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検査装置
説明

検査装置

【課題】操作性を向上しやすい。
【解決手段】棒状の像を窓部6に向かって表示する円盤部材7が円筒部3内に設けられている。円盤部材7の軸8にはプーリ12が固定されている。ハンドル9の軸10にはプーリ11の軸11aが連結している。プーリ11とプーリ12との間にはベルト14が巻き掛けられている。ハンドル9を回すと、これに連動して円盤部材7が回転する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査装置、特に、棒状の像を表示する表示部材を回転可能な検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自覚的視性垂直位検査(又は自覚的視性水平位検査)は、被験者にとっての自覚的な垂直位(又は水平位)と客観的な垂直位(又は水平位)とのずれを測定する検査である。非特許文献1では、この検査に用いる装置として、望遠鏡型の測定装置が提案されている。この装置は、円筒形状の本体を有しており、本体の一端にはダイヤルが設けられている。ダイヤルの内表面には視標が付されており、被験者は、本体の他端から本体内部を通じてダイヤル内の視標を覗くことができる。被験者は、本体を水平に配置すると共に、視標を目視しながらダイヤルを操作して視標を回転させる。そして、垂直に配置されたと被験者が自覚した視標の位置と実際の視標の位置とのずれが、ダイヤルの角度目盛りから読み取られる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Equilibrium Research Vol.69(6) 432〜436ページ,2010
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1の装置では、視標を目視できる位置に被験者の顔を配置すると、ダイヤルはおのずと視線の先に配置されることとなる。したがって、ダイヤルを操作するためには必ず手を視線の高さまで上げなければならない。このように、視標がダイヤルに直接付されていると、ダイヤルと被験者との位置関係がおのずと固定され、ダイヤルを操作しにくい装置となるおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、操作性を向上しやすい検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の検査装置は、外部と内部とを連通させる開口を有する筐体と、前記筐体内に配置され、前記開口に向かう一方向に交差する方向に沿った棒状の像を前記開口に向かって表示する表示部材と、前記一方向に沿った第1の回転軸に関して前記表示部材を回転可能に支持する第1の支持部材と、前記一方向に交差する方向に関して前記筐体から離隔した被操作部材と、前記一方向に沿った第2の回転軸に関して前記被操作部材を回転可能に支持する第2の支持部材と、前記被操作部材が回転した際にその回転と同じ方向に前記表示部材が回転するように前記被操作部材と前記表示部材とを連動させる第1の連動手段と、前記被操作部材を前記第2の回転軸に関して回転させるのに必要な力を調節可能な調節手段と、第3の回転軸の回転方向に関する位置を検出するエンコーダと、前記表示部材が回転した際にその回転と同じ方向に前記第3の回転軸が回転するように前記表示部材と前記第3の回転軸とを連動させる第2の連動手段とを備えている。
【発明の効果】
【0007】
被操作部材と表示部材とを連動させる連動手段を設けることで、被操作部材を筐体から離隔して配置できる。このため、被操作部材と表示部材との位置関係を比較的自由に調整できる。したがって、操作性を向上しやすい装置構成が実現する。例えば、被操作部材を筐体の下方に配置すれば、被験者は操作のために手を上げておく必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る検査装置の正面図である。
【図2】検査装置の左側面図である。
【図3】図3(a)は検査装置の右側面図である。図3(b)は、図3(a)のストッパーボルト付近の拡大図である。
【図4】図1の検査装置内に配置された円盤部材の左側面図である。
【図5】制御部周辺の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】検査装置を使用して実施する検査の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態に係る検査装置1について図1〜図5を参照しつつ説明する。
【0010】
検査装置1は、図1に示すように、本体2を有している。本体2は、円筒部3、制御ボックス4及び伝達機構収容部5を有している。円筒部3、制御ボックス4及び伝達機構収容部5は、内部に複数の部材を収容している。伝達機構収容部5は、水平方向に関して、固定板16を挟んで円筒部3の一端に固定されている。伝達機構収容部5は、円筒部3より若干上方まで延びている。制御ボックス4は、円筒部3の上面であって、円筒部3と伝達機構収容部5の上部との間に配置され、円筒部3及び伝達機構収容部5に固定されている。
【0011】
本体2下部には第1脚部21〜第3脚部23が固定されている。第1脚部21は、上部21a及び下部21bを有している。上部21aは、円筒部3において伝達機構収容部5とは反対側の端部に固定されている。下部21bは上部21aに対して着脱可能である。第1脚部21の下部21bの下端には水平部25が固定されている。水平部25の両端のそれぞれには、接地部24が、図1の矢印Aの方向に回転させることで鉛直方向に関する位置を調整できるように固定されている。第2脚部22及び第3脚部23は、互いに同様の構成を有しており、それぞれ上部及び下部からなる。例えば、第2脚部の上部22aは、固定板16の下端部に固定されている。下部22bは上部22aに対して着脱可能である。下部22bの下端には、接地部24が、図1の矢印Bの方向に回転させることで鉛直方向に関する位置を調整できるように固定されている。
【0012】
このように、第1脚部21〜第3脚部23のそれぞれが、上部に対して下部が着脱可能に構成されている。これより、装置使用時には下部を上部に取り付けて使用すると共に、使用時以外には、下部を上部から取り外して装置全体を箱や棚等にコンパクトに収容できる。また、鉛直方向に関して接地部24の位置をそれぞれ調整できるので、装置を載せた台や床に多少の傾斜や凹凸があっても、装置本体2を水平に配置することが可能である。以下、各部材の方向に関する説明においては、装置本体2が水平に配置されていることを前提とする。
【0013】
次に、円筒部3、制御ボックス4及び伝達機構収容部5のそれぞれについてより詳細に説明する。円筒部3は、円筒形の筐体を有している。この筐体は、中心軸が図1の左右方向(本発明における一方向)に沿うように配置されている。筐体の一端には開口3aが形成されており、この開口3aを通じて円筒部3の内部と外部とが連通している。開口3aには窓部6が設けられている。
【0014】
窓部6は、ウレタンフォームなどの弾力性のあるスポンジ状の弾性素材で形成されている。弾性素材としては、ゴムなどのその他の弾性材料が用いられてもよい。窓部6は、図1及び図2に示すように筒状であり、図2において概略的に楕円形状を有している。窓部6は、被験者が側面から顔の上部を窓部6に押し付けると、両眼がちょうど窓部6の開口3a内に収まる大きさに調整されている。窓部6は、鉛直方向に関して円筒部3のちょうど中央に配置されている。被験者の両眼の周囲が窓部6に押し付けられると、弾性素材の変形により顔面が窓部6に隙間なく密着しやすい。被験者の顔面が窓部6に隙間なく密着すると、窓部6が密閉される。
【0015】
円筒部3内には、中空の円盤部材7(表示部材)が設けられている。円盤部材7の円形の表面には、図4に示すように、その直径に沿ってスリット7aが形成されている。スリット7aは、直径の一端付近から他端付近まで延びている。円盤部材7内には、図1に示すようにチューブ状の発光体31が設けられている。発光体31には、ネオン管やLEDなど、どのような方式の発光体が用いられてもよい。発光体31から射出される光のオン、オフ及び強度は、後述の制御部32によって制御される。
【0016】
円盤部材7は、図1に示すように、円筒部3内において、水平方向に関して窓部6とは反対側の端部に、鉛直方向に関して円筒部3の中央に配置されている。発光体31が点灯すると、発光体31からの光がスリット7aを介して窓部6に向かって射出される。これにより、円盤部材7は、スリット7aに沿った棒状の像を窓部6に向かって表示する。円盤部材7において、窓部6とは反対側の側面には、円盤軸8が固定されている。円盤軸8は、図1の左右方向に沿っており、円盤部材7の中心軸の位置に配置されている。
【0017】
円筒部3内には、円盤部材7及び円盤軸8以外の部材は何も設けられておらず、円盤部材7以外の部分は空洞である。また、窓部6を密閉してしまうと、円盤部材7からの光以外に円筒部3内の空間に光が入らないように、円筒部3の内表面ができるだけ厳密な遮光性を有していることが好ましい。円盤部材7以外からの光が入り込み、円筒部3内の幾何的構造が目視できてしまうと、被験者が円筒部3内の構造との対比から垂直方向を類推しやすくなり、検査の精度が低下するおそれがあるためである。
【0018】
円筒部3の下方にはハンドル9が設けられている。ハンドル9は、図1の左右方向に沿ったハンドル軸10に固定されている。ハンドル軸10は、ハンドル軸支部材40に回転可能に支持されている。ハンドル軸支部材40は後述の伝達機構100の一部材である。
【0019】
伝達機構収容部5は、下方に開口した筐体を有している。筐体内には、ハンドル9の回転によって発生した駆動力を円盤部材7や後述のエンコーダ33に伝達する伝達機構100が収容されている。伝達機構100は、円盤軸8を支持する支持部材17を有している。円盤軸8は、一端において支持部材17に、他端付近において固定板16に、回転可能に支持されている。
【0020】
また、伝達機構100は、ハンドル軸支部材40、第1プーリ11〜第3プーリ13、並びに、第1ベルト14及び第2ベルト15を有している。ハンドル軸支部材40は、図3(a)の矢印Cの方向に回転可能に軸支部41によって固定板16に支持されている。ハンドル軸支部材40は、軸支部41から斜め下方に沿ったアーム部40aと、アーム部40aの下端付近から上方へと突出した突出部40bとを有している。アーム部40aにおいて軸支部41とは反対側の端部には、図1の右方に向かって突出したグリップ42が固定されている。アーム部40aの長さ方向にほぼ中央には、ハンドル軸10を回転可能に支持する軸支部43が設けられている。
【0021】
アーム部40aにおいて、軸支部41と軸支部43との間には、ストッパー板44が固定されている。ストッパー板44は、アーム部40aにおいて、図3(a)の左斜め下に面した側面に固定されている。図3(a)において、ストッパー板44のさらに左斜め下には、ストッパーボルト45が配置されている。ストッパーボルト45は、支持金具46によって固定板16に取り付けられている。支持金具46は、図3(b)の矢印Eに沿ってボルト頭部が首を振るように回転可能に固定板16に支持されている。ストッパーボルト45の螺子部は、支持金具46側の螺子孔に嵌合している。ストッパーボルト45を回転させると、図3(b)に示すように、ボルト頭部を支持金具46から矢印Dに沿ってストッパー板44に向かって出し入れすることができる。通常、ストッパーボルト45はボルト頭の表面がストッパー板44の側面に平行に当接した状態に配置される。これにより、ハンドル軸支部材40がストッパーボルト45に支持される。
【0022】
突出部40bは、図3(a)に示すように、矢印Cに沿った回転方向にほぼ沿うように湾曲しており、回転方向に沿って延びるスリット40cが形成されている。スリット40cには、緊締具47の螺子部が貫通している。緊締具47の螺子部は、スリット40cを貫通すると共に、固定板16に形成された螺子孔と嵌合している。固定板16に対して緊締具47を締め付けることにより、緊締具47と固定板16との間に突出部40bを挟みこんで固定できる。逆に、固定板16に対して緊締具47を緩めると、グリップ42を掴んで移動させることにより、矢印の方向にハンドル軸支部材40を回転させることができる。
【0023】
第1プーリ11〜第3プーリ13は、図3(a)に示すように、いずれも円盤形状を有しており、周面には多数の歯が周方向に沿って配列されている。第1プーリ11(第1の回転体)及び第2プーリ12(第2の回転体)は互いに同じ大きさを有し、歯の構成も同様である。第3プーリ13はこれらのプーリ中で最も大きい。第1プーリ11は、図1に示すように、ハンドル9との間に軸支部43を挟む位置に配置されている。第1プーリ11には、図1の左右方向に沿って延びる軸11aが固定されており、この軸11aはハンドル軸10に連結されている。第2プーリ12及び第3プーリ13は、円盤軸8に固定されている。第1ベルト14(伝達部材)は第1プーリ11と第2プーリ12との間に掛け渡されており、第2ベルト15は第3プーリ13と後述のエンコーダ33の軸33aとの間に掛け渡されている。第1ベルト14のプーリ側の周面には、第1プーリ11の歯及び第2プーリ12の歯とちょうど噛み合うように構成された歯が周方向に沿って配列されている。第2ベルト15のプーリ側の周面には、第3プーリ13の歯及びエンコーダ33の軸33aの歯(後述)とちょうど噛み合うように構成された歯が周方向に沿って配列されている。
【0024】
伝達機構100は、円盤部材7の基準位置を規定する規定機構を有している。円盤部材7の基準位置とは、スリット7aが鉛直方向に沿って配置される位置(図4に示す位置)である。規定機構は、第3プーリ13及び固定板16のそれぞれに形成された孔と、調整ピン51とからなる。2つの孔の位置は、図3(a)の視点で互いに一致した場合に、円盤部材7のスリット7aがちょうど鉛直方向に沿うように調整されている。調整ピン51は、孔よりわずかに径が小さく形成されている。孔の位置を揃えた上で調整ピン51を両方の孔に挿し通すことで、円盤部材7を基準位置に配置させることができる。
【0025】
以下、伝達機構100の機能について説明する。ユーザや被験者がハンドル9を回転させると、それによって発生した駆動力は、ハンドル軸10、第1プーリ11、第1ベルト14及び第2プーリ12を介して円盤軸8へと伝達される。これにより、円盤部材7が、被験者がハンドル9を回転させたのと同じ方向に同じ角度だけ回転する。
【0026】
ここで、被験者が静止したハンドル9を回転させるのに必要な力は、静止状態で第1ベルト14に作用している張力が大きいほど大きい。第1ベルト14の張力は、第1プーリ11の回転に抗する力となるためである。ハンドル9を回転させるのに必要な力が被験者にとって大きすぎる場合には、本装置による検査を円滑に実施できないおそれがある。一方、第1ベルト14が弛みすぎていると、ハンドル9を回転させても第1ベルト14の歯が第1プーリ11の歯や第2プーリ12の歯に噛み合わず、駆動力が円滑に伝達されないおそれもある。
【0027】
そこで、本実施形態では、ハンドル軸支部材40を以下の通りに回転させることで、第1ベルト14の張り具合、つまり、第1プーリ11の回転に抗する力の大きさを調整できる。まず、第1ベルト14が弛みすぎている場合には、緊締具47を緩めると共に、ストッパーボルト45をストッパー板44から後退させ、離隔させる(図3(b)参照)。これにより、ストッパーボルト45とストッパー板44との間に、ハンドル軸支部材40を図3(b)において時計回りに回転させるのに必要なスペースを確保できる。
【0028】
そして、ハンドル軸支部材40を時計回りに回転させる。これにより、ハンドル軸10と連結された第1プーリ11の回転軸が下方に移動するため、第1プーリ11及び第2プーリ12間の距離が大きくなる。よって、第1ベルト14の張りが強くなる。この状態で、緊締具47を固定板16に対して締め付け、ハンドル軸支部材40を固定する。さらに、ストッパーボルト45をストッパー板44に向かって突出させると共に、支持金具46を図3(b)の矢印Eの方向に回転させてボルト頭の表面がストッパー板44の表面に平行に配置されるようにストッパーボルト45の位置を調整する。これにより、ストッパーボルト45をストッパー板44に当接させ、ストッパー板44を支持させる。
【0029】
一方、第1ベルト14が張りすぎている場合には、緊締具47を緩めた後、ハンドル軸支部材40を図3(b)において反時計回りに回転させる。これにより、ハンドル軸10と連結された第1プーリ11の回転軸が上方に移動するため、第1プーリ11及び第2プーリ12間の距離が小さくなる。よって、第1ベルト14の張りが弱くなる。そして、ストッパーボルト45をストッパー板44に向かって突出させると共に、支持金具46を図3(b)の矢印Eの方向に回転させてボルト頭の表面がストッパー板44の表面に平行に配置されるようにストッパーボルト45の位置を調整する。これにより、ストッパーボルト45をストッパー板44に当接させ、ストッパー板44を支持させる。
【0030】
なお、本実施形態の伝達機構100のうち、ハンドル9と円盤部材7とを連動させる第1プーリ11、第2プーリ12及び第1ベルト14が、本発明における第1の連動手段に対応する。また、円盤部材7とエンコーダ33の軸33aとを連動させる第2プーリ12及び第2ベルト15が、本発明における第2の連動手段に対応する。さらに、第1プーリ11及び第2プーリ12間の距離を調節可能に構成されたハンドル軸支部材40、緊締具47、ストッパー板44及びストッパーボルト45が、本発明における調節手段に対応する。
【0031】
伝達機構収容部5の側面には、図3(a)に示すように、表示器52及び操作ボタン53が設けられている。表示器52は、最大で5桁の数値や文字、符号等の記号をデジタル表示する機器である。表示器52は、後述の制御部32からの制御信号に基づき、数値等の記号を表示する。操作ボタン53は、装置の状態をユーザが操作するためのボタンである。伝達機構収容部5には、ボタンボックス54からのケーブルが接続される接続部5aが設けられている。ボタンボックス54の上面には、被験者が押下する決定ボタン55が設けられている。操作ボタン53及び決定ボタン55が押下されると、ボタン押下を示す信号がそれぞれ後述の制御部32に出力される。
【0032】
制御ボックス4は、表面や内部に電子基板や各種のスイッチ等、装置の電気系の構成を主に収容している。制御ボックス4の側面には、図1に示すように、電源スイッチ61及び明度調整スイッチ62が設けられている。電源スイッチ61は、検査装置1のオン及びオフを切り替えるスイッチである。明度調整スイッチ62には十字の溝が形成されており、プラスドライバーで回転させることができる。明度調整スイッチ62の回転方向に関する位置は発光体31の明るさに対応している。例えば、図1の視点で時計回りに明度調整スイッチ62を回すほど発光体31からの光の強度が高いことに対応する。明度調整スイッチ62の位置を示す信号は、後述の制御部32に出力される。制御ボックス4の上面には水準器63が設けられている。水準器63の表示に従って鉛直方向に関する接地部24の位置を調整することで、本体2を水平に配置できる。
【0033】
制御ボックス4内には、エンコーダ33及び制御部32が設けられている。エンコーダ33の軸33aには、上述の通り、第3プーリ13との間に第2ベルト15が掛け渡されている。この軸33aは、第2ベルト15に形成された歯とちょうど噛み合うように形成された歯を有している。また、この軸33aは、図3(a)に示すように、第3プーリ13と比べると径がかなり小さい。エンコーダ33は、回転方向に関して所定の零点位置に対する軸33aの位置を計測し、計測結果を制御部32に出力する。例えば、図3(a)の視点で、軸33aが零点位置に対して時計回りにα度(α>0)回転している場合には、+αを示す信号を制御部32に出力する。一方、軸33aが零点位置に対して反時計回りにβ度(β>0)回転している場合には、−βを示す信号を制御部32に出力する。エンコーダ33は、制御部32から所定の制御信号が入力された場合に、その時点での軸33aの位置を零点位置に更新する。
【0034】
制御部32は、プロセッサ、メモリなどの記憶機器の他、各種の電子部品からなるハードウェアと、記憶機器に記憶されたソフトウェアとから構成されている。ソフトウェアとハードウェアとが協働して機能することにより、制御部32の機能が実現されている。制御部32には、図5に示すように、操作ボタン53、決定ボタン55、エンコーダ33及び明度調整スイッチ62から信号が入力される。制御部32は、これらの入力信号に基づき、エンコーダ33、表示器52及び発光体31を制御する。以下、制御部32による一連の制御について、ユーザが本装置を使用して検査を実施する流れに沿って説明する。図6は、検査の流れを示すフローチャートである。
【0035】
まず、ユーザが電源スイッチ61をオンにする(ステップS1)。このとき、制御部32は、起動したことを示す記号等を表示器52に表示させた後、起動直後の待機状態であることを示す記号等を表示器52に表示させる。そして、制御部32は、図6に示すように、発光体31をオンにする。このとき、制御部32は、明度調整スイッチ62からの入力信号に対応する明るさの光を射出するように発光体31を制御する。以下、発光体31がオンの状態の時には、制御部32は、明度調整スイッチ62からの入力信号に基づいて発光体31からの光の強度を調整する。
【0036】
次に、ユーザは、第3プーリ13及び固定板16のそれぞれに形成された孔の位置を合わせると共に、調整ピン51を両方の孔に刺し通す。これによって、円盤部材7が基準位置に設定される(ステップS2)。次に、ユーザは、操作ボタン53を長押しする(ステップS3)。制御部32は、操作ボタン53が押されたままの期間が所定の長さを超えたと判定すると、零点位置を更新するように指示する制御信号をエンコーダ33へと出力する。これによって、エンコーダ33は、円盤部材7が基準位置にあるときを零点位置に再設定する。また、制御部32は、発光体31をオフにする。
【0037】
なお、操作ボタン53が長押しされている間に、制御部32が表示器52に、操作ボタン53を押した時間の長さを示す記号等を表示させてもよい。例えば、操作ボタン53の長押しが開始されると、表示器52に複数本のバーを「−−−−」のように表示させる。操作ボタン53が押されている間、このバーを一本ずつ消していく。そして、所定の時間が経過し、全てのバーを消したら、零点位置を更新すると共に、零点位置を更新したことを示す「0°」を表示器52に表示させる。
【0038】
次に、ユーザは、調整ピン51を孔から抜き取った後、基準位置から所定の角度(例えば、+40度)だけハンドル9を回転させ、ハンドル9の位置を初期設定する(ステップS4)。次に、ユーザは、操作ボタン53を押す(ステップS5)。制御部32は、操作ボタン53の押下を示す操作ボタン53からの入力信号に基づき、発光体31をオンにすると共に、検査モードを開始する。検査モードでは、被験者が窓部6から円筒部3内を覗き、円盤部材7上に表示された棒状の像を目視しつつ、ハンドル9を回転させる(ステップS6)。被験者は、円盤部材7上の像が垂直に沿ったと認識したら、決定ボタン55を押下する(ステップS7)。
【0039】
制御部32は、決定ボタン55の押下を示す決定ボタン55からの入力信号に基づき、その時点でのエンコーダ33からの入力信号が示す角度を表示器52に表示させると共に、その表示を維持させる(ステップS8)。また、制御部32は、発光体31をオフにする。ユーザは、表示器52の表示に基づき、検査結果を記入する。そして、ユーザがハンドル9を所定の角度だけ回転させる(ステップS9)。制御部32は、エンコーダ33からの入力信号に基づき、円盤部材7が基準位置から所定の角度(例えば、5度)以上回転したと判定すると、1回の検査を終了する。そして、次の検査に関するステップS4からの工程が繰り返される。
【0040】
以上説明した本実施形態の検査装置によると、ハンドル9が円筒部3の下方に配置されている。このため、被験者が円筒部3内を目視しつつハンドル9を操作する際、顔の位置よりも下方に手を置くことができ、操作しやすい。また、ハンドル軸支部材40を回転させることにより、第1プーリ11と第2プーリ12との間の距離を変更可能である。これによって、被験者がハンドル9を円滑に回転できるように第1ベルト14の張り具合を調整できる。さらに、窓部6が弾性材料からなるため、顔面を押し付けた際に窓部6が密閉されやすく、外部からの光が円筒部3内に入りにくい。このため、光が入りやすく円筒部3内の構造が目視されやすい場合と比べて、検査の精度が高い。
【0041】
以下、本実施形態の変形例について説明する。
【0042】
[1]上述の実施形態では、基準位置からの円盤部材7の角度をエンコーダ33が検出し、表示器52が角度を表示する。しかし、例えば第2プーリ12に角度に関する目盛りが形成されており、その目盛りをユーザが目視で読み取ることにより検査結果を検出できるように、本装置が構成されていてもよい。
【0043】
[2]上述の実施形態では、ハンドル9と円盤部材7とを連動させる連動手段がプーリとベルトにより構成されている。しかし、これら以外により連動手段が構成されていてもよい。例えば、プーリとベルトの代わりに複数のギアが設けられており、このギアがハンドル9の回転を円盤部材7に伝達するように連動手段が構成されていてもよい。この場合、ハンドル9やギアの回転に抗する力を発生させる構成と、その力を調整する構成とが設けられていることが好ましい。例えば、ハンドル軸10やギアの軸に当接し、これらの回転に抗するような摩擦力を発生させるブレーキ部材と、このブレーキ部材を軸に押し付ける力を調節可能な調節機構とを設けることが考えられる。なお、本変形例によると、ギアが本発明の伝達部材に対応する。
【0044】
[3]上述の実施形態では、円盤部材7内の光源として、チューブ状の発光体31が設けられている。しかし、複数のLED電球が直線状に配列されてもよい。また、液晶ディスプレイなど、その他の表示方式が用いられてもよい。
【0045】
[4]上述の実施形態では、主に自覚的視性垂直位検査を実施する場合が想定されているが、自覚的視性水平位検査を実施する場合に本発明が適用されてもよい。この場合、スリット7aが水平に配置される位置が円盤部材7の基準位置となるように装置が構成されればよい。
【0046】
[5]上述の実施形態では、検査の流れに応じて発光体31をオンにしたりオフにしたりしている。しかし、このように発光体31のオン・オフが変化するモードと、装置の電源がオンになっている期間は常に発光体をオンにするモードとを切り替え可能に装置が構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 検査装置
3 円筒部
3a 開口
6 窓部
7 円盤部材
7a スリット
9 ハンドル
11〜13 プーリ
14,15 ベルト
31 光源
32 制御部
33 エンコーダ
40 ハンドル軸支部材
52 表示器
100 伝達機構


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部と内部とを連通させる開口を有する筐体と、
前記筐体内に配置され、前記開口に向かう一方向に交差する方向に沿った棒状の像を前記開口に向かって表示する表示部材と、
前記一方向に沿った第1の回転軸に関して前記表示部材を回転可能に支持する第1の支持部材と、
前記一方向に交差する方向に関して前記筐体から離隔した被操作部材と、
前記一方向に沿った第2の回転軸に関して前記被操作部材を回転可能に支持する第2の支持部材と、
前記被操作部材が回転した際にその回転と同じ方向に前記表示部材が回転するように前記被操作部材と前記表示部材とを連動させる第1の連動手段と、
前記被操作部材を前記第2の回転軸に関して回転させるのに必要な力を調節可能な調節手段と、
第3の回転軸の回転方向に関する位置を検出するエンコーダと、
前記表示部材が回転した際にその回転と同じ方向に前記第3の回転軸が回転するように前記表示部材と前記第3の回転軸とを連動させる第2の連動手段とを備えていることを特徴とする検査装置。
【請求項2】
前記第1の連動手段が、前記被操作部材に固定された第1の回転体と、前記表示部材に固定された第2の回転体と、前記第1及び第2の回転体と当接しつつ移動することで、一方の回転体から他方の回転体へと駆動力を伝達する1又は複数の伝達部材とを有しており、
前記調節手段が、前記第1及び第2の回転体、並びに、伝達部材のいずれかの移動に抗する力を発生させると共に、その力の大きさを調整可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記伝達部材が、前記第1及び第2の回転体間に掛け渡された、弾性材料からなるベルト部材であり、
前記調節手段が、前記第1及び第2の回転体間の距離を変更可能な変更手段を有していることを特徴とする請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記一方向に沿って前記開口の外部へと突出する窓部が前記開口に形成されており、
前記窓部の少なくとも一部が弾性材料からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項5】
ユーザによる入力を受け付ける第1の入力手段と、
前記エンコーダによる検出結果を表示する表示手段と、
前記第1の入力手段によって入力が受け付けられたタイミングにおける前記表示部材の回転方向に関する位置を前記表示手段に表示させる制御手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項6】
ユーザによる入力を受け付ける第2の入力手段をさらに備えており、
前記制御手段が、
前記第2の入力手段によって入力が受け付けられた後に、前記第1の入力手段によって入力が受け付けられたタイミングにおける前記表示部材の回転方向に関する位置を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項5に記載の検査装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−94661(P2013−94661A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−97482(P2012−97482)
【出願日】平成24年4月23日(2012.4.23)
【分割の表示】特願2011−241090(P2011−241090)の分割
【原出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(511266612)
【Fターム(参考)】