検体搬送装置及び検体処理装置
【課題】ベルトの取り外しを容易とし、装置の修理や部品の交換の際に取り扱いが容易な検体搬送装置を提供する。
【解決手段】検体搬送装置は、血液等の検体を収容可能な検体容器を搬送する検体搬送装置であって、搬送方向に伸びるベルトベースと、このベルトベースに張設されて移送されるベルトと、前記搬送方向に亘って一定幅に設置された一対のガイドレールを有するフレーム部と、を備え、前記フレーム部は前記ベルトベースに対して着脱可能であり、前記搬送ベルトは前記ベルトベースに対して着脱可能であることを特徴とする。
本発明の他の一例にかかる検体搬送装置は、前記ベルトベースの下部に配置され、前記ベルトベースを収容可能なベース収容部と前記搬送ベルトを走行駆動する走行駆動手段とを有するベース支持部さらに備え、前記ベルトベースは前記ベース支持部に着脱可能であることを特徴とする。
【解決手段】検体搬送装置は、血液等の検体を収容可能な検体容器を搬送する検体搬送装置であって、搬送方向に伸びるベルトベースと、このベルトベースに張設されて移送されるベルトと、前記搬送方向に亘って一定幅に設置された一対のガイドレールを有するフレーム部と、を備え、前記フレーム部は前記ベルトベースに対して着脱可能であり、前記搬送ベルトは前記ベルトベースに対して着脱可能であることを特徴とする。
本発明の他の一例にかかる検体搬送装置は、前記ベルトベースの下部に配置され、前記ベルトベースを収容可能なベース収容部と前記搬送ベルトを走行駆動する走行駆動手段とを有するベース支持部さらに備え、前記ベルトベースは前記ベース支持部に着脱可能であることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液等の検体を収容可能な検体容器を搬送する検体搬送装置及び検体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血液等の検体を収容可能な検体容器を搬送する搬送装置であって、搬送方向に伸びるベルトベースと、ベルトベースに巻きつけられて張設され、ベルトベースの周方向に移動可能な搬送ベルトと、を備え、ベルトベースの上部に一定幅に設置された一対のガイドレールを一体に有する検体搬送装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
検体容器を収容する収容部と、外面に形成された溝部を有する検体ホルダがベルト上に載置され、ガイドレールに係合した状態でベルトの移動に伴って搬送される。
【特許文献1】特開2005−263478号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した検体搬送装置は、ベルトベースとフレーム部とが一体に形成されているため、搬送ベルトを取り外すことが出来ない。したがって、装置の修理や部品の交換等際の取り扱いが困難である。
【0005】
そこで本発明は、搬送ベルトの取り外しを容易とし、装置の修理や部品の交換の際に取り扱いが容易な検体搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態にかかる検体搬送装置は、検体を収容可能な検体容器を着脱可能な検体ホルダを搬送する検体搬送装置であって、搬送方向に沿って延設されるベルトベースと、このベルトベースに張設されて移送される搬送ベルトと、前記搬送方向に亘って一定幅に設置され、前記検体ホルダを搬送方向に案内する一対のガイドレールを有するフレーム部と、を備え、前記フレーム部は前記ベルトベースに対して着脱可能であり、前記搬送ベルトは前記ベルトベースに対して着脱可能であることを特徴とする検体搬送装置。
【0007】
本発明の他の一形態にかかる検体搬送装置は、前記ベルトベースの下部に配置され、前記ベルトベースを収容可能なベース収容部と前記搬送ベルトを走行駆動する走行駆動手段とを有するベース支持部をさらに備え、前記ベルトベースは前記ベース支持部に着脱可能であることを特徴とする。
【0008】
本発明の他の一形態にかかる検体搬送装置は、前記ベルトベースの下部に配置され、前記ベルトベースを収容可能なベース収容部と、前記ベルトを走行駆動する駆動手段と、を有するベース支持部をさらに備え、前記ベルトベースの幅方向両側に、複数のフレーム用取付孔を有する固定ブロックが設けられ、前記フレーム部の下部には、前記フレーム用取付孔と対応するベース用取付孔を有し前記固定ブロックに着脱可能な被固定ブロックが設けられ、前記ベース支持部は前記ベルトベースに着脱可能であることを特徴とする。
【0009】
本発明の他の一形態にかかる検体搬送装置は、前記一対のガイドレールは互いに向かい合う面に夫々対向する側に向かって突出するリブを備え、前記検体容器は、前記検体容器を収容可能な収容部をその上部に有するとともに、下部外面に、前記リブに係合する溝部を有するホルダに収容され、前記ベルトに載置され、前記搬送ベルトの走行に伴って前記リブに案内されて搬送されることを特徴とする。
【0010】
本発明の一形態にかかる検体処理装置は、前記検体搬送装置と、前記搬送経路に沿って配置され前記検体に所定の処理を施す検体処理装置と、前記検体ホルダが前記検体搬送装置によって搬送路に沿って搬送されて前記検体処理装置を通過する際に、前記検体処理装置に前記検体容器又は前記検体に所定の処理をさせる制御部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、上記の構成により搬送ベルトの取り外しが容易であり、装置の修理や部品の交換の際に取り扱いを容易とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の第1実施形態にかかる検体処理装置1について説明する。図1は本実施形態にかかる検体搬送装置10の斜視図、図2は同検体処理送装置1の平面図、図2は同検体処理装置1の側面図、図3は同検体搬送装置10の平面図である。なお、各図では説明のため、適宜構成を拡大、縮小、省略して示している。
【0013】
検体搬送装置10は、所定の搬送経路にわたって配置された支持台20と、支持台20上に並行配設された複数のベース支持部30と、ベース支持部30上に設置された複数のベルトベース40と、ベルトベース40の上方に設けられ、長手方向に亘って一定幅に設置された一対のガイドレール51を有するフレーム部50と、一対のガイドレール51の間に長手方向に亘って配置された搬送ベルト60と、これらの動作を制御する制御部(制御手段)70と、を備えている。なお、図1中支持台20のカバー20aの一部を切り書いて内部の構造を断面で示している。
【0014】
この検体搬送装置10は、搬送ベルト60の走行に伴って、血液などの検体を収容した検体容器11を、検体ホルダ12毎に、矢印で示す搬送方向に沿って一端側から他端側に向かって搬送する機能を有する。
【0015】
検体搬送装置10の搬送方向に沿って分取分注装置等、検体に処理を施す各種処理装置14が配置され、検体処理装置1を構成している。例えば、この処理装置14は、図2において矢印で示すように複数の搬送ベルト60を横切る幅方向に移動可能な処理部を備え、検体容器から検体を分取し、他の検体容器に分注する機能を有する。また、同一搬送ベルト60上を順次流れてくる上流側の検体容器と下流側の検体容器との間で処理を行ってもよい。
【0016】
図1乃至図4に示すように、支持台20は、下部に搬送ベルト60を所定速度で送り運動させるモータ21等を有する駆動機構22(駆動手段)を有し、上部にベース支持部30を有する。
【0017】
ベース支持部30は長手方向にのびる平行な2本の細長部材23と、この長手方向両端にそれぞれ二つずつ配置され、後述する支持ローラ43に対向配置されるローラ部材24を備えている。これら細長部材23の間に搬送ベルト60が張設されたベルトベース40が収容されるベース収容部25が形成されている。
【0018】
ベルトベース40は、ベース収容部25に収容され、搬送方向に延びる板状のベース本体41と、複数の固定ブロック42と、ベース本体41の長手方向両端に設けられベース本体41の両端に回転可能に配置されて搬送ベルト60を裏側から支持する支持ローラ43と、一方の支持ローラ43の軸に連結して配置された駆動用ローラ44と、を備える。この駆動用ローラ44とモータ21の出力軸とに伝達ベルト45が掛け渡され、モータ21の出力が駆動用ローラ44を介して支持ローラ43に入力される。
【0019】
このベルトベース40には、検体ホルダ12を載置可能な所定幅を有し、モータ21で回転移送される無端の搬送ベルト60が巻きつけられて張設されている。この搬送ベルト60が送り運転されることにより、搬送ベルト60に載置された検体容器11が検体ホルダ12毎に搬送される。
【0020】
ベルトベース40のベース本体41の幅方向両脇には、外側に突出する矩形の板状の固定ブロック42が一体形成されている。固定ブロック42は搬送方向において複数個、ここでは4つ、設けられている。
【0021】
固定ブロック42に、上下方向に延びる複数のフレーム用取付孔46が形成されている。なお、搬送方向両端の二つの固定ブロック42には、他の固定ブロック42よりも多くのフレーム用取付孔46が形成されている。
【0022】
ベルトベース40の長手方向両端の支持ローラ43の軸は幅方向に延びるとともにベルトベース40の幅方向両側よりも外側に突出するように形成されている。この支持ローラ43の軸がベース支持部30の長手方向端部に着脱可能に設置されることによりベルトベース40がベース支持部30に支持される。ベルトベース40は、図6等に示すように、樹脂製の上側部材40aと、スチール製の下側部材40bとがボルトによって接続されて構成されている。このように異なる種類の材質から構成された部材を組み合わせることによって強度が向上されている。
【0023】
フレーム部50は、ベルトベース40上に固定されている。フレーム部50は、合成樹脂材料あるいはアルミニウム材料等によって形成され、搬送ベルト60の両側にそれぞれ配設されて対向する二つのガイドレール51が上部に検体ホルダ12が収容可能な開口を構成するように対向配置され、ベルトベースに固定されている。
【0024】
このガイドレール51の内側面には検体ホルダ12のフランジ18間の環状溝19に係合する凸状のガイドリブ52(リブ)が長手方向に亘って設けられている。
【0025】
対向するガイドレール51の幅方向外側面には、固定ブロック42に対応する被固定ブロック53が一体に形成されている。被固定ブロック53には固定ブロック42の係合孔と対応して配置され上下方向に延びるベース用取付孔54が形成されている。
【0026】
フレーム部50の下部には、搬送方向に沿って複数の切欠き50a,50bが設けられている。この切欠き50aに固定ブロック42が配置されている。すなわち、ベルトベース40はフレーム部50の二つのガイドレール51の間であって下方に配置され、この切欠き50aからベルトベース40が幅方向外側に向かって延設され、後述する被固定ブロックの上方に重なる。
【0027】
この被固定ブロック53が固定ブロック42の上に重ね合わされ、フレーム用取付孔46とベース用取付孔54とにねじ部材15が挿通固定されることによりフレーム部50がベルトベース40に着脱可能に固定される。さらに、被固定ブロック53は、外側から内側に向かってベース支持部用取付孔47が形成されている。このベース支持部用取付孔47を介してフレーム部50とベース支持部30とが接続されている。
【0028】
さらに、被固定ブロック53とベース支持部30には、それぞれ、長手方向に延びるスリット上の取付スリット80が形成されている。取付スリット80は、被固定ブロック53とベース支持部30の外面から内側方向に向かってそれぞれ形成されるとともに、ベース支持部30の下面から上方向に向かって形成されている。これら取付スリット80は先端部分近傍が広く形成された拡大部80aを有している。例えば、この拡大部80aにナット等を配置するとともにスリットの入口側からこのナットに向かってボルトを挿入して羅合することにより任意の部位に取り付け機構を構成し、各種部品を取り付けることが可能となっている。
【0029】
図5乃至図8に示すように、検体ホルダ12には、円柱状の基体16の軸心部に上方に向かって開口する収容部17が形成されている。この収容部17の内周面には内周径を拡縮する弾性変形可能なバネ保持部17a設けられこのバネ保持部により、収容部17に検体容器11(試験管)が垂直に収容保持される。基体16の外周部には、二つのフランジ18が所定間隔で配設されている。この上下二段のフランジ18の間に環状溝19(溝部)が形成される。検体ホルダ12は、樹脂製の上側部材12aと、ステンレス製の下側部材12bとがボルトによって一体に接続され、高強度に構成されている。
【0030】
検体ホルダ12が搬送ベルト60上に載置されたとき、二つのフランジ18間に存在する環状溝19に一対の平行なガイドリブ52が係合することにより、搬送時に検体ホルダ12がガイドリブ52に沿って案内される。
【0031】
したがって、検体ホルダ12を、例えば搬送ベルト60上に載せ、各環状溝19を一対のガイドレール51に係合させた状態でモータ21を回転させると、検体ホルダ12は、搬送ベルト60の移送に伴って所定方向へ安定に搬送される。
【0032】
そして、検体容器11が各種処理装置14における処理ポジションを通過する際に、制御部70に制御されることにより、各種処理装置14が検体あるいは検体容器11に各種処理を施す。
【0033】
次に本実施形態にかかる検体搬送装置10の着脱方法について図9乃至図13を参照して説明する。
【0034】
まず、図1乃至3に示す検体搬送装置10から、図9及び図10に示すように、固定ブロック42における接続部材としてのねじ部材15を取り外し、固定ブロック42から被固定ブロック53を取り外す。この結果、フレーム部50が、ベルトベース40から外れる。
【0035】
次に、図11及び図12に示すように、ベルトベース40のローラ部材の軸をベース収容部から取り外し、ベルトベース40をベース支持部30から取り外す。
【0036】
ついで、図13に示すようにベルトベース40に張設された搬送ベルト60を取り外すことによりベルトの取り外し作業が完了する。
【0037】
なお、交換あるいは修理後に組み立てる際には、上記と逆の手順により組み立てることが出来る。
【0038】
本実施形態にかかる検体搬送装置10によれば以下の効果を奏する。すなわち、搬送ベルト60と、ベルトベース40と、フレームと、ベース支持部30と、を互いに着脱可能に構成したことにより、ベルトの交換や修理の作業が容易となる。また、固定ブロック42及び被固定ブロック53を設け、この部分で複数のねじ止めする構成としたことにより作業の単純化及び取付け部分の強化が図れる。
【0039】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記各実施形態においては、処理装置の一例として分取分注装置を示したが、これに加え、あるいはこれに代えて分析装置、ラベル貼付装置、搬入装置、搬出装置、栓抜装置、血餅装置等の別の処理装置を備えていてもよい。
【0040】
また、上記実施形態では1つの検体容器11を保持する円柱形状の検体ホルダ12毎に搬送する場合について説明したが、複数の検体容器11を保持したラック型の検体ホルダ毎に搬送する機構としてもよい。
【0041】
この他、本発明を実施するにあたり、各構成要素の形態、具体的な形状など、本発明の構成要素を発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更して実施できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる検体処理装置を示す斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる検体処理装置を示す平面図。
【図3】実施形態の検体処理装置を示す側面図。
【図4】同検体搬送装置を示す平面図。
【図5】同検体搬送装置の断面図。
【図6】同検体搬送装置のフレーム部及びベース支持部の断面図。
【図7】同検体搬送装置の検体ホルダの断面図。
【図8】同検体搬送装置の支持ローラの側面図。
【図9】同検体搬送装置の着脱手順を示す側面図。
【図10】同検体搬送装置の着脱手順を示す平面図。
【図11】同検体搬送装置の着脱手順を示す側面図。
【図12】同検体搬送装置の着脱手順を示す平面図。
【図13】同検体搬送装置の着脱手順を示す平面図。
【符号の説明】
【0043】
10…検体搬送装置、11…検体容器、12…検体ホルダ、14…処理装置、
15…ねじ部材、16…基体、17…収容部、18…フランジ、19…環状溝、
20…支持台、21…モータ、22…駆動機構、23…細長部材、24…ローラ部材、
25…ベース収容部、30…ベース支持部、40…ベルトベース、41…ベース本体、
42…固定ブロック、43…支持ローラ、46…フレーム用取付孔、
47…ベース支持部用取付孔、50…フレーム部、51…ガイドレール、52…ガイドリブ、53…被固定ブロック、54…ベース用取付孔、60…搬送ベルト、70…制御部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液等の検体を収容可能な検体容器を搬送する検体搬送装置及び検体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血液等の検体を収容可能な検体容器を搬送する搬送装置であって、搬送方向に伸びるベルトベースと、ベルトベースに巻きつけられて張設され、ベルトベースの周方向に移動可能な搬送ベルトと、を備え、ベルトベースの上部に一定幅に設置された一対のガイドレールを一体に有する検体搬送装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
検体容器を収容する収容部と、外面に形成された溝部を有する検体ホルダがベルト上に載置され、ガイドレールに係合した状態でベルトの移動に伴って搬送される。
【特許文献1】特開2005−263478号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した検体搬送装置は、ベルトベースとフレーム部とが一体に形成されているため、搬送ベルトを取り外すことが出来ない。したがって、装置の修理や部品の交換等際の取り扱いが困難である。
【0005】
そこで本発明は、搬送ベルトの取り外しを容易とし、装置の修理や部品の交換の際に取り扱いが容易な検体搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態にかかる検体搬送装置は、検体を収容可能な検体容器を着脱可能な検体ホルダを搬送する検体搬送装置であって、搬送方向に沿って延設されるベルトベースと、このベルトベースに張設されて移送される搬送ベルトと、前記搬送方向に亘って一定幅に設置され、前記検体ホルダを搬送方向に案内する一対のガイドレールを有するフレーム部と、を備え、前記フレーム部は前記ベルトベースに対して着脱可能であり、前記搬送ベルトは前記ベルトベースに対して着脱可能であることを特徴とする検体搬送装置。
【0007】
本発明の他の一形態にかかる検体搬送装置は、前記ベルトベースの下部に配置され、前記ベルトベースを収容可能なベース収容部と前記搬送ベルトを走行駆動する走行駆動手段とを有するベース支持部をさらに備え、前記ベルトベースは前記ベース支持部に着脱可能であることを特徴とする。
【0008】
本発明の他の一形態にかかる検体搬送装置は、前記ベルトベースの下部に配置され、前記ベルトベースを収容可能なベース収容部と、前記ベルトを走行駆動する駆動手段と、を有するベース支持部をさらに備え、前記ベルトベースの幅方向両側に、複数のフレーム用取付孔を有する固定ブロックが設けられ、前記フレーム部の下部には、前記フレーム用取付孔と対応するベース用取付孔を有し前記固定ブロックに着脱可能な被固定ブロックが設けられ、前記ベース支持部は前記ベルトベースに着脱可能であることを特徴とする。
【0009】
本発明の他の一形態にかかる検体搬送装置は、前記一対のガイドレールは互いに向かい合う面に夫々対向する側に向かって突出するリブを備え、前記検体容器は、前記検体容器を収容可能な収容部をその上部に有するとともに、下部外面に、前記リブに係合する溝部を有するホルダに収容され、前記ベルトに載置され、前記搬送ベルトの走行に伴って前記リブに案内されて搬送されることを特徴とする。
【0010】
本発明の一形態にかかる検体処理装置は、前記検体搬送装置と、前記搬送経路に沿って配置され前記検体に所定の処理を施す検体処理装置と、前記検体ホルダが前記検体搬送装置によって搬送路に沿って搬送されて前記検体処理装置を通過する際に、前記検体処理装置に前記検体容器又は前記検体に所定の処理をさせる制御部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、上記の構成により搬送ベルトの取り外しが容易であり、装置の修理や部品の交換の際に取り扱いを容易とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の第1実施形態にかかる検体処理装置1について説明する。図1は本実施形態にかかる検体搬送装置10の斜視図、図2は同検体処理送装置1の平面図、図2は同検体処理装置1の側面図、図3は同検体搬送装置10の平面図である。なお、各図では説明のため、適宜構成を拡大、縮小、省略して示している。
【0013】
検体搬送装置10は、所定の搬送経路にわたって配置された支持台20と、支持台20上に並行配設された複数のベース支持部30と、ベース支持部30上に設置された複数のベルトベース40と、ベルトベース40の上方に設けられ、長手方向に亘って一定幅に設置された一対のガイドレール51を有するフレーム部50と、一対のガイドレール51の間に長手方向に亘って配置された搬送ベルト60と、これらの動作を制御する制御部(制御手段)70と、を備えている。なお、図1中支持台20のカバー20aの一部を切り書いて内部の構造を断面で示している。
【0014】
この検体搬送装置10は、搬送ベルト60の走行に伴って、血液などの検体を収容した検体容器11を、検体ホルダ12毎に、矢印で示す搬送方向に沿って一端側から他端側に向かって搬送する機能を有する。
【0015】
検体搬送装置10の搬送方向に沿って分取分注装置等、検体に処理を施す各種処理装置14が配置され、検体処理装置1を構成している。例えば、この処理装置14は、図2において矢印で示すように複数の搬送ベルト60を横切る幅方向に移動可能な処理部を備え、検体容器から検体を分取し、他の検体容器に分注する機能を有する。また、同一搬送ベルト60上を順次流れてくる上流側の検体容器と下流側の検体容器との間で処理を行ってもよい。
【0016】
図1乃至図4に示すように、支持台20は、下部に搬送ベルト60を所定速度で送り運動させるモータ21等を有する駆動機構22(駆動手段)を有し、上部にベース支持部30を有する。
【0017】
ベース支持部30は長手方向にのびる平行な2本の細長部材23と、この長手方向両端にそれぞれ二つずつ配置され、後述する支持ローラ43に対向配置されるローラ部材24を備えている。これら細長部材23の間に搬送ベルト60が張設されたベルトベース40が収容されるベース収容部25が形成されている。
【0018】
ベルトベース40は、ベース収容部25に収容され、搬送方向に延びる板状のベース本体41と、複数の固定ブロック42と、ベース本体41の長手方向両端に設けられベース本体41の両端に回転可能に配置されて搬送ベルト60を裏側から支持する支持ローラ43と、一方の支持ローラ43の軸に連結して配置された駆動用ローラ44と、を備える。この駆動用ローラ44とモータ21の出力軸とに伝達ベルト45が掛け渡され、モータ21の出力が駆動用ローラ44を介して支持ローラ43に入力される。
【0019】
このベルトベース40には、検体ホルダ12を載置可能な所定幅を有し、モータ21で回転移送される無端の搬送ベルト60が巻きつけられて張設されている。この搬送ベルト60が送り運転されることにより、搬送ベルト60に載置された検体容器11が検体ホルダ12毎に搬送される。
【0020】
ベルトベース40のベース本体41の幅方向両脇には、外側に突出する矩形の板状の固定ブロック42が一体形成されている。固定ブロック42は搬送方向において複数個、ここでは4つ、設けられている。
【0021】
固定ブロック42に、上下方向に延びる複数のフレーム用取付孔46が形成されている。なお、搬送方向両端の二つの固定ブロック42には、他の固定ブロック42よりも多くのフレーム用取付孔46が形成されている。
【0022】
ベルトベース40の長手方向両端の支持ローラ43の軸は幅方向に延びるとともにベルトベース40の幅方向両側よりも外側に突出するように形成されている。この支持ローラ43の軸がベース支持部30の長手方向端部に着脱可能に設置されることによりベルトベース40がベース支持部30に支持される。ベルトベース40は、図6等に示すように、樹脂製の上側部材40aと、スチール製の下側部材40bとがボルトによって接続されて構成されている。このように異なる種類の材質から構成された部材を組み合わせることによって強度が向上されている。
【0023】
フレーム部50は、ベルトベース40上に固定されている。フレーム部50は、合成樹脂材料あるいはアルミニウム材料等によって形成され、搬送ベルト60の両側にそれぞれ配設されて対向する二つのガイドレール51が上部に検体ホルダ12が収容可能な開口を構成するように対向配置され、ベルトベースに固定されている。
【0024】
このガイドレール51の内側面には検体ホルダ12のフランジ18間の環状溝19に係合する凸状のガイドリブ52(リブ)が長手方向に亘って設けられている。
【0025】
対向するガイドレール51の幅方向外側面には、固定ブロック42に対応する被固定ブロック53が一体に形成されている。被固定ブロック53には固定ブロック42の係合孔と対応して配置され上下方向に延びるベース用取付孔54が形成されている。
【0026】
フレーム部50の下部には、搬送方向に沿って複数の切欠き50a,50bが設けられている。この切欠き50aに固定ブロック42が配置されている。すなわち、ベルトベース40はフレーム部50の二つのガイドレール51の間であって下方に配置され、この切欠き50aからベルトベース40が幅方向外側に向かって延設され、後述する被固定ブロックの上方に重なる。
【0027】
この被固定ブロック53が固定ブロック42の上に重ね合わされ、フレーム用取付孔46とベース用取付孔54とにねじ部材15が挿通固定されることによりフレーム部50がベルトベース40に着脱可能に固定される。さらに、被固定ブロック53は、外側から内側に向かってベース支持部用取付孔47が形成されている。このベース支持部用取付孔47を介してフレーム部50とベース支持部30とが接続されている。
【0028】
さらに、被固定ブロック53とベース支持部30には、それぞれ、長手方向に延びるスリット上の取付スリット80が形成されている。取付スリット80は、被固定ブロック53とベース支持部30の外面から内側方向に向かってそれぞれ形成されるとともに、ベース支持部30の下面から上方向に向かって形成されている。これら取付スリット80は先端部分近傍が広く形成された拡大部80aを有している。例えば、この拡大部80aにナット等を配置するとともにスリットの入口側からこのナットに向かってボルトを挿入して羅合することにより任意の部位に取り付け機構を構成し、各種部品を取り付けることが可能となっている。
【0029】
図5乃至図8に示すように、検体ホルダ12には、円柱状の基体16の軸心部に上方に向かって開口する収容部17が形成されている。この収容部17の内周面には内周径を拡縮する弾性変形可能なバネ保持部17a設けられこのバネ保持部により、収容部17に検体容器11(試験管)が垂直に収容保持される。基体16の外周部には、二つのフランジ18が所定間隔で配設されている。この上下二段のフランジ18の間に環状溝19(溝部)が形成される。検体ホルダ12は、樹脂製の上側部材12aと、ステンレス製の下側部材12bとがボルトによって一体に接続され、高強度に構成されている。
【0030】
検体ホルダ12が搬送ベルト60上に載置されたとき、二つのフランジ18間に存在する環状溝19に一対の平行なガイドリブ52が係合することにより、搬送時に検体ホルダ12がガイドリブ52に沿って案内される。
【0031】
したがって、検体ホルダ12を、例えば搬送ベルト60上に載せ、各環状溝19を一対のガイドレール51に係合させた状態でモータ21を回転させると、検体ホルダ12は、搬送ベルト60の移送に伴って所定方向へ安定に搬送される。
【0032】
そして、検体容器11が各種処理装置14における処理ポジションを通過する際に、制御部70に制御されることにより、各種処理装置14が検体あるいは検体容器11に各種処理を施す。
【0033】
次に本実施形態にかかる検体搬送装置10の着脱方法について図9乃至図13を参照して説明する。
【0034】
まず、図1乃至3に示す検体搬送装置10から、図9及び図10に示すように、固定ブロック42における接続部材としてのねじ部材15を取り外し、固定ブロック42から被固定ブロック53を取り外す。この結果、フレーム部50が、ベルトベース40から外れる。
【0035】
次に、図11及び図12に示すように、ベルトベース40のローラ部材の軸をベース収容部から取り外し、ベルトベース40をベース支持部30から取り外す。
【0036】
ついで、図13に示すようにベルトベース40に張設された搬送ベルト60を取り外すことによりベルトの取り外し作業が完了する。
【0037】
なお、交換あるいは修理後に組み立てる際には、上記と逆の手順により組み立てることが出来る。
【0038】
本実施形態にかかる検体搬送装置10によれば以下の効果を奏する。すなわち、搬送ベルト60と、ベルトベース40と、フレームと、ベース支持部30と、を互いに着脱可能に構成したことにより、ベルトの交換や修理の作業が容易となる。また、固定ブロック42及び被固定ブロック53を設け、この部分で複数のねじ止めする構成としたことにより作業の単純化及び取付け部分の強化が図れる。
【0039】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記各実施形態においては、処理装置の一例として分取分注装置を示したが、これに加え、あるいはこれに代えて分析装置、ラベル貼付装置、搬入装置、搬出装置、栓抜装置、血餅装置等の別の処理装置を備えていてもよい。
【0040】
また、上記実施形態では1つの検体容器11を保持する円柱形状の検体ホルダ12毎に搬送する場合について説明したが、複数の検体容器11を保持したラック型の検体ホルダ毎に搬送する機構としてもよい。
【0041】
この他、本発明を実施するにあたり、各構成要素の形態、具体的な形状など、本発明の構成要素を発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更して実施できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる検体処理装置を示す斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる検体処理装置を示す平面図。
【図3】実施形態の検体処理装置を示す側面図。
【図4】同検体搬送装置を示す平面図。
【図5】同検体搬送装置の断面図。
【図6】同検体搬送装置のフレーム部及びベース支持部の断面図。
【図7】同検体搬送装置の検体ホルダの断面図。
【図8】同検体搬送装置の支持ローラの側面図。
【図9】同検体搬送装置の着脱手順を示す側面図。
【図10】同検体搬送装置の着脱手順を示す平面図。
【図11】同検体搬送装置の着脱手順を示す側面図。
【図12】同検体搬送装置の着脱手順を示す平面図。
【図13】同検体搬送装置の着脱手順を示す平面図。
【符号の説明】
【0043】
10…検体搬送装置、11…検体容器、12…検体ホルダ、14…処理装置、
15…ねじ部材、16…基体、17…収容部、18…フランジ、19…環状溝、
20…支持台、21…モータ、22…駆動機構、23…細長部材、24…ローラ部材、
25…ベース収容部、30…ベース支持部、40…ベルトベース、41…ベース本体、
42…固定ブロック、43…支持ローラ、46…フレーム用取付孔、
47…ベース支持部用取付孔、50…フレーム部、51…ガイドレール、52…ガイドリブ、53…被固定ブロック、54…ベース用取付孔、60…搬送ベルト、70…制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体を収容可能な検体容器を着脱可能な検体ホルダを搬送する検体搬送装置であって、
搬送方向に沿って延設されるベルトベースと、
このベルトベースに張設されて移送される搬送ベルトと、
前記搬送方向に亘って一定幅に設置され、前記検体ホルダを搬送方向に案内する一対のガイドレールを有するフレーム部と、
を備え、
前記フレーム部は前記ベルトベースに対して着脱可能であり、
前記搬送ベルトは前記ベルトベースに対して着脱可能であることを特徴とする検体搬送装置。
【請求項2】
前記ベルトベースの下部に配置され、前記ベルトベースを収容可能なベース収容部と前記搬送ベルトを走行駆動する走行駆動手段とを有するベース支持部をさらに備え、
前記ベルトベースは前記ベース支持部に着脱可能であることを特徴とする請求項1記載の検体搬送装置。
【請求項3】
前記ベルトベースの下部に配置され、前記ベルトベースを収容可能なベース収容部と、前記ベルトを走行駆動する駆動手段と、を有するベース支持部をさらに備え、
前記ベルトベースの幅方向両側に、複数のフレーム用取付孔を有する固定ブロックが設けられ、
前記フレーム部の下部には、前記フレーム用取付孔と対応するベース用取付孔を有し前記固定ブロックに着脱可能な被固定ブロックが設けられ、
前記ベース支持部は前記ベルトベースに着脱可能であることを特徴とする請求項2記載の検体搬送装置。
【請求項4】
前記一対のガイドレールは互いに向かい合う面に夫々対向する側に向かって突出するリブを備え、
前記検体容器は、前記検体容器を収容可能な収容部をその上部に有するとともに、下部外面に、前記リブに係合する溝部を有するホルダに収容され、前記ベルトに載置され、前記搬送ベルトの走行に伴って前記リブに案内されて搬送されることを特徴とする請求項3記載の検体搬送装置。
【請求項5】
前記検体ホルダが請求項1乃至請求項4の何れかに記載の検体搬送装置と
前記搬送経路に沿って配置され前記検体に所定の処理を施す検体処理装置と、
前記検体ホルダが前記検体搬送装置によって搬送路に沿って搬送されて前記検体処理装置を通過する際に、前記検体処理装置に前記検体容器又は前記検体に所定の処理をさせる制御部と、を備えたことを特徴とする検体処理装置。
【請求項1】
検体を収容可能な検体容器を着脱可能な検体ホルダを搬送する検体搬送装置であって、
搬送方向に沿って延設されるベルトベースと、
このベルトベースに張設されて移送される搬送ベルトと、
前記搬送方向に亘って一定幅に設置され、前記検体ホルダを搬送方向に案内する一対のガイドレールを有するフレーム部と、
を備え、
前記フレーム部は前記ベルトベースに対して着脱可能であり、
前記搬送ベルトは前記ベルトベースに対して着脱可能であることを特徴とする検体搬送装置。
【請求項2】
前記ベルトベースの下部に配置され、前記ベルトベースを収容可能なベース収容部と前記搬送ベルトを走行駆動する走行駆動手段とを有するベース支持部をさらに備え、
前記ベルトベースは前記ベース支持部に着脱可能であることを特徴とする請求項1記載の検体搬送装置。
【請求項3】
前記ベルトベースの下部に配置され、前記ベルトベースを収容可能なベース収容部と、前記ベルトを走行駆動する駆動手段と、を有するベース支持部をさらに備え、
前記ベルトベースの幅方向両側に、複数のフレーム用取付孔を有する固定ブロックが設けられ、
前記フレーム部の下部には、前記フレーム用取付孔と対応するベース用取付孔を有し前記固定ブロックに着脱可能な被固定ブロックが設けられ、
前記ベース支持部は前記ベルトベースに着脱可能であることを特徴とする請求項2記載の検体搬送装置。
【請求項4】
前記一対のガイドレールは互いに向かい合う面に夫々対向する側に向かって突出するリブを備え、
前記検体容器は、前記検体容器を収容可能な収容部をその上部に有するとともに、下部外面に、前記リブに係合する溝部を有するホルダに収容され、前記ベルトに載置され、前記搬送ベルトの走行に伴って前記リブに案内されて搬送されることを特徴とする請求項3記載の検体搬送装置。
【請求項5】
前記検体ホルダが請求項1乃至請求項4の何れかに記載の検体搬送装置と
前記搬送経路に沿って配置され前記検体に所定の処理を施す検体処理装置と、
前記検体ホルダが前記検体搬送装置によって搬送路に沿って搬送されて前記検体処理装置を通過する際に、前記検体処理装置に前記検体容器又は前記検体に所定の処理をさせる制御部と、を備えたことを特徴とする検体処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−264737(P2009−264737A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−110527(P2008−110527)
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【出願人】(397054691)株式会社アイディエス (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【出願人】(397054691)株式会社アイディエス (10)
【Fターム(参考)】
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