説明

検査装置

【課題】検査対象となる光源からの光の光学特性が正確に検査できることで、検査効率の向上を図ることができると共に、高い検査信頼性を得ることができる。
【解決手段】検査装置は、検査対象となるLEDからの光を採光部2により取り込み、LEDの光学的な検査を分光器により行うためのものである。採光部2は、LEDに向けて光を取り入れるための開口部が設けられていると共に、取り入れた光を分光器へ出力する光ファイバ4が基端部に設けられたカップ状のケース部21と、LEDから開口部を通じて光ファイバ4へ至るまでの光軸を含む範囲以外の範囲を遮蔽する環状に形成された遮蔽部材221がケース部21内の奥行き方向に沿って10枚配置され、光軸に対して斜行して開口部に入射する光を制限する光調整部とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源の光学特性を検査するための検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光源の一例であるLEDは、発光素子がパッケージに封止され発光装置として製造された後、所望とする電気特性および光学特性が得られるか検査される。または、LEDの発光輝度、色度によってランク分けするために検査される。
【0003】
このような検査に使用される検査装置として、特許文献1に記載されたものが知られている。
【0004】
特許文献1に記載の電子部品の検査装置は、リードフレームの各電子部品に高い温度に加熱した加熱体を被せた状態で高温での性能検査を行い、加熱体を各電子部品から離した状態で常温での性能検査を行うようにすることで、常温および高温での性能検査を一つのステージにて能率的に行えるようにしたものである。
【0005】
一方、矩形状のリードフレーム枠に縦列および横列に並べられたLEDの光学的な検査を行う際には、図9に示すように行われる。
【0006】
図9に示す検査装置では、縦列および横列に並べられたLED10の上方に、LED10からの光を取り込み、取り入れた光を図示しない分光器へ出力するための採光部101が一列に配置されている。この採光部101には、分光器へ伝送するための光ファイバ102が基端部に接続されたケース部103が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−340973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、検査対象のLED10だけでなく、検査対象以外のLED10も点灯させて、同時に検査を行おうとすると、図10に示すようにケース部103内には、直下にある検査対象のLED10からの光だけでなく、検査対象以外のLEDからの光がケース部103内に進入する。検査対象以外のLEDからの光は、ケース部103の直下に位置していないため、ケース部103の内周面を反射しながら進行して光ファイバ102内まで到達する。そうなると、検査対象のLEDと同時に点灯させた検査対象以外のLEDの光の影響を受けてしまうため、誤った測定結果となってしまい、誤判定の原因となる。
【0009】
例えば、検査対象のLEDのみを点灯させ、他のLEDを点灯させないようにしたり、ケース部103同士の間を離間させてケース部103内に進入しない程度に検査対象のLEDから離れた位置のLEDを検査したりするようにすれば、検査対象以外のLEDからの光がケース部103内に入射することを回避することができる。
【0010】
しかし、LED10を1個ずつしか点灯させなかったり、検査対象のLEDから離れた位置のLEDを検査したりするのでは、図9に示すような縦列および横列に配置されたLED全部を検査するには効率が低下してしまう。
【0011】
そこで本発明は、検査対象となる光源からの光の光学特性が正確に検査できることで、検査効率の向上を図ることができると共に、高い検査信頼性を得ることができる検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の検査装置は、検査対象となる光源(以下、検査光源と称す。)からの光を採光部により取り込み、前記検査光源の光学的な検査を行うための検査装置であって、前記採光部は、前記検査光源に向けて光を取り入れるための開口部が設けられていると共に、取り入れた光を光学的測定装置へ出力する受光部が基端部に設けられたカップ状のケース部と、前記検査光源から前記開口部を通じて前記受光部へ至るまでの光軸を含む範囲以外の範囲を遮蔽する環状に形成された遮蔽部材が前記ケース部内の奥行き方向に沿って2以上配置され、前記光軸に対して斜行して前記開口部に入射する光を制限する光調整部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、最初の遮蔽部材が遮ると共に、最初の遮蔽部材を通過しても次の遮蔽部材が進行を遮ることができるため、検査対象となる光源からの光の光学特性が正確に検査できることで、検査効率の向上を図ることができると共に、高い検査信頼性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1に係る検査装置の構成を示す図
【図2】リードフレーム枠に支持され、縦列および横列に並べられた検査対象となるLEDを示す平面図
【図3】検査対象となる光源であるLEDを示す斜視図
【図4】図1に示す検査装置の接点ブロックの構造を説明するための図、(A)は開放状態を示す図、(B)は通電状態を示す図
【図5】図1に示す検査装置の採光部の構造を説明するための図、(A)は垂直断面斜視図、(B)は正面図、(C)は断面図
【図6】図1に示す検査装置の使用状態を示す図
【図7】本発明の実施の形態2に係る検査装置の採光部および分光器を示す図
【図8】本発明の実施の形態3に係る検査装置の採光部の使用状態を示す図
【図9】従来の検査装置を説明するための図
【図10】従来の検査装置の採光部を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0015】
本願の第1の発明は、検査対象となる光源からの光を採光部により取り込み、検査光源の光学的な検査を行うための検査装置であって、採光部は、検査光源に向けて光を取り入れるための開口部が設けられていると共に、取り入れた光を光学的測定装置へ出力する受光部が基端部に設けられたカップ状のケース部と、検査光源から開口部を通じて受光部へ至るまでの光軸を含む範囲以外の範囲を遮蔽する環状に形成された遮蔽部材がケース部内の奥行き方向に沿って2以上配置され、光軸に対して斜行して開口部に入射する光を制限する光調整部とを備えたことを特徴とした検査装置である。
【0016】
第1の発明によれば、検査対象の光源から出射された光軸に含まれる範囲の光を、ケース部の奥側に位置する受光部に到達させ、測定装置へ出力させることができる。検査対象以外の光源からの光は、検査光源を測定する採光部の光軸に対して斜行した光となり、検査光源を測定する採光部へ入射してしまうが、最初の遮蔽部材が遮ると共に、最初の遮蔽部材を通過しても、ケース部の内側に反射して更にケース部の奥側へ進行しようとする光を、次の遮蔽部材が遮ることができるため、誤測定を防止することができる。
【0017】
本願の第2の発明は、第1の発明において、遮蔽部材は、ケース部の開口部側より奥側の方の開口が大きく形成されていることを特徴とした検査装置である。
【0018】
第2の発明によれば、検査対象の光源からの光が受光部に入射する際に、遮蔽部材が検査対象となる光まで遮蔽することなく到達させることができる。
【0019】
本願の第3の発明は、第1または第2の発明において、採光部が向けられた検査光源に電源を供給して電気特性を測定する電気的測定装置を備えたことを特徴とした検査装置である。
【0020】
第3の発明によれば、検査光源の光学特性と電気特性とを同時に測定することができる。
【0021】
本願の第4の発明は、第1または第2の発明において、採光部が向けられた検査光源に隣接する光源に電源を供給して電気特性を測定する電気的測定装置を備えたことを特徴とした検査装置である。
【0022】
第4の発明によれば、検査光源と隣接する光源を発光させても、採光部で遮蔽することができるので、検査光源の光学特性を測定しつつ、隣接する光源の電気特性を同時に測定することができる。
【0023】
本願の第5の発明は、第1から第4のいずれかの発明において、複数配置された採光部は光学的測定装置に共通して接続され、複数配置された採光部が向けられた検査光源を選択的に発光させる手段を設けていることを特徴とした検査装置である。
【0024】
第5の発明によれば、検査光源を選択的に発光させることで、複数配置された採光部が排他的に使用されるので、光学測定装置へは、常に1つの検査光源からの光が入力されることができる。従って、複数の採光部が光学的測定装置を共通して使用するため、コストを抑制することができる。
【0025】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る検査装置について図面に基づいて説明する。
【0026】
図1に示す検査装置1は、矩形枠状のリードフレーム枠Fに縦列および横列に配置されたLED10の光学的な特性を検査する検査装置である。本実施の形態1では、リードフレーム枠Fに、長手方向に横列として15列、短手方向に縦列として8列のLED10が配列されている。また図2のようにリードフレーム枠Fの大きなサイズのものを使用してもよい。
【0027】
LED10は、切断される前の枝リードフレームF1が両端部から突出してリードフレーム枠Fと繋がることで、リードフレーム枠Fに支持されている。LED10は、図3に示すように、凹部が形成されたパッケージ10aと、パッケージ10aの凹部に搭載された発光素子10bと、発光素子10bからの光に励起されて波長変換した光を発生する蛍光体を含有した封止樹脂を凹部に充填することで発光素子10bを封止した樹脂封止部10cと、発光素子10bのアノードおよびカソードに繋がるアノード端子10xおよびカソード端子10yとを備えている。
【0028】
図1に示すように、検査装置1は、検査対象のLED10に先端部21x(図5参照)を向けて光を取り込む採光部2が設けられている。この採光部2の基端部21y(図5参照)には、取り込んだ光をLED10の光学特性を測定する光学的測定装置である分光器3へ伝送するための光ファイバ4が接続されている。
【0029】
また、検査装置1には、配列されたLED10のそれぞれに端子へ電源を供給するための通電手段として機能する接点ブロック5が裏面側に設けられている。接点ブロック5には、LED10へ電源を供給すると共に、LED10の電気特性について検査する電気的測定装置6が接続されている。
【0030】
図4(A)および(B)に示すように、接点ブロック5は、リードフレーム枠Fを支持するステージ51に、LED10のアノード端子10xおよびカソード端子10yに接して電源を供給する一対の接点52がそれぞれLED10に対応してマトリクス状に配列されている。この一対の接点52は、後述する制御装置により、図4(A)に示すように開いた状態(開放状態)としたり、図4(B)に示すように閉じた状態(通電状態)としたり制御される。
【0031】
電気的測定装置6は、LED10へ接点52を介して電源を供給して、LED10に流れる電流を測定し、電気測定データとして出力する機能を備えている。
【0032】
更に、検査装置1には、接点ブロック5の接点52を制御したり、検査基準に基づいて、分光器3が測定した光学測定データを判定したり、電気的測定装置6が測定した電気測定データを判定したりする制御装置7が設けられている。
【0033】
ここで、採光部2の構成について、図1および図5(A)〜(C)に基づいて詳細に説明する。
【0034】
採光部2は、リードフレーム枠Fの短手方向に沿って、かつ間を空けて2台(採光部2a,2b)が配置されている。採光部2は、カップ状に形成されたケース部21と、ケース部21内に配置された光調整部22とを備えている。
【0035】
ケース部21には、先端部21xに、LED10に向けて光を取り入れるための開口部211が設けられている。ケース部21には、光ファイバ4の先端部の端面(入射面)を露出させた状態で、基端部21yに取り付けて受光部として機能させるための取付部材212が設けられている。本実施の形態1では、ケース部21が先端部から基端部までの直径を同じとしたカップ状に形成されている。ケース部21は、例えば、高さを約9cm、外径を約2.5cmとすることができる。
【0036】
光調整部22は、検査対象のLED10から開口部211を通じて光ファイバ4の端面へ至るまでの光軸Hを含む所定範囲以外の範囲を遮蔽する環状の遮蔽部材221がケース部21内に開口部211からの奥行き方向に沿って所定間隔ごとに配置されたものである。本実施の形態1では、遮蔽部材221は中央部に貫通孔を有する円盤状に形成され、10枚設けられている。開口部211からの5枚は検査対象となるLED10からの光の通過範囲となる開口の直径が約1cmに形成され、この5枚から奥側に位置する5枚は開口の直径が約1.3cmに形成されている。つまり、遮蔽部材221はケース部21の開口部側より奥側の方の開口が大きく形成されている。
【0037】
以上のように構成された本発明の実施の形態1に係る検査装置の動作および使用状態を図面に基づいて説明する。
【0038】
図1に示すように、制御装置7は採光部2a,2bの直下に位置する光学特性の検査対象のLED10に対応する接点ブロック5の接点52を閉塞して、電気的測定装置6から所定電圧の電源を供給する。
【0039】
この電源の供給により検査対象のLED10が点灯する。電気的測定装置6はLED10が点灯することで流れる接点52からの電流を測定して、順方向電流などを示す電気測定データが制御装置7へ出力される。そして、制御装置7は、電気測定データを入力して、LED10が電気特性の規格を満足しているか否かを判定する。
【0040】
次に、光学特性の測定について説明する。検査対象となるLED10は複数あるため、これをLEDx1、x2とする。
【0041】
図6に示すように、一方の採光部2aには、その直下に位置するLEDx1から光軸Hと同じ方向で、直上方向の光である直上光G1が入射する。また、他方の採光部2bには、同様に、その直下に位置するLEDx2からの直上方向の光である直上光G2が入射する。ところが、一方の採光部2aにはLEDx1からだけでなくLEDx2から斜め上方に出射した光が入射してしまう。また、他方の採光部2bにはLEDx2からだけでなくLEDx1から斜め上方に出射した光が入射してしまう。つまり、LEDx1、x2からの光は、直上光G1、G2に対して斜行した光として、検査対象以外のLEDx1、x2を測定する採光部2へ入射する。
【0042】
しかし、採光部2a,2bのケース部21の内側面には、遮蔽部材221が設けられているため、例えば、光路K1により示されるLEDx2から光は、一方の採光部2aの開口部からケース部21内に入射した後、4段目の遮蔽部材221、ケース部21の内側面、3段目の遮蔽部材221の裏側面に反射して、8段目の遮蔽部材221に至りながら減衰していくことで、受光部である光ファイバ4の先端面に入射することが防止される。
【0043】
また、光路K2により示されるLEDx2から光は、一方の採光部2aの開口部からケース部21内に入射した後、2段目の遮蔽部材221、ケース部21の内側面、1段目の遮蔽部材221の裏側面に反射し、次に、4段目の遮蔽部材221、ケース部21の内側面、3段目の遮蔽部材221の裏側面に反射し、そして、6段目および5段目の遮蔽部材221と9段目および8段目の遮蔽部材221との間を反射しながら減衰することで、光ファイバ4の先端面に入射することが防止される。
【0044】
光ファイバ4に入射した光は分光器3により輝度やスペクトル等が測定され、分光器3から光学測定データとして出力される。制御装置7では、光学測定データに基づいて規格を満足しているか否かを判定したり、LED10(x1、x2)を輝度や色度に応じてランク分けしたりする。
【0045】
検査対象のLED10の電気特性および光学特性について検査が終了すると、制御装置7は採光部2a,2bを次の検査対象のLED10の直上位置まで図示しない駆動手段により移動させる。具体的には、制御装置7は、まず、X方向(図1参照)にLED10の1個分移動させて検査を継続する。X方向のLED10全部が終了すれば、採光部2a,2bを元の位置に復帰させ、Y方向に一列分移動させる。そして、Y方向の全部が終了すれば、検査は完了となる。
【0046】
このように、採光部2aの光ファイバ4にはLEDx1からの光のみが入射し、採光部2bの光ファイバ4にはLEDx2からの光のみが入射することで、LEDx1とLEDx2とを同時に点灯させても、検査対象以外のLEDからの光が光ファイバ4に入射することを回避することができる。従って、検査装置1は検査対象となる光源からの光の光学特性が正確に検査できることで、検査効率の向上を図ることができると共に、高い検査信頼性を得ることができる。
【0047】
また、開口部211側の遮蔽部材221で光を絞り込むことにより、検査装置1周囲の検査環境を暗室構造にすること無く高精度な検査が可能である。
【0048】
また、遮蔽部材221はケース部21の開口部側より奥側の方の開口が大きく形成されていることで、光ファイバ4に検査対象のLEDからの光が入射する際に、遮蔽部材221が検査対象となる光まで遮蔽することがなくなる。
【0049】
反対に開口部211側の遮蔽部材221より奥側の遮蔽部材221の方の開口が小さく形成されていると、光の一部が遮蔽部材221に遮蔽されながら光ファイバ4に到達するため、検査対象のLEDが発した光を精度良く測定することができなくなる。従って、ケース部21の開口部側より奥側の方が、遮蔽部材221の開口が大きく形成されていることで、更に光学特性の精度を向上させることができる。
【0050】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る検査装置を図7に基づいて説明する。なお、図7においては図1と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
【0051】
実施の形態1では、2台の採光部2a,2bにそれぞれ分光器3が接続されているが、1台の分光器3を2台の採光部2a,2bが共通して使用することができる。1台の分光器3を2台の採光部2が共通して使用するときには、測定する側の採光部2に対応する接点ブロック5の接点52を制御装置7が選択的に通電状態とする。このように、制御装置7および接点ブロック5を、検査対象のLEDを選択的に発光させる手段として機能させて、複数の採光部2を排他的に使用すれば、2台以上の採光部2を用いる場合でも分光器3が1台あればよい。そうすることで、分光器3が1台で済むためコストを抑制することができる。また、一方の採光部2aにて検査し、他方の採光部2bにて検査を行うように、排他的に複数の採光部2を使用しても、検査に要する時間は接点52のオン・オフ時間程度であるため、2台の採光部2にて同時に検査を行う場合と比較して、検査時間に与える影響は少ない。
【0052】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る検査装置を図8に基づいて説明する。なお、図8においては図6と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
【0053】
図8に示す検査装置は採光部2c,2dのケース部21の外径が、図6に示す採光部2a,2bより細く形成されている以外は同様の構成を有している。
【0054】
採光部2c,2dは、それぞれのケース部21の外径が約5〜6mmに形成され、隣接して配置されている。図8に示す位置では、採光部2cは直下のLEDx1を検査することができ、採光部2dは直下のLEDx3を検査することができる。LEDx1とLEDx3とは、1個のLEDx4の両側に位置している。
【0055】
実施の形態3に係る採光部2c,2dが、実施の形態1に係る採光部2a,2b(図6参照)より細く形成されているため、検査対象のLEDx1,x3とその間に位置するLEDx4が同時に点灯したり、検査対象のLEDx1,x3と隣接するLEDx4や、LEDx3と隣接するLEDx5が同時に点灯したりして、検査対象ではないLEDx4,x5からの光が採光部2c,2d内へ侵入しても、遮蔽部材221とケース部21の内側面とに反射を繰り返すうちに減衰して、ケース部21の奥部に位置する受光部である光ファイバ4の先端面に入射することを防止することができる。
【0056】
このように、採光部2c,2dのようにケース部の外径が、検査されるLEDの配置間隔に合わせて設定されていることで、検査対象のLEDx1,x3に隣接するLEDx4を点灯させても、検査対象のLEDx1,x3の光学特性について正確に測定することができる。従って、実施の形態3に係る検査装置においても、検査効率の向上を図ることができると共に、高い検査信頼性を得ることができる。
【0057】
検査対象のLEDx1,x3に隣接するLEDx4やLEDx5を同時に点灯させることができるので、例えば、LEDx1,x3の光学特性の測定を行いながら、LEDx4,LEDx5の電気特性の測定を行うことができる。
【0058】
LEDx1,x3の光学特性の測定を行いながら、LEDx4,LEDx5の電気特性の測定を行うときには、まず、図1に示す制御装置7が光学特性の検査対象のLEDx1,x3に対応する接点ブロック5の接点52を閉塞して、電気的測定装置6から所定電圧の電源を供給する。また、制御装置7は電気特性の検査対象のLEDx4,x5に対応する接点ブロック5の接点52を閉塞して、電気的測定装置6から所定電圧の電源を供給する。
【0059】
この電源の供給により、検査対象のLEDx1,x3が点灯すると共に、LEDx4,x5も点灯する。
【0060】
それぞれの採光部2c,2dの光ファイバ4に入射したLEDx1,x3からの光は、分光器3により輝度やスペクトル等が測定され、分光器3から光学測定データとして出力される。制御装置7では、光学測定データに基づいて規格を満足しているか否かを判定したり、LEDx1,x3を輝度や色度に応じてランク分けしたりする。
【0061】
そして、電気的測定装置6はLEDx4,x5が点灯することで流れる接点52からの電流を測定して、順方向電流などを示す電気測定データが制御装置7へ出力される。そして、制御装置7は、電気測定データを入力して、LEDx4,x5が電気特性の規格を満足しているか否かを判定する。
【0062】
このようにして、検査対象のLEDについて光学特性を測定しながら、このLEDに隣接したLEDが点灯しても電気特性を同時に測定することができる。
【0063】
なお、実施の形態3では、3個並んだうち中央のLEDx4を挟むLEDx1およびLEDx3を検査対象とする採光部2c,2dに基づいて説明したが、採光部の外径が更に細い場合には、隣接するLEDx1,x4を検査対象の光源とすることができる。
【0064】
このような場合に、図1に示す分光器3が2台あれば、LEDx1,x4の光学特性を同時に測定してもよい。しかし、例えば、図7に示すように採光部が2台あるが、分光器3が1台しかなければ、一方のLEDの光学特性を測定しながら、他方のLEDの電気特性の測定を行い、次に、一方のLEDの電気特性を測定しながら、他方のLEDの光学特性の測定を行うようにしてもよい。そうすることで、採光部の移動をせずに光学特性と電気特性を交互に測定することができる。
【0065】
以上、本発明の実施の形態に係る検査装置では、検査対象の光源としてLEDを例に説明した。しかし、光源はLEDに限らず発光するもので光学特性の測定が検査として必要となるものであれば適用することができる。
【0066】
また、本実施の形態では遮蔽部材221をケース部21内に10枚設けているが、遮蔽部材221の枚数は、検査対象のLED10の光軸Hに対して検査対象以外のLED10からの光の斜行する角度に応じて決定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、検査対象となる光源からの光の光学特性が正確に検査できることで、検査効率の向上を図ることができると共に、高い検査信頼性を得ることができるので、光源の光学特性を検査するための検査装置に好適である。
【符号の説明】
【0068】
1 検査装置
2,2a,2b,2c,2d 採光部
3 分光器
4 光ファイバ
5 接点ブロック
6 電気的測定装置
7 制御装置
10 LED
10a パッケージ
10b 発光素子
10c 樹脂封止部
10x アノード端子
10y カソード端子
21 ケース部
21x 先端部
21y 基端部
22 光調整部
51 ステージ
52 接点
211 開口部
212 取付部材
221 遮蔽部材
H 光軸
F リードフレーム枠
F1 枝リードフレーム
G1,G2 直上光
K1,K2 光路
x1,x2,x3,x4,x5 LED

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象となる光源(以下、検査光源と称す。)からの光を採光部により取り込み、前記検査光源の光学的な検査を行うための検査装置であって、
前記採光部は、
前記検査光源に向けて光を取り入れるための開口部が設けられていると共に、取り入れた光を光学的測定装置へ出力する受光部が基端部に設けられたカップ状のケース部と、
前記検査光源から前記開口部を通じて前記受光部へ至るまでの光軸を含む範囲以外の範囲を遮蔽する環状に形成された遮蔽部材が前記ケース部内の奥行き方向に沿って2以上配置され、前記光軸に対して斜行して前記開口部に入射する光を制限する光調整部とを備えたことを特徴とする検査装置。
【請求項2】
前記遮蔽部材は、前記ケース部の開口部側より奥側の方の開口が大きく形成されている請求項1記載の検査装置。
【請求項3】
前記採光部が向けられた検査光源に電源を供給して電気特性を測定する電気的測定装置を備えた請求項1または2記載の検査装置。
【請求項4】
前記採光部が向けられた検査光源に隣接する光源に電源を供給して電気特性を測定する電気的測定装置を備えた請求項1または2記載の検査装置。
【請求項5】
複数配置された採光部は光学的測定装置に共通して接続され、
前記複数配置された採光部が向けられた検査光源を選択的に発光させる手段を設けた請求項1から4のいずれかの項に記載の検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−11542(P2013−11542A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145188(P2011−145188)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】