説明

検品装置、検品方法及びプログラム

【課題】 入稿される画像データ或いはオブジェクトの検品基準を1種類のパラメータセットで統一とすると、設定するパラメータセットは、あるゆる種別或いはオブジェクトの属性に合わせた厳しいものになり、検品処理の負荷を増大させることになる。
【解決手段】 検品対象の画像の種類に適合した処理パラメータを決定して、その処理パラメータに基づいて検品処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷された用紙上の画像を読み取り、その画像の品位を判定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、POD(Print On Demand)機等の印刷製本システムでは、用紙上に印刷された画像の品位が所望の品質となっているかを検査する仕組みが設けられている。この仕組みを持つシステムは検品システムと称され、一般的には、オフライン検品システムとインライン検品システムとが存在する。オフライン検品システムは、画像が印刷された用紙を一度、画像形成装置の外部に排出して、別途、その用紙の画像の品位を検査する検査装置を通す形態である。一方、インライン検品システムは、画像形成装置によって用紙上に印刷された画像データを、その画像形成装置の内部に設けられたセンサにより読み取り、印刷対象の画像データ(入稿画像データ)と比較することで検品を行うものである。
【0003】
検品システムにおける検品処理では、画像形成装置により形成(印刷)された画像データの色に関する特徴情報と、オブジェクトの形状に関する領域属性情報という軽量化されたデータで検品を行うことが提案されている(例えば特許文献1)。また、特許文献1の検品システムを含む検品処理では、検品対象に対して適用するパラメータは1種類のパラメータセットとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−100005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
入稿される画像データとしては、表紙、裏表紙、目次、文字のみで構成される文書、写真・グラフィックを含む文書等、様々な種別(以下、文書種別)が存在する。また、このような文書は、複数のオブジェクトにより構成されている。入稿される画像データ(検品対象)をどのような基準で検品するかは、画像データを入稿したユーザ、或いは、文書種別やオブジェクトに依存する。例えば、表紙等に印刷する企業のロゴや商標上のマーク等は、画像の欠けなどがあってはならない。また、写真やグラフィックスを含む文書であれば、色味、彩度等がしっかりと表現されることが求められ、テキストのみで構成される文書であれば文字欠けのない印刷品位が求められる。
【0006】
上述した従来技術のように、入稿される画像データ或いはオブジェクトの検品基準を1種類のパラメータセットで統一しようとすると、入稿される画像データの文書種別、オブジェクトの属性を全て把握する必要がある。そして、設定するパラメータセットは、一番重視したい文書種別、或いはオブジェクトの属性に合わせた検品基準に設定される。このように厳しい基準に統一して検品処理を行うと、検品項目の増大、或いは検品項目の内容が過剰となり、検品システム或いは画像形成装置のシステム負荷を増大させることとなる。このようなシステム負荷の増大は、生産性を損ない、コスト増を招く可能性がある。
【0007】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決することにある。
【0008】
本発明の特徴は、検品対象の画像の種類に適合した処理パラメータを決定して、その処理パラメータに基づいて検品処理を実行することにより、検品処理の負荷の増大を抑えて好適な検品処理を行うことを可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る検品装置は以下のような構成を備える。即ち、
原画像データに基づいて印刷が実行されたシートを読み取って読み取り画像データを生成する読み取り手段と、
前記原画像データと前記読み取り画像データとに基づいて印刷された画像の品位を判定する検品処理を実行する検品手段と、
前記原画像データで表わされる画像の種類を判別する判別手段と、
前記判別手段で判別した画像の種類に基づいて、前記検品処理に係る処理パラメータを決定する決定手段と、
前記決定手段で決定した処理パラメータに基づいて前記検品処理を実行するように前記検品手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、検品対象の画像の種類に適合した処理パラメータを決定して、その処理パラメータに基づいて検品処理を実行することにより、検品処理の負荷の増大を抑えて好適な検品処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態に係る検品装置を含むシステムの構成例を示す図。
【図2】実施形態に係る画像形成装置のプリンタ制御部の構成を説明するブロック図(A)と、検品装置の構成を示すブロック図(B)。
【図3】実施形態に係る画像形成装置のプリンタ部の構成を説明する図。
【図4】実施形態に係る検品装置の概略内部構成を示す機構図(A)と、搬送ベルトの上面図(B)。
【図5】用紙の斜行の検知及び判定を説明する図(A)と、用紙の傾きを求める原理を説明する図(B)。
【図6】検品装置を使用した検品処理を説明するフローチャート。
【図7】図6のフローチャートで示す処理の概要を説明する概念図。
【図8】他の画像データの一例を示す図。
【図9】実施形態に係る画像形成装置の操作部により原稿の種別を設定する画面例を示す図。
【図10】企業のロゴ部分の検品項目の一例として「検品解像度」を説明するための図。
【図11】実施形態に係る量子化処理を説明する図。
【図12】実施形態に係るカラー画像データの場合の量子化処理を説明する図。
【図13】原画像データと検品センサで読み取った画像データの拡大図。
【図14】本実施形態に係る概念図を示す図。
【図15】本実施形態に係る検品装置における、原画像データに対する処理を説明するフローチャート。
【図16】本実施形態に係る検品装置における、検品センサにより読み取った画像データに対して行う処理を説明するフローチャート。
【図17】S202或いはS302のパラメータの設定処理を説明するフローチャート。
【図18】本発明の第2実施形態に係る、画像の種別に応じたパラメータの設定処理を説明するフローチャート。
【図19】本発明の第3実施形態に係る検品装置による処理を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る検品装置を含むシステムの構成例を示す図である。
【0014】
画像形成装置101は、各種入力データを処理して印刷(画像形成)を行う。検品装置102は、画像形成装置101から出力される印刷物(シート)を受け取って、その印刷物の印刷状況を検査する。フィニッシャ103は、検品装置102で検査された印刷物(用紙)を受け取って、ステイプルや製本等の後処理を行う。画像形成装置101は、ネットワークを介して外部のプリントサーバやクライアントPC等と接続されている。本実施形態では、画像の印刷、印刷物の検品、フィニッシングまでを一貫して行うインライン検品方式に基づくシステム例を示している。
【0015】
図2(A)は、実施形態に係る画像形成装置101のプリンタ制御部の構成を説明するブロック図である。
【0016】
同図において、入力画像処理部201は、紙原稿等を、スキャナ等の画像読み取り装置で読み取ることにより得られた画像データに対して画像処理を行う。NIC(Network Interface Card)及びRIP(Raster Image Processor)202は、ネットワークを介して受信した画像データ(主に、PDLデータ)を受信する。また画像形成装置101で得られた画像データや装置情報をネットワーク経由で外部に送信する。RIP部は、外部のPC等から受信したPDL(ページ記述言語)データを解読し、印刷や表示が可能なビットマップデータに展開する。
【0017】
入力画像処理部201或いはNIC及びRIP202から入力された画像データは制御部203に送られる。制御部203は、CPU210がメモリ部204に格納されたプログラムを実行することにより、この画像形成装置101全体の動作を制御する。制御部203に入力された画像データは、一旦メモリ部204に格納されて一時的に保持され、必要に応じて呼び出される。出力画像処理部205は、画像データに対して印刷のための画像処理を施し、画像処理された画像データはプリンタ部206に送られて印刷される。プリンタ部206は、用紙を給紙し、出力画像処理部205から供給される画像データに従って用紙に画像を印刷する。こうして画像が印刷された用紙は検品装置102に送出される。操作部207は、ユーザにより操作され、種々の機能を選択したり、操作指示を行うために使用される。この操作部207は、表面にタッチパネルが設けられた液晶ディスプレイや、スタートキーやストップキー、テンキー等の各種キー等を配置したキーボード等を備えている。
【0018】
また制御部203は、検品装置102との間で相互にデータをやり取りすることが可能であり、画像形成装置101で印刷した印刷物の検品の結果を受け取って、それを操作部207に表示することもできる。又、印刷物の検品の結果に基づいて、後段のフィニッシャ103に印刷物を供給するかどうかを制御することもできる。
【0019】
図2(B)は、本実施形態に係る検品装置102のハードウェア構成を説明するブロック図である。
【0020】
CPU220は、ROM221に記憶されたプログラムに従って、この検品装置102の動作を制御する。RAM222は、CPU220による制御処理時にワークメモリを提供し、各種データの一時保存に使用される。搬送機構223は、画像形成装置101で画像が形成された用紙を搬送し、検品センサ403(図4(B))により、その用紙に印刷された画像の品位を検査するための機構で、この構成は図4(A)を参照して詳しく説明する。検品センサ403は、画像形成装置101で画像が形成された用紙上の画像の読み取りや、用紙の斜行検知に使用され、この構成は図4(B)を参照して詳しく後述する。制御部インタフェース224は、前述のプリンタ制御部の制御部203との間でデータのやり取りを行う。
【0021】
図3は、実施形態に係る画像形成装置101のプリンタ部206の構成を説明する図である。
【0022】
画像形成装置101は、スキャナ部301、レーザ露光部302、感光ドラム303、作像部304、定着部305、給紙/搬送部306、及び、これらを制御する図2で説明したプリンタ制御部を有している。スキャナ部301は、原稿台に置かれた原稿に対して照明を当てて原稿画像を光学的に読み取り、その像を電気信号に変換して画像データを作成する。レーザ露光部302は、画像データに応じて変調されたレーザ光などの光線を等角速度で回転する回転多面鏡(ポリゴンミラー)307に入射させ、反射走査光として感光ドラム303上に照射する。作像部304は、感光ドラム303を回転駆動して、その表面を帯電器によって帯電させ、レーザ露光部302によって感光ドラム303に静電潜像を形成する。そして、その静電潜像をトナーによって現像し、そのトナー像を用紙に転写し、その際に転写されずに感光ドラム303に残った微小トナーを回収する。このような一連の電子写真プロセスの現像ユニット(現像ステーション)を、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色に対応させて4連持つことで実現している。シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの順に並べられた4連の現像ユニットは、シアンステーションの作像開始から所定時間経過後に、マゼンタ、イエロー、ブラックの作像動作を順次実行していく。このタイミング制御によって、用紙上に色ずれのない、フルカラーのトナー像が転写される。本実施形態はカラープリンタを想定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、白黒プリンタの場合にはブラックの現像ユニットのみが搭載される。
【0023】
定着部305は、ローラやベルトの組み合わせによって構成され、ハロゲンヒータなどの熱源を内蔵し、作像部304によってトナー像が転写された用紙上のトナーを、熱と圧力によって溶解、定着させる。給紙/搬送部306は、用紙カセットやペーパーデッキに代表される用紙収納庫を一つ以上持っており、プリンタ制御部の指示に応じて用紙収納庫に収納された複数の用紙の中から一枚の用紙を分離して作像部304へ搬送する。給紙/搬送部306はまた作像部304でトナー像が転写された用紙を定着部305へ搬送する。前述の現像ステーションによって、各色のトナー像が転写され、最終的にフルカラーのトナー像が用紙上に形成される。また、給紙/搬送部306は、用紙の両面に画像形成する場合、定着部305を通過した用紙を、再度作像部304へ搬送する。
【0024】
図2のプリンタ制御部は、この画像形成装置101全体を制御する制御部203と通信し、その指示に応じて制御を実行する。また、前述のスキャナ部301、レーザ露光部302、作像部304、定着部305、給紙/搬送部306のそれぞれの状態を管理し、全体が調和を保って円滑に動作できるよう指示を行う。
【0025】
図4(A)は、実施形態に係る検品装置102の概略内部構成を示す機構図で、前述の図2(B)の搬送機構223に該当している。
【0026】
画像形成装置101から供給された印刷済の用紙は、給紙ローラ401によって検品装置102に引き込まれる。その後、その用紙は搬送ベルト402で搬送され、搬送ベルト402の上方に位置している検品センサ403で、その用紙上の画像が読み取られ、その画像の良否が判定される。この判定結果は、前述の制御部203及びフィニッシャ103に送られる。この判定が行われた後に、用紙は排紙ローラ404により装置外に排出される。尚、ここでは図示しないが、検品センサ403は、両面印刷された用紙にも対応できるように搬送ベルト402の下側からも用紙上の画像を読み取ることができる構造であってもよい。
【0027】
図4(B)は、搬送ベルト402の上面図である。
【0028】
ここで、検品センサ403は、図示したように搬送されてきた用紙410の全面の画像をライン毎に読み取るラインセンサである。尚、検品センサ403は、このようなラインセンサに限定されるものではなく、ディジタルカメラ等に使用されているエリアイメージセンサ等の撮像素子を用いても良い。つまり、搬送ベルト402上を搬送されてくる用紙410の画像を読み取ることが可能な装置或いは機構を持つものであれば良い。照明装置411は、検品センサ403が用紙410の画像を読み取る際に、その用紙410に光を照射する照明用の装置である。照明装置412は、用紙410が搬送ベルト402上を搬送される際に、用紙410の搬送方向に対して斜行しているかどうかを検知するための斜行検知用の照明装置である。この照射装置412は、搬送される用紙410に対して搬送方向の斜め方向から光を照射し、その光により用紙410の後端部にできる影の画像を検品センサ403で読み取って、搬送中の用紙に斜行が生じているか否かを検知する。
【0029】
検品センサ403で読み取られた用紙410の画像は電気信号に変換され、用紙の斜行補正などの補正処理が施される。尚、用紙の斜行補正処理は以下のような手法で行う。搬送ベルト402上を搬送される用紙410に対して、照射装置412によって光を照射した際にできる用紙端部の影を検品センサ403で読み取り、所定の角度との差分を検出する。
【0030】
図5(A)は、用紙の斜行の検知及び判定を説明する図である。
【0031】
搬送ベルト402により搬送される用紙410は、その搬送方向に対して斜め方向で、且つ、搬送ベルト402に対して上方向に配置された照射装置412により照射される。この照射により、用紙410の後端部に影501が発生する。
【0032】
この影501を検品センサ403で読み取る。こうして読み取られた影画像に対して、二値化及びエッジ検出処理等が行われ、その影画像の傾きが検出される。この際、傾き検知に用いられる用紙端部の影501は、用紙の搬送方向或いは用紙の搬送方向と直交する方向のいずれかを用いても良いし、両方を求めて平均を取るなどしても良い。この傾き検知については、例えば、検品センサ403で読み取られた画像データを二値化及びエッジ検出処理等を行った後の画像が図5(B)の場合、基準座標511を設定する。次に用紙端部の影501上に所定の始点座標512と終点座標513とを設定し、基準座標511と各座標とのそれぞれの相対座標を求める。
【0033】
いま基準座標511の座標を(0,0)、始点座標512の座標を(300,245)、終点座標513の座標を(235,885)とした場合、始点座標512と終点座標513の傾きθ(度)は、以下の式で求められる。
【0034】
θ=tan−1{(235−300)/(885−245)}
=−1.023(度)
これにより用紙410は、その用紙の搬送方向に対して時計回り方向に1.023度傾斜していると検出される。
【0035】
ここで検出された傾斜角度及び、その傾斜の回転方向情報を基に、検品センサ403で読み取られた画像データ全体に対して回転処理を行う。こうして回転処理が行われた画像データは、後段の検品処理時の比較対象データとなる。
【0036】
図6は、検品装置を使用した検品処理を説明するフローチャートである。尚、図6において、S101、S102の処理は画像形成装置101で実行され、S103〜S110の処理は、検品装置102で実行される。
【0037】
また図7は、図6のフローチャートで示す処理の概要を説明する概念図である。
【0038】
図7において、701は入稿された画像データ(原画像データ)の一例を示しており、この画像データ701は、企業のロゴ(Logo表記)とタイトル(Title表記)とで構成されている。この画像データ701は、印刷出力を行うユーザが、紙情報として持ち込む形態や、電子データで入力する(例えばPDLデータ)形態がある。紙情報で持ち込まれた場合、検品対象となる画像データは、画像形成装置101のスキャナ部301によってその紙を読み取ることにより電子データとして取り込まれる。702は、画像データ701の特徴点を示している。ここで、ロゴ表記、及びタイトル表記中の破線の四角で示す箇所が特徴点となる。これら特徴点は、入稿された画像データ701に含まれるエッジ情報等により抽出されるものであり、例えば符号703で示すように、文字(テキスト)の端部エッジ情報などが抽出される。この特徴点の抽出処理は、図6のS101で、入稿された画像データ701が得られた時点で行われる。
【0039】
次にS102に進み、画像形成装置101は、その入稿された画像データに基づいて用紙上に画像を印刷する。これにより図7の画像704が得られる。次にS103に進み、この印刷された画像704は、検品センサ403によって読み取られ、読み取り画像データとして画像データ705(図7)を得る。この画像データ705に対して、入稿された画像データ701に対して行った特徴点の抽出処理と同一の処理が行われる。画像データ705は、特徴点を示した状態図を示している。尚、この画像データ705は、搬送ベルト402により搬送される画像704を検品センサ403により読み取ったものであるため、原画像データ701との位置関係が保たれない可能性がある。従って、S104で、以降の検品処理における比較処理を精度良く行うため、画像データ702の特徴点と画像データ705の特徴点を照合して位置合わせを行う。この位置合わせ処理によって、原画像データ701が正しく印刷されているかを判定することが可能となる。図7の707は、位置合わせを行った後の画像データを示している。尚、前述の説明では、図5で示した搬送ベルト402上の用紙の斜行補正と、画像の特徴点を用いた位置合わせを別工程による処理として説明したが、本発明はこのような処理工程に限定されるものではない。つまり、特徴点を用いた位置合わせ処理の実施時に、用紙の斜行補正処理を併せて行うようにしても良い。
【0040】
次に図6のS105に進み、図7の画像データ702と画像データ707とを比較する。そしてS106で、画像データ702と画像データ707との差分演算により差分画像708を得る。次にS107に進み、その差分画像のヒストグラム710を求める。ここで差分画像708は、画像データ702と画像データ707の画素単位の比較によって得られる。原画像データ701が多値データ(例えば8ビット:0〜255レベル)である場合、検品センサ403で得られた画像データ707と完全に一致するのは難しい。これは、レベルが1だけ違ったものになっても不一致として扱われてしまうからである。このような差分が発生する要因としては、検品センサ403を構成する光学系の変動、読み取りデバイスの解像度/分解能等に依存する変動誤差等が挙げられる。
【0041】
このため、検品処理における比較では、所定値を単位としてまず量子化処理を行い、量子化処理後の値を基に比較処理を行う。尚、量子化に関する詳細な説明は後述する。図7の差分画像708は、この量子化を実施した場合の差分画像を示しており、黒い四角で示した箇所709は、画像データ702と画像データ707とで差が存在する画素位置を示している。つまりここでは、4画素で不一致が発生していることを示している。
【0042】
ヒストグラム710は、画像データ702と画像データ707の一致、不一致の数を表している。図6のS108では、不一致である画素数が閾値よりも多いか否かに応じて、検品の判定結果を求める。図7の例では、判定基準として閾値Aを採用した場合、不一致の数は閾値A未満であるため、検品結果として正常であると判定されてS109の処理に進む。こうしてS109では、検品結果に問題がなければ正常に印刷が実施されたものと判断し、印刷済の用紙を後段のフィニッシャ103に搬送する制御が行われる。しかし、検品判定基準として、閾値Bを採用した場合は、不一致の数は閾値Bを超えているため、検品結果がNGであると判定される。検品結果がNGと判定されると、印刷品位が基準を満たしていないためS110に進み、正常に印刷された用紙とは別の制御が行われる。例えば、検品結果がNGと判定された用紙のみを積載する排紙トレイ(ビン)へ搬送するように搬送切り替え制御が行われる。
【0043】
尚、検品処理の対象となる画像データは、図7に示すようなものに限らない。
【0044】
図8(A)〜(F)は、他の画像データの一例を示す図である。
【0045】
図8(A)は、表紙の一例を示しており、図7に示す画像データ701と同一である。即ち、企業のロゴ、或いは商標等のマーク801と文書のタイトル802で構成されている。図8(B)は、テキスト803のみで構成される文書(画像データ)を示す。また図8(C)は、テキストと写真(グラフィック)804が混在する文書(画像データ)を示している。図8(D)は、テキストとグラフ805が混在する文書(画像データ)を示す。また図8(E)は、写真806のみで構成される文書(画像データ)を示し、文字等のエッジ情報(特徴点)が得にくい画像データである。図8(F)は裏表紙の構成を示しており、作成された日時、版数、企業のロゴや商標等のマーク807により構成される文書(画像データ)である。
【0046】
このように、検品処理の対象となる画像データの種別は多く、通常、検品処理のために入稿される画像データは、図8(A)〜(F)に示すように様々な画像が混在しているため、全ての画像に対して検品基準を統一することは難しい。つまり、図7に示した閾値Aや閾値Bを、検品処理対象の全画像に対して一律にするためには、検品処理対象の全画像の検品項目の内容、及び基準を精査し、それら基準の内、最も厳しい基準を適用する以外にない。このように検品基準を一律に厳しいものにすると、検品処理全体の精度は向上するが、システムの負荷の増大を招く。また、不要な検品項目を適用する画像が存在する場合もあるため、検品処理が非効率になってしまう。本実施形態は、この検品基準を適正なものに設定することを目的としている。以降の説明において、更に詳細に本実施形態の特徴を説明する。
【0047】
検品処理における検品項目は様々である。検品項目として例えば、解像度や、テキスト部の文字欠け、位置精度、色味(彩度)、印刷時の版ずれ(C版、M版、Y版、K版のずれ)、印刷工程で付与されたゴミの印刷(印刷シミ)、不純物の付着等がある。そして、これら検品項目の内容は、検品対象の画像と密接な関係がある。例えば、企業のロゴが適正に印刷されているかの確認や、テキスト部の文字欠けの確認では、検品センサ403で読み取る解像度を上げた方が良い。更に、ロゴがカラー画像である場合は、色合い(以下、色味)の検査も重要な項目となる。一方、位置精度に関しては、それほど高精度で行わなくても良い場合がある。また図8(E)に示すようなカラー画像の全面写真であれば、色味の検査が重要項目となり、文字欠けの検品項目(及び検品処理)は不要なものとなる。このように、検品対象となる画像によって、重要となる検品項目と、それほど重視しなくても良い検品項目が存在する。
【0048】
本実施形態は、図8(A)〜(F)で示した画像の種別に応じて、適正な検品項目を適用するものである。例えば、原画像データがPDL(PDF:Portable Document Formatを含む)で記述されている場合、その画像データのフォーマットにより、その画像データの種別が何であるかを知ることができる。つまり、原画像データに付与されている情報により、その画像の種別が判定できる場合は、その種別に応じた最適な検品項目、及び検品内容(検品項目の値)を適用する。また画像データがユーザにより紙情報として入稿される場合は、ユーザが操作部207を使用して、その画像データの種別を指定する。
【0049】
図9は、実施形態に係る画像形成装置101の操作部207により原稿の種別を設定する画面例を示す図である。
【0050】
901は、原画像データを頁単位で指定する画面例を示す。原画像データに表紙が含まれる場合、ユーザは、表紙の欄の「有り」を選択する。また、表紙に該当する画像データの検品項目を、より詳細に設定する場合、表紙に該当するメニューを開くボタン910を押下する。このボタン910が押下されると、表紙の詳細設定を行う画面902が表示される。ここで、表紙にロゴがある場合はロゴ欄のを「有り」を選択し、更に、そのロゴがカラーである場合は「カラー」を指定する。またユーザが、そのロゴに対する検品項目を重視するか否かを設定する場合は、ボタン911を押下することにより、ロゴに対する検品項目を重視するか否かを選択する画面903を表示させる。ここでロゴを重視する場合は図9のように「重視」を選択する。
【0051】
次に、別の種別に関する設定方法を説明する。図9の画面901において、原画像データの種別として裏表紙が存在する場合は、裏表紙の欄の「有り」を選択する。また裏表紙に該当する頁数を指定する。図9では38頁が設定されている。以下、同様に、イラストのみで構成される画像がある場合、或いは写真のみで構成される画像がある場合等の設定を行う。尚、裏表紙の設定、或いはイラストのみで構成される画像においても、サブ画面を表示して、より詳細な設定ができるものとする。また図9の画面901においては、頁を指定する単位を1頁単位として表したが、これに限定されるものではない。つまり、検品装置102に対して、検品処理を行わせる画像構成(表紙、目次、裏表紙、全面写真、全面テキスト等)を指定できるものであれば、いかなる構成であっても良い。また頁の指定においても、同一の種別の画像が複数頁続く場合は、先頭頁と終了頁だけを指定するようにしても良い。また、操作部207のデバイスの特徴を最大限に活かすことのできる画面構成、メニュー設定としても良い。
【0052】
尚、上記説明では、表紙、テキスト文書、裏表紙といった画像の種別を例に説明したが、検品項目及び検品項目の内容の適正化は画像の種別のみに限定されるものではない。例えば、原画像データ701がPDLで記述された画像データであれば、その画像そのものを構成するオブジェクト(テキスト、グラフィックス、細線等)の情報が存在する。このため、PDLに付与されているオブジェクト情報を解読し、その解読した情報に基づいて、オブジェクト毎に適正な検品項目を適用しても良い。例えば、テキストに該当するオブジェクトであれば、「文字欠け」の品位が重点となる検品項目を適用する。尚、原画像データの全てに対して、オブジェクト単位で検品項目を適用するのは必須ではない。つまり、原画像データの種別との相関に応じて検品項目を適用する。例えば、検品項目の内容を重視する種別が表紙、及び、テキスト文書であれば、該当する種別の画像にのみ、オブジェクト単位で検品項目を適用して精査する。
【0053】
次に、検品項目の内容に関して説明する。図10は、企業のロゴ部分の検品項目の一例として「解像度」を説明するための図である。
【0054】
ここで検品の対象となる文書(画像)は「Logo」であり、大文字「L」の点線で示す下部を解像度600dpiで読み取った場合と、解像度300dpiで読み取った場合の読み取り画素の構成を示している。1001は解像度600dpiで読み取った画像データの1画素の大きさを示し、1002は解像度300dpiで読み取った画像データの1画素の大きさを示している。同図において、解像度600dpiで読み取った画像データでは、文字「L」の下部に解像度600dpiで3画素分の「欠け」1004が発生している。従って、解像度600dpiでの読み取りでは、検品NGとして検出される可能性がある。しかし、解像度300dpiで読み取った画像データでは、前述の「欠け」が発生している同一領域の読み取り値は、検品NGとして認識されない値となる可能性がある。即ち、解像度600dpiで「欠け」1004が発生している領域に画素1005が存在し、これが解像度300dpiの画素1003において、画素1005と周囲の画素とが再現されている。これにより、その画素1003の値が「欠け」として読み取られなくなる。つまり、ロゴを重視する場合、検品項目の内容としては、「高解像度で読み取る」ことが必要となる。従って、本実施形態に係る検品装置102では、表紙、或いは、原画像データに含まれるロゴの検品基準を高める場合、検品項目である、検品センサ403での読み取り解像度を、高解像度にすることが求められる。
【0055】
次に、原画像データと検品センサ403により読み取られた画像データとの比較時に行われる量子化処理に関して説明する。
【0056】
図11(A)〜(F)は、実施形態に係る量子化処理を説明する図である。
【0057】
図11(A)は、画像データが白黒で構成される場合の原画像データの3つの画素(画素A、画素B、画素C)レベルの例を示す。また図11(C)は、検品センサ403により読み取られた画像データの3つの画素(画素A、画素B、画素C)レベルの例を示す。理想的には、図11(A)と図11(C)に示す各画素のレベルは同じになるはずであるが、前述したように、検品センサ403による読み取り変動誤差により差分が発生する。例えば、画素Aに関しては、原画像データよりも検品センサ403で読み取られた画素レベルの方が高くなっている。また画素B、画素Cに関しては、原画像データよりも、検品センサ403で読み取られた画素レベルの方が低くなっている。このように、検品センサ403で読み取られた画素レベルと、原画素データとでは差分が発生するため量子化処理が必要になる。
【0058】
図11(B)は、図11(A)に示す画素レベルを、それぞれ量子化ステップ「10」及び量子化ステップ「20」で量子化した場合のインディックスを示す。このインディックスは、量子化対象となる画素のレベルを量子化ステップで除算した商とする(剰余は切り捨てる)。尚、量子化処理の手法としては、剰余を参照して四捨五入する方法や、切り上げる方法も存在する。量子化処理の手法として、どのような方法を用いるかに関しては、量子化処理を行う画像の種別、或いはオブジェクトに適した方法を選択的に切り替えるようにしても良い。
【0059】
図11(D)は、図11(C)に示す画素レベルを、それぞれ量子化ステップ「10」及び量子化ステップ「20」で量子化した場合のインディックスを示す。ここで図11(B)と図11(D)とを比較すると、量子化ステップ「10」で量子化した場合のインディックスが画素Bにおいて互いに異なっている。従って、インディックスが一致した画素を白の四角、不一致した画素を黒の四角で示した場合、差分画像は図11(E)で示すようになる。一方、量子化ステップ「20」で量子化した場合のインディックス同士を比較すると、画素A、画素B、及び画素Cでいずれも一致していることがわかる。従って、図11(E)と同様に差分画像を表すと、量子化ステップ「20」で量子化した場合の差分画像は図11(F)のようになる。
【0060】
このように、原画像データと検品センサ403で読み取った画像データとの比較では、量子化処理と、その量子化ステップが重要な要素となる。量子化ステップを粗く設定すると検品センサ403での読み取り誤差が吸収され、原画像データの画素と検品センサ403で読み取った画素との一致数は増加する。しかし、これは検品精度の点でみると、粗い検証項目となる。また量子化ステップを細かく設定すれば、原画像データと検品センサ403で読み取った画像データとの微小な差分を検出することが可能となり、検品精度が向上する。つまり、検品処理に適用する量子化ステップの値には、検品対象に応じて最適な値を適用することが求められる。
【0061】
例えば、白い用紙上に黒の文字が印刷された画像種別の検品を行う場合は、検品センサ403が読み取る画像データは、「0」(或いは0近傍の値)と最大値(或いは最大値近傍)に集中する。この場合は、量子化ステップを粗くしても、量子化インディックスでの差分を発生させずに検品精度を高くすることができる。一方、用紙に下地がある場合や、グラデーション画像のような種別の画像を検品する場合は、検品精度を高めるためには、量子化ステップを細かく設定しなければならない。
【0062】
次に、検品対象の画像データがカラー画像データである場合の量子化ステップに関して説明する。
【0063】
図12(A)〜(F)は、実施形態に係るカラー画像データの場合の量子化処理を説明する図である。
【0064】
図12(A)は、原画像データの3つのカラー画素(画素A、画素B、画素C)レベルを示す。また図12(C)は、検品センサ403で読み取った画像データのカラー画素(画素A、画素B、画素C)レベルを示す。図12(B)は、図12(A)に示す画素レベルを、それぞれ量子化ステップ「5」及び量子化ステップ「10」で量子化した場合のインディックスを表している。また図12(D)は、図12(C)に示す画素レベルを、それぞれ量子化ステップ「5」及び量子化ステップ「10」で量子化した場合のインディックスを示す。ここで図12(B)と図12(D)とを比較すると、量子化ステップ「5」で量子化した場合のインディックスが、画素AのG成分、及び画素BのR成分において値が互いに異なっている。従って、インディックスが一致した画素を白の四角、不一致となった画素を黒の四角で示すと、差分画像は図12(E)のようになる。
【0065】
一方、量子化ステップ「10」で量子化した場合の図12(B)と図12(D)のインディックスを比較すると、画素AのG成分のみが不一致となっている。これを図12(E)と同様に差分画像で表すと、図12(F)で示すような、量子化ステップ「10」で量子化した場合の差分画像となる。
【0066】
このように原画像データがカラー画像データである場合、原画像データと検品センサ403で読み取った画像データとの比較では、量子化処理と、その量子化ステップが重要な要素となる。これは、画素を構成する成分(赤:R、緑:G、青:B)のいずれかのインディックスが異なるだけで、再現される色味が変わってしまうからである。従って、色味(彩度)を重視する画像データ(写真画像、グラフィクス画像)に対しては、量子化ステップを細かくしなければならない。
【0067】
一方、原画像データがカラー画像データであっても、量子化ステップをそれほど細かくしなくても良い場合もある。例えば、用紙上に再現される色数が少ないか、或いは限定される(例えば2色カラー:赤と黒)場合である。この場合、用紙上に再現されない色と再現される色の量子化ステップを変えるようにしても良い。また、用紙上に再現される色がパレットのように予め決められたR、G、Bの組み合わせによるものである場合、パレットを構成する各色成分のレベルの刻みに応じて量子化ステップを設定するようにすれば良い。つまり、検品対象の原画像データがカラー画像データである場合でも、その画像の種別に応じて量子化ステップを設定する。また図12においては、画素A、画素B、画素Cの各成分をR、G、Bとして表したが、カラー画像データの量子化処理は、このような色成分に限定されるものではない。例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)からなる色成分に好適な量子化ステップを適用するようにしても良い。さらにR、G、Bから、例えばY、Cb、Crといった輝度成分と色差成分に変換し、各成分に適合した量子化ステップを適合するようにしても良い。
【0068】
次に、画素の位置ずれマージンを検品項目とした場合に関して説明する。
【0069】
図13は、原画像データと検品センサ403で読み取った画像データの拡大図である。
【0070】
図において、1310は、点線1300で示す原画像データの部分を示し、1311,1312のそれぞれは、点線1300で示す部分を検品センサ403で読み取った画像データを示している。各格子は、読み取り解像度に対応する画素を示している。ここで、1301は、文字「L」の部分の1つの特徴点を示す。原画像データと検品センサ403で読み取った画像データは、検品処理における比較のため、特徴点を基準に位置合わせが行われる。検品処理における比較において、理想的には、原画像データ1310と読み取った画像データ1311、或いは画像データ1310と読み取った画像データ1312とでは同一の画素位置となるはずである。しかしながら、検品センサ403の読み取り精度、或いは、用紙上への印刷誤差等によって、特徴点1301を基準としても厳密に一致しない場合がある。
【0071】
例えば、印刷する際に、文字の幅が太くなる場合や、細くなる場合がある。また、文字の幅は同一でも、画素の位置がずれる場合もある。読み取り画像データ1311において、1302及び1303で示した画素は、原画像データ1310の同一位置の画素と異なることを示している。また、読み取り画像データ1312では、1304で示すエリアが、原画像データ1310に対して全体的に左にずれている。このように、原画像データ1310の画素に対して、検品センサ403による読み取り画像データの画素位置がずれる場合が存在する。高品位で印刷したい文書においては、この画素位置のずれは許容できないものとなる。
【0072】
一方、写真画像や大きなサイズのグラフィックス画像等の文書においては、このような用紙上における微小な画素位置ずれが許容できるものもある。従って、検品処理においては、画像の種別に応じた画素位置のずれの精度を適用することが重要となる。尚、本実施形態に係る画素位置ずれのマージンとは、原画像データの画素位置を基準とした許容量を示すものとする。例えば、位置ずれマージンを「2」とした場合は、読み取った画像データの画素位置が、原画像データの画素位置を基準に上下左右2画素の範囲内であれば許容することを示す。つまり、位置ずれマージンの数値が大きければ、それほど重視されない検品基準となり、小さければ厳しい検品基準となる。
【0073】
本実施形態では、ユーザが検品対象の画像を指定することが可能であり、また、原画像データがPDLで記述されていれば、検品対象の画像の種別を認識することが可能である。従って、ユーザが求める検品基準、或いは種別に応じた検品基準を自動的に設定することが可能となる。つまり、ユーザによって指定された原画像の種別、或いは、PDLに付与されている情報に応じて、読み取り解像度や量子化ステップ、更には、画素位置ずれマージンを適用する。これにより、システムの負荷を増大させることなく、検品精度を保つことが可能になる。
【0074】
図14は、本実施形態に係る概念図を示す図である。尚、図14において、図7に示した構成と同一であるものには同じ符号を付与している。
【0075】
本実施形態の特徴は、検品対象の画像の種別、或いは検品対象の画像のオブジェクトに応じた検品項目を適用することにある。従って、種別、或いは画像を構成するオブジェクト毎に適用された検品項目に応じた差分画像、及び差分のヒストグラムを得ることができる。
【0076】
図14において、1401は、原画像データ701における、ロゴ部分の差分画像であり、1402はタイトル部分の差分画像である。また1403は、ロゴ部分の差分のヒストグラムを示し、1404は、タイトル部分の差分のヒストグラムを示す。このように、原画像データの種別、或いはオブジェクトを単位として、差分画像や差分ヒストグラムが生成されるため、検品処理の重要度に応じた閾値による検品判定を行うことが可能となる。
【0077】
例えば、ロゴ部分では、不一致を厳しく検出するため、1403で示すように閾値Aを適用し、タイトル部分においては、文字のフォントが大きいことから、1404で示すように、基準を緩めた閾値Bを適用することができる。即ち、検品項目の内容に最適な基準を適用させることが可能となる。尚、上記説明では、原画像データを構成するロゴとタイトルのオブジェクトに対して検品処理を行う場合で説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ユーザが重視する画像の種別、或いはオブジェクトにのみ、対応する検品項目を厳しい値で適用するようにし、他の種別或いはオブジェクトに対しては、一律の検品項目を適用するようにしても良い。
【0078】
図15は、本実施形態に係る検品装置における、入稿された原画像データに対する処理を説明するフローチャートである。この処理を実行するプログラムはROM221に記憶されており、CPU220の制御の下に実行される。
【0079】
この処理は、入稿された原画像データに対して行われる処理を示し、図14の画像データ701,702に対する処理に該当している。先ずS201で、原画像データ701の種別を判定する。これは前述したように、紙原稿の場合は操作部207で入力された画像データの種別を制御部203から取得し、またPDLデータ等に基づく場合は、そのPDLデータに含まれる属性等を制御部203から取得することにより判定する。次にS202に進み、CPU220は、S201で判定した原稿の種別に応じた処理パラメータ(以下、単にパラメータ)の設定を行う。
【0080】
図17は、S202のパラメータの設定処理を説明するフローチャートである。以下、図17を参照して、図15のS202の処理を説明する。
【0081】
S401で、CPU220は、原画像データが表紙であるかどうかを判定し、表紙であると判定するとS402に進む。S402でCPU220は、読み取り解像度を高解像度(例えば600dpi)に、色味ずれ量子化ステップを「10」に、モノクロ部の量子化ステップを「30」に、位置ずれマージンを「2」にそれぞれ決定して、この処理を終了する。
【0082】
またCPU220は、S401で表紙でないと判定するとS403に進み、原画像データが、目次頁かどうかを判定する。そうであればS404に進み、読み取り解像度を低解像度(例えば300dpi)に、色味ずれ量子化ステップを「20」に、モノクロ部量子化ステップを「20」に、位置ずれマージンを「3」にそれぞれ決定して、この処理を終了する。
【0083】
又CPU220は、S403で目次頁でないと判定するとS405に進み、原画像データがイラスト頁かどうかを判定する。そうであればS406に進み、読み取り解像度を高解像度(例えば600dpi)に、色味ずれ量子化ステップを「5」に、モノクロ部量子化ステップを「30」に、位置ずれマージンを「10」にそれぞれ決定して、この処理を終了する。
【0084】
またCPU220は、S405でイラスト頁でないと判定するとS407に進み、原画像データが、テキスト頁かどうかを判定する。そうであればS408に進み、解像度を高解像度(例えば600dpi)に、色味ずれ量子化ステップを「30」に、モノクロ部量子化ステップを「20」に、位置ずれマージンを「2」にそれぞれ決定して、この処理を終了する。また、S407において、原画像データが、前記いずれの種別でない場合はS409に進み、一律のパラメータを決定して処理を終了する。しかしS409では、別の種別であるかの判定を継続しても良い。つまり、検品対象とする種別数の分、S401、S403、S405及びステップ407に準ずる判定を行っても良い。
【0085】
また、各種別を判定した後の設定パラメータの数値は、上述した説明中の数値に限定されるものではない。更に、図17では、解像度、色味ずれの量子化ステップ、モノクロ部の量子化ステップ、位置ずれマージンの4項目を検品項目に基づくパラメータとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。つまり、画像の種別の重視する検品項目に応じた検品内容、処理パラメータが決定されるようにしても良い。
【0086】
こうして図15のS202における、画像の種別に応じた検品項目のパラメータの設定を完了するとS203に進む。S203では、CPU220は、原画像データの特徴点を抽出する。この特徴点の抽出は、原画像データのエッジ部等の検出、或いは所定の画素配置(パターン)に適合した箇所を検出することにより行う。尚、本実施形態では、特徴点の抽出は、上記検出にのみに限定されるものではなく、原画像データの基準位置と、検品センサ403により読み取った画像データの基準位置との適合が取れるものであれば良い。
【0087】
次にS204に進み、CPU220は、原画像データの検品対象である種別が検品処理における重視対象(例えば図17における表紙等)かどうかを判定し、そうであればS205に進み、S202で設定された検品項目のパラメータを用いて量子化処理を行う。一方、S204で、原画像データの種別が検品処理における重視対象でないと判定するとS206に進み、通常のパラメータ(図17のS409で設定されたパラメータ)を用いて量子化処理を行う。そしてS207に進み、CPU220は、S205或いはS206で処理された量子化処理結果を用いて、図14における画像データ702に基づく比較対象データ(第1比較対象データ)を生成する(第1作成手段)。こうしてCPU220は、原画像データに対する比較対象データを生成した後、検品センサ403により読み取った画像データに対する検品処理を実行する。尚、この比較対象データは、例えば図14の差分画像1401,1402を求めるために、実際に印刷された画像の比較対象データと比較される、原画像データ701から得られた画像データ702に基づく比較対象データである。
【0088】
図16は、本実施形態に係る検品装置102における、検品センサ403により読み取った画像データに対して行う処理を説明するフローチャートである。この処理を実行するプログラムはROM221に記憶されており、CPU220の制御の下に実行される。この処理は図14の画像704、画像データ705,707の処理に該当している。
【0089】
CPU220は、S301で、搬送ベルト402を搬送されてくる用紙の順番によって、その原稿の画像の種別を判断する。画像形成装置101では、入稿される画像データは順次印刷される。このため、検品センサ403で読み取る順番も、この入稿画像データの順番と等しくなる。つまり、操作部207によりユーザによって指定された画像の種別、或いは、PDLに付与されている属性情報による種別の情報を把握できる。従って、CPU220はS302で、検品センサ403で読み取る順番に応じて、各種別に対応するパラメータを設定する。尚、このS302のパラメータ設定処理の制御フローは、前述の図15の説明で参照して図17に示すフローチャートと同一であるため、ここでの説明は省略する。
【0090】
S302で、画像の種別に応じたパラメータ設定が終了するとS303に進み、搬送ベルト402で搬送されてくる用紙を検品センサ403で読み取る。即ちS303で、CPU220は、S302で設定された読み取り解像度で、搬送されてくる印刷済の用紙を検品センサ403で読み取るように制御する。次にS304に進み、CPU220は、S303で読み取った画像データの特徴点を抽出する。この特徴点の抽出は、前述の図15で説明したように、エッジ部の検出や所定の画素配置(パターン)と一致するかどうかにより求める。次にS305に進み、S304で抽出した特徴点と、図15のS203で抽出した原画像データの特徴点とを用いて、原画像データと検品センサ304で読み取った画像データとの位置合わせを行う。
【0091】
次にS306に進み、CPU220は、読み取った画像データの種別が検品処理における重視対象(例えば図17における表紙等)かどうかを判定し、そうであればS307に進み、S302で設定された検品項目の該当パラメータを用いて量子化処理を行う。一方、S306で、読み取った画像データの種別が検品処理における重視対象でない場合はS308に進み、通常のパラメータ(S409による設定パラメータ)を用いて量子化処理を行う。こうしてS309に進み、CPU220は、S307或いはS308により処理された量子化処理結果を用いて、検品処理における比較対象データ(第2比較対象データ)を作成する(第2作成手段)。尚、この比較対象データは、例えば図14の差分画像1401,1402を求めるために、図15のS207で生成された第1比較対象データと比較される、印刷済の用紙を読み取って得られた画像データ707の第2比較対象データである。
【0092】
尚、上記説明では、一例として原画像データの種別毎に検品項目の内容を変更して検品処理を行うとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、検品対象の原画像データのオブジェクト毎に検品項目の内容を変更するようにしても良い。また、検品対象の画像中の全てのオブジェクトを対象に検品項目の内容を設定するのではなく、所定のオブジェクトを対象に検品項目の内容を設定するようにしても良い。
【0093】
以上説明したように本実施形態1によれば、検品対象の画像の種別、或いは検品対象の画像のオブジェクトに応じて、検品項目の内容を変更することができる。つまり、システムの負荷を増大させることなく、複数の検品パラメータの設定を適用して検品処理を行うことが可能となる。
【0094】
[第2実施形態]
前述の第1実施形態では、画像データの種別、或いは画像データのオブジェクトに応じて、検品項目の内容を変更した。しかし、画像データの種別、或いはオブジェクト属性によっては、検品項目として必要ないものも存在する。例えば、モノクロテキストで構成される画像を検品対象とした場合、色味ずれ量子化ステップの設定や、この量子化処理により生成されるインディックスを基にした比較処理は不要である。従って、このような場合に対応した、本発明の第2実施形態に係る検品処理を説明する。尚、第2実施形態に係るシステム及び装置構成は、前述の実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0095】
図18は、本発明の第2実施形態に係る、画像の種別に応じたパラメータの設定処理(図15のS202及び図16のS302に相当)を説明するフローチャートである。この処理を実行するプログラムはROM221に記憶されており、CPU220の制御の下に実行される。
【0096】
まずS501で、CPU220は、検品対象の画像データの種別が表紙かどうかを判定する。そうであればS502に進み、この種別に準ずる検品項目の内容を設定する。即ち、S502で、検品センサ403で読み取る解像度を高解像度(例えば600dpi)に、色味ずれ量子化ステップを「10」に、位置ずれマージンを「2」にそれぞれ設定して、この処理を終了する。前述の第1実施形態の図17では、S502で設定した検品項目に加えて、モノクロ部量子化ステップを設定していたが、第2実施形態においては、この設定項目を除いている。これは、画像の種別が表紙であれば、多くの場合カラー画像データであることを想定しているためである。仮に、モノクロで構成された表紙であっても、その検品項目の内容として、色味ずれ量子化ステップの検品項目で対応可能である。例えば、表紙の種別がモノクロであることは検品処理時に判別できているため、色味ずれ量子化ステップを粗く設定すれば良い。
【0097】
また、種別が目次頁或いはテキスト頁であれば、多くの場合、文書はモノクロ文字で構成される。このため、重視される検品項目の内容は、モノクロ部の量子化ステップの設定となる。具体的な量子化ステップは、モノクロ文字の再現、即ち文字の一部が欠落する「文字欠け」の判定が可能な値に設定することになる。また種別がイラスト頁である場合、位置ずれやモノクロ部の量子化といった検品項目よりも、色味の再現が重要である。このため、重視される検品項目の内容は、色味ずれに直接関与する量子化処理となる。従って、イラスト頁に関する検品項目の内容として、色味ずれ量子化ステップが細かく設定される。以降、種別が表紙以外である場合に関して説明する。
【0098】
S501で、検品対象の画像データの種別が表紙でなければS503に進み、CPU220は、検品対象の画像データの種別が目次頁かどうかを判定する。そうであればS504に進み、検品センサ403で読み取る解像度を低解像度(例えば300dpi)に、モノクロ部量子化ステップを「10」に、位置ずれマージンを「5」にそれぞれ設定して、この処理を終了する。前述の第1実施形態では、S504で設定した検品項目に対して、色味ずれ量子化ステップを設定していたが、この第2実施形態では、この設定項目を除いている。
【0099】
一方、S503で、検品対象の画像データの種別が目次頁でなければS507に進み、検品対象の画像データの種別がイラスト頁かどうかを判定する。そうであればS506に進み、検品センサ403で読み取る解像度を高解像度(例えば600dpi)に、色味ずれ量子化ステップを「5」に設定して、この処理を終了する。前述の第1実施形態では、S506で設定した検品項目に対して、色味ずれ量子化ステップ及びモノクロ部量子化ステップの設定をしていたが、この第2実施形態においては、この設定項目を除いている。
【0100】
次にS505で、検品対象の画像データの種別がイラスト頁でなければS507に進み、CPU220は、検品対象の画像データの種別がテキスト頁かどうかを判定する。そうであればS508に進み、検品センサ403で読み取る解像度を低解像度(例えば300dpi)に、モノクロ量子化ステップを「10」に設定して、この処理を終了する。前述の第1実施形態では、S506で設定した検品項目に対して、色味ずれ量子化ステップ及び位置ずれマージンの設定をしていたが、第2実施形態においては、この設定項目を除いている。
【0101】
そしてCPU220は、検品対象の画像データの種別が、前記いずれの種別でもなければS509に進み、一律の検品項目の内容を設定する。この場合、検品処理における検品内容を網羅したものを設定するものとする。つまり、図18においては、検品センサ403による読み取り解像度、色味ずれ量子化ステップ、モノクロ量子化ステップ、位置ずれマージンの設定を行う。
【0102】
尚、上記説明では、検品項目の内容の選定を検品対象の画像の種別に基づくものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば第1実施形態と同様に、検品対象の画像のオブジェクト属性をもとに検品項目を選定するようにしても良い。更に、検品対象の画像の全てのオブジェクトを検品処理の対象とせず、特定のオブジェクトだけを検品対象として設定するようにしても良い。
【0103】
以上説明したように第2実施形態によれば、検品対象の画像の種別、或いは検品対象の画像のオブジェクト属性に対応して検品項目を選定して検品処理を行う。これにより、検品処理に要するシステムの負荷、及び検品処理の時間を短縮することが可能となる。
【0104】
[第3実施形態]
前述の第2実施形態では、原画像データの種別、或いは原画像データのオブジェクトの属性に応じて、適用する検品項目を変更する例を説明した。しかし、原画像データの種別、或いはオブジェクト属性によっては、検品処理時の検品項目に重み付けや優先順位を設定したい場合もある。例えば、イラストとテキストにより構成される検品対象の画像において、検品項目として、「画素位置ずれ」と「色味ずれ」があったとする。このとき、「画素位置ずれ」の検品結果の度合いと、「色味ずれ」の検品結果の度合いの総合で検品結果を判定したい場合がある。具体的には、例えば、「画素位置ずれ」が検品処理における閾値に対して「1」だけ大きな値となったとしても、「色味ずれ」が検品処理の閾値に対してマージンが存在する場合、検品結果として、問題なしと判定するような場合である。また、検品項目の重み付けは、例えば、「画素位置ずれ」が如何なる度合いで発生しても検品結果を異常と判定し、この判定の場合は、別の検品処理、例えば「色味ずれ」に関する検品処理を行わない場合等が考えられる。従って、このような場合に対応した、本発明の第3実施形態の検品制御に関して説明する。尚、第3実施形態に係るシステム及び装置構成は、前述の実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0105】
図19は、本発明の第3実施形態に係る検品装置による処理を説明するフローチャートである。尚、図19では、検品項目を、第1検品項目と第2検品項目の2種類を例としている。第1検品項目と第2検品項目の具体的な内容は、例えば、上述の実施形態によれば、例えば第1検品項目が「画素位置ずれ」、第2検品項目が「色味ずれ」となる。尚、この処理を実行するプログラムはROM221に記憶されており、CPU220の制御の下に実行される。
【0106】
図15及び図16に示した、CPU220による原画像データの種別の判定、及び種別に応じたパラメータの設定、並びに量子化処理、比較対象データの作成に関する処理は、前述の第1実施形態で説明したものと同一であるため、その説明を省略する。第3実施形態における特徴は、検品項目に準じた比較及び判定を特徴とするものである。以下、図19を参照して、第3実施形態に係る検品装置102の処理を説明する。
【0107】
まずS601で、CPU220は、第1検品項目に基づく検品処理を実施する。即ち、画像の種別に基づく処理パラメータによって生成された原画像データの比較対象データ(第1比較対象データ)と、読み取って得られた画像データに基づく比較対象データ(第2比較対象データ)とを、第1検品項目を対象に比較処理する。この比較処理に基づいてS602で検品判定を行い、第1検品項目に対して、検品判定として問題がなければS603に進み、次の検品項目、即ち、第2検品項目を対象とした比較処理を行う。S603で、CPU220が第2検品項目を対象に比較処理を行った結果、S604で問題がなければS605に進み、印刷された画像の検品結果が正常と判断し、検品処理を終了する。
【0108】
一方、S602で、第1検品項目に対して、検品判定に問題有りと判定した場合はS606に進み、CPU220は検品基準の確認を行う。第1検品項目に対して、明らかに問題がある場合、即ち、閾値を大きく上回る不一致の数となった場合はS607に進み、CPU220は、印刷された画像の検品結果を異常と判定する。そしてS608に進み、検品異常時の処理を行う。
【0109】
この検品異常時の具体的な処理としては、異常と判定した用紙を、正常と判定した印刷用紙を出力する排紙トレイ(ビン)とは別の排紙トレイ(ビン)に搬送する等の制御を行う。CPU220は、S608で、検品結果として異常と判定した際の制御を行った後、検品処理を終了する。
【0110】
第3実施形態では、CPU220は、S606で、第1検品項目に対して、閾値を超えているものの、その上回り幅が小さい場合(微小な差分の場合)はS604に進み、第2検品項目との組み合わせによる判定を行うための制御を行う。この場合、印刷画像の第2検品項目の検品結果に依存して、検品結果が異なる。つまり、第2検品項目を対象とした比較処理においても異常と判定されると、検品結果として異常と判定する。しかし、第2検品項目で正常と判定された場合は、検品結果として正常と判定される。このように、第3実施形態では、検品処理における検品項目に優先順位を設け、各検品項目の検品結果のレベルに応じて検品処理を行う。
【0111】
尚、S606における閾値は、画像データの種別、或いは画像データのオブジェクトに応じて、重み付けをつけたものにしても良い。例えば、画像データの種別が表紙である場合は閾値を「10」とするが、画像データの種別が目次である場合は閾値を「20」とするように制御する。また画像データを構成するオブジェクトに対し、テキストであれば閾値を「20」に、イラストであれば閾値を「30」とするように制御しても良い。尚、この制御を極端に適用した例として、例えば、第1検品項目における比較処理において異常と判断されるとS607に進み、最終的な検品結果として異常と判定するようにしても良い。この場合、第2検品項目に関する検品処理は行わない。また、上記説明では、検品項目を2種類として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。対象となる検品項目を増やし、検品項目毎に優先順位、或いは重み付けを行うようにしても良い。
【0112】
以上説明したように第3実施形態によれば、検品項目に優先順位を設け、優先順位の高い検品項目から検品処理を行うようにすることにより、検品装置の負荷を低減できる。また、検品項目に対する比較結果のレベルに応じて、総合的な検品処理を行うことが可能となる。
【0113】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原画像データに基づいて印刷が実行されたシートを読み取って読み取り画像データを生成する読み取り手段と、
前記原画像データと前記読み取り画像データとに基づいて印刷された画像の品位を判定する検品処理を実行する検品手段と、
前記原画像データで表わされる画像の種類を判別する判別手段と、
前記判別手段で判別した画像の種類に基づいて、前記検品処理に係る処理パラメータを決定する決定手段と、
前記決定手段で決定した処理パラメータに基づいて前記検品処理を実行するように前記検品手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする検品装置。
【請求項2】
前記処理パラメータは、前記検品処理の内容を示すことを特徴とする請求項1に記載の検品装置。
【請求項3】
前記処理パラメータは、前記検品処理が実行される検品項目を示し、
前記制御手段は、前記検品項目に対して前記検品処理を実行するように前記検品手段を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の検品装置。
【請求項4】
前記処理パラメータは、複数の検品項目のうち優先して検品処理を実行する検品項目を特定することを特徴とする請求項3に記載の検品装置。
【請求項5】
前記原画像データはPDLデータであり、前記判別手段は、当該PDLデータに基づいて前記画像の種類を判別することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の検品装置。
【請求項6】
前記判別手段は、操作部を介してユーザに入力された情報に基づいて前記画像の種類を判別することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の検品装置。
【請求項7】
前記検品装置は、前記原画像データに基づいて印刷を実行する印刷手段を備える印刷装置と接続できるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の検品装置。
【請求項8】
原画像データに基づいて印刷が実行されたシートを読み取って読み取り画像データを生成する読み取りステップと、
前記原画像データと前記読み取り画像データとに基づいて前記印刷された画像の品位を判定する検品処理を実行する検品ステップと、
前記原画像データで表わされる画像の種類を判別する判別ステップと、
前記判別ステップで判別した画像の種類に基づいて、前記検品処理に係る処理パラメータを決定する決定ステップと、
前記決定ステップで決定した処理パラメータに基づいて前記検品処理を実行するように制御する制御ステップと、
を有することを特徴とする検品方法。
【請求項9】
請求項8に記載の検品方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−111946(P2013−111946A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262654(P2011−262654)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】