説明

検体測定用情報処理装置及び検体測定システム

【課題】 測定ユニットの構成上、実行が不可能な設定が行われることを防止し得る検体測定用情報処理装置及び検体測定システムを提供する。
【解決手段】
検体を測定する測定ユニットに接続される情報処理ユニットにおいて、測定ユニットによる検体の再測定の要否を判定するルールの設定を行う場合に、ルール登録ダイアログD201を情報処理ユニットの表示部に表示する。当該ルール登録ダイアログD201において、情報処理ユニットに接続される測定ユニットの構成に応じた設定項目がドロップダウンリストに表示される。ユーザは、このドロップダウンリストに表示された設定項目の1つを選択し、ルールを設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体の測定を行う検体測定ユニットに接続可能な検体測定用情報処理装置、及び検体の測定を行う検体測定ユニットと前記検体測定ユニットによって得られる測定結果を処理する情報処理ユニットとを備える検体測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
検体を測定する複数の測定ユニットを備える検体処理システムが知られている。例えば、特許文献1には、赤血球、血小板、白血球等の測定項目について検体を測定可能な2台の測定ユニットと、上記測定項目に加えて網状赤血球の測定項目について検体を測定可能な1台の測定ユニットと、システム制御装置とが互いに通信可能に接続された検体処理システムが開示されている。この検体処理システムでは、システム制御装置の測定ユニット用途登録画面において、接続された各測定ユニットを初検測定用、初検測定及び再検測定用、並びに再検測定用の何れかに設定することが可能である。ユーザは、当該測定ユニット用途登録画面において、測定ユニット毎に初検測定用、初検及び再検測定用、再検測定用の何れかを選択し、測定ユニットの用途を登録する。かかる特許文献1の検体処理システムにおいては、上記のような測定ユニットの用途登録により、赤血球、血小板、白血球等の測定項目について検体を測定可能な2台の測定ユニットが初検測定用に設定され、網状赤血球の測定項目について測定可能な1台の測定ユニットが初検及び再検測定用に設定される。これにより、初検測定では、赤血球、血小板、白血球等の測定項目について検体が測定され、再検測定では、上記測定項目に加えて網状赤血球の測定項目について検体が測定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−107383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の検体処理システムでは、測定ユニット用途登録画面において、3台の測定ユニットの何れに対しても初検測定用、初検測定及び再検測定用、並びに再検測定用の全ての設定が可能となっている。このため、再検測定において網状赤血球の測定が必要な場合であっても、誤って網状赤血球を測定項目に含まない測定ユニットが再検測定用として設定される虞がある。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、測定ユニットの構成上、実行が不可能な設定が行われることを防止し得る検体測定用情報処理装置及び検体測定システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の検体測定用情報処理装置は、検体を測定する一又は複数の測定ユニットに接続可能な検体測定用情報処理装置であって、接続される測定ユニットの構成に応じた構成情報を記憶する記憶部と、表示部と、入力部と、前記記憶部に記憶された前記構成情報に基づいて、接続される測定ユニットにおいて実行可能な測定に関する一又は複数の設定項目を選択可能に前記表示部に表示させ、前記入力部により前記設定項目の選択を受け付けた場合に、選択された前記設定項目により設定処理を実行する制御部と、を備える。
【0007】
この態様において、前記検体測定用情報処理装置は、一又は複数の測定項目について検体の測定が可能な第1の測定ユニットと、前記第1の測定ユニットの測定項目以外の測定項目を含む一又は複数の測定項目について検体の測定が可能な第2の測定ユニットとに接続可能であり、前記記憶部は、前記第1の測定ユニットが接続される場合には、前記第1の測定ユニットの構成に応じた構成情報を記憶し、前記第2の測定ユニットが接続される場合には、前記第2の測定ユニットの構成に応じた構成情報を記憶し、前記制御部は、前記第1の測定ユニットが接続される場合には、前記第1の測定ユニットの測定項目に関する一又は複数の設定項目を選択可能に前記表示部に表示させ、前記第2の測定ユニットが接続される場合には、前記第2の測定ユニットの測定項目に関する一又は複数の設定項目を選択可能に前記表示部に表示させるように構成されていてもよい。
【0008】
また、上記態様において、前記記憶部は、一の測定ユニットのみが接続される場合には、前記一の測定ユニットの構成に応じた構成情報を記憶し、複数の測定ユニットが接続される場合には、前記複数の測定ユニットの構成に応じた構成情報を記憶し、前記制御部は、一の測定ユニットのみが接続される場合には、前記一の測定ユニットの構成に関する一又は複数の設定項目を選択可能に前記表示部に表示させ、複数の測定ユニットが接続される場合には、前記複数の測定ユニットの構成に関する一又は複数の設定項目を選択可能に前記表示部に表示させるように構成されていてもよい。
【0009】
また、上記態様において、前記記憶部は、接続される測定ユニットの台数及び接続される測定ユニットの機種を示す構成情報を記憶するように構成されていてもよい。
【0010】
また、上記態様において、前記制御部は、予め与えられた複数の設定項目から、前記記憶部に記憶されている構成情報に対応する設定項目を特定し、特定された前記設定項目を、選択可能に前記表示部に表示させるように構成されていてもよい。
【0011】
また、上記態様において、前記記憶部は、接続される測定ユニットの構成に応じた構成情報と、接続される測定ユニットにおいて実行可能な測定に関する設定項目との対応関係を規定する対応関係情報をさらに記憶しており、前記制御部は、前記対応関係情報において、前記記憶部に記憶された構成情報に対応する設定項目を特定するように構成されていてもよい。
【0012】
また、上記態様において、前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記構成情報に基づいて、接続される測定ユニットにおいて実行可能な測定に関する設定項目が選択可能に並べられたリストを前記表示部に表示させるように構成されていてもよい。
【0013】
また、上記態様において、前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記構成情報に基づいて、検体の再測定に関する設定項目を選択可能に前記表示部に表示させ、前記入力部により前記設定項目の選択を受け付けた場合に、選択された前記設定項目により検体の再検を行うか否かの判定に用いられる再検ルールの設定処理を実行するように構成されていてもよい。
【0014】
また、上記態様において、前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記構成情報に基づいて、検体の再測定に係る測定項目に関する設定項目を選択可能に前記表示部に表示させるように構成されていてもよい。
【0015】
また、上記態様において、前記制御部は、外部から与えられた構成情報を受け付け、受け付けた前記構成情報を前記記憶部に記憶するように構成されていてもよい。
【0016】
また、上記態様において、前記制御部は、前記入力部によりユーザから指定を受け付けた構成情報を、前記記憶部に記憶させるように構成されていてもよい。
【0017】
また、本発明の一の態様の検体測定システムは、検体を測定する一又は複数の測定ユニットと、前記測定ユニットに接続可能であり、前記測定ユニットによって得られる測定結果を処理する情報処理ユニットとを備える検体測定システムであって、前記情報処理ユニットは、接続される測定ユニットの構成に応じた構成情報を記憶する記憶部と、表示部と、入力部と、前記記憶部に記憶された前記構成情報に基づいて、接続される測定ユニットにおいて実行可能な測定に関する一又は複数の設定項目を選択可能に前記表示部に表示させ、前記入力部により前記設定項目の選択を受け付けた場合に、選択された前記設定項目により設定処理を実行する制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る検体測定用情報処理装置及び検体測定システムによれば、測定ユニットの構成上、実行が不可能な設定が行われることを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施の形態に係る検体分析装置の全体構成の一例を示す斜視図。
【図2】実施の形態に係る検体分析装置の全体構成の他の例を示す斜視図。
【図3】図1に示した検体分析装置の構成を示す模式図。
【図4】情報処理ユニットの構成を示すブロック図。
【図5】検体測定動作の手順を示すフローチャート。
【図6】測定ユニット構成情報登録処理の手順を示すフローチャート。
【図7】測定ユニット構成情報登録ウィンドウを示す図。
【図8】構成情報データベースの構成を示す模式図。
【図9】ルール設定処理の手順を示すフローチャート。
【図10】情報処理ユニットのメニュー画面を示す図。
【図11】ルール設定画面の一例を示す図。
【図12】第1データベースの構成を示す模式図。
【図13】第2データベースの構成を示す模式図。
【図14】ルール登録ダイアログを示す図。
【図15】図1に示す検体分析装置におけるドロップダウンリストの表示例を示す図。
【図16】図2に示す検体分析装置におけるドロップダウンリストの表示例を示す図。
【図17】ルールが登録された後のルール設定画面の例を示す図。
【図18】分析結果の詳細画面の一例を示す図。
【図19】検体情報の一覧画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0021】
[検体分析装置の構成]
図1及び図2は、本実施の形態に係る検体分析装置の全体構成を示す斜視図である。本実施の形態に係る検体分析装置は、血液検体に含まれる血球を白血球、赤血球、血小板等に分類し、各血球を計数する多項目血球分析装置である。図1に示す検体分析装置100は、2台の測定ユニット2,3と、測定ユニット2,3の前面側に配置された検体搬送ユニット4と、測定ユニット2,3及び検体搬送ユニット4を制御可能な情報処理ユニット5とを備えている。また、図2に示す検体分析装置200は、1台の測定ユニット2と、検体搬送ユニット4と、測定ユニット2及び検体搬送ユニット4を制御可能な情報処理ユニット5とを備えている。つまり、本実施の形態に係る検体分析装置は、搭載する測定ユニットの数を任意に設定可能であり、2台の測定ユニットを搭載した構成とすることも可能であるし、1台の測定ユニットを搭載した構成とすることも可能である。
【0022】
また、後述するように、測定ユニット2と測定ユニット3とは機種が異なる。つまり、本実施の形態に係る検体分析装置では、互いに異なる機種の2台の測定ユニット2,3を搭載することが可能である。また、本実施の形態に係る検体分析装置は、図2に示すように1台の測定ユニット2のみを搭載するだけでなく、別の機種の1台の測定ユニット3のみを搭載することも可能である。
【0023】
<測定ユニットの構成>
図3は、図1に示した検体分析装置100の構成を示す模式図である。測定ユニット2は、検体搬送ユニット4の検体の搬送方向(図3に示すX方向)上流側に配置され、測定ユニット3は、前記搬送方向下流側に配置される。図3に示すように、測定ユニット2は、検体である血液を検体容器(採血管)Tから吸引する検体吸引部21と、検体吸引部21により吸引した血液から血球等の血液成分の測定に用いられる測定試料を調製する試料調製部22と、試料調製部22により調製された測定試料から血球を検出(測定)する検出部23とを有している。また、測定ユニット2は、検体搬送ユニット4によって搬送された検体ラックLに収容された検体容器Tを測定ユニット2の内部に取り込むための取込口24(図1参照)と、検体ラックLから検体容器Tを測定ユニット2の内部に取り込み、検体吸引部21による吸引位置まで検体容器Tを搬送する検体容器搬送部25とをさらに有している。
【0024】
図3に示すように、検体吸引部21の先端部には、吸引管(図示せず)が設けられている。また、検体吸引部21は、鉛直方向に移動可能であり、下方に移動されることにより、吸引位置まで搬送された検体容器Tの蓋部を前記吸引管が貫通し、内部の血液を吸引するように構成されている。
【0025】
試料調製部22は、複数の反応チャンバ(図示せず)を備えている。また、試料調製部22は、RBC(赤血球)及びPLT(血小板)検出用の試薬(希釈液)を収容した試薬容器22a、HGB(ヘモグロビン)検出用の試薬を収容した試薬容器22b、白血球分類(DIFF)用の試薬を収容した試薬容器22c等の複数の試薬容器に接続されており、染色試薬、溶血剤、及び希釈液等の試薬を反応チャンバに供給することが可能である。試料調製部22は、検体吸引部21の吸引管とも接続されており、吸引管により吸引された血液検体を反応チャンバに供給することが可能である。かかる試料調製部22は、反応チャンバ内で検体と試薬とを混合撹拌し、検出部23による測定用の試料(測定試料)を調製する。
【0026】
検出部23は、RBC(赤血球)検出及びPLT(血小板)検出をシースフローDC検出法により行うことが可能である。このシースフローDC検出法によるRBC及びPLTの検出においては、検体と希釈液とが混合された測定試料の測定が行われ、これにより得られた測定データを情報処理ユニット5が解析処理することによりRBC及びPLTの数値データの取得が行われる。また、検出部23は、HGB(ヘモグロビン)検出をSLS−ヘモグロビン法により行うことが可能であり、WBC(白血球)、NEUT(好中球)、LYMPH(リンパ球)、EO(好酸球)、BASO(好塩基球)、及びMONO(単球)の検出を、半導体レーザを使用したフローサイトメトリー法により行うことが可能であるように構成されている。白血球5分類においては、検体と、白血球5分類用染色試薬と、溶血剤と、希釈液とが混合された測定試料の測定が行われ、これにより得られた測定データを情報処理ユニット5が解析処理することによりNEUT、LYMPH、EO、BASO、MONO、及びWBCの数値データの取得が行われる。
【0027】
上記のWBC、RBC、PLT、及びHGBの各測定項目は、CBC項目と呼ばれるディスクリート項目に含まれており、WBC、RBC、PLT、HGB、NEUT、LYMPH、EO、BASO、及びMONOの各測定項目は、CBC+DIFF項目と呼ばれるディスクリート項目に含まれている。ここで、ディスクリート項目とは、複数の測定項目を一括して指定するための測定項目のグループをいう。本実施の形態においては、測定ユニット2及び測定ユニット3の両方が、CBC項目及びCBC+DIFF項目について検体の測定が可能な構成とされている。
【0028】
上記の検出部23は、図示しないフローセルを有しており、フローセルに測定試料を送り込むことでフローセル中に液流を発生させ、フローセル内を通過する液流に含まれる血球に半導体レーザ光を照射して、前方散乱光、側方散乱光及び側方蛍光を検出する構成である。
【0029】
光散乱は、血球のような粒子が光の進行方向に障害物として存在し、光がその進行方向を変えることによって生じる現象である。この散乱光を検出することによって、粒子の大きさや材質に関する情報を得ることができる。特に、前方散乱光からは、粒子(血球)の大きさに関する情報を得ることができる。また、側方散乱光からは、粒子内部の情報を得ることができる。血球粒子にレーザ光が照射された場合、側方散乱光強度は細胞内部の複雑さ(核の形状、大きさ、密度や顆粒の量)に依存する。したがって、側方散乱光強度のこの特性を利用することで、白血球の分類の測定その他の測定を行うことができる。
【0030】
染色された血球のような蛍光物質に光を照射すると、照射した光の波長より長い波長の光を発する。蛍光の強度はよく染色されていれば強くなり、この蛍光強度を測定することによって血球の染色度合いに関する情報を得ることができる。したがって、(側方)蛍光強度の差によって、白血球の分類の測定その他の測定を行うことができる。
【0031】
検体容器搬送部25は、検体容器Tを把持可能なハンド部25aを備えており、ハンド部25aを上下方向及び前後方向(Y方向)に移動させることにより、検体ラックLに収容された検体容器Tをハンド部25aにより把持し、検体ラックLから抜き出す。また、検体容器搬送部25は、検体容器Tを挿入可能な穴部を有する検体容器セット部25bを備えている。この検体容器セット部25bに検体容器Tがセットされ、検体容器セット部25bが移動することで測定ユニット2の内部に取り込まれる。
【0032】
検体容器セット部25bは、検体吸引部21による吸引位置21aへ移動可能である。検体容器セット部25bが吸引位置へ移動したときには、検体吸引部21により、セットされた検体容器Tから検体が吸引される。
【0033】
次に、測定ユニット3の構成について説明する。測定ユニット3は、測定ユニット2とは異なる機種であり、後述するようにその構成が異なっている。測定ユニット3は、検体吸引部31と、検体吸引部31により吸引した血液から血球等の血液成分の測定に用いられる測定試料を調製する試料調製部32と、試料調製部32により調製された測定試料から血球を検出する検出部33とを有している。また、測定ユニット3は、検体搬送ユニット4によって搬送された検体ラックLに収容された検体容器Tを測定ユニット3の内部に取り込むための取込口34(図1参照)と、検体ラックLから検体容器Tを測定ユニット3の内部に取り込み、検体吸引部31による吸引位置まで検体容器Tを搬送する検体容器搬送部35とをさらに有している。検体吸引部31、試料調製部32、検出部33、取込口34、及び検体容器搬送部35の構成は、それぞれ検体吸引部21、試料調製部22、検出部23、取込口24、及び検体容器搬送部25の構成と同様であるので、その説明を省略する。
【0034】
かかる測定ユニット3は、測定ユニット2と同様に、上記のCBC+DIFF項目であるWBC、RBC、PLT、HGB、NEUT、LYMPH、EO、BASO、及びMONOの各測定項目について検体の測定が可能となっている。測定ユニット3の構成は、測定ユニットの構成と同様であるので、その説明を省略する。
【0035】
かかる測定ユニット3には、測定ユニット2が測定可能な上記のCBC+DIFF項目であるWBC、RBC、PLT、HGB、NEUT、LYMPH、EO、BASO、及びMONOの各測定項目についての測定用試薬を収容した試薬容器22a,22b,22c,…に加えて、網赤血球(RET)の測定用試薬を収容した試薬容器32aが搭載されている。これにより、測定ユニット3は、測定ユニット2が測定可能なCBC項目及びDIFF項目に加えて、RETの測定項目について検体の測定が可能となっている。測定ユニット3においては、RETの測定は、RET測定用の試薬と検体とを混合して測定試料を調製し、検出部33のWBC/DIFF(白血球5分類)検出用の光学検出部に前記測定試料を供給することで行われる。
【0036】
<情報処理ユニットの構成>
次に、情報処理ユニット5の構成について説明する。情報処理ユニット5は、測定ユニット2,3から出力された測定データを解析し、赤血球のヒストグラム、白血球のスキャッタグラム等の粒度分布図を作成したり、白血球の各サブクラス(NEUT、LYMPH、EO、BASO、及びMONO)の血球数を計数したりすることで、検体の分析結果を生成し、その分析結果を表示することができる。情報処理ユニット5は、1台の測定ユニット2のみと通信可能に接続することも、2台の測定ユニット2,3と通信可能に接続することも可能である。
【0037】
情報処理ユニット5は、コンピュータにより構成されている。図4は、情報処理ユニット5の構成を示すブロック図である。情報処理ユニット5は、コンピュータ5aによって実現される。図4に示すように、コンピュータ5aは、本体51と、画像表示部52と、入力部53とを備えている。本体51は、CPU51a、ROM51b、RAM51c、ハードディスク51d、読出装置51e、入出力インタフェース51f、通信インタフェース51g、及び画像出力インタフェース51hを備えており、CPU51a、ROM51b、RAM51c、ハードディスク51d、読出装置51e、入出力インタフェース51f、通信インタフェース51g、及び画像出力インタフェース51hは、バス51jによって接続されている。
【0038】
読出装置51eは、コンピュータを情報処理ユニット5として機能させるためのコンピュータプログラム54aを可搬型記録媒体54から読み出し、当該コンピュータプログラム54aをハードディスク51dにインストールすることが可能である。
【0039】
ハードディスク51dには、接続された測定ユニットの台数を示す台数情報と、後述するルール設定に用いられる設定項目との対応関係を示す第1データベースDB1と、接続された測定ユニットの機種を示す機種情報と、ルール設定に用いられる設定項目との対応関係を示す第2データベースDB2と、が設けられている。第1データベースDB1及び第2データベースDB2については後述する。
【0040】
入出力インタフェース51fは、例えばUSB,IEEE1394,又はRS-232C等のシリアルインタフェース、SCSI,IDE,又は IEEE1284等のパラレルインタフェース、及びD/A変換器、A/D変換器等からなるアナログインタフェース等から構成されている。入出力インタフェース51fには、キーボード及びマウスからなる入力部53が接続されており、ユーザが当該入力部53を使用することにより、コンピュータ5aにデータを入力することが可能である。また、入出力インタフェース51fは、通信ケーブルを介して測定ユニット及び検体搬送ユニット4に接続可能である。これにより、情報処理ユニット5は、測定ユニット及び検体搬送ユニット4のそれぞれを制御可能となっている。また、入出力インタフェース51fには、1台の測定ユニット2のみを接続することも、測定ユニット2とは別機種の1台の測定ユニット3のみを接続することも可能である。さらに、入出力インタフェースには、互いに機種の異なる2台の測定ユニット2,3を同時に接続することも可能であり、同一機種の2台の測定ユニット2,2(又は測定ユニット3,3)を同時に接続することも可能である。こうして入出力インタフェース51fに測定ユニット及び検体搬送ユニット4が接続されると、接続された測定ユニット及び検体搬送ユニット4を情報処理ユニット5によって制御することが可能となる。
【0041】
[検体分析装置の動作]
次に、本実施の形態に係る検体分析装置の動作について説明する。
【0042】
<検体測定動作>
まず、本実施の形態に係る検体分析装置の検体測定動作について説明する。図5は、検体測定動作の手順を示すフローチャートである。ここでは、図1に示す検体分析装置100を使用して検体の測定を行う場合について説明する。まず、オペレータが、検体容器を収容した検体ラックを検体搬送ユニット4に載置し、情報処理ユニット5に測定開始の指示を与えることによって、検体ラックの移送が開始される。情報処理ユニット5よって各検体の搬送先が決定され(ステップS101)、決定された搬送先の測定ユニットへ検体搬送ユニット4によって検体が搬送される(ステップS102)。
【0043】
検体の搬送先は、その検体の測定オーダに基づいて決定される。この測定オーダは、図示しないホストコンピュータ又は情報処理ユニット4に予め登録される。検体容器に貼布された検体バーコードラベルに検体IDを示すバーコードが印刷されており、検体搬送ユニット4に搭載されたバーコードリーダ(図示せず)によってこのバーコードが読み取られる。バーコードから読み取られた検体IDに対応する測定オーダがホストコンピュータ又は情報処理ユニット5から検索されることで、情報処理ユニット5が測定オーダを取得する。測定オーダには、その検体に対して測定が依頼された測定項目が指定されている。例えば、測定オーダにおいてCBC及びDIFFのみが指定されている場合には、測定ユニット2,3の何れもCBC及びDIFFについて検体の測定が可能であるため、測定ユニット2,3のうちの何れか一方が搬送先として決定される。また、測定オーダにおいてRETが指定されている場合には、測定ユニット2がRETについて検体の測定を行うことができないため、測定ユニット3のみが搬送先として決定される。
【0044】
こうして決定された搬送先へと検体容器が搬送される。情報処理ユニット5が測定ユニットを制御することにより、測定ユニットが検体容器を内部に取り込み、当該検体容器から検体を吸引し、測定オーダにおいて指定された測定項目用の測定試料を調製し、検体を測定する(ステップS103)。この結果得られた測定データは、測定ユニットから情報処理ユニット5に与えられ、情報処理ユニットにより解析されて、検体の分析結果が生成される(ステップS104)。また、ステップS102において検体の測定中にエラーが発生して測定が完了しなかった場合には、測定データとして当該エラーを示すエラー情報が情報処理ユニット5に与えられる。
【0045】
検体ラックに収容された各検体について上記のような動作が行われ、各検体が順次分析される。
【0046】
また、上記の検体測定中にエラーが発生したか否かが情報処理ユニット5によって判断される(ステップS105)。情報処理ユニット5のCPU51aは、検体測定エラーが発生したと判断した場合には(ステップS105においてYES)、予め設定されたリピートルールにしたがって、リピート(同一の測定項目についての検体の再測定)を行うか否かを判定する(ステップS106)。例えば、「検体の吸引エラーが発生した場合に、リピートを実行する」というリピートルールが設定されている場合には、検体の吸引エラーが発生したときに、CPU51aによりリピートを行うと判定される。このようにしてリピートを行うと判定された場合には(ステップS106においてYES)、CPU51aは再度検体の搬送先を決定し(ステップS107)、搬送先へ検体を搬送するよう検体搬送ユニット4を制御し、測定ユニットを制御することで検体を再測定する(ステップS108)。再測定データは情報処理ユニット5に与えられ、情報処理ユニット5のCPU51aが再測定データを解析し(ステップS109)、処理をステップS116へ移す。
【0047】
一方、ステップS106において、リピートを行わないと判定された場合には(ステップS106においてNO)、CPU51aは処理をステップS116へ移す。
【0048】
またステップS105において、検体測定エラーが発生していないと判断された場合には(ステップS105においてNO)、CPU51aは、予め設定されたリフレックスルール、リランルール、及びコメントルールに基づいて、再検が必要か否かを判定する(ステップS110)。ステップS110において、再検が必要と判定された場合には(ステップS110においてYES)、CPU51aはリフレックスルール又はリランルールにしたがって、再検の測定項目(再検項目)を決定し、再度検体の搬送先を決定する(ステップS111)。
【0049】
ここで、リフレックス(リフレックステスト)とは、初検において検体が測定された測定項目とは異なる測定項目を含む再検項目について検体を再度測定する再検動作であり、リランとは、初検と同一の測定項目について、初検と同一又は別の測定ユニットにより検体を再度測定する再検動作である。リフレックスルール及びリランルールは、IF−THEN文として記述される。例えば、「IF WBC>100 THEN Reflex(DIFF)」というリフレックスルールが設定されている場合には、WBCの測定結果が100より大きければ、DIFF項目のリフレックステストの実行が指示される。この場合、DIFF項目について検体を測定可能な測定ユニット、即ち、測定ユニット2,3の何れかが搬送先として決定される。また、例えば「IF RBC<30 THEN Rerun(SameModule)」というリランルールが設定されている場合には、RBCの測定結果が30より小さければ、初検と同一の測定ユニットにより同一項目(この場合はRBCを含むCBC項目)のリランの実行が指示される。この場合、初検が測定ユニット2により行われていれば、測定ユニット2が搬送先として決定される。
【0050】
搬送先が決定されると、CPU51aは、搬送先へ検体を搬送するよう検体搬送ユニット4を制御し、測定ユニットを制御することで検体を再測定する(ステップS112)。再測定データは情報処理ユニット5に与えられ、情報処理ユニット5のCPU51aが再測定オーダを解析し(ステップS113)、処理をステップS116へ移す。
【0051】
一方、ステップS110において、再検が不要と判定された場合には(ステップS110においてNO)、CPU51aは、コメントルールに基づいて、コメントが必要か否かを判定する(ステップS114)。コメントルールも、上記のリフレックスルール、リランルールと同様に、IF−THEN文として記述される。コメントが必要な場合には(ステップS114においてYES)、CPU51aはコメントルールにしたがって分析結果にコメントを付加し(ステップS115)、処理をステップS116へ移す。また、ステップS114においてコメントが不要な場合には(ステップS114においてNO)、CPU51aは処理をステップS116へ移す。
【0052】
ステップS116において、CPU51aは、予め設定されたバリデーションルールにしたがって、分析結果をバリデート(承認)するか否かを判定する(ステップS116)。バリデーションルールもまた、IF−THEN文として記述される。分析結果をバリデートすると判定した場合には(ステップS116においてYES)、CPU51aは、分析結果のバリデートを実行し(分析結果にバリデート完了の情報を付加し)(ステップS117)、処理をステップS118へ移す。一方、分析結果をバリデートしないと判定した場合には(ステップS116においてNO)、CPU51aは、検体測定動作を終了する。
【0053】
また、ステップS118において、CPU51aは、予め設定された出力ルールにしたがって、分析結果を出力(印刷又はホストコンピュータへ送信)するか否かを判定する(ステップS118)。出力ルールもまた、IF−THEN文として記述される。分析結果を出力すると判定した場合には(ステップS118においてYES)、CPU51aは、出力ルールにしたがって、分析結果を出力し(ステップS119)、検体測定動作を終了する。一方、分析結果を出力しないと判定した場合には(ステップS118においてNO)、CPU51aは、検体測定動作を終了する。
【0054】
<測定ユニット構成情報登録処理>
次に、情報処理ユニット5による測定ユニット構成情報登録処理について説明する。この測定ユニット構成情報登録処理は、後述するルール設定動作において用いられる測定ユニットの構成情報を登録するための処理である。
【0055】
図6は、測定ユニット構成情報登録処理の手順を示すフローチャートである。病院、検査センター等の医療関係施設に検体分析装置が設置されるときに、測定ユニット構成情報登録処理は実行される。検体分析装置の製造メーカのサービスマンは、情報処理ユニット5と、設置する測定ユニットとを通信ケーブルによって接続する。この後、サービスマンは、情報処理ユニット5の入力部53を操作することにより、情報処理ユニット5に対して測定ユニット構成情報登録処理の実行を指示する。CPU51aは、かかる測定ユニット構成情報登録処理の実行指示を受け付けると、測定ユニット構成情報登録処理を実行する。
【0056】
測定ユニット構成情報登録処理が実行されると、まずCPU51aは、測定ユニット構成情報登録ウィンドウを画像表示部52に表示させる(ステップS201)図7は、測定ユニット構成情報登録ウィンドウを示す図である。図7に示すように、測定ユニット構成情報登録ウィンドウW1には、検体分析装置のユニット構成、即ち、測定ユニットの台数を指定するための領域A11と、測定ユニットの種類(機種)を指定するための領域A12とが設けられている。領域A11には、シングル構成(測定ユニットが1台の構成)を指定するためのラジオボタンR111と、ツイン構成(測定ユニットが2台の構成)を指定するためのラジオボタンR112とが設けられており、ラジオボタンR111,R112の何れかを選択することが可能である。また、領域A12には、RETの測定機能を有しない機種“M101”を指定するためのラジオボタンR121と、RETの測定機能を有する機種“M102”を指定するためのラジオボタンR121とが設けられている。ラジオボタンR121,R122の何れかを選択することが可能であり、ツイン構成の場合には、2台の測定ユニットの両方がM101の場合にはR121が選択され、2台の測定ユニットの少なくとも1つがM102の場合にはR122が選択される。また、測定ユニット構成情報ウィンドウW1の下部には、OKボタンB1及びキャンセルボタンB2が設けられている。
【0057】
かかる測定ユニット情報登録ウィンドウW1が表示されると、CPU51aは、測定ユニットの台数及び測定ユニットの機種の指定を受け付ける(ステップS202)。サービスマンは、入力部53を操作することで、測定ユニットの台数及び機種を選択する。例えば、図1に示した検体分析装置100の場合には、ツイン構成を指定するためのラジオボタンR112が選択され、またRETの測定機能を有する機種“M102”を指定するためのラジオボタンR122が選択される。また、図2に示した検体分析装置200の場合には、シングル構成を指定するためのラジオボタンR111が選択され、RETの測定機能を有しない機種“M101”を指定するためのラジオボタンR121が選択される。サービスマンは、測定ユニットの台数及び機種を指定すると、OKボタンB1を選択し、構成情報の登録を指示する。
【0058】
CPU51aは、こうして測定ユニットの機種コード及び測定ユニットの台数の入力を受け付けると、入力された測定ユニットの台数及び機種を示す構成情報を、ハードディスク51dの構成情報データベースDB3に登録し(ステップS203)、測定ユニット構成情報登録処理を終了する。図8は、構成情報データベースDB3の構成を示す模式図である。図8に示すように、構成情報データベースDB3には、構成情報の中の測定ユニットの台数情報と、測定ユニットの機種情報との対応関係が規定されている。図8は、測定ユニット情報登録ウィンドウW1において、ツイン構成を指定するためのラジオボタンR112が選択され、またRETの測定機能を有する機種“M102”を指定するためのラジオボタンR122が選択されて構成情報が登録された構成情報データベースDB3を示している。ツイン構成が選択されているので、台数の領域には“2”が入っている。なお、シングル構成の場合は、台数の領域には“1”が入る。
【0059】
<ルール設定処理>
次に、情報処理ユニット5によるルール設定処理について説明する。このルール設定処理は、ユーザが所望のリピートルール、リフレックスルール、リランルール、コメントルール、及び出力ルールを設定するための処理である。
【0060】
図9は、ルール設定処理の手順を示すフローチャートである。情報処理ユニット5が起動された直後は、画像表示部52にメニュー画面が表示されている。図10は、情報処理ユニット5のメニュー画面を示す図である。メニュー画面D1からは、後述するルール設定画面等の他の画面に移行することが可能である。
【0061】
図に示すように、メニュー画面D1には、ツールバーが表示されるツールバー領域A100、及び他の画面へ移行するための複数のアイコンが表示されるメイン領域A200が設けられている。ツールバー領域A100及びメイン領域A200は、メニュー画面D1だけでなく、情報処理ユニットの他の画面にも設けられている。また、ツールバー領域A100は左側の領域と右側の領域に分割されており、左側の領域はどの画面であっても共通のボタンが表示される固定ボタン領域A110であり、右側の領域は画面毎に表示されるボタンが変わる可変ボタン領域A120である。固定ボタン領域A110には、メニュー画面を表示させるための「メニュー」ボタンB110、及びルール設定画面を表示させるための「ルール」ボタンB120の他、他の画面を表示させるためのボタンが複数表示される。一方、メニュー画面D1における可変ボタン領域A120には、メニュー画面D1の表示形態を設定するための「表示設定」ボタンが表示される。
【0062】
なお、ここでいう「アイコン」とは、特定の機能が割り当てられ、当該機能を象徴的に表すようにデザインされた画像をいい、ウィンドウ内において表示されるものを含む。
【0063】
ツールバー領域A100は、画面の最上部に設けられている。このツールバー領域A100の下方にメイン領域A200が設けられている。メイン領域A200は、ツールバー領域A100よりも大きい面積の領域であり、その画面の主要なコンテンツが表示される。メニュー画面D1のメイン領域A200には、取扱説明書を表示するための「取扱説明書」アイコンC11、精度管理画面を表示するための「QCファイル」アイコンC12、測定オーダ登録画面を表示するための「測定登録」アイコンC13、患者情報登録画面を表示するための「患者登録」アイコンC14、測定結果詳細画面を表示するための「データーブラウザー」アイコンC15、測定結果リスト画面を表示するための「サンプルエクスプローラー」アイコンC16、ルール設定画面を表示するための「ルール」アイコンC17、測定ユニットの設定に用いられる測定部設定画面を表示するための「測定部設定」アイコンC18、情報処理ユニット54をシャットダウンするための「IPU終了」アイコンC19、及びユーザが情報処理ユニット54からログオフするための「ログオフ」アイコンC110が設けられている。アイコンC12〜C18は、メニュー画面D1から他の画面に表示を切り替える機能が割り当てられており、これらのアイコンC12〜C18の何れかがマウスのクリック操作により選択されると、対応する画面に切り替わるようになっている。また、ボタンB120には、アイコンC17と同じ機能が割り当てられており、ボタンB120又はアイコンC17が選択されると、ルール設定画面の表示を指示するコマンドがCPU51aにより発行され、このコマンドにしたがってルール設定画面が表示される。
【0064】
CPU51aは、ルール設定画面への表示切替指示を受け付けたか否かを判定する。上述したように、メニュー画面D1のメイン領域A200に表示されているアイコンC17、又はツールバー領域A100に表示されているボタンB120が選択される操作により、オペレータはルール設定画面への表示切替指示を情報処理ユニット5に与えることが可能である。CPU51aは、かかるルール設定画面への表示切替指示を受け付けると、CPU51aはルール設定処理を実行し、ルール設定画面を画像表示部52に表示させる(ステップS301)。
【0065】
図11はルール設定画面の一例を示す図である。ルール設定画面D2には、他の画面と同様に、ツールバー領域A100、及びメイン領域A200が設けられている。ツールバー領域A100の固定ボタン領域A110に表示される内容については、上述したメニュー画面D1と同様であるので、その説明を省略する。
【0066】
ルール設定画面D2におけるメイン領域A200には、ルールの実行順序を説明する図(フローチャート)を表示する上部領域A201と、設定されているルールを一覧表示するための下部領域A202とが設けられている。下部領域A202の上端には、「Repeatルール」タブT101と、「Rerun/Reflex/コメントルール」タブT102と、「バリデーションルール」タブT103と、「出力ルール」タブT104とが設けられている。各タブT101〜T104はそれぞれ選択可能であり、タブT101が選択された状態では、下部領域A202に、現在登録されているリピートルールが一覧表示され、タブT102が選択された状態では、下部領域A202に、現在登録されているリランルール、リフレックスルール、及びコメントルールが一覧表示され、タブT103が選択された状態では、下部領域A202に、現在登録されているバリデーションルールが一覧表示され、タブT104が選択された状態では、下部領域A202に、現在登録されている出力ルールが一覧表示される。
【0067】
また、ルール設定画面D2における可変ボタン領域A120には、ルールの登録を行うための「登録」ボタンB100が設けられている。新たなルールの設定を行う場合、ユーザは入力部53を操作して、「登録」ボタンB100を選択する。CPU51aは、ボタンB100の選択を受け付けると(ステップS302)、構成情報データベースDB3から測定ユニットの台数及び機種を示す構成情報を読み出す(ステップS303)。さらにCPU51aは、読み出した構成情報をキーにして、第1データベースDB1及び第2データベースDB2から、ルール設定に用いられる設定項目を読み出す(ステップS304)。
【0068】
ステップS304の処理について詳細に説明する。図12は、第1データベースDB1の構成を示す模式図であり、図13は、第2データベースDB2の構成を示す模式図である。図12に示すように、第1データベースDB1には、構成情報の中の測定ユニットの台数情報と、設定項目との対応関係が規定されている。CPU51aは、ステップS303において読み出した構成情報のうちの台数情報に対応する設定項目を第1データベースDB1から読み出す。図12における「Rerun(DefferentModule)」は、初検を測定した測定ユニットと異なる測定ユニットにより初検と同一項目のリランの実行を指示するための設定項目であり、「Rerun(SameModule)」は、初検を測定した測定ユニットと同一の測定ユニットにより初検と同一項目のリランの実行を指示するための設定項目であり、「Rerun(AnyModule)」は、初検を測定した測定ユニットと同一又は別の測定ユニットにより初検と同一項目のリランの実行を指示するための設定項目である。図12に示すように、設定項目「Rerun(DefferentModule)」及び「Rerun(AnyModule)」は、ツイン構成に対応しており、シングル構成には対応していない。つまり、これらの設定項目は、2台の測定ユニットが設けられたツイン構成において実行可能であり、シングル構成では実行不可能なものである。一方、設定項目「Rerun(SameModule)」は、シングル構成及びツイン構成の両方に対応している。つまり、この設定項目は、シングル構成及びツイン構成の何れにおいても実行可能なものである。例えば、測定ユニットがシングル構成である場合には、ステップS304において、シングル構成に対応する設定項目「Rerun(SameModule)」のみが読み出される。また、測定ユニットがツイン構成である場合には、ステップS304において、ツイン構成に対応する設定項目「Rerun(DefferentModule)」、「Rerun(SameModule)」及び「Rerun(AnyModule)」が読み出される。
【0069】
図13に示すように、第2データベースDB2には、構成情報の中の測定ユニットの機種情報と、設定項目との対応関係が規定されている。CPU51aは、ステップS303において読み出した構成情報のうちの機種情報に対応する設定項目を第2データベースDB2から読み出す。図13における「Reflex(DIFF)」は、DIFF項目のリフレックステストの実行を指示するための設定項目であり、「Reflex(DIFF+RET)」は、DIFF及びRETのリフレックステストの実行を指示するための設定項目であり、「Reflex(RET)」は、RETのリフレックステストの実行を指示するための設定項目である。図13に示すように、設定項目「Reflex(DIFF)」は、機種“M101”及び“M102”の両方に対応している。つまり、この設定項目は、“M101”及び“M102”の何れにおいても実行可能なものである。一方、設定項目「Reflex(DIFF+RET)」及び「Reflex(RET)」は、機種“M102”にのみ対応しており、機種“M101”には対応していない。つまり、これらの設定項目は、“M102”においてのみ実行可能であり、“M101”では実行不可能なものである。例えば、検体分析装置が備える測定ユニットが“M101”のみである場合には、ステップS304において、“M101”に対応する設定項目「Reflex(DIFF)」のみが読み出される。また、検体分析装置が備える測定ユニットに“M102”が含まれている場合には、ステップS304において、“M102”に対応する設定項目「Reflex(DIFF)」、「Reflex(DIFF+RET)」、及び「Reflex(RET)」が読み出される。
【0070】
次にCPU51aは、ルール登録ダイアログをルール設定画面D2に重畳させて表示する(ステップS305)。図14は、ルール登録ダイアログを示す図である。ルール登録ダイアログD201は、リピートルール、リフレックスルール、リランルール、コメントルール、バリデーションルール、及び出力ルールを設定するための画面である。ルール登録ダイアログD201には、ルール番号が表示される表示領域B201と、ルールの名称を入力するための入力ボックスB202と、ルールの説明文を入力するための入力ボックスB203と、入力された条件式を表示するための表示領域B204とが設けられている。入力ボックスB202,B203は、エディットコントロールであり、入力部53のキーボードからテキストを入力可能であり、入力されたテキストが表示される。表示領域B201には、ルール番号が表示される。このルール番号は、情報処理ユニット5により自動的に割り当てられる番号であり、登録される各ルールには個別のルール番号が割り当てられる。また表示領域B204には、以下のようにして入力された条件式が表示される。
【0071】
表示領域B204の下方には、条件式(IF部)を入力するためのツールが表示される。具体的には、条件式の関数を指定するための選択領域B205が表示される。この選択領域B205には、条件式に用いることが可能な関数名が一覧表示され、各関数名はそれぞれ選択可能とされる。ユーザは、この選択領域B205に表示されている関数名のうち、入力部53を用いて、条件式に使用する1つの関数を選択する。図14に示す例では、関数“IPMessage”が選択されている。
【0072】
選択領域B205の右側には、選択領域B205において選択された関数に対応する設定項目を含むドロップダウンリスト(プルダウンメニュー)を表示するためのボタンB206が設けられており、ボタンB206の下方には、選択された関数の説明文を表示するための表示領域B207が設けられている。ボタンB206が選択されると、選択された関数の引数としての設定項目であって、測定ユニットの構成情報に対応する設定項目が並んだドロップダウンリストが表示される。ユーザは、入力部53を操作することで、ボタンB206を選択することでドロップダウンリストを表示させ、ドロップダウンリストに一覧表示されている設定項目のうちの1つを選択する。図14に示す例では、設定項目「Anisocytosis」が選択されている。
【0073】
また、ボタンB206及び表示領域B207の右側には、条件式が論理式である場合に演算子を入力するための演算子入力領域B208及び数値を入力するための数値入力領域B209が設けられている。演算子入力領域B208には、演算子を選択するための複数のボタンが設けられており、数値入力領域B209には、数値を入力するための複数のボタンが設けられている。ユーザは、演算子入力領域B208及び数値入力領域B209のボタンを選択することで、論理式の条件式を入力することができる。
【0074】
CPU51aは、上記のようなユーザの条件式(IF部)の入力を受け付ける(ステップS306)。条件式が入力されると、表示領域B204に当該条件式が表示される。図14の例では、入力された条件式の関数「IPMessage(Anisocytosis)」が表示されている。また、表示領域B207の下方には選択可能な修正ボタンB210が設けられている。この修正ボタンB210は、既に入力され、表示領域B204に表示されている条件式を修正する場合に用いられる。ユーザは、条件式を修正する場合には、再度上記の選択領域B205、ボタンB206、演算子入力領域B208、及び数値入力領域B209に設けられたボタンを操作することにより、条件式を修正し、修正ボタンB207を選択する。これにより、条件式の修正が実行され、修正後の条件式が表示領域B204に表示される。
【0075】
選択領域B205の下方には、条件式に対応するアクション(コマンド)を設定するためのドロップダウンリストを表示するためのボタンB211が設けられている。かかるボタンB211は、ルールのTHEN部を設定するために設けられている。CPU51aは、ボタンB211を選択する入力を受け付けると、ステップS304において読み出された設定項目を含むドロップダウンリストを表示する(ステップS307)。
【0076】
ステップS307の処理についてさらに詳細に説明する。上述したように、ステップS304においては、情報処理ユニット5に接続されている(即ち、検体分析装置が備える)測定ユニットの構成に応じた設定項目、即ち、前記測定ユニットによって検体測定可能な測定項目に関する設定項目が読み出されている。ステップS307の処理においては、こうして読み出された設定項目が一覧に並んだドロップダウンリストが表示される。図15は、図1に示す検体分析装置におけるドロップダウンリストの表示例を示す図であり、図16は、図2に示す検体分析装置におけるドロップダウンリストの表示例を示す図である。例えば、検体分析装置が備える測定ユニットがツイン構成であり、且つ、機種“M102”を含む場合、図15に示すように、“None”,“Reflex(DIFF)”,“Reflex(DIFF+RET)”,“Reflex(RET)”,“Rerun(DefferentModule)”,“Rerun(SameModule)”,“Rerun(AnyModule)”,及び“BlockRerunReflex”の各設定項目が並ぶドロップダウンリストL201が表示される。また、例えば、検体分析装置が備える測定ユニットがシングル構成であり、且つ、機種“M101”のみを備える場合、図16に示すように、“None”,“Reflex(DIFF)”,“Rerun(SameModule)”,及び“BlockRerunReflex”の各設定項目が並ぶドロップダウンリストL202が表示される。なお、“None”及び“BlockRerunReflex”は、どのような構成であってもドロップダウンリストに表示される設定項目であり、リラン及びリフレックスの再検を実行しないというコマンドである。このコマンド“BlockRerunReflex”は、コメントを表示するが、再検は実行しない場合に用いられる。つまり、ユーザは、コマンド“BlockRerunReflex”を使用することで、コメントルールを作成することができる。ユーザは、このようにして表示されたドロップダウンリストから、1つの設定項目を選択することができる。CPU51aは、上記のようなユーザの(THEN部)の入力を受け付ける(ステップS308)。図14に示す例では、アクションとして“Reflex(RET)”が選択されている。
【0077】
図14に示すように、ルール設定ダイアログD201のボタンB211の下方には、選択した設定項目(アクション)の説明文(アクションコメント)を入力するための入力ボックスB212が設けられており、入力ボックスB212の右側には、入力したルールの重要度を3段階(高い、中程度、低い)で指定するための重要度選択領域B213が設けられている。図14に示す例では、アクションコメントとして“RBCの大小不同をRETモードで再測定”が入力され、重要度“低い”が選択されている。
【0078】
また、表示領域B204と、選択領域B205との間には、表示領域B204に表示されている条件式が適切か否かをチェックするためのボタンB214が設けられている。ボタンB214が選択されると、CPU51aは、入力された条件式が、その検体分析装置の構成上実行可能な測定項目に関するものであるかどうか、また条件式が文法的に適正であるかどうかを判定する(ステップS309)。条件式が適切でないと判定された場合には(ステップS309においてNO)、表示領域B204の左側に、ルールが適切でないことを示すアイコン(図示せず)が表示される。この場合、ユーザは条件式を修正する(ステップS306)。一方、ステップS309において条件式が適切と判定された場合には(ステップS309においてYES)、表示領域B204の左側に、ルールが適切であることを示すアイコン(図示せず)が表示される。表示領域B204の左側のアイコンにより、ユーザは条件式が適切であるかどうかを容易に判別することができる。
【0079】
また、重要度選択領域B213の下方には、入力されたルールの登録を実行するためのOKボタンB215と、入力内容を破棄してルール設定ダイアログD201を閉じるためのキャンセルボタンB216とが設けられている。ユーザは、入力したルールを登録する場合には、OKボタンB215を選択する。CPU51aは、ユーザからルールの登録指示を受け付けると、入力されたルールをハードディスクに設けられたルールデータベースDB4(図4参照)に登録し(ステップS310)、ルール設定ダイアログD201を閉じ(ステップS311)、登録されたルールをルール設定画面D3の下部領域A202に表示し(ステップS312)、ルール設定処理を終了する。
【0080】
図17は、ルールが登録された後のルール設定画面の例を示す図である。ルールが登録された後には、ルール設定画面D3の下部領域A202に、新規に登録されたルールの情報(ルール番号、名称、条件式、アクション、アクションコメント)が追加される。図17に示す例では、ルール番号“1”,名称“RBC Anisocytosis”,条件式“IPMessage(Anisocytosis)”,アクション“Reflex(RET)”,アクションコメント“RBCの大小不同をRETモードで再測定”を有するルールが登録されている。
【0081】
次に、図17に示すルールが登録されている場合における測定動作及び画面表示について説明する。検体を測定し、測定データが情報処理ユニットにより解析されるときに、RBCの測定結果から“Anisocytosis”のフラギング判定(特定の異常が認められるか否かの判定)が行われる。このフラギング判定により“Anisocytosis”であると判定された場合には、関数“IPMessage(Anisocytosis)”の値が“True”となる。このような“IPMessage(Anisocytosis)”の値が“True”である分析結果は、“RBC Anisocytosis”のルールの条件式に適合する。このため、CPU51aは、“RBC Anisocytosis”のルールのTHEN部であるアクション“Reflex(RET)”を実行する。アクション“Reflex(RET)”の実行により、RETについて検体の再検が行われる。
【0082】
検体の分析結果は、情報処理ユニット5により表示される。図18は、分析結果の詳細画面の一例を示す図である。上記のような“RBC Anisocytosis”のルールの条件式に適合した場合には、図18に示すような分析結果が表示される。分析結果詳細画面D300には、“Rule Result”の表示領域A301が設けられており、“RBC Anisocytosis”のルールに適合し、アクション“Reflex(RET)”が実行された場合には、表示領域A301に“Reflex RET”が表示される。これにより、RETについて検体の再検が行われたことが分かる。また、分析結果詳細画面D300には、“エラー/ルールコメント”の表示領域A302が設けられており、この場合、表示領域A302には、当該ルールのアクションコメント“RBCの大小不同をRETモードで再測定”が表示される。
【0083】
また、情報処理ユニット5は、検体情報の一覧画面を表示することも可能である。図19は、検体情報の一覧画面の一例を示す図である。図に示すように、検体情報一覧画面D400では、分析が行われた検体の情報が一覧で表示される領域A401と、領域A401において検体情報が表示されている検体のうち、選択されている検体の分析結果が表示される領域A402とが設けられている。領域A401には、表示項目“ルールリザルト”が設けられており、上記の“RBC Anisocytosis”のルールに適合した検体情報の表示項目“ルールリザルト”には、“Reflex(1)”が表示される。これは、ルール判定の結果リフレックステストの対象と判定され、また1件のコメントが付いたことを意味する。ユーザがこの検体情報一覧画面D400を確認し、どのようなルールが適用されたのかをさらに知りたい場合には、上記のような分析結果詳細画面D300を表示させて、その内容を詳細に確認することができる。
【0084】
以上に詳述した如く、本実施の形態に係る情報処理ユニット5においては、リフレックスルール、リランルール、及びコメントルールの設定に用いられる設定項目のうち、情報処理ユニットに接続される測定ユニットによって実行可能な測定に関する設定項目のみをドロップダウンリストによって表示するため、情報処理ユニットに接続される測定ユニットによっては実行不可能な設定項目がユーザによって選択されることが防止され、効率よく上記の各種ルールを設定することが可能となる。
【0085】
なお、上記の実施の形態においては説明を省略したが、条件式を設定するために設けられたボタンB206を選択することによって表示されるドロップダウンリストにも、測定ユニットの構成情報に対応した設定項目が表示される。これにより、条件式を入力するときにおいても、測定ユニットによって実行不可能な測定に関する設定項目が選択されることが防止され、ユーザが適切な条件式を容易に入力することが可能となる。また、リピートルール、バリデーションルール、及び出力ルールの設定においても、リフレックスルール、リランルール等と同様に、測定ユニットの構成情報に対応した設定項目が並べられたドロップダウンリストが表示され、これにより測定ユニットによって実行不可能な測定に関する設定項目が選択されることが防止されるようになっている。
【0086】
(その他の実施の形態)
なお、上述した実施の形態においては、多項目血球分析装置に本発明を適用した例を示したが、これに限定されるものではない。血液凝固測定装置、免疫分析装置、尿中有形成分分析装置、尿定性分析装置、生化学分析装置、又は免疫分析装置のような多項目血球分析装置以外の検体分析装置であって、複数種類の試薬を使用して検体を分析するものに本発明を適用してもよい。
【0087】
また、上述した実施の形態においては、測定ユニットと、検体搬送ユニット4と、情報処理ユニット5とを備える検体分析装置について述べたが、これに限定されるものではない。複数の検体分析装置に接続され、各検体分析装置による検体の分析に関する情報を管理するLIS(Laboratory Information System)又はWAM(Working Area Manager)と呼ばれる検査情報管理装置によって、リピートルール、リフレックスルール、リランルール、コメントルール、バリデーションルール、及び出力ルールの設定を行うときに、検査情報管理装置に接続されている各検体分析装置の備える測定ユニットの構成に応じた設定項目を当該検査情報管理装置に設けられたディスプレイ装置に選択可能に表示する構成としてもよい。
【0088】
また、上述した実施の形態においては、サービスマンが情報処理ユニット5の画像表示部52に表示される測定ユニット構成情報登録ウィンドウW1を用いて、検体分析装置が備える測定ユニットの構成(台数及び機種)を指定し、指定された構成を示す構成情報を構成情報データベースDB1に登録する構成について述べたが、これに限定されるものではない。測定ユニットと情報処理ユニット5とを接続するときに、情報処理ユニット5が自動的に測定ユニットの構成を示す構成情報を測定ユニット又は外部のサーバ等から取り寄せ、又は情報処理ユニット5が自動的に測定ユニットの構成を認識し、これによって得られた構成情報を構成情報データベースDB1に記憶する構成としてもよい。
【0089】
また、上述した実施の形態においては、測定ユニットの構成情報を構成情報データベースに記憶する構成について述べたが、これに限定されるものではない。構成情報をファイルとしてハードディスク51dの特定の位置(フォルダ又はディレクトリ)に記憶する構成としてもよい。
【0090】
また、上述した実施の形態においては、単一のコンピュータ5aによりコンピュータプログラム54aの全ての処理を実行する構成について述べたが、これに限定されるものではなく、上述したコンピュータプログラム54aと同様の処理を、複数の装置(コンピュータ)により分散して実行する分散システムとすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明の検体測定用情報処理装置及び検体測定システムは、検体の測定を行う検体測定ユニットに接続可能な検体測定用情報処理装置、及び検体の測定を行う検体測定ユニットと前記検体測定ユニットによって得られる測定結果を処理する情報処理ユニットとを備える検体測定システムとして有用である。
【符号の説明】
【0092】
100,200 検体分析装置
2,3 測定ユニット
21,31 検体吸引部
22,32 試料調製部
22a,22b,22c,32a 試薬容器
23,33 検出部
4 検体搬送ユニット
5 情報処理ユニット
5a コンピュータ
51 本体
52 画像表示部
53 入力部
51a CPU
51b ROM
51c RAM
51d ハードディスク
54 可搬型記録媒体
54a コンピュータプログラム
DB1 第1データベース
DB2 第2データベース
DB3 構成情報データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体を測定する一又は複数の測定ユニットに接続可能な検体測定用情報処理装置であって、
接続される測定ユニットの構成に応じた構成情報を記憶する記憶部と、
表示部と、
入力部と、
前記記憶部に記憶された前記構成情報に基づいて、接続される測定ユニットにおいて実行可能な測定に関する一又は複数の設定項目を選択可能に前記表示部に表示させ、前記入力部により前記設定項目の選択を受け付けた場合に、選択された前記設定項目により設定処理を実行する制御部と、
を備える、
検体測定用情報処理装置。
【請求項2】
前記検体測定用情報処理装置は、一又は複数の測定項目について検体の測定が可能な第1の測定ユニットと、前記第1の測定ユニットの測定項目以外の測定項目を含む一又は複数の測定項目について検体の測定が可能な第2の測定ユニットとに接続可能であり、
前記記憶部は、前記第1の測定ユニットが接続される場合には、前記第1の測定ユニットの構成に応じた構成情報を記憶し、前記第2の測定ユニットが接続される場合には、前記第2の測定ユニットの構成に応じた構成情報を記憶し、
前記制御部は、前記第1の測定ユニットが接続される場合には、前記第1の測定ユニットの測定項目に関する一又は複数の設定項目を選択可能に前記表示部に表示させ、前記第2の測定ユニットが接続される場合には、前記第2の測定ユニットの測定項目に関する一又は複数の設定項目を選択可能に前記表示部に表示させるように構成されている、
請求項1に記載の検体測定用情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶部は、一の測定ユニットのみが接続される場合には、前記一の測定ユニットの構成に応じた構成情報を記憶し、複数の測定ユニットが接続される場合には、前記複数の測定ユニットの構成に応じた構成情報を記憶し、
前記制御部は、一の測定ユニットのみが接続される場合には、前記一の測定ユニットの構成に関する一又は複数の設定項目を選択可能に前記表示部に表示させ、複数の測定ユニットが接続される場合には、前記複数の測定ユニットの構成に関する一又は複数の設定項目を選択可能に前記表示部に表示させるように構成されている、
請求項1又は2に記載の検体測定用情報処理装置。
【請求項4】
前記記憶部は、接続される測定ユニットの台数及び接続される測定ユニットの機種を示す構成情報を記憶するように構成されている、
請求項1乃至3の何れかに記載の検体測定用情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、予め与えられた複数の設定項目から、前記記憶部に記憶されている構成情報に対応する設定項目を特定し、特定された前記設定項目を、選択可能に前記表示部に表示させるように構成されている、
請求項1乃至4の何れかに記載の検体測定用情報処理装置。
【請求項6】
前記記憶部は、接続される測定ユニットの構成に応じた構成情報と、接続される測定ユニットにおいて実行可能な測定に関する設定項目との対応関係を規定する対応関係情報をさらに記憶しており、
前記制御部は、前記対応関係情報において、前記記憶部に記憶された構成情報に対応する設定項目を特定するように構成されている、
請求項5に記載の検体測定用情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記構成情報に基づいて、接続される測定ユニットにおいて実行可能な測定に関する設定項目が選択可能に並べられたリストを前記表示部に表示させるように構成されている、
請求項1乃至6の何れかに記載の検体測定用情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記構成情報に基づいて、検体の再測定に関する設定項目を選択可能に前記表示部に表示させ、前記入力部により前記設定項目の選択を受け付けた場合に、選択された前記設定項目により検体の再検を行うか否かの判定に用いられる再検ルールの設定処理を実行するように構成されている、
請求項1乃至7の何れかに記載の検体測定用情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記構成情報に基づいて、検体の再測定に係る測定項目に関する設定項目を選択可能に前記表示部に表示させるように構成されている、
請求項8に記載の検体測定用情報処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、外部から与えられた構成情報を受け付け、受け付けた前記構成情報を前記記憶部に記憶するように構成されている、
請求項1乃至9の何れかに記載の検体測定用情報処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記入力部によりユーザから指定を受け付けた構成情報を、前記記憶部に記憶させるように構成されている、
請求項10に記載の検体測定用情報処理装置。
【請求項12】
検体を測定する一又は複数の測定ユニットと、前記測定ユニットに接続可能であり、前記測定ユニットによって得られる測定結果を処理する情報処理ユニットとを備える検体測定システムであって、
前記情報処理ユニットは、
接続される測定ユニットの構成に応じた構成情報を記憶する記憶部と、
表示部と、
入力部と、
前記記憶部に記憶された前記構成情報に基づいて、接続される測定ユニットにおいて実行可能な測定に関する一又は複数の設定項目を選択可能に前記表示部に表示させ、前記入力部により前記設定項目の選択を受け付けた場合に、選択された前記設定項目により設定処理を実行する制御部と、
を有する、
検体測定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−137409(P2012−137409A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290624(P2010−290624)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】