説明

検出装置、該検出装置を備えた入力装置、前記検出装置を用いた電子機器、前記入力装置を用いた電子機器、並びに、検出装置及び入力装置の制御方法

【課題】複数の部分領域を有する作動部を備えた検出装置において、複数の部分領域の相互干渉による誤検出を防止する。
【解決手段】入力装置10は、それぞれセンサアレイからなる複数の部分領域A〜Eを有する作動部と、作動部の複数の部分領域A〜E毎に配置された複数の入力情報検出回路2a〜2eと、入力情報検出回路2a〜2eを制御するための制御回路部1及びメモリ部3とを含む検出装置を備えており、制御回路部1は、複数の入力情報検出回路2a〜2eのそれぞれによって検出されるセンサ信号が、そのセンサ信号を検出する入力情報検出回路(例えば、2a)以外の入力情報検出回路(例えば、2b〜2e)から出力されるドライブ信号の影響を受けないように、複数の入力情報検出回路2a〜2eを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の物理量を検出する検出装置、該検出装置を備えた入力装置、前記検出装置を用いた電子機器、前記入力装置を用いた電子機器、並びに、検出装置及び入力装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特定の物理量を検出する検出装置において、検出信号に対するノイズの影響を回避または軽減するための種々の技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、駆動電極とタッチ検出電極とを備えた静電容量型タッチパネルにおいて、検出信号を正負非対称の極性交番信号とすることにより、タッチ信号を確実に検出しつつ、アナログフィルタ等により外乱ノイズを除去可能とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−8724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、検出装置において、その検出信号に影響を及ぼすノイズは、外乱ノイズだけではない。例えば、検出装置において物理量の検出に係る作動部が複数の部分領域を有する場合、各部分領域からの検出信号に対して、近接する他の部分領域に出力される他の信号(例えば、駆動信号)がノイズ源として作用する場合があり、これによって誤検出が発生する可能性がある。一般に、複数の部分領域を含む作動部を有する検出装置では、装置内での複数の部分領域の相互干渉により誤検出が発生するおそれがあり、特許文献1に記載されたような従来の検出装置は、このような要因で発生する誤検出について、何ら考慮されていない。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数の部分領域を有する作動部を備えた検出装置において、複数の部分領域の相互干渉による誤検出を防止可能な検出装置、このような検出装置を用いた入力装置、このような検出装置または入力装置を用いた電子機器、並びに、このような検出装置及び入力装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、または、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0007】
(1)複数の部分領域を有する作動部と、前記作動部の部分領域毎に第1信号を出力する出力部と、前記作動部の部分領域毎の第2信号を検出する検出部と、前記出力部及び検出部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記検出部で検出される前記第2信号が、該第2信号に対応する部分領域以外の部分領域に出力される前記第1信号の影響を受けないように、前記出力部を制御することを特徴とする検出装置(請求項1)。
【0008】
(2)(1)項に記載の検出装置において、前記制御部は、前記検出部で前記複数の部分領域のうちの2以上の部分領域からなる一群の部分領域からの前記第2信号が検出される場合、前記一群の部分領域が、互いに離隔して配置された部分領域から構成されるように、前記出力部を制御することを特徴とする検出装置(請求項2)。
【0009】
(3)(1)または(2)項に記載の検出装置と入力操作面とを備え、前記入力操作面と前記作動部により操作部が構成されており、前記作動部により前記入力操作面に対する入力操作の発生位置を検出して、該発生位置に応じた出力情報を上位システムに対して出力することを特徴とする入力装置(請求項3)。
【0010】
(4)(3)項に記載の入力装置において、前記作動部の複数の部分領域毎に配置された複数の入力情報検出回路を備え、前記制御部は、複数の前記入力情報検出回路を制御する制御回路部を含み、前記作動部の前記複数の部分領域のそれぞれは、静電容量方式のセンサアレイを含んでおり、前記センサアレイは、それぞれ複数の第1タッチセンサからなる複数の第1タッチセンサ群と、それぞれ複数の第2タッチセンサからなる複数の第2タッチセンサ群とから構成される複数のタッチセンサを有し、前記複数の入力情報検出回路のそれぞれは、前記制御回路部からの出力指令に基づいて、対応する部分領域に含まれる前記センサアレイが有する複数の前記第1タッチセンサ群に対して群毎に前記第1信号を出力する前記出力部と、対応する部分領域に含まれる前記センサアレイが有する複数の前記第2タッチセンサ群からの前記第2信号を群毎に検出する前記検出部を有し、前記制御回路部は、前記複数の入力情報検出回路のそれぞれから、検出された前記第2信号に応じた検出情報を得ることにより、複数の前記センサアレイ内の入力操作されたタッチセンサを特定し、該特定されたタッチセンサに対応する出力情報を前記上位システムに対して出力するとともに、前記複数の入力情報検出回路のそれぞれによって検出される前記第2信号が、該第2信号を検出する前記入力情報検出回路以外の前記入力情報検出回路から出力される前記第1信号の影響を受けないように、前記複数の入力情報検出回路を制御する、ことを特徴とする入力装置(請求項4)。
【0011】
(5)(4)項に記載の入力装置において、前記制御回路部は、前記複数の入力情報検出回路のうちの2以上の入力情報検出回路からなる一群の入力情報検出回路で前記第2信号を検出する場合、前記一群の入力情報検出回路が、互いに離隔して配置された部分領域に対応する入力情報検出回路から構成されるように、前記複数の入力情報検出回路から出力される前記第1信号の出力期間を制御することを特徴とする入力装置(請求項5)。
【0012】
(6)(4)または(5)項に記載の入力装置において、前記制御回路部は、前記複数の入力情報検出回路のそれぞれによって検出される前記第2信号について、該第2信号を検出する前記入力情報検出回路以外の前記入力情報検出回路から出力される前記第1信号の振幅または周波数を制御することを特徴とする入力装置(請求項6)。
【0013】
(7)(4)〜(6)のいずれか1項に記載の入力装置において、前記制御回路部は、前記複数の入力情報検出回路の検出感度を制御することを特徴とする入力装置(請求項7)。
【0014】
(8)(1)または(2)項に記載の検出装置を用いた電子機器(請求項6)。
【0015】
(9)(3)〜(7)のいずれか1項に記載の入力装置を用いた電子機器(請求項9)。
【0016】
(10)複数の部分領域を有する作動部を備えた検出装置の制御方法であって、前記作動部の部分領域毎に第1信号を出力するステップと、前記作動部の部分領域毎の第2信号を検出するステップと、検出される前記第2信号が、該第2信号に対応する部分領域以外の部分領域に出力される前記第1信号の影響を受けないように、前記第1信号の出力を制御するステップと、を備えることを特徴とする制御方法(請求項10)。
【0017】
(11)複数の部分領域を有する作動部を備えた検出装置と入力操作面とを含み、前記入力操作面と前記作動部により操作部が構成されるとともに、前記作動部の複数の部分領域毎に配置された複数の入力情報検出回路を備えており、前記作動部の前記複数の部分領域のそれぞれは、静電容量方式のセンサアレイを含み、前記センサアレイは、それぞれ複数の第1タッチセンサからなる複数の第1タッチセンサ群と、それぞれ複数の第2タッチセンサからなる複数の第2タッチセンサ群とから構成される複数のタッチセンサを有している入力装置の制御方法であって、前記複数の入力情報検出回路のそれぞれから、対応する部分領域に含まれる前記センサアレイが有する複数の前記第1タッチセンサ群に対して群毎に前記第1信号を出力するステップと、前記複数の入力情報検出回路のそれぞれにより、対応する部分領域に含まれる前記センサアレイが有する複数の前記第2タッチセンサ群からの前記第2信号を群毎に検出するステップと、前記複数の入力情報検出回路のそれぞれによって検出された前記第2信号に応じた検出情報に基づいて、複数の前記センサアレイ内の入力操作されたタッチセンサを特定し、該特定されたタッチセンサに対応する出力情報を上位システムに対して出力するステップと、前記複数の入力情報検出回路のそれぞれによって検出される前記第2信号が、該第2信号を検出した前記入力情報検出回路以外の前記入力情報検出回路から出力される前記第1信号の影響を受けないように、前記複数の入力情報検出回路を制御するステップと、を含むことを特徴とする制御方法(請求項11)。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、以上のように構成したので、複数の部分領域を有する作動部を備えた検出装置において、複数の部分領域の相互干渉により発生する誤検出を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る入力装置の要部を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る入力装置において、各入力情報検出回路の動作原理を説明するための図であり、(a)は、センサアレイを示す回路構成図、(b)は、ドライブ信号の出力態様を示す表である。
【図3】本発明の一実施形態に係る入力装置において、複数の入力情報検出回路の動作制御の一例を示す表であり、(a)は、作動部が2つの部分領域を有する場合、(b)は、作動部が3つの部分領域を有する場合、(c)は、作動部が4つの部分領域を有する場合、(d)は、作動部が5つの部分領域を有する場合の動作制御をそれぞれ示すものである。
【図4】図3(d)に示す動作制御におけるドライブ信号及びセンサ信号を示すタイミングチャートである。
【図5】1つの部分領域のセンサ信号の波形の例を示す図であり、(a)は、比較のために、隣接する部分領域に対応する入力情報検出回路からドライブ信号が出力されている場合の波形を示し、(b)は、本発明の一実施形態に係る入力装置において、隣接する部分領域に対応する入力情報検出回路からのドライブ信号の出力が停止されている場合の波形を示すものである。
【図6】本発明の一実施形態に係る入力装置において、複数の入力情報検出回路の動作制御の別の例を示す表であり、(a)は、作動部が3つの部分領域を有する場合、(b)は、作動部が4つの部分領域を有する場合、(c)は、作動部が5つの部分領域を有する場合の動作制御をそれぞれ示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態における入力装置10は、複数の部分領域A、B、C、D、Eを有する作動部と、作動部の複数の部分領域A、B、C、D、E毎に配置された複数の入力情報検出回路2a、2b、2c、2d、2eと、入力情報検出回路2a、2b、2c、2d、2eを制御するための制御回路部1及びメモリ部3とを含む検出装置を備えている。入力装置10において、作動部の複数の部分領域A〜Eのそれぞれは、基板5上に配列された静電容量方式のセンサアレイ(同様に符号A、B、C、D、Eを付して参照する)からなり、それぞれのセンサアレイA、B、C、D、Eは、複数のタッチセンサ4を有している。さらに、入力装置10は、基板5上に積層配置される入力操作面(図示は省略する)を有しており、この入力操作面と作動部により入力装置10の操作部が構成される。
【0021】
尚、図1に示す例では、入力装置10の作動部は5つの部分領域A〜Eを有しており、それぞれ対応する5つの入力情報検出回路2a〜2eが配置される例を示したが、本実施形態における入力装置10は、作動部が2以上の任意の数の部分領域を有し、それぞれ対応する入力情報検出回路が配置されるものであってもよい。
【0022】
ここで、複数のタッチセンサ4のそれぞれは、入力操作面上に定義される複数の入力操作の対象となる位置(言い換えれば、キースイッチの位置)のそれぞれに対応して設けられる。したがって、本明細書では、操作者の指等が入力操作面上に特定の位置(特定のキースイッチ)に触れることによる入力操作を、そのキースイッチに対応するタッチセンサ4に対する入力操作ともいう。
【0023】
入力装置10は、入力操作面に対する入力操作の発生位置を作動部により検出して、その発生位置に応じた出力情報を上位システム(図示は省略する)に対して出力するものである。入力装置10は、例えば、パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯通信端末、各種電子機器のリモコン装置等の電子機器用の入力装置として用いることができ、入力装置10の上位システムは、典型的には、このような入力装置10を用いた電子機器のI/O制御部である。この際、入力装置10は、電子機器本体とは別体に構成され、有線または無線の適切なインタフェースを介して電子機器本体に接続されるものであってもよく、または、電子機器の入力操作部として電子機器本体と一体に構成されるものであってもよい。
【0024】
入力装置10において、複数の入力情報検出回路2a〜2dのそれぞれは、複数のセンサアレイA〜Eそれぞれの入出力を担当するものであり、後述するように、対応するセンサアレイA〜Eに対してドライブ信号(本実施形態における第1信号)を出力する出力部(図示は省略する)と、対応するセンサアレイA〜Eからのセンサ信号(本実施形態における第2信号)を検出する検出部(図示は省略する)とを備えている。
【0025】
制御回路部1は、入力情報検出回路2a〜2dの動作を制御し、入力情報検出回路2a〜2dから入力される検出情報に基づいて、入力操作されたタッチセンサ4を特定する。そして、制御回路部1は、全タッチセンサ4に対する入力操作の有無(言い換えれば、全キースイッチのオン/オフ)の状態をメモリ部3に保存するとともに、この状態に基づいて、所定の出力情報を上位システムに対して出力する。
【0026】
次に、図2を参照して、センサアレイA〜E及び入力情報検出回路2a〜2eの構成及びその基本動作について詳述する。図2は、入力装置10が備えるセンサアレイA〜E及び入力情報検出回路2a〜2eの1つを、キースイッチ数が9の場合を例として、模式的に示す図である。尚、以下では、説明の便宜のため、センサアレイ及び入力情報検出回路にそれぞれ符号A及び2aを付して参照するが、センサアレイA〜E及び入力情報検出回路2a〜2eの構成及びその基本動作は、同様のものである。
【0027】
図2(a)に示すセンサアレイAは、9個の第1タッチセンサD1〜D9と9個の第2タッチセンサS1〜S9とを含み、3個の第1タッチセンサD1、D4、D7が接続された第1タッチセンサ群DD1、3個の第1タッチセンサD2、D5、D8が接続された第1タッチセンサ群DD2、及び、3個の第1タッチセンサD3、D6、D9が接続された第1タッチセンサ群DD3と、3個の第2タッチセンサS1、S2、S3が接続された第2タッチセンサ群SS1、3個の第2タッチセンサS4、S5、S6が接続された第2タッチセンサ群SS2、及び、3個の第2タッチセンサS7、S8、S9が接続された第2タッチセンサ群SS3とでマトリクス状に配列される。そして、1つの第1タッチセンサD1〜D9と、対応する1つの第2タッチセンサS1〜S9との組み(D1、S1)〜(D
9、S9)により、1つのキースイッチに対応するタッチセンサ4が構成される。
【0028】
図2(a)に示すドライブポート1〜3、及び、センサーポート1〜3は、それぞれセンサアレイAの入出力を担当する入力情報検出回路2aの出力端子及び入力端子を示しており、第1タッチセンサ群DD1〜DD3は、それぞれドライブポート1〜3に接続され、第2タッチセンサ群SS1〜SS3は、それぞれセンサーポート1〜3に接続される。
【0029】
次に、このように構成されたセンサアレイA及び入力情報検出回路2aによるタッチセンサ4の走査について説明する。入力情報検出回路2aは、制御回路部1からの出力指令に従って、その出力部からドライブポート1〜3を通じてドライブ信号を出力する。このとき、ドライブ信号は、図2(b)に示すように、各ドライブポート1〜3から順次切換えて出力される。すなわち、ドライブポート1から、所定の時間、ドライブ信号から出力され(ドライブポート1:ON)、その間、ドライブポート2、3からは、ドライブ信号は出力されない(ドライブポート2、3:OFF)。
【0030】
上記所定の時間の経過後、ドライブポート1からのドライブ信号の出力が停止し(ドライブポート1:OFF)、ドライブポート2から、所定の時間、ドライブ信号が出力される(ドライブポート2:ON)(この間、ドライブポート3はOFF)。次いで、上記所定の時間の経過後、ドライブポート2からのドライブ信号の出力が停止し(ドライブポート2:OFF)、ドライブポート3から、所定の時間、ドライブ信号が出力される(ドライブポート3:ON)(この間、ドライブポート1はOFF)。以後、この動作が繰り返される。これによって、各ドライブポート1〜3に接続される第1タッチセンサ群DD1〜DD3には、ドライブ信号が、順次切換えられつつ群毎に印加される。
【0031】
このとき、各第2タッチセンサ群SS1〜SS3には、ドライブ信号が印加される第1タッチセンサ群DD1〜DD3に属する第1タッチセンサD1〜D9と、それぞれ対応する第2タッチセンサS1〜S9との間の静電結合によってセンサ信号が発生し、このセンサ信号が各センサーポート1〜3を通じて入力情報検出回路2aに入力し、その検出部で検出される。本実施形態における入力装置10において、入力情報検出回路2aには、制御回路部1の指令に従って、各センサーポート1〜3に接続される第2タッチセンサ群SS1〜SS3に発生するセンサ信号が、順次切換えられつつ群毎に入力される。
【0032】
例えば、ドライブポート1からドライブ信号が出力されている間、まず、第2タッチセンサ群SS1に発生するセンサ信号がセンサーポート1から入力情報検出回路2aに入力され、次に、第2タッチセンサ群SS2に発生するセンサ信号がセンサーポート2から入力情報検出回路2aに入力され、次に、第3タッチセンサ群SS3に発生するセンサ信号がセンサーポート3から入力情報検出回路2aに入力される。次いで、ドライブポート2からドライブ信号が出力されている間、そして、ドライブポート3からドライブ信号が出力されている間にも、同様の切換えが実施され、以後、この動作が繰り返される。
【0033】
このようなセンサアレイAにおいて、キースイッチ(例えば、SW1)に対する入力操作があると、操作者の指等が、そのキースイッチに対応するタッチセンサ4に近接することにより、そのタッチセンサ4を構成する第1タッチセンサ(例えば、D1)と第2タッチセンサ(例えば、S1)との間の静電結合における静電容量が変化する。これによって、該当の第1タッチセンサ(例えば、D1)が属する第1タッチセンサ群(例えば、DD1)にドライブ信号が印加されている間に、該当の第2タッチセンサ(例えば、S1)が属する第2タッチセンサ群(例えば、SS1)に発生するセンサ信号が変化する。入力情報検出回路2aの検出部は、このセンサ信号の変化を検出して、キースイッチ(例えば、SW1)に対する入力操作が行われたことを判別する。そして、入力情報検出回路2aは、センサアレイA内の各タッチセンサ4に対する入力操作の有無を示す検出情報を、制御回路部1に出力する。
【0034】
入力装置10において、制御回路部1は、それぞれの入力情報検出回路2a〜2dから入力される検出情報と、それぞれの入力情報検出回路2a〜2eにおいて現在選択されているドライブポート1〜3及びセンサーポート1〜3に関する制御情報に基づいて、複数のセンサアレイA〜E内の入力操作されたタッチセンサ4を特定する。また、制御回路1は、全タッチセンサ4に対する入力操作の有無(言い換えれば、全キースイッチのオン/オフ)の現在の状態に基づいてメモリ部3を更新するとともに、この状態に基づいて、必要な所定の出力情報(例えば、各キースイッチのオン及び/またはオフを示すキーコード)を上位システムに対して出力する。
【0035】
尚、図1に示す入力装置10では、全タッチセンサ4が1つの基板5上に実装されるものとしたが、センサアレイA〜Eのいずれか1つまたは複数を、個別の基板上に実装するものであってもよい。また、図1に示す入力装置10において、キースイッチ(対応するタッチセンサ4)の数、各センサアレイA〜Eを構成するタッチセンサ4の数、並びに、各センサアレイA〜Eを構成するマトリクスの配列形態(一定の数のセンサアレイに対して、何行何列のマトリクスを構成するか等)は、それぞれ、適用される入力装置の仕様に応じて任意の適切なものとすることができる。
【0036】
次に、図3を参照して、本実施形態における入力装置10において、複数の入力情報検出回路を用いて作動部に含まれるセンサアレイ全体を走査するための動作制御の例を説明する。ここで、図3は、作動部全体の走査期間を、第1の期間と第2の期間の2つの期間に分割して行う動作制御を示すものであり、(a)は、作動部が2つの部分領域A、Bを有する場合、(b)は、作動部が3つの部分領域A、B、Cを有する場合、(c)は、作動部が4つの部分領域A、B、C、Dを有する場合、(d)は、作動部が5つの部分領域A、B、C、Dを有する場合(図1に示す構成)について、その動作制御を示すものである。
尚、以下では、図3(a)〜(c)の場合についても、それぞれの部分領域A、B、C、Dに対応して配置される入力情報検出回路に、それぞれ符号2a、2b、2c、2dを付して説明する。
【0037】
ここで、図3(a)〜(d)に示す部分領域は、部分領域が5つの場合を図1に示すように、各部分領域に付された符号のアルファベット順に隣接するように配置されているものとする。例えば、部分領域AとB及び部分領域BとCはそれぞれ隣接しており、部分領域AとCの間には部分領域Bが介在する。また、図3(a)〜(d)において、「動作」とは、「動作」が記された欄に対応する期間中、その欄に対応する部分領域に対応する入力情報検出回路が、図2を参照して上述した基本動作を実行していることを意味し、「停止」とは、その基本動作の停止を意味する。したがって、「停止」が記された欄に対応する期間中、その欄に対応する部分領域に対するドライブ信号の出力(及び、センサ信号の検出)は停止している。
【0038】
図3(a)に示す例において、制御回路部1は、部分領域Aに対応する入力情報検出回路2a及び部分領域Bに対応する入力情報検出回路2bの動作を次のように制御する。すなわち、制御回路部1は、第1の期間には、入力情報検出回路2aが基本動作を実行して入力情報検出回路2bが基本動作を停止し、次いで、第2の期間には、入力情報検出回路2aが基本動作を停止して入力情報検出回路2bが基本動作を実行するように制御する。これによって、作動部の1回の全走査期間が完了し、以後、この動作制御が繰り返される。
【0039】
言い換えれば、制御回路部1は、作動部の1回の全走査期間を、入力情報検出回路2aからのドライブ信号の出力期間(入力情報検出回路2bからのドライブ信号の停止期間)である第1の期間と、入力情報検出回路2bからのドライブ信号の出力期間(入力情報検出回路2aからのドライブ信号の停止期間)である第2の期間とに分割するように、入力情報検出回路2a、2bからのドライブ信号の出力期間を制御するものである。
【0040】
この場合、入力情報検出回路2aにより部分領域Aに対してドライブ信号が出力され、そのセンサ信号が検出されている期間(第1の期間)中、部分領域Aに隣接する部分領域Bに対応する入力情報検出回路2bからのドライブ信号の出力は停止しているため、部分領域Aのセンサ信号に、入力情報検出回路2bから出力されるドライブ信号を要因とするノイズは発生しない。したがって、部分領域Aのセンサ信号は、部分領域A内のタッチセンサ4に対する入力操作の検出に関して、入力情報検出回路2bから出力されるドライブ信号の影響を受けない。
【0041】
同様に、入力情報検出回路2bにより部分領域Bに対してドライブ信号が出力され、そのセンサ信号が検出されている期間(第2の期間)中、部分領域Bに隣接する部分領域Aに対応する入力情報検出回路2aからのドライブ信号の出力は停止しているため、部分領域Bのセンサ信号に、入力情報検出回路2aから出力されるドライブ信号を要因とするノイズは発生しない。したがって、部分領域Bのセンサ信号は、部分領域B内のタッチセンサ4に対する入力操作の検出に関して、入力情報検出回路2bから出力されるドライブ信号の影響を受けない。
【0042】
図3(b)に示す動作制御の例では、3つの部分領域A、B、Cを有する作動部に対する走査を、第1及び第2の2つの期間に分割して実行するため、第1及び第2のいずれか一方の期間(図示の例では、第1の期間)において、少なくとも2つの入力情報検出回路からなる一群の入力情報検出回路が基本動作を実行し、対応する部分領域からのセンサ信号を検出することになる。
そして、制御回路1は、このような一群の入力情報検出回路が、部分領域Bを介して互いに離隔して配置された2つの部分領域A、Cに対応する入力情報検出回路2a、2bから構成されるように、入力情報検出回路2a、2b、2cから出力されるドライブ信号の出力期間を制御するものである。
【0043】
すなわち、図3(b)に示す動作制御の場合、制御回路部1は、第1の期間には、入力情報検出回路2a、2cが基本動作を実行して入力情報検出回路2bが基本動作を停止し、次いで、第2の期間には、入力情報検出回路2bが基本動作を実行して入力情報検出回路2a、2cが基本動作を停止するように制御する。これによって、作動部の1回の全走査期間が完了し、以後、この動作制御が繰り返される。
【0044】
この場合、入力情報検出回路2aにより部分領域Aに対してドライブ信号が出力され、そのセンサ信号が検出されている期間(第1の期間)中、部分領域Aに隣接する部分領域Bに対応する入力情報検出回路2bからのドライブ信号の出力は停止しているため、部分領域Aのセンサ信号に、入力情報検出回路2bから出力されるドライブ信号を要因とするノイズは発生しない。したがって、部分領域Aのセンサ信号は、部分領域A内のタッチセンサ4に対する入力操作の検出に関して、入力情報検出回路2bから出力されるドライブ信号の影響を受けない。
【0045】
そして、第1の期間中には、入力情報検出回路2cからも、部分領域Cに対してドライブ信号が出力されているものの、部分領域Aと部分領域Cは、部分領域Bを介して離隔して配置されており、一定の空間距離が確保されるため、部分領域Aのセンサ信号に、入力情報検出回路2cから出力されるドライブ信号を要因とするノイズは発生しないか、または、発生したとしても、そのレベルを部分領域A内のタッチセンサ4に対する入力操作の検出のために問題とならない程度に抑制することができる。その意味で、部分領域Aのセンサ信号は、部分領域A内のタッチセンサ4に対する入力操作の検出に関して、入力情報検出回路2cから出力されるドライブ信号の影響も受けないものである。
【0046】
同様に、部分領域Cのセンサ信号は、部分領域C内のタッチセンサ4に対する入力操作の検出に関して、入力情報検出回路2b及び入力情報検出回路2aから出力されるドライブ信号の影響を受けない。
【0047】
また、入力情報検出回路2bにより部分領域Bに対してドライブ信号が出力され、そのセンサ信号が検出されている期間(第2の期間)中、部分領域Bに隣接する部分領域A、Cに対応する入力情報検出回路2a、2cからのドライブ信号の出力は停止しているため、部分領域Bのセンサ信号に、入力情報検出回路2a、2cから出力されるドライブ信号を要因とするノイズは発生せず、部分領域Bのセンサ信号は、部分領域B内のタッチセンサ4に対する入力操作の検出に関して、入力情報検出回路2a、2cから出力されるドライブ信号の影響を受けない。
【0048】
図3(c)に示す動作制御の例は、4つの部分領域A、B、C、Dを有する作動部に対する走査を、第1及び第2の2つの期間に分割して実行する場合の例であり、制御回路1は、上述した一群の入力情報検出回路が、部分領域Bを介して互いに離隔して配置された2つの部分領域A、Cに対応する入力情報検出回路2a、2bから構成される第1群の入力情報検出回路2a−2cと、部分領域Cを介して互いに離隔して配置された2つの部分領域B、Dに対応する入力情報検出回路2b、2dから構成される第2群の入力情報検出回路2b−2dからなるように、入力情報検出回路2a、2b、2c、2dから出力されるドライブ信号の出力期間を制御するものである。
【0049】
すなわち、図3(c)に示す動作制御の場合、制御回路部1は、第1の期間には、入力情報検出回路2a、2cが基本動作を実行して入力情報検出回路2b、2dが基本動作を停止し、次いで、第2の期間には、入力情報検出回路2b、2dが基本動作を実行して入力情報検出回路2a、2cが基本動作を停止するように制御する。これによって、作動部の1回の全走査期間が完了し、以後、この動作制御が繰り返される。
【0050】
この場合、第1の期間中に基本動作を実行する入力情報検出回路2a、2cは、部分領域Bを介して離隔して配置された部分領域A、Cにそれぞれ対応するものであり、第1の期間中に、部分領域A、Cに隣接する部分領域Bに対応する入力情報検出回路2b、及び、部分領域Cに隣接する部分領域Dに対応する入力情報検出回路2dの基本動作は停止しているため、図3(b)に示す動作制御の例と同様に、部分領域Aのセンサ信号は、部分領域A内のタッチセンサ4に対する入力操作の検出に関して、入力情報検出回路2b、2c、2dから出力されるドライブ信号の影響を受けず、部分領域Cのセンサ信号は、部分領域C内のタッチセンサ4に対する入力操作の検出に関して、入力情報検出回路2a、2b、2dから出力されるドライブ信号の影響を受けない。
【0051】
同様に、第2の期間中に基本動作を実行する入力情報検出回路2b、2dは、部分領域Cを介して離隔して配置された部分領域B、Dにそれぞれ対応するものであり、第2の期間中に、部分領域Bに隣接する部分領域Aに対応する入力情報検出回路2a、及び、部分領域B、Dに隣接する部分領域Cに対応する入力情報検出回路2cの基本動作は停止しているため、部分領域Bのセンサ信号は、部分領域B内のタッチセンサ4に対する入力操作の検出に関して、入力情報検出回路2a、2c、2dから出力されるドライブ信号の影響を受けず、部分領域Dのセンサ信号は、部分領域D内のタッチセンサ4に対する入力操作の検出に関して、入力情報検出回路2a、2b、2cから出力されるドライブ信号の影響を受けない。
【0052】
図3(d)に示す動作制御の例は、5つの部分領域A、B、C、D、Eを有する作動部に対する走査を、第1及び第2の2つの期間に分割して実行する場合の例であり、制御回路1は、部分領域Aに対応する入力情報回路2a、部分領域Aに対して部分領域Bを介して離隔して配置された部分領域Cに対応する入力情報回路2c、及び、部分領域Cに対して部分領域Dを介して離隔して配置された部分領域Eに対応する入力情報回路2cから構成される1つの一群の入力情報検出回路2a−2c−2eと、部分領域Cを介して互いに離隔して配置された2つの部分領域B、Dに対応する入力情報検出回路2b、2dから構成される別の一群の入力情報検出回路2b−2dを構成するように、入力情報検出回路2a、2b、2c、2d、2eから出力されるドライブ信号の出力期間を制御するものである。
【0053】
すなわち、図3(d)に示す動作制御の場合、制御回路部1は、第1の期間には、入力情報検出回路2a、2c、2eが基本動作を実行して入力情報検出回路2b、2dが基本動作を停止し、次いで、第2の期間には、入力情報検出回路2b、2dが基本動作を実行して入力情報検出回路2a、2c、2eが基本動作を停止するように制御する。これによって、作動部の1回の全走査期間が完了し、以後、この動作制御が繰り返される。
尚、図4には、図3(d)の動作制御に対応するドライブ信号DA・・・、DB・・・、DC・・・、DD・・・、DE・・・、及び、センサ信号SA・・・、SB・・・、SC・・・、SD・・・、SE・・・のタイミングチャートが示されている。
【0054】
この場合、第1の期間中に基本動作を実行する入力情報検出回路2a、2c、2eは、部分領域B、Dを介して離隔して配置された部分領域A、C、Eにそれぞれ対応するものであり、第1の期間中に、部分領域A、Cに隣接する部分領域Bに対応する入力情報検出回路2b、及び、部分領域C、Eに隣接する部分領域Dに対応する入力情報検出回路2dの基本動作は停止しているため、図3(b)に示す動作制御の例と同様に、部分領域Aのセンサ信号は、部分領域A内のタッチセンサ4に対する入力操作の検出に関して、入力情報検出回路2b、2c、2d、2eから出力されるドライブ信号の影響を受けず、部分領域Cのセンサ信号は、部分領域C内のタッチセンサ4に対する入力操作の検出に関して、入力情報検出回路2a、2b、2d、2eから出力されるドライブ信号の影響を受けず、部分領域Eのセンサ信号は、部分領域E内のタッチセンサ4に対する入力操作の検出に関して、入力情報検出回路2a、2b、2c、2dから出力されるドライブ信号の影響を受けずない。
【0055】
同様に、第2の期間中に基本動作を実行する入力情報検出回路2b、2dは、部分領域Cを介して離隔して配置された部分領域B、Dにそれぞれ対応するものであり、第2の期間中に、部分領域Bに隣接する部分領域Aに対応する入力情報検出回路2a、部分領域B、Dに隣接する部分領域Cに対応する入力情報検出回路2c、及び、部分領域Dに隣接する部分領域Eに対応する入力情報検出回路2eの基本動作は停止しているため、部分領域Bのセンサ信号は、部分領域B内のタッチセンサ4に対する入力操作の検出に関して、入力情報検出回路2a、2c、2d、2eから出力されるドライブ信号の影響を受けず、部分領域Dのセンサ信号は、部分領域D内のタッチセンサ4に対する入力操作の検出に関して、入力情報検出回路2a、2b、2c、2eから出力されるドライブ信号の影響を受けない。
【0056】
本実施形態における入力装置10では、以上のように、作動部の全走査期間を、複数の期間(この場合、第1の期間と第2の期間の2つの期間に)分割し、1つの期間中に隣接する部分領域に対応する入力情報検出回路が基本動作を実行することがないように、複数の入力情報検出回路から出力されるドライブ信号の出力期間を制御することによって、複数の部分領域A〜Eの相互干渉により発生するノイズを、フィルタ回路等を追加することなく解消または抑制し、誤検出を防止することが可能となる。
【0057】
例えば、1つの部分領域のセンサ信号の波形は、図5(a)に示すように、隣接する部分領域に対応する入力情報検出回路からドライブ信号が出力されている場合には、センサ信号の信号値に対してノイズ成分のレベルが大きく、十分な検出レンジが確保できないのに対して、図5(b)に示すように、図3(a)〜(d)を参照して上述したように、隣接する部分領域に対応する入力情報検出回路からのドライブ信号の出力が停止されている場合には、ノイズ成分のレベルが著しく抑制されており、十分な検出レンジを確保して、タッチセンサ4に対する入力操作を正確に検出することができる。
【0058】
加えて、入力装置10は、それぞれ静電容量方式のセンサアレイからなる複数の部分領域A、B、C、D、Eを有する作動部と、複数の部分領域A、B、C、D、E毎に配置された複数の入力情報検出回路2a、2b、2c、2d、2eとを備え、各センサアレイA〜Eの入出力をそれぞれ専用の入力情報検出回路2a〜2eで担当することにより、次のような利点を備えている。
【0059】
まず、入力装置10は、例えばパーソナルコンピュータ用のキーボードのような、比較的多数のキースイッチを備え、広い入力操作面を備えた入力装置に適用した場合であっても、各センサアレイA〜Eと対応する入力情報検出回路2a〜2eとを、短くかつ単純な配線で接続することができ、誤動作を防止することができることに加えて、キースイッチ数の異なる入力装置に対しても、領域の分割、あるいは、各部分領域内におけるセンサアレイのマトリクス構成等の設計仕様を調整することにより、柔軟に対応することが可能となる。
また、各入力情報検出回路2a〜2eは、比較的小型の集積回路等により構成することが可能であるため、大型かつ高価な集積回路等の使用を避けることができる。
【0060】
さらに、入力装置10では、各部分領域A〜E内で同時入力操作によるゴーストキーは発生せず、加えて、部分領域をまたがる同時入力操作によるゴーストキーは、構成上発生し得ないため、キースイッチの同時入力操作による誤入力を完全に防止することができる。
【0061】
次に、図6を参照して、本実施形態における入力装置10において、複数の入力情報検出回路を用いて作動部に含まれるセンサアレイ全体を走査するための動作制御の別の例を説明する。ここで、図6に示す動作制御は、作動部の全走査期間を、第1の期間、第2の期間、及び第3の期間の3つの期間に分割した点で、図3に示す動作制御と相違するものであり、1つの期間中に隣接する部分領域に対応する入力情報検出路が基本動作を実行することがないように、複数の入力情報検出回路から出力されるドライブ信号の出力期間を制御する点では、図3に示す動作制御と共通のものである。
【0062】
ここで、図6(a)は、作動部が3つの部分領域A、B、Cを有する場合、(b)は、作動部が4つの部分領域A、B、C、Dを有する場合、(c)は、作動部が5つの部分領域A、B、C、D、Eを有する場合(図1に示す構成)について、その動作制御を示すものである。
【0063】
図6(a)に示す例において、制御回路部1は、部分領域Aに対応する入力情報検出回路2a、部分領域Bに対応する入力情報検出回路2b、及び部分領域Cに対応する入力情報検出回路2cの動作を次のように制御する。すなわち、制御回路部1は、第1の期間には、入力情報検出回路2aが基本動作を実行して入力情報検出回路2b、2cが基本動作を停止し、次いで、第2の期間には、入力情報検出回路2bが基本動作を実行して入力情報検出回路2a、2cが基本動作を停止し、次いで、第3の期間には、入力情報検出回路2cが基本動作を実行して入力情報検出回路2a、2bが基本動作を停止するように制御する。これによって、作動部の1回の全走査期間が完了し、以後、この動作制御が繰り返される。
【0064】
また、図6(b)に示す例では、制御回路部1は、第1の期間には、入力情報検出回路2a、2dが基本動作を実行して入力情報検出回路2b、2cが基本動作を停止し、次いで、第2の期間には、入力情報検出回路2bが基本動作を実行して入力情報検出回路2a、2c、2dが基本動作を停止し、次いで、第3の期間には、入力情報検出回路2cが基本動作を実行して入力情報検出回路2a、2b、2dが基本動作を停止するように制御する。これによって、作動部の1回の全走査期間が完了し、以後、この動作制御が繰り返される。
【0065】
また、図6(c)に示す例では、制御回路部1は、第1の期間には、入力情報検出回路2a、2dが基本動作を実行して入力情報検出回路2b、2c、2eが基本動作を停止し、次いで、第2の期間には、入力情報検出回路2b、2eが基本動作を実行して入力情報検出回路2a、2c、2dが基本動作を停止し、次いで、第3の期間には、入力情報検出回路2cが基本動作を実行して入力情報検出回路2a、2b、2d、2eが基本動作を停止するように制御する。これによって、作動部の1回の全走査期間が完了し、以後、この動作制御が繰り返される。
【0066】
図6に示す動作制御は、複数の入力情報検出回路から出力されるドライブ信号の出力期間を以上のように制御することによって、図3に示す動作制御と同様の効果を奏するものである。加えて、図6に示す動作制御では、作動部の全走査期間を3つ期間に分割したことにより、図6(b)の第1の期間における一群の入力情報検出回路2a−2d、図6(c)の第1の期間及び第2の期間における一群の入力情報検出回路2a−2d、2b−2eのように、一群の入力情報検出回路を、隣接する2つの部分領域を介して互いに離隔して配置された部分領域から構成することが可能となる(例えば、図6(b)の第1の期間における一群の入力情報検出回路2a−2dは、隣接する2つの部分領域B、Cを介して互いに離隔された部分領域A、Dに対応する入力情報検出回路2a、2dから構成される)。これによって、同一の期間中に基本動作を実行する入力情報検出回路(例えば、2a、2d)に対応する部分領域(例えば、A、D)の間に確保される距離が延長されるため、それぞれの部分領域のセンサ信号に、これらの部分領域の相互干渉によって発生するノイズを、さらに効果的に解消または軽減することが可能となる。
【0067】
尚、図3及び図6に示した動作制御は、必要な場合、1つの期間中に基本動作を実行する一群の入力情報検出回路を適切に定義することによって、作動部が6以上の部分領域を有する場合、及び、作動部の全走査期間を4以上の期間に分割する場合に対して、容易に適用可能であること、また、その仕様に応じて、一群の入力情報検出回路を、隣接する3以上の部分領域を介して離隔して配置された部分領域を含むように定義可能であることは、当業者には容易に理解されるものである。
【0068】
また、図3及び図6に示す動作制御では、制御回路部1は、複数の入力情報検出回路2a〜2eから出力されるドライブ信号の出力期間を制御するものとしたが、入力装置10において、複数の入力情報検出回路2a〜2eのそれぞれによって検出されるセンサ信号が、そのセンサ信号を検出する入力情報検出回路(例えば、2a)以外の入力情報検出回路(例えば、2b〜2e)から出力されるドライブ信号の影響を受けないように、複数の入力情報検出回路2a〜2eを制御する方法は、このようにドライブ信号の出力期間を制御する方法に限定されない。
【0069】
例えば、制御回路部1は、複数の入力情報検出回路2a〜2eのそれぞれによって検出されるセンサ信号について、そのセンサ信号を検出する入力情報検出回路(例えば、2a)以外の入力情報検出回路(例えば、2b〜2e)から出力されるドライブ信号の振幅を制御することにより、複数の部分領域A〜Eの干渉によって発生するノイズを解消または抑制するものであってもよく、または、上記ドライブ信号の周波数を制御することにより、複数の部分領域A〜Eの干渉によってノイズが発生した場合でも、特定周波数で発生するノイズをフィルタ回路等により容易に除去可能にするものであってもよい。
【0070】
あるいは、制御回路部1は、複数の入力情報検出回路2a〜2eのそれぞれによって検出されるセンサ信号が、そのセンサ信号を検出する入力情報検出回路(例えば、2a)以外の入力情報検出回路(例えば、2b〜2e)から出力されるドライブ信号の影響を受けないように、複数の入力情報検出回路2a〜2eにおけるセンサ信号の検出感度を制御するものであってもよい。
あるいは、制御回路部1は、複数の入力情報検出回路2a〜2eに対して、ドライブ信号の出力期間、ドライブ信号の振幅、ドライブ信号の周波数、及び、検出感度のうちのいずれか2以上を任意に組み合わせて制御するものであってもよい。
【0071】
以上、本発明を好ましい実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述した構成に限定されるものではない。
例えば、入力装置10では、作動部の複数の部分領域A〜Eのそれぞれは、静電容量方式のセンサアレイからなるものとしたが、本発明に係る入力装置において、作動部の複数の部分領域は、熱センサ、光センサ、振動センサ等の任意の物理量を検出する手段を含むものであってもよい。
【0072】
また、本発明に係る検出装置は、入力装置10のような入力装置に備えられる場合に限定されない。例えば、本発明に係る検出装置及びその検出装置を用いた電子機器は、作動部の複数の部分領域に光センサを含む検出装置、及び、その検出装置を用いた画像読取装置等を含むものである。
【0073】
さらに、本発明に係る検出装置は、その出力部から出力される第1信号がセンサを駆動するためのドライブ信号、その検出部で検出される第2信号がセンサの検出値に応じたセンサ信号である場合に限定されるものではない。
例えば、本発明に係る検出装置は、その検出部としてアナログ−デジタル変換器を含むようなマイクロコンピュータシステム等の電子装置であって、任意の適切な構成を備えた電子回路からなる複数の部分領域を有する作動部を有し、いずれかの部分領域から上記アナログ−デジタル変換器に入力される信号を第2信号、いずれかの部分領域に出力される電子回路内の任意の信号(例えば、同期信号、クロック信号)を第1信号とする装置を含むものである。
【符号の説明】
【0074】
1:制御回路部、2a〜2e:入力情報検出回路、3:メモリ部、4:タッチセンサ、5:基板、10:入力装置、A〜E:センサアレイ、D1〜D9:第1タッチセンサ、DD1〜DD3:第1タッチセンサ群、S1〜S9:第2タッチセンサ、SS1〜SS9:第2タッチセンサ群、SW1,SW2,SW4,SW5:キースイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部分領域を有する作動部と、前記作動部の部分領域毎に第1信号を出力する出力部と、前記作動部の部分領域毎の第2信号を検出する検出部と、前記出力部及び検出部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記検出部で検出される前記第2信号が、該第2信号に対応する部分領域以外の部分領域に出力される前記第1信号の影響を受けないように、前記出力部を制御することを特徴とする検出装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記検出部で前記複数の部分領域のうちの2以上の部分領域からなる一群の部分領域からの前記第2信号が検出される場合、前記一群の部分領域が、互いに離隔して配置された部分領域から構成されるように、前記出力部を制御することを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の検出装置と入力操作面とを備え、前記入力操作面と前記作動部により操作部が構成されており、前記作動部により前記入力操作面に対する入力操作の発生位置を検出して、該発生位置に応じた出力情報を上位システムに対して出力することを特徴とする入力装置。
【請求項4】
前記作動部の複数の部分領域毎に配置された複数の入力情報検出回路を備え、前記制御部は、複数の前記入力情報検出回路を制御する制御回路部を含み、前記作動部の前記複数の部分領域のそれぞれは、静電容量方式のセンサアレイを含んでおり、
前記センサアレイは、それぞれ複数の第1タッチセンサからなる複数の第1タッチセンサ群と、それぞれ複数の第2タッチセンサからなる複数の第2タッチセンサ群とから構成される複数のタッチセンサを有し、
前記複数の入力情報検出回路のそれぞれは、前記制御回路部からの出力指令に基づいて、対応する部分領域に含まれる前記センサアレイが有する複数の前記第1タッチセンサ群に対して群毎に前記第1信号を出力する前記出力部と、対応する部分領域に含まれる前記センサアレイが有する複数の前記第2タッチセンサ群からの前記第2信号を群毎に検出する前記検出部を有し、
前記制御回路部は、前記複数の入力情報検出回路のそれぞれから、検出された前記第2信号に応じた検出情報を得ることにより、複数の前記センサアレイ内の入力操作されたタッチセンサを特定し、該特定されたタッチセンサに対応する出力情報を前記上位システムに対して出力するとともに、前記複数の入力情報検出回路のそれぞれによって検出される前記第2信号が、該第2信号を検出する前記入力情報検出回路以外の前記入力情報検出回路から出力される前記第1信号の影響を受けないように、前記複数の入力情報検出回路を制御する、ことを特徴とする請求項3に記載の入力装置。
【請求項5】
前記制御回路部は、前記複数の入力情報検出回路のうちの2以上の入力情報検出回路からなる一群の入力情報検出回路で前記第2信号を検出する場合、前記一群の入力情報検出回路が、互いに離隔して配置された部分領域に対応する入力情報検出回路から構成されるように、前記複数の入力情報検出回路から出力される前記第1信号の出力期間を制御することを特徴とする請求項4に記載の入力装置。
【請求項6】
前記制御回路部は、前記複数の入力情報検出回路のそれぞれによって検出される前記第2信号について、該第2信号を検出する前記入力情報検出回路以外の前記入力情報検出回路から出力される前記第1信号の振幅または周波数を制御することを特徴とする請求項4または5に記載の入力装置。
【請求項7】
前記制御回路部は、前記複数の入力情報検出回路の検出感度を制御することを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項8】
請求項1または2に記載の検出装置を用いた電子機器。
【請求項9】
請求項3から7のいずれか1項に記載の入力装置を用いた電子機器。
【請求項10】
複数の部分領域を有する作動部を備えた検出装置の制御方法であって、前記作動部の部分領域毎に第1信号を出力するステップと、前記作動部の部分領域毎の第2信号を検出するステップと、検出される前記第2信号が、該第2信号に対応する部分領域以外の部分領域に出力される前記第1信号の影響を受けないように、前記第1信号の出力を制御するステップと、を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項11】
複数の部分領域を有する作動部を備えた検出装置と入力操作面とを含み、前記入力操作面と前記作動部により操作部が構成されるとともに、前記作動部の複数の部分領域毎に配置された複数の入力情報検出回路を備えており、前記作動部の前記複数の部分領域のそれぞれは、静電容量方式のセンサアレイを含み、前記センサアレイは、それぞれ複数の第1タッチセンサからなる複数の第1タッチセンサ群と、それぞれ複数の第2タッチセンサからなる複数の第2タッチセンサ群とから構成される複数のタッチセンサを有している入力装置の制御方法であって、前記複数の入力情報検出回路のそれぞれから、対応する部分領域に含まれる前記センサアレイが有する複数の前記第1タッチセンサ群に対して群毎に前記第1信号を出力するステップと、前記複数の入力情報検出回路のそれぞれにより、対応する部分領域に含まれる前記センサアレイが有する複数の前記第2タッチセンサ群からの前記第2信号を群毎に検出するステップと、前記複数の入力情報検出回路のそれぞれによって検出された前記第2信号に応じた検出情報に基づいて、複数の前記センサアレイ内の入力操作されたタッチセンサを特定し、該特定されたタッチセンサに対応する出力情報を上位システムに対して出力するステップと、前記複数の入力情報検出回路のそれぞれによって検出される前記第2信号が、該第2信号を検出した前記入力情報検出回路以外の前記入力情報検出回路から出力される前記第1信号の影響を受けないように、前記複数の入力情報検出回路を制御するステップと、を含むことを特徴とする制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−248077(P2012−248077A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120492(P2011−120492)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000114215)ミネベア株式会社 (846)
【Fターム(参考)】