうすると、第1および第2センサの検出状態を確認することによって、第1および第2センサが不具合なく稼働しているか否かを確認することができる。これにより、搬送部間の接続不具合の原因をより正確に究明することが可能となる。
【0015】
また、本態様に係る検体搬送システムにおいて、前記第2搬送部は、当該第2搬送部に異常が生じているか否かを示す異常信号を前記第1搬送部に提供するよう構成され、前記制御部は、前記異常信号の経時的推移を反映した異常状態情報を前記表示部に表示させるよう構成され得る。こうすると、検体ラックの受け渡しの不具合が、搬送部の異常によるものか否かも容易に検証することができる。
【0016】
また、本態様に係る検体搬送システムにおいて、前記第2搬送部は、当該第2搬送部の
電源がONされているか否かを示す電源信号を前記第1搬送部に提供するよう構成され、前記制御部は、前記電源信号の経時的推移を反映した電源状態情報を前記表示部に表示させるよう構成され得る。こうすると、検体ラックの受け渡しの不具合が、搬送部の電源OFFによるものか否かも容易に検証することができる。
【0017】
また、本態様に係る検体搬送システムにおいて、前記第2搬送部との間で前記検体ラックを受け渡し可能に配置されるとともに前記第2搬送部と通信可能な第3搬送部をさらに含み、前記画面は、前記第1搬送部と前記第2搬送部との間の前記検体ラックの受け渡しに関する前記状態情報を表示する第1表示領域、および、前記第2搬送部と前記第3搬送部との間の前記検体ラックの受け渡しに関する前記状態情報を表示する第2表示領域とを含むよう構成され得る。こうすると、第1搬送部と第2搬送部との間、および、第2搬送部と第3搬送部との間における検体ラックの受け渡しに関する状態を一つの画面で確認することができる。
【0018】
また、本態様に係る検体搬送システムにおいて、前記制御部は、複数の搬送部の中からいずれかの搬送部の指定を受け付けるよう構成され、指定された搬送部による前記検体ラックの受け渡しに関する前記状態情報を示す画面を前記表示部に表示させるよう構成され得る。こうすると、所望の搬送部の検体ラックの受け渡しに関する状態を容易に確認することができる。
【0019】
ここで、前記制御部は、前記複数の搬送部の配置の様子を示す配置画面を前記表示部に表示させ、前記制御部は、前記配置画面を介して、いずれかの搬送部の指定を受け付けるよう構成され得る。こうすると、簡便に搬送部の指定を行うことができる。
【0020】
また、本態様に係る検体搬送システムにおいて、前記制御部は、前記状態情報の表示開始指示を受け付けるよう構成され、当該表示開始指示を受け付けてから所定時間に渡る前記状態情報を示す画面を前記表示部に表示させるよう構成され得る。こうすると、所望の時間帯の通信状況のみを表示させることができる。
【0021】
また、本態様に係る検体搬送システムにおいて、前記第1および第2搬送部は、信号線によって互いに接続されているよう構成され得る。
【0022】
本発明の第2の態様は、検体処理システムに関する。本態様に係る検体処理システムは、上記第1の態様に係る検体搬送システムと、前記第1および第2搬送部によって搬送される前記検体ラック内の検体を処理する検体処理部と、を備える。
【0023】
本態様に係る検体処理システムによれば、上記第1の態様と同様の効果が奏され得る。
【0024】
本発明の第3の態様は、検体を保持した検体ラックを搬送するための第1搬送部と、前記第1搬送部との間で前記検体ラックを受け渡し可能に配置されるとともに、前記第1搬送部と通信可能な第2搬送部との間の前記検体ラックの受け渡し状態を監視可能な制御装置に関する。この態様に係る制御装置は、前記第1搬送部と前記第2搬送部との間の前記検体ラックの受け渡しに関する通信信号を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記通信信号の経時的推移を反映した状態情報を表示部に表示させる制御部と、を備える。
【0025】
本態様に係る制御装置によれば、上記第1の態様と同様の効果が奏され得る。
【発明の効果】
【0026】
以上のとおり、本発明によれば、搬送部間での検体ラックの受け渡しに不具合が生じて
いる場合に、その原因を容易に究明することを可能とする検体搬送システム、検体処理システムおよび制御装置を提供することができる。
【0027】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態により何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施の形態に係る検体処理システムを上側から見た場合の構成を模式的に示す平面図である。
【図2】実施の形態に係る検体容器および検体ラックの構成を示す図である。
【図3】実施の形態に係る回収ユニット、検体並び替え装置および前処理ユニットを上側から見た場合の構成を示す平面図である。
【図4】実施の形態に係る検体処理システムの各ユニット(装置)の相互の接続関係を模式的に示す図である。
【図5】実施の形態に係る搬送コントローラ、回収ユニット、検体並び替え装置および前処理ユニットの構成の概要を示す図である。
【図6】実施の形態に係る搬送コントローラの表示入力部に表示されるサービス画面を示す図である。
【図7】実施の形態に係る搬送コントローラの表示入力部に表示されるサービスダイアログを示す図である。
【図8】実施の形態に係る受取側ユニットによる処理を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態に係る受取側ユニットによる受取処理を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態に係る搬出側ユニットによる搬出処理を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態に係る開始ボタンがタッチされた場合に、搬送コントローラおよび内部接続ユニットの処理を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態に係る検体処理システムの変更例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本実施の形態は、血液に関する検査および分析を行うための検体処理システムに本発明を適用したものである。本実施の形態に係る検体処理システムは、2台の測定ユニットと、1台の塗抹標本作製装置を備えている。2台の測定ユニットでは、血液分析が並行して行われ、その分析結果に基づき塗抹標本の作製が必要である場合に、塗抹標本作製装置により塗抹標本が作製される。
【0030】
以下、本実施の形態に係る検体処理システムについて、図面を参照して説明する。
【0031】
図1は、検体処理システム1を上側から見た場合の構成を模式的に示す平面図である。本実施の形態に係る検体処理システム1は、投入ユニット21と、前処理ユニット22、25と、回収ユニット23、26と、検体並び替え装置24と、搬送ユニット31〜33と、2台の測定ユニット41と、情報処理ユニット42と、塗抹標本作製装置5と、搬送コントローラ6から構成されている。また、本実施の形態の検体処理システム1は、通信ネットワークを介してホストコンピュータ7と通信可能に接続されている。
【0032】
投入ユニット21と、前処理ユニット22、25と、回収ユニット23、26と、検体並び替え装置24と、搬送ユニット31〜33は、検体ラックLの受け渡しが可能となるように、図示の如く、左右に隣接するよう配置されている。なお、投入ユニット21と、前処理ユニット22、25と、回収ユニット23、26と、検体並び替え装置24と、搬
送ユニット31〜33を、以下、「搬送系ユニット」と称することにする。これらのユニットは、10本の検体容器Tを保持可能な複数の検体ラックLが載置可能となるよう構成されている。
【0033】
図2は、検体容器Tと検体ラックLの構成を示す図である。同図(a)は、検体容器Tの外観を示す斜視図であり、同図(b)は、10本の検体容器Tが保持されている検体ラックLの外観を示す斜視図である。なお、同図(b)には、検体ラックLが投入ユニット21に載置されるときの向き(図1の前後左右)が併せて示されている。
【0034】
図2(a)を参照して、検体容器Tは、透光性を有するガラスまたは合成樹脂により構成された管状容器であり、上端が開口している。内部には患者から採取された血液検体が収容され、上端の開口は蓋部CPにより密封されている。検体容器Tの側面には、バーコードラベルBL1が貼付されている。バーコードラベルBL1には、検体IDを示すバーコードが印刷されている。
【0035】
図2(b)を参照して、検体ラックLには、10本の検体容器Tを垂直状態(立位状態)で並べて保持することが可能となるよう、図示の如く保持位置1〜10に10個の保持部が形成されている。また、検体ラックLの後方の側面には、図示の如く、バーコードラベルBL2が貼付されている。バーコードラベルBL2には、ラックIDを示すバーコードが印刷されている。
【0036】
図1に戻って、投入ユニット21は、ユーザが投入した検体ラックLを収容し、収容している検体ラックLを前処理ユニット22に搬出する。ユーザは、検体の測定を開始する場合、まず、検体を収容する検体容器Tを検体ラックLにセットし、この検体ラックLを投入ユニット21に載置する。しかる後に、この検体ラックLが下流側(左側)のユニットに順次搬送され、測定が行われる。
【0037】
前処理ユニット22は、投入ユニット21により搬出された検体ラックLを受け取る。前処理ユニット22は、バーコードユニット(図示せず)により、投入ユニット21により搬出された検体ラックLのラックIDと、検体ラックLの保持位置に対応付けられた検体容器Tの検体IDを読み取る。しかる後、前処理ユニット22は、バーコードユニットにより読み取られた情報を搬送コントローラ6へ送信し、読み取りが完了した検体ラックLを搬送ユニット31に搬出する。
【0038】
搬送ユニット31、32は、図示の如く、それぞれ、2台の測定ユニット41の前方に配置されている。搬送ユニット31は、前処理ユニット22により搬出された検体ラックLを受け取り、搬送ユニット32に搬出する。搬送ユニット32は、搬送ユニット31により搬出された検体ラックLを受け取り、回収ユニット23に搬出する。
【0039】
搬送ユニット31、32には、図示の如く、それぞれに対応する測定ユニット41に検体ラックLが搬送される場合と搬送されない場合とに分けて、2通りの搬送ラインが設定されている。すなわち、測定ユニット41で測定が行われる場合は、後方のコの字型の矢印で示された“測定ライン”に沿って検体ラックLが搬送される。測定ユニット41で測定が行われず、下流側(左側)で測定または塗抹標本の作製が行われる場合は、当該測定ユニット41をスキップするよう、前方の左向きの矢印で示された“供給ライン”に沿って検体ラックLが搬送される。
【0040】
2台の測定ユニット41は、それぞれ前方に配置された搬送ユニット31、32の測定ライン上の所定の位置(図中点線矢印)において、検体ラックLから検体容器Tを抜き出して、この検体容器Tに収容された検体を測定ユニット41内で測定する。測定が完了す
ると、測定ユニット41は、この検体容器Tを再び元の検体ラックLの保持部に戻す。
【0041】
情報処理ユニット42は、2台の測定ユニット41と通信可能に接続されており、2台の測定ユニット41の動作を制御する。また、情報処理ユニット42は、搬送ユニット31、32の後方側の一部である検体供給部(図4参照)と通信可能に接続されており、かかる検体供給部の動作を制御する。また、情報処理ユニット42は、ホストコンピュータ7と通信ネットワークを介して通信可能に接続されており、測定ユニット41内のバーコードユニット(図示せず)により検体IDが読み取られると、ホストコンピュータ7に測定オーダの問い合わせを行う。また、情報処理ユニット42は、測定ユニット41で行われた測定結果に基づいて分析を行い、分析結果をホストコンピュータ7に送信する。
【0042】
回収ユニット23は、搬送ユニット32により搬出された検体ラックLを受け取る。また、回収ユニット23は、受け取った検体ラックLを後方へ搬送した後、検体並び替え装置24に搬出する。
【0043】
検体並び替え装置24は、回収ユニット23により搬出された検体ラックLを受け取る。検体並び替え装置24は、受け取った検体ラックLに保持されている各検体について、塗抹標本作製装置5による塗抹標本の作製の要否をホストコンピュータ7に問い合わせる。検体並び替え装置24は、問い合わせ結果に基づいて、検体ラックLに保持されている検体容器Tを並べ替えて、塗抹標本の作成が必要と判断された検体容器Tのみを収容する検体ラックLを、前処理ユニット25に搬出する。
【0044】
なお、塗抹標本の作成が不要と判定された検体を収容する検体容器Tは、検体並び替え装置24内の収納領域24f(図3参照)に収納される。こうして、収納領域24fに収納された検体容器Tは、検体処理システム1による処理が終了し、ユーザにより収納領域24fから取り出される。
【0045】
前処理ユニット25は、検体並び替え装置24により搬出された検体ラックLを受け取る。また、前処理ユニット25は、受け取った検体ラックLを前方へ搬送した後、搬送ユニット33に搬出する。
【0046】
ここで、図1に示すように、検体並び替え装置24は、外部接続ケーブルC1、C2により、それぞれ、回収ユニット23と前処理ユニット25に接続されている。回収ユニット23と検体並び替え装置24との間の検体ラックLの搬送と、検体並び替え装置24と前処理ユニット25との間の検体ラックLの搬送は、外部接続ケーブルC1、C2を介した信号のやり取りに基づいて行われる。回収ユニット23と、検体並び替え装置24と、前処理ユニット25の構成については、追って図3を参照して説明する。
【0047】
搬送ユニット33は、図示の如く、塗抹標本作製装置5の前方に配置されている。搬送ユニット33は、前処理ユニット25により搬出された検体ラックLを受け取り、回収ユニット26に搬出する。また、搬送ユニット33は、バーコードユニット(図示せず)により、受け取った検体ラックLに保持されている検体容器Tの検体IDを読み取る。
【0048】
また、搬送ユニット33には、搬送ユニット31、32と同様、図示の如く、塗抹標本作製装置5に検体ラックLが搬送される場合と搬送されない場合とに分けて、測定ラインと供給ラインとが設定されている。本実施の形態では、前処理ユニット25側から搬出される検体ラックLには、塗抹標本の作製が必要な検体のみが保持されているため、全ての検体ラックLは、搬送ユニット33の測定ラインに沿って搬送される。
【0049】
塗抹標本作製装置5は、ホストコンピュータ7と通信ネットワークを介して通信可能に
接続されており、搬送ユニット33のバーコードユニットにより読み取られた検体IDを搬送ユニット33から受信すると、ホストコンピュータ7に測定オーダの問い合わせを行う。しかる後、塗抹標本作製装置5は、搬送ユニット33の測定ライン上の所定の位置(図中点線矢印)において、検体容器Tに収容されている検体を吸引して、ホストコンピュータ7から受信した測定オーダに基づき、この検体の塗抹標本を作製する。
【0050】
回収ユニット26は、搬送ユニット33により搬出された検体ラックLを受け取り、受け取った検体ラックLを後方に搬送する。検体ラックLは、回収ユニット26の搬送路上に収納される。こうして、回収ユニット26の搬送路上に収納された検体ラックLは、検体処理システム1による処理が終了し、ユーザにより回収ユニット26から取り出される。
【0051】
搬送コントローラ6は、検体ラックLの搬送に係る搬送系ユニットのうち、投入ユニット21と、前処理ユニット22、25と、回収ユニット23、26と、搬送ユニット31〜33の搬送動作を制御する。投入ユニット21と、前処理ユニット22、25と、回収ユニット23、26と、搬送ユニット31〜33を、以下、「内部接続ユニット」と称することにする。なお、検体並び替え装置24の搬送動作は、搬送コントローラ6によって制御されていない。このように、搬送コントローラ6によって搬送動作の制御が行われないユニット(装置)を、以下、「外部接続ユニット」と称することにする。
【0052】
図3は、回収ユニット23と、検体並び替え装置24と、前処理ユニット25を上側からみた場合の構成を示す平面図である。
【0053】
搬送ユニット32側から搬出された検体ラックLは、回収ユニット23の搬送路23aの前方位置に位置付けられる。この検体ラックLは、ラック送込機構23bによって前方側面が押されることにより、搬送路23aの後方位置(搬出位置P1)に搬送される。
【0054】
搬出位置P1の近傍には、図示の如く、透過型のセンサ23cと、ラック搬出機構23dが設置されている。センサ23cにより、ラック送込機構23bによって搬出位置P1に位置付けられた検体ラックLが検出される。搬出位置P1に位置付けられた検体ラックLは、ラック搬出機構23dによって右側面が押されることにより、検体並び替え装置24に搬出される。
【0055】
検体並び替え装置24の右端後方の位置(受取位置P2)の近傍には、図示の如く、ベルト24aと、透過型のセンサ24bが設置されている。回収ユニット23側から搬出された検体ラックLは、ベルト24aによって左方向に搬送され、受取位置P2に位置付けられる。センサ24bにより、受取位置P2に位置付けられた検体ラックLが検出される。
【0056】
受取位置P2にある検体ラックLは、ラック搬出機構24eによって右側面を押されることにより左方向に搬送され、搬送路24c上に位置付けられる。このとき、検体並び替え装置24は、この検体ラックLに保持されている全ての検体について、塗抹標本の作製が必要かを、ホストコンピュータ7(図1参照)に問い合わせる。
【0057】
ここで、キャッチャ24dは、検体並び替え装置24の内部の上面に設置されており、前後左右方向と上下方向に移動可能となっている。また、キャッチャ24dは、下端に把持部を備えている。塗抹標本の作製が不要と判定された検体を収容する検体容器Tは、搬送路24c上の所定の位置において、キャッチャ24dにより検体ラックLから抜き出され、収納領域24fに形成された保持孔にセットされる。
【0058】
また、搬送路24c上の検体ラックLから、塗抹標本の作製が不要である検体容器Tが全て抜き出された後、この検体ラックLに保持されている塗抹標本の作製が必要である検体容器Tと、バッファ領域24gにセットされている検体容器Tの合計が10本以上であるかが判定される。
【0059】
ここで、検体容器Tの合計が10本未満であると判定されると、塗抹標本の作製が必要と判定された検体を収容する検体容器Tは、搬送路24c上の所定の位置において、キャッチャ24dにより検体ラックLから抜き出され、バッファ領域24gに形成された保持孔にセットされる。こうして、ラック搬送路24c上の検体ラックLから全ての検体ラックLが抜き出されると、この検体ラックLは、ラック搬出機構24eにより搬出位置P3まで搬送された後、搬送路24jの前方に搬送される。
【0060】
他方、上記判定において、検体容器Tの合計が10本以上であると判定されると、バッファ領域24gにセットされた検体容器Tは、キャッチャ24dによりバッファ領域24gの保持孔から抜き出され、検体ラックLの空いている全ての保持部にセットされる。こうして、塗抹標本の作製が必要である検体容器Tのみを保持することとなった検体ラックLは、ラック搬出機構24eによって右側面が押されることにより、搬送路24cの左端位置(搬出位置P3)まで搬送される。
【0061】
搬出位置P3の近傍には、図示の如く、透過型のセンサ24hと、ラック押出し機構24iが設置されている。センサ24hにより、ラック搬出機構24eによって搬出位置P3に位置付けられた検体ラックLが検出される。しかる後、塗抹標本の作製が必要である検体容器Tのみを保持する検体ラックLは、ラック搬出機構24eにより、前処理ユニット25に搬出される。
【0062】
また、全ての検体容器Tが抜き出された検体ラックLは、上記のようにラック搬出機構24eによって搬出位置P3まで搬送された後、ラック押出し機構24iにより前方に押し出される。こうして搬送路24j上に押し出された検体ラックLは、ラック送込機構24kによって後方側面が押されることにより、搬送路24jの前方に搬送される。
【0063】
前処理ユニット25の後方位置(受取位置P4)の近傍には、図示の如く、ベルト25aと、透過型のセンサ25bと、ラック押出し機構25cが設置されている。検体並び替え装置24側から搬出された検体ラックLは、ベルト25aによって左方向に搬送され、受取位置P4に位置付けられる。センサ25bにより、受取位置P4に位置付けられた検体ラックLが検出される。しかる後、受取位置P4にある検体ラックLは、ラック押出し機構25cにより前方に押し出される。搬送路25d上に押し出された検体ラックLは、ラック送込機構25eによって後方側面が押されることにより、搬送路25dの前方に搬送される。搬送路25dの前方位置に位置付けられた検体ラックLは、ラック搬出機構25fによって、右側面が押されることにより、搬送ユニット33に搬出される。
【0064】
図4は、検体処理システム1の各ユニット(装置)の相互の接続関係を模式的に示す図である。
【0065】
ここで、搬送ユニット31、32は、それぞれ、検体リレー部3aと、検体供給部3bに分けて図示されている。検体リレー部3aは、搬送ユニット31、32の供給ラインに係る部分であり、検体供給部3bは、搬送ユニット31、32の測定ラインに係る部分である。
【0066】
集線装置11には、投入ユニット21と、前処理ユニット22、25と、回収ユニット23、26と、2台の検体リレー部3aと、搬送ユニット33と、搬送コントローラ6が
、通信可能となるよう接続されている。集線装置12には、2台の検体リレー部3aと情報処理ユニット42が、互いに通信可能となるよう接続されている。集線装置13には、2台の検体供給部3bと情報処理ユニット42が、互いに通信可能となるよう接続されている。集線装置14には、2台の測定ユニット41と情報処理ユニット42が、互いに通信可能となるよう接続されている。
【0067】
なお、検体並び替え装置24は、上述したように搬送コントローラ6に接続されておらず、右隣りの回収ユニット23と、左隣りの前処理ユニット25と、それぞれ、外部接続ケーブルC1、C2により接続されている。
【0068】
図5は、搬送コントローラ6と、回収ユニット23と、検体並び替え装置24と、前処理ユニット25の構成の概要を示す図である。
【0069】
搬送コントローラ6は、制御部601と、通信部602と、ハードディスク603と、表示入力部604を備える。制御部601は、CPU601aとメモリ601bを備える。
【0070】
CPU601aは、メモリ601bとハードディスク603に記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより、図4に示した通信可能に接続されているユニット(装置)(内部接続ユニット)を制御する。メモリ601bは、ハードディスク603に記憶されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる他、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、作業領域としても利用される。通信部602は、Ethernet(登録商標)規格に基づいて外部の装置とデータ通信を行うための通信インターフェースを備え、集線装置11との間でデータ通信を行う。
【0071】
ハードディスク603には、内部接続ユニットを制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。また、ハードディスク603には、後述するサービス画面D1(図6)とサービスダイアログD2(図7)を、表示入力部604に表示するためのコンピュータプログラムが記憶されている。表示入力部604は、タッチパネル等で構成されている。表示入力部604は、制御部601から出力される映像信号に基づいて画像を表示すると共に、ユーザにより表示入力部604の画面がタッチされることによって入力された内容を、制御部601に出力する。
【0072】
回収ユニット23は、制御部231と、接続ユニット232と、A/D変換部233と、駆動部234と、センサ部235と、通信部236を備える。制御部231は、CPU231aとメモリ231bを備える。接続ユニット232は、接続部232a、232bを備える。
【0073】
CPU231aは、搬送コントローラ6のCPU601aに従って、メモリ231bに記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより、回収ユニット23内の各部を制御する。
【0074】
接続部232a、232bは、それぞれ、複数のポートを備えており、セントロニクスに準拠した外部接続ケーブル、または、D−sub25極に対応した外部接続ケーブルを接続可能に構成されている。また、接続部232bは、検体並び替え装置24の接続部242aと、外部接続ケーブルC1により接続されている。
【0075】
ここで、CPU231aは、接続部232a、232bの各ポートのON/OFF状態を設定することができる。OFF状態のとき、ポートはLowレベル(グランドレベル)とされ、ON状態のとき、ポートにHighレベルの信号が印加される。各ポートの信号
レベル(ON/OFF状態)は、A/D変換部233を介して、制御部231に供給される。これにより、CPU231aは、接続部232a、232bのポートのON/OFF状態を検知することができる。
【0076】
駆動部234は、回収ユニット23上の検体ラックLを搬送するための機構と、この機構を駆動するためのステッピングモータ等を含んでいる。センサ部235は、図3に示したセンサ23cと、回収ユニット23上の他のセンサを含んでおり、検出信号を制御部231に出力する。通信部236は、搬送コントローラ6の通信部602と同様に、集線装置11との間でデータ通信を行う。
【0077】
検体並び替え装置24は、回収ユニット23から、通信部236を除いた構成となっている。すなわち、検体並び替え装置24は、制御部241と、接続ユニット242と、A/D変換部243と、駆動部244と、センサ部245を備える。制御部241は、CPU241aとメモリ241bを備える。接続ユニット242は、接続部242a、242bを備える。接続部242aは、回収ユニット23の接続部232bと、外部接続ケーブルC1により接続されており、接続部242bは、前処理ユニット25の接続部252aと、外部接続ケーブルC2により接続されている。センサ部245は、図3に示したセンサ24b、24hと、検体並び替え装置24上の他のセンサを含んでいる。
【0078】
前処理ユニット25は、回収ユニット23と同様の構成となっている。すなわち、前処理ユニット25は、制御部251と、接続ユニット252と、A/D変換部253と、駆動部254と、センサ部255と、通信部256を備える。制御部251は、CPU251aとメモリ251bを備える。接続ユニット252は、接続部252a、252bを備える。接続部252aは、検体並び替え装置24の接続部242aと、外部接続ケーブルC2により接続されている。センサ部255は、図3に示したセンサ25bと、検体並び替え装置24上の他のセンサを含んでいる。
【0079】
なお、他の搬送系ユニット(投入ユニット21と、前処理ユニット22と、検体リレー部3aと、搬送ユニット33と、回収ユニット26)も、回収ユニット23と同様の構成となっている。
【0080】
このように、回収ユニット23と、検体並び替え装置24と、前処理ユニット25が構成されると、これら各ユニット(装置)は、外部接続ケーブルで接続された隣り合うユニット(装置)と、信号のやり取りを行うことができる。すなわち、接続部232bの各ポートに設定されたON/OFF状態は、外部接続ケーブルC1を介して、接続部242aの対応するポートに反映され、接続部242aの各ポートに設定されたON/OFF状態は、外部接続ケーブルC1を介して、接続部232bの対応するポートに反映される。また、接続部242bの各ポートに設定されたON/OFF状態は、外部接続ケーブルC2を介して、接続部252aの対応するポートに反映され、接続部252aの各ポートに設定されたON/OFF状態は、外部接続ケーブルC2を介して、接続部242bの対応するポートに反映される。これにより、外部接続ケーブルC1、C2で接続されたユニット(装置)同士は、相互に信号のやり取りを行うことが可能となる。
【0081】
また、本実施の形態では、外部接続ケーブルC1、C2によって接続されたユニット(装置)同士は、所定のポートを用いて、特定の信号のやり取りを行っている。具体的には、ユニット(装置)の電源がONになっているかを示すOPTION信号と、ユニット(装置)に異常(エラー)が発生していないかを示すERR信号と、検体ラックLの受け取りが可能であるかを示すREADY信号と、検体ラックLが搬出状態にあるかを示すMOVE信号が、所定のポートを用いて、やり取りされている。以下、OPTION信号と、ERR信号と、READY信号と、MOVE信号のやり取りに使用されるポートを、それ
ぞれ、OPTIONポートと、ERRポートと、READYポートと、MOVEポートと称することにする。なお、検体ラックLの搬送の際に行われる、これらポートのON/OFF状態のやり取りについては、追って図8〜10を参照して説明する。
【0082】
図6は、搬送コントローラ6の表示入力部604に表示されるサービス画面D1を示す図である。
【0083】
図示の如く、サービス画面D1には、検体処理システム1の各ユニット(装置)のの配置レイアウトを示すレイアウト領域D11が含まれている。レイアウト領域D11には、投入ユニット21と、前処理ユニット22と、搬送ユニット31、32と、回収ユニット23と、検体並び替え装置24と、前処理ユニット25と、搬送ユニット33と、回収ユニット26に、それぞれ対応した搬送ユニットボタンF21、F22、F31、F32、F23、F24、F25、F33、F26が含まれている。
【0084】
これら搬送ユニットボタンのうち、内部接続ユニットに対応する搬送ユニットボタンF21、F22、F31、F32、F23、F25、F33、F26(F24は含まれない)のいずれか1つが、ユーザにより表示入力部604を介してタッチされると、このユニット(装置)のセンサ状態と、このユニット(装置)が有する接続部の所定のポートのON/OFF状態を示すサービスダイアログD2(図7参照)が、表示入力部604に表示される。
【0085】
図7は、搬送コントローラ6の表示入力部604に表示されるサービスダイアログD2を示す図である。サービスダイアログD2には、サービス画面D1においてユーザにより指定された搬送ユニットボタンに対応する内部接続ユニットに関する情報が表示される。サービスダイアログD2は、センサ情報表示領域D21と、外部I/O情報表示領域D22を含んでいる。
【0086】
センサ情報表示領域D21には、図示の如く、この内部接続ユニットに配されているセンサに対応した複数のラベルD211が含まれている。各ラベルD211に表示されている数字は、この内部接続ユニットに配されているセンサ番号を表している。たとえば、回収ユニット23に関するサービスダイアログD2が表示されている場合、56番の番号が付されたラベルD211がセンサ23cに対応し、前処理ユニット25に関するサービスダイアログD2が表示されている場合、1番の番号が付されたラベルD211がセンサ25bに対応する。ラベルD211に対応するセンサによって検体ラックL等が検出されると、このラベルD211は赤色になり、何も検出していないと、このラベルD211は白色になる。なお、ラベルD211の表示は、リアルタイムに更新されている。
【0087】
外部I/O情報表示領域D22には、図示の如く、接続部情報表示領域D221、D222と、開始ボタンD223が含まれている。
【0088】
接続部情報表示領域D221には、この内部接続ユニットの上流側に隣り合うユニット(装置)と接続しているポートのON/OFF状態が表示される。接続部情報表示領域D222には、この内部接続ユニットの下流側に隣り合うユニット(装置)と接続しているポートのON/OFF状態が表示される。なお、接続部情報表示領域D221、D222に表示されるポートは、OPTIONポートと、ERRポートと、READYポートと、MOVEポートとなっている。
【0089】
開始ボタンD223が、ユーザにより表示入力部604を介してタッチされると、搬送コントローラ6は、この内部接続ユニットに対してポートのON/OFF状態を取得するよう指示を送信する。搬送コントローラ6は、この内部接続ユニットから所定時間(10
秒程度)に亘るポートのON/OFF状態を受信すると、接続部情報表示領域D221またはD222に、ポートのON/OFF状態を表示する。なお、搬送コントローラ6によるポートのON/OFF状態の表示に関する処理については、追って図11を参照して説明する。
【0090】
次に、図8〜10を参照して、2つの隣り合う搬送系ユニットのうち、一方が内部接続ユニットであり、他方が外部接続ユニットである場合に、上流側または下流側のユニット(装置)による処理を説明する。なお、以下、この場合の2つの隣り合う搬送系ユニットのうち、下流側のユニット(装置)を「受取側ユニット」と称し、上流側のユニット(装置)を「搬出側ユニット」と称する。
【0091】
図8は、受取側ユニットによる電源投入後の処理を示すフローチャートである。かかる処理は、本実施の形態では、検体並び替え装置24と前処理ユニット25において行われる。
【0092】
受取側ユニットに電源が投入されると、受取側ユニットのCPUは、搬出側ユニットと外部接続ケーブルを介して接続されている接続部(以下、「上流側の接続部」という)のOPTIONポートをONにする(S11)。具体的には、受取側ユニットが検体並び替え装置24である場合、接続部242aのOPTIONポートがONとされ、受取側ユニットが前処理ユニット25である場合、接続部252aのOPTIONポートがONとされる。
【0093】
続いて、受取側ユニットのCPUは、受取側ユニットにおいてエラーがないかを判定する(S12)。エラーがないと判定されると(S12:YES)、受取側ユニットのCPUは、上流側の接続部のERRポートをONにする(S13)。他方、受取側ユニットにおいてエラーがあると判定されると(S12:NO)、受取側ユニットのCPUは、上流側の接続部のERRポートをOFFにする(S14)。
【0094】
次に、受取側ユニットのCPUは、検体ラックLを搬出側ユニットから受取可能かを判定する(S15)。具体的には、受取側ユニットが検体並び替え装置24である場合、センサ24bにより受取位置に検体ラックLが検出されないと、受取可能と判定され、受取側ユニットが前処理ユニット25である場合、センサ25bにより受取位置に検体ラックLが検出されないと、受取可能と判定される。検体ラックLが受取可能であると(S15:YES)、受取側ユニットのCPUは、上流側の接続部のREADYポートをONにする(S16)。他方、検体ラックLが受取可能でないと(S15:NO)、処理がS17に進められる。
【0095】
次に、受取側ユニットの電源がOFFにされない場合(S17:NO)、S12〜S16の処理が繰り返し行われる。受取側ユニットの電源がOFFにされた場合(S17:YES)、受取側ユニットのCPUは、上流側の接続部のOPTIONポートと、ERRポートと、READYポートをOFFにする(S18)。こうして、受取側ユニットによる処理が終了する。
【0096】
図9は、受取側ユニットによる検体ラックLの受取処理を示すフローチャートである。かかる受取処理は、受取側ユニットの電源がONとされている間、図8の処理と並行して実行される。
【0097】
受取側ユニットのCPUは、上流側の接続部のMOVEポートがONであるかを判定する(S21)。上流側の接続部のMOVEポートは、後述するように、搬出側ユニットにおいて検体ラックLを搬出する際に、搬出側ユニットによってONとされる。搬出側ユニ
ットは、後述のように、検体ラック搬出先の受取側ユニットが検体ラックLを受取可能であるとき、すなわち、図8の処理によりOPTIONポート、ERRポートおよびREADYポートが全てONになっている場合に、上流側の接続部のMOVEポートをONにする。したがって、S21の判別がYESの場合、当該受取側ユニットでは、自身のOPTIONポート、ERRポートおよびREADYポートが全てONになっており、検体ラックLを受取可能な状態となっている。
【0098】
上流側の接続部のMOVEポートがONであると(S21:YES)、受取側ユニットのCPUは、検体ラックLの受取動作を開始する(S22)。具体的には、受取側ユニットが検体並び替え装置24である場合、受取動作としてベルト24aが駆動され、受取側ユニットが前処理ユニット25である場合、受取動作としてベルト25aが駆動される。続いて、受取側ユニットのCPUは、上流側の接続部のREADYポートをOFFにする(S23)。他方、上流側の接続部のMOVEポートがONでないと(S21:NO)、S21の判定が繰り返される。
【0099】
次に、受取側ユニットのCPUは、検体ラックLを受け取ったかを判定する(S24)。具体的には、受取側ユニットが検体並び替え装置24である場合、かかる判定は、センサ24bにより検体ラックLが検知されたかによって行われ、受取側ユニットが前処理ユニット25である場合、かかる判定は、センサ25bにより検体ラックLが検知されたかによって行われる。検体ラックLが受け取られると(S24:YES)、受取側ユニットのCPUは、検体ラックLの受取動作を停止する(S25)。他方、検体ラックLが受け取られていないと(S24:NO)、受取側ユニットのCPUは、S24の判定が繰り返される。
【0100】
検体ラックLの受取動作が停止されると(S25)、受取側ユニットのCPUは、受取位置にある検体ラックLを、受取位置から下流側へ搬送する(S26)。具体的には、受取側ユニットが検体並び替え装置24である場合、ラック搬出機構24eにより検体ラックLが搬送され、受取側ユニットが前処理ユニット25である場合、ラック押出し機構25cにより検体ラックLが搬送される。こうして、S26の処理が終わると、処理がS21に戻され、S21〜26の処理が繰り返し行われる。
【0101】
図10は、搬出側ユニットによる搬出処理を示すフローチャートである。かかる処理は、本実施の形態では、回収ユニット23と検体並び替え装置24において行われる。
【0102】
搬出側ユニットのCPUは、受取側ユニットと外部接続ケーブルを介して接続されている接続部(以下、「下流側の接続部」という)のOPTIONポートと、ERRポートと、READYポートが全てONになっているかを判定する(S31)。これらポートが全てONになっているとき(S31:YES)、すなわち、受取側ユニットが検体ラックLを受け取ることが可能であるとき、処理がS32に進められる。他方、これらポートが全てONになっていないとき(S31:NO)、すなわち、受取側ユニットが検体ラックLを受け取ることができないとき、S31の判定が繰り返される。
【0103】
次に、搬出側ユニットのCPUは、検体ラックLが搬出位置に来たかを判定する(S32)。具体的には、搬出側ユニットが、回収ユニット23である場合、かかる判定は、センサ23cにより、検体ラックLが検知されたかによって行われる。搬出側ユニットが、検体並び替え装置24である場合、かかる判定は、塗抹標本の作製が必要とされた検体のみを保持する検体ラックLが、センサ24hにより検知されたかによって行われる。
【0104】
検体ラックLが搬出位置に来ると(S32:YES)、搬出側ユニットのCPUは、下流側の接続部のMOVEポートをONにし(S33)、検体ラックLの搬出動作を開始す
る(S34)。具体的には、搬出側ユニットが回収ユニット23である場合、搬出動作として、ラック搬出機構23dが左方向に駆動され、搬出側ユニットが検体並び替え装置24である場合、搬出動作として、ラック搬出機構24eが左方向に駆動される。他方、検体ラックLが搬出位置に来ていないと(S32:NO)、S32の判定が繰り返される。
【0105】
続いて、搬出側ユニットのCPUは、検体ラックLの搬出が完了したかを判定する(S35)。具体的には、搬出側ユニットが回収ユニット23である場合、かかる判定は、センサ23cにより検体ラックLが検知されなくなったかによって行われ、搬出側ユニットが検体並び替え装置24である場合、かかる判定は、センサ24hにより検体ラックLが検知されなくなったかによって行われる。検体ラックLの搬出が完了すると(S35:YES)、処理がS36に進められ、検体ラックLの搬出が完了していないと(S35:NO)、S35の判定が繰り返される。
【0106】
続いて、搬出側ユニットのCPUは、下流側の接続部のMOVEポートをOFFにし(S36)、検体ラックLの搬出動作を停止する(S37)。こうして、S37の処理が終わると、処理がS31に戻され、S31〜37の処理が繰り返し行われる。
【0107】
図11は、図7に示すサービスダイアログD2の開始ボタンD223がタッチされた場合に、搬送コントローラ6とユーザにより指定された内部接続ユニットの処理を示すフローチャートである。
【0108】
搬送コントローラ6のCPU601aは、ユーザにより信号を表示する指示を受けたかを判定する(S41)。すなわち、S41では、CPU601aにより、図7に示したサービスダイアログD2の開始ボタンD223が、表示入力部604を介してユーザによりタッチされたかが判定される。
【0109】
信号表示指示があると(S41:YES)、CPU601aは、サービスダイアログD2の示す内部接続ユニット(サービス画面D1においてユーザにより指定された内部接続ユニット)に対して、信号記憶指示を送信する(S42)。続いて、CPU601aは、この内部接続ユニットから信号を受信するまで、処理を待機させる(S43)。
【0110】
ユーザにより指定された内部接続ユニットのCPUは、搬送コントローラ6から信号記憶指示を受信すると(S51:YES)、外部接続ケーブルが接続されている接続部のOPTIONポートと、ERRポートと、READYポートと、MOVEポートのON/OFF状態を示す信号の記憶を開始する(S52)。具体的には、この内部接続ユニットが回収ユニット23である場合、接続部232bのポートのON/OFF状態が記憶され、この内部接続ユニットが前処理ユニット25である場合、接続部252aのポートのON/OFF状態が記憶される。なお、これらポートのON/OFF状態の記憶には、内部接続ユニットの制御部内にあるメモリが用いられる。メモリには、接続部232bまたは252aのポートの信号レベルをA/D変換部233または253により所定のサンプリング周期でA/D変換した値が順次記憶される。
【0111】
内部接続ユニットのCPUは、ポートのON/OFF状態の記憶を開始してから、10秒経過するまで処理を待機させる(S53)。すなわち、ポートのON/OFF状態が10秒間に亘ってメモリに記憶される。ポートのON/OFF状態の記憶を開始してから10秒経過すると(S53:YES)、内部接続ユニットのCPUは、メモリに記憶したポートのON/OFF状態を示す信号を、搬送コントローラ6に送信する(S54)。
【0112】
搬送コントローラ6のCPU601aは、通信部602を介して、内部接続ユニットから信号を受信すると(S43:YES)、この信号を表示入力部604に表示する(S4
4)。具体的には、ユーザにより指定された内部接続ユニットが回収ユニット23である場合、図7の接続部情報表示領域D222に、10秒間に亘るOPTIONポートと、ERRポートと、READYポートと、MOVEポートのON/OFF状態が表示され、ユーザにより指定された内部接続ユニットが前処理ユニット25である場合、図7の接続部情報表示領域D221に、10秒間に亘るOPTIONポートと、ERRポートと、READYポートと、MOVEポートのON/OFF状態が表示される。
【0113】
以上、本実施の形態によれば、回収ユニット23と検体並び替え装置24の間、または、検体並び替え装置24と前処理ユニット25の間の、所定時間に亘る検体ラックLの受け渡し動作に用いられる信号(OPTIONポートと、ERRポートと、READYポートと、MOVEポートのON/OFF状態)の推移が、図7の外部I/O情報表示領域D22に表示される。これにより、外部接続ケーブルで接続された2つの搬送系ユニットの、検体ラックLの受け渡しに関する状態を容易に把握することができる。
【0114】
また、外部接続ケーブルで接続された2つの搬送系ユニットにおいて、検体ラックLの受け渡しに不具合が生じている場合、検体ラックLの受け渡し動作に用いられる信号(OPTIONポートと、ERRポートと、READYポートと、MOVEポートのON/OFF状態)を参照することにより、その原因を容易に検証することができる。従って、たとえば、サービスマンが、他社の搬送系ユニットと自社の搬送系ユニットとを外部接続ケーブルにより接続して検体処理システムを設置した際に、他社の搬送系ユニットと自社の搬送系ユニットとの間で検体ラックLの受け渡しに不具合が生じても、その原因を容易に究明することが可能となる。
【0115】
より具体的には、たとえば、受取側ユニットのOPTIONポート、ERRポート、READYポートが全てONであるにも関わらずMOVEポートがONにならないことが図7の外部I/O情報表示領域D22の信号の推移から分かった場合には、受取側ユニットと搬出側ユニットとの間のケーブル接続に不具合の原因が存在する可能性があると、サービスマンは判断することが可能となる。また、受取側ユニットが検体ラックLを受取可能な状態であるにも関わらずREADYポートがONにならない場合には、受取側ユニットのREADYポートに不具合の原因が存在する可能性があると、サービスマンは判断することができる。
【0116】
また、本実施の形態によれば、内部接続ユニットに配されたセンサの検出状態が、図7のセンサ情報表示領域D21に表示される。かかるセンサの検出状態が、外部I/O情報表示領域D22と併せて参照されると、外部接続ケーブルで接続された2つの搬送系ユニットにおいて、検体ラックLの受け渡しに関する不具合の原因を、より正確に究明することが可能となる。
【0117】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態はこれらに限定されるものではない。
【0118】
たとえば、上記実施の形態では、測定対象として血液を例示したが、尿についても測定対象とされ得る。すなわち、尿を検査する検体処理システムにも本発明を適用することができ、さらに、他の臨床検体を検査する臨床検体処理システムに本発明を適用することもできる。
【0119】
図12(a)は、尿を検査する検体処理システム800に、本発明が適用された場合について説明する図である。
【0120】
図示の如く、検体処理システム800は、搬送ユニット801〜803と、測定ユニッ
ト811、812と、搬送コントローラ820を備える。搬送コントローラ820は、搬送ユニット802と通信可能に接続されている。搬送ユニット801、802は、外部接続ケーブルC3により接続されており、搬送ユニット802、803は、外部接続ケーブルC4により接続されている。
【0121】
搬送ユニット801は、搬送ユニット801に載置された検体ラックLを、定性分析を行う測定ユニット811に搬送し、測定ユニット811による測定が終了した検体ラックLを搬送ユニット802に搬出する。搬送ユニット802は、搬送ユニット801により搬出された検体ラックLを受け取る。搬送ユニット802は、受け取った検体ラックLを、沈渣分析を行う測定ユニット812に搬送し、測定ユニット812による測定が終了した検体ラックLを搬送ユニット803に搬出する。搬送ユニット803は、搬送ユニット802により搬出された検体ラックLを受け取り、搬送ユニット803内に収容する。
【0122】
この場合も、搬送コントローラ820の表示入力部に、図6に示すようなサービス画面が表示され、この画面において搬送ユニット802に対応する搬送ユニットボタンがタッチされると、図7に示すような搬送ユニット802に関するサービスダイアログが表示される。このとき、サービスダイアログ内には、上記実施の形態と同様、搬送ユニット802内のセンサの検出状態を示すセンサ情報表示領域と、外部I/O情報表示領域が表示される。この場合の外部I/O表示領域内の2つの接続部情報表示領域には、それぞれ、搬送ユニット802の上流側の接続部のポートのON/OFF状態と下流側の接続部のポートのON/OFF状態とが同時に表示される。
【0123】
図12(b)は、上記実施の形態の検体処理システム1の上流側に、別の検体処理システム910が接続されている検体処理システム900に、本発明が適用された場合について説明する図である。検体処理システム910では、血液に関する測定が行われる。この場合、検体処理システム910は初検に用いられ、検体処理システム1は再検に用いられる。
【0124】
図示の如く、検体処理システム910は、測定ユニット911と、搬送ユニット912、913を備える。搬送ユニット913と投入ユニット21は、外部接続ケーブルC5により接続されている。
【0125】
搬送ユニット912は、測定ユニット911による測定が終了した検体ラックLを受け取り、搬送ユニット913に搬出する。搬送ユニット913は、搬送ユニット912により搬出された検体ラックLを受け取り、投入ユニット21に搬出する。
【0126】
この場合も、搬送コントローラ6の表示入力部604に、図7に示すような投入ユニット21に関するサービスダイアログD2を表示することができる。このとき、サービスダイアログの接続部情報表示領域D221には、投入ユニット21の接続部232aの所定時間に亘るポートのON/OFF状態が表示される。
【0127】
また、上記実施の形態では、サービスダイアログD2の接続部情報表示領域D221、D222には、10秒間に亘るポートのON/OFF状態が表示されたが、10秒以外の所定の時間に亘るポートのON/OFF状態が表示されるようにしても良い。また、かかる時間は、ユーザにより適宜設定できるようにしても良い。
【0128】
また、上記実施の形態では、外部接続ユニットと内部接続ユニットとの間の検体ラックLの受け渡しは、接続部のポートのON/OFF状態に基づいて行われたが、これに限らず、外部接続ユニットと内部接続ユニットが、内部接続ユニット同士の接続と同様に、データ通信可能に接続されるようにしても良い。この場合、外部接続ユニットと内部接続ユ
ニットとの間で、検体ラックLの受け渡しに関する情報が相互に送信され、各ユニットは受信した情報に基づいて検体ラックLの搬送を制御する。
【0129】
また、上記実施の形態では、図7に示すサービスダイアログD2上に、センサ情報表示領域D21と、外部I/O情報表示領域D22が、併せて表示されたが、これに限らず、センサ情報表示領域D21と、外部I/O情報表示領域D22は、それぞれ異なる画面(ダイアログ)に表示されるようにしても良い。
【0130】
また、上記実施の形態では、図7に示す接続部情報表示領域D221、D222に、OPTIONポートと、ERRポートと、READYポートと、MOVEポートのON/OFF状態が、併せて表示された。しかしながら、これに限らず、これらのポートのON/OFF状態は、それぞれ異なる画面(ダイアログ)に表示されるようにしても良い。
【0131】
また、上記実施の形態では、表示入力部604にサービス画面D1とサービスダイアログD2が表示され、ユーザにより搬送コントローラ6の表示入力部604の画面がタッチされることによって、搬送コントローラ6に指示が入力された。しかしながら、これに限らず、搬送コントローラ6に備えられたディスプレイにサービス画面D1とサービスダイアログD2が表示され、搬送コントローラ6に備えられたマウス、キーボード等から、指示が入力されるようにしても良い。
【0132】
また、上記実施の形態では、図6に示すサービス画面D1において、内部接続ユニットに対応する搬送ユニットボタンが、ユーザによりタッチされると、図7に示すサービスダイアログD2が表示された。しかしながら、これに限らず、外部接続ユニットに対応する搬送ユニットボタンが、ユーザによりタッチされた場合も、サービスダイアログD2が表示されるようにしても良い。この場合、ユーザにより指定された外部接続ユニットが、内部接続ユニットと同様に、搬送コントローラ6と通信可能に接続される。これにより、図7に示すサービスダイアログD2を介して、外部接続ユニットの接続ユニットとセンサの状態を把握することができる。
【0133】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0134】
1 … 検体処理システム
5 … 塗抹標本作製装置
6 … 搬送コントローラ
23 … 回収ユニット
24 … 検体並び替え装置
25 … 前処理ユニット
23c、24b、24h、25b … センサ
41 … 測定ユニット
231、241、251 … 制御部
232、242、252 … 接続ユニット
232b、242a、242b、252a … 接続部
601 … 制御部
602 … 通信部
604 … 表示入力部
800 … 検体処理システム
801〜803 … 搬送ユニット
811、812 … 測定ユニット
820 … 搬送コントローラ
900 … 検体処理システム
911 … 測定ユニット
912、913 … 搬送ユニット
C1〜C5 … 外部接続ケーブル
D1 … サービス画面
D221、D222 … 接続部情報表示領域
L … 検体ラック
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体を保持した検体ラックを搬送するための第1搬送部と、
前記第1搬送部との間で前記検体ラックを受け渡し可能に配置されるとともに、前記第1搬送部と通信可能な第2搬送部と、
表示部と、
前記第1搬送部と前記第2搬送部との間の前記検体ラックの受け渡しに関する通信信号の経時的推移を反映した状態情報を前記表示部に表示させる制御部と、を備える、
ことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項2】
請求項1に記載の検体搬送システムにおいて、
前記第1搬送部から前記第2搬送部に前記検体ラックが渡される場合、前記第1搬送部は、前記検体ラックの搬出に関する第1信号を前記第2搬送部に提供し、前記第2搬送部は、前記検体ラックの受入に関する第2信号を前記第1搬送部に提供し、
前記制御部は、前記第1信号の経時的推移を反映した第1状態情報と、前記第2信号の経時的推移を反映した第2状態情報とを含む画面を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項3】
請求項2に記載の検体搬送システムにおいて、
前記第1状態情報は、前記第1信号の変化の様子を経時的に示す情報であり、
前記第2状態情報は、前記第2信号の変化の様子を経時的に示す情報である、
ことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項4】
請求項2または3に記載の検体搬送システムにおいて、
前記第1信号は、前記第1搬送部が前記検体ラックの搬出動作を行っている状態にあるか否かを示す搬出動作信号であり、
前記第2信号は、前記第2搬送部が前記検体ラックを受入可能な状態にあるか否かを示す受入可能信号である、
ことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項5】
請求項4に記載の検体搬送システムにおいて、
前記第1搬送部は、
前記検体ラックの搬出が完了したことを検出するための第1センサと、
前記搬出動作信号を提供する第1提供部と、
前記第1センサによって前記検体ラックの搬出完了を検出した場合に、前記搬出動作信号の提供を中止するよう前記第1提供部を制御する第1制御部と、を備える、
ことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項6】
請求項4または5に記載の検体搬送システムにおいて、
前記第2搬送部は、
前記検体ラックを受け入れたことを検出するための第2センサと、
前記受入可能信号を提供する第2提供部と、
前記第2センサによって前記検体ラックの受け入れを検出した場合に、前記受入可能信号の提供を中止するよう前記第2提供部を制御する第2制御部と、を備える、
ことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項7】
請求項4に記載の検体搬送システムにおいて、
前記第1搬送部は、前記検体ラックの搬出が完了したことを検出するための第1センサを備え、
前記第2搬送部は、前記検体ラックを受け入れたことを検出するための第2センサを備
え、
前記制御部は、前記第1センサおよび前記第2センサの検出状態を示す情報を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項8】
請求項2ないし7の何れか一項に記載の検体搬送システムにおいて、
前記第2搬送部は、当該第2搬送部に異常が生じているか否かを示す異常信号を前記第1搬送部に提供するよう構成され、
前記制御部は、前記異常信号の経時的推移を反映した異常状態情報を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項9】
請求項2ないし8の何れか一項に記載の検体搬送システムにおいて、
前記第2搬送部は、当該第2搬送部の電源がONされているか否かを示す電源信号を前記第1搬送部に提供するよう構成され、
前記制御部は、前記電源信号の経時的推移を反映した電源状態情報を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項10】
請求項1ないし9の何れか一項に記載の検体搬送システムにおいて、
前記第2搬送部との間で前記検体ラックを受け渡し可能に配置されるとともに前記第2搬送部と通信可能な第3搬送部をさらに含み、
前記画面は、前記第1搬送部と前記第2搬送部との間の前記検体ラックの受け渡しに関する前記状態情報を表示する第1表示領域、および、前記第2搬送部と前記第3搬送部との間の前記検体ラックの受け渡しに関する前記状態情報を表示する第2表示領域とを含む、
ことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項11】
請求項1ないし10の何れか一項に記載の検体搬送システムにおいて、
前記制御部は、複数の搬送部の中からいずれかの搬送部の指定を受け付けるよう構成され、指定された搬送部による前記検体ラックの受け渡しに関する前記状態情報を示す画面を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項12】
請求項11に記載の検体搬送システムにおいて、
前記制御部は、前記複数の搬送部の配置の様子を示す配置画面を前記表示部に表示させ、
前記制御部は、前記配置画面を介して、いずれかの搬送部の指定を受け付ける、
ことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項13】
請求項1ないし12の何れか一項に記載の検体搬送システムにおいて、
前記制御部は、前記状態情報の表示開始指示を受け付けるよう構成され、当該表示開始指示を受け付けてから所定時間に渡る前記状態情報を示す画面を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項14】
請求項1ないし13の何れか一項に記載の検体搬送システムにおいて、
前記第1および第2搬送部は、信号線によって互いに接続されている、
ことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項15】
請求項1ないし14の何れか一項に記載の検体搬送システムと、
前記第1および第2搬送部によって搬送される前記検体ラック内の検体を処理する検体処理部と、を備える、
ことを特徴とする検体処理システム。
【請求項16】
検体を保持した検体ラックを搬送するための第1搬送部と、前記第1搬送部との間で前記検体ラックを受け渡し可能に配置されるとともに、前記第1搬送部と通信可能な第2搬送部との間の前記検体ラックの受け渡し状態を監視可能な制御装置において、
前記第1搬送部と前記第2搬送部との間の前記検体ラックの受け渡しに関する通信信号を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記通信信号の経時的推移を反映した状態情報を表示部に表示させる制御部と、を備える、
ことを特徴とする制御装置。
【請求項1】
検体を保持した検体ラックを搬送するための第1搬送部と、
前記第1搬送部との間で前記検体ラックを受け渡し可能に配置されるとともに、前記第1搬送部と通信可能な第2搬送部と、
表示部と、
前記第1搬送部と前記第2搬送部との間の前記検体ラックの受け渡しに関する通信信号の経時的推移を反映した状態情報を前記表示部に表示させる制御部と、を備える、
ことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項2】
請求項1に記載の検体搬送システムにおいて、
前記第1搬送部から前記第2搬送部に前記検体ラックが渡される場合、前記第1搬送部は、前記検体ラックの搬出に関する第1信号を前記第2搬送部に提供し、前記第2搬送部は、前記検体ラックの受入に関する第2信号を前記第1搬送部に提供し、
前記制御部は、前記第1信号の経時的推移を反映した第1状態情報と、前記第2信号の経時的推移を反映した第2状態情報とを含む画面を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項3】
請求項2に記載の検体搬送システムにおいて、
前記第1状態情報は、前記第1信号の変化の様子を経時的に示す情報であり、
前記第2状態情報は、前記第2信号の変化の様子を経時的に示す情報である、
ことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項4】
請求項2または3に記載の検体搬送システムにおいて、
前記第1信号は、前記第1搬送部が前記検体ラックの搬出動作を行っている状態にあるか否かを示す搬出動作信号であり、
前記第2信号は、前記第2搬送部が前記検体ラックを受入可能な状態にあるか否かを示す受入可能信号である、
ことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項5】
請求項4に記載の検体搬送システムにおいて、
前記第1搬送部は、
前記検体ラックの搬出が完了したことを検出するための第1センサと、
前記搬出動作信号を提供する第1提供部と、
前記第1センサによって前記検体ラックの搬出完了を検出した場合に、前記搬出動作信号の提供を中止するよう前記第1提供部を制御する第1制御部と、を備える、
ことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項6】
請求項4または5に記載の検体搬送システムにおいて、
前記第2搬送部は、
前記検体ラックを受け入れたことを検出するための第2センサと、
前記受入可能信号を提供する第2提供部と、
前記第2センサによって前記検体ラックの受け入れを検出した場合に、前記受入可能信号の提供を中止するよう前記第2提供部を制御する第2制御部と、を備える、
ことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項7】
請求項4に記載の検体搬送システムにおいて、
前記第1搬送部は、前記検体ラックの搬出が完了したことを検出するための第1センサを備え、
前記第2搬送部は、前記検体ラックを受け入れたことを検出するための第2センサを備
え、
前記制御部は、前記第1センサおよび前記第2センサの検出状態を示す情報を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項8】
請求項2ないし7の何れか一項に記載の検体搬送システムにおいて、
前記第2搬送部は、当該第2搬送部に異常が生じているか否かを示す異常信号を前記第1搬送部に提供するよう構成され、
前記制御部は、前記異常信号の経時的推移を反映した異常状態情報を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項9】
請求項2ないし8の何れか一項に記載の検体搬送システムにおいて、
前記第2搬送部は、当該第2搬送部の電源がONされているか否かを示す電源信号を前記第1搬送部に提供するよう構成され、
前記制御部は、前記電源信号の経時的推移を反映した電源状態情報を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項10】
請求項1ないし9の何れか一項に記載の検体搬送システムにおいて、
前記第2搬送部との間で前記検体ラックを受け渡し可能に配置されるとともに前記第2搬送部と通信可能な第3搬送部をさらに含み、
前記画面は、前記第1搬送部と前記第2搬送部との間の前記検体ラックの受け渡しに関する前記状態情報を表示する第1表示領域、および、前記第2搬送部と前記第3搬送部との間の前記検体ラックの受け渡しに関する前記状態情報を表示する第2表示領域とを含む、
ことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項11】
請求項1ないし10の何れか一項に記載の検体搬送システムにおいて、
前記制御部は、複数の搬送部の中からいずれかの搬送部の指定を受け付けるよう構成され、指定された搬送部による前記検体ラックの受け渡しに関する前記状態情報を示す画面を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項12】
請求項11に記載の検体搬送システムにおいて、
前記制御部は、前記複数の搬送部の配置の様子を示す配置画面を前記表示部に表示させ、
前記制御部は、前記配置画面を介して、いずれかの搬送部の指定を受け付ける、
ことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項13】
請求項1ないし12の何れか一項に記載の検体搬送システムにおいて、
前記制御部は、前記状態情報の表示開始指示を受け付けるよう構成され、当該表示開始指示を受け付けてから所定時間に渡る前記状態情報を示す画面を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項14】
請求項1ないし13の何れか一項に記載の検体搬送システムにおいて、
前記第1および第2搬送部は、信号線によって互いに接続されている、
ことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項15】
請求項1ないし14の何れか一項に記載の検体搬送システムと、
前記第1および第2搬送部によって搬送される前記検体ラック内の検体を処理する検体処理部と、を備える、
ことを特徴とする検体処理システム。
【請求項16】
検体を保持した検体ラックを搬送するための第1搬送部と、前記第1搬送部との間で前記検体ラックを受け渡し可能に配置されるとともに、前記第1搬送部と通信可能な第2搬送部との間の前記検体ラックの受け渡し状態を監視可能な制御装置において、
前記第1搬送部と前記第2搬送部との間の前記検体ラックの受け渡しに関する通信信号を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記通信信号の経時的推移を反映した状態情報を表示部に表示させる制御部と、を備える、
ことを特徴とする制御装置。
【図1】


【図2】


【図3】


【図4】


【図5】


【図6】


【図7】


【図8】


【図9】


【図10】


【図11】


【図12】




【図2】


【図3】


【図4】


【図5】


【図6】


【図7】


【図8】


【図9】


【図10】


【図11】


【図12】


【公開番号】特開2012−112682(P2012−112682A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259552(P2010−259552)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]