説明

検査装置

【課題】装置を小型化でき、かつミラーの調整作業の手間を軽減できる検査装置を提供する。
【解決手段】壜100の胴部101を撮像するカメラ20と、カメラ20により得られた画像に基づいて壜100の異常の有無を診断する診断装置30と、を備えた検査装置1において、壜100の胴部101のうちカメラ20に向いている正面部分Fがカメラ20に直接撮像されるように空間Sが設けられ、壜100の胴部101のうち各側面部分R、Lが映るように空間Sを避けて設けられる第1ミラー41、43と、第1ミラー41、43に映っている像がカメラ20にて撮像されるように空間Sを避けて設けられる第2ミラー42、44と、をさらに備え、診断装置30は、カメラ20にて撮像された正面部分Fの画像及び各側面部分R,Lの画像のそれぞれの大きさが同じになるように正面部分Fの画像を縮小補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査物の検査対象部を互いに異なる方向から撮像し、得られた複数の画像からその被検査物の異常の有無を検査する検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
検査すべき壜の側面を撮像装置で撮像し、得られた画像に基づいて壜の汚れや壜の破損などの壜の異常の有無を検査する検査装置が知られている。このような検査装置として、各光路の長さを等しくするために3枚のミラーを用いて検査すべき壜の正面の像をカメラに導くとともにミラーをそれぞれ2枚ずつ用いて検査すべき壜の左右の側面の像を同じカメラに導き、カメラで撮像された検査すべき壜の正面の画像及び左右の側面の画像に基づいてこの壜の異常の有無を検査する検査装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、容器の搬送経路に複数の検査ステーションが連続して設けられ、各検査ステーションの各容器を共通のカメラで撮影するべく各検査ステーションの各容器の像をそのカメラに導くための複数のミラーを備えた検査装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。この他、搬送経路上に設定された検査位置の周囲に90°毎にミラーを設け、これら各ミラーに映った容器の像を検査位置の上方に設けたカメラでそれぞれ取得する検査装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0003】
【特許文献1】特表平8−505947号公報
【特許文献2】特開平7−260710号公報
【特許文献3】特開2005−134358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の装置では、各光路の長さを等しくするべく検査すべき壜の正面の像をカメラに導く光路には3枚のミラーが用いられ、検査すべき壜の側面の像をカメラに導く光路にはそれぞれ2枚ずつミラーが用いられている。このような検査装置では検査すべき容器の大きさなどに合わせてミラーの角度や位置を調整することがあるが、特許文献1の装置では7枚のミラーを使用するため、それらの調整に手間がかかる。特許文献2の装置も同様に、各検査ステーションの各容器の像が共通のカメラに導かれるように各ミラーの位置や角度を調整する必要があり、調整に手間がかかる。特許文献3の装置では、容器の像を1枚のミラーでカメラに導くため、光路選択の自由度が低い。また、各ミラーを撮影可能な高さにカメラを配置する必要があるため、装置が大型化するおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、装置を小型化でき、かつミラーの調整作業の手間を軽減できる検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の検査装置は、検査位置(P)にある被検査物(100)の検査対象部(101)を撮像する撮像手段(20)と、前記撮像手段により得られた画像に基づいてその被検査物の異常の有無を診断する診断手段(30)と、を備えた検査装置(1)において、前記検査位置にある被検査物の検査対象部のうち前記撮像手段に向いている正面部分(F)が前記撮像手段に直接撮像されるように前記撮像手段と前記検査位置との間に空間(S)が設けられ、前記検査位置にある被検査物の検査対象部のうち前記正面部分の一部及び前記正面部分から外れた部分の両方を含む側面部分(R、L)が映るように前記空間を避けて設けられる第1ミラー(41、43)と、前記第1ミラーに映っている像が前記撮像手段にて撮像されるように前記空間を避けて設けられる第2ミラー(42、44)と、をさらに備え、前記診断手段は、前記撮像手段にて撮像された前記正面部分の画像及び前記側面部分の画像のそれぞれの大きさが同じになるようにこれらの画像のうちの少なくともいずれか一方の画像の大きさを補正する補正手段(31)を備えることにより、上述した課題を解決する。
【0007】
本発明の第1の検査装置によれば、被検査物の検査対象部のうち正面部分を撮像手段で直接撮像するので、使用するミラーの枚数を低減できる。そのため、ミラーの調整作業の手間を軽減できる。この場合、正面部分を撮像手段に導く光路と側面部分を撮像手段に導く光路の長さが異なるため得られる正面部分の画像と側面部分の画像とでは画像の大きさが異なるが、本発明の検査装置では補正手段でこれらの画像の大きさを合わせるので、光路の長さの違いが検査精度に与える影響を十分に抑えることができる。また、本発明の第1の検査装置では、被検査物の検査対象部のうち側面部分の像を第1ミラー及び第2ミラーにて撮像手段に導くので、1枚のミラーで像を導く場合と比較して光路選択の自由度を高めることができる。そのため、光路を適切に設定して装置を小型化することができる。
【0008】
本発明の第2の検査装置は、所定の搬送経路に沿って容器(100)を搬送する搬送手段(10)と、前記搬送手段の側方に配置され、前記所定の搬送経路上に設定された検査位置(P)における容器の胴部(101)を撮像する撮像手段(20)と、前記撮像手段により得られた画像に基づいてその容器の異常の有無を診断する診断手段(30)と、を備えた検査装置(1)において、前記検査位置にある容器の胴部のうち検査対象物の前記撮像手段に向いている正面部分(F)が前記撮像手段に直接撮像されるように前記撮像手段と前記検査位置との間に空間(S)が設けられ、前記検査位置にある容器の胴部のうち前記正面部分からその容器の軸線回りに所定角度右方向へずれた右側面部分(R)が映るように前記空間を避けて設けられる第1右側ミラー(41)と、前記第1右側ミラーに映っている像が前記撮像手段にて撮像されるように前記空間を避けて設けられる第2右側ミラー(42)と、前記検査位置にある容器の胴部のうち前記正面部分からその容器の軸線回りに所定角度左方向へずれた左側面部分(L)が映るように前記空間を避けて設けられ、かつ前記空間を挟んで前記第1右側ミラーと対称に配置される第1左側ミラー(43)と、前記第1左側ミラーに映っている像が前記撮像手段にて撮像されるように前記空間を避けて設けられ、かつ前記空間を挟んで前記第2右側ミラーと対称に配置される第2左側ミラー(44)と、をさらに備え、前記診断手段は、前記撮像手段にて撮像された前記正面部分の画像、前記右側面部分の画像、及び前記左側面部分の画像のそれぞれの大きさが同じになるように各側面部分の画像及び前記正面部分の画像の少なくともいずれか一方の大きさを補正する補正手段(31)を備えることにより、上述した課題を解決する。
【0009】
本発明の第2の検査装置によれば、上述した第1の検査装置と同様に、被検査物の検査対象部のうち正面部分を撮像手段で直接撮像するので、使用するミラーの枚数を低減できる。そのため、ミラーの調整作業の手間を軽減できる。また、補正手段で、正面部分の画像の大きさと各側面部分の画像の大きさとを合わせるので、光路の長さの違いが検査精度に与える影響を十分に抑えることができる。また、本発明の第2の検査装置では、被検査物の検査対象部のうち各側面部分の像を2つのミラーで撮像手段に導くので、1枚のミラーで像を導く場合と比較して光路選択の自由度を高めることができる。そのため、光路を適切に設定して装置を小型化することができる。
【0010】
本発明の第2の検査装置の一形態において、前記補正手段は、前記正面部分の画像が前記右側面部分の画像及び前記左側面部分の画像と同じ大きさになるように前記正面部分の画像を縮小してもよい。この場合、各側面部分の画像を補正する場合と比較して補正を行うべき画像の数を低減できる。そのため、画像の補正を行うことによる検査速度の低下を抑制できる。
【0011】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0012】
以上に説明したように、本発明によれば、被検査物の検査対象部のうち正面部分を撮像手段で直接撮像するので、使用するミラーの枚数を低減できる。そのため、調整作業の手間を軽減できる。また、被検査物の検査対象部のうち側面部分の像を2枚のミラーによって撮像手段に導くので、光路選択の自由度を高めることができる。そのため、光路を適切に設定して装置を小型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本発明の一形態に係る検査装置を示す図である。図1の検査装置1は、被検査物としての壜100の胴部101を撮像し、得られた画像に基づいて壜100の外観の異常の有無を検査するものである。そのため、胴部101が本発明の検査対象部に相当する。検査装置1は、壜100を所定の搬送経路に沿って搬送する搬送手段としての搬送コンベア10と、所定の搬送経路上に設定された検査位置Pにおける壜100の胴部101を撮像するように所定の搬送経路の側方に設けられた撮像手段としてのカメラ20と、カメラ20によって得られた画像に基づいて壜100の異常の有無を診断する診断手段としての診断装置30とを備えている。搬送コンベア10は、胴部101を隠すことなく複数の壜100を立てた状態で支持でき、これら複数の壜100を一列に並べて搬送可能なコンベアであればよい。カメラ20は、レンズ及び例えばCCD、CMOS等の半導体素子を利用したイメージセンサを備え、レンズの視野内に設定される撮影範囲の輝度分布に対応した画像信号を出力する周知のものである。カメラ20として、例えばCCDカメラが使用される。
【0014】
診断装置30は、マイクロプロセッサ及びその動作に必要なRAM、ROM等の周辺機器を有し、カメラ20の出力信号に対して所定の処理を実行するコンピュータユニットとしての演算処理部31と、演算処理部31に対してユーザが指示を入力するための入力部32と、演算処理部31が処理した検査結果及びカメラ20にて撮影された画像等をユーザに提示するための出力部33と、演算処理部31にて実行すべきコンピュータプログラム等が記憶されている記憶手段としての記憶部34とを備えている。診断装置30の演算処理部31、入力部32、出力部33及び記憶部34は、例えばパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータ機器を利用してこれらを構成することができる。この場合、入力部32にはキーボード、マウス等の入力機器が設けられ、出力部33にはモニタ装置が設けられる。プリンタ等の出力機器が出力部33に追加されてもよい。記憶部34には、ハードディスク記憶装置、あるいは記憶保持が可能な半導体記憶素子等の記憶装置が用いられる。
【0015】
図1に示したように検査装置1は、壜100の胴部101のうちカメラ20に向いている正面部分F、壜100の胴部101のうち正面部分Fから壜100の軸線CL回りに所定角度右方向へずれた右側面部分R、及び壜100の胴部101のうち正面部分Fから壜100の軸線CL回りに所定角度左方向へずれた左側面部分Lのそれぞれの像をカメラ20に導く光学系40を備えている。正面部分Fに対する各側面部分R、Lの所定角度には、例えば25°〜60°の範囲内の角度が設定される。なお、図1では、所定角度として45°が設定されている。図1に示したように右側面部分Rには、正面部分Fのうち図1の右側半分及び壜100の胴部101のうち正面部分Fから外れた右側面が含まれる。また、左側面部分Lには、正面部分Fのうち図1の左側半分及び壜100の胴部101のうち正面部分Fから外れた左側面が含まれる。光学系40は、正面部分Fがカメラ20に直接撮像されるように検査位置Pとカメラ20との間に設けられる空間Sと、右側面部分Rが映り、かつ空間Sを避けるように配置された第1右側ミラー41と、第1右側ミラー41に映っている像がカメラ20に撮像されるように空間Sを避けて配置される第2右側ミラー42と、左側面部分Lが映り、かつ空間Sを避けるように配置された第1左側ミラー43と、第1左側ミラー43に映っている像がカメラ20に撮像されるように空間Sを避けて配置される第2左側ミラー44とを備えている。なお、第1右側ミラー41、第2右側ミラー42、第1左側ミラー43、及び第2左側ミラー44は、それぞれ位置や角度を調整可能なように設けられている。
【0016】
図1に示したように空間Sは、壜100の正面部分Fの像が欠けることなくカメラ20の視野範囲Aの中央に導かれるように設定される。第1右側ミラー41は、カメラ20の視野範囲Aに最も近く、かつ壜100の右側面部分Rが映るように位置及び角度が調整される。そして、第2右側ミラー42は、第1右側ミラー41に映っている像が欠けることなく映り、かつ全体がカメラ20の視野範囲A内に入るように設けられる。第1左側ミラー43は、カメラ20の視野範囲Aに最も近く、かつ壜100の左側面部分Lが映るように位置及び角度が調整される。そして、第2左側ミラー44は、第1左側ミラー43に映っている像が欠けることなく映り、かつ全体がカメラ20の視野範囲A内に入るように設けられる。図1に示したように第1右側ミラー41と第1左側ミラー43とは空間Sを挟んで対称に設けられる。同様に第2右側ミラー42と第2左側ミラー44も空間Sを挟んで対称に設けられる。
【0017】
この光学系40によれば、図1に示したように検査位置Pにある壜100の正面部分Fの像はカメラ20に直接導かれる。すなわち、正面部分Fは、ミラーを介さずに直接カメラ20で撮像される。一方、右側面部分Rの像は、第1右側ミラー41及び第2右側ミラー42を介してカメラ20に導かれ、左側面部分Lは、第1左側ミラー43及び第2左側ミラー44を介してカメラ20に導かれる。そのため、図1に示したように正面部分Fとカメラ20とを結ぶ光路L1は、各側面部分L、Rとカメラ20とを結ぶ光路L2、L3と比較して短くなる。
【0018】
図2は、カメラ20で撮像された画像の一例を示している。上述したように光路L1は光路L2、L3と比較して短いため、正面部分Fの画像は右側面部分Rの画像及び左側面部分Lの画像よりも大きくなる。すなわち、正面部分Fの画像の壜100の幅W2は、各側面部分R、Lの画像の壜100の幅W1よりも大きく、正面部分Fの画像の壜100の高さH2は、各側面部分R、Lの画像の壜100の高さH1よりも大きい。
【0019】
次に、検査装置1による壜100の胴部101の検査方法について説明する。壜100が搬送装置10によって検査位置Pに搬送されるとカメラ20によって図2に一例を示した画像が撮像される。この画像は、カメラ20から診断装置30に出力される。診断装置30の演算処理部31では、この画像に対して所定の補正処理を行う。上述したように、正面部分Fの画像は、各側面部分R、Lの画像と比較して大きい。そこで、演算処理部31は、図3に一例を示したように正面部分Fの画像の大きさが各側面部分R、Lの画像の大きさと同じになるように正面部分Fの画像を縮小する補正を行う。画像の縮小は、例えば所定間隔毎に画像データを間引くことにより行う。この際の所定間隔は、カメラ20の画素数に応じて適宜設定され、例えばカメラ20の画素数が150万画素程度の場合は、画素を20本に1本程度間引きする。これにより、図3に示したように正面部分F及び各側面部分R、Lの画像のそれぞれの壜100の高さを同じ高さH1に補正でき、正面部分F及び各側面部分R、Lの画像のそれぞれの壜100の幅を同じ幅W1に補正できる。このように画像の補正を行うことにより、演算処理部31が本発明の補正手段として機能する。
【0020】
その後、補正後の画像を出力部33に出力するとともに、補正後の画像に基づいて壜100の胴部101に傷や汚れがあるか否か診断する。診断方法としては、例えば傷や汚れが無い正常な壜100を光学系40を介してカメラ20で撮像し、その後上述した補正を行った画像データを記憶部34に記憶させておき、この記憶部34に記憶させておいた画像データと今回の画像データとを比較して壜100の異常の有無を診断する周知の診断方法が適用される。なお、診断方法はこの方法に限定されず、今回撮像した画像を2値化し、2値化後の画像データに基づいて診断する方法など容器の異常の有無を診断する周知の方法で診断すればよい。なお、150万画素程度のカメラ20で撮像した場合、壜100の傷や汚れは3画素以上に亘る。そのため、正面部分Fの画像を画素にして20本に1本程度を間引いても、壜100の傷や汚れの見逃しを確実に防止できる。壜100に異常があると診断した場合、演算処理部31は所定の異常対応処理を実行する。異常対応処理としては、例えば出力部33に警告を出力する処理が行われる。また、検査位置Pよりも下流に壜100を搬送経路から排除する排除装置が設けられている場合は、異常のある壜100が搬送経路から除去されるように排除装置を動作させる処理が異常対応処理として行われる。
【0021】
本発明の検査装置1によれば、壜100の胴部101のうち正面部分Fをカメラ20で直接撮像し、ミラーは各側面部分R、Lの像をカメラ20に導く光路L2、L3にのみ使用する。そのため、ミラーの枚数を低減できる。これによりミラーの位置や角度を調整する調整作業の手間を軽減できる。図2に示したようにカメラ20には正面部分Fが各側面部分R、Lよりも大きく撮像されるが、上述したようにこの大きさの違いは診断装置30にて補正される。そのため、光路の長さの違いが検査精度に与える影響を十分に抑えることができる。また、検査装置1では、正面部分Fの画像に対して補正を行うため、補正すべき画像の数を低減できる。そのため、この補正による検査速度の低下を抑制できる。
【0022】
また、本発明の検査装置1では、各側面部分R、Lの像を2枚のミラーでカメラ20に導いているため、1枚のミラーで像をカメラに導く場合よりも光路選択の自由度を高めることができる。そのため、図1に示したようにカメラ20の視野範囲A内において壜100が撮像されていない無駄な範囲を低減することができる。従って、検査装置1を小型化することができる。
【0023】
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施してよい。例えば、本発明の検査装置で検査される被検査物は壜などの容器に限定されない。本発明の検査装置では、互いに異なる方向から撮像し、これら複数の画像に基づいて異常の有無を診断する種々のものを検査してよい。
【0024】
正面部分の画像の大きさと各側面部分の画像の大きさとを同じにする補正は、各側面部分の画像を拡大することにより行ってもよい。また、正面部分の画像を縮小するとともに各側面部分の画像を拡大してこれらの画像の大きさを同じ大きさに合わせてもよい。
【0025】
壜の異常の有無の診断は、画像の大きさを合わせる補正を行う前の画像データに基づいて行ってもよい。この場合、例えば予め傷や汚れが無い正常な壜を光学系を介してカメラで撮像し、この画像データを診断装置の記憶部に記憶させておく。そして、この記憶部に記憶させておいた画像データと今回撮像した補正前の画像とを比較して壜の異常の有無を診断する。この場合、診断装置の出力部には画像の大きさを合わせた補正後の画像データを出力してもよいし、補正前の画像データを出力してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一形態に係る検査装置を示す図。
【図2】カメラで撮像された画像の一例を示す図。
【図3】補正後の画像データの一例を示す図。
【符号の説明】
【0027】
1 検査装置
10 搬送コンベア(搬送手段)
20 カメラ(撮像手段)
30 診断装置(診断手段)
31 演算処理部(補正手段)
41 第1右側ミラー
42 第2右側ミラー
43 第1左側ミラー
44 第2左側ミラー
100 壜(容器、被検査物)
101 胴部(検査対象部)
P 検査位置
S 空間
F 正面部分
R 右側面部分
L 左側面部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査位置にある被検査物の検査対象部を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により得られた画像に基づいてその被検査物の異常の有無を診断する診断手段と、を備えた検査装置において、
前記検査位置にある被検査物の検査対象部のうち前記撮像手段に向いている正面部分が前記撮像手段に直接撮像されるように前記撮像手段と前記検査位置との間に空間が設けられ、
前記検査位置にある被検査物の検査対象部のうち前記正面部分の一部及び前記正面部分から外れた部分の両方を含む側面部分が映るように前記空間を避けて設けられる第1ミラーと、前記第1ミラーに映っている像が前記撮像手段にて撮像されるように前記空間を避けて設けられる第2ミラーと、をさらに備え、
前記診断手段は、前記撮像手段にて撮像された前記正面部分の画像及び前記側面部分の画像のそれぞれの大きさが同じになるようにこれらの画像のうちの少なくともいずれか一方の画像の大きさを補正する補正手段を備えることを特徴とする検査装置。
【請求項2】
所定の搬送経路に沿って容器を搬送する搬送手段と、前記搬送手段の側方に配置され、前記所定の搬送経路上に設定された検査位置における容器の胴部を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により得られた画像に基づいてその容器の異常の有無を診断する診断手段と、を備えた検査装置において、
前記検査位置にある容器の胴部のうち検査対象物の前記撮像手段に向いている正面部分が前記撮像手段に直接撮像されるように前記撮像手段と前記検査位置との間に空間が設けられ、
前記検査位置にある容器の胴部のうち前記正面部分からその容器の軸線回りに所定角度右方向へずれた右側面部分が映るように前記空間を避けて設けられる第1右側ミラーと、前記第1右側ミラーに映っている像が前記撮像手段にて撮像されるように前記空間を避けて設けられる第2右側ミラーと、前記検査位置にある容器の胴部のうち前記正面部分からその容器の軸線回りに所定角度左方向へずれた左側面部分が映るように前記空間を避けて設けられ、かつ前記空間を挟んで前記第1右側ミラーと対称に配置される第1左側ミラーと、前記第1左側ミラーに映っている像が前記撮像手段にて撮像されるように前記空間を避けて設けられ、かつ前記空間を挟んで前記第2右側ミラーと対称に配置される第2左側ミラーと、をさらに備え、
前記診断手段は、前記撮像手段にて撮像された前記正面部分の画像、前記右側面部分の画像、及び前記左側面部分の画像のそれぞれの大きさが同じになるように各側面部分の画像及び前記正面部分の画像の少なくともいずれか一方の大きさを補正する補正手段を備えることを特徴とする検査装置。
【請求項3】
前記補正手段は、前記正面部分の画像が前記右側面部分の画像及び前記左側面部分の画像と同じ大きさになるように前記正面部分の画像を縮小することを特徴とする請求項2に記載の検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−162524(P2009−162524A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−339775(P2007−339775)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(390014661)キリンテクノシステム株式会社 (126)
【Fターム(参考)】