説明

検体測定装置の姿勢検知方法および検体測定方法

【課題】試験片に点着した検体のキャピラリでの偏りを観察して傾きを検知して、流れ異常を防止するようにした検体測定装置の姿勢制御方法および検体測定方法を提供することを目的とする。
【解決手段】キャピラリ108に点着した検体123が展開することによってできる減少領域の面積を求めることで装置の傾きを検知でき、傾きが異常状態であれば使用者に通知し、傾きを直すように促すことで試験片上の検体123の流れ異常を防止でき、検体測定装置の測定精度を向上することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体に含まれる被測定物質を試験片上に固定化し、光学的な手段によってその濃度を読み取る検体測定装置において、検体が試験片上を展開しているときの検体測定装置の姿勢を検知する姿勢検知方法および検体測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
まず、図13、図14を用いて検体測定装置で使用する試験片について説明する。
図13は従来の検体測定装置における試験片の分解図、図14は従来の検体測定装置における試験片の組み立て図である。
【0003】
図13、図14において、試験片111はPETシート101、多孔質基材102、空間形成部106を貼り合わせて構成している。多孔質基材102上には、検体中の被測定物質と特異的に結合する抗体で修飾された標識物質を塗布している標識部103と、被測定物質と特異的に結合する抗体を固定化する固定化部104と、展開中の検体の乾燥を防止するPETフィルム105が貼り付けられている。多孔質基材102は強度補強のためにPETシート101に貼り付けられ、更に多孔質基材102のPETフィルム105またはPETシート101に空間形成部106を貼り付ける。空間形成部106は凹型をしており、点着した検体を保持するキャピラリ108を形成する。また、空間形成部106のキャピラリ側の面には血球収縮剤を塗布している。検体をキャピラリ108に点着すると、空気穴107の淵まで検体で満たされる。このときに血球収縮剤は検体中の血球と反応して、血球を収縮させて多孔質基材102中に検体を流れやすくしている。検体中の被測定物質は標識部103で標識され、検体と共に多孔質基材102の内部を毛細管現象によって展開する。固定化部104に到達すると被測定物質は固定化され、残りの検体は更に下流に展開する。固定化部104に被測定物質と共に固定化されている標識物質は、吸光または発光特性を有する物質で構成するので、被測定物質の濃度を求める際には、固定化部104の光学特性を測定する。その光学特性を検量線を用いて濃度に換算することで、被測定物質の濃度が求められる仕組みになっている。
【0004】
図15を用いて従来の検体測定装置について説明する。
図15は従来の検体測定装置の構造を示す図である。
図15に示すように、従来の検体測定装置109は大別して光学部と走査部で構成している。走査部は試験片111と試験片111をセットするアタッチメント110、アタッチメント110をセットするステージ112、アタッチメントの挿入を検知するスイッチ115、ステージを走査する送りねじ114、送りねじ114と連結して回転させるモータ113で構成している。次に、光学部は、レーザダイオード116、集光レンズ117、開口部118、ビームスプリッタ119、フロントモニタ120、シリンドリカルレンズ121、信号モニタ122で構成している。レーザダイオード116から出射した光は、集光レンズ117によって集光し、開口部118によって所定の径のビームに成形される。成形されたビームはビームスプリッタ119によって分割され、一方のビームはそのままシリンドリカルレンズ121に侵入して楕円形状に成形された後に試験片111に照射する。もう一方のビームは、フォトダイオードなどの受光素子で構成するフロントモニタ120に入射し、フロントモニタ120は光の強さに応じた電流を出力する。このフロントモニタ120の出力電流は、レーザダイオード116の光量調整に使用する。出力電流は、I−V変換器で電圧に変換した後に誤差AMPに入力する。誤差AMPにはレーザダイオード116の調整値として出力指令値が入力しており、その出力指令値とフロントモニタ120の出力の差を増幅して、電流制御値としている。電流制御器では誤差AMPからの出力に応じた電流をレーザダイオード116に流すことで、光出力を一定に保っている。
【0005】
次に、従来の検体測定装置の動作について説明する。アタッチメント110に試験片111をセットした状態で、試験片111に検体を点着する。点着後、直ちにアタッチメント110をステージ112にセットすると、検出スイッチ115にてアタッチメント110の挿入を検知し、検出信号をモータ制御器に入力する。モータ制御器は検出信号を受け取ると、モータ113に駆動信号を送って送りネジ114を回転させてステージ112を走査する。ステージ112の送り量は予め定められており、レーザダイオード116の出射光が試験片111の任意の位置に照射される位置まで走査する。ステージ112の移動が完了すると、レーザダイオード116を駆動して試験片111に照射し、その反射光を信号モニタ122で受光する。図16は従来の検体測定装置の信号モニタ出力を示す図であり、そのときの信号モニタ122の出力を時系列的に見たグラフである。図16によると、レーザ照射位置に検体が未到着の時は試験片111の反射光=信号モニタ出力となるが、検体が到着すると検体の吸光によって信号モニタ122の出力が低下するので、この信号の低下を検知して検体がレーザ照射位置まで到達したことを検知している。検体の到達を検知した後に所定時間待機して検体を十分に展開させた後に測定動作を開始する。モータ制御器にてモータ113を駆動してレーザダイオード116の出射光を試験片111上でスキャンし、フロントモニタ120の出力をLOG変換器でLOG変換を行った値と、信号モニタ122の出力をLOG変換器でLOG変換した値を演算器で演算することで試験片111の吸光度信号を得る。試験片111のスキャンが終了すると、ステージ112をアタッチメント110が取り出せる位置まで移動させて測定動作は終了する。点着した検体が不足、または検体が試験片111で目詰まりするような流れ異常が発生した場合は、多孔質基材102の端まで検体が流れないので、レーザダイオード116の照射位置まで検体が到達しない。その場合には、所定時間の経過を待って検体の流れ異常として、使用者に異常状態を通知し測定動作を強制終了する(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−4743号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の検体測定装置では、目詰まりなどの要因によって発生する流れ異常は、多孔質基材102上にレーザ光を照射して検体の未到達を検知していた。この目詰まりの要因の1つとして、検体が展開中の試験片111の角度がある。従来の検体測定装置は据え置き型または卓上型が主流であったが、近年のPoint Of Care Testingの考えの普及から、装置の小型化が進んでおり使用者がハンディで使用する機会が増加している。そのため、装置は常に水平ではなく様々な角度で使用される場合がある。
【0007】
図17〜19を使用して、試験片111が傾いた場合の検体の流れへの影響を説明する。図17は従来の検体測定装置の試験片の傾きを示す図、図18は従来の検体測定装置における試験片の傾きによる目詰まりの様子を示す図、図19は従来の検体測定装置における試験片の傾きによる展開遅延の様子を示す図である。まず、図17は試験片の図であり、試験片111の長尺方向をX軸、短尺方向をY軸とし、垂直方向をZ軸とする。Y軸を中心とした回転角をθ、X軸を中心とした回転角をφとし、それぞれ図17に記載の方向を+方向にして、水平に置かれた状態をそれぞれθ=φ=0°とする。図18は試験片111が+θ方向に傾いた場合の図17におけるA−A’断面図を示している。検体123を試験片に点着すると、キャピラリ108が検体123で満たされる。検体123は多孔質基材102上の標識部103を経由して展開する。+θ方向に試験片が傾いている場合には、検体123の流れを加速する方向に重力gが作用している。この重力gによって検体123は空気穴107側に偏るため、検体123の中に含まれる血球124が血球収縮剤125と十分に反応しないままで多孔質基材102に流入するので、多孔質基材102が未収縮の血球124によって目詰まりを起こし流れ異常が発生する。また、図19は試験片111が−θ方向に傾いたときの図17におけるA−A’断面図を示している。−θ方向の場合は重力gは流れと反対方向に作用する。したがって、検体123がキャピラリ108の入り口に引っ張られて偏るために、検体123の中の血球124は血球収縮剤125と十分に反応する。しかし、重力の影響で展開速度が遅くなるために、検体123の流れを検知する時間内にレーザの照射位置まで到達できず、流れ異常になっている。このように±θ方向に試験片111が傾くと、流れ異常が発生する。一方、±φ方向に試験片111が傾いた場合は重力は検体123の展開方向と異なる方向に作用するので、流れ異常は発生しない。この様に、従来の検体測定装置では使用者が傾けて使用した場合に、多孔質基材102を流れる検体123に流れ異常が発生していた。流れ異常が発生すると目詰まりなどによって検体123が流れなくなるので、検体123が多孔質基材102に展開する量が少なくなる。したがって、被測定物質の濃度が同じ検体であっても固定化部104を通過する量は流れ異常の有無によって異なるので、固定化部104の光学特性が異なる。このため、被測定物質の濃度が同じ検体でも流れ異常の有無によって測定結果に差が生じ、測定精度を悪化させている。
【0008】
本発明は前記従来の検体測定装置の課題を解決するもので、試験片に点着した検体のキャピラリでの偏りを観察して傾きを検知して、流れ異常を防止するようにした検体測定装置の姿勢制御方法および検体測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の目的を達成するために、請求項1記載の検体測定装置の姿勢検知方法は、点着口と空気穴を両端に備えて試験片上に設けられたキャピラリに点着された検体を固定化部まで前記試験片中を展開させて固定化した後に固定化した前記被測定物質の濃度を光学的な手段によって測定する検体測定装置の測定姿勢を検知する方法であって、あらかじめ定めた所定時間経過後に前記空気穴の近傍における前記検体の減少量および前記点着口の近傍における前記検体の減少量を求める減少量測定工程と、前記空気穴の近傍における前記検体の減少量および前記点着口の近傍における前記検体の減少量から前記検体測定装置の傾きを求めて前記検体測定装置の姿勢が正常であるかどうかを判定する判定工程とを有することを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の検体測定方法は、点着口と空気穴を両端に備えて試験片上に設けられたキャピラリに点着された検体の被測定物質の濃度を測定するに際し、前記キャピラリの前記点着口から前記検体を点着する点着工程と、あらかじめ定めた第1の時間経過後に前記空気穴の近傍における前記検体の減少量および前記点着口の近傍における前記検体の減少量を求める減少量測定工程と、前記空気穴の近傍における前記検体の減少量および前記点着口の近傍における前記検体の減少量から前記検体測定装置の傾きを求める傾き算出工程と、前記傾きがあらかじめ定めた所定の範囲外である場合には前記検体測定装置の姿勢が異常であることを警告する警告工程と、前記傾きがあらかじめ定めた所定の範囲内である場合には前記試験片中を展開させて固定化した前記検体の被測定物質の濃度を光学的な手段によって測定する測定工程とを有することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の検体測定方法は、請求項2記載の検体測定方法において、前記警告工程にて、警告後、測定動作を中断することを特徴とする。
請求項4記載の検体測定方法は、請求項2記載の検体測定方法において、前記傾きがあらかじめ定めた所定の範囲外である場合に、あらかじめ定めた第2の時間経過後、あらかじめ定めた所定の回数、前記減少量測定工程および前記傾き算出工程を繰り返し、再算出した前記傾きがあらかじめ定めた所定の範囲外である場合には前記検体測定装置の姿勢が異常であることを警告し、再算出した傾きがあらかじめ定めた所定の範囲内となった場合には前記濃度の測定を行うことを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の検体測定方法は、請求項2〜請求項4のいずれかに記載の検体測定方法において、前記傾き算出工程にて、前記空気穴の近傍における前記検体の減少量と前記点着口の近傍における前記検体の減少量との比率から前記検体測定装置の傾きを算出することを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の検体測定方法は、請求項2〜請求項4のいずれかに記載の検体測定方法において、前記傾き算出工程にて、前記空気穴の近傍における前記検体の減少量と前記点着口の近傍における前記検体の減少量の和と前記空気穴の近傍における前記検体の減少量との比率から前記検体測定装置の傾きを算出することを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の検体測定方法は、請求項2〜請求項4のいずれかに記載の検体測定方法において、前記傾き算出工程にて、前記空気穴の近傍における前記検体の減少量と前記点着口の近傍における前記検体の減少量の和と前記点着口の近傍における前記検体の減少量との比率から前記検体測定装置の傾きを算出することを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の検体測定方法は、請求項5〜請求項7のいずれかに記載の検体測定方法において、前記傾き算出工程にて、前記空気穴の近傍における前記検体の減少量および前記点着口の近傍における前記検体の減少量として、前記試験片の画像を撮像することにより算出する前記空気穴の近傍における前記検体が減少している領域の面積および前記点着口の近傍における前記検体が減少している領域の面積を用いることを特徴とする。
【0016】
以上により、流れ異常を防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の検体測定装置の姿勢制御方法および検体測定方法によれば、キャピラリに点着した検体が展開することによってできる減少領域の面積を求めることで装置の傾きを検知でき、傾きが異常状態であれば使用者に通知し、傾きを直すように促すことで試験片上の検体の流れ異常を防止でき、検体測定装置の測定精度を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明の検体測定装置の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1における検体測定装置の構成を示す断面図であり、本発明の姿勢検知方法を使用する検体測定装置の断面図を示す。まず、装置の構成を説明する。装置は、図1に示すように、試験片111と、試験片111を位置決めしてセットするステージ112、試験片111の挿入を検知する検出スイッチ115、LED、LD、ランプなどを用いて構成し、試験片111を照明する光源1、光源1の出力光をモニタするフロントモニタ120、試験片111の画像を撮像するイメージセンサ2、試験片111からの反射光を調整する絞り3、イメージセンサ2に試験片111の像を結像する集光レンズ4で構成している。
【0019】
次に、光源1とイメージセンサ2の動作を説明する。フロントモニタ120の出力と出力指令値の誤差を誤差AMPで増幅して電流制御器に入力し、光源1の駆動電流を制御して光量を調整する仕組みになっている。誤差AMPには、更に試験片111の検出スイッチと連動した測定開始信号が入力され、光源1は、試験片111がセットされない限り点灯しない構成になっている。イメージセンサ2はCCDカメラまたはC−MOSカメラなどのようなイメージセンサで構成し、イメージセンサ制御器によって駆動してデータの取得、転送などが行われ、画像データとして出力している。イメージセンサ制御器もまた、測定開始信号が入力されない限り動作しない構成となっている。
【0020】
次に、検体測定装置の動作を図2の実施の形態1における検体測定装置の測定ブロック図を用いて説明する。図2に示すように測定ブロックは大きく3つのブロックに別れ、点着検知ブロックでは試験片111に検体が点着されたことを検知して測定動作を開始し、傾き検知ブロックではキャピラリ108内の検体の減少量を測定して傾きを検知して判断を行うブロック、光学特性測定ブロックは所定の量の検体が流れた試験片111の画像を撮像し、固定化部104の光学特性を測定して被測定物質の濃度に換算するブロックである。検体を点着する前に試験片111をステージ112にセットする。検出スイッチ115で試験片111のセットを検知し、測定開始信号を誤差AMPに出力して光源1を点灯すると共に、イメージセンサ制御器を駆動して試験片111の画像を撮像する。この撮像によって図3のような画像が得られ、この画像を用いて検体が試験片111に点着されたことを検知する。検体の点着を検知するには、図3の実施の形態1における点着前のイメージセンサ取得画像に示す画像のうちキャピラリ108の画像を用いて行う。空間形成部106はPETシートなどの透過性の高い材料で構成するので、空間形勢部106を透過してキャピラリ108の画像が撮像できる。
【0021】
まず、キャピラリ108の画像の切り出し方法について説明する。画像の切り出しは検体点着前に予め行う。
キャピラリ108の画像を切り出す第一の方法として、キャピラリ108の領域をイメージセンサ画像の座標として予め指定する方法がある。試験片111はステージ112によって位置決めして取り付けるので、キャピラリ108のイメージセンサ画像上の座標はステージ112と常に等しくなる。したがって、予めキャピラリ108領域をイメージセンサ画像上の座標で指定して切り出すことができる。
【0022】
第二の方法として、イメージセンサ出力を記憶し、そのパターンからキャピラリ108を求める方法がある。イメージセンサ出力を記憶する領域は予めイメージセンサ画像上の座標として指定する。このときに指定する領域は、第一の方法よりも広く、キャピラリ108が十分に収まる領域とする。図4は実施の形態1における未点着キャピラリのイメージセンサ出力を示す図であり、第二の方法で切り出した画像を示す。ここでは、空間形成部106を切り出している。まず、試験片111の短尺方向の略中心で長尺方向にB−B’ラインを設定し、ライン上のイメージセンサ出力を抽出する。標識部103は標識物質が塗布されているので、光を吸収するためにイメージセンサ出力は低くなる。多孔質基材102は白色または光を吸収しない素材で構成するので、光を反射するためにイメージセンサ出力は高くなる。空間形成部106は透明な樹脂で構成するため、イメージセンサ出力への影響は無い。空気穴107は空間形成部106に穴を空けて作成するため、孔のエッジの部分は樹脂によって光が反射する。したがって、B−B’ラインのイメージセンサ出力は図4下にあるように得られるので、aの空気穴、bの試験片111の端部に現れるイメージセンサ出力の変化を読み取ることで、キャピラリ108の試験片111の長尺方向の位置を特定可能である。次に、試験片111の短尺方向について、少なくともキャピラリ108を含むようC−C’ラインを設定する。C−C’ラインのイメージセンサ出力を図4右に示している。イメージセンサ出力はキャピラリ108とPETシート101との境界部c、dで変化している。キャピラリ108の試験片111の短尺方向の位置は、このc、dでのイメージセンサ出力の変化を読み取ることで特定できる。以上のようにして、キャピラリ108の試験片111の長尺および短尺方向の位置を特定する。このキャピラリ108の位置を特定する際に、図4のa〜dの箇所が判定し難い場合には、予めイメージセンサ出力画像の明るさ、コントラストを調整しておくことで特定が容易になる。
【0023】
キャピラリ108の画像の切り出しが完了すると、その画像のあらかじめ定めた特定の点におけるイメージセンサ出力を抽出する。そして、イメージセンサ出力が変化するまで、キャピラリ108の画像を切り出してイメージセンサ出力を抽出する動作を繰り返す。検体は光を吸収するので、キャピラリ108に検体を点着するとイメージセンサ出力が減少する。この変化が現れたときを検体が点着された時間として、点着後の時間をカウントする。このカウントが、例えば60秒になったときに、再度試験片111の画像を撮像し、キャピラリ108の画像を切り出す。図5(a)〜(d)に点着直後、および点着後60秒経過後に試験片111の傾き角θが0、または±方向に傾いたときのキャピラリ108の図を示す。図5(a)は実施の形態1における点着直後のキャピラリの状態を示す図であり、この時点ではキャピラリ108は検体123で満たされている。図5(b)は実施の形態1における傾きが正常なキャピラリの状態を示す図であり、傾き角θ=0、検体点着後60秒経過後のキャピラリ108を示している。キャピラリ108内では検体123が多孔質基材102に展開するため、検体123の展開の分だけ点着領域および空気穴107から空気を吸入しながらキャピラリ108の検体123は減少する。このときに、図5(a)と比較してキャピラリ108の空気穴107側で検体が減少している箇所を空気穴側検体減少領域5、キャピラリ108の点着側で検体が減少している箇所を点着側検体減少領域6とする。図5(c)は実施の形態1における点着側が上になるように傾いたキャピラリの状態を示す図であり、図5(b)と同じタイミングで試験片111が+θ方向(点着側が上)に傾いているときを示している。この場合は重力の影響によって、空気穴側検体減少領域5が小さくなり、点着側検体減少領域6が増加する。図5(d)は実施の形態1における点着側が下になるように傾いたキャピラリの状態を示す図であり、図5(b)と同じタイミングで試験片111が−θ方向(点着側が下)に傾いているときを示している。この場合は図5(c)とは逆に空気穴側検体減少領域5が大きくなり、点着側検体減少領域6は小さくなる。この空気穴側検体減少領域5と点着側検体減少領域6の偏りの違いを利用して試験片111の傾きを検知し、本実施の形態では特に空気穴側検体減少領域5に着目する。
【0024】
図6は実施の形態1における試験片の傾きに対する空気穴側検体減少領域の面積の関係を示す図であり、点着後60秒経過時の空気穴側検体減少領域5の実験値を示している。実験では多孔質基材102にニトロセルロースを使用し、キャピラリ108は寸法が図5(a)に示すように6.5mm×1.7mm(面積は11.1mm)、容積は5μlであった。検体はヘマトクリット値が40%の血液検体を使用し、空気穴側検体減少領域5を画像で確認して面積で示している。図6のように空気穴側検体減少領域5はθ=0°の場合と比較して、θ<0°の時は大きく、θ>0°のときは小さくなっている。この実験では−60°<θ<+30°が流れ異常が発生しない試験片111の角度領域であったので、θ≦−60°、θ≧+30°を試験片111の傾き異常と判断し、この角度に対応して、0.15mm<空気穴側検体減少領域5の面積[mm]<0.35mmの範囲を判断基準にする。
【0025】
空気穴側検体減少領域5の面積の求め方を図7の実施の形態1における検体点着時のキャピラリのイメージセンサ出力を示す図を用いて説明する。ここで、キャピラリ108を試験片111の長尺方向に横断するD−D’ラインのイメージセンサ出力を図7下部に示している。図7に示すように、空気穴側検体減少領域5、検体123、点着側検体減少領域6におけるイメージセンサ出力値を比較すると、検体123でのイメージセンサ出力<空気穴側検体減少領域5でのイメージセンサ出力<点着側検体減少領域6でのイメージセンサ出力の順番になるので、検体123と空気穴側検体減少領域5のエッジを閾値としたイメージセンサ出力値の2値化閾値7で2値化処理を行うことで、閾値7に対してイメージセンサ出力がLowの領域を検体123に、閾値7に対してイメージセンサ出力がHighの領域を空気穴側検体減少領域5と点着側検体減少領域6として識別することできる。E−E’ラインはキャピラリ108を試験片111の長尺方向に2分するラインであり、このラインで分割した2値化画像を用いて、それぞれヒストグラム処理を行う。空気穴側検体減少領域5を含む画像をヒストグラム処理すると、検体123に相当する分布がイメージセンサ出力の最小値に、空気穴側検体減少領域5に相当する分布はイメージセンサ出力の最大値に現れる。点着側検体減少領域6を含む画像についても同様に、検体123に相当する分布がイメージセンサ出力の最小値に、点着側検体減少領域6に相当する部分がイメージセンサ出力の最大値に現れる。ここで、画像データにおける明るさが所定の明るさ以上である画素の数を度数として計測し、空気穴側検体減少領域5の度数/(空気穴側検体減少領域5の度数+検体123の度数+点着側検体減少領域6の度数)×キャピラリ108の設計上の面積(11.1mm)、を計算することで空気穴側検体減少領域5の面積とする。また、図7においても(1)の領域の空気穴、(2)の領域の試験片111端部に現れるイメージセンサ出力の変化を読み取ることでキャピラリ108の位置を特定できる。
【0026】
空気穴側検体減少領域5の面積が求まると、図6に示すように、あらかじめ実験で求めた空気穴側検体減少領域5の面積と傾きの角度との対応から、傾きが−60°<θ<30°となる空気穴側検体減少領域5の面積を判断基準とし、判断基準に従って試験片111の傾きの判断を行う。傾きに異常が無い場合は、図2の手順に沿って試験片111の光学特性を測定するブロックに移行する。試験片111上の検体が展開終了したことの検知は、試験片111終端の光学特性の変化を検知するなどの公知の方法を用いて行う。検体の展開終了を検知すると試験片111の画像を撮像し、固定化部104の光学特性の測定を行い、それを元に固定化部104に固定化されている被測定物質の濃度に換算して測定動作は終了する。このとき、光源1は試験片111の画像を撮像した時点で消灯する。
【0027】
試験片111の傾きの判断にて、−60°<θ<30°の範囲に無い場合には、エラー処理を行う。エラー処理では、検体測定装置に設置している表示器に傾きが異常であることを表示すると共に、ブザー、スピーカーなどの音声出力手段を用いて警報を鳴らして検体測定装置の姿勢を正しくするように促す。
【0028】
以上のように本実施の形態1では、試験片111に検体を点着して所定時間経過後の空気穴側検体減少領域5の面積を求め、この空気穴側検体減少領域5の面積を元に検体測定装置の傾き異常を判断することで、試験片111に点着した検体が流れ異常になる前に使用者に通知して修正を促すことができる。したがって、流れ異常を未然に防止できるので検体測定装置の測定精度を向上することができる。
【0029】
本実施の形態において、試験片111に検体を点着して60秒後に画像を撮像して空気穴側検体減少領域5の面積を求めている。しかし、空気穴側検体減少領域5の面積について任意の時間経過後の判断基準を予め求めて検体測定装置の画像処理装置に記憶させておけば、どのような時間にも変更できる。
【0030】
本実施の形態において、キャピラリ108の空気穴側検体減少領域5、検体123、点着側検体減少領域6の面積を2値化、ヒストグラム処理を用いて求めているが、画像処理を用いて面積を求める方法であればどのような方法も使用可能である。
【0031】
本実施の形態では、検体のヘマトクリット値が40%のときを示しているが、任意のヘマトクリット値を有する検体に対しても同様の判断基準で傾きを検知できる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1と異なる点のみを説明する。実施の形態1では、試験片111に検体を点着して60秒経過後の空気穴側検体減少領域5の面積を測定しているが、本実施の形態では点着側検体減少領域6を使用した試験片111の傾き検知方法について説明する。図8は実施の形態2における試験片の傾きに対する点着側検体減少領域の面積の関係を示す図であり、ヘマトクリット値が40%の検体を使用し、点着から60秒経過後の試験片の傾きに対する点着側検体減少領域6の面積を示している。試験片111は実施の形態1と同じものを使用し、面積の計算方法も同様である。
【0032】
図8に示すように、点着側検体減少領域6(図7等参照)の面積はθ=0°の場合と比較して、θ>0°の時は多く、θ<0°のときは少なくなっている。この実験では−60°<θ<+30°が流れ異常が発生しない試験片111の角度領域であったので、θ≦−60°、θ≧+30°を傾き異常と判断し、点着側検体減少領域6(図7等参照)の面積を判断基準として0.55mm<点着側検体減少領域6(図7等参照)の面積[mm]<0.8mmの範囲に無ければ試験片111の傾き異常とする。傾き判断後のエラー処理および試験片の光学特性測定処理については実施の形態1と同様である。
【0033】
以上のように本実施の形態2では、試験片111に検体を点着して所定時間経過後の点着側検体減少領域6の面積を求め、この点着側検体減少領域6の面積を元に検体測定装置の傾き異常を判断することで、試験片111に点着した検体が流れ異常になる前に使用者に通知して修正を促すことができるので、実施の形態1と同様に検体測定装置の測定精度を向上することができる。
【0034】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1〜2と異なる点のみを説明し、図2のブロック図の点着検知処理と光学特性測定処理とは本実施の形態でも同様である。図9に実施の形態3における傾き検知ブロック図を示す。減少領域面積の計算および傾き量の判断は実施の形態1〜2と同じ処理を行う。傾き量判断にて正常な傾きが検出された場合にはそのまま次の光学特性測定処理へ移行する。傾き量判断にて−60°<θ<30°の範囲に無い場合には、検体測定装置に設置している表示器に傾きが異常であることを表示すると共に、ブザー、スピーカーなどの音声出力手段を用いて警報を鳴らして検体測定装置の姿勢を正しくするように促す。傾き異常が検知されて所定時間経過後に再度試験片111の画像を撮像し、所定の手順にて検体減少量を計算して傾き量判断を実施する。このときに試験片111の傾きが−60°<θ<30°の範囲に無い場合には、表示器による異常状態の表示およびブザー、スピーカーなどによる警報を継続して鳴らし、同様の傾き異常検知処理および警告処理を所定時間毎に繰り返す。所定回数実施後更に傾きが異常と判断された場合には、測定動作を終了する。
【0035】
以上のように本実施の形態3では、検体測定装置の傾き異常が発生した場合に所定時間毎に所定回数傾き検知処理を行うことで、試験片111に点着した検体が流れ異常になる前に使用者に通知して修正を促すことができる。更に、所定回数の傾き検知処理を行った後に傾き異常であれば測定動作を終了させることで、流れ異常が発生した試験片の光学特性を測定する恐れがなくなるために検体測定装置の測定精度を向上することができる。
【0036】
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1〜3と異なる点のみを説明する。図10に実施の形態4における傾き検知ブロック図を示す。点着検知ブロック、光学特性測定ブロックおよびそれぞれの減少領域面積の計算は先の実施の形態と同様のものが使用可能である。試験片111に検体が点着されていることを確認すると、傾き検知ブロックに移行して減少領域面積の計算を行う。本実施の形態では、空気穴側検体減少領域5および点着側検体減少領域6の両方を計算し、空気穴側検体減少量と点着側検体減少量の和を検体減少面積として傾き検知動作を行う。
【0037】
傾きを検知する第一の方法として、検体減少面積に対する空気穴側検体減少領域の面積の比率を使用する方法について説明する。図11は実施の形態4における試験片の傾きに対する空気穴側検体減少領域の面積/検体減少面積の関係を示す図であり、先の実施の形態と同じ試験片111とヘマトクリット40%の血液検体を用い、任意の時間で検体減少面積に対する空気穴側検体減少領域の面積の比率を求めた図である。検体減少面積に対する空気穴側検体減少領域の面積の比率は試験片111を−θ方向に傾けると増加しており、図6の結果と同じ傾向を示している。試験片111は先の実施の形態と同じものを使用しているので、傾きの判断基準も同様に−60°<θ<30°とする。このときの検体減少面積に対する空気穴側検体減少領域の面積の比率は、0.2<検体減少面積に対する空気穴側検体減少領域の面積<0.4である。図11では検体減少面積に対する空気穴側減少領域の面積について求めているが、点着側減少領域の面積を使用する場合は、(1−空気穴側検体減少領域の面積/検体減少面積)で求められるので、判断基準は0.6<検体減少面積に対する点着側検体減少領域の面積<0.8として、簡単に求められる。
【0038】
第二の方法として、空気穴側検体減少領域の面積と点着側検体減少領域の面積の比率を使用する方法を説明する。図12は実施の形態4における試験片の傾きに対する空気穴側検体減少領域の面積/点着側検体減少領域の面積の関係を示す図であり、先の実施の形態と同じ試験片111とヘマトクリット40%の血液検体を用い、任意の時間で点着側検体減少領域の面積に対する空気穴側検体減少領域の面積の比率を求めた図である。試験片111を−θ方向に傾けると、空気穴側検体減少領域の面積は大きくなり、点着側検体減少領域の面積は小さくなるので、空気穴側検体減少領域の面積の比率が大きくなる。傾きの判断基準は第一の方法と同様に−60°<θ<30°であるので、0.2<空気穴側検体減少領域の面積/点着側検体減少領域の面積<0.8である。この比率の逆数をとれば点着側検体減少領域の面積/空気穴側検体減少領域の面積の比率を使用しても傾きの判断が可能である。
【0039】
第一または第二の方法によって試験片111の傾きの判断を行い、傾きに異常が無い場合および異常がある場合も先の実施の形態と同様の光学測定ブロック、エラー処理を実施する。
【0040】
以上のように本実施の形態4では、検体を点着した試験片111の空気穴側検体減少領域の面積と点着側検体減少領域の面積の量を測定し、両者の比率を求めることで検体測定装置の傾き異常の判断を行う。これによって、先の実施の形態と同様の測定精度向上効果が期待できる。また、試験片の傾きが同じ場合には、検体点着からの時間にかかわらず、検体減少量とキャピラリ面積の比率は等しいので、実施の形態1〜2のように検体点着からの時間を見る必要がない。したがって、検体点着時間の測定ずれによる、検体減少量の誤差を低減できるので、精度の高い傾き検知を行うことができる。
【0041】
本実施の形態では、検体のヘマトクリット値が40%のときを示しているが、任意のヘマトクリット値を有する検体に対しても同様の判断基準で傾きを検知できる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、流れ異常を防止することができ、検体に含まれる被測定物質を試験片上に固定化し、光学的な手段によってその濃度を読み取る検体測定装置において、検体が試験片上を展開しているときの検体測定装置の姿勢を検知する姿勢検知方法および検体測定方法等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】実施の形態1における検体測定装置の構成を示す断面図
【図2】実施の形態1における検体測定装置の測定ブロック図
【図3】実施の形態1における点着前のイメージセンサ取得画像
【図4】実施の形態1における未点着キャピラリのイメージセンサ出力を示す図
【図5】(a)実施の形態1における点着直後のキャピラリの状態を示す図(b)実施の形態1における傾きが正常なキャピラリの状態を示す図(c)実施の形態1における点着側が上になるように傾いたキャピラリの状態を示す図(d)実施の形態1における点着側が下になるように傾いたキャピラリの状態を示す図
【図6】実施の形態1における試験片の傾きに対する空気穴側検体減少領域の面積の関係を示す図
【図7】実施の形態1における検体点着時のキャピラリのイメージセンサ出力を示す図
【図8】実施の形態2における試験片の傾きに対する点着側検体減少領域の面積の関係を示す図
【図9】実施の形態3における傾き検知ブロック図
【図10】実施の形態4における傾き検知ブロック図
【図11】実施の形態4における試験片の傾きに対する空気穴側検体減少領域の面積/検体減少面積の関係を示す図
【図12】実施の形態4における試験片の傾きに対する空気穴側検体減少領域の面積/点着側検体減少領域の面積の関係を示す図
【図13】従来の検体測定装置における試験片の分解図
【図14】従来の検体測定装置における試験片の組み立て図
【図15】従来の検体測定装置の構造を示す図
【図16】従来の検体測定装置の信号モニタ出力を示す図
【図17】従来の検体測定装置の試験片の傾きを示す図
【図18】従来の検体測定装置における試験片の傾きによる目詰まりの様子を示す図
【図19】従来の検体測定装置における試験片の傾きによる展開遅延の様子を示す図
【符号の説明】
【0044】
1 光源
2 イメージセンサ
3 絞り
4 集光レンズ
5 空気穴側検体減少領域
6 点着側検体減少領域
7 2値化閾値
101 PETシート
102 多孔質基材
103 標識部
104 固定化部
105 PETフィルム
106 空間形成部
107 空気穴
108 キャピラリ
109 検体測定装置
110 アタッチメント
111 試験片
112 ステージ
113 モータ
114 送りねじ
115 スイッチ
116 レーザダイオード
117 集光レンズ
118 開口部
119 ビームスプリッタ
120 フロントモニタ
121 シリンドリカルレンズ
122 信号モニタ
123 検体
124 血球
125 血球収縮剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
点着口と空気穴を両端に備えて試験片上に設けられたキャピラリに点着された検体を固定化部まで前記試験片中を展開させて固定化した後に固定化した前記被測定物質の濃度を光学的な手段によって測定する検体測定装置の測定姿勢を検知する方法であって、
あらかじめ定めた所定時間経過後に前記空気穴の近傍における前記検体の減少量および前記点着口の近傍における前記検体の減少量を求める減少量測定工程と、
前記空気穴の近傍における前記検体の減少量および前記点着口の近傍における前記検体の減少量から前記検体測定装置の傾きを求めて前記検体測定装置の姿勢が正常であるかどうかを判定する判定工程と
を有することを特徴とする検体測定装置の姿勢検知方法。
【請求項2】
点着口と空気穴を両端に備えて試験片上に設けられたキャピラリに点着された検体の被測定物質の濃度を測定するに際し、
前記キャピラリの前記点着口から前記検体を点着する点着工程と、
あらかじめ定めた第1の時間経過後に前記空気穴の近傍における前記検体の減少量および前記点着口の近傍における前記検体の減少量を求める減少量測定工程と、
前記空気穴の近傍における前記検体の減少量および前記点着口の近傍における前記検体の減少量から前記検体測定装置の傾きを求める傾き算出工程と、
前記傾きがあらかじめ定めた所定の範囲外である場合には前記検体測定装置の姿勢が異常であることを警告する警告工程と、
前記傾きがあらかじめ定めた所定の範囲内である場合には前記試験片中を展開させて固定化した前記検体の被測定物質の濃度を光学的な手段によって測定する測定工程と
を有することを特徴とする検体測定方法。
【請求項3】
前記警告工程にて、警告後、測定動作を中断することを特徴とする請求項2記載の検体測定方法。
【請求項4】
前記傾きがあらかじめ定めた所定の範囲外である場合に、あらかじめ定めた第2の時間経過後、あらかじめ定めた所定の回数、前記減少量測定工程および前記傾き算出工程を繰り返し、再算出した前記傾きがあらかじめ定めた所定の範囲外である場合には前記検体測定装置の姿勢が異常であることを警告し、再算出した傾きがあらかじめ定めた所定の範囲内となった場合には前記濃度の測定を行うことを特徴とする請求項2記載の検体測定方法。
【請求項5】
前記傾き算出工程にて、前記空気穴の近傍における前記検体の減少量と前記点着口の近傍における前記検体の減少量との比率から前記検体測定装置の傾きを算出することを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載の検体測定方法。
【請求項6】
前記傾き算出工程にて、前記空気穴の近傍における前記検体の減少量と前記点着口の近傍における前記検体の減少量の和と前記空気穴の近傍における前記検体の減少量との比率から前記検体測定装置の傾きを算出することを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載の検体測定方法。
【請求項7】
前記傾き算出工程にて、前記空気穴の近傍における前記検体の減少量と前記点着口の近傍における前記検体の減少量の和と前記点着口の近傍における前記検体の減少量との比率から前記検体測定装置の傾きを算出することを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載の検体測定方法。
【請求項8】
前記傾き算出工程にて、前記空気穴の近傍における前記検体の減少量および前記点着口の近傍における前記検体の減少量として、前記試験片の画像を撮像することにより算出する前記空気穴の近傍における前記検体が減少している領域の面積および前記点着口の近傍における前記検体が減少している領域の面積を用いることを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかに記載の検体測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−115521(P2009−115521A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−286841(P2007−286841)
【出願日】平成19年11月5日(2007.11.5)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】