説明

検出センサ

【課題】タイマ機能設定手段により被検出物の検出状態と出力状態とが異なるタイマ機能に設定されていることを容易に確認することができる検出センサを提供する。
【解決手段】ファイバセンサ10のセンサ本体11の上面にしきい値レベルを表示する第1表示部14と検出信号レベルを表示する第2表示部15を設ける。又、センサ本体11の上面にアップスイッチ16、ダウンスイッチ17及びモードスイッチ18を設ける。モードスイッチ18によりTIMER(タイマ)を第1表示部14に選択設定し、タイマモード表示灯33を点灯するとともに、検出状態と異なる表示状態に設定する。タイマモードから通常の検出状態のRUN(ランモード)に切り替えられた後も、タイマモード表示灯33の点灯を継続し、タイマ機能が設定されていることを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電センサ、磁気センサ或いは圧力センサ等の各種の検出センサに関する。
【背景技術】
【0002】
各種の製品を生産する生産ラインには、被検出物(製品)を搬送するコンベアが設けられている。このコンベアの左右両側部には、被検出物の移動を検出するための光電センサの投光器と受光器が設けられている。前記投光器から受光器に入射され光が被検出物によって遮光されると、前記受光器に入る受光量が零となり、被検出物の移動が検出され、被検出物の検出状態が動作表示灯の点灯によって表示される。コンベアによる複数の被検出物の搬送速度が同じ場合には、図11(a)に示すように各被検出物の大きさによって投光器から受光器へ入射される光の遮光時間(非入光)が異なる。通常は各被検出物の検出状態は、図11(b)に示すように各遮光時間と同じ時間だけ動作表示灯が点灯されることにより表示される。
【0003】
例えば、コンベアによって搬送される複数の被検出物のうち所定の大きさ以上の被検出物のみを検出したい場合には、図11(c)に示すように前記遮光時間が予め設定された所定時間Tを超えた場合のみタイマ機能設定手段を用いて、検出信号を出力するようにしたオンディレイのタイマ機能の設定が行われる。又、例えば被検出物が小さくて動作表示灯の点灯時間が短い場合に、作業者による各被検出物の検出状態の確認を行い易くするため、図11(d)に示すように検出状態が終了した後も動作表示灯の点灯時間を、予め設定された所定時間Tだけ延長させるオフディレイのタイマ機能の設定も行われる。さらに、各被検出物の大小による遮光時間の長短に係らず、図11(e)に示すように予め設定された所定時間Tだけ動作表示灯を点灯させるワンショットのタイマ機能の設定も行われる。
【0004】
特許文献1には、光電センサに備えられたタイマ動作設定機能により検出状態と異なる出力動作を行うタイマ機能を設定する旨の構成が開示されている。そして、デジタル表示画面がランモードからタイマモードに切り替えられると、ラン表示灯が消灯され、タイマモード表示灯が点灯される。この状態で、デジタル表示画面において、例えばオフディレイの設定が行われる。その後、タイマモードからランモードに切り替えられると、タイマモード表示灯は消灯され、ラン表示灯が点灯される。
【特許文献1】特開2005−195631号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記従来の光電センサは、タイマモードからランモードに切り替えられると、タイマモード表示灯が消灯されるので、以下のような問題があった。即ち、タイマ機能の設定が行われていると、実際の被検出物の検出状態と動作表示灯の点灯状態が異なり、例えば、オンディレイの場合に、被検出物が検出エリアに存在して検出状態にあるにも拘わらず、動作表示灯が消灯状態にある。このとき、例えば、他の作業者によりオンディレイの設定が行われたことが作業者に知らされていなかったり、自ら設定したタイマ機能を忘れていたりすると、光電センサの検出動作が誤動作或いは誤検出であると勘違いすることになる。このように勘違いがあると、例えば、作業者が光電センサの無駄な点検を行うことになり、製品を生産する作業時間に無駄が生じることになる。
【0006】
本発明は上記従来の技術に存する問題点を解消して、タイマ機能設定手段により被検出物の検出状態と出力状態とが異なるタイマ機能に設定されていることを容易に確認することができる検出センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、被検出物を検出するための物理量に応じたレベルの検出信号を出力する物理量検出手段と、前記物理量検出手段から出力された検出信号レベルと予め設定されたしきい値レベルとの比較に基づいて、前記被検出物の検出状態又は非検出状態の判別を行う判別手段と、前記判別手段により検出状態と判別された場合に、所定の出力動作を行う出力手段と、デジタル表示手段と、操作手段の操作によって、前記デジタル表示手段の表示を切り替えながら、前記判別手段による前記被検出物の検出期間に対して所定のタイミングで前記出力手段の出力動作がなされるようにタイマ機能を設定するタイマ機能設定手段とを備える検出センサにおいて、前記タイマ機能設定手段によりタイマ機能が設定されている状態において、前記判別手段が前記被検出物の検出状態にあるとき、もしくは前記出力手段が出力動作を行っている状態にあるときの少なくともいずれか一方の状態にあるときに、前記タイマ機能が設定されていることを表示するタイマ機能表示手段を設けたことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記タイマ機能表示手段は、前記タイマ機能設定手段により前記タイマ機能が設定されている間は、タイマ機能に設定されていることを常時表示するように構成されていることを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、前記タイマ機能設定手段によるタイマ機能設定モードと、前記判別手段による判別動作を行う判別動作モードとの切り替えを行うモード切替手段と、前記モード切替手段によって切り替えられたモードを表示する判別動作モード表示灯及びタイマモード表示灯を備え、前記タイマ機能表示手段は、前記判別動作モードの状態において、前記タイマモード表示灯の点灯によって前記タイマ機能が設定されていることを表示するものであることを要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記タイマ機能表示手段は、前記判別手段が前記被検出物の検出状態にあるとき、もしくは前記出力手段が出力動作を行っている状態にあるときの少なくともいずれか一方の状態にあるときと、両方の状態にあるときとを識別可能に表示する機能を備えていることを要旨とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項4において、前記タイマ機能表示手段は、前記判別手段が前記被検出物の検出状態にあるとき、もしくは前記出力手段が出力動作を行っている状態にあるときのいずれか一方の状態にあるときの表示に際して、前記判別手段が前記被検出物の検出状態にあるときのみと、前記出力手段が出力動作を行っているときのみとを識別可能に表示する機能を備えていることを要旨とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項において、前記タイマ機能設定手段は、前記検出手段の検出状態が予め設定された設定時間を超えた場合に前記出力手段の出力動作を行うオンデイレイ、前記検出手段の検出状態が終了した後も、予め設定された設定時間だけ前記出力手段の出力動作を継続して行うオフデイレイ、前記検出手段の検出動作が開始されてから予め設定された設定時間、前記出力手段の出力動作を行うワンショット、前記オンデイレイとオフデイレイの組み合わせ、及びオンデイレイとワンショットの組み合わせのいずれか一種が設定されるように構成されていることを要旨とする。
【0013】
(作用)
この発明は、タイマ機能設定手段によりタイマ機能に設定されている状態において、前記判別手段が前記被検出物の検出状態にあるとき、もしくは前記出力手段が出力動作を行っている状態にあるときの少なくともいずれか一方の状態にあるときに、前記タイマ機能表示手段により前記タイマ機能が設定されていることが表示される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、タイマ機能表示手段により被検出物の検出状態と出力状態とが異なるタイマ機能に設定されていることが表示されるので、タイマ機能の設定状態を容易に確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(第1の実施形態)
以下、本発明をファイバセンサに具体化した第1の実施形態を図1〜図3に従って説明する。
【0016】
図1に示すように、ファイバセンサ10のセンサ本体11は、ほぼ直方体に形成されるとともに、その上面には、例えば8桁のデジタル表示が可能なデジタル表示部12が設けられている。デジタル表示部12の先端側(図1において左側)には、例えば、LED(発光ダイオード)からなる動作表示灯13が設けられている。デジタル表示部12には、ファイバセンサ10が備える複数の機能(例えば、しきい値レベルの設定及びその微調整)や各種設定値等が表示される。デジタル表示部12は4桁を表示する4つの7セグメントLED14a〜14dからなる第1表示部14と、4桁を表示する4つの7セグメントLED15a〜15dからなる第2表示部15とが1列に接続されている。
【0017】
又、センサ本体11の上面にはデジタル表示部12の基端側(図1において右側)に一対の三角形状の操作手段としてのアップスイッチ16及びダウンスイッチ17が設けられるとともに、ダウンスイッチ17の基端側(図1において右側)に近接して、四角形状の操作手段及びモード切替手段としてのモードスイッチ18が設けられている。アップスイッチ16及びダウンスイッチ17は、それぞれの押圧操作によりデジタル表示部12に表示される各種の機能等を互いに逆方向の順序で切り替えるためのものである。前記モードスイッチ18は、その押圧操作により、デジタル表示部12に表示される後述するモードを変更するためのものである。
【0018】
図2に示すように、前記ファイバセンサ10は、投光素子21を備える投光回路22と、物理量検出手段としての受光素子23を備える受光回路24と、判別手段としての機能を有するCPU25とを備えている。CPU25内には、記憶手段としてのメモリ26及びタイマ27が備えられている。投光回路22はCPU25からの出力信号を受けて投光素子21を発光させる。発光された光は、受光素子23によって光電変換されて受光回路24で増幅され、受光素子23での受光量に応じたレベルの出力信号がCPU25に出力される。
【0019】
図1に示すセンサ本体11に接続された投光用ファイバ及び受光用ファイバ(図示略)の先端が順次搬送される被検出物(ワーク)Wの搬送経路(図2の白抜き矢印の方向)の両側に配置されるとともに、該搬送経路と垂直方向に沿って対向するように配置されている。そして、両ファイバを介して形成される投光素子21及び受光素子23間の光路(検出領域)内への被検出物Wの進入量によって変化する受光素子23の受光量に応じたレベルの出力信号(アナログ信号)が、受光回路24からCPU25へ出力されるように構成されている。CPU25は、前記出力信号をサンプリングした複数、例えば三つの測定点での受光(検出)信号レベルの移動平均値(以下、平均値という)を算出し、該平均値としきい値レベルの大小を比較する。そして、CPU25は平均値としきい値レベルの比較結果に応じて反転する検出信号を出力手段としての出力回路28に出力するとともに、前記動作表示灯13を例えば赤色に点灯させる。
【0020】
前記CPU25は、表示回路29を介してデジタル表示部12の7セグメントLED14a〜14d、15a〜15dを駆動し、デジタル表示部12に文字、数字、記号を表示する。又、CPU25は、スイッチ入力回路30を介してアップスイッチ16及びダウンスイッチ17及びモードスイッチ18の操作を検出し、アップスイッチ16、ダウンスイッチ17及びモードスイッチ18の操作に応じて、デジタル表示部12の表示(切り替え表示)を制御する。この実施形態では前記デジタル表示部12、CPU25及び表示回路29によりデジタル表示手段が構成されている。
【0021】
図2に示すように、前記CPU25には、被検出物Wの検出動作を実行する通常検出状態をRUN(ラン)として表示するラン表示灯31が接続され、該ラン表示灯31は図1に示すようにセンサ本体11のデジタル表示部12と動作表示灯13との間に設けられている。前記CPU25には、図2に示すようにしきい値レベルの設定を実行する設定状態をTEACH(ティーチング)として表示するティーチングモード表示灯32が接続され、該ティーチングモード表示灯32は図1に示すように前記ラン表示灯31の近傍に設けられている。図2に示すように、前記CPU25にはタイマ動作の設定を実行する設定状態をTIMER(タイマ)として表示するタイマモード表示灯33が接続され、該タイマモード表示灯33は図1に示すように前記ティーチングモード表示灯32の近傍に設けられている。
【0022】
デジタル表示部12に表示される各機能は、関連するもの同士がまとめられて、上層(上位階層)及び下層(下位階層)の二層の階層構造に分類されており、アップスイッチ16、ダウンスイッチ17及びモードスイッチ18の操作によって各機能を実行することができる。
【0023】
具体例を示すと、図3(a)に示すように、上層には、「RUN(被検出物Wの検出動作を実行する通常検出状態)」、「TEACH(しきい値レベルの設定)」、「TIMER(タイマ機能の設定)」の各機能が分類されている。又、図3(b)に示すように、上層の一段下位の下層には、「TIMER」に対応する三種類のタイマ機能、つまりオフデイレイ(OFD)、オンデイレイ(OND)及びワンショット(OSD)、タイマオフ(OFF)の各機能が分類されている。
【0024】
ファイバセンサ10によって被検出物Wが検出されている状態において、第1表示部14にはしきい値レベルが表示されるとともに、第2表示部15には受光信号レベルが表示される。この状態で、モードスイッチ18が押圧操作されると、デジタル表示部12の下4桁の第1表示部14に上層の機能「RUN」が表示される。この状態で、例えばアップスイッチ16が押圧操作されると、図3(a)に示すように、第1表示部14に表示される上層の機能がその操作回数に応じて、「RUN」、「TEACH」、「TIMER」の順でループ状に切り替えられる。又、ダウンスイッチ17が押圧操作されると、その操作回数に応じて、第1表示部14に表示される上層の機能が、アップスイッチ16が押圧操作される場合とは逆向きの順番でループ状に切り替えられる。
【0025】
さらに、第1表示部14に上層の機能「RUN」、「TEACH」及び「TIMER」のいずれかが表示されている状態で、アップスイッチ16及びダウンスイッチ17が同時に押圧操作されると、当該機能が確定され、それらに係わる処理が許容される。この上層の各機能(モード)について、以下に説明する。
〔ラン(RUN)モード〕
前記ファイバセンサ10がラン(RUN)モードに設定された状態では、ラン表示灯31のみが点灯されるとともに、被検出物Wの通常検出状態となる。前述したように第1表示部14にはしきい値レベルが表示されるとともに、第2表示部15には受光信号レベルが表示される。なお、このランモードにおいて、前記アップスイッチ16及又はダウンスイッチ17が押圧操作されてもモードの切り替えは行われない。
〔ティーチング(TEACH)モード〕
前記ファイバセンサ10がティーチングモードに設定された状態では、ティーチングモード表示灯32のみが点灯されるとともに、しきい値の設定を実行する状態となり、第1表示部14にはしきい値レベルが表示され、第2表示部15には受光信号レベルが表示される。そして、前記アップスイッチ16の押圧操作により第1表示部14に表示されるしきい値が1ずつ増加し、ダウンスイッチ17の押圧操作により第1表示部14に表示されるしきい値が1ずつ減少する。アップスイッチ16及びダウンスイッチ17が同時に押圧操作されると、第1表示部14に表示されているしきい値が確定される。又、このしきい値の確定の後、ファイバセンサ10がランモードに切り替えられると、ティーチングモード表示灯32が消灯され、ラン表示灯31が点灯される。
〔タイマ(TIMER)モード〕
前記ファイバセンサ10がタイマモードに設定された状態では、タイマモード表示灯33のみが点灯されるとともに、第1表示部14には三種類のタイマ機能のうち図3(b)に示すオフディレイ(OFD)が表示され、第2表示部15にはタイマ時間が表示される。この状態において、前記アップスイッチ16の押圧操作により第1表示部14に表示されるタイマ機能がオフデイレイ(OFD)、オンデイレイ(OND)、ワンショット(OSD)、タイマオフ(OFF)の順に切り替え表示される。反対に、ダウンスイッチ17の押圧操作で第1表示部14に表示される三種類のタイマ機能、タイマオフがアップスイッチ16の押圧操作とは逆の順に切り替え表示される。アップスイッチ16及びダウンスイッチ17が同時に押圧操作されると、第1表示部14に表示されている例えばオンディレイ(OND)が確定され、次に述べるタイマ時間の設定に移行する。
【0026】
このタイマ時間の設定は、アップスイッチ16及びダウンスイッチ17の押圧操作により行われる。前記アップスイッチ16の押圧操作により第2表示部15に表示されているタイマ時間が0〜9999の間でアップスイッチ16を押す度に1ずつ増加し、ダウンスイッチ17を押す度に1ずつ減少する。アップスイッチ16及びダウンスイッチ17が同時に押圧操作されると、第2表示部15に表示されているタイマ時間が設定される。
【0027】
上記のタイマ機能の設定が終了すると、モードスイッチ18の押圧操作によってファイバセンサ10がタイマモードからランモードに切り替えられ、通常の被検出物の検出動作が行われる。
【0028】
次に、本発明の要部構成について説明する。
ファイバセンサ10が上述したようにタイマモードからランモードに切り替えられた後、タイマモード表示灯33が点灯から消灯に切り替えられると、作業者はタイマ機能が設定されていることを確認することができない。これを解決するために、この実施形態では、CPU25に対しタイマ機能が設定されている状態においては、前記タイマモード表示灯33を常時点灯させる機能を付与している。そして、前記CPU25とタイマモード表示灯33とによりタイマ機能表示手段を構成し、作業者がタイマ機能が設定されていることを容易に確認することができるようにしている。
【0029】
上記第1の実施形態のファイバセンサ10によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記第1の実施形態では、前記センサ本体11にタイマモード表示灯33を設け、タイマ機能が設定された場合に、その状態をタイマモード表示灯33を点灯することにより表示するようにした。このため、作業者はタイマモード表示灯33の点灯によってタイマ機能が設定されていることを容易に確認できるので、被検出物の検出状態と出力状態、つまり動作表示灯13の点灯状態との不一致による勘違いを防止することができる。
【0030】
(2)上記第1の実施形態では、タイマ機能に設定されている間は、タイマモード表示灯33を常時点灯するようにしたので、作業者はタイマ機能が設定されていることを何時でも容易に認識することができる。
【0031】
(3)上記第1の実施形態では、タイマ機能の設定時に点灯するタイマモード表示灯33に対し、タイマ機能の設定後も、タイマ機能表示手段としての機能を兼用するようにしたので、部品点数を低減してファイバセンサ10の小型化及び低コスト化を図ることができる。
【0032】
次に、この発明の第2〜第6の実施形態を図4〜図8に基づいて順次説明する。
(第2の実施形態)
この第2の実施形態は、前述した本実施形態の図1及び図2に示すファイバセンサ10を用いて、図4に示す以下の動作を行わせるように構成したものである。図4において、ステップS1でラン表示灯31が点灯された状態で、ステップS2でCPU25によって前述した三種類のタイマ機能のいずれか一種のタイマ機能が設定されているか否かが判別される。このステップS2でイエスと判別された場合には、ステップS3でCPU25によって出力回路28からデジタル表示部12及び動作表示灯13に対し出力動作が実行されているか否かが判別され、イエスと判別された場合には、ステップS4で出力動作中にタイマモード表示灯33を点灯する。
【0033】
次に、ステップS5でCPU25により出力動作が終了したか否かが判別され、イエスと判別された場合には、ステップS6でタイマモード表示灯33が点灯から消灯に切り替えられる。
【0034】
上記第2の実施形態においては、出力回路28の出力動作が実行されているときのみに、タイマ機能が設定されていることをタイマモード表示灯33によって表示するようにしたので、確認の不必要な時期にタイマモード表示灯33が点灯されず、作業者がタイマ機能の設定の有無の確認作業を適正に行うことができる。
(第3の実施形態)
この実施形態のファイバセンサ10は、第1の実施形態において、図5に示すように、センサ本体11の動作表示灯13とティーチングモード表示灯32との間に前記CPU25に接続されたタイマ機能表示手段としてのタイマ機能表示灯34を設けたものである。
【0035】
この第3の実施形態においては、三種類のタイマ機能のいずれかを選択して設定する作業の際に、タイマモード表示灯33が点灯され、タイマ機能の設定後に、タイマモード表示灯33が消灯されるとともに、タイマ機能表示灯34が点灯される。第3の実施形態において、前記タイマ機能表示灯34を出力回路28の出力動作時にのみ点灯させるようにしてもよい。
(第4の実施形態)
この実施形態のファイバセンサ10は、第1の実施形態のファイバセンサ10に対し図6に示すようにセンサ本体11の第1表示部14とティーチングモード表示灯32との間に第1表示部14の構成と同様のタイマ機能表示手段としての4桁を表示する4つの7セグメントLED35a〜35dからなる第3表示部35を設けたものである。
【0036】
この第4の実施形態は、前記第3表示部35に対しタイマ機能の設定状態でば「タイマON」、タイマ非設定状態では、「タイマOFF」と表示される。タイマONの状態において、オフデイレイ(OFD)、オンデイレイ(OND)、ワンショット(OSD)のいずれかの文字を表示するようにしてもよい。
(第5の実施形態)
第5の実施形態のファイバセンサ10は、タイマ機能の働きによって、検出動作の時期と、出力動作つまり動作表示灯13の点灯動作の時期が一致していない時期に、タイマモード表示灯33を点滅させるように構成したものである。このファイバセンサ10の動作を、タイマ機能がオンディレイに設定された場合について、図7に基づいて説明する。ステップS1において、ラン表示灯31が点灯され、ステップS2で、CPU25によりオンディレイか否か判別され、イエスの場合にはステップS3で、検出動作が開始されるとともに、ステップS4でタイマモード表示灯33の点滅が開始される。次に、所定時間経過後に、ステップS5で出力動作が開始されるとともに、この開始と同期してステップS6でタイマモード表示灯33が点滅から点灯に変更される。さらに、ステップS7で検出動作及び出力動作が終了され、これと同期してステップS8でタイマモード表示灯33の点灯が継続される。
【0037】
前記タイマ機能がオフディレイに設定された場合には、詳述しないが、図8に示すフローチャートに基づいてタイマモード表示灯33の点灯、点滅及び点灯が行われる。又、前記タイマ機能がワンショットに設定された場合には、図9に示すフローチャートに基づいてタイマモード表示灯33の点灯、点滅及び点灯が行われる。
【0038】
この第5の実施形態では、タイマ機能がオンディレイ、オフデイレイ又はワンショットに設定された状態で、検出動作の時期と、動作表示灯13の点灯動作の時期が一致している時期と一致していない時期とを、タイマモード表示灯33の点灯及び点滅又は点滅及び点灯により区別して、両者の状態の相違を個別に識別することができる。このため、動作表示灯13による表示内容を適正に確認することができる。
【0039】
前述したタイマモード表示灯33の点滅に代えて、タイマ機能表示灯34を点滅させたり、図6に示す第3表示部35に表示させた「タイマON」を点滅させたり、第3表示部35に表示させた「dELa(delayの略)」を点滅させたりしてもよい。
(第6の実施形態)
この実施形態では、ファイバセンサ10がランモードにある状態において、CPU25に対し、前記モードスイッチ18が予め設定された設定時間(例えば3秒)以上長く押圧された場合にランモードからタイマモードにジャンプさせる機能を付与したものである。
【0040】
図10に示すようにステップS1でラン表示灯31が点灯され、ステップS2で、第1表示部14にしきい値レベルが、第2表示部15に検出信号レベルがそれぞれ表示される。ステップS3で、タイマ機能が設定され、タイマモード表示灯33が点灯される。ステップS4でモードスイッチ18が長押しされたか否かが判別され、イエスの場合には、ステップS5で第1表示部14にタイマ機能の設定状態(例えばオフディレイ)が表示されるとともに、第2表示部15に設定されたタイマ時間が表示される。ステップS6で再びモードスイッチ18が長押しされたか否かが判別され、イエスの場合には、ステップS7でオフディレイからランモードに切り替えられ、第1表示部14にしきい値レベルが表示されるとともに、第2表示部15に検出信号レベルが表示される。
【0041】
なお、この第6の実施形態においては、前記第1及び第2表示部14,15の表示内容が変化するだけであるため、モード自体はランモードのままで、検出動作は通常通り継続される。
【0042】
上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・図11(c)のオンデイレイに示す検出状態にのみある期間(設定時間T)と、図11(d)のオフデイレイに示すように出力状態にのみある期間(設定時間T)とのうち前者の期間は、例えばタイマモード表示灯33の点滅を1秒間隔で行い、後者の期間はタイマモード表示灯33の点滅を5秒間隔で行うようにしてもよい。この場合には、オンデイレイとオフデイレイを識別することができる。
【0043】
・前記アップスイッチ16、ダウンスイッチ17、モードスイッチ18の操作によりタイマ機能が設定されている状態において、前記CPU25が前記被検出物Wの検出状態にあるとき、もしくは前記出力回路28が出力動作を行っている状態にあるときの少なくともいずれか一方の状態にあるときに、前記タイマ機能が設定されていることをタイマモード表示灯33の点灯により表示するようにしてもよい。
【0044】
・前記タイマ機能表示手段に対し、前記判別手段(CPU25)が前記被検出物の検出状態にあるとき、もしくは前記出力手段(出力回路28)が出力動作を行っている状態にあるときの少なくともいずれか一方の状態にあるときと、両方の状態にあるときとを識別可能にタイマモード表示灯33を例えば点灯と点滅とで区別して表示する機能を付与してもよい。
【0045】
・図示しないが、図1に示すファイバセンサ10の第1表示部14及び第2表示部15の少なくともいずれか一方にタイマ機能が設定されていること又はタイマオフに設定されていることを文字、コードあるいは記号等で表示するようにしてもよい。具体的には、第1表示部14又は第2表示部15にタイマオン(ON)やタイマオフ(OFF)を表示する。この場合には、通常の検出状態の表示であるしきい値レベルや検出値レベルの表示と、前記タイマ機能に関する上述の表示とを所定時間おきに交互に切り替え表示することが考えられる。
【0046】
・前記オンデイレイとオフデイレイの組み合わせ、及びオンデイレイとワンショットの組み合わせのいずれか一種をタイマ機能の選択肢に用いてもよい。
・本実施形態において、アップスイッチ16、ダウンスイッチ17及びモードスイッチ18の機能を一体化したジョグスイッチ(登録商標)を採用してもよい。
【0047】
・動作表示灯13を省略してもよい。
・本実施形態では、透過型のファイバセンサ10に具体化したが、これに限らず、反射型の光電センサに具体化したり、磁気センサ又は超音波センサ等の各種のセンサに具体化したりしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】この発明をファイバセンサに具体化した第1の実施形態を示す正面図。
【図2】ファイバセンサの電気的構成を示すブロック回路図。
【図3】(a)、(b)は機能の階層構造を示す説明図。
【図4】この発明の第2の実施形態のファイバセンサの動作を説明するフローチャート。
【図5】この発明の第3の実施形態のファイバセンサの正面図。
【図6】この発明の第4の実施形態のファイバセンサの正面図。
【図7】この発明の第5の実施形態のファイバセンサの動作を説明するフローチャート。
【図8】この発明の第5の実施形態のファイバセンサの動作を説明するフローチャート。
【図9】この発明の第5の実施形態のファイバセンサの動作を説明するフローチャート。
【図10】この発明の第6の実施形態のファイバセンサの動作を説明するフローチャート。
【図11】(a)〜(e)は、タイマ機能の種類を説明するためのタイミングチャート。
【符号の説明】
【0049】
W…被検出物、10…ファイバセンサ、12…デジタル表示手段としてのデジタル表示部、13…出力手段を構成する動作表示灯、14…第1表示部、15…第2表示部、16…操作手段としてのアップスイッチ、17…操作手段としてのダウンスイッチ、18…操作手段としてのモードスイッチ、23…物理量検出手段としての受光素子、25…判別手段としてのCPU、27…タイマタイマ機能設定手段としてのタイマ、28…出力手段としての出力回路、31…ラン表示灯、32…ティーチングモード表示灯、33…タイマ機能表示手段としてのタイマモード表示灯。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検出物を検出するための物理量に応じたレベルの検出信号を出力する物理量検出手段と、
前記物理量検出手段から出力された検出信号レベルと予め設定されたしきい値レベルとの比較に基づいて、前記被検出物の検出状態又は非検出状態の判別を行う判別手段と、
前記判別手段により検出状態と判別された場合に、所定の出力動作を行う出力手段と、
デジタル表示手段と、
操作手段の操作によって、前記デジタル表示手段の表示を切り替えながら、前記判別手段による前記被検出物の検出期間に対して所定のタイミングで前記出力手段の出力動作がなされるようにタイマ機能を設定するタイマ機能設定手段と
を備える検出センサにおいて、
前記タイマ機能設定手段によりタイマ機能が設定されている状態において、前記判別手段が前記被検出物の検出状態にあるとき、もしくは前記出力手段が出力動作を行っている状態にあるときの少なくともいずれか一方の状態にあるときに、前記タイマ機能が設定されていることを表示するタイマ機能表示手段を設けたことを特徴とする検出センサ。
【請求項2】
請求項1において、前記タイマ機能表示手段は、前記タイマ機能設定手段により前記タイマ機能が設定されている間は、タイマ機能に設定されていることを常時表示するように構成されていることを特徴とする検出センサ。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記タイマ機能設定手段によるタイマ機能設定モードと、前記判別手段による判別動作を行う判別動作モードとの切り替えを行うモード切替手段と、前記モード切替手段によって切り替えられたモードを表示する判別動作モード表示灯及びタイマモード表示灯を備え、前記タイマ機能表示手段は、前記判別動作モードの状態において、前記タイマモード表示灯の点灯によって前記タイマ機能が設定されていることを表示するものであることを特徴とする検出センサ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項において、前記タイマ機能表示手段は、前記判別手段が前記被検出物の検出状態にあるとき、もしくは前記出力手段が出力動作を行っている状態にあるときの少なくともいずれか一方の状態にあるときと、両方の状態にあるときとを識別可能に表示する機能を備えていることを特徴とする検出センサ。
【請求項5】
請求項4において、前記タイマ機能表示手段は、前記判別手段が前記被検出物の検出状態にあるとき、もしくは前記出力手段が出力動作を行っている状態にあるときのいずれか一方の状態にあるときの表示に際して、前記判別手段が前記被検出物の検出状態にあるときのみと、前記出力手段が出力動作を行っているときのみとを識別可能に表示する機能を備えていることを特徴とする検出センサ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項において、前記タイマ機能設定手段は、前記検出手段の検出状態が予め設定された設定時間を超えた場合に前記出力手段の出力動作を行うオンデイレイ、前記検出手段の検出状態が終了した後も、予め設定された設定時間だけ前記出力手段の出力動作を継続して行うオフデイレイ、前記検出手段の検出動作が開始されてから予め設定された設定時間、前記出力手段の出力動作を行うワンショット、前記オンデイレイとオフデイレイの組み合わせ、及びオンデイレイとワンショットの組み合わせのいずれか一種が設定されるように構成されていることを特徴とする検出センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−275475(P2008−275475A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−120023(P2007−120023)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(000106221)サンクス株式会社 (578)
【Fターム(参考)】