説明

検出装置

基板(11b、11c)を備えた反射手段が、周波数が3×109Hzと1013Hzとの間にある電磁放射線を選択的に反射し、例えば、放射線(12)が入射するようにされた高抵抗率のシリコン層と、電荷キャリアを生成するために、例えば波長が5μmと100nmとの間にある電磁放射線で基板面を照射することにより、層内で電荷キャリアを選択的に生成して放射線を反射するための手段をと含む。反射手段は撮像装置の一部を形成することができ、この撮像装置では、同軸構成の反射手段を通過する放射線により撮像対象のシーンを照射し、反射された放射線を反射要素が受光する間に反射領域をその表面全体にわたって走査してシーンから反射された放射線流を作り出し、この放射線流を検出し、使用してディスプレイを駆動する。走査スポット以外の反射手段の領域からの反射により生み出されるノイズを交差偏光器によって低減することができ、基板には、これらの偏光器を形成するとともに走査構成を単純化するために溝を設けることができる。他の用途は、化学的特徴を検出するためのものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は検出装置に関し、特に3×109Hzから1013Hzに及ぶ電磁スペクトルの領域で動作する検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
THz(テラヘルツ)周波数帯(1010Hz〜1013Hz)内の電磁放射線は、衣服などの可視線を通さない材料を通過するので、隠れた物体の検出に有用である。赤外線放射と同様に、人々はこのような放射線を自然に放出しており、この自然に放出される放射線を使用して人物の画像を形成し、この人物が携行する隠れた物体を明らかにすることができる。この放射線は、周波数が可視線の周波数と比較的近いので、レンズを使用して放射線の焦点を合わせることができる。受動的に生成される光線に依拠せずに、対象物を放射線で能動的に照射することにより、画像をさらに改善することができる。
【0003】
1つの提案(1970年3月31日、4月1日及び2日にブルックリン工科大学におけるサブミリメートル波に関するシンポジウムにおいて示された、米国ニュージャージー州フォートモンマスの米国陸軍電子司令部電子部品実験所のR.C.Hofer、H.Jacobs、及びJ Schumacherによる「サブミリメートル及びミリメートル波画像の可視表示」)では、提案されたシステムの全体構成を示す図1に示すように、物体1が、70GHzで動作するクライストロン2からの放射線で照射される。物体から反射されて戻る放射線が、誘電材料からなるレンズ3により半導体パネル4上に合焦される。画像を見るために、光により照射されているときにはクライストロンからの放射線を通さず、照射されていないときにはこの放射線を通すというパネルの半導体特性を利用する。このため、走査機構5が、別様に照射されるパネル上の小さな影の領域を走査する。検出器6が、走査される影に対応する放射線を受光することにより順次信号を生成し、この信号から物体1の画像を再現することができる。図2は、図1の構成の解像プロセスをより詳細に示す図である。走査機構5は、垂直方向に互いに徐々に増加して変位する規則的に間隔をおいた不透明な部分8を含む連続テープを、投影器7の前で走らせることにより動作する。結果として生じる影9が、レンズ10により半導体パネル4上に合焦され、これを走査機構がラスタ形式で走査する。
【0004】
図3に示す別の提案(H.Jacobs、R.C.Hofer、G.Morrisによる、「霧透過性撮像装置への提案」、1966年6月、IEEE会報第54巻、第6刊、907頁)では、ワイヤメッシュを裏打ちした半導体パネル4を、光5のフライングスポットにより片面を走査して、局所的伝導率、従ってそのもう片方の面に作用するミリメートル波放射線への反射率を増加させ、このような放射線を反射する物体の画像をこのようにして走査する。撮像される物体2aが照射器2からのミリメートル波により照射され、反射された放射線がレンズ3によりパネル4上に合焦され、そこからの反射光線がホーン6により受光され、検出器6aに供給される。この画像はディスプレイ6d上で見られ、このディスプレイ6dは、検出器6aから増幅器6cを介して検出信号を受信し、フライングスポットの走査に関する情報を提供する入力部6bを有する。なお、これらの著者は、透過ゲルマニウム系に関する自らの研究に基づいて、必要な反射率を実現するためにはかなり厚い半導体層が必要であると考えていた。本発明の範囲内において、この見識が誤っていたことを示す。
【0005】
光学的に生成された光キャリアに起因すると考えられる、テラヘルツ放射線を反射する高抵抗半導体材料の特性が単独で示されている(L Fekete、J.Y.Hlinka、F Kadlec及びP Kuzel、並びにP Mounaixによる「高抵抗半導体のテラヘルツ反射率の能動的光学制御」、2005年8月1日、Optics Letters、第30巻第15号)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】R.C.Hofer、H.Jacobs、及びJ Schumacher著、「サブミリメートル及びミリメートル波画像の可視表示」1970年3月31日、4月1日及び2日、サブミリメートル波に関するシンポジウム、ブルックリン工科大学
【非特許文献2】H.Jacobs、R.C.Hofer、G.Morris著、「霧透過性撮像装置への提案」、1966年6月、IEEE会報第54巻、第6刊、907頁
【非特許文献3】L Fekete、J.Y.Hlinka、F Kadlec及びP Kuzel、並びにP Mounaix著、「高抵抗半導体のテラヘルツ反射率の能動的光学制御」、2005年8月1日、Optics Letters、第30巻第15号
【非特許文献4】Mineralogical Magazine、第33巻、1964年3月、第264号725頁〜729頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、周波数が3×109Hzと1013Hzとの間にある、シーンを照射するための電磁放射線源と、シーンから反射された放射線が入射するように構成された半導体材料を備えた反射手段と、反射手段の表面全体にわたり、電荷キャリアを選択的に生成して反射性を有するようになる領域を走査するためのスキャナと、反射手段から反射された放射線を受光するように位置決めされた検出器とを備えた検出装置を提供し、上記放射線源は、反射手段を介してシーンを照射するように構成される。
【0008】
これにより、検出装置を小型にするとともに光学収差を最小にすることが可能になる。
【0009】
検出装置が、電荷キャリアを生成しない領域全体にわたって反射手段からの反射を低減させる偏光器を含むという利点を有する。偏光器をこのように使用することにより、信号対ノイズ比を改善できるようになる。
【0010】
反射手段が一対の基板を備え、スキャナが個々の基板の表面上のそれぞれのストリップを選択的に照射するための手段を含むという利点を有する。これにより、走査を単純化できるようになる。
【0011】
反射手段が半導体材料、例えばシリコンであるという利点を有する。シリコンは、キャリアの寿命が長く、従って高効率な光伝導体であると考えられるので、このような材料の抵抗率は500オーム−cmを超えることができ、5kオーム−cmを超えることが有益であり、50kオーム−cmを超えることが好ましい。反射手段は、多くの半導体又は表層であってもよい。
【0012】
電荷キャリアの生成によって反射手段が動作可能となることにより、シーンから反射された放射線の方向が変化する。熱的に、電気的に、又は光学的に、或いはこれらの組み合わせにより電荷キャリアを生成することができる。例えば、キャリアを電気的に生成するために、基板にバイアスをかけるとともに、注入器又は注入器の配列を設けることができる。しかしながら、好ましい形態では、使用する半導体材料にもよるが、5μmと100nmとの間にある波長の電磁放射線(光学放射線)で基板を選択的に照射することにより電荷キャリアが生成される。
【0013】
スキャナは機械的スキャナであってもよく、或いは各々が基板の要素を照射するように構成された多くの光源を備えていてもよい。走査は、ラスターパターンで、或いは受け取ったシーンから得られる画像に応じたパターンで行うことができる。
【0014】
3×109Hz〜1011Hzの周波数の場合、検出装置を、例えば空中プラットフォームにおいて誘導目的で使用することができ、1010Hz〜1013Hzの周波数の場合、検出装置を、例えば武器又は爆発物の存在に関して人物を検査するための検査目的で使用することができる。第1の目的には撮像装置が望ましいが、対象物の吸収特性又はその他の化学的特徴が断定される第2の目的には撮像装置は不必要となる。
【0015】
電磁放射線源は連続波であってもよいが、用途によっては放射線をパルス化することが望ましい場合もある。
【0016】
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施する方法について一例として詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】従来技術の検出装置の全体構成を示す図である。
【図2】図1の検出装置の走査構成をより詳細に示す図である。
【図3】第2の従来技術の検出装置の全体構成を示す図である。
【図4】本発明の検出装置における使用に適した反射手段を断面で示す光線図である。
【図5】本発明による第1の検出装置の概略図である。
【図6】本発明による第2の検出装置の概略図である。
【図7】図6の移相器の動作を説明する図である。
【図8】本発明による第3の検出装置の概略図である。
【図9a】図8に示す反射手段の一方の正面図である。
【図9b】図9aに示す反射手段の平面図である。
【図9c】図9bに示す反射手段の断面図である。
【図10】図8に示す反射手段の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面全体を通じて、同様の部分には同様の参照番号を付与している。
【0019】
本発明の検出装置は様々な用途を有する。レーダー周波数(3×109Hzから1011Hz)の場合、検出装置を誘導システムの一部として、或いはその他のレーダー用途のために使用することができる。ミリメートル周波数(1010Hzから1013Hz)の場合、検出装置をセキュリティ検査に使用することができる。化学的特徴の検出の場合、検出装置が、照射されるシーンの画像を形成する必要はない。多くのセキュリティ検査用途では画像を得ることが望ましく、図面を参照しながら以下で説明する本発明の実施形態は撮像装置である。
【0020】
図4を参照すると、本発明の検出装置での使用に適した反射手段が、高抵抗率の(すなわち5kオーム−cmよりも大きい)シリコン半導体材料からなる平面基板11を備える。基板の厚さは、到来する放射線の周波数に応じて異なる。厚さは100μmよりも大きくなりがちであるが、500μm、1000μm、及び5000μmの厚さを使用した。シリコン表面におけるファブリペロー反射を最小化するために、厚さを、到来するミリメートル放射線の周波数における整数の半波長厚となるように構成することもできる。臨界波長における複数のビーム干渉に起因して、周囲の媒体とは誘電率が異なる任意の誘電材料の平面厚がエタロンとして動作することができる。以下では、光学手段又はその他の手段により誘導される電荷変位の層が固有の反射率を生み出すだけではなく、実効誘電率、従って全有効厚を変更することにより、全反射率を増加又は低下させるようにエタロンを調整することもできる。
【0021】
周波数が1010Hzと1013Hzとの間にある放射線12が基板上に入射し、基板を光学放射線で照射しない場合には同じ方向13に透過される。基板を光学放射線14で照射した場合、到来する放射線12は、基板により方向15に沿って反射される。従って、光学放射線を断続的に切り換えることにより、反射手段が反射モードと透過モードとの間で切り替えられる。
【0022】
図4は、基板の小さな要素を示すものである。基板のパターン線は示していない。基板照射ビームは、ラスター走査などの何らかの望ましい走査パターンで基板のパターン線全体にわたって走査される。従って、基板上に合焦される到来放射線の画像を分析し、次に画像の個々の要素に対応する順次ビームに変換し、視覚ディスプレイを駆動できる単純な検出器を使用できるようにする。
【0023】
光学放射線が降り注ぐ基板面には、照射する放射線の波長の4分の1波長反射防止層16が設けられ、被覆の屈折率はシリコンの屈折率の平方根、すなわち約1.85である。
【0024】
反射効果の根底にあるメカニズムは、光学的励起が高密度の電子雲又は電子「プラズマ」を発生させた結果、正にイオン化した原子の周期的配列が半導体格子内で生じることであると考えられる。この電子プラズマと、高周波の反射に関与し実際に電荷変位の周期的配列を形成するイオンの周期的配列とへの電荷分裂により、到来する電波面により横方向並びに縦方向のコヒーレンスを確立できるようになる。可視光に相当するエネルギーは、半導体材料のバンドギャップよりも大きい必要がある。シリコンにおける条件は、キャリアの生成時に大部分が再結合しないようなものでなければならない。従って、エネルギー準位を禁止ギャップの中心に置く不純物を含まない比較的純粋なシリコン結晶を使用する必要がある。
【0025】
真性シリコンが適している。例えば、抵抗率が100Kオーム−cmを超えるシリコンを真性と見なすことができる(N型のキャリア密度は、立方センチメートル当たり約1×1010となる)。不純物が存在しないことにより散乱中心が存在しなくなるので、この材料のキャリア寿命は長いと予想される。
【0026】
好適な光学放射線源の例として、タングステンフィラメントランプ、赤色又は近IRのLED、或いは固体レーザが挙げられる。これにより、1μmの近赤外線から0.7μmの可視を僅かに越える周波数範囲が与えられ、シリコンとの好ましい光学放射線の動作範囲は850nmから950nmである。この動作範囲は、使用する特定の半導体の吸収端の位置に依存する。吸収端より上では半導体は透明であり、光学放射線との相互作用は非常に弱い。
【0027】
照射放射線が入射する基板表面は、反射防止被覆16を施すことによりその反射率を低減するように処理されるが、これの代わりに、或いはこれに加えて、選択的エッチングにより形成される逆ピラミッド形の窪みで表面を被覆することができる。このような窪みは、より多くの光を基板に入射できるようにする。
【0028】
好適な基板材料の一例に、60kオーム−cmのN型シリコンがある。このシリコンは、P型シリコンから開始して、リンで逆ドーピングすることにより作成される。このシリコンは、リンが多めになるように若干過補償される。基板の高抵抗率シリコンは、大部分が伝導帯の底部を下回る40ミリ電子ボルトの浅いドナー準位を有するN型である。このことは、このドナー準位にある電子が、1.24/0.04=31ミクロンの波長により伝導帯に容易に励起されることを意味する。この波長は、電荷を効率的に作り出す赤外線放射よりも大幅に長いが、ドナー準位が室温でイオン化されることになり、シリコン原子の数と比較するとはるかに少ないドナーしか存在しない。従って、より多くの電荷を加えるための主なメカニズムは、バンドギャップを跨ぐ励起によるものとなる。
【0029】
代替の材料として、リチウム補償シリコン、すなわち、リチウムイオンが残留ホウ素不純物及びあらゆる欠陥部又は断裂部と結合するように処理されたシリコンが挙げられる。通常の抵抗率は、100kオーム−cmよりも大きくなる。この場合も、主なメカニズムは、価電子帯から得られる電子のバンドギャップを跨ぐ励起である。
【0030】
他の高抵抗率シリコン材料を使用することができ、その他の半導体材料、例えばGaAsを使用することもできる。必要であれば、到来する放射線の内部反射を防ぐように設計された(到来する放射線の周波数の)4分の1波長の反射防止層で基板の裏面を被覆することができる。このような被覆は、誘電体、又は半導体の平均屈折率の平方根である平均屈折率を有する誘電体層の積み重ねで構成される。別の代替として、内部反射された放射線をビーム15から分離するために、基板の裏面を楔形にし、すなわち前面に対して平行ではなく傾斜させることができる。
【0031】
電荷キャリアは、基板の大半において光学放射線により生成されるが、代わりに電極等の電気手段により生成することもでき、シリコン基板の表面全体にわたる反射領域を走査するために、これらの電極を配列の形で構成することができる。
【0032】
図5を参照すると、第1の撮像装置が、図4を参照しながら説明したシリコン基板11を使用しており、この基板は、個別素子の配列又は連続シートのいずれであってもよい。ガンダイオード発振器18により生成され、導波管ホーンアンテナ19により放射される1010Hz〜1013Hzの範囲内の電磁放射線(ミリメートル)により、撮像する対象物17が照射される。複合広角レンズ系31が、対象物から反射されて戻る放射線を、基板11における反射を通じて受光ホーン24の合焦面上に合焦する。
【0033】
LEDの配列32が光学電磁放射線のフライングスポットを作り出し、この場合(近赤外線における他の波長を使用することもできるが)波長800nm〜950nmの放射線が生成され、これがシリコン基板11の、ミリメートル放射線が入射する側と反対側に合焦される。さらに各列のLEDを連続して照射することにより、光学放射線のフライングスポットが基板をラスター走査するようになる。瞬間的なスポットにより反射される、対応するミリメートル放射線の連続した流れが受光ホーン24により受光され、ディスプレイ29に画像が作成される。
【0034】
図4を参照しながら説明した方法では、スポットが入射するにつれて、今度はシリコン基板の個々の領域が、ミリメートル放射線を透過する状態からこの放射線を反射する状態へと変化する。受光ホーン24は、結果として生じるミリメートル放射線15の連続した流れを受光し、これをサンプリング検出器25に供給し、この出力がフィルタ26によりフィルタリングされ、増幅器27により増幅される。デジタルインターフェイス28を介して、走査コントローラ30を使用してビデオ画像がディスプレイ29に示される。
【0035】
基板を通じて対象物17を同軸上に照射することにより、光のフライングスポットがなければその領域の全てにわたってシリコン基板11がミリメートル放射線に対して透明を保つという事実を利用している。このミリメートル放射線がレンズ系31を介して対象物17を照射し、対象物から反射される放射線が、同じレンズ系31により、シリコン基板11による反射を通じてホーン24の合焦面内に合焦される。シリコン基板は、連続シート又は個別素子の配列のいずれであってもよい。
【0036】
シリコン基板の光学的に照射される面に、図4に示す被覆16のような反射防止被覆を施すことができ、これが逆の面に作用するミリメートル放射線に影響を及ぼすことはない。また、バイアス電源11aによりバイアスをかけ、例えば電極配列とともに近赤外線放射に対する半導体配列の感度を高めることができる。
【0037】
放射線源18の周波数は、125GHzのガンダイオード発振器及び×2の乗算器18aから得られた250GHzであってもよい。必要であれば、乗算器は省いてもよい。94GHzなどのより低い動作周波数を使用することもできる。
【0038】
フライングスポットを電子走査する代わりに、例えば、Nipkowディスクスキャナ、又はMihaly−Truabミラードラム、或いは水平及び垂直の走査を行う同期発振ミラーのシステムを使用して、必要であれば機械的に走査を行うことができる。
【0039】
重要な点は、透過放射線がレンズの口径のほぼ全体に及ぶ点である。このことは、照射系の口径数を維持する上で不可欠である。受光系は、ビームスプリッタ表面の小さな領域を選択的に励起することにより走査される。この走査は、受光した口径のレイリーの分解能を与えるために解像の原理を使用する。レイリーの理論に従って、選択領域の最小サイズは動作波長においてλ/2となる。
【0040】
受光チャネルの解像を行うために、半導体ビームスプリッタの表面の一部を励起して、この領域内に過剰なキャリアを生成する。この励起は、光学的に、又は電気的に、或いはこれら2つの組み合わせで実施することができる。これまでに、半導体の切り替えられる透過率又は反射率のいずれかに基づいて半導体シャッターを作り出すための数多く試みが行われてきた。ほとんどが、材料の大半において従来のDrude/Debyeのモデル化を使用した実験的観測の結果を説明しようと試みてきたものである。本発明の場合、実験上の証拠が、反射率に関する限りDrude/Debyeのモデルは正しくないことを裏付けている。反射率は、僅か数ミクロン厚の層である励起表面に非常に近いキャリア励起の結果である。材料の大半における減衰はフォノン散乱に起因する。キャリア励起のみに起因する局所反射率は53%を大きく超えることはなく、この反射率は半導体の厚さとは無関係である。これにより、良好な反射率(−3dBの変換損失)を与えるが励起領域の外側では透過における減衰損失が常に低いビームスプリッタの設計が可能になる。n=1、3、5等として、非励起時のビームスプリッタの厚さをnλ/4に近づけた場合、背面の反射においてλ/2の位相変化が存在し、反射光線において2×λ/4の総経路長変化が存在するため、前面の総反射率が高められる。従って、前面の反射位相がλとなり、反射光線が入射光線に加えられ、総反射率が高められる。
【0041】
しかしながら、厚さを、n=2、4、6等として偶数のnλ/4にした場合には逆のことが発生し、反射光線の位相変化は、入射光線とは逆に前面でλ/2となり、反射率は減少する。
【0042】
励起される反射層及び照射される面に近いその封じ込めの性質を理解することにより、薄い半導体ビームスプリッタの使用が可能になり、この結果、ビームスプリッタの厚さを通じた屈折により、系内に導入される光学収差が最小限に抑えられる。
【0043】
図6を参照すると、第2の撮像装置は、受光ホーンアンテナ24の出力が同相チャネルと直交チャネルとに分かれ、ガンダイオードからの放射線のコヒーレントな性質を利用して、対象物の異なる部分から反射される放射線とは異なるいずれかの振幅差及び位相差を測定できるようにするという点で第1の撮像装置と異なる。従って、この実施形態では190GHzに調整されたガンダイオード発振器18が、ハイブリッド結合器34を介して送出ホーン19に供給を行う。ハイブリッド結合器は、ミリメートル信号の一部を局所的な発振器信号として混合器35に供給し、同相チャネル及び直交チャネルを、受光ホーン24により集光される反射及び走査されたミリメートル放射線から回収できるようにする。個々のチャネルには、エイリアシング防止低域通過フィルタ26a、26b及び増幅器27a、27bが設けられる。信号プロセッサ及び走査制御体36が、ディスプレイ38を駆動するデジタルインターフェイス37へ信号を出力する。
【0044】
対象物が、誘電率の異なる隣接領域17a、17bを有する複合表面をその構造内に含む場合、反射するミリメートル放射線は、17a、17bを外向き方向に1度、及び戻る方向に1度というように2度通過していることになる。これらの層の個々の横断は、領域17aを通過する放射線と領域17bを通過する放射線とを比較した場合、これらの間に位相差を生じる。例えば、領域17aの誘電率が、1つの完全な波長がこの領域の厚さに正確に対応するようなものであるとすれば、領域17b内には1つの完全な波長よりも長い、又は短いものが対応することになる。
【0045】
ここで、移相器39の1つの設定の場合の遷移時の混合器の出力における何らかの振幅の変化を、移相器の別の設定の場合の振幅の変化と比較すると、位相差顕微鏡が異なる位相シフトの振幅変化を使用して観察サンプルにわたる屈折率変化に関する情報をもたらすのと同じ方法で、この比較を使用して遷移時の誘電率変化に関する情報を得ることができる。例えば、移相器の2つの異なる設定は、領域17aを通過するミリメートル波列に関してはピークとトラフとの間の差異に対応することができるが、領域17bを通過する波列に関しては異なる点の間の差異に対応することができ、この結果異なる相対振幅が生じる。
【0046】
信号処理及び走査制御ユニット36は、対象物の個々の増分部分からのミリメートル放射線の振幅及び位相の比較を可能にし、2つの隣接領域間の位相差の検出を可能にする。この情報は、混合器への局所的な発振器供給における移相器39の選択的動作により、位相差顕微鏡と同じ方法で対象物に関する情報をもたらす。
【0047】
移相器39は、周波数領域におけるいずれかの点において局所的な発振器位相の少なくとも±90°の連続的な変化を可能にする。従って、いずれかの周波数における経路長変化に起因する画像コントラストを±λ/4だけ変化させることができ、或いは全体の変化が、例えば94GHzにおいて画像の口径にわたり約2mmで、波長が減少するにつれてより高い周波数において比例的に変化してもよい。経路長の全体的なプログラム可能な変化は、全体的な周波数偏位に伴う波長の相対的偏移によりもたらされる。
【0048】
図7を参照することにより、移相器の動作を理解することができる。この図は簡略化したベクトル図であり、図中、OAなどのベクトル長が帰還信号の振幅を表し、OAを半径とする円の外周に位置する点がOAに対するベクトルの相対位相を表す。OAが、ゼロ吸収を有するとともに範囲の変化に起因する相対位相の偏移以外に相対位相の偏移のない経路に沿って反射されるゼロ次放射を表す場合、点P1に位置するベクトルは、OAに対して角φだけ位相が偏移し、OAとOP1との間の差分だけ振幅が偏移する。この差分が、直交検出器からの2つのチャネルにおける出力に反映される。信号成分の相対振幅を測定可能なコントラストに変換するために、ホモダイン混合器における送出位相と基準位相との間に位相シフトが導入される。この位相差が正確に90°である場合、ゼロ位相において平均ベクトルOCを背景の大きさとして利用することにより、基準ベクトルが送出ベクトルに先行するか、或いは遅延するかに応じて原点をO1又はO2へと偏移させる。ここでOCとO1C又はO2Cとのベクトル和が、経路長の差分に比例する振幅の差分に変換され、画像の各部を明るく又は暗くする。画像と背景との間の効果的なコントラストは、2つのベクトルO1C又はO2Cの場合で明らかに逆になる。しかしながら、画像の異なる部分において明るさと暗さとの間の比率が異なる割合で変化する場合、この変化は相対的経路長の差分、従ってこれらの領域間の屈折率の差分に正比例する。本発明の非常に重要な側面は、走査反射手段を使用することにより、単純なFMCWレーダーに見られるような、受光器における大きな漏れ信号の負担を伴わずに、対象物を照射するゼロ次放射線と、反射されタイミングを再調整された信号との両方が正確に同じ光学収差を受けることを確実できるという点である。漏れ信号は、走査されるスポットサイズの、走査される総面積及びビームスプリッタの内在的指向性に対する割合で減少し、これがダイナミックレンジ全体を大幅に改善する。
【0049】
このシステムは、線18aに沿ったガンダイオード発振器18の周波数変調を使用して、視野内の材料の誘電率の変化を撮像し、差動的に測定できるようにする十分な分散を実現することもできる。500MHz〜2GHzの十分な周波数偏位では、対象物の輝きに対する補償を使用することもでき、著しく湾曲した表面又は急激な誘電率の変化を常に撮像できるようになる。
【0050】
特定の誘電率の変化又は誘電率の値を識別するようにスキャナをプログラムすることが可能になる。
【0051】
この実施形態の場合、反射走査手段を省き、画像全体の小さな領域にわたる放射線を選択的に検出する検出器を使用することが可能になる。
【0052】
説明した撮像装置の欠点は、電子ガス層により非照射領域は反射的にはならないが、それにも関わらず基板において屈折率の変化が存在し、この屈折率の変化が、反射防止層によって部分的にしか補償できない反射を生み出すので、半導体基板の反射フライングスポット照射領域から受光ホーン24において受光される信号が、基板の非照射領域からの反射という形のノイズを伴うことである。図8から図10を参照すると、第3の撮像装置は、1つの代わりに2つの反射半導体基板を使用することにより第2の撮像装置とは異なり、これにより、使用する基板を走査する改善された方法、並びに他の利点が実現される。
【0053】
まず走査方法について説明する。ガンダイオード発振器18からの放射線によりシーン17が照射される。図5及び図6の単一の高抵抗率シリコン半導体基板11が、一対の高抵抗率シリコン半導体基板11b及び11cに置き換えられるので、対象物17から帰還するミリメートル放射線の経路が折り重なる。これにはいくつかの利点がある。
【0054】
第1の利点は、レンズ系31、31aから戻って受光されるシーンの画像全体にわたり反射スポットを走査する単純化した方法にある。半導体基板11b、11cの各々には、一連の等間隔を開けた溝40が設けられる。個々の基板の一方の端部には、溝40の個々の側面上に位置する個々の表面ストリップ42に一連のLED41が1つずつ設けられ(図9a)、その出力が表面ストリップ42に向けられる。そこから、この出力が、非常に薄いクロム層43により、基板の底部に形成されたミラーに反射される。この結果、個々のLED41が、このLEDからの光による繰り返し反射によって、関連するストリップ42の表面をその長さ全体に沿って下側から照射する。しかしながら、個々のLEDは、その隣接するストリップの表面しか照射せず、その他のストリップの表面は照射しない。実際には、LEDは個々のストリップの個々の端部に配列されるが、図9aにはストリップの左手端のLEDのみを示している。ストリップ42が直角に配列されることにさらに留意されたい(図10)。例えば、ストリップ42は、図8の基板11bでは垂直に延び、基板11cでは水平に延びてもよい。図10に示すように、基板11bの近い方の縁から3番目の垂直ストリップが照射され、基板11cの水平ストリップの上から3番目のストリップが照射される。
【0055】
送出ホーン19が、基板11bの領域全体を通じてシーン17を照射し、反射した放射線が、基板11b及び11cの領域全体に作用することが理解できよう。しかしながら、シーンのうち、ストリップの照射に起因してホーン24が受光する領域は、基板11b上の3番目の垂直ストリップの照射により特定される水平範囲と、基板11c上の3番目のストリップ42の照射により特定される垂直範囲とを有する領域のみである。1つの水平ストリップ及び1つの垂直ストリップを一度に照射することによりシーンの全領域を走査できることが明らかであろう。従って、例えば、まず最上部の水平ストリップ、並びに垂直ストリップの各々を照射することによりシーンを走査することができる。その後、上から2番目の水平ストリップ、並びに垂直ストリップの各々を照射することができ、以降同様に続く。
【0056】
従って、LED配列を使用する場合と比較して走査が単純化される。
【0057】
図6及び図8の撮像装置の1つではなく2つの反射基板の付設は、同様に他の利点ももたらす。
【0058】
照射領域に起因して受光ホーン24で受光される信号に加え、受光ホーンは、各基板の表面の空気/半導体界面における屈折率の変化により生じる各基板の領域全体からの反射も受光する。ホーン19から送出される放射線は平面偏光され、シーンから反射される放射線も同様にほぼ平面偏光されることに留意されたい。このため、受光ホーン24の前に交差偏光器を配置し、或いはホーン自体に偏光器を組み込むことにより、この望ましくない反射を受光放射線から除去できると考えるかもしれない。残念ながら、基板表面における反射は反射に多少の楕円率を導入し、この結果、このようにして導入された直交成分は、ホーン24におけるあらゆるこのような交差偏光器を通過することになる。
【0059】
導入される楕円率の量は、基板上のミリメートル放射線の入射角によって決まる。F H Smithによる発見によれば、入射角が小さい程、導入される楕円率の量は小さくなることが判明している(Mineralogical Magazine、第33巻、1964年3月、第264号725頁〜729頁)。図8では、基板11bと基板11cとの間に含まれる角度は45°であり、放射線の個々の基板への入射角は22.5°である。従って2つの反射基板を有することの利点の1つは、上記により、入射角が45°である最初の2つの撮像装置の場合よりも導入される楕円率を小さくすることができる点である。
【0060】
また、溝40によって、基板11b、11cが一対の交差した反射波長板を形成することにより、基板自体が言及した交差偏光作用を生じるようになる。図10の基板11bに降り注ぐ放射線は垂直偏光される形で反射され、基板11c上に降り注ぐ放射線放射線は水平偏光される形で反射される(照射されるストリップの交差部から反射される放射線は基板により偏光されない)。ストリップが延びる方向に対して直角方向となる表面のストリップの幅は、ミリメートル放射線の半波長の整数倍、好ましくは1波長の2分の1であり、溝40の深さは、ミリメートル放射線の4分の1波長の奇数倍、好ましくは深さが4分の1波長である。この深さは、半波長ストリップ幅の倍数とともに、表面から溝の底部に至るまでの基板層を4分の1波長の反射防止層として機能させる。これが、反射において導入される望ましくない楕円成分の強度を低減させる役割を果たす。この4分の1波長の深さにより、ストリップの表面から反射される放射線と溝の底部から反射される放射線とが相殺され、個々の板上でこの層内に残される半導体材料の総体積が、層内の有効屈折率を溝の下の基盤半導体の屈折率の平方根に低減させるのに十分であることにより、この層が整合層として機能するようになる。ストリップの幅は、ミリメートル放射線の波長の半分未満でなければならず、さもなければ装置全体の挿入損失が急激に増加する。
【0061】
レンズ系31、31aは、視野を平坦化するために負の要素31aを含み、基板11b、11cの非照射領域からの傾斜反射、従って開口部全体にわたる偏光差を低減させる。このような要素を図5及び図6の撮像装置内に設けることもできる。
【0062】
図5、図6、及び図8の撮像装置は全て、同軸照射が光学ビームスプリッタの公知の誘導能力を利用して照射源と受光経路との間の内在的な分離をもたらすという利点を有する。これは、図5及び図6の単プレート設計に対してだけでなく、図8の二重プレート設計にも当てはまる。−50dBを超える分離が即座に行われ、この分離は、マイクロストリップ又は導波管におけるより従来的なミリメートル波分波器から得られる分離よりもかなり良好である。反射手段を介した対象物の照射は入射放射線の約50%を失い、この損失が直交する終端ポートにおいて吸収され、図8の実施形態では2つの能動的走査ストリップの領域の遮蔽に起因してさらなる損失が生じる。この実施形態の場合、250GHzのミリメートル放射線の個々のストリップにおける通常の幅は1.2mm幅となる。40×40の配列を仮定すると、これにより60mm×60mmの総プレートサイズが得られる。従って照射される2つのストリップによる遮断は、合計250GHzの照射領域の約4%、又は撮像器の開口部全体にわたる約0.2dBの追加の挿入損失となる。
【0063】
必要であれば、本発明の範囲から逸脱せずにこれらの撮像装置に修正を加えることができる。従って、RH円形偏光を送達しLH円形偏光を受光するために、図5及び図6の実施形態に1/4波長プレートを使用することができる。これにより、基板11の非照射領域からの反射効果が低減することになる。これらを送達及び受光ホーン19、24の前に配置し、或いは実際にこれらのホーンに組み込み、基板の非照射領域からの楕円成分を低減するように位置合わせすることができる。
【0064】
図8の第3の撮像装置の基板11b、11cでは導入される楕円率が小さく、交差偏光器をホーン19、24の前に配置し、或いは内部に組み込むこともでき、この場合、基板は内部に溝のない平面であってもよい。しかしながら、LEDの配列32などの何らかの他の手段により照射光学ビームの走査を行うことが必要となる。基板11b、11cの非照射領域からの望ましくない反射は、基板の前面のみならず後面からも生じるので(個々の場合に屈折率の変化が存在する)、基板11cを楔形に構成して、非照射領域に起因する後面からの反射を受光ホーン24の視野から外すようにすることによりこの反射を軽減することができる。
【0065】
基板11b、11cは、図5及び図6の撮像装置において使用され、図4で説明したような基板11と同様の体積組成の高抵抗率半導体からなるものであってもよいが、反射のための条件を発生させる光学的励起電子ガスは表面近くの現象であるため、代わりに基板が、ストリップ42に封じ込められ、別の層上にエピタキシャル堆積された高抵抗率半導体のみからなる(例えば、25μmと5μmとの間、好ましくは10μm厚の)非常に薄い層を備えることもできる。他方の層は、半導体特性のない透明層であってもよい。基板が、能動層としてエピタキシャル堆積された薄い高抵抗率半導体層と、支持体として別の層とを備える同じ構成を図5及び図6において使用することもできる。
【0066】
説明した撮像装置は、セキュリティ検査の目的に使用することができる。この一方、像を形成せず、代わりに対象物の吸収特性を調べる検出装置も本発明の範囲内にある。このような装置は、高い周波数(1011〜1013Hz)で動作する傾向にあり、長距離で使用できるようにより狭いビームとなる。このような装置は、図5から図8の撮像器の修正版であってもよいが、走査は、例えば8ピクセル平方などの粗い量子化のものとなる。図7を参照しながら説明した位相検出により、或いは異なる周波数で動作する一対の量子カスケードレーザを照射源として使用することにより、吸収特性を特定することができる。これらのレーザからの放射線はパルス化される。異なる周波数における帰還パワーの比率により、照射対象物の吸収を特定できるようになり、爆発物などの品目を検出できるようになる。基板における走査は、常に1つのピクセルのみが反射を行い、従って反射手段を介して透過に対して遮断されることになるので、撮像のためではなく、反射手段を介して対象物を照射できるようにするために使用される。これにより、第1の撮像器において示したのと同じ解像原理を使用できるようになり、従ってこの装置においてレイリーの分解能に対する同じ改善が与えられる。従って、レーザビームの送出及び帰還の両方に1組の光学素子を使用することによりコスト削減を実現することができる。
【0067】
説明した撮像器とともに、このような狭ビームによる化学的特徴の検出を使用することができる。
【0068】
低いマイクロ波周波数では、説明した撮像器を、航空機が運ぶ誘導システムにおいて使用することができる。
【符号の説明】
【0069】
11b、11c 高抵抗率シリコン半導体基板
17 対象物
18 ガンダイオード発振器
19 送出ホーン
24 受光ホーン
26a、26b エイリアシング防止低域通過フィルタ
27a、27b 増幅器
31、31a 複合広角レンズ系
35 混合器
36 信号プロセッサ及び走査制御体
37 デジタルインターフェイス
38 ディスプレイ
39 移相器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数が3×109Hzと1013Hzとの間にある、シーンを照射するための電磁放射線源と、
前記シーンから反射された前記放射線が入射するように構成された半導体材料を備えた反射手段と、
前記反射手段の表面全体にわたり、電荷キャリアを選択的に生成して反射性を有するようになる領域を走査するためのスキャナと、
前記反射手段から反射された前記放射線を受光するように位置決めされた検出器と、
を備えた検出装置であって、前記放射線源は、前記反射手段を介して前記シーンを照射するように構成される、
ことを特徴とする検出装置。
【請求項2】
電荷キャリアが生成されない領域における前記反射手段からの反射を低減させるための偏光器を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記放射線源から送出される前記放射線を1つの状態に偏光するための手段と、
前記状態に偏光された放射線の前記検出器における受光を遮断するための手段と、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の検出装置。
【請求項4】
前記反射手段が一対の基板を備える、
ことを特徴とする請求項2に記載の検出装置。
【請求項5】
前記基板が、前記シーンからの放射線が該基板上に25°未満の入射角で入射するように方向付けられる、
ことを特徴とする請求項4に記載の検出装置。
【請求項6】
前記スキャナが、個々の基板の表面上のそれぞれのストリップを選択的に照射するための手段を含む、
ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の検出装置。
【請求項7】
前記ストリップが互いに直交する、
ことを特徴とする請求項6に記載の検出装置。
【請求項8】
前記基板が、前記ストリップを定める溝付きの表面を有する、
ことを特徴とする請求項7に記載の検出装置。
【請求項9】
前記溝の深さが、前記照射放射線の4分の1波長の奇数倍である、
ことを特徴とする請求項8に記載の検出装置。
【請求項10】
前記ストリップの幅が、前記照射放射線の半波長の倍数である、
ことを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項11】
前記ストリップの幅が、前記照射放射線の1波長の2分の1である、
ことを特徴とする請求項10に記載の検出装置。
【請求項12】
個々のストリップの表面を照射するための別個の光源が設けられる、
ことを特徴とする請求項6から請求項11のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項13】
個々の光源が、前記基板の材料を通じて個々のストリップを後ろから照射するように構成される、
ことを特徴とする請求項12に記載の検出装置。
【請求項14】
前記放射線源がコヒーレントな電磁放射線を放出するように構成され、前記検出器の出力が振幅及び位相情報を得るように構成される、
ことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項15】
前記半導体材料がシリコンである、
ことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項16】
前記シリコンの抵抗率が少なくとも5kオーム−cmである、
ことを特徴とする請求項15に記載の検出装置。
【請求項17】
前記シリコンの抵抗率が少なくとも50kオーム−cmである、
ことを特徴とする請求項16に記載の検出装置。
【請求項18】
前記半導体材料の厚さが5mm未満である、
ことを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項19】
前記半導体材料の前記厚さが1mm未満である、
ことを特徴とする請求項18に記載の検出装置。
【請求項20】
前記半導体材料の前記厚さが0.5mm未満である、
ことを特徴とする請求項19に記載の検出装置。
【請求項21】
前記半導体材料が、支持体上に堆積された25μm厚未満のエピタキシャル層である、
ことを特徴とする請求項20に記載の検出装置。
【請求項22】
前記半導体材料の厚さが、前記放射線源の波長の4分の1波長の整数である、
ことを特徴とする請求項18から請求項21のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項23】
電荷キャリアを選択的に生成するための前記手段が、電荷キャリアを前記半導体材料に注入する手段を含む、
ことを特徴とする請求項1から請求項22のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項24】
電荷キャリアを選択的に生成するための前記手段が、波長が5μmと100nmとの間にある電磁放射線で前記半導体材料を選択的に照射するための手段を含む、
ことを特徴とする請求項1から請求項22のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項25】
前記波長が、800nmと1000nmとの間にある、
ことを特徴とする請求項24に記載の検出装置。
【請求項26】
撮像装置である、
ことを特徴とする請求項1から請求項25のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項27】
セキュリティ検査装置の一部を形成する、
ことを特徴とする請求項1から請求項26のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項28】
前記シーンの吸収特性を検出するように構成される、
ことを特徴とする請求項1から請求項26のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項29】
シーンに対応する前記振幅及び位相情報を異なる位相シフトにおいて比較し、前記シーンにわたる誘電率の変化に関する情報を作成できるようにする位相シフト手段を含む、
ことを特徴とする請求項28に記載の検出装置。
【請求項30】
前記放射線源が、2つの異なる周波数で動作するレーザを備え、前記検出器が、前記2つの周波数における帰還パワーの比率を比較するように構成される、
ことを特徴とする請求項28に記載の検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−523961(P2010−523961A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−501578(P2010−501578)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【国際出願番号】PCT/GB2008/001115
【国際公開番号】WO2008/119971
【国際公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(504351600)イー2ヴイ テクノロジーズ (ユーケイ) リミテッド (25)
【Fターム(参考)】