説明

検出システム

【課題】接地線の断線を容易に判定することのできる検出システムを提供する。
【解決手段】入力電流を電圧信号に変換する検出部10と、検出部10から出力される電圧信号を増幅し且つ電流信号に変換して処理装置2に出力する第一の出力部11と、第一の出力部11から出力される電流信号を増幅して処理装置2に出力する第二の出力部12と、第一の出力部11から出力される電流信号を第一のプルダウン抵抗RL1を介して電圧に変換して処理部22に入力する第一の入力部20と、第二の出力部12から出力される電流信号を第二のプルダウン抵抗RL2を介して電圧に変換して処理部22に入力する第二の入力部21と、第一の入力部20からの出力電圧及び第二の入力部21からの出力電圧から入力電流の検出値を求める処理部22とを備え、処理部22において入力電流の検出値を比較することで接地線L2の断線を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の物理量を検出する検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駐車時などの低速運転時や通常走行などの運転状況に適した障害物検知を行う車載用の障害物検出システムがあり、例えば特許文献1に記載されているようなものがある。このような検出システムの従来例を下記に挙げる。この従来例は、図4に示すように、特定の物理量を検出する検出装置100と、検出装置100からの出力を処理する処理装置200とから成り、検出装置100は、前記物理量を電気信号に変換する検出部101と、検出部101から出力される電気信号に応じた電流を処理装置200に出力する出力部102とを備え、処理装置200は、出力部102から出力される電流を負荷抵抗(プルダウン抵抗)RLを介して電圧に変換して処理部202に入力する入力部201と、入力部201からの電圧を処理する処理部202とを備え、検出装置100及び処理装置200は、処理装置200から検出装置100に電源を供給する電源線L1及び回路のグラウンドと接続される接地線L2、並びに電気信号を伝送する信号線L3によって接続される検出システムである。
【0003】
検出装置100で検出される特定の物理量とは、例えば電流であって、検出部101に入力される電流を検出部101に設けられたシャント抵抗(図示せず)で電圧変換し、該電圧信号を上記出力部102、入力部201を介して処理部202に入力することで入力電流の検出結果に応じた処理を行う。
【0004】
検出装置100の検出部101及び出力部102は、処理装置200に設けられて入力部201及び処理部202に電源を供給する電源部203から電源線L1と接地線L2を介して電源が供給されている。尚、接地線L2は、検出装置100の回路のグラウンドと処理装置200の回路のグラウンドとを接続している。信号線L3は、検出装置100の出力部102の出力端子と処理装置200の入力部201の入力端子とを接続している。
【0005】
出力部102の出力端子と電源線L1との間及び出力部102の出力端子と接地線L2との間には、それぞれ順方向及び逆方向の過電圧が出力部102に印加されないように保護ダイオードD1,D2を挿入している。尚、信号線L3は処理装置200において入力部201のプルダウン抵抗RLを介して接地線L2と接続することでプルダウンされている。
【0006】
以下、上記従来例の動作説明をする。先ず、検出部101で特定の物理量を電気信号に変換し、変換された電気信号を出力部102で増幅して電流信号(アナログ信号)を出力し、信号線L3と接地線L2を介して処理装置200の入力部201に送る。アナログ信号は入力部201のプルダウン抵抗RLに流れ込み、その電圧降下分がバッファ201aを介して処理部202に入力される。処理部202は、入力される電圧値が所定の範囲内にある場合は通常の処理を行い、所定の範囲外にある場合には異常があると判定して適切な処理を行う。
【0007】
具体的には、電源部203から5Vの電圧が検出装置100及び処理装置200に供給されているとすると、検出装置100は正常な動作時には負荷抵抗RLにおいて0.5〜4.5Vとなるアナログ信号を処理部202に出力する。検出装置100に何らかの異常がある場合には、自動的に又は自己診断機能が働いて負荷抵抗RLにおいて0〜0.5V、又は4.5〜5Vとなるアナログ信号を処理部202に出力する。処理部202は、入力される電圧値が0.5〜4.5Vの場合は通常の処理を行い、0〜0.5V、又は4.5〜5Vの場合は異常があると判定して適切な処理を行う。例えば、電源線L1が断線した場合には、負荷抵抗RLにおいて0Vとなるアナログ信号を処理部202に出力するため、異常があると判定される。同様に、信号線L3が断線した場合には、負荷抵抗RLにおいて0Vとなるアナログ信号を処理部202に出力するため、異常があると判定される。
【特許文献1】特開平11−301383号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来例では、接地線L2が断線した場合に、検出装置100において回路のグラウンドの電位が信号線L3の電位よりも高くなり、電源線L1と回路のグラウンドとの間を流れる電流が保護ダイオードD2を通して処理装置200の入力部201の負荷抵抗RLに流れ込んで電圧降下を生じるため、出力部102の内部インピーダンスが高ければ正常時の0.5〜4.5Vのアナログ信号が処理部202に出力され、接地線L2の断線を判定し難いという問題があった。
【0009】
本発明は、上記の点に鑑みて為されたもので、接地線の断線を容易に判定することのできる検出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、特定の物理量を検出する検出装置と、検出装置からの出力を処理する処理装置とから成り、検出装置は、前記物理量を電気信号に変換する検出部と、検出部から出力される電気信号に応じて変換した電気信号を処理装置に出力する第一の出力部と、検出部から出力される電気信号に応じて変換した電気信号を処理装置に出力し且つ第一の出力部と出力特性の異なる第二の出力部とを備え、検出装置及び処理装置は、処理装置から検出装置に電源を供給する電源線及び回路のグラウンドと接続される接地線、並びに接地線と対となって第一の出力部から処理装置に電気信号を伝送する第一の信号線及び接地線と対となって第二の出力部から処理装置に電気信号を伝送する第二の信号線によって接続される検出システムであって、処理装置は、第一の出力部から出力される電流信号を第一のプルダウン抵抗を介して電圧変換して処理部に入力する第一の入力部と、第二の出力部から出力される電流信号を第二のプルダウン抵抗を介して電圧変換して処理部に入力する第二の入力部とを備え、処理部は、第一の入力部からの出力信号と第二の入力部からの出力信号とを比較することで各電線の少なくとも何れか1本が断線したことを検出することを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、第一の出力部及び第二の出力部は、何れも入力信号を非反転増幅して出力する増幅器を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、第一の出力部は、非反転入力端子に検出部から出力される電気信号が入力されるとともに反転入力端子が抵抗を介して回路のグラウンドと接続され、出力端子に第一の信号線が接続される増幅器と、増幅器の出力端子と電源線との間及び増幅器の出力端子と接地線との間に各々挿入されるダイオードとから成り、第二の出力部は、非反転入力端子に検出部から出力される電気信号が入力されるとともに反転入力端子が抵抗を介して回路のグラウンドと接続され、出力端子に第二の信号線が接続される増幅器と、増幅器の出力端子と電源線との間及び増幅器の出力端子と接地線との間に各々挿入されるダイオードとから成ることを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、第一の出力部は、入力信号を非反転増幅して出力する第一の増幅器を備え、第二の出力部は、入力信号を反転増幅して出力する第二の増幅器を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、第一の出力部は、非反転入力端子に検出部から出力される電気信号が入力されるとともに反転入力端子が抵抗を介して回路のグラウンドと接続され、出力端子に第一の信号線が接続される第一の増幅器と、第一の増幅器の出力端子と電源線との間及び第一の増幅器の出力端子と接地線との間に各々挿入されるダイオードとから成り、第二の出力部は、非反転入力端子が回路のグラウンドと接続されるとともに反転入力端子に抵抗を介して検出部から出力される電気信号が入力され、出力端子に第二の信号線が接続される第二の増幅器と、第二の増幅器の出力端子と電源線との間及び第二の増幅器の出力端子と接地線との間に各々挿入されるダイオードとから成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、検出部から出力される電気信号に応じて変換した電気信号を処理装置に出力する第一の出力部と、第一の出力部から出力される電気信号に応じて変換した電気信号を処理装置に出力し且つ第一の出力部と出力特性の異なる第二の出力部と、第一の出力部から第一の入力部を介して出力される信号と第二の出力部から第二の入力部を介して出力される信号とを比較する処理部を備えたので、各出力部の正常動作時の入出力特性に基づいて各出力部の接地線の断線時の出力信号を比較することで接地線の断線を容易に判定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(実施形態1)
以下、本発明に係る検出システムの実施形態1について図面を用いて説明する。本実施形態は、図1に示すように、特定の物理量(本実施形態では電流)を検出する検出装置1と、検出装置1からの出力を処理する処理装置2とから成る。検出装置1は、入力電流を電圧信号に変換する検出部10と、検出部10から出力される電圧信号を電流信号に変換して処理装置2に出力する第一の出力部11と、検出部10から出力される電圧信号を電流信号に変換して処理装置2に出力する第二の出力部12とを備える。処理装置2は、第一のプルダウン抵抗RL1及びオペアンプ20aから成る周知の電流電圧変換回路であって第一の出力部11から出力される電流信号を電圧信号に変換して処理部22に入力する第一の入力部20と、第二のプルダウン抵抗RL2及びオペアンプ21aからなる周知の電流電圧変換回路であって第二の出力部12から出力される電流信号を電圧信号に変換して処理部22に入力する第二の入力部21と、第一の入力部20からの出力電圧及び第二の入力部21からの出力電圧を処理する処理部22とを備える。
【0017】
検出装置1の検出部10及び第一の出力部11及び第二の出力部12には、処理装置2に設けられて第一の入力部20及び第二の入力部21及び処理部22に電源を供給する電源部23から電源線L1と接地線L2とを介して電源が供給されている。尚、接地線L2は、検出装置1の回路のグラウンドと処理装置2の回路のグラウンドとを接続している。また、第一の出力部11の出力端子と第一の入力部20の入力端子との間、及び第二の出力部12の出力端子と第二の入力部21の入力端子との間は各々第一の信号線L3及び第二の信号線L4を介して接続されている。
【0018】
第一の出力部11は、図2(a)に示すように、非反転入力端子に検出部10から出力される電圧信号が入力されるとともに反転入力端子が抵抗R1を介して接地線L2と接続されたオペアンプ11aを備え、反転入力端子と出力端子との間に抵抗R2を挿入した周知の電圧電流変換回路となっている。また、オペアンプ11aの出力端子と電源線L1との間、及びオペアンプ11aの出力端子と接地線L2との間には、順方向及び逆方向の過電圧からオペアンプ11aを保護するための保護ダイオードD1,D2がそれぞれ挿入されている。
【0019】
第二の出力部12は、図2(a)に示すように、非反転入力端子に検出部10から出力される電圧信号が入力されるとともに反転入力端子が抵抗R3を介して接地線L2と接続されたオペアンプ12aを備え、反転入力端子と出力端子との間に抵抗R4を挿入した周知の電圧電流変換回路となっている。また、オペアンプ12aの出力端子と電源線L1との間、及びオペアンプ12aの出力端子と接地線L2との間には、順方向及び逆方向の過電圧からオペアンプ12aを保護するための保護ダイオードD3,D4がそれぞれ挿入されている。
【0020】
以下、本実施形態の動作説明をする。先ず、検出部10に電流が入力されると、検出部10に設けられたシャント抵抗10aで入力電流を電圧信号に変換し、変換された電圧信号を第一の出力部11及び第二の出力部12各々で電流信号に変換して出力し、第一の信号線L3及び接地線L2、並びに第二の信号線L4及び接地線L2を介して処理装置2の第一の入力部20及び第二の入力部21にそれぞれ送る。各電流信号は、それぞれ第一の入力部20及び第二の入力部21において電圧変換されて処理部22に出力される。処理部22は、各入力部20,21から出力される電圧値が所定の範囲内にある場合は通常の処理を行い、所定の範囲外にある場合には異常があると判定して適切な処理を行う。
【0021】
具体的には、電源部23から5Vの電圧が検出装置1及び処理装置2に供給されているとすると、検出装置1は、正常な動作時には第一の入力部20及び第二の入力部21それぞれにおいて0.5〜4.5Vとなる電圧信号を処理部22に出力する。検出装置1に何らかの異常がある場合には、自動的に又は自己診断機能が働いて第一の入力部20又は第二の入力部21において0〜0.5V、又は4.5〜5Vとなる電圧信号を処理部22に出力する。例えば、電源線L1が断線した場合には、第一の入力部20及び第二の入力部21の何れにおいても0Vとなる電圧信号を処理部22に出力する。また、第一の信号線L3が断線した場合には、第一の入力部20において0Vとなる電圧信号を処理部22に出力し、第二の信号線L4が断線した場合には、第二の入力部21において0Vとなる電圧信号を処理部22に出力する。上述のようにして、電源線L1、第一の信号線L3、第二の信号線L4の断線を判定することができる。
【0022】
ここで、接地線L2の断線の判定動作について図2(b)を用いて説明する。本実施形態では、検出部10に入力される入力電流を第一の出力部11、第一の信号線L3、第一の入力部20を介して処理部22に電圧変換して出力する第一の経路と、検出部10に入力される入力電流を第二の出力部12、第二の信号線L4、第二の入力部21を介して処理部22に電圧変換して出力する第二の経路とでそれぞれ異なる入出力特性を有している。即ち、図2(b)に示すように、第一の経路では、約−50A〜約50Aの入力電流に対して処理部22に出力される電圧(以下、「出力電圧」と呼ぶ)が約0.5V〜約4.5Vの間で急峻に変化するナローレンジの入出力特性であって、第二の経路では、約−200A〜約200Aの入力電流に対して出力電圧が約0.5V〜約4.5Vの間で緩やかに変化するワイドレンジの入出力特性となっている。処理部22は、上記各経路の入出力特性を参照して、各経路の出力電圧からそれぞれ入力電流の検出値を求める。
【0023】
ここで、接地線L2が断線していない正常動作時であれば、各経路の出力電圧は入力電流に応じた値となるため、処理部22において各経路の出力電圧から求められる入力電流の検出値は等しくなるが、接地線L2が断線した場合には、各経路の出力電圧は入力電流と無関係の値となるため、処理部22において各経路の出力電圧から求められる入力電流の検出値は互いに異なる。したがって、処理部22において各経路の出力電圧から求められる入力電流の検出値を比較することで接地線L2が断線しているかどうかを判定することができる。
【0024】
例えば、図2(b)に示すように、第一の経路の出力電圧が約4.5V、第二の経路の出力電圧が約4Vを示す場合、何れの経路でも入力電流の検出値が約150Aと同じ大きさであるため、正常状態であると判定される。接地線L2が断線したとすると、第一の経路及び第二の経路の出力電圧は何れも約3.5Vを示すが、処理部22において第一の経路の出力電圧から求められる入力電流の検出値が約20Aであるのに対して、第二の経路の出力電圧から求められる入力電流の検出値が約100Aとなり、入力電流の検出値が互いに異なることから接地線L2が断線したと判定される。
【0025】
上述のように、各経路の出力電圧から求められる入力電流の検出値を比較することで接地線L2の断線を容易に判定することができる。
【0026】
(実施形態2)
以下、本発明に係る検出システムの実施形態2について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、実施形態1と共通の部位には同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態は第二の出力部12に特徴があり、図3(a)に示すように、オペアンプ12aの非反転出力端子に接地線L2が接続されるとともに反転入力端子に抵抗R3を介して検出部10の出力信号が入力され、反転入力端子と出力端子との間に抵抗R4を挿入した、所謂反転増幅回路となっている。したがって、本実施形態の第二の出力部12の出力信号は、実施形態1の第二の出力部12の出力信号を反転させたものとなるので、本実施形態の第二の経路の入出力特性は実施形態1の第二の経路の入出力特性を反転させたものとなる(図3(b)参照)。
【0027】
以下、本実施形態における接地線L2の断線の判定動作について図3(b)を用いて説明する。本実施形態では、接地線L2が断線していない正常動作時であれば、各経路の出力電圧は入力電流に応じた値となるため、各経路の出力電圧の大きさが互いに異なるが、接地線L2が断線した場合には、各経路の出力電圧は入力電流と無関係の同じ値を示す。したがって、処理部22において各経路の出力電圧の大きさを比較することで接地線L2が断線しているかどうかを判定することができる。
【0028】
例えば、図3(b)に示すように、第一の経路の出力電圧が約4.5V、第二の経路の出力電圧が約1Vを示す場合、各経路の出力電圧の差が0Vより大きいために正常状態であると判定される。ここで、接地線L2が断線したとすると、第一の経路及び第二の経路の出力電圧は何れも約3.5Vと同じ値を示す。したがって、各経路の出力電圧が等しくなることから接地線L2が断線したと判定される。
【0029】
上述のように、各経路の出力電圧の大きさを比較することで接地線L2の断線を容易に判定することができる。但し、正常動作時においても第一の経路の出力電圧と第二の経路の出力電圧が等しくなる場合がある(例えば、図3(b)において第一の経路の出力電圧と第二の経路の出力電圧とが何れも約2.5Vの場合)。この場合、接地線L2が断線すると各経路の出力電圧が何れも約3.5Vを示すことから、何れかの経路の出力電圧が約2.5Vであれば正常状態であると判定することができる。
【0030】
尚、上記各実施形態では、検出部10においてシャント抵抗10aを用いて電流を検出する構成となっているが、検出部10の構成はこれに限定される必要は無く、他の物理量を検出するように構成にしても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態1の検出システムを示す回路図である。
【図2】同上の第一の出力部及び第二の出力部を示す図で、(a)は回路図で、(b)は入出力特性を示すグラフである。
【図3】本発明の実施形態2の検出システムにおける第一の出力部及び第二の出力部を示す図で、(a)は回路図で、(b)は入出力特性を示すグラフである。
【図4】従来の検出システムを示す回路図である。
【符号の説明】
【0032】
1 検出装置
10 検出部
11 第一の出力部
12 第二の出力部
2 処理装置
20 第一の入力部
21 第二の入力部
22 処理部
L1 電源線
L2 接地線
L3 第一の信号線
L4 第二の信号線
RL1 第一のプルダウン抵抗
RL2 第二のプルダウン抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の物理量を検出する検出装置と、検出装置からの出力を処理する処理装置とから成り、検出装置は、前記物理量を電気信号に変換する検出部と、検出部から出力される電気信号に応じて変換した電気信号を処理装置に出力する第一の出力部と、検出部から出力される電気信号に応じて変換した電気信号を処理装置に出力し且つ第一の出力部と出力特性の異なる第二の出力部とを備え、検出装置及び処理装置は、処理装置から検出装置に電源を供給する電源線及び回路のグラウンドと接続される接地線、並びに接地線と対となって第一の出力部から処理装置に電気信号を伝送する第一の信号線及び接地線と対となって第二の出力部から処理装置に電気信号を伝送する第二の信号線によって接続される検出システムであって、処理装置は、第一の出力部から出力される電流信号を第一のプルダウン抵抗を介して電圧変換して処理部に入力する第一の入力部と、第二の出力部から出力される電流信号を第二のプルダウン抵抗を介して電圧変換して処理部に入力する第二の入力部とを備え、処理部は、第一の入力部からの出力信号と第二の入力部からの出力信号とを比較することで各電線の少なくとも何れか1本が断線したことを検出することを特徴とする検出システム。
【請求項2】
前記第一の出力部及び第二の出力部は、何れも入力信号を非反転増幅して出力する増幅器を備えたことを特徴とする請求項1記載の検出システム。
【請求項3】
前記第一の出力部は、非反転入力端子に検出部から出力される電気信号が入力されるとともに反転入力端子が抵抗を介して回路のグラウンドと接続され、出力端子に第一の信号線が接続される増幅器と、増幅器の出力端子と電源線との間及び増幅器の出力端子と接地線との間に各々挿入されるダイオードとから成り、第二の出力部は、非反転入力端子に検出部から出力される電気信号が入力されるとともに反転入力端子が抵抗を介して回路のグラウンドと接続され、出力端子に第二の信号線が接続される増幅器と、増幅器の出力端子と電源線との間及び増幅器の出力端子と接地線との間に各々挿入されるダイオードとから成ることを特徴とする請求項2記載の検出システム。
【請求項4】
前記第一の出力部は、入力信号を非反転増幅して出力する第一の増幅器を備え、第二の出力部は、入力信号を反転増幅して出力する第二の増幅器を備えたことを特徴とする請求項1記載の検出システム。
【請求項5】
前記第一の出力部は、非反転入力端子に検出部から出力される電気信号が入力されるとともに反転入力端子が抵抗を介して回路のグラウンドと接続され、出力端子に第一の信号線が接続される第一の増幅器と、第一の増幅器の出力端子と電源線との間及び第一の増幅器の出力端子と接地線との間に各々挿入されるダイオードとから成り、第二の出力部は、非反転入力端子が回路のグラウンドと接続されるとともに反転入力端子に抵抗を介して検出部から出力される電気信号が入力され、出力端子に第二の信号線が接続される第二の増幅器と、第二の増幅器の出力端子と電源線との間及び第二の増幅器の出力端子と接地線との間に各々挿入されるダイオードとから成ることを特徴とする請求項4記載の検出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−210134(P2008−210134A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−45975(P2007−45975)
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】