説明

検体搬送装置

【課題】装置の大型化を回避し、かつ、複数のラックを効率よく搬送することが可能な、検体搬送装置を提供する。
【解決手段】複数の検体容器を収容可能な複数の検体ラックを一の搬送路の上流側と下流側で独立して搬送可能な検体搬送装置であって、搬送装置4は、搬送路上でラック101を搬送することにより複数のサンプル容器100を第1測定ユニット2および第2測定ユニット3に搬送可能に構成された第1ベルトと第2ベルトとを含み、第1ベルトおよび第2ベルトは、それぞれ互いに独立してラック101を搬送することが可能なように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体ラックを搬送するための検体搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の検体を自動的に搬送し、搬送された検体を分析する分析装置が知られている(たとえば、特許文献1および2参照)。このような分析装置は、1つの測定ユニットに1つの搬送装置が接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−257450号公報
【特許文献2】特開2007−139462号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、搬送装置の大型化を回避し、かつ、複数のラックを効率よく搬送することが可能な検体搬送装置を提供することを課題とする
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0005】
上記目的を達成するために、この発明のの局面における検体搬送装置は、複数の検体容器を収容可能な複数の検体ラックを一の搬送路の上流側と下流側で独立して搬送可能な検体搬送装置であって、検体ラックを保持するための第1保持部を備えており、搬送路の上流から下流に向かう方向に、前記第1保持部を第1移動経路に沿って移動させることにより、前記第1保持部に保持された検体ラックを搬送可能な第1搬送部と、検体ラックを保持するための第2保持部を備えており、前記方向に、前記第2保持部を前記搬送路内で第1移動経路に隣接する第2移動経路に沿って移動させることにより、前記第2保持部に保持された検体ラックを前記第1搬送部とは独立して搬送可能な第2搬送部と、を備える。
【0006】
この発明のの局面による検体搬送装置によれば、第1ラックおよび第2ラックを搬送路上で互いに独立して搬送することができるので、一方のラックの動きが他方のラックの動きによって制限されるのを抑制することができる。これにより、複数のラックを効率よく搬送することができる。また、上記のように構成すれば、搬送装置上で2つ目のラックが1つ目のラックを追い越す必要がないのでラック追い越し用ラインラックスライダを設ける必要がない分、検体搬送装置を小型化することができる。
【0007】
上記一の局面による検体搬送装置において、好ましくは、前記第1搬送部は、前記第1および第2移動経路の両方の上に配置された検体ラックを、第1保持部によって保持して搬送し、前記第2搬送部は、前記第1および第2移動経路の両方の上に配置された検体ラックを、第2保持部によって保持して搬送する。
【0008】
上記一の局面による検体搬送装置において、好ましくは、検体ラックの搬送が開始される前記搬送路上の第1位置に検体ラックを供給するラック送込部と、検体ラックの搬送が終了する前記搬送路上の第2位置において、検体ラックを搬送路の外に排出するラック送出部と、をさらに備え、前記第1および第2搬送部は、少なくとも前記第1位置と第2位置との間で、それぞれ検体ラックを搬送可能である。
【0009】
上記一の局面による検体搬送装置において、好ましくは、前記ラック送込部により第1位置に供給される検体ラックを複数収容可能な第1ラック収容部と、前記ラック送出部により第2位置から送出された検体ラックを複数収容可能な第2ラック収容部を備える。
【0010】
上記一の局面による検体搬送装置において、好ましくは、検体ラックの搬送を開始する場合、前記第1または第2搬送部は、第1または第2保持部が前記第1位置に来るように移動し、前記ラック送込部は、第1位置に位置した第1または第2保持部に対して検体ラックを送り込む。
【0011】
上記一の局面による検体搬送装置は、好ましくは、前記第1および第2保持部は、それぞれ、間隔をあけて設けられた二つの突起片からなり、検体ラックは、前記第1または第2搬送ベルトの前記二つの突起片により保持される。
【0012】
上記一の局面による検体搬送装置において、好ましくは、前記第1搬送部は、前記方向とその反対の第2方向に、前記第1保持部に保持された検体ラックを搬送可能であり、前記第2搬送部は、前記方向とその反対の第2方向に、前記第2保持部に保持された検体ラックを搬送可能である。
【0013】
上記一の局面による検体搬送装置において、好ましくは、前記第1および第2搬送部は、第1および第2保持部が前記搬送路内で互いに隣接する第1および第2移動経路に沿って、それぞれ前記方向と前記第2方向に移動するように構成されている。
【0014】
上記一の局面による検体搬送装置において、好ましくは、前記第1および第2搬送部は、それぞれ第1および第2搬送ベルトを備える。
【0015】
上記一の局面による検体搬送装置において、好ましくは、前記第1および第2搬送ベルトは、それぞれ環状であり、検体ラックの搬送終了後の前記第1および第2保持部は、それぞれ前記搬送路の下側を通って移動する。
【0016】
上記一の局面による検体搬送装置において、好ましくは、前記第1および第2搬送ベルトは、前記搬送路を通る検体ラックのそれぞれが両方のベルトの上に載置されるように、互いに隣接し、かつ前記搬送路に沿って平行に配置されている。
【0017】
上記一の局面による検体搬送装置において、好ましくは、前記第1および第2搬送部は、それぞれ第1および第2搬送ベルトを備え、前記第1および第2搬送ベルトは、それぞれ、前記第1および第2保持部として間隔をあけて設けられた二つの突起片を備えており、ラックの搬送を開始する場合、前記第1または第2搬送ベルトは、二つの突起片の間が前記第1位置に来るように移動し、前記ラック送込部は、前記第1または第2搬送ベルトの二つの突起片の間に検体ラックを送り込む。
【0018】
上記一の局面による検体搬送装置において、好ましくは、前記搬送路上の読取位置に搬送された検体容器のバーコードを読み取るバーコード読取部をさらに備え、
前記第1及び第2搬送部は、前記読取位置と、検体を測定する測定ユニットに検体容器を供給するための前記搬送路上の供給位置とを経由して検体ラックを搬送するように構成されている。
【0019】
上記一の局面による検体搬送装置において、好ましくは、前記第1搬送部によって搬送されている検体ラックの検体容器が前記供給位置にあるとき、前記第2搬送部は、保持した検体ラックの検体容器が前記読取位置にくるように検体ラックを搬送する。
【0020】
上記一の局面による検体搬送装置において、好ましくは、前記搬送路は、一の検体ラックのみが通過可能な幅を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態による血液分析装置の全体構成を示した斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態による血液分析装置の測定ユニットおよび検体搬送装置を示す概略図である。
【図3】本発明の一実施形態による血液分析装置の測定ユニットおよび検体搬送装置を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態による血液分析装置のラックおよびサンプル容器を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態による血液分析装置の検体搬送装置を説明するための平面図である。
【図6】本発明の一実施形態による血液分析装置の検体搬送装置を説明するための側面図である。
【図7】本発明の一実施形態による血液分析装置の検体搬送装置を説明するための側面図である。
【図8】本発明の一実施形態による血液分析装置の検体搬送装置を説明するための側面図である。
【図9】本発明の一実施形態による血液分析装置の制御装置を説明するためのブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態による血液分析装置の測定処理プログラムによる測定処理動作を説明するためのフロー図である。
【図11】測定処理(1)プログラム54a、測定処理(2)プログラム54b、及びサンプラ動作処理プログラム54cの内容を説明するためのフロー図である。
【図12】測定処理(1)プログラム54a、測定処理(2)プログラム54b、及びサンプラ動作処理プログラム54cの内容を説明するためのフロー図である。
【図13】測定処理(1)プログラム54a、測定処理(2)プログラム54b、及びサンプラ動作処理プログラム54cの内容を説明するためのフロー図である。
【図14】測定処理(1)プログラム54a、測定処理(2)プログラム54b、及びサンプラ動作処理プログラム54cの内容を説明するためのフロー図である。
【図15】本発明の一実施形態による血液分析装置のラックおよびサンプル容器と各部との位置関係を示す図である。
【図16】本発明の一実施形態による血液分析装置のラックおよびサンプル容器と各部との位置関係を示す図である。
【図17】本発明の一実施形態による血液分析装置のラックおよびサンプル容器と各部との位置関係を示す図である。
【図18】本発明の一実施形態による血液分析装置のラックおよびサンプル容器と各部との位置関係を示す図である。
【図19】本発明の一実施形態による血液分析装置の変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態による血液分析装置の全体構成を示した斜視図である。図2〜図9は、図1に示した一実施形態による血液分析装置の各部の詳細を説明するための図である。まず、図1〜図9を参照して、本発明の一実施形態による血液分析装置1の全体構成について説明する。なお、本実施形態では、分析装置の一例である血液分析装置に本発明を適用した場合について説明する。
【0024】
本発明の一実施形態による血液分析装置1は、図1に示すように、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3の2つの測定ユニットと、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3の前面側に配置された検体搬送装置(サンプラ)4と、第1測定ユニット2、第2測定ユニット3および検体搬送装置4に電気的に接続されたPC(パーソナルコンピュータ)からなる制御装置5とを備えている。また、血液分析装置1は、制御装置5によりホストコンピュータ6(図2参照)に接続されている。ここで、第1測定ユニット2と第2測定ユニット3とは同種類の測定ユニットであり、同一の測定原理を用いて同一の測定項目について検体を測定する。なお、同種類とは、2つの測定ユニットが完全に同一の測定項目について検体を測定する場合のみならず、第1測定ユニット2による複数の測定項目と第2測定ユニット3による複数の測定項目とが部分的に共通している場合も含む。
【0025】
なお、血液分析装置1は、複数の分析装置を従来の搬送装置によって接続した搬送システムではなく、スタンドアローンの分析装置である。また、この血液分析装置1を搬送システムに組み込んでもよい。
【0026】
また、図1〜図3に示すように、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3は、第1測定ユニット2と第2測定ユニット3との境界線に対して対称なミラー状に配置されている。また、図2に示すように、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3は、それぞれ、検体である血液をサンプル容器(試験管)100から吸引する検体吸引部21および31と、検体吸引部21および31により吸引した血液から検出用試料を調製する試料調製部22および32と、試料調製部22および32により調製された検出用試料から血球数やヘモグロビン等を検出する検出部23および検出部33とを含んでいる。また、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3は、それぞれ、検体搬送装置4が搬送するラック101(図4参照)に収容されたサンプル容器100を内部に取り込むための取り込み口24および34(図1参照)と、ラック101からサンプル容器100を内部に取り込み、検体吸引部21および31による吸引位置(図2参照)までサンプル容器100を搬送するサンプル容器搬送部25および35とをさらに含んでいる。
【0027】
検体吸引部21および31の先端部には、それぞれ針(図示せず)が設けられいる。また、検体吸引部21および31は、それぞれ、鉛直方向(矢印Z方向)に移動可能に構成されている。また、検体吸引部21および31は、下方に移動されることによって、吸引位置まで搬送されたサンプル容器100の密閉蓋を貫通し、内部の血液を吸引するように構成されている。
【0028】
検出部23および33は、RBC検出(赤血球数の検出)およびPLT検出(血小板数の検出)をシースフローDC検出法により行うとともに、HGB検出(血液中の血色素量の検出)をSLS−ヘモグロビン法により行うように構成されている。また、検出部23および33は、WBC検出(白血球数の検出)を半導体レーザを使用したフローサイトメトリー法により行うようにも構成されている。
【0029】
検出部23および33で得られた検出結果は、検体の測定データ(測定結果)として、制御装置5に送信される。なお、この測定データは、ユーザに提供される最終的な分析結果(赤血球数、血小板数、ヘモグロビン量、白血球数など)のもととなるデータである。
【0030】
サンプル容器搬送部25および35は、それぞれ、図3に示すように、サンプル容器100を把持することが可能なハンド部251および351と、ハンド部251および351をそれぞれ矢印Y方向に水平に直線移動する水平移動部252および352と、ハンド部251および351をそれぞれ鉛直方向(矢印Z方向)に直線移動する鉛直移動部253および353と、ハンド部251および351をそれぞれ鉛直方向(矢印Z方向)に振り子状に移動する攪拌部254および354とを有している。また、サンプル容器搬送部25および35は、それぞれ、ハンド部251および351によりラック101から取得されたサンプル容器100を検体セット部255aおよび355aに保持し、検体吸引部21および31の吸引位置まで矢印Y方向に水平に直線移動するサンプル容器移動部255および355と、バーコード読取部256および356とをさらに有している。
【0031】
ハンド部251および351は、それぞれ、水平方向(矢印Y方向)に移動することにより検体搬送装置4が搬送するラック101に収容されたサンプル容器100の上方に移動し、その後、鉛直方向(矢印Z方向)に移動することにより下方にあるサンプル容器100を把持するように構成されている。そして、ハンド部251および351は、把持したサンプル容器100を上方に移動してラック101から取り出し、攪拌位置(図2参照)まで水平方向(矢印Y方向)に移動する。攪拌位置において、ハンド部251および351が、それぞれ、攪拌部254および354により振り子状に移動される(たとえば、10往復)ことによって、把持するサンプル容器100内の血液が攪拌されるように構成されている。攪拌終了後、ハンド部251および351は、下方に移動することによって、サンプル容器移動部255および355の検体セット部255aおよび355aにサンプル容器100をセットし、把持を開放するように構成されている。
【0032】
水平移動部252および352は、それぞれ、エアシリンダ252aおよび352aによる動力により、レール252bおよび352bに沿ってハンド部251および351を水平方向(矢印Y方向)に移動するように構成されている。
【0033】
鉛直移動部253および353は、それぞれ、エアシリンダ253aおよび353aによる動力により、レール253bおよび353bに沿ってハンド部251および351を鉛直方向(矢印Z方向)に移動するように構成されている。
【0034】
攪拌部254および354は、それぞれ、ステッピングモータ254aおよび354aによる動力により、ハンド部251および351を鉛直方向(矢印Z方向)に振り子状に移動するように構成されている。
【0035】
サンプル容器移動部255および355は、それぞれ、図示しないステッピングモータによる動力により、検体セット部255aおよび355aを矢印Y方向に吸引位置まで搬送し、検体セット部255aおよび355aに保持されたサンプル容器100を規制部355b(第1測定ユニット2側は図示せず)に当接するように構成されている。これにより、それぞれの吸引位置においてサンプル容器100をクランプ(固定)するように構成されている。また、サンプル容器移動部255および355が、サンプル容器100を平面的に見て吸引位置まで移動することによって、検体吸引部21および31がそれぞれ水平方向(矢印XおよびY方向)に移動することなく、鉛直方向(矢印Z方向)に移動するだけで、サンプル容器100内から検体を吸引することが可能である。
【0036】
バーコード読取部256および356は、図4に示すように、各サンプル容器100に貼付されたバーコード100aを読み取るように構成されている。また、バーコード読取部256および356は、図示しない回転装置によって対象のサンプル容器100を検体セット部255aおよび355aに保持したまま水平方向に回転させながらサンプル容器100のバーコード100aを読み取るように構成されている。これにより、サンプル容器100のバーコード100aがバーコード読取部256および356に対して反対側に貼付されている場合にも、サンプル容器100を回転させることによって、バーコード100aをバーコード読取部256および356側に向けることが可能である。また、各サンプル容器100のバーコード100aは、各検体に固有に付されたものであり、各検体の分析結果の管理などに使用される。
【0037】
ここで、本実施形態では、図3および図5に示すように、検体搬送装置4は、分析が行われる前の検体を収容するサンプル容器100が収容された複数のラック101を保持することが可能な分析前ラック保持部41と、分析が行われた後の検体を収容するサンプル容器100が収容された複数のラック101を保持することが可能な分析後ラック保持部42と、ラック101を矢印X方向に水平に直線移動するラック搬送部43と、バーコード読取部44と、サンプル容器100の有無を検知する有無検知センサ45と、分析後ラック保持部42内にラック101を移動するラック送出部46とを含んでいる。
【0038】
分析前ラック保持部41は、ラック送込部411を有し、ラック送込部411が矢印Y方向に移動することによって、分析前ラック保持部41に保持されたラック101を1つずつラック搬送部43上に押し出すように構成されている。ラック送込部411は、分析前ラック保持部41の下方に設けられた図示しないステッピングモータによって駆動するように構成されている。また、分析前ラック保持部41は、ラック搬送部43近傍に規制部412(図3参照)を有し、一度ラック搬送部43上に押し出されたラック101が分析前ラック保持部41内に戻されないようにラック101の移動を規制するように構成されている。
【0039】
分析後ラック保持部42は、ラック搬送部43の近傍に規制部421(図3参照)を有し、一度分析後ラック保持部42内に移動されたラック101がラック搬送部43側に戻されないようにラック101の移動を規制するように構成されている。
【0040】
ラック搬送部43は、互いに独立してラック101を搬送することが可能な第1ベルト431および第2ベルト432の2つのベルトを有している。また、図5に示すように、第1ベルト431および第2ベルト432は、それぞれが載置するラック101が、平面的に見て、第1ベルト431と第2ベルト432との両方の上に載置されるように、搬送方向(矢印X方向)と直交する方向(矢印Y方向)に隣接して平行に配置されている。これにより、ラック101は、第1測定ユニット2の前面と第2測定ユニット3の前面とを結ぶ直線に実質的に平行な方向(矢印X方向)に搬送される。また、第1ベルト431および第2ベルト432の矢印Y方向の幅b1およびb2(図5参照)は、それぞれラック101の矢印Y方向の幅Bの半分以下の大きさである。これにより、第1ベルト431と第2ベルト432との合計幅b2を、ラック101が1つしか通ることのできない大きさの幅にすることが可能である。また、ラック101の搬送路の幅も、ラック101が1つしか通ることのできない大きさの幅となっている。また、第1ベルト431および第2ベルト432は環状に形成されており、それぞれローラ431a〜431c(図6参照)およびローラ432a〜432c(図7参照)を取り囲むように配置されている。また、第1ベルト431の外周部には、ラック101の矢印X方向の幅Wよりも若干(たとえば、約1mm)大きい内幅w1(図6参照)を有するように2つの突起片431dが形成されている。また、第2ベルト432の外周部にも、ラック101の矢印X方向の幅Wよりも若干(たとえば、約1mm)大きい内幅w2(図7参照)を有するように2つの突起片432dが形成されている。ラック101は、ラック送込部411によって分析前ラック保持部41内から第1ベルト431の2つの突起片431dの間に、または、第2ベルト432の2つの突起片432dの間に送り込まれる。
【0041】
また、第1ベルト431は、突起片431dの内側にラック101を保持した状態において、ステッピングモータ431e(図3および図5参照)によりローラ431a〜431cの外周を移動されることによって、ラック101を矢印X方向に移動するように構成されている。具体的には、第1ベルト431の移動方向に対して、後ろ側に配置された突起片431dがラック101に当接することにより、ラック101が第1ベルト431の移動方向に押されるように移動される。また、ラック101が移動される際には、ラック101の底部が他方の第2ベルト432の外周表面に当接しているが、ラック101の底部と第2ベルト432の外周表面との摩擦力は、突起片431dによるラック101の移動方向への押圧力に比べて極めて小さい。このため、第2ベルト432の移動の有無に関係なく、第1ベルト431が独立してラック101を移動することが可能である。また、図8に示すように、第1ベルト431の2つの突起片431dは、ラック101が搬送路から分析後ラック保持部42内に移動されるラック送出位置から、ラック101が分析前ラック保持部41内から搬送路に送り込まれるラック送込位置まで、第1ベルト431の下側を通って移動するように構成されている。なお、第2ベルト432は、第1ベルト431と同様に構成され、ステッピングモータ432e(図5参照)によって移動される。
【0042】
バーコード読取部44は、図4に示したサンプル容器100のバーコード100aを読み取るとともに、ラック101に貼付されたバーコード101aを読み取るように構成されている。また、バーコード読取部44は、図示しない回転装置によって対象のサンプル容器100をラック101に収容したまま水平方向に回転させながらサンプル容器100のバーコード100aを読み取るように構成されている。これにより、サンプル容器100のバーコード100aがバーコード読取部44に対して反対側に貼付されている場合にも、サンプル容器100を回転させることによって、バーコード100aをバーコード読取部44側に向けることが可能である。また、ラック101のバーコード101aは、各ラックに固有に付されたものであり、検体の分析結果の管理などに使用される。
【0043】
有無検知センサ45は、接触型のセンサであり、のれん形状の接触片451(図3参照)、光を出射する発光素子(図示せず)および受光素子(図示せず)を有している。有無検知センサ45は、接触片451が検知対象の被検知物に当接されることにより屈曲され、その結果、発光素子から出射された光が接触片451により反射されて受光素子に入射されるように構成されている。これにより、有無検知センサ45の下方をラック101に収容された検知対象のサンプル容器100が通過する際に、接触片451がサンプル容器100により屈曲されて、サンプル容器100が有ることを検知することが可能である。
【0044】
ラック送出部46は、ラック搬送部43を挟んで分析後ラック保持部42に対向するように配置されており、矢印Y方向に水平に直線移動するように構成されている。これにより、分析後ラック保持部42とラック送出部46との間(ラック送出位置)にラック101が搬送された場合に、ラック送出部46を分析後ラック保持部42側に移動することによって、ラック101を押圧して分析後ラック保持部42内に移動することが可能である。
【0045】
制御装置5は、図1および図9に示すように、パーソナルコンピュータ(PC)などからなり、CPU、ROM、RAMなどからなる制御部51と、表示部52と、入力デバイス53とを含んでいる。また、表示部52は、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3から送信されたデジタル信号のデータを分析して得られた分析結果などを表示するために設けられている。
【0046】
次に、制御装置5の構成について説明する。制御装置5は、図9に示すように、制御部51と、表示部52と、入力デバイス53とから主として構成されたコンピュータ500によって構成されている。制御部51は、CPU51aと、ROM51bと、RAM51cと、ハードディスク51dと、読出装置51eと、入出力インタフェース51fと、通信インタフェース51gと、画像出力インタフェース51hとから主として構成されている。CPU51a、ROM51b、RAM51c、ハードディスク51d、読出装置51e、入出力インタフェース51f、通信インタフェース51g、および画像出力インタフェース51hは、バス51iによって接続されている。
【0047】
CPU51aは、ROM51bに記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM51cにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、後述するようなアプリケーションプログラム54a〜54cをCPU51aが実行することにより、コンピュータ500が制御装置5として機能する。
【0048】
ROM51bは、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROMなどによって構成されており、CPU51aに実行されるコンピュータプログラムおよびこれに用いるデータなどが記録されている。
【0049】
RAM51cは、SRAMまたはDRAMなどによって構成されている。RAM51cは、ROM51bおよびハードディスク51dに記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU51aの作業領域として利用される。
【0050】
ハードディスク51dは、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU51aに実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびそのコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。第1測定ユニット2用の測定処理プログラム54a、第2測定ユニット3用の測定処理プログラム54bおよび検体搬送装置4用の測定処理プログラム54cも、このハードディスク51dにインストールされている。これらのアプリケーションプログラム54a〜54cがCPU51aに実行されることによって、第1測定ユニット2、第2測定ユニット3および検体搬送装置4の各部の動作が制御される。また、測定結果データベース54dもインストールされている。
【0051】
読出装置51eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブなどによって構成されており、可搬型記録媒体54に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体54には、アプリケーションプログラム54a〜54cが格納されており、コンピュータ500がその可搬型記録媒体54からアプリケーションプログラム54a〜54cを読み出し、そのアプリケーションプログラム54a〜54cをハードディスク51dにインストールすることが可能である。
【0052】
なお、上記アプリケーションプログラム54a〜54cは、可搬型記録媒体54によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ500と通信可能に接続された外部の機器から上記電気通信回線を通じて提供することも可能である。たとえば、上記アプリケーションプログラム54a〜54cがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ500がアクセスして、そのアプリケーションプログラム54a〜54cをダウンロードし、これをハードディスク51dにインストールすることも可能である。
【0053】
また、ハードディスク51dには、たとえば、米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのグラフィカルユーザインタフェース環境を提供するオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、アプリケーションプログラム54a〜54cは上記オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0054】
入出力インタフェース51fは、たとえば、USB、IEEE1394、RS−232Cなどのシリアルインタフェース、SCSI、IDE、IEEE1284などのパラレルインタフェース、およびD/A変換器、A/D変換器などからなるアナログインタフェースなどから構成されている。入出力インタフェース51fには、入力デバイス53が接続されており、ユーザがその入力デバイス53を使用することにより、コンピュータ500にデータを入力することが可能である。
【0055】
通信インタフェース51gは、たとえば、Ethernet(登録商標)インタフェースである。コンピュータ500は、その通信インタフェース51gにより、所定の通信プロトコルを使用して第1測定ユニット2、第2測定ユニット3、検体搬送装置4およびホストコンピュータ6との間でデータの送受信が可能である。
【0056】
画像出力インタフェース51hは、LCDまたはCRTなどで構成された表示部52に接続されており、CPU51aから与えられた画像データに応じた映像信号を表示部52に出力するようになっている。表示部52は、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示する。
【0057】
制御部51は、上記した構成により、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3から送信された測定結果を用いて分析対象の成分を解析するとともに、分析結果(赤血球数、血小板数、ヘモグロビン量、白血球数など)を取得するように構成されている。
【0058】
ラック101には、10本のサンプル容器100を一列に収容可能なように10個の容器収容部101bが形成されている。また、各容器収容部101bには、それぞれ収容したサンプル容器100のバーコード100aが視認可能なように開口部101cが設けられている。
【0059】
図10は、本発明の一実施形態による血液分析装置の測定処理プログラムによる測定処理動作を説明するためのフロー図である。次に、図10を参照して、本実施形態による血液分析装置1の測定処理プログラム54aおよび54bによる測定処理動作を説明する。なお、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3では、それぞれ同様に分析対象の成分が測定されるので、以下では代表して、第1測定ユニット2により分析対象の成分を測定する場合について説明する。
【0060】
まず、ステップS1において、吸引位置(図2参照)まで搬送されたサンプル容器100から検体吸引部21により検体の吸引が行われる。そして、ステップS2において、吸引した検体から試料調製部22により検出用試料が調製され、ステップS3で、検出用試料から分析対象の成分が検出部23により検出される。そして、ステップS4で、測定データが、第1測定ユニット2から制御装置5に送信される。その後、ステップS5において、第1測定ユニット2から送信される測定結果に基づいて、制御部51により分析対象の成分が解析される。このステップS5により、検体の分析が完了され、動作が終了される。
【0061】
図11〜図14は、測定処理(1)プログラム54a、測定処理(2)プログラム54b、及びサンプラ動作処理プログラム54cの内容を説明するためのフロー図である。また、図15〜図18は、本発明の一実施形態による血液分析装置のラックおよびサンプル容器と各部との位置関係を示す図である。次に、図11〜図18を参照して、本実施形態による血液分析装置1の第1測定ユニット2、第2測定ユニット3および検体搬送装置4の一連の動作を説明する。なお、図11〜図14のフロー図には、左側の列に測定処理(1)プログラム54aの内容を示し、右側の列に測定処理(2)プログラム54bの内容を示すとともに、中央の列にはサンプラ動作処理プログラム54cの内容を示す。なお、サンプラ動作処理プログラム54cについては、中央左側の列に先行ラック101に関する処理内容を示し、中央右側の列に後行ラック101に関する処理内容を示す。ここで、先行ラック101とは、ラック搬送部43に分析前ラック保持部41から先に送り込まれたラック101のことであり、後行ラック101とは、ラック搬送部43に先行ラック101がある状態で、後から送り込まれたラック101のことである。また、図15〜図18に示すラック101およびサンプル容器100と各部との位置関係を示す各状態の番号は、それぞれ、図11〜図14に示すステップ番号に対応するように付されている。たとえば、図15の状態13におけるラック101およびサンプル容器100と各部との位置関係は、図11に示すステップS13におけるラック101およびサンプル容器100と各部との位置関係である。なお、図10〜図13に示すように、測定処理(1)プログラム54a、測定処理(2)プログラム54b、及びサンプラ動作処理プログラム54cは、実質的に並行して実行される。
【0062】
まず、ユーザにより血液分析装置1が起動されると、ステップS11において、検体搬送装置4の初期化が行われる。この際、第1ベルト431の突起片431dが所定の位置に移動され、第1ベルト431の原点位置としてセットされる。ステップS12において、2つの突起片431dが分析前ラック保持部41に対向する位置(ラック送込位置)まで移動され、先行ラック101が第1ベルト431の2つの突起片431dの間に送り込まれる。この際のラック101およびサンプル容器100と各部との位置関係は、図15の状態12のとおりである。なお、以下では、図15〜図18に示す各状態でのラック101およびサンプル容器100と各部との位置関係の説明は省略する。また、本実施形態では、図15〜図18に示すように、ラック101に、順送り方向に対して前方から後方に向かって順に、1本目から10本目までのサンプル容器100が収容されている場合について説明する。
【0063】
ステップS13において、先行ラック101が第1測定ユニット2方向(順送り方向)に移動され、ステップS14において、有無検知センサ45により先行ラック101に収容された1本目のサンプル容器100の有無が検知される。そして、ステップS15において、2本目のサンプル容器100の有無が検知され、ステップS16において、1本目のサンプル容器100のバーコード100aがバーコード読取部44により読み取られるとともに、3本目の有無が検知される。なお、有無検知センサ45により検知された検知結果、および、バーコード読取部44、256および356により読み取られたバーコード情報は、随時ホストコンピュータ6に送信される。ステップS17では、1本目のサンプル容器100が第1測定ユニット2のハンド部251により先行ラック101から取り出される第1取出位置(図15参照)まで、先行ラック101が移動される(すなわち、1本目のサンプル容器100が、第1測定ユニット2に搬送される)。この際、バーコード読取部44によりラック101のバーコード101aが読み取られる。そして、ステップS18において、第1測定ユニット2のハンド部251により1本目のサンプル容器100が先行ラック101から取り出される。この際、先行ラック101は、1本目のサンプル容器100が第1取出位置に対応する位置で停止している。ステップS19では、第1測定ユニット2において、ハンド部251に把持された1本目のサンプル容器100の検体が攪拌されるとともに、1本目のサンプル容器100が取り出された先行ラック101が順送り方向とは反対の逆送り方向に移動される。
【0064】
ステップS20において、第1測定ユニット2では、検体セット部255aに1本目のサンプル容器100がセットされるとともに、先行ラック101の2本目のバーコード100aが読み取られ、4本目のサンプル容器100の有無が検知される。ステップS21では、第1測定ユニット2において、バーコード読取部256により1本目のサンプル容器100のバーコード100aが読み取られ、ステップS22では、検体セット部255aに保持された1本目のサンプル容器100が規制部(図示せず)に当接されてクランプされるとともに、検体吸引部21の針(図示せず)がサンプル容器100の密閉蓋に刺されて貫通される。この際、先行ラック101は、2本目のサンプル容器100が第2測定ユニット3のハンド部351により先行ラック101から取り出される第2取出位置(図14参照)まで移動される(すなわち、2本目のサンプル容器100が、第2測定ユニット3に搬送される)。なお、バーコード読取部256および356によるサンプル容器100のバーコード100aの読み取りは、バーコード読取部44による読み取りの確認用として行われる。その後、ステップS23において、第1測定ユニット2で検体吸引部21により1本目のサンプル容器100内の検体の吸引が行われるとともに、第2測定ユニット3のハンド部351により2本目のサンプル容器100が先行ラック101から取り出される。この際、先行ラック101は、2本目のサンプル容器100がハンド部351により取り出される第2取出位置(図15参照)に来るように停止している。
【0065】
ステップS24において、第1測定ユニット2では、ハンド部251により検体セット部255aから1本目のサンプル容器100が取り出されるとともに、検体吸引部21に吸引された検体について、試料調製、攪拌および分析が行われる。また、第2測定ユニット3でハンド部351により把持された2本目のサンプル容器100内の検体が攪拌されるとともに、先行ラック101は、順送り方向に移動される。ステップS25では、第2測定ユニット3において、検体セット部355aに2本目のサンプル容器100がセットされるとともに、先行ラック101の3本目のバーコード100aが読み取られ、5本目のサンプル容器100の有無が検知される。そして、ステップS26において、第1測定ユニット2では、1本目のサンプル容器100内の検体についての測定が終了され、第2測定ユニット3では、バーコード読取部356により2本目のサンプル容器100のバーコード100aが読み取られる。また、先行ラック101の4本目のバーコード100aが読み取られ、6本目のサンプル容器100の有無が検知される。なお、この説明において、検体についての測定が終了するとは、図10に示したステップS4での測定データの送信完了を意味する。すなわち、ステップS26において、1本目のサンプル容器100内の検体についての測定が終了しても、まだステップS5による測定データの解析処理(分析)は完了していない。
【0066】
ステップS27において、検体セット部355aに保持された2本目のサンプル容器100が規制部355bに当接されてクランプされるとともに、検体吸引部31の針(図示せず)がサンプル容器100の密閉蓋に刺されて貫通される。この際、先行ラック101は、順送り方向に移動される。そして、ステップS28において、1本目のサンプル容器100が第1測定ユニット2から先行ラック101の元の容器収容部101bに戻されるとともに、第2測定ユニット3では、検体吸引部31により2本目のサンプル容器100内の検体の吸引が行われる。ステップS29では、第2測定ユニット3において、ハンド部351により検体セット部355aから2本目のサンプル容器100が取り出されるとともに、検体吸引部31に吸引された検体について、試料調製、攪拌および分析が行われる。また、先行ラック101は、順送り方向に移動される。ステップS30では、第1測定ユニット2のハンド部251により3本目のサンプル容器100が先行ラック101から取り出される。この際、先行ラック101は、3本目のサンプル容器100が第1取出位置に対応する位置で停止している。ステップS31では、第1測定ユニット2において、ハンド部251に把持された3本目のサンプル容器100の検体が攪拌されるとともに、先行ラック101は逆送り方向に移動される。また、第2測定ユニット3では、2本目のサンプル容器100内の検体についての測定が終了される。
【0067】
そして、ステップS32において、第1測定ユニット2で、検体セット部255aに3本目のサンプル容器100がセットされ、ステップS33では、第1測定ユニット2において、バーコード読取部256により3本目のサンプル容器100のバーコード100aが読み取られる。また、2本目のサンプル容器100が第2測定ユニット3から先行ラック101の元の容器収容部101bに戻される。ステップS34では、3本目のサンプル容器100がクランプされるとともに、検体吸引部21の針(図示せず)がサンプル容器100の密閉蓋に刺されて貫通される。また、先行ラック101は、順送り方向に移動される。そして、以降のサンプル容器100についても上記と同様に、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3で測定処理が行われるとともに、検体搬送装置4で先行ラック101の搬送処理が行われる。なお、ここでは、同様な処理の繰り返しとなるため図面を簡略化し、ステップS35において、各部で所定の処理が行われるように図示している。また、繰り返しの処理におけるステップS23〜ステップS28に対応する先行ラック101およびサンプル容器100と各部との位置関係は、図16の状態23a〜28aに示している。
【0068】
ステップS36では、第2測定ユニット3において、ハンド部351により検体セット部355aから8本目のサンプル容器100が取り出されるとともに、検体吸引部31に吸引された検体について、試料調製、攪拌および分析が行われる。また、先行ラック101は、順送り方向に移動される。ステップS37では、第1測定ユニット2のハンド部251により9本目のサンプル容器100が先行ラック101から取り出される。この際、先行ラック101は、9本目のサンプル容器100が第1取出位置に対応する位置で停止している。ステップS38では、第1測定ユニット2において、9本目のサンプル容器100の検体が攪拌されるとともに、先行ラック101は逆送り方向に移動される。また、第2測定ユニット3では、8本目のサンプル容器100内の検体についての測定が終了される。
【0069】
そして、ステップS39において、第1測定ユニット2で、検体セット部255aに9本目のサンプル容器100がセットされ、ステップS40では、第1測定ユニット2において、バーコード読取部256により9本目のサンプル容器100のバーコード100aが読み取られる。また、8本目のサンプル容器100が第2測定ユニット3から先行ラック101の元の容器収容部101bに戻される。さらに、第2ベルト432の突起片432dが所定の位置に移動され、第2ベルト432の原点位置としてセットされる。その後、ステップS41では、第1測定ユニット2で9本目のサンプル容器100がクランプされるとともに、検体吸引部21の針(図示せず)がサンプル容器100の密閉蓋に刺されて貫通される。また、先行ラック101は、順送り方向に移動される。ステップS42では、第1測定ユニット2で検体吸引部21により9本目のサンプル容器100内の検体の吸引が行われるとともに、第2測定ユニット3のハンド部351により10本目のサンプル容器100が先行ラック101から取り出される。この際、先行ラック101は、10本目のサンプル容器100がハンド部351により取り出される第2取出位置に来るように停止している。さらに、2つの突起片432dがラック送込位置まで移動され、後行ラック101が第2ベルト432の2つの突起片432dの間に送り込まれる。
【0070】
そして、ステップS43において、第1測定ユニット2では、ハンド部251により検体セット部255aから9本目のサンプル容器100が取り出されるとともに、検体吸引部21に吸引された検体について、試料調製、攪拌および分析が行われる。また、第2測定ユニット3でハンド部351により把持された10本目のサンプル容器100内の検体が攪拌されるとともに、先行ラック101および後行ラック101はともに順送り方向に移動される。ステップS44では、第2測定ユニット3において、検体セット部355aに10本目のサンプル容器100がセットされるとともに、有無検知センサ45により後行ラック101の1本目のサンプル容器100の有無が検知される。その後、ステップS45において、第2測定ユニット3でバーコード読取部356により10本目のサンプル容器100のバーコード100aが読み取られ、有無検知センサ45により後行ラック101の2本目のサンプル容器100の有無が検知される。
【0071】
ステップS46において、検体セット部355aに保持された10本目のサンプル容器100がクランプされるとともに、検体吸引部31の針(図示せず)がサンプル容器100の密閉蓋に刺されて貫通される。この際、後行ラック101の1本目のバーコード100aが読み取られ、3本目のサンプル容器100の有無が検知される。そして、ステップS47において、9本目のサンプル容器100が第1測定ユニット2から先行ラック101の元の容器収容部101bに戻されるとともに、第2測定ユニット3では、検体吸引部31により10本目のサンプル容器100内の検体の吸引が行われる。さらに、後行ラック101は、順送り方向に移動される。この際、バーコード読取部44によりラック101のバーコード101aが読み取られる。ステップS48では、第2測定ユニット3において、ハンド部351により検体セット部355aから10本目のサンプル容器100が取り出されるとともに、検体吸引部31に吸引された検体について、試料調製、攪拌および分析が行われる。また、先行ラック101は、順送り方向に移動される。また、ステップS49では、第1測定ユニット2のハンド部251により1本目のサンプル容器100が後行ラック101から取り出される。この際、後行ラック101は、1本目のサンプル容器100が第1取出位置に対応する位置で停止している。また、先行ラック101は、図17の状態49に示すように、後行ラック101から1本目のサンプル容器100が取り出される間、後行ラック101の前方側の位置で退避している。
【0072】
ステップS50では、第1測定ユニット2において、後行ラック101の1本目のサンプル容器100の検体が攪拌されるとともに、先行ラック101および後行ラック101はともに逆送り方向に移動される。また、第2測定ユニット3では、先行ラック101の10本目のサンプル容器100内の検体についての測定が終了される。そして、ステップS51において、第1測定ユニット2で、検体セット部255aに後行ラック101の1本目のサンプル容器100がセットされるとともに、後行ラック101の2本目のバーコード100aが読み取られ、4本目のサンプル容器100の有無が検知される。ステップS52では、第1測定ユニット2において、バーコード読取部256により後行ラック101の1本目のサンプル容器100のバーコード100aが読み取られる。また、先行ラック101の10本目のサンプル容器100が第2測定ユニット3から先行ラック101の元の容器収容部101bに戻される。この間、後行ラック101は、図18の状態52に示すように、先行ラック101の後方側の位置で退避している。
【0073】
ステップS53では、第1測定ユニット2で1本目のサンプル容器100がクランプされるとともに、検体吸引部21の針(図示せず)がサンプル容器100の密閉蓋に刺されて貫通される。また、先行ラック101および後行ラック101はともに順送り方向に移動される。その後、ステップS54では、第1測定ユニット2で検体吸引部21により1本目のサンプル容器100内の検体の吸引が行われるとともに、第2測定ユニット3のハンド部351により2本目のサンプル容器100が後行ラック101から取り出される。この際、先行ラック101は、図18の状態53に示すように、ラック送出位置で退避している。そして、ステップS55において、第1測定ユニット2では、ハンド部251により検体セット部255aから1本目のサンプル容器100が取り出されるとともに、検体吸引部21に吸引された検体について、試料調製、攪拌および分析が行われる。また、第2測定ユニット3でハンド部351により把持された2本目のサンプル容器100内の検体が攪拌されるとともに、後行ラック101は、順送り方向に移動される。
【0074】
ステップS56では、第2測定ユニット3において、検体セット部355aに2本目のサンプル容器100がセットされるとともに、後行ラック101の3本目のバーコード100aが読み取られ、5本目のサンプル容器100の有無が検知される。また、先行ラック101は、ラック送出部46に押圧されて、分析後ラック保持部42内に移動される。そして、ステップS57において、第1測定ユニット2では、1本目のサンプル容器100内の検体についての測定が終了され、第2測定ユニット3では、バーコード読取部356により2本目のサンプル容器100のバーコード100aが読み取られる。また、後行ラック101の4本目のバーコード100aが読み取られ、6本目のサンプル容器100の有無が検知される。さらに、第1ベルト431の2つの突起片431dは、第2ベルト432による後行ラック101の移動の妨げにならないように、ベルト退避場所(ラック搬送部43の裏側)まで移動される。そして、以降のサンプル容器100についても上記と同様に、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3で測定処理が行われるとともに、検体搬送装置4で後行ラック101の搬送処理が行われる。なお、ここでは、同様な処理の繰り返しとなるため図を簡略化し、ステップS58において、各部で所定の処理が行われるように図示している。
【0075】
その後、ステップS59において、第1測定ユニット2で検体吸引部21により後行ラック101の9本目のサンプル容器100内の検体の吸引が行われるとともに、第2測定ユニット3のハンド部351により10本目のサンプル容器100が後行ラック101から取り出される。この際、後行ラック101は、10本目のサンプル容器100がハンド部351により取り出される第2取出位置に来るように停止している。
【0076】
そして、ステップS60において、第1測定ユニット2では、ハンド部251により検体セット部255aから9本目のサンプル容器100が取り出されるとともに、検体吸引部21に吸引された検体について、試料調製、攪拌および分析が行われる。また、第2測定ユニット3でハンド部351により把持された10本目のサンプル容器100内の検体が攪拌されるとともに、後行ラック101は、順送り方向に移動される。ステップS61では、第2測定ユニット3において、検体セット部355aに10本目のサンプル容器100がセットされる。その後、ステップS62において、第1測定ユニット2では、9本目のサンプル容器100内の検体についての測定が終了され、第2測定ユニット3では、バーコード読取部356により10本目のサンプル容器100のバーコード100aが読み取られる。ステップS63では、第2測定ユニット3において、10本目のサンプル容器100がクランプされるとともに、検体吸引部31の針(図示せず)がサンプル容器100の密閉蓋に刺されて貫通される。この際、後行ラック101は、順送り方向に移動される。
【0077】
そして、ステップS64において、9本目のサンプル容器100が第1測定ユニット2から後行ラック101の元の容器収容部101bに戻されるとともに、第2測定ユニット3では、検体吸引部31により10本目のサンプル容器100内の検体の吸引が行われる。ステップS65では、第2測定ユニット3において、ハンド部351により検体セット部355aから10本目のサンプル容器100が取り出されるとともに、検体吸引部31に吸引された検体について、試料調製、攪拌および分析が行われる。また、後行ラック101は、順送り方向に移動される。そして、ステップS66において、第2測定ユニット3で10本目のサンプル容器100内の検体についての測定が終了される。ステップS67において、10本目のサンプル容器100が第2測定ユニット3から後行ラック101の元の容器収容部101bに戻され、ステップS68において、後行ラック101が順送り方向にラック送出位置まで移動される。そして、ステップS69では、後行ラック101がラック送出部46に押圧されて分析後ラック保持部42内に移動され、動作が終了される。このようにして、本実施形態による血液分析装置1の第1測定ユニット2、第2測定ユニット3および検体搬送装置4の一連の動作が行われる。なお、本実施形態では、2つのラック101が搬送される場合の例について説明したが、3つ以上のラック101が搬送される場合には、上記した後行ラック101がラック搬送部43に送り込まれるのと同様に、3つ目以降のラック101がラック搬送部43に送り込まれ、各部で上記と同様に処理が行われる。
【0078】
本実施形態では、上記のように、搬送装置4に、搬送路上でラック101を搬送することにより複数のサンプル容器100を第1測定ユニット2および第2測定ユニット3に搬送可能に構成された第1ベルト431と第2ベルト432とを設け、第1ベルト431および第2ベルト432を、それぞれ互いに独立してラック101を移動することが可能なように構成することによって、複数のラック101を搬送路上で互いに独立して搬送することができるので、一方のラック101の動きが他方のラック101の動きによって制限されるのを抑制することができる。これにより、複数のラック101を効率よく第1測定ユニット2および第2測定ユニット3に分配することができる。また、上記のように構成すれば、搬送装置4上で2つ目のラック101が1つ目のラック101を追い越す必要がないので、測定ユニットにラック101の受け入れ部を設けたり、ラック追い越し用ラインおよびラックスライダを設ける必要がない分、血液分析装置1を小型化することができる。
【0079】
また、本実施形態では、第1ベルト431および第2ベルト432を、それぞれ、ラック101に収容された複数のサンプル容器100を第1測定ユニット2および第2測定ユニット3に搬送するように構成することによって、同じラック101に収容された複数のサンプル容器100内の検体を、異なる2つの測定ユニットに分配することができるので、効率よく検体の分析処理を行うことができる。
【0080】
また、本実施形態では、搬送装置4に、第1測定ユニット2または第2測定ユニット3により測定された後の検体が収容されたサンプル容器100を収容するラック101を保持する分析後ラック保持部42と、搬送路のラック送出位置から分析後ラック保持部42に分析後ラックを送り出すラック送出部46とを設け、搬送装置4を、ラック101が搬送路のラック送出位置から分析後ラック保持部42に送り出す前に、次の新たなラック101をラック送込部411により分析前ラック保持部41から搬送路のラック送込位置に供給することが可能なように構成することによって、ラック101を搬送路から分析後ラック保持部42に送り出した後に、分析前ラック保持部41から搬送路に次の新たなラック101を供給する場合に比べて、より早く搬送路にラック101を供給することができるので、搬送装置4はラック101に収容されたサンプル容器100をより早く2つの測定ユニットに搬送することができる。その結果、効率よく検体の分析処理を行うことができる。
【0081】
また、本実施形態では、第1ベルト431の突起片431dを、第1ベルト431の下側を通って、ラック送出位置からラック送込位置まで移動し、第2ベルト432の突起片432dを、第2ベルト432の下側を通って、ラック送出位置からラック送込位置まで移動するように構成することによって、第1ベルト431および第2ベルト432のうちの一方のベルトにラック101が載置されている場合にも、一方のベルトに載置されたラック101に当接することなく、他方のベルトの突起片をラック送出位置からラック送込位置まで移動することができる。
【0082】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0083】
たとえば、上記実施形態では、分析装置の一例として血液分析装置を示したが、本発明はこれに限らず、複数の測定ユニットを備える分析装置であれば他の分析装置に本発明を適用してもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、搬送装置を、1つのラックに収容された複数の検体容器を異なる2つの測定ユニットに搬送する構成を示したが、本発明はこれに限らず、1つのラックに収容された複数の検体容器をすべて1つの測定ユニットに搬送するようにしてもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、各測定ユニットに攪拌部を設け、検体を攪拌する構成の例を示したが、本発明はこれに限らず、検体を攪拌しない分析装置(たとえば、生化学測定装置および尿分析装置など)に本発明を適用してもよい。この場合、サンプル容器搬送部を設けることなく、検体吸引部を移動することにより、ラックに収容された状態のサンプル容器から検体を吸引するようにしてもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、ラックに収容された1本目のサンプル容器内を第1測定ユニットに搬送し、2本目のサンプル容器を第2測定ユニットに搬送する例を示したが、本発明はこれに限らず、1本目のサンプル容器を第2測定ユニットに搬送し、2本目のサンプル容器を第1測定ユニットに搬送するようにしてもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、制御装置に1つの制御部を設ける例を示したが、本発明はこれに限らず、第1測定ユニットおよび第2測定ユニットそれぞれに別々の制御部を設けてもよい。また、これらの制御部は、第1測定ユニットおよび第2測定ユニットそれぞれに組み込まれてもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、第1測定ユニットおよび第2測定ユニットを同種類の測定ユニットとする例を示したが、本発明はこれに限らず、第1測定ユニットおよび第2測定ユニットはそれぞれ異なる種類の分析装置(たとえば、血球計数装置と塗抹標本作製装置、免疫測定装置と生化学測定装置など)であってもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、搬送装置に第1ベルトおよび第2ベルトを用いた搬送部を設ける例を示したが、本発明はこれに限らず、搬送路上で、2つのラックをそれぞれ独立して搬送することが可能な搬送部であれば、他の搬送部であってもよい。たとえば、搬送路の下から搬送路上に出し入れ可能な突起片を設け、突起片を搬送路上に出した状態(突起した状態)で搬送方向に移動することによって、ラックを搬送するようにしてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、第1測定ユニットおよび第2測定ユニットをそれぞれ独立した別々のハウジングに収容する例(図1参照)を示したが、本発明はこれに限らず、図19に示すように、第1測定ユニットおよび第2測定ユニットをともに1つのハウジング7に収容するようにしてもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、第1測定ユニットおよび第2測定ユニットを、第1測定ユニットと第2測定ユニットとの境界線に対して対称なミラー状に配置する例を示したが、本発明はこれに限らず、全く同じ形状の第1測定ユニットおよび第2測定ユニットを隣接して配置してもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、ラックに10本すべてのサンプル容器が収容された例を示したが、本発明はこれに限らず、10本のうちの数本のサンプル容器が収容されていない場合にも適用可能である。たとえば、ラックの2本目の位置に収容されるサンプル容器がない場合には、3本目の位置に収容されたサンプル容器を2本目のサンプル容器として分析処理するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0093】
1 血液分析装
2 第1測定ユニット
3 第2測定ユニット
4 検体搬送装
41 分析前ラック保持部
42 分析後ラック保持部
46 ラック送出
100 サンプル容
101 ラック
411 ラック送込
431 第1ベルト
431d 突起
431e ステッピングモー
432 第2ベルト
432d 突起
432e ステッピングモー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の検体容器を収容可能な複数の検体ラックを一の搬送路の上流側と下流側で独立して搬送可能な検体搬送装置であって、
検体ラックを保持するための第1保持部を備えており、搬送路の上流から下流に向かう方向に、前記第1保持部を第1移動経路に沿って移動させることにより、前記第1保持部に保持された検体ラックを搬送可能な第1搬送部と、
検体ラックを保持するための第2保持部を備えており、前記方向に、前記第2保持部を前記搬送路内で第1移動経路に隣接する第2移動経路に沿って移動させることにより、前記第2保持部に保持された検体ラックを前記第1搬送部とは独立して搬送可能な第2搬送部と、を備える、検体搬送装置。
【請求項2】
前記第1搬送部は、前記第1および第2移動経路の両方の上に配置された検体ラックを、第1保持部によって保持して搬送し、前記第2搬送部は、前記第1および第2移動経路の両方の上に配置された検体ラックを、第2保持部によって保持して搬送する、請求項1に記載の検体搬送装置。
【請求項3】
検体ラックの搬送が開始される前記搬送路上の第1位置に検体ラックを供給するラック送込部と、検体ラックの搬送が終了する前記搬送路上の第2位置において、検体ラックを搬送路の外に排出するラック送出部と、をさらに備え、
前記第1および第2搬送部は、少なくとも前記第1位置と第2位置との間で、それぞれ検体ラックを搬送可能である、請求項1または2に記載の検体搬送装置。
【請求項4】
前記ラック送込部により第1位置に供給される検体ラックを複数収容可能な第1ラック収容部と、前記ラック送出部により第2位置から送出された検体ラックを複数収容可能な第2ラック収容部を備える、請求項3に記載の検体搬送装置。
【請求項5】
検体ラックの搬送を開始する場合、前記第1または第2搬送部は、第1または第2保持部が前記第1位置に来るように移動し、前記ラック送込部は、第1位置に位置した第1または第2保持部に対して検体ラックを送り込む、請求項3または4に記載の検体搬送装置。
【請求項6】
前記第1および第2保持部は、それぞれ、間隔をあけて設けられた二つの突起片からなり、検体ラックは、前記第1または第2搬送ベルトの前記二つの突起片により保持される、請求項1〜5の何れか1項に記載の検体搬送装置。
【請求項7】
前記第1搬送部は、前記方向とその反対の第2方向に、前記第1保持部に保持された検体ラックを搬送可能であり、前記第2搬送部は、前記方向とその反対の第2方向に、前記第2保持部に保持された検体ラックを搬送可能である、請求項1〜6の何れか1項に記載の検体搬送装置。
【請求項8】
前記第1および第2搬送部は、第1および第2保持部が前記搬送路内で互いに隣接する第1および第2移動経路に沿って、それぞれ前記方向と前記第2方向に移動するように構成されている、請求項7に記載の検体搬送装置。
【請求項9】
前記第1および第2搬送部は、それぞれ第1および第2搬送ベルトを備える、請求項1〜8の何れか1項に記載の検体搬送装置。
【請求項10】
前記第1および第2搬送ベルトは、それぞれ環状であり、検体ラックの搬送終了後の前記第1および第2保持部は、それぞれ前記搬送路の下側を通って移動する、請求項9に記載の検体搬送装置。
【請求項11】
前記第1および第2搬送ベルトは、前記搬送路を通る検体ラックのそれぞれが両方のベルトの上に載置されるように、互いに隣接し、かつ前記搬送路に沿って平行に配置されている、請求項9または10に記載の検体搬送装置。
【請求項12】
前記第1および第2搬送部は、それぞれ第1および第2搬送ベルトを備え、前記第1および第2搬送ベルトは、それぞれ、前記第1および第2保持部として間隔をあけて設けられた二つの突起片を備えており、
ラックの搬送を開始する場合、前記第1または第2搬送ベルトは、二つの突起片の間が前記第1位置に来るように移動し、前記ラック送込部は、前記第1または第2搬送ベルトの二つの突起片の間に検体ラックを送り込む、請求項3または4に記載の検体搬送装置。
【請求項13】
前記搬送路上の読取位置に搬送された検体容器のバーコードを読み取るバーコード読取部をさらに備え、
前記第1及び第2搬送部は、前記読取位置と、検体を測定する測定ユニットに検体容器を供給するための前記搬送路上の供給位置とを経由して検体ラックを搬送するように構成されている、請求項1〜12の何れか1項に記載の検体搬送装置。
【請求項14】
前記第1搬送部によって搬送されている検体ラックの検体容器が前記供給位置にあるとき、前記第2搬送部は、保持した検体ラックの検体容器が前記読取位置にくるように検体ラックを搬送する、請求項13に記載の検体搬送装置。
【請求項15】
前記搬送路は、一の検体ラックのみが通過可能な幅を有する、請求項1〜14の何れか1項に記載の検体搬送装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2013−79975(P2013−79975A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−274047(P2012−274047)
【出願日】平成24年12月14日(2012.12.14)
【分割の表示】特願2008−57382(P2008−57382)の分割
【原出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】