検査作業支援装置
【課題】検査の作業効率を向上させることができる検査作業支援装置を提供する。
【解決手段】検査グループ変更検出部106は、作業者から音声入力された検査項目を、検査テーブル108に格納されている検査項目とマッチングしてこの検査項目が属する検査グループを識別し、検査作業中の検査グループと異なる場合に検査グループが変更されたと判定する。検査制御部105は、識別した検査グループに属する検査項目のうち検査結果が検査結果格納部107に格納されていない未実施のものがあれば、作業漏れを知らせる警告の音声ガイダンスを生成して作業者へ通知する。
【解決手段】検査グループ変更検出部106は、作業者から音声入力された検査項目を、検査テーブル108に格納されている検査項目とマッチングしてこの検査項目が属する検査グループを識別し、検査作業中の検査グループと異なる場合に検査グループが変更されたと判定する。検査制御部105は、識別した検査グループに属する検査項目のうち検査結果が検査結果格納部107に格納されていない未実施のものがあれば、作業漏れを知らせる警告の音声ガイダンスを生成して作業者へ通知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、検査対象物について予め定まった検査項目を検査する作業を支援する検査作業支援装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エレベータの検査作業を支援する従来の検査作業支援装置は、作業者が発声する検査作業に関連する単語をマイクロフォンで受けて音声信号を入力し、この音声信号を音声認識により所定のコードに変換し、コードを判別して対応する応答音声を出力して作業者に伝達する(例えば、特許文献1参照)。この構成により、作業者が音声の誤認識にすぐに気付いて装置に対して修正を行うことができ、よって、検査作業の作業効率を向上させることができる。
【0003】
また、従来の検査作業支援装置は、作業者が発声する検査作業に関連する単語をマイクロフォンで受けて音声信号を入力し、この音声信号を音声認識により所定のコードに変換し、コードがどの検査対象部位を表すか判別して該当部位用の音声認識辞書に切り替え、これ以降に作業者が発声する検査作業項目の音声認識処理をこの音声認識辞書を用いて行う(例えば、特許文献2参照)。この構成により、音声認識の認識率を向上させることができる。
【0004】
また、従来の検査作業支援装置は、作業者が入力する検査結果のデータを受けて、次に実施すべき検査項目を自動的に表示装置に表示する(例えば、特許文献3参照)。この構成により、検査項目の実施漏れを防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−228047号公報
【特許文献2】特開2001−171934号公報
【特許文献3】特開2009−205665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の検査作業支援装置は以上のように構成されているので、例えば特許文献1では、作業者が自ら検査項目を指定するか次の検査項目を指示するように要求した場合に、次に実施すべき検査項目を作業者に伝達することは可能である。しかしながら、作業者が実施漏れに気付かずに作業を進めた場合に途中で警告する手段はなく、例えば、連続して実施することで効率的に実施可能な検査項目のグループが存在する場合、グループに属する一部の検査項目が未実施のまま別の検査作業に移行すると、未実施の作業をやり直すのに手間がかかり、作業効率が低下するという課題があった。
【0007】
また、例えば特許文献2では、作業者が検査対象部位を入力して音声認識辞書の切り替えを行う構成であるが、作業者が検査対象部位と検査対象項目をそれぞれ音声で入力する必要があり、音声入力の負荷が大きかった。そのため、利便性が悪く、作業効率が低下するという課題があった。
【0008】
また、例えば特許文献3では、装置側から次の検査項目を指示することで、作業の実施漏れを抑制することは可能であるが、検査の自由度が高い作業に従事する熟練した作業者に対しては、装置によって行動が制約されることで逆に作業効率が低下するという課題があった。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、同一の検査グループに属する一部の検査項目が未実施のまま別の検査グループの検査作業に移行した場合に、適切な警告を作業者に通知することにより、作業効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る検査作業支援装置は、検査項目を所定のまとまり毎にグループ化した検査グループの情報を格納した検査テーブルと、作業者から受け付けた入力データに含まれる検査項目および当該検査項目の検査結果を表す文字情報をセットにして保存する検査結果格納部と、作業者からの入力データに基づいて検査作業中の検査グループが変更されたか否かを判定する検査グループ変更検出部と、検査グループ変更検出部が検査作業中の検査グループの変更を判定した場合、当該検査作業中の検査グループに属する検査項目とセットになった検査結果が検査結果格納部に保存されているか否かを判定し、検査結果のない検査項目があれば作業漏れを知らせるガイダンスの文字情報を生成する検査制御部と、検査制御部が生成したガイダンスを作業者へ通知する出力部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、作業者からの入力データに基づいて検査作業中の検査グループが変更されたと判定した場合、検査結果格納部に検査結果のない検査項目があれば作業漏れを知らせるガイダンスを作業者へ通知するようにしたので、同一の検査グループに属する一部の検査項目が未実施のまま別の検査グループの検査作業に移行した場合に作業者に適切な警告を通知することができるようになり、検査の作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態1に係る検査作業支援装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係る検査作業支援装置における検査テーブルの構成と、格納する情報の一例を示す図である。
【図3】実施の形態1に係る検査作業支援装置の動作の一例を説明するフローチャートである。
【図4】実施の形態1に係る検査作業支援装置の検査グループ変更検出部による検査グループの変更検出の動作を説明するフローチャートである。
【図5】実施の形態1に係る検査作業支援装置の検査制御部による検査グループの警告判定の動作を説明するフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態2に係る検査作業支援装置の構成を示すブロック図である。
【図7】実施の形態2に係る検査作業支援装置における検査テーブルの構成と、格納する情報の一例を示す図である。
【図8】実施の形態2に係る検査作業支援装置の検査グループ変更検出部による検査グループの変更検出の動作を説明するフローチャートである。
【図9】この発明の実施の形態3に係る検査作業支援装置の構成を示すブロック図である。
【図10】実施の形態3に係る検査作業支援装置の検査制御部による検査グループの検査グループの変更タイムアウト検出の動作を説明するフローチャートである。
【図11】実施の形態3に係る検査作業支援装置の検査グループ変更検出部による検査グループの変更検出の動作を説明するフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態4に係る検査作業支援装置の構成を示すブロック図である。
【図13】実施の形態4に係る検査作業支援装置における検査テーブルの構成と、格納する情報の一例を示す図である。
【図14】実施の形態4に係る検査作業支援装置の検査グループ変更検出部による検査グループの変更検出の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る検査作業支援装置の構成を示すブロック図である。
図1に示す検査作業支援装置は、音声入力部101と、音声認識部102と、音声合成部103と、音声出力部104と、検査制御部105と、検査グループ変更検出部106と、検査結果格納部107と、検査テーブル108とから構成される。
【0014】
音声入力部101はマイク等を具備し、このマイク等を用いて作業者が入力した音声をデータ信号(以下、音声データ)に変換する。音声認識部102は、音声入力部101から入力された音声データに対して音声認識処理を実施して文字情報に変換する。
音声合成部103は、検査制御部105から入力された文字情報に応じた音声データを生成する。音声出力部104はスピーカ等を具備し、音声合成部103から入力された音声データをスピーカ等から出力して、作業者に音声として聴取させる。
【0015】
検査制御部105は、音声認識部102から入力された文字情報を検査テーブル108および検査結果格納部107の情報と照合して検査作業の実施状況を判定し、判定結果に基づいて、検査の実施漏れを警告する音声ガイダンスおよび検査項目の作業完了を知らせる音声ガイダンスなどの文字情報を生成する。
検査グループ変更検出部106は、検査制御部105から入力された情報を検査テーブル108の情報と照合して、検査中のグループが変更されたか否かを判定し、結果を検査制御部105へ出力する。
検査結果格納部107は、検査制御部105から入力された検査項目と検査結果の文字情報をセットにして格納する。
検査テーブル108は、検査制御部105および検査グループ変更検出部106において音声認識部102から入力された文字情報と照合するための、検査グループ、検査項目、および検査結果の種別に関する情報を格納する。
【0016】
図2は、検査テーブル108の構成と、格納する情報の一例を示す図である。
図2に示すように、検査テーブル108は、検査項目毎に固有の番号を格納する識別番号201と、検査項目が所属するグループの名称を表す文字情報を格納する検査グループ202と、検査項目の名称を表す文字情報を格納する検査項目203と、検査項目の検査結果の入力形式を指定する情報を格納する検査結果入力形式204とから構成される。
この例では検査項目を作業場所(例えば機械室、ピット)のまとまり毎にグループ化した検査グループを設定する。例えば識別番号201が「1」の場合、検査グループ202は「機械室」であり、検査項目203が「電流」のため検査結果入力形式204は電流値を示す「数値」を検査結果の入力形式に指定している。
【0017】
次に、図3に示すフローチャートに従って、検査作業支援装置の動作の一例を説明する。
まず、作業者が検査作業支援装置の音声入力部101(マイク等)から検査項目を音声で入力する(例えば“でんりゅう”)。すると、音声入力部101が音声を音声データに変換して、音声認識部102へ出力する。音声認識部102は、公知の音声認識処理によって、入力された音声データを文字情報に変換し(例えば“電流”)、検査制御部105へ出力する(ステップST1)。
【0018】
そして、検査制御部105は、音声認識部102から入力された文字情報と、検査テーブル108に格納された情報とを照合して、検査作業の実施状況を判定する。
検査制御部105は、音声認識部102から文字情報(例えば“電流”)が入力された場合、検査テーブル108の各行の検査項目203に格納されている文字情報とマッチングを行い、文字情報が一致した行の識別番号(例えば“1”)を取得する(ステップST2)。入力された文字情報と一致した検査項目の識別番号を取得した場合、検査制御部105は取得した識別番号を検査グループ変更検出部106へ出力する。
【0019】
続いて検査グループ変更検出部106は、検査制御部105から検査項目の識別番号が入力された場合、検査グループが変更されたか否かを判定する(ステップST3)。
【0020】
ここで、図4に示すフローチャートに従って、検査グループ変更検出部106による検査グループの変更検出の動作を説明する。
まず、検査制御部105から検査項目の識別番号(例えば“1”)が入力された場合、検査グループ変更検出部106は、図2に示す検査テーブル108の識別番号201の中から、同一の識別番号(例えば“1”)が格納されている行を選択し、選択した行の検査グループ202に格納されている文字情報(例えば“機械室”)を取得する(ステップST101)。
続いて検査グループ変更検出部106は、現在作業者が検査作業中の検査グループが設定されているか否か判定する(ステップST102)。検査グループ変更検出部106へ最初に識別番号の入力が行われた場合は、検査作業中の検査グループは未設定と判定して(ステップST102“NO”)、識別番号(例えば“1”)の検査グループ(例えば“機械室”)を検査作業中の検査グループとして新規に設定し(ステップST105)、さらに検査制御部105に検出結果として“検査グループの変更なし”を示す信号を出力する(ステップST106)。
【0021】
検査グループが設定済みの場合の動作は後述することとし、以下ではまず検査結果が“検査グループの変更なし”であった場合の次の動作を説明する。
検査グループ変更検出部106による検査グループの変更検出動作の後(図3のステップST3)、検査制御部105はこの検出結果を用いて検査グループの警告(検査項目の実施漏れ)を行う必要性を判定し、必要に応じて音声ガイダンスの生成を行う(ステップST4)。
【0022】
ここで、図5に示すフローチャートに従って、検査グループ変更検出部106による検査グループの警告判定の動作を説明する。
検査制御部105は、検査グループ変更検出部106の検査結果が“検査グループの変更なし”であった場合(ステップST201“NO”)、検査グループの変更に関する警告の音声ガイダンスは出力せず、入力された検査項目の検査結果が入力されるのを待つ状態に遷移する。
【0023】
検査グループの変更を検出した場合の動作は後述することとし、以下では検査グループの変更がない場合の次の動作を説明する(図3のステップST5)。
作業者が音声入力部101から検査項目に続けて検査結果を音声で入力する(例えば“ひゃく”)。音声入力部101に入力された音声は検査項目の入力時と同様に、音声認識部102によって文字情報(例えば“100”)に変換され、検査制御部105へ出力される(ステップST5)。
検査制御部105は、検査項目の検査結果が入力されるのを待つ状態に遷移している場合、図2に示す検査テーブル108の検査結果入力形式204から検査項目に対応する入力形式の情報を取得する(ステップST6)。例えば、検査項目“電流”の検査結果入力形式204が“数値”に設定されており、入力された文字情報“100”も数値であると判定した場合は、入力された文字情報を検査結果とみなす。そして、検査結果格納部107に検査項目の識別番号“1”と共に入力された文字情報“100”を格納する(ステップST7)。
このようにして検査項目の検査結果を格納した場合、検査制御部105はこの検査項目の作業を完了した旨を通知する音声ガイダンスの文字情報(例えば“電流100完了”)を生成し、音声合成部103へ出力する(ステップST8)。そして、検査制御部105は検査項目の結果が入力されるのを待つ状態から初期状態に遷移する。
【0024】
音声合成部103は、検査制御部105から入力された音声ガイダンスの文字情報(例えば“電流100完了”)を音声データ(例えば“でんりゅう、ひゃく、かんりょう”)に変換し、音声出力部104へ出力する。音声出力部104は入力された音声データをスピーカ等から再生し、検査項目の作業完了を通知する。
【0025】
初期状態に遷移した状態で、作業者が次の検査項目を音声で入力する(例えば“すいっち”)。音声入力部101に入力された音声は音声認識部102によって文字情報(例えば“スイッチ”)に変換され、検査制御部105へ出力される(ステップST1)。
そして、検査制御部105は、音声認識部102から入力された文字情報と、検査テーブル108に格納された検査項目203の文字情報とのマッチングを行い、例えば入力された文字情報“スイッチ”と一致する検査項目に対応する識別番号“4”を取得し、検査グループ変更検出部106へ出力する(ステップST2)。
【0026】
続いて検査グループ変更検出部106が検査グループの変更の有無を判定する(ステップST3)。検査グループ変更検出部106は、検査制御部105から識別番号(例えば“4”)が入力された場合、図2に示す検査テーブル108の識別番号201の中から同一の識別番号(例えば“4”)が格納されている行を選択し、選択した行の検査グループ202に格納されている文字情報(例えば“ピット”)を取得する(図4のステップST101)。
【0027】
そして、検査グループ変更検出部106は、検査作業中の検査グループが既に設定されているか否かを判定し(ステップST102)、既に設定されている場合(ステップST102“YES”)、検査作業中のこの検査グループと取得した検査グループの文字情報を比較する(ステップST103)。
例えば、検査作業中の検査グループが“機械室”に設定されており、取得した検査グループの文字情報も“機械室”であれば検査グループは同一であると判定し(ステップST103“YES”)、検査制御部105に検出結果として“検査グループの変更なし”を示す信号を出力する(ステップST106)。一方、検査作業中の検査グループが“機械室”に設定されており、取得した検査グループの文字情報が“ピット”であれば、検査グループが不一致であると判定し(ステップST103“NO”)、検査制御部105に検出結果として“検査グループの変更あり”を示す信号を出力する(ステップST104)。
【0028】
続いて検査制御部105が検査グループの変更に関する警告の必要性を判定する(図3のステップST4)。検査制御部105は、検査グループ変更検出部106の検査結果が“検査グループの変更あり”であった場合(図5のステップST201“YES”)、検査作業中の検査グループとして設定されている文字情報(例えば“機械室”)と同一の検査グループに属する検査項目を検査テーブル108の情報から抽出し、抽出した検査項目それぞれについて検査結果格納部107に格納された情報と照合して、検査作業中の検査グループに属する検査項目が全て検査結果を格納し、作業を完了しているか否かを判定する(ステップST202)。
図2に示す例では、検査作業中の検査グループが“機械室”であり、検査グループ“機械室”に属する2つの検査項目(“電流”、“電圧”)のうち、検査項目“電圧”の検査結果が検査結果格納部107に格納されていない場合、検査制御部105は検査グループの変更に関する警告の音声ガイダンスの文字情報(例えば“機械室の検査項目が未完了”)を生成して、音声合成部103へ出力する(ステップST203)。一方、例えば検査作業中の検査グループ“機械室”に属する2つの検査項目(“電流”、“電圧”)の検査結果が全て検査結果格納部107に格納されている場合は(ステップST202“YES”)、検査グループの警告に関する音声ガイダンスは出力しない。
そして、検査制御部105は、検査グループ変更検出部106の検査結果が“検査グループの変更あり”であった場合、検査グループを変更(例えば“機械室”から“ピット”へ変更)し(ステップST204)、入力された検査項目(例えば“スイッチ”)の検査結果が入力されるのを待つ状態に遷移する。
【0029】
さらに、音声合成部103は、検査制御部105から入力された音声ガイダンスの文字情報(例えば“機械室の検査項目が未完了”)を音声データ(例えば“きかいしつの、けんさこうもくが、みかんりょう”)に変換し、音声出力部104へ出力する。音声出力部104は入力された音声データをスピーカ等から再生し、検査グループの変更時に作業者へ検査の実施漏れを警告する。
【0030】
なお、図3に示すフローチャートは検査作業支援装置の動作の一例であり、これらの動作の他、入力エラーおよび入力キャンセル等に応じた動作を適宜行うことが可能である。従って、実際には、図3のフローチャートで示すような、検査項目の入力後に必ず検査結果が入力されるという流れにならなくとも良いことは言うまでもない。
【0031】
以上より、実施の形態1によれば、検査作業支援装置は、検査項目203を作業場所のまとまり毎にグループ化した検査グループ202の情報を少なくとも格納した検査テーブル108と、作業者が発した音声を入力して音声データに変換する音声入力部101と、音声入力部101が変換した音声データを認識して、当該音声データに含まれる検査項目または当該検査項目の検査結果を表す文字情報を生成する音声認識部102と、音声データに含まれる検査項目および当該検査項目の検査結果を表す文字情報をセットにして保存する検査結果格納部107と、音声データの文字情報に基づいて検査作業中の検査グループが変更されたか否かを判定する検査グループ変更検出部106と、検査グループ変更検出部106が検査作業中の検査グループの変更を判定した場合、この検査作業中の検査グループに属する検査項目とセットになった検査結果が検査結果格納部107に保存されているか否かを判定し、検査結果のない検査項目があれば作業漏れを知らせる警告の音声ガイダンスの文字情報を生成する検査制御部105と、検査制御部105が生成した音声ガイダンスの文字情報に対応する音声データを生成する音声合成部103と、音声合成部103が生成した音声データを出力する音声出力部104とを備えるように構成した。このため、検査作業中の検査グループの変更を検出してこの検査グループに属する検査項目で未完了のものがあれば音声ガイダンスにより警告して作業者に通知することができるようになり、結果として、作業者が検査項目の実施漏れに早期に気付くことができ、作業効率が向上するという効果が得られる。
【0032】
また、実施の形態1によれば、検査グループ変更検出部106が、作業者からの音声データに含まれる検査項目の文字情報に基づいて、当該検査項目が属する検査グループを検査テーブル108に基づいて識別し、当該識別した検査グループが検査作業中の検査グループと異なる場合に検査グループが変更されたと判定するようにした。このため、作業者は検査グループを音声入力する必要はなく、検査項目のみ音声入力することによって検査作業中の検査グループに属する一部の検査項目が未実施のまま別の検査グループの検査作業に移行したか否かを検出することができるようになり、結果として、作業者は検査項目以外に特別な音声入力を行わなくても実施漏れの警告を受けることが可能となる。従って、作業者の利便性を低下させずに作業効率が向上するという効果が得られる。
【0033】
さらに、実施の形態1によれば、音声出力部104から作業者へ実施漏れの警告を通知した場合でも、検査制御部105は、検査作業中の検査グループを作業者からの音声データに含まれる検査項目が属する検査グループに変更するようにした。このため、作業者が制約を受けることなく検査作業を継続することができ、熟練した作業者に対しても利便性を損なうことなく作業効率が向上するという効果が得られる。
【0034】
なお、実施の形態1では、作業者から音声入力された検査項目が属する検査グループを検査グループ変更検出部106が識別して変更有無を判定し、検査作業中の検査グループを移行する構成にしたが、これに限定されるものではなく、作業者が検査グループを音声入力して検査作業中の検査グループを設定する構成にしてもよい。
例えば、作業者が“きかいしつ”と入力した場合、検査制御部105はこの文字情報を受け付けて検査グループ“機械室”を検査作業中の検査グループに設定する。この構成の場合には、作業者にとって最適な操作が可能となり、利便性が向上するという効果が得られる。
【0035】
また、実施の形態1では、検査作業中の検査グループに属する一部の検査項目が未実施のまま別の検査グループの検査作業に移行した場合に警告の音声ガイダンスを出力して作業者に通知する構成にしたが、これに限定されるものではなく、未実施の検査項目の数に応じてガイダンスの内容を変更する構成にしてもよい。
例えば、検査作業中の検査グループに属する未実施の検査項目が2つ以上存在する場合、検査制御部105は警告の音声ガイダンスとして未実施の検査項目の数のみ通知するようにし(例えば“機械室の検査項目が2件未完了”)、一方、検査作業中の検査グループに属する未実施の検査項目が1つのみであれば、警告の音声ガイダンスとして未実施の検査項目の名称を通知するようにする(例えば“機械室の電流の検査が未完了”)。この構成の場合には、音声ガイダンスの情報量が抑制され、作業者が内容を理解しやすくなり、利便性が向上するという効果が得られる。
【0036】
また、実施の形態1では、検査テーブル108に格納する検査項目203を作業場所のまとまりでグループ化した検査グループ202の情報(例えば“機械室”、“ピット”)を用いる構成にしたが、これに限定されるものではなく、作業場所以外の条件を検査グループのまとまりとして設定する構成にしてもよい。
例えば、検査対象、検査方法、使用する計測器などの条件によって検索項目をグループ化して検査テーブル108に格納することにより、作業者にとって適切な条件で警告の音声ガイダンスを再生することができ、作業効率が向上するという効果が得られる。
【0037】
また、実施の形態1では、音声入力部101および音声認識部102を用いて作業者が音声によって入力する構成にしたが、これに限定されるものではなく、音声以外の手段で入力を行う構成にしてもよい。例えば、検査作業支援装置がタッチパネル、キーボードなどの文字入力部を備え、作業者が入力部を操作して検査項目の文字情報および検査結果の文字情報を入力する。
同様に、音声合成部103および音声出力部104を用いて音声によって作業者に警告等の通知を行う構成にしたが、これに限定されるものではなく、音声以外の手段で通知を行う構成にしてもよい。例えば、検査作業支援装置がモニタ(表示部)などの出力部を備え、警告等の文字情報を表示することで作業者へ通知する。
このような構成の場合には、作業者によって適切な方法で操作することが可能となり、利便性が向上するという効果が得られる。
【0038】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、作業者から入力される検査項目それぞれについて検査グループの変更を検出するようにしたが、本実施の形態2では一部の検査項目に対してのみ検査グループの変更を検出する構成にする。
図6は、本実施の形態2に係る検査作業支援装置の構成を示すブロック図である。なお、図6において図1と同一または相当の部分については同一の符号を付し説明を省略する。
【0039】
図6において、検査テーブル301は、検査制御部105および検査グループ変更検出部302が音声認識部102から入力された検査項目および検査結果の文字情報と照合するための検査グループ、検査項目、検査結果入力形式、および検査グループの変更検出の要否に関する情報を格納する。
検査グループ変更検出部302は、検査テーブル301のグループ変更検出の要否401で判定が必要と指定された検査項目のみ、検査グループが変更されたか否かを判定する。
【0040】
図7は、検査テーブル301の構成と、格納する情報の一例を示す図である。
図7に示すように、検査テーブル301は、識別番号201、検査グループ202、検査項目203および検査結果入力形式204の情報に加え、グループ変更検出の要否401の情報を格納する。このグループ変更検出の要否401は、各行の検査項目203に対して検査グループの変更を検出するか否かを選択する情報(例えば“要”、“否”)である。また、図7に示す検査グループ202では、検査グループが設定されていない箇所を“―”で示している。
【0041】
次に、本実施の形態2に係る検査作業支援装置の動作を説明する。
なお、作業者が検査作業支援装置の音声入力部101に検査項目および検査結果を音声で入力し、音声出力部104から検査項目の作業完了を音声によって通知する基本的な動作は上記実施の形態1の図3に示すフローチャートと同様であるため説明を省略し、ここでは検査グループ変更検出部302による検査グループの変更検出動作を中心に説明する。この動作は、図3のステップST3において行うものである。
【0042】
以下、図8に示すフローチャートに従って、本実施の形態2における検査グループ変更検出部302の動作を説明する。
まず、検査グループ変更検出部302は、検査制御部105から入力された識別番号を用いて図7に示す検査テーブル301から対応する検査グループの情報を取得する(ステップST301)。例えば、検査制御部105から識別番号“1”が入力された場合、図7に示す検査テーブル301の識別番号201の中から、“1”が格納されている行を選択し、選択した行の検査グループ202に格納されている文字情報“機械室”を取得する。
【0043】
そして、検査グループ変更検出部302は、検査作業中の検査グループが設定されているか否かを判定する(ステップST302)。
検査グループ変更検出部302に最初に識別番号(例えば“1”)が入力された場合、検査作業中の検査グループが未設定であると判定する(ステップST302“NO”)。検査作業中の検査グループが未設定であると判定した場合、検査グループ変更検出部302は、検査制御部105から入力された識別番号に対応する検査グループが有効か否かを判定する(ステップST304)。例えば、検査制御部105へ最初に入力(識別番号“1”)が行われた場合、図7に示す例では、同じ識別番号に対応する検査グループとして、検査テーブル301の検査グループ202に“機械室”が格納されているため、検査グループが有効であると判定する(ステップST304“YES”)。そして、検査テーブル301から取得した検査グループ202の情報(例えば“機械室”)を検査作業中の検査グループとして新規に設定し(ステップST305)、さらに、検査制御部105に検出結果として“検査グループの変更なし”を示す信号を出力する(ステップST309)。
他方、ステップST304において、検査制御部105から検査テーブル301への入力が識別番号“5”であった場合は、検査テーブル301の検査グループ202の該当箇所が未設定のため(ステップST304“NO”)、検査作業中の検査グループが設定されていない状態に初期化し(ステップST306)、さらに検査制御部105に検出結果として“検査グループの変更なし”を示す信号を出力する(ステップST309)。
【0044】
一方、検査作業中の検査グループが設定済みであると判定した場合(ステップST302“YES”)、検査グループ変更検出部302は、検査テーブル301からグループ変更検出の要否401の情報を取得して、検査作業中の検査グループの変更検出を行うか否かを判定する(ステップST303)。例えば、検査作業中の検査グループとして“機械室”が選択されている場合、検査テーブル301の検査グループ202に“機械室”が格納されている検査項目(図7の例では“電流”、“電圧”)を抽出する。そして、抽出した各検査項目に対してグループ変更検出の要否401の情報を確認し、“要”が格納されている検査項目(図7の例では“電流”)があれば、検査作業中の検査グループの変更検出が必要であると判定し(ステップST303“YES”)、先のステップST301にて取得した検査グループの文字情報と検査作業中の検査グループの文字情報を比較する(ステップST307)。
【0045】
検査グループ変更検出部302は、例えば、検査作業中の検査グループが“機械室”であり、ステップST301で取得した検査グループの文字情報も“機械室”であれば検査グループは同一であると判定し(ステップST307“YES”)、検査制御部105に“検査グループの変更なし”を示す信号を出力する(ステップST309)。
一方、検査作業中の検査グループが“機械室”であり、ステップST301で取得した検査グループの文字情報が“ピット”の場合は、検査グループが不一致と判定し(ステップST307“NO”)、検査制御部105に“検査グループの変更あり”を示す信号を出力する(ステップST308)。
【0046】
以上より、実施の形態2によれば、検査グループ変更検出部302が、作業者から入力された音声データの文字情報に基づいて検査作業中の検査グループが変更されたか否かを判定し、検査グループの変更を判定した場合、検査制御部105が、検査作業中の検査グループに属する検査項目とセットになった検査結果が検査結果格納部107に保存されているか否かを判定して検査結果のない検査項目があれば作業漏れを知らせる警告の音声ガイダンスの文字情報を生成するように構成した。このため、上記実施の形態1と同様に、検査作業中の検査グループの変更を検出してこの検査グループに属する検査項目で未完了のものがあれば音声ガイダンスにより警告して作業者に通知することができるようになり、結果として、作業者が検査項目の実施漏れに早期に気付くことができ、作業効率が向上するという効果が得られる。
【0047】
また、実施の形態2によれば、検査グループ変更検出部302が、作業者からの音声データに含まれる検査項目の文字情報に基づいて、当該検査項目が属する検査グループを検査テーブル301に基づいて識別し、当該識別した検査グループが検査作業中の検査グループと異なる場合に検査グループが変更されたと判定するようにした。このため、上記実施の形態1と同様に、作業者は検査グループを音声入力する必要はなく、検査項目のみ音声入力することによって検査作業中の検査グループに属する一部の検査項目が未実施のまま別の検査グループの検査作業に移行したか否かを検出することができるようになり、結果として、作業者は検査項目以外に特別な音声入力を行わなくても実施漏れの警告を受けることが可能となる。従って、作業者の利便性を低下させずに作業効率が向上するという効果が得られる。
【0048】
さらに、実施の形態2によれば、検査テーブル301が、検査グループ202および検査項目203の情報に加え、グループ変更検出の要否401を指定した情報を格納し、検査グループ変更検出部302は、作業者からの音声データに含まれる検査項目のうち、グループ変更検出の要否401を指定した情報に基づいて判定が必要と指定された検査項目について当該検査項目が属する検査グループが検査作業中の検査グループから変更されたか否かを判定するように構成した。このため、適切な条件でのみ警告の音声ガイダンスを再生することができ、作業効率が向上するという効果が得られる。
【0049】
さらに、実施の形態2によれば、検査テーブル301中に、上記のように明示的にグループ変更検出の要否401を指定しておく以外にも、検査グループ202を設定するかしないかによって暗示的に変更検出の要否を指定することもできる。検査グループ変更検出部302は、作業者からの音声データに含まれる検査項目のうち、検査テーブル301に検査グループが設定されている一部の検査項目に対してのみ検査作業中の検査グループが変更されたか否かを判定すればよい。この構成の場合にも、適切な条件でのみ警告の音声ガイダンスを再生することができ、作業効率が向上するという効果が得られる。
例えば、検査対象として複数の作業場所があり、その中に距離が離れている特性の作業場所が存在する場合、特定の作業場所の検査項目に対してのみ検査グループの変更有無を判定することにより、頻繁な警告の音声ガイダンスを再生することによる作業の停滞を防ぎつつ、検査項目の実施漏れによる作業場所への移動を最小限に抑えることができ、作業効率が向上するという効果が得られる。
また、例えば同一の測定器を用いる検査作業のような、連続して実施することで効率化が図れる複数の検査項目が存在する場合、これらの検査項目を1つの検査グループにまとめて管理し、これらの検査項目に対してのみ検査グループの変更有無を判定することにより、頻繁な警告の音声ガイダンスを再生することによる作業の停滞を防ぎつつ、検査項目の実施漏れによる検査作業のやり直しを最小限に抑えることができ、作業効率が向上するという効果が得られる。
【0050】
また、実施の形態2では、検査テーブル301のグループ変更検出の要否401を指定する情報として“要”および“否”を格納する構成にしたが、これに限定されるものではなく、例えば検査項目の検査作業を実施する建物の階数などの作業場所を示す情報を格納する構成にしてもよい。そして、検査グループ変更検出部302は、作業者からの音声データに含まれる検査項目が属する検査グループが検査作業中の検査グループと異なる場合に加え、検査グループの階数が検査作業中の検査グループの階数と異なる場合に、検査グループが変更されたと判定し、検査制御部105が警告の音声ガイダンスを生成する。
この構成の場合には、階数が同じであれば検査グループが変更しても警告の音声ガイダンスを再生しないようにできるので、適切な条件で警告を通知することが可能になり、作業者の利便性が向上するという効果が得られる。
【0051】
なお、実施の形態2でも上記実施の形態1と同様に、作業者から音声入力された検査項目が属する検査グループを検査グループ変更検出部302が識別して変更有無を判定し、検査作業中の検査グループを移行する構成にしたが、これに限定されるものではなく、作業者が検査グループを音声入力して検査作業中の検査グループを設定する構成にしてもよい。
例えば、作業者が“きかいしつ”と入力した場合、検査制御部105はこの文字情報を受け付けて検査グループ“機械室”を検査作業中の検査グループに設定する。この構成の場合には、作業者にとって最適な操作が可能となり、利便性が向上するという効果が得られる。
【0052】
また、実施の形態2でも上記実施の形態1と同様に、検査テーブル301に格納する検査項目203を作業場所のまとまりでグループ化した検査グループ202の情報(例えば“機械室”、“ピット”)を用いる構成にしたが、これに限定されるものではなく、作業場所以外の条件を検査グループのまとまりとして設定する構成にしてもよい。
例えば、検査対象、検査方法、使用する計測器などの条件によって検索項目をグループ化して検査テーブル301に格納することにより、作業者にとって適切な条件で警告の音声ガイダンスを再生することができ、作業効率が向上するという効果が得られる。
【0053】
また、実施の形態2でも上記実施の形態1と同様に、検査制御部105が生成する警告の音声ガイダンスの内容を、未実施の検査項目の数に応じて変更する構成にしてもよい。
さらに、音声によって入出力する構成に加えて、または代えて、タッチパネルおよびキーボードなどの入力部とモニタ(表示部)などの出力部を備える構成にしてもよい。
【0054】
実施の形態3.
上記実施の形態1,2では、作業者からの音声入力時に検査グループの変更有無を判定するようにしたが、本実施の形態3では作業者からの音声入力が無い場合においても検査グループの変更有無を判定する構成にする。
図9は、本実施の形態3に係る検査作業支援装置の構成を示すブロック図である。なお、図9において図1と同一または相当の部分については同一の符号を付し説明を省略する。
【0055】
図9において、検査制御部501は、音声認識部102から入力された検査項目および検査結果の文字情報と、音声未入力時間検出タイマ(第2の未入力時間検出タイマ)502の値とから検査作業の実施状況を判定する。
音声未入力時間検出タイマ502は、作業者からの音声未入力時間を測定するタイマである。
【0056】
次に、本実施の形態3に係る検査作業支援装置の動作を説明する。
なお、作業者が検査作業支援装置の音声入力部101に検査項目および検査結果を音声で入力し、音声出力部104から検査項目の作業完了を音声によって通知する基本的な動作は上記実施の形態1の図3に示すフローチャートと同様であるため説明を省略し、ここでは検査制御部501による検査グループの変更タイムアウト検出動作を中心に説明する。この動作は、図3のフローチャートに示す動作とは別に、一定周期で実施するものである。
【0057】
以下、図10に示すフローチャートに従って、本実施の形態3における検査制御部501の動作を説明する。
まず、検査制御部501は、音声認識部102から文字情報が入力される毎に(例えば図3のステップST1またはステップST5)、作業者から音声が入力されたと判定し(ステップST401“YES”)、音声未入力時間検出タイマ502の値を初期化する(ステップST404)。
その後は、図3のフローチャートに従い、検査制御部501は入力された検査項目の文字情報に一致する識別番号を検査テーブル108から取得し(ステップST2)、検査グループ変更検出部106がその識別番号に対応する検査グループの変更検出動作を行って(ステップST3)、必要に応じて検査項目の実施漏れを警告する音声ガイダンスを実施する(ステップST4)。
または、検査制御部501が入力された検査項目の検査結果の文字情報に一致する入力形式を検査テーブル108から取得し(ステップST6)、その検査結果を検査結果格納部107に格納し(ステップST7)、検査項目の作業完了を知らせる音声ガイダンスを実施する(ステップST8)。
【0058】
一方、図10のステップST401において音声認識部102から文字情報が入力されない場合、検査制御部501は作業者からの音声が未入力であると判定し(ステップST401“NO”)、続いて音声未入力時間検出タイマ502の値を取得して、タイムアウト検出用の閾値と比較する(ステップST402)。
そして、検査制御部501は、音声未入力時間検出タイマ502の値が閾値を超える場合にタイムアウトと判定して(ステップST402“YES”)、検査作業の実施状況を判定する(ステップST403)。具体的には、上記実施の形態1の図5に示す検査グループの警告動作と同様に、検査制御部501が、検査作業中の検査グループに属する検査項目に未完了のものがあるか判定し、未完了のものがあれば検査グループの警告に関する音声ガイダンスの文字情報(例えば“機械室の検査項目が未完了”)を生成して音声合成部103へ出力する。なお、検査作業中の検査グループに属する検査項目が全て完了している場合は、検査グループの警告に関する音声ガイダンスは出力しない。
また、検査制御部501は、音声未入力時間検出タイマ502の値が閾値を超えない場合は(ステップST402“NO”)、音声未入力時間検出タイマ502の値を更新する(ステップST405)。
ステップST403〜ステップST405の後は、状況に応じて、検査項目が入力されるのを待つ状態(初期状態)に遷移するか、検査項目の検査結果が入力されるのを待つ状態に遷移する。
【0059】
図10では、ステップST404において検査制御部501が音声未入力時間検出タイマ502の値を初期化した後、検査グループ変更検出部106は上記実施の形態1と同様の検査グループの変更検出動作を実施する構成を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、音声未入力時間検出タイマ(第1の未入力時間検出タイマ)502を用いて作業者の音声未入力時間を測定し、次の検査項目の音声入力が行われた場合に、検査グループ変更検出部106が音声未入力時間検出タイマ502の値に応じて検査作業中の検査グループの変更を検出するか否かを判定するようにしてもよい。
【0060】
以下、図11に示すフローチャートに従って、本実施の形態3における検査グループ変更検出部106の動作を説明する。
まず、検査グループ変更検出部106は、検査制御部501から入力された識別番号(例えば“1”)を用いて検査テーブル108から対応する検査グループの情報(例えば“機械室”)を取得する(ステップST501)。
そして、検査グループ変更検出部106は、検査作業中の検査グループが設定されているか否かを判定し(ステップST502)、続いて、取得した検査グループが検査作業中の検査グループと一致するか否かを判定する(ステップST503)。なお、続くステップST506,ST507の動作は図4のステップST105,ST106と同じであるため説明を省略する。
【0061】
例えば、検査作業中の検査グループが“ピット”であり、ステップST501で取得した検査グループの文字情報が“機械室”の場合のように検査グループが不一致の場合(ステップST503“NO”)、続いて検査グループ変更検出部106は、音声未入力時間検出タイマ502の値を変更グループ検出用の閾値と比較する(ステップST504)。音声未入力時間検出タイマ502の値が閾値以上の場合(ステップST504“YES”)、検査制御部501に“検査グループの変更あり”を示す信号を出力する(ステップST505)。
【0062】
一方、音声未入力時間検出タイマ502の値が閾値より小さい場合(ステップST504“NO”)、検査グループ変更ではなく検査項目の指定ミスであると判定し、検査制御部501に“検査項目の指示ミスあり”を示す信号を出力する(ステップST508)。この場合、検査制御部501は“検査項目の指示ミスあり”の信号に応じて、適切な音声ガイダンスを行い、作業者に操作ミスを通知する。
【0063】
なお、検査制御部501が音声未入力時間を測定するために用いるタイマと、検査グループ変更検出部106が音声未入力時間を測定するために用いるタイマは、図9に示すように単一の音声未入力時間検出タイマ502を兼用してもよいし、あるいは、検査制御部501と検査グループ変更検出部106が別々の音声未入力時間検出タイマを用いて独立に時間を測定するようにしてもよい。
【0064】
以上より、実施の形態3によれば、検査作業支援装置は、作業者からの音声データを受け付けてから次の音声データを受け付けるまでの音声未入力時間を測定する音声未入力時間検出タイマ502を備え、検査制御部501は、音声未入力時間検出タイマ502の値がタイムアウト検出用の閾値を超えた場合、検査作業中の検査グループに属する検査項目のうちの検査結果のないものがあれば作業漏れを知らせる音声ガイダンスの文字情報を生成するように構成した。このため、作業者から一定時間音声が入力されない場合に検査作業中の検査グループに属する検査項目で未実施のものがあれば警告の音声ガイダンスを再生して作業者に通知することができるようになり、結果として、作業者が検査項目の実施漏れに早期に気付くことができ、作業効率が向上するという効果が得られる。
【0065】
また、実施の形態3によれば、検査グループ変更検出部106は、作業者からの音声データに含まれる検査項目が属する検査グループが検査作業中の検査グループと異なる場合に加え、音声未入力時間検出タイマ502の値が変更グループ検出用の閾値を超えた場合に検査グループが変更されたと判定するように構成した。このため、例えば作業者の音声未入力時間が短ければ、検査グループ変更ではなく検査項目の入力指示ミスであると判定して、検査制御部501にて適切な音声ガイダンスを再生して通知することができ、作業者が操作ミスに早期に気づくことができるようになり、作業効率が向上するという効果が得られる。また、作業者の音声未入力時間が長い場合のみ、検査グループの変更有無の判定を行うことにより、音声ガイダンスの出力が頻発することを抑制することができ、作業者の利便性が向上するという効果が得られる。
【0066】
なお、実施の形態3では、音声未入力時間検出タイマ502を上記実施の形態1に係る検査作業支援装置に組み合わせた構成を例に用いて説明したが、これに限定されるものではなく、音声未入力時間検出タイマ502を上記実施の形態2に係る検査作業支援装置に組み合わせた構成にしてもよい。
【0067】
また、実施の形態3でも上記実施の形態1,2と同様に、検査制御部501が生成する警告の音声ガイダンスの内容を、未実施の検査項目の数に応じて変更する構成にしてもよい。
さらに、音声によって入出力する構成に加えて、または代えて、タッチパネルおよびキーボードなどの文字入力部とモニタ(表示部)などの出力部を備える構成にしてもよい。この構成の場合には、音声未入力時間検出タイマ502が、音声入力部101からの音声データの未入力時間または文字入力部からの文字情報の未入力時間を測定する構成にすればよい。
【0068】
実施の形態4.
上記実施の形態1〜3では、作業者の音声入力の認識結果の情報を利用して検査グループの変更有無を判定するようにしたが、本実施の形態4では作業者の音声入力時の背景音の情報を利用して検査グループの変更有無を判定する構成にする。
図12は、本実施の形態4に係る検査作業支援装置の構成を示すブロック図である。なお、図12において図1と同一または相当の部分については同一の符号を付し説明を省略する。
【0069】
図12において、騒音種別算出部601は、音声入力部101が変換した音声データに含まれる背景音から騒音種別を算出する。
検査グループ変更検出部602は、検査制御部105から入力された情報と騒音種別算出部601から入力された騒音種別の情報に基づいて、検査グループが変更されたか否かを判定する。
検査テーブル603は、検査制御部105および検査グループ変更検出部602が音声認識部102から入力された検査項目および検査結果の文字情報と照合するための検査グループ、検査項目および検査結果入力形式、ならびに騒音種別算出部601から入力された騒音種別の情報と照合するための騒音種別に関する情報を格納する。
【0070】
図13は、検査テーブル603の構成と、格納する情報の一例を示す図である。
図13に示すように、検査テーブル603は、識別番号201、検査グループ202、検査項目203および検査結果入力形式204の情報に加え、騒音種別701の情報を格納する。この騒音種別701は、各行の検査項目203に対して作業環境の騒音の大きさを示す情報(例えば“1”〜“10”の10段階)である。
【0071】
次に、本実施の形態4に係る検査作業支援装置の動作を説明する。
なお、作業者が検査作業支援装置の音声入力部101に検査項目および検査結果を音声で入力し、音声出力部104から検査項目の作業完了を音声によって通知する基本的な動作は上記実施の形態1の図3に示すフローチャートと同様であるが、一部の動作が異なるため、ここでは異なる動作(ステップST1,ST3)を中心に説明する。
【0072】
図3のステップST1において、音声入力部101に入力された音声はデータ信号(音声データ)に変換され、音声認識部102および騒音種別算出部601へ出力される。そして、騒音種別算出部601は、入力された音声データから音声が含まれない区間を切り出して、切り出した音声データから作業環境の騒音種別を算出する。例えば、切り出した音声データから音圧を算出し、音圧の値に応じて10段階(1〜10)の騒音種別に分類した結果を検査グループ変更検出部602へ出力する。
【0073】
図3のステップST3において、検査グループ変更検出部602が、騒音種別算出部601および検査テーブル603の情報を用いて、検査グループの変更を検出する。
以下、図14に示すフローチャートに従って、本実施の形態4における検査グループ変更検出部602の動作を説明する。
まず、検査グループ変更検出部602は、検査制御部105から入力された識別番号(例えば“1”)を用いて、図13に示す検査テーブル603から対応する検査グループの情報(例えば“機械室”)を取得する(ステップST601)。
そして、検査グループ変更検出部602は、検査作業中の検査グループが設定されているか否かを判定し(ステップST602)、最初の入力の場合は検査グループを検査作業中の検査グループとして新規に設定し(ステップST606)、検査制御部105に検出結果として“検査グループの変更なし”を示す信号を出力する(ステップST607)。
【0074】
一方、検査作業中の検査グループが設定済みであると判定した場合(ステップST602“YES”)、検査グループ変更検出部602は、ステップST601にて取得した検査グループの文字情報と検査作業中の検査グループの文字情報を比較する(ステップST603)。例えば、検査作業中の検査グループが“機械室”であり、ステップST601で取得した検査グループの文字情報も“機械室”であれば検査グループは同一であると判定し(ステップST603“YES”)、検査制御部105に“検査グループの変更なし”を示す信号を出力する(ステップST607)。一方、検査作業中の検査グループが“機械室”であり、ステップST601で取得した検査グループの文字情報が“ピット”の場合は、検査グループが不一致と判定し(ステップST603“NO”)、騒音種別の判定を行う(ステップST604)。
【0075】
ステップST604において、検査グループ変更検出部602は、騒音種別算出部601から入力された騒音種別の値と、図13に示す検査テーブル603に格納されている騒音種別701の値を比較する。この比較により、作業者からの入力音声の認識結果(文字情報)の妥当性を検査することができる。例えば、ステップST601で取得した検査グループの文字情報が“ピット”である場合、検査テーブル603は、検査テーブル603を参照してステップST601で取得した検査グループに対応する騒音種別701の値“5”を取得し、騒音種別算出部601から入力された騒音種別(例えば“5”)と比較して、騒音種別の値が一致すれば(ステップST604“YES”)、検査制御部105に検出結果として“検査グループの変更あり”を示す信号を出力する(ステップST605)。
一方、騒音種別の値が不一致の場合(ステップST604“NO”)、検査制御部105に“検査グループの変更なし”を示す信号を出力する(ステップST607)。
【0076】
これにより、例えば、検査対象として高騒音の作業場所と低騒音の作業場所が存在する状況で、低騒音の作業場所において作業者が誤って高騒音の作業場所の検査項目を入力した場合、入力された検査項目の情報だけでは検査作業中の検査グループの変更と判定して警告の音声ガイダンスを再生してしまうが、騒音種別701の情報を用いることにより、作業者の誤入力であると判定して、検査グループの変更と判定しないようにできる。このため、不要な警告の音声ガイダンスを出力して作業を停滞させることがない。
【0077】
以上より、実施の形態4によれば、検査作業支援装置は、音声入力部101が変換した音声データに含まれる背景音から騒音の大きさを算出する騒音種別算出部601を備え、検査テーブル603は、検査グループ202および検査項目203の情報に加え、検査グループの検査の作業場所の騒音の大きさを指定した騒音種別701の情報を格納し、検査グループ変更検出部602は、作業者からの音声データに含まれる検査項目が属する検査グループが検査作業中の検査グループと異なる場合に加え、騒音種別算出部601が算出した騒音の大きさが検査作業中の検査グループの騒音種別701の情報と異なる場合に、検査グループが変更されたと判定するように構成した。このため、検査中グループの変更有無を高精度に判定することが可能となり、不要な警告の音声ガイダンスの再生による作業の停滞を防ぐことができ、作業効率が向上するという効果が得られる。
【0078】
なお、実施の形態4では、作業者から入力された検査項目が属する検査グループの騒音種別701の情報と騒音種別算出部601が算出した騒音種別の情報とを用いて検査グループの変更を検出する構成にしたが、これに限定されるものではなく、騒音種別算出部601が算出した騒音種別の情報のみを用いて検査グループ変更検出部602が検査グループの変更有無を判定する構成にしてもよい。この構成の場合には、作業者が入力した音声の内容に関係なく、検査グループの変更有無を判定して警告の音声ガイダンスを作業者に通知することができるようになり、結果として、作業者が検査項目の実施漏れに早期に気付くことができ、作業効率が向上するという効果が得られる。
【0079】
また、実施の形態4では、作業者から入力された検査項目が属する検査グループの騒音種別701の情報と騒音種別算出部601が算出した騒音種別の情報とを比較して検査グループの変更を検出する構成にしたが、これに限定されるものではなく、作業者から入力された検査項目が属する検査グループの騒音種別701の情報と検査作業中の検査グループに対応する騒音種別の情報とを比較して、検査グループの変更有無を判定する構成にしてもよい。例えば、検査グループ変更検出部602は、図14に示すステップST601において、入力された識別番号に対応する検査項目を検査テーブル603から取得し、さらにこの検査項目が属する検査グループを取得する。続くステップST602,ST603を飛ばしてステップST604において、取得した検査グループの騒音種別701の情報と検査作業中の検査グループに対応する騒音種別701の情報とを比較する。この比較の場合は、図14に示すフローチャートのステップST604とは動作が異なり、騒音種別の値が不一致の場合のみ検査グループの変更ありと判定する。
例えば、検査対象として複数の作業場所があり、その中に距離が離れている特定の作業場所が存在する場合、特定の作業場所のみが高騒音であり、その他の作業場所が低騒音であれば、特定の作業場所に移動した場合のみ検査グループの変更有無を判定することができるため、頻繁な警告の音声ガイダンスを再生することによる作業の停滞を防ぎつつ、検査項目の実施漏れによる作業場所の移動を最小限に抑えることができるため、作業効率が向上する。
さらに、検査項目の誤入力が発生した場合においても、騒音種別が一致する環境であれば検査グループが変更されたとは判定しないため、不要な警告の音声ガイダンスを再生することによる作業の停滞を防ぐことができ、作業効率が向上する。
【0080】
なお、実施の形態4では、騒音種別算出部601を上記実施の形態1に係る検査作業支援装置に組み合わせた構成を例に用いて説明したが、これに限定されるものではなく、騒音種別算出部601を上記実施の形態2,3に係る検査作業支援装置に適宜組み合わせた構成にしてもよい。
【0081】
また、実施の形態4でも上記実施の形態1〜3と同様に、検査制御部105が生成する警告の音声ガイダンスの内容を、未実施の検査項目の数に応じて変更する構成にしてもよい。
また、実施の形態4では、音声によって入力する構成(音声入力部101および音声認識部102)に加えて、タッチパネルおよびキーボードなどの文字入力部を備える構成にしてもよい。また、音声によって出力する構成(音声合成部103および音声出力部104)に加えて、または代えて、モニタ(表示部)などの出力部を備える構成にしてもよい。
【0082】
上記以外にも、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0083】
101 音声入力部、102 音声認識部、103 音声合成部、104 音声出力部、105 検査制御部、106 検査グループ変更検出部、107 検査結果格納部、108 検査テーブル、201 識別番号、202 検査グループ、203 検査項目、204 検査結果入力形式、301 検査テーブル、302 検査グループ変更検出部、401 グループ変更検出の要否、501 検査制御部、502 音声未入力時間検出タイマ、601 騒音種別算出部、602 検査グループ変更検出部、603 検査テーブル、701 騒音種別。
【技術分野】
【0001】
この発明は、検査対象物について予め定まった検査項目を検査する作業を支援する検査作業支援装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エレベータの検査作業を支援する従来の検査作業支援装置は、作業者が発声する検査作業に関連する単語をマイクロフォンで受けて音声信号を入力し、この音声信号を音声認識により所定のコードに変換し、コードを判別して対応する応答音声を出力して作業者に伝達する(例えば、特許文献1参照)。この構成により、作業者が音声の誤認識にすぐに気付いて装置に対して修正を行うことができ、よって、検査作業の作業効率を向上させることができる。
【0003】
また、従来の検査作業支援装置は、作業者が発声する検査作業に関連する単語をマイクロフォンで受けて音声信号を入力し、この音声信号を音声認識により所定のコードに変換し、コードがどの検査対象部位を表すか判別して該当部位用の音声認識辞書に切り替え、これ以降に作業者が発声する検査作業項目の音声認識処理をこの音声認識辞書を用いて行う(例えば、特許文献2参照)。この構成により、音声認識の認識率を向上させることができる。
【0004】
また、従来の検査作業支援装置は、作業者が入力する検査結果のデータを受けて、次に実施すべき検査項目を自動的に表示装置に表示する(例えば、特許文献3参照)。この構成により、検査項目の実施漏れを防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−228047号公報
【特許文献2】特開2001−171934号公報
【特許文献3】特開2009−205665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の検査作業支援装置は以上のように構成されているので、例えば特許文献1では、作業者が自ら検査項目を指定するか次の検査項目を指示するように要求した場合に、次に実施すべき検査項目を作業者に伝達することは可能である。しかしながら、作業者が実施漏れに気付かずに作業を進めた場合に途中で警告する手段はなく、例えば、連続して実施することで効率的に実施可能な検査項目のグループが存在する場合、グループに属する一部の検査項目が未実施のまま別の検査作業に移行すると、未実施の作業をやり直すのに手間がかかり、作業効率が低下するという課題があった。
【0007】
また、例えば特許文献2では、作業者が検査対象部位を入力して音声認識辞書の切り替えを行う構成であるが、作業者が検査対象部位と検査対象項目をそれぞれ音声で入力する必要があり、音声入力の負荷が大きかった。そのため、利便性が悪く、作業効率が低下するという課題があった。
【0008】
また、例えば特許文献3では、装置側から次の検査項目を指示することで、作業の実施漏れを抑制することは可能であるが、検査の自由度が高い作業に従事する熟練した作業者に対しては、装置によって行動が制約されることで逆に作業効率が低下するという課題があった。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、同一の検査グループに属する一部の検査項目が未実施のまま別の検査グループの検査作業に移行した場合に、適切な警告を作業者に通知することにより、作業効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る検査作業支援装置は、検査項目を所定のまとまり毎にグループ化した検査グループの情報を格納した検査テーブルと、作業者から受け付けた入力データに含まれる検査項目および当該検査項目の検査結果を表す文字情報をセットにして保存する検査結果格納部と、作業者からの入力データに基づいて検査作業中の検査グループが変更されたか否かを判定する検査グループ変更検出部と、検査グループ変更検出部が検査作業中の検査グループの変更を判定した場合、当該検査作業中の検査グループに属する検査項目とセットになった検査結果が検査結果格納部に保存されているか否かを判定し、検査結果のない検査項目があれば作業漏れを知らせるガイダンスの文字情報を生成する検査制御部と、検査制御部が生成したガイダンスを作業者へ通知する出力部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、作業者からの入力データに基づいて検査作業中の検査グループが変更されたと判定した場合、検査結果格納部に検査結果のない検査項目があれば作業漏れを知らせるガイダンスを作業者へ通知するようにしたので、同一の検査グループに属する一部の検査項目が未実施のまま別の検査グループの検査作業に移行した場合に作業者に適切な警告を通知することができるようになり、検査の作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態1に係る検査作業支援装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係る検査作業支援装置における検査テーブルの構成と、格納する情報の一例を示す図である。
【図3】実施の形態1に係る検査作業支援装置の動作の一例を説明するフローチャートである。
【図4】実施の形態1に係る検査作業支援装置の検査グループ変更検出部による検査グループの変更検出の動作を説明するフローチャートである。
【図5】実施の形態1に係る検査作業支援装置の検査制御部による検査グループの警告判定の動作を説明するフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態2に係る検査作業支援装置の構成を示すブロック図である。
【図7】実施の形態2に係る検査作業支援装置における検査テーブルの構成と、格納する情報の一例を示す図である。
【図8】実施の形態2に係る検査作業支援装置の検査グループ変更検出部による検査グループの変更検出の動作を説明するフローチャートである。
【図9】この発明の実施の形態3に係る検査作業支援装置の構成を示すブロック図である。
【図10】実施の形態3に係る検査作業支援装置の検査制御部による検査グループの検査グループの変更タイムアウト検出の動作を説明するフローチャートである。
【図11】実施の形態3に係る検査作業支援装置の検査グループ変更検出部による検査グループの変更検出の動作を説明するフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態4に係る検査作業支援装置の構成を示すブロック図である。
【図13】実施の形態4に係る検査作業支援装置における検査テーブルの構成と、格納する情報の一例を示す図である。
【図14】実施の形態4に係る検査作業支援装置の検査グループ変更検出部による検査グループの変更検出の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る検査作業支援装置の構成を示すブロック図である。
図1に示す検査作業支援装置は、音声入力部101と、音声認識部102と、音声合成部103と、音声出力部104と、検査制御部105と、検査グループ変更検出部106と、検査結果格納部107と、検査テーブル108とから構成される。
【0014】
音声入力部101はマイク等を具備し、このマイク等を用いて作業者が入力した音声をデータ信号(以下、音声データ)に変換する。音声認識部102は、音声入力部101から入力された音声データに対して音声認識処理を実施して文字情報に変換する。
音声合成部103は、検査制御部105から入力された文字情報に応じた音声データを生成する。音声出力部104はスピーカ等を具備し、音声合成部103から入力された音声データをスピーカ等から出力して、作業者に音声として聴取させる。
【0015】
検査制御部105は、音声認識部102から入力された文字情報を検査テーブル108および検査結果格納部107の情報と照合して検査作業の実施状況を判定し、判定結果に基づいて、検査の実施漏れを警告する音声ガイダンスおよび検査項目の作業完了を知らせる音声ガイダンスなどの文字情報を生成する。
検査グループ変更検出部106は、検査制御部105から入力された情報を検査テーブル108の情報と照合して、検査中のグループが変更されたか否かを判定し、結果を検査制御部105へ出力する。
検査結果格納部107は、検査制御部105から入力された検査項目と検査結果の文字情報をセットにして格納する。
検査テーブル108は、検査制御部105および検査グループ変更検出部106において音声認識部102から入力された文字情報と照合するための、検査グループ、検査項目、および検査結果の種別に関する情報を格納する。
【0016】
図2は、検査テーブル108の構成と、格納する情報の一例を示す図である。
図2に示すように、検査テーブル108は、検査項目毎に固有の番号を格納する識別番号201と、検査項目が所属するグループの名称を表す文字情報を格納する検査グループ202と、検査項目の名称を表す文字情報を格納する検査項目203と、検査項目の検査結果の入力形式を指定する情報を格納する検査結果入力形式204とから構成される。
この例では検査項目を作業場所(例えば機械室、ピット)のまとまり毎にグループ化した検査グループを設定する。例えば識別番号201が「1」の場合、検査グループ202は「機械室」であり、検査項目203が「電流」のため検査結果入力形式204は電流値を示す「数値」を検査結果の入力形式に指定している。
【0017】
次に、図3に示すフローチャートに従って、検査作業支援装置の動作の一例を説明する。
まず、作業者が検査作業支援装置の音声入力部101(マイク等)から検査項目を音声で入力する(例えば“でんりゅう”)。すると、音声入力部101が音声を音声データに変換して、音声認識部102へ出力する。音声認識部102は、公知の音声認識処理によって、入力された音声データを文字情報に変換し(例えば“電流”)、検査制御部105へ出力する(ステップST1)。
【0018】
そして、検査制御部105は、音声認識部102から入力された文字情報と、検査テーブル108に格納された情報とを照合して、検査作業の実施状況を判定する。
検査制御部105は、音声認識部102から文字情報(例えば“電流”)が入力された場合、検査テーブル108の各行の検査項目203に格納されている文字情報とマッチングを行い、文字情報が一致した行の識別番号(例えば“1”)を取得する(ステップST2)。入力された文字情報と一致した検査項目の識別番号を取得した場合、検査制御部105は取得した識別番号を検査グループ変更検出部106へ出力する。
【0019】
続いて検査グループ変更検出部106は、検査制御部105から検査項目の識別番号が入力された場合、検査グループが変更されたか否かを判定する(ステップST3)。
【0020】
ここで、図4に示すフローチャートに従って、検査グループ変更検出部106による検査グループの変更検出の動作を説明する。
まず、検査制御部105から検査項目の識別番号(例えば“1”)が入力された場合、検査グループ変更検出部106は、図2に示す検査テーブル108の識別番号201の中から、同一の識別番号(例えば“1”)が格納されている行を選択し、選択した行の検査グループ202に格納されている文字情報(例えば“機械室”)を取得する(ステップST101)。
続いて検査グループ変更検出部106は、現在作業者が検査作業中の検査グループが設定されているか否か判定する(ステップST102)。検査グループ変更検出部106へ最初に識別番号の入力が行われた場合は、検査作業中の検査グループは未設定と判定して(ステップST102“NO”)、識別番号(例えば“1”)の検査グループ(例えば“機械室”)を検査作業中の検査グループとして新規に設定し(ステップST105)、さらに検査制御部105に検出結果として“検査グループの変更なし”を示す信号を出力する(ステップST106)。
【0021】
検査グループが設定済みの場合の動作は後述することとし、以下ではまず検査結果が“検査グループの変更なし”であった場合の次の動作を説明する。
検査グループ変更検出部106による検査グループの変更検出動作の後(図3のステップST3)、検査制御部105はこの検出結果を用いて検査グループの警告(検査項目の実施漏れ)を行う必要性を判定し、必要に応じて音声ガイダンスの生成を行う(ステップST4)。
【0022】
ここで、図5に示すフローチャートに従って、検査グループ変更検出部106による検査グループの警告判定の動作を説明する。
検査制御部105は、検査グループ変更検出部106の検査結果が“検査グループの変更なし”であった場合(ステップST201“NO”)、検査グループの変更に関する警告の音声ガイダンスは出力せず、入力された検査項目の検査結果が入力されるのを待つ状態に遷移する。
【0023】
検査グループの変更を検出した場合の動作は後述することとし、以下では検査グループの変更がない場合の次の動作を説明する(図3のステップST5)。
作業者が音声入力部101から検査項目に続けて検査結果を音声で入力する(例えば“ひゃく”)。音声入力部101に入力された音声は検査項目の入力時と同様に、音声認識部102によって文字情報(例えば“100”)に変換され、検査制御部105へ出力される(ステップST5)。
検査制御部105は、検査項目の検査結果が入力されるのを待つ状態に遷移している場合、図2に示す検査テーブル108の検査結果入力形式204から検査項目に対応する入力形式の情報を取得する(ステップST6)。例えば、検査項目“電流”の検査結果入力形式204が“数値”に設定されており、入力された文字情報“100”も数値であると判定した場合は、入力された文字情報を検査結果とみなす。そして、検査結果格納部107に検査項目の識別番号“1”と共に入力された文字情報“100”を格納する(ステップST7)。
このようにして検査項目の検査結果を格納した場合、検査制御部105はこの検査項目の作業を完了した旨を通知する音声ガイダンスの文字情報(例えば“電流100完了”)を生成し、音声合成部103へ出力する(ステップST8)。そして、検査制御部105は検査項目の結果が入力されるのを待つ状態から初期状態に遷移する。
【0024】
音声合成部103は、検査制御部105から入力された音声ガイダンスの文字情報(例えば“電流100完了”)を音声データ(例えば“でんりゅう、ひゃく、かんりょう”)に変換し、音声出力部104へ出力する。音声出力部104は入力された音声データをスピーカ等から再生し、検査項目の作業完了を通知する。
【0025】
初期状態に遷移した状態で、作業者が次の検査項目を音声で入力する(例えば“すいっち”)。音声入力部101に入力された音声は音声認識部102によって文字情報(例えば“スイッチ”)に変換され、検査制御部105へ出力される(ステップST1)。
そして、検査制御部105は、音声認識部102から入力された文字情報と、検査テーブル108に格納された検査項目203の文字情報とのマッチングを行い、例えば入力された文字情報“スイッチ”と一致する検査項目に対応する識別番号“4”を取得し、検査グループ変更検出部106へ出力する(ステップST2)。
【0026】
続いて検査グループ変更検出部106が検査グループの変更の有無を判定する(ステップST3)。検査グループ変更検出部106は、検査制御部105から識別番号(例えば“4”)が入力された場合、図2に示す検査テーブル108の識別番号201の中から同一の識別番号(例えば“4”)が格納されている行を選択し、選択した行の検査グループ202に格納されている文字情報(例えば“ピット”)を取得する(図4のステップST101)。
【0027】
そして、検査グループ変更検出部106は、検査作業中の検査グループが既に設定されているか否かを判定し(ステップST102)、既に設定されている場合(ステップST102“YES”)、検査作業中のこの検査グループと取得した検査グループの文字情報を比較する(ステップST103)。
例えば、検査作業中の検査グループが“機械室”に設定されており、取得した検査グループの文字情報も“機械室”であれば検査グループは同一であると判定し(ステップST103“YES”)、検査制御部105に検出結果として“検査グループの変更なし”を示す信号を出力する(ステップST106)。一方、検査作業中の検査グループが“機械室”に設定されており、取得した検査グループの文字情報が“ピット”であれば、検査グループが不一致であると判定し(ステップST103“NO”)、検査制御部105に検出結果として“検査グループの変更あり”を示す信号を出力する(ステップST104)。
【0028】
続いて検査制御部105が検査グループの変更に関する警告の必要性を判定する(図3のステップST4)。検査制御部105は、検査グループ変更検出部106の検査結果が“検査グループの変更あり”であった場合(図5のステップST201“YES”)、検査作業中の検査グループとして設定されている文字情報(例えば“機械室”)と同一の検査グループに属する検査項目を検査テーブル108の情報から抽出し、抽出した検査項目それぞれについて検査結果格納部107に格納された情報と照合して、検査作業中の検査グループに属する検査項目が全て検査結果を格納し、作業を完了しているか否かを判定する(ステップST202)。
図2に示す例では、検査作業中の検査グループが“機械室”であり、検査グループ“機械室”に属する2つの検査項目(“電流”、“電圧”)のうち、検査項目“電圧”の検査結果が検査結果格納部107に格納されていない場合、検査制御部105は検査グループの変更に関する警告の音声ガイダンスの文字情報(例えば“機械室の検査項目が未完了”)を生成して、音声合成部103へ出力する(ステップST203)。一方、例えば検査作業中の検査グループ“機械室”に属する2つの検査項目(“電流”、“電圧”)の検査結果が全て検査結果格納部107に格納されている場合は(ステップST202“YES”)、検査グループの警告に関する音声ガイダンスは出力しない。
そして、検査制御部105は、検査グループ変更検出部106の検査結果が“検査グループの変更あり”であった場合、検査グループを変更(例えば“機械室”から“ピット”へ変更)し(ステップST204)、入力された検査項目(例えば“スイッチ”)の検査結果が入力されるのを待つ状態に遷移する。
【0029】
さらに、音声合成部103は、検査制御部105から入力された音声ガイダンスの文字情報(例えば“機械室の検査項目が未完了”)を音声データ(例えば“きかいしつの、けんさこうもくが、みかんりょう”)に変換し、音声出力部104へ出力する。音声出力部104は入力された音声データをスピーカ等から再生し、検査グループの変更時に作業者へ検査の実施漏れを警告する。
【0030】
なお、図3に示すフローチャートは検査作業支援装置の動作の一例であり、これらの動作の他、入力エラーおよび入力キャンセル等に応じた動作を適宜行うことが可能である。従って、実際には、図3のフローチャートで示すような、検査項目の入力後に必ず検査結果が入力されるという流れにならなくとも良いことは言うまでもない。
【0031】
以上より、実施の形態1によれば、検査作業支援装置は、検査項目203を作業場所のまとまり毎にグループ化した検査グループ202の情報を少なくとも格納した検査テーブル108と、作業者が発した音声を入力して音声データに変換する音声入力部101と、音声入力部101が変換した音声データを認識して、当該音声データに含まれる検査項目または当該検査項目の検査結果を表す文字情報を生成する音声認識部102と、音声データに含まれる検査項目および当該検査項目の検査結果を表す文字情報をセットにして保存する検査結果格納部107と、音声データの文字情報に基づいて検査作業中の検査グループが変更されたか否かを判定する検査グループ変更検出部106と、検査グループ変更検出部106が検査作業中の検査グループの変更を判定した場合、この検査作業中の検査グループに属する検査項目とセットになった検査結果が検査結果格納部107に保存されているか否かを判定し、検査結果のない検査項目があれば作業漏れを知らせる警告の音声ガイダンスの文字情報を生成する検査制御部105と、検査制御部105が生成した音声ガイダンスの文字情報に対応する音声データを生成する音声合成部103と、音声合成部103が生成した音声データを出力する音声出力部104とを備えるように構成した。このため、検査作業中の検査グループの変更を検出してこの検査グループに属する検査項目で未完了のものがあれば音声ガイダンスにより警告して作業者に通知することができるようになり、結果として、作業者が検査項目の実施漏れに早期に気付くことができ、作業効率が向上するという効果が得られる。
【0032】
また、実施の形態1によれば、検査グループ変更検出部106が、作業者からの音声データに含まれる検査項目の文字情報に基づいて、当該検査項目が属する検査グループを検査テーブル108に基づいて識別し、当該識別した検査グループが検査作業中の検査グループと異なる場合に検査グループが変更されたと判定するようにした。このため、作業者は検査グループを音声入力する必要はなく、検査項目のみ音声入力することによって検査作業中の検査グループに属する一部の検査項目が未実施のまま別の検査グループの検査作業に移行したか否かを検出することができるようになり、結果として、作業者は検査項目以外に特別な音声入力を行わなくても実施漏れの警告を受けることが可能となる。従って、作業者の利便性を低下させずに作業効率が向上するという効果が得られる。
【0033】
さらに、実施の形態1によれば、音声出力部104から作業者へ実施漏れの警告を通知した場合でも、検査制御部105は、検査作業中の検査グループを作業者からの音声データに含まれる検査項目が属する検査グループに変更するようにした。このため、作業者が制約を受けることなく検査作業を継続することができ、熟練した作業者に対しても利便性を損なうことなく作業効率が向上するという効果が得られる。
【0034】
なお、実施の形態1では、作業者から音声入力された検査項目が属する検査グループを検査グループ変更検出部106が識別して変更有無を判定し、検査作業中の検査グループを移行する構成にしたが、これに限定されるものではなく、作業者が検査グループを音声入力して検査作業中の検査グループを設定する構成にしてもよい。
例えば、作業者が“きかいしつ”と入力した場合、検査制御部105はこの文字情報を受け付けて検査グループ“機械室”を検査作業中の検査グループに設定する。この構成の場合には、作業者にとって最適な操作が可能となり、利便性が向上するという効果が得られる。
【0035】
また、実施の形態1では、検査作業中の検査グループに属する一部の検査項目が未実施のまま別の検査グループの検査作業に移行した場合に警告の音声ガイダンスを出力して作業者に通知する構成にしたが、これに限定されるものではなく、未実施の検査項目の数に応じてガイダンスの内容を変更する構成にしてもよい。
例えば、検査作業中の検査グループに属する未実施の検査項目が2つ以上存在する場合、検査制御部105は警告の音声ガイダンスとして未実施の検査項目の数のみ通知するようにし(例えば“機械室の検査項目が2件未完了”)、一方、検査作業中の検査グループに属する未実施の検査項目が1つのみであれば、警告の音声ガイダンスとして未実施の検査項目の名称を通知するようにする(例えば“機械室の電流の検査が未完了”)。この構成の場合には、音声ガイダンスの情報量が抑制され、作業者が内容を理解しやすくなり、利便性が向上するという効果が得られる。
【0036】
また、実施の形態1では、検査テーブル108に格納する検査項目203を作業場所のまとまりでグループ化した検査グループ202の情報(例えば“機械室”、“ピット”)を用いる構成にしたが、これに限定されるものではなく、作業場所以外の条件を検査グループのまとまりとして設定する構成にしてもよい。
例えば、検査対象、検査方法、使用する計測器などの条件によって検索項目をグループ化して検査テーブル108に格納することにより、作業者にとって適切な条件で警告の音声ガイダンスを再生することができ、作業効率が向上するという効果が得られる。
【0037】
また、実施の形態1では、音声入力部101および音声認識部102を用いて作業者が音声によって入力する構成にしたが、これに限定されるものではなく、音声以外の手段で入力を行う構成にしてもよい。例えば、検査作業支援装置がタッチパネル、キーボードなどの文字入力部を備え、作業者が入力部を操作して検査項目の文字情報および検査結果の文字情報を入力する。
同様に、音声合成部103および音声出力部104を用いて音声によって作業者に警告等の通知を行う構成にしたが、これに限定されるものではなく、音声以外の手段で通知を行う構成にしてもよい。例えば、検査作業支援装置がモニタ(表示部)などの出力部を備え、警告等の文字情報を表示することで作業者へ通知する。
このような構成の場合には、作業者によって適切な方法で操作することが可能となり、利便性が向上するという効果が得られる。
【0038】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、作業者から入力される検査項目それぞれについて検査グループの変更を検出するようにしたが、本実施の形態2では一部の検査項目に対してのみ検査グループの変更を検出する構成にする。
図6は、本実施の形態2に係る検査作業支援装置の構成を示すブロック図である。なお、図6において図1と同一または相当の部分については同一の符号を付し説明を省略する。
【0039】
図6において、検査テーブル301は、検査制御部105および検査グループ変更検出部302が音声認識部102から入力された検査項目および検査結果の文字情報と照合するための検査グループ、検査項目、検査結果入力形式、および検査グループの変更検出の要否に関する情報を格納する。
検査グループ変更検出部302は、検査テーブル301のグループ変更検出の要否401で判定が必要と指定された検査項目のみ、検査グループが変更されたか否かを判定する。
【0040】
図7は、検査テーブル301の構成と、格納する情報の一例を示す図である。
図7に示すように、検査テーブル301は、識別番号201、検査グループ202、検査項目203および検査結果入力形式204の情報に加え、グループ変更検出の要否401の情報を格納する。このグループ変更検出の要否401は、各行の検査項目203に対して検査グループの変更を検出するか否かを選択する情報(例えば“要”、“否”)である。また、図7に示す検査グループ202では、検査グループが設定されていない箇所を“―”で示している。
【0041】
次に、本実施の形態2に係る検査作業支援装置の動作を説明する。
なお、作業者が検査作業支援装置の音声入力部101に検査項目および検査結果を音声で入力し、音声出力部104から検査項目の作業完了を音声によって通知する基本的な動作は上記実施の形態1の図3に示すフローチャートと同様であるため説明を省略し、ここでは検査グループ変更検出部302による検査グループの変更検出動作を中心に説明する。この動作は、図3のステップST3において行うものである。
【0042】
以下、図8に示すフローチャートに従って、本実施の形態2における検査グループ変更検出部302の動作を説明する。
まず、検査グループ変更検出部302は、検査制御部105から入力された識別番号を用いて図7に示す検査テーブル301から対応する検査グループの情報を取得する(ステップST301)。例えば、検査制御部105から識別番号“1”が入力された場合、図7に示す検査テーブル301の識別番号201の中から、“1”が格納されている行を選択し、選択した行の検査グループ202に格納されている文字情報“機械室”を取得する。
【0043】
そして、検査グループ変更検出部302は、検査作業中の検査グループが設定されているか否かを判定する(ステップST302)。
検査グループ変更検出部302に最初に識別番号(例えば“1”)が入力された場合、検査作業中の検査グループが未設定であると判定する(ステップST302“NO”)。検査作業中の検査グループが未設定であると判定した場合、検査グループ変更検出部302は、検査制御部105から入力された識別番号に対応する検査グループが有効か否かを判定する(ステップST304)。例えば、検査制御部105へ最初に入力(識別番号“1”)が行われた場合、図7に示す例では、同じ識別番号に対応する検査グループとして、検査テーブル301の検査グループ202に“機械室”が格納されているため、検査グループが有効であると判定する(ステップST304“YES”)。そして、検査テーブル301から取得した検査グループ202の情報(例えば“機械室”)を検査作業中の検査グループとして新規に設定し(ステップST305)、さらに、検査制御部105に検出結果として“検査グループの変更なし”を示す信号を出力する(ステップST309)。
他方、ステップST304において、検査制御部105から検査テーブル301への入力が識別番号“5”であった場合は、検査テーブル301の検査グループ202の該当箇所が未設定のため(ステップST304“NO”)、検査作業中の検査グループが設定されていない状態に初期化し(ステップST306)、さらに検査制御部105に検出結果として“検査グループの変更なし”を示す信号を出力する(ステップST309)。
【0044】
一方、検査作業中の検査グループが設定済みであると判定した場合(ステップST302“YES”)、検査グループ変更検出部302は、検査テーブル301からグループ変更検出の要否401の情報を取得して、検査作業中の検査グループの変更検出を行うか否かを判定する(ステップST303)。例えば、検査作業中の検査グループとして“機械室”が選択されている場合、検査テーブル301の検査グループ202に“機械室”が格納されている検査項目(図7の例では“電流”、“電圧”)を抽出する。そして、抽出した各検査項目に対してグループ変更検出の要否401の情報を確認し、“要”が格納されている検査項目(図7の例では“電流”)があれば、検査作業中の検査グループの変更検出が必要であると判定し(ステップST303“YES”)、先のステップST301にて取得した検査グループの文字情報と検査作業中の検査グループの文字情報を比較する(ステップST307)。
【0045】
検査グループ変更検出部302は、例えば、検査作業中の検査グループが“機械室”であり、ステップST301で取得した検査グループの文字情報も“機械室”であれば検査グループは同一であると判定し(ステップST307“YES”)、検査制御部105に“検査グループの変更なし”を示す信号を出力する(ステップST309)。
一方、検査作業中の検査グループが“機械室”であり、ステップST301で取得した検査グループの文字情報が“ピット”の場合は、検査グループが不一致と判定し(ステップST307“NO”)、検査制御部105に“検査グループの変更あり”を示す信号を出力する(ステップST308)。
【0046】
以上より、実施の形態2によれば、検査グループ変更検出部302が、作業者から入力された音声データの文字情報に基づいて検査作業中の検査グループが変更されたか否かを判定し、検査グループの変更を判定した場合、検査制御部105が、検査作業中の検査グループに属する検査項目とセットになった検査結果が検査結果格納部107に保存されているか否かを判定して検査結果のない検査項目があれば作業漏れを知らせる警告の音声ガイダンスの文字情報を生成するように構成した。このため、上記実施の形態1と同様に、検査作業中の検査グループの変更を検出してこの検査グループに属する検査項目で未完了のものがあれば音声ガイダンスにより警告して作業者に通知することができるようになり、結果として、作業者が検査項目の実施漏れに早期に気付くことができ、作業効率が向上するという効果が得られる。
【0047】
また、実施の形態2によれば、検査グループ変更検出部302が、作業者からの音声データに含まれる検査項目の文字情報に基づいて、当該検査項目が属する検査グループを検査テーブル301に基づいて識別し、当該識別した検査グループが検査作業中の検査グループと異なる場合に検査グループが変更されたと判定するようにした。このため、上記実施の形態1と同様に、作業者は検査グループを音声入力する必要はなく、検査項目のみ音声入力することによって検査作業中の検査グループに属する一部の検査項目が未実施のまま別の検査グループの検査作業に移行したか否かを検出することができるようになり、結果として、作業者は検査項目以外に特別な音声入力を行わなくても実施漏れの警告を受けることが可能となる。従って、作業者の利便性を低下させずに作業効率が向上するという効果が得られる。
【0048】
さらに、実施の形態2によれば、検査テーブル301が、検査グループ202および検査項目203の情報に加え、グループ変更検出の要否401を指定した情報を格納し、検査グループ変更検出部302は、作業者からの音声データに含まれる検査項目のうち、グループ変更検出の要否401を指定した情報に基づいて判定が必要と指定された検査項目について当該検査項目が属する検査グループが検査作業中の検査グループから変更されたか否かを判定するように構成した。このため、適切な条件でのみ警告の音声ガイダンスを再生することができ、作業効率が向上するという効果が得られる。
【0049】
さらに、実施の形態2によれば、検査テーブル301中に、上記のように明示的にグループ変更検出の要否401を指定しておく以外にも、検査グループ202を設定するかしないかによって暗示的に変更検出の要否を指定することもできる。検査グループ変更検出部302は、作業者からの音声データに含まれる検査項目のうち、検査テーブル301に検査グループが設定されている一部の検査項目に対してのみ検査作業中の検査グループが変更されたか否かを判定すればよい。この構成の場合にも、適切な条件でのみ警告の音声ガイダンスを再生することができ、作業効率が向上するという効果が得られる。
例えば、検査対象として複数の作業場所があり、その中に距離が離れている特性の作業場所が存在する場合、特定の作業場所の検査項目に対してのみ検査グループの変更有無を判定することにより、頻繁な警告の音声ガイダンスを再生することによる作業の停滞を防ぎつつ、検査項目の実施漏れによる作業場所への移動を最小限に抑えることができ、作業効率が向上するという効果が得られる。
また、例えば同一の測定器を用いる検査作業のような、連続して実施することで効率化が図れる複数の検査項目が存在する場合、これらの検査項目を1つの検査グループにまとめて管理し、これらの検査項目に対してのみ検査グループの変更有無を判定することにより、頻繁な警告の音声ガイダンスを再生することによる作業の停滞を防ぎつつ、検査項目の実施漏れによる検査作業のやり直しを最小限に抑えることができ、作業効率が向上するという効果が得られる。
【0050】
また、実施の形態2では、検査テーブル301のグループ変更検出の要否401を指定する情報として“要”および“否”を格納する構成にしたが、これに限定されるものではなく、例えば検査項目の検査作業を実施する建物の階数などの作業場所を示す情報を格納する構成にしてもよい。そして、検査グループ変更検出部302は、作業者からの音声データに含まれる検査項目が属する検査グループが検査作業中の検査グループと異なる場合に加え、検査グループの階数が検査作業中の検査グループの階数と異なる場合に、検査グループが変更されたと判定し、検査制御部105が警告の音声ガイダンスを生成する。
この構成の場合には、階数が同じであれば検査グループが変更しても警告の音声ガイダンスを再生しないようにできるので、適切な条件で警告を通知することが可能になり、作業者の利便性が向上するという効果が得られる。
【0051】
なお、実施の形態2でも上記実施の形態1と同様に、作業者から音声入力された検査項目が属する検査グループを検査グループ変更検出部302が識別して変更有無を判定し、検査作業中の検査グループを移行する構成にしたが、これに限定されるものではなく、作業者が検査グループを音声入力して検査作業中の検査グループを設定する構成にしてもよい。
例えば、作業者が“きかいしつ”と入力した場合、検査制御部105はこの文字情報を受け付けて検査グループ“機械室”を検査作業中の検査グループに設定する。この構成の場合には、作業者にとって最適な操作が可能となり、利便性が向上するという効果が得られる。
【0052】
また、実施の形態2でも上記実施の形態1と同様に、検査テーブル301に格納する検査項目203を作業場所のまとまりでグループ化した検査グループ202の情報(例えば“機械室”、“ピット”)を用いる構成にしたが、これに限定されるものではなく、作業場所以外の条件を検査グループのまとまりとして設定する構成にしてもよい。
例えば、検査対象、検査方法、使用する計測器などの条件によって検索項目をグループ化して検査テーブル301に格納することにより、作業者にとって適切な条件で警告の音声ガイダンスを再生することができ、作業効率が向上するという効果が得られる。
【0053】
また、実施の形態2でも上記実施の形態1と同様に、検査制御部105が生成する警告の音声ガイダンスの内容を、未実施の検査項目の数に応じて変更する構成にしてもよい。
さらに、音声によって入出力する構成に加えて、または代えて、タッチパネルおよびキーボードなどの入力部とモニタ(表示部)などの出力部を備える構成にしてもよい。
【0054】
実施の形態3.
上記実施の形態1,2では、作業者からの音声入力時に検査グループの変更有無を判定するようにしたが、本実施の形態3では作業者からの音声入力が無い場合においても検査グループの変更有無を判定する構成にする。
図9は、本実施の形態3に係る検査作業支援装置の構成を示すブロック図である。なお、図9において図1と同一または相当の部分については同一の符号を付し説明を省略する。
【0055】
図9において、検査制御部501は、音声認識部102から入力された検査項目および検査結果の文字情報と、音声未入力時間検出タイマ(第2の未入力時間検出タイマ)502の値とから検査作業の実施状況を判定する。
音声未入力時間検出タイマ502は、作業者からの音声未入力時間を測定するタイマである。
【0056】
次に、本実施の形態3に係る検査作業支援装置の動作を説明する。
なお、作業者が検査作業支援装置の音声入力部101に検査項目および検査結果を音声で入力し、音声出力部104から検査項目の作業完了を音声によって通知する基本的な動作は上記実施の形態1の図3に示すフローチャートと同様であるため説明を省略し、ここでは検査制御部501による検査グループの変更タイムアウト検出動作を中心に説明する。この動作は、図3のフローチャートに示す動作とは別に、一定周期で実施するものである。
【0057】
以下、図10に示すフローチャートに従って、本実施の形態3における検査制御部501の動作を説明する。
まず、検査制御部501は、音声認識部102から文字情報が入力される毎に(例えば図3のステップST1またはステップST5)、作業者から音声が入力されたと判定し(ステップST401“YES”)、音声未入力時間検出タイマ502の値を初期化する(ステップST404)。
その後は、図3のフローチャートに従い、検査制御部501は入力された検査項目の文字情報に一致する識別番号を検査テーブル108から取得し(ステップST2)、検査グループ変更検出部106がその識別番号に対応する検査グループの変更検出動作を行って(ステップST3)、必要に応じて検査項目の実施漏れを警告する音声ガイダンスを実施する(ステップST4)。
または、検査制御部501が入力された検査項目の検査結果の文字情報に一致する入力形式を検査テーブル108から取得し(ステップST6)、その検査結果を検査結果格納部107に格納し(ステップST7)、検査項目の作業完了を知らせる音声ガイダンスを実施する(ステップST8)。
【0058】
一方、図10のステップST401において音声認識部102から文字情報が入力されない場合、検査制御部501は作業者からの音声が未入力であると判定し(ステップST401“NO”)、続いて音声未入力時間検出タイマ502の値を取得して、タイムアウト検出用の閾値と比較する(ステップST402)。
そして、検査制御部501は、音声未入力時間検出タイマ502の値が閾値を超える場合にタイムアウトと判定して(ステップST402“YES”)、検査作業の実施状況を判定する(ステップST403)。具体的には、上記実施の形態1の図5に示す検査グループの警告動作と同様に、検査制御部501が、検査作業中の検査グループに属する検査項目に未完了のものがあるか判定し、未完了のものがあれば検査グループの警告に関する音声ガイダンスの文字情報(例えば“機械室の検査項目が未完了”)を生成して音声合成部103へ出力する。なお、検査作業中の検査グループに属する検査項目が全て完了している場合は、検査グループの警告に関する音声ガイダンスは出力しない。
また、検査制御部501は、音声未入力時間検出タイマ502の値が閾値を超えない場合は(ステップST402“NO”)、音声未入力時間検出タイマ502の値を更新する(ステップST405)。
ステップST403〜ステップST405の後は、状況に応じて、検査項目が入力されるのを待つ状態(初期状態)に遷移するか、検査項目の検査結果が入力されるのを待つ状態に遷移する。
【0059】
図10では、ステップST404において検査制御部501が音声未入力時間検出タイマ502の値を初期化した後、検査グループ変更検出部106は上記実施の形態1と同様の検査グループの変更検出動作を実施する構成を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、音声未入力時間検出タイマ(第1の未入力時間検出タイマ)502を用いて作業者の音声未入力時間を測定し、次の検査項目の音声入力が行われた場合に、検査グループ変更検出部106が音声未入力時間検出タイマ502の値に応じて検査作業中の検査グループの変更を検出するか否かを判定するようにしてもよい。
【0060】
以下、図11に示すフローチャートに従って、本実施の形態3における検査グループ変更検出部106の動作を説明する。
まず、検査グループ変更検出部106は、検査制御部501から入力された識別番号(例えば“1”)を用いて検査テーブル108から対応する検査グループの情報(例えば“機械室”)を取得する(ステップST501)。
そして、検査グループ変更検出部106は、検査作業中の検査グループが設定されているか否かを判定し(ステップST502)、続いて、取得した検査グループが検査作業中の検査グループと一致するか否かを判定する(ステップST503)。なお、続くステップST506,ST507の動作は図4のステップST105,ST106と同じであるため説明を省略する。
【0061】
例えば、検査作業中の検査グループが“ピット”であり、ステップST501で取得した検査グループの文字情報が“機械室”の場合のように検査グループが不一致の場合(ステップST503“NO”)、続いて検査グループ変更検出部106は、音声未入力時間検出タイマ502の値を変更グループ検出用の閾値と比較する(ステップST504)。音声未入力時間検出タイマ502の値が閾値以上の場合(ステップST504“YES”)、検査制御部501に“検査グループの変更あり”を示す信号を出力する(ステップST505)。
【0062】
一方、音声未入力時間検出タイマ502の値が閾値より小さい場合(ステップST504“NO”)、検査グループ変更ではなく検査項目の指定ミスであると判定し、検査制御部501に“検査項目の指示ミスあり”を示す信号を出力する(ステップST508)。この場合、検査制御部501は“検査項目の指示ミスあり”の信号に応じて、適切な音声ガイダンスを行い、作業者に操作ミスを通知する。
【0063】
なお、検査制御部501が音声未入力時間を測定するために用いるタイマと、検査グループ変更検出部106が音声未入力時間を測定するために用いるタイマは、図9に示すように単一の音声未入力時間検出タイマ502を兼用してもよいし、あるいは、検査制御部501と検査グループ変更検出部106が別々の音声未入力時間検出タイマを用いて独立に時間を測定するようにしてもよい。
【0064】
以上より、実施の形態3によれば、検査作業支援装置は、作業者からの音声データを受け付けてから次の音声データを受け付けるまでの音声未入力時間を測定する音声未入力時間検出タイマ502を備え、検査制御部501は、音声未入力時間検出タイマ502の値がタイムアウト検出用の閾値を超えた場合、検査作業中の検査グループに属する検査項目のうちの検査結果のないものがあれば作業漏れを知らせる音声ガイダンスの文字情報を生成するように構成した。このため、作業者から一定時間音声が入力されない場合に検査作業中の検査グループに属する検査項目で未実施のものがあれば警告の音声ガイダンスを再生して作業者に通知することができるようになり、結果として、作業者が検査項目の実施漏れに早期に気付くことができ、作業効率が向上するという効果が得られる。
【0065】
また、実施の形態3によれば、検査グループ変更検出部106は、作業者からの音声データに含まれる検査項目が属する検査グループが検査作業中の検査グループと異なる場合に加え、音声未入力時間検出タイマ502の値が変更グループ検出用の閾値を超えた場合に検査グループが変更されたと判定するように構成した。このため、例えば作業者の音声未入力時間が短ければ、検査グループ変更ではなく検査項目の入力指示ミスであると判定して、検査制御部501にて適切な音声ガイダンスを再生して通知することができ、作業者が操作ミスに早期に気づくことができるようになり、作業効率が向上するという効果が得られる。また、作業者の音声未入力時間が長い場合のみ、検査グループの変更有無の判定を行うことにより、音声ガイダンスの出力が頻発することを抑制することができ、作業者の利便性が向上するという効果が得られる。
【0066】
なお、実施の形態3では、音声未入力時間検出タイマ502を上記実施の形態1に係る検査作業支援装置に組み合わせた構成を例に用いて説明したが、これに限定されるものではなく、音声未入力時間検出タイマ502を上記実施の形態2に係る検査作業支援装置に組み合わせた構成にしてもよい。
【0067】
また、実施の形態3でも上記実施の形態1,2と同様に、検査制御部501が生成する警告の音声ガイダンスの内容を、未実施の検査項目の数に応じて変更する構成にしてもよい。
さらに、音声によって入出力する構成に加えて、または代えて、タッチパネルおよびキーボードなどの文字入力部とモニタ(表示部)などの出力部を備える構成にしてもよい。この構成の場合には、音声未入力時間検出タイマ502が、音声入力部101からの音声データの未入力時間または文字入力部からの文字情報の未入力時間を測定する構成にすればよい。
【0068】
実施の形態4.
上記実施の形態1〜3では、作業者の音声入力の認識結果の情報を利用して検査グループの変更有無を判定するようにしたが、本実施の形態4では作業者の音声入力時の背景音の情報を利用して検査グループの変更有無を判定する構成にする。
図12は、本実施の形態4に係る検査作業支援装置の構成を示すブロック図である。なお、図12において図1と同一または相当の部分については同一の符号を付し説明を省略する。
【0069】
図12において、騒音種別算出部601は、音声入力部101が変換した音声データに含まれる背景音から騒音種別を算出する。
検査グループ変更検出部602は、検査制御部105から入力された情報と騒音種別算出部601から入力された騒音種別の情報に基づいて、検査グループが変更されたか否かを判定する。
検査テーブル603は、検査制御部105および検査グループ変更検出部602が音声認識部102から入力された検査項目および検査結果の文字情報と照合するための検査グループ、検査項目および検査結果入力形式、ならびに騒音種別算出部601から入力された騒音種別の情報と照合するための騒音種別に関する情報を格納する。
【0070】
図13は、検査テーブル603の構成と、格納する情報の一例を示す図である。
図13に示すように、検査テーブル603は、識別番号201、検査グループ202、検査項目203および検査結果入力形式204の情報に加え、騒音種別701の情報を格納する。この騒音種別701は、各行の検査項目203に対して作業環境の騒音の大きさを示す情報(例えば“1”〜“10”の10段階)である。
【0071】
次に、本実施の形態4に係る検査作業支援装置の動作を説明する。
なお、作業者が検査作業支援装置の音声入力部101に検査項目および検査結果を音声で入力し、音声出力部104から検査項目の作業完了を音声によって通知する基本的な動作は上記実施の形態1の図3に示すフローチャートと同様であるが、一部の動作が異なるため、ここでは異なる動作(ステップST1,ST3)を中心に説明する。
【0072】
図3のステップST1において、音声入力部101に入力された音声はデータ信号(音声データ)に変換され、音声認識部102および騒音種別算出部601へ出力される。そして、騒音種別算出部601は、入力された音声データから音声が含まれない区間を切り出して、切り出した音声データから作業環境の騒音種別を算出する。例えば、切り出した音声データから音圧を算出し、音圧の値に応じて10段階(1〜10)の騒音種別に分類した結果を検査グループ変更検出部602へ出力する。
【0073】
図3のステップST3において、検査グループ変更検出部602が、騒音種別算出部601および検査テーブル603の情報を用いて、検査グループの変更を検出する。
以下、図14に示すフローチャートに従って、本実施の形態4における検査グループ変更検出部602の動作を説明する。
まず、検査グループ変更検出部602は、検査制御部105から入力された識別番号(例えば“1”)を用いて、図13に示す検査テーブル603から対応する検査グループの情報(例えば“機械室”)を取得する(ステップST601)。
そして、検査グループ変更検出部602は、検査作業中の検査グループが設定されているか否かを判定し(ステップST602)、最初の入力の場合は検査グループを検査作業中の検査グループとして新規に設定し(ステップST606)、検査制御部105に検出結果として“検査グループの変更なし”を示す信号を出力する(ステップST607)。
【0074】
一方、検査作業中の検査グループが設定済みであると判定した場合(ステップST602“YES”)、検査グループ変更検出部602は、ステップST601にて取得した検査グループの文字情報と検査作業中の検査グループの文字情報を比較する(ステップST603)。例えば、検査作業中の検査グループが“機械室”であり、ステップST601で取得した検査グループの文字情報も“機械室”であれば検査グループは同一であると判定し(ステップST603“YES”)、検査制御部105に“検査グループの変更なし”を示す信号を出力する(ステップST607)。一方、検査作業中の検査グループが“機械室”であり、ステップST601で取得した検査グループの文字情報が“ピット”の場合は、検査グループが不一致と判定し(ステップST603“NO”)、騒音種別の判定を行う(ステップST604)。
【0075】
ステップST604において、検査グループ変更検出部602は、騒音種別算出部601から入力された騒音種別の値と、図13に示す検査テーブル603に格納されている騒音種別701の値を比較する。この比較により、作業者からの入力音声の認識結果(文字情報)の妥当性を検査することができる。例えば、ステップST601で取得した検査グループの文字情報が“ピット”である場合、検査テーブル603は、検査テーブル603を参照してステップST601で取得した検査グループに対応する騒音種別701の値“5”を取得し、騒音種別算出部601から入力された騒音種別(例えば“5”)と比較して、騒音種別の値が一致すれば(ステップST604“YES”)、検査制御部105に検出結果として“検査グループの変更あり”を示す信号を出力する(ステップST605)。
一方、騒音種別の値が不一致の場合(ステップST604“NO”)、検査制御部105に“検査グループの変更なし”を示す信号を出力する(ステップST607)。
【0076】
これにより、例えば、検査対象として高騒音の作業場所と低騒音の作業場所が存在する状況で、低騒音の作業場所において作業者が誤って高騒音の作業場所の検査項目を入力した場合、入力された検査項目の情報だけでは検査作業中の検査グループの変更と判定して警告の音声ガイダンスを再生してしまうが、騒音種別701の情報を用いることにより、作業者の誤入力であると判定して、検査グループの変更と判定しないようにできる。このため、不要な警告の音声ガイダンスを出力して作業を停滞させることがない。
【0077】
以上より、実施の形態4によれば、検査作業支援装置は、音声入力部101が変換した音声データに含まれる背景音から騒音の大きさを算出する騒音種別算出部601を備え、検査テーブル603は、検査グループ202および検査項目203の情報に加え、検査グループの検査の作業場所の騒音の大きさを指定した騒音種別701の情報を格納し、検査グループ変更検出部602は、作業者からの音声データに含まれる検査項目が属する検査グループが検査作業中の検査グループと異なる場合に加え、騒音種別算出部601が算出した騒音の大きさが検査作業中の検査グループの騒音種別701の情報と異なる場合に、検査グループが変更されたと判定するように構成した。このため、検査中グループの変更有無を高精度に判定することが可能となり、不要な警告の音声ガイダンスの再生による作業の停滞を防ぐことができ、作業効率が向上するという効果が得られる。
【0078】
なお、実施の形態4では、作業者から入力された検査項目が属する検査グループの騒音種別701の情報と騒音種別算出部601が算出した騒音種別の情報とを用いて検査グループの変更を検出する構成にしたが、これに限定されるものではなく、騒音種別算出部601が算出した騒音種別の情報のみを用いて検査グループ変更検出部602が検査グループの変更有無を判定する構成にしてもよい。この構成の場合には、作業者が入力した音声の内容に関係なく、検査グループの変更有無を判定して警告の音声ガイダンスを作業者に通知することができるようになり、結果として、作業者が検査項目の実施漏れに早期に気付くことができ、作業効率が向上するという効果が得られる。
【0079】
また、実施の形態4では、作業者から入力された検査項目が属する検査グループの騒音種別701の情報と騒音種別算出部601が算出した騒音種別の情報とを比較して検査グループの変更を検出する構成にしたが、これに限定されるものではなく、作業者から入力された検査項目が属する検査グループの騒音種別701の情報と検査作業中の検査グループに対応する騒音種別の情報とを比較して、検査グループの変更有無を判定する構成にしてもよい。例えば、検査グループ変更検出部602は、図14に示すステップST601において、入力された識別番号に対応する検査項目を検査テーブル603から取得し、さらにこの検査項目が属する検査グループを取得する。続くステップST602,ST603を飛ばしてステップST604において、取得した検査グループの騒音種別701の情報と検査作業中の検査グループに対応する騒音種別701の情報とを比較する。この比較の場合は、図14に示すフローチャートのステップST604とは動作が異なり、騒音種別の値が不一致の場合のみ検査グループの変更ありと判定する。
例えば、検査対象として複数の作業場所があり、その中に距離が離れている特定の作業場所が存在する場合、特定の作業場所のみが高騒音であり、その他の作業場所が低騒音であれば、特定の作業場所に移動した場合のみ検査グループの変更有無を判定することができるため、頻繁な警告の音声ガイダンスを再生することによる作業の停滞を防ぎつつ、検査項目の実施漏れによる作業場所の移動を最小限に抑えることができるため、作業効率が向上する。
さらに、検査項目の誤入力が発生した場合においても、騒音種別が一致する環境であれば検査グループが変更されたとは判定しないため、不要な警告の音声ガイダンスを再生することによる作業の停滞を防ぐことができ、作業効率が向上する。
【0080】
なお、実施の形態4では、騒音種別算出部601を上記実施の形態1に係る検査作業支援装置に組み合わせた構成を例に用いて説明したが、これに限定されるものではなく、騒音種別算出部601を上記実施の形態2,3に係る検査作業支援装置に適宜組み合わせた構成にしてもよい。
【0081】
また、実施の形態4でも上記実施の形態1〜3と同様に、検査制御部105が生成する警告の音声ガイダンスの内容を、未実施の検査項目の数に応じて変更する構成にしてもよい。
また、実施の形態4では、音声によって入力する構成(音声入力部101および音声認識部102)に加えて、タッチパネルおよびキーボードなどの文字入力部を備える構成にしてもよい。また、音声によって出力する構成(音声合成部103および音声出力部104)に加えて、または代えて、モニタ(表示部)などの出力部を備える構成にしてもよい。
【0082】
上記以外にも、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0083】
101 音声入力部、102 音声認識部、103 音声合成部、104 音声出力部、105 検査制御部、106 検査グループ変更検出部、107 検査結果格納部、108 検査テーブル、201 識別番号、202 検査グループ、203 検査項目、204 検査結果入力形式、301 検査テーブル、302 検査グループ変更検出部、401 グループ変更検出の要否、501 検査制御部、502 音声未入力時間検出タイマ、601 騒音種別算出部、602 検査グループ変更検出部、603 検査テーブル、701 騒音種別。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物について予め定まった検査項目を検査する作業を支援する検査作業支援装置において、
前記検査項目を所定のまとまり毎にグループ化した検査グループの情報を格納した検査テーブルと、
作業者から受け付けた入力データに含まれる検査項目および当該検査項目の検査結果を表す文字情報をセットにして保存する検査結果格納部と、
前記作業者からの入力データに基づいて検査作業中の検査グループが変更されたか否かを判定する検査グループ変更検出部と、
前記検査グループ変更検出部が検査作業中の検査グループの変更を判定した場合、当該検査作業中の検査グループに属する検査項目とセットになった検査結果が前記検査結果格納部に保存されているか否かを判定し、検査結果のない検査項目があれば作業漏れを知らせるガイダンスの文字情報を生成する検査制御部と、
前記検査制御部が生成したガイダンスを前記作業者へ通知する出力部とを備えることを特徴とする検査作業支援装置。
【請求項2】
前記検査グループ変更検出部は、前記作業者からの入力データに含まれる検査項目が属する検査グループを前記検査テーブルに基づいて識別し、当該識別した検査グループが検査作業中の検査グループと異なる場合に検査グループが変更されたと判定することを特徴とする請求項1記載の検査作業支援装置。
【請求項3】
前記検査テーブルは、検査グループおよび検査項目の情報に加え、検査グループ変更の判定の要否を指定した情報を格納し、
前記検査グループ変更検出部は、前記作業者からの入力データに含まれる検査項目のうち、前記検査グループ変更の判定の要否を指定した情報に基づいて判定が必要と指定された検査項目について当該検査項目が属する検査グループが検査作業中の検査グループから変更されたか否かを判定することを特徴とする請求項2記載の検査作業支援装置。
【請求項4】
前記検査テーブルは、検査グループおよび検査項目の情報に加え、検査グループの検査の作業場所を示す情報を格納し、
前記検査グループ変更検出部は、前記作業者からの入力データに含まれる検査項目が属する検査グループが検査作業中の検査グループと異なる場合に加え、前記検査グループの検査の作業場所を示す情報に基づいた当該検査グループの作業場所が前記検査作業中の検査グループの作業場所と異なる場合に、検査グループが変更されたと判定することを特徴とする請求項2または請求項3記載の検査作業支援装置。
【請求項5】
前記作業者から入力データを受け付けてから次の入力データを受け付けるまでの未入力時間を測定する第1の未入力時間検出タイマを備え、
前記検査グループ変更検出部は、前記作業者からの入力データに含まれる検査項目が属する検査グループが検査作業中の検査グループと異なる場合に加え、前記第1の未入力時間検出タイマの値が所定の閾値を超えた場合に、検査グループが変更されたと判定することを特徴とする請求項2から請求項4のうちのいずれか1項記載の検査作業支援装置。
【請求項6】
前記作業者から入力データを受け付けてから次の入力データを受け付けるまでの未入力時間を測定する第2の未入力時間検出タイマを備え、
前記検査制御部は、前記第2の未入力時間検出タイマの値が所定の閾値を超えた場合、検査作業中の検査グループに属する検査項目のうちの検査結果のないものがあれば作業漏れを知らせるガイダンスの文字情報を生成することを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の検査作業支援装置。
【請求項7】
前記検査制御部は、検査作業中の検査グループに属する検査項目のうちの検査結果のない検査項目数に応じてガイダンスの内容を変更することを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の検査作業支援装置。
【請求項8】
前記作業者が発した音声を入力して音声データに変換する音声入力部と、
前記音声入力部が変換した音声データを認識して、当該音声データに含まれる検査項目または当該検査項目の検査結果を表す文字情報を生成する音声認識部とを備えることを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載の検査作業支援装置。
【請求項9】
前記音声入力部が変換した音声データに含まれる背景音から騒音の大きさを算出する騒音種別算出部を備え、
前記検査テーブルは、少なくとも、検査グループの検査の作業場所の騒音の大きさを指定した情報を格納し、
前記検査グループ変更検出部は、前記騒音種別算出部が算出した当該検査グループの騒音の大きさが前記検査作業中の検査グループの前記騒音の大きさを指定した情報と異なる場合、検査グループが変更されたと判定することを特徴とする請求項8記載の検査作業支援装置。
【請求項10】
前記作業者の操作により入力される文字情報を受け付ける文字入力部を備えることを特徴とする請求項1から請求項9のうちのいずれか1項記載の検査作業支援装置。
【請求項11】
前記出力部は、
前記検査制御部が生成したガイダンスの文字情報に対応する音声データを生成する音声合成部と、
前記音声合成部が生成した音声データを出力する音声出力部とを有することを特徴とする請求項1から請求項10のうちのいずれか1項記載の検査作業支援装置。
【請求項12】
前記出力部は、
前記検査制御部が生成したガイダンスの文字情報を表示する表示部を有することを特徴とする請求項1から請求項11のうちのいずれか1項記載の検査作業支援装置。
【請求項1】
検査対象物について予め定まった検査項目を検査する作業を支援する検査作業支援装置において、
前記検査項目を所定のまとまり毎にグループ化した検査グループの情報を格納した検査テーブルと、
作業者から受け付けた入力データに含まれる検査項目および当該検査項目の検査結果を表す文字情報をセットにして保存する検査結果格納部と、
前記作業者からの入力データに基づいて検査作業中の検査グループが変更されたか否かを判定する検査グループ変更検出部と、
前記検査グループ変更検出部が検査作業中の検査グループの変更を判定した場合、当該検査作業中の検査グループに属する検査項目とセットになった検査結果が前記検査結果格納部に保存されているか否かを判定し、検査結果のない検査項目があれば作業漏れを知らせるガイダンスの文字情報を生成する検査制御部と、
前記検査制御部が生成したガイダンスを前記作業者へ通知する出力部とを備えることを特徴とする検査作業支援装置。
【請求項2】
前記検査グループ変更検出部は、前記作業者からの入力データに含まれる検査項目が属する検査グループを前記検査テーブルに基づいて識別し、当該識別した検査グループが検査作業中の検査グループと異なる場合に検査グループが変更されたと判定することを特徴とする請求項1記載の検査作業支援装置。
【請求項3】
前記検査テーブルは、検査グループおよび検査項目の情報に加え、検査グループ変更の判定の要否を指定した情報を格納し、
前記検査グループ変更検出部は、前記作業者からの入力データに含まれる検査項目のうち、前記検査グループ変更の判定の要否を指定した情報に基づいて判定が必要と指定された検査項目について当該検査項目が属する検査グループが検査作業中の検査グループから変更されたか否かを判定することを特徴とする請求項2記載の検査作業支援装置。
【請求項4】
前記検査テーブルは、検査グループおよび検査項目の情報に加え、検査グループの検査の作業場所を示す情報を格納し、
前記検査グループ変更検出部は、前記作業者からの入力データに含まれる検査項目が属する検査グループが検査作業中の検査グループと異なる場合に加え、前記検査グループの検査の作業場所を示す情報に基づいた当該検査グループの作業場所が前記検査作業中の検査グループの作業場所と異なる場合に、検査グループが変更されたと判定することを特徴とする請求項2または請求項3記載の検査作業支援装置。
【請求項5】
前記作業者から入力データを受け付けてから次の入力データを受け付けるまでの未入力時間を測定する第1の未入力時間検出タイマを備え、
前記検査グループ変更検出部は、前記作業者からの入力データに含まれる検査項目が属する検査グループが検査作業中の検査グループと異なる場合に加え、前記第1の未入力時間検出タイマの値が所定の閾値を超えた場合に、検査グループが変更されたと判定することを特徴とする請求項2から請求項4のうちのいずれか1項記載の検査作業支援装置。
【請求項6】
前記作業者から入力データを受け付けてから次の入力データを受け付けるまでの未入力時間を測定する第2の未入力時間検出タイマを備え、
前記検査制御部は、前記第2の未入力時間検出タイマの値が所定の閾値を超えた場合、検査作業中の検査グループに属する検査項目のうちの検査結果のないものがあれば作業漏れを知らせるガイダンスの文字情報を生成することを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の検査作業支援装置。
【請求項7】
前記検査制御部は、検査作業中の検査グループに属する検査項目のうちの検査結果のない検査項目数に応じてガイダンスの内容を変更することを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の検査作業支援装置。
【請求項8】
前記作業者が発した音声を入力して音声データに変換する音声入力部と、
前記音声入力部が変換した音声データを認識して、当該音声データに含まれる検査項目または当該検査項目の検査結果を表す文字情報を生成する音声認識部とを備えることを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載の検査作業支援装置。
【請求項9】
前記音声入力部が変換した音声データに含まれる背景音から騒音の大きさを算出する騒音種別算出部を備え、
前記検査テーブルは、少なくとも、検査グループの検査の作業場所の騒音の大きさを指定した情報を格納し、
前記検査グループ変更検出部は、前記騒音種別算出部が算出した当該検査グループの騒音の大きさが前記検査作業中の検査グループの前記騒音の大きさを指定した情報と異なる場合、検査グループが変更されたと判定することを特徴とする請求項8記載の検査作業支援装置。
【請求項10】
前記作業者の操作により入力される文字情報を受け付ける文字入力部を備えることを特徴とする請求項1から請求項9のうちのいずれか1項記載の検査作業支援装置。
【請求項11】
前記出力部は、
前記検査制御部が生成したガイダンスの文字情報に対応する音声データを生成する音声合成部と、
前記音声合成部が生成した音声データを出力する音声出力部とを有することを特徴とする請求項1から請求項10のうちのいずれか1項記載の検査作業支援装置。
【請求項12】
前記出力部は、
前記検査制御部が生成したガイダンスの文字情報を表示する表示部を有することを特徴とする請求項1から請求項11のうちのいずれか1項記載の検査作業支援装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−216131(P2012−216131A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81964(P2011−81964)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】
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