説明

検出容器およびそれを使用する微粒子状試料を検出する方法

【課題】検出容器内での試料処理液の置換が複数回必要な場合であっても、良好な検出結果が得られるように、微粒子状試料を試料検出部に確実に保持させる。
【解決手段】試料保持部形成用分岐部を有する流路と、該試料保持部形成用分岐部に配置される凹溜状の試料保持部とを有する、分岐マイクロ流路が形成された検出容器、および該検出容器を使用する検出方法によって、微粒子状試料の検出を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定性、定量反応あるいは物性測定等による各種微粒子状試料の検出に係る検出容器およびそれを使用する検出方法に関する。特に、微細な生物学的試料(生物試料)および微細粒子などに付着した微量化学物質等の検出に関する。
【背景技術】
【0002】
上記微細な生物学的試料を分析または検出する技術としては、マイクロ流路および試料検出部であるマイクロチャンバーを複数有する、マイクロウェルアレイと称されるディスク状のマイクロ反応容器が知られている(特許文献1)。また、免疫学的検定法において、抗体をマイクロビーズに固定し、該マイクロビーズを効率よく試料検出部に保持できるように、マイクロ流路および試料検出部の形状を所定の形として抗原抗体反応を行う技術が紹介されている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−185423号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】N.Matsunaga、S.Furutani、I.Kubo、「CENTRIFUGAL FLOW DEVICE FOR HIGH−THROUGHPUT DETECTION OF CANCER MARKER CEA」、ECS Transsactions、2008年、16(11)、p.123−128
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
微粒子状試料の検出を行う場合、微粒子状試料を試料検出部に導入した後に、洗浄液および反応液や検出液等のいわゆる試料処理液を複数回入れ替える(置換する)必要が生じる場合がある。このような場合、マイクロ流路中の流路と試料検出部が特許文献1に記載の様な配置関係であると、複数回の試料処理液の置換により、微粒子状試料が試料検出部から排出されて検出が不能になるという問題がある。
【0006】
また、非特許文献1は、抗体が固定されたマイクロビーズを試料検出部に保持するために、該試料検出部から先の流路の高さをマイクロビーズの直径以下、すなわちクリアランスを極微小にする技術が使用されている。しかしながら、このような構造であると、試料が細胞等の場合には、このクリアランスに挟まれて細胞が死亡するという問題がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、試料処理液の置換が複数回行われる場合であっても、微粒子状試料が試料検出部(試料保持部)に確実に保持され、良好な試料検出を可能にする検出容器および検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、流路の分岐部に試料検出のための試料保持部が配置された分岐マイクロ流路を有する検出容器、および当該検出容器を使用した微粒子状試料の検出方法を開発し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明によれば、試料注入部を有するプレートに、該試料注入部に接続し、試料保持部形成用分岐部を有する流路と、該試料保持部形成用分岐部に配置される凹溜状の試料保持部と、前記流路の前記試料注入部との接続端部とは反対端部に試料排出口とを有する、分岐マイクロ流路が形成された検出容器が提供される。該分岐マイクロ流路は、板状のプレートの内部に形成されることによって、試料液等の漏洩や蒸発が防止されるので好ましい。なお、本出願において、「分岐マイクロ流路」と称した場合は、原則、流路、試料保持部、分岐部および排出口を含んだ基本構成全体を指すものとし、試料保持部および排出口を含まない場合は単に「流路」と称する。
【0010】
また、前記プレートはディスク状プレートであり、前記試料注入部は前記ディスク状プレートの中央部側の領域に配置され、前記分岐マイクロ流路の前記試料排出口は、前記ディスク状プレートの外周部に配置され、前記試料保持部形成用分岐部で一つの流路が二つの流路に分岐され、前記試料保持部は、前記試料保持部形成用分岐部において前記ディスク状プレートの外周方向に凹溜状に配置されることが好適である。
【0011】
また、前記試料保持部形成用分岐部で分岐された前記二つの流路が、前記試料排出口に至る前に合流するように構成されていてもよい。
【0012】
さらに、前記分岐マイクロ流路は、トーナメント式の階層状に複数の分岐部を有し、前記ディスク状プレートの外周部に最も近い階層部に前記試料保持部形成用分岐部および前記試料保持部が配置されるように構成されているのが好適である。
【0013】
なお、前記分岐マイクロ流路は、前記試料保持部が配置されない分岐部を有する構成であってもよい。
【0014】
あるいは、トーナメント式の階層状に複数配置される分岐部の、試料保持部形成用分岐部以外の分岐部にも前記試料保持部が配置される構成であってもよく、該分岐部の全てに試料保持部が配置されてもよい。
【0015】
またさらに、これらの各構成の分岐マイクロ流路が、それぞれ複数形成されている検出容器であることが好適である。
【0016】
本発明の別の観点の発明によれば、試料注入部と、試料保持部形成用分岐部を有する流路、該試料保持部形成用分岐部に配置される凹溜状の試料保持部、および試料排出口を有する分岐マイクロ流路と、が形成された検出容器を使用し、前記試料注入部に、微粒子状試料を含有する試料液を注入する工程と、該試料液を前記試料排出口の方向に向けて送液する工程と、前記微粒子状試料を前記試料保持部に保持する工程と、前記分岐マイクロ流路に前記試料液を満たす工程と、前記試料液とは成分が異なる試料処理液を前記試料注入部から注入し、前記分岐マイクロ流路内を該試料処理液で置換する工程と、前記試料保持部に保持された前記微粒子状試料に前記試料処理液を作用させる工程と、該作用による応答を捕捉する工程と、を有する微粒子状試料を検出する方法が提供される。
【0017】
また、微粒子状試料の検出には、ディスク状プレートの検出容器を使用することが好適である。このとき、試料液および試料処理液等の送液は、該ディスク状プレートを回転させて遠心力により送液する方法が好ましい。
【0018】
さらに、前記分岐マイクロ流路は、トーナメント式の階層状に複数の分岐部を有し、前記ディスク状プレートの外周部に最も近い階層部に、前記試料保持部形成用分岐部および前記試料保持部が配置されている検出容器を使用することが好適である。
【0019】
またさらに、検出される微粒子状試料は生物学的試料であることが好適である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の検出容器および検出方法によれば、検出容器内で、試料処理液の置換が複数回行われる場合であっても、微粒子状試料が検出部である試料保持部に確実に保持され、良好に微粒子状試料を検出できるという効果を奏する。例えば、各種細胞、細菌、真菌、ウィルスまたは遺伝子等を、そのままで、またはマイクロビーズ等の極微小担体に担持した状態で簡便に検出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】流路につながる試料保持部形成用分岐部、試料保持部、試料保持部に保持された微粒子状試料、および試料液の流れを概略的に示す模式的図である。(b)は当該試料保持部形成用分岐部等に働く力の方向を示す図である。
【図2】試料注入部につながる分岐マイクロ流路を概略的に示す模式図である。
【図3】本発明に係るディスク状プレート型検出容器の一実施形態を概略的に示す模式図である。
【図4】トーナメント式の階層状に複数の分岐部を有する、本発明に係るディスク状プレート型検出容器の別の実施形態を概略的に示す模式図である。
【図5】試料保持部が配置されない分岐部を有する、分岐マイクロ流路の一例を概略的に示す模式図である。
【図6】全ての分岐部に試料保持部が配置される、分岐マイクロ流路の一例を概略的に示す模式図である。
【図7】複数回の液交換(置換)が実施されたとき、試料保持部においてマイクロビーズが保持される様子を顕微鏡写真で示す図である。
【図8】複数回の液交換(置換)が実施された場合において、細胞が生存した状態で保持される様子を蛍光顕微鏡写真で示す図である。
【図9】従来技術のマイクロ流路と試料保持部(マイクロチャンバー)の配置関係を概略的に示す模式図である。
【図10】別の従来技術における、マイクロ流路と試料保持部(マイクロチャンバー)の配置関係、および試料保持部に微粒子状試料が保持される様子を概略的に示す模式図である。(a)は上から見た平面図であり、(b)はX−X線の矢視方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら、課題解決のために重要な点および従来技術と異なる特徴等について説明する。
【0023】
図1は本発明の特徴を表す主要構成要素を示す図である。まず、図1に示した矢印のように、試料注入部側の流路1から分岐後の流路2の方向へ試料液が送液され、このとき、試料保持部3に微粒子状試料4が捕捉、保持される。微粒子状試料4が保持された後、図1(b)に示す幅広の矢印の方向に重力あるいは遠心力等の力6が作用しながら、流路1を通って洗浄液または反応液等の試料処理液が送液された場合、試料保持部中の試料液は徐々に該試料処理液で置換される。しかし、微粒子状試料4は力6が幅広の矢印方向に作用しているため、試料処理液によって流路2側へ排出されることなく、試料保持部3に保持された状態を維持することができる。
【0024】
これによって、微粒子状試料4は試料保持部3内に留まり、試料処理液と反応等をすることができる。標的となる微粒子状試料4特有の応答が見られる試料処理液を使用し、その応答を捕捉することによって、当該微粒子状試料4を定性的に同定したり、または定量したりすることが可能となる。
【0025】
図2は、試料注入部7につながる1本(1組)の分岐マイクロ流路の全体図を示している。微粒子状試料4を含有する試料液が試料注入部7に注入され、圧縮力、重力または遠心力等の力によって流路1、試料保持部形成用分岐部5および流路2を通って試料排出口9に至る。図2(b)は、試料保持部形成用分岐部5で分岐された前記二つの流路が、前記試料排出口9に至る前に合流する形態の分岐マイクロ流路を表している。本発明においては、図2(a)、(b)いずれの形態の分岐マイクロ流路であってもよい。
【0026】
一方、図9は、従来技術に係るマイクロウェルアレイ(マイクロ反応容器)における、流路31とマイクロチャンバー(試料保持部)33の配置関係を示しており、このような配置関係では、微粒子状試料34は試料処理液での置換時にマイクロチャンバーから排出されてしまう。すなわち、このような構造では、液の流れが微粒子状試料34を掬い取るような流れとなるため、複数の液置換を行って標的物質を検出する必要がある場合には適用することができない。
【0027】
本発明に係る検出容器の一実施形態を図3により説明する。図3は検出容器10を上から見た平面図の模式図であり、ディスク状プレートに、試料保持部形成用分岐部15が一つ形成されている分岐マイクロ流路を複数本(24本)有する例である。なお、流路11、18および試料保持部形成用分岐部15等からなる分岐マイクロ流路は、ディスク状プレートの内部に形成されており、試料注入部17および検出容器の外周部に配置される試料排出口19で大気に開放されている。なお、流路11および18が1本の線で、ならびに試料注入部17および試料保持部13が黒く塗りつぶされて描かれているが、多数の分岐マイクロ流路を描くための便法であり、実際には図2(b)のように試料液等が流動および保持される空間を有している。また、図4、5および6においても同様である。
【0028】
検出容器10を例として、本発明の検出容器および微粒子状試料4の検出方法について詳しく説明する。まず、検出容器10の素材としては、熱可塑性樹脂若しくは熱硬化性樹脂等の高分子材料、セラミックス、ガラス、シリコン又は金属等の任意の素材が使用できる。密閉性、微細加工性の点でガラス、シリコン、高分子材料、又はこれらの組み合わせが好ましい。高分子材料としては、例えばポリジメチルシロキサン(PDMS)等のシロキサン類を使用することができる。なお、検出容器10は、試料保持部形成用分岐部15等からなる分岐マイクロ流路の状況を肉眼的又は光学的に観察するために、少なくとも片面が透明となるように構成されることが好ましい。すなわち、全て透明素材を使用するか、ディスク状の透明素材と不透明素材を張り合わせて作製する方法を選択することが考えられる。
【0029】
本発明においては、微粒子状試料4を含有する試料液および試料処理液は、試料注入部17に注入された後、ディスク状の検出容器10を回転させて遠心力により送液されることが好ましい。微粒子状試料を効率よく均等に試料保持部3(13)に捕捉・保持させることができ、作業時間も短くて済むからである。したがって、検出容器10は薄い円盤状であることが好ましいが、円盤状(ディスク状)に限定されるわけではなく、上面視、三角形、四角形(例えば正方形)、正六角形、正八角形等の多角形の薄い板状であってもよい。
【0030】
図3の検出容器10は、24本の独立した分岐マイクロ流路を有しているが、該分岐マイクロ流路は検出容器に1〜23本であっても、24本より多くてもよい。一つの検出容器で、多数のサンプルを同時に分析したり、あるいは、条件を変化させた一連の試料液、あるいは試料処理液を調製して分析したりすることができる点で、複数の独立した分岐マイクロ流路を有することが好ましい。また、出来るだけ多くの流路を形成するために、複数の独立した分岐マイクロ流路は、対称的あるいは均等的な位置(又は配置)関係で該検出容器中に形成されるのが好ましい。例えば、検出容器10のようにディスク状検出容器の中心点に対して点対称または回転対称に、試料注入部も含めて配置されることが好ましい。回転対称の場合、分岐マイクロ流路の本数によりその回数が決められる。例えば、分岐マイクロ流路が4本配置される場合、4回回転対称に配置されるのが好ましい。
【0031】
また、検出容器10は、試料保持部形成用分岐部15で分岐した流路12が試料排出口19に至る前に合流して流路18を形成する形態であるが、流路12が合流せずに試料排出口19に至る形態であってもよい。なお、図3では、試料排出口19は検出容器の外周側面に配置される形態であるが、外周の上面に流路18と接続する試料排出部を設けて、試料液等が当該試料排出部に排出されるようにしてもよい。また、後で説明する図4に示す形態の検出容器、および本発明の範囲に係る検出容器においても同様である。
【0032】
検出容器10を使用して微粒子状試料4を検出する方法の例は、例えば、次の通りである。まず、微粒子状試料4を含有する試料液を試料注入部17に注入し、検出容器10を回転用のステージに設置する。または、検出容器10をステージに設置してから試料液を注入してもよい。なお、微粒子状試料4としてはマイクロビーズに化学物質を担持させた微細試料、細胞あるいはウィルス等を例示でき、微粒子状試料4は試料液中で懸濁または分散している。なお、細胞等は、そのままでも、またはマイクロビーズ等の極微小担体に担持してもよい。
【0033】
つづいて、検出容器10を数百回転〜数千回転で、数秒〜1分間程度回転させて微粒子状試料4を含有する試料液を遠心力により送液する。当該回転は、例えば、再生のためにCDを回転させる要領、あるいは半導体製造工程でのスピンコートの要領であり、回転装置としては、例えばスピンコーターやそれに類似した装置を使用することができる。当該回転操作により、微粒子状試料4を含有する試料液が送液され、試料保持部13に微粒子状試料4と試料液が保持される。なお、試料保持部13に入りきらない試料液は、流路12等を通過して試料排出口19から排出される。
【0034】
試料保持部13に保持された微粒子状試料4を洗浄する必要がある場合は、洗浄液を試料注入部17から同様に送液して、試料保持部13の試料液を洗浄液で置換すると共に微粒子状試料4を洗浄する。洗浄液の送液回数(置換回数)は、それぞれの検出ごとに必要な洗浄度を達成するように適宜決定すればよい。
【0035】
所望の洗浄が完了したら、微粒子状試料4を検出するための反応液等の試料処理液を、試料注入部17に注入して、上記と同様に送液する。このとき、必要に応じて試料処理液についても数回送液する場合もあり得る。これにより、試料保持部13の洗浄液が試料処理液で置換されると共に、試料処理液が微粒子状試料4に作用し、当該試料処理液と微粒子状試料4の組み合わせに特有の応答が得られる。
【0036】
なお、洗浄液での洗浄操作が行われる場合を説明したが、当然、当該洗浄操作が不要の場合もあり得る。なお、洗浄液および試料処理液での置換の程度は、各検出反応等によって異なるので、要求される条件を満足するように洗浄液および試料処理液の送液回数を決定すればよい。
【0037】
それぞれの検出に特有の応答を捕捉することによって、目的とする微粒子状試料4の検出ができ、定性あるいは定量が可能となる。当該応答としては、例えば、微粒子状試料4特有の蛍光発光などがあり、その捕捉としては、例えば、蛍光顕微鏡での観察、カメラ撮影およびコンピュータによる記録、解析等が挙げられる。以上の方法によって、微粒子状試料4の正確な検出を効率よくかつ簡便に実施することができる。
【0038】
上記した、検出容器10を例示しての検出方法の最大の特徴を図1で説明すると次のようになる。すなわち、その特徴は、洗浄液および試料処理液を複数回送液して試料保持部3内の液置換を複数回行っても、微粒子状試料4が流路2側へ排出されることなく、試料保持部3に保持された状態を維持できる点にある。これは、遠心力により力が図1(b)の幅広の矢印で示す力6方向に作用しているため、洗浄液または試料処理液が試料保持部3に送液されても、微粒子状試料4がその流れに掬いとられることがないからであると考えられる。すなわち、試料保持部形成用分岐部5において、分岐前の流路1、分岐後の流路2および試料保持部3が、図1に示すように配置されていることによって、試料保持部3に保持されている液のみが置換され、微粒子状試料4はそこから排出されないという効果が得られる。なお、図1においては、流路1が2本の流路2に分岐した直後の、該2本の流路2が180°の角度で両側に分かれる場合を例示している。試料保持部3側(外周側)のこの角度は、180°または鈍角であることが、上記の微粒子状試料4の保持性の点で好ましい。
【0039】
以上本発明に係る検出方法について、図3の検出容器10を例にとって説明したが、検出容器としては、検出容器10の形態のものに限られるわけではなく、次に説明する図4の検出容器20のような形態も好適である。さらには、図5および図6のような分岐マイクロ流路を有する検出容器も好適に使用することができ、検出容器の外観もディスク状に限られることなく、上記した多角形状であってもよい。
【0040】
これらの他の形態の検出容器での検出方法は、検出容器10で例示した方法を同様に適用することができる。なお、上記検出容器10を使用した検出方法の説明では、回転による遠心力を利用する方法を説明したが、検出容器の形態によっては、遠心力の代わりに、例えば、重力を利用してもよい。または、試料液もしくは試料処理液等の注入時にマイクロピペット等を使用して圧縮力を加える方法によってもよい。操作の簡便さ、処理操作の均質性および短時間での操作が可能な点等において、上記回転の遠心力を利用することが好ましい。
【0041】
次に、本発明に係る検出容器の別の実施形態である図4の検出容器20について説明する。図4は、図3と同様に検出容器20を上から見た平面図の模式図である。図4の検出容器20は、試料注入部27から、流路がトーナメント式の階層状に複数の分岐部を有するように形成され、検出容器20の外周部に最も近い階層部に試料保持部形成用分岐部25および試料保持部23が配置されている形態のものである。1本(1組)の分岐マイクロ流路が3段階で分岐し、試料保持部形成用分岐部25を8個有する形態となっている。この独立した分岐マイクロ流路が、検出容器の中心点に対して点対称(12回回転対称)に12本(12組)形成されているので、試料保持部形成用分岐部25は計96個形成されている。
【0042】
図4のような形態は、試料液等を試料注入部に注入する作業時間を大幅に短縮できるという効果を有する。なお、検出容器20の素材等については、上記の検出容器10と同様である。また、分岐の階層数については、検出容器20は3段階であるが、これに限られるわけではなく、2段階であってもまたは4段階以上であってもよい。ディスク状の検出容器としての実用的な大きさは、数cm〜数10cm、好ましくは5cm〜30cm程度であるので、上記の分岐の段階数も実用上限られ、7段階以下が常識的と思われる。しかし、検出容器の大きさに影響されるものであるから、7段階以下に限定するわけではない。
【0043】
図3および図4は、複数の分岐マイクロ流路を有する例であるが、分岐マイクロ流路は検出容器に1本(1組)であってもよい。しかし、効率の点では図3、4のように複数本形成されていることが好ましい。また、分岐マイクロ流路を形成可能な上限は、検出容器の大きさ、例えば、ディスク状プレート型の場合はその直径、また、分岐の階層数によっても影響されるので、一概には決められない。実用的には、排出口19(29)につながる流路18(28)の本数として、200本以下程度である。
【0044】
分岐マイクロ流路の形態としては、上記説明したもの以外に、図5および図6に示す形態のものであってもよい。図5の分岐マイクロ流路は、試料保持部3が配置されない分岐部を有し、当該分岐部で1本の流路が3本以上に分岐している例である。図6は、流路がトーナメント式の階層状に複数の分岐部を有するように形成され、全ての分岐部が試料保持部形成用分岐部5である、すなわち試料保持部3が、全ての分岐部に配置されている形態のものである。図6の形態の分岐マイクロ流路が形成された検出容器を使用する場合は、微粒子状試料4を含有する試料液を送液するときに、図1(b)に示す力6をコントロールすることによって、階層状になった各分岐部の試料保持部3に微粒子状試料4を分配することができる。
【0045】
以上説明した、各分岐マイクロ流路および検出容器の形態、大きさ、本数(組数)については、微粒子状試料4の性質および検出方法等に適したものを選択して適宜使用する。
【0046】
ここで、分岐マイクロ流路を形成する各流路、試料保持部3の大きさについて図2によって説明すると、概略次のようである。まず、流路1はその幅が50〜1000μm、高さは20〜100μmである。試料保持部3の幅は50〜1000μmで、微粒子状試料4の保持性の点において流路1の幅と同程度であることが好ましい。また、試料保持部3の凹溜(窪み)の外周方向への深さHは、50〜1000μmで、液置換と微粒子状試料4の保持性のバランスの点で、試料保持部3の幅の70〜100%であることが好ましい。流路2はその幅が30〜300μmで、流路1の幅の20〜50%であることが液置換のし易さの点で好ましい。なお、試料保持部3および流路2の高さは20〜100μmで、流路1、試料保持部3および流路2の高さはそれぞれ異なっていてもよいが、液置換の効率の点で同じ高さであることが好ましい。
【0047】
試料保持部3の凹溜(窪み)の形状については、特に制限は無いが、液置換と微粒子状試料4の保持性のバランスの点で、図1および図2に示したようにラウンドした形状であることが好ましい。例えば、当該凹溜の下方部分が半円状であるものを例示できる。
【0048】
さらに、試料注入部7の容量については、分岐マイクロ流路の本数および検出容器の大きさ等によっても異なるが、1回の送液分の液量を保持できることが好ましく、実用的には、0.3〜5μL程度の容量である。
【0049】
次に、上記した本発明に係る検出容器の製造方法について説明する。例えば、各流路と試料保持部のパターンを有する上記した材質のシート又はプレートと、試料注入部を有する平坦なシート又はプレートとを貼り合わせることにより製造することができる。また、該試料注入部は、各流路と試料保持部のパターンを有するシート又はプレートに形成されていてもよい。あるいは、各流路、試料保持部および試料注入部のパターンが、2枚のシート又はプレートに分割して作製されたもの(例えば略面対称の形)を、貼り合わせて検出容器を製造してもよい。光学的な観察及び解析に適する点で、該検出容器の厚さは1mm〜3mmが好ましい。
【0050】
これらの各流路と試料保持部等のパターンを有するシートは、金型でのプレスによって、または金型に熱可塑性樹脂等の流動性の素材を流し込むことで作製することができる。あるいは、厚膜のリソグラフィーにより凸型のパターンを形成し、該パターン上に熱可塑性樹脂等の流動性の素材を流し込んで作製してもよく、シート又はプレートに直接、機械加工やフォトリソグラフィーを用いたエッチングにより作製してもよい。
【0051】
本発明の検出容器によれば、例えば、複数回の処理が必要な試料について、試料保持部3に保持することによって、正確に効率よくかつ簡便に定性的あるいは定量的に検出することができる。この検出可能な微粒子状試料4は、上記したように生物学的材料または微細粒子などに付着した微量化学物質であり、当該生物的材料をそのままで、またはマイクロビーズ等の極微小担体に担持した状態で検出することが可能である。この生物学的材料としては、例えば、各種細胞、細菌、真菌、ウィルスまたは遺伝子等を挙げることができる。
【0052】
本発明においてマイクロビーズを使用する場合、当該マイクロビーズは、球体、多面体、卵状、ラグビーボール状、またはゴルフボールのように表面に多数のディンプルを有する球体等の形状であってよく、特にその形状は制限されない。なお、マイクロビーズが球体である場合には、その直径は1μm以上、50μm以下であり、試料保持部3に効果的に保持させる点で5μm以上が好ましい。また、同様の理由により30μm以下が好ましい。マイクロビーズが球体以外の形状である場合においても、上記のサイズとほぼ同程度であることが好ましい。
【0053】
また、マイクロビーズの材質としては、細胞等が好適に担持されれば特に制限はなく、ガラス、ポリスチレンまたはポリカーボネート等の樹脂、金または銀等の金属、およびステンレス等の金属化合物を使用することができる。安価で軽量である点で樹脂製のマイクロビーズが好ましい。
【0054】
微細粒子などに付着した微量化学物質としては、例えば、事故、犯罪等の現場で回収された微細塗料破片、体液等が付着した微細物質等を挙げることができ、事故原因、犯罪解決等に応用可能である。
【0055】
<実施形態>
以下、図を参照しながら具体的な実施形態を例示してさらに本発明を詳細に説明する。
【0056】
検出容器の作製
まず、直径4インチのシリコンウェハーを用いて分岐マイクロ流路の鋳型を作製した。シリコンウェハー上に、フォトレジスト(SU−8 50)を滴下し、スピンコーターで3000rpm、30秒間回転させて均一な厚さ(40μm)に塗り広げた。これをホットプレートで、65℃で5分間および95℃で15分間加熱(プレベーク)した。その後、流路パターンのフォトマスクと共にマスクアライナーにセットし、UV(350nm)を90秒間照射した。さらに、ホットプレートで、65℃で1分間および95℃で1分間加熱(ポストベーク)した。その後、SU−8現像液中で洗浄を行い、未重合のレジストを除去したのち、ドライ窒素ガスで乾燥させて鋳型を完成させた。
【0057】
この鋳型に対し、ポリジメチルシロキサン(PDMS)のプレポリマー(ダウコーニング社製シルガード184)を流しこみ、70℃で熱硬化させた。硬化したPDMSシートを鋳型から取り出し、試料注入部が大気に開放するように成形したのち、凹部が形成されたシート表面に対して、当該シートと同じ形の平滑なガラスを張り合わせて、図3に示したような分岐マイクロ流路を有する検出容器10を作製した。また、分岐マイクロ流路のパターンを変える以外は上記と同様にして、図4に示す検出容器20を作製した。
【0058】
1.実施例1:液置換によるマイクロビーズの保持性
本実施例では、図3の形態の検出容器10を使用して実験した。流路11の幅500μm、試料保持部13の幅500μm、その凹溜の深さH400μm、流路12の幅100μm、そして各流路および試料保持部13の高さ40μmのものを使用した。なお、分岐マイクロ流路は1本を使用して実験を行った。
【0059】
まず、ポリスチレン製の直径10μmのマイクロビーズ(微粒子状試料4)を超純水(試料液)に懸濁させたマイクロビーズ懸濁液を用意し、当該マイクロビーズ懸濁液を検出容器10の試料注入部17に1μL注入した。つづいて、検出容器10をスピンコーター(ミカサ株式会社製 Opticoat MS−A100)により、1000rpmで10秒間、さらに3000rpmで30秒間回転させて、マイクロビーズ懸濁液を送液すると共に、試料保持部13にマイクロビーズを保持させた。このとき、マイクロビーズは10個保持された。なお、試料保持部13に入りきらない水(試料液)は試料排出口19より排出された。
【0060】
つづいて、液置換の様子を観察するため、蛍光染料溶液を試料注入部17に1μL注入し、同様の条件で検出容器10を回転させて送液した。蛍光染料溶液としては、0.1Mのカルボキシフルオレセイン水溶液を使用した。この操作により、試料保持部13の水の一部が当該蛍光染料溶液で置換されて、黄色の蛍光色を呈した。
【0061】
この後、PBS−EDTA溶液(NaCl 137mM、KCl 3mM、NaHPO 7.6mM、KHPO 1.4mM、EDTA 1mM)を試料注入部17に1μL注入し、同様の条件で検出容器10を回転させて送液した。PBS−EDTA溶液の送液操作を繰り返して、黄色の蛍光色の消失度すなわち試料保持部13での液置換の様子を観察した。同時に試料保持部13に保持されているマイクロビーズの数の変化を観察した。
【0062】
その結果、PBS−EDTA溶液の送液3回(洗浄3回)でほぼ黄色が消失し、液置換が良好に行われていることが確認できた。また、蛍光染料溶液送液後およびPBS−EDTA溶液を5回送液後(洗浄5回後)であっても、10個のマイクロビーズは試料保持部13に保持されていた。すなわち、微粒子状試料4を試料保持部に保持したまま液置換を良好に実施できることが確認された。
【0063】
なお、実施例1の液置換によるマイクロビーズの保持性の推移の様子を図7に写真で示す。なお、図7の写真ではマイクロビーズが重なっているため10個の存在が認められないが、顕微鏡観察により10個保持されていることを確認した。
【0064】
2.実施例2:液置換による細胞の保持性および生存性
本実施例では、図4の形態の検出容器20を使用して実験した。流路21の幅500μm、試料保持部23の幅500μm、その凹溜の深さH400μm、流路22の幅100μm、そして各流路および試料保持部23の高さ40μmのものを使用した。なお、分岐マイクロ流路は1本(1組)を使用して実験を行った。
【0065】
細胞はヒト白血球T細胞(Jurkat cell)を使用した。ヒト白血球T細胞は浮遊性の真核細胞で、直径は約10μmである。
【0066】
まず、培地に懸濁したヒト白血球T細胞懸濁液を検出容器20の試料注入部27に1μL注入した。つづいて、検出容器20をスピンコーターにより、1000rpmで10秒間、さらに3000rpmで30秒間回転させて、ヒト白血球T細胞懸濁液を送液すると共に、試料保持部23にヒト白血球T細胞を保持させた。このとき、一つの試料保持部23に保持された細胞数を顕微鏡で確認した(細胞数 20個)。なお、各試料保持部23に入りきらない培地は試料排出口29より排出された。
【0067】
本実施例の培地としては、大日本住友製薬株式会社製のRPMI1640培地を使用し、ヒト白血球T細胞の濃度が1×10〜10cells/mL程度になるように調製した。
【0068】
上記のように試料保持部23にヒト白血球T細胞を保持させた後、PBS−EDTA溶液を試料注入部27に1μL注入し、検出容器20を回転させて送液した。PBS−EDTA溶液の送液操作(洗浄)を3回繰り返して、試料保持部23内の培地をPBS−EDTA溶液に置換した。
【0069】
つづいて、細胞染色溶液を試料注入部27に1μL注入し、検出容器20を回転させて送液した。本実施例では、PBS−EDTA溶液での洗浄および細胞染色溶液の送液の回転数の条件として、(1)1000rpmで10秒間、さらに4500rpmで30秒間、および(2)1000rpmで10秒間、さらに2500rpmで30秒間、の2種類について実験した。
【0070】
本実施例で使用した細胞染色溶液は、生細胞染色用蛍光色素Calcein−AMと、死細胞染色用蛍光色素PI(Propidium Iodide)を組み合わせたものを使用した。具体的には、1mLのPBS−EDTA溶液に2μLのCalcein−AMおよび3μLのPIを加え、Calcein−AM;2μM、PI;4μMの細胞染色溶液を調製して使用した。
【0071】
上記の細胞染色溶液を送液し、上記細胞数を確認した試料保持部23に保持されているヒト白血球T細胞を染色して蛍光顕微鏡(カールツァイス社製 Axiovert 135)で観察して生細胞数を確認した。
【0072】
その結果、回転数が4500rpmの(1)の条件ではほぼ100%、2500rpmの(2)の条件では約90%のヒト白血球T細胞が、試料保持部23に保持されており、いずれも、その約95%が生細胞であることが確認できた。
【0073】
なお、実施例2の液置換によるヒト白血球T細胞の保持性および生存性の様子を図8に写真で示す。図8(a)が明視野画像であり、(b)が生細胞の蛍光画像である。これは、上記(1)の回転の条件で行った結果の写真画像である。
【0074】
3.比較例1:図10に示すマイクロ流路を使用した細胞の保持性および生存性
図10に示すように、試料保持部43(マイクロチャンバー)以降の流路42の高さが非常に小さく、微粒子状試料44が試料保持部43と流路42の境界でトラップされる検出容器を使用して、ヒト白血球T細胞の保持性および生存性を実験した。ヒト白血球T細胞の試料保持部43への送液、洗浄および染色等については実施例2とほぼ同様に行った。
【0075】
その結果、細胞の保持性については、実施例2とほぼ同程度であったが、生細胞の割合は1%以下であり、そのほとんどが死滅していた。おそらく、流路42の非常に狭いクリアランスに挟まれて細胞が死亡したためと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明によれば、各種細胞、細菌、真菌、ウィルスまたは遺伝子等を、そのままで、またはマイクロビーズ等の極微小担体に担持した状態で簡便に検出することが可能である。したがって、複雑な検出反応が必要となる、食品検査、臨床検査、水質検査あるいは医薬品開発への応用が可能である。
【符号の説明】
【0077】
1、11、21 試料保持部形成用分岐部での分岐前の流路
2、2a、2b、2c、2d、12、22 試料保持部形成用分岐部での分岐後の流路
3、3a、3b、3c、3d、13、23 試料保持部
4、34、44 微粒子状試料
5、5a、5b、5c、5d、15、25 試料保持部形成用分岐部
6 微粒子状試料等に働く力
7、17、27 試料注入部
8、18、28 合流後の流路
9、19、29 試料排出口
10、20 検出容器
30 従来技術の検出容器
40 従来技術のマイクロ流路
31、41、42 従来技術の流路
33、43 従来技術の試料保持部(マイクロチャンバー)
37、47 従来技術の試料注入部
49 従来技術の試料排出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料注入部を有するプレートに、
該試料注入部に接続し、試料保持部形成用分岐部を有する流路と、
該試料保持部形成用分岐部に配置される凹溜状の試料保持部と、
前記流路の前記試料注入部との接続端部とは反対端部に試料排出口とを有する、
分岐マイクロ流路が形成された、
検出容器。
【請求項2】
前記プレートはディスク状プレートであり、
前記試料注入部は前記ディスク状プレートの中央部側の領域に配置され、
前記分岐マイクロ流路の前記試料排出口は、前記ディスク状プレートの外周部に配置され、
前記試料保持部形成用分岐部で一つの流路が二つの流路に分岐され、
前記試料保持部は、前記試料保持部形成用分岐部において前記ディスク状プレートの外周方向に凹溜状に配置される、
請求項1に記載の検出容器。
【請求項3】
前記試料保持部形成用分岐部で分岐された前記二つの流路が、前記試料排出口に至る前に合流する、
請求項2に記載の検出容器。
【請求項4】
前記分岐マイクロ流路は、トーナメント式の階層状に複数の分岐部を有し、前記ディスク状プレートの外周部に最も近い階層部に前記試料保持部形成用分岐部および前記試料保持部が配置される、
請求項2または3に記載の検出容器。
【請求項5】
前記分岐マイクロ流路は、前記試料保持部が配置されない分岐部を有する、
請求項1〜4いずれか一項に記載の検出容器。
【請求項6】
前記試料保持部形成用分岐部以外の前記分岐部にも前記試料保持部が配置される、
請求項4に記載の検出容器。
【請求項7】
前記分岐マイクロ流路を複数有する、
請求項1〜6いずれか一項に記載の検出容器。
【請求項8】
試料注入部と、試料保持部形成用分岐部を有する流路、該試料保持部形成用分岐部に配置される凹溜状の試料保持部、および試料排出口を有する分岐マイクロ流路と、が形成された検出容器を使用し、
前記試料注入部に、微粒子状試料を含有する試料液を注入する工程と、
該試料液を前記試料排出口の方向に向けて送液する工程と、
前記微粒子状試料を前記試料保持部に保持する工程と、
前記分岐マイクロ流路に前記試料液を満たす工程と、
前記試料液とは成分が異なる試料処理液を前記試料注入部から注入して送液し、前記分岐マイクロ流路内を該試料処理液で置換する工程と、
前記試料保持部に保持された前記微粒子状試料に前記試料処理液を作用させる工程と、
該作用による応答を捕捉する工程と、を有する、
微粒子状試料を検出する方法。
【請求項9】
前記検出容器はディスク状プレートであり、前記試料液および前記試料処理液の送液は、該ディスク状プレートを回転させて遠心力により送液する方法である、
請求項8に記載の微粒子状試料を検出する方法。
【請求項10】
前記分岐マイクロ流路は、トーナメント式の階層状に複数の分岐部を有し、前記ディスク状プレートの外周部に最も近い階層部に前記試料保持部形成用分岐部および前記試料保持部が配置されている、
請求項9に記載の微粒子状試料を検出する方法。
【請求項11】
前記微粒子状試料は生物学的試料である、
請求項8〜10いずれか一項に記載の微粒子状試料を検出する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−196846(P2011−196846A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−64506(P2010−64506)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(598123138)学校法人 創価大学 (49)
【Fターム(参考)】