説明

検査方法及び検査装置

【課題】送信アンテナから受信アンテナに直接到来する干渉波の影響を抑制する。
【解決手段】検査装置は、直線S1に沿って配列された送信アンテナ21−1〜21−4、直線S1に平行な直線S2に沿って配列された受信アンテナ22−1〜22−4、送信信号を生成する発振器、送信信号が入力される検波器、スイッチ、画像処理装置を具備する。送信アンテナ21−1は、送信信号に基づいて電波を出力する。受信アンテナ22−2は、受信した電波に基づいて受信信号を出力する。スイッチは、送信アンテナ21−1と発振器が接続されているときに、受信アンテナ22−2と検波器とを接続する。検波器は、受信信号に基づいて検波信号を生成する。画像処理装置は、検波信号に基づいて画像のデータを生成する。送信アンテナ21−1と受信アンテナ22−2との距離は、送信アンテナ21−1と受信アンテナ22−1との距離より長い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査方法及び検査装置に関し、特に、検査対象からの反射電波に基づいて検査対象の画像を形成する検査方法及び検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
隠蔽された物体を透視するためのマイクロ波イメージング装置が知られている。マイクロ波イメージング装置は、障害物の陰に隠された物体に対してマイクロ波を照射し、この物体からの反射マイクロ波に基づいて物体を画像化する。
【0003】
特許文献1は、アンテナアレイを備えたマイクロ波イメージ装置を開示している。アンテナアレイは、マイクロ波をビーム状に放射し、物体からの反射波を受信する。マイクロ波イメージ装置は、アンテナアレイを移動させ、受信信号から物体の映像を表示させる処理を行う。
【0004】
特許文献2は、反射電波に基づいて得られた計測対象の画像が、計測対象の本来の形状とかけ離れた形状となるグリントと呼ばれる現象の発生を抑えることが可能なミリ波イメージングレーダを開示している。ミリ波イメージングレーダは、複数の送信装置を計測対象のまわりに等角度間隔で配置し、送信装置から広帯域の連続した帯域を持つ電波を送信する。
【0005】
特許文献3は、画像形成にかかる時間が短縮することが可能なミリ波画像形成方法を開示している。ミリ波画像形成方法においては、最初は、対象物から放射されるミリ波の電波を高速に粗く操作し、粗画像を形成する。次に、詳細を確認したい対象物の特定の部分に対してのみ、より細かい操作を行う。
【0006】
【特許文献1】特開平7−134174号公報
【特許文献2】特開平9−304517号公報
【特許文献3】特開平10−260252号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、送信アンテナから受信アンテナに直接到来する干渉波の影響が抑制される検査方法及び検査装置を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、検査時間が短縮される検査方法及び検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下に、(発明を実施するための最良の形態)で使用される番号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、(特許請求の範囲)の記載と(発明を実施するための最良の形態)との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、(特許請求の範囲)に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0010】
本発明の第1の観点に係る検査方法は、検査装置(1)を用いる。前記検査装置は、第1直線(S1)に沿って配列された第1送信アンテナ群(21−1〜21−4、57−1〜57−4)と、前記第1直線に平行な第2直線(S2)に沿って配列された第1受信アンテナ群(22−1〜22−4、58−1〜58−4)と、送信信号(71、81)を生成する発振器(25、55)と、前記送信信号が入力される検波器(26、56)と、スイッチ(24、65)と、画像処理装置(3)とを具備する。前記送信アンテナ群は、第1送信アンテナ(21−1、57−1)を含む。前記受信アンテナ群は、第1受信アンテナ(22−2、58−2)及び第2受信アンテナ(22−1、58−1)を含む。前記スイッチは、前記第1送信アンテナと前記発振器が接続されているときに前記第1受信アンテナと前記検波器とを接続する。前記第1送信アンテナと前記第1受信アンテナとの第1距離は、前記第1送信アンテナと前記第2受信アンテナとの第2距離より長い。前記検査方法は、前記第1送信アンテナが、前記送信信号に基づいて電波(72、84)を出力するステップと、前記第1受信アンテナが、受信した電波(72’、84’)に基づいて第1受信信号(73、85)を出力するステップと、前記検波器が、前記第1受信信号に基づいて、第1検波信号(74)を生成するステップと、前記画像処理装置が、前記第1検波信号に基づいて画像のデータ(75)を生成するステップとを具備する。
【0011】
前記第1送信アンテナ群は、送信側接地電極(21b−1)を備えることが好ましい。前記第1受信アンテナ群は、受信側接地電極(22b−1)を備えることが好ましい。前記送信側接地電極と前記受信側接地電極とが電気的に分離されていることが好ましい。
【0012】
前記送信側接地電極は、送信側基板(28−1)に設けられることが好ましい。前記受信側接地電極は、受信側基板(28−2)に設けられることが好ましい。前記送信側基板と前記受信側基板とが電気的に分離されていることが好ましい。
【0013】
前記検査方法は、前記第1送信アンテナと前記第1受信アンテナのアイソレーションが極小となる前記第1送信アンテナと前記第1受信アンテナとの距離LMINを求めるステップと、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの距離Lを、前記距離LMINの近傍の値となるように設定するステップとを具備することが好ましい。前記距離Lを、前記距離LMINの値と前記電波の波長λ0の整数倍の値との和の近傍の値となるように設定してもよい。この場合の距離Lは、例えば、整数nに対して下記式を満足する。
LMIN+nλ0−0.2λ0<L<LMIN+nλ0+0.2λ0
【0014】
前記検査装置は、第2送信アンテナ(57−1)を含む第2送信アンテナ群(57−1〜57−4)と、第3受信アンテナ(58−2)を含む第2受信アンテナ群(58−1〜58−4)と、第1周波数(f1)の第1変調用信号(82)を用いて前記送信信号を変調した第1変調波信号(83)を出力する第1変調器(60)と、前記第1周波数と異なる第2周波数(f2)の第2変調用信号(82)を用いて前記送信信号を変調した第2変調波信号(83)を出力する第2変調器(60)とを具備することが好ましい。前記スイッチは、前記第1送信アンテナと前記第1変調器が接続されているときに前記第1受信アンテナと前記検波器とを接続し、前記第2送信アンテナと前記第2変調器が接続されているときに前記第3受信アンテナと前記検波器とを接続することが好ましい。前記検査方法は、前記第1送信アンテナが、前記第1変調波信号に基づいて電波(84)を出力するステップと、前記第2送信アンテナが、前記第2変調波信号に基づいて電波(84)を出力するステップと、前記第3受信アンテナが、受信した電波(84’)に基づいて第2受信信号(85)を出力するステップと、前記検波器が、前記第1受信信号の前記第1周波数の成分に基づいて前記第1検波信号を生成し、前記第2受信信号の前記第2周波数の成分に基づいて第2検波信号(74)を生成するステップと、前記画像処理装置が、前記第2検波信号に基づいて前記データを生成するステップとを具備することが好ましい。
【0015】
本発明の第2の観点に係る検査方法は、検査装置(1)を用いる。前記検査装置は、送信信号(71)を生成する発振器(25)と、第1送信アンテナ(21−1)を含む第1送信アンテナ群(21−1〜21−4)と、第1受信アンテナ(22−2)を含む第1受信アンテナ群(22−1〜22−4)と、前記送信信号が入力される検波器(26)と、画像処理装置(3)とを具備する。前記第1送信アンテナ群は、送信側接地電極(21b−1)を備える。前記第1受信アンテナ群は、受信側接地電極(22b−1)を備える。前記送信側接地電極と前記受信側接地電極とが電気的に分離されている。前記検査方法は、前記第1送信アンテナが、前記送信信号に基づいて電波(72)を出力するステップと、前記第1受信アンテナが、受信した電波(72’)に基づいて第1受信信号(73)を出力するステップと、前記検波器が、前記第1受信信号に基づいて第1検波信号(74)を生成するステップと、前記画像処理装置が、前記第1検波信号に基づいて画像のデータ(75)を生成するステップとを具備する。
【0016】
前記送信側接地電極は、送信側基板(28−1)に設けられることが好ましい。前記受信側接地電極は、受信側基板(28−2)に設けられることが好ましい。前記送信側基板と前記受信側基板とが電気的に分離されていることが好ましい。
【0017】
本発明の第3の観点に係る検査方法は、検査装置(1)を用いる。前記検査装置は、送信信号(71)を生成する発振器(25)と、送信アンテナ(21−1)と、受信アンテナ(22−2)と、前記送信信号が入力される検波器(26)と、前記送信アンテナと前記発振器が接続されているときに前記受信アンテナと前記検波器とを接続するスイッチ(24)と、画像処理装置(3)とを具備する。前記検査方法は、前記送信アンテナが、前記送信信号に基づいて波長λ0の電波(72)を出力するステップと、前記受信アンテナが、受信した電波(72’)に基づいて受信信号(73)を出力するステップと、前記検波器が、前記受信信号に基づいて検波信号(74)を生成するステップと、前記画像処理装置が、前記検波信号に基づいて画像のデータ(75)を生成するステップと、前記送信アンテナと前記受信アンテナとのアイソレーションが極小となる前記送信アンテナと前記受信アンテナとの距離LMINを求めるステップと、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの距離Lを、前記距離LMINの近傍の値となるように設定するステップとを具備する。前記距離Lを、前記距離LMINの値と前記波長λ0の整数倍の値との和の近傍の値となるように設定してもよい。この場合の距離Lは、例えば、整数nに対して下記式を満足する。
LMIN+nλ0−0.2λ0<L<LMIN+nλ0+0.2λ0
【0018】
本発明の第4の観点に係る検査方法は、検査装置(1)を用いる。前記検査装置は、送信信号(81)を生成する発振器(55)と、第1周波数(f0)の第1変調用信号(82)を用いて前記送信信号を変調した第1変調波信号(83)を出力する第1変調器(60)と、前記第1周波数と異なる第2周波数(f2)の第2変調用信号(82)を用いて前記送信信号を変調した第2変調波信号(83)を出力する第2変調器(60)と、第1送信アンテナ(57−1)と、第2送信アンテナ(57−1)と、第1受信アンテナ(58−2)と、第2受信アンテナ(58−2)と、前記送信信号が入力される検波器(56)と、スイッチ(65)と、画像処理装置(3)とを具備する。前記スイッチは、前記第1送信アンテナと前記第1変調器とが接続されているときに前記第1受信アンテナと前記検波器とを接続し、前記第2送信アンテナと前記第2変調器とが接続されているときに前記第2受信アンテナと前記検波器とを接続する。前記検査方法は、前記第1送信アンテナが、前記第1変調波信号に基づいて電波(84)を出力するステップと、前記第2送信アンテナが、前記第2変調波信号に基づいて電波(84)を出力するステップと、前記第1受信アンテナが、受信した電波(84’)に基づいて第1受信信号(85)を出力するステップと、前記第2受信アンテナが、受信した電波(84’)に基づいて第2受信信号(85)を出力するステップと、前記検波器が、前記第1受信信号の前記第1周波数の成分に基づいて第1検波信号(74)を生成し、前記第2受信信号の前記第2周波数の成分に基づいて第2検波信号(74)を生成するステップと、前記画像処理装置が、前記第1検波信号及び前記第2検波信号に基づいて画像のデータ(75)を生成するステップとを具備する。
【0019】
本発明の第5の観点に係る検査装置(1)は、第1直線(S1)に沿って配列された第1送信アンテナ群(21−1〜21−4、57−1〜57−4)と、前記第1直線に平行な第2直線(S2)に沿って配列された第1受信アンテナ群(22−1〜22−4、58−1〜58−4)と、送信信号(71、81)を生成する発振器(25、55)と、前記送信信号が入力される検波器(26、56)と、スイッチ(24、65)と、画像処理装置(3)とを具備する。前記第1送信アンテナ群は、第1送信アンテナ(21−1、57−1)を含む。前記第1受信アンテナ群は、第1受信アンテナ(22−2、58−2)及び第2受信アンテナ(22−1、58−1)を含む。前記第1送信アンテナは、前記送信信号に基づいて電波(72、84)を出力する。前記第1受信アンテナは、受信した電波(72’、84’)に基づいて第1受信信号(73、85)を出力する。前記スイッチは、前記第1送信アンテナと前記発振器が接続されているときに前記第1受信アンテナと前記検波器とを接続する。前記検波器は、前記第1受信信号に基づいて第1検波信号(74)を生成する。前記画像処理装置は、前記第1検波信号に基づいて画像のデータ(75)を生成する。前記第1送信アンテナと前記第1受信アンテナとの第1距離は、前記第1送信アンテナと前記第2受信アンテナとの第2距離より長い。
【0020】
前記第1送信アンテナ群は、送信側接地電極(21b−1)を備えることが好ましい。前記第1受信アンテナ群は、受信側接地電極(22b−1)を備えることが好ましい。前記送信側接地電極と前記受信側接地電極とが電気的に分離されていることが好ましい。
【0021】
前記送信側接地電極は、送信側基板(28−1)に設けられることが好ましい。前記受信側接地電極は、受信側基板(28−2)に設けられることが好ましい。前記送信側基板と前記受信側基板とが電気的に分離されていることが好ましい。
【0022】
前記検査装置は、第2送信アンテナ(57−1)を含む第2送信アンテナ群(57−1〜57−4)と、第3受信アンテナ(58−2)を含む第2受信アンテナ群(58−1〜58−4)と、第1周波数(f1)の第1変調用信号(82)を用いて前記送信信号を変調した第1変調波信号(83)を出力する第1変調器(60)と、前記第1周波数と異なる第2周波数(f2)の第2変調用信号(82)を用いて前記送信信号を変調した第2変調波信号(83)を出力する第2変調器(60)とを具備することが好ましい。前記第1送信アンテナは、前記第1変調波信号に基づいて電波(84)を出力することが好ましい。前記第2送信アンテナは、前記第2変調波信号に基づいて電波(84)を出力することが好ましい。前記第3受信アンテナは、受信した電波(84’)に基づいて第2受信信号(85)を出力することが好ましい。前記スイッチは、前記第1送信アンテナと前記第1変調器が接続されているときに前記第1受信アンテナと前記検波器とを接続し、前記第2送信アンテナと前記第2変調器が接続されているときに前記第3受信アンテナと前記検波器とを接続することが好ましい。前記検波器は、前記第1受信信号の前記第1周波数の成分に基づいて前記第1検波信号を生成し、前記第2受信信号の前記第2周波数の成分に基づいて第2検波信号(74)を生成することが好ましい。前記画像処理装置は、前記第2検波信号に基づいて前記データを生成することが好ましい。
【0023】
本発明の第6の観点に係る検査装置(1)は、送信信号(71)を生成する発振器(25)と、第1送信アンテナ群(21−1〜21−4)と、第1受信アンテナ群(22−1〜22−4)と、前記送信信号が入力される検波器(26)と、画像処理装置(3)とを具備する。前記第1送信アンテナ群は、前記送信信号に基づいて電波(72)を出力する第1送信アンテナ(21−1)を含む。前記第1受信アンテナ群は、受信した電波(72’)に基づいて第1受信信号(73)を出力する第1受信アンテナ(22−2)を含む。前記検波器は、前記第1受信信号に基づいて第1検波信号(74)を生成する。前記画像処理装置は、前記第1検波信号に基づいて画像のデータ(75)を生成する。前記第1送信アンテナ群は、送信側接地電極(21b−1)を備える。前記第1受信アンテナ群は、受信側接地電極(22b−1)を備える。前記送信側接地電極と前記受信側接地電極とが電気的に分離されている。
【0024】
前記送信側接地電極は、送信側基板(28−1)に設けられることが好ましい。前記受信側接地電極は、受信側基板(28−2)に設けられることが好ましい。前記送信側基板と前記受信側基板とが電気的に分離されていることが好ましい。
【0025】
本発明の第7の観点に係る検査装置(1)は、送信信号(81)を生成する発振器(55)と、第1周波数(f1)の第1変調用信号(82)を用いて前記送信信号を変調した第1変調波信号(83)を出力する第1変調器(60)と、前記第1周波数と異なる第2周波数(f2)の第2変調用信号(82)を用いて前記送信信号を変調した第2変調波信号(83)を出力する第2変調器(60)と、前記第1変調波信号に基づいて電波(84)を出力する第1送信アンテナ(57−1)と、前記第2変調波信号に基づいて電波(84)を出力する第2送信アンテナ(57−1)と、受信した電波(84’)に基づいて第1受信信号(85)を出力する第1受信アンテナ(58−2)と、受信した電波(84’)に基づいて第2受信信号(85)を出力する第2受信アンテナ(58−2)と、前記送信信号が入力される検波器(56)と、スイッチ(56)と、画像処理装置(3)とを具備する。前記スイッチは、前記第1送信アンテナと前記第1変調器とが接続されているときに前記第1受信アンテナと前記検波器とを接続し、前記第2送信アンテナと前記第2変調器とが接続されているときに前記第2受信アンテナと前記検波器とを接続する。前記検波器は、前記第1受信信号の前記第1周波数の成分に基づいて第1検波信号(74)を生成し、前記第2受信信号の前記第2周波数の成分に基づいて第2検波信号(74)を生成する。前記画像処理装置は、前記第1検波信号及び前記第2検波信号に基づいて画像のデータ(75)を生成する。
【0026】
本発明の第8の観点に係る検査装置(1)の製造方法は、送信信号(71)を生成する発振器(25)と、前記送信信号に基づいて波長λ0の電波(72)を出力する送信アンテナ(21−1)と、受信した電波(72’)に基づいて受信信号(73)を出力する受信アンテナ(22−2)と、前記送信信号が入力される検波器(26)と、前記送信アンテナと前記発振器が接続されているときに前記受信アンテナと前記検波器とを接続するスイッチ(24)と、画像処理装置(3)とを具備する。前記検波器は、前記受信信号に基づいて検波信号(74)を生成する。前記画像処理装置は、前記検波信号に基づいて画像のデータ(75)を生成する。前記検査装置の製造方法は、前記送信アンテナと前記受信アンテナとのアイソレーションが極小となる前記送信アンテナと前記受信アンテナとの距離LMINを求めるステップと、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの距離Lを、前記距離LMINの近傍の値となるように設定するステップとを具備する。前記距離Lを、前記距離LMINの値と前記波長λ0の整数倍の値との和の近傍の値となるように設定してもよい。この場合の距離Lは、例えば、整数nに対して下記式を満足する。
LMIN+nλ0−0.2λ0<L<LMIN+nλ0+0.2λ0
【0027】
本発明の第9の観点に係る検査方法は、検査装置(1)を用いる。前記検査装置は、第1直線(S1)に沿って配列された第1送信アンテナ群(21−1〜21−4、57−1〜57−4)と、前記第1直線に平行な第2直線(S2)に沿って配列された第1受信アンテナ群(22−1〜22−4、58−1〜58−4)と、送信信号(71、81)を生成する発振器(25、55)と、前記送信信号が入力される検波器(26、56)と、スイッチ(24、65)と、画像処理装置(3)とを具備する。前記送信アンテナ群は、第1送信アンテナ(21−1、57−1)を含む。前記受信アンテナ群は、第1受信アンテナ(22−2、58−2)及び第2受信アンテナ(22−1、58−1)を含む。前記スイッチは、前記第1送信アンテナと前記発振器が接続されているときに前記第1受信アンテナと前記検波器とを接続する。前記第1送信アンテナと前記第1受信アンテナとの第1距離は、前記第1送信アンテナと前記第2受信アンテナとの第2距離より長い。前記検査方法は、前記第1送信アンテナが、前記送信信号に基づいて電波(72、84)を出力するステップと、前記第1受信アンテナが、受信した電波(72’、84’)に基づいて第1受信信号(73、85)を出力するステップと、前記検波器が、前記第1受信信号に基づいて、第1検波信号(74)を生成するステップと、前記画像処理装置が、前記第1検波信号に基づいて画像のデータ(75)を生成するステップと、前記検査装置の前に金属平板(900)を置いた状態で第1補正データを取得するステップと、前記検査装置の前に前記金属平板を置かない状態で第2補正データを取得するステップと、前記第1補正データ及び前記第2補正データに基づいて前記第1検波信号が示すデータを補正するステップとを具備する。前記第1補正データを取得するステップは、前記第1送信アンテナが電波を出力するステップと、前記第1受信アンテナが、受信した電波に基づいて第1補正データ取得用受信信号を出力するステップと、前記第1補正データ取得用受信信号に基づいて前記第1補正データを生成するステップとを備える。前記第2補正データを取得するステップは、前記第1送信アンテナが電波を送信するステップと、前記第1受信アンテナが、受信した電波に基づいて第2補正データ取得用受信信号を出力するステップと、前記第2補正データ取得用受信信号に基づいて前記第2補正データを生成するステップとを備える。
【0028】
本発明の第10の観点に係る検査方法は、検査装置(1)を用いる。前記検査装置は、送信信号(71)を生成する発振器(25)と、第1送信アンテナ(21−1)を含む第1送信アンテナ群(21−1〜21−4)と、第1受信アンテナ(22−2)を含む第1受信アンテナ群(22−1〜22−4)と、前記送信信号が入力される検波器(26)と、画像処理装置(3)とを具備する。前記第1送信アンテナ群は、送信側接地電極(21b−1)を備える。前記第1受信アンテナ群は、受信側接地電極(22b−1)を備える。前記送信側接地電極と前記受信側接地電極とが電気的に分離されている。前記検査方法は、前記第1送信アンテナが、前記送信信号に基づいて電波(72)を出力するステップと、前記第1受信アンテナが、受信した電波(72’)に基づいて第1受信信号(73)を出力するステップと、前記検波器が、前記第1受信信号に基づいて第1検波信号(74)を生成するステップと、前記画像処理装置が、前記第1検波信号に基づいて画像のデータ(75)を生成するステップと、前記検査装置の前に金属平板(900)を置いた状態で第1補正データを取得するステップと、前記検査装置の前に前記金属平板を置かない状態で第2補正データを取得するステップと、前記第1補正データ及び前記第2補正データに基づいて前記第1検波信号が示すデータを補正するステップとを具備する。前記第1補正データを取得するステップは、前記第1送信アンテナが電波を出力するステップと、前記第1受信アンテナが、受信した電波に基づいて第1補正データ取得用受信信号を出力するステップと、前記第1補正データ取得用受信信号に基づいて前記第1補正データを生成するステップとを備える。前記第2補正データを取得するステップは、前記第1送信アンテナが電波を送信するステップと、前記第1受信アンテナが、受信した電波に基づいて第2補正データ取得用受信信号を出力するステップと、前記第2補正データ取得用受信信号に基づいて前記第2補正データを生成するステップとを備える。
【0029】
本発明の第11の観点に係る検査方法は、検査装置(1)を用いる。前記検査装置は、送信信号(71)を生成する発振器(25)と、送信アンテナ(21−1)と、受信アンテナ(22−2)と、前記送信信号が入力される検波器(26)と、前記送信アンテナと前記発振器が接続されているときに前記受信アンテナと前記検波器とを接続するスイッチ(24)と、画像処理装置(3)とを具備する。前記検査方法は、前記送信アンテナが、前記送信信号に基づいて波長λ0の電波(72)を出力するステップと、前記受信アンテナが、受信した電波(72’)に基づいて受信信号(73)を出力するステップと、前記検波器が、前記受信信号に基づいて検波信号(74)を生成するステップと、前記画像処理装置が、前記検波信号に基づいて画像のデータ(75)を生成するステップと、前記送信アンテナと前記受信アンテナとのアイソレーションが極小となる前記送信アンテナと前記受信アンテナとの距離LMINを求めるステップと、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの距離Lを、前記距離LMINの近傍の値となるように設定するステップと、前記検査装置の前に金属平板(900)を置いた状態で第1補正データを取得するステップと、前記検査装置の前に前記金属平板を置かない状態で第2補正データを取得するステップと、前記第1補正データ及び前記第2補正データに基づいて前記検波信号が示すデータを補正するステップとを具備する。前記第1補正データを取得するステップは、前記送信アンテナが電波を出力するステップと、前記受信アンテナが、受信した電波に基づいて第1補正データ取得用受信信号を出力するステップと、前記第1補正データ取得用受信信号に基づいて前記第1補正データを生成するステップとを備える。前記第2補正データを取得するステップは、前記送信アンテナが電波を送信するステップと、前記受信アンテナが、受信した電波に基づいて前記第2補正データ取得用受信信号を出力するステップと、前記第2補正データ取得用受信信号に基づいて前記第2補正データを生成するステップとを備える。
【0030】
本発明の第12の観点に係る検査方法は、検査装置(1)を用いる。前記検査装置は、送信信号(81)を生成する発振器(55)と、第1周波数(f0)の第1変調用信号(82)を用いて前記送信信号を変調した第1変調波信号(83)を出力する第1変調器(60)と、前記第1周波数と異なる第2周波数(f2)の第2変調用信号(82)を用いて前記送信信号を変調した第2変調波信号(83)を出力する第2変調器(60)と、第1送信アンテナ(57−1)と、第2送信アンテナ(57−1)と、第1受信アンテナ(58−2)と、第2受信アンテナ(58−2)と、前記送信信号が入力される検波器(56)と、スイッチ(65)と、画像処理装置(3)とを具備する。前記スイッチは、前記第1送信アンテナと前記第1変調器とが接続されているときに前記第1受信アンテナと前記検波器とを接続し、前記第2送信アンテナと前記第2変調器とが接続されているときに前記第2受信アンテナと前記検波器とを接続する。前記検査方法は、前記第1送信アンテナが、前記第1変調波信号に基づいて電波(84)を出力するステップと、前記第2送信アンテナが、前記第2変調波信号に基づいて電波(84)を出力するステップと、前記第1受信アンテナが、受信した電波(84’)に基づいて第1受信信号(85)を出力するステップと、前記第2受信アンテナが、受信した電波(84’)に基づいて第2受信信号(85)を出力するステップと、前記検波器が、前記第1受信信号の前記第1周波数の成分に基づいて第1検波信号(74)を生成し、前記第2受信信号の前記第2周波数の成分に基づいて第2検波信号(74)を生成するステップと、前記画像処理装置が、前記第1検波信号及び前記第2検波信号に基づいて画像のデータ(75)を生成するステップと、前記検査装置の前に金属平板(900)を置いた状態で第1補正データ及び第2補正データを取得するステップと、前記検査装置の前に前記金属平板を置かない状態で第3補正データ及び第4補正データを取得するステップと、前記第1補正データ及び前記第2補正データに基づいて前記第1検波信号が示すデータを補正するステップと、前記第3補正データ及び前記第4補正データに基づいて前記第2検波信号が示すデータを補正するステップとを具備する。前記第1補正データ及び前記第2補正データを取得するステップは、前記第1送信アンテナが、前記第1変調波信号に基づいて電波を出力するステップと、前記第2送信アンテナが、前記第2変調波信号に基づいて電波を出力するステップと、前記第1受信アンテナが、受信した電波に基づいて第1補正データ取得用受信信号を出力するステップと、前記第2受信アンテナが、受信した電波に基づいて第2補正データ取得用受信信号を出力するステップと、前記第1補正データ取得用受信信号の前記第1周波数の成分に基づいて前記第1補正データを生成するステップと、前記第2補正データ取得用受信信号の前記第2周波数の成分に基づいて前記第2補正データを生成するステップとを備える。前記第3補正データ及び前記第4補正データを取得するステップは、前記第1送信アンテナが、前記第1変調波信号に基づいて電波を出力するステップと、前記第2送信アンテナが、前記第2変調波信号に基づいて電波を出力するステップと、前記第1受信アンテナが、受信した電波に基づいて第3補正データ取得用受信信号を出力するステップと、前記第2受信アンテナが、受信した電波に基づいて第4補正データ取得用受信信号を出力するステップと、前記第3補正データ取得用受信信号の前記第1周波数の成分に基づいて前記第3補正データを生成するステップと、前記第4補正データ取得用受信信号の前記第2周波数の成分に基づいて前記第4補正データを生成するステップとを備える。
【0031】
本発明の第13の観点に係る検査方法は、第1送信アンテナ(701−1〜701−L、711−1〜711−L)が第1送信電波(511A、611A)を送信するステップと、前記第1送信アンテナと偏波面が一致する第1受信アンテナ(801−1〜801−L、811−1〜811−L)が第1受信電波(512A、612A)を受信するステップと、前記第1受信アンテナが前記第1受信電波に基づいて第1受信信号(521A、621A)を出力するステップと、前記第1受信信号に基づいて第1受信信号データ(531A、631A、632A、633A)を生成するステップと、前記第1送信アンテナが前記第1送信電波を送信するのと同時に、前記第1送信アンテナと偏波面が直交する第2送信アンテナ(702−1〜702−L、712−1〜712−L)が第2送信電波(511B、611B)を送信するステップと、前記第2送信アンテナと偏波面が一致する第2受信アンテナ(802−1〜802−L、812−1〜812−L)が第2受信電波(512B、612B)を受信するステップと、前記第2受信アンテナが前記第2受信電波に基づいて第2受信信号(521B、621B)を出力するステップと、前記第2受信信号に基づいて第2受信信号データ(531B、631B、632B、633B)を生成するステップと、前記第1受信信号データ及び前記第2受信信号データに基づいて画像のデータ(540)を生成するステップとを具備する。
【0032】
前記第1送信アンテナが第1変調周波数(f1、f1〜f3)で変調された前記第1送信電波を送信し、前記第2送信アンテナが前記第1変調周波数で変調された前記第2送信電波を送信することが好ましい。前記第1受信信号の前記第1変調周波数の成分に基づいて前記第1受信信号データが生成され、前記第2受信信号の前記第1変調周波数の成分に基づいて前記第2受信信号データが生成される。上記検査方法は、前記第1送信アンテナが前記第1送信電波を送信するのと同時に、前記第1送信アンテナと偏波面が一致する第3送信アンテナ(713−1〜713−L)が前記第1変調周波数と異なる第2変調周波数(f2、f4〜f6)で変調された第3送信電波(611C)を送信するステップと、前記第3送信アンテナと偏波面が一致する第3受信アンテナ(813−1〜813−L)が第3受信電波(612C)を受信するステップと、前記第3受信アンテナが前記第3受信電波に基づいて第3受信信号(621C)を出力するステップと、前記第3受信信号の前記第2変調周波数の成分に基づいて第3受信信号データ(631C、632C、633C)を生成するステップと、前記第1送信アンテナが前記第1送信電波を送信するのと同時に、前記第1送信アンテナと偏波面が直交する第4送信アンテナ(714−1〜714−L)が前記第2変調周波数で変調された第4送信電波(611D)を送信するステップと、前記第4送信アンテナと偏波面が一致する第4受信アンテナ(814−1〜814−L)が第4受信電波(612D)を受信するステップと、前記第4受信アンテナが前記第4受信電波に基づいて第4受信信号(621D)を出力するステップと、前記第4受信信号の前記第2変調周波数の成分に基づいて第4受信信号データ(631D、632D、633D)を生成するステップとを更に具備することが好ましい。前記第3受信信号データ及び前記第4受信信号データに更に基づいて前記画像のデータが生成される。
【0033】
前記第1送信アンテナが前記第1変調周波数を含む複数変調周波数(f1〜f3)で変調された前記第1送信電波を送信し、前記第1受信信号データが前記第1受信信号の前記複数変調周波数の複数成分に基づいて生成されることが好ましい。
【0034】
前記複数変調周波数は、第3変調周波数と第4変調周波数を含むことが好ましい。
【0035】
前記第1受信信号データを生成するステップは、前記第1受信信号の前記第1変調周波数の成分に基づいて第1受信信号第1データ(631A)を生成するステップと、前記第1受信信号の前記第3変調周波数の成分に基づいて第1受信信号第2データ(631A)を生成するステップと、前記第1受信信号の前記第4変調周波数の成分に基づいて第1受信信号第3データ(631A)を生成するステップとを備えることが好ましい。前記第1受信信号データは、前記第1受信信号第1データ、前記第1受信信号第2データ及び前記第1受信信号第3データから異常値データを除いた残りの平均であることが好ましい。
【0036】
上記検査方法は、前記第1送信アンテナと、前記第2送信アンテナと、前記第1受信アンテナと、前記第2受信アンテナとを備える検査装置(100、110、120、130)の前に金属平板(900)を置いた状態で第1補正データ(531A、631A、632A)及び第2補正データ(531B、631B、632B)を取得するステップと、前記検査装置の前に前記金属平板を置かない状態で第3補正データ(531A、631A、632A)及び第4補正データ(531B、631B、632B)を取得するステップと、前記第1補正データ及び前記第3補正データに基づいて前記第1受信信号データを補正するステップと、前記第2補正データ及び前記第4補正データに基づいて前記第2受信信号データを補正するステップとを更に具備することが好ましい。前記第1補正データ及び前記第2補正データを取得するステップは、前記第1送信アンテナが電波(511A、611A)を送信するステップと、前記第1受信アンテナが、受信した電波(512A、612A)に基づいて第1補正データ取得用受信信号(521A、621A)を出力するステップと、前記第1補正データ取得用受信信号に基づいて前記第1補正データを生成するステップと、前記第2送信アンテナが電波(511B、611B)を送信するステップと、前記第2受信アンテナが、受信した電波(512B、612B)に基づいて第2補正データ取得用受信信号(521B、621B)を出力するステップと、前記第2補正データ取得用受信信号に基づいて前記第2補正データを生成するステップとを備える。前記第3補正データ及び前記第4補正データを取得するステップは、前記第1送信アンテナが電波(511A、611A)を送信するステップと、前記第1受信アンテナが、受信した電波(512A、612A)に基づいて第3補正データ取得用受信信号(521A、621A)を出力するステップと、前記第3補正データ取得用受信信号に基づいて前記第3補正データを生成するステップと、前記第2送信アンテナが電波(511B、611B)を送信するステップと、前記第2受信アンテナが、受信した電波(512B、612B)に基づいて第4補正データ取得用受信信号(521B、621B)を出力するステップと、前記第4補正データ取得用受信信号に基づいて前記第4補正データを生成するステップとを備える。
【0037】
本発明の第14の観点に係る検査装置(100、110、120、130)は、第1送信アンテナ(701−1〜701−L、711−1〜711−L)と、前記第1送信アンテナと偏波面が一致する第1受信アンテナ(801−1〜801−L、811−1〜811−L)と、前記第1送信アンテナと偏波面が直交する第2送信アンテナ(702−1〜702−L、712−1〜712−L)と、前記第2送信アンテナと偏波面が一致する第2受信アンテナ(802−1〜802−L、812−1〜812−L)と、第1受信信号データ(531A、631A、632A、633A)及び第2受信信号データ(531B、631B、632B、633B)に基づいて画像のデータ(540)を生成する画像処理装置(350)を具備する。前記第1送信アンテナは、第1送信電波(511A、611A)を送信する。前記第1受信アンテナは、第1受信電波(512A、612A)を受信し、前記第1受信電波に基づく第1受信信号(521A、621A)を出力する。前記第1受信信号データは、前記第1受信信号に基づいて生成される。前記第2送信アンテナは、第2送信電波(511B、611B)を送信する。前記第2受信アンテナは、第2受信電波を受信し、前記第2受信電波に基づく第2受信信号(521B、621B)を出力する。前記第2受信信号データは、前記第2受信信号に基づいて生成される。
【0038】
上記検査装置は、前記第1送信アンテナと偏波面が一致する第3送信アンテナ(713−1〜713−L)と、前記第1送信アンテナと偏波面が直交する第4送信アンテナ(714−1〜714−L)と、前記第3送信アンテナと偏波面が一致する第3受信アンテナ(813−1〜813−L)と、前記第4送信アンテナと偏波面が一致する第4受信アンテナ(814−1〜814−L)とを更に具備することが好ましい。前記第1送信アンテナが第1変調周波数(f1、f1〜f3)で変調された前記第1送信電波を送信し、前記第2送信アンテナが前記第1変調周波数で変調された前記第2送信電波を送信することが好ましい。前記第1受信信号データが前記第1受信信号の前記第1変調周波数の成分に基づいて生成され、前記第2受信信号データが前記第2受信信号の前記第1変調周波数の成分に基づいて生成される。前記第3送信アンテナは、前記第1変調周波数と異なる第2変調周波数(f2、f4〜f6)で変調された第3送信電波(611C)を送信する。前記第3受信アンテナは、第3受信電波(612C)を受信し、前記第3受信電波に基づいて第3受信信号(621C)を出力する。前記第4送信アンテナは、前記第2変調周波数で変調された第4送信電波(611D)を送信する。前記第4受信アンテナは、第4受信電波(612D)を受信し、前記第4受信電波に基づいて第4受信信号(621D)を出力する。前記画像処理装置は、前記第3受信信号の前記第2変調周波数の成分に基づく第3受信信号データ(631C、632C、633C)と、前記第4受信信号の前記第2変調周波数の成分に基づく第4受信信号データ(631D、632D、633D)とに更に基づいて前記画像のデータを生成する。
【0039】
前記第1送信アンテナが前記第1変調周波数を含む複数変調周波数(f1〜f3)で変調された前記第1送信電波を送信し、前記第1受信信号データが前記第1受信信号の前記複数変調周波数の複数成分に基づいて生成されることが好ましい。
【0040】
前記複数変調周波数は、第3変調周波数と第4変調周波数を含むことが好ましい。
【0041】
前記第1受信信号の前記第1変調周波数の成分に基づいて第1受信信号第1データ(631A)が生成され、前記第1受信信号の前記第3変調周波数の成分に基づいて第1受信信号第2データ(631A)が生成され、前記第1受信信号の前記第4変調周波数の成分に基づいて第1受信信号第3データ(631A)が生成されることが好ましい。前記第1受信信号データは、前記第1受信信号第1データ、前記第1受信信号第2データ及び前記第1受信信号第3データから異常値データを除いた残りの平均であることが好ましい。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、送信アンテナから受信アンテナに直接到来する干渉波の影響が抑制される検査方法及び検査装置が提供される。
【0043】
本発明によれば、検査時間が短縮される検査方法及び検査装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
添付図面を参照して、本発明による検査方法及び検査装置を実施するための最良の形態を以下に説明する。
【0045】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る検査装置1を示している。検査装置1は、送受信ユニット2−1〜2−Kと、画像処理装置3と、表示装置4とを備えている。送受信ユニット2−1〜2−Kの各々は、アンテナアレイ20と、スイッチ23と、スイッチ24と、発振器25と、検波器26と、増幅器27とを備えている。増幅器27は、発振器25に接続されている。スイッチ23は、増幅器27に接続されている。スイッチ24は、検波器26に接続されている。アンテナアレイ20は、送信アンテナ21−1〜21−Lと、受信アンテナ22−1〜22−Lとを備えている。発振器25は、所定の周波数(10GHz程度)の送信信号71を出力する。増幅器27は、送信信号71を増幅する。検波器26には、送信信号71が入力される。
【0046】
スイッチ23は、送信アンテナ21−1〜21−Lの一つとしての送信アンテナ21を、増幅器27に接続する。すなわち、スイッチ23は、送信アンテナ21を発振器25に間接的に接続する。スイッチ24は、送信アンテナ21が増幅器27(発振器25)に接続されているときに、受信アンテナ22−1〜22−Lの一つとしての受信アンテナ22を、検波器26に接続する。このとき、送信アンテナ21は、送信信号71に基づいて波長λ0の電波72を出力する。波長λ0は、送信信号71の周波数に対応している。受信アンテナ22は、電波72が対象物体99によって反射された反射波としての電波72’を受信し、電波72’に基づいて受信信号73を出力する。検波器26は、受信信号73の振幅と位相を示す検波信号74を生成し、画像処理装置3に出力する。スイッチ23は、増幅器27(発振器25)と接続する送信アンテナ21を送信アンテナ21−1〜21−Lの中で切り替える。スイッチ24は、検波器26と接続する受信アンテナ22を受信アンテナ22−1〜受信アンテナ22−Lの中で切り替える。
【0047】
画像処理装置3には、送受信ユニット2−1〜2−Kの各々からの検波信号74が入力される。画像処理装置3は、検波信号74に基づいて、画像のデータとしての画像データ75を生成する。ここで、例えば、検波信号74は、画像を構成するピクセルの輝度を示す。表示装置4は、画像データ75に基づいて画像を表示する。その結果、衣服の下に隠された対象物体99の画像が表示装置4に表示される。なお、対象物体99は、荷物の中に隠されている場合もある。
【0048】
ここで、送受信ユニット2−1の送信アンテナ21から送受信ユニット2−1の受信アンテナ22に直接到達する干渉波91や、送受信ユニット2−2から送受信ユニット2−1の受信アンテナ22に直接到達する干渉波92が存在する場合がある。干渉波91や干渉波92は、画像のコントラストを低下させる場合がある。
【0049】
次に、図2を用いて検査装置1の動作の一例を説明する。図2は、アンテナアレイ20を示している。送信アンテナ21−1〜21−4は、直線S1に沿って等間隔で配列されている。受信アンテナ22−1〜22−4は、直線S2に沿って等間隔で配列されている。送信アンテナ21−5〜21−8は、直線S3に沿って等間隔で配列されている。直線S1、直線S2、直線S3は、互いに平行となるように平面上に配置されている。直線S2は、直線S1及び直線S3の間に配置されている。この平面に垂直な直線P1〜P10が示されている。直線P1は、送信アンテナ21−1と受信アンテナ22−2の中点を通る。直線P2は、受信アンテナ22−1と送信アンテナ21−3の中点を通る。直線P3は、送信アンテナ21−2と受信アンテナ22−3の中点を通る。直線P4は、受信アンテナ22−2と送信アンテナ21−4の中点を通る。直線P5は、送信アンテナ21−3と受信アンテナ22−4の中点を通る。直線P6は、送信アンテナ21−5と受信アンテナ22−2の中点を通る。直線P7は、受信アンテナ22−1と送信アンテナ21−7の中点を通る。直線P8は、送信アンテナ21−6と受信アンテナ22−3の中点を通る。直線P9は、受信アンテナ22−2と送信アンテナ21−8の中点を通る。直線P10は、送信アンテナ21−7と受信アンテナ22−4の中点を通る。
【0050】
スイッチ24は、スイッチ23が送信アンテナ21−1を増幅器27(発振器25)に接続しているときに、受信アンテナ22−2を検波器26に接続する。このとき検波器26が生成する検波信号74は、直線P1上のサンプル点に関する情報を含む。スイッチ24は、スイッチ23が送信アンテナ21−3を増幅器27(発振器25)に接続しているときに、受信アンテナ22−1を検波器26に接続する。このとき検波器26が生成する検波信号74は、直線P2上のサンプル点に関する情報を含む。スイッチ24は、スイッチ23が送信アンテナ21−2を増幅器27(発振器25)に接続しているときに、受信アンテナ22−3を検波器26に接続する。このとき検波器26が生成する検波信号74は、直線P3上のサンプル点に関する情報を含む。スイッチ24は、スイッチ23が送信アンテナ21−4を増幅器27(発振器25)に接続しているときに、受信アンテナ22−2を検波器26に接続する。このとき検波器26が生成する検波信号74は、直線P4上のサンプル点に関する情報を含む。スイッチ24は、スイッチ23が送信アンテナ21−3を増幅器27(発振器25)に接続しているときに、受信アンテナ22−4を検波器26に接続する。このとき検波器26が生成する検波信号74は、直線P5上のサンプル点に関する情報を含む。スイッチ23及びスイッチ24が上述の例のように動作することで、検波器26は直線P6〜P10上のサンプル点に関する情報を含む検波信号74を生成する。検査装置1は、各サンプル点に関する情報を順次取得する。直線P1〜直線P10の間隔は、表示装置4が表示する画像の解像度に対応している。
【0051】
次に、図3を用いて検査装置1の動作の他の例を説明する。図3は、アンテナアレイ20を示している。直線S1、直線S2、直線S3が配置されている平面に垂直な直線P1’〜P14’が示されている。直線P1’は、送信アンテナ21−1と受信アンテナ22−1の中点を通る。直線P2’は、受信アンテナ22−1と送信アンテナ21−2の中点を通る。直線P3’は、送信アンテナ21−2と受信アンテナ22−2の中点を通る。直線P4’は、受信アンテナ22−2と送信アンテナ21−3の中点を通る。直線P5’は、送信アンテナ21−3と受信アンテナ22−3の中点を通る。直線P6’は、受信アンテナ22−3と送信アンテナ21−4の中点を通る。直線P7’は、送信アンテナ21−4と受信アンテナ22−4の中点を通る。直線P8’は、送信アンテナ21−5と受信アンテナ22−1の中点を通る。直線P9’は、受信アンテナ22−1と送信アンテナ21−6の中点を通る。直線P10’は、送信アンテナ21−6と受信アンテナ22−2の中点を通る。直線P11’は、受信アンテナ22−2と送信アンテナ21−7の中点を通る。直線P12’は、送信アンテナ21−7と受信アンテナ22−3の中点を通る。直線P13’は、送信アンテナ21−8と受信アンテナ22−3の中点を通る。直線P14’は、送信アンテナ21−8と受信アンテナ22−4の中点を通る。
【0052】
スイッチ24は、スイッチ23が送信アンテナ21−1を増幅器27(発振器25)に接続しているときに、受信アンテナ22−1を検波器26に接続する。このとき検波器26が生成する検波信号74は、直線P1’上のサンプル点に関する情報を含む。スイッチ24は、スイッチ23が送信アンテナ21−2を増幅器27(発振器25)に接続しているときに、受信アンテナ22−1を検波器26に接続する。このとき検波器26が生成する検波信号74は、直線P2’上のサンプル点に関する情報を含む。スイッチ24は、スイッチ23が送信アンテナ21−2を増幅器27(発振器25)に接続しているときに、受信アンテナ22−2を検波器26に接続する。このとき検波器26が生成する検波信号74は、直線P3’上のサンプル点に関する情報を含む。スイッチ24は、スイッチ23が送信アンテナ21−3を増幅器27(発振器25)に接続しているときに、受信アンテナ22−2を検波器26に接続する。このとき検波器26が生成する検波信号74は、直線P4’上のサンプル点に関する情報を含む。スイッチ24は、スイッチ23が送信アンテナ21−3を増幅器27(発振器25)に接続しているときに、受信アンテナ22−3を検波器26に接続する。このとき検波器26が生成する検波信号74は、直線P5’上のサンプル点に関する情報を含む。スイッチ24は、スイッチ23が送信アンテナ21−4を増幅器27(発振器25)に接続しているときに、受信アンテナ22−3を検波器26に接続する。このとき検波器26が生成する検波信号74は、直線P6’上のサンプル点に関する情報を含む。スイッチ24は、スイッチ23が送信アンテナ21−4を増幅器27(発振器25)に接続しているときに、受信アンテナ22−4を検波器26に接続する。このとき検波器26が生成する検波信号74は、直線P7’上のサンプル点に関する情報を含む。スイッチ23及びスイッチ24が上述の例のように動作することで、検波器26は直線P8’〜P14’上のサンプル点に関する情報を含む検波信号74を生成する。直線P1’〜直線P14’の間隔は、表示装置4が表示する画像の解像度に対応している。
【0053】
図2に示す一例においては、同時に接続される送信アンテナ21及び受信アンテナ22が、両者の距離が最小の距離よりも大きい距離となるように選択される。例えば、送信アンテナ21−1が増幅器27(発振器25)に接続されているときに検波器26に接続されるのは、送信アンテナ21−1に最も近い受信アンテナ22−1ではなく、その一つ隣の受信アンテナ22−2である。一方、図3に示す他の例においては、同時に接続される送信アンテナ21及び受信アンテナ22が、両者の距離が最小となるように選択されている。したがって、図2に示す一例においては、検波信号74を生成するために用いられる送信アンテナ21及び受信アンテナ22の間の距離が大きいため、図3に示す他の例における場合よりも干渉波91の影響が抑制される。その結果、送信アンテナ21と受信アンテナ22の間のアイソレーションが改善される(小さくなる)。
【0054】
また、検査装置1が図2に示す一例のように動作して得られる画像の解像度は、一つの列に含まれるアンテナの数(例えば、直線S1上に配列された送信アンテナの数及び直線S2上に配列された受信アンテナの数)が十分多い場合、検査装置1が図3に示す他の例のように動作して得られる画像の解像度とほぼ同じである。
【0055】
図2に示す例においては、同時に接続される送信アンテナ21及び受信アンテナ22を一つ飛ばしに選択している。同時に接続される送信アンテナ21及び受信アンテナ22を二つ、又は三つ飛ばしに選択してもよい。
【0056】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る検査装置1は、第1の実施形態に係る検査装置1と同様に、送受信ユニット2−1〜2−Kと、画像処理装置3と、表示装置4とを備えている。送受信ユニット2−1〜2−Kの各々は、第1の実施形態における場合と同様に、アンテナアレイ20と、スイッチ23と、スイッチ24と、発振器25と、検波器26と、増幅器27とを備えている。アンテナアレイ20は、送信アンテナ21−1〜21−Lと、受信アンテナ22−1〜22−Lとを備えている。
【0057】
図4は、本実施形態に係るアンテナアレイ20の一の形態を示している。アンテナアレイ20は、誘電体の基板28と、放射電極21a−1〜21a−8と、受信電極22a−1〜22a−4と、接地電極21b−1、21b−2と、接地電極22b−1とを備えている。放射電極21a−1〜21a−8と、受信電極22a−1〜22a−4とは、基板28の表面に設けられている。接地電極21b−1、21b−2と、接地電極22b−1とは、基板28の裏面に設けられている。放射電極21a−1〜21a−4は、直線S1に沿って配列されている。接地電極21b−1は、直線S1に沿って延びている。受信電極22a−1〜受信電極22a−4は、直線S2に沿って配列されている。接地電極22b−1は、直線S2に沿って延びている。放射電極21a−5〜21a−8は、直線S3に沿って配列されている。接地電極21b−2は、直線S3に沿って延びている。送信アンテナ21−1は、放射電極21a−1を備えている。送信アンテナ21−2は、放射電極21a−2を備えている。送信アンテナ21−3は、放射電極21a−3を備えている。送信アンテナ21−4は、放射電極21a−4を備えている。送信アンテナ21−1〜送信アンテナ21−4は、接地電極21b−1を共有している。同様に、受信アンテナ22−1〜22−4は、受信電極22a−1〜22a−4を備え、接地電極22b−1を共有している。同様に、送信アンテナ21−5〜21−8は、放射電極21a−5〜21a−8を備え、接地電極21b−2を共有している。接地電極21b−1、接地電極22b−1、接地電極21b−2が互いに電気的に分離されているため、干渉波91が接地電極21b−1、接地電極22b−1、接地電極21b−2を経由して伝搬することが防がれる。その結果、送信アンテナ21と受信アンテナ22の間のアイソレーションが改善される。
【0058】
図5は、本実施形態に係るアンテナアレイ20の他の形態を示している。図5に示すアンテナアレイ20は、誘電体の基板28−1〜28−3と、放射電極21a−1〜21a−8と、受信電極22a−1〜22a−4と、接地電極21b−1、21b−2と、接地電極22b−1とを備えている。基板28−1は、直線S1に沿って延びている。基板28−1の表面には、放射電極21a−1〜21a−4が設けられている。基板28−1の裏面には、接地電極21b−1が設けられている。基板28−2は、直線S2に沿って延びている。基板28−2の表面には、受信電極22a−1〜22a−4が設けられている。基板28−2の裏面には、接地電極22b−1が設けられている。基板28−3は、直線S3に沿って延びている。基板28−3の表面には、放射電極21a−5〜21a−8が設けられている。接地電極21b−1、接地電極22b−1、接地電極21b−2が互いに電気的に分離されているため、干渉波91が接地電極21b−1、接地電極22b−1、接地電極21b−2を経由して伝搬することが防がれる。さらに、基板28−1〜28−3が互いに電気的に分離されているため、干渉波91が基板28−1〜28−3の表面や裏面を伝搬することが防がれる、その結果、送信アンテナ21と受信アンテナ22の間のアイソレーションが改善される。
【0059】
(第3の実施形態)
本発明者は、図6に示す実測データを得た。図6は、送信アンテナと受信アンテナの間の距離としての送受アンテナ間距離と、送信アンテナと受信アンテナの間のアイソレーションの関係のグラフを示している。図6において、縦軸はアイソレーションを示し、横軸は送受アンテナ間距離を示す。アイソレーションの単位はdBである。送受アンテナ間距離の単位は、送信アンテナが出力する電波の波長λである。アイソレーションは、全体的な傾向としては、送受アンテナ間距離が大きくなるほど小さくなった。アイソレーションは、極大点と極小点を交互にとった。極小点は、図中に矢印で示されている。隣り合う極小点(ヌル点)の間隔は、波長λであった。極小点における送受アンテナ間距離をDとすると、送受アンテナ間距離がD±0.2λの範囲におけるアイソレーションの値は、その極小点におけるアイソレーションの値とその隣の極大点におけるアイソレーションの値との中間の値より小さかった。
【0060】
したがって、アイソレーションが極小となる送信アンテナ21と受信アンテナ22の間の距離Lの値LMINを求め、距離Lを、値LMINの近傍の値となるように設定することで、送信アンテナ21から受信アンテナ22に直接到達する干渉波91の影響が抑制される。また、アイソレーションの周期性に着目して、距離Lを、値LMINと電波72の波長λ0の整数倍の値との和の近傍の値となるように設定してもよい。距離Lを設定するときの設計上の目安として、下記式が用いられる。下記式において、nはある整数を示す。
LMIN+nλ0−0.2λ0<L<LMIN+nλ0+0.2λ0
その結果、送信アンテナ21と受信アンテナ22との間のアイソレーションが優れた検査装置1が提供される。また、距離Lを、下記式を満足するように設定することで、送信アンテナ21と受信アンテナ22との間のアイソレーションがさらに優れた検査装置1が提供される。
LMIN+nλ0−0.1λ0<L<LMIN+nλ0+0.1λ0
なお、整数nは、所望の解像度に応じて適当な値を選択すればよい。
【0061】
本実施形態においては、距離Lが小さい場合であっても、優れた(小さい)アイソレーションを確保することができる。
【0062】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る検査装置1は、第1の実施形態に係る検査装置1と同様に、画像処理装置3と、表示装置4とを備えている。本実施形態に係る検査装置1は、送受信ユニット2−1〜2−Kの各々の替わりに、送受信ユニット5を備えている。
【0063】
図7は、本実施形態に係る送受信ユニット5のブロック図を示している。送受信ユニット5は、送信ユニット51−1〜51−Mと、受信ユニット52−1〜52−Mと、電力分配器53と、電力分配器54と、発振器55と、ホモダイン検波回路のような検波器56とを備えている。送信ユニット51−1〜51−Mの各々は、送信アンテナ57−1〜57−Nと、変調器60と、増幅器63と、スイッチ64とを備えている。受信ユニット52−1〜52−Mの各々は、スイッチ65と、受信アンテナ58−1〜58−Nとを備えている。送受信ユニット5が備えるアンテナアレイ50は、送信ユニット51−1〜51−Mの各々が備える送信アンテナ57−1〜57−Nと、受信ユニット52−1〜Mの各々が備える受信アンテナ58−1〜58−Nとを備えている。変調器60は、発振器61と、ミキサ62とを備えている。電力分配器53は、発振器55に接続されている。ミキサ62は、電力分配器53に接続されている。増幅器63は、ミキサ62に接続されている。スイッチ64は、増幅器63に接続されている。電力分配器54は、検波器56に接続されている。スイッチ65は、電力分配器54に接続されている。発振器55は、所定の周波数(10GHz程度)の搬送波信号81を出力する。電力分配器53は、搬送波信号81を送信ユニット51−1〜51−Mの各々に分配する。発振器61は、所定の周波数(数百Hz程度)の変調用信号82を出力する。ここで、送信ユニット51−1〜51−Mの各々の発振器61は、互いに異なる周波数f1〜fMの変調用信号82を出力する。例えば、送信ユニット51−1の発振器61は周波数f1の変調用信号82を出力し、送信ユニット51−2の発振器61は周波数f2の変調用信号82を出力し、送信ユニット51−Mの発振器61は周波数fMの変調用信号82を出力する。ミキサ62は、変調用信号82を用いて搬送波信号81を変調した変調波信号83を出力する。増幅器63は、変調波信号83を増幅する。検波器56には、搬送波信号81が入力される。
【0064】
スイッチ64は、送信アンテナ57−1〜57−Nの一つとしての送信アンテナ57を、増幅器63に接続する。すなわち、スイッチ64は、送信アンテナ57を、変調器60及び発振器55に間接的に接続する。スイッチ65は、送信アンテナ57が増幅器63(変調器60、発振器55)に接続されているときに、受信アンテナ58−1〜58−Nの一つとしての受信アンテナ58を、電力分配器54に接続する。すなわち、スイッチ65は、受信アンテナ58を検波器56に間接的に接続する。このとき、送信アンテナ57は、変調波信号83に基づいて電波84を出力する。受信アンテナ58は、電波84が対象物体99によって反射された反射波としての電波84’を受信し、電波84’に基づいて受信信号85を出力する。電力分配器54は、受信ユニット52−1〜52−Mの各々から出力された受信信号85を検波器56に伝える。検波器56は、受信信号85のI相データとQ相データを周波数f1〜fMの成分ごとにデジタルフィルタリングし、周波数f1〜fMの成分ごとの振幅Aと位相θを下記式により算出する。
【数1】

ここで、位相θには180°の曖昧さが発生する。検波器56は、送信ユニット51−1〜51−Mの各々の発振器61が出力する変調用信号82を参照信号として用いることで、この曖昧さを解消する。検波器56は、振幅Aと位相θを示す検波信号74を生成し、画像処理装置3に出力する。スイッチ64は、増幅器63(変調器60、発振器55)と接続する送信アンテナ57を送信アンテナ57−1〜57−Nの中で切り替える。スイッチ65は、電力分配器54(検波器56)と接続する受信アンテナ58を受信アンテナ58−1〜58−Nの中で切り替える。
【0065】
画像処理装置3には、検波信号74が各送受信ユニット5から入力される。画像処理装置3は、検波信号74に基づいて、画像のデータとしての画像データ75を生成する。ここで、例えば、検波信号74は、画像を構成するピクセルの輝度を示す。表示装置4は、画像データ75に基づいて画像を表示する。
【0066】
本実施形態においては、アンテナアレイ50は、複数のブロックに分けられている。例えば、送信ユニット51−1の送信アンテナ57−1〜57−Nと受信ユニット52−1の受信アンテナ58−1〜58−Nは、第1ブロックに属している。送信ユニット51−2の送信アンテナ57−1〜57−Nと受信ユニット52−2の受信アンテナ58−1〜58−Nは、第2ブロックに属している。送信ユニット51−Mの送信アンテナ57−1〜57−Nと受信ユニット52−Mの受信アンテナ58−1〜58−Nは、第Mブロックに属している。
【0067】
次に、図8を用いて本実施形態に係る検査装置1の動作を説明する。図8は、アンテナアレイ50を示している。送信ユニット51−1の送信アンテナ57−1〜57−4は、直線S4に沿って等間隔で配列されている。受信ユニット52−1の受信アンテナ58−1〜受信アンテナ58−4は、直線S5に沿って等間隔で配列されている。直線S4と直線S5とは、互いに平行である。送信ユニット51−2の送信アンテナ57−1〜57−4は、直線S6に沿って等間隔で配列されている。受信ユニット52−2の受信アンテナ58−1〜58−4は、直線S7に沿って等間隔で配列されている。直線S6と直線S7とは、互いに平行である。直線S4〜S7は、平面上に配置されている。この平面に垂直な直線P21及び直線P22が示されている。直線P21は、送信ユニット51−1の送信アンテナ57−1と受信ユニット52−1の受信アンテナ58−2との中点を通る。直線P22は、送信ユニット51−2の送信アンテナ57−1と受信ユニット52−2の受信アンテナ58−2との中点を通る。
【0068】
受信ユニット52−1のスイッチ65は、送信ユニット51−1のスイッチ64が送信ユニット51−1の送信アンテナ57−1を増幅器63(変調器60、発振器55)に接続しているときに、受信ユニット52−1の受信アンテナ58−2を電力分配器54(検波器56)に接続する。このとき検波器56が生成する検波信号74は、直線P21上のサンプル点に関する情報を含む。受信ユニット52−2のスイッチ65は、送信ユニット51−2のスイッチ64が送信ユニット51−2の送信アンテナ57−1を増幅器63(変調器60、発振器55)に接続しているときに、受信ユニット52−2の受信アンテナ58−2を電力分配器54(検波器56)に接続する。このとき検波器56が生成する検波信号74は、直線P22上のサンプル点に関する情報を含む。
【0069】
本実施形態においては、周波数f1と周波数f2とが互いに異なるため、送信ユニット51−2の送信アンテナ57−1が出力した電波が、干渉波として受信ユニット52−1の受信アンテナ58−2に直接到達しても、直線P21上のサンプル点についての測定結果に影響を及ぼすことが防がれる。また、送信ユニット51−1の送信アンテナ57−1が出力した電波が直線P22上のサンプル点についての測定結果に影響を及ぼすことが防がれる。したがって、直線P21上のサンプル点と直線P22上のサンプル点とを同時に測定することが可能である。
【0070】
本実施形態においては、周波数f1〜fMは、互いに倍数関係にないことが好ましい。この場合、干渉波の影響が更に低減される。
【0071】
本実施形態においては、一つの送受信ユニット5において、アンテナアレイ50が複数のブロックに分けられ、各ブロックに異なる周波数の変調波が割り当てられている。検査装置1は、サンプリングの多重処理を行うことが好ましい。多重処理により、測定時間が短縮される。
【0072】
第1乃至第4の実施形態は、互いに組み合わせることが可能である。例えば、第4の実施形態に係る検査方法に、第1の実施形態に係る検査方法を適用することが好ましい。第4の実施形態に係るアンテナアレイ50の形態に、第2の実施形態に係るアンテナアレイ20の形態を適用することが好ましい。第4の実施形態に係る送信アンテナ57と受信アンテナ58の間の距離の設定方法に、第3の実施形態に係る送信アンテナ21と受信アンテナ22の間の距離の設定方法を適用することが好ましい。
【0073】
(第5の実施形態)
図9は、本発明の第5の実施形態に係る検査装置100を示す。検査装置100は、サブユニット200と、画像処理装置350と、表示装置360を備える。サブユニット200は、発振器310と、分配器320と、分配器330と、増幅器340と、送受信ユニット201Aと、送受信ユニット201Bを備える。分配器320は発振器310に接続され、増幅器340は分配器320に接続され、分配器330は増幅器340に接続されている。
【0074】
送受信ユニット201Aは、検波器221Aと、スイッチ231と、スイッチ232と、アンテナアレイ211Aを備える。検波器221Aは分配器320に接続され、スイッチ231は分配器330に接続され、スイッチ232は検波器221Aに接続されている。アンテナアレイ211Aは、送信アンテナ701−1〜701−Lと、受信アンテナ801−1〜801−Lを備える。送信アンテナ701−1〜701−L及び受信アンテナ801−1〜801−Lの各々は、パッチアンテナである。
【0075】
送受信ユニット201Bは、検波器221Bと、スイッチ233と、スイッチ234と、アンテナアレイ211Bを備える。検波器221Bは分配器320に接続され、スイッチ233は分配器330に接続され、スイッチ234は検波器221Bに接続されている。アンテナアレイ211Bは、送信アンテナ702−1〜702−Lと、受信アンテナ802−1〜802−Lを備える。送信アンテナ702−1〜702−L及び受信アンテナ802−1〜802−Lの各々は、パッチアンテナである。
【0076】
発振器310は、所定の周波数(10GHz程度)の送信信号501を出力する。分配器320は、送信信号501に基づいて、送信信号502と、送信信号502Aと、送信信号502Bを出力する。増幅器340は、送信信号502を増幅して送信信号503として出力する。分配器330は、送信信号503に基づいて、送信信号504Aと、送信信号504Bを出力する。送信信号504Aはスイッチ231に入力され、送信信号504Bはスイッチ233に入力される。送信信号502Aは検波器221Aに入力され、送信信号502Bは検波器221Bに入力される。
【0077】
スイッチ231は、送信アンテナ701−1〜701−Lの一つとしての送信アンテナ701を分配器330に接続する。スイッチ232は、送信アンテナ701が分配器330に接続されているときに、受信アンテナ801−1〜801−Lの一つとしての受信アンテナ801を検波器221Aに接続する。このとき、送信アンテナ701は、送信信号504Aに基づいて電波511Aを送信する。受信アンテナ801は、電波511Aが上述の対象物体99等によって反射された反射波としての電波512Aを受信し、電波512Aに基づいて受信信号521Aを出力する。検波器221Aは、送信信号502A及び受信信号521Aに基づいて、受信信号521AのI相データ及びQ相データを示す検波信号531Aを生成する。検波信号531Aは、図示されないAD変換器によりデジタル信号に変換され、画像処理装置350に入力される。スイッチ231は、分配器330と接続する送信アンテナ701を送信アンテナ701−1〜701−Lの中で切り替える。スイッチ232は、検波器221Aと接続する受信アンテナ801を受信アンテナ801−1〜801−Lの中で切り替える。
【0078】
スイッチ233は、送信アンテナ702−1〜702−Lの一つとしての送信アンテナ702を分配器330に接続する。スイッチ234は、送信アンテナ702が分配器330に接続されているときに、受信アンテナ802−1〜802−Lの一つとしての受信アンテナ802を検波器221Bに接続する。このとき、送信アンテナ702は、送信信号504Bに基づいて電波511Bを送信する。受信アンテナ802は、電波511Bが上述の対象物体99等によって反射された反射波としての電波512Bを受信し、電波512Bに基づいて受信信号521Bを出力する。検波器221Bは、送信信号502B及び受信信号521Bに基づいて、受信信号521BのI相データ及びQ相データを示す検波信号531Bを生成する。検波信号531Bは、AD変換器によりデジタル信号に変換され、画像処理装置350に入力される。スイッチ233は、分配器330と接続する送信アンテナ702を送信アンテナ702−1〜702−Lの中で切り替える。スイッチ234は、検波器221Bと接続する受信アンテナ802を受信アンテナ802−1〜802−Lの中で切り替える。
【0079】
画像処理装置350は、検波信号531A及び検波信号531Bに基づいて、画像のデータとしての画像データ540を生成する。このとき、画像処理装置350は、数式1に基づいてI相データ及びQ相データから振幅Aと位相θを算出する。この際、位相θについて180°のあいまいさが発生する。画像処理装置350は、I相データとQ相データの符号判定により、あいまいさを解消する。画像データ540は、例えば、画像を構成するピクセルの輝度を示す。表示装置360は、画像データ540に基づいて画像を表示する。その結果、対象物体99等の画像が表示装置360に表示される。
【0080】
図10を参照して、アンテナアレイ211A及び211Bの構成を説明する。送信アンテナ701−1〜701−4は、直線S11に沿って等間隔で配列されている。受信アンテナ801−1〜801−4は、直線S12に沿って等間隔で配列されている。送信アンテナ702−1〜702−4は、直線S13に沿って等間隔で配列されている。受信アンテナ802−1〜802−4は、直線S14に沿って等間隔で配列されている。直線S11〜S14の各々は、互いに直交する矢印401及び402が張る平面上に配置されている。直線S11〜S14の各々は、矢印402に平行である。直線S12は、直線S11に対して矢印401の方向にずれている。直線S14は、直線S13に対して矢印401の方向にずれている。
【0081】
送信アンテナ701−1〜701−Lの各々は、出力される電波が垂直偏波となるように設けられた給電ピン751を備える。受信アンテナ801−1〜801−Lの各々は、給電ピン751と同様に設けられた給電ピン851を備える。送信アンテナ702−1〜702−Lの各々は、出力される電波が水平偏波となるように設けられた給電ピン752を備える。受信アンテナ802−1〜802−Lの各々は、給電ピン752と同様に設けられた給電ピン852を備える。矢印401は垂直偏波に対応し、矢印402は水平偏波に対応する。
【0082】
したがって、受信アンテナ801−1〜801−Lは、送信アンテナ701−1〜701−Lと偏波面が一致する(偏波面が平行である)。送信アンテナ702−1〜702−Lは、送信アンテナ701−1〜701−Lと偏波面が直交する。受信アンテナ802−1〜802−Lは、送信アンテナ702−1〜702−Lと偏波面が一致する。
【0083】
図10を参照して、送受信ユニット201Aの動作を説明する。スイッチ231が送信アンテナ701−1を分配器330に接続し、同時に、スイッチ232が受信アンテナ801−1を検波器221Aに接続する。次に、スイッチ231が送信アンテナ701−2を分配器330に接続し、同時に、スイッチ232が受信アンテナ801−1を検波器221Aに接続する。次に、スイッチ231が送信アンテナ701−2を分配器330に接続し、同時に、スイッチ232が受信アンテナ801−2を検波器221Aに接続する。このようにして、上述のI相データ及びQ相データの組が順次取得される。各組は、アンテナアレイ211Aの前方空間に関するデータである。
【0084】
図10を参照して、送受信ユニット201Bの動作を説明する。スイッチ233が送信アンテナ702−1を分配器330に接続し、同時に、スイッチ234が受信アンテナ802−1を検波器221Bに接続する。次に、スイッチ233が送信アンテナ702−2を分配器330に接続し、同時に、スイッチ234が受信アンテナ802−1を検波器221bに接続する。次に、スイッチ233が送信アンテナ702−2を分配器330に接続し、同時に、スイッチ234が受信アンテナ802−2を検波器221Bに接続する。このようにして、上述のI相データ及びQ相データの組が順次取得される。各組は、アンテナアレイ211Bの前方空間に関するデータである。
【0085】
このようにして得られた複数組のデータに基づいて、画像データ540が生成される。
【0086】
送受信ユニット201A及び201Bが互いに偏波面が直交する電波(マイクロ波)を利用しているため、送受信ユニット201A及び201Bは、同時に電波を送信してデータを取得することが可能である。したがって、検査装置100においては、検査時間が短縮される。
【0087】
なお、検査装置100は、サブユニット200を複数備えてもよい。
【0088】
(第6の実施形態)
図11は、本発明の第6の実施形態に係る検査装置110を示す。検査装置110は、発振器310と、分配器320及び330と、増幅器340と、送受信ユニット202A〜202Dと、画像処理装置350と、表示装置360を備える。分配器320は発振器310に接続され、増幅器340は分配器320に接続され、分配器330は増幅器340に接続されている。
【0089】
送受信ユニット202Aは、変調器250Aと、検波器222Aと、スイッチ241と、スイッチ242と、アンテナアレイ212Aを備える。検波器222Aは分配器320に接続され、変調器250Aは分配器330に接続され、スイッチ241は変調器250Aに接続され、スイッチ242は検波器222Aに接続されている。変調器250Aは、発振器251Aと、ミキサ252Aを備える。アンテナアレイ212Aは、送信アンテナ711−1〜711−Lと、受信アンテナ811−1〜811−Lを備える。送信アンテナ711−1〜711−L及び受信アンテナ811−1〜811−Lの各々は、パッチアンテナである。
【0090】
送受信ユニット202Bは、変調器250Bと、検波器222Bと、スイッチ243と、スイッチ244と、アンテナアレイ212Bを備える。検波器222Bは分配器320に接続され、変調器250Bは分配器330に接続され、スイッチ243は変調器250Bに接続され、スイッチ244は検波器222Bに接続されている。変調器250Bは、発振器251Bと、ミキサ252Bを備える。アンテナアレイ212Bは、送信アンテナ712−1〜712−Lと、受信アンテナ812−1〜812−Lを備える。送信アンテナ712−1〜712−L及び受信アンテナ812−1〜812−Lの各々は、パッチアンテナである。
【0091】
送受信ユニット202Cは、変調器250Cと、検波器222Cと、スイッチ245と、スイッチ246と、アンテナアレイ212Cを備える。検波器222Cは分配器320に接続され、変調器250Cは分配器330に接続され、スイッチ245は変調器250Cに接続され、スイッチ246は検波器222Cに接続されている。変調器250Cは、発振器251Cと、ミキサ252Cを備える。アンテナアレイ212Cは、送信アンテナ713−1〜713−Lと、受信アンテナ813−1〜813−Lを備える。送信アンテナ713−1〜713−L及び受信アンテナ813−1〜813−Lの各々は、パッチアンテナである。
【0092】
送受信ユニット202Dは、変調器250Dと、検波器222Dと、スイッチ247と、スイッチ248と、アンテナアレイ212Dを備える。検波器222Dは分配器320に接続され、変調器250Dは分配器330に接続され、スイッチ247は変調器250Dに接続され、スイッチ248は検波器222Dに接続されている。変調器250Dは、発振器251Dと、ミキサ252Dを備える。アンテナアレイ212Dは、送信アンテナ714−1〜714−Lと、受信アンテナ814−1〜814−Lを備える。送信アンテナ714−1〜714−L及び受信アンテナ814−1〜814−Lの各々は、パッチアンテナである。
【0093】
発振器310は、所定の周波数(10GHz程度)の搬送波信号601を出力する。分配器320は、搬送波信号601に基づいて、搬送波信号602と、搬送波信号602A〜602Dを出力する。増幅器340は、搬送波信号602を増幅して搬送波信号603として出力する。分配器330は、搬送波信号603に基づいて、搬送波信号604A〜604Dを出力する。搬送波信号604A〜604Dは、変調器250A〜250Dにそれぞれ入力される。発振器251Aは、所定の周波数f1(例示:100kHz)の変調用信号605Aを出力する。ミキサ252Aは、変調用信号605Aを用いて搬送波信号604Aを変調した変調波信号606Aを出力する。発振器251Bは、周波数f1の変調用信号605Bを出力する。ミキサ252Bは、変調用信号605Bを用いて搬送波信号604Bを変調した変調波信号606Bを出力する。発振器251Cは、所定の周波数f2(例示:130kHz)の変調用信号605Cを出力する。ここで、周波数f1及びf2は、互いに倍数関係にない異なる周波数である。ミキサ252Cは、変調用信号605Cを用いて搬送波信号604Cを変調した変調波信号606Cを出力する。発振器251Dは、周波数f2の変調用信号605Dを出力する。ミキサ252Dは、変調用信号605Dを用いて搬送波信号604Dを変調した変調波信号606Dを出力する。搬送波信号602A〜602Dは、検波器222A〜222Dにそれぞれ入力される。変調用信号605A〜605Dは、検波器222A〜222Dにそれぞれ入力される。
【0094】
スイッチ241は、送信アンテナ711−1〜711−Lの一つとしての送信アンテナ711を変調器250Aに接続する。スイッチ242は、送信アンテナ711が変調器250Aに接続されているときに、受信アンテナ811−1〜811−Lの一つとしての受信アンテナ811を検波器222Aに接続する。このとき、送信アンテナ711は、変調波信号606Aに基づいて周波数f1で変調された電波611Aを送信する。受信アンテナ811は、電波611Aが上述の対象物体99等によって反射された反射波としての電波612Aを受信し、電波612Aに基づいて受信信号621Aを出力する。検波器222Aは、搬送波信号602A、変調用信号605A及び受信信号621Aに基づいて、受信信号621Aの周波数f1の成分のI相データ及びQ相データを示す検波信号631Aを生成する。より具体的には、検波器222Aは、I相に対応する受信信号621A及びQ相に対応する受信信号621Aのそれぞれと搬送波信号602Aをミキシングして変調信号成分を取り出し、変調信号成分と変調用信号605AをミキシングしてI相データ及びQ相データを示す検波信号631Aを取り出す。検波信号631Aは、図示されないAD変換器によりデジタル信号に変換され、画像処理装置350に入力される。スイッチ241は、変調器250Aと接続する送信アンテナ711を送信アンテナ711−1〜711−Lの中で切り替える。スイッチ242は、検波器222Aと接続する受信アンテナ811を受信アンテナ811−1〜811−Lの中で切り替える。
【0095】
スイッチ243は、送信アンテナ712−1〜712−Lの一つとしての送信アンテナ712を変調器250Bに接続する。スイッチ244は、送信アンテナ712が変調器250Bに接続されているときに、受信アンテナ812−1〜812−Lの一つとしての受信アンテナ812を検波器222Bに接続する。このとき、送信アンテナ712は、変調波信号606Bに基づいて周波数f1で変調された電波611Bを送信する。受信アンテナ812は、電波611Bが上述の対象物体99等によって反射された反射波としての電波612Bを受信し、電波612Bに基づいて受信信号621Bを出力する。検波器222Bは、検波器222Aと同様に、搬送波信号602B、変調用信号605B及び受信信号621Bに基づいて、受信信号621Bの周波数f1の成分のI相データ及びQ相データを示す検波信号631Bを生成する。検波信号631Bは、AD変換器によりデジタル信号に変換され、画像処理装置350に入力される。スイッチ243は、変調器250Bと接続する送信アンテナ712を送信アンテナ712−1〜712−Lの中で切り替える。スイッチ244は、検波器222Bと接続する受信アンテナ812を受信アンテナ812−1〜812−Lの中で切り替える。
【0096】
スイッチ245は、送信アンテナ713−1〜713−Lの一つとしての送信アンテナ713を変調器250Cに接続する。スイッチ246は、送信アンテナ713が変調器250Cに接続されているときに、受信アンテナ813−1〜813−Lの一つとしての受信アンテナ813を検波器222Cに接続する。このとき、送信アンテナ713は、変調波信号606Cに基づいて周波数f2で変調された電波611Cを送信する。受信アンテナ813は、電波611Cが上述の対象物体99等によって反射された反射波としての電波612Cを受信し、電波612Cに基づいて受信信号621Cを出力する。検波器222Cは、検波器222Aと同様に、搬送波信号602C、変調用信号605C及び受信信号621Cに基づいて、受信信号621Cの周波数f2の成分のI相データ及びQ相データを示す検波信号631Cを生成する。検波信号631Cは、AD変換器によりデジタル信号に変換され、画像処理装置350に入力される。スイッチ245は、変調器250Cと接続する送信アンテナ713を送信アンテナ713−1〜713−Lの中で切り替える。スイッチ246は、検波器222Cと接続する受信アンテナ813を受信アンテナ813−1〜813−Lの中で切り替える。
【0097】
スイッチ247は、送信アンテナ714−1〜714−Lの一つとしての送信アンテナ714を変調器250Dに接続する。スイッチ248は、送信アンテナ714が変調器250Dに接続されているときに、受信アンテナ814−1〜814−Lの一つとしての受信アンテナ814を検波器222Dに接続する。このとき、送信アンテナ714は、変調波信号606Dに基づいて周波数f2で変調された電波611Dを送信する。受信アンテナ814は、電波611Dが上述の対象物体99等によって反射された反射波としての電波612Dを受信し、電波612Dに基づいて受信信号621Dを出力する。検波器222Dは、検波器222Aと同様に、搬送波信号602D、変調用信号605D及び受信信号621Dに基づいて、受信信号621Dの周波数f2の成分のI相データ及びQ相データ検波信号631Dを生成する。検波信号631Dは、AD変換器によりデジタル信号に変換され、画像処理装置350に入力される。スイッチ247は、変調器250Dと接続する送信アンテナ714を送信アンテナ714−1〜714−Lの中で切り替える。スイッチ248は、検波器222Dと接続する受信アンテナ814を受信アンテナ814−1〜814−Lの中で切り替える。
【0098】
画像処理装置350は、検波信号631A〜631Dに基づいて、画像のデータとしての画像データ540を生成する。このとき、画像処理装置350は、数式1に基づいてI相データ及びQ相データから振幅Aと位相θを算出する。この際、位相θについて180°のあいまいさが発生する。画像処理装置350は、I相データとQ相データの符号判定により、あいまいさを解消する。画像データ540は、例えば、画像を構成するピクセルの輝度を示す。表示装置360は、画像データ540に基づいて画像を表示する。その結果、対象物体99等の画像が表示装置360に表示される。
【0099】
図12を参照して、アンテナアレイ212A乃至212Dの構成を説明する。送信アンテナ711−1〜711−3は、直線S21に沿って等間隔で配列されている。受信アンテナ811−1〜811−3は、直線S22に沿って等間隔で配列されている。送信アンテナ712−1〜712−3は、直線S23に沿って等間隔で配列されている。受信アンテナ812−1〜822−3は、直線S24に沿って等間隔で配列されている。送信アンテナ713−1〜713−3は、直線S25に沿って等間隔で配列されている。受信アンテナ813−1〜813−3は、直線S26に沿って等間隔で配列されている。送信アンテナ714−1〜714−3は、直線S27に沿って等間隔で配列されている。受信アンテナ814−1〜814−3は、直線S28に沿って等間隔で配列されている。直線S21〜S28の各々は、互いに直交する矢印401及び402が張る平面上に配置されている。直線S21〜S28の各々は、矢印402に平行である。直線S22は、直線S21に対して矢印401の方向にずれている。直線S24は、直線S23に対して矢印401の方向にずれている。直線S26は、直線S25に対して矢印401の方向にずれている。直線S28は、直線S27に対して矢印401の方向にずれている。
【0100】
送信アンテナ711−1〜711−L及び713−1〜713−Lの各々は、出力される電波が垂直偏波となるように設けられた給電ピン751を備える。受信アンテナ811−1〜811−L及び813−1〜813−Lの各々は、給電ピン751と同様に設けられた給電ピン851を備える。送信アンテナ712−1〜712−L及び714−1〜714−Lの各々は、出力される電波が水平偏波となるように設けられた給電ピン752を備える。受信アンテナ812−1〜812−L及び814−1〜814−Lの各々は、給電ピン752と同様に設けられた給電ピン852を備える。矢印401は垂直偏波に対応し、矢印402は水平偏波に対応する。
【0101】
したがって、受信アンテナ811−1〜811−Lは、送信アンテナ711−1〜711−Lと偏波面が一致する。送信アンテナ712−1〜712−Lは、送信アンテナ711−1〜711−Lと偏波面が直交する。受信アンテナ812−1〜812−Lは、送信アンテナ712−1〜712−Lと偏波面が一致する。送信アンテナ713−1〜713−Lは、送信アンテナ711−1〜711−Lと偏波面が一致する。受信アンテナ813−1〜813−Lは、送信アンテナ713−1〜713−Lと偏波面が一致する。送信アンテナ714−1〜714−Lは、送信アンテナ711−1〜711−Lと偏波面が直交する。受信アンテナ814−1〜814−Lは、送信アンテナ714−1〜714−Lと偏波面が一致する。
【0102】
図12を参照して、送受信ユニット202Aの動作を説明する。スイッチ241が送信アンテナ711−1を変調器250Aに接続し、同時に、スイッチ242が受信アンテナ811−1を検波器222Aに接続する。次に、スイッチ241が送信アンテナ711−2を変調器250Aに接続し、同時に、スイッチ242が受信アンテナ811−1を検波器222Aに接続する。次に、スイッチ241が送信アンテナ711−2を変調器250Aに接続し、同時に、スイッチ242が受信アンテナ811−2を検波器222Aに接続する。このようにして、上述のI相データ及びQ相データの組が順次取得される。各組は、アンテナアレイ212Aの前方空間に関するデータである。
【0103】
図12を参照して、送受信ユニット202Bの動作を説明する。スイッチ243が送信アンテナ712−1を変調器250Bに接続し、同時に、スイッチ244が受信アンテナ812−1を検波器222Bに接続する。次に、スイッチ243が送信アンテナ712−2を変調器250Bに接続し、同時に、スイッチ244が受信アンテナ812−1を検波器222Bに接続する。次に、スイッチ243が送信アンテナ712−2を変調器250Bに接続し、同時に、スイッチ244が受信アンテナ812−2を検波器222Bに接続する。このようにして、上述のI相データ及びQ相データの組が順次取得される。各組は、アンテナアレイ212Bの前方空間に関するデータである。
【0104】
図12を参照して、送受信ユニット202Cの動作を説明する。スイッチ245が送信アンテナ713−1を変調器250Cに接続し、同時に、スイッチ246が受信アンテナ813−1を検波器222Cに接続する。次に、スイッチ245が送信アンテナ713−2を変調器250Cに接続し、同時に、スイッチ246が受信アンテナ813−1を検波器222Cに接続する。次に、スイッチ245が送信アンテナ713−2を変調器250Cに接続し、同時に、スイッチ246が受信アンテナ813−2を検波器222Cに接続する。このようにして、上述のI相データ及びQ相データの組が順次取得される。各組は、アンテナアレイ212Cの前方空間に関するデータである。
【0105】
図12を参照して、送受信ユニット202Dの動作を説明する。スイッチ247が送信アンテナ714−1を変調器250Dに接続し、同時に、スイッチ248が受信アンテナ814−1を検波器222Dに接続する。次に、スイッチ247が送信アンテナ714−2を変調器250Dに接続し、同時に、スイッチ248が受信アンテナ814−1を検波器222Dに接続する。次に、スイッチ247が送信アンテナ714−2を変調器250Dに接続し、同時に、スイッチ248が受信アンテナ814−2を検波器222Dに接続する。このようにして、上述のI相データ及びQ相データの組が順次取得される。各組は、アンテナアレイ212Dの前方空間に関するデータである。
【0106】
このようにして得られた複数組のデータに基づいて、画像データ540が生成される。
【0107】
送受信ユニット202A〜202Dが、互いに偏波面が直交するか、又は変調周波数の異なる電波(マイクロ波)を利用しているため、送受信ユニット202A〜202Dは、同時に電波を送信してデータを取得することが可能である。したがって、検査装置110においては、検査時間が短縮される。
【0108】
検査装置110は、送受信ユニット202A〜202Dのような送受信ユニットを更に備えてもよい。
【0109】
(第7の実施形態)
図13は、本発明の第7の実施形態に係る検査装置120を示す。検査装置120は、検査装置110に異常値除外処理装置370が追加されたものに対応する。異常値除外処理装置370は、送受信ユニット202A〜202Dと画像処理装置350との間に設けられている。検査装置120の動作は、検査装置110の動作と基本的に同じである。検査装置120の動作の検査装置110の動作と異なる部分を以下に説明する。
【0110】
発振器251Aは、周波数f1の変調用信号605A、周波数f2の変調用信号605A、周波数f3の変調用信号605Aを出力する。送信アンテナ711は、周波数f1、f2及びf3で変調された電波611Aを送信する。検波器222Aは、受信信号621Aの周波数f1の成分のI相データAI1及びQ相データAQ1を示す検波信号631Aと、受信信号621Aの周波数f2の成分のI相データAI2及びQ相データAQ2を示す検波信号631Aと、受信信号621Aの周波数f3の成分のI相データAI3及び相データAQ3を示す検波信号631Aを生成する。
【0111】
発振器251Bは、周波数f1の変調用信号605B、周波数f2の変調用信号605B、周波数f3の変調用信号605Bを出力する。送信アンテナ712は、周波数f1、f2及びf3で変調された電波611Bを送信する。検波器222Bは、受信信号621Bの周波数f1の成分のI相データBI1及びQ相データBQ1を示す検波信号631Bと、受信信号621Bの周波数f2の成分のI相データBI2及びQ相データBQ2を示す検波信号631Bと、受信信号621Bの周波数f3の成分のI相データBI3及びQ相データBQ3を示す検波信号631Bを生成する。
【0112】
発振器251Cは、周波数f4の変調用信号605C、周波数f5の変調用信号605C、周波数f6の変調用信号605Cを出力する。送信アンテナ713は、周波数f4、f5及びf6で変調された電波611Cを送信する。検波器222Cは、受信信号621Cの周波数f4の成分のI相データCI4及びQ相データCQ4を示す検波信号631Cと、受信信号621Cの周波数f5の成分のI相データCI5及びQ相データCQ5を示す検波信号631Cと、受信信号621Cの周波数f6の成分のI相データCI6及びQ相データCQ6を示す検波信号631Cを生成する。
【0113】
発振器251Dは、周波数f4の変調用信号605D、周波数f5の変調用信号605D、周波数f6の変調用信号605Dを出力する。送信アンテナ714は、周波数f4、f5及びf6で変調された電波611Dを送信する。検波器222Dは、受信信号621Dの周波数f4の成分のI相データDI4及びQ相データDQ4を示す検波信号631Dと、受信信号621Dの周波数f5の成分のI相データDI5及びQ相データDQ5を示す検波信号631Dと、受信信号621Dの周波数f6の成分のI相データDI6及びQ相データDQ6を示す検波信号631Dを生成する。
【0114】
周波数f1〜f6は、互いに倍数関係にない異なる周波数である。
【0115】
異常値除外処理装置370は、検波信号631Aに基づいて、I相データAI1、AI2、AI3から異常値を除いた残りの平均のデータと、Q相データAQ1、AQ2、AQ3から異常値を除いた残りの平均のデータとを示す異常値除外処理済検波信号632Aを出力する。異常値除外処理装置370は、検波信号631Bに基づいて、I相データBI1、BI2、BI3から異常値を除いた残りの平均のデータと、Q相データBQ1、BQ2、BQ3から異常値を除いた残りの平均のデータとを示す異常値除外処理済検波信号632Bを出力する。異常値除外処理装置370は、検波信号631Cに基づいて、I相データCI4、CI5、CI6から異常値を除いた残りの平均のデータと、Q相データCQ4、CQ5、CQ6から異常値を除いた残りの平均のデータとを示す異常値除外処理済検波信号632Cを出力する。異常値除外処理装置370は、検波信号631Dに基づいて、I相データDI4、DI5、DI6から異常値を除いた残りの平均のデータと、Q相データDQ4、DQ5、DQ6から異常値を除いた残りの平均のデータとを示す異常値除外処理済検波信号632Dを出力する。
【0116】
画像処理装置350は、異常値除外処理済検波信号632A〜632Dに基づいて画像データ540を生成する。
【0117】
本実施形態によれば、検査装置120による測定精度が向上する。なお、上述のように3種類の周波数を用いるかわりに、4種類以上の周波数を用いて電波611A〜611Dの各々を変調してもよい。また、異常値を除外した上で平均をとるかわりに、中間値を求めてもよい。さらに、2種類の周波数を用いて電波611A〜611Dを変調し、得られたデータの平均をとる場合にも測定精度がある程度は向上する。
【0118】
なお、異常値除外処理装置370は画像処理装置350に組み込まれてもよい。
【0119】
(第8の実施形態)
図14は、本発明の第8の実施形態に係る検査装置130を示す。検査装置130は、検査装置120に補正処理装置380が追加されたものに対応する。補正処理装置380は、例えばコンピュータプログラムに基づいて動作するコンピュータであり、異常値除外処理装置370と画像処理装置350の間に設けられる。検査装置130が実行するキャリブレーション方法を以下に説明する。なお、検査装置130の基本的な動作は、検査装置120の動作と同じである。
【0120】
図15に示すように検査装置130の前に何も置かない状態で、I相データAI1、AI2、AI3から異常値を除いた残りの平均のデータI_openと、Q相データAQ1、AQ2、AQ3から異常値を除いた残りの平均のデータQ_openを取得する。補正処理装置380は、データI_open及びデータQ_openを記憶する。
【0121】
図16に示すように検査装置130の前に金属平板900を置いた状態で、I相データAI1、AI2、AI3から異常値を除いた残りの平均のデータI_shortと、Q相データAQ1、AQ2、AQ3から異常値を除いた残りの平均のデータQ_shortを取得する。補正処理装置380は、データI_short及びデータQ_shortを記憶する。金属平板900は、対象物体99が通ることが予想される位置に検査装置130と対向するように置かれることが好ましい。
【0122】
図17に示すように、対象物体99を検査装置130の前に配置した状態で、I相データAI1、AI2、AI3から異常値を除いた残りの平均のデータIと、Q相データAQ1、AQ2、AQ3から異常値を除いた残りの平均のデータQを取得する。補正処理装置380は、下記式に基づいてデータI及びQを補正し、補正後のデータI_corr及びQ_corrを求める。
I_corr=(I−I_open)/(I−I_short)
Q_corr=(Q−Q_open)/(Q−Q_short)
【0123】
上述のように、補正処理装置380は、検査装置130の前に何も置かない状態で得られた異常値除外処理済検波信号632Aと、検査装置130の前に金属平板900を置いた状態で得られた異常値除外処理済検波信号632Aと、検査装置130の前に対象物体99を置いた状態で得られた異常値除外処理済検波信号632Aとに基づいて、補正後のデータI_corr及びQ_corrを求め、補正後のデータI_corr及びQ_corrを示す補正処理済検波信号633Aを出力する。
【0124】
同様に、補正処理装置380は、検査装置130の前に何も置かない状態で得られた異常値除外処理済検波信号632Bと、検査装置130の前に金属平板900を置いた状態で得られた異常値除外処理済検波信号632Bと、検査装置130の前に対象物体99を置いた状態で得られた異常値除外処理済検波信号632Bとに基づいて、補正後のデータを求め、補正後のデータを示す補正処理済検波信号633Bを出力する。補正処理装置380は、検査装置130の前に何も置かない状態で得られた異常値除外処理済検波信号632Cと、検査装置130の前に金属平板900を置いた状態で得られた異常値除外処理済検波信号632Cと、検査装置130の前に対象物体99を置いた状態で得られた異常値除外処理済検波信号632Cとに基づいて、補正後のデータを求め、補正後のデータを示す補正処理済検波信号633Cを出力する。補正処理装置380は、検査装置130の前に何も置かない状態で得られた異常値除外処理済検波信号632Dと、検査装置130の前に金属平板900を置いた状態で得られた異常値除外処理済検波信号632Dと、検査装置130の前に対象物体99を置いた状態で得られた異常値除外処理済検波信号632Dとに基づいて、補正後のデータを求め、補正後のデータを示す補正処理済検波信号633Dを出力する。
【0125】
画像処理装置350は、補正処理済検波信号633A〜633Dに基づいて画像データ540を生成する。
【0126】
上述のキャリブレーション方法によれば、アンテナのゲインによる誤差、検波器からアンテナまでの移相量のばらつきによる誤差、送信アンテナから受信アンテナに直接到来する不要波による誤差、が除去される。したがって、検査装置130による測定精度が向上する。
【0127】
補正処理装置380は、画像処理装置350に組み込まれてもよい。
【0128】
本実施形態に係る補正処理装置380及びキャリブレーション方法は、上記各実施形態に係る検査装置及び検査方法と組み合わせることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る検査装置のブロック図である。
【図2】図2は、第1の実施形態に係る検査装置の動作の一例を説明するための図であり、検査装置のアンテナアレイを示す。
【図3】図3は、第1の実施形態に係る検査装置の動作の他の一例を説明するための図であり、アンテナアレイを示す。
【図4】図4は、第2の実施形態に係る検査装置のアンテナアレイの一の形態を示す。
【図5】図5は、第2の実施形態に係る検査装置のアンテナアレイの他の形態を示す。
【図6】図6は、第3の実施形態に係る検査装置における送信アンテナと受信アンテナの間の距離とアイソレーションの関係のグラフを示す。
【図7】図7は、第4の実施形態に係る検査装置の送受信ユニットのブロック図である。
【図8】図8は、第4の実施形態に係る検査装置の動作を説明するための図であり、検査装置のアンテナアレイを示す。
【図9】図9は、第5の実施形態に係る検査装置のブロック図である。
【図10】図10は、第5の実施形態に係る検査装置のアンテナアレイを示す。
【図11】図11は、第6の実施形態に係る検査装置のブロック図である。
【図12】図12は、第6の実施形態に係る検査装置のアンテナアレイを示す。
【図13】図13は、第7の実施形態に係る検査装置のブロック図である。
【図14】図14は、第8の実施形態に係る検査装置の一部のブロック図である。
【図15】図15は、第8の実施形態に係る検査方法を説明するための概略図である。
【図16】図16は、第8の実施形態に係る検査方法を説明するための概略図である。
【図17】図17は、第8の実施形態に係る検査方法を説明するための概略図である。
【符号の説明】
【0130】
1…検査装置
2−1〜2−K…送受信ユニット
20…アンテナアレイ
21、21−1〜21−L…送信アンテナ
21a−1〜21a−8…放射電極
21b−1、21b−2…接地電極
22、22−1〜22−L…受信アンテナ
22a−1〜22a−4…受信電極
22b−1…接地電極
23、24…スイッチ
25…発振器
26…検波器
27…増幅器
28、28−1〜28−4…基板
3…画像処理装置
4…表示装置
5…送受信ユニット
50…アンテナアレイ
51−1〜51−M…送信ユニット
52−1〜52−M…受信ユニット
53、54…電力分配器
55…発振器
56…検波器
57、57−1〜57−N…送信アンテナ
58、58−1〜58−N…受信アンテナ
60…変調器
61…発振器
62…ミキサ
63…増幅器
64、65…スイッチ
71…送信信号
72、72’…電波
73…受信信号
74…検波信号
75…画像データ
81…搬送波信号(送信信号)
82…変調用信号
83…変調波信号
84、84’…電波
85…受信信号
91、92…干渉波
99…対象物体
S1〜S7、P1〜P10、P1’〜P14’、P21、P22…直線
100、110、120、130…検査装置
200…サブユニット
201A、201B、202A〜202D…送受信ユニット
211A、211B、212A〜212D…アンテナアレイ
221A、221B、222A〜222D…検波器
231〜234、241〜248…スイッチ
250A〜250D…変調器
251A〜251D…発振器
252A〜252D…ミキサ
701−1〜701−L、702−1〜702−L、711−1〜711−L、712−1〜712−L、713−1〜713−L、714−1〜714−L…送信アンテナ
801−1〜801−L、802−1〜802−L、811−1〜811−L、812−1〜812−L、813−1〜813−L、814−1〜814−L…受信アンテナ
751、752、851、852…給電ピン
310…発振器
320、330…分配器
340…増幅器
350…画像処理装置
360…表示装置
370…異常値除外処理装置
380…補正処理装置
401…(垂直偏波を示す)矢印
402…(水平偏波を示す)矢印
501〜503、502A、502B、504A、504B…送信信号
511A、511B、512A、512B…電波
521A、521B、…受信信号
531A、531B…検波信号
540…画像データ
601〜603、602A〜602D、604A〜604D…搬送波信号
605A〜605D…変調用信号
606A〜606D…変調波信号
611A〜611D、612A〜612D…電波
621A〜621D…受信信号
631A〜631D…検波信号
632A〜632D…異常値除外処理済検波信号
633A〜633D…補正処理済検波信号
900…金属平板
S11〜S14、S21〜S28…直線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査装置を用いる検査方法であって、
前記検査装置は、
第1直線に沿って配列された第1送信アンテナ群と、
前記第1直線に平行な第2直線に沿って配列された第1受信アンテナ群と、
送信信号を生成する発振器と、
前記送信信号が入力される検波器と、
スイッチと、
画像処理装置と
を具備し、
前記送信アンテナ群は、第1送信アンテナを含み、
前記受信アンテナ群は、第1受信アンテナ及び第2受信アンテナを含み、
前記スイッチは、前記第1送信アンテナと前記発振器が接続されているときに前記第1受信アンテナと前記検波器とを接続し、
前記第1送信アンテナと前記第1受信アンテナとの第1距離は、前記第1送信アンテナと前記第2受信アンテナとの第2距離より長く、
前記検査方法は、
前記第1送信アンテナが、前記送信信号に基づいて電波を出力するステップと、
前記第1受信アンテナが、受信した電波に基づいて第1受信信号を出力するステップと、
前記検波器が、前記第1受信信号に基づいて、第1検波信号を生成するステップと、
前記画像処理装置が、前記第1検波信号に基づいて画像のデータを生成するステップと
を具備する
検査方法。
【請求項2】
前記第1送信アンテナ群は、送信側接地電極を備え、
前記第1受信アンテナ群は、受信側接地電極を備え、
前記送信側接地電極と前記受信側接地電極とが電気的に分離された
請求項1の検査方法。
【請求項3】
前記送信側接地電極は、送信側基板に設けられ
前記受信側接地電極は、受信側基板に設けられ、
前記送信側基板と前記受信側基板とが電気的に分離された
請求項2の検査方法。
【請求項4】
前記検査方法は、
前記第1送信アンテナと前記第1受信アンテナのアイソレーションが極小となる前記第1送信アンテナと前記第1受信アンテナとの距離LMINを求めるステップと、
前記送信アンテナと前記受信アンテナとの距離Lを、前記距離LMINの近傍の値となるように設定するステップと
を具備する
請求項1乃至3のいずれかに記載の検査方法。
【請求項5】
前記検査装置は、
第2送信アンテナを含む第2送信アンテナ群と、
第3受信アンテナを含む第2受信アンテナ群と、
第1周波数の第1変調用信号を用いて前記送信信号を変調した第1変調波信号を出力する第1変調器と、
前記第1周波数と異なる第2周波数の第2変調用信号を用いて前記送信信号を変調した第2変調波信号を出力する第2変調器と
を具備し、
前記スイッチは、前記第1送信アンテナと前記第1変調器が接続されているときに前記第1受信アンテナと前記検波器とを接続し、前記第2送信アンテナと前記第2変調器が接続されているときに前記第3受信アンテナと前記検波器とを接続し、
前記検査方法は、
前記第1送信アンテナが、前記第1変調波信号に基づいて電波を出力するステップと、
前記第2送信アンテナが、前記第2変調波信号に基づいて電波を出力するステップと、
前記第3受信アンテナが、受信した電波に基づいて第2受信信号を出力するステップと、
前記検波器が、前記第1受信信号の前記第1周波数の成分に基づいて前記第1検波信号を生成し、前記第2受信信号の前記第2周波数の成分に基づいて第2検波信号を生成するステップと、
前記画像処理装置が、前記第2検波信号に基づいて前記データを生成するステップと
を具備する
請求項1乃至4のいずれかに記載の検査方法。
【請求項6】
検査装置を用いる検査方法であって、
前記検査装置は、
送信信号を生成する発振器と、
第1送信アンテナを含む第1送信アンテナ群と、
第1受信アンテナを含む第1受信アンテナ群と、
前記送信信号が入力される検波器と、
画像処理装置と
を具備し、
前記第1送信アンテナ群は、送信側接地電極を備え、
前記第1受信アンテナ群は、受信側接地電極を備え、
前記送信側接地電極と前記受信側接地電極とが電気的に分離され、
前記検査方法は、
前記第1送信アンテナが、前記送信信号に基づいて電波を出力するステップと、
前記第1受信アンテナが、受信した電波に基づいて第1受信信号を出力するステップと、
前記検波器が、前記第1受信信号に基づいて第1検波信号を生成するステップと、
前記画像処理装置が、前記第1検波信号に基づいて画像のデータを生成するステップと
を具備する
検査方法。
【請求項7】
前記送信側接地電極は、送信側基板に設けられ
前記受信側接地電極は、受信側基板に設けられ、
前記送信側基板と前記受信側基板とが電気的に分離された
請求項6の検査方法。
【請求項8】
検査装置を用いる検査方法であって、
前記検査装置は、
送信信号を生成する発振器と、
送信アンテナと、
受信アンテナと、
前記送信信号が入力される検波器と、
前記送信アンテナと前記発振器が接続されているときに前記受信アンテナと前記検波器とを接続するスイッチと、
画像処理装置と
を具備し、
前記送信アンテナが、前記送信信号に基づいて波長λ0の電波を出力するステップと、
前記受信アンテナが、受信した電波に基づいて受信信号を出力するステップと、
前記検波器が、前記受信信号に基づいて検波信号を生成するステップと、
前記画像処理装置が、前記検波信号に基づいて画像のデータを生成するステップと、
前記送信アンテナと前記受信アンテナとのアイソレーションが極小となる前記送信アンテナと前記受信アンテナとの距離LMINを求めるステップと、
前記送信アンテナと前記受信アンテナとの距離Lを、前記距離LMINの近傍の値となるように設定するステップと
を具備する
検査方法。
【請求項9】
検査装置を用いる検査方法であって、
前記検査装置は、
送信信号を生成する発振器と、
第1周波数の第1変調用信号を用いて前記送信信号を変調した第1変調波信号を出力する第1変調器と、
前記第1周波数と異なる第2周波数の第2変調用信号を用いて前記送信信号を変調した第2変調波信号を出力する第2変調器と、
第1送信アンテナと、
第2送信アンテナと、
第1受信アンテナと、
第2受信アンテナと、
前記送信信号が入力される検波器と、
スイッチと、
画像処理装置と
を具備し、
前記スイッチは、前記第1送信アンテナと前記第1変調器とが接続されているときに前記第1受信アンテナと前記検波器とを接続し、前記第2送信アンテナと前記第2変調器とが接続されているときに前記第2受信アンテナと前記検波器とを接続し、
前記検査方法は、
前記第1送信アンテナが、前記第1変調波信号に基づいて電波を出力するステップと、
前記第2送信アンテナが、前記第2変調波信号に基づいて電波を出力するステップと、
前記第1受信アンテナが、受信した電波に基づいて第1受信信号を出力するステップと、
前記第2受信アンテナが、受信した電波に基づいて第2受信信号を出力するステップと、
前記検波器が、前記第1受信信号の前記第1周波数の成分に基づいて第1検波信号を生成し、前記第2受信信号の前記第2周波数の成分に基づいて第2検波信号を生成するステップと、
前記画像処理装置が、前記第1検波信号及び前記第2検波信号に基づいて画像のデータを生成するステップと
を具備する
検査方法。
【請求項10】
第1直線に沿って配列された第1送信アンテナ群と、
前記第1直線に平行な第2直線に沿って配列された第1受信アンテナ群と、
送信信号を生成する発振器と、
前記送信信号が入力される検波器と、
スイッチと、
画像処理装置と
を具備し、
前記第1送信アンテナ群は、第1送信アンテナを含み、
前記第1受信アンテナ群は、第1受信アンテナ及び第2受信アンテナを含み、
前記第1送信アンテナは、前記送信信号に基づいて電波を出力し、
前記第1受信アンテナは、受信した電波に基づいて第1受信信号を出力し、
前記スイッチは、前記第1送信アンテナと前記発振器が接続されているときに前記第1受信アンテナと前記検波器とを接続し、
前記検波器は、前記第1受信信号に基づいて第1検波信号を生成し、
前記画像処理装置は、前記第1検波信号に基づいて画像のデータを生成し、
前記第1送信アンテナと前記第1受信アンテナとの第1距離は、前記第1送信アンテナと前記第2受信アンテナとの第2距離より長い
検査装置。
【請求項11】
前記第1送信アンテナ群は、送信側接地電極を備え、
前記第1受信アンテナ群は、受信側接地電極を備え、
前記送信側接地電極と前記受信側接地電極とが電気的に分離された
請求項10の検査装置。
【請求項12】
前記送信側接地電極は、送信側基板に設けられ
前記受信側接地電極は、受信側基板に設けられ、
前記送信側基板と前記受信側基板とが電気的に分離された
請求項11の検査装置。
【請求項13】
第2送信アンテナを含む第2送信アンテナ群と、
第3受信アンテナを含む第2受信アンテナ群と、
第1周波数の第1変調用信号を用いて前記送信信号を変調した第1変調波信号を出力する第1変調器と、
前記第1周波数と異なる第2周波数の第2変調用信号を用いて前記送信信号を変調した第2変調波信号を出力する第2変調器と
を具備し、
前記第1送信アンテナは、前記第1変調波信号に基づいて電波を出力し、
前記第2送信アンテナは、前記第2変調波信号に基づいて電波を出力し、
前記第3受信アンテナは、受信した電波に基づいて第2受信信号を出力し、
前記スイッチは、前記第1送信アンテナと前記第1変調器が接続されているときに前記第1受信アンテナと前記検波器とを接続し、前記第2送信アンテナと前記第2変調器が接続されているときに前記第3受信アンテナと前記検波器とを接続し、
前記検波器は、前記第1受信信号の前記第1周波数の成分に基づいて前記第1検波信号を生成し、前記第2受信信号の前記第2周波数の成分に基づいて第2検波信号を生成し、
前記画像処理装置は、前記第2検波信号に基づいて前記データを生成する
請求項10乃至12のいずれかに記載の検査装置。
【請求項14】
送信信号を生成する発振器と、
第1送信アンテナ群と、
第1受信アンテナ群と、
前記送信信号が入力される検波器と、
画像処理装置と
を具備し、
前記第1送信アンテナ群は、前記送信信号に基づいて電波を出力する第1送信アンテナを含み、
前記第1受信アンテナ群は、受信した電波に基づいて第1受信信号を出力する第1受信アンテナを含み、
前記検波器は、前記第1受信信号に基づいて第1検波信号を生成し、
前記画像処理装置は、前記第1検波信号に基づいて画像のデータを生成し、
前記第1送信アンテナ群は、送信側接地電極を備え、
前記第1受信アンテナ群は、受信側接地電極を備え、
前記送信側接地電極と前記受信側接地電極とが電気的に分離された
検査装置。
【請求項15】
前記送信側接地電極は、送信側基板に設けられ
前記受信側接地電極は、受信側基板に設けられ、
前記送信側基板と前記受信側基板とが電気的に分離された
請求項14の検査装置。
【請求項16】
送信信号を生成する発振器と、
第1周波数の第1変調用信号を用いて前記送信信号を変調した第1変調波信号を出力する第1変調器と、
前記第1周波数と異なる第2周波数の第2変調用信号を用いて前記送信信号を変調した第2変調波信号を出力する第2変調器と、
前記第1変調波信号に基づいて電波を出力する第1送信アンテナと、
前記第2変調波信号に基づいて電波を出力する第2送信アンテナと、
受信した電波に基づいて第1受信信号を出力する第1受信アンテナと、
受信した電波に基づいて第2受信信号を出力する第2受信アンテナと、
前記送信信号が入力される検波器と、
スイッチと、
画像処理装置と
を具備し、
前記スイッチは、前記第1送信アンテナと前記第1変調器とが接続されているときに前記第1受信アンテナと前記検波器とを接続し、前記第2送信アンテナと前記第2変調器とが接続されているときに前記第2受信アンテナと前記検波器とを接続し、
前記検波器は、前記第1受信信号の前記第1周波数の成分に基づいて第1検波信号を生成し、前記第2受信信号の前記第2周波数の成分に基づいて第2検波信号を生成し、
前記画像処理装置は、前記第1検波信号及び前記第2検波信号に基づいて画像のデータを生成する
検査装置。
【請求項17】
検査装置を用いる検査方法であって、
前記検査装置は、
第1直線に沿って配列された第1送信アンテナ群と、
前記第1直線に平行な第2直線に沿って配列された第1受信アンテナ群と、
送信信号を生成する発振器と、
前記送信信号が入力される検波器と、
スイッチと、
画像処理装置と
を具備し、
前記送信アンテナ群は、第1送信アンテナを含み、
前記受信アンテナ群は、第1受信アンテナ及び第2受信アンテナを含み、
前記スイッチは、前記第1送信アンテナと前記発振器が接続されているときに前記第1受信アンテナと前記検波器とを接続し、
前記第1送信アンテナと前記第1受信アンテナとの第1距離は、前記第1送信アンテナと前記第2受信アンテナとの第2距離より長く、
前記検査方法は、
前記第1送信アンテナが、前記送信信号に基づいて電波を出力するステップと、
前記第1受信アンテナが、受信した電波に基づいて第1受信信号を出力するステップと、
前記検波器が、前記第1受信信号に基づいて、第1検波信号を生成するステップと、
前記画像処理装置が、前記第1検波信号に基づいて画像のデータを生成するステップと、
前記検査装置の前に金属平板を置いた状態で第1補正データを取得するステップと、
前記検査装置の前に前記金属平板を置かない状態で第2補正データを取得するステップと、
前記第1補正データ及び前記第2補正データに基づいて前記第1検波信号が示すデータを補正するステップと
を具備し、
前記第1補正データを取得するステップは、
前記第1送信アンテナが電波を出力するステップと、
前記第1受信アンテナが、受信した電波に基づいて第1補正データ取得用受信信号を出力するステップと、
前記第1補正データ取得用受信信号に基づいて前記第1補正データを生成するステップと
を備え、
前記第2補正データを取得するステップは、
前記第1送信アンテナが電波を送信するステップと、
前記第1受信アンテナが、受信した電波に基づいて第2補正データ取得用受信信号を出力するステップと、
前記第2補正データ取得用受信信号に基づいて前記第2補正データを生成するステップと
を備える
検査方法。
【請求項18】
検査装置を用いる検査方法であって、
前記検査装置は、
送信信号を生成する発振器と、
第1送信アンテナを含む第1送信アンテナ群と、
第1受信アンテナを含む第1受信アンテナ群と、
前記送信信号が入力される検波器と、
画像処理装置と
を具備し、
前記第1送信アンテナ群は、送信側接地電極を備え、
前記第1受信アンテナ群は、受信側接地電極を備え、
前記送信側接地電極と前記受信側接地電極とが電気的に分離され、
前記検査方法は、
前記第1送信アンテナが、前記送信信号に基づいて電波を出力するステップと、
前記第1受信アンテナが、受信した電波に基づいて第1受信信号を出力するステップと、
前記検波器が、前記第1受信信号に基づいて第1検波信号を生成するステップと、
前記画像処理装置が、前記第1検波信号に基づいて画像のデータを生成するステップと、
前記検査装置の前に金属平板を置いた状態で第1補正データを取得するステップと、
前記検査装置の前に前記金属平板を置かない状態で第2補正データを取得するステップと、
前記第1補正データ及び前記第2補正データに基づいて前記第1検波信号が示すデータを補正するステップと
を具備し、
前記第1補正データを取得するステップは、
前記第1送信アンテナが電波を出力するステップと、
前記第1受信アンテナが、受信した電波に基づいて第1補正データ取得用受信信号を出力するステップと、
前記第1補正データ取得用受信信号に基づいて前記第1補正データを生成するステップと
を備え、
前記第2補正データを取得するステップは、
前記第1送信アンテナが電波を送信するステップと、
前記第1受信アンテナが、受信した電波に基づいて第2補正データ取得用受信信号を出力するステップと、
前記第2補正データ取得用受信信号に基づいて前記第2補正データを生成するステップと
を備える
検査方法。
【請求項19】
検査装置を用いる検査方法であって、
前記検査装置は、
送信信号を生成する発振器と、
送信アンテナと、
受信アンテナと、
前記送信信号が入力される検波器と、
前記送信アンテナと前記発振器が接続されているときに前記受信アンテナと前記検波器とを接続するスイッチと、
画像処理装置と、
を具備し、
前記送信アンテナが、前記送信信号に基づいて波長λ0の電波を出力するステップと、
前記受信アンテナが、受信した電波に基づいて受信信号を出力するステップと、
前記検波器が、前記受信信号に基づいて検波信号を生成するステップと、
前記画像処理装置が、前記検波信号に基づいて画像のデータを生成するステップと、
前記送信アンテナと前記受信アンテナとのアイソレーションが極小となる前記送信アンテナと前記受信アンテナとの距離LMINを求めるステップと、
前記送信アンテナと前記受信アンテナとの距離Lを、前記距離LMINの近傍の値となるように設定するステップと、
前記検査装置の前に金属平板を置いた状態で第1補正データを取得するステップと、
前記検査装置の前に前記金属平板を置かない状態で第2補正データを取得するステップと、
前記第1補正データ及び前記第2補正データに基づいて前記検波信号が示すデータを補正するステップと
を具備し、
前記第1補正データを取得するステップは、
前記送信アンテナが電波を出力するステップと、
前記受信アンテナが、受信した電波に基づいて第1補正データ取得用受信信号を出力するステップと、
前記第1補正データ取得用受信信号に基づいて前記第1補正データを生成するステップと
を備え、
前記第2補正データを取得するステップは、
前記送信アンテナが電波を送信するステップと、
前記受信アンテナが、受信した電波に基づいて前記第2補正データ取得用受信信号を出力するステップと、
前記第2補正データ取得用受信信号に基づいて前記第2補正データを生成するステップと
を備える
検査方法。
【請求項20】
検査装置を用いる検査方法であって、
前記検査装置は、
送信信号を生成する発振器と、
第1周波数の第1変調用信号を用いて前記送信信号を変調した第1変調波信号を出力する第1変調器と、
前記第1周波数と異なる第2周波数の第2変調用信号を用いて前記送信信号を変調した第2変調波信号を出力する第2変調器と、
第1送信アンテナと、
第2送信アンテナと、
第1受信アンテナと、
第2受信アンテナと、
前記送信信号が入力される検波器と、
スイッチと、
画像処理装置と
を具備し、
前記スイッチは、前記第1送信アンテナと前記第1変調器とが接続されているときに前記第1受信アンテナと前記検波器とを接続し、前記第2送信アンテナと前記第2変調器とが接続されているときに前記第2受信アンテナと前記検波器とを接続し、
前記検査方法は、
前記第1送信アンテナが、前記第1変調波信号に基づいて電波を出力するステップと、
前記第2送信アンテナが、前記第2変調波信号に基づいて電波を出力するステップと、
前記第1受信アンテナが、受信した電波に基づいて第1受信信号を出力するステップと、
前記第2受信アンテナが、受信した電波に基づいて第2受信信号を出力するステップと、
前記検波器が、前記第1受信信号の前記第1周波数の成分に基づいて第1検波信号を生成し、前記第2受信信号の前記第2周波数の成分に基づいて第2検波信号を生成するステップと、
前記画像処理装置が、前記第1検波信号及び前記第2検波信号に基づいて画像のデータを生成するステップと、
前記検査装置の前に金属平板を置いた状態で第1補正データ及び第2補正データを取得するステップと、
前記検査装置の前に前記金属平板を置かない状態で第3補正データ及び第4補正データを取得するステップと、
前記第1補正データ及び前記第2補正データに基づいて前記第1検波信号が示すデータを補正するステップと、
前記第3補正データ及び前記第4補正データに基づいて前記第2検波信号が示すデータを補正するステップと、
を具備し、
前記第1補正データ及び前記第2補正データを取得するステップは、
前記第1送信アンテナが、前記第1変調波信号に基づいて電波を出力するステップと、
前記第2送信アンテナが、前記第2変調波信号に基づいて電波を出力するステップと、
前記第1受信アンテナが、受信した電波に基づいて第1補正データ取得用受信信号を出力するステップと、
前記第2受信アンテナが、受信した電波に基づいて第2補正データ取得用受信信号を出力するステップと、
前記第1補正データ取得用受信信号の前記第1周波数の成分に基づいて前記第1補正データを生成するステップと、
前記第2補正データ取得用受信信号の前記第2周波数の成分に基づいて前記第2補正データを生成するステップと
を備え、
前記第3補正データ及び前記第4補正データを取得するステップは、
前記第1送信アンテナが、前記第1変調波信号に基づいて電波を出力するステップと、
前記第2送信アンテナが、前記第2変調波信号に基づいて電波を出力するステップと、
前記第1受信アンテナが、受信した電波に基づいて第3補正データ取得用受信信号を出力するステップと、
前記第2受信アンテナが、受信した電波に基づいて第4補正データ取得用受信信号を出力するステップと、
前記第3補正データ取得用受信信号の前記第1周波数の成分に基づいて前記第3補正データを生成するステップと、
前記第4補正データ取得用受信信号の前記第2周波数の成分に基づいて前記第4補正データを生成するステップと
を備える
検査方法。
【請求項21】
第1送信アンテナが第1送信電波を送信するステップと、
前記第1送信アンテナと偏波面が一致する第1受信アンテナが第1受信電波を受信するステップと、
前記第1受信アンテナが前記第1受信電波に基づいて第1受信信号を出力するステップと、
前記第1受信信号に基づいて第1受信信号データを生成するステップと、
前記第1送信アンテナが前記第1送信電波を送信するのと同時に、前記第1送信アンテナと偏波面が直交する第2送信アンテナが第2送信電波を送信するステップと、
前記第2送信アンテナと偏波面が一致する第2受信アンテナが第2受信電波を受信するステップと、
前記第2受信アンテナが前記第2受信電波に基づいて第2受信信号を出力するステップと、
前記第2受信信号に基づいて第2受信信号データを生成するステップと、
前記第1受信信号データ及び前記第2受信信号データに基づいて画像のデータを生成するステップと
を具備する
検査方法。
【請求項22】
前記第1送信アンテナは、第1変調周波数で変調された前記第1送信電波を送信し、
前記第2送信アンテナは、前記第1変調周波数で変調された前記第2送信電波を送信し、
前記第1受信信号の前記第1変調周波数の成分に基づいて前記第1受信信号データを生成し、
前記第2受信信号の前記第1変調周波数の成分に基づいて前記第2受信信号データを生成し、
前記第1送信アンテナが前記第1送信電波を送信するのと同時に、前記第1送信アンテナと偏波面が一致する第3送信アンテナが前記第1変調周波数と異なる第2変調周波数で変調された第3送信電波を送信するステップと、
前記第3送信アンテナと偏波面が一致する第3受信アンテナが第3受信電波を受信するステップと、
前記第3受信アンテナが前記第3受信電波に基づいて第3受信信号を出力するステップと、
前記第3受信信号の前記第2変調周波数の成分に基づいて第3受信信号データを生成するステップと、
前記第1送信アンテナが前記第1送信電波を送信するのと同時に、前記第1送信アンテナと偏波面が直交する第4送信アンテナが前記第2変調周波数で変調された第4送信電波を送信するステップと、
前記第4送信アンテナと偏波面が一致する第4受信アンテナが第4受信電波を受信するステップと、
前記第4受信アンテナが前記第4受信電波に基づいて第4受信信号を出力するステップと、
前記第4受信信号の前記第2変調周波数の成分に基づいて第4受信信号データを生成するステップと
を更に具備し、
前記第3受信信号データ及び前記第4受信信号データに更に基づいて前記画像のデータを生成する
請求項21の検査方法。
【請求項23】
前記第1送信アンテナは、前記第1変調周波数を含む複数変調周波数で変調された前記第1送信電波を送信し、
前記第1受信信号データは、前記第1受信信号の前記複数変調周波数の複数成分に基づいて生成される
請求項22の検査方法。
【請求項24】
前記複数変調周波数は、第3変調周波数と第4変調周波数を含む
請求項23の検査方法。
【請求項25】
前記第1受信信号データを生成するステップは、
前記第1受信信号の前記第1変調周波数の成分に基づいて第1受信信号第1データを生成するステップと、
前記第1受信信号の前記第3変調周波数の成分に基づいて第1受信信号第2データを生成するステップと、
前記第1受信信号の前記第4変調周波数の成分に基づいて第1受信信号第3データを生成するステップと
を備え、
前記第1受信信号データは、前記第1受信信号第1データ、前記第1受信信号第2データ及び前記第1受信信号第3データから異常値データを除いた残りの平均である
請求項24の検査方法。
【請求項26】
前記第1送信アンテナと、前記第2送信アンテナと、前記第1受信アンテナと、前記第2受信アンテナとを備える検査装置の前に金属平板を置いた状態で第1補正データ及び第2補正データを取得するステップと、
前記検査装置の前に前記金属平板を置かない状態で第3補正データ及び第4補正データを取得するステップと、
前記第1補正データ及び前記第3補正データに基づいて前記第1受信信号データを補正するステップと、
前記第2補正データ及び前記第4補正データに基づいて前記第2受信信号データを補正するステップと
を更に具備し、
前記第1補正データ及び前記第2補正データを取得するステップは、
前記第1送信アンテナが電波を送信するステップと、
前記第1受信アンテナが、受信した電波に基づいて第1補正データ取得用受信信号を出力するステップと、
前記第1補正データ取得用受信信号に基づいて前記第1補正データを生成するステップと、
前記第2送信アンテナが電波を送信するステップと、
前記第2受信アンテナが、受信した電波に基づいて第2補正データ取得用受信信号を出力するステップと、
前記第2補正データ取得用受信信号に基づいて前記第2補正データを生成するステップと
を備え、
前記第3補正データ及び前記第4補正データを取得するステップは、
前記第1送信アンテナが電波を送信するステップと、
前記第1受信アンテナが、受信した電波に基づいて第3補正データ取得用受信信号を出力するステップと、
前記第3補正データ取得用受信信号に基づいて前記第3補正データを生成するステップと、
前記第2送信アンテナが電波を送信するステップと、
前記第2受信アンテナが、受信した電波に基づいて第4補正データ取得用受信信号を出力するステップと、
前記第4補正データ取得用受信信号に基づいて前記第4補正データを生成するステップと
を備える
請求項21乃至25のいずれかに記載の検査方法。
【請求項27】
第1送信アンテナと、
前記第1送信アンテナと偏波面が一致する第1受信アンテナと、
前記第1送信アンテナと偏波面が直交する第2送信アンテナと、
前記第2送信アンテナと偏波面が一致する第2受信アンテナと、
第1受信信号データ及び第2受信信号データに基づいて画像のデータを生成する画像処理装置と
を具備し、
前記第1送信アンテナは、第1送信電波を送信し、
前記第1受信アンテナは、第1受信電波を受信し、前記第1受信電波に基づく第1受信信号を出力し、
前記第1受信信号データは、前記第1受信信号に基づいて生成され、
前記第2送信アンテナは、第2送信電波を送信し、
前記第2受信アンテナは、第2受信電波を受信し、前記第2受信電波に基づく第2受信信号を出力し、
前記第2受信信号データは、前記第2受信信号に基づいて生成される
検査装置。
【請求項28】
前記第1送信アンテナと偏波面が一致する第3送信アンテナと、
前記第1送信アンテナと偏波面が直交する第4送信アンテナと、
前記第3送信アンテナと偏波面が一致する第3受信アンテナと、
前記第4送信アンテナと偏波面が一致する第4受信アンテナと
を更に具備し、
前記第1送信アンテナは、第1変調周波数で変調された前記第1送信電波を送信し、
前記第2送信アンテナは、前記第1変調周波数で変調された前記第2送信電波を送信し、
前記第1受信信号データは、前記第1受信信号の前記第1変調周波数の成分に基づいて生成され、
前記第2受信信号データは、前記第2受信信号の前記第1変調周波数の成分に基づいて生成され、
前記第3送信アンテナは、前記第1変調周波数と異なる第2変調周波数で変調された第3送信電波を送信し、
前記第3受信アンテナは、第3受信電波を受信し、前記第3受信電波に基づいて第3受信信号を出力し、
前記第4送信アンテナは、前記第2変調周波数で変調された第4送信電波を送信し、
前記第4受信アンテナは、第4受信電波を受信し、前記第4受信電波に基づいて第4受信信号を出力し、
前記画像処理装置は、前記第3受信信号の前記第2変調周波数の成分に基づく第3受信信号データと、前記第4受信信号の前記第2変調周波数の成分に基づく第4受信信号データとに更に基づいて前記画像のデータを生成する
請求項27の検査装置。
【請求項29】
前記第1送信アンテナは、前記第1変調周波数を含む複数変調周波数で変調された前記第1送信電波を送信し、
前記第1受信信号データは、前記第1受信信号の前記複数変調周波数の複数成分に基づいて生成される
請求項28の検査装置。
【請求項30】
前記複数変調周波数は、第3変調周波数と第4変調周波数を含む
請求項29の検査装置。
【請求項31】
前記第1受信信号の前記第1変調周波数の成分に基づいて第1受信信号第1データが生成され、
前記第1受信信号の前記第3変調周波数の成分に基づいて第1受信信号第2データが生成され、
前記第1受信信号の前記第4変調周波数の成分に基づいて第1受信信号第3データが生成され、
前記第1受信信号データは、前記第1受信信号第1データ、前記第1受信信号第2データ及び前記第1受信信号第3データから異常値データを除いた残りの平均である
請求項30の検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−275591(P2008−275591A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−50661(P2008−50661)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度文部科学省科学技術総合研究委託業務、「重要課題解決型研究等の推進 テロ対策のための爆発物検出・処理統合システムの開発」産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】